葉鍵鬼ごっこ 第九回

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1名無しさんだよもん
葉鍵キャラ100名を超える人間達が、とあるリゾートアイランド建設予定地に招待された。
そこで一つのイベントが行われる。

「葉鍵鬼ごっこ」。

逃げる参加者。追撃する鬼。
だだっ広い島をまるまる一つ占拠しての
壮大な鬼ごっこが幕を上げた。

増えつづける彼らの合間を掻い潜って、
最後まで逃げ切るは一体どこのどちら様?
「――それでは、ゲームスタートです」

関連サイト

葉鍵鬼ごっこ過去ログ編集サイト
http://hakaoni.fc2web.com/
葉鍵鬼ごっこ過去ログ編纂サイトVer.2
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/5154/

葉鍵鬼ごっこ議論・感想板
http://jbbs.shitaraba.com/game/5200/

前スレ
葉鍵鬼ごっこ 第八回(dat落ち)
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1068642663/

ルールなどは>>2-10を参照。
2名無しさんだよもん:04/05/20 21:33 ID:Jz8oJOLp
・鶴来屋主催のイベントです。フィールドは鶴来屋リゾートアイランド予定地まるまる使います。
・見事最後まで逃げ切れた方には……まだ未定ですが、素晴らしい賞品を用意する予定です。
・同時に、最も多く捕まえた方にもすてきな賞品があります。鬼になっても諦めずに頑張りましょう。

ルールです。
・単純な鬼ごっこです。鬼に捕まった人は鬼になります。
・鬼になった人は目印のために、こちらが用意したたすきをつけてください。
・鬼ごっこをする範囲はこの島に限ります。島から出てしまうと失格となるので気を付けましょう。
・特殊な力を持っている人に関しては特に力を制限しません。後ほど詳しく述べます。
・他の参加者が容易に立ち入れない場所――たとえば湖の底などにずっと留まっていることも禁止です。

・病弱者(郁美・シュン・ユズハ・栞・さいかetc)は「ナースコール」所持で参加します。何かあったらすぐに連絡してください。
・食料は、民家や自然の中から手に入れるか、四台出ている屋台から購入してください。
・屋台を中心に半径100メートル以内での交戦を禁じます。
・鬼は、捕まえた人一人あたり一万円を換金することができます。
・屋台で武器を手に入れることもできますが、強力すぎる武器は売ってません。悪しからず。
・キャラの追加はこれ以上受け付けません。
・管理人=水瀬秋子、足立さん及び長瀬一族

能力者に関してです。
・一般人に直接危害を加えてしまう能力→不可。失格です。
・不可視の力・仙命樹など、自分だけに効く能力→可(割とグレーゾーン)。節度を守ってご使用ください。
・飛行・潜水→制限あり。これもあんまり使い過ぎると集中砲火される恐れがあります。
・特例として、同程度の自衛能力を有する相手のみ使用可とします。例えば私が梓を全力で襲っても、これはOKとなります。

  | _
  | M ヽ
  |从 リ)〉
  |゚ ヮ゚ノ| < 以上が主なルールです。守らない人は慈悲なく容赦なく万遍なく狩るので気を付けてくださいね♪
  ⊂)} i !
  |_/ヽ|」
3名無しさんだよもん:04/05/20 21:34 ID:Jz8oJOLp
感想・意見・議論用にこちらをご利用ください。

葉鍵鬼ごっこ感想・討論スレ4(dat落ち)
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1073291066/
葉鍵鬼ごっこ感想・討論スレ3
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1068/10686/1068659677.html
葉鍵鬼ごっこ感想・討論スレ2
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1052/10528/1052876752.html
葉鍵鬼ごっこ感想・討論スレ
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1049/10497/1049719489.html

過去ログ
葉鍵鬼ごっこ 第七回
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1058/10580/1058064126.html
葉鍵鬼ごっこ 第六回
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1053/10536/1053679772.html
葉鍵鬼ごっこ 第五回
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1050/10503/1050336619.html
葉鍵鬼ごっこ 第四回
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1049/10493/1049379351.html
葉鍵鬼ごっこ 第三回
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1048/10488/1048872418.html
葉鍵鬼ごっこ 第二回
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1048/10484/1048426200.html
葉鍵鬼ごっこ
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1047/10478/1047869873.html
4参加者一覧:04/05/20 21:35 ID:Jz8oJOLp
全参加者一覧及び直前の出番のあった話になります。
名前の横の数字は出番のあった直前の話のナンバーです。編集サイトでご確認下さい。
【】でくくられたキャラは現在鬼、中の数字は鬼としての戦績、戦績横の()は戦績中換金済みの数
『』でくくられたキャラはショップ屋担当、取材担当、捜索対象担当
()で括られたキャラ同士は一緒にいます(同作品内、逃げ手同士か鬼同士に限る)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
fils:
(【ティリア・フレイ】、【サラ・フリート:1】、【エリア・ノース:1】)756

雫:
【長瀬祐介:1】594, 【月島瑠璃子】761 , 【藍原瑞穂:1】743
【新城沙織】744, (【太田香奈子:2】、【月島拓也:1】)758

痕:
柏木楓760、 【柳川祐也】687, 【柏木梓】699、【日吉かおり】655
【ダリエリ:1】762、【柏木耕一:2】743、【柏木千鶴:10】740
【柏木初音】696、【相田響子】658、【小出由美子】700
【阿部貴之】613

TH:
(【岡田メグミ】、【松本リカ】、【吉井ユカリ】、【藤田浩之】、【長岡志保】)707
【来栖川芹香】729 、【来栖川綾香:2】747
(【保科智子】、【坂下好恵】、【神岸あかり】)696、
(【雛山理緒:2】、【しんょうさおり:1】)708、【宮内レミィ】759 、
【マルチ:1】753 、【セリオ:3】758、【神岸ひかり】594,【佐藤雅史】744
【田沢圭子】749 、(【姫川琴音】、【松原葵:2】、【垣本】、【矢島】)743

WA:
【藤井冬弥】729、(【森川由綺:3】、【河島はるか:2】)699
5参加者一覧:04/05/20 21:37 ID:Jz8oJOLp
(【緒方理奈:6】、【緒方英二】)702 (【澤倉美咲】、【七瀬彰】)683
【観月マナ】749、【篠塚弥生】658

こみパ:
(【猪名川由宇】、【大庭詠美】、【立川郁美】)650、【御影すばる】690
(【高瀬瑞希:2】、【九品仏大志】)760、(【牧村南】、【風見鈴香】)721
(【千堂和樹】、【長谷部彩】、【桜井あさひ:2】)707
(【縦王子鶴彦:2】、【横蔵院蔕麿:1】)552 、【立川雄蔵】560
【塚本千紗:2】742、【芳賀玲子】595、【澤田真紀子】758

NW:
【ユンナ】694、(【城戸芳晴】、【コリン】)700

まじアン:
【江藤結花】655、【宮田健太郎:1】700、【牧部なつみ】742
【スフィー】759、【リアン】756、【高倉みどり】721

誰彼:
【岩切花枝】759、【砧夕霧:1、桑島高子】762, 【坂神蝉丸:5(4)】761
【三井寺月代:1】702、【杜若きよみ(白)】707、【杜若きよみ(黒)】743
【石原麗子:1】756、【御堂:7】758、【光岡悟:1】760

ABYSS:
【ビル・オークランド】760

うたわれ:
ハクオロ749、【エルルゥ】749、【カミュ】743、【ベナウィ】761
(【トウカ】、【ゲンジマル:2】)759
(【アルルゥ】、【ユズハ】、【ウルトリィ:1】)760、【ヌワンギ:1】647
【ハウエンクア】721、(【ドリィ:1】、【グラァ】)743、【オボロ:3】758
【クーヤ】753、【サクヤ】701、【ディー:8(6)】755、【ニウェ:1】591
(【カルラ】、【クロウ】、【デリホウライ:3】)650
6参加者一覧:04/05/20 21:38 ID:Jz8oJOLp
Routes:
リサ・ヴィクセン761、【醍醐:1】761、【伏見ゆかり】759、【立田七海】699
(【湯浅皐月】、【梶原夕菜】、【エディ】)701、【那須宗一:1】747 、【伊藤:1】613

同棲:
【山田まさき:1】691、【皆瀬まなみ:3】744

MOON.:
【名倉友里】687、(【天沢郁未:7(2)】、【名倉由依】)758
(【鹿沼葉子:2】、【A棟巡回員:1】)760、【巳間晴香】707
【少年:1】749、【高槻:1】675、【巳間良祐:1】691

ONE:
【柚木詩子】、(【折原浩平:8(7)】、【長森瑞佳】)759
(【川名みさき:2】、【氷上シュン】)696、【深山雪見:2】742
(【七瀬留美:3】、【清水なつき】、【里村茜】、【上月澪】)761
【椎名繭】675、【住井護】758、【広瀬真希:1】700

Kanon:
(【相沢祐一】、【美坂香里:8(7)】、【川澄舞】、【久瀬:6】、【北川潤:1】)758
(【美坂栞】、【月宮あゆ:4(4)】)753、【水瀬名雪:3】708
(【沢渡真琴:1】、【天野美汐:2】、【倉田佐祐理:2(1)】)761


AIR:
神尾観鈴759、みちる755、【遠野美凪】744、(【柳也】、【裏葉:1】)747
【神尾晴子】751、【しのさいか:1】650、【橘敬介】701、【しのまいか】759
(【霧島佳乃】、【霧島聖】)702、(【神奈:1】、【国崎往人:4】)760
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7参加者一覧:04/05/20 21:39 ID:Jz8oJOLp
その他のキャラ

屋台:
零号屋台:ショップ屋ねーちゃん(NW)709
壱号屋台:ルミラ、アレイ(NW 出張ショップ屋屋台バージョン支店「デュラル軒」一号車)673
弐号屋台:メイフィア、たま、フランソワーズ(NW 同二号車)691
参号屋台:イビル、エビル(NW 同三号車)753

管理:
長瀬源一郎(雫)、長瀬源三郎、足立(痕)、長瀬源四郎、長瀬源五郎(TH)、フランク長瀬(WA)、
長瀬源之助(まじアン)、長瀬源次郎(Routes)、水瀬秋子(Kanon)

