BにしたいがA
「るーこさん、るーこさんは大丈夫でしたか?」
「何を言ってるんだうーき、るーはこの通り健康だぞ」
駆け寄ってきたるーこさんをヒシッと抱きしめました。
過去の資料によればハクオロ…いえ、ハクエロさんは真性のペドフェイリア。
遊郭に行けば幼女っぽい女の子ばかり選ぶ始末。
挙げ句の果てに、レイプされた直後の雪緒さんすら抱こうとして、カミュさんに怒られています。
囚われの身だったるーこさんの貞操がとても気になりました。
一応、リアンノンさんとの念話では何もなかったとの事ですが――
「いえ、その……いやらしい事をされなかったか心配してたのです。
何か、ハクエロさんにおかしな事をされませんでしたか?」
腕の中に収まる小さな体、無事だったのなら良いのですが……
A 「うーき、安心しろ。るーは何もされていない、丁重に扱ってもらったぞ」
B 「……るーの初めては、はくうーに穢された」
落とし前はつけてもらいましょうB
「……るーの初めては、はくうーに穢された」
ポツリと、るーこさんが言いました。
ビシリ
その瞬間、場の空気が凍り付きます。
ギギギと首を動かすその先に、気まずそうなハクエロさんが立っていました。
他の皆さんの非難の視線も、ハクエロさんに集中しています。
「い、いや……存在維持のために、やむなく……その……」
(注 現在ハクエロさんが皆さんに袋叩きにあっています。
あまりに凄惨な光景のため、詳細は省かれます、申しわけありません)
ズタボロのコマギレになって、ハクエロさんは路地裏に捨てられました。
「るーこさん……ごめんなさい、るーこさんをもっと早く助けられれば……」
「うーき、気に病むな。るーはもう何とも思っていない」
口ではそう言って強がっていますが、瞳に浮かぶ影を私は見逃せませんでした。
私もレイプされた身だから、文字通り痛いほど分かります。
無理矢理体を弄ばれ、性の捌け口として扱われる悔しさ、辛さ、惨めさ、悲しさ――
まぁ、それはさておき。
「るーこさん、歴史の修正にはるーこさんの力が必要だと言われたのですけど、何か知っていますか?」
るーこさんは強い子なので時間が癒してくれるでしょう。とりあえず、話を先に進めることにします。
「いまのるーに『るー』は使えない。だがるーに伝わる方法で、役に立ちそうな方法が一つだけある」
A キス
B 抱擁
C セックス
c
「うーきとるーが……セックスする事だ」
「「「「「え"っ?!」」」」」
一同、みんなでビックリしました。
えっと、私の聞き違えでなければ、その方法は……
「セックスだ、うーき」
事も無げに言います、セックスと。
小さな女の子が軽々しく口にするのはどうかと…いえ、それよりも――
「ちょ、ちょっと待ってください」
「どうしたんだ、うーき」
「あの、私は女の子で、るーこさんも女の子なんですよね」
「そうだ」
「普通、セックスっていうのは、男の子と女の子がするものなのですけど」
「…………・」
私にも、るーこさんにもその……男の子の大切なものなんて勿論ついていません。
るーこさんも返答に詰まっています。
「にはは、これ貸してあげる」
途方に暮れていたその時、観鈴さんが懐から何かを出しました。
「こ、これは……」
観鈴さんが私に貸してくれたもの、それは……男性器を模した張り型です。
「寂しい夜を慰めてくれる年増女の必需品だよ。初めての相手もこれだったし」
クラリと、その場に倒れてしまいそうになりました。
もう30にもなって独身なのですから、持っていても不自然ではありません。
柳川さんと何かあったとか言ってたのは、やっぱり酒の席の暴走だったようです。
「観鈴ちんの一番大切なものを貸してあげるんだから、何としても成功させて欲しいな」
おそらく善意で申し出てくれたのでしょう、心の底から。
しかし観鈴さんは常に懐に張り型なんかを忍ばせてるのでしょうか?
私もこのまま独り身ならああなってしまうのでしょうかねぇ……
夜の街に私とるーこさんだけが残されました。
他のみんなはボロ布と化したハクエロさんをミズシマさんのところへ返しに行きました。
手には観鈴さん愛用の張り型、そしてリアンノンさんが出してくれた出会茶屋の代金。
準備は万端です、後は私とるーこさんがその……セックスするだけです……
A エロ書き手が降臨するのをまったりと待つ
B もうエロ展は供給過剰でうんざりなんだよ! 未読スキップを使う!
B
A
一軒の出会茶屋、その一室に私とるーこさんは入ります。
部屋の中には、既に清潔そうな大きめの布団が敷かれていました。
「うーき、確かに今のるーは『るー』を使えない。だがるーの奥底にその源泉はある。
『るー』の源泉に触れようとそうれば、肉体的にも奥底に触れる必要がある。
だから――」
「とにかく、るーこさんとセックスしちゃえば何とかなるのですね」
「……有り体に言えば、その通りだ。だがうーき、あからさまに言いすぎだぞ」
明治時代に来てすっかりすれて捌けた私の物言いに、るーこさんも呆れ気味です。
とはいえ、これが霊長の抑止力のとしての初仕事。
気は進まないとはいえ、文字通りやることはやらなければいけません。
「るーこさん、いいですか?」
「うーき……優しくしてくれ、るーははくうーに辱められてブロークンハートだ」
「そうですね、るーこさんも優しくお願いしますね」
「るー」
そして、私とるーこさんはお互いの着物を脱がし合います。
衣擦れの音がして、私達はお互いに肌を晒し合い――
(未読スキップをONにしますか → はい / いいえ )
「はぁ……はぁ……」
「るー……」
私達は息も荒く、布団の中で抱き合っています。
とてもとても濃密な愛の交歓でした、ええそれはもう。
私は貴明さんとのセックスで培った性技を駆使して、るーこさんを愛撫します。
カミュさんやハクエロさんに開発された性感は、るーこさんを何度も絶頂に導きました。
途中からはるーこさんも少しずつ慣れてきて、拙い技術で私をしてくれます。
観鈴さん愛用の張り型でお互いを責め合い、体のありとあらゆる箇所を擦り合わせました。
るーこさんの幼い唇は、貴明さんや岸田さんとはまた別物の気持ちいいけど不思議な感触です。
文章にすれば、それだけで官能小説として出版できるくらいの量の性交を重ねました。
汗やら唾液やら愛液やらいろんな汁で、体はお互いにベトベトのヌルヌルです。
「これだけすれば……きっと、上手くいきますよね」
「るー……」
消耗して気怠くなった私達は、そのまま眠りにつきます。
どうか、人類の未来に少しでも希望の光がありますように――
そう願いながら、私の意識は闇の中に落ちていきました。
A Fin
B エピローグ
C その前にハクエロの公開処刑パート2
B
結局臭い物には蓋方式で不完全燃焼か
過去、現在、未来。
その時間の流れから外れた場所。
「どこ?」と聞かれても答えられない、答えようのない場所。
そんな場所に、私、草壁優季は存在しています。
「霊長の抑止力」として。
るーこさんとの逢瀬の後、私はリアンノンさんのところでお世話になりました。
るーこさん自身は……いつの間にか消えてました。
多分、役目を終えて「るー」に帰ったのでしょう。
何が出来ると言うわけでもありませんでしたので、リアンノンさんの家では住み込みのメイドをしました。
わざわざイギリスから取り寄せたメイド服に身を包んで。
「よく似合いますよ」と言われると、ちょっと嬉しい気分になりました。
ですが……数年後、私は流行病で死んでしまったのです。
雪緒さんも手を尽くしてくれましたが、明治時代のお薬では治りませんでした。
そう言えば、未来の私は当時の私より少しだけ年上でした。
死後「霊長の抑止力」になるのなら、天寿を全うしたのならお婆ちゃんの私が出るはずです。
あれは、若くして私は死んでしまうということだったのですね。
ま、若くして世界と契約したので何時までも今の肉付きのいい成人女性でいられますけど。
もう少し、自由に容姿を変えられるぐらいのご都合主義が欲しかったです、とほほ……
「霊長の抑止力」として、いろんな世界の終末を避けるべく現界もしました。
どの世界もこの世界も、愚かな人間の不始末をするのはしんどいものです。
まぁ、別に抱いていた理想に裏切られたとかそういうのは無いですし、
明治時代ですっかりすれちゃいましたから、そんなに精神的な負担は今のところありませんが……
破滅の未来を防ぐべく、時間軸の摺り合わせも絶賛継続中です。
現世の方ではミズシマさん達がしゃかりきに頑張っています。
私も、幹や枝に出来るだけ負担をかけないよう両者を少しずつ寄せています。
内側と外側からの修正、人類の未来は明るいものになると信じたいところです。
「そろそろ、行ってみますか」
私が次に行く世界、それは例の明治時代。
当時の私に、今の私が下した決断を下させます。
驚く自分の顔を想像すると、ちょっと楽しくなります。
「確か、最初の挨拶は……『災難でしたね』ですね」
もし、当時の私が滅亡の未来を望んだらどうなるのでしょう。
そんな事を考えながら、私は明治へ現界をおこなうのでした。
Fin
A ナイトライター(with 雀鬼's)
B Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
C 誰彼
D MOON.
E Routes
F 天使のいない12月
G 雫
H CLANNAD
I こみっくパーティー
J Kanon
K うたわれるもの
L To Heart
M White Album
N ToHeart2
O 鎖
P Filsnown
Q まじかる☆アンティーク
R AIR
S テネレッツァ
T Tears to Tiara
U ONE
V 痕
W フルアニ
c
U
A 坂神 蝉丸
B 坂神 蝉丸(複製身)
C 三井寺月代
D 砧 夕霧
E 桑島 高子
F 石原 麗子
G 御堂
H 岩切 花枝
I 杜若きよみ(白)
J 杜若きよみ(黒)
K 光岡悟
L 犬飼俊伐
M 杜若裕司
h
H
H
主人公選択でジェットストリームアタックとは珍しいw
私は岩切花枝。まさか私が主役に選ばれるとはな…
水戦試桃体である私が今何をしているかというと、
A 密命により、とある海底洞窟を探索中
B とある船に密航中
C 愚かにも私の命を狙った男性を拷問中。私の血をかけてな
CCCCCC
「さあ言え。貴様、誰の命令で私を狙った?」
「くっ…言ってたまるか!!」
私は今、愚かにも私の命を狙った男を拷問している所だ。
こいつもなかなかの強者だったが、所詮普通の人間。
もはや仙命樹を受け入れ、人を捨てた私の敵ではなかった。
「私を仕留めたければ、人外の者でも連れてくる事だな」
全身をがんじがらめに縛って痛めつける。
だが奴も口が固く、先ほどから痛めつけてはいるがなかなか口を割らない。
「そうか、それなら…」
私は親指をかじり、私自身の血を奴の頬に擦りつけた。
「なっ貴様何を…ふっふおおおおおおおおーーーーーーーーー!!」
さて、このある意味うらやましい男は誰?
A 醍醐
B 岸田
C 高槻
D 橋本
B
奴の名は岸田洋一。策略により相手を騙し、、殺し、犯し、蛮行の限りを尽くす
なかなかの悪党らしい。特に武器の類いの使用に長け、
私を殺しにかかった時も相当の腕前だった。
人としてはかなりの実力を持っているだろう。
そう、『人』としてはな。
あいにく私は人を捨てた身。
この程度の人間相手では私は倒せぬ。
「さあ、苦しくなってきたろう?貴様を雇った人物は誰だ?」
「ぐああ…俺は犯すのは好きだが犯されるのは大嫌いなんだ…!!」
「ふふふ、そんな事を言ってる間にも貴様の一物は膨れ上がっているぞ?」
私の血に含まれている仙命樹は異性に対し
異常な性欲の向上機能を促す効果がある。
今この岸田という男はまさに性欲の塊そのものであろう。
元が強姦魔ならなおさらの事だ。
勿論全て喋っても性を吐かせるつもりなど無いがな。
放置プレイがいいか、それとも一物を切り落とすか…
「…フフフ」
「わ、わかった!喋る。喋ればいいんだろう!」
岸田はついに白状した。
A タカムラというグループが仙命樹の情報をほしがっている。俺はそこに雇われた
B 御堂という男をお前は知っているはずだ。俺はそいつに脅されて…
C 俺を雇ってる奴なんかいない!お前こそこのバジリスク号に何故乗っているんだ!?
C
「お、お前は言ってる事がメチャクチャだ!!」
だいたい何故お前はこのバジリスク号に乗ってるんだ?」
「何だと?ああ、そうだったな!」
そうだ。私は上からの命によりこのバジリスクという船に潜み、調査してこいと頼まれた。
それで私が乗り込んだのはいいが、この男が凶器を持っていたのを見て声をかけた。
最初は岸田も惚けていたが、私が隠し持った凶器の事を看破し問い詰めた瞬間、突然豹変し襲いかかってきた。
そして今は奴を取り押さえ、船室奥の倉庫で奴を拷問していたのだが…
妙だ。私は確かに上から調査をしてこいと頼まれた。
事実この男のような凶悪な奴といきなり対峙するような船だ。
何か秘密があると考えるべきか…。
「くそっ、俺のエンターテインメントかつサプライズなショータイムがこんな奴に…」
横文字だらけで意味が解らん。
この男は武器は全て取り上げ、私が縛っておいて無力化しておいたが、
どうするか…。
A ちんちんおっきおっきのまま放置プレイ
B 阿部定のごとくちんちんをバッサリ
C もう少し血をかけてさらにいじめてみる
D 脅し、懐柔させて手駒として使う
A
「これで良し…と」
岸田はこのまま放置する事にした。
私の任務はあくまでこの船の調査。
このような下衆、始末するのは容易いが
今は調査を行うのが先決と判断した。とはいえ、奴が復活されてもまずい。
念の為船室にあったワイヤー、チェーンを使い
人間の力では絶対に解く事も千切る事もできないように何重にも巻いておく。
「いっ痛い!俺の男根がっ男根が悲鳴を上げているぅぅぅ!!」
…まだ余裕がありそうだな。
駄目押しに私はもう一度岸田の肌に血を擦りつけた。
「先に言っておく。手淫や夢精ではこの熱いたぎりは抑えられん」
「な…何ぃ!? ど う す れ ば い い ん だ」
本来性交とは互いが互いに快楽を貪りあう物だ。
この男には絶頂に達したくても達せない苛立ち、怒り、やるせなさを
徹底的に味あわせた方が良い気がする。何故かそんな気がしたのだ。
誰かが岸田を見つけた時の為に
『この者変態猟奇殺人犯也』と某特撮番組のような張り紙も張り付けておく。
「ではな、せいぜい苦しむがいい」
「ほ、本当に放置しやがった!!あ、熱っ!!」
もだえ苦しむ岸田を背に倉庫を出て、探索を開始する。
この船にどんな秘密が隠されているのか?私の任務はここから始まる。
A まずは乗船者の確認からだ
B 船内を全て回り、間取りを把握するのが肝要
C その前に食事を取る事にしよう
A
BしながらA
私はまず海に飛び込み、船底を伝い移動する。
今はなるべく誰にも会わず行動するべきだ。
その点で言えば私の能力はまさにうってつけだろう。
例えどんな危機に追い込まれても水中に逃げ込めば、私は無敵だ。
無論地上戦でも並みの人間にひけを取るつもりは無いが。
高速実験船バジリスク。まずはこの船に乗っている
乗員を全て調べ、人数の確認をしておくのが重要だ。
乗船者のリストを手に入れるのもいいが、
乗船者の確認をしながら船内の調査も同時に行うのも
効率の上では悪くない。幸いこの船は今停泊している。見つかりそうになったら海に飛び込むだけの事。
海上でためらわず飛び込む選択が出来るのが水戦試桃体の強みだ。
「まずはどこから調べるか…」
A 操舵室
B 中央ホール
C 客室
D エンジンルーム
E 食堂
F 演算室
c
C
私は客室から調べる事にした。
このバジリスクという船は試験航海にも関わらず、
一般の乗客も乗せているとの事らしい。
何の目的でそんな事をしているのか解らないが、
それも含めての調査だ。一つ一つ調べていこう。
海を上がり客室への通路を曲がる。
幸い船員には全く会わずにここまで進んでいる。
「で、その岸田って人は…」
「そういえば見かけないね…」
客室の一つから声が聞こえる。私は耳を壁に当てさらに詳しく声を聞いた。
「自分の事海洋学者とか言ってたけどどこに行ったんだ?」
「でも優しそうな顔してたよね〜」
声から察するに男女の二人組のようだ。
歳は…15,6から20歳あたりか。まだ若い。
まあ私もこう見えても百歳近いのだから見かけや声ではわからんが。
しかし岸田が優しそうな顔だとは…。いや、私と目が合った時も最初はそんな顔をしていたな。
戦において騙し打ちをする際表情と演技は一番重要だ。
私は客室のドアの横にかけてある名札を見る。そこには
A 香月恭介・香月ちはやと書いてあった
B 藤田浩之・神岸あかりと書いてあった
C 藤井冬弥・森川由綺と書いてあった
D 相沢祐一・月宮あゆと書いてあった
Z 折原浩平・藤林椋と書いてあった
∞ 佐藤雅史・名倉由依と書いてあった
A
∞
わざとかw
実妹か。
あれはいいものだ。
Cの部屋も見てみたかったw
修羅場とかになってたりw
香月恭介・香月ちはやと書いてあった。
聞こえてくる声から言って、兄妹か姉弟というところか。
「ちはや、別にこんなところでまで俺のブリーフをたたんでなくたっていいんだぞ。
どうやって志乃さんが見繕ったのか知らないが、俺たちと同年代で結構かっこいい
男もいただろう? あの岸田って人は上だろうけど」
「いいよ、いつものことだし。それに、ほおっておくとお兄ちゃんはまた畳まずに
そこらへ置いておくだけでしょ。だいいち、知らない人達ばっかりだし」
「ブリーフをたたむという行為にあまり意味を感じないのは確かだけどな。
最初はみんな知らない奴らなのは当然だろう。だいいち女の子とは話してるだろ」
「たたまないとしまえないよ。はい、ここの引き出し。
そうだね、あたしが話しているところにお兄ちゃんもよく参加してくるし。
美人の人が多いから」
なるほど、兄妹か。話を聞く限りのんびりとしてとても危険な連中とは思えないな。
油断は禁物なのかもしれないが、彼らの同年代のものもまだいるようだし、誰かに
見つからんうちに次の船室を調べようか。
A 国崎往人・神尾観鈴と書いてある。
B 河野貴明・柚原このみと書いてある。
C 月島拓也・月島瑠璃子と書いてある。
D 柏木耕一・柏木梓と書いてある。
E 那須大八郎・那須小二郎と書いてある。
F 七瀬彰・七瀬留美と書いてある。
G 折原浩平・折原明乃と書いてある。
F
g
七瀬彰・七瀬留美か。ここもまた兄妹だろうか?
ふむ、少し様子を窺うとしよう。
「なんで彰と一緒なのよぉ」
「しょうがないでしょ、そういう部屋分けなんだから」
「普通女の子は女の子同士じゃないっ」
「ああ、もしかしたら留美は女の子に見えなかったのかもね」
「なんだとこらあっ!」
鈍い音がした。音だけでは判別しがたいが、女の方は格闘の心得があるのだろうか。
「いたた……」
「だいたい、その、困るじゃないっ。着替えとか、お風呂とか、一緒の部屋だし……」
「へぇ。留美はそういうの、気にするんだ」
「どういう意味よっ」
「いや、うちの姉さんたちは、全然気にしなくて、僕の方が困ってるくらいだから……」
「……あたしは、気にするからね」
「大丈夫、興味ないから見ないよ」
「それはそれでむかつくわよぉっ」
「どうしろっていうのさ……」
やれやれ。何とも緊張感のない連中だ。
……が、しかし。
ここは一つ、女の格闘能力がどの程度のものか、確認しておくべきだろうか?
A 軽く踏み込んで、確認しよう。顔を隠してと。
B しまった、中からでてくるぞ!
C 十分だ、次の部屋に行こう。
D 急に尿意をもよおした。
Dしかないッ!
Aにしとく
むうっ!?
じわりと下腹部の辺りから込み上げてくる、震え上がるような、だがわずかに心地よさも憶える妙な感覚。
兵士として鍛えられた、私の精神を掻き乱すこれは――尿意だ。
これはいかぬ。先ほど飛び込んだ海が冷たかったせいか、急激に尿意が込み上げてきた。
これでは集中力を欠き、戦闘力も低下する。
……そういえば先ほど、風呂が一緒の部屋と言っていたな。ならば中には便所もあるのではないか?
手の届くところにあるかと思うと、ますます落ち着かない気分になる。
思わず腿を寄り合わせてしまい、とても戦友たちには見せられない恰好だ。
さて、いかにするべきか。
A 自然は自然のままに。再び海に飛び込み、そこで放尿する。
B 中には便所がある公算が大。制圧して、そこで堂々と用を足すべきだ。
C いや、まだ隠密行動は維持するべきだ。他に便所を探そう。
D 任務遂行中だ。我慢して調査を続ける。
E と、通路の影から誰かがでてきた。不覚――(人物指定)
b
――中には便所がある公算が大。制圧して、そこで堂々と用を足すべきだ。
そう、覚悟を決めた矢先……。
「従兄さん、ちょっと耳ふさいでて」
「はぁ? なに言ってるの?」
「と、トイレ使うのっ! 聞くな、覗くなっ!」
「あ、あのねぇっ、人を変態みたいにいわないでよっ」
「うるさいっ、いいからっ!」
トイレ――やはり便所はあったか。が、中の者に使われ、鍵でも閉められたらやっかいだ。
その便所、私が先に使わせてもらうっ!
便所があるという情報と、尿意に急き立てられるのが重なって、反射的に飛び込んでしまう。
中はさほど広くない。
寝台に腰かけている男と、今しもドアを開けようとしている女――。
武装はしてない。警戒さえしていない。不意の乱入に、間抜け面を晒すだけ。
まったく、呆れるほど平和な脳味噌共だ。
さて、用を足すのも重要だが、せっかく人目に我が身を晒したのだ。
できれば生け捕りにして、情報を得たい。
だが相手は2人、対処を間違えれば致命傷になりかねん。
この一瞬で、間違いない判断を下さねば。
A やはり男の方が危険だろう。男の体勢が悪いうちに、一瞬で仕留めるべきだ。
B いや、格闘の心得があるやもしれぬ、女の方が危険だ。こちらに向かおう
C うおおっ!? 急激に尿意が。便所に突入!
D うおおっ!? 急激に尿意が。だけど気にせず2人に向かおう。
Cw
踏み込んだ瞬間――足を大きく動かしたのが悪かったのか、急激に尿意が!
うおおっ! これはまずい。小水を迸らせながら戦うなど、恥辱の極みだ。
そういえば、先日駅前で拾った雑誌に、小便で三人組を威圧しながら戦う格闘絵巻があったが――
私はあそこまで達観する気にはなれない。
ええい、どけ、小娘っ! 便所は私が使わせてもらうっ! 驚く小娘を突き飛ばし、便所の扉を開けた。
なんだ!? 風呂と一緒なのか、この便所は。まぁ用さえ足せればどうでもいいが……。
しかしさっきから便所便所と連呼して、さすがにはしたない気がするな。
とにかく、私は内側から鍵をかけ、服を脱ぎ――ぬぅっ! 脱ぎづらいぞ、この戦闘服っ!
ええい、全部脱ぐ必要などない。布を寄せて、そこから出せば用は足りる。
しかしなんでこんなに高いんだ、この便所は。またぎづらいではないかっ!
私はかなり恥ずかしいがに股で便所をまたぐと、布をよせ、放尿を開始した。
気づかぬうちに、よほどたまっていたのか、弾けるような勢いで迸る、私の尿。
溜まっていたものが溢れ出す、爽快な快感が身を流れる。
うむ、かなり透明で、健康的だな。よろしい。
私は恍惚とした、ため息をついた。
と、背後から――、
「な、なに、今の人?」
「……よっぽど切羽詰まっていたんじゃないのかなぁ」
「すごい音だものねぇ……」
や、やかましいっ!
「ねぇ、変質者とかじゃない?」
「確かに恰好は変だったけど……」
「一応、通報とかした方がいいのかしら」
なんと!? これはまずい。が、放尿が止まらぬ。いかにするべきか――。
A 根性で止め、さりげなく事情を説明する。
B 根性で止め、2人の口を封じる。
C 気にせず、心ゆくまで放尿を楽しむ。
D ……どうしよう。大までもよおしてきた。
C
便所。それは我ら強化兵が持つことのできる、監視から逃れられる唯一の聖地。
放尿。それは我ら強化兵が楽しむことのできる、唯一の快感。
この至福の一時のためなら、我らは万難を排し、立ちふさがる者を完膚無きまでに叩きのめすであろう。
それほどまでに貴重な時間なのだ、今という時は。
私はやや黄色がかった、半透明の液体を、思う存分放出した。
まとわりつく最後の一滴を腰を振って落とし……くそぅ、やはり使いづらいぞ、この便器。
仕上げに、ちり紙で軽く拭い、流しておしまいだ。
ほほっ、これでなんの憂いもなく、戦いに身を投じることができる。
では……、
「やっぱり従兄さん、警備の人呼んでみるわ」
「そこまでしなくてもいいと思うけど……」
まずい!
