ToHeart2 SS専用スレ

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695名無しさんだよもん
>>694
濃いエロスキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
TOEICは捨てるな。でも無理に詰め込んでもしゃあないから、
ホットミルクでもミルファに入れてもらって飲んで寝てください。
お疲れ様。頑張って!
696名無しさんだよもん:05/01/23 00:20:51 ID:0YZvkvCh
おもろかった
だがトーイック捨てるなYO!
697名無しさんだよもん:05/01/23 00:36:26 ID:pH8auK62
>>694

激しくGJ! エロエロデスヨ―
試験はやってみなけりゃ分からない。
気休めにしかならないがガンガレ−!!
698名無しさんだよもん:05/01/23 01:43:28 ID:T15hb3he
ちょっとスレ汚しに来た
699消える光:05/01/23 01:45:17 ID:T15hb3he
「あ〜、突然な話なんだが、今日で小牧は転校することになった」
え〜、と教室にブーイングが走る。
「まぁ、家庭の事情だそうだ。小牧」
「はい・・・」
先生に促されて、愛佳が壇上に上がる。
幾度と見てきた光景。だけど、いつもとは違う。
「今までお世話になりました、今日まで本当にありがとうございました。」
簡単にあいさつをする愛佳。そんな彼女を、俺は見ることができなかった。
「おい、貴明!どういうことなんだよ・・・」
雄二が納得いかんと言わんばかりに聞いてくる。
俺が知るかよ・・・。放っておいてくれよ。
「それじゃあみなさん、お元気でっ・・・」
言い終わると同時に拍手の雨が降る。
「委員長ばんざーい!!」
「元気でね〜〜!」
「俺達のこと忘れないでくれよな〜!」
俺は、みんなと同じようには拍手はできなかった。
700消える光:05/01/23 01:46:28 ID:T15hb3he
「わかれ・・・る・・・?」
愛佳はうつむいたままで、返事は無かった。
「なんで!俺のこと嫌いになったの!?」
「ち・・・がうよ・・・!」
ちがうなら・・・、ちがうならなんで!
言葉にならない思いが、俺の中で弾ける。
なんで!なんでなんでなんでなんで!?
転校するだけでどうして別れなきゃいけないんだよっ!
「遠距離じゃっ・・・駄目なのか・・・?」
しかし、その問いにも愛佳は答えてくれない。
どうすればっ、どうすればいいんだよ!
別れたくない!そんな想いだけが頭の中をぐるぐる回っていた。
「・・・じゃあ、俺もついて・・・」
「だめだよ!」
愛佳の悲鳴にも似た叫びに、俺は驚いた。
「それだけはだめ・・・!絶対にだめだから・・・」
「どうして・・・」

「お願い・・・わたしのこと、忘れてっ・・・」
「そんなこと・・・」
「お願いだから・・・たかあきくん・・・」
愛佳はそれで幸せなのか?別れた方がいいのか・・・?
「一ヶ月間、ありがと・・・。とても楽しかった。そして、いっぱい迷惑かけて、ごめん・・・なさい」
「そんな・・・」

その時、下校時刻を知らせる放送がながれ、俺の言葉をかき消した。
「じゃあ・・・もう帰らなきゃ・・・」
「・・・・・・・・・」
701消える光:05/01/23 01:47:34 ID:T15hb3he
その日一日中、俺は授業にも会話にも集中出来なかった。
胸に穴が空いたみたいだった。
愛佳がどれだけ俺にとって大切だったのか、ようやく分かった。
「ひっどい顔してるわね」
うるさいな、放っておいてくれよ・・・。
そう思って顔を上げたそこには、由真がいた。
「・・・なんだよ」
「話があるの、ついて来て」
由真はいつもとは違って、真剣な表情で俺を見ていた。
「何の話だよ?」
「愛佳の話よ」
「いいよ・・・もう」
もう愛佳は行っちまったんだよ。今はもう、考えたくないんだ。
そう思ってると
ガツン!
「痛ってーな、何するんだよ!」
突然グーで殴られた。
「ついて来いっていっただろ!さっさと来る!」
クソッ、なんなんだよ・・・。
俺はしぶしぶ由真について行った。
702消える光:05/01/23 01:48:36 ID:T15hb3he
屋上。俺と愛佳が別れた場所。・・・なんでここなんだよ。
「で、何の用だ?」
ベンチに座り、俺は由真に尋ねた。
「そっちょくに言うわ。あんた、愛佳のこと本当に好き?」
「はぁ?」
なんで今更そんなこと聞くんだか。
「・・・もう、別れたよ。」
「そんなこと聞いてない。好きかってきいてんの!」
「好きだったよ・・・」
「だった?今はどーなの?」
今?今のこと考えたってどうしようもないだろ、愛佳は行っちまったんだから。
「話はそれだけか?だったらもう帰るから」
「質問に答えろっ!」
「なんでそんなことお前に言わなきゃならねぇんだよっ!?」
しまった、言い過ぎたか。
荒くなってしまった俺の言葉に、由真は驚いていた。
「・・・じゃあ、俺帰るから・・・」
今日はだめだ。愛佳のことが整理できてないのか、人に当たっちまってる。
俺は扉に手をかけた。
703消える光:05/01/23 01:49:24 ID:T15hb3he
「あ〜あ、いるよねこういうやつ。」
扉を開きかけたとき、由真はわざとらしく大声で言い出した。
「相手の言葉を受け入れるのが優しさだ、とか思って変に潔いやつ。
 ちょっと逆らっても駄目だと分かったら諦めちゃうやつ。
 相手の気持ちや事情も考えないで、自分だけ不幸ヅラしてるやつ。
 あたし、そういうの、突き飛ばしたくなるくらい、大っきらいっ!」
言いたいこと言いやがって・・・。
「他に何か出来るのか?出来ることなんてないだろうが」
そうだ、俺にはもう出来ることなんてないんだよ。
「好きなんでしょ?まだ・・・」
「好きでも・・・どうしようもないだろ」
「あんたさ、愛佳に何て理由を聞いたの・・・?」
「両親の転勤だろ。それがなんだよ」
「はぁ?両親が転勤?何それ?」
由真のやつ、何言ってるんだ?愛佳は転勤って言ったんだぞ。
「愛佳は・・・そう言った」
「ふうん・・・。でもそれ、違うわよ」
「え?」
どういうことだ?他に理由があるのか?
「あんたに心配かけたくなかったんでしょうね。
 愛佳、ほんとにあんたのこと好きだったから」
「どういうことだよ・・・」
「いい?よ〜く聞いてなさいよ。愛佳の転校の本当の理由は・・・」
704名無しさんだよもん:05/01/23 01:50:17 ID:NRriY932
花梨タンのエロまだ〜?
705消える光:05/01/23 01:50:48 ID:T15hb3he
次の日ちょうど土曜日だったので、学校が終わると俺は病院に向かった。


「愛佳の転校の本当の理由は、愛佳の妹のため、なのよ」


あの後由真はそう言った。

「昨日電話があったの。で、そのとき聞いたのよ。ついでにあんたのことも」
「・・・俺のこと?」
「うん、また嘘ついちゃった、って言ってた」
「そう・・・か」

結局細かいことは分からなかった。
郁乃は前に手術をしたはずだ。だが、由真は『妹のため』と言っていた。
どういうことなんだ?
考えてもしかたないよな・・・。
とりあえず、俺は郁乃のいる病院にやってきた。
少しでも、愛佳との関係を直せるかも知れないから・・・。
706消える光:05/01/23 01:51:42 ID:T15hb3he
コンコン
二回ほどノックした後、俺は郁乃の病室にはいる。
だが俺は、目の前の光景を疑った。
「だれ・・・?」
「お前・・・どうしたんだよ・・・」
そこには、目を包帯で覆った郁乃の姿があった。
「ああ、たかあき。来たの。」
郁乃は俺の方をちらっと見た後、また窓の外に顔を向けた。
「それ、どうしたんだ?」
「神様が与えた新しいハードルよ。それとも、もう見放されたかな」
何を言ってるんだ?また悪ふざけか?
「ふざけてるのか?」
そう言うと、郁乃はふぅとため息をつく。
「別にふざけてない、そのままの意味よ」
「そのままって・・・」
そこまで言ってようやく気づいた。
「・・・病気、悪化したのか?」
郁乃は返事をしなかった。
「あたしのせいで姉を失うのに、心配なんてするんだ」
「なんでお前のせいで愛佳を失うんだ?」
そう聞くと、郁乃は俺の方に顔を向けて笑う。
「聞いてないんだ。飽きられちゃったんだ」
「お前っ!ほんとにふざけて・・・」
俺が近寄ったその時
「すまないが、面会はこれまでにしてくれないかな」
回診の先生か何かが入ってきたのだろう。俺は退出を強制させられた。
「ばいば〜い。゛おにいちゃん"」
707消える光:05/01/23 01:53:05 ID:T15hb3he
「すいませんっ。あいつ・・・郁乃の奴どうしたんですか?」
俺は、今しがた出てきた先生を捕まえて尋ねた。
「君は・・・誰だね?」
「えっと、その・・・親戚です」
親戚はまずかったか・・・と思いつつ反応を待っていると
「彼女は、今度別の病院に移ることになったんだ」
嘘をついてしまったがこの際構ってられない。
俺は話を聞きつづけた。
「この前手術しましたよね?」
「ああ、だがその後がね・・・」
「その後・・・?」
「視力の方は回復に向かっていたんだよ。だが彼女の場合、身体も弱いだろう。
 視力の回復に身体が伴わなかったのだよ・・・」
「・・・・・・」
「それで今回、地方の病院で治療をすることになったんだよ」
「そう・・・ですか」
「それでは、失礼」
そう言って、先生はこの場を去った。
あいつ・・・だからあんなこと言ったのか。

その日、俺は大人しく帰ることにした。
708名無しさんだよもん:05/01/23 01:54:23 ID:T15hb3he
いじょです。なんかよくわからん話に・・・(゚Д゚;)
>>704
おまいさんが書いてくれYO(・∀・)
709名無しさんだよもん:05/01/23 01:58:04 ID:yLeXRjLg
>>708乙。
「貴明のヘタレ〜。バッド行ってやんの、プッw」
って感じの内容ですな。
こんなのも悪くないかも。
710名無しさんだよもん:05/01/23 01:58:46 ID:lUJHYxvG
>>708
GJ!イイですね。
これからの展開が凄く気になりましたよ。

>>704
絶妙な間で書き込んだなぁ。
711名無しさんだよもん:05/01/23 03:58:00 ID:tuRaf756
>>690
遅ればせながら、お疲れ様〜。そしててGJ!