支援:
アレックス・グロリア、篁(Routes)

その他:
ジョン・オークランド(ABYSS)、チキナロ(うたわれ)
8せめて最後の援護を:04/05/20 21:47 ID:Jz8oJOLp
 前を向き、彼は走る。ひたすらに、足を動かす。
 彼は必死だ。恐怖に駆り立てられて彼は走る。
 だが、悲しいかな。所詮、彼は凡人。
はるか前を行く人外の集団に追いつけるど道理など無い。

 ―――だからなのだろうか。彼が前から視線をそらし、地に顔を向けたのは。
 ―――だからなのだろうか。彼が誰も気付くことの出来なかった、地に埋められた男に気付くことが出来たのは。

「……な、なにをやってるんだ?」
 その異観に、彼は思わず足を止め、呟く。
 その呟きに、男は驚いたように目を見開き、それから微笑んだ。
「……ようやく、私を見てくれたんだな―――」

 柏木楓と彼女を追いかける集団は、三つへと分割されようとしていた。
 
先頭集団は、まず楓。
 それを追う、途中参加であり体力を残している光岡。
 それから、同じく途中参加であり体力に余裕を残しているアルルゥとユズハだ。
いや、正確にいうのなら、体力を残しているのは彼女達が乗るムックルであるが。

続く集団はまず葉子だ。意識せざる障害物の妨害によって勝負手をミスしたこと、
さらにユンナ戦での疲労が残っていることが災いして、先頭集団から少し遅れてしまっている。
 さらに続くのはウルトリィに神奈。商店街のアーケードの中ということで、二人ともかなり飛びにくそうであり、
やはり先頭集団から少し遅れてしまっていた。
9せめて最後の援護を:04/05/20 21:48 ID:Jz8oJOLp
 そして、最後の集団は往人、大志、瑞希の三人。
その先頭を走る往人は徐々に視界から消えていく前の集団をにらんで、歯噛みした。
(くそ……とてもじゃないが追いつけねぇ!)
 そもそも身体能力が違いすぎる。前を行く能力者たちは互いに妨害しあい走ることに専念出来ていないせいで、
常人である彼らもなんとかついていっているが、それにも限界がある。

「ねぇ……ごめん……私……もう、だめかも……」
「……やむをえんか」
 後ろから息を切らしながら瑞希がいった。
大志もまたよほど疲れているのか、いつもの無駄口を叩かずうめくように言葉を吐き出す。
 確かに彼らは疲れていた。昨日、友里との勝負が長引いて、結局一睡も出来なかったことが響いているのだ。

(だが、そいつはウルトリィだっておなじだろう……!)
 往人は、はるか前ではためく白い翼をにらむ。彼女だって疲れているはずなのだ。
だが、ウルトリィは目の前を行く能力者達に一歩もひかずに競り合っている。
(くそ……! 俺にはなにもできねぇのか!?)
 彼女のために何もしてやれない。追いつくことも、何か援護をすることも。
そのことが、往人を苛立たせる。
 おそらく、もう逃げ手も少ない。これが最後の勝負かも知れぬ。
なのに自分は指をくわえて勝負を見守るしかないのか?

「憤懣やるかたないといったところだな、同士?」
 走りながら、背後から大志が声をかけてきた。
 こいつは、いつも唐突に話をしてくるな―――そう思いながら、往人は大志をにらみつけた。
「だったらなんだ?」
「いやなに、思いは同じと思ってな。我輩もこのまま終わるのは気に食わん」
「……なんだと?」
「この状況で我輩達が決定的に状況を変えることはできまい。
だが、同士ウルトリィの援護ぐらいはできよう。同志往人よ、お前の力を使えばな」
「考えがあるっていうのか?」
「うむ。聞いてみるかね?」
10せめて最後の援護を:04/05/20 21:49 ID:Jz8oJOLp
 走りながら小声で告げられた大志の作戦は簡潔なものであり……
「……この距離じゃ難しいぞ」
 往人の能力を超えたものでもあった。
「だが、このままでは状況は同じだ。我輩としても、どうせならば一度は手を組んだウルトリィに勝利して欲しい」
 チラリと後ろを向き、もはや走ることすら困難な瑞希を見て、
「我輩たちも他に何も出来そうにないしな」
 そう付け加える。

 往人はもう一度、前をにらむ。遠い。しかも走りながらだ。大志の提案は己の能力を超えている。
だが―――もはや彼に出来ることは、その他に無いのだ。
(出来るはずだ……! やってやる!!)
 前に手をかざし、法力を使うべく集中力を高めながら、往人は叫んだ。

「ウルトリィ! 今から最後の援護をする!!」


 葉子、神奈、ウルトリィの第二集団も、互いへの妨害が激しくなってきた。
「神奈さん! 何とか前へ!!」
「わ、分かっている! しかし……!」
「いかせません!!」

 自分がウルトリィを押さえ、神奈を単独で先頭集団に追いつかせる。それが葉子の目論見だ。
 実際、それしか選択肢はない。
 よく状況が把握していないのだが、前を行くアルルゥ達は、ウルトリィに協力しているらしい。
 ならば、せめて神奈だけでも前に行かせないことには勝負にならないのだ。
11せめて最後の援護を:04/05/20 21:50 ID:Jz8oJOLp
 ウルトリィにも葉子の考えなど先刻承知なのだろう。だから、葉子からの不可視の力による妨害を法術でしのぎながら、自分もまた風の法術で神奈の飛行を邪魔する。

(思ったよりも粘りますね……!)
 葉子は歯噛みした。自分の作戦は成功しかけている。
疲れてきているのだろうか、相手の術の威力も下がってきているのだ。
もうすぐ神奈を前に出すことが出来るだろう。
 だが、ここで時間を浪費するわけには行かない。目標は彼女を脱落させることではなく、楓を捕まえることなのだ。
これ以上先頭集団から引き離されることは致命的になりかねない。

(たいしたものですね……賞賛します)
 葉子は思った。相手の疲労は顔色で分かる。
それでもウルトリィは一歩もひかず、神奈を前に出さず、ともすれば自分が前に出ようとする。
その、気力は確かに賞賛に値する。だが、これ以上勝負を長引かせるわけにはいかない。

(ですが、ここで決めます!!)
 スっと、目を細め葉子は集中力を高めた。この状況で許される限りの力を集め始める。
 だが―――
「ウルトリィ! 今から最後の援護をする!!」
 いざ、その力を使おうとした矢先、かなり後方からそんな叫び声が聞こえてきた。

「往人さん!」
 顔を輝かせるウルトリィ。
(援護ですか……!?)
 力をためているため、とっさに反応できない葉子。
12せめて最後の援護を:04/05/20 21:51 ID:Jz8oJOLp
 そして―――バンッと、葉子の腰の辺りで破裂音がして。
 スカートのホックがはじけ飛んで、ずり落ちて、

「え……?」
 ずり落ちたスカートが足にまとわりき、走っていた葉子は転倒した。

―――熊さんパンツをむき出しにして。


 大志が叫んだ。
「走っている時に、スカートが落ちれば転倒は必定! よくやったぞ同士!!」
 往人が叫んだ。
「一人は仕留めたぞ! 行け、ウルトリィ!!」

 釘バットが背後から大志を叩きつぶした。
 光の法術が往人を吹っ飛ばした。


「……?」
 先頭を走る楓は、眉をひそめた。
 背後から追ってくる気配が、かなりの数消えたのだ。
 
 振り返り、事態を確認する誘惑に駆られるが―――
(そんな余裕、ないよね)
 彼女は勝ちたかった。その思いは強く、だから彼女にはなんの油断も慢心も緩みも余裕もなく。
 
 故に楓は振り返ることなく、ただ走り続けた。


鬼ごっこ開催四日目。昼下がりを迎えた商店街には、
血まみれになった大志と黒焦げになった往人を取り囲む、四人の淑女の姿があった。
13せめて最後の援護を:04/05/20 21:53 ID:Jz8oJOLp
「あんたらは一体何を考えてるわけ……?」
 瑞希は顔をひきつらせながら、釘バットを突きつける。
「全くですね……ぜひお聞きしたいものです」
 ウルトリィもまた同じように顔をひきつらせながら、拳に力を込める。
「裏葉に教わったぞ。こういうのを女子の敵というのだな」
 神奈が怒りに満ちた目で二人をにらみ、
「こんな屈辱を味わったのは初めてです……」
 葉子の目はもはや怒りを通り越して、愉悦の表情すら浮かんでいた。

 ゴゴゴゴ……と効果音が聞こえてきそうな、重苦しい空気の中、往人は必死で声を出した。 
「いや、待てお前ら! 話せば分かる!! つーか……!」
 往人は商店街の向こう、楓達が消えた方を指差した。
「鬼ごっこはどうした鬼ごっこは! 俺が折角援護してやったっていうのに……」
「何が援護ですか、何が!! やっていいことと悪いことがあるでしょう!!」
 ウルトリィが往人の襟首を掴んで、ブンブンと振った。
「前から思ってたんです! あなたは女性にたいする礼儀とか気遣いとかがなさすぎるのです!
思えばあなたは最初から無礼者でした!
私の羽に泥をぶつけたり! ご不浄のことを言い出したり!
ああもう……!
友里さんから助けてもらったときは、少し感動したのに……!!
今もまた、援護だと聞いて期待してしまった私がものすごく馬鹿みたいじゃないですか!!」
 一気にまくしたてるウルトリィに、往人がぼそりと聞いた。
「……お前、感動なんかしてたのか?」
「そういうところを聞き返すあたりがダメなのです! あなたは!!」
「落ち着きなさい、ウルトリィさん」
 真っ赤になって怒鳴るウルトリィを葉子が穏やかな声で抑えた。
14せめて最後の援護を:04/05/20 21:54 ID:Jz8oJOLp
「フフフ……楽しくなってしまいますね。ここまで人を怒らせることができるとは」
 葉子は穏やかな笑みを口元に浮かべる。目は全く笑ってなかったが。
「一体何時間説教できるのか……記録を伸ばしてみるのもよいかもしれません」
「付き合うぞ、葉子殿。余の連れ合いを侮辱した罪は重い」
「よろしくお願いします、神奈さん。
そうですね……神奈さんにはいざという時私を止めてもらう役目もしてほしいです。
フフ、困ったものです。私も修行が足りませんね。自制をきかせられる自信がまるでありません……」
「心得たぞ、葉子殿。思えば葉子殿にはお世話になった。余としても葉子殿の役に立てそうで嬉しいぞ」
 力強くうなずく神奈に、瑞希もまたうなずいた。
「私も協力するわ、葉子さん。この馬鹿どもをコントロールできなかった私にも責任、あるもの。
 あ、良かったらこれ、使ってね」
 そういって、釘バットを差し出す。
「お二人ともありがとうございます。さて、あなた方、なにか言い残したことはありますか?」

