「むーっ!むーっ!」
狭い部屋に、くぐもったうめき声だけが響く。
「どうだ?オレの味は」
オレの、を強調して、後ろ手に縛られ横たわるそいつに囁きかける。そいつの口に詰め込まれているのはオレのトランクスだ。
こうして襲われるのなんて初めてだろうし、口に男の下着を詰められるなんて尚更だろう。
「美味いだろ?お前のことを思って3回夢精したやつだからな。お前への想いがたっぷり詰まってるんだぜ?」
屈辱感でそいつの顔が赤く染まっていく。
さて、そろそろいいか。
満足に抵抗できない獲物が密室に一匹。
オレはゆっくりとした足取りで獲物に近づく。
後ずさっても無駄だ。すぐに後ろのベッドにぶつかる。
「誘ってるのか?」
「んーっ!!」
必死に首を横に振る。短く切り揃えられた髪がつられて揺れる。
オレは獲物に覆いかぶさり、服に手をかける。一気に破り捨て、獲物の肌が外気に晒された。
「たまんねえな…」
辛抱できず、その柔らかい肌に口をつけ舌を這わせる。
「!!」
異物が腹の上を蠢く感触に身をよじる。
ほのかに汗の混じった、何とも言えない味わい。
まずはへそ。腹。
段々と上へのぼりつめていく。
そしてその突起――乳首に辿りついた。
外気に晒されたそこは既に少し硬くなっていた。
「もう、感じてるのか?」
「んむーっ!!」
必死に否定する。
オレはかまわずに愛撫を続ける。舌で舐めあげ、口に含み転がす。
歯を立てた瞬間、獲物の顔に快楽の色が浮かんだ。
「気持ちいいみたいだな。じゃあオレもそろそろ気持ちよくさせてもらうぜ」
舌は乳首から離さずに、獲物の下半身に視線をずらす。
あそこにこいつの…。
オレは口を離し、両手を獲物の下半身にそえた。
そこだけは見せられない。そう主張するかのように獲物が激しく抵抗する。
構わず、ずるずると引きおろしていく。
すぐに野暮ったい下着があらわになった。
「さて、こっからが本番だ」
「んーっ!んーっ!」
激しさを増す抵抗。だがそれも風前のともしびというやつだ。
一気に下着をずり下ろした。
「ほら、お前の恥ずかしいところが丸見えだ」
もう諦めたのか、獲物の顔には絶望しか浮かんでいなかった。
「じゃあ遠慮なくいかせてもらうぜ…」
自らもズボンを脱ぎ捨て下半身を露出させる。
今までの愛撫でオレの息子もすっかり臨戦態勢だ。
後悔するといい。オレがアブノーマルな男だったことを。
オレは息子を、獲物の――肛門にあてがった。
「!!!??」
「行くぞ」
一気に突き刺した。
声にならない叫びが耳に届く。
「気持ちいいか?オレは気持ちいい!」
耳元で囁きながら抽出を繰り返す。
どんな気持ちだろう。
初めての相手がこんな、下衆な男。そして本来は排出をする場所を犯されている気分は。
苦痛に喘ぐ獲物の姿を見ていると、段々とそんなことはどうでもよくなってきた。
ただ、犯したい。その綺麗な顔をもっと歪ませたい。
あれからどれだけの時間が経ったのだろう。
10分も経っていない気もするし、半日経った気もする。
結合部からはぐっちゃぐっちゃと淫らな音が鳴っている。
獲物は既にぐったりとして、時折びくびくと身体を痙攣させる程度の反応しか見せなくなった。
「ふぅ…」
そろそろいいか。
オレは繋がりっぱなしだった息子を抜いた。
どろり、と結合部から精液と腸液が交じり合った液体が零れ落ちる。
ぐったりと横たわった獲物。やはりオレの思っていた通り、最高の絞まり具合だった。
今度は…そう、この獲物といつも一緒にいるあいつもセットで頂くってのも悪くない。
オレは狭い部屋を後にした。
扉を振り返り、そこに書いてある掠れた名前を読み上げる。
「気持ちよかったぜ…春原陽平」