A やられるまえにやれ。予定通り、飛び出して気絶させる。
B とりあえず、礼を言って一般人を装う。
C 脱出口――おお、あの天井板、外せそうだ。
D いっそ血でも撒き散らして、それどころじゃなくしてみよう。
B
私は慌ててドアを開け、2人の前に姿を晒した。
顔を見せるのは得策ではないが、さりとて、騒ぎになるのはもっとまずい。
「すまぬ、騒がせたようだ。急に尿意をもよおしてな」
「は、はぁ」
女の方は、電話を手に持ったまま固まっていた。危ないところだったな。
さて、このまま出ていってもいいが……せっかく顔をさらしたのだ、少し話をしてみるか。
「座ってもいいか?」
「え゛!?」
「ど、どうぞ」
女が露骨に嫌そうな顔をするが、男が反射的に許可を出した。
ふん、日本男児も軟弱になったものだ。
ぬっ!? 尻が冷たい……。まだ服が乾き切っていなかったか。
――しかし、女の方は、まだ受話器を手にしたままか。
男が、ちらちら様子を窺いながら、尋ねてきた。
「あの、変わった恰好ですね?」
「む、そうか?」
「もしかして、ダイビングのインストラクターの人ですか?」
「……そんなところだ」
敵性言語はよく分からぬが、頷いておこう。
あちらが納得できる答えをだしたのならば、そう思わせてやればいい。
「ところで、少々聞きたいのだが……」
やはり、まずは人だな。
「なにか不審な人物を見かけなかったか?」
2人の眼差しが一斉に、不審人物を見るものに変わった。
あれ? 私か?
A 「あんたでしょ」 女はますます警戒を募らせたようだ。まずい。
B 「藤井冬弥(きっぱり)」 ……個人的な恨みでもあるのか、男?
C 「そういえば、隣の客室に……」 人物指定ドゾー
D 突如爆音と振動が船中に響き渡った。
B
「藤井冬弥(きっぱり)」
男は、まるで親の仇のように、はっきり言いきった。
「……どういう男だ?」
「あの、あたしトイレ」
なぜか女は逃げるように、便所に入る。
「どういう男だって言われても困るけど、ほんとは一応友達だから、悪口なんて言いたくないんだけどさ、
でもちょっと顔がいいからって、森川由綺なんてクラスでも一番可愛い子を彼女にしておいて、地味だけど、
あまつさえ由綺がアイドルになってなんかもう人生の勝ち組? って漫画みたいな展開しておいて、
そのくせ由綺とちょっと会えないからってあっちにふらふらこっちにふらふら、
同じ男としてみていて情けないというか腹が立つというか、なんであんなのがもてるのか、
ヘタレぶりが保護欲をそそるというなら僕はなんなのさってグチの1つや2つも……」
男の愚痴は1つや2つでなく、延々と続いた。
情報収集の基本は相手に喋らせること、とは言うが……まるで拷問のようだ。
あまり意味なさそうだし。
そろそろぶち切れてもいいだろうか、と思った矢先、水を流す音がして、女がでてくる。
……なるほど、これを見越してだったのか。
「まだやってたの。落ち着け兄者」
「僕は冷静だよっ、大体さぁ」
「いいから黙れ」
女が延髄に肘を落とした。下手したら死ぬぞ、それ。男はぐったりしている。
「気にしないでいいわよ。従兄さん、藤井さんが絡むといつもこうなの。
普段は……まぁ、いい人なんだけどね」
ふむ? 用を足したせいか、女の方の警戒心が薄れている。
それに、身になる情報はあまり得られなかったが、女と共通の話題を持てたという効用はあったか。
しかも男の方は、気を失っている。ここは一つ。
A 流れに乗って、女とにこやかに世間話
B 当初の予定通り、女を脅して情報を引き出す
C どうも役に立ちそうにない。これ幸いと、席を立とう。
D ……ん? ベッドの下に、なにかあるな。(なにか指定 人でも物でも)
A
業務連絡、業務連絡。
不意に気づいて調べてみたら、岩切の一人称は”あたし”でした。
以後の修正と、以前の脳内補完を要請いたします。
ごめんなさい。ってか、話ののっけから間違えてるw
前作のタイトルを選択してくれ
A タイムウォーカー優季
B 草壁ふたたび
C 時をかける少女
D クサカベノ・トリガー
E 大長編選択スレ 優季と明治時代
F 大長編選択スレ「選択スレ 優季の明治漂流記」
G TPゆうき
H センスない 俺が自分で決める
>>463 ちゃんとタイトル案としてでたの全部網羅してなくないか?
折角なので雰囲気に乗じて、この娘から少し情報を聞き出す事にしよう。
向こうはあたしの事を“いんすとらくたー”とか言う者だと思いこんでいるから、それも考慮して会話を選ばねばな。
「…それにしてもなんだな。従兄とは言え男女二人きりで同室とは、色々と気苦労があるだろう」
「そうそう、そうなんですよ! …そりゃあ、確かに応募条件は男女のカップルだったけど…」
「応募条件とは?」
「あっ、そう言えば……えーっと……」
「岩切だ」
「あ、すいません。あたしは七瀬留美って言います」
娘──七瀬留美はそう言ってぺこりとお辞儀をすると、すぐに先程言いかけた言葉を改めて口にした。
「えっと、岩切さんはインストラクターさんでしたっけ。モニター募集の話は聞かされてないんですか?」
「ああ。ただこの船に向かうようにだけ言われてな」
嘘は(殆ど)言っていない。こういう時は一握りの真実を混ぜて話すと、相手の信頼を得易くなるものだ。
本当は相手に嘘を信じ込ませる為の技法なのだが、こういう臨機応変さは大切だ。
「このバジリスク号の試験航海の一ヶ月前に、スポンサーの(1)が大々的に広告を打ち出して、
一般から男女カップルのモニターを10組募集したんです。それであたし達は友達と一緒にそれに応募して当選したんです。
と言っても、その友達はみんな当選できなくて、ここに来れたのはあたし達だけなんですけど…」
なるほど、先の部屋もこの部屋も男女二人組だったのはそのせいか。
…だが、それならばあの岸田という男にも女の連れがいるのだろうか。後でまた拷問して訊いてみた方が良いかも知れん。
「ところで岩切さん。ちょっと訊きたいんですけど」
「ん? 何だ?」
「どうして岩切さんは不審者なんか探してるんですか?」
ぎっくう! しまった、要らぬ失言をしてしまっていたか! どうする?
A 適当に話を濁して部屋を立ち去る
B 口止めをした上で掻い摘んで事情を話す
C 実際に岸田がいた事だし、妙な男が船内をうろついていたと言う
D 悪いが七瀬(留美)にも暫く眠ってもらう
(1)は?
a 柏木グループ
b 来栖川財閥
c クンネカムン皇國
d 篁エネルギー
e 向坂家
f 倉田財閥
Cc
じゃあ改めてこん中からタイトル選択しようぜ。
A タイムウォーカー優季
B 草壁ふたたび
C 時をかける少女
D タイムエロセックス
E マイナス・エロ
F 時をかける恥女
G クサカベノ・トリガー
H 大長編選択スレ 優季と明治時代
I 大長編選択スレ「選択スレ 優季の明治漂流記」
J TPゆうき
K あーるーはぁどうしてぇー大人になるんだろぉー あーるーはぁいつごろぉー大人になるんだろぉー
L センスない俺が自分で決める
I
「実は、妙な男が船内をうろついていてな」
「……妙な男?」
「うむ。一見優しげな若い男だが、どうも行動が不審でな。凶器のようなものも持っていた。
もしも見かけたら、あたしか、誰か船の者に連絡するように」
「あ、はい。気をつけます」
まぁ拘束されているから会うこともないだろうが、もしも奴が発見、
あるいは脱出した場合、あたしの証言を裏付けることになる。
ばらまいて損はない情報だ。
さて、この娘からはさほど得る情報もないようだ。そろそろおいとまするとするか。
と、その時、
――ピンポンパンポーン♪
む? なんだ!?
――あー、あー、サクヤ、これでよいのか?
――はい、ばっちりです。クーヤ様。
――うむ。こほん。皆の者、心して聞くがよい。余はバジリスク号のオーナー、アムルリネウルカ・クーヤである。
A 夕餉の時間だ。全員、でぃなあるうむに集まるがよい。
B 床上手なサクヤが、べっどめいきんぐに向かう。部屋を空けて待つがよい。
C 不審人物が船倉より発見された。調査を行うので、全員、部屋から出るでない。
D さぁ、楽しい歌謡ショーの始まりだ。全員余の歌を聴くがよい。
D
――さぁ、楽しい歌謡ショーの始まりだ。全員余の歌を聴くがよい。
はぁ?
呆気にとられたのもつかの間、伴奏曲が流れ始める。
兵士としての緊張感をぶち壊す、やたらと牧歌的な曲だ。
――うーさーぎーおーいし、かーのやーまー♪
なんのまねだああああっ!?
いや、その、特に害はないのかもしれないが……ひたすら気が抜ける。
「……これは、なんなんだ?」
「あたしに聞かれても……」
七瀬も……というと、男と区別がつかないか。留美も呆気にとられている。が、
「でも、こんなのもなごんでいいかもね」
「そ、そうか?」
「これもおごってくれた代金のうちって考えれば、許せるかな」
あたしにはそんな義理はない。
ましてやこのような歌、聞き続けていたら兵士として大切ななにかを失いそうだ。
――わーすーれーがーたき、ふーるーさーとー♪
ああ、そういえば、昔優しくしてくれたおばあちゃん、もう、いないんだろうな……。
はっ! いかん、いかん、こんなことではっ!
「ううっ、いい歌だわ……」
留美も感化されて涙ぐんでいる。
このままではまずい。
そういえば、このクーヤという娘、バジリスク号のおぉなぁと言ったな。
この者に会えれば、この船の真相に一歩近づけることは間違いないだろう。
――ぱちぱちぱち。良かったですよ、クーヤ様。
――うむ。次にいくぞ、サクヤ。
――はいっ。みゅーじっく、すたぁとっ!
ぬうっ、次の曲が始まった!
A よし、この歌の発生源を突き止めよう。
B いや、いきなりは無理だろう。予定通り客室の調査だ。
C これ以上聞いていては危険だ。あたしはすぴーかーを破壊した。
D ううっ、おばあちゃん……。あたしはそのまま留美とむせび泣いた。
D
――うーさぎ うさぎ なに見てはねる 十五夜おー月さま 見てはーねーーる♪
ああ、この歌もおばあちゃんが良く歌ってくれたっけ。
なぜだ。なぜこんなにもあたしの心を揺さぶるのだ、この歌は。
……あたしも兵士である前に、1人の日本人、1人の娘であったと言うことなのか。
あたしはみっともなく涙を流しながらも、その素朴な調べに心を委ねた。
――おころり小山の白兎 白兎 ねんねんころりと もうねてか♪
気づけば、留美も泣いていた。
うむ、現代人であるお前にも、日本人の魂は残っていたのだな。
分かる、分かるぞ。
魂を響かせあったあたし達は、がっしと組み合い、互いの頬を、熱く涙で濡らした。
――そこへうさぎが跳んででてー ころりころげた木の根っこ♪
いや、その歌はどうかと思う。
――以上だ。ご静聴、感謝する。
――ぱちぱちぱち。えぐっ、ひっく。
――こら、サクヤ。そなたまで泣くでない。
それを最後に、歌は途切れた。
「……あの、なにしてるの?」
その時、間が悪いにもほどがある間合いで、彰が目覚めた。
もちろん、あたしたちは抱き合ったままだ。
めっちゃ気まずい。
A 記憶を失え。殴って再び気絶させる。
B 腹が鳴った。……そういえば、腹が空いたな。
C あ、あたしたちはこういう関係なんだっ! と、なぜか口走ってしまった。
D 「留美に手を出すなっ!」なにを勘違いしたか、襲いかかってくる彰。
b
ぐ〜っと、妙に気の抜けた音が鳴った。
「留美……」
「あ、あたしじゃないわよっ!」
「すまぬ。あたしだ」
……そういえば、腹が空いたな。
さっき海に下りたとき、魚でも捕まえて食っておけば良かった。
「なにか食べるものはあるか?」
「彰、なにか持ってる?」
「持ってきたお菓子なら、全部留美に食べられた」
気まずい沈黙が、七瀬兄妹の間に落ちる。
「こ、こほんっ。悪いけど、なにもないわ。でも、もうすぐ夕食じゃない」
「そうだね、そろそろキャビンの方に行ってもいいんじゃないかな?」
ほう。夕食か……ということは、台所に潜入すれば、なにか食い物があるに違いない。
腹が減っては戦はできぬというしな。
「じゃあ岩切さん、一緒に食べましょう」
え?
む……困ったな。食堂に行けば、私が潜入者だと見破られるかもしれぬ。
岸田がいないことが、問題になるかもしれない。
だが、他のものと知り合いになり、情報を入手できるやもしれぬ。
ここは一つ……。
A 素知らぬ顔して席に着き、飯をいただこう。
B 台所に潜入して、誰かの飯をかっさらおう。
C 武士はくわねど高楊枝。客室から人が消える食事時こそ、調査のチャンスではないか。
D あんな歌聞いてたら、どうしてもウサギ汁が食いたくなった。ウサギを探そう。この際ウナギでもいい。
C
武士はくわねど高楊枝。あたしは誇り高き強化兵。なによりもまず、任務優先だ。
「すまぬが、あたしの食事は別に用意されているのだ」
仕官と兵卒は別の食堂。これは常識だ。
「そうだね。従業員なら、お客と一緒はまずいよね」
「え、そうなの?」
「カウンターで平気でものを食べるバイトは、例外中の例外」
「き、聞いてないわよ、そんなことっ」
「一般常識の範疇だし……」
とまぁ、仲良くケンカする2人と別れ、探索再開だ。
食堂に向かう流れに逆らい、人が消えるのを待つ。
本当に、恋人や兄妹だらけだな……寂しくないぞ、くそぅ。
そろそろいいだろう。
あたしは三番目の客室の前に立ち、中に誰もいないのを確認すると、素早く滑り込む。
といっても、作りは同じだから大して変化は――む!?
A どっこい、誰か中に残っていた。(人物指定)
B サクヤがベッドメイキングしに来た。
C とりあえず食い物を漁ろう。
D ワイヤーが足に引っかかった。トラップ!?
Aで宗一&七海
ロリータ相手にハァハァか……やるな宗エロ
5分前――。
「大丈夫だ、恐いことなんてないぞ、七海……」
「そ、そーいちさぁん……でもぉ」
ちらりと七海が、ドアの方を伺う。
外が騒がしくなってきた。どうやらみんな、食堂に向かっているらしい。
ちっ、俺と七海のメイクラブの邪魔だな。気が散ってしょうがない。
「よし、エージェント7つ道具の一つ、消音スクリーーーンッ!!!」
見た目は、昔使われていた、蚊帳のような物だが、これは蚊ではなく、音を遮る。
薄く透明な膜を境に、外の音は聞こえないし、中から音が漏れることもない。
本来、潜入用に使う物だが、こういった秘密の会合にも便利な代物だ。
「これで音は漏れないし、聞こえないぜ」
「ほ、ほんとうですっ。なにも聞こえなくなりました」
「だから、どんなに声を出しても平気だぜ、七海……」
「あっ、恐い、です……」
「俺がついてるのに、恐いことなんてないさ……」
――そして現在。
誰もいないと思って滑り込んだ部屋の中では、男と女が交合している最中だった。
な、なにも音などしなかったのに! こんな事をしてるのに強化兵の耳をごまかせるとは、どういう事だ!?
む? この透明な膜が、音を遮っていたのか!? おのれ!
あたしはその膜を切り裂くと、2人は――。
A まだ2人は先っぽしか入ってない、生殺し状態。
B ちょうど処女膜も裂かれたところでした。
C フィニーーーーーッシュ! なんか白い液がこっちに飛んできた。
D とりあえず、このバカ共を蹴飛ばしとけ。
B
おれはID:5IWUByBs0を蹴飛ばしたい(泣
エロ展飽きたからリコールな
A ふざけるな!そもそもこのスレの大義は書くのも選ぶのも先着が原則であり、はるかに比べればマシなので我慢するべきなのだ!
B もういいよそれで('A`)
無意味なエロはいらんと思うが無意味なリコールはそれ以上にいらんのでA
「……っく……ぅぅ……っぐ…宗一……さぁん……」
「大丈夫だ。俺を信じて身体の力を抜くんだ。七海」
「うっ…は……はい……くぅぅっ!」
膜を切り裂いてみると、その内側でも膜破りの真っ最中だった。
むう、それにしても女のほうは随分と小柄……というか幼い。
これはどこぞの法にでもひっかかるのではなかろうか?
「あっ!……っく…っは…っぐ……ああっ!」
「くぅぅ……七海……七海ぃぃ!」
防音膜が破られたことに気づかぬまま二人は交合を続けている。
しかし、容赦がないな男の方。相手はおそらくは生娘だろうに。
見ろ、小さなその秘唇を男の肉根に貫かれて痛みに顔をしかめているではないか。
不慣れな膣肉を肉棒でかき回されるのはさぞかし苦しかろう。
ましてあのような幼き身だ。それでも娘は懸命に男を受け入れようと耐えているな。
なんともいじましい。今の世には有難き健気さだ。
なにかしてやれることはないのか……
A 男をしばいてもっと優しくしてやるよう諭してやる。
B 生娘でも楽に快楽が得られるよう自分の血をプレゼントする。
C そうこう思い悩んでいるうちに二人に気づかれた。
D 消音膜も破けたも知らずギシアンやってるから誰かやってきた(人物指定)
ぐだぐだだ
D
雅史&由依
「あれ?佐藤さん。なんか変なうめき声みたいなの聞こえません?」
「そうかな。言われてみればそんな気もするけど」
どうやら他の客にも勘付かれたか。例のごとく男女連れのようである。
こうなれば長居は無用か。あたしは気づかれぬよう気配を消してその場を立ち去る。
「「「「△◎*@”$%&□×!”¥〜〜〜〜〜」」」」
後ろのほうがどうにも騒がしいが気にしては負けだな。そう見切りをつける。
さて、気を取り直して調査を再開するとするか。
続いて滑り込んだ客室をあたしは検分している。
見る限りではこれといって怪しそうなものはなさそうだが物事は蓋を開けてみるまでは分からん。
さて、手始めにどこから調べるか。
A 衣装棚
B 床に置きっぱなしの手荷物
C 浴槽と厠
D 布団の中
c
あたしはまず浴槽と厠を調べる事にした。一見何の問題も無いように見えるが、さて。
まずは浴槽…には何も無い。厠も蓋の裏まで調べたが何も無い。
とりあえずここには何も無しか…。あたしは洗面所で顔を洗い、布団の方を調べようと移動する。
『ゴボゴボゴボ…』
その時だ。あたしは洗面台から流れる水の異音に気付いた。
これは排水溝に何かが詰まっている音だ。
普通の人間なら気付かないかもしれないが、常に水と共に生きるあたしは聞き逃さなかった。
洗面台の下の排水管を指で叩く。すると一部だけ反響音が妙になっている個所があった。
管の間接部を良く見ると、一度取り外してあるような痕跡がある。間違い無いようだ。
間接部を取り外し、その部分の中を覗く。
「かぷせる…か?」
排水溝の中には防水処理をした透明の器が入っていた。
「ぷらすちっく」の「かぷせる」という奴だ。その中に写真の「ねが」らしき物が入っている。
あたしは続けざまに衣装棚、布団の中も調べた。
やはり。ぱっと見は何も無いように見えるが
棚の引き出しの裏側に拳銃、布団の裏側には爆弾が隠されていた。
この部屋にいる人物は何者だ?破壊工作でも行うつもりなのか?そこまで考えた直後、
急にまだこの部屋にいる人物の名札を見てない事に気付き入り口に急いだ。
名札には岸田洋一…ともう一人、女らしき名前が書いてあった。
やはりあの男の部屋だったか。予想はしていたが奴も「かっぷるのもにたあ」として乗船したという事か。
奴のような暴漢がいる以上、他にも何やら悪しき目的でこの船に乗った輩がいるかもしれん。
調査の妨げになるならば、潰すのも致仕方ないか…。
そう考えると、急に岸田の事が気になりだした。
奴一人の力では脱出しきれないように縛っておいたが、女の連れがいるとしたら話は別だ。
岸田はあたしが人外だから勝てたが、普通の人間としてならなかなかの手練れ。
それだけの男と組むという女だとしたら、相当の切れ者か、
あたしと同じく力でも圧倒して支配している強者か。
とにかく岸田を捕えている地下倉庫に戻る事にする。
倉庫の近くにいくと話し声が聞こえる。
あたしは気配を殺し、慎重に近づく。
「無様ね…何かする前から捕まるなんて」
「お、俺だって計算外だったんだ!あんな化け物みたいな女があんた以外にいるとは…うぐっああっ」
あ奴が岸田の連れの女か。今の会話から察するに、この女もあたしと同じ異能力者か?
あたしは短刀を構え、さらに接近する。棚の裏側に身を潜ませ、
岸田と連れの女の姿を確認する。岸田は相変わらず縛られたまま、あたしの血により苦悶している。
女の方は…あたしが身を乗り出したその時!
A 「誰?」見つかった!?仕方ない、貴様も捕えさせてもらう!
B 「貴方はもう用済みよ」女は岸田を殺害した。何のためらいも無く。
C 「仙命樹か…仕方ないわね」女は服を脱ぎだした。なに?破廉恥な…それ以前に何故仙命樹を知っている!?
D 「そろそろ迎えが来る頃ね」異音が聞こえる。この音は…船か?飛行機か?
この女は何者か?
1 リサ・ヴィクセン
2 石原麗子
3 カルラ
4 カミュ
5 月島瑠璃子
6 柏木千鶴
B6
悩むが……Bの6
B以外にしろよ・・・・・
「貴方はもう用済みよ」
突電現れた女は岸田を殺害した。
・・・何のためらいも無く。
(こ、この女・・・・・・)
話は数分前に戻る
「無様ね…何かする前から捕まるなんて」
「お、俺だって計算外だったんだ!あんな化け物みたいな女があんた以外にいるとは…うぐっああっ」
「はぁ、まあ良いわ、貴方はもう用済みよ・・・もう奥に引っ込んでなさい
そうそう、ご褒美くらいはあげないとね?私の手料理だけどこれでも食べて下がりなさい」
「いやちょっと待て、それは料理なのかなんかちがややysぁぁぁぁぁっ!!」
「ほら、ちゃんと約束どおりの豪華料理よ?良く味わいなさい
まぁ、すごい、アワビにウニに明太子にシメサバ海の幸が豪華絢爛だわ・・・さすが私」
「くぁせdrftghyじゅ・・・・・・・・・・・・・・・」
「あら?こんなところで寝ちゃ駄目じゃない?もう、邪魔ね〜ちーちゃん困っちゃう」
(こ、この女・・・・・・)
「ふん、用が済んだら毒殺か・・・えぐいもんだ」
「し、失礼ね・・・誰が毒殺よっ!あまりの美味しさに天にも昇るように感動してるんだわっ!」
「いや、どう見ても本当に天に・・・いや地獄逝きだろう・・・」
「ふ、ふん、貴方みたいな怪しい人に言われたって動じないわ・・・って、あなた誰?」
「今頃その疑問に行き着くのかいっ!」
「そ・・・そんなことないわよ!貴方がきっと侵入者ねっ!なんとなく年増っぽいし」
ビシィ!とあたしを指差しながら断言する・・・誰が年増か!お前に言われたくないわ、行き遅れっぽいくせに!
そんなあたしは
A 罵詈雑言の暴言合戦に突入した
B なんとなく、「違うわ」と言い返した
C だといったらなんとする?と死神博士っぽく挑発してみた
……
さて…
俺に遠慮せず選んでいいよ……
b
選ぶんだ……頑張れよ……
「違うわ」
なんとなく、そう言い返した。
実年齢は戸籍の上でとんでもない年だとしても、眠っていた分が
肉体的には年を取っていないのだから若いというのも当然の事だ。
「それでも見られた以上は消えて貰わないと困るのよ!」
「それは三下のいつも吐くようなセリフね!」
ヒュッ、ガキィィィン!
千鶴が奇襲に放った皿を仙命樹の反射神経のみで小刀で弾き落す。
この女、毒殺だけじゃなくて身体能力のほうでも充分に使えてる!
「その程度ではあたしの相手にはならない」
「そんな見え見えの強がりには乗りませんですことよ!」
動揺を隠そうとしても隠し切れないあたしに爪で察した千鶴が切り掛かって来た。
まずい、これは隠し武器!?それとも特殊能力!?
A とにかくまた弾き受ける
B 鬼に勝てるわけがないので隙をついて逃げる
C 仙命樹があるのだから食らってしまえ
はあ…
うーん…
白黒つけるためにリコールを提案したいんだが……
A
>>498-504をリコールする
B もういいじゃん続けようぜ
Aで
「悪いけど、貴方はもう用済みです」
「ま、待て!俺にはまだ策があるんだ!策さえ使えれば…」
「その策で、私を騙し犯そうとしたのは誰ですか?」
「そっそれは…」
「…貴方を、殺します」
その刹那、あたしは信じられない光景を見た。
女の目が赤く彩られ、冷ややかな表情になり
右腕の爪が急激に伸び、刃物のような形状に変化したのだ。
「貴方の最大の誤算は、私を普通の人間だと思い込んでいた事です」
「ひっ、寄るな…寄るな化け物ォ!!」
「…さようなら」
ズドッッッ
女の爪が、岸田の心臓を貫いた。あたしが念入りに巻き付けておいた鉄線、鋼線の外から
丸ごと貫通し、背中側の鉄線まで貫く。とてつもない破壊力だ。
「ぐあっ…せ、せめて誰か犯してから死にたかった…」
岸田は絶命した。返り血を浴びたままの姿で女は話出す。
「もう解っていますよ…。そこの方、出てきたらどうですか?」
やはり気付かれていたか。あたしは小太刀を構え、戦闘体制のまま女の前に姿を表した。
「貴様が柏木千鶴だな?その爪…あたしと同じ人外の者か」
「ええ、そうです。人外というより鬼ですけどね」
なんだ?この女は。今し方人を殺したかと思えばもうにこやかに微笑んでいる。何を考えているのだ?
