葉鍵消防隊

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1名無しさんだよもん
「葉鍵100から葉鍵102へ
 葉鍵O-X-△ 来栖川家で火災発生!
 葉鍵消防隊出動せよ!」
葉鍵市で奮闘する消防士たちの物語

こんな感じで
2名無しさんだよもん:04/08/27 17:36 ID:6CV/+6rR
小坊といえばみさお、みちる、汐とかだな
3名無しさんだよもん:04/08/27 17:36 ID:RqlfcpxC
福男
4名無しさんだよもん:04/08/27 17:38 ID:zYJGyuOb
にゃぴるーん
5名無しさんだよもん:04/08/27 18:07 ID:1HR+srbC
あぁ!ちんぽ漏れますぅ!!
6名無しさんだよもん:04/08/27 18:11 ID:ZTVmmJio
ストッパー平井、落合ゲット
7名無しさんだよもん:04/08/27 18:24 ID:Ha+czbdr
適当に書いてみよう。
8名無しさんだよもん:04/08/27 19:30 ID:Ha+czbdr
真夜中。
最初にそれに気づいたのは、汐だった。
「パパ、ママ…」
顔に細い指が触れる感触に俺は目覚める。
「ん……どうした、汐? トイレか?」
「しおちゃん、どうしました?」
渚も起きだしてくる。
「なんか、変なにおいがする…」
『え?』
「これは…」
「朋也くん…このにおい…」
「渚、念のためだ。最低限必要なもの…通帳とかをまとめろ。汐は上着を探して着るんだ。一人でできるな?」
「はい、わかりました。しおちゃん、急いで」
「うん」
「俺は外の様子を見てくる」
「気をつけてください」
「ああ」
9名無しさんだよもん:04/08/27 19:31 ID:Ha+czbdr
「なんてこった…」
それしか言葉はなかった。
アパートの二階から見えた風景は、まるで空襲。
町のあちこちから火の手が上がり、冬の乾いた風に煽られて急速に勢力を拡大している。
119番通報するまでもない。とっくに消防隊はフル出動しているだろう。
アパートの周辺をまわって確かめる。炎はすでに三方の遠くを囲み、徐々にアパートの方へも手を伸ばしていた。
このままでは炎に囲まれる。一刻の猶予もない。
スチールの階段を駆け上がり、部屋へ飛び込んだ。
「どうでしたか、朋也くん?」
「急げ。ここにも火の手が回ってくる」
渚の顔が目に見えて青ざめた。が、しっかりと口を引き結んで汐の手を取る。母親の姿だ。
「朋也くん、この荷物をお願いできますか?」
「ああ、言われなくても俺が持つよ。なにを入れた?」
家にある一番大きな鞄を受け取り、中身を確認しながら訊く。
「えっと…着替えを一組と、救急箱、懐中電灯、ビニール袋、電池、あと日持ちしそうな食べ物をあるだけ入れました。通帳とお財布も」
「ラジオはないか?」
「ラジオ、ですか?」
「情報源がなにもないのは困るだろ」
「あ、そうですね。探します」
「いや、もう時間がないから諦めよう。火の周りがかなり早いから、早く逃げないと手遅れになる」
「そうですか。では行きましょう、しおちゃん」
10名無しさんだよもん:04/08/27 19:32 ID:Ha+czbdr
家を出た。渚が息を飲むのがわかる。暗闇でもわかるほどに青ざめた顔をしている。
汐が、空いた手で俺の手をぎゅっと握った。汗ばんでいる。
俺の心臓の鼓動も明らかに早い。
だが、俺は冷静だった。
守るべきものがしっかりとわかっていて、それは自分の隣にいたからだ。
「汐、眠いか?」
「大丈夫」
「よし、駆け足だ。渚、行くぞ」
「はい、朋也くん」
生き残るために、俺たちは走り出す。



そして、彼らの知らないところで動き出した影があった。
葉鍵消防隊―――
現代に残る唯一の「火消し」にして、は組の末裔たちで構成される最強の消防隊。
突然の災害に見舞われた町で、伝説の火消したちが暗躍する!
11名無しさんだよもん:04/08/27 21:18 ID:z5PhtZsT
なんか面白そうじゃない
12名無しさんだよもん:04/08/28 12:33 ID:GuTOI7zy
うむ、面白そうだな
13名無しさんだよもん:04/08/28 14:22 ID:XXT0ImOU
面白そうだけど参加できるほどのネタが無い。
14名無しさんだよもん:04/08/28 19:58 ID:aUMFiJCT
10分で書いたので、この後はなんも考えてないや…。
思いついたら書いてみよう。
ちなみに、ほぼ同時刻に他のスレに投下した思いつき作品はひどい扱いを受けております。
15名無しさんだよもん:04/08/29 11:33 ID:1uT3VHWm
ほう
16名無しさんだよもん:04/08/29 11:50 ID:5gpVnkq1
>>1
肉弾戦で戦うなんてのもOK?
17名無しさんだよもん:04/08/29 19:33 ID:lz4kkjgB
汐「パパ、ママ。あれ・・・」
朋也「なんだ汐?靴はちゃんと履いたか。準備できたら・・・」
汐「かいじゅう」
渚「え?」

カギラ「ぎゃおーーん」
1814:04/08/29 23:05 ID:WbXOmUJH
>>17
それだ!!!!
19名無しさんだよもん:04/08/30 15:05 ID:EqJ0K3en
三井「びーっ」

カギラ「ぎゃおーん。ばたっ」

朋也「よし、急げ今のうちだ」
渚「(あの娘どこかで・・・)」

「よし、駆け足だ。渚、行くぞ」
「はい、朋也くん」
生き残るために、俺たちは走り出す。
20名無しさんだよもん:04/08/30 18:59 ID:KGjCY50Y
汐「パパ、ママ。あれ・・・」
朋也「なんだ汐?」
汐「くるま、おっきな」
渚「え?」

トラック「ききききぃーっ」

燃えさかるタンクローリーが突っ込んできた!
21名無しさんだよもん:04/08/30 23:23 ID:mVc/ZJPp
とっさのことだ。なにも考えられない。
俺は、反射的に渚と汐を庇うようにして抱え、車に背を向けた。
目を瞑る。
タイヤのスリップ音と渚が俺の名を叫ぶ声が、やけに長く聞こえた。

「………?」
固く閉じていた目をゆっくりと開ける。
聴覚が麻痺している。なにも聞こえない。
最初に目に移った俺の大切な家族ふたりは、まだ目を瞑っている。
瞑っている。生きているのだ。
俺の全身は吹き飛ぶことも燃え上がることもなく、まだ覆うようにふたりを抱いている。触れている部分は、温かい。
そして、背中に高熱の風が吹きつけている。
「な、なにが…」
肩越しに振り返る。
すぐ近くまで迫っていたはずのタンクローリーは、数十メートル離れた場所で炎上していた。
いや、それはすでにタンクローリーの形を留めていなかった。
タンク部分は跡形もなく、車の部分もひしゃげ潰れて炎を噴き出している。
積まれていたガスが爆発を起こしたことは、想像に難しくなかった。

そして、その炎に照らされて浮かび上がるシルエットが。
長い髪を熱風に揺らし、爆発跡を見つめる人間が。
憂いを帯びた背中をこちらに向ける少女が。
ゆっくりと、振り返った。

その背後遠くに、巨大な影が立ち上がっていた。
22名無しさんだよもん:04/08/30 23:23 ID:mVc/ZJPp
(少女は葉鍵消防隊のひとりという設定で書いてます。背後遠くの影はカギラ(?)らしいです)
23名無しさんだよもん:04/08/30 23:55 ID:StrLBwNM
怪獣出すと現実感がなくなって面白みに欠ける。
24名無しさんだよもん:04/08/31 00:42 ID:24keqROH
思いつきで怪獣出したら急にB級になったんで速攻で退治したつもりが復活してるw

でも、>>1さんが気に入ったのならそれでいいですっ。
25名無しさんだよもん:04/08/31 09:23 ID:F3KJJEHp
え!?
あ、よく見たら退治されてた…orz
書き直し…? ぎゃーす。
2621:04/08/31 09:28 ID:F3KJJEHp
最後の一文だけなかったことにしてくれ…
27名無しさんだよもん:04/08/31 10:03 ID:F3KJJEHp
炎と闇、赤と黒の空間に、鋼の銀が煌めく。
少女は、鞘のない抜き身の剣をまるで血を払うように振った。
「大丈夫…」
「え?」
なにを言われたのか。思わず訊き返す。
「大丈夫…?」
「え? あ、ああ…」
感情の読みづらい、起伏のない言葉。どうやら質問だったらしい。三人とも怪我はないようなので、頷いておく。
「と、朋也くん…」
反射的に庇った渚が、オレの服の裾を引いていた。
「なにが、起こったんでしょう? 大きな車が燃えながらこっちに走ってきて…」
渚は「起こったんですか?」とは訊かない。俺にもわからないことを承知で、疑問を口にしているだけだろう。
「わからない。ただ、どうもあの人が助けてくれたみたいだな」
俺が目を向けた先に渚も目をやった。
黒く長い長い髪を、どこかで見たような色のリボンでまとめた少女。右手には細い剣を持っている。
燃えさかるトラックの前面には、一筋叩き切られたような跡があった。
(まさか…あの剣で弾き飛ばした? そんな馬鹿な…)
「あの…助けていただいてありがとうございました」
渚が立ち上がって頭を下げていた。
その隣で汐も渚の手にすがって立ち上がっていた。トラックが迫る光景がよほど怖かったのだろう、ブルブルと震えている。
それでも汐は、少女の方を向いてしっかりと頭を下げていた。
そうだ。方法はどうあれ、自分たちはこの少女に命を救われたのだ。
「ありがとな。助かったよ」
少女が、わずかに頷いた気がした…と、次の瞬間には身を翻し走り去っていった。
速い。声をかける間もなく、少女の姿は闇に紛れて消えた。
「俺たちも行くぞ」
俺は再びふたりの手を引く。少女の向かった方向は炎がかなり回っているように見えたので、それとは逆方向へ走る。
「お名前、訊けませんでした…」
手を引かれて走る渚が、ぽつりとつぶやいた。
28名無しさんだよもん:04/08/31 10:05 ID:F3KJJEHp
あと、>>24
俺は>>18だけど>>1じゃないです、念のため。
29名無しさんだよもん:04/09/01 07:26 ID:dbhSJXqQ
いい感じですな。
俺は手伝えないけど。
30名無しさんだよもん:04/09/02 22:12 ID:+KuKV5Kg
なるべく街灯が多い道を選んで俺たちは走った。
街灯が点いているということは、電線がまだやられていないということ。つまり炎が回っていないということだからだ。
街のどこに街灯があるかはあらかた把握しているため、判断はそう難しいことではなかった。
汐がいるため、大して早く走ることはできない。一度抱き上げようとしたが、頑として聞かなかった。
汐は我侭ではないが、頑固だ。こんなところも渚にそっくりだ…と思いながら、渚の横顔をちらりと見る。
不意に、その渚が立ち止まった。
「どうした、渚?」
渚の息は荒いが、息を切らしているというほどではない。まだ十分走れるはずだ。
汐が疲れたのかと思ったが、汐もあまり辛そうには見えない。
渚の目は、俺を見ていなかった。汐を見ているわけでもなかった。
ただ、暗闇の一点を凝視していた。
「朋也くん、あれ…」
自分の目を信じられないといった顔で、少し離れた木造一戸建てのほうを指差す。
まだ炎が移っていないその家の横に、軽トラが一台停まっていた。
荷台にはなにかが山のように積まれている。
ちょうどその時、なにかが地面に落ちる音が。

―――まるで、誰かがポリ缶を投げ捨てたような音が。

そして、闇の中に小さな炎が点ったかと思うと、
次の瞬間には燃えさかる炎が家の周囲を覆い尽くしていた。

「………」
渚も汐も俺も、なにも言わなかった。
炎の中に浮かび上がった人影が軽トラに乗り込んで走り去るのを見ても、
その軽トラの荷台に大量に詰まれているものはガソリンの入ったポリ缶であるのを見ても、
なにも、言えなかった。
31名無しさんだよもん:04/09/02 22:48 ID:+KuKV5Kg
「渚っ!!!」
聞きなれた声がした。
いつの間にかオッサンと早苗さんが後ろにいたのだ。全く気づかなかった。
しかしその声は、自分たちの存在に気づいていない俺たちに声をかけるものではなかった。
「渚! しっかりして、渚っ!!!」
「渚、どうした!!」
渚の目は、焦点も合わずにぼんやりと虚空を見ていた。オッサンに支えられてぐったりとしている。
「!? 渚!? 渚っ!!」
肩を掴んで少し乱暴にゆすった。汐も腕を掴んで同じようにゆすっている。こんな状況でなければ微笑ましい光景だが、
今はそれどころではなかった。
渚の目から涙が零れ落ちた。
「朋也くん…」
「渚!?」
「朋也くん…ひどいです…」
ギクッとした。俺が、なにかしただろうか?
「あんな…火をつけて…町を…燃やして…そんな…そんな…」
単に俺に話し掛けただけで、俺がひどいと言ったのではないのだと気づくのにしばらくかかった。
この町は―――いや、この町と人は、渚の家族だ。
渚は、その家族の願いのカタチに命を助けられたのだ。
そして、今、渚の家族は炎をあげて燃えていた。
人が、渚の家族に火を付けた。

渚の家族は、何者かに燃やされていた。

「小僧、追うぞ」
オッサンが言う。
迷いはなかった。
「いや、オッサンは早苗さんと渚と汐を頼む」
「なに? おい待て小僧! 朋也!」
俺は走り出していた。
捕まえてどうするかなど、考えてもいない。ただ、捕まえることだけを考えて走った。
渚たちの視界で、自分の身体が闇に紛れていくのを感じた。
32名無しさんだよもん:04/09/02 22:49 ID:+KuKV5Kg
毎回思うのだが、

