「とりあえず朝方までは応募期間を待ってみようかと思う」
「まああんま長引きすぎてもあれやしな。けど待っとる間ここの進行はどないするん?」
確かに呼び名が決まるまでここで待ちぼうけと言うのもなんだ。
呼び名自体は最低、朝方まで選択は待つとしてその間にも他にやれることがあるのではなかろうか?
呼び名の選択は定めた時間が過ぎて以降に適当に貯まったと書き手が判断したなら
こちらに投下すればよいとして、その間、ただ指をくわえて見ているというのも面白くあるまい。
とりあえず今、俺にやれることは……
A 試しにプロローグだけでも書いてみる
B 主人公の組織の設定とかを考えてみる
C プログラム担当と音楽担当がそろそろ気になる
D じっくり待ちぼうけでもいいじゃないか
B
「主人公の組織の設定とかを考えてみるつもりだ」
主人公の河野貴明が所属している悪の秘密結社についても設定を考えないと書き辛いだろう。
「とりあえず悪の秘密結社の目的は世界征服でいいだろう」
「一番分かりやすいしな」
悪の秘密結社、せめてその組織名や河野貴明の呼び名ぐらいは決めておくべきだ。
「たいがい悪の秘密結社っちゅうのは古代の超科学をひっさげたてたり、
地球侵略を目論む宇宙人やったり、人間界を支配しようとする邪神や暗黒神の軍団やったりする。
もちろん既存の警察や軍では歯が立たない、そこで変身ヒロインが必要になってくる。
今回は魔法少女モノやし、悪の組織は“暗黒神の軍団”あたりの設定がええやろ」
「そうだな、じゃあ“破壊神ガディm――
「それはやめとき、何やあっさりやられるファンタジー系のボスみたいな名前や」
「む、それなら“次元皇帝エンペラーリーf――」
「だからそういうのは止めとき、どうせ仮面ラ○ダーの首領みたいに実体は必要ないんや。
適当なオリジナルの名前でもつけといたほうが無難やで」
「そ、そうか…それなら“暗黒神ブラックシモカワ”率いる悪の軍団“ダークネスリーフ”
というのはどうだ」
「そんなもんやろ、ベタベタやけどこういうのは分かりやすいに越したことはない」
「後は…主人公の呼び名か」
「あんまり偉すぎても下っ端でもアカン、実力はあるけどまだ若い中堅幹部っちゅうところやな」
「ふむ…では“魔導騎士タカアキ”みたいな感じでどうだ?」
「うーん、ちょっと厨くさいけどええやろ。また不都合があれば変更すれば問題ないし」
「一応敵の組織や主人公の設定についても決まったな」
「せやな、ほんなら次はどうする。朝までそんなに時間もないけど」
「そうだな――
A ちょっとプロローグを書いてみる
B その時、プログラム担当の高槻がやって来た
C その時、音楽担当の緒方英二がやって来た
D 女幹部の麻生明日菜についても考えてみる
E 時間もないしまったり待つ
A
「ちょっとプロローグを書いてみるか。何かあったほうが雰囲気などがわかりやすいだろう」
そういうと、表情をわずかに歪めた由宇が俺に向き直る。
「簡単に言うなぁ。プロローグはある意味一番重要な所なんやで?
体験版みたいなもんを出すにしても、はじめから引きずり込まなければすぐにポイ。
手にとってももらえへん。系統は違うけど、ONE、KANON、AIRとかはごく短いプロローグにも
かかわらず雰囲気や季節に引き込ませる。
雫、痕なんかも狂気や謎をにじませることでストーリーの期待感をあおる。
ちょっとヘッドホンせんと天いなのプロローグやってきてみい。度肝を抜かれるで」
叩きつけられるように由宇から言葉が降ってくる。そういわれると、少し簡単に
いいすぎだったかも知れない。
「まぁ、そうは言ってもまずは書いてみないことにははじまらん。よし、いったって。
キャッチーな内容みせてや」
どっちなんだ。
うってかわって楽しそうにしている由宇を見ながら俺はプロローグの内容を考え始めた。
A いきなり主人公がメインヒロインとしているところから
B 雑魚敵をヒロイン達が倒すところから
C メインヒロインが学校に通っているシーンから
D ヒロイン達3人のレズシーンから
E 主人公とヒロイン達と女幹部が5人で歌いながら踊っているシーンから
F お好きなプロローグの内容を書いてください
F 貴明が肉奴隷を調教しながらモニターで仇敵の魔法少女の活躍を眺めるシーンから
「んっ……ちゅっ……はむっ……んむっ……」
淫らな水音がする中、薄暗い部屋の一室で革張りのソファに俺は腰掛けていた。
明かりもつけず、壁に掛けられたモニターを見つめる。