 濃密になっていく殺気を前に、往人は大志に向かって叫ぶ。
「いや、だから待て! おい、大志! 言い出したのはお前だろ! なんか言えよ!!」
 往人から話を振られて、大志はフム、とうなずいた。
「強いて言うのならば……葉子とやら。その年で熊さんパンティは我輩としてもどうかと―――」
「余計なこと言ってんじゃねぇ!! おいこら、そこまて! 無言で釘バットを振りかざすな! 目が怖いぞマジで!!」
「釘バットに始まり釘バットに終わるか。フム、これもまた我輩らしい鬼ごっこであったな」
「綺麗にまとめてんじゃねぇよ! ああ、糞! 俺が一体何をしたって言うんだぁぁぁ!!」
「それが分からないのが、一番の問題なんです!!」
 ウルトリィと葉子が同時に叫んだ。

 
 ―――一方その頃。
15せめて最後の援護を:04/05/20 21:55 ID:Jz8oJOLp
「そうか、あんたも苦労しているんだな」
「ああ。まさしくどうしたらいいんだ、といったところだ」
「でも、出番があるってのも考え物だぞ? 説教食らうわ、カタパルトにされるわ」
「そうか。どうしたらいいか分からないものだな」
「お前は、俺と違って名前も顔もあるんだぜ。きっとどうにかすれば、いいことがあると思うぞ?」
「どうしたらいいんだ?」
「さぁなぁ……」
 往人達からそう遠くないところで、A棟監視員とビルは親交を深めていた。

【楓 逃げ続ける 舞台は商店街】
【光岡、アルルゥ&ユズハ&ムックル&ガチャタラ 楓を追い続ける】
【葉子、神奈、ウルトリィ、往人、大志、瑞希 追跡脱落】
【A棟巡回員、ビル 祝、脱背景 追跡脱落】
【登場 柏木楓】
【登場鬼 【鹿沼葉子】【光岡悟】【アルルゥ】【ユズハ】【ウルトリィ】【神奈備命】【国崎往人】【九品仏大志】【高瀬瑞希】【A棟巡回員】【ビル・オークランド】】
【登場動物:『ムックル』『ガチャタラ』】
【四日目午後】
16自分の力で:04/05/20 21:57 ID:Jz8oJOLp
 鬼ごっこも四日目を迎え、日も頂点を過ぎて大分立つ頃。
残ったわずか5人の逃げ手の一人、みちるは手にしたレーダーを見てため息をついた。
「ふぅ……なんとかやりすごせたよ」
 レーダーの画面には、先ほどまで存在していた光点が消えていた。

 ふう、とみちるは再度ため息をついた。
 残った逃げ手は本当に少ないらしい。Dと別れてからそれほど時間もたっていないのに、
鬼の側をやり過ごしたのはこれで三回目である。
レーダーは強力な武器だが、それでも絶対ではない。有効範囲自体はそれほど広くはないのだ。
走力で勝る相手にレーダーの有効範囲外から視認されてしまえば、
自分にもはや成す術がないということはみちるにも分かっていたし、
だからみちるはレーダーだけに頼らず常に周囲に気を配り、
やむを得なく移動するときもまた、細心の注意を払って移動していた。
 そういう思慮深い行動の仕方は、ハクオロと共に行動することでいつの間にか身に付いたものであり、
その行動を支える忍耐力と精神力は、『自分の力で頑張る』という彼女なりの決意から来るものだ。
 その甲斐があってか、みちるは首尾よく鬼の魔の手をかわしていた。
 少なくとも今までは。

 だが―――思慮深さや決意だけでは抑えられないものもある。

「うに……お腹すいたよ……」
 お腹を押さえて、みつるはつぶやいた。
 思えば、今朝ホテルを出発するときに美凪達といっしょに朝食を食べて以来、みちるは何も食べていないのだ。
昨日の夜ハクオロが調達してきた食料も、その朝食時に使いきってしまった。
 平時であれば一食ぐらい抜かせなくもないが、ハクオロと別れて以来
ずっと気を張り詰めてきたために、空腹も疲労も耐えがたいものになっていた。
17自分の力で:04/05/20 21:59 ID:Jz8oJOLp
 ―――と、不意にいい匂いが漂ってきた。
「……んに?」
 パッとみちるは顔を上げ、鼻をひくつかせる。
 日本人の食欲を刺激する、お味噌汁の匂いだ。それも極上の。

「だ、ダメだぞ……!」
フラフラっとそちらに足が向きそうになって、慌ててみちるは首を振った。
「鬼がごはんをたべてるかもしれないんだから……!」 
 だが、もう一つの可能性もみちるは思いついてしまった。
(ひょっとして、屋台があるのかも……!)
 もしそうならば食事ができる。ふところにはわずかだが、美凪から貰ったお小遣いがあるのだ。

―――しばらく迷った後、
「だ、大丈夫だぞ! レーダーもあるんだし!」
みちるは結局誘惑に負け、匂いのするほうへ歩き始めた。


 鬼となってしまった者達の中には、逃げ手を捕まえることに固執せずに、別の楽しみ方を見つけた者も結構いる。
皐月、サクヤ、夕菜の三人も、そんな者達だった。

超ダンジョンでサクヤが見つけた豊富な食材をもとにレストランを開く。
サクヤの提案ではじまった、そんなレストランは三日目終了時に既に5人の客を迎え、
そして、四日目では午後になってようやく二人の客を迎えていた。

「うまい……! これはうまいぞぉぉぉぉっ!!」
「みゅ〜♪」
 ペンションの庭先のテーブルで上機嫌な声を上げる高槻と繭に、フフンと皐月は鼻を鳴らした。
「ま、和食は専門外なんだけどね。口にあってもらってよかったわ」
 食卓に並んだメニューは豚汁に煮魚。魚の方はサクヤが午前中に川で用意したものだ。
18自分の力で:04/05/20 22:00 ID:Jz8oJOLp
「うむ。うまい。うまいが、だがしかし! 俺には大きな不満があるぞぉぉぉっ!!」
「む……なによ?」
 口では専門外と言いながら、なんだかんだいって自信はあったのだろう。高槻の言に、皐月は少し眉をひそめた。
 だが、高槻は皐月に構わずにサクヤと夕菜を指差した。
「なんだその格好はぁぁぁ! ここはレストラン! ならば貴様らはそれにふさわしい服をきるべきだろうっ!!」

 サクヤと夕菜は顔を見合わせた。
「ほ、本当ですよ! どうしましょう……」
「うわぁ〜 盲点だったねぇ〜」
 サクヤは慌て、夕菜も顎に手をあて考え込む。 
その二人の様子に皐月は頭を抱えた。
「いや……あんたら、こんな戯言にマジで悩まなくていいから……」
「なんだとうっ! これは重要な問題だろうが! なあ繭!?」
「みゅ? うーん……」
繭は小首をかしげた後、ぺこりと頭を下げた。
「おじさんが変態でごめんなさい」
「ぐおぉぉぉっ……!!」
 繭の言葉にショックを受ける高槻。

 その高槻を尻目に、皐月は声を潜めて隣のサクヤと夕菜にささやきかけた。
「まあ意外といえば意外な組み合わせよね。最初は幼児誘拐なんじゃないかと思っちゃったけど」
「あはは……皐月さん、本気で殴りかかって管理側に突き出すことまで考えてましたもんね」
「こんな怪しさ大爆発な男と、幼女が連れ立ってきたんだもん。当然だと思う」
「そうですかぁ? そんなに悪い人には見えないですよ」
「うんうん、そうだよね〜」
 サクヤの言葉に、夕菜も同意する。
「あんたらに言わせたら、みんな悪人には見えないでしょうに……」
「でも。今だっていい感じですよ。ほら」
19自分の力で:04/05/20 22:01 ID:Jz8oJOLp
 サクヤが指し示す方では、
「こらぁ、繭! 綺麗に食うのだぁぁっ! そんなに顔を汚して恥かしくないのかおまえはぁぁ!」
「うくー……おじさん、くすぐったい」
 そんなやりとりをしながら、高槻が繭の顔をぬぐっていた。

「ほら、やっぱりいい感じですよ……って、え!?」
 不意にサクヤが顔を上げた。庭の外を見つめるその目が、驚きに見開かれる。
「ど、どうしたのよ……?」
 怪訝な顔を見せ、そう問う皐月に、しかしサクヤは答えず庭から外に飛び出した。

「由宇さん!! 詠美さん!!」
 ―――そう、叫びながら。 


 由宇、詠美、カルラ、まいか、クロウ、郁美、そしてついでにデリホウライ。
新たな7人のお客様を向かえ、皐月達のレストランは大盛況だった。

「ふ、ふみゅ!? ちょ、ちょっとサクヤ離れてよ!!」
 サクヤに抱きつかれて、真っ赤になる詠美。
 詠美といっしょに抱きつかれている由宇は、ちょっとくすぐったそうな顔をしている。
「元気そうやな、サクヤ。よかったわ。あんな形で別れてちょっと気ぃ、咎めてたんや」
「はい! 由宇さん達も!! あ……でも、鬼になっちゃったんですんね……?」
 由宇たちの身にかかる襷を見てそういうサクヤに、
「いや、アンタはそれを確認せんで抱きついたんかい!!」
 由宇はどこからかハリセンを取り出して、パシンと突っ込んだ。それから、肩をすくめて呆れたような声を出す。
20自分の力で:04/05/20 22:02 ID:Jz8oJOLp
「全く……あんなとんでもない爺さんの血ぃ引いて、よくこんなのほほんとした子が生まれるもんやわ」
「あ……! そうよ、サクヤ! 結局あんたのお爺ちゃんにつかまっちゃんだから!!」
「あ……お爺ちゃんが捕まえちゃったんですか……あはは……ごめんなさい……」
 申し訳なさそうな顔をするサクヤだが、
「あ、でも。お爺ちゃん、すごかったでしょう?」
 どことなくちょっと誇らしげそうで、
「全くやな。まあ、アンタが自慢するだけのことはあるわ」
 と、由宇もまた苦笑した。 


