Key新作 CLANNAD -クラナド- 総合 Part116
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(3/14)
コメント:DISC-1
01.汐 戸越まごめ
実はこの曲、実際は半音高いト長調で弾いていて、あとから移調処理をしています。
弾きたい人は、半音上げると簡単になりますよ(笑)
曲自体は早い時期に出来ていたこともあり、一時期ラジオCMで使われたことがあります。
02.幻想 戸越まごめ
街の移り変わりという要素を、音色の変化で表現してみました。
音はたくさん重ねていますが、構成音・コードは単純です。
これをバックにそれっぽくサックスを吹けば、結構かっこよくなるかもしれません(笑)
03.メグメル riya
この曲は今回初めてコードネームを付けて気付きましたが、どんどん変わっていってますね…。
いつも感覚で作っているので、自覚しておりません。
もしご自分で歌われる方がいらっしゃいましたら、あくまでもキャッチーに、さらりと歌うといいかも。
04.町、時の流れ、人 折戸伸治
CLANNADで一番最初に書いた曲です。
1ループ4分とかなり長い曲になってしまったのでゲーム中じゃループする事が滅多に無さそうですが。
クラナドの世界観のイメージに近いとの事なので、採用となりました。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(4/14)
05.渚 麻枝准
この曲は戸越氏に何度も調整をお願いして、かなり迷惑かけた曲です。
A-B部分は、Kanon以前から温めてあったメロで、サビをつけて今回完成させました。
ゆっくりと時間をかけて育ててきた我が子のような曲です。
06. それは風のように 折戸伸治
杏のテーマ曲ですね。元気な明るいノリが、杏に合ってるのではないかと思います。
実はこの曲、一度Aメロを書き直してるんです。
ソララドに収録されているメロディーが、旧バージョンだったりします。
07.Etude pour les petites supercordes 戸越まごめ
一ノ瀬ことみのキャラクター曲。ことみは個人的にいちばんのお気に入りの娘です。
プレイした人ならすぐに気がつく仕掛けを施してあるのですが、
皆さんはお気づきになられましたか?
08.は〜りぃすたーふぃっしゅ 戸越まごめ
伊吹風子のキャラクター曲。ちょこまかと走り回るような可愛らしさを念頭に置いて作ってみました。
最初は風子の性格をあまり考えずに作ってしまい、何度かボツになったのですが、
この採用版は本当に風子にピッタリだなあと、自分でもびっくりしています。
09.彼女の本気 戸越まごめ
坂上智代のキャラクター曲。強さと優しさを1つの曲の中に共存させるのは難しいですね。
自分の未熟さを痛感した1曲です。
後半のシンセのメロディは本来リードギターですが、やりすぎと言う事で没に。
そっか、杏はコミケだったのか
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(5/14)
10.資料室のお茶会 折戸伸治
有紀寧のテーマ曲っす。
穏やかなイメージで癒される感じを出したかったのですが、どうでしょうか…
自分ではいつもの日常曲のノリになってしまった様な気がしてなりません(笑)
11.東風 折戸伸治
まぁ、いかにも日常ってな感じで、バリエーションも多いです。
書き始めたら割とすんなり出来上がったほうだと思います。
12.田舎小径 戸越まごめ
CLANNADのために書いたいちばん最初の曲です。
鳴らしているのはシンセですが、構成楽器はすべてアコースティックなので、
生演奏でアドリブ回しとかすると、面白いかもしれませんね。
13.有意義な時間の過ごし方 戸越まごめ
80年代ポップスっぽく作ってみました。途中で変拍子を混ぜてアクセントにしています。
こういう明るい日常曲は作ってて楽しいので、これからも書いていきたいですね。
なかなか必要となる機会は少ないですが(汗)。
14.日々の遑 折戸伸治
未だに苦手意識の強い、ピアノ曲です。好きなんだけど、思うように書けない…。
そういや、AIRのサントラのコメントでも同じような事書いてた気が…ぐふっ(涙)
もっと、がんばらないと…。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(6/14)
15.ダム 折戸伸治
ダムという曲名が意外すぎて驚きました。ダムって…何だろう?