「……これが噂の敵か」
『いくわよ、まじかる☆ウインドカッター!』
『皐月さん大丈夫ですか、まじかる☆ヒール』
一人の魔法少女の放った風の刃がガイコツの兵隊を切り裂き、もう一人の魔法少女が
回復魔法を唱える。
暗黒神ブラックシモカワ様率いる我らが軍団 “ダークネスリーフ” が禁術で生み出した
兵士や魔獣は、たった二人の魔法少女に圧倒されていた。
「よもや俺達に逆らえる人間がいたとは」
ブラックシモカワ様が唱えられた黒魔術による世界征服。
強大な魔法技術に人間の警察も軍も無力であった。
順調だと思われていた地上征服、その進行がここに来て停滞してる。
『ぐぎゃああぁぁああーー!!!』
モニターの中では今週の怪人…もといダークネスリーフが作り出した狼型の魔獣が爆発炎上した。
これで何度目の失敗になるだろうか。
「そろそろ俺の出番かな」
呟きながら視線を下ろした。
「んぅっ……んむぅ……はむっ……」
そこでは一人の女性が膝立ちになり、俺の股間に顔を埋めて口内奉仕を続けている。
メイドらしい白い長手袋と黒のニーソックスを履かせているが、それ以外は裸だ。
代わりに奴隷の証である首輪を填めさせている。
この間の戦いで捕らえた妖精族の娘の一人で、たしかリムリスとか言う家付き妖精だ。
最初は泣き叫んで抵抗していたが、今ではすっかり従順な肉奴隷メイドになっている。
「出すよ」
「んんぅっ!……んっ…んくっ…」
一言だけ言って無造作に昂ぶった肉塊から精を吐き出した。
幾度もの調教でリムリスも慣れていて、上手いこと零さずに嚥下する。
「この二人の魔法少女、こいつらを捕らえれば……」
組織を手こずらせるやっかいな敵、コイツらを倒せば出世は思いのままだ。
いや、むしろ捕らえて調教し、この娘のように忠実な奴隷にすれば――
「ははは、なかなか楽しくなってきそうだな」
「どうだ、こんな感じのプロローグを作ってみたが」
「ええんとちゃうんか、それなりに要点は押さえてると思うで」
書き上げた原稿を由宇に見てもらう。
とりあえず及第のようだ。
「ほんならどうする、そろそろ魔法少女の名前を選択してもらうか? それとももう少し待つ?」
「そうだな、名前案が多いのも少ないのもあるが……」
「あんまり待ってても新しいのが来るとも限らんで」
「そうだな、俺は――
A 魔法少女の名前を選択する
B もう少し別の事をして待つ(別の事を指定)
Aでとりあえず皐月だけでも
「とりあえず幾つか候補が挙がった湯浅皐月のほうだけでも決めてみようと思う」
「せやな、最初に捕まえて調教するのは皐月はんやし、彼女だけでも決めとけば話しかけるやろ」
柚原春夏や立川郁美のほうは候補が少ない。
もうしばらく待つことにしよう。
「他の候補は募集を継続しておく」
「皆さんよろしく頼むわ、何ぞええ名前を考えてや」
「それでは湯浅皐月の魔法少女としての呼び名を選択してくれ」
A 嵐を呼ぶ武闘派魔法少女『ストームさつき』
B 「風の魔法少女ストーム☆メイ」
C マジカルコックス
D Selective girl-Striker-Satsuki
E 戦乙女皐月
F 武闘派エロ魔法少女マジ狩る☆さっきん
G セレクターメイ
H センスない、俺が決める
Aかな
「というわけで湯浅皐月のほうは“嵐を呼ぶ武闘派魔法少女『ストームさつき』”に決まった」
「他の候補もたくさんだしてな〜」
「メインヒロインの呼び名は決まったな」
感想スレで応募された名前を眺める。
「少し長い気もするけど、なかなか強そうな感じやんか」
「ああ、魔法だけでなく格闘もこなせそうな名前だな」
もっともだからといって主人公が調教中に倒されるわけにもいかない。
そんなバッドエンドなシナリオはまたの機会に書くことにしよう。
「だが、後の二人はまだ決まらない」
「まぁ話の序盤は皐月はんの調教がメインなわけやからとりあえず問題はないやろ。
そのうち郁美ちゃんや春夏はんを出す時期までに決めよ」
「なるほど」
「そうと決まればどうするんや、早速書き始めてみるか?」
「そうだな――
A 早速話を書き始めてみる
B 少し休憩してプログラマーや音屋を待つ
C 他の設定を決める(決めたい設定を指定)
いけいけA
「そうだな…せっかく呼び名も決まったのだ、書いてみようと思う」
名前も決まり俺の中で創作意欲が沸いてきた。
プログラマーや音楽家を待つのもいいが、それまでに出来ることをしよう。
「さよか、ほんなら手始めにどんなシーンから書く」
