第二回 葉鍵板最萌トーナメント Round17!!
葉子さんの魅力と言えばその無敵臭漂う毅然とした立ち居振る舞いとそれを裏付ける実力。しかし二次創作において彼女の強さを、そしてその奥に眠る魅力を引き出せた人は少ない。
下はその数少ない人の書いたSSの転載。
アストロトレイン「さあ、おっぱじめようぜ」
アストロトレインはそう言いながら周囲の木を蹴り倒していく。
更にベンチや花壇、街灯なども邪魔とばかりにどけていく。
その辺り一帯は元から機関車形態のアストロトレインが停まっているくらいだから相当広かったが、一層広くなったそこはアストロトレインが四、五体は暴れても平気なくらい平らな地面に整地された。
アストロトレインは邪魔な物がなくなったのを確認すると、後ろにいる葉子に振り向いて言う。
アストロトレイン「これだけ広けりゃお前を逃がすことなく料理できッ!」
ドガァッ!
アストロトレインが振り向いたと同時に、いきなり飛び出した葉子が胴回し回転蹴りを叩き込んだ。
葉子の踵がまともにアストロトレインの顎を叩き、アストロトレインはバランスを崩して尻餅を突く。
アストロトレイン「こ・・・こいつ・・・!」
突然の一撃に面食らいながらも立ち上がって構えるアストロトレイン。
葉子「あそこまで隙を見せられると仕掛けない方が失礼ですね」
嘲るような笑みを浮かべてアストロトレインを馬鹿にする物言いをする葉子。
アストロトレイン「こ、この虫ケラが・・・!」
葉子は更に火に油を注ぐように馬鹿にする。
葉子「ああ、折角ですから手加減して不可視の力はなるべく使わないようにしてあげますよ。良かったですね」
アストロトレイン「ぶっ殺してやる!」
ゴオッ!
堪忍袋の尾が切れたアストロトレインは、空気を切り裂く巨大な拳を振り下ろした。
葉子「速い・・・!」
その拳速は巨体からは想像できぬほどの速さだった。
しかし葉子はそれをかわしながら跳躍し、飛び後ろ回し蹴りをアストロトレインの胸に撃ち込む。
ドムッ!
アストロトレイン「ウォッ!」
ズンッ!
蹴りの衝撃で膝を突くアストロトレイン。
アストロトレインはすぐに立ち上がり、立ち上がりながら地面にいる葉子にめがけて足を振り上げる。
ブォッ!
巨体故に重く、それでいて速い一撃だがそれでも葉子はそれをかいくぐるようにしてかわす。
そして再び跳躍すると、今度はアストロトレインの頭にめがけて貫手を叩き込んだ。
ドスッ!
アストロトレイン「グッ!」
額が割れるが今度は倒れず、アストロトレインは空中にいる葉子に裏拳を振るう。
アストロトレイン「この程度では俺のタフネスの前には無駄だーっ!」
葉子「!」
ドガァッ!
一瞬とはいえ隙を突かれ、葉子はかわし損ねてアストロトレインの裏拳をまともに食らう。
ドゴォッ!
地面に跳ねるように激突した葉子だったが、それほどダメージもなくすぐに立ち上がる。
葉子「思ったよりやりますね・・・しかし本当にタフですね」
アストロトレイン「俺達トランスフォーマーは貴様ら脆弱なフレッシュリングとタフネスが違うわーっ!」
そんな葉子を見下ろしながら、アストロトレインは怒鳴り、ライフルを取り出して葉子に銃口を向ける。
アストロトレイン「消し飛びやがれェッ!」
ドドドドドッ!
ライフルからイオンエネルギーで構成された破壊光線が乱射される。
葉子「いくらなんでも直撃はまずい・・・!」
葉子は地を飛び跳ねながらライフルの爆撃を舞うようにかわす。
アストロトレイン「へっ、上手く避けるじゃねえか。なら今度はこういうのはどうだ!」
ドガガガガッ!
