第二回 葉鍵板最萌トーナメント Round16!!

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211綾之部珠美支援SS〜それから〜1/4
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 あれから5年、『好きこそものの・・・』じゃないが俺は映画評や、その
周辺よろず請負のライターになっていた。
 今日は、原稿の受け渡しのために喫茶店にきたところ。
「ありゃ、待たせた?――あぁ、私はレスカで」
 約束の相手がきた。<<珠美>>だ。高校在学中の頃から、映画情報系の
編集部にバイト半分に出入りしていて、見事、編集部員となった。映画
への情熱は俺よりも勝ってると思う。
「あぁ、ちょっとだけ、でも、他のとこの原稿やってたから。じゃ、これな」
 俺はテーブルの上に封筒を置く――手渡しではなく。珠美もいつものこと
と、それを手にして、原稿のチェックを始める。
「・・・なぁ、可憐元気か」
「うん。この間も、子供の顔見せにきてたよ。旦那は相変わらずいい人して
るってさ・・・ちはやちゃんは?」
「あぁ、大学のサークルとかで今、合宿行ってる、元気してるよ」
「そっか・・・」
 あの事件以来、俺は女を抱けないでいた。珠美相手ですら、指さえ触れら
れない。それは多分、自分の中にも又、岸田のような獣がいるかもしれないと
いう恐れから――いわば奴の呪い。
 原稿の確認を珠美は終え、丁寧に封筒にしまう。こちらに顔を向け、たずねる。
「そう言えば、連絡先が変わるかもって聞いたけど、なんでさ?」
「あぁ、言ってなかったか。俺、アメリカ行くんだ。1年ぐらい、テーマは
ハリウッドで頑張る日本人の職人たちって奴でさ、ぎりぎりの滞在費と、すずめの
涙ぐらいの取材費を何とか援助してもらえることになってさ」
「ふーん、よかったじゃないか」
 ストローをかみながら、こちらに向かって笑って見せ、言った。
「それじゃ、旅立ちの記念に日本の女でも抱いていくかい?」

 ホテルで珠美の後にシャワーを浴びる。夢みたいだ、とは言わない。ただ、現実
とも思えない、風景。
212綾之部珠美支援SS〜それから〜2/4:2006/02/25(土) 00:28:45 ID:fBtJ1zTH0
「あれ、下着つけてる。二度手間なんだから、脱いでくれば良かったろうに、私も、
もう脱ぐよ」
 羽織っていたバスローブを脱ぎ捨てる。俺はしばし、目を奪われる。外回りの
仕事も多いはずなのに、相変わらず、きめ細かい白い肌。俺が普段目にすることの
無かった箇所の白さはもう、透き通らんばかりで。 
 乳房はけして大きいわけじゃないが、それでも、俺を誘惑するには充分な形良い
ふくらみをみせる。
 不意に珠美がこちらを向き直り、言う。
「どうした。手伝わなきゃ脱げない?」
「い、いや、自分で脱ぐよ」
 期待のあまり、半勃ちになってる自分のを見られるのが恥ずかしく、俺は背を
向ける。と、珠美は前に回り込み、中途半端な状態の俺のものをいきなり咥えると、
そのまま吸い上げた。所々に舌を絡ませながら、カリに、中央の割れ目に舌を這わ
せる。右手は逃げようとする俺の足にしっかりとしがみつき、左手は優しく、俺の
フクロをもみほぐす。たちまち、おれの肉棒は形相を変えていく。
「珠美、こんな事できるのかよ」
 そうでなくても積極的な珠美に戸惑っていた俺は、思わず呟く。
 珠美は俺から離れ、ベッドに寝転び、言う。
「処女だと思った?お生憎、初めてなんかじゃないよ。もしかして恭介はまだ?
おいでよ、可愛がってあげる」
「え・・・」
 俺の戸惑いに、少し小馬鹿にしたように片頬で笑いながら言う。
「どうしたの、私が怖い?――女が怖い?」
「――そんな訳あるかよ」
 俺は一体何だったんだ?わずかに触れあうことさえ恐れ、きっと、珠美も同じ
だと信じてた俺は!
「ねぇ、明かりは消して」
「あぁ」
「お願いだから、乱暴にしてよ。そのほうが感じるんだ」
「あぁ」
213ntsitm027134.sitm.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp:2006/02/25(土) 00:28:47 ID:z/mXCe8N0
[[LK25-UEXuL7Gl-LC]]
じゃあ>>210に続いてnifty歴11年の俺も…

