Key新作 CLANNAD -クラナド- 総合 Part112
コンプティーク8月号/CLANNADビジュアルガイドブックmini/インタビュー(1/4)
−−「CLANNAD」は、企画当初から発売にいたるまでの課程で
変更されたところはあります?
麻枝:細かいところはおいておくとして、大きな部分は当初の予定のままですね。
これだけ時間がかかったのには、さまざまな理由があります。
その中で、自分が設計図をつくらないタイプの企画だったのも遅れた理由の一面です。
魁:確か企画が動きだした後に「覚書」をつくったんですよね?
涼元:人の一生と町をテーマに、大きなものを描いたので、
時間がかかるのはしょうがないですよ。
麻枝:最終的には、時間があったからこその「野球編」です。
でも、ほんとよく出たなー。
魁:よく出ましたよね(笑)。
−−野球編は最初から企画の中に入っていなかったんですか?
麻枝:考えてはいたんですけど、どうしても時間がかかりそうだったんです。
最後に時間が余ったので入れることにしました。
魁:言うのは簡単ですけど、実際につくるのは大変ですよね(笑)。
コンプティーク8月号/CLANNADビジュアルガイドブックmini/インタビュー(2/4)
麻枝:ほかのヒロインたちが、攻略ルートから外れていっても、
皆さんが楽しめるようなイベントをつくりたかったんです。
実は、野球イベントのスクリプト(※簡易プログラムのこと)は
奇跡のスクリプトなんです。
このスクリプトを3本にすると楽なんですけど、
既読スキップで同じセリフで飛ばないようにと1本で書きました。
書いた自分にも修正不可能なスクリプトです(笑)。
ですからデバッグ時はただ祈るのみ……バグが出ませんようにって。
そしてバグが発見されたとき「……終わった」って(笑)。
でも、最後はなんとかなってよかったですよ。
魁:野球イベントのエンディングも、
最初は通常エンドと同じスタッフロールだったんです。
麻枝:それから、野球の成績を出そうって話になってね。
魁:さらに、全員のキャラクターを表示しては消していく演出も入れましたよね(笑)。
麻枝:大変でしたけど、こういうことができたことは、よかったと思っています。
−−幻想編と現実世界を並べて描いた意味はどこでしょう?
麻枝:「CLANNAD」では、町の想いを描くのが重要でした。
人と町の物語なので、人にも、町にも想いはある……と。
それを描いたのが、幻想世界と現実世界です。
この2つの世界で見える"光"。これが町と人との"想い"に対する相互関係なんです。
コンプティーク8月号/CLANNADビジュアルガイドブックmini/インタビュー(3/4)
−−「CLANNAD」のTVゲーム移植はありえます?
麻枝:どうなんでしょう(笑)。大変そうですけど。
−−また、これぐらいの規模の作品をやりたいと思います?
麻枝:……もうやらないです。
涼元:「CLANNAD」をつくったら、ゲーム規模への感覚がマヒしちゃいました(笑)。
麻枝:まぁ、次のKeyは涼元さんの企画でいきますから。
来年の夏にお会いしましょー(笑)。
涼元:マジで?
魁:あれですよね?
ちょっとサイバー入ってて、キーワードは女子高生、制服とイングラム(笑)。
麻枝:それはすごいスクープやね(笑)。
でも、そのぐらい毛色が変わっているほうがいいよ。
−−麻枝さん的な野望は?
麻枝:もちろん「クラナドサーガ」をRPGで! さゆりんと舞も「Kanon」から参加。
ネタとして渚の演劇にみんなで参加しましょうというところから、
そのファンタジー世界へ入っていく流れで。
現実的なところでは、某誌でも言っちゃいましたけど、「智代のアフターストーリー」かな?
なんかラインいっぱいありますね。これからのKeyにご期待を(笑)。
コンプティーク8月号/CLANNADビジュアルガイドブックmini/インタビュー(4/4)
−−話は変わって、新連載のマンガは「AIR」の元ネタなんですか?
麻枝:それはないしょです(笑)。
でも読んでいただけたら、その一端がわかるかもしれません。
第一話は角川さんのある雑誌で佳作になった25枚の小説がルーツです。
小説のタイトルは別でしたが、ストレートなタイトルとの
オーダーがきたので「ヒビキのマホウ」にしました。
キャラが増えると楽しくなるので期待していてください。
−−それでは最後に一言!
麻枝:「CLANNAD」はKeyの次期企画担当者を決める作品でもあったわけです。
で、結果、自分的な判断では涼元さんが書いたことみが勝った……と(笑)。
なのでさっき話しましたが、Keyの次回作の企画担当は涼元さんです。
自分がつくる「智代アフターストーリー」も年内発売は無理なので、
来年は涼元企画と年2本発売、Key初の快挙にしたいですね。
涼元&魁:マジっすか(笑)。