一家に一台、一ノ瀬ことみ 六號機

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115ことみAfter(2)-1
・・・完結をご希望のようですので、いけるとこまで。


それからの俺は、ことみの指導でかつてないほど猛勉強して、
一年浪人して彼女と同じ大学に入った。
それほど難易度の高くない近所の学校を選んだくれたのも幸いした。
当然ながら、ことみは一年先に現役でトップ合格。
俺が入学した頃には既に、彼女の才能と言動は校内で大きな話題になっていたが、
そんな事などおかまいなく、俺は内気で外出の苦手なことみの手となり足となり、
取材の応対や資料集めに奔走した。

やがて、ことみが在学中に発表した論文は学会で大きな話題を呼ぶ。
簡単に言うと
<奇跡と呼ばれる現象の科学的証明>
らしいのだが、実は研究を手伝った俺もよくわかってない。
ただその研究が少しづつことみの望む方向、
古河やそれに近い者を救うために近づいている手ごたえだけは感じていた。
116ことみAfter(2)-2:04/05/27 00:04 ID:CGXvDbol
ふいに手持ちの携帯が鳴る。
「もしもし岡崎ですが」
「パパ?」
電話の向こうで、そう俺を呼ぶ声。娘の汐である。
彼女は高校時代の初エッチが大当たりで出来た子供で、
どうしてもということみの願いで、古河に名前を付けてもらった。
卒業式の時などは意外に目立たない下腹部にホッとしたものだった。
「今日もかえり、おそいの?」
電話の向こうの娘は、悲しそうにそうつぶやく。
俺もことみも何かと多忙なため、普段は古河の家に預かってもらっているのだ。
「いや、今日はすぐ帰るよ。
何て言っても大事な日だからな」
「ほんとう?」
うれしそうな声をだす汐。
そう、今日は彼女の誕生日である。
「ああ、だから良い子にして待ってるんだぞ」
「うんっ」
117へぇー:04/05/27 00:09 ID:lCtcJXGa
誰がだよ! ダタラ(・∀・)カエレ!
118名無しさんだよもん:04/05/27 00:13 ID:cm+rQpyF
…人の話を聞かない、または読解力が決定的に不足してるということはよく分かった(w
119ことみAfter(2)-3:04/05/27 00:13 ID:CGXvDbol
俺は汐へのプレゼントを買って、鼻歌まじりで家路を急ぐ。
と、ふいに俺の前に黒ずくめの服装の、
性別も年齢も分からない人物が立ちはだかる。
どう見ても友好的な態度には見えない。
「何だよ、お前」
俺は目の前の奴にそう言う。
「イカロスの翼…」
ふいに奴が口を開く。
その言葉は、地の底から搾り出したような低い声であった。
「はあ?」
「覚えておくがいい、太陽に近づきすぎた者はその罰を受ける。
後は堕ちていくだけだ」
謎めいた言葉を残すと、奴はきびすを返す。
「な、何だよそれ!」
俺は思わずそいつの体を掴んだ。
・・・のだが。
奴は、まるで最初からその場にいなかったかのようにすっと消えてしまったのだ。
まるで長い影に、急に光が差し込んだかのように。