 こ の あ と ど う し よ う …
33名無しさんだよもん:04/09/02 23:08 ID:L8RDqs2c
そうだな・・・俺は楽しく読んでる。

  あ と も が ん ば れ !
34名無しさんだよもん:04/09/02 23:33 ID:+KuKV5Kg
一人でもそんな人がいてよかったよ。
適当に書くのをやめて、ちょっと考えて書いてみよう…。
ではまた数日後。
35名無しさんだよもん:04/09/02 23:41 ID:mfAPl2G3
いきおいがある文章がスキ。
ここにも一人読んでるのがいるです。
がんがって。
36名無しさんだよもん:04/09/03 03:41 ID:cwZNnD35
ここにもいるよ
37名無しさんだよもん:04/09/03 16:42 ID:eH8T1YF5
ここいにるよ
38名無しさんだよもん:04/09/03 17:13 ID:QCXZLe+c
>>37
???
39名無しさんだよもん:04/09/04 23:24 ID:nssiyvhC
燃えさかる家のそばで渚たちを置きざりにし、走り出してから数分。
闇に目が慣れてきたが、その代わりに息が切れてきた。電柱に手をつき、息を整える。
「なにをやってるんだろうな、俺は…」
どれだけ本気で走ったところで、車に追いつけるはずがない。わかりきったことだ。
(でも…)
渚の虚ろな表情が、思い出される。悲しみ一色に染められた表情が。
オッサンに、渚を笑わせ続けると誓った。でも、それは義務じゃない。俺がそうしたいから、誓った。
悲しみしか映さない渚の瞳など、二度と見たくなかった。
誰が火をつけているのかは知らない。ただ、止めなければならないのだ。この町のために。渚と、そして汐のために。
…俺の家族のために。
(とにかく、追おう。またどこかで火をつけるはずだから、その間に追いつける)
トラックが消えた方向へ再び走り出そうとして…横の路地から飛び出してきた誰かにぶつかった。
『痛っ!!?』
長い髪を乱して尻餅をついたその女性は…
「杏!!?」
「あ、と、朋也!!?」
俺を認識するや否や、数年ぶりにあった藤林杏は起き上がりざまに俺の手を掴んで、
「来て!!」
ものすごい力で引っ張った。
「え、おいちょっと待て杏!!」
「いいから早く来て!!」
「『いいから』じゃねぇ! 俺は忙しいんだ!!」
杏が突然立ち止まり、振り返る。
そして、俺は杏の顔を真正面から見た。
髪はびしょ濡れで、しかしあちこちがチリチリと焦げていた。
パジャマらしき服もびしょ濡れだが、焦げ穴と大きな裂け跡ですでに原形を留めていなかった。
そんなひどい格好の杏の、あちこちに黒い煤がついた頬に大粒の涙が零れた。
「!? ど、どうした杏!?」
さらに涙が零れ、流れ落ちる。ボロボロと涙を流す杏。
感情の渦に流され飲み込まれんとする彼女の口から辛うじて漏れた言葉は―――
「椋が…っ!!!」
背筋が、凍った。
40書いた人:04/09/04 23:28 ID:nssiyvhC
タンクローリーにガス積んでどーする。
>>27の「どこかで見たような色のリボン」が、風子のリボンの色だとわかるやつが何人いるんだ。

次書けたらCLANNAD以外の葉鍵キャラが出るようにしねーと…。
もし見てる方おられたら辛口感想プリーズです。貶す感想じゃなくて正す感想だとなお嬉しい。
…こんな短いのに感想書けと言うのが無茶な気もするが。
41名無しさんだよもん:04/09/04 23:28 ID:nssiyvhC
>>27の「長い長い髪」ってなんだ…?
42名無しさんだよもん:04/09/05 00:34 ID:3uZhC1QA
>>40
文章は今のままでいい。
言われたことがあるかどうか知らないけど、文のここが装飾過多かどうかこの部分がくどくないかどうか気になるお年頃というのなら気にしなくてイイと答える。

展開の仕方は悪くない、後は何が展開されるかなのでもう少し様子見。
43名無しさんだよもん:04/09/05 06:30 ID:wKGzXaCy
展開は悪くない。
ただ、そろそろスレタイ通りに消防隊員が欲しいところ。

無茶っぽかったらスルーでよろ。
44名無しさんだよもん:04/09/05 07:53 ID:TSoc3L66
リボンの少女は風子だったのか…
舞だと思ってたよ。
45名無しさんだよもん:04/09/05 09:10 ID:tlUAfYQM
「風子のリボンと同じような色のリボン」をしてるのが舞ってことでは?
46名無しさんだよもん:04/09/05 20:06 ID:3t58ooeJ
つまりあの時点から風子の身に何かあったという伏線が・・・舞が斬り殺した時の戦利品だったりしてな。
47書いた人:04/09/05 23:28 ID:7IW57lzM
>>45が正しいです。
>>46じゃなくって、単にもともと同じような色なのでそう書いただけです。ややこしかったか…orz
48コテとトリップ:04/09/06 01:28 ID:FOJZrdl0
ここで出てきたら台無しだと思うよ、マジで
49名無しさんだよもん:04/09/06 11:20 ID:yL13rug/
コテトリが出てきたら台無しだと思うよ、マジで
50名無しさんだよもん:04/09/09 01:06 ID:6m+2qMtT
杏を追ってひたすらに走る。
藤林はまだ生きていると杏は言うが、それが事実なのか、それとも杏の希望的観測なのか、
あるいは―――考えたくはないが、杏が妹の死を目にして錯乱しているのかという区別は俺にはつかなかった。
ただ、杏の言葉を信じるのならば、藤林は生きていてしかし絶体絶命の状況に在るという。
放火犯の追跡をやめて杏を追う理由など、それだけで十分だった。
しかし、本当にこの道であっているのかと、少し冷静になってきた頭で考える。
藤林家の正確な位置は知らないが、通学時に出会っていた道などから考えるとこっちの方角ではない気がする。
そして、道こそ違えどこの方角は渚たちと別れた場所に向かっている気がする。
「お、おい杏!」
杏は答えず、ひたすらに走る。
「杏!!」
「なによ!」
今度は返事があった。
「どこへ向かってるんだよ!!」
「椋の家よ! もうすぐそこだから黙って走りなさい!!」
「え? 藤林ってお前と一緒に暮らしてないのか?」
「とっくに結婚して出てったわよ! 子供もいるわ!」
…知らなかった。
「そ、それでどうしてお前が藤林が危ないって知ってるんだよ!」
「ついさっき椋の家へ行ったのよ! そしたら…」
杏はそこで言葉を切り、目の前にある瓦礫の山へと突撃した。
「え…?」
俺は呆然と立ち尽くした。
そうするしかなかった。
杏が必死になにかを掘り起こそうとしている、水に濡れてあちこち燻る瓦礫の山があるのは、
見間違いようもない、ついさっき俺たちが放火される瞬間までを目撃した家が建っていた場所だった。
51名無しさんだよもん:04/09/09 01:07 ID:6m+2qMtT
ほんの十数分前―――

藤林杏は、妹の家へ向かってバイク(原チャリ)を走らせていた。
着替えが面倒なのでパジャマのままだ。どうせ誰も見てないだろうし、変なやつがいれば蹴倒すだけ。なんの問題もない。
椋の子供は今夜、伯母と祖父母…すなわち杏とその両親の家に泊まることになっていたのだが、
その子が着替えを忘れたので取りに来たのだ。
伯母に似てすごく可愛い子(杏による評価)なので、両親はもちろん杏も溺愛状態である。
その顔を思い出してはにやけつつ、杏はバイクの速度を落とした。そこの角を曲がれば椋の家だ。
家の裏に寄せてバイクを停め、降りて歩き…滑って転んだ。
「痛っ!!?」
しかも腰を強かに打った。
「あ痛たたた…」
腰をさすりつつ立ち上がる。
「なによこれ、なんでこんなに滑り―――」
言いかけて、杏はその理由がわかった。
バイクに乗っていれば、定期的に嗅ぐことになるこの匂い。
滑りやすい理由がわかって、しかし杏にはそれがそこに撒かれている理由がわからない。
「え、これ、なんで―――」
疑問を全て口に出さないうちに、オレンジ色の揺らめきが地を走ってきた。
それは、転んだことで全身のあちこちにガソリンをつけた杏の身体を恐ろしい速度で這い上がる。
「―――っ!!!」
悲鳴すらあがらない。
あげる暇さえないほど、杏は冷静だった。
杏は家の裏にある水道へ飛びついた。蛇口をひねり、ホースで頭から水をかぶる。
全身が濡れ炎が消えたと見るや、肩で窓を破って裏から家に飛び込んだ。
大量のガソリンと古い木のせいで、炎は瞬く間に家を包もうとしている。
「椋! 勝平さん!!」
探し人の名を叫びながら家の中を走る。いつもと違う場所から入ったことによる視点の違いと、
最初の冷静さを徐々に失ってきたことで表面化してくる焦りが、寝室の場所を思い出させてくれない。
そうしている間にも、炎の舌は凶悪な速度で家の中を舐めつつあった。
52名無しさんだよもん:04/09/09 01:09 ID:6m+2qMtT
(そうだ、この襖だ―――!!)
やっと見つけた。蹴破った。
ちょうど異変に気づいて起きたらしい二人が、ボロボロの杏を見て呆然としている。
「お姉ちゃん!!?」
「お姉さん!!?」
「逃げるわよ、椋、勝平さん!!?」
説明を拒む言葉すらも省き、杏は二人を促そうとする。そうしている間にも火は回り―――

もはや、周囲を覆う猛火に耐えられるほどボロ家はその耐久力を残していなかった。

「それ」に反応できなかった杏と、杏を突き飛ばそうとした椋と、椋を突き飛ばそうとした勝平。

対象が動かなかったことで椋だけがその意図する行動を成し遂げ、

そして突き飛ばされガラスを突き破って外に転げ、身を起こそうとした杏の前で、

古い木造一戸建ての、さっきまで三人がいた部屋を含むほとんどが崩れ落ちた。
53名無しさんだよもん:04/09/09 01:09 ID:6m+2qMtT
葉鍵消防隊?らしき人物を出して一段落するまでもう少し書くつもりだったけど、眠いのでストップ。

>>42
言われたこととかそーゆー以前に創作なんかしたことないぞ…。

「子供」という表現を避けたかったけどなにも思いつかずそのままに。
せめて性別がわかれば「息子」とか「娘」にできたんだけど…。

というか、

 リ レ ー 形 式 は ど こ へ 行 っ た ! ! ?
54名無しさんだよもん:04/09/09 02:21 ID:vh/VUzTc
>>53
人が勧めている作品をいじるのは難しいからな

ところでこのスレは葉鍵キャラが消防士になるスレでいいのか?
スレタイからすると
栞「こちら桜坂ひとまるご!」
とか
香里「鎮圧出来るか、五分五分ね」
とか
佐祐理「あははーっ、これはもう無理ですね〜」
とか
名雪「延焼がひどいよ〜、ここ」
あまつさえ
北川「マジっすか!?」
みたいな感じでいいんだろうか(笑
55名無しさんだよもん:04/09/09 02:22 ID:vh/VUzTc
と、
×勧めている
○進めている
56名無しさんだよもん:04/09/09 19:53 ID:ZAD4lwHh
>>54
そんな感じでいいと思うよ
57名無しさんだよもん:04/09/09 21:41 ID:/hYyI396
「あははーっ」をつけないでどうやってさゆりんを表現すればいいのか、
本編ではそこまで連呼しているわけではないよなぁと小一時間迷(ry
58名無しさんだよもん:04/09/11 13:13:51 ID:cS725hqi
絶体絶命都市スレなんかがあるあたりここの元ネタはこれなんだろうなぁ
ttp://www.irem.co.jp/official/sakurazaka/index.html

消防ゲームならこっちも好き
ttp://www.natsume-game.com/pc/fd/

SS職人様へ
ぜひインパルスも登場させてやってください
水の詰まったホースを引きずるため機敏に動けないポンプ隊員のサポートにぜひインパルスを
ttp://public.sakura-rubber.co.jp/fire/chapter02/chapter2.htm
59名無しさんだよもん:04/09/13 22:45:53 ID:eTXDj1bx
杏は立ち上がろうとした。
途端に足がふらついて、尻餅をついた。
ガクガクと足が震えている。
炎そのものでなく、目の前で妹が炎に飲まれたという事実に杏は震えていた。
「椋っ!! 椋っ!!!!」
叫ぶしかできない。
全く冷静でない杏のごくわずか冷静な部分が、
「自分は冷静でない。誰か呼ばなければどうしようもない」ということに気づく。
(誰か…誰か呼ばないとっ…!!!)
震える足を叩いて、なんとか立ち上がる。
バイクを探すことさえ忘れて、杏は走り出した。
(どうしよう…どうしたら…誰かっ!!!)
時折バランスを崩しながら炎の明かりから離れていく杏の背後で、バイクが燃料に引火し爆発した。
その音さえ、杏には聞こえない。



60名無しさんだよもん:04/09/13 22:46:45 ID:eTXDj1bx
重いリヤカーを引きながら、なんで自分はこんなことをしているのだろうと国崎往人は思った。
重いのは、積荷のせいだ。
ポリタンクに風呂桶にマグカップまで、これでもかというほど大量の水が積まれているせいだ。
重い。が、それは構わない。
あまりに重いので、一度動き出してしまえば惰性で動くため引くのに大した力は要らない。支えるのが辛いだけだ。
国崎往人を悩ませているものは、他にあった。
「ラーメンセット」
…違う。
確かに空腹もあったが、目下の悩みはそれとは違う。つい口にしてしまったことに深い意味はない。はずだ。
「にゃははー、国崎往人はラーメンセット食べたいの?」
チョロチョロとリヤカーの周りを走り回る少女こそが、彼を困らせる者だった。
リヤカーに乗ったり横から押したり目の前で立ち止まったり、鬱陶しいことこの上ない。
ちょうどそばに来たので、殴っておく。
「んにょぺらっ」
奇声を発し、しゃがみ込む少女。
その隙に距離を稼ぐ。
が、少女はすぐに復活して追ってきた。
「なにすんだーーーーーーーーーっ!!!!」
がすっとひざが鳩尾に入る。
「うあっ?」
思わず前かがみになる、と、
「ぐげっ!?」
今度は背中に衝撃。
リヤカーに追突されていた。
「国崎往人なんか、こうしてやるーーーーーーーっ!!!!!」
少女・みちるが、全体重をかけて後ろからリヤカーを押していた。
「ちょ、ちょっと待ておいっ!?」
小さな身体のどこにそんな力があるのか、リヤカーはぐんぐんと速度を増している。
もう一度殴ってやりたかったが、その余裕もない。
加速の理由は、下り坂に差し掛かったからだった。
「ばいばーい、国崎往人〜♪」
みちるの声が遠ざかっていく。
61名無しさんだよもん:04/09/13 22:47:28 ID:eTXDj1bx
ネタが浮かばないので試しに酒を入れたら、睡魔が。もう駄目。

>>54
少なくとも舞は消防士ではなかったな…。
さて、どう展開したらいいんだろ。
62名無しさんだよもん:04/09/14 00:25:34 ID:YBMe9TAj
乙です。
63名無しさんだよもん:04/09/14 18:53:27 ID:3x1XqSZ3
>>61
>>22を読むと舞は消防隊の1人となっているように読めるんだが
64名無しさんだよもん:04/09/14 20:13:47 ID:QvAzKR5+
ま あ そ れ は お い と い て
65名無しさんだよもん:04/09/14 23:58:56 ID:dVn+48S7
おいといていいんかいw
消防ネタは結構思いつくがCLANNADが未プレイだから参加出来ず
SS職人さんの資料用に装備品の解説でも始めるか?
66名無しさんだよもん:04/09/15 13:45:48 ID:T//5vLE+
とりあえず何かインスプレーションが閃くかもしれないからやってみて。
67 ◆nZGPBenp1Q :04/09/15 16:23:10 ID:qZfIO1SD
>>66誰?
68偽風子:04/09/16 16:58:02 ID:xlHONsGz
偽風子さりげなく保守します
69(ノ>ヮ<)ノ☆:04/09/16 17:47:28 ID:EK+FNAdy
さりげなく保守します
70名無しさんだよもん:04/09/17 07:34:12 ID:EGJWrYs9
そうなのか?
71名無しさんだよもん:04/09/17 10:49:31 ID:2FzAsh2G
ageといてさりげなくって…
72 ◆nZGPBenp1Q :04/09/18 21:58:25 ID:bouyga20
>>63
ごめー。「葉鍵消防隊」なるものには属してるっぽいよな。
言いたかったのは、「やってることが消防隊じゃないよな」ってことだ。