「御代はお客任せの料亭ですの? 随分面白いことをなさってましてね?」
「ん、まーね。言い出したのはサクヤだけど」
 カルラと名乗る虎耳の女性に、皐月はそう答えると、
あなた達も食べていく? と食事を誘い、カルラもまた、お願いしますわ、と答えた。
「でも、会う人みんな鬼ばっかりね。もう、逃げ手も少ないのかな? カルラさんは誰か逃げ手にあった?」
「昨夜鬼になってしまってから、とんと会いませんわね。
もっとも今日、私達が動き始めたのは昼近くなってからですけど。あの、不甲斐ない殿方達のせいで」
 クイっと、カルラが親指で指し示すその先には、二日酔いで椅子に倒れこむクロウとデリホウライの姿が。
「姉上……それはあんまりなおっしゃりようです……」
「てめぇのせいだろうが、てめぇの」
 テーブルの上に突っ伏したまま、二人はうめく。
「なにが私のせいですの? 全くだらしのないこと。あの程度の酒量でその様とは」
 どうやらあの夜襲の後、カルラに酒につき合わされたようだ。かなり容赦なく。
21自分の力で:04/05/20 22:04 ID:Jz8oJOLp
「いえ……あの量はわたしも退いちゃったんですけど……」
 辛うじて飲まされることを免れた郁美が引きつった笑みを浮かべる。
「でも、カルラおねーちゃん。あんなにたくさんのおさけ、どこにもってるの?」
「フフ……さいか。大人の女には秘密が多いの」
 さいかの問いにカルラは嫣然と答えると、皐月の方をむいた。
「それでは、私達の御代はこの酒瓶に致しますわ。少し強いものですが、それなりによいものでしてよ?
あの二人には何か軽いものでも差し上げてくださいな」
「OK、分かったわ。そうね、御粥でも作ってあげようかな」
 皐月はうなずくと、室内のキッチンの方へ入っていった。


(んに……屋台じゃなかったよ……)

 物陰から皐月達の方をうかがうみちるは、がっくりと肩を落とした。
レーダーに12つの光点が光ったときには、みちるは大分期待していた。
鬼がこんなにも大人数集まるなんて、屋台ぐらいしかないとみちるは思ったからだ。

 実際、他になにがあるというのか?
逃げ手を見つけたいのなら、こんなふうに固まっていたってどうしようもないはずじゃないのか。

 みちるは、漠然とそう考えていたが、結局これははずれていた。
 みちるは残ったわずか5人の逃げ手の一人。いわば、このゲームの渦中にいる存在。
故に、まさか半ば鬼ごっこをリタイヤして、別の楽しみをしている者がいることなど思いつきもしなかったのだ。

(と、とにかく、離れなくちゃ……)

 こんなおいしそうな匂いを間近に嗅がされて、そして美味しい、美味い、なんて言葉を聞かされて、
みちるの空腹は耐えがたくなってきている。
22自分の力で:04/05/20 22:05 ID:Jz8oJOLp
(ダメダメ! 頑張るって、きめたんだぞ!!)
 誘惑に耐え、みちるは慎重に後退を始める。が―――

 キュウウウゥゥゥン

 そんな主人の思惑に逆らって、みちるのお腹が随分大きく、せつなく鳴った。

 庭にいるサクヤ達が、その音に反応して顔を上げ、
「にょ……にょわっ!!」
 自らの腹の音に硬直するみちると視線があう。

「こ……こ……」

 なんで、空腹を我慢できなかったのか。
 なんで、こんなところでおなかを鳴らしてしまったのか。
 折角、美凪とハクオロにわがままを聞いてもらって、Dからレーダーを貰ったのに……

「こんちくしょーーー!!」
 みちるはそう雄たけびをあげると、精一杯走り始めた。


「あ、姉上!! 獲物です……!!」
 突如現れた逃げ手に、いち早く反応したのはデリホウライであった。
 痛む頭を抑えて、前に飛び出そうとする。

 が、カルラがそれを腕で制し、呟いた。
「あれは……確かあるじ様と一緒にいた娘ですわね……」
「うん、おとといの夜、あったよね」
「未だ鬼になっていないとは、正直驚きましたわね。あるじ様とは別れてしまったようですが……」
「あ、姉上! 追いかけないのですか!!」
「あなたは二日酔いを楽しんでいる最中でしょう? 無理するものではなくてよ」
 デリホウライを軽くあしらうと、カルラは一瞬思案する。
23自分の力で:04/05/20 22:07 ID:Jz8oJOLp
(捕まえるのはたやすいことなのだけれど……ここまで生き残った娘に対して、
それは少し無粋という気もしますわね……)

 だが、カルラが結論を出すよりも早く、高槻が立ち上がった。
「走れぇぇっ! 繭!! あの幼女を捕まえて来い!!」
「みゅっ!?」
 突然名を呼ばれ、驚く繭に、高槻は続ける。
「ただ座って飯が出てくると思ったら大間違いだぞぉぉぉ!! お前はそんなので、恥ずかしくないのかっ!
お前は役立たずかっ!! 少しは自分で稼ごうと思わんのかぁぁぁぁっ!!」
「う、うく〜 や、やくたたずなんかじゃないもぅん」
「ならば、繭! 自分の力であの幼女を捕まえて見せろ!! そうすればなぁぁぁっ!!」

 高槻は、そこで言葉を切り繭の肩に手を乗せた。
「お前が頑張って、一人で捕まえたことを知れば、七瀬や瑞佳とかいう女どもも喜ぶぞ」

 その言葉に、繭の顔が輝いた。
「おねえちゃんが……? う……うん!!」
 ガタっと席を鳴らし、繭は立ち上がる。
「行ってくるね! おじさん!」
「行って来い!! さぁ、走れぇぇっ!!」
「うん! みゅ〜♪」
 繭は一度だけ大きく手を振ると、みちるの後を追って、走り始めた。
 
(これは……少し意外でしたわね……) 
 その様子に、カルラは軽く驚いた。
正直、この高槻という男は、まあなんていうかもっとどうしようもない奴だと思っていたのだが。
(そうですわね。お手本とさせていただきますわ)
 カルラは、さいかの肩に手を置き、軽く前に押し出した。
「カルラおねえちゃん……?」
「さいか。あの獲物、あなたに譲ります。好きに料理してさしあげなさい」
「でも……お姉ちゃんはいっしょにおいかけないの?」
 戸惑うさいかに、カルラは首を振った。
24自分の力で:04/05/20 22:08 ID:Jz8oJOLp
「あの獲物は譲るといったでしょう? 自分の力のみで頑張ってみなさいな。
さいか、あなたは今回の鬼ごっこを通じて様々な事を学び成長したはずです。
その力を思う存分、あの獲物にぶつけて御覧なさい。
 遠慮など無用。あの獲物もまた、あるじ様が手がけ、ここまで生き残った猛者なのだから。
あなたにとっては、これ以上にない好敵手のはずです」

「自分の力をぶつけてみる……?」
「そうです。さあ、行きなさいな。こうしている間にも、差はどんどん開いていてよ?」
「あ……うん、そうだね!! ようし! カルラお姉ちゃん! さいか頑張るからね!!」
 そう叫ぶと、さいかもまた繭に続いてみちるを追いかけ始めた。


 そんな二人を見つめる郁美の背中を、クロウはポン、と押した。
「クロウさん……?」
「行けよ。追いかけな」
「え……私が、ですか?」
「ああ。少し走るぐらいなら、できるんだろ?」
「あ、はい。一応手術はしましたから、ほんのちょっと走るぐらいなら……」
「なら、いきな。最後ぐらい、ウォプタルの足じゃねぇ、自分の足で勝負してみてもいいだろう?」

 ニヤリ、とクロウは笑った。
「あんたの兄貴にも言われて、今まで無理させないようにしてきたけどさ……
でもな、そんなふうに羨ましそうに見るぐらいだったら、無理しちまいな。
やっぱり、ちょっとは無理しなきゃ勝負事ってのはつまらねぇもんな。
安心しろ。本格的にヤバクなったら、俺が必ずかけつける。
だから、それまでは自分の力だけで無茶してみろよ」
25自分の力で:04/05/20 22:09 ID:Jz8oJOLp
「はい……そうですね!!」
 郁美もまた、ペコリと頭を下げると、彼女に許されるだけの精一杯のスピードで、みちる達を追いかけはじめた。

 
「皐月ちゃんは、いいの?」
 夕菜の問いに、皐月は走っていく4人を見つめたあと、首を振った。
「いいです。私は追いかけません。
確かに逃げ手としても、鬼としても一度も活躍できなかったけど……でも、いいです。
私はシェフとして楽しむって、もう決めちゃったから」
 なんだかんだいって楽しいですしね、と皐月は付け足す。
「夕菜さんはいいんですか?」
「うん……あんな若い子には、お姉さんついていけないかな。それに、私も決めちゃったからね。
皐月ちゃんのレストランのウエイトレスとして楽しむって」
 にっこり笑う夕菜に、皐月もまた笑い返す。
「あははっ、そうですか。 サクヤもいいの?」
 サクヤもにっこり笑いかえした。
「あたしもウエイトレスさんです。 お客様をおもてなししないといけないですから。
あ……でも、由宇さん達は?」

 サクヤの問いに、詠美はギロリとサクヤの方をにらんだ。
「追いかけないわよ。そんな体力ないもん。わたし、あんたのせいで寝てないんだからぁっ!」
「あ、あたしのせいで、ですか?」
「ふーんだ。あんたが余計なこというからよ」
「よ、余計なこと……?」
26自分の力で:04/05/20 22:10 ID:Jz8oJOLp
 戸惑うサクヤに、由宇が苦笑した。
「このアホな、アンタのためにかどうかは知らんけど、昨日一晩かけて自分の原稿手直ししとったねん。
『クイーンの本気みせてやるー』とかのたまいながらな。
 サクヤ、良かったらこのアホの本気、読んでやってや」