「最初に書くシーンか」
「ザコ敵と戦うシーンはプロローグでモニター通して書いた。
だいたい次は主人公とヒロインが対決するシーンやな」
「なるほど」
「これが戦闘描写重視の燃えゲーなら力を入れて書くべきや。
けどヒロイン調教がメインやし、冒頭で説明だけ入れてあっさり流してもそう問題やない。
でも全く無いっちゅうのも、少し寂しいもんがある。せっかく呼び名や設定も考えたんやしな」
「ふむ」
「蝉丸はんはどのあたりのシーンから書くんや?」
「俺は――
A 魔導騎士タカアキとストームさつきが戦闘するシーン
B ストームさつきが敗北し、捕らえられ基地に連れて行かれるシーン
C 敗北して基地に連行されたストームさつきが処女喪失するシーン
A
「やはり戦闘シーンから書こうと思う」
それなりに考えた設定を無碍にするのも勿体ない。
「そうやな、『戦いに敗れたヒロインを調教する』って話やねんから
戦闘シーンも省かんほうがええやろ」
「では少し書いてみる」
「ほなこのパソコン使い」
そう言いながら由宇は勉強机の傍らからノートパソコンを出した。
「これは?」
「日本橋で買った型遅れの安物や、スペック低くて文書書くぐらいしか使えんけどな」
由宇のほうは原稿用紙とペンを用意する。
「ウチは背景とかのイメージ画を描いてみるわ」
「わかった、書けたら声をかける」
「そうしてくれると集中できるわ」
そう言って由宇は本棚から資料を引き出し、原稿用紙に取りかかる。
俺のほうもノートパソコンに電源を入れ、一○郎を起動させキーボードを叩き始めた。
「うわぁぁー!」
「きゃぁぁー!」
恋人達が睦み合う静かな夜の公園、だが今は人々の悲鳴が響き渡る。
突如、静寂を破って公園の広場にガイコツ兵士やリザードマンが現れて暴れ出した。
夜空を見上げながら愛を語り合っていた男女は我先にと逃げ出す。
そんな一般人に襲いかかろうとする魔物達、だがそこに正義の戦士が現れた。
「そこまでよ 卑劣な魔物達!」
公園の街灯、その上に一人の少女が立っている。
白を基調とし、スカートの裾や袖口をフリルで飾ったワンピース型の制服コスチューム。
明るい茶色の髪はツインテールにまとめられ、正義感溢れる瞳が輝く。
「嵐を呼ぶ武闘派魔法少女『ストーム☆さつき』! ここに参上!」
ビシッと口上を決めた魔法少女は、十二分に魔物達の視線を集めた。
少なくとも公園のカップル達が逃げ出す時間は稼ぐ。
「いくわよ、てやっ!」
威勢の良いかけ声とともに、ストーム☆さつきは魔物達に飛びかかる。
「グゲェェツ!」
「ギヒャッ!」
魔法のステッキを杖と言うより棍のように扱い、次々と魔物達を打ち据えていった。
魔法少女とは思えない素早い身のこなし、武闘派と言うだけはある。
「これで終わりよ まじかる☆ハリケーン!」
ステッキから放たれる魔力を帯びた嵐が辺り一帯に広がり、魔物達を切り裂いた。
トドメとばかりに使った大技の魔法で、ストーム☆さつきは敵を全滅させる。
「おかしいわ…手応えがなさ過ぎる」
戦闘を終えた皐月の顔に戸惑いの表情が浮かんだ。
今日戦ったのはザコのガイコツ兵士やリザードマンばかりである。
「その疑問は正しいよ、ストーム☆さつき」
「だ、誰っ?」
皐月の疑問に答えるかのように、闇の中から声がした。
街灯の明かりの向こうから、ゆっくりと一人の男が現れる。
「俺は“魔導騎士タカアキ”、我らの暗黒神ブラックシモカワ様がお造りした
ダークネスリーフの忠実な幹部だよ」
「貴方が幹部……丁度良いわ、ここでやっつけてやるんだから」
「はははっ、君にできるかな」
「ふぅ……どうにか戦闘開始まで書けたな」
俺は一旦キーボードを打つ手を止め、次の展開を考える。
「さて、この後の戦闘だが――
A 剣技と魔法の両面でタカアキがストーム☆さつきを倒す
B 卑劣な人質作戦にストーム☆さつきが屈する
C 「秘技 千手観音愛撫」で一気に戦闘不能にする
A 貴明らしくないが
「オーソドックスにタカアキに剣と魔法で倒させるか」
由宇に渡された“魔導騎士タカアキ”のデザインを見ながら呟いた。
黒いマントを羽織り、赤茶色を基調としたどちらかと言えば冒険者風の服を着た男キャラ。
何故か「ネトゲの中に入って勇者にされた男」を思い出す服装だった。
「どうしてアニメゲーで脱衣麻雀などと地雷臭のする新作を出すのだろうか」
理由もなくそんなぼやきが俺の口から出る。
俺の失敗から何かを学んだのでは無いのか?