この曲はチープさが目立って、どうごまかすかで苦労しました(爆)
一番ボツテイクが多かったと思います。
16.馬鹿ふたり 折戸伸治
おちゃらけ曲も、いつのまにか得意分野になってしまった…。
こういう曲調にはSC-8820系の軽い音が良く合いますなぁ…。
17.灰燼に帰す 折戸伸治
対決シーンなどをイメージしてみて書いたんですが…
いいフレーズが思いつかず、ちょっとベタな展開にしてしまったのが心残りかな…。
18.存在 戸越まごめ
あまりにもクサすぎて、かえって笑ってしまうかな〜と思っていたら、
ゲーム中でもギャグシーンで使われていました(笑)
19.月の位相 折戸伸治
Drum'nBassみたいな雰囲気に挑戦…。曲にあまり展開がないので、割と簡単に出来ましたが…。
うーん、最近曲が単純化してきてる…?(汗)
20.無間 折戸伸治
毎度お約束の趣味曲です。
当然というか…クラナドの中では、かなり異色な曲ではないでしょうか…
ループを組むと、戻り方が唐突な感じもしたので、もう少し続きを作ったほうが良かったかも…。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(7/14)
コメント:DISC-2
01.雪野原 折戸伸治
冬のイメージ曲なんですが、この曲のシンセベル部分は元々麻枝氏の曲のフレーズです。
印象的なベルのフレーズに冬の寂しさが感じ取れるようなイメージで
パートを増やして仕上げてみました。
02.潮鳴り 折戸伸治
これは発注時、麻枝氏に「ベタベタな曲調でよろしくっ」といわれたので、
思いっきりベターな展開になってます…
ちと恥ずかしいけど、「このベタさ加減がグーッ!」って言われました(笑)
03.潮鳴りII 折戸伸治
潮鳴りのアレンジ違いのスロー版ですね。
元バージョンより、こっちのが雰囲気出てて気に入っています。
04.TOE 戸越まごめ
"Etude pour…"のアレンジバージョン。ことみシナリオのクライマックスで使われる曲です。
曲の展開は演出に合わせているので、作っては調整、作っては調整の連続でした。
05.同じ高みへ 麻枝准
誰も使っていないと思ってバスケ勝利時専用にと曲名をつけたら、
ことみのラストに使用されていてびっくり。
そしてそちらのほうがしっくりきているという…がくり。なので曲順もそのような位置に配しました。
06.願いが叶う場所 麻枝准
ベタすぎて恥ずかしい曲でも自分は必要とあらば書きます。
シナリオライター側からするとこういう曲があると助かるんですよね。多用しています。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(8/14)
07.空に光る 戸越まごめ
ゲーム音楽は、曲の中ではできるだけ起伏のないように作るのがセオリーなのですが、この曲は例外。
感動シーンで使う事が分かっていたので、中盤〜後半にかけて盛り上げてみました。
08.-影二つ- 戸越まごめ
エンディングはかなり難産でした。何度書いてもうまくいかず、やっとの思いで出来上がった記憶があります。
今回収録しているのは、ゲームDVDには入っていないロングバージョン。
ショートとはまた違った魅力があるかも。
09.白詰草 折戸伸治
牧歌的な雰囲気が出て、個人的には気に入ってますが、
どちらかといえば、AIRぽい雰囲気に近い気がします。
しかし、今回も日常曲多いなぁ…俺。
10.遙かな年月-piano- 麻枝准
原曲はKanonの残光っぽくて気に入ってます。そのピアノ版です。
卒業後、学生時代をふと振り返ったときに覚える感傷が
この曲と共に伝わっていたら幸せです。
11.夏時間 戸越まごめ
麻枝さんに聴かせたところ夏っぽい印象ということで、
ゲーム中でもそういう場面で使われていますが、
本来はけだるい、つまらない日常をイメージして書いた曲です。
12.遙かな年月 麻枝准
卒業式のテーマです。後半は折戸さんの手により、かなりのクオリティアップが施されています。多謝。
ちゃんと渚の送辞のない答辞の最中に盛り上がってくれていたでしょうか。
そうなっていれば幸せです。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(9/14)
13.カントリートレイン 麻枝准
Pat Methenyっぽい曲(笑) サビはよりMethenyっぽく折戸氏が音を調整してくれました。
旅行のシーン用に、もう一曲夏影みたいな曲が候補にあったんですが、悩んだあげくこちらを選択しました。
正解だったと思います。
14.願いが叶う場所II 麻枝准
それまで再三かかる願いが叶う場所と同じ曲と思わせておいて、
途中から盛り上がるという演出を狙ってみました。
これも何度も戸越氏に調整してもらいました。多謝。
15.Ana traditional
ケルト(たぶんスコットランド)の伝統歌です。
ケルトミュージックとしてはポピュラーな曲のようで、いろんなアーティストさんがカバーして歌っています。
そしてボーカルはLiaさん。さすが、の一言。
16.渚〜坂の下の別れ 麻枝准
こちらが完全版です。
まだシナリオも書いてない頃、とにかく自分の涙腺にくるような曲にしようと、後半の展開部分を書きました。
そこから導き出されるように、渚との幻想的な別れのシーンが生まれました。
17.小さな手のひら 麻枝准
オーラスのスタッフロールと相まって、いい演出になったと思います。
クラナドという長い長い物語を締めくくるに相応しいラストだったんではないかと。
不格好でも不器用でも情熱だけでここまでこれるんだと。感動でした。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(10/14)
