ToHeart2 SS専用スレ 10

このエントリーをはてなブックマークに追加
689名無しさんだよもん
>>681
GJ!!!!
690名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 00:22:41 ID:kIaSL/y30
>>681

久々にすげー続きが楽しみ
691些細な勘違い 大きなすれ違い 5話−1:2005/12/22(木) 00:58:27 ID:pXEnSGiO0
―ささら視点―

「……」
「ささら、まだ諦めるには早いわよ。河野くんが貴方を嫌いって言ったわけじゃないでしょ?
ちゃんと聞いてみなきゃ」
それは怖くて出来ない。貴明さんが私を嫌いと言うことは、まず無いと思う。
だからこそ…怖い。それが嘘であっても、私は騙されてしまうから。騙されたら、余計に傷は深くなる。
「……」
「だんまり…ね。じゃあ聞くけど、河野くんは男の子と歩いてるささらを見ただけで、
ささらを嫌いになるほど軽い人なの?そんな軽い人と、ささらは付き合ってたのかしら」
「違う!貴明さんはそんな人じゃない!」
一緒にいたのは短い期間だったけど、心の繋がりはパパやママよりも深い。
貴明さんのことは世界で一番信用できるし、貴明さんだってそれは同じはず。
あんな些細なことで、私を嫌いになるはずが無い!
「そう…じゃあ、それが答えなんじゃないの?」
「えっ……?」
692些細な勘違い 大きなすれ違い 5話−2:2005/12/22(木) 00:59:57 ID:pXEnSGiO0
「前、ささらと河野くんが付き合うときの話を教えてくれたわね?」
「う、うん」
「そのとき思ったの。河野くんとささらって似てるなぁって」
「私と貴明さんが似てる?」
どこが似ているのだろう。自分のことしか考えていない私と違って、
貴明さんは他者を第一に考えている。私と似ているところなんて全然無い。
「ささらには分からないでしょうね。本当は自分で考えてほしいけど、
今回は時間が無いから教えてあげる。ささらと河野くんが似ているのはね、
人に嫌われるのを過度に恐れてるところよ」
「人に嫌われるのを恐れる…貴明さんが?」
「そう。ささらは人に嫌われるが嫌で人と付き合わなかった。
河野くんは、人に嫌われたくないから、人に優しい。
それぞれ取った行動は別だけど、根本にあるものは同じだと思うの」
「貴明さんも、人に嫌われるのが怖い…?」
「当たり前じゃない。人間、誰だって人に嫌われるのは怖いわよ。
ささらの場合、ちょっと極端だったけどね。
でも、河野くんも相当人に嫌われるのを怖がってるわね。
何かトラウマがあるんじゃないかしら?それを解いてあげられるのは、ささら。貴方だけよ」
693些細な勘違い 大きなすれ違い 5話−3:2005/12/22(木) 01:01:44 ID:pXEnSGiO0
「で、でも…」
貴明さんに会う方法は失ってしまった。2月ごろに受験のため日本に戻るが、
そのころにはこのみちゃんや環さんが貴明さんの彼女になっているかもしれない。
迷っている私に、ママは一枚のチケットを差し出す。
「これは…日本行きのチケット!何で!?」
「ささらのことは河野くんに任せて、日本に行こうと思ってたのよ。お父さんと、久しぶりに話し合おうと思ってね」
「ママ…いいの?」
「お父さんには電話で説明するわ。娘の非常事態なのに、私とお父さんが会ってる場合じゃないでしょ?」
「ママ…ありがとう」
「前は河野くんが頑張ってくれたんでしょ?今度は、ささらが頑張る番よ。
年上として、しっかりやってきなさい!」
「うん!」
ママに勇気付けられて、私は日本に行く準備を始めた。もう、迷わない。
貴明さんを、この手に取り戻すために。

―貴明視点―

「はぁ…」
悲しみは何とか収まってきたものの、今度は虚しさが募ってきた。
あの時、ささらに会っていたほうが良かったんじゃないのか。
あれは、誤解を解きに来たのかもしれないじゃないか。誤解を解きに来ていたのなら、
俺が帰ったことで問題がいっそうややこしくなったのではないか。
どといろんなことを考えてしまう。全てが俺の勘違いだったら、
と思うと、どんどん憂鬱になってくる。
694些細な勘違い 大きなすれ違い 5話−4:2005/12/22(木) 01:02:36 ID:pXEnSGiO0
「こんな気持ちで新年迎えるのか…」
とぼとぼと家に向かって歩く。行きはあれだけ軽く感じた荷物が、
今では鉛のように重い。気分が変わるだけで、こんなにも感じ方が違うのには驚いた。
「あら、タカくん?」
「ぅげ、は、春夏さん?」
「どうしたの、こんなところで。年末年始は彼女のところに行くって言ってたわよね?」
「…お願いします、帰ってきたことはこのみやタマ姉に言わないでください。
事情は、今度必ず話しますから、今話すのは勘弁してください」
「??タカくんがそこまで言うなら別にいいけど…」
今このみやタマ姉に知られるのはまずい。俺自身どうしたらいいか分かってないのに、
タマ姉やこのみに無駄な心配をかけさせるわけにはいかない。
「ありがとうございます…じゃあ、これで」
「ええ、良いお年を」
「良いお年を」
良いお年…か。明らかに今まで最悪の年越しだ。
695些細な勘違い 大きなすれ違い 5話−5:2005/12/22(木) 01:03:43 ID:pXEnSGiO0
「本当に間が悪いよな…俺」
あの二人が一緒にいるところを見なければ、年末年始はいい気分で迎えられたのに。
ささらに振られたとしても、今みたいにもやもやした気分のままってことはない。
どっちつかず、中途半端。この状況を招いたのは、全て俺の責任だ。
「学校始まるまで2週間…か。毎日落ち込むだけ落ち込めば、新学期には道化られるかな」
浮気されたことも知らずにアメリカまで行った馬鹿な男。
格好のお笑いの種だ。これを笑い話に出来るぐらい、2週間で立ち直らなければならない。
「その場しのぎで笑って、鏡の前で泣いて…か」
どこかで聞いたフレーズを口ずさみ、まさに今の俺だなぁと実感する。
俺はその場を取り繕うために、大事なことを色々捨てた。
その結果自分が傷ついただけでなく、雄二もタマ姉もささらも傷つけてしまった。
本当、どうにもならない馬鹿野郎だ。
「今更考えたってしょうがない。帰って寝よう…」
自分の今までしてきたことを後悔しながら、家に向かう。罰してくれるものが無い分、余計に惨めで辛かった。
696些細な勘違い 大きなすれ違い 作者:2005/12/22(木) 01:06:42 ID:pXEnSGiO0
書けば書くほど貴明のへたれっぷりが上がってる気がします。

今回はささらの決断、へたれ度が上がっていく貴明と両者対称的になっています。
一方は良い方に、一方は悪いほうに。貴明のへたれっぷりはこれからも様々な人を巻き込みますw
このみと環は今回出すつもりだったのですが、予定は繰り上がりましたw
このままだとこのみは出ないような気も…環はこの作品のキーポイントを握っているので確実に出ますが。

最後ぐらい貴明に花を持たせてあげようかなぁと思う今日この頃。
697名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 01:15:03 ID:Q5weHMcA0
>>696
乙です。タカ坊のささらシナリオでのヘタレっぷりに磨きが掛かっていますな。
あんだけの事をしておいて今更このザマじゃ、タマ姉に潰されるかも(w
698名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 01:20:58 ID:U+lDgUg70
>>696
GJ!!!
凄まじいほどに貴明がヘタレだな〜
環が作品のキーになるって事は、慰めるか叱るかどっちかなパターンになりそうな気がするが、
個人的には、こんなヘタレな貴明はアイアンクロー食らって、そのまま沈んでいてほしいと思う自分がいる。
699名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 01:35:41 ID:0/j7ZqXd0
>>696
GJ!乙です〜
相変わらずタカ坊ヘタれてますなぁw
700名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 01:48:55 ID:h+IbUaCg0
失礼します。
またSSを書きましたので、もしよろしければお読みください。

ttp://ikn.nobody.jp/sse.html
書きなれない、というか初書きキャラだったりするのでおかしな点などあればご指摘ください。

前回、前々回レスを下さった方々、どうもありがとうございました。
かなり多くの方からお褒めの言葉いただいてしまって舞い上がってしまってます。
またこれからもお読みいただけると嬉しいです。
それでは。
701クマ吉と一緒にNo3 1/19:2005/12/22(木) 02:43:40 ID:9ZuCyTmy0
「で、たかあきー、その後、何か進展はあったのかぁ?」

 坂の途中、そろそろ校門が見えてきそうなところで、雄二がいきなり聞いてきた。
 しかも顔にはいやらしいくらいの笑顔を貼り付けて。

「進展って、何のことだ?」

「またまたー、とぼけちゃってこのー。この間言ってた、クマのロボットのことだよー」

「あのな、ロボット相手に進展も何もあるわけがないだろ」

 いや、仲良くなったといえば、仲良くなれたのか?
 でも雄二が期待してるようなことは何もないので、この際黙っておく。

「うん、ロボット相手にはそうだろうなー。でもよー、その持ち主とはどうなのかなー?」

 持ち主?

「お前がー、放課後のコンピューター室で、女の子と2人っきりでいたのを見たやつがい
るんだー。ロボットとかなんとか言っちゃって、本当はその子と会うのが目的だったんじ
ゃないのかー? 隠すことないだろ、照れちゃってさー」
702クマ吉と一緒にNo3 2/19:2005/12/22(木) 02:44:36 ID:9ZuCyTmy0
 あ、あぶなっ!?
 雄二のやつ、本気で殴ってきやがった。め、目が笑ってないぞこいつ。

「危なくお前に騙されるところだったぜ・・・・・・ロボットをデコイに使って女の子を
独り占めするなんて。どこでそんな高度な戦術を身に着けやがった!? 紅茶好きの宇宙
提督に弟子入りしたとか言うんじゃないだろうなっ!!」

 い、意味わからないし!

「あぶな、って、やめろって。そりゃ全部お前の妄想だっ! コンピューター室に行った
のはクマ吉に会うためだし、2人っきりじゃなくてそこにはクマ吉もいた。そもそも俺、
その子の名前だって知らないんだぞ」

「ようやく認めたなこの恋愛独占企業家め。しかも両手に花だったって言うのかよ!」

 だ、だめだ、こいつ聞く耳持ってない。
 早く、早く校舎の中へ。後は衆人監視の中で暴挙に及ぶほど、こいつの常識が磨耗して
いないことを祈るしか。
 本気の殺意を目に秘めた雄二を置いて、慌てて坂を駆け上がる。よし、校門さえくぐれ
ば何とか逃げ切れ──
703クマ吉と一緒にNo3 3/19:2005/12/22(木) 02:45:49 ID:9ZuCyTmy0
「わぷっっ!?」

 突然目の前に何かが覆いかぶさった。
 慌てて振りほどこうとするけど、俺の顔に張り付いた何かは、がっちりと俺の頭をホー
ルドしている。
 なに、何!? これはもしかしてエイリアン? それとも石仮面!? 俺、吸血鬼になっ
ちゃうの!?
 けれど顔に当たる感触は、ゴミや生物にしてはいやに毛むくじゃらで、落ち着いて暴れ
るのをやめるとホールドする力も弱くなってきた。
 ゆっくりと顔に手をあてて、覆いかぶさっている何かを引き剥がしてみると。

「・・・・・・クマ吉」

 俺の手に掴まれて、クマ吉は「おはよう」とでも言いたげに片手をあげる。

「・・・・・・おはよう、クマ吉。で、何でお前は急に、俺の頭に抱きついてきたりする
んだ?」

 クマ吉は照れて答えようとしない。俺に首根っこを掴まれたまま、空中に“の”の字を
書き始める。
704クマ吉と一緒にNo3 4/19:2005/12/22(木) 02:46:44 ID:9ZuCyTmy0
 多分俺が来るまで、ずっと校門の上で待ってたんだろうな。跳びかかるタイミングを計
りながら。
 えーっと、なに、頭の上にお団子二つ? あ、コンピューター室にいた女の子か、に?
お願いしたら? 朝から自分を動かしてくれるよう、頼んでくれた?

「で、朝からずっと俺のことを待っててくれたわけだ・・・・・・ありがとよ」

 俺は脱力しながらそう言うと、クマ吉は嬉しそうに胸を張る。
 ま、その気持ちだけは嬉しいかな。
 その後クマ吉は、腕を伝っていつものお気に入りの場所。俺の頭の上に。

「天誅ーっ!!」

 や、やばい雄二のこと忘れてた。

「クマ吉、走るぞ、振り落とされるなよ」


705クマ吉と一緒にNo3 5/19:2005/12/22(木) 02:47:26 ID:9ZuCyTmy0
 ・・・・・・クラス中から突き刺さる視線が痛い。
 原因はわかっている。俺の頭の上にいるクマ吉のせいだ。誰も彼もが気にしながら、俺
に何も声をかけてこないのは、どう声を掛けるべきなのか量りかねているからだろう。
 実際、俺も隣の席のやつの頭にクマのぬいぐるみが置いてあった場合、まずは正気を疑
うところからはじめるね。そいつと自分、両方の。
 でもさ、仕方ないじゃん。クマ吉のやつどう説得しても頭の上から降りてくれようとし
ないんだから。
 今も俺の頭の上で、ちょっと前はやった溶けたパンダみたいなポーズで寝そべっている。
 ガラガラと教室の扉が開く音。
 ああっ、とうとう先生来ちゃったよ。
 先生はまず、クラス中に漂う緊張感に眉をひそめ、続いてその緊張の中心に俺が居るこ
とを確認し、そしてギョっと目を剥いた。
 で、できることならこの場から逃げ出したいっ。
 先生も周りのクラスメイトと同じように、俺になんと声を掛けるべきなのか悩んでいる
様子だった。
 けれどそこは年の功。できるだけ言葉を選びながら、クラスみんなの疑問を代弁する。

「あー、河野。お前の、頭の上のクマ、それは何か。新しいファッションか?」

 俺が何か悪いことをしましたか。頭の上にクマを乗せているのは、ここまで居たたまれ
ない仕打ちを受けるようなことなんですか。
706クマ吉と一緒にNo3 6/19:2005/12/22(木) 02:48:11 ID:9ZuCyTmy0
 空気になりたい。
 俺もなんと答えればいいものやら悩んでしまう。正直に言おうか「このクマのぬいぐる
み、俺に懐いちゃって。頭の上から離れようとしないんですよ。困ったやつですあははは
はは」。
 黄色い救急車一直線だ。
 永遠に続くかと思われたこの緊張。それを破ってくれたのは教室の扉をノックする音だっ
た。

「あの、先生、ちょっと」

 扉の外で、先生どうしがなにやら話ごとをはじめる。時折、俺のことをちらちらと振り
向いて、また話を続けた。
 俺は(たとえ数分間だけでも)問題を先送りできたことに対して安堵の溜息を吐いた。
くそっ、クマ吉のやつ、こっちの苦労も知らないでのんきに寝そべりがって。
 とうとう話も終わったらしい。けれど教卓のところに戻ってきた先生は一言

「河野、お前一体なにをしたんだ?」

 とだけ言うと、まるで何も無かったかのように授業を始めてしまった。
 え、俺、なんかした? こっちが教えてもらいたいくらいですよ・・・・・・


707クマ吉と一緒にNo3 7/19:2005/12/22(木) 02:49:10 ID:9ZuCyTmy0
 チャイムが鳴って、ようやく午前中の授業が終わってくれた。真綿で首を絞められるよ
うな気分だった、とだけ言っておく。
 精神的に疲労の極地にあるような俺と違って、クマ吉は終始ごきげんな様子だった。
 のろのろとイスから立ち上がり、食堂へと向かおうとする。
 途中、雄二の目が「大変だな」といっているのがわかった。笑いをこらえながら。
 くそっ、人事だと思って。
 しかしそうなると、学食で暢気に食べるという選択はやめておいた方が良さそうだ。教
室だけでもこうなのに、学食でまでこんな視線にさらされながら食が進むほど、俺の神経
は太くない。