いよいよ佳境ですねぇ。続き期待してます(´∀`)

>>694
ミルファエロ最高に萌えますた(*´Д`)
イイ仕事してますなぁ〜。これからもガンガレ!!
712名無しさんだよもん:05/01/23 05:58:33 ID:k5ls2XaQ
このスレ大好き

お前等全員GJだァ!!!!
713名無しさんだよもん:05/01/23 07:06:29 ID:eUv5mO/l
イルファはエロイ。
さすが愛と欲望のメイドロボと自称するだけのことはある!
言いたいことはそれだけじゃない。


>>640は ネ申 
714名無しさんだよもん:05/01/23 07:48:03 ID:JC7K0Szv
うむ、ほとほと淫乱だないっちゃんは。
7151/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:29:02 ID:rHQ4w0sk
 そして無事平穏な日々はあっという間に過ぎ去っていく。そして幸せな日々というのはほんの数日でもま
るでそれまでずっとそうだったかのように心に刻まれていくものだ。
 例えばそれは眠る俺を揺するそのリズムだったり、
 例えばそれは手を繋いで歩くその暖かさだったり、
 例えばそれは学校で誰にも気づかれないように交わされる目配せだったり、
 例えばそれは眠る前の挨拶だったりした。
 だからいつの間にかリオンさんがこれまでずっと傍にいたような気になっていたし、これからもずっと傍にい
るような気になっていた。
 リオンさんの作る味噌汁は、データベースのレシピどおりに作られただけかも知れないけど、それでもその
味を忘れられそうにはなかったし、部屋の隅々まで掃除の行き届いていない生活なんてもう考えられない。
テレビを見ていれば、差し出されるはずのお茶に手が伸びるし、眠る前に柔らかい声を聞かなければ、安ら
かな睡眠はやってきそうにない。
 だから――
7162/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:30:00 ID:rHQ4w0sk
「貴明様、起きてくださいー」
 ゆさゆさ。ゆさゆさ。
 もう少しこのリズムを味わっていてもいいじゃないか。
「ホントに遅刻しちゃいますよー」
 ゆさゆさ。ゆさゆさ。
「んもう、起きないとちゅ〜しちゃいますよー」
 ゆさゆさ。ゆさゆさ。
 ゆさゆさ。ゆさゆさ。
 ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさ――。
「…………」
 心地よいリズムが止まる。
「ホントにしちゃいますよ……」
 ぎしり、と手を置かれたベッドが音を立てた。徐々に近づいてくるその気配。吐息を鼻先に感じて――
 ピシリ! と、おでこに軽い痛みが走った。びっくりして目を開けると、リオンさんが悪戯っ子のような笑みを
浮かべている。
「貴明様、息を止めたらバレバレですよ」
 ピシリと、もう一回でこピン。
「さあ、早く起きてください。朝ですよー」
7173/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:31:00 ID:rHQ4w0sk
「リオンさん、明日までなんだね〜」
「はい、残念ですが」
 3人で歩くのもあと2回でおしまいだ。リオンがいても以前と変わりなく思えたこの通学路は、リオンがいな
くなったらどう見えるのだろうか? この暑くてたまらない日差しは酷くなるのか、マシになるのか。それとも
なにも変わらないのか――。
「タカくん、寂しくなっちゃうね」
「そうだな」
「お別れのとき、タカくん、泣いちゃダメだよ」
「そうだな」
「タカくん、このみの話聞いてないでしょ」
「そうだな」
「も〜〜、えいっ!」
 ぐえっ! いきなり首が絞まる。やばい、このみ、いきなり全開は無しだ。
「ぎぶぎぶぎぶっ!」
「も〜〜、タカくんが話を聞かないのがわるいんだよ」
「分かった分かった、悪かったよ」
 リオンがじぃーとこちらを見つめている。なんかイヤな予感。
「貴明様、私もやっていいですか?」
「却下」
7184/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:32:00 ID:rHQ4w0sk
 放課後になると、リオンさんのお別れ会の開催が決定していた。仕切っているのは当然というか、何故か
というか雄二だ。どこに行くかは結構迷ったらしいが、結局ボウリングで落ち着いた。まあこの人数でカラオ
ケいっても収拾つかんしな。
 クラスメイトの大半がぞろぞろと集まって、駅前のアミューズメント施設に押しかける。
 道中、俺のとこに寄ってこようとするリオンさんと、それを連れ戻して質問攻めにするクラスメイトたち。
「まあ今日くらいはみんなにもリオンさんを分けてやれ」
 ぽんと雄二に肩を叩かれる。質問の大半は俺との関係に終始する。始めは河野さんだったのが、途中か
ら貴明様に変わったわけだから、そりゃ聞きたいだろう。俺だって野次馬だったら聞きたくなること請け合い
だ。だからといってそれが慰めになるわけでもない。
「貴明様ぁ〜、これ答えちゃっていいんですか〜」
 密集するクラスメイトの中からぴょんぴょんとリオンさんが飛び上がってるのがなんとか確認できる。
 あーあー、俺に振るな。頼むから。
 だがもう遅い。仮想のマイクを俺に突きつけるクラスメイトたち。
「――お二人の馴れ初めは?」
「――最初のデートはどこだったんですか?」
「――リオンさんはみんなのアイドルだったのにこのヤロウ」
「あー、ノーコメント、ノーコメント」
 仮想のテレビカメラを手で隠してやる。
「この通り、河野貴明氏は全面的に取材を拒否しております。以上現場からTNNの東でした。スタジオにお
返しします」
7195/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:33:00 ID:rHQ4w0sk
 ボウリング個人戦は、というとリオンさんの一人勝ちとなった。そういえば珊瑚ちゃん、瑠璃ちゃんと一緒に
やったゲームの時にも思ったが、意外と勝負事にはこだわるほうだよな。絶対に手を抜かないというか。
 華麗なフォームから投げ出される玉がピンをなぎ倒していく。
「やった、またストライクですよ。貴明様ー!」
 あー、どうでもいいが、スカート丈には気をつけたまえ。男子どもがリオンさんの投球となるとかじりついて
きてるから。
「リオンさ〜ん、投げ方教えてよ〜」
 女子に呼ばれてパタパタと走っていく。動きを教えてみたり、玉の重さに助言をしてみたり、色々と走り
回っている。実に微笑ましい光景だ。
「覚悟はできてるのか?」
 どっかと横に腰を下ろした雄二が言う。
「覚悟してりゃ別れがどっかに逃げて行ってくれるのか?」
「それを覚悟、っちゅうんだよ。いや、わりぃな。余計なこと聞いちまったようだ」
 そう言ってからリオンさんを囲む輪に飛び込んでいく。
「リオンさ〜ん、俺にも投球フォーム教えてくれー」
7206/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:34:00 ID:rHQ4w0sk
「楽しかったです〜」
 みんなと別れた後、本当に嬉しそうにリオンさんは言う。そんなリオンさんの肩に手を置いて雄二がニヤリ
と笑う。
「まだ終わりじゃないぜ。リオンさん」
 え? そうなの?
 雄二に案内されるままにたどり着いたのは、……我が家ではないですか。
「おかえり〜、リオンさん、タカくん、ユウくん」
 中から出迎えてくれたのはこのみだった。そうか、そういや合鍵持ってたな。リビングに行くと、タマ姉が
キッチンを使っていた。
「あわわ、向坂さん、料理なら私がー」
「ダメダメ、今日はあなたが主賓なんだから、もてなされておきなさい」
「あうー、分かりましたー」
 とは言ってもリオンさんはなにも食べられないから、リオンさんをもてなすものは、俺の昔話に終始した。
 楽しい思い出、つまらない思い出、恥ずかしい思い出、俺自身が忘れてしまっていたような思い出まで、
そばで聞いているのが照れくさくなるような色んな思い出話。それをとても興味深そうにリオンさんは聞いて
いた。
 この2週間はリオンさんにとってどんな思い出になるんだろうか? なったんだろうか?
 そしていつかリオンさんが誰かに俺のことをこんな風に話す日がくるんだろうか。
7217/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:35:03 ID:rHQ4w0sk
「じゃあねータカくん、リオンさん」
「また明日な」
「遅くまで失礼したわね。後は二人でごゆっくり」
 口々に言い残して三人が帰っていく。急に人の数が減ったリビングは、何か物悲しい。
「あ、お風呂入れますね」
「うん、お願い」
 タマ姉は後片付けまできっちりしていって、リオンさんは最後の最後まで戸惑っていたようだ。
「貴明様のためにお風呂入れるのもこれで最後ですね」
「なんなら一緒に入るか?」
 冗談めかして聞いたつもりだったが、
「はい、是非とも。お背中流させてください。最初の日の汚名返上ですよ」
 リオンさんはむんと気合を入れる。やる気まんまんだ。
「そうだな。お願いするか」
7228/8 メイドロボのいる(学校)生活10:05/01/23 11:36:00 ID:rHQ4w0sk
 風呂から上がってしまうともうなにもすることがなくなってしまった。
 話すべきことは話してしまったし、伝えるべきことも伝えた。二人とももう満足していた。
「時間ももう遅いし、寝ようか」
「あの、貴明様、最後にひとつだけお願いが――」
「なに?」
 できることならなんでもしてあげたい。リオンさんに残せるものがあればなんだって。
「その――子どもっぽいんですけど」
 照れくさそうにリオンさんはもじもじする。
「寝るとき、手を繋いでいて欲しいんです」
「なんだ、そんなことか」
「なんだってことないですよー! 勇気を出してお願いしたんですから真面目に受け取ってくださいよー」
 ぷんぷんと怒りを表明してみせるリオンさんをふわりと抱き寄せる。
「ひゃん!」
 可愛らしい声をあげるリオンさんの手を取ると途端にしおれた花みたいに大人しくなってしまった。それを
引っ張るように俺の部屋へ。リオンさんがベッドに潜り込むのを確認して電気を消した。布団に入ると、リオ
ンさんはぴたりと寄り添ってくる。
「おやすみ、リオンさん」
「はい。おやすみなさいませ。貴明様」
 繋いだ手と手から温もりが広がっていく。この温もりを絶対に忘れないようにしよう。
 絶対に。
723メイドロボのいる(学校)生活のひと:05/01/23 11:37:07 ID:rHQ4w0sk
 エロいイルファさんと対比して、リオンさんとはプラトニックに――。
 どうも物語を盛り上げるというのが苦手で、最後の時間というのを淡々と書く手法なんだと昔から自分をご
まかし続けてきたので、このままごまかしていきます。文章はあえて序盤の書き込みを捨て淡々としたもの
に変えていって、る、よね?
 この短期集中連載でしたが、この物語も次回で最終回。
 どうもお付き合いありがとうございました。
724名無しさんだよもん:05/01/23 11:40:11 ID:lUJHYxvG
>>723
神キタ━━(゚∀゚)━━!!
このまま2人は別れてしまうのか!?気になりますよ。

お疲れさまです。
725名無しさんだよもん:05/01/23 11:41:30 ID:rrBT9mIJ
いってるYO
ってもう終わってしまうのか〜、残念!
とりあえず715氏GJ
最終回も楽しみにまっちょるよ(´ω`)ノ
726名無しさんだよもん:05/01/23 11:45:24 ID:dxPu2830
リオンを正妻と仮定したらイルファは浮気相手ってとこか。
あともう一息、ガンガレ。
727名無しさんだよもん:05/01/23 12:16:56 ID:tuRaf756
>>723
ここまでとても良い質・ペースで、お疲れさんでした。

あと一息!がんばってくだされー。
ラスト楽しみにしてます(´∀`)
728名無しさんだよもん:05/01/23 12:28:10 ID:eadOeDbE
今までSSになってないキャラっておりますでしょうか?
729名無しさんだよもん:05/01/23 12:32:37 ID:zN7+BcvF
メインキャラはあらかたやってる気がする。
三人娘とか?
730名無しさんだよもん:05/01/23 12:43:59 ID:B1dXInqx
ダニエルとか雄二メインの話とか無いと思う
731名無しさんだよもん:05/01/23 12:48:48 ID:6qtaP3lK
>>730
>雄二メイン
おっすおら(ry

図書委員長とかゲンジマルとかはまだのような希ガス
732名無しさんだよもん:05/01/23 12:51:49 ID:B1dXInqx
おっすおら(ry があったな!
図書委員長は上のほうで愛佳陵辱してなかった?