「岸田さんをこの部屋で捕えていたのはあなたですよね?」
「何の事だ?」
ここはとぼけておいた方がいい。この女から情報を聞き出せるかもしれん。
「私はちょっとこの船に用があって応募したのですが…、当選できなかったんですよ」
「用だと?」
「そうしたら用事が出来て当選を辞退する人が男女一人づつ出てしまって、その繰り越しで私と岸田さんが当選できたんです」
なるほど、確かに接点があるような関係には見えなかったがそういう事か。
「岸田さんは私を部屋に入れるなりいきなり犯そうとしましたが…この人も本当に運が無かったですね」
女は足元の死体を見つめて呟く。
「だってそうでしょう?開口一番で『俺はこの船の人間を殺しつくし、犯しまくる』ですって」
そんなのが目的だったのか奴は?ただの快楽殺人者か…
「乗っているのが一般人だけなら、その願いも叶えられたかもしれませんけど…私やあなたみたいな人がいるのは予想外だったようです」
「それで、貴様の目的は何だ?何の用でこの船に乗り込んだのだ?」
「それを聞いたら、あなたも岸田さんと同じ目に合いますよ?」
「岸田さんも最初襲われた時は殺さずに、逆に駒として動かしていましたが、あなたが捕えたせいで殺さなけばいけなくなったんですよ?」
何だと…!この女は岸田を殺したのはあたしが岸田を捕まえたからだと言っているのか?
「下手にあんな状態で見つかったら同じ部屋にいる私が疑われますからね…。そこであなたにお願いがあります」
「…言ってみろ」
「私は今ここであなたと会った事は忘れます。だからあなたも私と会った事を忘れていただけませんか?」
「どういう意味だ?」
「次に廊下やホールで会ってもすれ違っても、お互い干渉しない、無視するという事です」
「貴様が岸田を殺した事も無視しろという事か…!」
「そうです。この死体は私が処理しておきますから」
「断る、と言ったら?」
「…処理する死体が二つに増えるだけです」
「くっ………」
「あなたにもやらなくてはならない仕事があるのでしょう?私にもあるんです。お互い触れない、関わらない。それでいいじゃありませんか」
目の前の千鶴という女は相変わらずニコニコと笑っている。腕を血に染めたまま。
どうする?この女の目的は解らん。聞き出すには力づくしかなさそうだが、それは並み大抵の事ではない。
平気で人一人殺せる冷酷さ、鋼線を貫ける怪力、俊発力。強化兵であるあたしでも太刀打ちできるかどうか。
あたしはこの女に…
A 従う。次にどこで会っても無関心、無干渉だ。
B 逆らう。この女は危険だ。今ここで始末する必要がある。
C 『かぷせる』を見せる。岸田の部屋の排水管に隠してあった物だ。
D しまった、この惨劇を見られてしまった!(この物語に登場済みのキャラの中から人物指定)
E その瞬間、船が動き出した。
e
746 名前を選択して下さい 2006/08/26(Sat) 11:10
唐突なエロ展や空気を読まないギャグもあまり良くなかったのは確かだが
それで一気に廃れてしまう粘りのなさもどうかと思う。
まして後者はリコールされたんだし。
ガクン
「む、船が……」
「出航しだしたようですね」
あたしが千鶴へどう返答しようか迷っていたその時、船が動き出した。
思っていたよりも軽い振動、戦時中の輸送船などとはえらい違いだ。
「どうしますか? もう陸へ戻るのは難しいですけど」
相変わらず千鶴は微笑みを絶やさない。
逃げ出すという選択肢の一つが消えたからだろう。
……もっとも、別にこの船が沖に出ようと遭難しようと、あたしからすれば問題はない。
いざとなれば船を飛び降りれば済むだけの話だ。
だが、そんなこちらの都合を話す必要も無い。
あたしは考える、今後この船の調査を続ける上で最も有利そうな判断を。
あたしは――
A この場は千鶴の言うことを聞き、相互不干渉とする。
B 調査の重大な障害だ、ここで全力で戦う。
C 「あ、アンタ達、何をやってるんだ!」誰か男があたし達を見つけてしまった(既出の男性から人物指定)
D 「え…あ、あなた達何を……」誰か女があたし達を見つけてしまった(既出の女性から人物指定)
D 由依
ガタン
その時、扉のほうから物音が聞えた。
「誰だっ?!」
あたしと千鶴が振り向くと、そこには一人の少女がいる。
「え…あ、あなた達何を……」
しょーとかっとに黄色いリボンを付けた女の子だ。
この声は…あたしが防音膜を破ったせいでょぅι゙ょの性交を覗いてしまった男女の片割れのはず。
少女はあたしと、無惨に殺された岸田と、腕を血で染めた千鶴を見てしまった。
動揺が隠せないようで、怯えた瞳でガクガクと体を震わせている。
マズイな、今船内で騒ぎを起こされては困る!
A 「くっ」あたしは素早く少女に飛びかかり、その場で捕らえた
B 「仕方ないですね」あたしが反応する間もなく、千鶴が一足飛びで少女の前に立ち…その胸を貫いた
C 「い、嫌ぁぁぁぁっっっ!」しまった、少女が叫びながら逃げ出した
A
「くっ!」
「えっ? あっ、きゃぁっ!」
あたしは素早く少女に飛びかかり、その場に押し倒した。
状況を理解できずにいた少女は、逃げる間もなく組み伏せられる。
手を後ろにねじり上げ、細い首筋に小刀を当てた。
「声を出すな」
「あ……う……」
喉元に当てられた白刃にこちらの意を汲み、少女は口を閉じる。
「鮮やかなお手並み、見事ですね」
「……民間人の女の子など、取り押さえても何の自慢にもならん」
千鶴がかけてきた褒め言葉をあたしは適当に流す。
「……どうするべきだ、この娘を」
あたしは千鶴に聞いてみる。
千鶴は扉を閉めながら、少女を見下ろしていた。
「や、やだ……お、お願い…助けて……」
突然の出来事、理不尽な暴力と脅迫に少女はボロボロと涙をこぼす。
千鶴の血に染まった腕と冷たい表情を交互に見比べながら、必死に命乞いをする。
「もちろん、殺しますよ。邪魔ですから」
「っっ!」
やはり、千鶴はこの子も殺すつもりだ。
先ほどの岸田と違い、この子は本当にただ巻き込まれただけ。
そんな不幸な少女も、この女はあっさりと始末しようとする。
「やだぁ……死にたくないよぅ……何も言いませんから……お願いですから殺さないで……」
「あなたにとっても、そっちの方が良いでしょう」
確かに、それは千鶴の通りだ、だが――
A 「……とりあえず今は縛っておくだけで良いのでないか」あたしは、柄にもなく甘いことを言った
B 「時間も惜しいので、もう始末しちゃいます」千鶴が無慈悲に少女の頭を叩き潰した
C 「ゆ、由依ちゃん?!」「さ、佐藤さん!」扉越しに声が。しまった、近くに男がいたのか!
A
ガタッ
その時、入り口の方から物音が聞こえた。
「ひ…人が…し、死んでる…」
しまった!人に見られてしまったか。だがこれはある意味好機でもある。
目の前には岸田の死体と血に濡れた千鶴の姿。
どう考えても言い逃れできない状況だ。
「あ…あなたがやったんですか?」
女は千鶴の方を見てそう言っている。
この声は、あたしが破廉恥にも交合している男女の客室から抜け出す時に
通りかかった男女の女の声だ。あたしはその時気配を消して逃げ出したから
当然この女とあたしは初対面という事になる。
どうする?どう動けばいい?あたしだけでなく千鶴も同じ事を考えているはずだ。
目の前の女も動かない。いや、動けないのか。
だが、次の瞬間状況は一変する。
A 「この女は殺人犯だ!監視員のあたしに任せて早く逃げろ!」あたしはそう叫んだ。
B 「助けて!あの女が岸田さんを殺した上に私の腕を…」千鶴がそう叫んだ。あたしを犯人にするつもりか!?
C 千鶴は女に飛びかかった。やはり目撃者は全員消すつもりか?そうはさせん!!
D 「だ、黙ってますから命だけは助けてください」女の方から命乞いしてきた。
E 「柏木千鶴、覚悟ッ!!」何と女の方が千鶴に襲いかかった!!どういう事だ?
521 :
520:2006/08/26(土) 17:54:46 ID:6S4kehbw0
あ、あれ?リロードちゃんとしたはずなのに…
申し訳ありません、520は無視してください
「……とりあえず今は縛っておくだけで良いのでないか」
あたしは柄にもなく甘い事を言った。
普通に考えれば潜入先で目撃者を生かす理由など無い。
口封じのために素早く始末するべきだ。
だが、やはり民間人の少女を手にかけるというのは…どうしても躊躇われる。
「……そうですか」
千鶴とやらはそれ以上何も言わず、岸田の死体に近づいた。
おそらく死体の処理だろう、あたしは千鶴の行為を自分の提案が受け入れられたと認識する。
千鶴に背を向け、少女を船内の壁際に押さえつけた。
「済まないが、暫く黙っていてもらおう」
「んー、んんー」
取り押さえていた少女が大声を上げないよう、猿轡を噛ませる。
次いで岸田と同様に鋼線や鉄線で縛り上げた。
「ふう…こんなものか」
「んんんんっー! んーんー!」
「どうしたんだ、窮屈なのはわかるが今は我慢を――」
少女の様子がおかしい、目を見開いて何かをあたしに訴えようとしている。
あたしの背後に何かあるのだろうか。
そう思って後ろを振り向いたその時――
A 「では、やはりあなたも邪魔ですね」ゾブリと、千鶴の腕が油断していたあたしの胸を貫いた
B 「ぬっ!」間一髪、襲いかかってきた千鶴の一撃を避けた
C 岸田の……死体が起き上がってきた?!
A
そんな簡単に超感覚は負けないかと
B
負けた…orz
ゾブリ
「……え?」
後ろを振り向いた瞬間、目に映ったのは間近にいた千鶴。
自分の体を見下ろすと…千鶴の腕があたしの胸を貫いている!
「ぁ…がっ…な、何を……」
千鶴は心の臓を潰して、背中まで貫いた腕を無造作に抜いた。
グラリと、あたしはその場に仰向けに倒れる。
「目撃者を生かしておくような人など邪魔なだけです」
紅く染まった腕を振り、軽く血を振り飛ばしながらあたしを見下ろしていた。
「くっ……ぁ…」
油断した、海の中ならばまだ察知出来たろうが…薄暗いとはいえ船内では実力を出し切れない。
不必要なら即座に岸田を殺すこの女に、目撃者を生かすつもりなどあるはずもなかった。
いくら仙命樹の超回復とはいえ、心臓を潰されては無意味だ。
ドクドクと血が流れ、意識が遠のいていく。
「猿轡を噛ませたことだけは感謝します、騒がれずに済みますから」
そう言いながら、千鶴は少女に近づいた。
「んんんんんんっっーーーー!!!」
少女は必死に体をバタつかせるが、全く意味のない行動だった。
ガシガシと鉄線や鋼線が僅かに軋むが、千鶴がそれを意に介するはずもない。
「……ふっ」
振り下ろされた千鶴の腕が少女の頭を振り下ろす。
嫌な音を立てて頭が叩き潰され、辺りに血と脳漿をばらまいた。
(すまない……すまない……)
任務も果たせず、このような最期を迎えるとは……情けない限りだ。
名も知らぬ少女の無惨な死、それがあたしが目にした最後の光景。
その少女への謝罪、それがあたしの最後の思考となった……
A Fin
B エピローグ
C ちょwwwおまwwwこんな最後でいいのかよ?
B
その後、高速実験船バジリスクは太平洋のど真ん中で沈没した。
生存者は救命ボートに乗っていた柏木千鶴ただ一人だった。
彼女からの証言によれば岸田洋一と言う男が船内で大量殺戮を行い、その結果沈没したそうだ。
彼女は岸田の魔の手から運良く逃れたとの事。証拠は全て海の底。
事件は暫く紙面やニュースを賑わしたが、やがて時代の流れに風化していった。
-DEAD END-
つーわけで次回選択
A ナイトライター(with 雀鬼's)
B Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
C 誰彼
D MOON.
E Routes
F 天使のいない12月
G 雫
H CLANNAD
I こみっくパーティー
J Kanon
K うたわれるもの
L To Heart
M White Album
N ToHeart2
O 鎖
P Filsnown
Q まじかる☆アンティーク
R AIR
S テネレッツァ
T Tears to Tiara
U ONE
V 痕
W フルアニ
U
F
じゃ、主人公選択
A 清水なつき
B 南明義
C 七瀬留美
D 椎名繭
E 柚木詩子
G 川名みさき
H 上月澪
I 深山雪見
J 里村茜
K 住井護
L 長森瑞佳
M 氷上シュン
N 城島司
O 折原浩平
J
よし、久しぶりに作品&主人公選べた。
…正直、今度は以前選んだマナの二の舞にならないでほしい。
あの時の君か。俺に任せろ。
──────────────
はじめまして、皆さん。私の名前は里村茜といいます。
この度はめでたく主人公と言うかヒロインに選ばれたわけですが…
さて、今の私はと言うと──
A 激甘ワッフルの食べすぎで太ってしまった。ダイエットしなくては
B 雨の中で待ち続けていたら風邪を引いてしまいました
C ネトゲーをしていたらゲームの世界に閉じ込められてしまいました
A
それは先日の話でした。折原と一緒に下校し山葉堂に寄って、
いつもの様に砂糖がけハチミツ練乳ワッフルをほおばっている時のことでした。
「なぁ、茜。 お前少し太ってきてないか? んなもんばっかり食っているからだぜ」
と、、いきなり直球ど真ん中のデリカシー絶無の発言をしてくれました。
「女の子にいきなりそんな事言うなんて、そんな人嫌いです」
と、いつもの様に切り替えしたのですが最近、スカートが少しきつい気がするので心当たりはあります。
不安に駆られた私は折原君と別れた後、駆け足で帰宅して体重を測ってみました。
すると、その数値は誤差の範囲を越えた増加の数値を示していました。
どれだけ増えたかって?それは秘密です、絶対に。
こうして、私は体重を減らす為にダイエットを試みる事にしたのですが、どのような方法を用いましょうか?
A カロリー制限。ワッフル禁止
B 運動で脂肪を減らす
C ダイエット用の薬や食品を用いる
538 :
名無しさんだよもん:2006/08/27(日) 05:11:59 ID:d1YZ6DfL0
aとbを複合で
カロリー制限に適度な運動。ベタと言えばそうですが、ダイエットの定石である事には変わりません。
くやしいですが、折原君の指摘は全く以って正しいです。
冷静になって思い返せばあのワッフル以外に原因は思いつきません。
私の放課後の娯楽が無くなってしまうのは寂しいですが、「少し太ってないか?」と言う彼の疑問が
「太ったな」と言う確信に変わった日には、私の乙女としてのプライドは完全に崩壊してしまいます。
そんな事にならないためにも今日から我慢です。
ただ、我慢できるでしょうか…なんか中毒症状起こしそうな気がします。
そして、カロリーの消費量を増やす為に運動量を増やすのも良いでしょう。
それらを吟味して、私が採った方法は──
A 来栖川電機の最新エクササイズマシーンのモニターに応募してみる
B エクスストリーム同好会に入会してみる
C ワッフル断ちに耐えうる精神を鍛える為、オンカミヤムカイ流心術を習ってみる
C
ワッフル断ちに耐えうる精神を鍛える為、オンカミヤムカイ流心術を習ってみることにしました。
カロリー制限に適度な運動は確かにダイエットの王道ですが、あくまでもそれを持続して行なう事が必要です。
ダイエットに成功して油断してリバウンド、何てことになったら目も当てられません。
その為には鉄の精神が必須であると私は考えました。
そろそろ考えてばかりいないで行動起こせですって?
分かってますよ。だから今、見学してから習ってみようと思い道場に来たんですから。
因みにここは降って湧いたような怪しげな健康セミナーではなく、この街の旧家のオンカミヤムカイ家が開いている道場で、
実績に関しては申し分なしです。何でもかの来栖川綾香もこの道場で精神修業をしたとか。
見学を申し込もうと受付の事務所に入ってみて、そこにいたのは──
A 師範でこの道場のお嬢さんのウルトリィさん
B 師範代でこの道場のお嬢さんのカミュさん
C 副長のムントさん
D その他、道場のお弟子さん※人物選択
Aでついにウル(ryから脱却
ドン
ドン
無意味に重厚な太鼓の音と共に、私の前にででんと現れたのは金髪長身でたわわなお胸をなさった方。
状況から察するにこの方が――――
「はじめまして。私がオンカミャムカイ姫巫女にして当代オンカミヤムカイ流心術継承者。この道場の師範を務めておりますウルトリィといいます。
どうぞ以後お見知りおきを」
「今噛みませんでしたか?」
「お黙りなさい」
「む、むぐっ!」
ウルトリィさんに一睨みされると急に口が開かなくなってしまいました。
これが心術の力だというのでしょうか…………
「入門希望者ですね? ではこちらにサインを。本来入門料は5000円ですがただいまサービス期間中につき入門料は無料になっております。
月謝は毎月現金を持参していただく形と口座から自動引き落としの2種類がありますがどちらになさいますか?」
「むー、ぐー、うー」
いやに手馴れた事務手続きです。なんだかあんまり神秘的なオンカミヤムカイの旧家なイメージではないですが……まあいいでしょう。
私は差し出された用紙にさらさらと氏名住所年齢その他を書き込んでいきます。
「里村茜さん……17歳ですか。ふふ、お若いですね。当道場の門をくぐった理由が……ダイエット?」
そこまで読んだところでチラリと私に視線をよこします。そして…………
「…………ふ」
唇の端で笑いました。正直乙女にその反応はないと思います。
「わかりました。では手続きは以上で完了となります。
ようこそ里村さん。オンカミヤムカイはあなたを歓迎しますよ」
そして席を立ち上がると同時に真正面の正門がその重そうなあぎとを開きました。
さすがにこのへんはお金持ちです。
「さてそれではさっそくですが、初日の稽古をはじめましょうか」
「はい……」
その後門を通って道場本殿に通された私。与えられた柔道着に着替え、だだっ広い板ぶきの部屋中央でウルトリィさんと
「ああそれと、以後私のことは師匠とお呼びなさい」
……ウルトリィ師匠と2人きりで向かい合います。他の方々とかはいらっしゃらないのでしょうか?
「それが最近は世の中世知辛く……皆さんどんどん他の道場にいってしまわれるのです」
そうですか。ご愁傷様です。というかさっきから私の思考を読まないでいただきたいです。
「さてそれでは気を取り直して。とりあえず今日は初日ということで……」
A 「軽いランニングからはじめましょう」妥当なところですね。
B 「座禅による精神修行です」そういう修行も必要でしょうね。
C 「庭の草むしりです」ちょっとお待ちください。
D 「いきなりですが実戦です」ちょっと待て。
D
「いきなりですが実戦です」
はい?
「ちょっとそれって……」
当然の如く疑問をさしはさもうとする私ですが、そんな私の言葉は打ち消されました。
づどーん
突如の轟音。背後からの爆風によって。
「やはりあなたでしたか…………カミュ」
そしてそこには、壁に空いた大穴から道場に踏み込んでくる黒い娘さんが。
黒い娘さんは一気にまくし立てます。
「じゃじゃーん! 暗黒オンカミヤムカイ流心術師範カミュただいま参上ッ!
お姉さま! 今日こそオンカミ流の看板はカミュがもらいうけるよっ!
思えばお姉さま、カミュは小さい頃からずっとお姉さまの背中ばかり見てきたッ!
カミュの方がずっとずっと術を上手く使えるのに、羽が黒いだけで、先祖帰りのこの身体だけで!
禍日神が見えるからって! ちょっと歳と不相応におっぱいが大きいからって! よく喉が渇くからって!
ぱんつはいてないからって! はなしめちゃめちゃでひどい打ち切りされちゃうからって!
いつもいつもいつもいつも! お姉さまはカミュの一歩先を行ってるっ!
今こそお姉さまをブッ倒しッ! お姉さまの後塵を拝す過去に決別してあげるっ!
あの世……じゃなくてもいっか。さっさと隠居生活に入ってカミュにわび続けなさいお姉さまーっ!!」
「おろかなカミュ。あなたはいまだに自分が虐げられたと思っているのですか。
あなたには決定的に足りていないものがある。
そのために、それをわからせるためにお父様はあえてあなたを世間の荒波にもまれさせようと……
だのにあなたは、あろうことか勝手にオンカミヤムカイ流を立ち上げ、あまつさえその師範を名乗り、門下生を無理矢理うばっていくとは……
いえ、それだけならまだ許せましょう……小さい頃から喧嘩ひとつしなかった私達です。見逃しもしましょう。
ですが!
ですがカミュ!
お父様を……お父様をあんな目に遭わせたことだけは許せませんッ!!」
う わ あ ・・・
いいんでしょうかこの方々は。小出しにすれば100レスは稼げそうな背景設定を一気にブチ捲けてしまった上に説明台詞のオンパレードです。
しかし姉妹対決流派対決ですか。またベタですね。
この路線でいくとお父様とやらは既に闇討ちとかで亡き者にされてしまっているんでしょうか。
「知らないよっ! 出会い系で会った相手を実の娘だとも知らずにホテルに連れ込むお父様だなんて!」
「それはあなたがムツミモードだったからでしょう! どうして気づいていたのなら最初から言ってさし上げないのです!
よりにもよってベッドの上でいきなり正体を現すだなんて! そんなことをしては心臓麻痺起こすのも無理はありません!
関わったお医者の方々に口止め料を支払うだけでも大変だったのですよ!」
……前言撤回です。
「ふんっ! もう言葉をかわす時は尽きたよっ! 今日こそ引導を渡してあげる! そんなお姉さまなんてボコボコにしてあげるんだからっ!」
「その言葉、そっくりそのまま返しましょうカミュ。今日ここには我が愛弟子の里村さんもいます! みすみすやられはしませんよ!」
ちょっと待ってくださいお二人さん。主にウルトリィ師匠。
「へへーん、新入り相手にカミュが直接手をくだすなんて面倒すぎるねっ! いいよそういうことなら……カミュだって暗黒オンカミ流の新人呼んじゃうんだから!
おいでっ! 期待の新人」
A 「長森瑞佳っち!」
B 「伊吹ふーこちゃん!」
C 「綾之部可憐ちゃん!」
D 「柚原このみちゃん!」
D
>C ちょwwwおまwwwこんな最後でいいのかよ?
「カモン、このみちゃん!」
「オッス、師匠!」
カミュちゃんが開けた穴から元気よく飛び出てきたのは、中学生どころか小学校の高学年と見間違えるくらい幼い風貌で、
ツインテールをした女の子でした。何故か知らないけ体操服にブルマーですが。
「ふふふ…お姉さま、このみちゃんは暗黒オンカミ流の期待の新人だよ。
そんな昨日今日入門したばっかりっぽいペーペーなんかが勝てる相手じゃないよっ!」
ええ、貴女の目は確かです。一つ訂正するなら昨日今日どころか、つい数十分前に入会届けにサインをしたばっかりだって言う事ですが。
「師匠…一般人同然の私がどうやって戦えばいいのでしょうか?
無手で万歳アタックしろって言うなら帰りますよ、マジで」
夫婦喧嘩は犬も食わぬと言いますが、姉妹喧嘩も似たようなものでしょう。この場合は特に。
折角、主人公になったのにそんなのに巻き込まれて死亡即打ち切りなんてのは、まっぴら御免です。
「大丈夫ですよ、里村さん。 こんな事もあろうかと貴女が戦う術を用意しておきました」
と、言って師匠は先ほど書いた入会届けを取り出しました。名前や住所が書いてあって最後に印鑑…が無いので押した拇印があります。
しかし、よく見ると徐々に記入事項や外枠がまるで魔法の様に消えて行き、拇印だけが残りました。
そして今度はあぶり出しの様に抽象的な模様が浮かび上がって来ました。
「こんな事もあろうかと準備しておいたんですよ。 里村さん、貴女にこれから精霊と契約してもらいます。
上手くいけば英霊召喚で言えばCクラスくらいの強さにはなれます、多分」
消えるインク…なんてベタな手を…これって詐欺ですよね。こんな事もあろうかとってヤ○ト真○さんですか?
「…上手くいかなかったら?
