「……」
二人きりでキスをするのは初めてだった。
包み込まれるような、柔らかくて暖かいキス。
「…う…んぅ…」
一瞬、タマ姉の身体から力が抜けるのがわかった。
「涙、拭くからちょっと待ってね。」
タマ姉の手は、僕の手をしっかり握っている。
「大丈夫。僕はもう逃げないから。」
タマ姉はフフッと笑って顔を近づけた
「信じてるわ。死ぬまで離さないから覚悟しなさいよ。」
僕も言葉を返した。10年前から言いたかった言葉を
「もう二度と、勝手にいなくなるなよ。」
「…うん。」
えっ?
てっきり、パンチの一つでも入れられると思ったのに…
「驚いた?まだまだ甘いわねぇ」
いつものタマ姉だ。だが…
「強がる前に涙拭けよ、タマ姉。」
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埋めるために書いた
携帯からで失礼