第二回 葉鍵板最萌トーナメント 2回戦 Round38!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
545支援SS「初夏のライトグリーン」(1)
[[LK224-SLbMYDcq-LG]]
はじめに、インスピレーションをくれた彩スレ9の>>122>>124に感謝します
たとえ、何作ものゲームに手を出しても、自分の中の最萌は変わらない。

<<長谷部彩>>支援SS「初夏のライトグリーン」

タタンッ、タタンッ、タタンッ、………

鉄路を駆ける軽快な音が聞こえてくる車内。
晩春の高原列車の車窓は爽やかな新緑に溢れていた。

車掌『え〜、間もなく星降ヶ丘高原、星降ヶ丘高原に到着いたします』

目的地を告げる車掌のアナウンスを聞いた男は、
同じボックスシートに腰掛ける黒髪の女性を揺り起こす。

和樹「彩、あ・や、」
彩 「ん…んn…和樹…さん…?」

翡翠色した綺麗な瞳を瞬かせて自分を起こした男…千堂和樹を見る彩。
和樹は彩が起きた事を確認すると自らの肩にもたれていた頭を上げさせる。

和樹「気持ち良さそうに眠ってたからそっとしておいたんだ。
   もう直ぐ、降りる駅だから準備しよう」

まだ頭の芯まで目覚めていなかった彩であったが、
和樹にずっと自分の寝顔を見られていた事に気がつくと頬を赤らめ、
降りる支度をするのであった。
546支援SS「初夏のライトグリーン」(2):2006/05/24(水) 00:33:39 ID:iAMGmoPj0
和樹「ん〜〜〜空気がうまい!」
彩 「くすっ)…そうですね」

6月下旬のある日、和樹と彩は高原の観光地に来ていた。
昨夜のニュースを眺めていた和樹が突然言い出し、
二人は目的地以外全くのノープランの小旅行に出たのである。
そして二人は鉄道の駅からバスに乗り、観光牧場に来ていた。
夏休み中ともなれば避暑地として関東からの旅行客に賑わうこの高原であったが、
オフシーズンの平日という事もあって、旅行客は非常にまばらであった。

彩 「……見渡す限りの緑、雄大にそびえる山、初夏を告げる晴天、
   吹き抜ける風、それらを軟らかく包みこむお陽さま…」
和樹「彩はこういうの好きだろ?」
彩 「はい」

そういって気持ち良さそうな表情で和樹に頷き返す彩。
高原を吹き抜ける風がその烏の濡羽のような色をしたその長い髪をなびかせ、
それが白っぽい彩の服装とコントラストを生み出す。

和樹「でもいい天気だけど…ちょっと暑いかな」

そう言って和樹は着ていたジャケットに手を掛ける。
彩もそれには同意らしく、羽織っていたカーディガンを脱いで腕にかける形にしていた。
確かに高原の風は気持ちいいが、それは穏やかな初夏の日差しに照らされて汗ばんだ肌を、
乾いた風が吹き抜けていったからでもある。
見ると彩もその肌はうっすらと湿り気を帯び、軽く汗をかいた状態のようである。
しかし、和樹の視野は彩の白いブラウスにうっすらと浮かぶライトグリーンの帯にフォーカスしていた。
白い生地に微かに浮かぶその緑は、彩の整った胸を包み込んでいる。
547支援SS「初夏のライトグリーン」(3):2006/05/24(水) 00:37:10 ID:iAMGmoPj0
彩 「どうかしましたか、和樹さん?」

ジャケットを脱いでから言葉が止まっている和樹を訝しげに見る彩。
やがて、和樹の視線が自分の胸元に注がれているのに気付いて…

彩 「きゃっ」

身体を抱くようにして透けたブラを隠しながら縮こまる彩。
どうやら、これは彩としても全くの事故だったらしい。
そしてそんな彩の行動をみて悪戯心が芽生えた和樹。

和樹「どうしたの、せっかく彩のかわいい姿を堪能させて貰ってたのに」
彩 「かわいいだなんて…恥ずかしいです……」

和樹の興味を引いていた自らの痴態に彩は耳まで真っ赤にしているが、
それは和樹の悪戯心を刺激するだけだった。

彩 「和樹さん……いじわるです…」
和樹「いいじゃないか、お互い全部見せ合った仲なんだし…もっと見せてほしいなぁ…」
彩 「そういう問題じゃ…」

そのとき彩の非難を遮るように背後から延びてきた腕が、彩の身体を上から抱きしめる。
彩が恥ずかしがって俯いている間に、その背後まで近寄っていた和樹である。
548支援SS「初夏のライトグリーン」(3):2006/05/24(水) 00:37:49 ID:iAMGmoPj0
和樹「そうだよな、彩のかわいい姿を見ていいのは俺だけ。
   たとえお天道様にだって見せてやるもんか」
彩 「和樹さん…」

そういって彩のきれいなうなじに息を吹きかけ、その豊かな髪の毛に顔をうずめる。
和樹の鼻腔を彩の香りに満たされ、それだけで鼓動が速くなっていく。
その間に抱きしめていたその腕も上下二手にわかれて、
風そよぐ草むらのように彩の身体を包み込んでいる。
和樹の手がそのロングスカートから覗く美脚まで延びようとした時、
ついに彩が音を上げる。

彩 「あっ…あのっ……か、和樹さん……私…私っ!」

普段は白いその素肌を桜色に染め上げ、潤んだ眼差しで和樹のことを見つめる彩。
和樹はそんな彩の表情を満足そうに見て頷いた。もう、何も語るまい。



数時間後、観光地にそびえる『お城』の一室で『休憩』中の男女が居たというのはまた別の話。

【了】

駄文スマソ 127@彩スレ9