―――こうして、みちるを追うものは三人となった。
 繭、さいか、郁美。そしてみちる。
 保護者を離れ己の力で頑張ると決めた者達の、勝負が始まる。
【四日目午後 町外れのペンション】
【繭、さいか、郁美、みちるを追う。他の鬼達は追わない】
【登場 みちる】
【登場鬼 【クロウ】【立川郁美】【カルラ】【しのさいか】【大庭詠美】【猪名川由宇】【デリホウライ】
【湯浅皐月】【梶原夕菜】【サクヤ】【椎名繭】【高槻】】
27名無しさんだよもん:04/05/20 22:11 ID:5vyS6FTU
復活ぐっじょぶ。
28線が交わる時:04/05/20 22:12 ID:Jz8oJOLp
 背後から伸ばされたタッチの手を、楓はほとんど直感で横に跳び、回避した。
 チ―――という、光岡の軽い舌打ちの音が風を切って聞こえてくる。

 それに構わず、楓は再度跳ぶ。その一瞬後、楓のいたところをムックルが通り過ぎていった。

「ん〜〜!」
 ムックルの上にのるアルルゥが残念そうな声を上げ、無理なタッチに挑み体勢を崩した光岡の方に向かって叫んだ。 
「悟! もっとがんばる!!」
「心得ている! ユズハさん! この光岡の活躍、見守りください!!」
「いえ……あの、見えないのですが……」
 激しい運動を繰り返すムックルに必死でつかまりながら、ボソっとユズハは呟いた。

 対する楓は、光岡達の声を聞き流しながら、少しでも距離を開けようと走る。
「はぁ―――はぁ―――はぁ」
 その息は荒い。普段無表情なその顔も、今は苦しげに歪んでいた。
(やっぱり、体力の差が出てるね……)
 苦々しくそう思う。
光岡達は途中参加。やはり余力という点では彼らに分がある。
 
「ぬぉぉぉっ! ユズハさんに見とれている内に距離が開いているだと!?」
「悟、ムックル、ふぁいと! 絶対逃がしちゃダメ!」 
「あの……アルちゃん……何か目的がすりかわっているのはユズハの気のせい……?」

 そんな漫才をかます余裕があるのだから。
 そんな漫才をかましながら、それでも楓が必死に開けた距離を詰めてくるのだから。
29線が交わる時:04/05/20 22:14 ID:Jz8oJOLp
 だけど―――楓は負けたくなかった。
どうしても負けたくはなかった。
 今残っている5人の逃げ手の中で、最も優勝を意識している者はおそらく楓だろう。
 楓は優勝したかった。
 優勝して、耕一を手に入れたかった。

 ―――いや、本当は分かっているのだ。
こんな鬼ごっこに優勝したところで、耕一を手に入れることなんてできないってことぐらい。
初音と一方的にかわした賭けが、何の効力も持たないってことぐらい。

(でも……私が優勝したら、きっと耕一さん、褒めてくれる。よくやったって、笑って頭を撫でてくれる)
 走りながら、楓は想い人の顔を思い浮かべる。
(―――そうしたら、その時にはきっと私も自然に笑える)
 いつもは引っ込み思案で、耕一となかなか話す機会も持てなくて、自然に耕一と話せる千鶴達に嫉妬してしまう楓だけど。

(でも、私が優勝したら、きっと耕一さんは私に笑ってくれて、私も笑い返せるよね……)

 そう思ったから、楓は必死に走り続け、それにつられるようにして、

「速い……!! 流石にここまで残った逃げ手だな……!」
 楓を追う光岡の目は鋭さを増し、
「勝つ……この強敵を倒せたのならば、この俺もユズハさんや蝉丸にさんに胸を晴れる!! 必ず勝つ!!」
「ん〜〜!! 勝つのはアルルゥ達!」
 このチェイスの熱はさらに増し続けた。
30線が交わる時:04/05/20 22:15 ID:Jz8oJOLp
「アルちゃん……ひょっとしてカミュち〜探すのは忘れちゃった……?
というか、みなさん、無理しないでくださ〜い!!」
 なんとかムックルから振り落とされないよう頑張るユズハの、その叫び声を無視して。


その同時刻。同じ街の外れにて。

「ハクオロさ〜ん! 待ってください、速いですよ〜!」
「ハハハ、だらしないぞエルルゥ。それでは私は捕まえられないぞ?」
「あ、言いましたね! ん、もう! 絶対捕まえちゃいますから!」
「ほう、なら私も頑張って逃げなくてはな!」
 
―――なんて、ハクオロとエルルゥの実にのどかな追いかけっこが続いていた。

(ハハ、こういうのもいいものだな)
 走りながら、ハクオロは思う。
 意識していたわけではないのだが、今思えばハクオロは、美凪達と行動している間ある程度彼女達に対して責任を感じてきた。
 無論、それが重荷だと思ったわけではない。だが、自分のことを一番に考えなかったのも事実だった。

 そして、今ハクオロは美凪達と別れ、陽光の下エルルゥと追いかけっこをしている。
なんのしがらみも危険も無い、ただの追いかけっこ。
槍衾の間を縫うわけでもなく、矢の雨の中を駆け抜けているわけでもない。
ただの、純粋な追いかけっこだ。

―――それが、こんなに愉快だなんて。

今残っている5人の逃げ手の中で、最も優勝にこだわっていない者はおそらくハクオロだろう。
彼が願う幸せは、今、この瞬間にあるのだから。
31線が交わる時:04/05/20 22:16 ID:Jz8oJOLp
「ほら、エルルゥ。 こっちだ! おいていくぞ!」
「ふーんだ! もう、おいていかれませんからね、私!」

 じゃれあうように走るハクオロとエルルゥの姿はまるで父娘のようにも、恋人のようにも見えて、

「……やってらんないわよね」
 と、マナは憮然とした表情でつぶやいた。
 

 このチェイスの参加者はハクオロとエルルゥだけではない。マナと少年もまたハクオロを追っている。
っていうか、
「実は走ってるの、僕なんだけどね」
 エルルゥは足を怪我しているため、少年が彼女を背負って走ってたりする。
 
少年の呆れたような声も、もちろんエルルゥの耳には届かない。
彼女は目の前を行くハクオロしか見てないわけだから。
 そんなエルルゥを横目でにらみながら、少年に併走するマナは口元を引きつらせるよ。 
「なによその幸せそうな顔。ついさっきまでこの世の終わりみたいな顔してたくせに……」
「あはは……まあ、よかったじゃないか。結局仲直りできたいだし」
「ええ、そうね。実にあっさりと仲直りかましてくれたわね……
ほんと、気を使った私が馬鹿みたいじゃない……! なにがメランコリックよ! センチメンタルよ!!」

ちなみに、このチェイス。マナにとってもそれほど苦でない。
ぶっちゃけ、ハクオロも少年も全く本気で走ってないのだ。
32線が交わる時:04/05/20 22:17 ID:Jz8oJOLp
 少年の背中で光り輝くエルルゥの横顔をみながら、マナはため息をついた。
「はぁ……ほんと馬鹿みたい。ハクオロさんを捕まえる気もなくなっちゃった」
「あれ? 鬼ごっこしたいんじゃなかったけ?」
「そんな気も無くなっちゃったわよ……だいたいとてもじゃないけど、割って入るような空気じゃないもん」
「そうか……」
 少年は、マナの方を向いて、ニッコリと笑って、
「マナは……優しいね」
 そんな言葉を、なんの照れもなく真顔で言う。

「な……何言ってんのよ、バカ!!」
 顔を真っ赤にして、マナは怒鳴り、走りながら器用に少年の脛にキック。
「あはは……痛いなぁ」
 少年もまた実に器用に、走りながらマナの脛蹴りを受け止める。

―――と、そこで
「ん……?」
 少年は、少しだけ鋭い目をして、行く先を見た。
「どうしたの……?」
「いや……これは……うん、間違いないかな」
 少年はマナの問いに、少しだけ口元をゆがめて笑った。
「とんだ偶然と言ってもいいと思う。
何人かの走る音が聞こえるね。多分、逃げてる人がいるんだと思う。
―――.このままいくと、多分街中で接触することになるよ」

 
「ん……おと〜さん?」
「アルちゃん?」
 ムックルの上で鼻を引くつかせるアルルゥに、ユズハが声をかけた。
33線が交わる時:04/05/20 22:18 ID:Jz8oJOLp
「おとーさん匂いがする」
「え……?」
「おとーさん、近くにいる。―――このまま行けば会える!!」

 
ヒートアップとマッタリムード。全く対照的なチェイスが今、街中で交わる。

【楓 逃げ続ける 舞台は町外れ】
【光岡、アルルゥ&ユズハ&ムックル&ガチャタラ 楓を追い続ける】
【ハクオロ マナ&少年withエルルゥとチェイス中】
【場所 町外れ】
【時間 四日目午後】
【登場 ハクオロ、柏木楓
【【エルルゥ】、【少年】、【観月マナ】、【光岡悟】、【アルルゥ】、【ユズハ】】
【登場動物:『ムックル』『ガチャタラ』】
34DreamPower:04/05/20 22:21 ID:Jz8oJOLp
 オーシーツクツク……オーシーツクツク……オーシーツクツク……

「……ツクツクボウシか」

 静寂を取り戻した森の奥。大きな岩に背を預け、虫の音に耳を傾けるDの姿が、そこにあった。
 
 ……原因不明の体調不良により、気付いたら瀕死状態。さらにそこで相手が子供とはいえ追撃戦をぶちかまし、少なからずの術を使ってさらに消耗してしまった彼。
 表示値では変数の都合で未だ1のままではあるが、実質的な体力はすでに真分数の域にまで達している。
 端的に言って、大神ウィツァルネミテアことD、ドぴんちである。
「……生きて帰れるのだろうか……」
 ボソリと、不吉なことも言ってしまう。だいぶ不安になってきた。
 すでに己が身体と付近一帯は深紅の血の海に沈み、深緑の森の中で異種独特の色彩を放っている。
 幸い大神は血の気も多いのか出血多量で死ぬこたなかったが、もはや動けるほどの体力は残っていない。
 暇で暇で仕方がない。岩切も先ほど出発したばかりだし、まさか半時で終わるほど楽な仕事でもないだろう。
「………………」
 話し相手も、やることもない。

