第二回 葉鍵板最萌トーナメント Round12!!

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174みさお支援SS「今朝の出来事」
暖房のスイッチも入れた。朝御飯の準備も終わった。燃えるゴミももう出してきた。
さあ、あとは我が家のお寝坊さんを叩き起こすだけだ。

右手にスリコギ、左手に小さ目のフライパンを携えて、お兄ちゃんの部屋の前に立つ。
えっ、何に使うか? これがお兄ちゃん用の目覚まし時計なのだ。
これぐらいやらないとなかなか目を覚ましてくれない。
もちろん防音設備など無い普通の部屋なので、甲高いフライパンの音は隣近所にまで
響き渡っている。恥ずかしい行為かと思われるかもしれないが、こんなの、
お兄ちゃんがやらかしてる変人的振る舞いに比べれば、全く些細なことだと思う。

毎度毎度のバカ騒ぎ?をちょっと思い返した後、意を決して部屋に乗り込む。
「起きてぇぇ、お兄ちゃぁぁん。朝だよぉぉぉぉ……」
決して大きいとは言えないが肺活量を全消費して出した叫び声。
そして、必殺の怪音波を喰らわそうと右手を大きく振りかぶり……。
「ヨッ。おはよう、みさお」

……お兄ちゃんは既に起きていて、何やら机に向かっていた。
そんなバカな……この万年朝寝坊大臣が、惰眠をむさぼることが生き甲斐の人が。
思わず、振りかぶったままの姿勢で固まってしまう。
「もう、そんな時間か。結構あっという間だったな。続きはまた後で観るか」
そう呟くと、お兄ちゃんはPCの電源を落とし、大きく背伸びをする。
それから、あたしがいつまでも呆けてる目の前を横切り、ベッドに潜り込むのだった。
「じゃ、おやすみ」

ようやく、お兄ちゃんが夜通しネットサーフィンをしていたことに気付き、
あたしは全身が震え出すのを抑えることが出来なかった。
「お、き、な、さああああぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

一つ言い忘れていたが、お兄ちゃんは(血の)雨が降る朝は結構早起きだったりする。