て、言うかそんなお手軽簡単五分で必殺剣なノリで強くなれるなんて、何か色々取られそうな気がするんですが…」
某錬金術師も等価交換が原則とか言っていますし。
そして語尾の多分とと言う台詞が辛うじて聞こえるくらい小さいのは、私を果てしなく不安にさせます。
「魂を奪われるとか死後も抑止力として永遠に戦い続けるとかそんな事は無いから大丈夫です。
ただ万が一失敗したら、ちょっと見えないはずのものが見えたり、壁に向かって独り言を呟く程度ですから」
人はそれを廃人と呼ぶのですよ、師匠。
「後、拒否権は無いですから。 精神崩壊しないように気を確かにして下さい。
偉大なる大神ウィツアルネミテアの元に告げる! 我が呼びかけに答えよ!契約に従い彼の者に力を!」
師匠が呪文を紡ぐと、紙から風が巻き起こります。
「そんな、精霊と契約できるくらいの素質の持ち主だなんて…」
カミュちゃんがなにやら驚いてます。師匠は私にそんな凄い素質があるかどうかなんて確認していませんよ、絶対。
巻き起こった風はまるで意思を持ったかの様に私の中に流れ込んできます。
それはまるで私の人格を消し飛ばしかねない大嵐の様な力の奔流でした。
やがて私と契約した精霊の輪郭らしきものが見えてきます。それは──
A 桜色の髪をもつミステリアスな少女。名前はるーこ・きれいなそらと言うそうです
B お侍さんっぽい人。名前は次郎衛門と言うそうです
C エビバーガー?魔法使いだそうです
D ヒゲのお爺さん。名前はオガムと言うそうです
D
んー………Dで。
D
「はじめまして里村様」
そして私の目の前に現れたのは、品のよいおじいさまでした。
「あなたは?」
「このたびあなたと契約を結びました竜族のオガムと申します。以後お見知りおきを」
「はあ、どうも……」
とりあえず成功することは成功したようです。私の精神も(たぶん)大丈夫みたいですし、何よりです。
「そっ、そんなっ……まさか本当に精霊と契約してるだなんて……」
驚愕に目を見開くカミュちゃん。よくわかりませんがこれは相当なことのようです。
しかしチャンスでもあります。
「それでは早速ですがオガムさん」
「はい」
私はバッ、と片手をカミュちゃんとこのみと呼ばれた少女のほうへ向けます。
「鏖(みなごろし)にお願いします」
「うーむ、それはいけませんな」
ずるっ。
私の精霊の第一声は拒否の声でした。
「相手が魔道の何某ならば私も存分に力を尽くしましょう。ですが、ただの女子どもに力を振るうわけにもいきません……
里村様、私の見立てではあの娘もあなたも大して力は変わらぬよう。どうぞここは己が力で突破なさいませ。
そして、私のことは本当にどうしようもない時に呼び出すよう……お願い申し上げます。では」
ぼわーん
「…………」
そんな擬音と煙と共に、オガムさんはどこかへと消えうせてしまいました。
場が静寂に包まれます。そんな中、最初に口火を切ったのは我が師匠。
「かっ、カミュ! あなたは自分の手駒に精霊契約の一つもさせていないのですかッ!」
「無茶言わないでよお姉さま! 下手すりゃ精神崩壊するような真似そんな簡単にさせられるわけないじゃない!」
なぜでしょう。なぜかしら。
どこからどうみても師匠のほうが外道に思えてきます。
「とっ、とにかくチャンスだよこのみちゃん! この隙に凹にしちゃえ!」
「オッス! わかったであります!」
「ええい自分より弱いものには力を使わないなんて……砂糖に練乳をブチ捲けたごとく甘き精神!
精霊を間違えました! かくなる上は里村さん!
自分の未来は己が拳で掴みなさいっ!」
「嫌です…………」
結局肉体言語じゃないですか……
そんなこんなで、道場の真ん中で柔道着の私とブルマなこのみさんが向かい合います。
「爆裂拳!」「わっ……!」
先制はこのみさんの右ストレート。反射的に顔を覆った私の腕に当たります。痛いです。
「爆裂拳!」 びしっ!
「爆裂拳!」 びしっ!
「爆裂拳!」 びしっ!
そのまま勢いに任せて右ストレートの連打。なんとか防御はしますが、痛いです。
「よーっしこのみっちその調子! そのままやっつけちゃえー!」
「何をしているのですか里村さん! もっと足を! 足を使いなさい!」
勘弁してください……数時間前まで私は普通の女子高生だったのですよ。
「爆裂拳!」 びしっ!
「爆裂拳!」 びしっ!
しかし割とノリノリなこのみさんは止まりません。まあ自分有利なのに止まる人もいないと思いますが。
なんとか防御はしてますが徐々に押し込まれ、私は道場の隅っこに追い詰められていきました。
「よしそこっ! ボディーがら空きだよこのみっち! いけいけいっちゃえー!」
「里村さん何をしているのですか! 無様な真似をしたらただではすみませんよ!」
もう嫌です……
「爆裂拳!」 びしっ!
と、そこで私の目の端に止まったのはバケツ。道場隅の掃除箱の前に無造作に放置してあります。結構だらしないです。
けど、これは…………
「それでは終わりにさせてもらうであります! 必殺! 爆裂け……」
このみさんの最後の一撃。寸前私は身をかがめ、足元のバケツで…………ガード!
ごぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・
「〜〜〜〜!〜〜!〜! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
思い切り自分の拳を金属製のバケツに叩き込んだこのみさん。どこかのグラップラーな方々の如くその場に悶絶します。
「ああっ! このみちゃん!」
「よし、その調子です里村さん!」
私はそのままこのみさんの頭に凹んだバケツをかぶせると、掃除箱から一本のほうきを取り出し装備。そのバケツに上段から振り下ろしました。
「エクスカリバー!」 がぃぃぃぃん!
「わ! わぁっ!!」
「ちょっとお姉さま! 武器はずるくない!?」
「何を甘いことをカミュ。自分の身の回りに存在する総てを利用してこそオンカミ流環境利用闘法! そんなのは敗者の戯言です!」
「くっ……相変わらずだね!」
なんか姉妹は好き勝手言ってます。しかし私も自分の身は自分で守らねばならず……このみさんには悪いですが!
「エクスカリバー!」 がぃぃぃぃん!
遠慮なくいかせてもらいます。
「エクスカリバー!」 がぃぃぃぃん!
「エクスカリバー!」 がぃぃぃぃん!
「エクスカリバー!」 がぃぃぃぃん!
「し、師匠っ!!」
十数発私に殴られたところで、ようやく頭にたんこぶ作ったこのみさんがバケツを外れました。そのままカミュちゃんの下へ。
「ま、拙いであります! さすがに武器を持ち出されては勝ち目はないであります!」
「むむむむむ……よしっ! ちょっと待ってて!」
何か決めた様子のカミュちゃん。そのまま壁の穴から外へ出て行きます。
「ああっ! 師匠っ!」
「何か武器持ってくるから! だからこのみちゃんもうちょっと持ちこたえてて!」
「わ、わかりましたであります!」
ビシッと敬礼を決めるこのみさん。容赦なく、私はエクスカリバーを振り下ろします。
「エクスカリバー!」「わ、のわあっ!」
しかし寸前、かわされました。
「はあ、はあ……やりますねこのみさん」
「ぜえ、ぜえ……里村さんこそ、強いであります」
そんなことやりあうこと数分。私も体力がある方ではありません。
エクスカリバー(ほうき)のリーチの差で攻め込まれこそしないものの、長時間長物を振り回して体力は結構まずいです。
そんなとき…………
「このみっち!」
先ほどの穴から、カミュさんが。
「師匠!」
「この辺かけずり回って! 持ってきたよ最新兵器! このみっちのために! そーれ! 受け取って!」
カミュさんが手持ちの武器をこのみさんに投げつけます。
あれは…………
A 竹箒! こちらよりリーチが長いです! チクチクします!
B モップ! その重量からの一撃は胸囲です!
C ちりとり! 私のエクスカリバー(掃きほうき)との相性は抜群です!
D トイレが詰まったのを治すごっぽんごっぽんやるゴムのあれ! ある意味最凶の武器です!
胸囲ですになんか藁たのでB
カミュさんがこのみさんに投げ渡した武器。それはモップ! その重量からの一撃は胸囲です。
「落ち着きなさい里村さん! “きょうい”の発音が間違ってますよ!」
師匠。勝手に人の心を読むのも、わざわざ口にしていない言葉に突っ込みを入れるのも止めてください。
…さて。確かにモップの重量から繰り出される一撃は驚異ですが、その重量から扱いに難のある武器なので、
当たりさえしなければ、今の私でも反撃の機会は充分に窺えます。
「その通りです里村さん。恐れる事はありません。
天使の様に繊細に、しかし悪魔の様に大胆に攻めるのです!」
ですから師匠。勝手に人の心を読むのは止めてください。
取り敢えずご忠言は有り難く受け取っておきますが。
「さあ、やっちゃえこのみっち!」
「了解であります!」
カミュさんの檄を受けて、このみさんがモップを大上段に構えます。
体力の消耗を勢いで補う考えでしょうか。もしかしたらこの一撃で決めにくるのかも知れません。
「いくであります里村さん! トーーーーーールハンマーーーー!!!」
そちらはミョルニルですか。そうですか。
さて、どう対処しましょう?
A このみさんの動作の大きさの隙を付いて、カウンターを狙います。
B みっともなくても勝てば官軍です。回避に徹します。
C 元々目的はダイエットです。思いっ切り打ち合って体を動かしましょう。
562 :
561:2006/08/28(月) 20:19:28 ID:miyVjPThO
選択肢訂正Borz
誤 みっともなくても勝てば官軍です。回避に徹します。
正 みっともなくても勝てば官軍です。回避に徹してこのみさんの消耗を待ちます。
C
「……え。トールハンマーが防がれた!?」
私はチッチッと指を左右に揺らし、余裕をアピールします。
腹は決まりました。この剣劇に付き合い、思いっきりダイエットをしましょう。
バキィ!
ガキィ!
モップと箒の間抜けなようで真剣な剣劇が繰り広げられます。
木と木の叩き合う音が、まるで重厚なオーケストラを生み出しているかのようです。
「うんうん……ここまで育ってうれしいよ」
師匠。特に何も教えを受けた覚えはありません。
「くそぅ。こうなったら奥の手であります!!」
何回か決定打に欠けた打ち合いをする内に、このみさんがいきなり叫びだしました。
するとポケットから人の頭くらいのサイコロを出してきました。
サイコロには数字の変わりに私やこのみさんの顔が入っています。
……というか、あれだけ巨大な物をどこに入れてたのでしょうか。
「このみっち! それは駄目だよ!」
「師匠。女にはやらなければいけあない時がありのであります!!」
言い終わると同時に、モップと足を激しく床に打ちつけ始めました。
タン。タン。タタタン。タタタタタタタン!
言葉にすると意味がわかりませんが、それはとても見事なモップを取り入れたタップダンスでした。
そういえば、このようなパフォーマンスをするグループがアメリカにいたような気がします。
「それぇ!!」
このみさんはサイコロを宙に放り投げました。
「このみっち! それはサイコロの面が出た人を30回ハリセンで強制的に叩く奥義“STAMP”! それをやったら死人が出るよ!」
と言いながらハリセンの準備をする師匠。
後で殺しましょう。
サイコロが出した答えは……
A 茜
B このみ
C カミュ
D オガム
E 全員セーフ
F 大当たり 全員30回
B
スパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパン!!!
桜の髪飾りで結わえられたツインテールの髪。
まだ小学校高学年でも通りそうなあどけない顔。
転がされた正六面体の上面部、そこに見えたのはそんな可愛らしい女の子。
サイコロが出した答えは「柚原このみ」その人でした。
「し、失敗であります…・・・師匠、ガクッ」
どこからか持ち出されたハリセンによって、このみちゃんは無情にも30回叩かれました。
――無論カロリー消費のために私も参加しましたが。
「このみっち! このみっち!」
倒れたこのみさんにカミュさんが駆け寄り、ガクガクと体を揺さぶらせます。
――さっき一緒になってこのみさんを叩きましたが。
「これで勝ったとおもうなよ〜!」
カミュさんはそんな捨て台詞を吐いて、このみさんを抱き上げ帰ってしまいました。
「さすがは私の愛弟子ね、見事な初陣だったわ」
二人のいなくなった道場に師匠…いえウルトリィさんが褒め言葉をかけてきます。
ですが複雑です、訳も分からないうちにウルトリィさんに怪しげな精霊と契約をさせられました。
カミュさんによれば下手をすると精神崩壊を起こす代物らしいです。
オマケに暗黒オンカミヤムカイ流と本家の対決というアホ姉妹の争いに巻き込まれつつあります。
本来の目的であるダイエットとはけ離れてるような気がします。
A こんな道場やってられない、さっさと立ち去る
B むしろ師匠…ウルトリィを倒す
C どうも逃げられそうにない、仕方なく修行を続行する
c
今の書き手はこの程度で止まる根気のない奴
はるかの時代は素晴らしかった
はるかの世界は平気で3〜4日頻繁に止まったぞ。
むしろ堪え性がないのは読み手。
(中略)
「さあ、行きましょうか茜さん」
「はい師匠」
「「明日に向かってレッツらゴー!!!」」
茜主役の話〜完〜
名無し先生の次回策にご期待ください。
次週からは「名称未設定(仮)」が始まるぞ!
………………っは!
いけません。うとうとしていました。修行の最中だというのに。
しかしどうしてか不意に詩子のことが頭をよぎりました。
まあ、どこかで元気に鍋を振るったりタクシー飛ばしたり
総帥やってたりしてることでしょう。
さて、話は変わります。あれから私はなし崩し的にオンカミヤムカイ流に入門させられました。
逃げ出せそうもないですし、月謝も払っちゃった後ですしね。
怪しげな精霊を取り付けられたり闇オンカミヤムカイ流の刺客と死闘を繰り広げたりもしました。
当初の目的のダイエットは何処へ行ったのやら。まあ、一応運動にはなってますけどね。
そんな修行の日々に明け暮れている私ですが今、現在
A ウル(ry)師匠が卒業試験を課してきました。
B また性懲りもなくカミュさんが刺客を連れてきました。(刺客指定)
C ワッフル断ちの禁断症状が出てきました。もう我慢できません。
D こんな怪しげな道場にまたしても哀れな犠牲者(入門者)が訪れました。(人物指定)
A
「それでは茜さん。貴女に卒業試験を課します」
長いのだか短いのだかよく分からない私の修行生活もようやく終わりを迎えそうです。
思えば色々なことがありましたね。あれからも度々カミュさんは刺客を連れてきました。
その度に愛用のエクスカリバーを振るい撃退する毎日。
日に1000回の素振りを欠かさなかった手は血豆が何度も潰れてすっかり皮が厚くなっております。
禁欲的な生活には幾度となくくじけそうにもなりました。
ワッフル断ちの禁断症状で気が狂い夜中に奇声をあげて徘徊することも度々。
その度に師匠からきついお仕置きを受けたこともいい思い出……なわけはないですね。
でも、ようやく……ようやくこの地獄から解放されます。
ここを抜け出たら山葉堂の激甘ワッフルを胃がもたれるほど食いまくります。
スタイルのことなどもうくそくらえです。人間、自分の欲望に忠実に生きるのが一番です。
「話を聞いていますか?茜さん」
おっといけませんね。とにかく試験をパスするまではしおらしくしていないと。
欲望のままに生きるのではそれからでも遅くはありません。
さっさとこの牢獄からおさらばすることが先決です。
「さて、卒業試験の内容ですが……そうですね」
師匠は少し考えあぐねてからこう言いました。
「この際ですから闇オンカミヤムカイ流の息の根を止めてきてください」
「はい?」
「度重なる戦いに多くの刺客を失い闇オンカミヤムカイ流の戦力は大幅に減退しています。止めを刺すなら今です」
「えっと……」
「と、言うわけで頑張って来て下さい。カミュの首を持ってくるまでその矯正リングは外れませんのであしからず」
なんとも外道なことを言ってくれます。姉妹喧嘩の後始末に弟子を鉄砲玉にしたてるとは。
ちなみに矯正リングというのは私のワッフル禁断症状があまりに酷いのを見かねて
師匠が私の首にはめてくれたものです。甘い物を口に運ぼうとすると首が絞まる仕掛けです。
無理に外そうとすると爆発するというどこぞのバト○ワ風のあれです。
こいつが外れてくれないことには私は愛しいワッフルを口にすることも出来ないわけです。
はぁ……やっぱ入門するんじゃありませんでした。
道場を後にして私は一人思い悩みます。このまま鉄砲玉よろしく敵陣に特攻するか。
断腸の思いでワッフルを諦め平穏な日々を送るか。運命の岐路に立たされています。
私の選択は………
A カミュを斃してワッフルを手にする
B ワッフルを諦め平穏な日々を勝ち取る
C いっそのこと寝返ってカミュと一緒に師匠を斃す。
B
止めましょう。無謀なことは。
断腸の思いで私はワッフルを諦めることにしました。
このまま鉄砲玉として使い捨てられるのも御免ですし、
よしんばカミュさんを討てたところで警察の御用になるのがオチです。
それよりも私はこんな人外魔境とかかわりのない平穏な人生を選びます。
ワッフル、鯛焼き……ああいくつもの愛しき甘味達が脳裏をよぎります。
もう二度とあなたたちを口に運ぶことはないのでしょうね。
だからあなたたちを忘れます。名前も、形も、味も……思い出も、全部忘れます。
そうすればこんなところに馬鹿みたいに入門させれることもなかったでしょうから。
おかしな刺客と死闘させられることも、禁断症状にうなされることもないだろうから。
さようなら、本当に……本当に大好きだった甘味たち。
A エピローグへ
B もうちょっとだけ続くのじゃよ
A
578 :
534:2006/09/02(土) 15:46:50 ID:42H3QwWuO
…………………orz
キーン コーン カーン コーン
「やっほう。茜、一緒に帰ろう」
「詩子、自分の学校はいいんですか。っていうかまだ五時間目です」
「え〜いいじゃん、そんなの。気にしない。気にしない」
いつものごとく自分の学校をエスケープして詩子はやってきます。
単位とか大丈夫なんでしょうかね。まあ私が気にしても仕方ありませんけど。
「それでさあ、今日は放課後何処へ行く?」
「そうですね。最近新しいカレー屋がオープンしたとチラシにありましたので行ってみようかと」
「茜ってば急に辛党になっちゃったよね。前はいつ糖尿になっちゃうか冷や汗ものだったのに」
「何を言っているのですか詩子。わたしは昔から辛いものが好みなのです」
あれから、道場をばっくれた後に私は失った心の隙間を埋めるために辛いものにのめり込みました。
メシ○ンの激辛100倍カレー、泰山の本場四川麻婆豆腐。
どこぞの聖職者達がこよなく愛する品々が今のマイフェイバリットフードです。
「そういえばさあ、茜が首につけてるやつってなんかいいよね。何処で貰ったの」
興味津々に詩子は聞いてきます。まあ忌まわしいこの矯正リングも傍から見ればただのアクセサリーですから。
「詩子にはおすすめしません」
「え〜茜の意地悪ぅぅ」
駄々っ子のようにすねる詩子をあやしながら私は溜息をもらします。
あれからオンカミヤムカイ流の道場は壮絶な姉妹喧嘩のあげく跡形もなく壊滅したそうです。
すっかり丸焦げの焼き鳥になったアホ二人が瓦礫の下から救出されたそうですが打ち所が悪く
自分の名前さえウル(ry)までしか思い出せないそうです。この首輪の解除法も分からずじまいですね。
でも、まあ今の私にはこれといって必要がありません。私には今、愛しい辛味たちがいるわけですから。
さあ、今日もカプサイシンの海に溺れに行くとしましょう。
「それじゃあ行きますよ。詩子」
「ああ、待ってよ。茜ぇ〜」
「「明日に向かってレッツらゴー!!!」」
〜fin〜
次回選択
A ナイトライター(with 雀鬼's)
B Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
C 誰彼
D MOON.
E Routes
F 天使のいない12月
G 雫
H CLANNAD
I こみっくパーティー
J Kanon
K うたわれるもの
L To Heart
M White Album
N ToHeart2
O 鎖
P Filsnown
Q まじかる☆アンティーク
R AIR
S テネレッツァ
T Tears to Tiara
U ONE
V 痕
W フルアニ
c
J
主役選択
A 坂神 蝉丸
B 坂神 蝉丸(複製身)
C 三井寺月代
D 砧 夕霧
E 桑島 高子
F 石原 麗子
G 御堂
H 岩切 花枝
I 杜若きよみ(白)
J 杜若きよみ(黒)
K 光岡悟
L 犬飼俊伐
M 杜若裕司
A
A
H
俺の出番のようだな、俺に任せろ。
俺の名前は坂神蝉丸 。帝国陸軍特殊歩兵部隊所属の強化兵。
…昔の話だがな。さて、今の俺はと言うと──
A きよみさんの足取りを追って旅を続けている。
B かつての仲間に追われている※強化兵から人物選択
C ある人物の感じている感情を鎮めている※人物選択(女性限定)
D 現代になじむ為に職を探している※職業選択
E 復讐の為に敵を追っている※人物選択
D エロゲのシナリオライター
E 千鶴
俺は現代になじむ為に職を探していた。いつまでも御老公の世話になるわけにはいかないからな。
近頃の若者は働かずに寄生している事が勝っていると言っているそうだが、その発想自体が既に負け犬のものだ。
だが、根っからの軍人である俺に向いている職業は中々見つからなかった。
そしてある日、柄にもなく神社によって願掛けをしてみた。
すると、目の前に真っ白い光に包まれた。そして、俺はそこで神に出会った。
そして、神は俺に告げた。
<`ш´>「汝、武器を捨ててエロゲを作れ」
神様なんぞ信じないクチだったが、それを目の前にして否定するほど頑迷じゃない。
これを天啓と思った俺は色々調べた結果、エロゲーのシナリオライターを目指す事にした。
絵は描けないし、ぷろぐらむと横文字の羅列もさっぱり分からん。
故に文章を書くことにした。さしあたって何をすべきだろうか?
A ライターの人に弟子入り
B まずはエロゲをプレイ
C 詳しそうな知人に聞いてみる※人物選択
B
592 :
名無しさんだよもん:2006/09/02(土) 17:00:46 ID:4127gesjO
はるかの頃はよかった‥‥
うむ。まずは実際に遊んでみるのが良いだろう。
御老公に相談をしてみた所、あるゲームを推奨してきた。それは──
A いわゆる泣きゲー。エロ薄シナリオ重視
B ハートフルな軽めのエロゲー。エロ薄シナリオ重視
C いわゆる陵辱モノ。シナリオ薄、実用性重視
D 血沸き肉踊る活劇モノ。シナリオ重視、エロ申し訳なし程度
E
>>580より選択
「まずは『エロゲ』を実際にプレイしてみるか」
剣を持ったことがない人間が剣士になれるはずもない。
料理を食べたことがない人間が板前になれるはずもない。
ならば、エロゲをプレイしたことがない人間がシナリオライターになれる道理もなかった。
そんなわけで実際にエロゲをプレイする事にした。
「あれっ、蝉丸。その荷物は?」
「何でもない、気にするな」
早速購入したぱそこんとエロゲを複身製の家に持ち帰る。
月代にはさすがに本当のことは言えない、適当に誤魔化した。
説明書と格闘してぱそこんをせっとあっぷさせる。
起動すればもうこちらのもの、早速エロゲをいんすとーるしよう。
俺が選んだエロゲは――
A 純愛系
B 鬼畜系
C 萌えよりも燃えなゲーム
D その他具体的に指定
『ほら、入った!』
『根本まで入ったぁっ!』
『うおお、すごい…』
『ほら、おまえの尻と俺の骨盤が密着している。俺のモノはどこにいった?』
『そうか、おまえの膣の中かっ!』
『見えないと思ったら、そんなところに隠れていたのかぁっ!』
『あんなでかいものがおまえのそこに入っているのかっ!』
『見ろ、隙間もないっ!』
『ぶっすりと刺さっているぞっ!』
『苦しげに開いたおまえのあそこに刺さっているっ!」』
『ぐああぁっ……すごい事実だ…!』
『いいのか、おまえは!?』
『今初めて会ったような男とセックスしてるんだぞっ!』
『いいのかっ!』
『とても大切な部分じゃないのか、そこはっ!』
『そんな部分に簡単に入れられてしまっていいのかっ!』
「むぅ……」
俺は御老公に『Moon.』なるエロゲを勧められた。
この手のゲームにしては珍しく、女性が主人公だ。
少女の過去のトラウマや謎の宗教団体、そして「不可視の力」
なかなか読ませる話なのだが――
「この男の台詞はいかがなものか」
性感を高めるというよりは、笑いをとるための台詞に思える。
シナリオライターを志す身としては微妙だ。
A もっと別のゲームをしてみる(泣き、ハートフル、鬼畜、もしくは
>>580から指定)
B もっとこのゲームをやり込んでみる
C いや、早速エロゲの会社を立ち上げる
D いやいや、既存のエロゲ会社に入社を試みる
Aで萌えよりも燃えなゲーム
俺が今書いてるのとまったく同じ内容なのにワロス。
選択はAでQ
「御老公、どうもこのゲームは今ひとつ俺の肌に合わない」
「そうか…ならばこれらのゲームはどうだ」
そう言うと御老公はどこからかいくつかのエロゲを持ち出した。
『○姫』『鬼○街』『斬魔大聖デモン○イン』『Fate/s○ay/night』エトセトラエトセトラ
伏せ字を使っても危険すぎるタイトルが並んでいる。
「これらはいわゆる『燃えゲー』と呼ばれる官能よりも戦闘描写などに力を入れたゲームだ。
これなら元軍人のお前にも取っつきやすかろう」
「なるほど」
俺は御老公に勧められるままにこれらのゲームをインストールし、マウスの左ボタンをクリックし続けた。
しかし御老公はさっきのMoon.といい、どうしてこんなにゲームを持っているのだろうか。
「…………ふぅ」
徹夜になってしまった、いや、もう何日か経った気がする。
御老公から渡されたゲーム、それらを寝食を忘れ徹底的にやり尽くした。
CGをフルコンプし、テキストは全て既読。
未読スキップはもとより、共通パートの既読スキップもしなかった。
御老公の言ったとおり、性交は主にヒロインと主人公が相思相愛で肌を重ね合い、
それ以外の血湧き肉躍る活劇が話を盛り上げる構成となっている。
一通りプレイし、俺の考えは――
A 燃えゲーのシナリオライターとなり、燃えシナリオを書き尽くす
B いや、どうにも自分の書きたい路線には思えなかった
B
「どうだ、調子は?」
「御老公か、実は…これも俺にはピンと来るものがない」
一通りプレイしたのだが、どうにもこの路線を自分が書きたいとは思えなかった。
やはり自分が本物の軍人だからだろう。
どうにも作中の戦闘描写や主人公の戦略には粗が目立つ。
大抵主人公には常人離れした能力があるが、それを生かし切れていない。
――『お前が言うな』という指摘は勘弁してくれ。
「難しい話だな」
「済まない、色々と注文を付けてしまって」
「いや、何を書くかを己の中で決めなければ物書きにはなれない。
例えそれがエロゲーのシナリオライターだとしてもだ」
A 次はシナリオ重視の泣きゲーをプレイしてみる
B 次はシナリオ重視のハートフルなゲームをプレイしてみる
C 次は実用性重視の鬼畜なゲームをプレイしてみる
D 次は実用性重視のいわゆるバカゲーをプレイしてみる
E 再び
>>580から指定する
EのC
「こ、これは……」
御老公が用意してくれた一本のえろげーを手に取った。
夕暮れに染まる海、傍らの岩場に座る少女。
パッケージのイラストはそんな光景だった。
そしてタイトルは……『誰彼』
「い、いかん! それだけはプレイするな!」
御老公が俺を厳しく叱責する。
俺もこのソフトだけは猛烈に悪い予感がした。
軍人としての直感、というより確信に近い。
体の中の仙命樹まで騒ぎ出している。
いいのか、俺は本当にこのゲームをプレイするべきなのだろうか?