「クマ吉は、何か食べたい物あるか?」

 クマ吉はふるふると首を横に振る。
 ま、そうだよな、と俺は苦笑しながら、一応、聞くのが礼儀ってやつだろ。
 売店に到着すると、そこはもう黒山の人だかりで埋まっていた。
 いつもならチャイムと同時にダッシュしなければ行けないところを、ゆっくりと歩いて
きたんだから当然だ。
 諦めて、売れ残りのパンでも買うか。
 そう思って壁の隅に寄ろうとすると。

「ん? どうしたクマ吉。え? お前がパンを買ってきてくれるって?」
708クマ吉と一緒にNo3 8/19:2005/12/22(木) 02:50:17 ID:9ZuCyTmy0
 クマ吉は、任せろとでも言いたげに胸を張った。
 でもなぁ・・・・・・
 売店の前に群がる人の波は、俺でも突入するのにためらいを覚えてしまうような物だ。
そこに小さいクマ吉が入っていっても、踏まれて怪我をするのがオチじゃないだろうか。
 けれどクマ吉のやつは、あくまで自信満々で。

「・・・・・・じゃ、お願いしようかな。けど、危なくなったり無理だと思ったら、すぐ
に引き返すんだぞ。お前が怪我したんじゃもともこもないんだから」

 承知したという風にうなずくクマ吉。
 俺がお金を渡すとクマ吉は、俺の頭の上から売店の前の人だかりに向かって

「おおっ!?」

 クマ吉はパンを買おうとする人たちの頭から頭へとジャンプしながら、売店へ近づいて
いく。その姿はさながら、船から船へと飛び移る義経の八艘跳び!
 あっというまに売店の窓口までたどり着いて見えなくなってしまった。
 凄い、凄いぞクマ吉。
 次クマ吉が人の頭の上に出てきた時には、手にパンの袋を持っていた。
 そして再び、人の頭の上を飛び跳ねて俺のところに戻ってこようとする。
 けど持っているパンの重たさでバランスを崩して──

「クマ吉っ!!」


709クマ吉と一緒にNo3 9/19:2005/12/22(木) 02:51:13 ID:9ZuCyTmy0
「そんなに気にするなって」

 クマ吉を頭の上に載せて、屋上へと階段を登っていく。
 売店の前でバランスを崩したクマ吉をみたとたん、俺は人ごみの中に体を向けていた。
 必死になって周りの人間を掻き分けて、クマ吉が落っこちたあたりにたどり着いてみる
と、クマ吉のやつ、自分がもみくちゃにされてひどいことになってるのに、買ったパンだ
けは放そうとしてなかった。

「ちょっとだけ形が悪くなったけど、味は変わらないし」

 ただその時に、パンが潰れてしまったことがクマ吉には許せないらしい。

「それに、お前が一生懸命守ってくれたパンなんだから。ありがとよ、クマ吉、今度は失
敗しないように頼むな」

 そう言うと、少しだけ元気を出してくれた。
 うん、落ち込んでるクマ吉っていうのは、どうにも落ち着かない。やっぱりクマ吉は、
賑やかでいてくれたほうが良いとおもう。
710クマ吉と一緒にNo3 10/19:2005/12/22(木) 02:52:00 ID:9ZuCyTmy0
「ああ、失敗しても、またさっきみたいに助けて、え? 大丈夫だって? 強がるなって。
それに一応俺も男なんだから、女の子のクマ吉を助けてやるのが当然だろ」

 たとえクマでも、一応は女の子には違いないし。とは言わないでおく。
 そんな風に頭の上のクマ吉と話をしながら歩いていて、階段の角を曲がった時だった。

「んぷっ?」

 曲がったところで、何か柔らかい物に顔を挟まれた。
 感触は、マシュマロというか、ふかしたての肉まんと言うか・・・・・・まさか、こ
れ・・・・・・

「あらタカ坊。なーに、お姉ちゃんのことが恋しくなっちゃった?」

「た、たたたた、タマ姉!?」

 慌てて飛び退くと、目の前ではタマ姉が満面の笑みを浮かべて立っている。
 じゃ、じゃあ今の感触、もしかして・・・・・・もしかしなくても。

「でもタカ坊、ちゃんと前を向いて歩かなきゃだめよ。ぶつかったのが私だったからよかっ
たけど、他の人間だったらチカンあつかいよ」
711クマ吉と一緒にNo3 11/19:2005/12/22(木) 02:52:49 ID:9ZuCyTmy0
 タマ姉はどこまでもにこやかだけど、俺の心境はまるで蛇に睨まれたカエルだ。
 いくらクマ吉と話すことに気を取られていたからって。よりにもよってタマ姉の、しか
も胸のところにぶつかるなんて・・・・・・俺、一体どうなっちゃうんだろう。

「ん、ああ、クマ吉、どうした」

 クマ吉が俺の髪の毛を引っ張って何かを聞いてくる。
 どうも、目の前の女が誰かと、そう言いたいらしい。

「えっと、この人は向坂環。俺の幼馴染で、姉みたいな人」

 内心の動揺をどうにか悟られないよう、できるだけ平静を装ってクマ吉に紹介するけど。
うっ、やっぱり隠し切れなかっただろうか。クマ吉のやつ、黙り込んじゃったよ。

「あら、タカ坊。その頭の上の。それが前言ってたクマのロボット?」

「ああ。直接会うのは初めてだっけ? こいつはクマ吉。本当はみっちゃんって言う名前
らしいんだけど、クマ吉って呼んでる。ほらクマ吉、挨拶は」

 でもクマ吉は黙り込んだまま、頭の上で動こうとしない。
712クマ吉と一緒にNo3 12/19:2005/12/22(木) 02:53:45 ID:9ZuCyTmy0
 おかしいな、人見知りするようなやつには思えないんだけど。

「はじめまして、クマ吉さん。タカ坊にも紹介してもらったけど、私の名前は向坂環。み
んなにはタマ姉や、タマおねーちゃんって呼んでもらっているわ。よろしくね」

 タマ姉が挨拶をしても、クマ吉はじっとしたままだ。声は聞こえてるみたいなのに、お
かしいな。

「クマ吉?」

「ところでタカ坊、お昼はもうとったの?」

 心配になってもう一度呼んでみたけど、クマ吉が何かを言う前に、タマ姉が声を掛けて
きてしまった。

「いや、これから。天気もいいし、屋上で食べようかと思って」

「そう? それはちょうどよかったわ。朝、ちょっとお弁当を作りすぎちゃって、タカ坊、
よかったら一緒に食べない」
713クマ吉と一緒にNo3 13/19:2005/12/22(木) 02:54:44 ID:9ZuCyTmy0
「うーん、タマ姉のお弁当は食べてみたいんだけど、もう今日のお昼御飯買っちゃったし」

 そう言って、さっきクマ吉が買ってきてくれたパンを見せる。

「またパン? 毎日そんなものばっかり食べていたんじゃ、体壊しちゃうわよ。それにそ
のパン、形が崩れてボロボロじゃない。折角のお昼御飯なんだから、そんな物食べないで
一緒しましょ。このみたちももう待っているわよ」

 強引に俺を引っ張っていこうとするタマ姉。その心遣いは嬉しいんだけど、今日はもう、
クマ吉との先約があるから。
 そう断ろうとした時だった。
 今まで黙って俺の頭の上にいたクマ吉が、急に飛び降りると走ってどこかへいってしま
う。まるで逃げ出すみたいに。

「お、おいクマ吉、待てよっ! タマ姉、ごめん。お弁当はまた今度」

 あっけにとられているタマ姉を置いて、俺はクマ吉を追いかける。
 あいつ、体は小さいくせに足だけは速い。ちょっと気を抜くとすぐにおいていかれそう
だ。正直、昼飯を食べていない体にはきつい。
 昼休みの人気で賑わう廊下を、必死になってクマ吉と追いかけっこを繰り広げる。
714クマ吉と一緒にNo3 14/19:2005/12/22(木) 02:55:52 ID:9ZuCyTmy0
 俺、一体なんでこんなことしてるんだろう。
 酸素が足りなくなった頭で、朦朧としながらそんなことを考える。心臓もパンク寸前だ
と抗議の声をあげる。
 クマ吉が何でいきなり走り出したのかはしらないけど、放っておけばいいじゃないか。
あいつが突然な行動にでるなんて、いつものことだろ。

「でも・・・・・・追いかけ、なきゃ」

 だって、逃げ出す前にちょっとだけ振り向いたクマ吉。

「あいつ、きっと泣いてた・・・・・・」

 廊下を走りぬけ、階段を飛び降りていく。頑張ったおかげか、少しずつクマ吉との差も
縮まってきた。
 あと、3歩──

「クマ吉っ!!」

 俺の叫び声に、逃げるクマ吉の体が一瞬だけ固まってしまう。全力で走っている途中に
いきなり足を止めるものだから、バランスを崩して、正面には壁が。
715クマ吉と一緒にNo3 15/19:2005/12/22(木) 02:58:01 ID:9ZuCyTmy0

 間に合えっ!!

 ヘッドスライディングの要領で転びそうになっているクマ吉を捕まえた。
 けど思いっきり飛びついたせいで勢いがとまらない。俺はクマ吉を抱きしめて、そのま
まゴロゴロと廊下を転がり、壁に激突してようやくとまることができた。

「あ、いててててて・・・・・・クマ吉!?」

 慌ててクマ吉を抱き上げると、観念したのか、クマ吉はもう逃げ出そうとはしなかった。

「よかった・・・・・・おい、クマ吉、大丈夫か? どこか故障してな、あいてっ、痛い、
やめろって、痛いからクマ吉」

 代わりに、俺の手からすり抜けるとポカポカとぬいぐるみの腕で俺のことを叩いてくる。
見た目はぬいぐるみでも中身はロボットなものだから、結構痛い。

「なんだ、お前、俺のことを心配してくれてるのか?」

 そう言うと、今度は後ろを向いてしまう。
 素直じゃないな、クマ吉は。
716クマ吉と一緒にNo3 16/19:2005/12/22(木) 02:59:28 ID:9ZuCyTmy0
「ありがとう。それと、ごめんな、心配掛けて、それに・・・・・・クマ吉の気持ちを傷
つけちゃって」

 涙を流していなくても、多分今もクマ吉、泣いてるんだとわかった。
 それが悲しくて泣いているのか、それとも俺のことを心配して泣いてくれているのか、
俺にはそこまではわからないけれど。

「お昼はクマ吉と一緒に食べるって、先に約束してたのにな。タマ姉にはちゃんと断れば
よかったのに」

 クマ吉は後ろを向いたままだけど、フルフルと首を振ってくれた。

「ちょっと遅れちゃったけど、御飯にしよう。早く屋上に行こうよ」

 ようやくクマ吉が俺のほうを振り向いてくれた。おずおずとした動作だったけど、クマ
吉がもう一度俺のことを見てくれて、俺は嬉しくなる。
 良かった、涙も止まってくれたみたいだ。

「え、こっちこそごめん、だって。お詫びがしたい? いいっていいって、そんなことし
てくれなくても」
717クマ吉と一緒にNo3 17/19:2005/12/22(木) 03:00:23 ID:9ZuCyTmy0
 けれどクマ吉は納得してくれない。
 どうしてもお詫びがしたいと言い張る物だから、俺も根負けしてクマ吉のお礼を受け取
ることにした。

「えっ? こっちを向け?」

 クマ吉は俺の右肩に乗ってあれこれと指示を出してくる。
 こいつ、何する気だ?
 言われた通りにクマ吉のほうを向く。
 と、目の前にクマ吉の顔が──

 ふさっ・・・・・・

 唇に広がる、ちくちくとした生地の感触。
 え、これ、まさか・・・・・・
 俺の唇から顔を離したクマ吉は、なんだかとても満足そうだ。

「く、クマ吉・・・・・・」
718クマ吉と一緒にNo3 18/19:2005/12/22(木) 03:01:15 ID:9ZuCyTmy0
 クマ吉は答えてくれない。
 えっと・・・・・・え、今のってま、まさか、キス!?
 混乱して頭がうまく働いてくれない。

「これが・・・・・・お礼?」

 ようやく小さく頷いてくれた。恥ずかしそうに。
 なんだかいろんな言葉が一気に溢れてきて、それを全部口に出して叫びだしそうになって
 ・・・・・・けど、やめた。
 おそるおそるこっちを見ているクマ吉の様子を見てしまうと、なんだかそんな言葉が全
部、どうでもいい物になってしまった。
 まあ、いいか。一人くらい、ファーストキスがぬいぐるみな男がいたって。
 それでもなんとか声を絞り出して、これだけは言っておかなきゃ。

「ありがう、クマ吉、嬉しいよ」

 クマ吉の表情が一気に明るくなった、ような気がした。


719クマ吉と一緒にNo3 19/19:2005/12/22(木) 03:02:02 ID:9ZuCyTmy0
 その後俺たちは、最初の予定通り屋上に行って一緒にパンを食べた。
 けれどクマ吉は、屋上にいる間中ずっと何かを考えているようだった。何度か話しかけ
ても、全部上の空でまともに会話?ができない。

「なあ、クマ吉。本当にどうしちゃったんだ? え、タマ姉? タマ姉がどうかしたのか」

 クマ吉は必死に胸を突き出そうと頑張っている。

「鳩胸? え、違う? 胸。タマ姉。ばいーん? えっと、俺は、タマ姉みたいな、胸が、
バイーンが、好き? って、何言ってるんだよ!?」

 そ、そりゃ好きか嫌いかって聞かれたら、俺だって男だし・・・・・・嫌いじゃないと
は答えるけど。
 クマ吉はまるで「まかせろ」とでも言いたげに胸を張る。
 これも、クマ吉のお礼のつもりなんだろうか。

「あー、うん、嬉しい嬉しい。期待しないで待ってるよ」

 苦笑しながら、そう言って、2人で屋上をあとにする。
 午後からの授業。クラスからの視線は、ちょっとだけ、気にならなくなっていた。



   終
720クマ吉と一緒にNo3 あとがき:2005/12/22(木) 03:07:15 ID:9ZuCyTmy0
まとまんなかった。
書けば書くほど、レス数が伸びるこのSS。
でも安心してくれ、ネタが尽きたから。

いつか続けるかも知れないけどラストシーン書くのに。
721名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 03:07:49 ID:M2dX/JHe0
リアルタイムで読んだ。
すげぇイイ!!