いくら2が売れたからと言っても実験作ばかり作っては会社が傾いて…………
――いかん、思考が逸れてしまった。
……続きを書こう。
「魔導騎士タカアキ、覚悟っ!」
ステッキを両手持ちに構え直し、掛け声と同時にストーム☆さつきが走り込みステッキを振るう。
魔力を込めた突進と一撃は文字通り「風」であった。
「ふっ!」
ガキィィィン!
甲高い衝突音が夜の公園に響く。
速度と威力に任せて振り下ろされた一撃を、タカアキもサーベルを両手持ちに構えて受け止めた。
「なっ……」
通常の魔物や魔獣では、到底反応出来ない高速の一撃。
それを正面から止められストーム☆さつきに動揺が走る。
「なかなか速いね、でもタイミングが分かりやすいよ」
爽やかな笑みを浮かべたまま、タカアキが皐月の攻撃を評した。
「今度はこっちの番かな」
「くっ……つぁっ!」
受け止めたステッキを振り払い、今度はタカアキが切り込みをかける。
皐月もステッキを構え直し、防ぎ避けるがジリジリと押されていった。
(この男強い……それなら!)
皐月は横薙ぎの一撃をすんでで避け、一旦後方に飛んで間合いを取った。
「これならどう、まじかる☆ウインドカッター!」
ステッキの先端から、タカアキ目掛けて幾つもの風の刃が襲いかかる。
「今度は魔法か、本当に分かりやすいね」
そう言いながらタカアキは剣を右手に持ち、左手を前に出し何かを呟いた。
(何かしようとしてるけど、もう間に合わないはず)
この攻撃こそタカアキにダメージを与えられるはず、そう皐月は確信する。
「えっ?!……きゃぁぁっ!」
だが風の刃が届く寸前、タカアキの前に光の壁が生じ皐月の魔法を跳ね返した。
「覚えておくのだな、これがマホカンタだ」
反射した風の刃が皐月を吹き飛ばし、コスチュームを切り裂く。
自らが放った魔法の直撃を受け、皐月は背後の木に叩きつけられ地面に倒れた。
「それじゃ念のために…バインド」
「ううっ……くぅっ……」
呻き声を上げる皐月を、タカアキは魔力の鎖で縛り上げる。
抵抗の手段を全て奪い、芋虫のように転がった皐月に近寄った。
「ふふふ、いい格好だね」
「く……この……悔しい、こんなヤツに……」
文字通り手も足も出せない皐月だが、それでも瞳は戦意を失っていない。
見下ろすタカアキを憎々しげに睨み付けている。
「こ、殺しなさい…」
「強気だね、ストーム☆さつき。でも殺すなんかよりも――」
そう語尾を濁しながらタカアキは皐月を舐めるように見回す。
切り裂かれたコスチュームの隙間からは、白い健康的な肌が覗いていた。
「君を特別に俺達の基地に招待してあげるよ、たっぷり歓迎してあげるからね」
「やっ…やめ……やめなs……」
もがく皐月の口をコスチュームの切れ端で塞ぎ、嫌がらせでお姫様だっこをする。
「ははは、本当に楽しくなってきたよ」
そのまま、魔導騎士タカアキは宿敵ストーム☆さつきを捕らえ闇の中へ……
“ダークネスリーフ”の基地に帰還したのだった。
「こんなものかな」
戦闘シーンを書き終えて、再び手を休める。
かなり適当な気もするが、戦闘は本編ではないので勘弁してもらおう。
「よし、次はどうするかな――
A 捕らえて連れて帰った皐月について、暗黒神や女幹部に報告するシーン
B 捕らえた皐月の純潔をタカアキがおいしく頂くシーン
C ちょっと休憩してプログラマーや音楽家を待つ
貴明バーン様かよw
選択はCで。
「そうだな……少し休憩するか」
キーボードを打つ手を止め、一度のびをする。
キャラや設定を決め、プロローグや冒頭の戦闘シーンを書いたのだ。
ここらで少し休憩しよう。
「休憩か、蝉丸はん」
公園の背景画を描いてた由宇が尋ねる。
「ああ」
「さよか、ほんならそろそろ英二はんが来るかも知れへんし、
アンタの知り合いのプログラマーが来るかも知れへん。
休憩がてらそこらを見回ってきてぇな、もしかしたら迷子になってるかも知れんからな」
「わかった、そうする」
俺は立ち上がって、部屋から出て行った。
「ふぅ……」
一旦猪ノ坊旅館を出て、辺りを散歩する。
深い森に囲まれて清涼な空気を吸い、遠くから聞える川の流れに耳をすませた。
「いい土地だ、旅館が繁盛するのも頷ける」
豊かな自然に囲まれていると俺のやる気も蘇ってくる。
そろそろ部屋に戻ってシナリオの続きでも書こうか。
A 「ここが猪ノ坊旅館かぁぁぁ!」とその時、ゲームそのままの科学者、高槻がやって来た。
B 「やれやれ、やっぱり神戸は遠いねえ」とその時、白髪に眼鏡をかけた男、緒方英二がやって来た。