A これだけはマズイ、
>>580から未プレイのものを再指定
B これは封印しておいて、改めて泣きゲーをプレイしてみる
C これは封印しておいて、改めてハートフルなゲームをぷれいしてみる
D これは封印しておいて、改めて鬼畜なゲームをプレイしてみる
E あえて『誰彼』をプレイする
E
「こ、これは…」
俺は驚愕した。このゲームの登場人物…
物語…全て俺が体験し、出会った人物その物だ!!
俺が眠りから起こされ、数々の少女や戦友と出会い、戦い、
全てが終わったはずだ。その俺の体験が何故?
強化兵の存在、仙命樹の秘密、数々の軍事機密を
何故このゲームの脚本家は知りえているのだ?
俺はいても立ってもいられず…
A 御老公を問い詰めた
B このゲームの脚本家に会いに行く事にした
C あの神社の神にもう一度祈りに行った
D リーフ本社に直接殴りこみをかけた
ちなみに俺が現実で体験した結末は…
1 紅い絆ルート
2 永遠の樹ルート
3 時を越えてルート
4 見届ける者ルート
5 不老不死をルート
D4
現代に蘇り覆製身の元で過ごした日々。
見る物聞く者が様変わりした平成の世界。
同様に蘇った御堂や岩切。そして親友でありライバルであった光岡――
月代や夕霧と海辺での遊びに付き合いもした。
何かを企んでいるらしい御堂や岩切に襲われもした。
真相を掴むべきと覆製身の家に身を寄せ周囲を探索していた。
だが、暫くして光岡が思わせぶりな台詞を残して消えた。
さらに怪しげな女医、石原麗子がこの地から去った。
恐らく強化兵などがいなかった頃の、平和で穏やかな日々が蘇った。
しかし、それはこの『誰彼』の「見届ける者」ルートそのものだった。
このルートにでは御堂も岩切も石原麗子に手を出し、こっぴどくやられていた。
様子を見に行った光岡も何かを悟ったらしく、石原麗子から手を引き旅に出ている。
俺の視点だけでは到底窺い知れない話だ、もしこれが真実なら――
「ここがリーフ大阪開発室か」
島神県から大阪府大阪市淀川区西中島までやって来た。
居ても立ってもいられなかった。
あのゲームには他にも様々な結末が用意されていた。
一人で旅に出る結末、月代と旅に出る結末。
それに…きよみと添い遂げ、一緒に入水自殺をする結末まで。
一体あのゲームの脚本を書いた人間は何者なんだ?
その答えを探すべく、俺はリーフ本社を訪れた。
A 中に入るとここの社長であるしぇんむーがいた
B 中に入ると(´・ω・`)な人物がいた
C 中に入るととある見知らぬ人物がいた(人物指定9
あ、Cの最後の9は「)」の打ち間違いです、気にしないでください。
A
「なんや、誰やお前…ってお前は坂上蝉丸?!」
中にはいると (C`s´) な人物がいた。
この人物こそLeaf社長、下川直哉だ。
「何でゲームの主人公がここにおるんや!」
俺が…ゲームの主人公?
よく分からない、だが俺は俺で聞きたいことを聞くだけだ。
「突然の訪問すまない、実は伺いたいことがあって来たのだ」
そう言いながら俺は持ってきた『誰彼』を下川社長に見せた。
「このゲームの脚本を書いた人間を捜している」
俺は単刀直入に用件を切り出した。
だが、俺と俺の手にしたゲームを目の当たりにし、下川社長の顔に怒りの表情が浮かんでくる。
「か、帰れ帰れっ! お前とそのゲームのために俺とLeafがどれだけ苦労したと思ってる!
『うたわれるもの』が成功しなければLeafは三流エロゲーメーカーの烙印を落とされていたんや!
お前の姿など見たくもない! さっさと島神に帰れっ!」
「むぅ……」
どうやら社長とLeafの中では『誰彼』というゲームは鬼門のようだ。
このゲームの主人公として描かれている俺としては複雑な気分になる。
「大体そのゲームの脚本家はもうおらへん!」
「それは…退社したという事か?」
スタッフの出入りが激しい業界だ、それもあり得るだろう。
「ちゃうわ! いや退社は正しい、だがその後竹林のヤツは…死んでもうたんや!」
「なんだと?!」
このゲームの脚本家が、もう死んでいる?
「噂やと島神で神社が建てられ奉られとるらしい、住んでるお前のほうが詳しいんとちゃうか?」
その言葉に俺は神社での啓示を思い出した。
まさか……あの時神社で俺を導いた神こそが……このゲームの脚本家なのか。
「とにかく出て行け! お前に話す事なんて無いんやっ!」
ショックを受けながら俺は下川社長にLeafを追い出された。
「俺は……ゲームの主人公だったのか」
夜の公園のベンチ、そこでLeaf本社での出来事を思い出していた。
自分の存在、その正体を知り少なからず衝撃を受ける。
他の者の言葉ならいざ知らず、Leaf社長の言葉だ。
不思議と疑う気持ちになれない、理屈抜きで正しいと思わせるものがあった。
これもゲームのキャラという存在のサガなのだろう。
「俺は…俺は ど う す れ ば い い ん だ」
<`ш´>「迷う事なかれ」
その時、光とともに再び神が降臨した。
<`ш´>「我が子よ、よく聞きなさい」
どこかで聞いたような台詞、さすがパク…引用も上手い。
<`ш´>「汝、初心を忘れるべからず」
そうだ、俺の初心。それはエロゲのシナリオライターとなる事。
<`ш´>「私の志を受け継いでくれ、我が子よ」
その言葉を最後に、神は俺の元を去った。
そうだ、父の、創造神の導きを受けた俺がするべき事は一つ。
エロゲのシナリオライターを貫くことではないか。
あの下川社長が驚くようなエロゲーを作ることこそ、俺の使命だ。
A さっそく島神に帰る
B 今日は一晩大阪に泊まる
B
坂神、な
坂上だと智代の親戚になっちまうぞ
俺は初心に帰り、今一度エロゲーのシナリオライターになると
心に誓った。言葉にすると破廉恥かつ情けないと人は言うかもしれない。
だが、それは己の志一つで決まる。今はただ歩むのみ。
そうと決まればすぐに島神に帰り…たい所だが、
もう時間は深夜に近い。今夜は大阪に泊ろう。
明日から俺の新たな人生が始まるのだ。
「むう…」
と、勇んだのはいいが、どこに泊るべきか。
大阪に行く交通費で路銀をほぼ使ってしまい、
帰りの交通費も足りるかどうか危うい状況だ。
カプセルホテルという狭い安宿に泊る金すら無い。
「やはり野宿しかないか…」
戦時中は常に野宿の身だった。今更恥じる事もあるまい。
そう考え、俺は歩き出す。
「兄ちゃんブツブツと何言うとるんや?」
その時だった。
「ひょっとして、泊るとこあらへんのか?」
関西弁の女が話し掛けてきたのだ。
いや、ここは大阪だから関西弁なのが自然なのだが。
「泊るとこぐらいなら世話したってもええよ?」
こう言いだすこの女は…
A 眼鏡をかけ、ハリセンを持っている。同人絵描きという生業をしていてエロゲーにも詳しいらしい。
B 学生服を着て髪形はお下げ、眼鏡をかけている。修学旅行で友人に付き合わされて夜遊びしていたとか。
C 双子の姉妹だった。機械工学に精通しているとの事だ。
D なんとバイクに乗っている。しかも酔っている…?飲酒運転しているのか?正気かこの女は?
a
A
前作のタイトルを選択してくれ
A 私が辛党になった訳
B 辛味ティ・アカネ
C 茜マニアックス
D 里村茜のダイエット挑戦記〜大失敗編〜
E センスない。俺が自分で決める。
C
「良いのか? 見ず知らずの男を」
「構うかいな。この猪名川由宇、人を見る目はあるつもりやで…それともウチの事襲うんか?」
「俺はそんな事はしないぞ」
話しかけてきた関西弁の女は猪名川由宇と名乗った。
ツインテールに眼鏡をかけ、何故かハリセンを持った活発そうな女だ。
「実家の神戸に帰るつもりやってんけどな、夜遅うで間に合わんかったんや。
あんさんも寝床が見つからんようやし、困ったときはお互い様やで」
現代の日本にこれほど人情に厚い人間がいたとは驚きだ。
外に手もない、俺は由宇の好意を受け取ることにした。
「済まない、俺の名前は坂神蝉丸。この恩は必ず返す」
「なんや、蝉丸はんはエロゲのシナリオライターになりたいんか?」
「そうだ」
「それやったら、ウチも何ぞアドバイスできるかもな」
由宇に案内されたビジネスホテルで、俺達は身の上話に花を咲かせる。
何でも由宇は同人絵描きとやらを生業としていてエロゲーにも詳しいらしい。
エロゲーはシナリオだけでは作れない、原画を描く絵師も必要だ。
これも神の導きかもしれん、色々と助言を聞いてみよう。
A 最近の業界の流行について聞いてみる
B 原画を描いてくれそうな知り合いがいないか聞いてみる
C むしろ由宇に原画担当を頼む
A
872 名前を選択して下さい 2006/09/03(Sun) 23:07
ビジネスホテルて…由宇は旅館経営してるのに
--------------------------------------------------------------------------------
873 名前を選択して下さい 2006/09/03(Sun) 23:11
猪ノ坊旅館は確か神戸の山奥にある旅館だから
位置的に無理があったのではと即レスしてみる
--------------------------------------------------------------------------------
874 名前を選択して下さい 2006/09/03(Sun) 23:16
それ以前に実家の神戸に帰る途中と書いてあるジャマイカ。
ちゃんと読みなされ!!
--------------------------------------------------------------------------------
875 名前を選択して下さい 2006/09/03(Sun) 23:19
ごめん、描いた人間なんですけど状況が
時間はもう深夜に近い
大阪府大阪市淀川区西中島に蝉丸がいる
由宇の実家は
>>873の言うとおり神戸の山奥
そんなわけであの場面から由宇の実家に場面を移すのは無茶だと思い
(東京から?)帰省中に間に合わず大阪で足止めを喰らったみたいなふうにしました。
大阪から神戸までなら深夜でも電車が動いてるかも知れませんが山奥まで戻るのはしんどいかと思ったので。
「そうだな…最近の業界の流行について聞かせてくれ」
簡素な内装のビジネスホテルの一室、備え付けの椅子に座った俺は尋ねた。
「流行か、せやけど蝉丸はん。流行を追うだけがこの世界やないで。
売れるに超したことはないけど、売れ筋を追うだけが全てと思ったらアカン」
ベッドの上で胡座座りをしている由宇が答える。
女性でその座り方は品がないと思うが、ジーンズの由宇はさして気にも止めていない。
「そうかもしれん、だが、何をするにしても現状把握は必要だ。少なくとも参考にはなる。
あまりに外したジャンルを狙い、売れ残ってしまうのも寂しいものだ」
そうだ、ソ○マップで100円で売られるなどあってはならない。
神も嘆かれるだろう。
「せやなぁ…ま、手にとってもらいやすい話を書くことは悪いことやあらへんしな」
「頼む、教えてくれ。最近のエロゲー業界では何が流行っている?」
由宇は腕組みをして目をつむり、考え込む。
「最近のエロゲーはなぁ――
A 『ツンデレ』がキーワードやな」
B 原点回帰っちゅうか『学園モノ』が盛り返してきてる」
C 『戦う変身ヒロインがやられちゃうゲーム』っちゅジャンルがブームや」
ここでそのジャンル名を聞くとは思わなかった
C
「『戦う変身ヒロインがやれちゃうゲーム』っちゅうジャンルがブームやねん」
「長い名前のジャンルだな、一体どんなゲームなんだ?」
「なんて説明すればええやろ…元々は魔法少女モノや変身ヒロインモノのゲームやアニメがあってん。
『カード○ャプターさくら』とか『魔法少女リリカル○のは』『美少女戦士○ーラームーン』が代表やな。
そういうヤツは基本的に勧善懲悪モノや、ヒロインが負けるなんて事はあらへん」
「なるほど」
確かに、水戸黄門や遠山金四郎が悪代官や悪徳商人に斬り殺される時代劇など無いだろう。
「せやけど“正義の変身ヒロインがもしも負けて捕まったらどんな目に遭うだろう”って妄想するヤツが出てきたんや。
最初はさっき言った作品の二次創作で補完しとったけど、基本的に原作頼りで描けるキャラも限られる。
それなら“初めから負けて捕まる正義の変身ヒロインを作ろう”って考えた人が出てきてん。
そういう人らが作り出したんが『戦う変身ヒロインがやられちゃうゲーム』っちゅうジャンルや」
「奥が深いな……」
「ま、口で説明するよりも実際プレイしたほうがよう理解できるで」
そういうと由宇は床に置いていた特大のスポーツバックから一本のゲームを出した。
「『地球防衛少女まじかる☆さゆりん〜囚われの魔法少女・散華ノ章〜』……」
タイトルを呟きながらパッケージを見る。
亜麻色の髪をリボンで飾り、フリルたっぷりの制服に似た衣装の少女が天井から鎖につながれていた。
「しかしパソコンが無いぞ」
「ああ大丈夫や。それはDVD-PGやから」
そう言いながら今度はP○2を取り出し備え付けのテレビに接続し始めた。
「ほなプレイしてみぃ」
「うむ」
俺は言われるがままにコントローラーを手にする。
『さ、佐祐理は正義の魔法少女です。どんな目に遭わされても決して悪に屈したりしません!』
『くくく、その強がりがいつまで続くかな』
『な、何を…きゃあぁぁっ! やめなさいっ! やめてぇ!』
『ふはははは、どうだ、憎むべき敵に純潔を散らされた気分は?』
『うぅ……佐祐理は負けません、きっとここから抜け出して貴方達をやっつけます』
『さて、今日も調教の時間だな』
『こんな事、幾ら繰り返しても無駄です…佐祐理は貴方達の言いなりになんかなりません…』
『どうかな……(クチュ)見ろ、お前のアソコはもう何もしないうちから濡れているではないか。
俺に犯されるのを期待していたのだろう、この変態の雌犬め。正義の魔法少女が聞いて呆れる』
『そんな…こ、これは違います! 違うんです……』
『ふ、何とでも言え。時間の問題だな、貴様が俺達の軍門に下るのも』
『誰か……誰か助けて……佐祐理は…佐祐理はこののままじゃおかしくなっちゃいます……』
『あぁぁん、はああぁん……もっと、もっと佐祐理を犯してください』
『自ら腰を振ってねだるとは、正義の魔法少女とやらはどこへ行った?』
『佐祐理が、佐祐理が愚かでした。偉大な御主人様達に逆らって戦っていたなんて。
これからは罪を償うために御主人様の奴隷になります。どうか佐祐理を苛めて犯してください!』
『ふふふ、すっかり淫欲に墜ちたな。地球征服の暁には俺様専用のペットにしてやる』
『ああ。佐祐理、とっても嬉しいです。御主人様……』
「どや? 感想は」
一通りプレイした俺に由宇が感想を求める。
俺は――
A これこそ俺が書くべきシナリオ、神の導きに違いない。
B ……いや、まだよく分からん。
そろそろA
「……これだ」
衝撃を受けた、雷にうたれたような気分だった。
「これこそ俺が書くべきシナリオだ」
コントローラーを握りしめながら呟く。
「なんやツボにハマったようやな」
「ああ、これも神の導きに違いない」
「な、なんや大げさやな。蝉丸はん」
感動に打ち震える俺を由宇はいささか怪訝そうに見ていた。
だが全く気にならない。
それ程にこのゲームに心を奪われていたのだ。
親しい人々や世界をを守るために、強く優しい魔法少女が勇ましく戦う冒頭部分。
その魔法少女が敵の卑劣な罠に掛かり、捕らえられ基地に連行される悔しげなヒロインの表情。
鎖に繋がれて圧倒的に不利な状況でも、決して屈するつもりのないヒロインの正義の心。
それを嘲笑う敵幹部、そしてヒロインにかけられる毒牙。
可憐なコスチュームは荒々しく引き裂かれ、白濁液に染められて汚されてゆく。
幾ら辱められても決して屈しないという正義のヒロインとしての意思と、望まぬ相手に体を許してしまった事への乙女心とのせめぎ合い。
あらゆる器具を用い、羞恥を煽るシチュエーションで執拗に繰り返されるヒロインへの調教。
気高く美しい精神は少しずつ脆くなり削ぎ落され、肉体は開発され徐々に快楽に染まってゆく。
次第に弱々しくなるヒロインの言葉、そこにかけられる敵幹部の甘い堕落の言葉。
最後には被虐の官能に溺れ、憎い敵幹部の性奴隷となり、身も世もなくよがるエンディングをむかえる。
全てが俺のライター魂を掴んで離さない。
己のやるべき事が見えた。
「俺は…俺は『戦う変身ヒロインがやられちゃうゲーム』を書く!」
「なんやええ感じに燃えてきたな」
A とりあえず今日は寝る
B 早速プロットだけでも考える
C 由宇に原画を頼んでみる
B
ハクエロにつづいてセミーまでもが堕ちるところまで堕ちていきそうな件
「どうするんや、遅いしもう寝るんか?」
「いや……この熱が冷めないうちに話の骨組みでも決めようかと思っている」
全身白濁液で染められおねだりをする亜麻色の髪の少女に一瞥し、コントローラを置いた。
そのまま簡素なテーブルに向かい、備え付けのメモ用紙にペンを走らせようとする。
だが――
「ふむ…骨組みと言ってもどこから決めるべきか」
熱と勢いは十分なのだが、悲しいかな知識が足りない。
こんな事なら御老公の元でもっとエロゲーに精進すべきだった。
「なんや、どうしたんや?」
「いや、何から手を付けていいか少し迷ってな」
「そうか……そうやなぁ、やっぱり最初はヒロインのタイプを決めるべきやろ」
「ヒロインのタイプ?」
「そうや、一口に『戦う変身ヒロイン』っちゅうても色々とタイプがあるねん。
大まかに分けると三種類になるかな」
「それは?」
「まずは『魔法少女タイプ』。さっき蝉丸はんがプレイしたようなゲームや。
例を挙げると『魔法少女○イ』や『魔法天使み○き』みたいなヤツや」
「ふむ、『魔法少女タイプ』か」
「次に『変身ヒロインタイプ』、『流星天使プ○マヴェール』や『超昂天使エ○カレイヤー』が代表かな」
「なるほど、『変身ヒロインタイプ』と」
「最後に『戦隊ヒロインタイプ』や、『人妻戦士アイ○イガー』や『ジャスティス○レイド』なんかが有名やと思うで」
由宇の博識には驚かされるばかりだ。
だが伏せ字が使われているとは言え、板違いのタイトルばかりが並ぶのは冷や汗が流れる。
「どうや蝉丸はん。蝉丸はんはどんなタイプがええと思うん?」
「俺は――
A 『魔法少女タイプ』
B 『変身ヒロインタイプ』
C 『戦隊ヒロインタイプ』
A
セーラー○ーンはBとCどちらのカテゴリに入るのだろうか?
変身美少女戦隊ってのは駄目?
とりあえず選択はBにしておこう。
orz……余計なこと考えず即効で選ぶべきだな。うん。
>>633 いや……お前みたいなヤツ、好きだぜ。昔の俺を見ているみたいで。
今度一杯やらないか?
「俺は魔法少女タイプを選ぶ」
「うん、まぁ王道やな。まじかる☆さゆりんの影が抜けてないだけかも知れんけど」
「だとすれば、俺はそれを超えるものを作るよう精進するのみだ」
「うむ、がんばりや。じゃ、次はヒロインの造形にいっとこか。
人数、年齢、見た目、性格その他もろもろや」
「人数?」
「一人か二人か三人かそれ以上か。一人に絞るか、
タイプをわけてストライクゾーンを増やすかや。
まずはメインヒロインの年齢からいこか。それで見た目も絞られてくるからな」
「魔法少女、だから少女ではないのか?」
「少女、だけであまりアバウトやと過去話とかを作るときにあやふやになる。
ある程度は決めといたほうがええで。
とりあえずこんなとこや。どれ選ぶ?」
A 18歳以上の幼○園児
B 18歳以上の小○生
C 18歳以上の中○生
D 18歳以上の高○生
E 大学生
F 20歳代
G 30歳代
H それ以上
無難にD
「18歳以上の高校○だ」
「ま、妥当なところやろ。一番キャラの選択肢も多いやろうし。
幼稚○児や30代それ以上なんかやと選べるキャラも限られるしな」
「何の話だ?」
「気にしたらアカン。メインの魔法少女は高○生としてヒロインの人数はどうするんや?」
「人数か……」
「魔法少女一人だけやとそのキャラを集中して描ける、せやけどボリューム不足になりやすい。
大概は仲間の魔法少女がいたり敵の女幹部がいたりするもんや」
「なるほど」
「っちゅうても四人も五人も出したら描ききられへん。
仲間の魔法少女はだいたい一人か二人ぐらいやし、女幹部にしても男幹部と被らんよう
やっぱり一人か二人が限界やろうな」
「うーむ、外の女性キャラか…」
「シナリオ次第で足らんかったら後で追加したり減らしたりすればええけど、とりあえず決めといたらどうや」
「それもそうだな……それなら」
A 仲間の魔法少女は
1 0人
2 1人
3 2人
B 敵の女幹部は
1 0人
2 1人
3 2人
3-2
「仲間の数は二人、女幹部は一人でいこうかと思うのだが」
「まあ、無難なとこやな。女幹部辺りは後で入れ替わりもきくしな。
んじゃあ、メインの魔法少女の具体的なイメージでも決めよか
高校生ぐらいだけやとアバウトすぎやからな」
「背丈、体型、性格、話し方、髪形、髪の色……決めることが色々と多いな」
「あれこれ属性ごった煮にしすぎてもアレなだけやしこればかりはアンタのインスピレーションが問われるで
世のヲタクどもに広く訴えかけるような魔法少女像を思い浮かべてみい」
結局のところは、俺自身の持つ感性が問われている。ううむ、俺はこの世界には駆け出しも同然。
ゆえに、いわゆる萌えに関する知識は白紙に近い。ひとまず落ち着いて考えてみるか。
高○生というからには制服を身にまとうものであろう。
変身前の姿をまず衣服から思い浮かべてみる。
すると俺の脳裏に浮かんだ制服のイメージは……
A 華音高○の制服
B 尾根高○の制服
C 空高○の制服
D 蔵等高○の制服
E 東鳩高○、または西園寺女学園の制服
F その他、適当な高○名を指定(ただし高○生に該当するキャラのいる作品のみ)
F Routesで
制服ぐらいどうでもいいだろうになぜわざわざルーツ?
学校の名前が分からないから、作品名で上げただけだろ
制服を決める選択だぞ
すなおにABCDのどれかから選べばいいだろうにってことだろ
はぁ? 選択肢にあるものから選んで、なにが悪いんだ?
自由選択を見たことない初心者?
俺は意識を集中し瞑想する。こうして心頭滅却していると
俺の中で次第に具体的なイメージが固まっていく。
べースは白地、腕周りは黒地、赤のライン。
そして胸元を赤いリボンで止めたの制服。
高○名はRoutes高○にでもしておくか。
ふいに、思いついた名だが。
そしてその制服を身にまとう少女。
それは……
A 気の強そうなツインテールの娘
B どこかタヌキっぽい胸の大きな娘
Aみちる
人物指定しろとは書いてないので選択肢Aだけ有効な。
俺の脳裏にメインの魔法少女のイメージが浮かんでくる。
気の強そうな表情。
ほどほどに育った肢体。
ツインテールにまとめた明るい茶色の髪。
元気一杯の少女に相応しい名前は――
「メインの魔法少女の名前は…“湯浅皐月”だ」
一瞬、小さな女の子で紫のツインテールの少女も浮かんできた。
が、その少女はあまりに幼く小○生相当で描きたいヒロインと離れすぎだった。
高○生相当のヒロインならやはりこちらのほうが合っているだろう。
「別に人物指定というわけではないしな」
「何言うとるんや?」
「気にするな」
由宇の疑問を適当に流す。
さて、今晩の内にまだ何か決めようか?
