第二回 葉鍵板最萌トナメ ブロック準決勝 Round76!!

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415deathsh@dow_2/2 ◆TGiSGYt4CQ
>>412の続き
「クワァーッ!」
黒い方のカラスが晴子に向かって鳴いた。
「アンタ.....そら!?」
手にしたパックが手から離れ地面に落ちる。
「隣の白いのんは......まさか.....まさか.....」
思わず晴子はカラスに向かって話し掛け
そして駆け寄ろうとした。
「カァーッ!」
幾分高めの声で白い方も晴子に向かって鳴いた。
そして二羽とも空へ飛び立って行った。
「!」
二羽のカラスは晴子に挨拶をするかの様に
晴子の上空を一周旋回した後、西の空に一直線に飛んでいった。
晴子はしばらく二羽が去っていった西の空を見つめていた。
「フッ」と晴子は小さく溜息をつく
「あいつ...あの子を連れて来てくれたんか...」
ポツリと彼女は呟いた。
「二人共元気でやっとるんやな.....
ウチも気張らんとアカンわ」
晴子は目の縁に光るものをそっと拭い
地面に落ちたパックを拾い上げる。
それをバッグに押し込みバイクのエンジンをかける。
キュキュイキュイ!バルンッッッバッバッバッ.....
重低音だが小気味良い音を立てバイクは始動した。
ヘルメットを被り、晴子はもう一度西の空を見つめる
「またいつか会おうな、今度はウチの家にも遊びに来ぃや」
晴子はヘルメットの中で呟くとバイクのギアを入れた。
オレンジ色の夕暮れは赤紫から夜の濃紺へと彩りを変えつつあった.......

END