某ワンパターンでマンネリ化している某氏に代わって頑張ってください!
722名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 03:13:19 ID:e4kIyppVO
いや〜面白いですね。これからも頑張って下さい
723名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 03:21:10 ID:ngXUmBq9O
>>721
そういう事言うなよ
確かに飽きた感じもしないでもないけど貴重なミルファ分なんだからよお。
724名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 05:28:19 ID:HQHFK4EOO
読書も大変だな
ご機嫌とりしたり、叩いたり
適当にGJとか言ってりゃいいかと思ってたよ。
725名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 06:26:45 ID:xFV1QV3v0
書く方としちゃ、やはり何かしら感想は欲しいものだよ。
このジャンルじゃないけど、実際にSS書いてそう思ったわ。
(やはり同人誌でも、感想をもらえると嬉しい)

でも…その感想を待つ間が怖い…
726名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 08:52:16 ID:BnRh8ZHh0
>>696
自分もヘタレを意識しているが…
そんな私でも、「おいっ!」って突っ込みたくなりますねw乙です。

>>700
バカップルと自覚しなくなった瞬間に、本当のバカップルになりますw
何気ない日常的シーンが好きなので楽しませてもらった。

>>720
クマ吉が実に愛くるしい。
ラストシーンが思いついたら、是非お願いしたい
727名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 09:11:48 ID:32pwi7THO
XRATEDやっていて気付いたんだが
たまにSSでイルファに味覚がないとか味を感じないとか判らないとあるが
イルファにはちゃんと味覚があるよな
珊瑚の味覚を元にしているから味音痴なだけで
728名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 11:00:35 ID:ZO9oBNp80
>727
>イルファにはちゃんと味覚がある
 YES

>珊瑚の味覚を元にしているから味音痴なだけ
 NO
 
>「それに私の味覚センサーは珊瑚様を基準に設定されています。そこから外れないように
>味付けをすれば、とりあえず問題は発生しません」
>「なるほど」
> 珊瑚ちゃんは瑠璃ちゃんほど鋭敏じゃないにしろ、ちゃんとした舌を持ってると思う。
>それを基準にしていれば、間違いはないというわけか。


> でも、逆に言えば、そこから外れたものは作れない。いや、わからないのかもしれない。
729翌朝(前編):2005/12/22(木) 15:03:21 ID:1YhIyEwK0
トントントントン
小気味良い包丁の音で目を覚ました
まだ昨日の疲れが抜け切れてないのか、半分以上寝ぼけながらダイニングの方に降りていった
「あ、貴明さん。おはようございます」
朝食の準備の手を止めてイルファさんが挨拶をしてくる
「おはようイルファさん。なんか手伝えることある?」
イルファさんはちょっと考えるような仕草をすると
「そうですね、もうそろそろ珊瑚様と瑠璃様を起こしてきてもらえますか」
「はい了解」
瑠璃ちゃんはともかく珊瑚ちゃんはすぐに起きれるのかなと思いつつ二人が寝てるロフトの方に声を掛ける
「珊瑚ちゃん瑠璃ちゃんもうすぐ朝食の準備が出来るってさ」
暫くすると瑠璃ちゃんが顔を出してきた
「瑠璃ちゃんおはよ・・・う」
瑠璃ちゃんの姿を見て全速力で後ろを向く
「あ〜、さんちゃん起こすの時間かかるかもってイルファに伝えとい・・・・・・ふえ?」
と言いかけたところで瑠璃ちゃんも自分の格好に気付いたようだ
「あほー、こっち見るなーすけべー」
そう昨日はみんなあのまま寝てしまったのだ
「あ、ごめん瑠璃ちゃん大丈夫もう見てないから」
もちろんそんなことで収まるはずも無く
「ヘンタイ、ヘンタイ、ヘンターイ」
瑠璃ちゃんは絶叫しながら枕やらなにやらこちら投げつけてくる
ちょ・・・・・・それ目覚ましどけ
730翌朝(中編):2005/12/22(木) 15:04:09 ID:1YhIyEwK0






「あ、起きた」
気が付くとに珊瑚ちゃんが心配そうにこちらを覗き込みながら
「やっぱ一緒に住も。貴明一人にしたら心配やわ」
今ここに住んだらそれこそ生命の危機ですいろんな意味で
「・・・」
瑠璃ちゃんは瑠璃ちゃんで離れた位置からなにやらこちらに訴えかけてきてる
「珊瑚様、瑠璃様、貴明さん朝食の準備が出来ました」
とイルファさんの声がする
「さ、朝ご飯が出来たっていうし早くイルファさんのとこに行こう」
これは天の助けとばかりに二人をダイニングの方に促していくとそこにはどう見ても朝食には思えない程の豪華な食事がテーブルの上に所狭しと鎮座していた
「イ、イルファさん?これは一体何でせうか?」
イルファさんはさも当然のように
「皆さん昨日はあれだけ体力を消耗したのですからスタミナの付くものをメインにご用意いたしました。特に貴明さんにはもっと体力を付けて貰わないとこちらとしても困ります」
え〜っと何がどう困るのだろうか
うわ〜よく見ると色々精力の付きそうなものが一杯並んでいますね
昨日の今日で一体どこから仕入れてきたんだろう
と状況についていけない頭は他人事のように思考を巡らしていく
瑠璃ちゃんを見ると、どうやら昨日のことを思い出してしまったようで真っ赤にになって俯いている
多分俺もそうなんだろうな
731翌朝(後編):2005/12/22(木) 15:05:08 ID:1YhIyEwK0
珊瑚ちゃんはというと無邪気な笑顔で
「貴明、今夜も気持ちようなろうな」
思いっきりテーブルに突っ伏しそうになった
「したないん?」
た、確かに俺もしたいかしたくないかと言ったら前者ですよ男の子ですから。でもね?でもね?朝からする会話じゃないと思いませんか?
「そ、そんなことより早くご飯食べようか冷めたら勿体無いよ」
どうにか話を逸らそうとするが
「そんな事ちゃうで大切なことやん」
と食い下がってくる
やばいやばいやばいこのままだと流されて取り返しの着かないことを口走ってしまいそうだ
藁をも掴む思いで視線を泳がせるとイルファさんと目が合う
「貴明さん。珊瑚様のこういうことはそろそろ慣れて貰わないと精神的に参ってしまいますよ」
お言葉ですが既にグロッキーです半分諦め気味に
「わかったよ珊瑚ちゃん」
「やたー今日も貴明とラブラブや〜」
「よかったですね〜珊瑚様」
「瑠璃ちゃんも貴明にラブラブして貰おうな」
「ふぇ!?」
急に話しを振られて気の抜けた返事をしてしまう瑠璃ちゃん
「そんなんせぇへんもん!貴明のことなんて好きちゃうもん」
「もぅ瑠璃ちゃんは意地っ張り屋さんなんやから」
「瑠璃様昨日の様に素直になっていいのですよ。あ〜昨日のことを思い返すだけでもうかわい過ぎてかわい過ぎて・・・」
「あ〜う〜」
「こんなんなったのもみんな貴明のせいや貴明のすけべーがさんちゃんとイルファにも伝染ったに決まってる」
「え?俺のせい?ぐえぇ」
振り向いた先には瑠璃ちゃんの必殺シュートがあった
俺は本日2度目の夢の中へ堕ちていった

こんな生活していたら俺は死んでしまうかもしれない
でも不思議とここから逃げようと思う気も無い
となると早く順応して俺自身が強くなるしかないのか
はぁ〜頑張らなきゃな色々と
732翌朝あとがき:2005/12/22(木) 15:11:27 ID:1YhIyEwK0
双子終了後脳内に落ちてきた妄想の垂れ流しです
人に読ませる文章これが初なので読み辛い部分が多々あるでしょうがご容赦を

あとオチについては正直言いますとどうにも思いつかなかったので瑠璃ちゃんの蹴り〆で強引に終わらせてしまいましたorz
733名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 15:15:50 ID:7DFfXs48O
GJ!!!!!!!!
続きマダー
734名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 15:26:09 ID:AgDtlkyC0
正直双子アフターはお腹いっぱい。
同じようなハーレム話しか書けんのかw
発想力に乏しいなw
735名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 15:39:06 ID:DJAGmYHmO
SSラッシュだがクマ吉、ささらの両SSが抜きんでていると言うのが正直な感想。
双子アフターは最初は面白かったがこうも類似SSが沢山出るとお腹(゚∀゚)イッパイ!!
736名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 16:20:11 ID:Mrs4NFT50
お腹いっぱいなら読み飛ばせばいいじゃない
737名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 16:24:49 ID:n9KRSOKH0
もっと他のキャラのSSも書いて欲しいって言ってるんだよ、きっと。
738名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 16:49:38 ID:ZYBd9Trb0
そこで雄二と玲於奈SSなぞ書いてみたりしているわけだが、
我ながらチョイスが微妙すぎる気がする。
739名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 17:28:31 ID:VsbRkzBK0
>>743
けど双子アフターはハーレムしか書けん気もするけどな。

まぁ、みっちゃんやしっちゃんメインで書けば変わるだろうけど。
740名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 17:29:01 ID:VsbRkzBK0
>>734だった
741名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 18:31:06 ID:VecxMkfZ0
数日繋げなかった間にすごいことになってるw

>>700
二人の素晴らしいバカップルぶりに乾杯w
今後も色々書いていって欲しいなあ。

>>720
ミルファが「ミルファ」じゃなくて「クマ吉」として
描かれていたのが新鮮だった。GJ!

>>732
GJですよー。昨夜双子シナリオクリアしたばかり
だから余計に面白かった。

俺もそろそろ活動再開せねば…
742名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 18:54:18 ID:1iFAxaZaO
>>738
いやそんな事無いぞ!
743もう一人の幼馴染:2005/12/22(木) 21:09:03 ID:ZYBd9Trb0
 彼女と話すことが無くなって、もうどれくらい経つだろう。
 最後に話したのを覚えているのはバアさんの葬式の時だった。
「たかが分家筋の人間が――」
「――いくら刀自のご遺言だとは言え」
「それならいっそ――」
 祖母の遺影の前に並ぶ大人たち。
 どいつもこいつも神妙な顔をしているが、誰一人としてバアさんの死を悲しんでいない。
 バアさんの死よりも何か気にかかることでもあったのだろう。
 大人たちの話はよくわからなかったけれど、大人たちの言葉で彼女が傷ついているのはわかった。
『オマエ、何泣いてんだよ』
 あの時の俺は、女の子に対してどう接していいのかわかってないただのバカガキだったから、
 こんな言い方しかできなくて。
『ひっく、ひっく……』
 泣いている彼女には何の効果もないのは当然だった。
『バアちゃんが死んで悲しいのか?』
 俺の言葉にこくりと頷く彼女。
『――様は悲しくないの?』
 ――様。俺が本家の人間だからって、へらへら笑って機嫌とろうとする大人たちが使う嫌な呼び方だ。
 だいたい俺は同い年の女の子に様付けで呼ばれて嬉しがるほど倒錯しちゃいなかった。
 だからつい、俺はまたつっぱって言い返してしまう。
『悲しくねーよ』
 それが気に障ったってわけでもないんだろうけど。不機嫌さが顕れていた俺の言葉にびくりと震え、彼女は再び泣き出す。
744もう一人の幼馴染1 2/5:2005/12/22(木) 21:09:35 ID:ZYBd9Trb0
 あーもう!しょうがねえ!
『ほら! 立てよ!』
『あっ……』
 しゃがみこんで泣いている彼女の手をとって、強引に引き起こす。
 ポケットからくしゃくしゃになったハンカチを取り出す。
 姉貴に無理やり持たされたもので、その時は正直言って鬱陶しかったけれど、
 こうして彼女の涙を拭けることは素直に感謝できた。
 ハンカチで彼女の涙を拭きながら、その言葉を思い出す。
『死ぬ前にバアちゃんが言ってんだよ、「自分が死んでも泣いちゃダメだ」って。
 俺たちに泣かれてるとバアちゃん気になって天国にいけないんだってさ』
『――』
 俺の言葉に彼女は息を呑む。
『そんで「泣くぐらいなら笑ってくれ」って言ってさ、
 俺たちが笑っててくれたらバアちゃんも笑って天国にいけるんだってよ。
 だから、オマエも泣くなよな!』
『――うん』
『――っ!』
 そういって、涙を抑えて笑った彼女の笑顔は眩しくて、
 思えばあの時初めて、俺は女の子というものを意識したんだと思う。
745もう一人の幼馴染1 3/5:2005/12/22(木) 21:10:07 ID:ZYBd9Trb0
「こらぁああ! 雄二! 早く起きなさい!」
 寝覚めは最悪。今日の目覚ましは姉貴の怒鳴り声だった。
「あー……姉貴、おはよ」
「おはよ、じゃないわよ! あんた何時まで寝てるつもりなの!
 今日から新学期なんだから早く顔洗って準備しなさい!」
 なーんか妙な夢を見てたような気がする。
 この感じは昔の思い出、それもあまり思い出したくない類の過去だ。
 さて、どの思い出だ?
 ハサミもって姉貴に追い回されたやつか、それとも登った木の上から蹴り落とされたやつか。
 うーん、思い出せないということはやっぱり思い出したくない過去なのか?
 そういうのは大抵姉貴がらみだから、痛い思い出しかない。
 ガシッ!
 そうそう、例えばこうして頭を掴まれて、
 ギリリリリリ!
 万力のような力を込められて――って、オイ!
「あだだだだだだ! 割れる割れる割れる!」
「あんたが何時までも目覚まさないからでしょうが! いいから早く顔洗ってきなさい!」
 っと、今のショックでなんか思い出せたような気がする。そうだ、バアさんの葬式のとき話だったか。
「へいへい――あ、そうだ姉貴。バアさんの葬式のときにさ――」
「? おばあ様のお葬式がどうかしたの?」
「――あー、いや、なんでもねえ」
 やっぱやめた。思い出せないことは無理に思い出さないほうがいい。
 もし本当に姉貴がらみの思い出だったら薮をつついて熊をだすことになりかねん。
 さてと、今日もせいぜいがんばりますかね。
746もう一人の幼馴染1 4/5:2005/12/22(木) 21:10:43 ID:ZYBd9Trb0
「ふぁあ〜〜〜」
「雄二、往来の真ん中で大口開けてあくびしない! みっともないでしょう」
 そうは言われても、この春の陽気だ。
 姉貴みたいに面の皮突っ張ってない俺はどうしても目元が眠気で緩んでくる。
 川沿いの土手を姉貴と並んで、幼馴染の二人と待ち合わせした場所まで歩く。
 姉貴と連れ添って歩くのなんて何年ぶりだろう。
 ウチの学園特有の、目にも鮮やかなピンクの制服。
 こういう可愛い系の制服は似合わないと思ったが、
 それでもなんなく着こなしてみせているのは我が姉ながら流石というところだ。
 ホントならば、隣の女子校――西音寺女学院の制服を着ているはずだったのに。
 何をトチ狂ったかこの姉貴はウチの学園に来るとか言い出した。
 ……いや、ホント言うとなんとなくわかってたんだけどな。
 わざわざ帰ってきた姉貴が“アイツ”と離れた寺女に行くわけないってのは。
747名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 21:10:45 ID:32pwi7THO
たまには双子の片方だけのとか見てみたいかも
748もう一人の幼馴染1 5/5:2005/12/22(木) 21:11:13 ID:ZYBd9Trb0
「遅いわよ、タカ坊」
 おっと。いつの間にか待ち合わせ場所まで来ていたのか、
 土手の階段の下にいる二人にアイツに姉貴が声をかける。
 そこにいるのは我が幼馴染二号、柚原このみだ。
 今年からウチの学園に入学するピッカピカの一年生。姉貴同様真新しいピンクの制服に身を包んでいる。
 こっちは姉貴と違って「服に着られている」感が否めなくもない。この辺がオコチャマの限界という奴だろう。
 そしてその隣には、鞄を取り落とし目の前の光景が信じられないという表情をしている幼馴染一号、河野貴明がいた。
 あの顔にタイトルをつけるなら『慟哭』だな。
「な、なんで……」
 わかる、わかるぞ同志よ、思う様絶望しろ。そして諦めろ。
 貴明の心境など知ってか知らずか、姉貴はのん気に
「どうしたの、タカ坊。さては、このタマお姉ちゃんに見惚れてたな」
 なんてのたまいやがったので、弟の義務としてツッコミを入れてやった。
「そりゃネェよ」 バシッ!
 言うが早いか数倍の強さで「突っ込み」が帰ってきやがった。
 迷わず弟の鼻筋に裏拳をぶち込む姉、なんなんだろうね?こいつは。
 そして当の貴明はというと、相変わらず状況が飲み込めてないようだ。
 悪いな、貴明。ある意味おまえのせいなんだから我慢してくれや。
749名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 21:48:52 ID:koGBgnQa0
え、これで終わりなの?
750名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 21:55:32 ID:rWwVYhQ20
うわぁ……続きが気になるナリ……
751もう一人の幼馴染 作者:2005/12/22(木) 22:11:44 ID:ZYBd9Trb0
スマン、続くって入れればよかったな。
どんくらいで終わるかわかんないけどもうちょい続く。
752名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:17:23 ID:n9KRSOKH0
748では1つの話として切れてないってことだろう
753名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:20:18 ID:U09FZxcz0
えっと、SSできたんで貼ろうと思ってたんだが、続くのならもうちょっと待ってた
方がいいか?
754名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:23:26 ID:n9KRSOKH0
5/5だから終わりじゃないの('A`)
755名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:24:36 ID:M2dX/JHe0
756名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:25:59 ID:U09FZxcz0
じゃ、貼り付けるぜ。
今割り付けしてるからちょっと待っててくれ。
他に貼るひといたらお先にどうぞ。
757クマ吉と一緒にNo4 1/14:2005/12/22(木) 22:31:13 ID:U09FZxcz0
「お邪魔します・・・・・・」

 恐る恐るコンピューター室の扉をくぐる。
 いつ、どの方向からクマ吉に襲撃されてもいいように警戒は怠らない。右を見て、左を
見てとみせかけて上かっ!
 ・・・・・・てっきり扉を開けたとたん飛びついてくるかと思ったのに、いつまでたっ
てもクマ吉の体が降ってくることはない。油断させて後で襲い掛かる作戦だろうか。
 放課後、俺は約束通りクマ吉に会いにコンピューター室にやってきた。
 クマ吉にはキスまでされて、正直顔をあわせるのは少し気恥ずかしいものもあるけど。
でも約束は約束だ。それに、少しくらい恥ずかしいことなんか気にならないくらい、クマ
吉に会うことが楽しみになっている。

「だれ〜? 瑠璃ちゃん?」

 そんなわけで、コンピューター室の入り口のところでキョロキョロとしていると中から
声を掛けられた。

「ん? にいちゃん誰〜?」
758クマ吉と一緒にNo4 2/14:2005/12/22(木) 22:31:44 ID:U09FZxcz0
 イスから立ち上がったのは、頭にお団子を二つ作った女の子。
 この間、クマ吉の尻尾を直してくれた子だ。そうか、クマ吉の持ち主なんだから、いて
当然だよな。

「えっと、クマ吉のやつ、いる?」

「クマ吉?」

 あ、クマ吉じゃなくて。

「みっちゃん。みっちゃん、今いる?」

「みっちゃん? あ、にいちゃん、この間みっちゃんのお股のぞいてたひとやー」

 な、なんでよりにもよってそっちで覚えていますか!? もっと他に覚え方あるでしょ、
クマ吉に尻尾返しに来たとか、クマ吉のお尻見てた・・・・・・こっちはあんまり変わら
ないな。

「んー、悪いけど、みっちゃん、もうここにはおらんねん」
759クマ吉と一緒にNo4 3/14:2005/12/22(木) 22:32:31 ID:U09FZxcz0
 いない!? 何で!?