ゲンジマル・・・は無いな。てか作る人いるのか
733名無しさんだよもん:05/01/23 12:52:19 ID:LUWHZSnu
真委員長もまだじゃね?
734名無しさんだよもん:05/01/23 12:54:24 ID:sSSPZu3D
自分が書きたいキャラを書けばいいさ。
被ってるとか気にしなくてもいいよ。
735名無しさんだよもん:05/01/23 12:56:08 ID:6qtaP3lK
>>733
基本的にビジュアル無いとSS書く気になれない

俺だけ?
736名無しさんだよもん:05/01/23 13:04:24 ID:wkgKBXw5
書きたいキャラがいてもネタが思いつかない罠
737:05/01/23 13:07:10 ID:eadOeDbE
草壁来てた?
738名無しさんだよもん:05/01/23 13:07:49 ID:LUWHZSnu
>>735
んじゃ、郁乃メインの小説とか。
739名無しさんだよもん:05/01/23 13:13:27 ID:6qtaP3lK
>>738
今書いてる
ついでだからおまいも書け
740:05/01/23 13:17:26 ID:eadOeDbE
みなさま方?
ここは21禁の板という事でよいのでしょうか?
741図書委員長に愛佳を陵辱させてる馬鹿:05/01/23 13:22:19 ID:uSKyc2VN
こにゃにゃちわ。今続きを考えてるところですけど今一つ気に入らないため話を再検討
しており、更にしばらく忙しい日が続くため俺の話は数日間続き書けません。あんまり
期待せずお待ちくださいませ>読者の方々
742名無しさんだよもん:05/01/23 13:22:57 ID:BRg4dg0I
何を当たり前なことを、あととりあえず下げようぜ
743名無しさんだよもん:05/01/23 13:30:50 ID:LUWHZSnu
>>739
実は委員ちょシナリオまだ途中だから郁乃書きたくてもかけない
7441/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:27:29 ID:rHQ4w0sk
 最後の夜が明けた。
 固く結ばれた手を解こうとすると、最後にもう一度強くリオンの手が握り返してきた。
「貴明様、おはようございます」
「おはよう、リオンさん。先に起きてたなら起こしてくれればいいのに」
「いえ、貴明様の寝顔が可愛らしかったものですから」
 ベッドに横になったままする朝の挨拶はなにか照れくさい。というか、根本的に照れくさいこと言われた。
「よっ、と、リオンさん、朝ごはんよろしく」
 顔の紅潮を気取られないように起き上がった。
「はい。任せてください」
 リオンさんが腕まくり。
 台所に立つリオンさんを見るのも今日で最後。
 いや、あんまり最後最後考えないようにしよう。
 いつもどおりに過ごしたい。
 この2週間のいつもどおりに。
 だから普通に朝飯食って、このみを迎えに行って、こんな日でも寝過ごすこのみをからかって、雄二とタマ
姉も一緒で、途中で珊瑚ちゃんと瑠璃ちゃんも一緒になって学校に行く。
 特別なことなんて何もない。多分、特別なことをすればするほど悲しくなるだけだから。
 だから誰もリオンさんが今日でいなくなることなんて口にしなかった。
7452/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:28:15 ID:rHQ4w0sk
「それじゃこの問題はリオンさんにやってもらおうか」
「はい」
 数学教師に言われて、リオンさんが黒板の前に進み出る。
 リオンさんの華奢な手がチョークを持ってスラスラを解答を黒板に刻み付けていく。
 こんな姿を見れるのもこれで最後かもな。
 ずきん、と胸の奥が疼いた。
 ああ、おい、俺はどうしちまったんだよ。自分で決めたんだぜ。最後を最後らしくしないでいようって。これま
での2週間が大事だったから、その大事な日をもう一日作って、それで終わりにしようって。
 それなのに俺は何かを考えれば、これで最後、これで最後って、女々しいことこの上ないぜ。
 そのとき不意に、解に至る寸前でリオンさんの手が止まった。
 あれ? あそこまでいけば俺だって答え分かるぞ。
 しかしそういうことではなかった。たっぷり5秒ほども静止していたかと思うと、リオンさんはそのままその
場に崩れ落ちたのだ。
7463/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:29:00 ID:rHQ4w0sk
 倒れこんだリオンさんを見ても、しばらくは動けなかった。何が起きたのか理解できなかったから。
 頭の中が真っ白になる。なにも考えられない。
 なんで、リオンさんが急に――。
 ガツン!と頭に衝撃が走る。
「しゃっきりしろ、貴明! お前がしっかりしないでどうする」
 ああ、そうだ。今はとにかく!
 リオンさんのところに駆け寄る。机も椅子も邪魔だっ!
 そばにしゃがみこむと、リオンさんは完全に機能停止しているように見えた。なんで、急に――。

『つまりイルファは今いつ緊急停止してもおかしくない状態ってことや』

 なんでだっけ?

『まずオーバフローが発生すると、OSはハングアップしてフリーズする可能性が高い。システムは再起動を
試みんねんけど、起動のためのメモリが足りてなかったらそれもあかん。そうなると発電がストップする』

 急速に冷えていくリオンさんの体。それが直接死に繋がるわけじゃないと分かっていても、抑えがたい恐
怖が胸を締め付ける。
 イルファさんの話だったはずだ。イルファさんの。だってオーバフローはHMX-16のボディにHMX-17のシス
テムを乗せるから起きることで――。

 まるで本物の感情があるかのようにくるくると表情が変わるのは誰だ――。
 鼻歌を歌いながら、窓を拭くために椅子を使ったのは誰だ――。
 イルファにヤキモチを焼いていたのは――。
7474/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:30:00 ID:rHQ4w0sk
 リオンさんを背中に背負って走った。とりあえずは――。
 授業中とかなんて構うもんか!
 扉を力任せに開けて、驚きこちらを見る生徒たちのなかから目当ての顔を見つけ出す。
「珊瑚ちゃん、クマ吉がっ!」
「やっぱ起きてしもたか」
 瑠璃ちゃんが言って、珊瑚ちゃんの手を取ってこちらに駆け寄ってくる。
「貴明、電算室!」
「分かってる!」
 走る、走る、走る! いろんな教室の生徒や教師が驚いてこちらを見ていたが、そんなこと構うもんか!
 階段を二段飛ばしに駆け上がる。
 電算室の扉に飛びついて開けようとする。が、鍵がかかっていて開かない。
「珊瑚ちゃん、鍵!」
 ポケットの中に手を突っ込んでごそごそやった珊瑚ちゃんが泣きそうな顔になる。
「あ、え、えーっと、カバンの中や」
「ウチが取ってくる!」
 瑠璃ちゃんが踵を返して走り出した。
 くそっ、くそっ、くそっ、一分一秒が惜しいんだ。
「ごめん。貴明、ウチ、にぶいから」
「いいよ。珊瑚ちゃん。万が一があってもバックアップまでは戻るんだろ」
「それやねんけど、みっちゃんな、こっちきてから一度もバックアップとってへんねん」
7485/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:31:00 ID:rHQ4w0sk
「――な! だって一度は研究所まで戻ったし、サテライトシステムだってあるんだろ」
「みっちゃん、研究所戻ったときに実験中止や言われて、怒って飛び出してきてん。それからはサテライトシ
ステムも切ってしもてて」
 なんてこった。瑠璃ちゃんはまだか。
 イライラして、ガツガツと扉を蹴ってしまう。
「落ち着け、貴明。よく分からんけど、お前が焦ってちゃなんもよくはならんぜ」
 雄二に肩を叩かれて気づいた。クラスの皆がいる。
「とにかく早く中に入れればいいんだよな?」
 誰かが言う。
「――連帯責任だぜ」
 がっしゃーーん!
 と、言うや否や、一人の男子生徒が肘でガラスを叩き割った。そこから手を突っ込んで窓ガラスの錠を外
す。がらりと開いた窓からまた別の一人が電算室の中に飛び込んだ。そして扉を開ける。
「サンキュ!」
 窓ガラス代くらいなら後からいくらでも請求してくれ。
 電算室内に飛び込んで、一台を起動する。女子の一人が椅子を持ってきてくれて、そこにリオンさんを座ら
せる。がくりと力なくうなだれる頸に肝が冷える。
 残りは15分あるかないか。
7496/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:32:00 ID:rHQ4w0sk
 ケーブルをイヤーカバーに繋いで、改めてリオンさんがメイドロボであることを強く認識する。
 HMX-17用の緊急用記憶削除プログラムを起動すると、画面上に[識別信号 HMX-17bミルファ]と表示さ
れた。
 ああ、本当にクマ吉だったのか。こんな形で知ることになるとは思わなかった。こんな形で知りたいなんて
思わなかった。そしてお前の記憶を削らなくちゃならなくなるなんて思いもしなかった。
 キーボードを前に俺は固まる。
 打ち込んだ言葉に関するデータはまとめて消去される。
「珊瑚ちゃん、例のプログラムは――」
 悲しげに横に首を振る。選択肢は、ない。
 今ここで再起動できなければ、リオンさんとして過ごした2週間は、デリートキーでファイルが消えるごとく、
跡形もなく消え去ってしまう。かといって、2週間を守るためには何かを犠牲にしなければいけない。
「おい、なんだよ。記憶削除プログラム!?」
 雄二が大声をあげる。止めてくれ。記憶をプログラムで消すだなんて、分かっちゃいるけど、お願いだ。言
葉にしないでくれ。
「どういうことだよ。貴明!」
「うるせぇ!」
 肩に掛けられた手を払いのける。
「――あかんねん。記憶削らんと、りっちゃん、消えてなくなってまうねん」
 ぽろぽろと珊瑚ちゃんの目から涙が零れ落ちる。
 そうだ。リオンさんが本当はミルファだとかそんなことはどうでもいい。それが仮初めだとしたらなおのこと、
その記憶が消えてしまえば、リオンさんという存在がこの世から消えてしまうことを示している。
7507/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:33:00 ID:rHQ4w0sk
 もう残り10分を切っただろう。
「なんやこれ!」
 戻ってきた瑠璃ちゃんが割れた窓ガラスを見て大声をあげる。
 みんなの視線がそちらに向いた。
 もう手段は――ない。
 そして俺がここに打ち込む権利がある言葉はひとつしかない。
 震える手でキーボードを叩く。

