柚原 このみ
アーケードで私服
「ウチでは、いちばん風呂の人で入浴剤が違うんだ〜。
最初にわたしだとミドリ色の入浴剤で、お母さんだとミルク色、お父さんだとシュワシュワするのかな。
自分の好きな入浴剤を入れるだけなんだけどね。
日曜日はお父さんがいるけどそれ以外の日は、お母さんと奪い合いだよ」
通学路で中学の制服
「あ、そうだ。タカくん、今日の晩ごはんはどうするの?」
「晩ごはん?」
「ほら、おばさんたちはいないし、冷蔵庫の中もカラッポだったでしょ。
なのに、どうするのかな〜って」
小牧 愛佳
通学路?で制服
すったもんだした挙句、結局俺は小牧の買出しについて来ていた。
行き先は駅前のデパートだ。用事は公務とのことだ。
校門を出て坂道を下りきったところで、先を歩いていた小牧が足を止めた。
「公務ですから、駅までバスで行きましょう。交通費くらいはもぎ取ってきましたから、ええ」
「うわ、得意そうな顔」
教室で制服
それでも不思議なことに、クラスは頼りない委員長を中心に薄ぼんやりとまとまっている。
実際、隣り合う教室からはまだ壁越しに騒がしさが伝わってくる。
他のクラスよりも議事の進行は早い。なぜだか何となくうまくいってしまう。
委員長マジック。この現象を人はそう呼ぶ。
向坂 環
デパートで私服
「ふんふん、黒が好きね」
そう言われて初めて気が付いた。
自分がやたらカラフルでヒラヒラした布きれに埋め尽くされた一帯に立っていることを。
「黒っていうと、このアダルト〜な下着よね。
なるほど、タカ坊はエロエロが好き……と」
茶室で私服
「どうぞ、粗茶ですが」
タマ姉は、お茶とヨウカンをすっと差しだしてくるとニッコリ微笑んだ。
「あ、いや、どうも……」
どうなっているんだ。わからない……、わからない……。
ホントにこの人がタマ姉なのか?あのタマ姉がこんな……。
「どうしました?」
「あ、い、いえ……」
ルーシー・マリア・ミソラ
教室で制服
しかし、るーこが扉を開ける寸前、るーこはようやく俺のほうに振り向き静かに言った。
「うーとケンカしたくて、一緒に帰りたかったのでないぞ」
教室で制服
「わわっ!なにしてるんだよ!!」
俺はるーこの勢いに思わず席から転げ落ちそうになりながら、机にしがみついてなんとか姿勢を保つ。
そうしてるあいだにも、るーこは俺の席の半分をちゃっかりせしめて、ぐいっと俺の方に寄りかかってくる。
「狭いぞ、うー。なんとかしろ」
笹森 花梨
裏山で制服
「たかちゃん……ふたりっきりだね」
「……そろそろ家に帰りたいんだけどね」
しばらくの沈黙。夕方が近いのか、さっきからカラスの鳴き声だけが聞こえる。
図書室で制服
「ご、ごめんなさい」
しおらしく、可愛らしい声が、すぐ後ろで聞こえた。
ぎょっとして振り返ると、花梨の姿をした別人が立っていた。
姫百合 珊瑚
図書室で制服
「じぃ……」
気づけば、珊瑚ちゃんがじっと俺のことを見詰めていた。
「な、なに?」
もしかして、邪なことを考えてたの見抜かれたんだろうか?
風呂場でバスタオル一枚 瑠璃付き
「さんちゃん、パジャマ着てっ!!」
しかし、珊瑚ちゃんは急に止まれない
「あ……」
勢いのつきすぎた珊瑚ちゃんの身体から、バスタオルがずるっと落ちてしまう。
姫百合 瑠璃
自宅で制服
「なんも入ってないな〜」
「あんまり料理しないし。いざとなれば、このみのお母さんがなんとかしてくれるから」
「ひも?」
「それはちょっと意味が違うと思う」
保健室で赤ブルマ
瑠璃ちゃんは俺になにも言わない。
やっぱり、怒っている、いや憎まれているのかも。
俺はもうすぐここに来るだろう珊瑚ちゃんに任せようと思い、席を立とうとした。
だけど……。
「そんな逃げんでもええやん」
十波 由真
音楽室で青ブルマ
ここで何が起きても外の人間には絶対に知られない……。
なんて、妄想がもやもやとわき上がってくる(やばい……)
俺はシューベルトやビバルディの肖像を順繰りに目で追いながら、平静さを何とか保とうとした。
屋上で制服
「高いところで空を見上げるのっていい気分だよね」
「ああ」
「どんな悩みも大したことないように思えてくるよ」
呟き。そして微笑。
「何か見えた?」
「自分の行き先くらい自分で決めろ」
そっけなく突き放し、俺は寝返りを打つ。
とりあえず、ファミ通に載ってた分