C 「探したぞ蝉丸、今こそ俺達の因縁に決着をつけに来た」とその時、俺の親友でライバルだった光岡がやって来た。
D 特に誰とも会わないまま、俺は由宇の部屋に戻った。
B
「む……車か」
森林浴を楽しんでいると、一台の車が上がってきた。
御老公の家にあった車の雑誌で見たことがある、確かミニクーパーとか言う種類の車だ。
緑のミニクーパーの運転席には男が乗っている。
まだ若い男で、灰色かかった短髪に眼鏡を掛けていた。
「ちょっといいかな、お兄さん」
「何だ?」
すれ違う直前、運転席の男が話しかけてきた。
「いや久しぶりで道に自信がないんだけど、この先に猪ノ坊旅館ってあるかな?」
「ああ、すぐ先にある」
「そっか、ありがとう。やれやれ、由宇ちゃんも人使いが荒いね。
はるばる神戸まで呼びつけちゃうんだから」
由宇の名前を知っている…この男もしかして…
「もしや貴方が緒方英二か?」
名前は一応知っているが顔は知らない。俺は男に聞いてみた。
「そうだけど…お兄さんは? マスコミっていう風には見ないけど」
やはりそうか、この男が俺達のエロゲーの音楽を作ってくれるのか。
「失礼した、俺の名前は坂神蝉丸。今回作るエロゲーのシナリオライターだ」
「坂神蝉丸って…ああ君が蝉丸君か、由宇ちゃんが言ってたよ。
『何やガタイのええあんちゃんと組んでエロゲーを作るんや』って」
「話が早くて助かる」
そのまま俺は散歩を切り上げ、緒方英二を案内しながら猪ノ坊旅館へ戻った。
「英二はん、よう来てくれたなぁ」
「はははっ、食い逃げ飲み逃げのままってわけにもいかないからね。
骨休めと気分転換を兼ねてってところかな」
俺は車を駐めた英二を由宇の部屋に案内した。
「機材とかはまだ車だけどいいかな」
「かまへんよ、さすがにこの部屋でってのは無理やから別の部屋用意するわ」
「了解。だけど由宇ちゃん、ちゃんと名前は伏せてくれよ」
「分かってるがな、まぁ実名にしたって誰も信じへんやろうけどな」
「よろしく頼む、いい曲を作ってくれ」
そう言いながら俺は戦闘用や日常用、調教用など作ってほしいBGMのリストを渡す。
飄々とした雰囲気の男だが、月代達が茶の間で聞いていた曲を作った男だ。
腕は確かに違いない。
「ま、やるだけはやってみるさ。後シナリオや絵も出来たら逐次見せてほしいな。
どんな雰囲気の音楽を作るか参考にするから」
「了解だ」
「わかったで」
英二が部屋から出て、旅館の従業員と機材を別の部屋に持ち込みに行った。
再び部屋は俺と由宇だけになる。
「さてと、音楽家が来たけど次はどないする」
「そうだな――
A シナリオ執筆を再開する
B そろそろ腹も減ったし夕食にする
C 「ここが猪ノ坊旅館かぁぁっ」玄関からそんな声が聞えてきた
寄り道大好き B
「緒方英二も遠くから来て疲れているだろう。先に夕食にしてはどうだろう」
「まぁ、そやな。急いでもしょうないし。じゃ、ついでに蝉丸はんの部屋に案内しよか」
案内された部屋は緒方英二の隣の部屋のようだ。機材を組み立てる音がする。
「調理場から食いもん持ってくるよって3人で食べよ。英二はん呼んできて」
「三人分は難しいだろう。俺も行こう」
「ここは旅館やで? 3人分なんか簡単なもんやって」
そういうと由宇はさっさと姿を消す。
やれやれ、せっかちな奴だ。俺は隣の部屋へ行くために動き出した。
「ほなカンパーイ!」
由宇の言葉に俺と英二も軽く唱和する。無料で泊まっているというのに申し訳ないような
料理と酒だ。少し後が怖い。
話す内容は、音楽の話の他、同人誌とやらの話など。以外に緒方英二はその方面にも
強いらしい。昔はさんざん自分もネタにされたことがある、そうだ。
そしてもちろん、これから作るゲームの話だ。
「BGMは明日からさっそくとりかかるけど、本格的にやるならキャラクターの声や
主題歌をどうするかも考えておいてくれよ。声はまあノーボイスならそれでも
かまわないけれど、主題歌はいるだろう。これはさすがに由綺や理奈に歌わせるわけにも
いかないからな。あ、俺もね」
「それこそ大騒ぎやろ。まぁそこらへんはある程度できてから考えるてもなんとかなる。
まずはシナリオをすすめんと。蝉丸はん明日からもビシバシいくで」
「あぁ、俺に任せろ」
A 食事を終え、緒方英二と一緒に風呂に入る。
B 今日はもう休む。
C 「坂神蝉丸というのはいるかぁぁ?」 男の声が聞こえてきた。
D 寝る前にもう一シーン書いてみる。(シーン指定)
D タカアキによるストーム☆さつきの貫通式