葉子「むっ!?」
アストロトレインは葉子を直接狙わずに地面に向けてライフルを撃ち始めた。
それによって地面は大穴やクレーターだらけにされてしまう。
しかしことはそれだけでなく、砕かれた地面の破片が葉子の方に飛んでいく。
普通の破片程度なら問題はないが、なにせアストロトレインの巨体で使うライフルの爆撃である。
砕けた岩盤の大きさは葉子の胴体くらいの大きさは当たり前である。
それが炸裂式手榴弾の如き勢いで葉子に飛んでくるのだから無視できない。
葉子「鬱陶しい・・・」
葉子は光線と同様に抜群の体術でそれらをもかわし、あるいは手刀で弾き落としていく。
しかしアストロトレインはニヤリと笑い、ライフルを構え直して改めて撃った。
アストロトレイン「お次はこいつだ!」
ドギュゥンッ!
今度は乱射ではなくパワーを込めて一撃だけ放ってきた。
葉子「一撃だけですか? 確かにその方が破壊力は出ますが、当たらなければどうということは・・・」
葉子はそれを楽々とかわしたが、かわしてからそれが間違いだと気がついた。
バゴォッ!
地面に着弾したブラストは、地面を大きくクレーターに変えると土砂を巻き上げた。
葉子「!? しまった!」
巻き上げられた土砂は葉子の全身にかかる。
彼女は不可視の力を使っていなかった為、全身に土砂をかぶってしまう。
しかも土砂の量は葉子の全身を覆っても余るくらい大量で、完全に視界を遮られてしまう。
アストロトレイン「今度こそもらったぜ!」
ズギュゥンッ!
再度アストロトレインのライフルが爆音を立て、土砂をかぶった葉子にめがけて発射された。
一筋の閃光と化したその一撃は、土砂の中で身動きが取れないでいた葉子を捕らえた。
バチィッッ!!
葉子「ぐっ!」
シールドを展開していなかった為にブラストは葉子を直撃する。
熱線は葉子の体を焼き尽さんとばかりに通り抜ける。
不可視の力と並ぶ葉子の武器である超人的な肉体とはいえ、流石に無傷ではすまない。
ゴゥンッ!
更に爆撃が土砂を粉々に消し飛ばす。
もうもうたる土煙に中に葉子の姿を確認したアストロトレインは、彼女が無傷でないのを見てニヤリと笑う。
アストロトレイン「流石にタダじゃ済まなかったようだなぁ、ええ?」
土煙の中から出てきた葉子は、酷く汚れた格好になっていた。
服装は所々焼け焦げてボロボロになり、三分の二程度の面積まで削られて下着が見え隠れするくらいである。
彼女の特徴に一つでもある長い金髪も土をかぶって汚れが目立つ。
体そのものにも熱線と衝撃波のダメージが少しばかり見て取れる。
超人的な肉体能力を持つ彼女でなければ死んでいてもおかしくない。
葉子「ええ、流石に効きましたよ。一張羅が台無しです。」
葉子はそう言いながらもはやボロキレ同然のロングスカートの裾を引き千切ってミニスカートのようにする。
そして乱れた髪をかきあげて整えると、改めてアストロトレインの方を向く。
葉子「もっともこの程度、私にしてみればそれほど酷いダメージでもないですね。しかしこちらの攻撃が今一つ効果が薄いのも事実。とはいえ別にこのままゆっくり素手であなたを嬲っても構わないのですが、それでは手間ばかりかかって時間の無駄です」
アストロトレイン「へっ、言うじゃねえか」
葉子「それにあなたを始末する手段が他にない訳もないのですが、少々荒っぽくなりそうですからね。故に・・・少し戦い方を変えましょう」
葉子はそう言いながら、まるで楽しいことを思いついたかのような笑顔を浮かべた。
葉子「さて、まずは私の能力である不可視の力について説明しましょうか」
アストロトレイン「ああ? なんだか知らんが聞いてやるぜ。それでこの状況が変わる訳でもねえからな」
葉子「話を続けますよ。不可視の力は主としてテレキネシスと同様の代物です。正確には目に見えない、使い手の精神的な能力のことを総じてそう言うのです。
実際にはテレキネシスだけでなくテレパシーとしての能力も併せ持っているのがこの力の正体です。そこで本題です。不可視の力は確かに強力ですね。
使う者のパワーレベルにもよりますが、目に見えないテレキネシスやテレパシーはそれ自体が強大な力です。
目に見えないというのは相手に自分の手の内を気取られにくいですし、形自体がないので攻撃手段も多岐に渡るという利点もあります。
しかし物事には発想の逆転というものがありますね。ここで逆に不可視の力を可視化してみたらどうなるとお思いですか?」
アストロトレイン「か、可視化!?」
葉子はニヤリと笑って右手の手の平を開く。
葉子「本来形状を持たぬ不可視の力を可視化するには・・・こうやるのです!」
ブゥンッ!