それとも明日に備えて寝るべきだろうか?
A 残りの魔法少女を考える
B 敵の女幹部を考える
C 今日はもう寝る
雰囲気悪いんでリアルでもスレが落ち着くのを待つために今日はもう寝て欲しい
そんな書き手への願いも込めてC
制服がRoutesになった時点で嫌な気はしていたが・・・・・
C
「あんま根をつめすぎるもなんやし今日は寝た方がええんちゃう?」
「それもそうだな。寝るとしようか」
メインヒロインの原案が出来たところで俺は睡眠をとることにした。
創作活動には適度な休息も必要だ。
「なんか悪いなあ。うちだけベッド使わせてもろて」
「いやこちらが泊めてもらっている立場だ。気にする必要はない」
「そや、なんならあんさんうちの実家まで一緒に来んか?
あんさんのエロゲー作りにちと興味わいたんでな」
「有難い誘いだが……いいのか?」
「かめへん。かめへん。今までかてしょっちゅうダチを泊めたことあるし」
「言葉に甘えさせてもらおうか」
「よっしゃ、なら決まりや。明日は神戸の実家まで一緒にいくで」
俺は由宇の誘いに乗ることにした。この業界に通じた彼女の助言は
今の俺にとっては貴重なものだ。とりあえずの方針もきまり寝床に入る。
ちなみにソファーの上で雑魚寝だ。張り詰めた意識を緩ませ俺はゆっくりと睡眠に落ちた。
そして
A 夢の中で新たな構想が閃いた。
B 夢の中でさっきプレイした『地球防衛少女まじかる☆さゆりん〜囚われの魔法少女・散華ノ章〜』の一場面がリプレイされた。
C 夜中、寝ているところに寝ぼけた由宇が突っ込んできた。
D 何事もなく朝になった。
BBBBBBBBBBBBBBB
「くくくく。どうだ倉田佐祐理。いや地球防衛少女まじかる☆さゆりんよ。
連日の調教によって貴様の身体も淫らな快楽になじみ始めた頃合だろう」
「……っ……佐祐理は負けません。貴方達なんかには……絶対………」
俺は夢を見ている。亜麻色の髪の娘が淫らな調教を受ける夢。
これはおそらく『地球防衛少女まじかる☆さゆりん〜囚われの魔法少女・散華ノ章〜』の一場面だろう。
獣人軍「うたわれ」との戦いに敗れたさゆりんは哀れにも純潔を奪われ5クリックのうちに泣く泣く膣内射精を施され
その後も雌奴隷として淫らな調教を受け続けるわけだがこれは中盤に差し掛かった頃合だろうか。
気丈にも耐えてきた佐祐理の心が次第に折れ始める過渡期。
「んっ……っは……あっ……あふっ……」
「口では強がってはいても身体は正直だな。艶よい声を出してくれる」
「ち、違います……これは……ふぁっ!あっ……くふぅぅ……」
懸命に耐える佐祐理だが生理的な衝動を抑えきるには難しい。
男の指先が佐祐理の秘部を這うごとにジワリと蜜があふれていく。
豊かな膨らみの先端は硬くそそり、そこをクリクリと弄られると
佐祐理の口からは艶めいた喘ぎがもれる。
「ふふ、こんなにすぐに感じて淫乱なことだな。生まれながらのそちらの素養があると見える」
「……ぅ…っく……ぅぅ……」
ねちっこい言葉責めを佐祐理は唇を固く結んで堪える。
恥辱にまみれながらも仲間の助けを信じて懸命に耐え続ける。
たとえ雌犬のように惨めな仕打ちを受けようとも。
「それじゃあ今日はこちらの穴を使わせてもらうぞ」
「そこは違っ……ああっ!ひぃぃぃいいい!!」
まだ犯され慣れていない菊座を背後から貫かれる。
図太い剛直は佐祐理の尻肉をかきわけて腸壁を存分に抉り続ける。
「あぐっ……かふっ……はぁぁ……ぐふっ……くはぁぁぁぁ!!」
「どうだ痛いか。だがその痛みもじきに快楽へと変わる。そう、じきにな」
「そんな……こと……あぁぁああ!!ぐぅぅぅぅ……」
肛姦の衝撃に悶えながらなんとか気を持たせようとする佐祐理。
彼女の心の声が流れ込んでくる。
(きっと……きっとみんなが助けにきてくれるはずです。佐祐理は……佐祐理は負けません……)
なんとも気丈なことだ。だが、俺は知っている。そんな願いは脆く打ち壊されることを。
(早く……早く助けに……佐祐理…このままじゃ……壊れちゃいます……)
ずんぱん ずんぱん と効果音を上げながら肉棒は前後から佐祐理を差し貫く。
膣とアナル、両方にねじ込まれた二本の棒は佐祐理の胎内で擦れあい
白濁にまみれる秘肉同様に佐祐理の脳をも溶かしはじめている。
「そろそろ正直になってはどうかな。君の身体はもう限界のはずだ」
「………そ……な……負けま……あぅっ…はふぁっ……くっ……ふぅ……」
度重なる陵辱に佐祐理の身体は既に限界の筈だった。
膣内、腸内はもとより肌から髪の毛に至るまで白濁にまみれた全身。
輝きを失い始めた瞳。ろくに回らなくなり始めた舌。
そのどれもが告げる。彼女が淫らな雌奴隷に身を堕とすのは時間の問題であると。
だが、寸でのところで踏みとどまっている。それは仲間への信頼。いつか来ると信じている救いの手。
それが今の佐祐理の心を支えている。ともすれば今にもへし折れそうな心を。
ドクッ ドクッ 胎内ではぜるような音を佐祐理は感じていた。
これが何度目になるのだろうか。子宮と腸に注がれる白濁の液汁。
肉棒が引き抜かれるとともにドロリと佐祐理のあそこからあふれ出てくる。
「諦めたまえ。何もかもを忘れて楽になった方が君のためだ」
「屈…し……まへ……佐祐理は……正義の……魔法少女…でふから……」
「まったく強情なことだ。まあいい。今日は君にプレゼントを持ってきた」
「……ぷれ……へん……ほ……?」
呂律の回らない舌で佐祐理は聞き返す。それがろくな代物でないのはお約束だろう。
ヘラペッタのエキスをふんだんに塗り捲った極太バイブか、
人間の雌にも欲情できる獰猛な生殖器を所有する淫獣か。
それとも……
「あ…ああ゛あ゛あぁ…――」
刹那、虚ろだった佐祐理の眼は見開く。眼前にある一人の人物の姿に。
「舞………………」
それは佐祐理の親友にして相棒である少女剣士の川澄舞であった。
だが、目の前の舞は佐祐理の知る姿ではなかった。
一糸まとわぬ舞の豊満な肢体。そこには数々の陵辱の爪あとがくっきりと残されている。
乾いた精液の痕がのこる肌。乳頭に穿たれた金色のピアス。奴隷を象徴するかのような首輪。
秘部には双頭の太いバイブレーターの片側を差し込まれ振動の度に涎をたらしながらうめきを上げる。
そして一点の光もない虚ろな瞳。焦点も定まらぬそんな瞳で舞は佐祐理を見つめている。
「くくく。どうかね。変わり果てた親友の姿は。君を救出に来た君の仲間達はとっくに返り討ちにしたよ。
生き残ったものは囚えてしかるべき処置を施してある。そこの彼女のようにな」
「………そんな………そんなっ!」
仲間を信じて耐え抜いてきた。佐祐理の中の最後の一線がぷつんと音を立てて切れる。
「さあ、親友同士仲良く遊んでくれたまえ。邪魔はせんよ」
「…………佐祐…理………」
絶望に打ちひしがれた佐祐理にふらふらと舞は近寄る。膣内で震えるバイブにあえぎながら。
べったりと精液で濡れた肌同士が密着する。舞の陰部に挿されたままの双頭バイブ。
そのもう一方の先端を白濁のあふれる佐祐理の秘所へと。
「は……ふ……佐祐理………ふふふ」
「ま……舞………」
抵抗する気力さえ佐祐理には残っていなかった。打ち砕かれた最後の希望。
変わり果てた親友の姿が既に限界に達していた身体同様に佐祐理の心を完膚なきまでに打ちのめす。
そして舞の膣から突き出した双頭バイブは佐祐理の膣内へもずぶずぶと埋没していき
「「あ…あは…あふ…あ、あ…んあ…んぁあぁああぁぁ〜〜」 」
淫らな調教に堕ちた二人の少女は双頭バイブに繋がれあってよがり声をあげる。
A もうちょっとだけ回想に浸る
B そろそろ目を覚ます
Aエロエロよ〜ん
「はっ……っは……あはは……は……」
壊れきった笑顔で佐祐理は微笑む。
今、眼前に並ぶのは無数の獣人兵士たちの肉棒。
ある種、壮観な光景を前にして佐祐理は恍惚にひたる。
「あはは〜、佐祐理の大好物がたくさんですよぉ」
立ち並ぶ肉棒の群れに佐祐理はうっとりと酔いしれる。
自ら股を大きく開き女性器を手で広げて見せてねだるように言う。
「みなさん。今日もたっぷり佐祐理のオマ○コに新鮮なせーえきを注いでくださいねぇ」
その台詞を皮切りに獣の群れは佐祐理の肉を貪りにかかっる。
淫らな調教生活の末に名器と呼ばれるまでに至った佐祐理の女陰。
最も幸運なものがそれにありつける。引き締まった尻肉が極上の締め付けを約束するアナル。
いかな頑なな陰茎をも優しくほぐす口。人気の箇所は次々と埋まっていく。
豊かな乳房には当然のように肉棒が挟まれ、両の手にも一本ずつ握らされ。
むっちりとした太ももも修練を積んだ足も佐祐理の身体で使える箇所はどこも使用される。
肉欲を満たすための道具として。
「はぅっ!んふっ…ふぁぁぁっ!んっ……んぶっ…んむちゅ……ぷはっ…っは……
みなさん凄いですぅ。佐祐理の身体が壊れちゃいますよぉ……はぁぁ!くふひぁぁぁぁ!!」
降り注ぐ白濁のシャワーは佐祐理の顔も髪もベトベトに汚す。
精液にまみれ輪姦を受けながら佐祐理は心身ともに悦びを感じていた。
膣肉をなぶる肉棒。亀頭が子宮の入り口にまでも到達するかのような圧迫。
突き動かされるごとに膣奥が激しく掻き毟られ脳に刺激がはしる。
苦しいほどにアナルに収まった肉槍。排泄器官への責めさえも今の佐祐理には至上の快楽である。
口内に広がる生臭い匂いと苦味のあるスペルマの味。大好物だ。
恥垢のたまった包茎ペニスを貪るようにほおばるその姿に地球防衛のため戦い続けた魔法少女
まじかる☆さゆりんの面影は一欠けらもなかった。ただ淫らな肉の快楽に溺れる雌がそこにいた。
「あはは〜♪みなさん……佐祐理の身体をもっと……もっと嬲ってくださぁい。もっと滅茶苦茶にですよぉ」
白濁の塊と化した身で肉欲に目覚めた雌が一匹そう懇願する。
壊れ落ちた佐祐理の心は二度と戻ることはなかった。
これは確かEND13辺りだったか。まどろみの中で冷静に俺は思い返す。
『地球防衛少女まじかる☆さゆりん〜囚われの魔法少女・散華ノ章〜』は一部に
SLGの要素も含む。ぶっちゃけた話、どの敵対勢力にどの時点で佐祐理が敗北したかによって
シナリオが分岐するのだ。戦闘内容によっても違うらしい。
高いゲーム性と実用性。クオリティの高いグラフィックもあいまって人気作となったとは由宇から聞いた。
ここまでのレベルのものを今の俺が書ききれるかというと難しい。総執筆量も相当なものだろう。
多くの一般公募の名無しライターの力によって支えられたとも聞く。数の力がものをいうのはどこでも同じだ。
だが、俺はきっとこの作品を越える傑作を作ってみせる。俺に啓示を授けた神の意思をこの俺が引き継ぐのだ。
意気を新たに明日からの創作活動にいっそうに励むことにしよう。
次の場面は
A 今、宿泊しているビジネスホテルの部屋
B いろいろすっ飛ばして猪ノ坊旅館
C 間をとって大阪駅
Bかな、書き手乙です
「着いたで〜、ここがウチの家『猪ノ坊旅館』や」
「ここがか…立派な旅館だ」
まじかる☆さゆりんの夢から目が覚め、翌朝俺達は早速由宇の家に向かった。
大阪駅からJR神戸線で三ノ宮まで、山手線で乗り換え新神戸に。
そこから更に鈍行やバスを乗りつなぎ、いくらか歩いたところで到着した。
「立派なもんかいな、むやみに歴史だけある山奥の旅館や」
「謙遜することはない」
素直にそう思った、山奥だけあって環境が良い。
街では味わえない清涼な空気、人の喧噪がない心地よい静けさ。
俺のような人間には懐かしさすら感じさせる。
「ささ、まぁ中に入ってや」
外見と同様、内装も落ち着いたもので掃除も行き届いている。
「ここがウチの部屋兼作業場や」
そう紹介しながら、由宇はやや離れた一室の襖を開けた。
「こ、これは……」
その部屋だけがこの旅館で異空間、異次元だと言ってもいい。
幾つも置かれた背の高い本棚、そのどれもが漫画・同人誌・ゲーム・DVDやビデオで埋められている。
テレビには先日のビジネスホテルの時以外のゲーム機が何台も繋げられていた。
床はゲーム機のコードと、恐らく資料用であろう漫画や同人誌や描き損じた原稿等で足の踏み場もない。
「いや〜、ギリギリまでコピー本作ってそのまま即売会行ったから掃除も出来てへんねん。
ま、散らかってるけど適当に座ってや。あんさんの部屋はまた用意するから」
「あ、ああ」
やはり由宇はオタクだった。
適当に漫画や同人誌を押しのけ、下から現れた畳に座る。
「んで、これからどないするんや?」
由宇は勉強机の椅子に座り俺に尋ねた。
「シナリオを書くのも大切やけど、ゲームを作るんなら他の要素も必要やろ」
「他の要素?」
「せやな…エロゲーを作る以上、最低あと音楽とプログラムは無いと困るな」
なるほど、確かにそうだ。
俺が御老公の元でプレイしたゲームでも、場面場面に応じた音楽が流れていた。
それに、そもそも絵や文章をゲームの形に出来る人間がいなければ始まらない。
「誰ぞアテでもおるんか?」
「いや…残念だがすぐには心当たりが浮かばない」
御老公なら誰か知っているかも知れない、後で聞くべきだろう。
「ま、キャラやシナリオが気まらんかったら絵も描けへんし音楽も作りにくいやろ。
とは言え早いうちから人材を確保する必要もある、どないするんや?」
「そうだな……まずは
A 昨日の続きでキャラクターやシナリオを考える
B 音楽を作れる人間を探す
C プログラムを組める人間を探す
Cで
「そうだな……まずはプログラムを組める人間を探すつもりだ」
「プログラムか、こればっかりはウチの手の終えへんからな」
如何に話や絵が作れようとも、それでは小説か漫画にしかならない。
エロゲーを作ろうと思えばどうしてもプログラムを組める人間が必要だ。
後回しにしようかと思ったが、やめておいた。
よくは知らないが複雑そうな作業だろうし、時間が掛かりそうだ。
「デバッグでバグが発売直前に見つかり発売延期などもってのほかだ」
「まともに動けへんゲーム作って、巨大なパッチ配布して自主回収なんて地獄やで」
俺と由宇はよく分からない事を言い出してしまった。
何故か脳裏に ぬ○きち という謎の単語が浮かんだ。
――忘れよう
「せやけど蝉丸はん、アテはないって言ってなかったか?」
「だが御老公…俺の家の主人なら誰か知っているかもしれん」
そうだ、大量のエロゲーを所有していた御老公なら、人脈を持っている可能性がある。
「済まない由宇、電話を借りるぞ」
「ああ、ええよ」
俺は由宇から許可を得て、部屋を出て旅館備え付けの電話を借りた。
……申し訳ない、神戸から島神ではすぐに10円玉が切れるのだ。
「はい、坂神です」
「御老公か」
「蝉丸か、連絡が無いので心配したぞ」
昨日家を飛び出したきりだった、連絡の一つぐらいするべきだったな。
「申し訳ない、実は――
俺は御老公にこれまでの経緯を話した。
「そうか…『戦う変身ヒロインがやられちゃう』ゲームがお前さんの希望ジャンルなのだな」
「ああ、ついては誰かプログラムを組める人間を探している」
「プログラマーか…」
「誰か知り合いにいないか?」
電話越しに少し沈黙が流れる。
「そうだな、それなら――
A 知り合いに『姫百合珊瑚』というコンピューターの天才がいる。彼女に頼んでみよう」
B 知り合いに『坂上鷹文』というコンピューターに詳しい人間がいる。彼に頼んでみよう」
C 知り合いに『高槻』という科学者がいる…少々、いやかなり変わったヤツだが頼んでみよう」
D 知り合いに『縦王子鶴彦』というオタクがいる、彼に頼んでみよう」
E すまない、知り合いにプログラムを組めそうな人間がいない」
Cしかないッ!
「知り合いに高槻という科学者がいる、少々…いやかなり変わった奴だが頼んでみよう」
待て。高槻?高槻だと?確か俺が最初に遊んだエロゲー『Moon.』に
同じ名前のキャラクターがいたはずだが…。確か奴は女性を強姦しているにも関わらず
どちらかというと笑いを取りにいってるような変人のような口調であり、
職業も科学者だったはずだ。何なのだこの偶然は?
「御老公、その高槻というのはまさか…」
「蝉丸、言わんとしている事は解る。先に答えておこう」
御老公も俺の疑問が何なのか解るようだ。
「その高槻という人物はな…」
A 「お前と同じ、ゲームのキャラクターだ。タクティクスに乗り込んだ事もある」
B 「実在の人物だが、そのあまりの狂人、変態ぶりを見てタクティクスがそのままモデルにしたのだ」
C 「電脳の世界にだけ存在する擬似人格だ。脳神ネ○ロの電人H○Lのような者だな」
TA・KA・TU・KI・!!
Bでいこうか
>>668の文字列の中に「A」が含まれてるんですが……
>>670 これは選択じゃないっしょ。
選択は分かりやすく書いてもらわないと。
「彼は実在の人物だ。だがそのあまりの狂人ぶり、変態ぶりにタクティクスがモデルにしたのだ。
普通はいくらかゲームにするときは誇張したりするものだが、彼の場合は巣でキャラになったらしい」
「そうか……」
密かに胸をなで下ろした。
『誰彼』をプレイしてLeafを尋ね、自分がエロゲのキャラだと知って以来少し疑心暗鬼になっていた。
周りの人間が自分と同じくエロゲのキャラで、あの由宇も何かのゲームのヒロインなのではと思ってしまう。
「彼に連絡を取ってお前さんの元に行かせてみよう、お前さんが今いる場所は?」
「俺が今いるのは兵庫県○○市×××の『猪ノ坊旅館』だ、連絡先は○○○−××××で――」
俺は御老公に住所と電話番号を伝えた。
「わかった、彼にも伝える。良いゲームを作れよ」
「ありがとう御老公、俺も最善を尽くす」
御老公に礼を言って電話を切った。
これでプログラマーの目処は立った、山奥だから時間は掛かるがそのうち『高槻』とやらが来るようだ。
……ただし、ゲームそのままの高槻が来るとなるといささか不安だが。
「どやった? プログラマーのほうは」
「ああ、御老公が紹介してくれた。暫くしたらやって来るそうだが問題ないか?」
「かまへんよ、今は夏休みの旅行シーズンも終わって部屋も開いてるしな」
「重ね重ね済まない」
「いやウチも何ぞ目新しいモンに挑戦しようか思っとてな、これもええ機会や」
「神様の導きかもしれん」
「さ、さよか…蝉丸はんって意外と信心深いねんな」
この上俺が本物の神に合って、お告げを聞いたなどさすがに信じないだろう。
「プログラマーのほうはええとして、次はどうするねん?」
少し引いたのか由宇が話題を変える。
「そうだな、次は――
A 残りの魔法少女を考える
B 敵の女幹部を考える
C 音楽を作れる人物を探す
Cタリエシン
集えガイキチーズ
はて、どこに人物指定があるのか
「そうだな、次は音楽を作れる人物を探したい」
プログラマーも目星はついた、それなら先に必要な人材を揃えたほうがいいだろう。
「とはいえ音楽についても俺の知り合いは頼りにならん」
俺の知り合いに出来る事と言えば剣術や狙撃や水中格闘戦だ。
何という血生臭くて物騒な連中だろうか。
エロゲの制作には全く役に立たない能力ばかりだ。
……いや、同じ強化兵の俺が言えた義理ではないが。
「やはり御老公に尋ねてみるか」
しまった、これならさっき一緒に聞けばよかった。
二度手間になってしまった、申し訳ない限りだ。
「ちょい待ち、蝉丸はん」
もう一度電話をかけに行こうかと思ったその時、由宇の眼鏡が光った。
「音楽作れる人間やったら、ウチの知り合いで何とか出来る人がおるかもしれんで」
「そうなのか」
本当ならありがたい話だ、御老公ばかりに世話になるのも悪い。
「せや、ウチの知り合いでな――
A 芳野祐介っちゅう電気工兼アマチュアバンドをしてる人間がおんねん
B 緒方英二っちゅう緒方プロダクションの社長がおるねん
C タリエシンっちゅう吟遊詩人がおんねんけど…なんか嫌な予感がするねん
B
>>673 もう選択も理解出来ん厨とかいらんよ……
次からこう言う事やったら無効で良くないか?
「実はな、ウチの知り合いで音楽のプロフェッショナルがおるねん」
自信満々な由宇、これは期待できそうだ。
「誰なんだ、それは?」
「ふっふっふ、何とあの緒方プロダクションの社長、緒方英二や!」
「緒方……聞いたことが…確か緒方理奈の兄か?」
由宇が挙げた名前、緒方英二なる人物について思い出す。
そうだ、坂神家で月代がテレビで見てた人気アイドルに緒方理奈という人物がいた。
月代によると実の兄である緒方英二がプロデュースしていて、自身も昔は音楽家だという。
由宇が自信満々なわけだ。
「しかしそんな人物とよく知り合いになれたな、エロゲの音楽なんて作ってくれるのか?」
「そこはそれ、実は英二はんがしばらく前にフラッとウチに泊まりに来たんや。
せやけどその時に英二はん財布を忘れててな、勘定が払えんちゅう事になってもうてん。
んでその時の宿泊費をチャラにする代わりに、ウチに困った事があれば協力するって約束してもろたんや」
「なるほど」
「ほなちょっと連絡してみるわ」
そう言って今度は由宇が部屋を出て行く。
程なくして連絡を終えた由宇が戻ってきた。
「どうだった?」
「実名を出さないって条件でOKしてくれたわ、またウチに泊まれるし最近忙しいから気分転換になるって。
意外とノリノリやったで、仕事適当に切り上げて抜け出してこっち来るって」
「そうか…これでプログラムも音楽も一応目処が立ったな」
「せやな、早い目にプログラマーも作曲家もそろいそうやから後はアンタ、シナリオの出番やで」
そうだ、いよいよ俺も自分の仕事に取りかからねばならない。
「どうするんや、残りの魔法少女と女幹部、どっちから決めるん?」
「そうだな、俺は――
A まずは魔法少女二人だ
B 女幹部のほうを決めよう
枝葉より先に軸を固めよう
A
「まずは魔法少女二人のほうから決めるつもりだ」
俺は由宇に言った。
女幹部よりは話の中心のキャラを先に決めるべきだろう。
「せやな、そっちの方が先やろ」
由宇も頷く。
「そしたらどないする、仲間の魔法少女はどんなキャラクターにするんや?」
「仲間の魔法少女の設定か……」
「『湯浅皐月』ちゃんは正義感が強くて元気で明るいいかにもメインヒロインっちゅう設定や。
あんまり被らんようなキャラを作った方がええで」
「ふむ」
そう言えばまじかる☆さゆりんでもヒロインは明るい娘だったが親友は無口だった。
似たようなキャラクターばかり作ってはプレイヤーも退屈してしまうだろう。
「どうしても同じようなキャラを出したいってんなら止めはせんけど、慎重に考えなあかんで」
「なるほど」
「とりあえずまた一人ずつ年齢から決めてみようや。
どないする? 仲間の魔法少女二人のうち一人の年齢は」
「そうだな、俺は――
A メインヒロインよりもかなり幼い中○生以下ぐらいのヒロイン
B メインヒロインと同程度の年齢の高○生相当のヒロイン
C メインヒロインより少し年齢が高い程度の大学生から20代前半ぐらいのヒロイン
D むしろメインヒロインよりかなり年上の主婦なヒロイン
「ちなみに一応言っておくがAもBも18歳以上だ」
「誰に言ってるんや蝉丸はん?」
D
秋子さんか?