 オーシーツクツク……オーシーツクツク……オーシーツクツク……

「………………」
 聞こえる音は、己の息づかい以外は虫の声のみ。……淋しい。そして、ちょっと怖い。
「よもや野犬の類は出ないと思うが……」
 今来られたらだいぶピンチである。正直言って負ける可能性も高い。
 いや、野犬ならずとも肉食系の動物全般が……蟲ですら集団で来られたら危険かもしれん。
「…………いやいやいや。考えすぎだ、我」
 頭の中に浮かんだB級スプラッタなシーンを慌てて打ち消す。
「……何とかならんものか……」
 見上げた空の青さがいやに目に痛かった。
35DreamPower:04/05/20 22:22 ID:Jz8oJOLp
 キィン!
「づぁぁっ!?」
 初太刀。最初の交錯。それだけで戦いの趨勢はほぼ決した。
 ゲンジマルの一撃を受け止めた岩切が後ろにブッ飛び、木の幹に背を打ち付ける。
「がっ……ぐっ!!」
 胸が呼吸を許してくれないが、立ち止まるわけにはいかない。すぐさま剣の柄を握り直すと、構えをとる。
「フン、ハッ!」
 しかしゲンジマルはまったく速度を緩めることなく、一気に間合いを詰めるとそのまま岩切に二撃目を打ち込んできた。
「ち、ぃッ!」
 完全に受けに回り、真横に構えた刃で切り下ろしを流すと、体面も糞もないほど無様な姿の横っ飛びで距離をとる。
(早い、早すぎ……いッ!!)
 ハクオロが聞いたら別の意味で涙しそうな台詞を心の中で吐き捨てる、が、完全に戦闘モードに入った生ける伝説はそれすら許してくれず、追撃の手を緩めることはなかった。
 岩切は全力で後方へ下がりながら、ゲンジマルの連続攻撃を受け止めていくことしか、できない。

「……さすがゲンジマル殿」
 未だ岩切から受けた一撃のダメージが抜けきらないトウカ。木陰に座り込んだまま2人の戦いを眺め、そう呟いた。
「……あのおじーちゃん、すごいの? 岩切のおねーちゃん、勝てそう?」
 その胸に抱かれたまいかが、感嘆めいた声を漏らす。
「……あのお方は我らエヴェンクルガ族最強の戦士であり、希代の英雄、生ける伝説、ゲンジマル殿。
 確かにあの者も多少は剣の心得があるようだが……やはりゲンジマル殿相手では、勝ち目はないだろう。
 あそこまで明確な実力の差は、某との場合と違い、奇策の一つや二つで覆せるものでは……ない」
「……おねーちゃん……」
 心配げな幼女の眼差し。だが、それは何の効果も及ぼさない。

「おお……おあああっ!!!!」
 一方的に押されること10秒少々。突然岩切は腹の底から大きく吼えると大きく後ろに跳躍。空中で一回転する間に、自らの手首に刃を滑らせた。
「ムッ!?」
 その異様な行動にさすがに一瞬様子を窺うことを選んだゲンジマル。一方岩切は地に降り立つとすぐさま剣を構え直してゲンジマルへと躍りかかり、今回初めて攻勢に回った。

 キィン!

 しかし難なくその一撃は弾かれた。すかさずゲンジマルの切り返しが疾る。
36DreamPower:04/05/20 22:23 ID:Jz8oJOLp

 ブバッ!

 瞬間、岩切がゲンジマルに向かって真っ赤な霧を吹き付けた。いや、これは……

「仙命樹入りの我が血だ! さぁゲンジマル、ほとばしる青春を蘇らせるがいい!」

 ちょっと、というかかなり卑怯な岩切の不意打ち。だが……
「この程度……ハ・アッ!!!」
 ゲンジマルは怯むことなく、刀身を視認できぬほどの速度で空中に回転させた。局所的に巻き起こるつむじ風が血煙を巻き込み、文字通り血の霧は霧散した。
 一瞬後、そこには何事もなかったかのように刀を構えるゲンジマルの姿があるだけであった。
「……回し受け……だと?」
「左様。矢でも鉄砲でも持って来られるがよろしい。何物も某の身を傷つけること、かなわぬ」
 ゲンジマルが虎を殺した経験があるのかは、定かでない。
「くっ……の……お……」
 打つ手全て無くした岩切。
「おのれぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!」
 とうとう彼女すらも冷静さを失い、恐慌に近いものを起こすと大きく咆吼。大上段からゲンジマルに斬りかかった。
「……終わったか」
 トウカが呟く。同時に……

 キィィィィィィィ………………………ン

 非常に澄んだ高い音とともに、Dの剣が岩切の手を離れ、遙か天空に高々と跳ね上がった。
 くるくると回転する刀身が、繰り返し日差しを照り返す。
「…………ッッ!」
 剣を振り抜いた体勢のまま固まる岩切。そして……
「峰打御免!!!!」

 ドスッ!

 鈍い音とともに、刀の峰が、岩切の脇腹を打ち据えた。
37DreamPower:04/05/20 22:25 ID:Jz8oJOLp
「ふぁ……」
 とうとう生あくびが出てきた。目尻に涙がたまり、ちょっと眠い。
「そういえば今日は動きっぱなしであったな……」
 朝起きて、歩いて、湖行って、岩切釣って。
 屋台で昼飯食ったが、そのときはとても安らかな精神状態ではなかった。
 そしてその後はランカーズ追激戦。超がつくほど全力疾走。
 目が覚めたら瀕死だし。
 冷静に考えてみれば、今までで一番ドタバタした日かもしれなかった。
「……暇だな」
 いい加減に誰か通りかかったりしないものか……などと思いを馳せた、その時。

「D〜、Where are you〜?」

「!?」
 ガバッ! と起き上がり、辺りを見回す。……すぐに倒れた。
 だが半分頭が土にめり込んでいても、その目は見開いている。
「今のはッ……! 間違いない!」
 腕に力を込め、再度頭を上げる。
「レミィかッ!?」

「D!?」
 レミィもまた、その声を聞いた。
 岩切に指し示された方向に走ること数分。彼女もまた捜し人の名を呼びながら森の中をさ迷っていたところだった。
「Where that!?」
「こっちだ!」
 聞こえた声。その声の方向に向かい、藪を掻き分けつつ全力でひた走る。
「くっ……やっと、助かるか……」
 一方Dも最後の力を振り絞り、四つんばいになりながらもレミィの方向に向かって這っていく。
「D!」
「レミィ!」
 最後に大きく跳躍、Dのいる広場へと飛び込むレミィ。かくして、夫婦(?)感動の再開が……
38DreamPower:04/05/20 22:26 ID:Jz8oJOLp


 がすっ。


 膝だ。
 英語で言えばニーだ。
 ニーと言えばジャンピングニーだ。
 ジャンピングニーと言えばジョー・東だ。
 ジョー・東と言えばアンディだ。
 アンディと言えば残影拳だ。
 残影拳と言えば強すぎだ。
 思い起こせば10年前、当時アンディ使い(というか残影拳使い)が溢れる中、私は池袋のゲーセンで根性でジョーを使い続けてていつもボコボコに……


「Jesus Christ!!? D! D!?」 
 結果的に、偶然というか必然というか、頭の位置と膝の位置がジャストして己のジャンピングニーを綺麗にカウンターでDの眉間に決めてしまったレミィ。
 世界が一瞬スローモーションになったかと思うと、ゆっくりとDの体が反転し、大地に倒れた。
 ……急所に強烈すぎる一撃を受け、もはやピクリとも動かない。
「D! D!? Wake up! Please wake up!?」
 慌てて抱き上げ、呼びかけてみる。
「…………」
 反応なし。意識混濁。救助優先レベル3.
 ……少しやばいかもしれない。
「Oh my goddd!!」
 さすがのレミィもちょっとビビる。
 が、慌てている場合ではない。とりあえず己を落ち着かせなければ。
「OK, Cool....Cool....Cool down, Helen....ここは落ち着いて……」
 ゆっくりと記憶を掘り起こし、昔受けたガール・スカウトの救急講習内容を思い出す。
 その手順は……
39DreamPower:04/05/20 22:27 ID:Jz8oJOLp
「At 1st!」
 ビシッ! と倒れてるDを指さす。
「Finding patient! D見っけ!」

「And 2nd!」
 肩を揺すり、耳元でもう一度呼びかけてみる。
「Checking consciousness! …Hey, D! Are you Okay? .....Nothing!」

「Next, 3rd!」
 ガッ! と首を押さえ、顎を上げる(この時鼻を閉じとくのがポイントです)
「Open the airways! ....OK! All right!!」

 そして……

「Finally! .......Respiration!!!」

 ……しばしの沈黙。

(ぱぱらぱっぱらっぱー♪)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃Dの(男としての)レベルがあがった!
┃あいが4あがった! 
┃じしんが3あがった!
┃やるきが3あがった!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃せいじゅんどが50さがった!
┃じゅんけつをうしなった!
┃たいりょくがかいふくした!
┃一つ上野男になった……
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
40DreamPower:04/05/20 22:28 ID:Jz8oJOLp

 場違いな明るいSEの後、再び静寂が森を包む。


「………………フゥ。さて、Next....」
 数度、コトを終えたレミィ。続いて鳩尾から指三本分のところを押そうとしたのだが……その手は、止められた。
「…………レミィ」
 Dの手で。
「D? 目が覚め……Wow!?」
 と、そのまま口元の血を拭いつつ立ち上がってレミィを抱きかかえると、
「行くぞ」
 と一言だけ呟き、疾風と化して森から消え去った。


