話題の新作を抱える人気アニメーション作家を直撃
この人の新作が観たい!
出崎 統 「AIR」
トップバッターは最近「ハム太郎」映画で人気の出崎統
その彼が久々に新作長編を製作中という情報を入手!
秋公開へ向けて大変な状況の中、どこよりも早く
新作青春映画「AIR]について語ってもらった!
出崎画像/プロフ(略)
次頁に例の公式の観鈴画像
キャプション:「AIR」(2004年秋公開)
祭を1週間後に控えた田舎町に、人形使いで旅をしている少年が
お金を稼ごうと訪ねてくる。そこで彼はある少女と出逢い、次第に
お互いに惹かれてゆくが……。もとはPCゲームだったが、プレイ
ステーション2用ソフトやドリームキャスト用ソフトへと幅広く展開
した。詳しい情報はHP(例のURL)まで。
祭が一週間後Σ(゚Д゚;)
設定変わってんのカー
<<素材が面白いし、久しぶりにドラマを追う話が出来ると思った>>
出崎統に今回、長編青春アニメーション映画「AIR」の依頼が寄せられたのは
昨年「とっとこハム太郎」の劇場版第3弾を製作していた頃の事だった。
まず、用意された台本の内容に強く心を動かされたという。
「最初に準備稿を見せられたとき、面白いなって思ったの。まだ30かその辺りの
若い人(脚本家の中村誠)の台本なんです。これがなかなかいいホンでね。アニメ
ーションでは珍しく、ちゃんとしたものだったの。
いわゆるアクションがあるわけでもなく、スポーツがあるわけでもない。
ある町に男の子が来て、そこで女の子と知り合う。
その女の子が最後に死んじゃって、男の子はまた旅に出るっていう、基本形はそ
んな感じなんですよ。映像的にいろいろ作れるんじゃないかと思ったんです。ドラ
マを追っていく………みたいな、久しぶりにそういう作品をやるのもいいなって。
もちろんホンはいろいろといじりました。刺激を与える設定とか、意外性がある
シチュエーションや展開があるんだけど、そこを突いていったらつまらなくなっち
ゃったんだよね(笑)だから、そこは思い切って自分流にやってます。」
<最後のお祭に向けて 気持ちを持っていきたい>
「ハム太郎」以外の新作は勿論だが、今回の様な文学調の青春ドラマを作るのは彼に
とっては久しぶりの事。
「文学といっても、日々の表現とか感性の表現みたいなもので物事をつないで見せて
いくみたいな作品です。
パラレルというか、主人公の過去の話じゃないんだけど、片方は過去の話で、片方
は現代の田舎町で起こる出来事という、それぞれ似た境遇の話があるわけ。
OVAの「ブラック・ジャック」で最後にやった「沈む女」っていうエピソードが
あったでしょ。あの話の中に人魚伝説っていうのがあったんだけど、僕の作品の中で
はあれに近いかも知れない。
作品の舞台になる田舎町には翼人伝説っていうのがあって、翼のある女の人が人間
に捕まって閉じ込められちゃう。その翼人が恋をすると呪いがかかって命を失ってし
まうという伝説のある町なんですね。
それと関連してるのか、現代の方も女の子が病気なんだよね。それがどんな病気な
のかは分からないけど“好きだ”と言った途端にどんどん悪くなって、生命力が落ち
ていき、最後はもっと生きようとするんだけど、結局飛べない。
その女の子が結構明るく神秘的で、男の子と恋をする事が“最後の証”みたいな感
じなの。それはすごく切ないよね。
僕は最後の死も、単に死んでしまうのではなく、サナギから蝶になるみたいな、昆
虫でいえば“変態”のような雰囲気で描けたらと思っています」
とにかく、少年と少女の交流のプロセスを大事に描き、ラストで大きな昇華を見せ
たいという。
「日常的な話と過去の話、その両方をお祭という舞台の中で最後につなげて大スペク
タクルをやろうと思ってる。
お祭の日に、過去も未来も入り交じりながら、ドカーンというのをやりたくて。今
自分の中でその日に行くように一生懸命やっているんだけど、なかなかいけないんだ
よね。(インタビューは、ラスト30分の部分の絵コンテを熟考していた頃)
僕としては、二人の交流を大事に描写しながら、お祭の日に行きたいわけ。やっぱ
り、見ていて“お祭の日が来てほしい”って思えるようなところまでいかないとね。
僕自身の気持ちもそこにいけないからさ。
で、そのお祭がクライマックスを迎えたときに、女の子がいよいよ………!ってい
うのが来るんだけど、お祭がドカーンと来てないと、そのシーンがうまくいあない。
そういうこだわりが自分の中であるんです。」
また、若者の旅という部分に対してもテーマにつなげていきたいとか。
「旅する若者っていうのは、とにかく人と関わりたくない。何か物事が起こっても、
それは映像を見ているような気持ちで見ている。だから旅をしたいのであってね。
そんな奴が女の子と関わっていく過程みたいなものがうまく描けるかどうか分から
ないけど、男の子は男の子の事情の中でその女の子に惹かれていく…………みたいに
したい。
人をすきになるかなれないかという、キラキラした部分を“旅って何だ?”って意
味も含めてね、しっかりと描いていきたいんですよ。」
<東映には昔のアニメの現場の空気が残っている>
(以下はもっぱら「アニメ製作現場の伝統」に関するコメントのため割愛)
(一部AIRに対する言及)
「キャラクターの絵はゲームに近いんだけど、映画向けにしてもらってます。光いっ
ぱい影いっぱいみたいなことをしたい。
あと、海がいっぱい出てくるんだけど、波なんかは全部CGで、そこに特殊効果を
加えて、手書きふうになればいいかなって。
手書きの感じを残さないとCGは使えないですよ。」
<発表の場がある限りは 何かできる可能性がある>
(以下も、出崎自身の作家性に関する一般的なコメントの為割愛。スマソ)
以上がインタビューでの「AIR」に関する主要な言及部分。
手打ちなので誤字脱字あったら、それとこーいうの初めてなんで変な所あればスマソ。
あとひらがなが多いのは原文ママ。(雑誌記事レイアウト上の制約か?)