【バカね】久寿川ささらスレ その3【本当にバカ】

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674久寿川ささら―Snowman―
改札を通り、ホームへと降りると、むわ、と蒸し暑い空気が身を包み込む。
丁度到着していた列車に飛び込んで、ドアの際に身を寄せ、何も映さない窓外を見やりながら、時刻を確認する。
午後八時過ぎ。
何時からだっただろう、あの広場のクリスマスツリーの点灯時間は。
せっかくだから、できるだけ長い時間、あの綺麗なツリーを見ていたかった。
テレビでクリスマス関連のニュースをする時には、毎年映っている広場だよな。
日本にいた頃は、それぐらいの印象しか無かったんだけれど。
だけど、徐々に近づいてくるその場所を意識すると、段々、後ろから小突かれているかのようにそわそわとした気持ちになってくる。
ロックフェラーセンター。
行ったことの無い場所での、初めてのささらとのクリスマス。
二人っきりのクリスマス。
自然とにやけ顔になっていたのだろう。
向かいに立つ通勤帰りらしいコート姿のサラリーマンが、そんな俺の顔を見てわざとらしく咳払いをした。
675久寿川ささら―Snowman―:2005/12/14(水) 00:23:51 ID:CBJBLHLE0
講義室は、クリスマスイブだと言うのに、ぎっしりと学生で埋め尽くされていた。
前期が始業してから三ヶ月、一期目の単位をきっちり取るためには、たとえクリスマスとは言え、休むわけには行かないのだろう。
しかしやはり窓辺から流れてくるクリスマスソングは気になるのか、みんなどこかうわついた顔をしながら、テキストを読み、ノートに書き物をして、来るべき講義に備えている。
そんな彼らの面持ちに、今日の講義を受ける意気込みを少しだけ分けてもらって、ささらも木製の講義机に着席した。
ね? 今日は終わったらパーティやるんだけど、ササラも来ない? 
そう誘ってくれる、同じ聴講生の顔なじみが何人かいたが、彼女は申し訳なさそうに首を振って言った。
ごめんなさい、今日は、先約があるの。