「ん……ここは……」
目を覚ました皐月は、体を起こして周りを見回す。
どうやら独房のような部屋らしい、ドアと自分が寝ていたベッドとトイレ以外は特に何もない。
「私、どうしてこんな所に……そっか…アイツに負けちゃって……」
次第に意識がハッキリしてきて、先ほどの戦闘を思い出していく。
(タカアキに負けて、魔力の鎖で縛られて口にコスの切れ端なんか詰め込まれたのよね。
その後に抱き上げられて基地に連れ去られたけど……ワープゲートみたいなの潜る時に気を失ったのよ。
だいぶやられちゃってて、ワープに体が耐えきれなかっんだ……)
そこまで思い出したとき、首に違和感を覚えた。
触ってみると、何やら得体の知れない首輪が填められている。
「これは……首輪?……くっ、取れない」
金属で出来たその首輪は、少々引っ張ったところでびくともしなかった。
「お目覚めの気分はどうかな、ストーム☆さつき」
皐月が首輪を相手に悪戦苦闘していると、ガチャリとドアが開き男が入ってくる。
「くっ……魔導騎士タカアキ!」
先ほど打ち負かされた相手だ、忘れるハズもなかった。
「このっ! 今度こそ!」
相変わらず爽やかな笑みを浮かべるタカアキへ、怒りを露わに皐月は飛びかかる。
「ふふっ」
だが、タカアキは身構える様子も無く、余裕の表情を浮かべたままだ。
バジィッッ
「きゃぁぁっ!」
次の瞬間、悲鳴を上げたのは殴ろうとした皐月だった。
グーの鉄拳が放たれる寸前、背筋を仰け反らせてその場に倒れ込んでしまう。
「女の子がグーでパンチなんてはしたないなぁ」
「ううっ……」
床でうめく皐月を見下ろしながら、タカアキは口を開く。
「その首輪はね、君の魔力を奪って更に反抗しようとすれば電流が流れるんだよ。
高性能で便利なショックカラーだと思ってくれればいいかな。
あ、でもコスチュームが元に戻るぐらいには残してくれるから。そっちのほうが昂奮するしね」
聞きたくもないだろう首輪の解説をしながら、タカアキは皐月を引き上げる。
健康的でスレンダーなその肢体を、簡素なベッドに押し倒した。
「な、何をするの?!」
「君が何で俺達に殺されてないか分からない?」
仰向けに寝かされながら少し考えて、皐月が答える。
「……私から仲間の情報を聞き出すためでしょ」
「半分正解。でもそれだけじゃ無い、君達のような強力な魔法少女を配下に加えたほうが
俺達の世界征服が早く進むと思ったからさ」
タカアキの予想外の模範解答に、皐月は激怒した。
「なっ…私は貴方達のような悪者に協力するつもりなんて無いわよ!」
「今はそうだね、だけど犬だって躾ければ主人の言う事を聞くようになるものだよ。
それと同じさ、君の場合はかなり厳しい目に躾けないと駄目そうだけど」
「私は犬なんかじゃ無い!」
自分を犬呼ばわりされた事に皐月は憤慨する、だがタカアキはどこ吹く風だった。
「犬だよ。今までは正義の魔法少女で皆から尊敬されてたろうけど、これからは違う。
俺に躾けられる従順な雌犬…雌奴隷としての生涯が始まるのさ、手始めに――」
ビリリリィィ
そこまで話すとタカアキは皐月にのし掛かり、白いコスチュームの胸元に右手を掛け引き裂く。
魔力を殆ど失ったコスチュームはあっさりと破れ、ほどよく育った皐月の胸がタカアキの前に現れた。
「きゃぁぁっ!」
「結構弾力のある胸だね、こっちも……っと」
ブツッ
体を入れて皐月の太股を押し割り、強引に左右にに開脚させる。
余った左手でスカートを捲り上げ、皐月が穿いているショーツを引きちぎった。
レースの少ない淡いピンクの薄布が傍らに捨てられ、大切な部分がタカアキの眼前にさらけ出される。
「意外と毛深いんだね、毎日ちゃんと手入れしてるのかな?」
右手で乱暴に胸を捏ね回しながら、左手を秘唇にあててなぞり出した。
シャリシャリと陰毛の感触を楽しみながら、人差し指でワレメを上下に擦る。
「止めなさいっ! この外道! 鬼畜っ!」
特製の首輪を填められ、力を失った皐月に抵抗する術は無かった。
だが、それでも皐月の口からは罵声の言葉が飛ぶ。
「まったく、ストーム☆さつきは心底自分の立場が分かってないんだね」
そう言いながら、胸を弄んでいた右手で皐月の体を押さえつける。
「まずはムチが必要みたいだ……いいや、愛撫無しでいきなり入れちゃうか」
カチャカチャとベルトを外しズボンを下ろして、タカアキは己の剛直を出した。
既に太く硬くそそり立った男のモノを見て、さすがの皐月も恐怖を覚える。
(あ、あんなモノが私の中に……無理よ! 絶対に入らない!)