「にいちゃんが会ったみっちゃん、あれ、本当のみっちゃんやないねん」

 そう言って女の子は、机の上に置いてあったクマのぬいぐるみを持ち上げる。
 あ、クマ吉・・・・・・
 けどそのクマ吉は、いつもみたいに元気に動き出すこともないし、俺に向かっていろい
ろと話しかけてくれることもない。第一、そのクマ吉からはあれだけしっかりと伝わって
きた、クマ吉の心を感じることができなかった。
 本当に、ただのクマのぬいぐるみだ。

「これ、みっちゃんの仮ボディだったんや。本物のみっちゃんは研究所におって、そこか
ら無線使ってこのぬいぐるみ動かしてた」

 じゃ、じゃあ、クマ吉は。

「うん。記憶も思いでも、もうここには入っとらんよ。だから、みっちゃんここには居ら
んねん」

「そ、そんな。だってあいつ、そんな、いなくなるなんて一言も言って・・・・・・
760クマ吉と一緒にNo4 4/14:2005/12/22(木) 22:33:13 ID:U09FZxcz0
「本当はもうちょっとだけ、この体使うはずやったんだけど。みっちゃん、なんでかわか
らんけど急に、いやがり始めて」

 目の前が真っ暗になったような気がした。
 嫌がった? この間のこと、そんなにショックだったのか? 俺にさようならも言わな
いで居なくなってしまうくらい。
 せっかく仲直りできて、これから、これからまたお前と一緒にいられると思ったばかり
なのに。

「なあ、にいちゃん、みっちゃんの友だちだったん?」

 呆然と立ち尽くしてしまっている俺の顔を、女の子が見上げている。

「友だち?」

「そう、友だち。にいちゃん、みっちゃんの友だちやったから、だからみっちゃんに会え
んようになって、そんなに悲しそうにしてるん?」

 友だち・・・・・・うん、クマ吉とはほんの何回かしか会ってないけど。
761クマ吉と一緒にNo4 5/14:2005/12/22(木) 22:33:49 ID:U09FZxcz0
「うん、友だち。大親友だった」

 一緒に昼ご飯を食べたり、階段を転げ落ちてみたり。キスまでしちゃったんだ。ただの
友だち以上の友だちだったよ。

「ふーん。なあ、にいちゃん、ちょっと待っとってくれる?」

 女の子はそう言うと、俺の返答も待たないでコンピューター室を出て行ってしまった。
 一人だけ取り残された俺は、他にすることもなくて、クマ吉だったぬいぐるみを抱き上
げて眺めてみる。

「なあ、クマ吉。何でお前、いきなりいなくなっちゃったんだよ。俺のこと嫌いになった
ならそれでも構わないけど、でも最後にさよならくらい言わせてくれたっていいじゃない
か」

 返事が返ってこないのはわかっていても、どうしてもそう聞いてしまう。

「俺、もう本当にお前に会えないのか?」
762クマ吉と一緒にNo4 6/14:2005/12/22(木) 22:34:30 ID:U09FZxcz0
 どうしても我慢ができなくて、そう呟いた。初めて会ったときのように、クマ吉の体を
持ち上げる。
 その時だった。

「えっ?」

 今までただのぬいぐるみだったクマ吉が、急にもぞりと動いた。
 まるで人間の瞳の焦点が合うように、俺の顔を見て。

「いってぇーっ!」

 カブリと俺の指を噛んだ。
 慌てて指を振ると、口を離しひらりと机の上に跳び移るクマ吉。

「なっ、なっ!?」

 どうも机の上から俺のことを睨みつけるクマ吉は、大変ご立腹のご様子だ。

「え、俺がまたエッチなことをした? 股を、覗いてた?」

 そういえば、さっきの構図はクマ吉の股を見ていたように見えなくもない。
763クマ吉と一緒にNo4 7/14:2005/12/22(木) 22:35:24 ID:U09FZxcz0
「ご、誤解だってクマ吉。俺がそんなことをするはずないだろ!」

 あ、こいつ全く信用してない。そりゃ、前科があるのは認めるけど、だからって問答無
用で疑うこともないだろ。
 腰に手をあて、俺に怒るクマ吉。
 それは、本当に、いつもの俺の知っているクマ吉で。

「クマ吉・・・・・・」

 気が付いた時には、クマ吉のことを抱き上げていた。

「本当にお前、クマ吉なんだな? もうここには居ないって、記憶も、思いでも居なくなっ
たって聞いて、俺、もうお前に会えなくなったのかと思って」

 最初は暴れていたクマ吉だったけど、だんだんと黙って話を聞いてくれるようになった。

「ばかやろう、いなくなるんだったら、最後にお別れぐらい言わせてくれよ」

 もう最後には、俺は泣きながら喋ってたと思う。でもその時は、それが恥ずかしいなん
て全く感じていなかった。
764クマ吉と一緒にNo4 8/14:2005/12/22(木) 22:36:07 ID:U09FZxcz0
 俺がそこまで言うと、クマ吉は俺の手の中から、右の肩に乗り移っていく。そして、ま
るで俺の頭を撫でるように抱きしめてくれた。

「え、ごめん、だって? ばか、そう言うことじゃ、え? お別れじゃない? ほんの
ちょっとだけ、会えなくなるだけ? クマ吉っ!?」

 慌ててクマ吉の方を向こうとするけど、クマ吉にそれを止められた。

「ああ、待ってる、待ってるよ。うん、また一緒に、昼御飯食べようぜ。またパン買って、
屋上で、一緒に」

 クマ吉の体が、俺の頭から離れる。
 ようやくクマ吉のことを見ることができた。
 俺の肩の上に座るクマ吉は、じっと、俺のことを見つめている。

「じゃ、ほんの少しだけの、お別れだな。え、浮気するなって? しないってば」

 クマ吉の顔が、だんだんと近づいてきた。
 人間の唇とは、全く違う感触。
 でも間違いなくこれは、俺とクマ吉のキスだった。


765クマ吉と一緒にNo4 9/14:2005/12/22(木) 22:37:09 ID:U09FZxcz0
 クマ吉とお別れして、何日かがたった。
 クマ吉はすぐ戻ってくるって言っていたけど、あれ以来まったく音沙汰がない。何度か
コンピューター室に行って、あの女の子に聞いてみようと思ったこともあったけど。
 クマ吉がすぐ戻ってくるって言っていたんだ。それくらい、しっかりと待っていてやろ
うと思う。

「けど、早くお前に会いたいよ」

 つい、そう呟いてしまう。
 しかしいくらなんでもボーっとし過ぎていたようだ。向かいを歩いている人に気が付か
ないで、うっかりと腕をぶつけてしまった。

「あっ」

 気が付いた時には、向こうの人が持っていた買い物籠は地面に落ちてしまっていた。既
に買い物帰りだったんだろう。けっこう重そうな音がした。

「す、すいません、考え事しちゃってて」
766クマ吉と一緒にNo4 10/14:2005/12/22(木) 22:38:12 ID:U09FZxcz0
 慌てて頭を下げたところでようやく気が付いた。向こうの女の人、いや、正しくは人じゃ
ない。耳に付いた奇妙な器具、一見、コスプレにも見える近未来的な服装。メイドロボだ。

「本当にすいませんでした。あの、怪我、なかったですか」

 しかしたとえ相手がメイドロボでも、今のはボケっとしていたこっちが悪い。落ちた買
い物籠を拾うと、うわ、タマゴとか、割れちゃってるよ。

「いえ、こちらこそ申し訳ありませんでした。あ、タマゴのことはお気になさらないでく
ださい、ぶつかってしまったのはこちらも不注意でしたし」

「でも、悪いのはこっちです。だから弁償させてください」

「ですがそんなことまでしていただいたら、申し訳がありません。弁償なんてなさらなく
ても結構ですから」

「だったら、せめてその荷物持たせてもらえませんか。どちらにしてももう一回買いなお
さなきゃいけないと思うし」
767クマ吉と一緒にNo4 11/14:2005/12/22(木) 22:39:00 ID:U09FZxcz0
 だったらせめて、と思っておれがそう言うと、メイドロボの彼女は面をくらってしまっ
たようだ。

「けれど、私メイドロボですよ? メイドロボが人間の方にお手伝いいただいたのでは」

「いえ、男が女の子を助けるのは当然ですから」

 少し前に、どこかで似たようなことを言った気がする。それに、ちょっと言い方がキザ
だったか。
 目の前のメイドロボの女の人は、俺の言ったことに少し顔を赤くしてしまう。
 う、他に、もっとマシな言い方をしたほうが良かったか。でも助けなきゃと思ったのは
本当だし。
 けれど彼女は優しく微笑んで。

「それでは、申し訳ありませんがお願いしてよろしいでしょうか。実はこの後、他に買い
物をしなければならなくて困っていたところだったんです」

 その後スーパーに引き返してタマゴを買いなおす。そしてドラッグストアによると、今
日は特売日だったらしい。ティッシュと、細々とした雑貨を買って店から出た。重たくは
ないけど、確かに一人でこれだけの荷物を持つのは大変だ。
768クマ吉と一緒にNo4 12/14:2005/12/22(木) 22:39:53 ID:U09FZxcz0
 もう大丈夫だという彼女を、せっかくだからといって荷物を持って歩く俺。
 最初は申し訳無さそうにしていたけれど、俺の決意が固いとわかってくれたのか笑顔で
頷いてくれた。
 いや、メイドロボってもうちょっと固いイメージを持ってたけど、この人を見てると全
然そんな気がしない。ほとんど人間と一緒だ。耳飾さえなければ、メイドロボだって言う
ことのほうが信じられなくなる。
 そこで、なんでか、やっぱりロボットらしくなかったロボット・・・・・・クマ吉のこ
とを思い出してしまった。

「何か、お悩みのことでもあるのですか?」

 商店街からでて、彼女の家に向かう途中。彼女が不意にそんなことを聞いてきた。

「悩み、ですか?」

「はい。先ほどから度々、思い悩んだような表情をなさっていましたから。あ、余計なこ
とでしたら、申し訳ありませんでした。ただ、気になったものですから」

 そんな、はじめて会ったメイドロボにまでわかるほど、今の俺は落ち込んでいたらしい。
 こんなことじゃ、本当にクマ吉に会えたときに笑われてしまう。そう思うと口元に苦笑
が浮かんできてしまった。
769クマ吉と一緒にNo4 13/14:2005/12/22(木) 22:40:44 ID:U09FZxcz0
「えっと、そんなたいした悩みじゃないんですけど・・・・・・実は、約束してまして」

「約束、ですか?」

「はい。ロボットの女の子と。あ、ロボットって言っても、あなたみたいなメイドロボじゃ
なくって、本当にただのおもちゃのロボットなんですけど。そいつと、この間約束したん
です、また会おうって。・・・・・・ほんのちょっとだけ、会えないのを我慢してればい
いのはわかってるんですけど、それでも、やっぱり、早く、会いたいな」

 最後の言葉は、ほとんど彼女に聞かせるというより、自分に言っているみたいだった。
 それを聞いていた彼女は、メイドロボにこんな優しい表情ができるのかってくらい、優
しい笑顔を浮かべてくれた。

「そのロボットの女の子は、本当に幸せ者ですね。あなたにこんなにも想われているんで
すから」

 駅前に着くと、彼女はもうここでいいと俺の持っていた荷物を受け取った。
 本当は最後まで手伝うつもりだったんだけど「はじめて会った女性の家にいきなり訪ね
るのは、マナー違反ですよ」と言われてしまっては従わざるをえない。
 お礼を言って立ち去っていく彼女に、俺も話を聞いてくれたお礼を言って、駅前を後に
する。クマ吉と、また会えることを楽しみに待ちながら。


770クマ吉と一緒にNo4 14/14:2005/12/22(木) 22:41:45 ID:U09FZxcz0
 ピンポーン

 休日の朝、俺がリビングでごろごろしているとインターホンが鳴った。

 ピンポーン

「はいはい、今行きまーす」

 宅配便か何かかな。
 そう思って玄関の覗き穴から外を覗いてみると・・・・・・

 慌てて扉を開ける。

 まず目に飛び込んできたのは、あいつらしい明るい、赤い色の髪。
 それと

「く、クマ吉か?」

 声が震える。
 嬉し涙で目が霞む。
 目の前のこいつは、クマのぬいぐるみだった時と同じように、一生懸命、元気な目でし
で俺のことを見てくれている。
 そして、俺の思っていた通りの笑顔を浮かべて

「ただいま──



   終
771クマ吉と一緒にNo4 あとがき:2005/12/22(木) 22:43:30 ID:U09FZxcz0
終わりーっ。もう続かない。

読んでくださった方、本当にありがとうございました。
772名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:44:50 ID:pXEnSGiO0
>>771
お疲れ様でしたー。いいなー、クマ吉
773名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 22:50:54 ID:BvMg8h1E0
うおおおお、リアルタイムだ。
GJ!!無理強いはしないけど貴方のSSをもっと読んでみたいぞ!
774名無しさんだよもん:2005/12/22(木) 23:22:46 ID:39BWamg70
>>771
GJ!!!!
でもあのヘタレたかあきがミルファを一発でわかるのに違和感がある・・・・・・・
775名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 00:21:33 ID:/RK/QbCzO
>>771
GJ!面白かった!
強いて望むなら、再会した貴明とミルファの会話が少し見たかったな。
776些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー1:2005/12/23(金) 00:29:43 ID:zhxWsYGB0
―ささら視点―

「懐かしい…」
私の一番の思い出が詰まった、この町。こうして見ても、ほとんど何も変わっていない。
たった半年ぐらいしか離れていないのに、酷く懐かしく思えた。
「とりあえず…環さんの家に行こうかな」
すぐに貴明さんに会ってもいいけど、それは得策とは言えない。
私が来たと知れば、貴明さんは居留守を使う可能性が高い。環さんなら
貴明さんの家のスペアキーも持ってるはずだし、相談するには持って来いだ。
「うん、決まり。荷物だけパパに預けて環さんの家に行こう」