書いたけど駄文丸出しだったのでイレーズ。
全国数人の読者の方にはご迷惑おかけします。
73名無しさんだよもん:04/09/19 20:19:05 ID:otXKT7wp
ぐあ、こんな良スレに今更気が付いたよorz
葉鍵荘落ちたし俺も参加したいが、もう遅いか………

とりあえず、職人さん頑張ってくれ
74名無しさんだよもん:04/09/22 23:24:24 ID:19tohEeH
加速していくリヤカーと一緒に、国崎往人がひたすら全速力で走る。
正確には、走らざるを得ない。
グラグラと揺れる風呂桶たらいにポリタンク、バケツに水槽マグカップ。奇跡的に、どれもリヤカーの荷台から落ちていなかった。
が、それを気にする余裕すら彼にはない。
足を止めれば後ろから轢かれる。
古い漫画なら間違いなく足が渦巻きになっているであろうスピードで走っていた。
「にゃははー♪」
思わず殴りたくなる笑い声がどんどん遠ざかる。
せめて睨み付けてやろうと思い振り返るが、荷台と荷物に阻まれて見えなかった。
そうしている間にもどんどんと加速していく。
それでも諦め悪く、首を伸ばしてなんとか後ろを見ようとしながら走る国崎往人だった。

坂の終わりが近づいたとき、なにかが崩れる音が正面から聞こえた。
嫌な予感。
ぎぎぎ。と音がするような動きで、ちょうど振り返っていた顔を前に向ける。
炎に包まれた家が崩れていた。
そして、リヤカー一台と男一人はまさにその家に向かって疾走していた。
何をする余裕もなく距離が0に近づく。突っ込むまであと一秒あるか…いや、もはやない。
どうしようもないのか。どうすれば…!
「ラーメンセットひとつ!!!」
そう叫びながら、国崎往人は背後に大量の水を従えて炎の中に突っ込んだ。
心の中で「違う!」と叫んでいたかどうかは、本人のみぞ知るところである。
75名無しさんだよもん:04/09/22 23:24:57 ID:19tohEeH
往人さんは書くのが難しいことが判明しました。キャラ違うけど許してください。
彼らがいなくなればもとの雰囲気に戻る(かなぁ)。シリアスのはずが…。
そして杏&etcネタの終わりが近い。次どうしましょう。

>>73
続きじゃなくて、別のキャラで別の場面を書く…のは無理か。朋也がいない。
ことみ「ご本がみんな燃えちゃうの(T-T)」
智代「その顔文字はなんだ?」
ことみ「寛さんに教えてもらったの」
智代(寛って誰だ…?)
76名無しさんだよもん:04/09/23 12:32:02 ID:m68HmQjl
乙です。


とりあえず、今書いているものがあるんだけど……
出来上がったら投下して良いものか
これ以上、キャラ増やさないほうがいいのかなあ、
書き途中だけど、結構シリアスものだし
77各無しさんだよもん:04/09/23 23:03:29 ID:eq6jW2Kq
いいよ
往人いい味出してる
あとキャラは面倒見られるなら増えていいかと

とか言ってみるテスト
78 ◆nZGPBenp1Q :04/09/24 13:38:35 ID:tx3vjq9t
そしてトリップを付け忘れてみるテスト。
なにやってんだ俺…orz

※寛…家族計画。顔文字を連発するという謎の芸を使いこなす、すごい男。
79名無しさんだよもん:04/09/27 00:21:26 ID:96JnuHIU
保守ってみる
80名無しさんだよもん:04/09/27 16:41:38 ID:ilQcmIMF
よっしゃ便乗して保守ってみる。
さっさと書けやゴルァ!
81名無しさんだよもん:04/09/28 23:00:57 ID:5mHNXnlh
たまにはあげ〜
82名無しさんだよもん:04/09/28 23:02:00 ID:aZa7asfq
なつかしい。………てか、このスレまだあったのね
83 ◆nZGPBenp1Q :04/09/29 00:14:11 ID:XQCNRSOf
杏の目は、なにも見ていない。
少なくとも俺にはそう見えた。
瓦礫を掘り起こす手の動きが、見る間に散漫になっていく。
心のどこかで諦めていて、しかしそれを受け入れられない。そんな動きだった。
炎上した家の崩壊に巻き込まれ、全て焼き尽くされるまで下敷きになっていたのだ。生きている可能性は皆無に等しい。
それを納得させなければ、杏はいつまでものろのろと瓦礫をどけ続けるだろう。
止めようと思った。
しかし、俺も冷静ではなかったのだ。
杏に声をかけようとして、ようやくそれに気づいた。
「…え?」
一軒を丸ごと飲み込んだであろう火はほとんど消えている。
それは燃え尽きたのではなく、大量の水がかけられたことによって、だ。
見れば、瓦礫と化している木の多くは完全に炭化してはいないし、足元にはあちこちに水たまりができている。
誰かが、水をかけて火を消したのだ。全てが燃えてしまう前に。
なら、もしかするとまだ藤林は生きてこの瓦礫の下に―――

「お姉ちゃん…!!」
心臓が止まるかと思った。
俺でもそうだったのだから、杏の心臓は一瞬止まったに違いない。
首がちぎれ飛びそうな勢いで杏が振り向き、遅れて俺も振り返った。
背後に、藤林ともう一人―――勝平が立っていた。
二人とも杏以上にひどい格好で、あちこちに火傷らしき跡がある。髪も焦げていた。
けれど、二人はふらつくこともなくしっかりと立っている。
むしろ杏のほうがふらついていた。
崩れ落ちそうになりながら、杏は立ち上がった。
そのままふらふらと、夢遊病者のように藤林に近づいて―――抱きついた。
抱きついて叫んだ。
「二度とあんなことしないで! あたしだけ助かったって嬉しくもなんともないんだから! あたしだけ、なん…てっ…!!」
泣きじゃくりながら言う杏を、まるで姉のように藤林が抱きしめる。
俺も、よろよろと近づいた。
「無事だったんだな、藤林。勝平も…っていうか、お前らって…」
すると藤林は、俺が初めて見る表情で、ささやくように言った。
84 ◆nZGPBenp1Q :04/09/29 00:14:44 ID:XQCNRSOf
もう藤林じゃないです―――

悪戯っぽい、幸せそうな表情で。
それを見てようやく、藤林が…いや、椋が助かったのだと。
心から安堵することができた。
85 ◆nZGPBenp1Q :04/09/29 00:18:06 ID:XQCNRSOf
渚ルートで勝平に会うことはないですが、会うだけ会ってるってことにしてます。
「これ誰だろ…」じゃやりにくいので。

杏の一人称って「あたし」であってたかな…。

恒例の一言。
次どうしませう…
86 ◆nZGPBenp1Q :04/09/29 00:20:18 ID:XQCNRSOf
あちこちがゆがんでガタガタになったリヤカーが去っていく。
朋也も、杏も、椋も、勝平もそれには気づかない。
ぽかっ。
「にょめらっ」
その声は勝平にだけ届いた。
勝平はちらりと声のした方を振り返り怪訝そうな顔をしたが、
すぐに笑顔になり、幸せの光景へと戻った。
87名無しさんだよもん:04/09/29 13:41:50 ID:jlR6i4hN
乙。いいよ〜

しかし、杏の一人称は分かんないスマソ
8865:04/09/29 17:04:44 ID:d7mIueq+
ん〜
何から解説しよう?
とりあえず、火災の種類から簡単に行くか……

火災には4つのクラス(区分)がある
まずはクラスA火災
 木や紙といった『固体の可燃物』が燃える火災のこと。
 消火剤としては水や化学粉末が最適。
続いてクラスB火災
 ガソリンなんかの『可燃性液体』が燃える火災のこと。
 消火剤としては化学粉末、泡、二酸化炭素なんかがお薦め。
さらにクラスC火災
 『現在、電気が流れている物』が燃えている火災のこと。
 消火剤としては二酸化炭素や化学粉末と言った絶縁体を使用する。
そして、クラスD火災
 マグネシウムとかチタニウムとかいった『可燃性金属』が燃える火災。
 非常に高温になるために消火には特殊化学粉末を使う。

ちなみに家が燃えるみたいなでかい炎は熱量もでかいので15メートルぐらい離れた位置から消火してても眉毛がこげることがあるそうな。
8965:04/09/29 17:11:17 ID:d7mIueq+
HAZMAT
 Hazardous materialの略で消火の障害となる危険物のこと。
 また、これらの危険物に対する特殊消火班の名称でもある。
 組織によって違うが大きく分けて
チーム1
 毒物
チーム2
 可燃性ガス
チーム3
 高圧電気
チーム4
 放射線物質
の四種類がある。
 それぞれ、識別色(NYFDだと緑、赤、青、黄だったと思う)があり、消防服の背中には
彼らの役職のシンボルが大きく描かれその下には「Don't cross this line(ここより前に出るな)」
の文字がある。
9065:04/09/29 17:28:46 ID:d7mIueq+
面体
 消防官が身につける酸素マスクのこと。
 酸素マスクと言ってもボンベの中身は圧縮空気である。(火の中に入るんだから当たり前か
 ゴーグルと一体式になっており、要救助者のために予備の面体と対になっている。
 ボンベの中身は圧力で示されるようになっており、減ってくると警告音が鳴る。

ホース
 言わずと知れた消防官最大の武器。
 しかし、使用する時には大量の水が詰まっているわけでこれが重い。
 その他の装備とあいまって消防官は機敏な動きが出来ないので要注意。
 インパルスと違って水切れにはならないがポンプ車の送水能力を超えると目に見えて水流が衰えるのでちょっとトホホ。
 棒状の水を出す放水と霧状の水を出す撒水とがあり、手元で切り替えが出来る。
 しっかり押さえていないとひっくりかえるので消防士さんにホースを頼まれた時にはしっかりと踏ん張るように(マテイ
9165:04/09/29 17:37:32 ID:d7mIueq+
ん〜
これでSSのネタになるんだろうか……
必要ならなんか他の物も解説します
その時は何も無い宇宙空間で2コンのマイクに向かって「助けてくれ〜」と叫んでください
92名無しさんだよもん:04/09/29 17:40:23 ID:jlR6i4hN
しかし たすけは こなかった!
93 ◆nZGPBenp1Q :04/09/29 21:01:05 ID:nSgQyZBA
>>65
>>88-91乙。使えるかどうかはわからんが、参考にさせていただきます。

そしてミスが。
>>84の表現が悪い。藤林→柊ってのがわかりづらい…orz
朋也に、椋って呼べと言ってるような表現に見えないこともない。

ネットで調べたら、杏の一人称はどうやら正しい模様。
9465:04/09/29 21:50:41 ID:d7mIueq+
あーっと、一番大切なのを解説し忘れた

消防服
 消防官を守る鎧。
 であるが基本的に難燃コーティングされた布であるため直接火にさらされるのはまずい。
 消火作業中にはたまに撒水で消防服に水をかけたりするとよし。
 熱を受けるのはかなり体力を消耗するのだ。

耐火服
 火の中を歩くことも出来る最大の防具。
 火に触れても燃えないが服内の温度が上がるために長時間火にさらされると中の人の命に関わる。
 重く、動きづらい。

通常の消防官の装備としては消防服+破砕斧+無線機+ライト+ヘルメット+面体+ボンベかな
後はホースなりインパルスなり
95各無しさんだよもん:04/09/30 00:54:20 ID:0I6fcTry
とても勉強になる資料ですな

最高は何のためにいっぱいの水を運んでいたのか、知りたいっ…!
と、その前にいいかげん蔵等買うかorz
9665:04/10/02 12:41:31 ID:z30QPldR
火災発生時の一般人の対応について

 まずはどんな人でも本能に従って火から逃げます。
 火は上へと向けて燃え広がるので高さのある建物であれば普通の人は下に逃げようとしますが
小さな子供やパニックを起こした人の中にはときおり上に逃げる人もいます。
 また、安全な逃げ道を得られない場合には風呂場や洗面所と言った水場へと逃げ込む人もいます。
 人間は鳥ではないので飛び降りるのだけは絶対にやめましょう。
 なお、屋上に逃げのびた場合、火事の強烈な上昇気流にあおられるため、小型ヘリコプターでの救助は困難です。
 頭上のヘリが全然助けに来てくれなくてもあきらめずに大型ヘリでの救助を待ちましょう。

 デパートなどの大きな建物では当然のごとく非常階段が設置されています。
 燃える物が置かれておらず、防火扉等で隔離されているために(まれに非常階段や防火扉の前に
燃える物を置いているところもありますがもちろん消防法違反です)火災の際にも利用することが出来ますが
古い建物等では廊下等にある非常口の表示が上の方にあり、煙が充満すると姿勢を低くした人からは見えなく
なる場合も多いです。
 新しい建物等では、これらの表示は床やそれに近い場所にあるので避難はしやすいでしょう。
 なお、宿等に宿泊する場合はこれら非常口の確認はお忘れ無く。
 その際には地図を確認するだけでなく実際にその前までいってみて何らかの目印を見つけておくと良いでしょう。
 夜中に火災が発生した場合には闇と煙で非常口までたどり着くだけでも困難です。
 煙が発生した時には可能な限り姿勢を低くして濡らしたハンカチやシーツ等で口や身体を防護しましょう。
 いざというときには水に濡らした毛布で炎の中を強行突破するのもありです。
 ただし、きわめて短時間に限りますが……(^^;

 後はドラマチックな(実際に経験する側ではそんな悠長なこと言ってられませんが)バックドラフトと
フラッシュオーバーでも解説しましょうか。
97名無しさんだよもん:04/10/03 00:59:33 ID:v0pyWx9U
>>96
保守おつ
98名無しさんだよもん:04/10/04 19:47:50 ID:DTDbHejw
保守にゃり
9965:04/10/05 12:36:38 ID:h/TT7U81
保守ついでにいまいち役にたつかたたないか分からない解説を……

クラスB火災
 家庭では天ぷら油が燃える火災が一般的だけどこれに対する各消火剤の反応をば。
 水―――効果× かけた瞬間に水蒸気爆発によって飛び散った油があちこちで燃え始めます。絶対にやめましょう。
 化学粉末消火器―――効果△ 消火した瞬間だけ火は消えますが油の温度が発火点を超えている限り消火をやめればふたたび発火します。やるだけ無駄です。
 泡消火器―――効果◎ 油の表面上に泡が張られて酸素を完全に遮断します。ただし、油は熱いままですので間違ってもひっくり返したりしないようにしましょう。
 消火フラワー―――効果◎ プラスチックで出来た造花のような形の消火用品です。油の中に入れると泡を発して泡消火器と同じ効果があります。
豆知識
 家庭において単純に水や粉末消火器で消火することの出来ない天ぷら油の火災はかなり厄介な物です。
 泡消火器や消火フラワーは簡単に手に入らないことも多く、対応は難しいでしょう。
 しかし、おそらくどの家庭にもある台所用品でこれを完全に消し止めることが出来ます。
 その物品の名は『マヨネーズ』
 燃えている油の中に鍋の縁にそって滑らせるように静かに入れてください。(油が飛び散るのを防ぐため
 最初は含まれた水分によって油が飛び散りますがそれらは慌てず化学粉末消火器で消火してOKです。
 やがてマヨネーズに含まれる卵白が泡状の皮膜となり油を酸素から遮断してくれます。

クラスD火災
 日常生活どころか特殊な工場ででもない限りこれに遭遇することはまず無いと思いますが水をかけるのだけはNGです。
 ご存じの通り、可燃性金属は水と反応して激しい熱を生じます。
 慌てず騒がず特殊消火班の出番を待ちましょう。
100名無しさんだよもん:04/10/05 19:38:09 ID:oZOUFluV
100!
101 ◆nZGPBenp1Q :04/10/05 19:57:49 ID:oZOUFluV
「渚―――っ!! 汐―――っ!!」
名前を呼びながら歩く。
「オッサ―――ン!! 早苗さ―――ん!!」
返事はない。
杏たちは一度家に戻って両親と一緒に逃げると言うので、一度別れた。
そして、渚たちと別れた場所まで戻ってきた。当然だが、四人ともそこにはいない。
先に避難したのだろうと思い、火のないほうへ歩きながら名前を呼んでいるのだが、返事がない。
「お―――い!! 渚―――っ!!!」
渚はかなりショックを受けていたようだし、汐も疲れていた。それほど先に行っているはずはないのだが…。

火を避けることでどんどん渚たちと離れてしまっていることを、朋也は知らない。
渚たちが今まさに猛火のそばで呆然としていることなど、知る由もなかった。
102 ◆nZGPBenp1Q :04/10/05 19:58:19 ID:oZOUFluV
ちょっと時間ないのでこれだけで。
全国少数の読者の方々には真琴に申し訳なく…。


今更だけど、なんでタンクローリーが突っ込んできたんだろう?