小さな振動音が響き、葉子の手の平が光り輝く。
その光は形を持ち始めて、一つの物体となって葉子の手に握られる。
それは光り輝くエネルギーの剣だった。
長さは日本刀くらいで、常に白と金色が合わさったような輝きを放っている。
アストロトレイン「け、剣!?」
葉子「そう、不可視の力を純粋エネルギーに変換して作り上げた破壊エネルギーの剣です。
不可視の力は形を持ちませんから、パワーのかけ方次第では如何なる形にもなります。やろうと思えば念動力を純粋エネルギーに変換して、武器の形状を取らすこともできるのです。
可視化するほどのエネルギーの変えた訳ですから、あなたのライフルよりもパワーがあると思った方がいいですよ」
アストロトレイン「・・・!」
いくら鈍いアストロトレインでも、葉子の手にした剣が危険な武器であるのは理解した。
アストロトレイン「い、いくら強烈な破壊力でも・・・!」
アストロトレインはライフルを構えたまま、後ろに向けて跳んだ。
アストロトレイン「当たらねえと意味がねえってお前が言ったよなァ!」
ドガガガガッ!
距離を取ってアストロトレインはライフルを乱射する。
しかし葉子はまったく動揺せずにエネルギーの剣を振った。
バォッ!
剣が弧を描き、エネルギーが空気を切り裂く音が響く。
バババババッ!
半円を描くように振られた剣は、扇状に広がって見えて楯のようにライフルを弾き返す。
葉子「私の剣は相手を切るだけの物ではありませんよ。さっきも言ったように不可視の力の使い方はいくらでもあります。他にもこんな風にね」
ヒュォッ!
葉子が剣を振ると、空気を切る音がして何かがアストロトレインに伸びた。
バチィッ!
アストロトレイン「ぎゃぁ!」
その何かがアストロトレインの胸板を叩く。
アストロトレイン「な、何が起きた・・・!?」
アストロトレインが目を見張ると、なんと葉子の手にた剣が鞭のように変形して伸びている。
葉子「分かりましたか? 距離を取っても無駄ですよ。エネルギーの鞭は伸縮が自在ですからね、それゆえ私は遠近自在に戦えるんですよ」
アストロトレインは憎々しげに葉子を睨む。
アストロトレイン「だからなんだってんだ、このアマ! ぶっ殺してやる!」
ドドドドドッ!
轟音を響かせてアストロトレインがライフルを振り上げて襲いかかる。
バシュバシュッ!
走りながらもライフルを発射して近づくが、蛇のように自在に鞭が動く。
バンバンバンッ!
鞭はブラストを完璧な動きで一発残らず弾き落とす。
葉子「やはり腕力と図体だけでしたか。あなた方トランスフォーマーは・・・」
ヒュバッ!
殴りかかろうとするアストロトレインの全身に鞭が打ちつけられる。
バシィッ! バキィッ!
アストロトレイン「ギャアーッ!」
鞭は胴や腕を激しく打ち、焼け焦げたような切り傷をつける。
顔面にも叩き込まれ、アストロトレインの額から頬にかけてヒビが入る。
更にはライフルをも叩き壊し、遂には足を叩かれた衝撃で転倒する。
ズゥンッ!
