〜ねことおこたと苺ジャム 水瀬名雪スレッド13〜

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718名無しさんだよもん
「雨…」
 窓の外を眺めて、呟く名雪。

「天気予報、外れちゃったな」
 ぱたぱたと、猫の絵柄のスリッパで。
「取り込み、取り込み」
 小さなベランダから、たくさんの洗濯物を取り込んでいく。

「久しぶりの、晴れ間だったのにな…」
 ちょっとだけ、俯いて。
「今日は、残業じゃないって言ってたのにな…」
 エプロンのポケットに忍ばせた、テーマパークのナイトチケットに手をやってみる。

「やっと終わったよ〜」
 生乾きの洗濯物を、それでも何とか室内に干してから。
「止みそうにないな…」
 ベランダに出て、雨の様子を眺めてみる。

「あ」
 ぽん、と手を打って。
「祐一、傘持ってるかな」
 少しずつ強くなる雨脚に、少しだけ顔を曇らせる。

 昔みたいに時間はないけど、
 昔みたいにいっぱい遊べないけど、
 実家と違って家は広くないけど、
 今、わたしは祐一と一緒にいる。
 だから。

「駅まで、迎えにいこう」
 雨はまだまだ降り続いているけれど、
 心の中には晴れ間が広がってきていた。