「それじゃ早速っと」
硬直する皐月をよそに、タカアキはピタリと閉じたままの秘裂に肉棒をあてがった。
自慰すら殆ど経験のない自身の秘部、そこに触れ入ろうとする肉塊の感触に皐月は叫ぶ。
「や、止めなさい! 止めてっ! 止めてぇぇぇぇっーーー!」
「だーめ(はぁと)」
皐月の懇願を軽く流し、ニヤニヤと笑みを浮かべながら、タカアキは一気に腰を沈めた。
「ううっ…くうっ……」
「ひぐぅっ! くぅぅぅぅっ! ぅああぁぁ!!!」
大して愛撫もされず、濡れていない皐月の秘唇が奥深くまで貫かれる。
文字通り身を裂く激痛に、皐月は必死に耐えようと歯を食いしばった。
「さすがにキツいな……あれ、この血って…そっか、ストーム☆さつきは処女だったんだ」
深々とタカアキの剛直が埋まった結合部、そこからジワリと血が滲み太股に伝う。
「と言うことは、俺がストーム☆さつきの初めての男になるのか」
結合部から太股、太股からシーツに伝う純潔の証しにタカアキはニヤニヤと笑みを浮かべた。
「見るな……見るなぁ……この変態野郎」
瞳を滲ませながらも、決して涙を流さずに皐月はタカアキに抵抗の言葉を放つ。
「その変態野郎に純潔を捧げたんだ、君も変態の仲間入りだね」
「だ、誰が……はぐぅっ!」
勝手な理屈を述べるタカアキへの反論は、悲鳴によって中断した。
タカアキが埋めたままにしていた腰を動かし始めたのである。
「うぐぅっっ!…くはぁっ!……かはっ……や、やめ……」
つい先ほどまで男を受け入れた事が無く、しかもロクに潤みもしていない膣肉が割り開かれる。
「いいよこの締め具合、処女じゃなきゃ絶対味わえないな」
皐月の性感に一切配慮しない、己が性欲を満たすだけのピストン運動。
破瓜の血と、生理的に生じた僅かな愛液を潤滑油に肉襞を抉り続けた。
男にとっても痛みを感じるほどの強烈な締め付け、そして痛みと屈辱に耐える皐月の表情に
タカアキの劣情は頂点まで高められる。
「さてと、そろそろ出そうかな」
「出そうかなって……だ、ダメッ! それだけはダメッ! お願いっ! 駄目ぇぇっ!」
「……そんなに止めて欲しいの?」
抽送運動を続けながら、懸命に訴える皐月にタカアキは尋ねる。
「あ……当たり前でしょ!」
「どうしようかな〜、ストーム☆さつきが俺達に忠誠を誓うって言うなら考えてもいいけど」
「そ…そんな……そんな事誓えるわけな――」
「そう、残念」
皐月が言い終わるより早く、タカアキは皐月の腰をしっかりと掴み、奥深く肉棒を埋めた。
「んんっ! くううっっ!」
ドクッ ドクッドクッドクッドクッ!