地響きを立てて不様に転がったアストロトレインは全身を走る苦痛に呻く。
葉子「自分に自惚れが激しい者が多過ぎる。最近は半不死の肉体に奢り過ぎた愚か者ばかりが多いと聞きますが、あなたを見ればそれが真実だと納得できますね」
[[LK28-/Rou61as-Wd]]
どっちもどっちなくらいに微妙に好きレベルだが
>>642を見て<<エリア>>に
葉子は華麗に鞭を動かして倒れたアストロトレインを侮蔑するような眼差しを向ける。
アストロトレイン「じょ・・・冗談じゃねえ・・・! 俺は宇宙の支配者、ディセプティコンの輸送参謀アストロトレイン様だぞ・・・! こ、こんな・・・こんなフレッシュリングのクソアマに負ける訳がねえんだアァ!!!」
ガシャガシャガシャッ!
立ち上がりながらアストロトレインはトランスフォームする。
葉子「機関車ではない・・・? そうか、トリプルチェンジャーだったのですか・・・」
アストロトレインは機関車ではなくスペースシャトルに変形をして宙に浮く。
その大きさはロボットモードよりも機関車形態の時よりも更に大きい。
アストロトレイン「俺はこの形態の時が一番デケえんだよ! この形態でなら負けねえ! 上からテメエをこの辺り一帯とまとめて焼き尽くしてやらァ!」
ギュオォォォン・・・
アストロトレインの体に砲門が現れ、エネルギーをチャージしていく。
アストロトレイン「く・た・ば・れェーーーッ!」
キュドドドドドドッッッ!!!
丁度スペースシャトルの船底に現れた幾つもの砲門は、真下にいる葉子めがけて雨が降るかのように閃光を撒き散らす。
アストロトレイン「ワハハハハ! 死ね死ね死ね死ね死ねーーーッ!!!」
ドゴゴゴゴァッ!
爆撃は地面が見えないほどの爆発を上げ、爆風がアストロトレインの体を揺らすほどの激しさを見せる。
アストロトレインは一頻り攻撃した後に、爆風が晴れるのを待ってほくそ笑む。
アストロトレイン「フフフ、どんな化け物でもこれだけ爆撃すりゃ粉々だぜ」
しかし彼は爆風が晴れると絶句した。
自分の周囲を半透明の球体が覆っていたのだ。
見ると下はまったくの無傷、地面では葉子が冷たい視線を投げかけている。
葉子「本当に愚か者ですね。逆上して周りが完全に目に入っていない。だがら爆煙の中で何が起きているかも気がつかないんですよ。もっともその破壊力だけは誉めますがね。あなたの巨体を丸々包み込むだけのバリアを展開しなければならなかったんですから」
そう言いながら葉子はエネルギーの鞭を消し、両腕を十字に交差させて構える。
そして精神を集中させると全身から凄まじいまでの闘気が放たれる。
アストロトレイン「んな・・・何だよこの化け物みたいなパワーは・・・!」
アストロトレインのスペースシャトルの体が震える。
葉子「この技は本来私の技ではないのですがね、できそうな気がしたのでやってみたら上手くいったのでそのまま自分の技に発展させました。
使い手の本人にも先程コツを聞いておきましたから、もはや私は完璧にこの技を自分のものとしました。最後に一つ、あなたでは私を倒すには役不足でした。破壊大帝級の実力者でも連れて来るべきでしたね」
クワッ!
葉子が交差させた両腕を頭上に掲げるようにして開き、アストロトレインに向けて両掌を突き出す。
その瞬間に、葉子の全身に満ちていた闘気が不可視の力による念動力と化してアストロトレインの全身を捕える。
葉子「さらば、アストロトレイン! ギャラクシアンエクスプロージョン!!!」
ドゴガァァァッッッ!!!
アストロトレイン「ウギャァァァーーーッッッ!!!」
圧倒的なエネルギーがアストロトレインの全身を粉々に砕く。
ドゴォォォンッ!
アストロトレインは火を吹いて落下し、地面に壮絶に叩きつけられると更に爆発を起こす。
そしてそのままメラメラと燃え始める。
葉子「流石に完璧にコントロールできるようになるとカノンの言う通りの威力が出ますね。これならカノンのギャラクシアンエクスプロージョンと原理は違えど、互角の代物として通りますね」
葉子は爆炎の中で完全に物言わぬ残骸と化したアストロトレインを見つつ、満足そうにそうつぶやいた。