…俺が書いたわけじゃねーからシラネ(ぉ
10365:04/10/05 22:42:29 ID:wiV347I9
おつ〜

いまさらながら生活に密着した火事ネタはこのスレではつかえないことに気がついてみる_| ̄|●
今度は消防車の種類でも解説してみるか……
104各無しさんだよもん:04/10/06 00:39:16 ID:ISdt4pox
>>102
>>103
気 に す る な
105名無しさんだよもん:04/10/09 10:37:33 ID:W3QiXAob
SS期待保守
106名無しさんだよもん:04/10/09 11:10:44 ID:OrARReHO
風子、なんか期待されちゃってますっ!
107名無しさんだよもん:04/10/11 00:21:25 ID:OBT7RdwS
ageたら新作くるか実験。
108 ◆nZGPBenp1Q :04/10/13 00:45:45 ID:+pt3Tx8K
渚はなんとか立ち直り、汐の手を引いて4人で歩いていた。
たびたび振り返り、不安一色の目を闇に凝らす。が、朋也の姿はない。
「朋也くん…」
つぶやくのは何度目だろう。
根拠のない、しかしあり得ないと言い切ることのできない不安が脳裏をよぎる。
もう、会えないのではないかと。
自分は今まさに愛する人を失いつつあるのではないかと。
それは、かつて朋也が感じた喪失の不安と同じものだった。
「ママ、だいじょうぶ?」
気が付くと、汐が自分の顔を見上げていた。
自分を心配している顔だ。そんなに頼りない表情をしていたのだろうか。
「渚、急ぐぞ」
渚と汐の少し後ろを歩く秋生が声をかける。
「橋を渡れば、火は追ってこないですよ。もう少しです」
秋生と並んで歩く早苗が励ます。少し後ろを歩いているのは、その方が汐のペースに合わせやすいからだ。
さっきの不審人物の一件もあって、秋生は背後を守る意味でも後ろを歩くことにしていた。
109 ◆nZGPBenp1Q :04/10/13 00:50:31 ID:+pt3Tx8K
コンクリートで周囲を固められた川に、橋がかかっていた。
それほど大きい川ではないが、それなりに勢いよく水が流れている。下水ではないようだ。
が、かなり泥色に濁っていてお世辞にも綺麗とは言えない。
「しおちゃん、この橋を渡ったら休みましょう。頑張って」
「うん、がんばる」
言葉どおり、疲れを見せながらも頑張って歩く汐。
手を繋いだふたりが橋の半ばを越え、

破裂音。
橋が、中心から砕けた。
「爆弾かっ!!?」
体育倉庫からの脱出に火薬を使う男、秋生が叫ぶ。
当然、破壊はその叫びすら待たない。

破砕音。
橋が、中心から崩れていく。
「渚、走って!!」
後退しながらも渚と汐から目を離さず、早苗が叫ぶ。
当然、破壊はその後退すら待たない。

汐を引きずるようにしてなんとか渡りきった渚が振り返る。
「お母さんっ!!」
濁流に落ちていく影がひとつ。
「お父さんっ!!!」
濁流に飛び込んでいく影がひとつ。

数秒後。
遠くに、頭がふたつ浮いた。
そのままとどまることなく、遠ざかっていった。
最初の破裂音から数十秒。あっという間の出来事だった。
110 ◆nZGPBenp1Q :04/10/13 00:52:03 ID:+pt3Tx8K
汐は、座り込んで泣いている。
自分も泣きたかった。そう思ったときにはもう、涙が頬を伝っていた。
泳げる人間が溺れるほど速い流れでもない。ふたりが溺れ死ぬことはないだろう。
だが、再び合流するのはもはや絶望的だった。
川の向かいで、建物が爆発した。天をも焼くような炎が上がり、熱風が打ち付ける。
橋を渡れなかった人間は川に飛び込まざるを得ないよう最初から仕組まれていた…
そんな推測すらできない状況にある渚だった。
炎と涙で、頬が熱い。

汐と目があった。
真っ赤に泣き腫らした目。
涙に濡れた頬。
それでも汐は、泣いてはいなかった。
もう泣くのはやめて、母親のほうを向いていた。
ついさっき、心配そうに自分を見上げていた汐を思い出す。
汐は心配げな表情をしていた。けれどその時も、不安の色はなかった。
悲しみを堪え、強く在ろうとしてじっと見つめてくる彼女は、信じていた。
母親である、自分を。岡崎渚を信じていた。

なら、強く在れる。

そう思った
みんなも、きっと強く在ってくれる。
すぐにまた会える。
渚は自分の涙をぬぐった。
「大丈夫です。すぐに、また会えます」
そう言って、汐の涙をぬぐった。
汐は黙って頷き、立ち上がった。
彼女は汐に笑いかけ、そしてその手を引いて歩き始めた。
111 ◆nZGPBenp1Q :04/10/13 00:52:58 ID:+pt3Tx8K
だんだんとのっぴきならない状況に…。どう続けよう。
秋生早苗をどうにかして引き剥がしたかったため、かなり苦し紛れです。
とりあえず、誰か葉鍵キャラ出さないと…。
今回は狙った厨クサい表現だらけに。ごめんなさい自覚ありますごめんなさい。

で、犯人誰なんでしょうねこれ。
やってることシャレになってないんだけど。



…「灼眼のシャナ」っていいよねーとか関係ないこと言ってごまかしてみる。
112各無しさんだよもん:04/10/14 01:03:58 ID:RyCU1CjL
いい!犯人なんか誰でも良い!
もっと続けもっと続けうひゃひゃひゃ
ア、ウソデスウソウソ

実はマコピーの悪戯が原(ryとかだったら俺は泣きます
113名無しさんだよもん:04/10/14 17:58:05 ID:P9I5xSRJ
我を失っている状態の佳乃りんはどうだろう………とか言ってみる。
114名無しさんだよもん:04/10/18 00:08:16 ID:qU0dK53l
落ちそうだな。一度だけ保守しておこう。
115名無しさんだよもん:04/10/24 12:39:37 ID:2r/0RJN9
ほしゅ〜
116名無しさんだよもん:04/10/24 22:44:49 ID:BQUT/7RA
まだ保守してる香具師がいたのか…晒しage
117葉田信鍵 ◆.T76NLtXTY :04/10/26 22:09:19 ID:iZCXaCmO
  ____ ____  __/_   ー | ヽ
  _|_    |、     /_l_   ̄ ̄| ̄
    人      | ヽ. / | . | 」  ├  |
  /  \    |         |    ⊥!ノ \_/
118名無しさんだよもん:04/11/03 19:11:57 ID:rtRIzX8z
まだ落ちてねーのか。
119各無しさんだよもん:04/11/07 19:57:41 ID:5T9ss6vl
行き当たりバッタリだったからしょうがないか…とりあえず礼でも言っとくか
>> ◆nZGPBenp1Q
面白かった、俺は好きだよ
>>65
知りたいけど聞けない疑問が2つ3つ解決したよ、サンクス
120魁先生:04/11/07 23:39:02 ID:k/8P+lhN
続きを読む方法は俺が知っている。俺に任せろ。
121名無しさんだよもん:04/11/07 23:41:01 ID:k/8P+lhN
↑マジボケ。ごめんなさい、天国の超先生。
122あはは… ◆nZGPBenp1Q :04/11/08 00:22:07 ID:+B0YwPTi
いない。
渚が、汐が、オッサンが、早苗さんが、いない。
探しながら歩くうちに焦りがつのり、だんだんと早足になっていた。
そして気づいた時には、もう町の外れにいた。
目を凝らしても4人の姿はなく、耳を澄ませても4人の返事はない。
消える、などということはありえない。
人間が消えるはずがない。
だとすれば、互いに見逃してしまったか、あるいは…
あるいは、全く違う道を行ったかだ。
「くそっ…どうして…」
なにもかも、思い通りにいかない。
どうして俺は、こんなところにひとりでいるのだろう…。
息は切れて身体も服も汗まみれ、藤林の家の焼け跡にいたせいであちこちに煤が付いていた。
もう、嫌だ。
全てを投げ出したい。ここで諦めてしまいたい。流れに身を委ねたい。

そう、思っただろうか。
渚が、汐が、皆がいなければ。
いなければ、自分は今、そう思っているのだろうか。

わからない。
でも、皆はいるから。
投げ出すのは、全て失ってからだ。
跡形なく、皆を全て失ってからだ。
そして、今の自分はそうならないために動く。全き冷静さをもって。
見回せば、すでに住人は避難したであろう民家が並んでいた。
「………」
123と言うか… ◆nZGPBenp1Q :04/11/08 00:22:47 ID:+B0YwPTi
Tシャツは少し大きすぎた。その上に羽織った上着は少し小さすぎた。
が、文句を言える立場じゃない。そもそも、
「これって、空き巣だよな…」
仕方がない。他に方法は思いつかないし、一刻を争う可能性もあるのだ。
大きく息を吸う。
地を蹴った。
速すぎず遅すぎず走り出した朋也の後ろで、物干しのコンクリートベースに押さえられたTシャツが風に揺れた。
それは、ここに辿り着いた人間が必ず目にするよう道路の中央に据えられていた。
白い、何の変哲もない、煤で汚れただけのTシャツ。
でもその胸には、昔の幼児向け番組で流行った歌のキャラクターがプリントされていた。
124 ◆nZGPBenp1Q :04/11/08 00:26:15 ID:+B0YwPTi
ちなみに>>120はわたしです。念のため。
125名無しさんだよもん:04/11/09 21:05:39 ID:LyfIPaGD
頑張れ。よくやった。保守は任せろ。自分のペースでいいから頑張れ。超頑張れ。
126各無しさんだよもん:04/11/09 23:52:06 ID:KpBb4qlR
頑張れという物言いは残酷なものだ。
突詰めれば「より一層努力せよ」という意味ではないか。
そんな考えが頭のスミにいつも陣取って俺を悩ませているわけだ。
このスレを見ていて思う。

俺は◆nZGPBenp1Qにとんでもない事をさせているのだと。
感想を書き、礼を述べる事によって、一人の人間を行き当たりバッタリの文章を書く事に従事させている。
それでは「より一層努力せよ」と言っているのと同じではないか、と。
でもこうも思う。

投下するのは書く人の意思であり意志であると。
そして読む人はそのイシに感謝し、礼儀を表して感想を述べ、恭敬に励ましの言葉をかける。
それが頑張れの本当の意味じゃないか、と。
そして一番肝腎なのは

頑張れって言っていいのか悪いのかもうわけわかめっつうか頭こんがらがって自分でも何言いたいんだかもう眠いんだよチクショー!!!!
乙!乙!全く続きおせーんだよ!乙!
127 ◆nZGPBenp1Q :04/11/10 01:23:08 ID:GM/t00Lp
…マジで楽しんで読んでくれてた人がいたのか…orz

続きは…な、なるべく早く…ってことで…
128名無しさんだよもん:04/11/10 09:23:09 ID:vL5dxKdk
うむ
129名無しさんだよもん:04/11/13 21:30:40 ID:0plhL66U

130名無しさんだよもん:04/11/15 13:02:16 ID:3KgMGymO

131名無しさんだよもん:04/11/15 16:45:59 ID:xwgCj+FG
真実は燃え尽きてしまうのか―――
132 ◆nZGPBenp1Q :04/11/15 23:42:47 ID:wcMs0xnQ
おもしろいものが書けるかはわからないけど、書きます。
書くつもりでいます。自分で保守もしています。
133 ◆nZGPBenp1Q :04/11/15 23:44:45 ID:wcMs0xnQ
「どうやら、別れてしまったようね」
「お姉ちゃん…冷静すぎ」
「仕方ないでしょ。手出しを禁じられている以上、直接引き合わせたりなんてできないんだから。
 現状把握が精一杯よ」
「美坂…本当に放っておくのか?」
「しつこいわよ、北川君。後を追うって決めた時、そういう条件だったでしょう」

あたしは冷たいのだろうか、と思う。
人が二人、濁流に飲まれて。小さな子供と、身体の弱い女性が二人取り残されて。
そんな状況でも無視を決め込むあたしは、血も涙もないのだろうかと。
そうじゃない。
仕方がないのだ。
妹を突き放し、その存在すらないものとしていた頃とは違う。
彼女らに直接手を貸すわけにはいかない。すでに川澄とかいう先輩がやむを得ず接触してしまっている。
彼ら彼女らに直接与える影響は、可能な限り減らさなければならない。
直接は助けられない。
間接的に助けとなることをするしかないのだ。
「とりあえずは、害虫の駆除が先決ね…行くわよ、二人とも」
ウェーブのかかった長い髪を翻し、美坂香里が歩き出す。
「ちょ、待てよ美坂!」
「待ってよ、お姉ちゃん!」
北川潤と美坂栞が慌てて後を追う。
ほどなく三人の姿は闇に飲まれて消え、炎が収まりつつある瓦礫の山が崩れてズズンと音を立てた。
134 ◆nZGPBenp1Q :04/11/15 23:46:37 ID:wcMs0xnQ
「接触したのは今のところ舞だけだよな」
「…仕方がなかった」
「別に舞を責めてるわけじゃないから。そうですよね、祐一さん」
「ああ、単なる確認だ。あの状況では姿を見せずにはどうしようもなかっただろうしな」
「くー………」
「名雪、寝るな」
「おいしいねぇ〜」
「あゆ、たい焼きを食うな。あと、食ってるのはお前だけだから同意を求めるな」
「真琴、ちょっと肉まん買いに行ってくるね〜」
「行くな!」
「えー、食べたいのに…」
「いいから大人しくしてろ!」
「祐一さん、声が大きいですよ」
…ペースが狂う。こいつらは明らかにマイペース過ぎだ。
無視して話を進める。
「佐祐理さん、香里たちはどうしてますか」
「さっき電話がありました。害虫駆除をする、って言ってましたよ」
「あー、それなら真琴殺虫剤持ってきたよ!」
部屋に置いて焚くタイプの殺虫剤を取り出す真琴。
…無視だ、無視。
「あの三人でか?」
「そのつもりらしいですけど…舞がいなくても大丈夫でしょうか」
「香里は大丈夫だろうけど、栞は心配だな…。北川は…」
北川は…どうなのだろう。
北川に少し似た男が、下級生の女に蹴られて宙を舞う映像が脳裏に浮かんだ。
なんだ今の意味不明なビジョンは。
「…まあ、やると言っている以上は信じるしかないですね」
「大丈夫ですよ〜」
コスモスの生長を早回しで見たような笑顔をぱぁっと浮かべる佐祐理さん。が、
言うことにはなんの根拠もない。この人も、あんまりあてにしないほうがよさそうだ。
「…た、頼むぞ、舞」
すがるような気持ちで舞の肩を叩く。
135 ◆nZGPBenp1Q :04/11/15 23:49:50 ID:wcMs0xnQ
頭の上に疑問符が浮かんだような表情一瞬、すぐ元の無表情に戻って舞はつぶやいた。
「…はちみつくまさん」
136 ◆nZGPBenp1Q :04/11/15 23:55:40 ID:wcMs0xnQ