「そうだな、俺はメインヒロインよりかなり年上の主婦なヒロインを出してみたい」
俺の中でイメージが生まれた。
メインヒロインにはない包容力、豊かな人生経験。
そこから生まれてくる熟れきった肉体。
まず書いてみたいと思ったのはそんな主婦キャラだった。
「主婦キャラか〜、なかなかマニアックなところを突くやんか」
「しかし…他の分野ならともかく魔法少女モノでは如何なものだろうか」
少し冷静に考え直してみる。
主婦キャラとなると明らかに“少女”のカテゴリーから外れている気がする。
それに容姿が老けているとなると醒めてしまう恐れもあるのでは……
「いやいや、魔法少女モノやからって必ずしも主婦キャラが出せないわけや無い。
『魔法戦士ス○ートナイツ』なんかでは割と年増な魔法戦士や魔法の国の女王なんてのも出てた。
戦隊モノの指揮官っちゅうか、魔法少女達のリーダーみたいな役どころで十分使えるで」
「そ、そういうものなのか」
しかし詳しく説明したいからと言って他板の作品を例に挙げるのはどうだろうか。
圧倒的な未プレイの人間にはついて行けない気がするぞ。
「まぁあんまり細かい事は気にせんといてほしいわ。
要は主婦キャラでも全く魔法少女をさせられん事はないっちゅうこっちゃ」
心の中を読まないでくれ。
「容姿のほうもそんなに問題や無い、要は若々しく描けばええだけの話や」
「そんな事をしても良いのか?」
「娘と間違われるぐらい若くてもノープロブレムや」
エロゲの世界に詳しい由宇が断言するのならそうだろう。
何故か俺にもその理屈は圧倒的に正しく思える。
「んで蝉丸はんはどんな主婦キャラをイメージしたんや?」
「俺のイメージか、それは――
A 「水瀬秋子」という名前の、青髪のロングを太い三つ編みにした主婦
B 「古川早苗」という名前の、栗色のロングをリボンでまとめた主婦
C 「柚原春夏」という名前の、ウェーブの掛かった黒髪を後ろでバレッタまとめた主婦
D 「折原志乃」という名前の、ウェーブの掛かった青紫色の髪を黒いリボンで飾った主婦
古川じゃなくて古河
選択はCかな
俺は沈思黙考する。考えているのはエロゲヒロインの役どころだが。
そう……中学3年の娘が一人。XRATEDじゃないから大丈夫だ。
とすると年のころは三十路のどこかというところか。しかしまるでそうは見えない。
非常に若々しく、美しく、スタイルよく、明るく、家事万能、しつけもきっちり。
そう、まるで隣人の高校生とのルートもあるのではないかと想像されてしまうような。
しかし本人は娘の恋を後押ししてその幼馴染の高校生と既成事実を早く作らせてしまおうと考えている。
そして時折家をあけては娘を幼馴染に任せ、魔法少女としての勤めを果たす……
俺は目を開けた。
「決まったんか?」
「ああ。名前は、柚原春夏」
そして俺は容姿やざっとの性格付けなどを由宇に伝えた。
「なるほど、主婦とはいえあまり色気を前面に出さんタイプやな。
しかし湯浅皐月をからかったりはできそうでもある。面白いな」
「そうか」
由宇に否定されずに俺はほっとする。
「さて、勢いに乗って3人目やな。高校生、主婦ときて、最後もまずは年齢からいこか。
セオリーに沿えばロリキャラになるかも知れんけど、それはあんたが決めることや。
さ、どれにする?」
A 中○生以下
B 高○生
C 大学生以上
ここはセオリーにそってA
「中○生以下だな」
ここは定石通りに幼い女の子を選ぼう。
別にあえて意外性を狙う必要は無いだろう。
それに小さくとも正義に燃える少女が哀れにも捕らえられ、未成熟な体を開発されるのも悪くない。
いや、むしろかなり良い。ぐっと来るものがある。
「さよか、中○生以下やな。……蝉丸はん、もしかして現実でもそっちの趣味?」
「いや、そんなことは無いぞ」
体験したルートでは誰とも結ばれなかった。
ゲーム『誰彼』よると俺の預かり知らぬところで高子が石原麗子に二穴責めを受けてたようだが。
「ロリっ子趣味はモニターの中だけにしときや、色々とややこしいからな。特に最近は」
「そうだな、心に留めておこう」
由宇の忠告を適当に受け止める。
「ここの読み手さんも書き手さんもよろしくお願いするで」
「誰に話してるんだ?」
「変な犯罪起こして規制がこれ以上強まったら業界の危機や」
「だから誰に話してるんだ?」
「気にしたらアカン」
「むぅ……」
「まぁそれはそうとどんなロリっ子をイメージしたんや?」
意味のよく分からない話題が切り替わり、本題に戻る。
「俺がイメージしたのは――
A “岡崎汐”というなのまだ幼○園児相当の少女
B “みちる”という名の小○生相当の少女
C “立川郁美”という名の中○生相当の少女
D “立田七海”という名の自称お年頃らしい少女
C
俺の中でイメージが生まれてくる。
湯浅皐月は元気で活動的であり、柚原春夏も明るく気丈なタイプだ。
それならば…最後の魔法少女は病弱な女の子にしてみよう。
年の頃は中○生相当、同じ年頃の女の子と比べてもまだ未発達な肉体。
髪型はたっぷりのピンク色の髪をリボンでまとめたツインテール。
幼い頃から病院と自宅の往復するばかりの生活。
それが魔法少女としての使命と力を授かり一変する。
仲間に支えられながら、正義に燃えて悪と戦い続ける日々。
病院や自室だけでは知ることの出来ない、見るもの聞くもの全てが新しい毎日。
だが、それも彼女らの敗北で終わってしまう。
戦いに敗れ捕らえられた魔法少女に加えられる毒牙、それは幼く儚げな彼女も例外ではない。
小さな体を蹂躙され、泣き叫びながら犯され続けるその先には――
「どないしたんや蝉丸はん、なんぞ思いついたんか」
「あ、ああ」
いかん、つい己のイメージ作りに夢中になっていた。
「少女の名前は“立川郁美”他の二人と違い体の弱い女の子という設定だ」
「ほほぅ〜、病弱儚げ属性を加えたんか。蝉丸はんもよく分かってるやんか」
「そんなものなのか」
「そんなもんや、もうちょっと詳しい設定を教えてぇな」
「ああ、ピンク色の髪をリボンでツインテールにまとめ――」
俺は由宇にイメージした少女の外見を伝えた。
外見の設定を元にイラストにした由宇が首を傾げながらしげしげと自作絵を見つめる。
「何か時々こみパで見かける女の子に似とる気がするなぁ」
「俺は知らないぞ」
そう言われても困る、俺はこみパなどには行ったことが無いのだから。
「ウチが無意識にモデルにしてもうたのかも知れん、気にすることもないやろ」
魔法少女も決まり、ようやく最後のキャラに取りかかる。
「ほんなら最後は敵の女幹部やな」
「ああ」
「これも魔法少女と同様に、年齢から決めてみようか。
大体はメインヒロインと同じぐらいか、少し上が多いけど別に必ずしもセオリー通りにする必要はない。
蝉丸はんのイメージする敵の女幹部はどれくらいの年齢や?」
「俺のイメージは――
A 中○生以下
B 高○生相当
C 大学生か少し上ぐらい
D かなり年上の主婦キャラ
バランスよくがよくなるように C
「俺のイメージは…大学生かそれより少し上ぐらいだ」
魔法少女達を責めるならば年上の方がいいだろう。
だが主婦キャラは既にいる、ならば二十代前半ぐらいまでの女性を出そう。
「なるほど、ちょうどキャラの年齢がかぶらんでええ感じやんか」
由宇も感心する。
「敵の女幹部っちゅうキャラも意外と簡単やあらへん。
セオリーっちゅうか、大概はいくらか妖艶な雰囲気を持ってるキャラや。
話の中で主人公の男幹部と対立してたり、逆に協力関係にあったり、
場合によっては男幹部とラブラブなエンドを迎える場合もある。
そこら辺はこれから書くシナリオ次第やろうし、必ずしもセオリー通りのキャラにする必要はない。
んで、どんな敵の女幹部が浮かんだんや?」
「うむ、俺がイメージしたのは……
A 赤毛のロングを横ポニーにした巨乳の女性、高瀬瑞希
B 黒髪ロングに片目が隠れた冷たい雰囲気がする巨乳の女性、篠塚弥生
C 黒髪のショートで裏の顔も持っている巨乳のお姉さん、麻生明日菜
D その他大学生、もしくは二十代前半相当の年齢の女性を指定
C
一見すると優しいお姉さんにも思えるが、相手を手玉に取っていそうな裏の顔を持ち。
黒い艶のある髪がショートカットに切りそろえられている。
そして大学生相当とはいえ、豊かすぎる双球の盛り上がりが男を魅了する。
俺が頭の中に浮かべたキャラクター『麻生明日菜』はそんな人物だった。
「ああ、俺がイメージしたのは『麻生明日菜』と言う名前の女性で――」
彼女のキャラや外見を俺は由宇に説明する。
「…………」
「どうしたんだ、由宇?」
話を聞きながらスケッチをする由宇の手が、麻生明日菜の体の…胸の辺りで止まった。
「蝉丸はんの説明やと、ずいぶん立派なオッパイの持ち主のようやな」
「そうだな。主婦の春夏さんはともかく他の二人は普通程度の発育と幼女だ。
大学生相当の年齢のキャラクターだし、巨乳キャラを入れても問題無いのではないか?」
由宇の眼鏡が再び光る。
「……ウチも年齢で言ったら大学生相当なんやで」
少し寂しげに、諦めてしまったように呟いた。
慌てて由宇の胸元を眺めるが……コメントは控えておこう。
背が低い分貧しすぎるわけではないのだろうが……
「と、とにかくこれでヒロインは全員決まったな」
「……まぁそうやな」
気まずくなった空気を一新しようと話題を切り替えた。
何にせよヒロインのキャラクターは決まった。
「せやけど肝心の主人公はどないするんや」
「主人公?」
「この手の主人公はだいたい“悪の秘密結社に所属する野心溢れる若手幹部”や。
そうは言っても全く無個性の名無しさんだよもんっちゅうわけにもいかへん。
プレイヤーが任意に変えられるとしても、デフォルトの名前や性格は決めなあかん」
「そうか……」
「蝉丸はんはどんな主人公が書きたいんや?」
俺がイメージする悪の組織の敵幹部――それは――
A サプライズなエンターティナー悪党、岸田洋一
B 女の子苦手な癖にセックスとなると積極的で絶倫、河野貴明
C 謎の仮面を被った早漏野郎、ハクエr……もといハクオロ
D ここは感情移入しやすくするために俺自身をモデルにしよう。
Bでもっとセックスする
このみ「何か嫌な予感がするでありますよ…」
一見すると優男で人当たりの良さそうなさわやかな好青年の高○生。
女の子が苦手な素振りを見せるが、実際プレイするとそんな設定どこへやら。
そしていざセックスとなると、普段からは想像出来ないほど積極的で絶倫。
俺がイメージする悪の組織の敵幹部はそんな男だった。
名前は “河野貴明”
さすがにそのままでは格好がつかないから幹部らしい呼び名を考えなければいかんな。
プリンス・タカアキとかタカアキ・ハインケルとか。
……イマイチのような気がする、というよりパクr…引用だ。
もっともパクr…引用に俺の神様は比較的寛容だが。
「河野貴明っちゅうんか、せやけど優男のような性格で調教とかできるんか?」
キャラクターをデザインし、マントやそれっぽい衣装を描き足しながら由宇が尋ねる。
「そこはそれだ、調教陵辱の時は鬼畜なケモノになってもらおう」
さわやか好青年風味の鬼畜主人公……何かを思い出してしまいそうだが気にしてはいけない。
「キャラデザのほうはこんなもんでどうやろ?」
そう言いながらスケッチブックを見せてくれる。
「変身時のコスチュームはまじかる☆さゆりんやないけど制服を少し変えてフリルや装飾をつけてみたわ。
いわゆる“リリカル○のは”のバリアジャケット方式やな」
「なるほど」
湯浅皐月は白を基調としたワンピース型の制服だが、スカートの裾や袖口にフリルがつけられ、
胸元にも宝石のようなものが飾り付けられている。
立川郁美のほうは茶を基調としたシックなデザインの制服に、肩の部分が膨らませており、
これまた湯浅皐月と同様にスカートの裾や袖口がフリルで装飾されていた。
「柚原春夏のほうはどうだ?」
由宇に尋ねると少し困った顔をした。
「うーん、それなんやけどな、まだちょっと決まってないねん。
他の二人みたいに制服とか無いし、どんなコスチュームにすればええかなって」
「そうか……」
「とりあえず二人より登場は後やし、それまでには考えてみるわ」
「よろしく頼む」
「ほなまぁヒロインとか主人公は決まったけど、早速書き始めてみるか?」
一応ではあるがキャラデザを終えた由宇が聞いてきた。
「他にも主人公の所属する組織名とか、魔法少女のヒロインの呼び名とか決めといたほうが
決めといたほうがええ項目もあるけどどないするんや?」
「そうだな……」
「あんまり深く考えたり選択で決めなくても、次の書き手に任せるっちゅう方法もある。
せやけど書き手の負担になったりもしかしたらえらいハズした名前になる可能性もあるからな」
「なるほど、俺は――
A まず主人公の呼び名や組織名を考える
B 魔法少女の呼び名を考える
C とりあえず次の書き手に任せてみる
B
「俺は魔法少女の名前を考えてみたい」
そう言えばまじかる☆さゆりんも単なる魔法少女ではなく“地球防衛少女”という肩書きだった。
単に何の工夫もなく“魔法少女○○○○”というのも味気ない。
「せやな、世の中には魔法少女だけやなく魔法戦士、魔法天使、超昂天使、流星天使エトセトラエトセトラって
いろいろあるからな」
「だがどうやって考えればいいだろうか」
俺一人で考えるにも限界がある。
少し弱気になった俺に由宇がチッチッと指を振った。
「ま、ここは選択スレや。いろんな人間に知恵出してもらうこともできへん事もない」
「と言うと?」
「タイトル案みたいにある程度時間を待って、現行感想スレあたりで魔法少女の呼び名を募るんや。
適当な数が集まったところで選択してもらう。昔さるロックバンドでもとられた方法らしいで」
なるほど、そんな方法があったのか。
「しかし、そう皆が案を出してくれるだろうか?」
「集まらんかったらその時はその時や、適当に決めなしゃあないわな。とりあえず選択してもらおうや。
ただ呼び名が決まるまで他の話を書きにくくなってまうのが難点やけどな。
次の書き手に複数案を出してもらってその中から選択するっちゅう普通の方法もある、どないする?」
「うーむ、それなら――
A タイトル案を現行感想スレで募る
B 次の書き手に一任してしまう
A
B
「とりあえず朝方までは応募期間を待ってみようかと思う」
「まああんま長引きすぎてもあれやしな。けど待っとる間ここの進行はどないするん?」
確かに呼び名が決まるまでここで待ちぼうけと言うのもなんだ。
呼び名自体は最低、朝方まで選択は待つとしてその間にも他にやれることがあるのではなかろうか?
呼び名の選択は定めた時間が過ぎて以降に適当に貯まったと書き手が判断したなら
こちらに投下すればよいとして、その間、ただ指をくわえて見ているというのも面白くあるまい。
とりあえず今、俺にやれることは……
A 試しにプロローグだけでも書いてみる
B 主人公の組織の設定とかを考えてみる
C プログラム担当と音楽担当がそろそろ気になる
D じっくり待ちぼうけでもいいじゃないか
B
「主人公の組織の設定とかを考えてみるつもりだ」
主人公の河野貴明が所属している悪の秘密結社についても設定を考えないと書き辛いだろう。
「とりあえず悪の秘密結社の目的は世界征服でいいだろう」
「一番分かりやすいしな」
悪の秘密結社、せめてその組織名や河野貴明の呼び名ぐらいは決めておくべきだ。
「たいがい悪の秘密結社っちゅうのは古代の超科学をひっさげたてたり、
地球侵略を目論む宇宙人やったり、人間界を支配しようとする邪神や暗黒神の軍団やったりする。
もちろん既存の警察や軍では歯が立たない、そこで変身ヒロインが必要になってくる。
今回は魔法少女モノやし、悪の組織は“暗黒神の軍団”あたりの設定がええやろ」
「そうだな、じゃあ“破壊神ガディm――
「それはやめとき、何やあっさりやられるファンタジー系のボスみたいな名前や」
「む、それなら“次元皇帝エンペラーリーf――」
「だからそういうのは止めとき、どうせ仮面ラ○ダーの首領みたいに実体は必要ないんや。
適当なオリジナルの名前でもつけといたほうが無難やで」
「そ、そうか…それなら“暗黒神ブラックシモカワ”率いる悪の軍団“ダークネスリーフ”
というのはどうだ」
「そんなもんやろ、ベタベタやけどこういうのは分かりやすいに越したことはない」
「後は…主人公の呼び名か」
「あんまり偉すぎても下っ端でもアカン、実力はあるけどまだ若い中堅幹部っちゅうところやな」
「ふむ…では“魔導騎士タカアキ”みたいな感じでどうだ?」
「うーん、ちょっと厨くさいけどええやろ。また不都合があれば変更すれば問題ないし」
「一応敵の組織や主人公の設定についても決まったな」
「せやな、ほんなら次はどうする。朝までそんなに時間もないけど」
「そうだな――
A ちょっとプロローグを書いてみる
B その時、プログラム担当の高槻がやって来た
C その時、音楽担当の緒方英二がやって来た
D 女幹部の麻生明日菜についても考えてみる
E 時間もないしまったり待つ
A
「ちょっとプロローグを書いてみるか。何かあったほうが雰囲気などがわかりやすいだろう」
そういうと、表情をわずかに歪めた由宇が俺に向き直る。
「簡単に言うなぁ。プロローグはある意味一番重要な所なんやで?
体験版みたいなもんを出すにしても、はじめから引きずり込まなければすぐにポイ。
手にとってももらえへん。系統は違うけど、ONE、KANON、AIRとかはごく短いプロローグにも
かかわらず雰囲気や季節に引き込ませる。
雫、痕なんかも狂気や謎をにじませることでストーリーの期待感をあおる。
ちょっとヘッドホンせんと天いなのプロローグやってきてみい。度肝を抜かれるで」
叩きつけられるように由宇から言葉が降ってくる。そういわれると、少し簡単に
いいすぎだったかも知れない。
「まぁ、そうは言ってもまずは書いてみないことにははじまらん。よし、いったって。
キャッチーな内容みせてや」
どっちなんだ。
うってかわって楽しそうにしている由宇を見ながら俺はプロローグの内容を考え始めた。
A いきなり主人公がメインヒロインとしているところから
B 雑魚敵をヒロイン達が倒すところから
C メインヒロインが学校に通っているシーンから
D ヒロイン達3人のレズシーンから
E 主人公とヒロイン達と女幹部が5人で歌いながら踊っているシーンから
F お好きなプロローグの内容を書いてください
F 貴明が肉奴隷を調教しながらモニターで仇敵の魔法少女の活躍を眺めるシーンから
「んっ……ちゅっ……はむっ……んむっ……」
淫らな水音がする中、薄暗い部屋の一室で革張りのソファに俺は腰掛けていた。
明かりもつけず、壁に掛けられたモニターを見つめる。
「……これが噂の敵か」
『いくわよ、まじかる☆ウインドカッター!』
『皐月さん大丈夫ですか、まじかる☆ヒール』
一人の魔法少女の放った風の刃がガイコツの兵隊を切り裂き、もう一人の魔法少女が
回復魔法を唱える。
暗黒神ブラックシモカワ様率いる我らが軍団 “ダークネスリーフ” が禁術で生み出した
兵士や魔獣は、たった二人の魔法少女に圧倒されていた。
「よもや俺達に逆らえる人間がいたとは」
ブラックシモカワ様が唱えられた黒魔術による世界征服。
強大な魔法技術に人間の警察も軍も無力であった。
順調だと思われていた地上征服、その進行がここに来て停滞してる。
『ぐぎゃああぁぁああーー!!!』
モニターの中では今週の怪人…もといダークネスリーフが作り出した狼型の魔獣が爆発炎上した。
これで何度目の失敗になるだろうか。
「そろそろ俺の出番かな」
呟きながら視線を下ろした。
「んぅっ……んむぅ……はむっ……」
そこでは一人の女性が膝立ちになり、俺の股間に顔を埋めて口内奉仕を続けている。
メイドらしい白い長手袋と黒のニーソックスを履かせているが、それ以外は裸だ。
代わりに奴隷の証である首輪を填めさせている。
この間の戦いで捕らえた妖精族の娘の一人で、たしかリムリスとか言う家付き妖精だ。
最初は泣き叫んで抵抗していたが、今ではすっかり従順な肉奴隷メイドになっている。
「出すよ」
「んんぅっ!……んっ…んくっ…」
一言だけ言って無造作に昂ぶった肉塊から精を吐き出した。
幾度もの調教でリムリスも慣れていて、上手いこと零さずに嚥下する。
「この二人の魔法少女、こいつらを捕らえれば……」
組織を手こずらせるやっかいな敵、コイツらを倒せば出世は思いのままだ。
いや、むしろ捕らえて調教し、この娘のように忠実な奴隷にすれば――
「ははは、なかなか楽しくなってきそうだな」
「どうだ、こんな感じのプロローグを作ってみたが」
「ええんとちゃうんか、それなりに要点は押さえてると思うで」
書き上げた原稿を由宇に見てもらう。
とりあえず及第のようだ。
「ほんならどうする、そろそろ魔法少女の名前を選択してもらうか? それとももう少し待つ?」
「そうだな、名前案が多いのも少ないのもあるが……」
「あんまり待ってても新しいのが来るとも限らんで」
「そうだな、俺は――
A 魔法少女の名前を選択する
B もう少し別の事をして待つ(別の事を指定)
Aでとりあえず皐月だけでも
「とりあえず幾つか候補が挙がった湯浅皐月のほうだけでも決めてみようと思う」
「せやな、最初に捕まえて調教するのは皐月はんやし、彼女だけでも決めとけば話しかけるやろ」
柚原春夏や立川郁美のほうは候補が少ない。
もうしばらく待つことにしよう。
「他の候補は募集を継続しておく」
「皆さんよろしく頼むわ、何ぞええ名前を考えてや」
「それでは湯浅皐月の魔法少女としての呼び名を選択してくれ」
A 嵐を呼ぶ武闘派魔法少女『ストームさつき』
B 「風の魔法少女ストーム☆メイ」
C マジカルコックス
D Selective girl-Striker-Satsuki
E 戦乙女皐月
F 武闘派エロ魔法少女マジ狩る☆さっきん
G セレクターメイ
H センスない、俺が決める
Aかな
「というわけで湯浅皐月のほうは“嵐を呼ぶ武闘派魔法少女『ストームさつき』”に決まった」
「他の候補もたくさんだしてな〜」
「メインヒロインの呼び名は決まったな」
感想スレで応募された名前を眺める。
「少し長い気もするけど、なかなか強そうな感じやんか」
「ああ、魔法だけでなく格闘もこなせそうな名前だな」
もっともだからといって主人公が調教中に倒されるわけにもいかない。
そんなバッドエンドなシナリオはまたの機会に書くことにしよう。
「だが、後の二人はまだ決まらない」
「まぁ話の序盤は皐月はんの調教がメインなわけやからとりあえず問題はないやろ。
そのうち郁美ちゃんや春夏はんを出す時期までに決めよ」
「なるほど」
「そうと決まればどうするんや、早速書き始めてみるか?」
「そうだな――
A 早速話を書き始めてみる
B 少し休憩してプログラマーや音屋を待つ
C 他の設定を決める(決めたい設定を指定)
いけいけA
「そうだな…せっかく呼び名も決まったのだ、書いてみようと思う」
名前も決まり俺の中で創作意欲が沸いてきた。
プログラマーや音楽家を待つのもいいが、それまでに出来ることをしよう。
「さよか、ほんなら手始めにどんなシーンから書く」
「最初に書くシーンか」
「ザコ敵と戦うシーンはプロローグでモニター通して書いた。
だいたい次は主人公とヒロインが対決するシーンやな」
「なるほど」
「これが戦闘描写重視の燃えゲーなら力を入れて書くべきや。
けどヒロイン調教がメインやし、冒頭で説明だけ入れてあっさり流してもそう問題やない。
でも全く無いっちゅうのも、少し寂しいもんがある。せっかく呼び名や設定も考えたんやしな」
「ふむ」
「蝉丸はんはどのあたりのシーンから書くんや?」
「俺は――
A 魔導騎士タカアキとストームさつきが戦闘するシーン
B ストームさつきが敗北し、捕らえられ基地に連れて行かれるシーン
C 敗北して基地に連行されたストームさつきが処女喪失するシーン
A
「やはり戦闘シーンから書こうと思う」
それなりに考えた設定を無碍にするのも勿体ない。
「そうやな、『戦いに敗れたヒロインを調教する』って話やねんから
戦闘シーンも省かんほうがええやろ」
「では少し書いてみる」
「ほなこのパソコン使い」
そう言いながら由宇は勉強机の傍らからノートパソコンを出した。
「これは?」
「日本橋で買った型遅れの安物や、スペック低くて文書書くぐらいしか使えんけどな」
由宇のほうは原稿用紙とペンを用意する。
「ウチは背景とかのイメージ画を描いてみるわ」
「わかった、書けたら声をかける」
「そうしてくれると集中できるわ」
そう言って由宇は本棚から資料を引き出し、原稿用紙に取りかかる。
俺のほうもノートパソコンに電源を入れ、一○郎を起動させキーボードを叩き始めた。
「うわぁぁー!」
「きゃぁぁー!」
恋人達が睦み合う静かな夜の公園、だが今は人々の悲鳴が響き渡る。
突如、静寂を破って公園の広場にガイコツ兵士やリザードマンが現れて暴れ出した。
夜空を見上げながら愛を語り合っていた男女は我先にと逃げ出す。
そんな一般人に襲いかかろうとする魔物達、だがそこに正義の戦士が現れた。
「そこまでよ 卑劣な魔物達!」
公園の街灯、その上に一人の少女が立っている。
白を基調とし、スカートの裾や袖口をフリルで飾ったワンピース型の制服コスチューム。
明るい茶色の髪はツインテールにまとめられ、正義感溢れる瞳が輝く。
「嵐を呼ぶ武闘派魔法少女『ストーム☆さつき』! ここに参上!」
ビシッと口上を決めた魔法少女は、十二分に魔物達の視線を集めた。
少なくとも公園のカップル達が逃げ出す時間は稼ぐ。
「いくわよ、てやっ!」
威勢の良いかけ声とともに、ストーム☆さつきは魔物達に飛びかかる。
「グゲェェツ!」
「ギヒャッ!」
魔法のステッキを杖と言うより棍のように扱い、次々と魔物達を打ち据えていった。
魔法少女とは思えない素早い身のこなし、武闘派と言うだけはある。
「これで終わりよ まじかる☆ハリケーン!」
ステッキから放たれる魔力を帯びた嵐が辺り一帯に広がり、魔物達を切り裂いた。
トドメとばかりに使った大技の魔法で、ストーム☆さつきは敵を全滅させる。
「おかしいわ…手応えがなさ過ぎる」
戦闘を終えた皐月の顔に戸惑いの表情が浮かんだ。
今日戦ったのはザコのガイコツ兵士やリザードマンばかりである。
「その疑問は正しいよ、ストーム☆さつき」
「だ、誰っ?」
皐月の疑問に答えるかのように、闇の中から声がした。
街灯の明かりの向こうから、ゆっくりと一人の男が現れる。
「俺は“魔導騎士タカアキ”、我らの暗黒神ブラックシモカワ様がお造りした
ダークネスリーフの忠実な幹部だよ」
「貴方が幹部……丁度良いわ、ここでやっつけてやるんだから」
「はははっ、君にできるかな」
「ふぅ……どうにか戦闘開始まで書けたな」
俺は一旦キーボードを打つ手を止め、次の展開を考える。
「さて、この後の戦闘だが――
A 剣技と魔法の両面でタカアキがストーム☆さつきを倒す
B 卑劣な人質作戦にストーム☆さつきが屈する
C 「秘技 千手観音愛撫」で一気に戦闘不能にする
A 貴明らしくないが
「オーソドックスにタカアキに剣と魔法で倒させるか」
由宇に渡された“魔導騎士タカアキ”のデザインを見ながら呟いた。
黒いマントを羽織り、赤茶色を基調としたどちらかと言えば冒険者風の服を着た男キャラ。
何故か「ネトゲの中に入って勇者にされた男」を思い出す服装だった。
「どうしてアニメゲーで脱衣麻雀などと地雷臭のする新作を出すのだろうか」
理由もなくそんなぼやきが俺の口から出る。
俺の失敗から何かを学んだのでは無いのか?