「ここでいいのかな?」
パパとの再会の挨拶もそこそこに、私は環さんの家に送ってもらった。
「うん、大丈夫。また後でね、パパ」
貴明さんを、絶対に取り戻すために。そのためには、
環さんの協力がどうしてもいる。環さんが私に協力してくれないとも思えないし、
貴明さんも環さんの言うことには従うだろうし。
777些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー2:2005/12/23(金) 00:30:32 ID:zhxWsYGB0
「……」
―なら、何で貴明さんは環さんを選ばなかったんだろうか。
暗いことを考えかけて、頭を振る。今更それを考えたって仕方が無い。
「…よし!」
ピンポーン
『はい、どちら様ですか?』
「久寿川ささらと言います。環さんはご在宅でしょうか?」
『はい、少々お待ちください…』
ドタドタドタ!
「ささら!?」
「環さん、お久しぶり」
「ええ、お久しぶり…じゃなくて、急にどうしたの?あ、とりあえず上がって。中でゆっくり話を聞くわ」
「ありがとう…お邪魔します」

中に通された私は、今回の事の顛末を環さんに全て教えた。全てを、包み隠さずに。
最初はふんふんとうなずいていた環さんだったが、次第にその表情はしかめっ面に変わり、
最後のほうは完全に不機嫌な顔になっていた。
「それで、貴明さんと仲直りしようと思って、ここまで来たの。環さん、協力して?」
「ええ、もちろん協力はするけど…ちょっとここで待ってもらって良いかしら?
急用を思い出しちゃって」
「もちろん構わないわ。私のことは気にしないで大丈夫」
「ありがとう、すぐ終わらせてくるからね」
環さんはせかせかと出て行った。そんなに急ぎの用事なのだろうか…?
778些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー3:2005/12/23(金) 00:32:51 ID:zhxWsYGB0
―環視点―
「タカ坊の馬鹿…!」
雄二だったら明日の日を拝めないようにしてやるところよ!全く、何考えてるのかしら…
あれだけ色々なことを経験して、ちょっと男らしい面構えになってきたかなー
と思ってたら全然ダメじゃないの!引きずってでもささらのところに連れて行くんだから!
ピンポーン
…反応無し、居留守使う気ね。
「タカ坊!!扉けり壊されたくなかったら居留守なんて止めてとっとと出てきなさい!」
これだけ言えば出てくるわよね…30秒ぐらい待ってあげるわ。
「…とりあえず入って。近所迷惑になるから」
「分かったわ。言い訳ぐらいは聞いてあげましょう」
タカ坊の表情は、これまで見たことないぐらいに疲弊しきっていた。
まるで、この世の終わりみたいな顔。真面目に考えすぎた結果、最悪な方向に向かっちゃったわけね。
いつものタカ坊のパターン。
「話はささらから全部聞いたわ。で、どうするつもりなの?」
「随分いきなりだね…」
「あんまり言い訳は聞きたくないけど、一応聞いてあげましょうか」
タカ坊はありのままを全て話してくれた。ささらの話と比べても、嘘を言っているようには思えない
うん、単純にタカ坊が悪い。
779些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー4:2005/12/23(金) 00:36:39 ID:zhxWsYGB0
「ふーん…で、タカ坊、覚悟は出来てるわね?」
「うん…」
タカ坊には悪いけど、これはきつめのお仕置きが必要ね…!

―貴明視点―
スパーン!
「…っ」
ただのビンタなのに、椅子から吹っ飛んで後ろの壁にぶつかった。
さすがタマ姉、半端じゃない威力だ。でも、あんまり痛くないのはどうしてだろう。
―心が、罰を欲しているからだよ。
心の中で、そんな呟きが聞こえた。そう、俺はささらを傷つけた罰を欲していのだ。
心の深いところで。それが、タマ姉のビンタによって少し報われた気がしたのだろう。
一人でそんなことを考えていると、タマ姉が俺の手を掴んだ。
「さ、私と行きましょう」
「…どこに?」
「私の家。ささらが来てるから、会わせてあげる。なんて言って謝るのかぐらいは、自分で考えること」
「え…」
ささらが来ている…?今タマ姉についていったら、ささらに会ってしまう…?
俺があれこれ悩んでいる間に、タマ姉は俺の手を引っ張ってどんどん進んでしまう。
―今、ささらに会えるのか?会って何を言うんだ?ごめんなさいと謝るのか?
嫌だ、ささらには会いたくない。いや、会えない。会うことは出来ない!
「いやだ!」
タマ姉の手を思いっきり振りほどく。タマ姉は少し驚いた顔をした後、すぐに厳しい表情を作った。
780些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー5:2005/12/23(金) 00:39:16 ID:zhxWsYGB0
「まだ逃げる気なの?」
「女の子に、自分の意見ぶつけるのは怖いんだよ…優しくする以外の、
女の子との付き合い方なんて知らない。今回のことも、
ささらを傷つけるのが嫌だからこうしたんだ。今会えば、ささらを傷つける。だから、行かない」
「何馬鹿なこ…」

―環視点―
そういいかけて、私は口をつぐんだ。気付いてしまったのだ。気付きたくない、事実に。
―タカ坊の中で、まだ私の告白を断ったことがくすぶってる…
私は、タカ坊があれしたい、これしたいと主張したのを見たことが無い。
それは、昔から変わらないことだ。大抵私かこのみが何かしたいと言い、タカ坊はそれにくっ付いてくるだけ。
タカ坊は、自分を主張することを恐れてる。
というよりも、自分を主張する方法を知らないのかもしれない。私もこのみも、
無論雄二も中々にわがままだ。そんな中で、タカ坊は自分を主張することが出来なかったのかもしれない。
タカ坊が私のすることを嫌がったのは、ただ一回だけ。
―私の告白を、断ったとき…
もしかすると、タカ坊はその時に自分の意見を外に出すのを止めたのかもしれない。
タカ坊は、恐ろしいまでに中立で物事を見る。全てのことを、客観的に。
思えば、私やこのみ、雄二の誰かが喧嘩したとき、タカ坊はいつも仲裁役になっていた。
781些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー6:2005/12/23(金) 00:41:00 ID:zhxWsYGB0
ささらの話だって、タカ坊のように誤解したって何ら不思議じゃない。
その後のタカ坊の行動も、全てささらを傷つけないためのものだ。
―タカ坊には、自分が無い…
私が、タカ坊の自分を奪ってしまった。自分の意見を言う機会を、私が奪ってしまったのだ。
その私が、ささらに会わせるという理由でタカ坊を引っ張って行けるのか。
答えは、否。全てとは言わないが、タカ坊をこういう人間にしたのは、大部分が私のせいだ。
自分でこういう人間にしておいて、その人間がやったことが気に食わないから連れて行く?
私は、横暴な人間だが、そこまで非人間的じゃない。
「分かったわ…タカ坊がそういうなら、そうしなさい」
そういい残してタカ坊の家を去る。ごめん、ささら。私は、協力できない…
782些細なすれ違い 大きな勘違い 6話ー6:2005/12/23(金) 00:45:54 ID:zhxWsYGB0
というわけで第六話です。いかがだったでしょうか。

>>697>>698
見事にタマ姉に潰されませんでしたが、どうでしょうか。タマ姉ルートを見る限り、
貴明がヘタレな原因の大部分はタマ姉にあると思うので、こんな展開にしてみました。

私の話では、タマ姉もかなりヘタレになっています。タマ姉ルートをやった後だと、
タマ姉もただのヘタレにしか見えないのでこういう話展開になっていますが、どうでしょうか。
やっぱりタマ姉っぽくないですね、うじうじ悩んでるのは。
ですが、本編のタマ姉もこんな感じに見えたのでどうかご容赦ください。
タマ姉のせいでヘタレになった貴明の行動は?タマ姉の協力が得られなくなったささらはどうするのか。
貴明がヘタレな原因は自分にあると気付いたタマ姉は如何に?
…タマ姉だけ投げっぱなしで終わりそうな予感が今からしてますが。
ささらと貴明については、どちらにつけ綺麗さっぱり終わらせるつもりです。
783名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 01:29:07 ID:tJLWpFya0
>>782
GJ!!!

確かに、パーフェクト超人くさい環も、こと恋愛に関しては確かにヘタレですしね。
とっても納得です。
とりあえず、ささらには幸せになってほしい自分がいる。
続き期待してます。
784中の人:2005/12/23(金) 01:34:53 ID:/1YMu4Pv0
どうも。
XRATEDでささらに心を少し奪われて少しでもささらに幸せを…ということで
本編のサイドストーリーやアフターストーリーと言うよりはアナザーストーリーみたいな感じに
なってしまったかもしれませんが書いてみました。

[ ttp://hmx-17b.hp.infoseek.co.jp/sunset.htm ]

>>782
いい感じのタカ坊のへたれっぷり('∀`)イイヨーイイヨー
785名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 01:59:35 ID:tcb9MP8d0
天然なのか気付かないフリしてるのか知らんが
この流れで書き込める根性は素晴らしいと思う。
786名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 02:00:40 ID:IyrK+RXOO
>>782
GJ!
タマ姉の繊細っぷりが見事に描かれててイイ!
しかしそこでこのみの出番ですよ。タマ姉かタカ坊に喝を!
787名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 02:00:45 ID:Rt3XSY2S0
GJ。一つだけ気になるのは、わざわざ〜視点と書いている点。
状況描写でやってくれ。
788名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 02:55:55 ID:wVJLqZoS0
>>784
GJ!!!

俺は、次のにも期待してるぜ。
789名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 03:13:29 ID:KT7SoCvG0
なんかものすごいSSラッシュやね
790名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 03:26:11 ID:2AdN2Mfs0
このスレには初投稿なのですが、ささらシナリオでタカ坊が副会長になったら、
という if ストーリーを初めてみました。
まだ導入しかありませんけれど……。
ttp://www.no-problem.org/mandana/sasara1.html
791名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 03:33:22 ID:SY3lRMmd0
>>790
まだ導入部だから何とも言いにくいけど、面白くなりそう。タカ坊副会長就任までは読みたい。
関係無いけど、背景の芋虫っぽいやつがキモイ
792名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 03:48:55 ID:anMPcgLj0
!と?は全角にしたほうがいいと思う。
?!は基本的には、!?がよろしいかと。
793名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 03:58:12 ID:SY3lRMmd0
背景が既に替わったことにGJ! というか気を遣わせたならすまなかった。
さーりゃんの異常な可愛さに期待。
794790:2005/12/23(金) 03:59:37 ID:2AdN2Mfs0
>> 791
背景直しましたw
>> 792
すいません、全角嫌いなんです。?! は !? の方がいいというご指摘はその通り
だと思いまして修正しました。
795名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 04:27:53 ID:KIs1rBSB0
ここでちょっと乱入してみたり。
愛佳SSです。精神力使った割にたいしたことないかも知れず。
「もっとセッk(ry」には勝てんね。

ttp://red.ribbon.to/~blackside2/xrated/manaka-xrated.html
796名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 08:24:52 ID:McpLUqcE0
>>795
まあ確かに。決まり文句かき集めたに過ぎんね
797名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 10:26:42 ID:5Zj6zSdR0
凄い流れだな・・・
798名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 11:10:06 ID:lak6tcz+O
確かに凄い。
これはつまり職人から俺たちへの

ク リ ス マ ス プ レ ゼ ン ト

なんだよ!
799名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 12:43:37 ID:/UbZ4RAn0
なんかここにもタマ姉SSがあった。

ttp://newblue.hp.infoseek.co.jp/index.html
800名無しさんだよもん:2005/12/23(金) 23:33:00 ID:wVJLqZoS0
480KBで書き込めなくなるんだったっけ?
801名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 00:03:31 ID:wnCJaKkD0
>>800
512KBを超えたらダメらしい。
802名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 00:19:03 ID:6NuMeoUI0
>>801
dクス!
そんなにいけたのか〜
それじゃあもう少しいけるな。
803名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 03:33:58 ID:6NuMeoUI0
今日はあんまこないな〜
職人達からのクリスマスプレゼントは終わったのか?
804名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 10:06:00 ID:Rs+3j90H0
>790
続きが楽しみ。頑張って
805名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 10:53:56 ID:SvngWkRgO
家の風呂が壊れて棒の家の風呂を借りに来た春夏さん。
ちなみにこのみは狐の家に泊まり。旦那は出張。
 ̄\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<○√ さぁ、私の
 ‖  欲望を
<< 満たしてみろ
806790:2005/12/24(土) 12:35:45 ID:gmsw5EM40
We Are Not Alone、第二話と第三話です。
ttp://www.no-problem.org/mandana/sasara2.html
ttp://www.no-problem.org/mandana/sasara3.html

まーりゃん先輩難しい……。

>>804
ありがとうございます。頑張ってみます。
807名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 14:04:21 ID:oKsq5OUF0
>>806
まーりゃんはっちゃけすぎw
地方妖怪が出てくるとわなw
808名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 16:16:06 ID:Q+2ofsHr0
>>806
GJ!まーりゃん先輩それっぽいし。

で、ささらんもっとしゃべってくれー
809図書委員長:2005/12/24(土) 17:42:45 ID:bkH2I62Y0
やあ (´・ω・`)

ようこそ、僕たちの書庫へ。
この紅茶は愛佳君からのサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「やっと」なんだ。済まない。
作者の身の上にもいろいろあったことだしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
今回も続けていけるのか作者は不安がってるし。

でも、あの一連のSSを見たとき、君たちは、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
僕を月島拓也君ばりのヒールに仕立てて、愛佳君がファンからの嫌われ者の僕に
いいように陵辱される話も一つはあってもいいんじゃないか。そう思ってあの話が
作られたんだ。あらすじ…は長くなるのでとりあえず↓を読んでくれ。
http://th2ss.hp.infoseek.co.jp/12.html