「あ…だ、出されてる……中に……」
ビクビクと剛直は震え、一滴残さず皐月の胎内を満たそうとする。
「ゃぁ……嫌ぁ……嫌ああぁぁああぁぁーーー!!!」
子宮めがけて吐き出される熱い白濁液の感触に、皐月は一際大きな絶望の悲鳴を上げた。
「ううっ……こんな……こんなのって……無いよ」
膣内射精のショックに打ちひしがれる皐月。
だが、タカアキの様子は全く違っていた。
「さてと、一回目は終わりかな」
「一回目って……まさか……」
精液を吐き出した後も、タカアキは剛直を抜こうとはしない。
「精液で滑りも良くなるだろうし、こんな極上の性器ならあと三回は楽勝そうだしね」
そう言いながら、皐月の膣内でタカアキのモノが再び硬直し始める。
「そんな……そんなぁ……まだ…終わらないなんて……」
呟く皐月をよそに、タカアキはピストン運動を再開始めた。
皐月への凌辱は、まだ始まったばかりである。
「ふぅ、久しぶりの処女だからってちょっとはしゃぎすぎたかな」
「んぅぅ……く……この……」
散々に皐月を凌辱し、満足したタカアキは立ち上がり身繕いをした。
着替え終えたタカアキが、ベッドに寝たままの皐月を見下ろす。
「今日は痛かったかも知れないけど、何回も繰り返せばそのうちに気持ちよくなれるよ。
これから毎日調教して、肉棒無しじゃ生きてられない雌奴隷にしてあげるから。
明日も楽しみに待っててね」
「だ、誰が……私は絶対にアンタ達の奴隷になんかならない! 必ずやっつけてやるんだか!」
下腹部の鈍痛と凌辱による消耗で起き上がれないが、それでも皐月の目には戦意が残っていた。
「その強がりがいつまで持つかな、ふふふ」
タカアキが部屋を出てドアを閉めた後、皐月はそれまで堪えていた涙をこぼした。
(私の……私の初めて……あんな男に奪われたんだ……)
そっと自分の秘唇に手を当てると、指先にピンク色の粘液が絡みつく。
最早僅かにしか残らない己の破瓜の血と、タカアキに膣内射精された忌まわしい白濁液との混合物。
(ゆかり……宗一……)
自然とクラスメイト達の顔が思い浮かんでくる。
(宗一……私、汚されちゃった……汚されちゃったよ……)
密かに憎からず想っていた親友、友達以上恋人未満の男に心の中で謝る。
だが、それでもまだ皐月には正義を信じる強い意志が残っていた。
(郁美ちゃん……春夏さん……私……私、負けない!
きっと二人が助けに来てくれるはず……それまで耐えてみせるんだから!)
「うーむ、いささか主人公が鬼畜な気もするが……」
「ま、この手のゲームの主人公ならこんなモンやろ」
俺は『捕らえられたストーム☆さつきがタカアキに純潔を散らされるシーン』を書いた。
これが先日プレイしたような燃えゲーならば
『実はストーム☆さつきの親友は世界NO.1のエージェントで、処女喪失のピンチを颯爽と救う』
などという展開になっただろうが、このゲームでそんな救いは無い。
ヒロインの初めては無惨に奪われてもらう事にした。
「そんな展開にしたら核地雷認定間違い無しや」
「そうか……」
A さすがに疲れた、もう寝る
B その時、玄関に「高槻」なる人物が到着した
C いや、勢いに乗って次のシーンも書く
よく書いたな。力作GJ。
選択はAで少しは休めセミー
あと誰か次スレよろしく。
>>742 サンクス、迅速なスレ立て本当に乙です。
もうあまり容量が残ってませんが(自分のせいです申しわけありません)
A 「大長編選択スレ『選択スレ優季の明治漂流記』」の反省会
B 即死岩切の反省会
C 「茜マニアックス」の反省会
D その他話題を指定
C
よく即死扱いにされなかったな。
終わりよければすべてよしなんだろうけど。
即死岩切の後だったから、一応終わった以上また即死させるのは忍びないと思われたんだろう。
シスクエとヌワンギの次に短いんだよな。
岩切や黒きよみはBADでもラストもうちょいきちんんと書いてりゃ即死扱いにはならなかっただろうに。
不憫なのは主人公選択したやつだよ。マナに続いて……
>ラストもうちょいきちんんと書いてりゃ
次の作品を早く書きたい人にとっては終わった作品はないがしろにされがち。
岩切、黒きよみとも深夜の闇討ちみたいなもので、ラスト書いた、はい次次みたいな感じだったし
あれじゃ、ちゃんとしたラスト書こうにも間に合わないよ。
さくっと打ち切ってまで進めようとした茜マニアにはそれなりに期待してたんだけどな…。
エクスカリバーだの言ってお馬鹿な殴り合いしてたときはそれなりに楽しんでたんだがな。
そっから一気に止まってしまった。
いきなりオンカミヤムカイ流心術なんて出てきて精霊召還なんてさせようとしたとこ見ると
逆襲の眼鏡っぽい事しようとしたんじゃないかと思う。
どちらかというと愛佳2になるかと思った
そういやオガム忘れさられたな。いつのまにか。
個性が薄いから仕方ない