いくら2が売れたからと言っても実験作ばかり作っては会社が傾いて…………
――いかん、思考が逸れてしまった。
……続きを書こう。
「魔導騎士タカアキ、覚悟っ!」
ステッキを両手持ちに構え直し、掛け声と同時にストーム☆さつきが走り込みステッキを振るう。
魔力を込めた突進と一撃は文字通り「風」であった。
「ふっ!」
ガキィィィン!
甲高い衝突音が夜の公園に響く。
速度と威力に任せて振り下ろされた一撃を、タカアキもサーベルを両手持ちに構えて受け止めた。
「なっ……」
通常の魔物や魔獣では、到底反応出来ない高速の一撃。
それを正面から止められストーム☆さつきに動揺が走る。
「なかなか速いね、でもタイミングが分かりやすいよ」
爽やかな笑みを浮かべたまま、タカアキが皐月の攻撃を評した。
「今度はこっちの番かな」
「くっ……つぁっ!」
受け止めたステッキを振り払い、今度はタカアキが切り込みをかける。
皐月もステッキを構え直し、防ぎ避けるがジリジリと押されていった。
(この男強い……それなら!)
皐月は横薙ぎの一撃をすんでで避け、一旦後方に飛んで間合いを取った。
「これならどう、まじかる☆ウインドカッター!」
ステッキの先端から、タカアキ目掛けて幾つもの風の刃が襲いかかる。
「今度は魔法か、本当に分かりやすいね」
そう言いながらタカアキは剣を右手に持ち、左手を前に出し何かを呟いた。
(何かしようとしてるけど、もう間に合わないはず)
この攻撃こそタカアキにダメージを与えられるはず、そう皐月は確信する。
「えっ?!……きゃぁぁっ!」
だが風の刃が届く寸前、タカアキの前に光の壁が生じ皐月の魔法を跳ね返した。
「覚えておくのだな、これがマホカンタだ」
反射した風の刃が皐月を吹き飛ばし、コスチュームを切り裂く。
自らが放った魔法の直撃を受け、皐月は背後の木に叩きつけられ地面に倒れた。
「それじゃ念のために…バインド」
「ううっ……くぅっ……」
呻き声を上げる皐月を、タカアキは魔力の鎖で縛り上げる。
抵抗の手段を全て奪い、芋虫のように転がった皐月に近寄った。
「ふふふ、いい格好だね」
「く……この……悔しい、こんなヤツに……」
文字通り手も足も出せない皐月だが、それでも瞳は戦意を失っていない。
見下ろすタカアキを憎々しげに睨み付けている。
「こ、殺しなさい…」
「強気だね、ストーム☆さつき。でも殺すなんかよりも――」
そう語尾を濁しながらタカアキは皐月を舐めるように見回す。
切り裂かれたコスチュームの隙間からは、白い健康的な肌が覗いていた。
「君を特別に俺達の基地に招待してあげるよ、たっぷり歓迎してあげるからね」
「やっ…やめ……やめなs……」
もがく皐月の口をコスチュームの切れ端で塞ぎ、嫌がらせでお姫様だっこをする。
「ははは、本当に楽しくなってきたよ」
そのまま、魔導騎士タカアキは宿敵ストーム☆さつきを捕らえ闇の中へ……
“ダークネスリーフ”の基地に帰還したのだった。
「こんなものかな」
戦闘シーンを書き終えて、再び手を休める。
かなり適当な気もするが、戦闘は本編ではないので勘弁してもらおう。
「よし、次はどうするかな――
A 捕らえて連れて帰った皐月について、暗黒神や女幹部に報告するシーン
B 捕らえた皐月の純潔をタカアキがおいしく頂くシーン
C ちょっと休憩してプログラマーや音楽家を待つ
貴明バーン様かよw
選択はCで。
「そうだな……少し休憩するか」
キーボードを打つ手を止め、一度のびをする。
キャラや設定を決め、プロローグや冒頭の戦闘シーンを書いたのだ。
ここらで少し休憩しよう。
「休憩か、蝉丸はん」
公園の背景画を描いてた由宇が尋ねる。
「ああ」
「さよか、ほんならそろそろ英二はんが来るかも知れへんし、
アンタの知り合いのプログラマーが来るかも知れへん。
休憩がてらそこらを見回ってきてぇな、もしかしたら迷子になってるかも知れんからな」
「わかった、そうする」
俺は立ち上がって、部屋から出て行った。
「ふぅ……」
一旦猪ノ坊旅館を出て、辺りを散歩する。
深い森に囲まれて清涼な空気を吸い、遠くから聞える川の流れに耳をすませた。
「いい土地だ、旅館が繁盛するのも頷ける」
豊かな自然に囲まれていると俺のやる気も蘇ってくる。
そろそろ部屋に戻ってシナリオの続きでも書こうか。
A 「ここが猪ノ坊旅館かぁぁぁ!」とその時、ゲームそのままの科学者、高槻がやって来た。
B 「やれやれ、やっぱり神戸は遠いねえ」とその時、白髪に眼鏡をかけた男、緒方英二がやって来た。
C 「探したぞ蝉丸、今こそ俺達の因縁に決着をつけに来た」とその時、俺の親友でライバルだった光岡がやって来た。
D 特に誰とも会わないまま、俺は由宇の部屋に戻った。
B
「む……車か」
森林浴を楽しんでいると、一台の車が上がってきた。
御老公の家にあった車の雑誌で見たことがある、確かミニクーパーとか言う種類の車だ。
緑のミニクーパーの運転席には男が乗っている。
まだ若い男で、灰色かかった短髪に眼鏡を掛けていた。
「ちょっといいかな、お兄さん」
「何だ?」
すれ違う直前、運転席の男が話しかけてきた。
「いや久しぶりで道に自信がないんだけど、この先に猪ノ坊旅館ってあるかな?」
「ああ、すぐ先にある」
「そっか、ありがとう。やれやれ、由宇ちゃんも人使いが荒いね。
はるばる神戸まで呼びつけちゃうんだから」
由宇の名前を知っている…この男もしかして…
「もしや貴方が緒方英二か?」
名前は一応知っているが顔は知らない。俺は男に聞いてみた。
「そうだけど…お兄さんは? マスコミっていう風には見ないけど」
やはりそうか、この男が俺達のエロゲーの音楽を作ってくれるのか。
「失礼した、俺の名前は坂神蝉丸。今回作るエロゲーのシナリオライターだ」
「坂神蝉丸って…ああ君が蝉丸君か、由宇ちゃんが言ってたよ。
『何やガタイのええあんちゃんと組んでエロゲーを作るんや』って」
「話が早くて助かる」
そのまま俺は散歩を切り上げ、緒方英二を案内しながら猪ノ坊旅館へ戻った。
「英二はん、よう来てくれたなぁ」
「はははっ、食い逃げ飲み逃げのままってわけにもいかないからね。
骨休めと気分転換を兼ねてってところかな」
俺は車を駐めた英二を由宇の部屋に案内した。
「機材とかはまだ車だけどいいかな」
「かまへんよ、さすがにこの部屋でってのは無理やから別の部屋用意するわ」
「了解。だけど由宇ちゃん、ちゃんと名前は伏せてくれよ」
「分かってるがな、まぁ実名にしたって誰も信じへんやろうけどな」
「よろしく頼む、いい曲を作ってくれ」
そう言いながら俺は戦闘用や日常用、調教用など作ってほしいBGMのリストを渡す。
飄々とした雰囲気の男だが、月代達が茶の間で聞いていた曲を作った男だ。
腕は確かに違いない。
「ま、やるだけはやってみるさ。後シナリオや絵も出来たら逐次見せてほしいな。
どんな雰囲気の音楽を作るか参考にするから」
「了解だ」
「わかったで」
英二が部屋から出て、旅館の従業員と機材を別の部屋に持ち込みに行った。
再び部屋は俺と由宇だけになる。
「さてと、音楽家が来たけど次はどないする」
「そうだな――
A シナリオ執筆を再開する
B そろそろ腹も減ったし夕食にする
C 「ここが猪ノ坊旅館かぁぁっ」玄関からそんな声が聞えてきた
寄り道大好き B
「緒方英二も遠くから来て疲れているだろう。先に夕食にしてはどうだろう」
「まぁ、そやな。急いでもしょうないし。じゃ、ついでに蝉丸はんの部屋に案内しよか」
案内された部屋は緒方英二の隣の部屋のようだ。機材を組み立てる音がする。
「調理場から食いもん持ってくるよって3人で食べよ。英二はん呼んできて」
「三人分は難しいだろう。俺も行こう」
「ここは旅館やで? 3人分なんか簡単なもんやって」
そういうと由宇はさっさと姿を消す。
やれやれ、せっかちな奴だ。俺は隣の部屋へ行くために動き出した。
「ほなカンパーイ!」
由宇の言葉に俺と英二も軽く唱和する。無料で泊まっているというのに申し訳ないような
料理と酒だ。少し後が怖い。
話す内容は、音楽の話の他、同人誌とやらの話など。以外に緒方英二はその方面にも
強いらしい。昔はさんざん自分もネタにされたことがある、そうだ。
そしてもちろん、これから作るゲームの話だ。
「BGMは明日からさっそくとりかかるけど、本格的にやるならキャラクターの声や
主題歌をどうするかも考えておいてくれよ。声はまあノーボイスならそれでも
かまわないけれど、主題歌はいるだろう。これはさすがに由綺や理奈に歌わせるわけにも
いかないからな。あ、俺もね」
「それこそ大騒ぎやろ。まぁそこらへんはある程度できてから考えるてもなんとかなる。
まずはシナリオをすすめんと。蝉丸はん明日からもビシバシいくで」
「あぁ、俺に任せろ」
A 食事を終え、緒方英二と一緒に風呂に入る。
B 今日はもう休む。
C 「坂神蝉丸というのはいるかぁぁ?」 男の声が聞こえてきた。
D 寝る前にもう一シーン書いてみる。(シーン指定)
D タカアキによるストーム☆さつきの貫通式
「ん……ここは……」
目を覚ました皐月は、体を起こして周りを見回す。
どうやら独房のような部屋らしい、ドアと自分が寝ていたベッドとトイレ以外は特に何もない。
「私、どうしてこんな所に……そっか…アイツに負けちゃって……」
次第に意識がハッキリしてきて、先ほどの戦闘を思い出していく。
(タカアキに負けて、魔力の鎖で縛られて口にコスの切れ端なんか詰め込まれたのよね。
その後に抱き上げられて基地に連れ去られたけど……ワープゲートみたいなの潜る時に気を失ったのよ。
だいぶやられちゃってて、ワープに体が耐えきれなかっんだ……)
そこまで思い出したとき、首に違和感を覚えた。
触ってみると、何やら得体の知れない首輪が填められている。
「これは……首輪?……くっ、取れない」
金属で出来たその首輪は、少々引っ張ったところでびくともしなかった。
「お目覚めの気分はどうかな、ストーム☆さつき」
皐月が首輪を相手に悪戦苦闘していると、ガチャリとドアが開き男が入ってくる。
「くっ……魔導騎士タカアキ!」
先ほど打ち負かされた相手だ、忘れるハズもなかった。
「このっ! 今度こそ!」
相変わらず爽やかな笑みを浮かべるタカアキへ、怒りを露わに皐月は飛びかかる。
「ふふっ」
だが、タカアキは身構える様子も無く、余裕の表情を浮かべたままだ。
バジィッッ
「きゃぁぁっ!」
次の瞬間、悲鳴を上げたのは殴ろうとした皐月だった。
グーの鉄拳が放たれる寸前、背筋を仰け反らせてその場に倒れ込んでしまう。
「女の子がグーでパンチなんてはしたないなぁ」
「ううっ……」
床でうめく皐月を見下ろしながら、タカアキは口を開く。
「その首輪はね、君の魔力を奪って更に反抗しようとすれば電流が流れるんだよ。
高性能で便利なショックカラーだと思ってくれればいいかな。
あ、でもコスチュームが元に戻るぐらいには残してくれるから。そっちのほうが昂奮するしね」
聞きたくもないだろう首輪の解説をしながら、タカアキは皐月を引き上げる。
健康的でスレンダーなその肢体を、簡素なベッドに押し倒した。
「な、何をするの?!」
「君が何で俺達に殺されてないか分からない?」
仰向けに寝かされながら少し考えて、皐月が答える。
「……私から仲間の情報を聞き出すためでしょ」
「半分正解。でもそれだけじゃ無い、君達のような強力な魔法少女を配下に加えたほうが
俺達の世界征服が早く進むと思ったからさ」
タカアキの予想外の模範解答に、皐月は激怒した。
「なっ…私は貴方達のような悪者に協力するつもりなんて無いわよ!」
「今はそうだね、だけど犬だって躾ければ主人の言う事を聞くようになるものだよ。
それと同じさ、君の場合はかなり厳しい目に躾けないと駄目そうだけど」
「私は犬なんかじゃ無い!」
自分を犬呼ばわりされた事に皐月は憤慨する、だがタカアキはどこ吹く風だった。
「犬だよ。今までは正義の魔法少女で皆から尊敬されてたろうけど、これからは違う。
俺に躾けられる従順な雌犬…雌奴隷としての生涯が始まるのさ、手始めに――」
ビリリリィィ
そこまで話すとタカアキは皐月にのし掛かり、白いコスチュームの胸元に右手を掛け引き裂く。
魔力を殆ど失ったコスチュームはあっさりと破れ、ほどよく育った皐月の胸がタカアキの前に現れた。
「きゃぁぁっ!」
「結構弾力のある胸だね、こっちも……っと」
ブツッ
体を入れて皐月の太股を押し割り、強引に左右にに開脚させる。
余った左手でスカートを捲り上げ、皐月が穿いているショーツを引きちぎった。
レースの少ない淡いピンクの薄布が傍らに捨てられ、大切な部分がタカアキの眼前にさらけ出される。
「意外と毛深いんだね、毎日ちゃんと手入れしてるのかな?」
右手で乱暴に胸を捏ね回しながら、左手を秘唇にあててなぞり出した。
シャリシャリと陰毛の感触を楽しみながら、人差し指でワレメを上下に擦る。
「止めなさいっ! この外道! 鬼畜っ!」
特製の首輪を填められ、力を失った皐月に抵抗する術は無かった。
だが、それでも皐月の口からは罵声の言葉が飛ぶ。
「まったく、ストーム☆さつきは心底自分の立場が分かってないんだね」
そう言いながら、胸を弄んでいた右手で皐月の体を押さえつける。
「まずはムチが必要みたいだ……いいや、愛撫無しでいきなり入れちゃうか」
カチャカチャとベルトを外しズボンを下ろして、タカアキは己の剛直を出した。
既に太く硬くそそり立った男のモノを見て、さすがの皐月も恐怖を覚える。
(あ、あんなモノが私の中に……無理よ! 絶対に入らない!)
「それじゃ早速っと」
硬直する皐月をよそに、タカアキはピタリと閉じたままの秘裂に肉棒をあてがった。
自慰すら殆ど経験のない自身の秘部、そこに触れ入ろうとする肉塊の感触に皐月は叫ぶ。
「や、止めなさい! 止めてっ! 止めてぇぇぇぇっーーー!」
「だーめ(はぁと)」
皐月の懇願を軽く流し、ニヤニヤと笑みを浮かべながら、タカアキは一気に腰を沈めた。
「ううっ…くうっ……」
「ひぐぅっ! くぅぅぅぅっ! ぅああぁぁ!!!」
大して愛撫もされず、濡れていない皐月の秘唇が奥深くまで貫かれる。
文字通り身を裂く激痛に、皐月は必死に耐えようと歯を食いしばった。
「さすがにキツいな……あれ、この血って…そっか、ストーム☆さつきは処女だったんだ」
深々とタカアキの剛直が埋まった結合部、そこからジワリと血が滲み太股に伝う。
「と言うことは、俺がストーム☆さつきの初めての男になるのか」
結合部から太股、太股からシーツに伝う純潔の証しにタカアキはニヤニヤと笑みを浮かべた。
「見るな……見るなぁ……この変態野郎」
瞳を滲ませながらも、決して涙を流さずに皐月はタカアキに抵抗の言葉を放つ。
「その変態野郎に純潔を捧げたんだ、君も変態の仲間入りだね」
「だ、誰が……はぐぅっ!」
勝手な理屈を述べるタカアキへの反論は、悲鳴によって中断した。
タカアキが埋めたままにしていた腰を動かし始めたのである。
「うぐぅっっ!…くはぁっ!……かはっ……や、やめ……」
つい先ほどまで男を受け入れた事が無く、しかもロクに潤みもしていない膣肉が割り開かれる。
「いいよこの締め具合、処女じゃなきゃ絶対味わえないな」
皐月の性感に一切配慮しない、己が性欲を満たすだけのピストン運動。
破瓜の血と、生理的に生じた僅かな愛液を潤滑油に肉襞を抉り続けた。
男にとっても痛みを感じるほどの強烈な締め付け、そして痛みと屈辱に耐える皐月の表情に
タカアキの劣情は頂点まで高められる。
「さてと、そろそろ出そうかな」
「出そうかなって……だ、ダメッ! それだけはダメッ! お願いっ! 駄目ぇぇっ!」
「……そんなに止めて欲しいの?」
抽送運動を続けながら、懸命に訴える皐月にタカアキは尋ねる。
「あ……当たり前でしょ!」
「どうしようかな〜、ストーム☆さつきが俺達に忠誠を誓うって言うなら考えてもいいけど」
「そ…そんな……そんな事誓えるわけな――」
「そう、残念」
皐月が言い終わるより早く、タカアキは皐月の腰をしっかりと掴み、奥深く肉棒を埋めた。
「んんっ! くううっっ!」
ドクッ ドクッドクッドクッドクッ!
「あ…だ、出されてる……中に……」
ビクビクと剛直は震え、一滴残さず皐月の胎内を満たそうとする。
「ゃぁ……嫌ぁ……嫌ああぁぁああぁぁーーー!!!」
子宮めがけて吐き出される熱い白濁液の感触に、皐月は一際大きな絶望の悲鳴を上げた。
「ううっ……こんな……こんなのって……無いよ」
膣内射精のショックに打ちひしがれる皐月。
だが、タカアキの様子は全く違っていた。
「さてと、一回目は終わりかな」
「一回目って……まさか……」
精液を吐き出した後も、タカアキは剛直を抜こうとはしない。
「精液で滑りも良くなるだろうし、こんな極上の性器ならあと三回は楽勝そうだしね」
そう言いながら、皐月の膣内でタカアキのモノが再び硬直し始める。
「そんな……そんなぁ……まだ…終わらないなんて……」
呟く皐月をよそに、タカアキはピストン運動を再開始めた。
皐月への凌辱は、まだ始まったばかりである。
「ふぅ、久しぶりの処女だからってちょっとはしゃぎすぎたかな」
「んぅぅ……く……この……」
散々に皐月を凌辱し、満足したタカアキは立ち上がり身繕いをした。
着替え終えたタカアキが、ベッドに寝たままの皐月を見下ろす。
「今日は痛かったかも知れないけど、何回も繰り返せばそのうちに気持ちよくなれるよ。
これから毎日調教して、肉棒無しじゃ生きてられない雌奴隷にしてあげるから。
明日も楽しみに待っててね」
「だ、誰が……私は絶対にアンタ達の奴隷になんかならない! 必ずやっつけてやるんだか!」
下腹部の鈍痛と凌辱による消耗で起き上がれないが、それでも皐月の目には戦意が残っていた。
「その強がりがいつまで持つかな、ふふふ」
タカアキが部屋を出てドアを閉めた後、皐月はそれまで堪えていた涙をこぼした。
(私の……私の初めて……あんな男に奪われたんだ……)
そっと自分の秘唇に手を当てると、指先にピンク色の粘液が絡みつく。
最早僅かにしか残らない己の破瓜の血と、タカアキに膣内射精された忌まわしい白濁液との混合物。
(ゆかり……宗一……)
自然とクラスメイト達の顔が思い浮かんでくる。
(宗一……私、汚されちゃった……汚されちゃったよ……)
密かに憎からず想っていた親友、友達以上恋人未満の男に心の中で謝る。
だが、それでもまだ皐月には正義を信じる強い意志が残っていた。
(郁美ちゃん……春夏さん……私……私、負けない!
きっと二人が助けに来てくれるはず……それまで耐えてみせるんだから!)
「うーむ、いささか主人公が鬼畜な気もするが……」
「ま、この手のゲームの主人公ならこんなモンやろ」
俺は『捕らえられたストーム☆さつきがタカアキに純潔を散らされるシーン』を書いた。
これが先日プレイしたような燃えゲーならば
『実はストーム☆さつきの親友は世界NO.1のエージェントで、処女喪失のピンチを颯爽と救う』
などという展開になっただろうが、このゲームでそんな救いは無い。
ヒロインの初めては無惨に奪われてもらう事にした。
「そんな展開にしたら核地雷認定間違い無しや」
「そうか……」
A さすがに疲れた、もう寝る
B その時、玄関に「高槻」なる人物が到着した
C いや、勢いに乗って次のシーンも書く
よく書いたな。力作GJ。
選択はAで少しは休めセミー
あと誰か次スレよろしく。
>>742 サンクス、迅速なスレ立て本当に乙です。
もうあまり容量が残ってませんが(自分のせいです申しわけありません)
A 「大長編選択スレ『選択スレ優季の明治漂流記』」の反省会
B 即死岩切の反省会
C 「茜マニアックス」の反省会
D その他話題を指定
C
よく即死扱いにされなかったな。
終わりよければすべてよしなんだろうけど。
即死岩切の後だったから、一応終わった以上また即死させるのは忍びないと思われたんだろう。
シスクエとヌワンギの次に短いんだよな。
岩切や黒きよみはBADでもラストもうちょいきちんんと書いてりゃ即死扱いにはならなかっただろうに。
不憫なのは主人公選択したやつだよ。マナに続いて……
>ラストもうちょいきちんんと書いてりゃ
次の作品を早く書きたい人にとっては終わった作品はないがしろにされがち。
岩切、黒きよみとも深夜の闇討ちみたいなもので、ラスト書いた、はい次次みたいな感じだったし
あれじゃ、ちゃんとしたラスト書こうにも間に合わないよ。
さくっと打ち切ってまで進めようとした茜マニアにはそれなりに期待してたんだけどな…。
エクスカリバーだの言ってお馬鹿な殴り合いしてたときはそれなりに楽しんでたんだがな。
そっから一気に止まってしまった。
いきなりオンカミヤムカイ流心術なんて出てきて精霊召還なんてさせようとしたとこ見ると
逆襲の眼鏡っぽい事しようとしたんじゃないかと思う。
どちらかというと愛佳2になるかと思った
そういやオガム忘れさられたな。いつのまにか。
個性が薄いから仕方ない