じゃあ、続けてみようか。
810愛佳SS(鬼畜):2005/12/24(土) 17:51:02 ID:bkH2I62Y0
貴明と環にはこのまま欲望に流されるままに激しくまぐわってもらおうと思ったのである。
だが彼は、
「待てよ…このまま二人につながってもらうのも面白くない。その前に…これはどうかな」
 愛佳から貴明を引き離し、環を屈服させるためにはそれだけでは不十分だと思い直して
刹那に閃いた別の手段を用いることにした。彼は環を後ろから抱きすくめると制服のボタン
を外し、スカートをめくって下着の中に手を入れて敏感な部分を触った。
「あっ、触らないで…私、感じちゃ…ひっ、ひゃうう、ああ」
 嫌いな男に胸や秘部を触られて環は激しい嫌悪感に苛まれていたが、それよりも普段以上
に敏感になっている性感帯を刺激されて体を思うように動かせない。
「お、 お ま え と い う や つ は…タ マ 姉 を 放 せ !」
 同じように一物が立って、体が焼けるように熱くなっていた貴明は力を振り絞って立ち上
がり、図書委員長を攻撃しようとした。
「河野君、僕が憎いのかい?でもそれはお門違いだな。今の君の立場はもう愛佳君の恋人じゃ
ない。振られた惨めな奴さ。でもそれじゃかわいそうだから、ずっと君のことを想っていた
向坂さんとくっつけてあげようと思ったのに。そんな僕を攻撃するなら…」
「あ、そこだめ、ひいいっ」
 環は図書委員長の指にクリトリスを痛いほどつままれた。
「むしろ君たちは僕には感謝してもらわないと。ねえ向坂さん」
「ち、違うわ。私は……ひゃうっ」
 環が何か言いかけたが、今度は乳首をブラジャー越しに抓られ
て遮られた。確かに自分は幼いころからずっと貴明のことが好きだった。でも既に一度はできかかって
いた貴明と愛佳との恋人としての絆を無理矢理壊されてまで結ばれるのは環としても望むところではな
かった。これまで貴明と愛佳がそうしてきたようにデートしたり、一緒にお弁当を食べたり、共同作業
をしたりして愛情を育んで結ばれたかったのに。九条院から帰って来たら貴明には愛佳がいたから、自
分は潔く身を引いて気持ちの整理を付け、これからは姉として二人を暖かく見守っていこうと思ってい
たのに。
811愛佳SS(鬼畜):2005/12/24(土) 18:07:36 ID:bkH2I62Y0
「あっ、やめて、もう触らないで。あなたなんかに……」
「ふん、僕よりもタカ坊君にされるほうがいいのかい。でもそうはしてあげないよ……向坂さんのほうからお願いするまではね。『タカ坊とさせてください』って」
「い、いいかげんにして…ああっ、そんな、入れない、で…あああっ」
 図書委員長の指が環の入り口に入ってきた。しかも一度に人差し指と中指の二本も。そのまま中の濡れ具合を確かめるようにクチュックチュッとかき回される。空いた手はブラジャーをずり上げて、おっぱいを鷲掴みにして弄んでいる。
「くふうっ、あっ、あん、ああっ、あ…」
「ほら、もうタカ坊君に代わってもらったらどうかな?」
 図書委員長が環に囁く。環が彼に触られることを嫌がっていることなど先刻承知であるかのように。
「(こんな奴に屈するなんて、私のプライドが許さないわ。でもこのまま犯されるのも嫌よ…私はどうすればいいの?)」
 屈辱と恥辱のジレンマの中で苦しむ環。そんな中で悪魔のような男に体を弄ばれる不快な気持ちが風船のように環の心の中で膨れ上がり、それがパンと破裂したように環は叫んだ。
「あ……あなたは最低よ!小牧さんをタカ坊から横取りした上に私まで汚い手でこんな目に遭わせて!許さない。私は絶対にあなたを許さないわ!」
 そこで図書委員長の環の体をまさぐる手が止まり、環は開放された。まだ薬のもたらす体の火照りで思うように立てず、その場にへたり込んだ環。そして図書委員長は一言言った。
「言いたいことはそれだけかな?」
「………………………」
 彼の問いかけに環は失意体前屈の姿勢で俯いたまま黙って答えなかったが、やがて涙をポロポロこぼし、蚊の鳴くような声でポツリと言った。
「………た……………タカ坊と…させてください」
812愛佳SS(鬼畜)-3:2005/12/24(土) 18:44:52 ID:bkH2I62Y0
 図書委員長は黙って満足そうに頷くと、もう一度貴明の手を取ってズルズルと環の前に
引き寄せた。
「ほらタカ坊君、指名がかかったよ。向坂さんの期待に応えてあげなよ…おや」
 彼は貴明の下半身に目をやった。貴明はもうパンツの中で一物が爆発しそうなほど張り
詰めていたのが窮屈で、一物をパンツから出していたのだった。
「こんなに大きくして、よっぽど待ちきれなかったみたいだね。いいだろう」
 図書委員長は環を赤ちゃんにおしっこさせる格好で環を抱き抱え、入り口に貴明の亀頭
を宛がった。
 ズブブブブッ
「ひあああああっ」
 激しくいきり立つ肉棒にいきなり体を貫かれて悲鳴を上げる環。だがそれも一瞬のこと
で、やがてざわざわと膣の中から快感が込み上げてきた。
「あはっ、タカ坊のがお腹の奥に当たるよぉ(凄い、気持ち良くて何も考えられない…)」
 環の頭の中は真っ白になり、ヒイヒイ喘ぎながらただ貴明の肉棒で膣の中をぐちゃぐちゃ
にされる快感しか感じていなかった。それは貴明も同じで、
「うぐぐ、タマ姉、凄く締め付けて……ああ…」
 彼もまた環の膣壁の感触に酔って何も考えられないでいた。目の前でプルプル揺れる環の
おっぱいに貴明の手が伸びた。
「あっ、タカ坊やめて。おっぱい触らないで。んあっ、あっ、あああっ」
「で、でも…タマ姉のおっぱい柔かくて…凄い敏感だし…」
 貴明も環も意識がぶっ飛んだまま激しく腰を振りたてている。
「………………」
 そんな場面を彼らの傍らで見ていた愛佳がそっと図書委員長の側に寄ってきて、制服の袖を掴
んで哀願するような目で彼を見た。
「ん、どうしたんだい愛佳君。黙ってちゃ分からないから言ってごらん」
 愛佳はしばらく口篭もって、小さいけど図書委員長の耳にははっきり聞こえる声で言った。
「先輩…あたし、我慢できないんです。先輩のおちんちん…愛佳のおまんこに入れてください」
「いいよ。じゃあまずは勃たせてもらおうか」
 図書委員長はパイプ椅子に腰掛けて、ズボンから一物を取り出した。
「はい…これから先輩のおちんちんにご奉仕させていただきます」
 愛佳はそう言って図書委員長の一物にキスして、フェラチオを開始した。
813名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 18:58:02 ID:Hf+I2TyF0
さすがの図書委員長も連投規制には勝てないらしい。
814愛佳SS(鬼畜)-4:2005/12/24(土) 19:23:37 ID:bkH2I62Y0
 バタバタ……
 突然窓の外で足音が聞こえた。何事かと思って後ろを振り向いた図書委員長の目に
入ったのは、愛佳と同い年ほどのショートカットの少女の後ろ姿だった。彼女は職員
室のほうに向かって慌しく駆けていく。スカートがめくれて、チラリと紺色のブルマ
が見えた。
「(まずいな…これは誰かに見られたか)」
 図書委員長は苦い顔をして思案に暮れた挙句、胸のポケットから携帯を取り出し、
メールを打った。
「(本当は愛佳君や向坂さんが僕の言うことを聞き分けなかった時に彼らに動いても
らうつもりだったけど…まあ彼らなら何とかしてくれるだろう。嬉々として)」
 ちょうどそれと同じ頃、図書室で当番のためにカウンターに座っていた図書委員の
携帯電話がポケットの中でブルブルと震えた。「ごめん、ちょっと出てくるよ」と彼
はもう一人の当番に目配せして廊下に出て、携帯のディスプレイを見た。
「おや、委員長からメールか。小牧とかいう女子を調教してるところを誰かに見られ
たって?なら先公にチクられる前にやっちまわないとな。相手は女子だから遠慮しな
いでいいとも書いてあるし…ふん、ショートカットの2年生?そいつはたぶん小牧と一
緒にいる、長瀬に違えねえ」
815愛佳SS(鬼畜)-5:2005/12/24(土) 19:24:46 ID:bkH2I62Y0
 彼は図書室に戻ると、もう一人の当番に言った。
「おい、委員長から連絡だ。小牧をやってる現場を見られたんだと。で、捕まえて口
封じのためにやっちまってくれとのことだ。俺は職員室張り込んでるからお前は生徒
指導室のほう行ってくれ」
「よっしゃ。相手が小牧じゃないのが惜しいがいよいよ俺たちにもチャンスが回って
きたんだ。委員長のために頑張るぜ」
「おう、じゃあ体育倉庫で合流しよう」
 彼らは二手に分かれた。彼らは図書委員長の決定には何でも従うことで普段からい
い目を見せてもらっていた、言わば「茶坊主」である。当然今度のことでも書庫の本
の保存には賛成する立場を取り、その見返りに愛佳の陵辱を手伝わせてもらえること
になっていた。主に邪魔者を排除するための要員ということで。
「もし女の子に見つかったらその時は積極的に動いてくれ。やっちゃってもいいから」
 図書委員長は彼らにそう言っていた。いよいよそのチャンスが巡ってきたということ
で、茶坊主の図書委員は胸をときめかせつつ、獲物が来るのを待った。果たして獲物は
職員室にやって来た。教師に親友が上級生にひどい目に遭わされているのを密告するために。
816図書委員長:2005/12/24(土) 19:30:55 ID:bkH2I62Y0
やあ (´・ω・`)

とりあえず今回はここまでだ。
愛佳君からのサービスの紅茶、もう一杯飲んで落ち着いて欲しい。

うん、随分グダグダになってしまって済まない。
しばらく保管庫に引きこもってて、ひさしぶりにこっちにうpしたことだし。

作者は続きを書くのと並行して、これまでの話の再編集もしているところなんだ。
年明けぐらいから改訂版を自分の保管庫にうpしていく予定だからそっちのほうもよろしく頼む。
もし君たちがこの話を気に入ったなら応援して欲しいし、至らない点があれば遠慮なく言っ
てほしい。作者はそんなことで怒るような奴じゃないから。

じゃあ、感想を聞こうか。
817名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 19:54:50 ID:dzuiax1z0
surprise party
818名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 20:27:28 ID:siH9/c25O
バーボンハウスご苦労さま。
すまん、俺は鬼畜が苦手なんでスルーしちまった('A`)
だけど頑張ってくれ
819名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 20:31:23 ID:JJjPPa7lO
クリスマス凌辱('A`)
820名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 20:43:29 ID:6NuMeoUI0
>>816

だが、俺も鬼畜苦手なんでスルーしてしまった。
すまん('A`)
821名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 20:46:18 ID:+rQ5U9uf0
聖夜を盛り下げてくれてありが……と('A`) ?

……とっくに飽きたと思ってNGももう解除ってたのにナとか凌辱SSスレでも立てれとかそもそも巣があんなら報告だけでいいじゃんSSまで投下すんなとか。
ごめんね。読んだ感想じゃなくてごめんね
凌辱大嫌いですまんな作者の人
822名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 20:51:08 ID:HDDHF/0S0
なんとなくそんな気してたけどここは鬼畜・陵辱が駄目な人多いなw

>>817
爆笑したぞコノヤロウ
823名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 21:10:28 ID:fWucCXLZ0
ここ最近ずっとほのぼの系が多かったからな
結構ショックが大きいのかも
824名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 21:16:30 ID:rLpCcJBxO
同感
825名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 21:20:36 ID:TYndPp0q0
まあクリスマスSSの方に一つもレスがついてないあたりで察してくれるとありがたいんだがなw
826名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 21:24:03 ID:Hf+I2TyF0
予想どうりに酷評されてるな。 みんな、違うんだよ・・・マジにとるな。
この作品は「鬼畜物」ではなく「鬼畜ギャグ」なんだ!
俺なんか、後半に出てきた図書委員達に大爆笑したよw
なんで、こんな一昔前の不良みたいなのが図書委員やってるんだ?
自分で立候補したのか?とかさw
他にも探せば、緊迫した場面でも「図書委員長!」なんて呼ばれるとか、一杯。
前に「勝手に考えた図書委員長」なんて小ネタやるぐらいの図書委員長ファンの俺は
大満足でした。
これからも笑わせてください!
827名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 21:32:43 ID:TYndPp0q0
>>826
ギャグかどうかはともかく、シリアスにはなりようのない内容ってのは言う通りだと思うよ
でもな・・・んなこた関係なく、あちらさんの文章は読む気にならねーんだってw
擁護のつもりかもしれんが、辛い現実を突きつけるだけだからやめてやれw
828名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 21:42:17 ID:sZFvEg2XO
この流れなら言える!!








黒このみSSマダー?
829突発的に:2005/12/24(土) 21:48:05 ID:csUBmQi50
12/24
クリスマスイヴ。
っていうかイヴってなんだイヴって。クリスマスならわかるさ。キリストの降誕を祝う祭だろ?
その日にお祝い事をするならわかるんだ。
で、なんでイヴなんだ?
前日にやる意味がわからない。世間じゃイヴの方が盛り上がるみたいだし、何故?Why??
ってゆーかキリスト教徒でもないのになんでクリスマスを祝う必要があるんだよ?


…まぁクリスマスイヴに対する不満を一人、心の中で愚痴ってる俺はみっともないわな。
あーあー、そうですよ。共に過ごす相手がいなくて寂しいクリスマスを過ごす予定の向坂雄二とは俺のことですよ。

あん?環??環って誰だよ?…あぁ、姉貴か。
姉貴のやつは九条院のおっかけに連れられていったよ。クリスマスパーティなんだとよ。
俺もついていきたかったんだけどな、あえてアイアンクローを食らおうとは思わないわけよ。わかる?

このみ?
Hey Boy.家族水入らずの幸せぱーちーに乱入するほど俺は常識知らずじゃないわけよ?
そんじゃそこらのナンパ野郎とは違うわけ、OK?
830アホだな、俺orz:2005/12/24(土) 21:49:00 ID:csUBmQi50
あん?貴明?
アメリカだよ!アメリカ!!
愛しの久寿川先輩に会いにいったんだっつーの!!
今頃しっぽりよろしくやってるだろーよ!
ウェスティンセントフランシスだかいうホテルに泊まるんだとよ! 

ったく、なんで俺がわざわざこんなこと言わなきゃなんねーんだよ…
はぁ、泣けてくる…

で、あんたはどーなのよ?

俺みたいに寂しい苦しみマスか?
姉貴みたいに友達とパーティか?
このみみたいに家族とお食事か?
貴明みたいにらぶらぶデートか?

まぁ別にどうでもいいけどよ。
とりあえずここを覗けばおんなじようなヤツがいるんだってことがわかるわけで
同じ時間を共有しているヤツがいる…
それだけでちょっとは寂しさも薄れるよな。多分。

どんな過ごし方をしてるかはわかんねーけど、これだけは言わせてくれな?

Merry X'mas!!
831名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 22:16:54 ID:fWucCXLZ0
>>829-830
これ雄二っていうかおまいの心の中だろw
832名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 22:45:07 ID:H0ikkrat0
>>816
ごめん、スルーしてしまった。
鬼畜はまぁ大丈夫なんだが図書委員長ってだけで拒否反応が出て。
素直に脇役やっててください。
833名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:03:47 ID:SvngWkRgO

愛佳(えへっ…。ちょっと早く着いちゃったかな?)
ピンポーン…ピンポーーン…
愛佳(あれ?いないのかな?でも、明かりは付いてるし…。)
ピッピッピ……。トゥルルルル…トゥルルルル………
愛佳(電話にも出ない…?)
ピンポーン…。ピンポー…、ガチャリ…
愛佳「あっ!?ごめんね、早く来ちゃった…って、えっと?たしか…このみ、ちゃんだっけ。たかあき君の幼馴染みの…。」
このみ「小牧、先輩…ですよね。タカ君なら、今日はいませんよ…。急な、用事ができたとか…。先輩に伝えておいてほしいって…。」
愛佳「えっ!?そうなんですか…。わ、わかりました…。」
834名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:19:25 ID:SvngWkRgO
このみ「先輩が来たことはちゃんと伝えておきます。」
愛佳「…うん。よろしくね、このみちゃん。」
このみ「…はい。あっ、先輩!!」
愛佳「…はいっ?」
このみ「メリークリスマスです。」
愛佳「うん。メリークリスマス。それじゃあ…。」
ギィーー…。バタン…。
?「まっ、愛…佳…」
このみ「…タカ君。
勝手に動いちゃダメだよ…。」
グサッ!
このみ「えへ〜。タカ君、暖かいよ。
ねぇ、もっと…。
ねぇ、もっとぉぉおぉ!!!」
グサッ!グサッ!グサッ!
このみ「ふふっ…。タカ君、真っ赤だよ。このみとお揃いだね!」
貴明「………」
このみ「タカ君…。
メ リ ー ク リ ス マ ス 」

835名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:20:51 ID:SvngWkRgO
スマソ。一回で終わらすつもりが二回になったおorz
836名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:29:03 ID:WX3Oqw+N0
黒このみはもういいよ・・・
837名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:29:27 ID:JJjPPa7lO
黒キター('A`)


クリスマスなのにまったく明るくねーよ!ウワァァアン!ヽ( `Д´)ノ
838名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:47:45 ID:H0ikkrat0
今日はクリスマスイブなんだからもっと明るいテイストの作品を
もしくは萌える作品をプリーズ。
鬼畜だとかそっち系がいけないとは言わないがそればっかりは萎えます。
839名無しさんだよもん:2005/12/24(土) 23:59:52 ID:fWucCXLZ0
どう見ても>>828が元凶です
本当にありがとうございました
840名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 00:03:11 ID:+qUvZGJG0
「おかしいなー。ちっとも大きくならへん」
「食っちゃ寝食っちゃ寝しとるから、体力無くなるんや。情けなー」
「困りましたね……。まだ3回ずつしかしてませんのに」
「ちょっと姉さん、あたしまだ1回よっ!?」
「ミルファちゃんは毎日朝晩貴明さんと一緒に寝ているでしょう?」
「そ、それとこれとは話が…」
「……私もまだ2回……」
「な…! あたしだけ1回!?」
「なーなー。もう駄目なん?」
「仕方ないなー。このニンニクジュースを飲めば、貴明の体力もファイト一発や!」
「るー☆」