 あかん、>>133>>134の間がすんげぇリズム悪いです。すんません。

 折角消火関係のことを色々書いてもらってるので、
 書いてもらった内容かはわからないけど物理化学的なことが
 ちらっと出る。かもしれないです。
137各無しさんだよもん:04/11/18 00:06:54 ID:ksjbk39a
何と
何やら少々見え始めたようだな・・・楽しみに正座で待ってるよ
ところで一ツだけ腑に落ちない点というか粗探しのようだが聞いてくれ◆nZGPBenp1Q
>>133
最初は香里の一人称「あたし」で始まっていたのが下から五行目で三人称になっている
これは>>「とりあえずは、害虫の駆除が(ryのところで切り替わっているという事なのか?
出来れば俺が睡眠不足か栄養失調で倒れる前までに教えてくれ
138 ◆nZGPBenp1Q :04/11/18 00:21:22 ID:dvHFAB4x
ごめん…見直しが足りなかった。
そうです、下では客観視点にいつのまにか変わってます、すません…。

ただ、後々もっと大きな矛盾が出ます。
行き当たりばったりって駄目ですねやっぱ。
具体的には、>>10の最後の4行は無視してほすぃです…。

今日投下しようと思ったが無理ぽい。明日か明後日にできたら…いいなぁ。
最後どうするか決めたので、例え読む人間が自分ひとりになっても続けるつもりです。
…「つもり」です。
139名無しさんだよもん:04/11/18 16:06:50 ID:1ZS0SRjN
ガンガレ
140各無しさんだよもん:04/11/19 01:28:35 ID:teOHFLIt
そう言うんだったら急ぐ必要ないさ
ゆっくりやりゃあいい
俺も最後まで見させてもらうつもりだしw
141 ◆nZGPBenp1Q :04/11/19 23:26:33 ID:u9fHLSLi
国崎往人(年齢不詳、無職)は、現在絶体絶命のピンチにあった。
派手にやりすぎたのだ。完全に動きを察知されてしまった。
自分ひとりならまだよかったのだが…と思うと、また腹が立ってきた。隣を走る小さな頭を殴っておく。
ぽかっ。
「にゅるろめっ」
目から星を飛ばして頭を押さえつつも、殴られた少女は足を止めない。殴った彼も同様。
ふたりは、決して足を止めるわけにはいかない状況にあった。
一見、周囲には誰もいない。
が、闇に目を凝らせば見えるのだ。ふたりを包囲しようと建物の隙間を縫って走る人間が。
その正確な人数はわからない。しかし自分たちはふたりであり、そして相手の数は一桁では済まない。
包囲されてしまえば、全てが終わる。
彼らは、強制的に自分たちを戻す術(すべ)を持っている。
かなりの無理をして一度ここに来ているのだ、一度戻されてしまえば二度とここに来ることはできない。
…そうなれば、自分たちの未来はない。
未来のひとつの形である廃墟の少女は、決して来ない人を待ち続け朽ち果てるだろう。
それだけはなんとしてでも避けなければならなかった。
だから、ただひたすらに走る。
回り込まれないよう、鉢合わせにならないよう注意して走る。
「おい、なんとかしろ」
「それはみちるに言ってるの?」
「全部お前のせいだろう」
「にゅうぅ…。なにか欲しいものある?」
「ラーメンセット」
…違う。と言うかしつこい。
「欲しいものがあったとして、どうする気だ」
「にゃはは、どうにもならないよ〜だ」
「………」
また殴りそうになったが、こらえた。
「…とにかく、なんとかしろと言ってるんだ」
「無理だよぉ…」
…当然か。できるならとっくにやってるはずだ。
142 ◆nZGPBenp1Q :04/11/19 23:29:19 ID:u9fHLSLi
さて、自分の知恵だけが頼りだ。どうするか。
実は、さっきから考えていた手段がひとつだけある。
(…やるしかないのか………)
うまくいけば一瞬にして追っ手を掃討できるであろう、すばらしい作戦だ。
しかし、それは自らの命を危険に晒す最終手段。下手すれば命を落としかねない。
まさに諸刃の剣。むしろリスクのほうが大きいという可能性もある。
ちらと周囲を窺う。
「………」
心なしか、走る人間の数が増えたような気がする。
止むを得ない。覚悟を決めよう。
大きく深呼吸した後、もう一度大きく息を吸って、叫んだ。

「このヘボ医者っ! ちょっとは給料上げろ! 流しソーメン食わせろ!」

同時に身をよじった。
そしてその瞬間にはもう、身をよじり風になびいた髪を数本奪って銀色の閃光が飛んでいた。
立ち止まる。銀色の閃光が飛んだ先で悲鳴が上がったが、気にする余裕などなかった。
目の前に、地獄の番犬も裸足で(元から裸足だ)逃げ出すような表情の女性が立っている。
ボタンを留めない白衣の前に、「通天閣」の三文字が躍る。
その手には、手術に使うものと思しき銀色の刃物が三本握られている。
その女医…霧島聖が、口を開いた。
「さて、言い訳を聞こうか…国崎往人君?」
完全にみちるを無視。優しい口調。全て意図した通りである。
意図した通りであるからこそ、背筋が凍る。
歯がガチガチ鳴りそうなのを堪えて、口を開いた。
「…言ったとおりだ」
「神に祈る間などやらん。ここで死ぬんだな」
言い終わらないうちにメスを投擲する手が振りかぶられ…
…止まった。
「…ひとつ訊いておこうか、国崎君」
ストップモーションのまま、聖が問う。
143 ◆nZGPBenp1Q :04/11/19 23:32:46 ID:u9fHLSLi
「なにをだ?」
「この、周りの連中はなにかな?」
俺とみちると藪医者の三人は、闇から湧くように姿を現した十数人の人間たちによって完全に包囲されていた。
老若男女、実に様々な顔ぶれだ。暗くて表情はよくわからない。
「さあな」
「分からないことはないだろう。君たちふたりが追われていたのだから」
少女のように首を傾げて言う庸医。
「戻したいらしいぞ」
「君を、か?」
「いや、全員を」
………。
投擲の体勢を崩し、聖は逡巡するように目を閉じた。
俺の命を獲ることと戻されぬよう抵抗することを、本気で秤にかけているようだ。そこまでして俺を殺したいのだろうか。
「仕方がない…か」
呟き、しかし彼女は動かない。
動かない、と周囲が認識した瞬間に、動いた。
最寄のひとりに接近、相手はメスを警戒し後方へ跳ぶ。しかしメスは白衣の内側に消え、次いで彼女の右足が消えた。
避ける間もなく左肩に強烈な蹴りを受け、相手は吹き飛ばされた。
なにかが砕けたような鈍い音。吹き飛んだ勢いのまま別のひとりと頭をぶつけ合い、ふたり揃って昏倒する。
その後は、暗さと速さでなにもわからなかった。
気が付けば、立っていたのは元の二人のみ。
取り囲んでいた人間たちは全て無力化されていた。
そして、聖の姿もない。
なにも言わずに、みちるが先に駆け出した。
俺もその後を追う。全てが性急にあらねばならない状況で、唖然として立ち尽くすなどという愚行は許されない。
ただ、愚行は許されなくても、ちょっとした愚考なら構わないだろう。
国崎往人が考えたこと…
もう少し、あの冗談のきつさはなんとかならないものだろうか。
が、本人に言ってみたところで、答えはわかっている。
「冗談? なんのことだ?」
…あの女は絶対に本気だ。
珍しくため息をつく、人形使いであった。
144 ◆nZGPBenp1Q :04/11/19 23:35:51 ID:u9fHLSLi
「戻す」「戻る」の意味を前回書き忘れました。せっかく説明口調でも違和感なかったのに…。
なるべく早く書きます。大した意味じゃないけど。
葉キャラは出ません。ゆずりん出したかった…。
>>142の聖のセリフ「神に〜」がなんだか(ピー)な感じなのは秘密。

次は…しばらくかかるかも。
145各無しさんだよもん:04/11/20 23:57:51 ID:NgMHnoAi
国崎往人…
初出の時とは大違いだw
146名無しさんだよもん:04/11/22 20:39:19 ID:cWHB2NLm
保守〜
147 ◆nZGPBenp1Q :04/11/25 21:32:42 ID:Bf+VDhQq
保守は任せろって言ってくれた人はどこへ行ってしまったのだろう。

日曜日予定です。
148名無しさんだよもん:04/11/27 20:00:43 ID:PMvZcxjr
おう、楽しみにしてます。

>任せろって言った人
多分その内「いやぁパソコン壊れちゃって!」とかいいながら登場すると想像。
残念な事だが頑張ってくれ。
149 ◆nZGPBenp1Q :04/11/28 01:23:14 ID:efLM/CUw
ちょっと日曜日無理そうですorz
その代わり、ちょっぴり長めです。
150 ◆nZGPBenp1Q :04/11/28 14:36:46 ID:1NJq83tm
建物が邪魔で遠くまで見渡すことはできないが、それでもあちこちから
炎や煙が上がっているのがわかる。被害はかなり深刻だ。
「じゃあ、とりあえずあゆと名雪と真琴は俺と一緒に行くぞ。
佐祐理さんと舞はここで待機していてください。香里や栞が戻ってくるかもしれない」
「………」
佐祐理さんは返事をすることなくにこにこ笑って舞を促し、舞はこくりと頷いて先ほどと同じ一言を繰り返した。
なぜ舞を促して言わせる必要があったのだろうと思いつつ、夜闇の中を駆け足で進む。
後ろからは三人分の足音。先刻とはうって変わって静かだが、ふたりは叩いて黙らせ、もうひとりはまだ半分寝ているからだ。
どうやっても起きないし、放っておいてもついてくるようなのでそのままにしている。
残りのふたりと一緒にイチゴサンデーを連呼されるよりはマシだ。
「放っておけば余計に被害が拡大するし、とりあえずは消火が先決だな」
「でも祐一君、ボクたち火を消す道具持ってないよ?」
「そんなもの現地調達に決まってるだろうが」
「………」
ふたりぶんの冷たい視線。ちなみにもうひとりは完全に寝ている。
前を見ているかすらあやしいが、それでもつまずかずに走っていることは評価すべきだろう。
「仕方がないだろ。ここへ来ること自体、予定外どころか想像もしていなかったことなんだからな」
「そうだよねぇ…」
真琴がやけにしみじみと言う。
「最初に来たとき、ボク、まだ寝てるんだと思って思わず自分の頬っぺたつねっちゃったよ」
「どうだったんだ?」
「…すっごく痛かった…」
「想像してみるとなかなか間の抜けた光景だな」
「うぐぅ…わかってるもん」
151 ◆nZGPBenp1Q :04/11/28 14:37:35 ID:1NJq83tm
「…っと、あそこだな」
遠目に見て一番火災がひどそうだった建物が見えてきた。
比較的幅が広い道路を挟んだ向かい、細い路地を入ってすぐのところで炎と煙が上がっている。
都合のいいことに、すぐそばに並んだ店と店の間にバケツと水道があった。
「とりあえず、こいつを使うか…」
「祐一ぃ…こんなので本当に消せるの?」
「ボクも、ちょっとこれじゃ無理だと思う…」
「くー……」
「うるさいな、やるしかないんだ。そうしなきゃ…」
そうしなければ…どうなるのだろう。
簡単だ。
廃墟の中で錆びて朽ちゆく少女は、この先誰と出会うこともない。
そのままいつか鉄屑となって、永久に動かなくなる。
あるはずの未来が、なくなる。
避けなければならないことではなかった。
でも、絶対に避けたいことだった。
「…とにかく、やるんだよ」
言いながら、まだ目を瞑っている名雪を叩く。
「痛っ…うにゅ…」
目をごしごしと擦りながら、キョロキョロと周囲を見回す名雪。
「あれ…祐一…」
「やっと起きたか」
「ここ…どこ?」
「さあな。いいからバケツを持て」
「あ、うん…」
それで思い出したらしい。『気が付いたときにはここにいた』ことを。
蛇口をひねり、ちょうど四つあったバケツを水を満たす。
「うぐぅ…重い…」
「祐一ぃ…これ重すぎるよぉ…」
口々に弱音や文句を言うあゆと真琴。
「文句を言うな、時間がないんだ」
言って、自分のバケツを持ち上げる。確かに重い。女の子には辛いか…。
152 ◆nZGPBenp1Q :04/11/28 14:38:13 ID:1NJq83tm
「みんな急ごうよ〜」
よいしょ、と自分の分を持ち上げた名雪が言う。
そうだ、急がなければ。
どうもこいつらといるとペースが狂う。のんびりしている場合じゃないのに。
見れば、火の勢いが増している。
手前の建物越しに見える曙光のような光が、ついさっき見たときよりも強くなっていた。
「行くぞ」
車ひとつない道路を横切る。
少し顔をしかめながら名雪が、その後ろをうんうん唸りながらあゆと真琴がついてきた。
153 ◆nZGPBenp1Q :04/11/28 14:38:46 ID:1NJq83tm
建物の影から様子を伺う。後ろでは、バケツを置いたふたりがぜいぜいと荒い息をしていた。
「祐一、誰かいる?」
小声で名雪が訊く。
「ああ…いるな」
「誰?」
「誰だろうな…」
誰なのかは知らないし、知りたくもなかった。
大勢の人間がいた。年齢も性別も服装もバラバラ。
バラバラなのに、取る行動は同じ目的を持っている。
ある者は丸めた新聞紙に火をつけ、ある者はガソリンを撒き、ある者はバーナーで燃えそうなものに手当たりしだい火をつけている。