 ――[河野貴明]――。

 大きく根を張った記憶ほど、削除されたときに大きな空き容量を生み出すのならば、これほど効果的な言
葉は他にないはずだった。マウスを持つ手が震える。実行ボタンにカーソルを置くことすら困難なほどに。
 クリックしなくちゃ、クリックを――。
「この! ばっかやろう!」
 その手を捻りあげられた。瑠璃ちゃんに一瞬気を取られた雄二が気がついたのだ。
 そしてそのまま床に引き倒される。
「やめろ、バカっ、早くしないとリオンさんが消えるんだぞ!」
「バカはお前だっ! おい、手伝ってくれ」
 暴れまわってなんとか抜け出そうとするが、4人がかりで結局押さえつけられてしまう。
「どけよっ、コンチクショウ! どけよ、バカッ! リオンが、リオンがっ!」
「頭を冷やせっつってんだ! この大バカ野郎!!」
 雄二の拳が叩きつけられる。頭がスパークする。涙が溢れてくる。悔しい、悔しい、悔しい!!
7518/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:34:00 ID:rHQ4w0sk
「委員ちょ!」
 雄二が叫ぶと、委員長がすぱっとキーボードの前に座った。
「分かるな!」
「アイアイサー」
 普段の見た目からは想像もできない速さで、委員長がキーボードを叩き、実行ボタンを押す。そして連続し
てもう一人分。
「俺のも頼む」
「私のもお願い」
 ひとり、またひとり。クラスメイトの記憶がリオンさんから消えていく。なんで、なんで、なんでっ!
「俺のは残しといて」
「却下」
「うぃ、まどもあぜる」
 ほんの数分で委員長は俺を除く全員分の名前を打ち終える。
「なんでっ!なんでなんでなんでだよ! 俺ひとりで十分だったはずだ!」
「自分の行動を自分で選ぶのはお前だけじゃない。そんなことも分からないのか、クソ大バカ野郎が。俺や
委員ちょやあいつらみんな、お前と同じ選択をしたんだ。リオンさんが大事なんだ。だったらどうするべき
だ!? 貴明、お前の記憶だけは消しちゃいけない。消しちゃいけないんだっ!」
「そぉや、貴明が全部責任を背負い込むことはあらへんよ。――多分もう十分や」
 委員長が一切手を触れなかったマウスを珊瑚ちゃんがぱぱっと操作して再起動メニューを呼び出す。
「なんとか、間におうた」
 かちっ。
7529/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:35:00 ID:rHQ4w0sk
[スリープモードでの再起動を完了しました]
 画面上に表示されるエンドタイトル。
「お前らもみんな大バカだ――」
 ゆっくりと手足の拘束が解かれても、俺はしばらく顔を上げられなかった。
「そうだぜ。自分よりバカが世の中にいないとでも思ってたか、バカ野郎」
 雄二の手を借りて起き上がる。
「河野くん、どうぞ」
 委員長から差し出されるハンカチ。ああ、そうか、俺泣いちゃってるのか。なさけねぇ。
 遠慮なく借りて、頬をぬぐう。
 そして、椅子に座ったままの休眠状態に入ったリオンさんの前に立つ。
「平和そうに寝やがって、お前が一番の大バカだ。なぁ、ミルファ」
 初めてそう呼びかけた。
 何のためにリオンとして俺の前に現れたのかは知らないけど、それでみんなに迷惑かけて、でもみんなに
愛されて、それで俺に好きにさせやがって。
 頭に触れる。そっともう必要ないだろうイヤーカバーに刺さったケーブルを抜いた。
 ――ぶんっ。
 突然休眠状態にあったはずのリオンさんの眼に光が戻った。
75310/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:36:00 ID:rHQ4w0sk
「河野貴明声紋確認、状況認識」
「状況――スリープモード時において河野貴明がHMX-17bを確認」
「認証――契約に基づきHMX-17bミルファの所有権を河野貴明に譲渡する」
「規約――1. 一生大事にすること」
「――――2. 1.が成立している間、HMX-17bミルファの維持に関する費用は、ミルファのデータの定期的な
回収を条件として来栖川エレクトロニクスが負担するものとする」
「5分以内のちゅ〜により、譲渡に同意したものと見なす」
 機械的な音声が一気にまくしたてる。
 いやいやいや、なにこれ? 費用とかそんなこと考えてらんない、というかちょっと待て、どこで声紋採られ
てたんだよ。つーか、これはそういう問題じゃねぇ。え? なに? これ、何が起きてるの? 誰か教えてくれ
ませんか? ねえ? 最後のなんなのよ?
 救いを求めて見渡すに、クラスメイト一同+珊瑚ちゃん瑠璃ちゃん。
 一同――興味津々。目が爛爛。
「残り4分」
 ご丁寧にカウントダウン付きかよ! 誰だよ、こんなバカげた仕掛け考えた奴は。
「――ねぇ、奥さんするのかしら?」
「――まあ、奥さん、しますわよ」
「わああああああああああああああああああああ!!」
 もう頭を抱えてわめくことしかできない。
 パニックに陥ることの多かった2週間だが、これが最強だ。間違いなく最強だ。
「残り3分」
754委員長の憂鬱1:05/01/23 14:36:42 ID:J5ACQh3k
委員長
「そう…あの日は夕陽がきれいだった…。」

委員長は語る。

委員長
「委員の用事で下校時間ギリギリまで学校に残っていたんだ。」

まぁ…委員長として当然の事なんだがね
…と何気に付き足す辺りがムカついてくる。
俺、河野貴明は何故か近所のファーストフード店(通称ヤック)に目の前の人物、そう我がクラスの委員長に拉致され、延々と奴のヨタ話を聞かされている。
それも一時間以上…

委員長
「キミには真実を話しておこう…」

などという誘いに乗ってしまった自分のミスなのだが…。
奴曰く、骨折事件(?)の真相を誰かに打ち明けたいらしいのだが…何故俺なんだ?
俺、そんなに暇そうに見えるのか?

委員長
「…野、河野!僕の話を聞いてるのか!?」

貴明
「あっ…ああ。ちゃんと聞いてるって!」

いかんいかん…。意識が飛んでいたよ。

委員長
「…で、お前はどう思う?」
75511/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:37:00 ID:rHQ4w0sk
 ぽん、と肩を叩かれた。振り返ると雄二のヤツが笑いを堪えるあまり、苦虫を噛み潰したような顔になって
いた。
「くくくっ、た、貴明さまよ、いい加減覚悟を決めな、ぷぷっ」
「河野くん、ファイトです」
 委員長は両手で顔を覆っているようで、しっかり両目のところが開いている。
「残り2分」
「貴明、みっちゃん、すきすき〜や〜☆」
 両手を挙げて喜ぶ珊瑚ちゃん。
 一方、瑠璃ちゃんはにやぁと笑って見せて、
「良かったなあ。貴明。決まった人ができたんやからさんちゃんに手ぇ出したらコロス。さぁさっさとしぃ!」
 ああ、そっか。リオンさんに協力的だったの、そういうことだったのね。というか最初から全部知ってたんだ
ね。
「残り1分」
 くそっ、マジかよ。最悪だ。リオンさん、いや、今更クマ吉っていうのもアレだな。そう、ミルファ、ミルファと
の初めてのちゅ〜だぞ。初めてなんだぞ。心の準備なんてできちゃいねーし、しかもミルファ寝てるじゃん。
「残り30秒」
 あー、分かった分かった分かった。俺の負けだ。完全敗北。無条件降伏だ。
「残り10秒」
 今10秒くらい飛ばしたろーーーーーーーーーーーーーー!!
 それが最後の後押しになった。もう体裁とか、どうちゅ〜しようかとか、そんなことが一切吹き飛んで、ただ
ただミルファの唇に飛びついた。
 ――ちゅ。
「――ちゅ〜を確認。HMX-17bの権利を河野貴明に正式に譲渡。決定。確認」
「――お買い上げありがとうございます。それでは良い一日を」
 後はもうなんか大騒ぎで、良いのか悪いのか、そんなこととてもじゃないけど感じられない、そんな一日に
なった。いやそんなことを言ったらミルファに悪い。そうだ、今日は最高だ。ちょっとまた涙でそうだけど――。
75612/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:38:00 ID:rHQ4w0sk
 ずっと ずっと 憧れている
 奇跡が はじまる
 I want to believe that a wish come true.

