第二回 葉鍵板最萌トーナメント Round12!!

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463みさおSS「今夜の出来事」
明日の朝御飯の段取りもした。戸締まり・火の元も確認した。お風呂で命の洗濯も済ました。
さあ、あとは暖かいフトンで眠るだけだ。

ふと、お兄ちゃんの部屋の側を通りかかると、暗い廊下に明かりが漏れているのに気が付く。
はぁ、夕べも夜通しネットしていたのに……今夜もまた夜更かしするのかしら。
起こす方の苦労も少しは考えて欲しい、と半ばごちりながら、部屋のドアをそっとノックする。

返事があったので中に入ると、案の定、お兄ちゃんはPCに向かっていた。
こうしてPC中毒患者は増えていくのか……そんなことが頭に浮かび、軽くめまいを覚える。

「お兄ちゃん、いい加減にそろそろ寝ないと、また明日起きられないよ。昨日もそうだったけど、
 いったい何を見ているの?」
「ほら、今終わったよ。葉鍵最萌の第二回目、みさおの対戦試合」
「えっ、ウソ……」
「お兄ちゃん、いろいろ支援とかやったんだが、力及ばなくて……勝たしてあげられなかった」
「そっか、そうだったんだ」
バラバラのパズルのピースが一つになるように、ようやく全てを理解する。お兄ちゃんはあたしの
ために、寝る間も惜しんで頑張ってくれたんだ。
「すまん、みさお」
「ううん、いいの。あたしが例え勝てなくても、お兄ちゃんはあたしをいっぱい愛して
 くれてることは判ってるから、ね」
お兄ちゃんは黙ってあたしの頭を撫でてくれた。
あたしも、ううんと背伸びをして、今日のお礼にお兄ちゃんの頭を撫でてあげる。

例え最萌に勝てなくても、またいつもどおりに新たな一日がやってくるのだ。
お兄ちゃんにおやすみの挨拶を済ますと、あたしはただいつもどおりに自分の部屋に戻っていった。