怖気立った。

「…火をつけてるやつらがいる」
「「「ええ?」」」
三人の小声が重なる。
「だから、わざと火を広げている人間がいるんだよ。それもたくさん」
身を引く。三人が折り重なるようにして、角から様子を見た。
「…なによ、あれ」
真琴がぽつりと言う。俺に訊くな。
「なんか、怖い…」
「怖いよ…」
俺と同じものを感じたらしいあゆと名雪が呟く。
彼らが怖いのは、人数が多いからでも、彼らが火をつけるという非常識な行動をとっているからでもない。
人間であるはずの彼らが、まるで機械のように見えるからだった。
オートメーションで自動車を組み立てるロボットのように、プログラムされた動きを取っているとしか思えない。
なんの感情もなく、ただ黙々と『作業』として火をつけるだけの動き。
相手にまわすべきではないと直感した。
「人数的にも、ちょっと分が悪い。しばらく離れて様子を見て、いなくなってから消そう」
三人が頷き、背を向けた。
最後にもう一度様子を見ようと身を乗り出した時、
背後で大きな音がした。
154 ◆nZGPBenp1Q :04/11/28 14:39:19 ID:1NJq83tm
とりあえず第一陣。
バイト帰ってからか、明日に続きを。
155名無しさんだよもん:04/11/28 14:42:10 ID:3JUbhp5S
寝ぼけた名雪が火に水をかけるんじゃなくて自ら水をかぶって火の中に飛び込んでいくところを想像してしまいましたw
156各無しさんだよもん:04/11/28 17:44:32 ID:m5EAqUoj
俺は保守を任された奴じゃないが最近リアルでパソコンがおかしいorz

ざばぁーっ

「行くよ〜」
「待て待て待て待てーい!!」
157名無しさんだよもん:04/11/28 18:31:19 ID:EBaxCgDh
乙カレー。続きも楽しみにしてるわ。
放火にしてはテンション低くてなんか怖いな。
158 ◆nZGPBenp1Q :04/11/29 00:27:55 ID:iNTT82NT
「あっ!!?」
盛大な音がして、盛大に水がぶちまけられた。
………。
沈黙が降りた。
炎が立てるごうごうという音だけが聞こえ、しかし右から左へ。
その音を気にする余裕などなかった。
自分で置いたバケツにつまずいたあゆを責める余裕すらなかった。
「やっぱりこいつら、ロボットだろ…」
四人、じりじりと後ずさる。しかし、距離を取れない。
つい先刻まで火を焚く自動人形だった人間たちが、じりじりと近づいてくる。
怒りどころか思考すらない。機械的に被害を増やし、妨害する者は排除するだけ。
なんの感情も意思もない人間たちが、距離を詰めてくる。
背筋が粟立つ。
舞のような戦闘力を持たない俺たちに、対抗する術などない。
「…逃げるぞ」
小声で呟く。三人が頷いた。
「3…」
「2…」
「1…」
「走れっ!!」
一番走るのが遅いであろう真琴の手を引き、全力で駆けた。
タイミングひとつ遅れて、追っ手が一斉に走り出す足音が響く。誰かが蹴ったのだろう、ブリキのバケツがアスファルトを跳ねる音が一瞬だけ足音をかき消す。
車のない道路へ飛び出し、斜めに横切ろうとした時点で名雪が前に出た。
陸上部の部長だけあり、かなりの相対速度で差を広げていく。
あっという間に渡りきり、脇道の手前で振り返った。
「みんな、早くこっ………」
おそらく「こっちに」と言おうとしたのであろう、その途中で名雪が固まる。
「? どうし…」
最後まで訊ねる間もなく、名雪が地を蹴った。
さっきまでの走りは手を抜いていたのかと思うくらい、信じられないスピードで駆ける。
159 ◆nZGPBenp1Q :04/11/29 00:31:30 ID:iNTT82NT
…逆方向へ。

振り返る。
あゆの姿がない。
最悪の事態に思い当たる。まさか、さっきバケツを蹴飛ばしたのは…
だとしたら、どうしようもない。
例え捕まってもあゆが死ぬわけじゃない。名雪まで危険な目に遭わせるわけにはいかない。
「待てっ、名雪―――」
通りすがりに腕を掴もうとしたが、風を切る長髪はそれをかわした。
「名雪っ!」
聞いちゃいない。
暴風を間切って進む帆船のように、名雪は紙一重で追っ手たちの間を抜けていく。
闇と人に紛れて名雪の背中が見えなくなった瞬間。
ちょうど俺たちが走り出した場所とおぼしきところで、閃光が弾けた。
160 ◆nZGPBenp1Q :04/11/29 00:38:38 ID:iNTT82NT
自分は割とドジなほうだという自覚はある。
だけど、ここまでだとは思っていなかった。うぐぅの音も出ない。
走り出した瞬間、月宮あゆはついさっき自分が蹴り倒したバケツに再びつまずいて転んだのだった。
痛みをこらえてすぐに起き上がり、しかし全てが手遅れだった。
完全に、囲まれている。
男も女も、若者も年寄りも。なんの共通点もない人間たちが、自分を取り囲んでいる。
ただひとつの共通点は、誰一人として目の焦点が合っていないことだ。
虚ろな瞳。それが余計に恐怖を煽る。
「あ、あ、あ…」
腰が抜けてへたり込む。
そのまま反射的に後ずさろうとした途端、後ろから両腕を掴まれた。
死者のような冷たい手に、体温の全てを奪われたような感覚になる。
そして、本当に動けなくなった。
周囲の人間たちが、輪をつめてくる。
ゆっくりと、ゆっくりと。恐怖を煽ることを楽しむかのように。
しかしついに、彼らの顔に感情が現れることはなかった。
正面から迫る男が、手を伸ばしてくる。
必死で払いのけようとしたが、後ろ手に掴まれた手は動かすことすらままならない。
首を掴まれた。
引きずるように立たされ、そのまま足が浮く。
「う、ぐっ…」
呼吸が出来ない。
足をばたつかせるが、なんの抵抗にもならない。
なにかできることはないのか、このままじゃいけない、誰も助けてくれない、ボクがなんとかしなきゃ…
どんなに焦っても、どんなに冷静になろうとしても、どうにもならない。
息が詰まって、なにも考えられなくなる。
161 ◆nZGPBenp1Q :04/11/29 00:41:59 ID:iNTT82NT
一瞬、見たことのない映像が見えた気がした。
髪の長い、すらっとした少女。薄汚れた作業着姿の男に、弁当の包みを渡している。
そんな幸せな未来が、いつか実現するようにと願っている。
それだけなのに。
涙が溢れた。
声を上げることすらできない自分の身体を赤い光が包んで。
「あゆちゃんっ!」と自分の名を叫ぶ少女の姿が一瞬だけ見えて、それすらもすぐにぼやけて。
そして光が爆発し、月宮あゆの姿は消えた。
跡形もなく。
162 ◆nZGPBenp1Q :04/11/29 00:43:41 ID:iNTT82NT
あー…由真たんスレに最後のやつを誤爆。
やっちまったよorz

そしてKanonメインヒロイン退場。
やっちまったよorz

次は今回よりもっと時間かかると思います。
163名無しさんだよもん:04/11/29 03:33:46 ID:LvCvmhSl
うぐぅ
164名無しさんだよもん:04/11/29 17:09:19 ID:/acwkElN
消防隊だからってわざわざ死者ださんでもなぁ…

◆nZGPBenp1Q おつかれー
165名無しさんだよもん:04/11/29 18:43:52 ID:JZwa8myU
死んでないと書いてあるぞ。おつ〜
166名無しさんだよもん:04/11/29 21:18:51 ID:IzKIogPO
消防はなるべく火と戦って欲しいなぁ
放火犯をつかまえるのは警察の仕事…………警察官役のキャラも出せば良いのか……
167 ◆nZGPBenp1Q :04/11/29 21:35:13 ID:mFiWS2Px
もはや消防であることは頭の片隅にすらなかったりします。
ただのファンタジー要素混じりの二次創作に…。
あと、planetarianが今日発売してますが、未発売ということで書いてます。
168名無しさんだよもん:04/12/01 23:03:05 ID:R24m8miF
保守しとこう
169名無しさんだよもん:04/12/04 19:34:48 ID:qk6UqV1H
さぁ来るのか!?
170名無しさんだよもん:04/12/04 20:28:05 ID:lBmNibEv
真実は決して燃え尽きません
171各無しさんだよもん:04/12/08 01:43:17 ID:r3ZW0SNH
ねんがんの 保守をしたぞ!
172名無しさんだよもん:04/12/08 08:37:33 ID:ASzZd3ze
>>171
ころしてでもうばいとる
173各無しさんだよもん:04/12/10 02:01:42 ID:X6WNpAU9
な なにをする きさま!
174名無しさんだよもん:04/12/13 00:22:20 ID:Ph8dMJvu
順番は>>172>>173>>171ですかね。
175 ◆nZGPBenp1Q :04/12/13 22:26:15 ID:T/4Qc4QW
少し時間を遡って。
その時遠野美凪は、みちると別れの挨拶をするところだった。
その時霧島佳乃は、ポテトを抱えて風呂に入ろうとしていた。
その時神尾観鈴は、ひとりで夕飯を食べ終えたところだった。
カタカタと窓が音を立てるのを佳乃が聞き、
唐突に吹いた強い風が美凪の髪をなびかせ、
観鈴がなにか違和感を感じて立ち上がった、その瞬間。
白い温かな光がそれぞれの身体を包み、美凪も、佳乃も、観鈴も、みちるも、聖も、往人もその場から忽然と消え去った。
そして六人が目を開けた時、そこは知らない町だった。
この町でなにをしなければならないかを、六人はなぜか理解していた。
理解はして、いたのだが。

「………」
「………」
「………」
三人分の沈黙。いや、絶句。
美凪と佳乃と観鈴にとって幸運だったのは、目を開けた時三人が一緒にいたことだ。
なにしろ、いきなり突拍子もない出来事が起こった直後だ。仲がそういいわけでもない相手でも見知らぬ相手でも、ひとりでいるよりはずっと心強い。
しかし彼女らにとって不幸だったのは、目を開けた時完全に包囲されていたことだった。
無表情というだけの共通点を持つ人間が十人足らず。ホラー映画のゾンビのように、ゆっくりと距離を詰めてくる。
佳乃は、抱えたポテトに力を込めた。恐怖でなにも考えられない。
美凪は、頬に手をあててどうすべきかを考えた。頭の回転はあまり速くない。
観鈴は、なにが起こっているのかわからずにポカンと口を空けていた。あまりにも鈍い。
無数の手が、彼女らを掴み送還せんと伸びる―――。

奇跡を期待するなど、お門違いもいいところだ。
赤い光が次々に三回爆発し、三人は現れてわずか数十秒で町から消え去った。

…ただし、ちょっとした置き土産を残して。
176 ◆nZGPBenp1Q :04/12/13 22:29:14 ID:T/4Qc4QW
しまった投稿用に改行を直すの忘れたorz
何事もなければ次は10日以内に香里の予定です。
177各無しさんだよもん:04/12/15 00:01:32 ID:HGB55dMQ
>その時霧島佳乃は、ポテトを抱えて風呂に入ろうとしていた。

この状態が脱衣前なのか後なのかで妄想を膨らませられる俺は勝ち組
178名無しさんだよもん:04/12/16 21:14:22 ID:9xsMJ+rS
ほっしゅー
179名無しさんだよもん:04/12/21 00:51:28 ID:jc2wfD8C
保守。ついでにageてやる!
180 ◆nZGPBenp1Q :04/12/22 22:01:18 ID:G5Qx0Tze
保守。
書いてるのですが、なかなか進まない…。
息抜きに作った歌詞を某スレに投下しますた。
181ポストマン ◆mGZfoq5fBY :04/12/24 13:32:02 ID:X5Q3YZR/
1000スレ突破記念火気庫ヽ( ´∀`)ノ ボッ
182各無しさんだよもん:04/12/26 21:36:43 ID:WYbrFaZh
ちいさな びんだ。
「ホシュスール」と ラベルに ある。
うらに こうのうが・・・。
「この くすりは ほしゅができます。
 どうぞ おためしください。」
183名無しさんだよもん:04/12/28 12:36:50 ID:jTSfvYGO
あげてでも ほしゅする

ねんがんの ほしゅをしたぞ!
184各無しさんだよもん:04/12/31 03:23:22 ID:1lYWnelk
さて、消防の夜警で暇な俺が現れましたよ
185各無しさんだよもん:05/01/07 23:38:17 ID:5UjqDJZN
◆nZGPBenp1Qよ
まさかスマトラ地震に巻き込まれたのか…?
186名無しさんだよもん:05/01/13 02:42:51 ID:x4l5xMtZ
なんかすっかり火が消えたようになってますね…‥
187各無しさんだよもん:05/01/19 23:04:19 ID:W8DOuVTX

| |__
| |∀・| チラッ
| |ノ ノ
| |フ´
188各無しさんだよもん:05/01/30 02:00:49 ID:1jySmrjX
・・・わたしは いま はかぎいたの かそうにある
はかぎしょうぼうたいとよばれる ちいさな すれの
まえに いる。
・・・いかなる しょうがいも のりこえ
◆nZGPBenp1Qのあんぴを しること・・・。
それがわたしの はたすべき しめい なのだ!!

つかう>こうしん>スレ
ギャーッ!!
スレが スレが!!
みこうしんだ!!
まさか!! なぜ? どうして?
ぐるぐる ぐるぐる・・・。
なんの つながりもない いろいろな ことが
あたまの なかを かけめぐる。
さいごに わたしが みたものは
>>180の メらんで ひっそり このみを したう
◆nZGPBenp1Qの かこの すがただった

ざんねん!!
わたしの ネタは これで おわってしまった!!
189名無しさんだよもん:05/01/30 17:04:45 ID:JHUTPZGC
ちょっとワロタw
190'ヽ/ヽ:05/02/07 15:09:03 ID:vEHSajFw0
保守。
191各無しさんだよもん:05/02/15 00:46:41 ID:DE3HVJmv0
      ./       ;ヽ 
      l  _,,,,,,,,_,;;;;i  <いいぞ ベイべー!
      l l''|~___;;、_y__ lミ;l  保守だけ書く奴はROMだ!!
      ゙l;| | `'",;_,i`'"|;i |  ネタで保守する奴はよく訓練されたROMだ!!
     ,r''i ヽ, '~rーj`c=/ 
   ,/  ヽ  ヽ`ー"/:: `ヽ
  /     ゙ヽ   ̄、:::::  ゙l, ホント スレ保守は地獄だぜ! フゥハハハーハァー
 |;/"⌒ヽ,  \  ヽ:   _l_        ri                   ri
 l l    ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| |                   / |
 ゙l゙l,     l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
 | ヽ     ヽ   _|_  _       "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
 /"ヽ     'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄  [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/  ヽ    ー──''''''""(;;)   `゙,j"  |  | |
192各無しさんだよもん:05/02/25 00:19:15 ID:OGhMHl2v0
    |┃三,.、   ,r 、
    |┃ ,! ヽ ,:'  ゙;
    |┃. !  ゙, |   }
    |┃≡゙;  i_i  ,/
    |┃. ,r'     `ヽ、    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃.i"       ゙;  < 話は聞かせてもらったぞ!
    |┃:!. ・     ・ ,!   | 保守はまかせろ!
    | (ゝゝ.   x  _,::''    \____________
    |┃= ,::`''''''''''''''"ヽ.   
    |┃  |      r';
    |┃  ゙';:r--;--:、‐'
    |┃≡ ゙---'゙'--゙'
 ガラッ
193各無しさんだよもん:05/02/25 00:46:07 ID:OGhMHl2v0
つうかネタ切れだよもう…
194各無しさんだよもん:05/03/06 23:44:34 ID:VKNXDNPX0
・・・わたしは いま はかぎいたの かそうにある
はかぎしょうぼうたいとよばれる ちいさな すれの
まえにいる。
・・・いかなる しょうがいも(ry