そんなメリークリスマス。
841名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 02:29:01 ID:CRt1PkI70
黒このみ好きなので、ありがとうございます。
「たかあきさん、おまたせ」
「うん」
「はいこれたかあきさんの。ジャガバタとウニのダブル」
「お、ささら、よくわかったね。俺が食べたいのがジャガバタとウニだって」
「ふふ、だって、私はたかあきさんの、か、カノジョなのよ。ポッ」

「……」
「……」
「……」

「こ、こっちは私の。ホワイトピーチといちごミルクのダブル」
「お、そっちも美味そうだな」
「でしょ。…えっと、は、はいたかあきさん、あ、あ〜ん」
「え、あ、うん、あーん。−−うん、美味しい」
「うふふ、あ、わ、私もたかあきさんの、食べてみたい…な」
「ああ、い、いいよ」
「あ〜ん。−−うん、おいしい」

「……」
「……」
「……」

「あ、たかあきさん。ほっぺにアイスがついてるわ」
「ん?」
「ほら、ここ。拭いてあげる」
 ふきふき。
「ん、ささら、ありがと」
「くすっ…ううん」
「……」
「……」
「……」

「ねえ、たかあきさん、明日は、その、どこに行くの?」
「んーそうだな。ささらはどこに行きたい?」
「うん、えっと……、す、水族館……」
「…ぷ、あはは、ささらはホントに水族館が好きだなあ」
「も、もぉ、……イジワル。
 ねぇ、やっぱりたかあきさんが決めてくれる? 私、たかあきさんと一緒ならどこでもいいから」

「……う」
「う?」
「う〜ら〜やましぃ〜な〜♪
 こ〜んちくしょ〜〜♪
 め、め、めめめ♪
 めり〜くりすまぁ〜す♪」
「……ユ、ユウ君?」
「くぅ〜〜〜っ!! あの幸せものめぇ〜〜〜っ!!」
「……ユウ君大丈夫?」
「このみ…今日くらいは言わせてあげましょう」
「タマお姉ちゃん…うん…」
「あの感動的な別れ!そしてクリスマスに再会!! ラブラブしやがって!うらやましすぎるぞ!!!
 そうか!これがクリスマスパワーなのか!!クリスマスパワーはなぜアイツだけを味方する!!!」
「あの時!あそこにいたのが俺だったら! 俺ならば! 
クリスマスパワーは俺のものだったのかもしれないのに!!
あのアイスは俺のものだったのかもしれないのに!!
あの髪も!あの唇も!!あのおっぱ…あだだだだだだだだだ!!割れる割れるぅぅ!!」
「雄二…ちょっと妄想しすぎっ」

「でも…タカ君たちホントに幸せそうだね」
「そうね…ささらがアメリカに行ってから、タカ坊のあんな顔見たのは久しぶりね…
…ホントささらがうらやましいわ」
「タマお姉ちゃん……」
「あら、このみ。今年のクリスマスは私も幸せよ。
だって、あんな寮に閉じ込められないで、このみと過ごせるんですもの」
「うん!えへ〜☆」

「つつ……あ、そういえば…」
「どうしたのユウ君?」
「何か忘れてないか?」
「何かって何よ?」
「いや、だから、いつもならもっと騒がしいというか、流れに逆らえないっていうか…」
「……」
「……」
「……」
「「「まーりゃん先輩!」」」
「あのまーりゃん先輩が現れないとは……これもクリスマスパワーなのか…」
「何ワケのわからないこと言ってるのよ」
「あ、いた」
「え」
「あそこ!あの看板のカゲに……なんかカメラを持ってるよ?」
「…またあの人は…」
「…やっぱりクリスマスパワーもまーりゃん先輩には勝てなかったか」
「ん〜、カメラ持って何してるのかな?」
「いやまぁ、なんとなく想像つくけどな…」
「そうね…」
「新学期が始まりゃ、その謎は解けるだろうから気にするな。このみ」
「そうなの?
…あ、タカ君たちも気付いたみたい…」
「ああ…遠くから見てると穏やかな時間の流れが慌しくなっていくのが、よく分かる…」
「あ、こっちにも気付いたみたいね」
「タカ君が手を振ってる。タマお姉ちゃん、ユウ君行こうよっ」
「ふふ、なんだか、こうやって生徒会全員が揃うのも久しぶりね」
「クリスマスパワーのおかげだな」
「あーはいはい。そうね。」
駄文失礼しました。
学生以来、ルールに従った半角英数字以外書いたことが無いので…
クリスマスに免じてお許しください。

おそらく、ささらのアイス屋はまだ出てなかったと思うので…
一時帰国したささらっていう設定です。
ホントはささらのアイスを、ナマコとカエルにしようかと思いましたが、さすがにやめました。
30分ほどでサッと書いたので、最後のオチとかヒドイです。はい。
まーりゃん先輩が一言も喋らないのは、私じゃあの人を表現するのはムリだからです。はい。
その他色々ツッコミがあると思いますが、すみません。もうこんなことはしません。

もし宜しければ、どなたかアイス屋ささらVerを書き直してください。
お願いします。

それでは皆さん、良いクリスマスを。
847名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 04:25:03 ID:ZY0qTChB0
>>838
禿胴。鬼畜や黒に対して拒否感ある人多いのにな

>>846
GJ!!!!!!!!!!

848名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 06:15:57 ID:OZ/DukZj0
ここまで純愛系やコメディ系以外への拒否感が強い奴ばかりなら、
いっそのこと鬼畜系、ブラック系は投稿禁止にしちまえば?
仮にも21歳以上の大人なんだから、本当なら読みたくなければ
スルーすりゃいいだけの話なんだが。
849名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 06:44:00 ID:EXcef4jR0
鬼畜とかブラックでも読みたい奴はいるから
読みたくなければスルーで
850名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 08:28:10 ID:qnlqYHenO
黒とか鬼畜とか言う以前に >>833-834 は、ありきたり過ぎな話な訳で……
851図書委員長:2005/12/25(日) 09:22:11 ID:KSCRU5FS0
やあ (´・ω・`)
ようこそ、僕たちの書庫へ。
例によって愛佳君サービスの紅茶を、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、反応は散々だったね。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、作者は何も言われないでおかしな方向に偏るのを嫌う奴だし、その意味でおか
しい点を指摘してくれたことについては君たちに感謝している。
正直エロを取ったら何も残らない話しか書けないヘタレ作家なりに日々少しずつでも
マシなものを残していきたい。彼はそう思ってるんだ。
さしあたって今後僕の話は彼の巣で続けていくことにしたし、どんな意見であれ忌憚
のない感想は彼は歓迎するからどうか暖かい目で見守ってやって欲しい。

じゃあ、現実と戦っていこうか。
852名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 09:45:57 ID:zQ8KH1t9O
あの時点で>>828の歪んだ欲望を満たしてやるのは俺しかいないとおもた。反省はしていない。
853名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 10:54:36 ID:dcmcOxvfO
ジャガバタとウニのダブル…





これってグロじゃねーんですか?(つД`)
854828:2005/12/25(日) 11:01:57 ID:dTrEvH8kO
>>852
わーいわーい
ありがとう^^
このみに逢いたくて逢いたくて逢いたくて逢いたくて仕方無かったんだ^^
しょうがなく黒このみCG見て過ごしてたんだけど、眠くなっちゃって…
やっと逢えた。ボク、うれしいよ!!メリー…クリスマス。

>>アイス屋さん
またアイス屋が見られるとは…GJ!!続編期待してます。
855名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 13:40:44 ID:GbRIYG290
>>846
GJ!
欲を言えばまーりゃん先輩の台詞も欲しかった
856名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 14:44:25 ID:Su6P+7im0
書いたのアイス屋じゃないだろ
857No Title(1/7):2005/12/25(日) 15:01:23 ID:wp225E2Z0
 商店街のあちこちにはクリスマスの飾り付けがされていて、店先には
「クリスマスセール!」とか書かれたのぼりが立っている。
当然、流れてくる音楽はジングルベルとかばかり。
「浮かれてるわねえ」
 そう呟きながら店を回る。
まったく、誰も彼もクリスマスクリスマス…クリスマスしか頭にないのかと。
親友の愛佳も、今年は妹の郁乃ちゃんが無事退院して家に戻ってきたから
家族で過ごしたいとか言って謝ってきた。
いや、別に謝らなくたっていいんだけどさ。
「ほんと、浮かれてる」
 雑貨店の店先のワゴンに安売りされているクラッカーを手に取る。
浮かれてるわよね…ほんっとに。

『由真は河野くんと一緒に過ごすんでしょ?』

 にこにこしながらあたしにそう言った愛佳の顔を思い出す。
にこにこというよりはむしろ「にやにや」だった気がする。
何も答えられないでいると「ごちそうさま〜」とか言って去っていったし。
表情だけで読み取られてしまったようだった。
858No Title(2/7):2005/12/25(日) 15:02:08 ID:wp225E2Z0
「〜〜っ」
 ああ、そうよ。今年はあいつと過ごす気満々なんだからっ。
浮かれてる?そう、浮かれてる。みんなこんな時だから浮かれている。
けど、多分…今一番浮かれているのはあたしなんじゃないか。
そう思えるほど浮かれていた。
 だからさっきの呟きはそれをごまかすためでしかなくて、ちょっと
気を抜くと顔がにやけてつい身もだえしそうなのだ。
そんなことしたら周囲から変な注目を浴びるのは必至なので、何とか
取り繕って抑えているんだけど。
「………」
 クラッカーをさらに4〜5個ほど掴み取って店の中に入っていくと、
店員さんの姿を探しながら呼びかけた。

「すみません、これくださ〜い」
859No Title(3/7):2005/12/25(日) 15:02:55 ID:wp225E2Z0
 ピンポーン。

「タカく〜ん」
 呼び鈴と同時にこのみの声が玄関から聞こえてきた。 
ドアを開けると、袋を持ったこのみとその後ろにタマ姉も立っていた。
「あら、まだ由真ちゃん来てないの?」
「1時の約束だから、もうすぐ来ると思うけど」
「そう。もし一緒にいるんだったらお邪魔かなと思ったんだけど」
「そ、そんなことないって」 
「あら、もしキスとかしている場面に『偶然』来ちゃったら困るでしょ?」
「そんな時に狙って来る気なのか…」
 タマ姉としては軽いジャブ程度のつもりなんだろうけど、どうも、その…
未だにそういう攻撃には免疫が弱い。
「ま、いいわ。それより私たちからのおすそわけ」
「おすそわけ?」
「シャンパンと、あと星とかの飾りだよ」
 そういえばシャンパンは買っておいたけど飾りつけはしていない。
そこまでしなくていいかなと思っていたから、せいぜい掃除くらいしか
してなかったのだ。
860No Title(4/7):2005/12/25(日) 15:03:34 ID:wp225E2Z0

「タカ坊、もしかして何もしてないの?」
「ん、ああ。部屋の片付けだけ」
「ダメダメ。女の子を、しかもクリスマスに家に呼ぼうっていう男が
飾り付けの一つもしてないんじゃ呆れられるわよ」
「タカくん、わかってないよ」
 わかってないらしい。
料理は由真が来てから一緒にする予定だったから材料は準備しているけど
手をつけていなかった。
で、後やることっていっても片づけくらいしか思いつかなかったのだ。
「まったく…まだまだ私達がいないとダメみたいね」
「それじゃ飾りつけを始めるであります!」
「ちょ、ま…」
「はいはい、つべこべ言わずにタカ坊も手伝う」
「隊長、作戦開始でありますよ〜」
 タマ姉とこのみにずるずる引きずられ、俺は居間の方に連れて行かれた。
861No Title(5/7):2005/12/25(日) 15:04:13 ID:wp225E2Z0
「うん、これでよしっと」
「見違えたね〜」
 居間は見事なまでにクリスマス仕様に早変わりとあいなった。
いつの間にやら小さいクリスマスツリー(イルミネーション付き)まで
窓際に置かれていたりして。
「さてと、それじゃ後はタカ坊に任せましょう」
「そうだね」
 ゴミを片付けると、二人は玄関に向かった。
俺もその後をついていく。
「がんばりなさいね。あとはタカ坊次第よ」
「それじゃね〜」
「ん…ありがと、二人とも」
 俺の言葉にこのみとタマ姉はうなずき返すと、「メリークリスマス!」の
言葉を贈って帰っていった。
それから居間に戻り、俺は辺りを一通り見回すと呟いた。

「ありがたいんだけど…片付けが大変そうだな」

 我ながらロマンもへったくれもない一言だった。
862No Title(6/7):2005/12/25(日) 15:06:46 ID:wp225E2Z0
「ちょっと遅くなっちゃったかな」
 買い物袋を提げて、たかあきの家への道を急ぐ。
結局、目に付いたものを色々と買い漁ってしまったので荷物が相当
増えてしまった。
さらに言うと…小遣いがちょっとピンチかも知れない。
「でも、ま…いっか」
 一年に一回しかないイベントなんだから、たまには奮発しないと。
買ったものを見ると、奮発する方向がちょっと間違っている気がしなくも
ないんだけど。
「ふう…やっと着いた」
 時間は1時を少し過ぎていた。
この後、二人で料理を作って、それからシャンパンで乾杯。
それから…それから。
(な…何を考えてるのよあたしはっ!?)
 頭をぶんぶん振って浮かんでしまった変な考えを打ち消す。
でも、顔はまだ真っ赤だと思う。
「深呼吸、深呼吸…」
 ちょっと緊張しながら呼び鈴を押す。
少しして、たかあきが廊下を歩いてくる音が聞こえてきた。
863No Title(7/7):2005/12/25(日) 15:08:09 ID:wp225E2Z0
「由真。悪いな、ここまで寒かったろ?」
「ん、そうでもないよ」
 たかあきのことを考えていたらあまり寒さも感じなかった…とか
言ったらどう反応するだろうか?
言ってみようかと思ったけど、あたしの方が恥ずかしい思いをしそう
だったから言うのはやめた。
「ほら、手が冷えてるぞ」
「あ…」
 たかあきの手があたしの冷たい手を包み込む。
あったかい。この寒さで冷えた身体が全身温まるような感覚だった。
「上がろうか。先に暖まってから料理しよう」
「うん」
 吐き出した白い息が空に向かって立ち上る。
ふと見上げると、白いものがゆっくりと降り始めていた。
これもお約束といえばお約束過ぎるけど…今日はクリスマス。
こういうお約束なら歓迎したい。
「由真…」
「たかあき――」


「「メリー・クリスマス――」」
864名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 15:10:19 ID:dcmcOxvfO
>>863
あったけぇ…あったけぇよ…。
GJ!
由真可愛いよ由真(;´∀`)
865857-863:2005/12/25(日) 15:11:07 ID:wp225E2Z0
勢いだけで書いてしまった。今は反省している。
そのせいかタイトルも浮かばなかった。

>>846
GJ!ささらかわいいよささら。
866名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 19:04:43 ID:t3qP+WLC0
>>865
いやいやいや、GJ!です。
由真、可愛かっただけで十分。
867名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 20:26:12 ID:YLD/y4GR0
>>846って前と別の人?
868名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 23:19:36 ID:Dd4TwskL0
>>865
GJであります。
この二人のクリスマスは楽しそう!
869雄二エンド:2005/12/25(日) 23:45:53 ID:X9rhWFco0
日曜洋画劇場も終わった。
もうすぐクリスマスは去り、明日には商店街の煌びやかなイルミネーションも外されて、
年末へと慌しくなっていくのだろう。
俺の隣には
一緒に、手を繋いでデートをしたり、笑いあったりする女の子ははいない。