「ぐ……は……っ……」
 場面は戻ってゲンジマルVS岩切の一騎打ち。勝負はついた。
 ゲンジマルの刀の峰が岩切の脇腹に食い込み、その場にガクリと膝をつく。
「おねーーーーちゃんっ!!」
「あっ……!」
 トウカの腕を抜け、まいかが飛び出した。岩切に駆け寄り、必死に呼びかける。
「しっかりしてよぅ!」
「……すまん幼女……どうやら約束は果たせそうに……ない……」
「くうっ……!」
 まいかはギリリと奥歯をかみ締めると、倒れる岩切の前に立ち、遥か頭上にあるゲンジマルの顔を睨みつけた。
「おじーちゃん! つぎはまいかとしょうぶ!」
「……………」
「………は?」
 さすがのゲンジマルもやや、いや、かなり呆れ顔。
 だが無理無茶無謀無鉄砲な幼女はビシッ! とクンフー映画のようなポーズをとると、両手を高く掲げた。
41DreamPower:04/05/20 22:29 ID:Jz8oJOLp
「ひっさつひっちゅう! みずのじゅっほぅ!!!」
 パリパリパリ……と小さな紫電が走った。
 パワーアップした術法はゲンジマルに直撃し、
「っとと、これは効きますな」
 彼の肩こりを癒した。
「ふむ、感謝しますぞ。肩が軽くなりました」
「…………ならこれは……どうだっ!!」
 その場に飛び上がって……
「ようじょりゅうせいきーーーーーーっく!!!!!」
 某仮面乗り手の必殺キックのごとく、物理的に不可解な軌跡を描いてゲンジマルに向かう、が……
「とっとと、これはまた元気な童女ですな」
 まったく苦もなく、ゲンジマルに抱きとめられる。
「うきー! はーなーせー!」
「う〜む……」
 ゲンジマルはしばし幼女の顔をしげしげと眺めた後、
「花枝殿、貴殿の娘か?」
「アホ! そいつはDの娘だ! 私はまだ若い上に独身! 花も恥らう乙女だ! ……あい……っ! たた……」
 叫んだ一瞬後、腹を押さえて悶絶する。相当響いたらしい。
「D……?」
 なんとなく覚えのあるような名前を聞き、眉をひそめる。
 この時、何となくゲンジマルの頭に嫌な予感がよぎった。
 そして、その予感は的中した。

「大神流星きぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーックゥ!!!!!!!!!!!」

「なんとぉ!!?!」
42DreamPower:04/05/20 22:30 ID:Jz8oJOLp
 嫌な予感がよぎった刹那、どこからともなくゲンジマルの側頭部に脚が飛んできた。
 さすがのゲンジマルも反応できず、直撃を受けでド派手に吹っ飛ぶ。
 空中に投げ出された幼女の体は、飛んできた人間が抱きとめた。
「ゲンジマル貴様! 我が娘に何をしている!?」
「お、あ……貴方様は……」
「まいか大丈夫か!? 怪我はないか!? あの男に何かされなかったか!?」
「……でぃー? 治ったの?」
「バッチリだ! お前の方こそ大丈夫だったか!!?」
「あのおじいちゃん……あのおじいちゃん……」
 ちょっと涙目になりながら、やや演技っぽい仕草で、
「まいかのからだを蹂躙(だっこ)した!!!」

 プッツゥゥゥ――――――――――――――――――――――――――――――――ン!!!!

「レミィ、まいかを頼むぞ」
「ウ、ウン……」
 異常に静かなテンションのまま、Dはレミィを地に下ろすと彼女に娘を預ける。
 そして、ゆっっっっっっっっくりとゲンジマルに歩み寄っていった。
「な、あ、貴方様もこの島に……?」
 一応、刀を構えてみたりなんかしてみる。
「ゲンジマル……久しいな……」
「は……はい、お久しぶりにございます……」
「まさかお前が……エヴェンクルガ稀代の英雄が……そういう趣味を持っていたとはな……」
「あ、あいやその、それはですな……おそらくお互いの認識の食い違いというものでは……」
「言い訳とはお前らしくもないなゲンジマル……」
「で、ですから……」
『動くな』
 Dの言葉と同時に、凍りついたようにゲンジマルの身体が動かなくなった。
「ぐっ……な……? こ、これは……」
「貴様の罪……」
「あ、あの、貴方様……まずは落ち着いてくだされ……」
「我が娘を汚した罪……」
43DreamPower:04/05/20 22:31 ID:Jz8oJOLp
「で、ですからまずはお互いの誤解を解くのが先決では……」
「ソノ罪……」
「ちょ、ちょっとお待ちを!」

『死スラ生ヌルイ!!!!!』

 ゴゥッ、とDの右拳に光が収束する。

「 大 神 昇 竜 券 !!!!!!!!!!!!」

「だから誤解なのですーーーーーーーーー!!!」
 強烈なアッパーが決まり、ゲンジマルは星になった。
「かつて部下であり同士であり友人だった汝……せめてもの情けだ。迷うことなく常世への道を歩むがいい……」
 その目元がキラリと光ったのは、ただの汗か、それとも強敵(とも)への餞か……

「というわけで岩切、ご苦労だったな」
 意趣返しも終わってひと段落。ねぎらいの言葉をかけるべく、Dは三人の下へと戻っていった。
 岩切もだいぶ回復してきたのか、レミィの肩を借りながらもなんとか立ち上がっている。
「やれやれ……結局いいところはお前に持っていかれてしまったか。
 それにしてもよくもまぁ仙命樹持ちでもないお前がこの短時間に回復したな。何があった」
 Dはフフン、と軽く鼻で笑うと、
「まぁそれは何というか……愛の力だな」
「……言ってて恥ずかしくないか?」
「いや別に」
「そうか……」
 と、ここで岩切が思い出す。
「って! ンなことのんびりと話している場合ではなかった! 急げD! 獲物はあっちだ!」
 ビシッ! と自分が向かおうとしていた方向を指差す。
「ん? ……ああ、そういえばそうであったな。あちらで間違いはないのか?」
「おそらくはな。あの女がこの道に立ちふさがっていた。ならば向こうに奴の仲間がいると考えるのが普通だろう」
 クイッと木の根もとのトウカを指差す。
「某はいつまで放置されていればいいのだろう」
44DreamPower:04/05/20 22:32 ID:Jz8oJOLp
「そうか……よし」
 Dはポン、とレミィとまいかの頭に手を乗せると、
「というわけで私はちょっと出かけてくる……二人とも、岩切とここで待っていてくれ」
「OK!」
「わかった!」
「では岩切、頼んだぞ。ちょっと行ってくる……ハッ!」
 ゴッ!
 ……Dが気合を込めると瞬間、またしても彼は疾風となり、道の先へと消えていった。
「さて……間に合うかどうか……」


「待て……はぁ……待て……待て……ッ! 神妙に……お縄につけこの金髪ポニテ!」
「が……お……っ……もう、ダメかも……」
「はぁ、はぁ、はぁ……ま、待ってよ浩平……」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ……ちょっと、辛いかも……」
「ひぃ、ひぃ、ひぃ……まだ、なの……?」
 そしてこちらはやや忘れ去られた感のある観鈴VS浩平・長森・ゆかり・すひーの追激戦。
 予想以上の粘りを見せた観鈴だがすでにその命も風前の灯。やはり体力面では男子にかなわず、もう浩平がすぐ後ろまで追いついてきていた。
「これで……チェックメイトっ! オレの……勝ちだ……ッ!」
 だがこちらも余裕綽々とは言えない。浩平も残った体力を振り絞り、観鈴の背に手を伸ばすが……

『観鈴……』

「えっ!?」
 突然、観鈴の目に空いっぱいに広がる晴子の顔が映った。
『観鈴……あきらめたらそこで試合終了やで……がんばりや……』
 さわやかな笑顔でグッと指を立てる。
(おかあさん……)
「なっ!?」
 その時、奇跡が起きた! なんと観鈴ちんの走るスピードが一段階速くなったのだ!
45DreamPower:04/05/20 22:33 ID:Jz8oJOLp
「まだ……体力残してるってのか!? クソォッ!」
 いや、そんなことはない。すでに観鈴ちんは体力の限界貴乃花。余力など一切ない。
 では彼女に最後の力を与えたのは何か?
 それは……
「おかあさん……わたし、がんばるからね……」
 ひとえに、母への愛のなせる業だろう。
「だから、空の上から見守ってて……」
 どうやら詩子のが伝染ってしまったらしい。哀れ、とうとう娘にすら殺された晴子。
 ……と、その時。

「……ぉぉぉぉ……おおおお……おおおお……!!!!」
 後ろから、誰かの気合たっぷりな叫びが聞こえてきた。
「なに……?」
「なんだ……?」
 かなり気だるいが、後ろを振り向く一行。そこにいたのは……
「あははははははは! すばらしい、かつてないほどにみなぎるこの力! もはや何人たりとも我を止めることなどできぬ!
 もはやうりゃうりゃだ! すばらしい! すばらしいぞ今の私は!! まさに無敵! 空蝉など屁でもないわぁぁぁぁぁ!!!!」
 超猛スピードで迫ってくるDの姿だった。
「なんだあのおっさん!?」
 思わず浩平が叫ぶ。
「わ、わからないよっ!」
「けど、すごいスピード……」
「どうすんのさ!? このままじゃ追いつかれちゃうよ!」
「くそっ、トウカの奴、やられちまったのか……」
 再び前を向き、考えること、数瞬。浩平は、結論を下す!
「長森!」
「えっ!?」
「ゆかり!」
「はいっ!?」
「すひー!」
「なにっ!?」
46DreamPower:04/05/20 22:34 ID:Jz8oJOLp

「お前たちで止めろ!」

「…………」
 何をおっしゃってやがられるのですか?
「……む、無理だよ浩平! あんなのどうやって止めろっていうの!?」
「わ、私たちには無理ですってば!」
「もう人間レベルを超えてるよ!」
「少しでいい! 数秒! ほんの少しでいいから足止めしろ! もうちょっとでこいつを捕まえる! その時間を稼げ!」
「そんなこと言われても……」
「三人寄れば姦しいっていうだろ! なんとかしてみろ! それっ!」
 と、無理やり三人の中で一番前を走っていた長森を方向転換させる。
「それを言うなら文殊の知恵だよー!」

 とかなんとかやりつつも、浩平は置いてその場に立ち止まり、後ろを振り向く三人娘。
 背後からはスピードが落ちるどころかかえって加速しているようにすら見えるDの姿が迫っている。
 思わず顔を見合わせる。
「……どうしよう」
 かくして、牛乳・アイス・ホットケーキによる絶望的な防衛戦が始まった。


