力を持つものの宿命……
遥か遠い日に交わされた永遠の約束
その約束が果たされる日まで
少女は遠い空の上で今日もひとり風を受ける
ただひとり真っ青な天空の中で
力を持つものは子孫に力を伝えていく
天空の少女を解き放つその日まで
その力と遠い日の約束を
悠久のときを経てなお消えない高野山の呪い
それは天空に少女の身を縛り付ける
少女に許されるのは眼下に広がる大地を見つめることだけ
幾度も大切な人の死と交差して
少女の心は傷ついていく
いつ少女の呪いは解かれるのだろうか
今もなお高野山には外の八峰、内の八峰の結界が現存
術は衰えたと言えどもその呪いは再び猛威を振るい、我々の住処を悉く消し去った
そう、この地までも…
呪いがもたらした災いの前に、ただ呟くのみ
「おのれ、高野山。」
許すまじ、高野山金剛峰寺!巻之十七
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