第二回 葉鍵板最萌トナメ ブロック準決勝 Round76!!

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412deathsh@dow_1/2 ◆TGiSGYt4CQ
SS初挑戦です!

出先から帰る途中の夕方、晴子は武田商店前にいた。
そう、この場所は観鈴を看取った場所..........
そして「そら」と別れた場所でもあった。

あれからどれだけ経ったのか......
バイクのエンジンを切り、ヘルメットを脱いだ晴子は
ふと自動販売機に目をやった。
あの日と変わらぬラインナップ...
「どろり濃厚ピーチ味」「ゲルルンジュース」もそのままだ。
100円を入れて「どろり濃厚ピーチ味」のボタンを押す。
「ゴドンッ!」っとパックジュースのものとは思えないような
いかにも重いものが落ちたような落下音と共にジュースは出てきた。

出てきたパックを取り出して
ずっしりとした重厚感を手に確かめつつ、
岸壁に行って飲もうかと振り返って
階段に向かおうとした時、晴子の足は止まった。
階段の手すりには数羽のカラスがとまっていた。
カラスは晴子が近づくと一斉に飛び立ってしまったが
その内の2羽は他の仲間が飛び立っても一向に飛ぼうとせずに
手すりの鉄パイプの上にとまったままだった。
「え............?」カラスを見た晴子は一瞬目を疑った。
二羽居る内の一羽のカラスは......白いカラスだったのだ。