コメント:DISC-3
01.幻想II 戸越まごめ
静かな幻想世界ですね。
『幻想』の方は少し派手な音色が多いのに対し、こちらはシンプルにまとめてみました。
02.東風-afternoon- 折戸伸治
メロディーの音色をエレピに変えたバージョンです…って、そのままやん(汗)。
日常曲はゲーム中に頻繁にかかるので、やはりバージョン違いが多い方がいいですねっ。
03.東風-tempo up- 折戸伸治
テンポアップ版です。この曲はこの位のテンポのが、気持ちいいっすね。
元の2曲とは若干、使用音源も変えてみました。
04.東風-piano- 折戸伸治
ピアノオンリーです。
所々、コードをマイナーに変えてみたりと、少々寂しさ感が出るようにしてみました。
05.有意義な時間の過ごし方-guiter- 戸越まごめ
『有意義…』は全部で3バージョンあって、そのどれかを使うことになっていたのですが、
場面によって使い分けをすることになりました。
容量制限が緩くなったDVD-ROMだからこそできる技ですね。
06.有意義な時間の過ごし方-sax- 戸越まごめ
こちらはソプラノサックスのバージョン。
ただ単純に音色を変えただけだと、楽器の音として不自然になってしまうので、
装飾音符などは個々のバージョンで調整しています。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(11/14)
07.存在-e.piano- 戸越まごめ
ギターとエレピのみのバージョン。
これが一番しっくりくると個人的には思います。
08.存在-piano- 戸越まごめ
ピアノとパッドのバージョン。
こちらは少し悲しくて呆然としてしまうような感じに聴こえますね。
18.未使用曲1 折戸伸治
この曲、今聴くと「なんでボツにしたんだろう?」と思ってしまいます。
そんなに悪くないかも…。
当時、きっと何かが気に入らなかったんでしょう…(謎)
19.未使用曲2 戸越まごめ
『有意義な…』とかぶるのでボツ。
メロディは女性ボーカルを意識して作っているので、そのまま歌うこともできると思います。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(12/14)
ライナーノート:折戸伸治
CLANNADオリジナルサウンドトラックをお買い上げ頂き、誠にありがとうございます。
約3年半ぶりにファンの皆様に曲を聴いて頂く事になる訳で、プレッシャーも相当感じておりました。
それに加え取り掛かるまでのブランクも結構あったので、
勘が戻ってくるまでは、苦労しながら作っていたのを覚えています。
今回は前作ほど、イメージの統一感というのは意識せずに作りましたが、
相変わらずネタの引き出しが狭いので、結局日常曲がメインになってしまったのが、反省点かも(苦笑)
もっと守備範囲を広げなくては…。
さて、このサントラですが、クラナドを発売してから、
KEY宛に「クラナドのサントラは、いつ発売すんねん?」というメールを数多く頂きました。
確かにゲームを起動しないとBGMが聴けないのは不便だし、すぐにサントラ製作に取り掛かりました。
劇中BGMの多さもさることながら、アレンジ版、フル・ショート版、カラオケ版などを追加した所、
3枚組合計56曲と盛りだくさんな内容に仕上がりました。
それではこのCDを聴いて、クラナドの世界に浸って頂ければ幸いです。
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(13/14)
ライナーノート:戸越まごめ
CLANNADの音楽制作で一番苦労したことといえば、プレッシャーとの戦いでしょうか。
実はこの4〜5年で、ハードディスクレコーディングと呼ばれる手法が急速に普及してきました。
いわゆる美少女ゲームのBGMも軒並みクォリティが上がっていて、それらに負けられないという重圧や、
前作の音楽が高い評価を受けていることも過剰に意識してしまったせいで、
精神的に追い詰められた状況がしばしばありました。
ひたすら自問自答を繰り返す、割り切らなきゃいけない部分をいつまでも気にしてしまう……etc.etc.
何しろ、一番最初に出来た曲が2001年の秋ですから、
ゲームが出るまで随分と長くかかってしまったなあと、自分でも思います。
自分で聴いていても、曲によって使っている音源機材や、
打ち込みのクォリティにばらつきがあるのが面白いですね。
自分自身のお気に入りは『田舎小径』と『TOE』です。
それでは、またどこかで。
2004.7.5 秋葉原にほど近い某所にて
コミックマーケット66/クラナド オリジナルサウンドトラック(14/14)
ライナーノート:麻枝准
現代の学園を舞台にした恋愛モノって、BGMにコンセプトを持たせづらいんですよね。
そこのところで悩みました。
新しいジャンルの曲を多用しても、そのジャンルが受け入れられないと、
BGM全体の評価を落とすことにもなりかねませんし、結局、今まで通りということに。
今回はゲーム内の季節が統一されていないので、
同じように音楽もイメージの統一感がなかったかもしれませんね。
これは企画が悪いんですが…。
今回は日常曲がよくかかるので、できるだけ飽きないようアレンジバージョンを多数用意しました。
東風のノーマル→東風-tempo up-への繋ぎは、場が慌ただしくなった感が効果的に出せました。
後は個人的に長い曲を作ってみました。後半の演出で使用しました。
ただ、クリック待ちが入るのでその演出は計算できません。
涼元氏は、曲の頭を短い小節でループさせておき、メッセージがある地点に達した時、
曲を展開させることでそれを解決…負けました(がくり