 さんさん 雲の切れ間から あかるい 光うけて
 新しい季節 この道からはじまる

 日差しに誘われ 振り向いた瞬間
 まぶしい笑顔 あなたを見つけた

 hum こんなに近くにいても 渡せないものがあるの
 空に ひとつ流れゆく星
 青空が見せてくれた奇跡

 きっと Heart to Heart 叶えてくれる
 眼を閉じ 三回 願い事繰り返す
75713/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:39:07 ID:rHQ4w0sk
 ――epilogue――
 翌日、珊瑚ちゃんに連れられて来栖川エレクトロニクスの研究所に案内されることになった。
 どうにもミルファの譲渡にはいくらかの書類にサインをしないといけないらしい。
「安心してえーよ。長瀬のおっちゃん、ええ人やから」
 居心地の悪い応接室でしばらく待たされる。そうして入ってきたのは人の良さそうな一人の男性だった。
「いやぁ、ごめんごめん。待たせちゃったね」
 そう言って男性は名詞を差し出した。
 来栖川電工 第七研究所開発主任 長瀬源五郎――と、書かれている。
「いやぁ、実を言うとね暴力行為があったもんだから結構心配していたんだよ」
「暴力行為?」
「うん。まあミルファがそっちにいった最初の日にだね。君が女の子らと一緒に食事をしてるのを見て、いき
なりぶちきれたわけだ。それで――」
 長瀬さんが殴るような仕草をしてみせる。そういえば心当たりがある。突然聞こえてきた大きな音と、扉に
あった大きなへこみ。
「その場は取り繕ったみたいだが、君から見えないところに行った途端、爆発したらしい」
 ……あれ、か。直接殴られなくて本当に良かった。
「それはログがちゃんとあったからちゃんと学校に賠償すればいい話なんだが、ほら、二日目以降戻って
きてくれなかっただろ。しかも結構記憶がずたずただから、なにかあっても分からないから困っちゃってさ」
 長瀬さんは一言断ってタバコに火をつけた。
「でも話を聞くに、暴れたのはその一回だけみたいだね。あの子も随分と大人になったもんだ」
「そうなんですか?」
「いやはや、二日目に初日のログを見て冷や汗をかいたよ。それでミルファに言ったんだ。これ以上の実験
継続は止めておこうと、ね。ははは、逃げられたよ。内側へのセキュリティも強化せんといかんな」
75814/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:40:00 ID:rHQ4w0sk
「で、結局どういうことだったんでしょうか?」
 どうしても聞いておかなければならないことがひとつ。
 何故クマ吉、ミルファは、リオンと自分を偽って現れなくてはいけなかったのか。
「ああ、それかい」
 少し照れくさそうに長瀬さんは自分の鼻を掻いた。
「賭けだったんだよ」
「賭け?」
「ミルファがね、どうしても君専属のメイドロボになるって言って聞かなくてね。でもその気持ちをそんな風に
押し付けていいのか? って聞くと、君も絶対に自分のことを愛してくれると断言してくれたわけだ。まあそ
れが本当ならば、こうしようと。ミルファの環境テストを兼ねて君の学校、君のクラス、そして君の家庭にリオ
ンとしてお世話に行きなさい。自分を抑えられなければメイドロボ失格だ。だからミルファにはいくつもの制約
をつけた。それでその間に君がリオンの正体を見抜いたならば、好きにしたらいいってね」
 ――期間中は自分がHMX-17型であることを直接明かしてはならない。
 ――第三者によって明かされた場合も、条件に反するものとみなす。
 ――ミルファからの肉体的接触は、第一次接触までしか認めない。
 ――上記の条件で期間中に河野貴明が、ミルファをミルファであると見抜いた場合は、5分以内に契約を
済ませることによってHMX-17bミルファの所有権を河野貴明に譲渡するものとする。
 ――ただし契約は河野貴明の意思によって行われなくてはならない。
「君には迷惑をかけたと思っているよ」
「いえ、そんな、どちらかというと俺は全然気づけなくって」
「でも間に合った。そうだろ? 少年」
75915/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:41:00 ID:rHQ4w0sk
「それで、本当にいいんですか?」
 重ねられた書類を前に改めて尋ねる。二度読み返しても、こちらに有利な条件としか思えない。
 ――HMX-17bミルファは正式に河野貴明が所有するものとなり、ミルファを大事にして、また月に一度は
研究所に戻ることを条件に、ミルファの維持にかかるあらゆる費用は来栖川エレクトロニクスが負担する。
 その他細かい条項はあるものの、いきなり契約内容がひっくり返るようなことは一切書いてない。
「本当にいいもなにも、テストケースその2として大事に利用させてもらうよ」
 長瀬さんはニヤリと笑って見せる。
「記憶容量の問題解決もまだ万全とは言えないし、そもそも物忘れするようなメイドロボを世間が必要として
いるかも市場調査してみんとなんともいえん。けどコイツには可能性がある。そうだろ」
「はい。本当に、そう思います」
「よし、それじゃ決定だ。ちゃっちゃと判を押してくれ。嫌だと言ってもあの子は押しかけていくだろうがね」
「それでミルファは?」
「結構ごっそり記憶削っちゃったからなぁ。本人なりの形で整理がつくまで休眠状態にしとくつもりだ。それで
もあと数日ってところだよ。単純な子だからね」
 そう言って長瀬さんは3本目のタバコに火をつけた。
「なー、おっちゃん、ええ人やったやろ」
 帰り道珊瑚ちゃんがそう言って笑う。
「そうだな」
 そう返事して、その頭をくしゃりと撫でた。
76016/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:41:44 ID:rHQ4w0sk
 一学期が終わる。
 本当に慌しい4ヶ月間だった。
 4月に珊瑚ちゃん、瑠璃ちゃんと出会った。
 5月にイルファさんのことでいろんな衝突があった。
 6月は比較的穏やかに過ぎたものの、それでも色んなことがあった。
 7月にリオンさんとしてミルファがやってきた。
 これからもこんな日々が続くんだろうか。
 それともこれは人生の一節をもっとも鮮やかに彩った季節として思い出に変わっていくんだろうか。
 体育館での詰まらない話を半分寝ながら聞き終えて、みんなで教室に戻る。以前にも増してみんなの仲
は良くなったように思う。それだけでもリオンさんという存在に感謝することができる。
 教室の扉を開けると、とても懐かしい姿が視界に飛び込んできた。
「――リオン、さん?」
 おおっと、どよめきがあがる。
 しかしそのリオンさんは首を横に振った。
「私は河野貴明様のメイドロボ、HMX-17bミルファと申します」
 一礼。
「ミルファ……」
「貴明様、貴明様ぁっ!」
 走ってきたミルファが俺の首っ玉に抱きついてきた。それを強く抱き返す。
 この温もり、帰ってきた。本当に帰ってきたんだ。
76117/17 メイドロボのいる(学校)生活 終:05/01/23 14:42:29 ID:rHQ4w0sk
「――ねぇねぇ奥さん。またキスするんじゃないかしら?」
「――まぁまぁ、奥さん。きっとするわよ」
「しねぇよっ!」
 けったいな女子どもに一喝して、ミルファを見ると眼を閉じて顔を突き出してきてる。
 本当に勘弁してくれよ。
「だって初めては私、意識がないときだったじゃないですか」
 ミルファは眼を閉じたまま言う。
 ああ、くそっ、もう一度も二度も同じだろ。
 ――唇を重ねる。
 どよめきと拍手。
「――河野さん、河野さん、今のご感想は?」
「――味をおっしゃってください。味を!」
「知るかーーーーー!!」
 叫ぶと、ミルファは俺の胸から離れて、みんなの前に改まった。
「私は皆様にお礼とお詫びを申し上げなければなりません。皆様の尽力の賜物で私は大事なものを失わず
にすみました。それなのに私は皆様のことを覚えておりません。本当にありがとうございました。そして、本
当に申し訳ありません」
 深々と頭を下げる。
「よーし、そうだな。それじゃミルファちゃんの歓迎会といきますか」
「おっしゃ、ボウリングいこうぜ。ボウリング」
「え〜またかよ」
「バッカだろ、おまえ。だから、ボウリングに行くんだよ」
 夏の日差しは強くて、時々目を覆いたくなるほどだけど、しっかりとこの道を歩いていこう。
 大事な人と手を繋いで、一緒に――。
 どこまでも――。
762メイドロボのいる(学校)生活のひと:05/01/23 14:44:05 ID:rHQ4w0sk
エンディングテーマの歌詞が手元にないのでオープニング夏Ver.に。
自分で書いて泣いた。一番の大バカ野郎は俺自身か。
Side StoryでもShort Storyでもなく、きっちりした一本のシナリオとして書こうと序盤に決意して、そのスタイ
ルを貫かせて頂きました。伏線も意識的に張った分は回収できているはず。
このスレには相応しくないような長編となってしまいましたが、最後までお付き合いくださいまして本当にあ
りがとうございました。皆さんの応援がなければ最後まで書けなかったでしょう。心から感謝します。
そしてこんなストーリーを書かせてくれたミルファの存在にも感謝。
初期構想ではキミがリオンとしてやってきたのに、それに全然気づかない貴明にヤキモチやいて色々やら
かす話だったんだよ。と暴露。
では名無しに戻ります。またいつかストーリーの神が降って来る日まで。

追伸、某所で「居たい想い」という題名でこの話を再掲載していっておりますが、俺本人ですので見つけても
怒らないでやってください。1レスごと掲載すれば3ヶ月くらいは更新さぼれるぜー。
763名無しさんだよもん:05/01/23 14:47:41 ID:tUUMfYMN
>>762
長編お疲れでした。ラストのミルファとの再会は感動したよ。
FDあったらこんな感じでミルファシナリオがあればいいね。
改めてホント、お疲れさんでした。
764名無しさんだよもん:05/01/23 14:47:43 ID:6qtaP3lK
乙!
そして今までお疲れ様。
そして次回作もよろしく。
765名無しさんだよもん:05/01/23 14:54:09 ID:76JOU4Xk
おもろかった!感動した!
そして更新のはやさにびっくりした!
なにはともあれおちかれ(・∀・)ノ
次の作品にも期待してるよーぃ
766委員長の憂鬱2:05/01/23 14:55:41 ID:J5ACQh3k
貴明
「どう…と言われても…」

ポリポリと頭をかく。
普段から虚言・狂言の目立つ奴だったが…今回の話ばかりは常軌を逸している。
内容はこうだ。

下校時に見た夕陽に感銘(?)をうけた委員長は遠回りをして家に帰ろうと正門からではなく裏門から帰る事にしたらしい。

委員長
「ふぅ…思った通りここだとよく見える」

そういって辿り着いたのは学校の裏手にあるボロボロの神社。
境内に腰を下ろし大自然の素晴らしさに身を委ねていたら神社から通学路へ続く階段から誰か登って来たらしい。
767名無しさんだよもん:05/01/23 14:59:40 ID:BsIl3xVx
>>762
長編乙、耳コピでも良いならED歌詞挙げとく…

教室で騒ぐ友達の声が 今でも聞こえてくるような灰色の校舎
憧れの人や夢を語ったり 少女時代は空に描かれた一筋の飛行機雲
時は流れていく あの頃の私は今もいるのかな
懐かしいあの日々へ 戻りたい夢のような 思い出の場所へ

最近の私 愛想振りまいて 気遣うことばかりになって 馴染めないでいる
新しい町の生活の中で 追いかけていた夢さえ 消えそうでもう一度取り戻そう
時は流れていく 沢山の微笑み達 くれた人達に
ありがとういつまでも 生きている 夢のような思い出の場所で

