【観鈴】オレの娘の名前を考えてください【あゆ】

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248名無しさんだよもん

「うぐぅっ、ボクのたい焼き、もう無くなっちゃったよっ。二個じゃ全然足りないよっ」
「たい焼き、たい焼き〜♪」
「……」
うれしそうに歌いながら一個目のたい焼きをほおばっている次女をじっと見つめる長女。
「ねえ、観鈴ちん、たい焼き二個も食べられないよね? そうだよね。うん、それじゃあボクが一つ食べてあげるよっ」
「え?」
パクッ。きょとんとした顔を向ける妹の返事も待たずにたい焼きに齧りつく姉。
「わっ!? それ、観鈴ちんのたい焼き! なんで食べちゃうの? 返して〜」
「うぐっ、もう遅いよ。全部食べちゃったよ。観鈴ちんが早く返事しないからだよっ」
「が、がお……私のたい焼き……」
涙を浮かべて姉を見つめる次女。
「うぐぅ……えっと……」
さすがにバツが悪くなって妹から目をそらしてきょろきょろし始める長女。
「あっ、渚ちゃん、一生懸命食べてるねっ。おいしい?」
次女のそばを離れ三女の陰に隠れようとする長女。
「がお、お姉ちゃん、逃げないで……あっ」
そのとき、次女の目が一生懸命一個目のたい焼きを食べている三女の前に置かれた二個目のたい焼きに留まった。
「ねえ、渚ちゃん……渚ちゃんにはまだ二個は無理だよね?」
「…………」
次女の呼びかけにも気づかず一個目のたい焼きを一生懸命、むぐむぐと食べ続ける三女。
「それじゃあ、観鈴ちんがこのたい焼きもらうね? いい?」
「…………」
むぐむぐ。
「いいんだよね? それじゃあ、いただきまーす」
249名無しさんだよもん:04/05/23 02:11 ID:Q/uEB6mK
数分後
「あ……」
やっと一個目のたい焼きを食べ終え、二個目のたい焼きが無くなっている事に気づいてあたりをきょろきょろ見回し始める三女。
「私のたい焼き……?」
「あ、あのね、渚ちゃん……」
「はい?」
「渚ちゃんのたい焼き、私がもらっちゃった……」
「え……? ……えーっ!?」
申し訳なさそうに「にはは」と笑みを作る次女。
「私のたい焼き……う……ぐすっ……」
「が、がお……」
「うぐぅ、お姉ちゃんがそんなことしちゃダメだよっ、観鈴ちんっ!」
「が、がお、元はと言えば、お姉ちゃんが私のたい焼きを ──」
「うらーーーーーっ! なに、妹泣かしてんだ、お前たちっ!」
「うぐっ!?」
「わわっ!?」
泣いてる三女の横で長女と次女が揉め始めようとしたところに父が現れた。
「ったく、黙って見てりゃ何やってんだか……」
「がお、見てたなら止めて……」
「こういうのは姉妹同士で解決するもんだろうが。ほら、渚、泣き止め」
「うう……ぐすっ……」
「……『あんぱん』だ」
「ぐすっ……ぐすん……え……?」
250名無しさんだよもん:04/05/23 02:12 ID:Q/uEB6mK
きょとんとして父の顔を見る三女。
「今、泣き止んだら、後であんぱんだ。あんぱん、うまいぞ」
そう言って頭をぽんぽんと叩く父の顔を、しゃくりあげながら見つめる三女。
「……ぐすっ……ぐす…………あ……ぐすっ……あんぱんっ……!」
そう言うと三女はぐっと涙を飲んで泣くのを止めた。
「よしっ、偉いぞ。約束どおり、後であんぱん食わせてやるからな」
「えへへ」
父親に頭をなでられて、渚はうれしそうに笑う。



と、こんな感じの家庭になるように、「渚」希望。