いどう>スレ
ギャーッ!!
おおごえを あげながら とびこんだ。
すれのそこへ むかいながら わたしの めに
うつったものは・・・!!
ほしゅだ!!
いままでの わたしの はずかしい かこが まちうけている。

・・・むだな ようりょうを しょうひしながら・・・。
ざんねん!!
わたしの ほしゅは あまりに くるしまぎれだった!!
195名無しさんだよもん:05/03/19 10:05:09 ID:fXjf3PEp0

19665:05/03/19 10:42:27 ID:8CLlY9O80
舞「佐祐理、それなに?」
佐祐理「IFEX(アイフェックス)だよ、舞」
舞「あいふぇっくす?」
佐祐理「そう。圧縮空気で霧状の水を発射して火を消すの。インパルスって呼んだりもするね」
舞「そう……」
佐祐理「背中に背負ったバックパックで12リッターの水が入っているから12回発射出来るんだよ(くるりと後を向いて背中のバックパックを見せる」
舞「少ない……」
佐祐理「水を節約するともっと撃てるけどそうすると19回で今度は空気タンクが空になっちゃうんだよね〜」
舞「そうなの?」
佐祐理「うん。だからなるべく大きな火に使うと良いんだよ。これの消火力はとっても高いから。で、小さいのはホースを持ってる人にお願いするの」
舞「高い?(こんな小さなものが……という顔をしている」
佐祐理「そうだよ〜。これは水を細かい霧状にして火の中にぶつけるからね〜。火からとっても効率よく熱を奪うんだよ〜」
舞「そうなの……」
佐祐理「舞〜、この辺のお話は消防学校で習ったよ〜(ちょっと困った顔」
舞「覚えてない……」
佐祐理「しょうがないな〜。じゃあ、佐祐理が解説するね」
19765:05/03/19 10:54:36 ID:8CLlY9O80
もっとも効果的な消火剤 水
佐祐理「舞〜、消防で一番よく使われる消火剤はなあに?」
舞「……水」
佐祐理「ぴんぽんぴんぽ〜ん、せいか〜い。じゃあ、どうして水を使うのかな?」
舞「……(首傾げ」
佐祐理「ちっくたっくちっくたっくちっくたっく(うれしそうに人差し指を揺らしながらカウントしている」
舞「…………(腕を組んで考え込んでいる」
佐祐理「降参かな?(にこにこ」
舞「………………(う〜んう〜んと唸り始める」
佐祐理「ぶっぶ〜、時間切れでーす。正解はCMのあとで」
舞(ぺしっとちょっぷ)
佐祐理「ふぇ〜(涙目」
舞「CMなんて無い……」
佐祐理「あははーっ、これもつかみですよ〜」
舞「正解は?」
佐祐理「はい、それでは答えです。お水は一番簡単に手に入る消火効果の高いものだからです〜」
舞「消火効果?」
佐祐理「舞、どうして火が燃えるかは覚えてる?」
舞「温度が高いから」
佐祐理「ぴんぽんぴんぽ〜ん、せいか〜い。物には引火点と発火点があるのは覚えてるよね」
舞(無言でうなずく)
佐祐理「引火点はこの温度に達した時に火があると物に燃え移る温度、発火点は火が無くてもこの温度になったら自然に火がついちゃう温度だったよね」
舞(またうなずく)
佐祐理「じゃあ、火を消すにはどうしたら良いのかな?」
舞「温度を下げる……」
佐祐理「ぴんぽんぴんぽーん、正解3つで祐一さん人形をプレゼント〜(手製の祐一人形を手渡す」
舞「(手のひらサイズの祐一人形を見つめながら)祐一さん人形嫌いじゃない……」
佐祐理「あははーっ、祐一さん人形3つでスーパー祐一さん人形がもらえるからね〜」
舞「がんばる……」
19865:05/03/19 11:05:25 ID:8CLlY9O80
佐祐理「で、お話を戻して(何かをひょいと自分の前に持ってくるジェスチャーをする」
舞(佐祐理の前に持ってきた何かをまたひょいと横へ避ける)
佐祐理「舞〜、お話を戻すんだよ〜(また何かを自分の前に持ってくる」
舞(また無言で横へどける)
佐祐理(またry
舞(またry
祐一「何やってるんだ、ふたりとも……」
佐祐理「あ、祐一さん」
祐一「おう、祐一さんだぞ。で、ふたりとも受信中?」
佐祐理「あははーっ、舞にお水の利点を教えてたんですよ〜」
舞「聞いていた」
祐一「なにぃっ!? オミズだとぉ!?」
舞(ごすっとひじうち)
祐一「がふっ……な、なにゆえ……(がくりとひざをつく」
舞「祐一、失礼……」
佐祐理「ふぇ〜。なんのお話ですか?(きょとん」
祐一「いや、それはこっちが聞いてるんですが……」
佐祐理「あははーっ、発火点と引火点のお話ですよ〜」
祐一「発火点と引火点?」
舞「火が無くても火がある……火があったら火がある……」
祐一「なんだそりゃ?(頭の上にはてながいっぱい」
佐祐理「舞はさっそく覚えたみたいだね〜。じゃあ、続きをしようか」
舞(こくりとうなずく)
佐祐理「温度が下がるというのはどういう状態のことを言うのかな?」
舞「…………水がかかる?」
祐一「違うだろ、佐祐理さんが言ってるのはエネルギーを奪われるってことじゃないのか」
佐祐理「祐一さん、せいかいです〜。ご褒美に舞人形をプレゼント〜(手製の舞人形を手渡す」
祐一「お、これ舞だな。良くできてるさすが佐祐理さん(縫製や作りを確かめるようにして人形をいじくる」
舞「せいっ!(ゴッという音と共にチョップを振り下ろす」
祐一「がっ……な、何をする……」
舞「スカートめくらないで……(真っ赤な顔でぷいっと横を向く」
祐一「良いじゃないか、人形なんだし」
19965:05/03/19 11:22:25 ID:8CLlY9O80
舞「嫌……」
祐一「だったら舞がめくらせてくれるか?」
佐祐理「(ぽかぽかと祐一を叩く舞を見ながら)あははーっ、ふたりとも仲良しさんだね〜(舞のターゲットが佐祐理に変わる」
祐一「(きゃーきゃーと黄色い悲鳴をあげる佐祐理に)で、エネルギーを奪われるのがどうかしたんですか?」
佐祐理「あー、そうでした。お水は蒸発する時に大きなエネルギーを必要とするんです。だから火に水をぶつけるんです。(舞に向かって)ここまでは分かるかな?」
舞(こくりとうなずく)
佐祐理「このインパルスはそのお水を小さな粒にして一気に火の中に撃ち込むんだよ。こうすると撃ち込まれた全部のお水が一気に蒸発して火の中心から急激にエネルギーを奪うんだよ」
舞「どうして撃ち込むの?」
佐祐理「水は細かくするとエネルギーをとっても速く吸収するのは今言ったよね?」
舞(こくりとうなずく)
佐祐理「でもそのままぶつけるとエネルギーの吸収が速すぎて火の表面だけしか熱を奪えないんだよ」
祐一「ふむふむ」
佐祐理「だから圧縮空気で(ぷしゅーっと装填)水を一気に撃ち出すんだよ〜(ボシュッと発射」
祐一「がほっ……(直撃を受けて吹っ飛ばされる」
佐祐理「ほらね、こんなに力があるから一気に水を火の中に撃ち込めるんだよ」
舞「なるほど……」
祐一「さ、佐祐理さんが優しく無い……(よろよろ」
佐祐理「あははーっ、そんなことありませんよ〜(手を差し出して祐一を助け起こしてやる」
舞「便利……」
佐祐理「そうだね〜。ホースもいらないからかなり速く移動出来るし、電気火災でも感電しないんだよ〜」
舞「桜坂では感電した……」
佐祐理「あははーっ、その辺はゲームですから〜」
20065:05/03/19 11:23:51 ID:8CLlY9O80
保守ついでに思うままにカキコしてみた
駄文スマソ
201各無しさんだよもん:05/03/19 23:20:10 ID:TUT92UoR0
せいだいなる ファンファーレの あらし!!
202名無しさんだよもん:05/03/20 00:34:15 ID:dZFf891+0
ほしゅ
20365:05/03/20 12:51:32 ID:Fe/Oc5VN0
IFEX

Impluse Fire Extinguisher technologyの略。
日本語訳するならインパルス消火技術。
水や消火薬剤の微細な粒子を高速で目標に撃ち込むことができ、撃ち込まれた微細な粒子の水分は一瞬で蒸発して燃えている物のエネルギーを急速に奪い冷却します。
高速度で撃ち込むのはエネルギーの吸収が良すぎる微細な粒子の水分が蒸発する前に火の中心に叩き込むため。
大きな火に対して棒状の水を使うのも同様の意味があるが、火の中心に達したあとのエネルギーを奪う効率が悪い。
そう言う意味ではインパルスはもっとも効率の良い消火用具と言えます。
難点は空気ボンベと水タンクを使用することによる任務継続能力の短さ。
よって今のところ軽快さを行かした初動消火などの任務に使われている。
20465:05/03/20 21:44:53 ID:vHIcIj2Y0
消防車の解説も作ろうと思ったが長くなるので後日
とりあえず、日本で消防車を作っているモリタのサイトを紹介
ttp://www.morita119.com/
消救車は実に面白いと思うw
20565:05/03/20 21:49:27 ID:vHIcIj2Y0
救急車はいろんなメーカーが作っているのでそれぞれのホームページを参照
たとえばこんなの
ttp://www.toyota-ttc.co.jp/specialize/index.html
206名無しさんだよもん:2005/03/21(月) 19:01:15 ID:DBJ9olrp0
盛大なる乙と、俺の喜びを差し上げます。ありがたやありがたや………。
207名無しさんだよもん:2005/03/24(木) 01:11:42 ID:LZ5ypnFM0
マルチ「『消救車』……。一台で二度楽しめる(?)働き者さんですー」
セリオ「火災で発生した重症患者はどうするのでしょうか……。
     火を消している間は搬送来ませんし、搬送すれば火災は収まらないのでは」
マルチ「はわー」


ま、通常の消防車や救急車と併用するんだろうけども。
20865:正暦1016/04/01(金) 22:47:18 ID:JPxZrzdi0
ついでに外国製の消防車といえば真っ先に上げられるIVECOも載せておく
ttp://www.iveco.com/
近所の消防署もはしご車はここ製なんだよね
209各無しさんだよもん:2005/04/05(火) 01:52:40 ID:Kbku0ur+0
よし、こうなったら俺が保守代わりに今までかかって作った初めての自作を投下する
お前らはパソ画面の右下にあるスタートボタンを凝視しながら読め
210各無しさんだよもん:2005/04/05(火) 01:53:46 ID:Kbku0ur+0
 舗装された道路をひたすらに歩きながら、彼は自分に降りかかったある1つの使命についての考察を鑑みた。
 状況は最悪である。既に町の至るところから火の手は上がり、家々は倒壊の兆しを見せている。
さながら地獄図ではないか。幸いに未だ住人の助けを求める声は聞こえないが――。
…幸いなのだろうか。浮かんだ邪念を払うように頭を振ると、思わず首を竦める。

 彼は日がな一日ゆったりとした時間の中で過ごしていた。
散歩、昼寝、公園でのひと時――考えられる限りの贅沢を尽くしてなお、飽きる事無くそれらを繰り返す毎日。
運命の白い光が彼を包んだまさにその時ですら、彼は暖かな布団に包まり至福を満喫していたのだ。
 それが何だ。いまやあの自堕落とも言い得た生活とはすっかりと縁が切れてしまった。
それどころか四方から絶えず恐怖が襲ってくるのだ。すなわち、炎と怪しい人間達である。
彼はすぐさま今までの生活態度を反省し自分自身に悪態すらつく始末であったが、
今までのツケは大きく、這這の体で何とか逃げ出してきたのであった。

 だがそんな彼にも、ここに来た時から何か悲憤にも似たものが体の中を常に駆け巡っているのを自覚していた。
熱狂的な使命感。今の彼に勇気を与えているのは、その激烈で、凄まじいまでの精神の昂りであった。
今までに感じた事のない達成への責任、もしくは許容しきれない情動によって、
彼はかつてないほどの熱意を沸き立たせていたが、彼の頭は努めて冷静に対応していた。
 そして、彼は彼自身が今現在、この使命に対して如何ほどの貢献が出来るかと考えたとき、
その思わず笑いたくなるような無力さに彼は悲痛な叫び声を上げるのである。

「うなぁあああぁぁぁああああぁ!!」

彼の名はピロシキ。ただ一匹の猫であった。
211各無しさんだよもん:2005/04/05(火) 01:56:11 ID:Kbku0ur+0
あ、駄目・やっぱ推敲しとくあよかtった
212各無しさんだよもん:2005/04/15(金) 00:04:19 ID:Ag+NI8cS0
あなたがつぶやく最期の言葉
ttp://marylou.m78.com/lastword/

保守ネタにはってみる
俺の最後の言葉は「もう、何がなんだか分からない」だった
最期の状況が『オーバードーズ、朦朧とした意識の中(推定年令:不明)』
なんともはや
213名無しさんだよもん:2005/04/16(土) 17:17:18 ID:hm4kKtsv0
>>212
よう兄弟。
214名無しさんだよもん:2005/04/17(日) 11:12:47 ID:dmWFxC710
>212
「お前らみんな死んじゃえ」
状況:高校の同窓会で急性アルコール中毒、そのまま帰らぬ人に(推定年令:不明)



同窓会に誘われたことねえよ。
215名無しさんだよもん:2005/04/19(火) 00:01:00 ID:zIHGVFPZ0
216各無しさんだよもん:2005/04/28(木) 02:46:10 ID:GsEJjP6u0
祭りだ祀りだあmつあぉかrぃだ経は地元の祭りなんだーーー!!