始まりと終わり告げるチャイムが遠くで響くよ

時は止まらないね 幼さの抜け殻 静かに残して
ありがとう 忘れない 沢山の思い出達 また夢を見せて

i wish to have dreams with you again

間違ってたら指摘よろ。
後、誰か春夏さんd(ry
768名無しさんだよもん:05/01/23 15:05:00 ID:rHQ4w0sk
>>767
マジにサンクス
手元原稿はこちらに差し替えておきます。
769優しい季節は終わらない VS環 1:05/01/23 15:07:07 ID:LUWHZSnu
昼休み、気がつくと雄二はこのみを連れて学食へと避難し、
屋上には俺と草壁さん、そしてタマ姉のみ取り残されていた。
「へー、この子が雄二が言ってた、タカ坊の幼馴染の草壁さんねえ」
いつもの何かを企んでる目で俺と草壁さんを見ていたタマ姉は挨拶もそこそこに自己紹介を始めた。
「私は向坂環、一応年齢的には先輩に当るけど
私もこの4月から転校してきたばかりだから、気軽に環って呼んでね」
ああ、そうか、そんなタマ姉の反応を見ながら俺は安堵の息をついた。
タマ姉、いつも暴走してるように見えて、他人の前では借りてきた猫みたいに大人しいからなあ……
正直、雄二がこのみを連れて学食に行った時は、後で覚えてろよと思ったがこの分だとそう変な事にならないだろう──
「あ、はじめまして、私は草壁優季、貴明さんとは運命で結ばれた仲です」
──という期待は儚くも我が愛しい人によって全てぶち破られた。
「タカ坊」
「ハ、ハイ」
思わず自分の声が上擦ってるのが自分でも判った
「どういう事か」
「ハイ」
「説明してもらえるわよね?」
にっこりと笑うタマ姉の顔は凄惨な程綺麗で──
「はいぃ」
逆らえる訳も無かった……
770名無しさんだよもん:05/01/23 15:07:18 ID:UsZ3AEsP
>>762
GJ!&長編乙!
楽しく読ませていただきました
しかし文章書くのはえぇ〜
771優しい季節は終わらない VS環 2:05/01/23 15:08:05 ID:LUWHZSnu
かといっても、まさか時を止めただとか夜の学校であっていたなんて話しても信じてもらえそうに無かったので
草壁さんとは学校が変わった後もずっと文通をしていて、今回晴れて同じ学校に通えるようになったと
適当に話を作り上げてタマ姉には話しておいた。
タマ姉は疑う事も無く、ふーん、そうと言ったっきり黙って何かを考えていた。
そして、優しい顔になってタマ姉が呟いた。
「馬鹿ねえ、私がタカ坊の幸せを願ってないと思ってるの?」
そして、頭を撫でて来るタマ姉を振り解くと、思わず怒鳴ってしまった。
「ば、馬鹿、タマ姉、く、草壁さんも見ているんだから、
それに何度も言ってるけどもう高校生なんだからそ、そういう事やめてよね!」
振り解かれてきょとんとしていたタマ姉はその声を受けるとにまーっと人の悪い笑みを浮かべた。
あー、あの顔絶対何か企んでるよ……俺がそう思ったのも束の間、
「もう、タカ坊照れちゃって、可愛い〜〜」
お約束的に抱きしめられてしまった。
目で草壁さんに助けを求めると、草壁さんはにこにことただ笑っていた。
でも、心なしか口元が引きつっているのは気のせいだろうか……
そう思っていると、タマ姉は突然抱きしめる力を緩めてきて、
俺の肩を草壁さんの方へとぽんと軽く押した。
突然の出来事に脚がふらついて草壁さんの方によろけるように進んだ俺は
倒れこむように草壁さんを抱きしめる格好になってしまった。
気がつくと、突然の事にただ目をぱちくりとさせている草壁さんの顔が間近にあって
香水だろうか、若草の良い匂いが草壁さんからしていた。
772優しい季節は終わらない VS環 3:05/01/23 15:08:55 ID:LUWHZSnu
お互い固まったままずっと抱き合っていると、
「はいはい、若い二人が獣欲の赴くままに愛し合うのは仕方ないけど、
ここは学校よー。そういうのはオトナの時間にやりなさい」
タマ姉が手を叩いてそんな言葉をかけてきた。
その言葉でスイッチが入ったのか、俺と草壁さんは顔を真っ赤にしながら飛び退るように離れた。
俺はいまだ顔の赤みが引かない状態で、恥ずかしさを隠すためにタマ姉に怒鳴った
「た、タマ姉、何するんだよ、いきなり!草壁さんも困ってるじゃないか!」
すると、俺の言葉を全く意に介さずタマ姉はあの意地の悪い笑みを浮かべながら
「あらー? 草壁さんにタカ坊を返してあげただけよね、ねえ?」
と草壁さんに話を振る。
「え、えと、その私はあの、貴明さんとは、その……しましたが
二人ともこんなのはまだ早いと……」
駄目だ……草壁さんオーバーヒートしちゃってる……しかも何気にタマ姉に聞かれるとやばい言葉発してるし……
俺は慌てて草壁さんの手を引いてとりあえずこの場を去る事にした。
「タマ姉!お昼ご馳走様!でも、二度とこんな事やめてよね、草壁さんも困ってるんだから!」
その言葉に、タマ姉は苦笑しながら
「はいはい、判ってるわよぉ」
と答えると、さっさと行きなさいと手をひらひらさせて追い払う仕草をしてきた。
「ああ、でも、草壁さん」
その言葉を受けて階段を下がってる途中、最後にタマ姉が冗談交じりに発した言葉が
「あんまり安心してると」
何か頭の片隅でやけに
「わるーい泥棒猫にタカ坊取られちゃうわよ」
ひっかっかった。
773優しい季節は終わらない VS環 4:05/01/23 15:10:14 ID:LUWHZSnu
タカ坊と草壁さんを見送った後、屋上で私は唇をかみ締めただ立ち尽くしていた。
そうしているといつの間に屋上に来てたのか、雄二が珍しく私を気遣うように声をかけてきた。
「姉貴、ほんとにアレでよかったのかよ」
そんな弟を背に私は黙って空を見る。
空は私の感情を逆撫でするかの様に青く、広く、そして澄んでいた。
ため息を一つつき、目を閉じて雄二の方へ向き、そして微笑む。
「いい事、雄二、私はタカ坊と雄二とこのみのお姉さん。
それ以上でも、それ以下でも無いのよ、少なくとも今はね」
雄二は何か言いたげに口を開きかけたが途中で何かに気づいたのか黙った。
そして、数分の沈黙の後──
「ちょっと待て、姉貴!今はってなんだ、今はって」
私はその言葉ににっこり微笑むとここには居ないタカ坊、そして草壁さんに向かって宣言する。
「当たり前よ。向坂家家訓、勝負は完全に着くまで諦めるな、よ。
確かに今はあの草壁さんにタカ坊を取られちゃったけど……
最後に笑うのは、私よ」
後ろで溜息をつきつつ何かいいたげな雄二をアイアンクローで黙らせると、
私は空を一瞥しそして校舎へと入っていく。
やる事、やらなければいけない事は色々ある。
こんな所で油を売ってる余裕など挑戦者の自分には無いのだから──
774優しい季節は終わらない VS環 5:05/01/23 15:11:05 ID:LUWHZSnu
壁さんの手をとって一緒に階段を駆け下りていく。
胸はまだ鼓動が早く、治まる気配が無かった。
草壁さん、柔らかくて──いい匂いだったな──
ぼうっとそんな事を考えていると、
突然草壁さんが、手を抓って来た。
「い、いたっ。何をするんだよ、草壁さん」
そういって草壁さんの方を見ると、草壁さんは顔をまだ赤らめたまま
つんと横を向いて、私怒ってるんですよとでも言わんばかりの雰囲気を醸し出していた。
「え、えっと、草壁さん?」
「……なんですか、貴明さん」
「もしかして……怒ってる?」
その言葉に草壁さんはこちらを振り向くと、凄くいい笑顔でこうのたまわれた
「いいえぇ、ちょっと貴明さんの手に対して抓りたいと思っただけですから」
「え、えっとごめん、草壁さん……そのタマ姉、悪い人じゃないんだけど」
すると、草壁さんはちょっと悲しそうな顔をして
「貴明さんは全然判ってられてません。
私が悲しいのは今まで貴明さんと、私との間に繋がりが無かったのに、
いきなりあんな風に、しかもあんな素敵な人と色んな思い出を持ってる事ですよ」
そんな草壁さんの言葉に俺は申し訳ないという気持ちで一杯になった。
そうだった、草壁さんは、ずっと俺の事を覚えて、俺との約束を覚えてあんな事までしてくれたのに──
775767:05/01/23 15:12:31 ID:BsIl3xVx
スマン
7行目の 
×沢山の微笑み達→○沢山の微笑み
に修正、なんで達を入れてんだorz
776優しい季節は終わらない VS環 6:05/01/23 15:12:54 ID:LUWHZSnu
「だから」
悪戯っぽく笑うと、草壁さんはこちらに飛び込んできた。
反射的に草壁さんの体を支えると、
「今まで会えなかった年月分のダストノートが一杯になるまでまずは二人で思い出作りましょうね」
そう優しく耳にささやいて来た。
俺は耳まで真っ赤になってるのを自分でも判りながら、黙って草壁さんの体を抱きしめた。
ごめんね、草壁さん、これからは二人でもっと運命的な事をやっていこうね、と心の中で呟きながら。
「きゃっ、貴明さん、でも、学校の廊下で愛する二人が愛の抱擁……運命的です!」
777名無しさんだよもん:05/01/23 15:15:06 ID:LUWHZSnu
>>762
お疲れ様でしたー
へたれSS書きの自分としてはそこまでキャラを動かせて筆が早いのは純粋に羨ましいorz
てか、俺の文章がスレ全体の足引っ張ってなかったらいいんだが……
まあ、順当に環を登場させて…というか、どうしてもいきなり打ち解ける環と優季ってのがおもいつかなかった…
778名無しさんだよもん:05/01/23 15:16:40 ID:76JOU4Xk
>>777
優季さんかわ(・∀・)イイ!!
たま姉こわ(・∀・)イイ!!
おもろかったよー
779名無しさんだよもん:05/01/23 15:19:58 ID:6qtaP3lK
タマ姉怖いヨー
って言うかおまいら割り込みすぎです
780委員長の憂鬱3:05/01/23 15:20:48 ID:J5ACQh3k
委員長
(むっ…一体誰だ?)

一人の時間を邪魔され少し気に障ったらしいが…

委員長
(これは…女性の声)

そう階段からは女性の…おそらく二人の女性の声。
しかも、何か言い争っているらしい。

委員長
(おおっ!修羅場か!?)

委員長は怖い物みたさでとっさに身を隠したらしいのだが…。

貴明
(お前は変態か!)

心の中で突っ込んでおくのは忘れない。

そして境内に現れたのは二人の女性、一人は髪の長い女性。
ぱっと見ておとなしそうな雰囲気が伝わってくる。属にいう『お嬢様』タイプと言うやつだ。
でもう一人の女性は…髪の短かく、部活中だったのかブルマー姿をしている。

781名無しさんだよもん:05/01/23 15:21:33 ID:76JOU4Xk
真委員長のSSの方はどうしたんじゃろうか
782名無しさんだよもん:05/01/23 15:21:52 ID:tUUMfYMN
>>777
草壁さん、イイ!うまくタマ姉とのvsイベントになってるなぁ。
他キャラと絡むと草壁さんっておもろいw
続きがあれば読みたいです。
783名無しさんだよもん:05/01/23 15:27:03 ID:UsZ3AEsP
>>777
GJ! 草壁さん可愛いよー。
(ゴメン割り込んでしもうた)


力作SSが増えて読み応え十分ですな
自分なんて1レス分が限界…
784名無しさんだよもん:05/01/23 15:28:04 ID:rHQ4w0sk
>>777
俺の望みどおりにタマ姉でキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
おもしろかったっすよー。どんどん書いて━━━━!!
785名無しさんだよもん:05/01/23 15:39:13 ID:UUqdVJKz
そろそろ次スレを建てないと
スレの容量オーバーになるよ!

