107 :
鍵姫:
「うぐぅ」
気がつくと病院のベットにいた。
長い間眠っていたせいか気分が悪い。こんな日はたいやきでも食べてゆっくりしてよう。
ところでこの黒い線は…、
と、そんなことを考えているうちに、
「あゆ、回復おめでとう」
祐一くんとお友達がお見舞いにきてくれたみたいだ。
「ほらよ、あゆの大好物のたいやき」
「ありがとふ。ふふひひふん(祐一くん)」
「あ、あゆ。食べるか話すかどっちかにしてくれ…」
………、……、…、
ところで、何か忘れている気がする…。
そうだ、さっきから気になることがあったんだ。
「祐一くん、ひとつ、ボクと一緒に考えてくれないかな?」
「たいやきのおかわりの話ならお断りだ」
「うぐぅ、それも思ったけど違うよ。
どうして、こんなに病院中、ラクガキだらけなのかな?って」
「ハッ?そんなものどこにもないぞ?」
「えぇ!?ホラこことか、アレ?」
指で黒い線を押してみると、線は沈んだ。
「何コレ?面白〜い」
もっと細いものなら線の奥まで届きそうだ。試しに近くにあったハサミでなぞってみよう。
………、……、…、
「ひゃあぁぁ!?」
なんとなぞったところでベットが真っ二つになってしまった!