…寝よう
217各無しさんだよもん:2005/05/02(月) 18:31:24 ID:0xpTC5zc0
PANELS
ttp://www.higopage.com/panels/

最近保守の手抜きしてるな
と言いつつまたネタにはっておく
脳力を計ってくれますよ
とりあえず平均超えてれば嬉しいかなぁといった具合

ちなみに俺の脳力は『S+7 947 p』

『あなたはスティーブン・スピルバーグと同等の脳力を持っています。
物事に対する判断が遅く、優柔不断なようです。
手先が器用で、それを生かす根気があるようです。
何事にも真剣に取り組むようです。
迅速に判断し、正確に行動できるようです。』

こんな感じで分析される
自分を慰めたいとき、何かに没頭したいとき、ヒマなときどうぞ
218各無しさんだよもん:2005/05/10(火) 23:08:49 ID:E1113a1g0
さて、そろそろ俺もネタが尽きてきたわけだが
219名無しさんだよもん:2005/05/13(金) 19:58:56 ID:ERsGEw8N0
まだ書く人いんのかな〜、と思いつつ保守
22065:2005/05/13(金) 20:04:56 ID:cQ+5wcmw0
SSは無理だが解説程度ならまだネタはだいぶある
221名無しさんだよもん:2005/05/16(月) 22:04:48 ID:k9UQYBRe0
>>209
って、右下!?
222名無しさんだよもん:2005/05/16(月) 23:55:02 ID:7+f6+hXW0

223各無しさんだよもん:2005/05/25(水) 02:39:54 ID:bUX+JXqv0
>>221
げぇー!!左下じゃねぇか!
まぁそんな過去の事は忘れて

今消防団の消防操法大会の練習してんのよ
あれやると消防官の苦労が少し分かるね
水入るとホース重いし、筒先はやたら力かかるし、規律は厳しいし
まぁ実際あんな事いちいちやるわけじゃないだろうけど、基本動作は似たようなものだし
それに消防服着て何やら背負ったり持ったり…足向けて眠れないわな…ありがとう消防官!!
224名無しさんだよもん:2005/05/28(土) 23:59:30 ID:fhVFkMuH0
「くそっ・・・」
言いながら、取り合えず唾を飛ばしてみる。けれど、無駄だ。
人間の唾程度の水分では、目の前に広がる炎の海に太刀打ちできそうに無い。



「へへっ」
ふっと笑みをこぼす。
「IFEXって知ってるかなぁ?きみたちぃ!」
真っ赤な壁に向かって指差しながら、狂った笑みを浮かべながら叫んだ。
「インパルスとも言うんだけどねっ!圧縮空気の大活躍なのさっ!」
叫びながら──渾身の力で勢い良く唾を吐き出した。
──ぶしゅぁ!
「はははっ、どんどん消えてくぜ!」
そう言って、何度も何度も繰り返し唾の嵐を撒き散らし続ける。
「どうだっ!どうだっ!降参しろよっ!」

  春原の闘いは、まだ、始まったばかりだった…!
225各無しさんだよもん:2005/06/15(水) 00:54:48 ID:GfJkIabG0
>>224
どうしたw?
226各無しさんだよもん:2005/06/25(土) 00:15:33 ID:viqhoTKX0
すまん、ネタは無いが保守しておく
ちなみに大会準優勝したぞ!
22765:2005/06/26(日) 17:20:39 ID:dsz4GacN0
ねえねえ
SEGAの消防士を元に市長一家の代わりにパーティに来た水瀬家の面々にして
そこにONEの連中の消防隊が突入していくSSを書こうと思うんだけどどうだろ?
228名無しさんだよもん:2005/06/26(日) 18:14:04 ID:HpNerGtL0
どんと来い。don'tにあらず。
むしろ来てください。どうせ過疎ってるし、ひっそり楽しく。
229各無しさんだよもん:2005/07/11(月) 01:34:05 ID:dqn+Wu7n0
姿を消した◆nZGPBenp1Q
約7ヶ月前の書き込み――

「保守。
 書いてるのですが、なかなか進まない…。
 息抜きに作った歌詞を某スレに投下しますた。」

――これを最後に彼の消息は途絶える。

彼は何処へ消えたか?
 彼は生きているのか?
  そもそも、彼は存在していたのか?

我々はついに今まで、その自問に明確な回答を得る事無くここまで来た。

ここまで我々が眼をつむり見ぬ振りを続けてきた事実――

「180 名前: ◆nZGPBenp1Q [sageこのみタソ(*´Д`)ハァハァ] 投稿日: 04/12/22 22:01:18 ID:G5Qx0Tze」


「       ◆nZGPBenp1Q [sageこのみタソ(*´Д`)ハァハァ]                           」


「                     このみタソ(*´Д`)ハァハァ                           」

――受け入れねばなるまい。
           彼は、もう、戻ってはこないという事を。
230各無しさんだよもん:2005/07/11(月) 01:34:37 ID:dqn+Wu7n0
そして、ここは生まれ変わる――

「227 名前: 65 [sage] 投稿日: 2005/06/26(日) 17:20:39 ID:dsz4GacN0
 ねえねえ
 SEGAの消防士を元に市長一家の代わりにパーティに来た水瀬家の面々にして
 そこにONEの連中の消防隊が突入していくSSを書こうと思うんだけどどうだろ?」

――新たな物語の紡がれる地として。


ありがとう、◆nZGPBenp1Q! 我々は君の勇姿をしかと見届けた

ようこそ、>>65! ここには何も拒むものはない! 新たな物語は君の手で紡がれるだろう!
 そしてもし良ければ、ずぶの素人の私も小さな物語を共に書き込む事をお許し願いたい。
23165:2005/07/12(火) 17:31:14 ID:phCnrYDv0
 PM6:10


「すごいね〜」
「ああ、ちょっとびっくりだな」
「あぅ〜、ごうか〜」
「あらあら」
「ねえねえ、ボクも一緒に来て良かったのかな?」
 ホテルの中に一歩足を踏み入れた瞬間にそれぞれが思い思いの言葉をもらす。
 数カ国語が話せることを名札に付けたボーイが呼ばれればいつでも応じられるようにスタンバイをしている。
 時代を感じさせる建物と凝った内装が成金趣味とは違うかなりの豪華さを演出していた。
「祐一さん、それに皆さん。本日はようこそおいでくださいました」
 さっそくこちらに気がついた佐祐理さんがこちらの方へとやって来てちょっとかしこまった挨拶をしてくれる。
「お招き頂きまして感謝します。でも、本当に俺たち来て良かったんですか?」
「もちろんですよーっ。舞も大喜びです」
 佐祐理さんはそう言って後を振り返るとロビーの方へと入ってきた舞に手を振る。
 2人とも色違いのシックなワンピースタイプのドレスを着ている。
 基本的には同じデザインだが佐祐理さんはゴールドベージュのそれにショールを、舞は薄いブルーのドレスに同色のコサージュを組み合わせている。
「2人ともよく似合ってますよ」
「あははーっ、ありがとうございますーっ」
「…………」
 うれしそうに笑う佐祐理さんとは反対に舞は照れたのかそっぽを向いてしまった。
 佐祐理さんと舞に案内されて水瀬家一同プラスうぐぅは4階のパーティーホールへと案内される。
「あぅ〜、ごちそうだ〜」
「こら、真琴!」
「あらあら」
 パーティーホールに入った瞬間、精神年齢が一番幼いやつが真っ先に行方不明になった。
「ボク、呼んでくるよ」
「いいって、ほっとけほっとけ」
「そうもいかないよ。真琴ちゃん、待って〜」
 そして、おまけのうぐぅもどこかに行ってしまった。
23265:2005/07/12(火) 17:31:53 ID:phCnrYDv0
 そして、おまけのうぐぅもどこかに行ってしまった。
「祐一〜、どうする?」
「放って置いても大丈夫だろ」
「そうですね」
 心配そうな名雪の言葉に俺がそう言うと秋子さんも同意してくれた。
 知らないおじさんについて行く危険があるが、まあ、それ以外は大丈夫だろう。
 たぶん。
「それでは、皆さん、楽しんでいってくださいーっ」
「また後で……」
 佐祐理さんは挨拶があるらしく、舞と一緒にいってしまった。
23365:2005/07/12(火) 17:32:13 ID:phCnrYDv0

 PM6:15


 華やかなパーティーホールの下。
 最小限の照明が変圧器を照らす機械室。
 交換予定を間近に控えたやや古めかしい配電盤が必死に電力を供給していた。


「ん?」
「あれ?」
「あら?」
 突然、点滅したホールの照明に俺たち3人は顔を見合わせた。
「なんだったんだろうね?」
「蛍光灯が古かったんだろ」
 一瞬だけ点滅してすぐに元に戻ると静かにざわめいていた会場は元の喧騒を取り戻す。



 静かだった機械室には不気味な音が響きだしていた。
 負荷に耐えかね始めた回路が赤熱し、やがて、機械から青白い光が飛び交い、白い煙が登りはじめた。
 静かに登りはじめた煙はみるみるうちに増えてすぐに真っ黒な煙へと姿を変えた。



 PM6:25  火災発生


23465:2005/07/12(火) 17:37:14 ID:phCnrYDv0

「落ち着いてください。大丈夫です。落ち着いて避難してください!」
 もくもくと黒煙が漂う中で、お客を誘導する給仕が声を張り上げる。
 大勢が我先にと逃げ出す中で俺たちはまだ動けないでいた。
「祐一、あゆちゃんと真琴がいないよ!」
「どうしましょう。まさか逃げ遅れてるなんて……」
「俺、探して来ます!」
「祐一さん!」
「秋子さんと名雪は先に避難していてください!」
 それだけ言うと俺はあゆと真琴の2人を探すために避難をする人の群れに逆らって建物の奥へと走り出した。

23565:2005/07/12(火) 17:45:46 ID:phCnrYDv0
とりあえず、出来た分だけ貼る

で、消防隊の面々なんだが……誰を隊長にしよう
とりあえず、
ホース
 浩平、七瀬

インパルス
 繭

機関員
 澪

は確定なんだが……
23665:2005/07/18(月) 20:27:09 ID:9Xr+bS490
インパルスと言えば消防とは関係ないうちの部署にも1つあったなぁ
災害訓練の時にでも撃たせてもらえない物か……
237名無しさんだよもん:2005/07/20(水) 10:56:50 ID:/N6lnXCR0
揚げ
23865:2005/07/26(火) 22:52:47 ID:O5xeC6H80
保守
しかし、過疎ってるな
SSよりも解説ネタの方が
23965:2005/07/26(火) 22:54:03 ID:O5xeC6H80
ニーズありそうね
ここの場合
240各無しさんだよもん:2005/08/17(水) 23:35:59 ID:5HaFvA4g0
やべー忘れてた保守
241各無しさんだよもん:2005/08/18(木) 00:19:58 ID:UrUElOYY0
>>236
ん?
やはり貴様…あいや、あんた消防官(?)だったんだな!
242各無しさんだよもん:2005/08/22(月) 00:15:47 ID:Rt7mibea0
万博行って来たんだが、AEDあったよちゃんと
何でか感動した
243各無しさんだよもん:2005/09/08(木) 22:15:22 ID:6cXe6VzJ0
明日は救急の日だとさ、関係ないけど
さてお前ら、もう暫く俺の戯言に付き合ってもらおうか

1日は防災の日だったが、地域の訓練出たか?てかあったか?俺んとこは4日にあった
244名無しさんだよもん:2005/09/16(金) 04:25:35 ID:8qhJAxPo0
そして243の姿を見たものは居ない・・・
245各無しさんだよもん:2005/09/28(水) 00:31:52 ID:dmQlc5zG0
>>244
ちょwwwwおまwwwwww

俺居るよ、最近忙しいけど
つーか最近葉鍵板更新してないわけよ、お気に入りで飛んでくるから分かんない

とまあここで突然だが再び推敲無しの駄文を投下しようと思う
見たいなんて物好きな奴は薄目で見ろ
246各無しさんだよもん:2005/09/28(水) 00:34:05 ID:dmQlc5zG0
ここはとあるレストラン。
ただいま厨房付近からの出火により、店内は煙でいっぱい。
当然人の姿は無い…はずだった。白い光が店内を照らすまでは。
( ^ω^)「んー……」
ごろり、と寝返りを打つ。
( ^ω^)「あつ……」
( ^ω^)「やめて…お」
( ^ω^)「危ないお…そんな」
(;^ω^)「ちょ…あ、あつ…」
(;^ω^)「あぶ、ちょ、待て…」
(;^ω^)「ばっ、おま、あっつ……熱いって言ってるお! …あれ?」

まったく突然の出来事であった。
彼はその前後の記憶もなくまさに唐突に、煙渦巻く熱い部屋で目を覚ました。
(;^ω^)「燃えてるお、どうりで熱いわけだお…」
(;^ω^)「って呆けてる場合じゃないお! 結構ヤバイお!」
急いで立ち上がる。
(;^ω^)「!! ごほっ、ごほっ! 煙が酷いお…」
熱いのは如何ともし難いが煙で走る事が出来ない。仕方なく這って行く。
 途中、壁に掛けられていたであろう木の葉型のボードが床に落ちているのが目に入った。

247各無しさんだよもん:2005/09/28(水) 00:35:58 ID:dmQlc5zG0
『当店オススメ!  ナポリタン 700円』

小洒落たモノだ。癖のある手書きの文字でセンス良く仕上げられている。
さぞかし賑わっていたであろうが、今の彼にとってはそこまで想いに浸る余裕はなかった。
(;^ω^)「出口は…あっちだお!」
出入り口と思われるガラスの自動ドアは開け放たれていた。
いまいち状況が理解できないが、幸いである。彼は外へと転がり出た。
( ^ω^)「はぁ…もう大丈夫だお」
身体に付いたゴミを払おう。と、手を動かしてみて気付いたのだが、手が何かを掴んでいた。
無我夢中の中でつい掴んで来てしまったのだろう、それは先ほど見た木の葉型のボードであった。
木で出来た葉に小さな黒板の付いたモノだ。文字はすでにぐちゃぐちゃで、所々が辛うじて読めるだけになっている。
しばらくそれを見つめる。あまりに突然な体験をしたせいで、頭の中が整理しきれていないのかもしれない。
248各無しさんだよもん:2005/09/28(水) 00:36:35 ID:dmQlc5zG0
10分、15分――30分程であろうか。1つため息をつくと、彼は未だ燃え盛るレストランを見た。
(;^ω^)「ワケ分かんないお…」
素直な心情であった。何も分からないのだから。
( ^ω^)「いいお、とりあえずブーンは……?」
独り言に首をひねる。
(;^ω^)「あれ…ブーンはブーンなんて名前だったかお…?」
謎だらけだ。
自分はブーンなんて名前だっただろうか?
ここは何処だろうか?
何故自分は燃えるレストランの中で寝ていたのだろうか?
何故自分には――
(;^ω^)「あーもういいおいいお! やめるお! 頭痛くなるだけだお。それよりブーンにはやる事があるんだお」
とりあえず今はそっちが大事だ。早く行こう。
 木の葉のボードを見る。
伸ばされたチョークの跡はまるで自分の頭の中のようで、思わず振りかぶると、レストランに向かって投げつけていた。
コン、とレストランの名前が書かれた看板に当たる。





『レストラン ココア・トアール』

(;^ω^)「冗談きついお……」

走れブーン、頑張れブーン!
きっとその名前は偶然だ!
249名無しさんだよもん:2005/09/28(水) 10:07:24 ID:H6quI64r0
>>246-248
GJ
ワロタよ
250名無しさんだよもん:2005/09/30(金) 20:25:40 ID:qPRLb2P80
>>54
桜坂消防隊ですか。懐かしい。
251各無しさんだよもん:2005/10/25(火) 20:45:13 ID:Y+C5BWKd0
ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…ファ-
252名無しさんだよもん:2005/10/25(火) 21:05:22 ID:iiePgIwd0
>>250
当時はまっておりましたw
25365:2005/11/14(月) 21:04:22 ID:Vv7PnlqG0
これ↓買ってきた〜
ttp://firecaptain.zoo.co.jp/index.html
前作が実に楽しかったので今回も楽しみ楽しみ
PCの消防ゲームではこれとエマージェンシーシリーズがマジでお薦め
254各無しさんだよもん:2005/12/01(木) 02:14:42 ID:PBlOj4HR0
FOOD FORCE
ttp://www.foodforce.konami.jp/

国連世界食糧計画による体験型ゲーム
消防とは離れるが保守に紹介だけ
ゲームとして楽しむのは難しいが発想は悪くないとおもう

食料投下の成功時
「素晴らしいな。君は食料投下をしたことがあるのかい?」

ねーy………………ねーよwwwwwwww
255名無しさんだよもん:2005/12/25(日) 00:10:18 ID:bQC8vU4Y0
^^;
256名無しさんだよもん