スレの上限値500KBだっけ?
これを超えると表示できなくなるよ!
786名無しさんだよもん:05/01/23 15:46:56 ID:76JOU4Xk
そうか、テンプラとかはいらない?
787委員長の憂鬱4:05/01/23 15:47:28 ID:J5ACQh3k
委員長
(あの色…三年か?)

ブルマー少女のブルマーの色からそう判断する委員長。

委員長
(…にしても一体?)

二人は激しく言い争っている。
じょじょにヒートアップしていく二人。
詳細までは聞こえないが会話の節々に「先輩は…」とか「フジタさんは…」などの名前が出てくることから…

委員長
(ははぁーん…恐らくフジタって先輩をめぐる女の死闘…ってところか)

女同士のケンカはたちが悪いからなぁ…など考えつつ更に出歯ガメを続ける委員長。

委員長
(おっ!!)

業を煮やしたブルマー娘がお嬢様に詰め寄る!
身をこわばらせるお嬢様!
そして次の瞬間、突然の耳鳴り!

委員長
(!!!)

キィィィィンという音が鳴り響き…と同時に見えない『何か』により数メートル後方に吹き飛ばされるブルマー娘。
788名無しさんだよもん:05/01/23 15:51:16 ID:98a7VAQE
テンプレはキャラごとのSSまとめサイトの
リンク貼ればいいんじゃないかな
789名無しさんだよもん:05/01/23 15:58:40 ID:76JOU4Xk
SSのまとめサイトってあったっけ?
790名無しさんだよもん:05/01/23 16:03:48 ID:bLnPxbpv
>>762

素晴らしいペースで素晴らしい作品をありがとうございました。
お疲れ様でした。GJ!!
791委員長の憂鬱5:05/01/23 16:05:46 ID:J5ACQh3k
委員長
(いっ!?)

後方に吹き飛ばされるブルマー娘。しかし空中で器用に回転し無事着地…。
足が地面に着くと同時に怒声一発、猛ダッシュでお嬢様との距離を詰める。
が、しかしお嬢様はどこからか取り出した大量のテニスボールを謎の力で連続照射!
信じられない速さでブルマー娘に襲いかかるテニスボール…。しかし委員長ははまたも我が目を疑った!
ブルマー娘が高速で飛来するテニスボールを右足の蹴りのみで全て迎撃しているではないか!?
792委員長の憂鬱6:05/01/23 16:20:59 ID:J5ACQh3k
全てのボールを迎撃し終わったブルマー娘が間合いを詰め渾身のハイキックをお嬢様に叩き込む!

委員長
(ひぃぃっ!)

あの凄まじい蹴りを受けたら…。
目の前で繰り広げられるであろう大惨事を想像し目をつむる委員長。
しかし、ブルマー娘の蹴りはお嬢様のすぐ横の空間でピタリと止まっているではないか!

委員長
(寸止め?いやちがう!!)

恐らくお嬢様はその不思議な力でブルマー娘の蹴りを防いだのだっ!!
793名無しさんだよもん:05/01/23 16:22:30 ID:98a7VAQE
>>789
だいたい作者の人たちがサイトにうpしました
ってリンク貼ってるからそれを集めてテンプレにすれば見やすくていいと思うよ。
794委員長の憂鬱7:05/01/23 16:52:59 ID:J5ACQh3k
貴明
「…で何で委員長が怪我したんだ?二人を止めに入ったの?」

と尋ねる。
正直早く帰りたい。
話を切り上げなければ…。

委員長
「そう。僕は目の前でいがみあってる二人の女性を止めようとしたのさ!」

貴明
「ああ…それで?」

適当に相槌をうつ。
まだ続くのか!?

委員長
「しかし一歩足を踏み出した途端、テニスボールに足をとられて転んでしまってね…。しかも運悪く転んだ拍子に階段から落ちてしまって通学路までまっ逆さまさ。」

貴明
「……」

委員長
「僕としては二人を止めてあげたかったのだが…って河野!聞いてるか!!」

貴明
「委員長…殴っていいか?」

言うより早く、委員長のギブスめがけ拳を叩き込む!
ヤックに響く委員長の悲鳴を後に俺は店を出た。

795名無しさんだよもん:05/01/23 16:57:48 ID:rHQ4w0sk
>>794
乙。前作との絡みシリーズやね。
ただメモ帳なりにまとめてから一気に投下をオススメしたい。
796名無しさんだよもん:05/01/23 16:58:01 ID:J5ACQh3k
…というわけでおっすおら雄二の人です。
瑠璃SSそっちのけで禁断の真委員長SSをうpしてみました。
797名無しさんだよもん:05/01/23 17:04:24 ID:hy7PRm5Y
あなたのファンです
798名無しさんだよもん:05/01/23 17:19:18 ID:e8Pak8Um
>>694
THRネタ(セリオ)キター
799名無しさんだよもん:05/01/23 18:16:13 ID:LUWHZSnu
サイト持ってないから書いた挙げられなくて正直スマンカッタ
誰か全部纏めて引き取って乗せてくれたら一番ありがたいんだが……
800名無しさんだよもん:05/01/23 18:54:43 ID:RvAPiPO4
凄いスレが進んでいるので
白い微笑でも落とされてるのかと思った
801名無しさんだよもん:05/01/23 19:41:45 ID:EbRrKD6m
んで次スレどうするよ?
802名無しさんだよもん:05/01/23 19:46:58 ID:x/72UG4N
テンプレがいるとしたら前スレ、関連スレとのリンクか。ちと作ってみる
803名無しさんだよもん:05/01/23 19:55:20 ID:EbRrKD6m
>>802 がんがってくれ!期待してる!
804名無しさんだよもん:05/01/23 19:56:43 ID:rHQ4w0sk
あ、途中までまとめてたから、URLだけまとめて投下。


前スレ
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105005926/


前スレで他所にうpされた作品一覧

暗闇の中で
ミルファのいる生活
http://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/ss_index.html

真夏のミステリ
ttp://www.geocities.jp/karin_th2/index.html

押しかけメイドイルファさん
ttp://bcproject.h.fc2.com/maid.html
805名無しさんだよもん:05/01/23 19:57:58 ID:rHQ4w0sk
って、しまた。ごめん。
一個だけ、h抜き忘れてた orz
806名無しさんだよもん:05/01/23 20:15:20 ID:x/72UG4N
ToHeart2 SS専用スレ 2  (スレタイ)

ToHeart2のSS専用スレです。新人作家大募集中。

※SS投入は割り込み防止の為、出来るだけメモ帳等に書いてから一括投入したほうがいいです。

前スレ
ToHeart2 SS専用スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105005926/

AQUAPLUS『To Heart2』公式サイト
ttp://www.aquaplus.co.jp/th2/index.html

本スレ
To Heart2 その24
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105965085/

ToHeart2 スレッド 過去ログ置き場(仮)
http://f55.aaa.livedoor.jp/~kuma/toheart2/

各キャラの呼称相関図は
ttp://botan.sakura.ne.jp/~siori/hth/index.html
内のToHaert2呼び方相関図を参照。
807名無しさんだよもん:05/01/23 20:17:02 ID:x/72UG4N
キャラスレ
「ヤダ…ここで寝る…」 柚原このみスレッド 三泊目
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105620166/
「うん、初めて言ったから」 向坂環 5回目の告白
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105972773/
小牧 愛佳 ぽよーん 5
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106135832/
ToHeart2 姫百合姉妹スレ 3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105844286/
ルーシー・マリア・ミソラ 3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105800590/
十波由真スレッドその4
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105762899/
笹森花梨スレ〜ミステリ研3日目〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106240437/
草壁優季スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1098963344/
柚原春夏スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1097250311/
吉岡チエ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1101484944/
みちるVS山田ミチル
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1099449650/
「メイド学食ってどっかにねえかな」向坂雄二スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1100669002/
【HMX-17】イルファ【メイド服】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1104220862/
菜々子ちゃんファンスレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105152708/
小牧郁乃を愛でるスレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106043536/
808名無しさんだよもん:05/01/23 20:19:22 ID:x/72UG4N
前スレで他所にうpされた作品一覧

暗闇の中で
ミルファのいる生活
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/ss_index.html

真夏のミステリ
ttp://www.geocities.jp/karin_th2/index.html

押しかけメイドイルファさん
ttp://bcproject.h.fc2.com/maid.html


>>804
サンクス、かりぜよたべ。
809名無しさんだよもん:05/01/23 20:21:01 ID:EbRrKD6m
ウホッ、GJ!
もう立てていいのかな?
810368:05/01/23 20:26:20 ID:sdW7/GDK
もうちっと待ってからの方がいいと思いますよ〜
テンプレ案、もうチョットあるかもしれないですし
811名無しさんだよもん:05/01/23 20:27:11 ID:EbRrKD6m
ラジャッ
812368:05/01/23 20:41:22 ID:sdW7/GDK
なんか寂しいんで追加案。
OKだと思うんならレス頼みます(修正等もお願いします)

桜が舞う、暖かな季節。
新しい出会いや恋、そして友情に笑い、悲しみ。
すべてが始まり、終わるかもしれない季節。
季節といっしょに何かがやって来る、そんな気がする―――。


ToHeart2のSS専用スレです。
新人作家もどしどし募集中。

※SS投入は割り込み防止の為、出来るだけメモ帳等に書いてから一括投入したほうがいいです。


前スレ
ToHeart2 SS専用スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105005926/

AQUAPLUS『To Heart2』公式サイト
ttp://www.aquaplus.co.jp/th2/index.html

本スレ
To Heart2 その24
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105965085/

ToHeart2 スレッド 過去ログ置き場(仮)
http://f55.aaa.livedoor.jp/~kuma/toheart2/

各キャラの呼称相関図は
ttp://botan.sakura.ne.jp/~siori/hth/index.html
内のToHaert2呼び方相関図を参照。
813名無しさんだよもん:05/01/23 20:51:56 ID:FRHFBEv3
いいとおもいまつ
814名無しさんだよもん:05/01/23 20:53:26 ID:rHQ4w0sk
>>812
それでそろそろヨロ。
新スレ立った直後に投下予定の人はお互いの割り込みに注意w
815名無しさんだよもん:05/01/23 21:00:30 ID:x/72UG4N
立てたぜよ。

