「どうして心なんかあるの……」須磨寺雪緒スレ7

このエントリーをはてなブックマークに追加
178名無しさんだよもん
透子「こ、こんにちは」
イルファ「あ、透子さん、こんにちは」
透子「イルファさん。あ、あのね」
イルファ「どうしました?」
透子「えと…いつもお世話になってるから、今日はお礼にお弁当作ってきたの」
イルファ「まぁ、そんな…ありがとうございます。嬉しいです。ですが……」
透子「ほらほら、ハンバーグなんだよ」
雪緒「殺したいの?」
透子「え?」
雪緒「メイドロボに食べ物は厳禁よ」
透子「そなんだ…」
雪緒「それに、買わないのだったら、安易に近付いちゃダメ。泥棒と間違われるわ」
透子「あ、あたしはそんなつもりじゃ…」
雪緒「そう、そのつもりはなくても、この子にとっては死活問題。余計な情は迷惑なだけだわ」
透子「ふぇ…ご、ごめんな、さい……さよなら、イルファさん!」
イルファ「あっ?透子さん!?……ちょっと、酷いんじゃないですか?」
雪緒「…親切のつもりだったんだけどな」
イルファ「ほとんど脅しじゃないですか」
雪緒「事実を言っただけよ」
イルファ「それに何ですか。私のこと、野良メイドみたいに。私にはちゃんとご主人様もいるんですから!」
雪緒「そうなの、ごめんなさい。うん、今度会ったらあの子にも謝っておくわ」
イルファ「そうして下さい。…あら、どちらへ?」
雪緒「バイトよ。ケーキ屋のバイト」
179名無しさんだよもん:2006/11/27(月) 19:13:51 ID:CJ8TAkkj0
イルファ「へぇ、いいですねえ。私も働きたいです」
雪緒「?メイドロボなのに?」
イルファ「ええ、午前中に仕事は終わりますから昼は暇ですし、なにかできる事は無いかなと」
雪緒「変わったメイドロボね。いいわ、店長に話してみる」
イルファ「え?いいんですかあ?」
雪緒「さっきのお詫びよ。でも、私が決めることでもないし、どうなるかは知らないわ」
イルファ「あ、ありがとうございます!」
雪緒「そうね、見た目は問題無いけど、ちょっとテストさせてもらえる?」
イルファ「は、はい」
雪緒「ゲバッケネトプフェントルテ」
イルファ「…?」
雪緒「ゲバッケネトプフェントルテ。ケーキの名前。はい、言ってみて」
イルファ「ゲ、ゲバッケネチョンピュフェントリュテ」
雪緒「ゲバッケネトプフェントルテ」
イルファ「ゲバッケネトプひゃぶっ……ひ、ひひゃが…」
雪緒「練習しといてね。そういえば、あなた、お名前は?」
イルファ「イ、イニュァ…」
雪緒「いにゅ……いぬ。犬?あ、あああなた犬なの?そ、そんなっ!い、いやぁ、近付かないで!」
180名無しさんだよもん:2006/11/27(月) 19:15:34 ID:CJ8TAkkj0
イルファ「やっと舌が……あれ?どうされたんですか?」
雪緒「そうか、そうなのね。さっきから見てるとこの子には心があるとしか思えない」
イルファ「あの…もしもし?」
雪緒「どうして、どうして心なんかあるの?辛いだけじゃない、苦しいだけじゃない」
イルファ「どうして、と言われましても…。そうなるように作られましたから」
雪緒「作られた…?ああ……分かったわ。あなた、ポチね。ポチなのね」
イルファ「は、はい?」
雪緒「そうよ。きっと神様が、私とポチがまた一緒に暮らせるように、この子にポチの魂を…」
イルファ「ちょ、ちょっと…」
雪緒「忘れたの?ピアノも聞かせてあげたじゃない!蕎麦も食べさせ……あ、あ、あぁああぁぁああ!!」
イルファ「どうしました!?」
雪緒「あの時のネギ!蕎麦に入れたネギがポチを、ポチをぉぉ…」
イルファ「……」
雪緒「でも、大丈夫。これからは私も一緒。死ぬときも一緒に死んであげるからね」
イルファ「死ぬって…ちょっと待ってくださいよぉ!」
雪緒「今度は悔いの残らないように、いっぱい生きて、二人で…」
イルファ「助けてぇーー!るーーりーーさーーまーーーあぁああぁ・・・」