ごめん、<<みすずちん>>に投票なんだw
久々に豆腐(>>202)見てワラタ。画像探したら出てくるかなあ?
214綾之部珠美支援SS〜それから〜3/4:2006/02/25(土) 00:29:34 ID:fBtJ1zTH0
――言われなくたって。頭の中が朱一色に染まる。胸への愛撫すらせずに、珠美の
両足首をつかみ、持ち上げ、V字に広げると、中への侵入を試みる。俺は怒りの
ためにか、欲望のためにかもわからずに、赤黒く、痛みを感じるほどに猛り狂う、
自分の分身を入り口にあてがい、予告も無く、一息に突っ込む。
「くぅ・・・・・・」
 くぐもった声が耳に届く。構わずに律動を続ける。俺を包み込み、時には締め
付けてくる快感すら、わずらわしい。
「――いいよ、もっとして、好きに動いて」
 もっとか、いいさ、壊れるほどやってやる。射精の寸前まで突いてやるさ。手を
足首から放し、珠美を四つん這いにさせ、腰をつかむ。半ば破壊願望にとらわれ
ながら突き上げる。かき回す。
 俺はその支配欲を高めるために、強引に唇を奪ってやろうと、顎に手を掛ける。
指先に頬が触れる。湿った感触、濡れてる・・・思わず、明かりのスイッチに手を
のばす。気配を感じ、珠美が叫ぶ。
「駄目だ!点けたりしたら!」
 構わず、つける。珠美の泣き濡れた顔が照らされる。下を見ると、控えめながら
もシーツに赤いしみ。
 俺は体を放し、両手で珠美の頬をはさみ、こちらに顔を向けさせる。
「お前、慣れてるなんて、嘘ついて・・・・・・初めてだったのかよ」
 困ったように、俺の手に自分の手を重ね、呟く。
「もう、ばれちゃったか。演技が下手だな私は――でも、良いだろ、続けてほしい」
 何もできずにいる俺に、珠美が哀願する。
「怖気づいちゃったの?私なんか、もっと、痛くしていいんだ。私はもっと痛い思い
しなくちゃいけないんだ、お願いだから、恭介、ねぇ」
 俺だけじゃなかったんだ。呪いを受けていたのは。鎖に縛られていたのは。
 何も言わずに、俺は頬に口づける。それから、首筋に、少しとがった乳首に。珠美は
たまらず甘い息を漏らす。
「あ・・・ん、ん、駄目だよ、私を感じさせたら、それじゃ罰にならない」
「感じることがいけないなら、罪になるのなら、二人で落ちればいい、地獄でもどこでも」
 俺の背に手をのばす。とても回しきれないが、それでも精一杯、しがみつく。俺の胸に
自分の顔を押し付ける。嗚咽が漏れる。
215名無しさんだよもん:2006/02/25(土) 00:30:00 ID:rG2trGb00
              |   ',__     /  , '
          「::::::::::;:::::::i  ,r<  /    (失礼する、そしてはじめまして
          |:::::::::::;::::,::'.-..':::::::::`ー'、     某所のトナメではおなじみの宇宙恐竜だ)
          |:::::::::::::/;:;:;:;:;:;:;:;:;、::::::::j
          |::_::_:::_::::::、:::/: :';:::::;;;;/     [[LK25-SKP06k1r-Ta]]
           「::r::‐:::i:::::::::j : : :';:::;`ー、_ 
            |:::l:::::l:::l:::::::;' : : : :i:::;:::::::::/`ヽ (今日は支援を兼ねて<<神尾観鈴>>に一票だ
          l、:::::v:::」:::::::i : : : : :;:::;:::::://)/  やはりAirのアニメは近年稀に見る名作だった)
          |;ヽ;::::::::::::::;:i : : : : :;:::;:::::i::i//
          !;;;';ヽ;:::::::;:::::i : : : :i;::::;::::j:/
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        __j;;;';;;;;;;;;ヽ::::::::::::'、_ノ::::
216綾之部珠美支援SS〜それから〜4/4:2006/02/25(土) 00:30:14 ID:fBtJ1zTH0
「ごめんなさい、罰を受ける気なんか、本当はなかったんだ、だって、処女を乱暴に捨て
る機会なんていくらでもあった。それでも恭介以外の人にされるのなんて、やだったんだ」
 懺悔の言葉。あの時乗船していたみんなへの。両腕を珠美の背に回し、しっかりと抱きしめる。
「――俺もだよ。女を抱くのが怖かったんじゃないんだ。本当は、お前をこうして抱きしめ
たかったんだ。それが怖かったんだ。傷つけてしまいそうで、壊してしまいそうで」
 やっと、俺たちは口付けを交わす――やさしく、柔らかな唇にそっと触れ合うだけの。
 二人はそれから眠りについた。
 鎖が解けたわけじゃないけれど、その重さを互いに感じ取れた安堵から。
 
 あれから一月経った今日、ちはやに見送られ、日本を発つ。珠美は外せない仕事があった
から空港には来られなかったけれど。
 そっと、ジーンズのポケットに手を触れる。中には昨日珠美と見た映画の半券。
 お守りのような確かさを感じ、俺は少し微笑み、飛行機へと乗り込んだ。

                    〜 fin  〜