CLANNAD -クラナド- 総合 Part142
「おばちゃんね、ドラえもんの物真似ができるんだよ。」
「本当に?やってみせてよ!」
少年は初めて小さな笑顔を見せてくれた。
「・・・・・ノビ太くん、ジャイアンなんかに負けるな!僕がついてるよ・・!」
ふと見ると、少年の顔がうっすら雲っている。「おばちゃん・・・」
「ドラえもんの声は、そんな変なガラガラ声じゃないよ。全然にてないじゃないか。うそつき!」
砂山をぐしゃりと潰し、走り去っていく少年。のぶ代は何もいえなかった。
あたりは暗くなり始めていた。
「・・・・・・・・・・僕、ドラえもん・・・・・・」
今夜はぶり大根にしよう。旦那と一杯呑みながら。
その夜少年は自殺したことを、後のぶ代は知ることになる。