―――もしも、
もしもあの時、あの場所でもっと積極的になっていたら、
俺の隣には、誰かがいたかもしれない。
後悔先に立たずとは言ったものだ。




「貴明ー晩飯できたぞー」
今では、私が彼の彼女。彼の名前はもちろん雄二。
なぜなら彼はどう見ても精子です 本当にありがとうございました。
870名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 02:45:38 ID:mqruLtNX0
>>869
う・・・うほっ?!
871名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 07:17:26 ID:MlNpsnGSO
>>869
ちょwwwwwwwww
872お留守番序章前編:2005/12/26(月) 08:03:38 ID:u4tmhelU0
気が付くと珊瑚ちゃんが出かける準備をしていた
「珊瑚ちゃん出かけるの?」
「ごめんな貴明。さっき長瀬のおっちゃんから電話があってん」
「すみません貴明さん私のレポートを来栖川の方々に発表しに行く事になってしまって・・・あ、大丈夫ですよ『今回の』レポートには昨晩のことは伏せておきますから」
あの〜『今回の』ってところがすっごい気になるのですが・・・
「じゃあ瑠璃ちゃんと貴明二人で仲良くお留守番しとってな♪」
そっか珊瑚ちゃんもイルファさんと一緒に研究所の方に行くんだねうんうんそれで俺と瑠璃ちゃんは二人で留守番をして・・・ん?
「「ふ、二人っきり〜!!」」
ついつい瑠璃ちゃんとハモってしまった
「さんちゃんウチもついてく〜すけべーな貴明と二人きりで居たら何されるかわからんもん」
「もう昨日いろいろしたやん。貴明も瑠璃ちゃんらぶらぶ〜なんやからなんも問題ないやんか」
珊瑚ちゃんのストレートな物言いに二の句が告げなくなる
「ちょっと待ってください!」
横からイルファさんの抗議が入ってきた
おぉ流石ですお願いですどうかこの娘の思考を改めさせてください
873お留守番序章後編:2005/12/26(月) 08:04:22 ID:u4tmhelU0
と思ったら俺の方に向き直り
「いいですか貴明さんあくまで瑠璃様は私のものなんです。ですから私の分もちゃんと残しておいてくださいよ」
「ウチ、イルファのものちゃうぅ〜!」
「え〜と残すってなにを?」
あぁ精神力を削られると分かっていながら思ったことがつい口からこぼれる
すると艶かしく身体をくねらせながら
「そんな恥ずかしいこと言えません」
いやいやいやすみませんもう思う存分言ってますから勘弁してください
「あ、そやおっちゃんとこ行くついでにみっちゃんとしっちゃんも迎えに行こうか」
「そうですね早くミルファたちにも早くこっちの生活に慣れてもらわないとですしそうしますか。あ、珊瑚様急がないとそろそろバスの時間ですよそれでは瑠璃様貴明さん行って参ります」
「そんじゃふたりともお土産楽しみに待っててな〜」
そんなやり取りをしながら珊瑚ちゃんとイルファさんは出かけていった
先に相手を行動不能にしてから自分の思うが侭に振舞って問答無用で進めていく高等話術
イルファさんは意図的にそう進めてた気がするけど珊瑚ちゃんは無自覚でやってた感じがする

兎も角こうして取り残された俺と瑠璃ちゃんは二人で留守番をすることになった
874お留守番序章あとがきというかチラシの裏:2005/12/26(月) 08:05:58 ID:u4tmhelU0
一応翌朝と繋がってたりしますが気にしなくても生きていけます
>>747さんの意見に触発されて懲りずに書き始めました
が、早く珊瑚ちゃんとイルファさんを追い出して瑠璃ちゃんと二人っきりにしたかったはずなのに追い出すのにここまで時間がかかりました二人とも勝手気ままに動き過ぎorz
875名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 10:40:10 ID:tKBI4qhM0
クリスマス過ぎたのにクリスマスネタで考えるのは果たしてアリなんでしょうか
876名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 10:45:47 ID:JrD7sc4q0
>>875
ええんちゃいますか
877名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 10:56:18 ID:C2F8UCIr0
まだ余韻は残ってますよ。
売れ残ったケーキが安売りされてたり、
外し忘れられた飾りが、少しだけ残ってたり。
878名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 11:28:11 ID:bUjz5sag0
うちなんかクリスマス前から餅が飾られているから
クリスマス気分を味わうのはここぐらいしかない
879名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 11:34:35 ID:vNXKanSA0
>>874
まだ片方だけではないけどこれから期待してます
880名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 12:36:30 ID:B+M47loC0
>>875
ちょっと遅れたクリスマス。
良いシチュエーションじゃないか?
881些細なすれ違い 大きな勘違い 7話ー1:2005/12/26(月) 13:27:35 ID:hcB7SI180
『ごめん、ささら。本当に申し訳ないけど、今回は協力できない…』
今にも泣き出しそうな顔で、環さんは私にこう言った。
恐らく話してくれないだろうと思いながら一応事情を聞いたら、意外な事にあっさり全部話してくれた。
貴明くんのことをずっと好きだったこと、昔告白して断られたこと、
その告白が、貴明くんを狂わせてしまったこと。全て、包み隠さずに教えてくれた。
『タカ坊には…自分がないの。自分の意見を押し殺して、人を立てる子なの。
お願いささら、タカ坊を救ってあげて。勝手なお願いだっていうのは分かってる。
でも、それは貴方にしか出来ないから…』
そういう環さんの表情は寂しげだった。きっと、今でも貴明さんのことが好きで、
貴明さんのことを自分で救いたいのだろう。しかし、同時にこうも思っているはずだ。
『自分のせいで壊れてしまったものを、自分の手で治すことなんて出来ないし、
そんな資格は自分は持っていない』
と。環さんにも、あんな弱い一面があるなんて。どこまでも強く、
孤独でも自分を貫ける人だと思っていた。いつもの環さんなら、
貴明さんを引っ張ってでも正しい道に修正させるだろう。
恋というものは、あの環さんですら弱くしてしまうらしい。
882些細なすれ違い 大きな勘違い 7話ー2:2005/12/26(月) 13:28:55 ID:hcB7SI180
「でも、困ったわ…」
環さんの協力が望めないとなると、誰の協力を得ればいいのだろう。
私が直接貴明さんの家に行ったとしても、居留守を使われるのが関の山だ。なら、どうすれば。
「…このみちゃん!」
確かこのみちゃんも貴明さんの家のスペアキーを持っていたはず。
それなら、このみちゃんの協力が得られれば、貴明さんに会えなくても、
私の思っていることを伝えることは出来る。
「む〜…」
しかし、彼女である私も持っていないスペアキーを、
このみちゃんや環さんが持っているというのはちょっとおかしいのではないか。
確かに私は今アメリカに住んでいるし、このみちゃんや環さんは
貴明さんのお母さんに後を任された人たちだ。でも…ちょっと嫉妬してしまう。
「いけない、嫉妬してる場合じゃなかった」
私は走り出す。少しでも早く、貴明さんに会いたいから。
上手く仲直りできたら、これまで言えなかったことも全部言おう。
きっと、貴明さんはあわてるだろう。あわてる貴明さんを想像して、ちょっと笑ってしまった。


「というわけなの、このみちゃん、協力してもらえないかしら?」
「むむ〜…タカくんったらまだそんなことを言ってるでありますか」
883些細なすれ違い 大きな勘違い 7話ー3:2005/12/26(月) 13:30:12 ID:hcB7SI180
突然家に来た久寿川先輩から聞いたところによると、タカくんはまだ自分の幸福を見よう
としていないみたい。そういう態度が、逆に久寿川先輩、タマお姉ちゃんを傷つけてると
思うんだけど…タカくんは、それに気付いてないのかな?
「分かりました、全面的に協力するでありますよ!」
「本当!?ありがとう、このみちゃん!」
でも、協力するって、具体的に何すればいいのかな…?
「ぐ、具体的にはどんなことをすればいいのかな?」
「えっと…そうね、貴明さんの様子を見てきてもらえるかしら?
環さんから聞いてはいるんだけど、私のこととかは何も聞いてないみたいだったから」
「了解であります!」
タマお姉ちゃんでも、そんな重大なことを忘れることがあるんだ…このみの責任は重大だね!
「では、さっそく行ってきますね。久寿川先輩はここで待っててください!」
「ええ…頼りにしてるわ、このみちゃん」
すがるような目でこのみを見る久寿川先輩。先輩に頼られるなんて…
ちょっと偉くなったみたいで嬉しいかも。これは、なんとしてもタカくんの
様子を事細かに久寿川先輩に伝えないと!

矢のように家を飛び出すと、すぐタカくんの家に着く。
一応チャイムを鳴らしてみるけど、反応は無い。
884些細なすれ違い 大きな勘違い 7話ー4:2005/12/26(月) 13:31:15 ID:hcB7SI180
「居留守なんて使ってもダメなんだからね!」
鍵を開けようとするが、ドアに鍵はかかってない。もう、タカくんったら無用心なんだから!
家に入ると、真っ直ぐにタカくんの部屋に向かう。
「タカくん、観念するであります!」
「このみ…?今、放っておいて欲しいんだけど」
「そうはいかないであります!久寿川先輩から、何があったか全部聞いたんだからね!」
「…ささら、このみにまで相談に行ったのか」
なんだか呆れた顔をしたタカくん。む〜、何でか分からないけど馬鹿にされた気分だよ。
「と、とにかく!タカくんのその態度が、久寿川先輩もタマお姉ちゃんも傷つけてるんだからね!
タカくんは、そんなのどうでもいい事だって言うの!?」
「…そんなつもりはない」
「じゃあ何で!?久寿川先輩、タカくんと会って話しがしたいって言ってた!
このみ、前も言ったよね?久寿川先輩は、ちゃんと謝って許してくれない人なのかって。
タカくん、違うって言ってた。なら、何で謝らないの!」
いつもより強気なこのみを見て、タカくんは少し怯んだみたいだった。
本当のことを言えば、これぐらいじゃ言い足りない。もっと言いたいことがある。
でも、これ以上言っても逆効果にしかならないと思ったから、これぐらいにしておいた。
885些細なすれ違い 大きな勘違い 7話ー5:2005/12/26(月) 13:32:19 ID:hcB7SI180
「…正しいのは、このみの意見だって分かってる。でも…」
「でも、何?」
「もし、もしささらと別れることになったら?ささらと口喧嘩になったりして、
俺がささらを傷つけるようなことを言ってしまったら?俺は、ささらを傷つけるのが、怖い。
今の俺は、ささらを傷つけるようなことを、平気で言ってしまうかもしれない。
今回だけは、タマ姉の言うこともこのみの言うことも聞けない。たとえ雄二や春夏さんが来ても、ささらには会えないんだ。ごめん…」
「タカくん…」
タカくんにそこまで言われて、無理やり久寿川先輩に会わせるわけにもいかない。
とりあえず、久寿川先輩に今のことを報告しよう。


「そう、貴明さんがそんなことを…」
「そうなんです。タカくん、自分が間違ってるの分かったらすぐ謝る人なんだけど…」
私と貴明さんが似ている、というママの言葉を思い出す。貴明さんは、他人の心の痛みを
自分の物のように受け止めてしまう。きっと、環さんのことで、自分を出すと人を傷つけてしまう
と思ったのだろう。だから、人に優しくて、自分が無い。悪く言えば、
自分に嘘をつき続けて、浅い関係に逃げている。誰からも嫌われたくない、
それが貴明さんの本心なのだろう。
886些細なすれ違い 大きな勘違い 7話ー6:2005/12/26(月) 13:33:07 ID:hcB7SI180
私も、同じ。ただ、私は最初から人と付き合うことを拒絶していた。
付き合った後で、人を傷つけるのは嫌だから。なら、最初から付き合わなければいいと思った。
根本は、私と同じ。とても、寂しがり屋。
「分かった。このみちゃん、貴明さんの家のスペアキー、貸してくれる?」
「え?でも…」
「貴明さんと話をしてくる」
こんなことで諦めたら、一生幸せになんてなれない。貴明さんは、何度も私を救ってくれた。
今度は、私が貴明さんを救う番。
「はい、これです」
「ありがとう」
「あの!…頑張って、ください」
「ええ。必ず、貴明さんを取り戻して見せるわ」
私の顔を見て、このみちゃんは安心したようだった。
今、私は自信ある表情をしているのだろう。貴明さんと会ったときに、
それが保てるように。私は、このみちゃんの部屋を後にした。
887些細なすれ違い 大きな勘違い 作者:2005/12/26(月) 13:37:46 ID:hcB7SI180
7話です。いかがだったでしょうか。
だんだんささらが言ってる事がマンネリ化してますね(汗
最初から強く、ではなく迷って迷って誰かに押されて成長、という形にしたほうが
良かったのかもしれません。

今回は、批評してくださった方の意見を参考に、―○○視点―というものを入れていません。
それでも、誰の視点で見ているのかは、多分分かっていただけたと思います。
ただ、このみの一人称がとてつもなく難しかったです。自分の作風にはあっていないかもw

次回で最終話!と思っていたのですが、何かまとまりきらなさそうなのでもう少し分量が増えそうです。
次回は、貴明最大のヘタレを見せられたらなぁと思っています。

ささらシナリオの幼児退行ばっかりやってたら、ささらの元の話し方が分からなくなってきた…w
888名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 13:41:55 ID:tI3d6E4K0
GJ!!
889名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 17:18:29 ID:fMefZWie0
すばらしい。頑張って下さい!
890名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 17:56:19 ID:MSp9Bj/m0
ダレテキタ
891名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 18:51:52 ID:cp4S23aV0
>>887
GJ!!!!タカ坊殴りたいよw



それはそうと今日は月曜だよな?
892名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 18:52:41 ID:DD3a3GR80
ところでマナハの人はどうなったんかな?
893河野家にようこそ の作者:2005/12/26(月) 20:51:01 ID:EhY9yyVu0
毎度です。河野家です。
こちらのスレが容量を超えたので、次スレたてました。
河野家の38話を投稿しましたので、よろしくです。

ToHeart2 SS専用スレ 11
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1135597178/
894名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 21:32:11 ID:Uzm5QdUL0
>>893
乙ね、本当に乙だわ。
895時事ネタ1:2005/12/26(月) 22:28:17 ID:oggaKViP0
ある日の放課後、貴明は雄二とこのみの三人で駅前を歩いていた。
突然このみがあるビルを指差す。
「あれ?あのホテルってこの前出来たばかりだよね、もう壊しちゃうんだ」
見ると数ヶ月前に建てられたばかりのホテルが、早くも無残な姿を晒していた。
「あぁ・・・ あのホテルな、偽装設計と手抜き工事でかなりヤバいらしい。ちょっとした地震でも倒壊の恐れありだってさ」
「このみはニュースとか新聞を見ていないのか?あちこちで大問題になってるぞ」
さすがにこのみも「ムッ」ときたらしい。
「見てるよ〜」と明らかに不機嫌な答えが返ってきた。
ま、その程度の話題ぐらいは知っていてあたりまえか。

二人で盛り上がっていると、今まで黙っていた雄二が口を開いた。
「笑い事じゃねぇぜ、親父曰くあのホテルのオーナーはウチの親戚なんだ」
「なんでもカリスマとかいう野郎に騙されたらしい。資産の大半が借金の抵当になっているんだとよ」
被害者が親戚とはいえ、かなり腹を立てているようだ。
「それによ・・・・」
声を荒げていた雄二が急に元気なくつぶやいた。見ると顔色が悪い。
「どうした、まさかお前のとこも!」
896名無しさんだよもん:2005/12/26(月) 22:44:44 ID:Nrr2cal6O
>>895
なんだよ!寸止めすな!!!
897時事ネタ2
「ちげーよ、俺、アレを見ていると・・・」
さらに顔色が悪くして、解体中のホテルを指差す。
巨大な鋏がコンクリートを砕き、鉄筋と鉄骨を器用に切り裂いていた。
「アレの事か」
「そうだ・・・、姉貴のアレだ。本当にコンクリートぐらい握り潰しそうだぜ」
トラウマになっているんだな。

その時、貴明は背筋が凍るような殺気を覚えた。
後ろには閻魔すらビビりそうな顔をしたタマ姉が仁王立ちしていたのだ。
「ゆ・う・じ」
「誰がコンクリートを握り潰すのかしら・・・」
すかさず、お得意のアイアンクローが雄二を襲う。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ・・・ 割れる!割れる!割れる〜ぅ!」
貴明は反射的ににこのみの腕をつかんで走り出した。
「ちょっと!タカくん」
「いいからこい!とにかくあそこにいては危険だ」
「う、うん」
親友を見捨て良心が痛んだが、構って入られなかった。

翌日、学校で雄二の入院が伝えられた。
遊んでいて怪我(頭蓋骨骨折)をしたとの名目である。
貴明は心の中で親友に詫びた。

「雄二、すまねぇ。見舞いには例の食玩を持って行ってやるからな」


アホSS失礼しました