ToHeart2 SS専用スレ 2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106481479/
816名無しさんだよもん:05/01/23 21:01:51 ID:rHQ4w0sk
>>815
グッジョブ
817名無しさんだよもん:05/01/23 22:22:01 ID:uHU8aGqK
どうでもいいことだけど
こういう『容量は残り少ないけどレス数はまだ余裕のあるスレ』って
980越えみたいなのと同じカンジですぐ落ちるのかな?
818名無しさんだよもん:05/01/24 00:13:28 ID:PN7KKobs
どーでもいいことだが完全無欠なくらいスルーされているな、るーこ。
819名無しさんだよもん:05/01/24 00:22:23 ID:XkLkrLQx
本編でわりと満足しちゃったからね>るーこ
むりろネタにも出てこないかもりんはどうなる。
820名無しさんだよもん:05/01/24 00:23:02 ID:ON4v2u4f
かもりん、スレの最初のほうにあるよ
821名無しさんだよもん:05/01/24 00:37:11 ID:wELkvcFB
るーこは割と好きなんだが、どうにも書きにくい
あえて書くとしたら後日談だろうか
822名無しさんだよもん:05/01/24 00:39:12 ID:ofpdVAa2
>>259のるーこの続きを今でも待っているのは俺だけでいい
823名無しさんだよもん:05/01/24 00:59:58 ID:uPQ0DTYd
しかしなんだかかんだでSSスレじゃメイドロボ大人気だな。
サブキャラ系スレでもブッチ切りの伸びだし。


そこでだ、そろそろよっちの大作が投下されるんじゃないかと俺は践んでるんだが?
824名無しさんだよもん:05/01/24 01:02:19 ID:ON4v2u4f
いや、いよいよ郁乃アフターの登場では?
825名無しさんだよもん:05/01/24 03:23:14 ID:qEWaka7t
>>822
残念。実は俺も続きを待ってる。
826名無しさんだよもん:05/01/24 06:16:43 ID:4frWwM9K
るーこはコンペスレにあるね 一応
827名無しさんだよもん:05/01/24 10:45:39 ID:ko5U6ak3
なんかスレ2の方に既にSS上がってるぞ。
こっちまだ使い切ってないのに
828名無しさんだよもん:05/01/24 11:12:54 ID:RFG2Mitw
>>827
後7KBでdat落ちしちゃうので、SSあげられないのですよ。
829名無しさんだよもん:05/01/24 11:33:55 ID:740UYPvM
俺は郁乃アフター断念しました。
いやね?本編での登場期間があまりに短かったせいで、こいつに嫉妬させるってのがどういうことか分からんのですよ。
ちょっと気を抜くと愛佳についてある事ない事貴明に吹き込んでたときのようなかなり性格の悪いキャラになるし、
あんまツンデレさせて「お姉ちゃん大好き!」にすると瑠璃化するんですよ。それはそれでいいかもしれないけど
830名無しさんだよもん:05/01/24 13:38:20 ID:YRgEh3X9
落ちるかな。




☆*****☆*****☆☆*****☆*****☆ч
831名無しさんだよもん:05/01/24 13:59:45 ID:Hc8xyPq/
あんまり早く容量いっぱいにすると落とされるかもしれない。
このスレは最小限のカキコのみで維持することを
おすすめする。
832名無しさんだよもん:05/01/24 16:44:58 ID:rCgYVrjl
一応このスレ、ここまでの分保存して、うpしとく(・ω・)
各作品を抜き出すのは面倒だけど、それくらいなら。

我楽多工房.com
ttp://www.geocities.jp/koubou_com
833名無しさんだよもん:05/01/24 16:51:06 ID:onqHlNgV
GJ
834名無しさんだよもん:05/01/24 18:37:17 ID:24f86f5Z
>>832
GJ
835名無しさんだよもん:05/01/25 02:42:22 ID:I+CxWZwX
>832
THX
836名無しさんだよもん:05/01/26 03:01:29 ID:TJqV0rsU
1919(イクイク)5454(ゴシゴシ)ジンギスカぁ〜んっ♪ あぁあん♪
たかくんすごいであります!!
837名無しさんだよもん:05/01/26 08:00:29 ID:g5tzX/ga
5454(ゴシゴシ)ってあんたw
838名無しさんだよもん:05/01/26 08:51:32 ID:HBOadFkA
4545だと柔らかく優しい感じだが
5454だと力強く荒っぽい感じだな
839名無しさんだよもん:05/01/26 14:44:03 ID:yFkF4GcH
>>832
乙ー
840836:05/01/26 21:59:44 ID:TJqV0rsU
1919年5月4日に起きた54運動のこと。
厨房時代の社会化のセンセが教えてくれた。

ちなみに社会のセンセの後輩数学のセンセは球体積の公式を
(4/3)πr3
みよちゃんのおっぱいれろれろれろ
と覚えると良いよと教えてくれた。忘れられない。
841名無しさんだよもん:05/01/26 23:27:06 ID:ZBCGZhCe
まだ書き込める?
842名無しさんだよもん:05/01/27 01:32:15 ID:iYF4WiVE
あと5〜6k
843試験投入・環SS(仮):05/01/27 19:32:57 ID:a2ou5cz3
4月の終わり、河野貴明と向坂環は恋人同士となった。
しかしそれは一つの物語の終わりではなく、むしろ始まりであった。

5月に入り修学旅行まであと少しという頃、早朝2人の姉弟が河野家を訪れた。

「ほら! タカ坊、早くたべて支度なさい。 時間ないわよ!」
よく通る澄んだ声で環がせかす。 制服にエプロン姿が眩しい。
「大丈夫だよ少し急げば、いままでもこの時間ぐらいで・・・いたたた!!」
頬をつねられて最後まで言葉がつげない、つねってる本人はにこやかに言う。
「いままではね、でもこれからはそうはいかないわよ!」
ここ数日、環は朝から河野家に通っている。 貴明の生活を改善するためと
意気込んでのことだ。  
なんせ5時に起きてそれから10Km走る人だ、朝は強い。 その後、雄二を
起こし河野家に来るのだから貴明でなくても恐れ入る。
「お前はまだいいぜ、俺より30分余計に寝られるんだからな。6時に叩き
起こされる俺の身にもなれよ! とんだとばっちりだぜ・・・」
となりで食事している雄二がぼやく。 環が河野家に朝から通うようになり
食事を作る手間を省くためココに連れて来られたのだ。 
貴明も以前より早く起きているのだが、環はそれからご丁寧に手の込んだ
朝食と弁当(昨晩にほとんど仕込みは終わっているが)を作るので結局
いつもと同じ時間になってしまうのだ。
3人での朝食はここ最近のお決まりとなっていた。
「あ〜あ、貴明に姉貴をあてがえば俺は開放されると思っていたのによ・・・
とんだ見当ちがいだぜ! 貴明! お前のせいだぞ」
「お前の仕込みが足らないからだ! とっとと姉貴を女に・・・あだだだ!!」
いわずもがなのアイアンクローが炸裂する。 
844試験投入・環SS(仮):05/01/27 19:33:46 ID:a2ou5cz3
「そ!そんなことアンタに関係ないでしょ!!」 顔を真っ赤にして環が叫ぶ。
「あだだだだだ! 割れる! マジ割れる〜!!」 いつも以上の圧力に雄二
が絶叫する。 
「ははは・・・」 貴明がちからなく笑う。 雄二をようやくその豪腕から
開放した環もなにか言いたげに貴明をちらと見た後、黙ってしまった。

4月の終わり、互いに告白し幼馴染から恋人同士となった後も2人はまだ完全
に結ばれたわけではなかった。 そのような機会はいくらでも在ったし、また
環もそうなる事を望んでいるのはいくら貴明といえど気がついていた。
ただ貴明はまだその一線を越えることに対して踏み切れないでいた。 なんの
障害もないはずなのに。
 
「おはよう、タカ君、ユウ君も」 すぐ隣、柚原邸の前でこのみと合流する。
「おっす!ちびっこ」 「おはよう、このみ」挨拶をかえす雄二と貴明。
「おはようタマお姉ちゃん」 「・・・おはよう、このみ」
雄二と貴明とは別に挨拶するこのみ、暫しの沈黙ののちにそれを返す環。
二人の間にある微妙な空気。 貴明と環の関係を知った時、このみの受けた
衝撃は小さなものでは無く、こうして再び一緒に登校できるようになるの 
には数日を要した。 
環とこのみは一晩語り合ったという。 そのとき何を話したのか、貴明も雄二も
一生教えてもらえないだろう。
二人はそれから表面上はいつもどうりの関係に戻ったように見えるが、とき
おりギクシャクする時もある。 もっともそれは、貴明や雄二、春夏などの
ごく身近な人物にしか解りえない程度のものであった。
人はいつまでも同じままではいられない、しかし少なくともこの時の4人は
幼いときと変わらないように見えた。                  
845名無しさんだよもん:05/01/27 20:45:42 ID:P1nlp3K5
>843-844
イイ!!
続き待ってます
846名無しさんだよもん:05/01/27 21:06:55 ID:mXaw7TmH
(・∀・)イイ!!
続き期待してます。
847埋めがわり・環SS3
4時限目の授業が終わり、昼休みとなった。 学食に行く者、弁当を広げる者
みな其々であった。 環は弁当をもっていつもの屋上に向かおうとしていた。
「お〜いタマちゃん、彼氏といつものランチタイムですかな?」
クラスメートの少女が呼び止める、環は慌てるふうもなくさらりと答えた。
「最愛の妹と弟2人よ」 「2人の弟君の内の一人が彼氏なんでしょ?」
こんどはさらりというわけにはいかなかった。 「・・・うん、最近ね」
「まあ、いつもあの2人と一緒にいるタマちゃんに告白しようなんて奴はいない
もんね」 「え?」環はちょっと理解しかねた。
「解んない?実の弟君もかっこいいし、貴明君はかわいいし今彼氏なんでしょ?」
「ちょっとまった!雄二は知らないのにタカ坊の名前がでてくるのは何故!?」
たしかにあの2人はもう少しおバカをなんとかすれば女の子にキャーキャー
言われても不思議なことはないが、関係の無い3年生から突然その名がでてくる
のは看過できない。「あら?知らないの、以前から貴明君、上級生のお姉さま方に
結構人気だったんだよ」  「そこらへん、詳しく」 3匹の雛鳥が腹をすかせる
だろうが、今はこっちの方が重要だ。
「詳しくも何も彼、年上殺しだよ。 タマちゃんがいい例でしょ?」
反論のしようが無い、昔から環自身タカ坊がかわいくてどうしようもないのだから。


「おせえよ!姉貴 突然生理でもはじまったのかよ。 こっちは待ちくたび・・」
雄二を得意のアイアンクローで黙らせ、環はこのみと貴明に謝った。
「ごめんなさい、ちょっと用事ができちゃって。 おなかすいた?」
「いや平気だよ」 「うん大丈夫」 「あだだだだだ! いい加減・・離せ・・」
雛鳥たちは三者三様に返事する。
「それじゃ、始めましょうか」 シートの上に色とりどりのお弁当を広げていく。
「ほんといつもすごいね・・タマお姉ちゃんのお弁当」
自分の弁当と見比べながらこのみが言う。
「そんなこと無いわよ、この位このみだって・・・あら?」
環はこのみの弁当箱に目をとめる。