【長森・ゆかり・すひー Dを足止め】
【観鈴ちん 最後の力】
【浩平 もうちょっとで捕まえる】
【岩切・レミィ・まいか お留守番】
【D 愛の力】
【ゲンジマル 星】
【登場 神尾観鈴 【折原浩平】【長森瑞佳】【伏見ゆかり】【スフィー】【岩切花枝】【ディー】【しのまいか】【宮内レミィ】【ゲンジマル】】
47名無しさんだよもん:04/05/20 22:35 ID:Jz8oJOLp
以上四作品、したらばの改訂用スレから転載完了。がんばっていきまっしょい。
48名無しさんだよもん:04/05/20 22:37 ID:8WXT04AD
超乙。
今スレ中には終わらせたい根。
49名無しさんだよもん:04/05/20 22:40 ID:qcX25kDq
コピペとはいえこれだけ張るのは大変だったと思う。
マジで乙!
50名無しさんだよもん:04/05/20 22:41 ID:akCvR1qH
グッジョブ!ここにきて復活の兆しか。
51名無しさんだよもん:04/05/20 22:45 ID:KGDxYltl
乙です!
終わりも近いしみんなで頑張ろう!
52名無しさんだよもん:04/05/20 23:02 ID:MJTu+A52
まだ終わんねぇのw
さすが馴れ合い厨 必 死 だ な (w

ニハハ
  へヘ
/〃⌒⌒ヽ   
〈〈 ノノノハ)))  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |ヽ||^∀^|| <  あほか
 ( つ ⊂ )  \_________
 リ /リリリリリ
  U U      (^∀^)ゲラゲラ シネヤクソガ
53名無しさんだよもん:04/05/20 23:03 ID:YXrb43OA
乙です〜

うん、頑張ろう。  終わらせるぞ、マジで。
54名無しさんだよもん:04/05/20 23:14 ID:8WXT04AD
あと五人。それぞれがそれなりにピンチ。
同時に動かす人数がスゲェ多いから書くのは大変だが、最後の峠、だな。
55名無しさんだよもん:04/05/20 23:30 ID:oLSxrplN
ぽー
56名無しさんだよもん:04/05/21 01:13 ID:i4vetetm
まだやってたんだ、これ
57名無しさんだよもん:04/05/21 10:48 ID:Ls1oYXWv
保守
58名無しさんだよもん:04/05/21 22:50 ID:nfylK/hv
念のため
59名無しさんだよもん:04/05/22 13:30 ID:q65PLlpx
ほしゅ
60名無しさんだよもん:04/05/22 19:56 ID:vyDWciik
保守するのもありがたいけど、折角の新作だし感想をつけよう。
完結させたいしね。

「せめて最後の援護を」
往人と大志、かっこいい役割を果たすのかと思ったら、所詮こいつらだったなw
今まで格好よかったことの反動が来たと言うか。
ウルトがなんか萌えた。

「自分の力で」
たしかに大人数を書くのに苦労している感じはあるが、かなり見事なサルベージかと。
放置されていた連中を出して、伏線を解消しつつ、みちるを追いかける人数は絞っているあたり上手いと感じた。
ずっと保護者の影にかくれていて、活躍する機会が無かったやつらに(さいかは除くが)うまく焦点を当てていると思う。

「線が交わるとき」
シリアスな楓と、ギャグ一直線なハクオロの対比はうまいね。
楓のモチベーションや、賭けの事をちゃんと描くことで、だいぶ好感度が上がったと思うし。
ハクオロとエルルゥのバカップルぶりは笑える。今までややシリアスすぎただけになおさら。

「DreamPower」
Dの話はどれもテンポがよくていいな。話自体には結構いろいろ無理があるのだが、
テンポがよいおかげで楽しく読める。Dの復活もラストぐらいはありだと思うし。
さて、絶望的な勝負が始まったが……どう転ぶのか。
61名無しさんだよもん:04/05/23 00:46 ID:6fZtfF98
ほっしゅ
62名無しさんだよもん:04/05/23 11:58 ID:LkUgmDCN
そろそろ、逃げ手減らしに走っていいか?
それとも、まだやりたいことってあるかい?
63名無しさんだよもん:04/05/23 15:35 ID:uMxjVBx5
言いたいことがよくわからんが、キミがよいと判断したなら逃げ手を捕まえたってもちろん問題はないよ。
ただ、某ロワのズガンよろしくロクな描写もなしに書いたら叩かれるのも当たり前だけど。
もはやどこも最終局面で火傷しそうなほど文も書き込まれてるし。
64名無しさんだよもん:04/05/24 12:35 ID:4srtXxAr
保守
65勝負の傍らで:04/05/25 01:48 ID:ANGchof7
 柚木詩子は、屋台の座席に座り、テーブルに置かれた物体をじっと見つめてみた。
 紙パックに入った液体らしきその物体の名は、どろり濃厚ピーチ味。それが、彼女の前に二つおかれている。
 ややあって、屋台の主の一人、イビルが彼女に声を上げた。
「お客さーん……飲まないのかい? 暖かくなっちまうよ?」
「うーん……本当は飲みたいんだけどね。咽喉渇いちゃったし」
 だが、詩子は首を振った。
「うん、でももう少し待ってよっかな。折角の観鈴ちゃんのオススメだしね。飲んだことないけど」
 にっこりと笑って詩子が答えると、イビルはお好きなように、と肩をすくめた。

「観鈴さんを待っているのですか?」
 不意に背後から声をかけられ、詩子は慌てて振り向いた。
「―――な……な!? 茜!? 澪ちゃんも!?」
 驚く詩子の前で、
「はい。里村茜に、上月澪です」
『探したの。詩子さん』
 初日からずっと一緒に行動してきて、昨日の夜分かれてしまった仲間たちが、笑っていた。
 

「うわぁ! すっごい偶然じゃん! よく会えたね〜 
うんうん、やっぱりこれも運命かな?」
「運命というより腐れ縁のようで嫌ですが、幸運なのは事実ですね」
「んも〜 茜は素直じゃないんだから〜」
『茜さんが、詩子さんを探しに行こうって言ったの』
「あ、やっぱりね〜 まったく、照れちゃってこのぉっ!」
『このこの、なの』 
「詩子、頬をつつかないで下さい。生理的に嫌です。
澪、詩子の真似をして人のわき腹をつつかないように。心理的に嫌です」
 顔を微妙に赤らめながら憮然とする茜に、
「あはは、ごめんごめん」
 と詩子は笑いながら、手を離した。
66勝負の傍らで:04/05/25 01:53 ID:ANGchof7
「うん、でもほんとにラッキーだね。あ、でもひょっとしてものすごく探させちゃった?」
『ううん。すぐ見つかったの』
「時間にして数時間というところですね」
 茜は時計を見ながらそう答えると、昨日の夜の離散からの出来事をかいつまんで話した。

「あらら。べナウィさんも捕まっちゃったか。でも、それなら本当にすぐ私のこと見つかったんだね」
「はい。確かに運はよかったですね」
 茜はそう言うが、実のところ全くの幸運だったというわけでもない。
 
 きっとしぶとく詩子が逃げ手をやっているだろうと考え、逃げ手がいるのなら鬼が群がるだろうと予想し、
鬼が大勢にいるところに詩子がいる可能性が高いだろうと、おおざっぱな予測を茜はつけていた。
 結果としてこの考えは当たり、屋台から散り尻に離れるランカーズを茜達は見つけ出し、
詩子の情報を聞き出すことが出来たのである。

 だが、そこら辺のことには茜は触れずに、
「やはり、腐れ縁です」
 と、すましてわざとらしくため息をついた。
67勝負の傍らで:04/05/25 02:04 ID:ANGchof7
『観鈴さんはどうなったの?』
「そうですね。まだ逃げ手のままなのですか?」
 適当に甘味を注文しながら聞く二人に、詩子は、んーとね、と言葉を濁した。
「多分、まだ逃げてるんじゃないかな……途中で離れちゃってるんだけどね」
 今度は詩子が、茜たちにことの顛末をかいつまんで話す。
「鬼の一団の中でまだ姿を見てないの、浩平君のチームと、翼を生やしたちょっとかっこいい人のチームだけだね。
まだ、この人たちが観鈴ちゃんを追いかけてるんじゃないかなって思う」
『それで、観鈴さんを待ってるの?』
「ん〜 観鈴ちゃんを待ってるっていうか……」

 詩子はそろそろ温くなってきたどろり濃厚の紙パックを指でつついた。
「まだ、観鈴ちゃんが頑張ってどこかで走っているかもしれないのに、私だけこれ飲むのもなんだかなぁっておもっちゃって。
うん、願掛けみたいなものかな。浩平君達が手ぶらで戻ってきたら、悔しがってるあいつらを見て祝杯。
観鈴ちゃんが鬼になって戻ってきたら、残念会」
『もどってこなかったらどうするの?』
「えーっと、うーん……どうしよう……?」
「全く無計画ですね。詩子らしいです」
 茜はフ、と笑った。
「つきあわされる方の身にもなって欲しいです。
すいません。私のあんみつは冷やして置いてください」
『こっちもおねがいします、なの』
「あはは、やっぱり持つべきものは親友だね〜」
 抱きついてくる詩子に、茜は肩をすくめた。
「詩子に恨めしい目で見られながら食べるのが嫌なだけです」
「うんうん。茜が友情に暑いのはこの詩子さんがちゃんと分かっているからね」
「暑苦しいのは、詩子のほうです。離れてください」
「やーだーよー 恋しかったもーん」
68勝負の傍らで:04/05/25 02:05 ID:ANGchof7
 じゃれあう二人を尻目に、澪は空を見上げた。
 まだ、この空の下、観鈴は逃げ続けているのだろうか?
 灯台でめぐりあった、6人のうち、最後の一人。できれば、観鈴に優勝して欲しい。
だけど―――

 ポン、と詩子が澪の方を叩いた。
「大丈夫だよ。あの師匠の血を引いてるんだもん。きっと師匠の無念を晴らしてくれるよ」
 ―――うん、きっと私たちのぶんまでね」


 そんな詩子達のほかに、この屋台にはお客が三人。

「なんだかいいですねぇ……友情って感じで」
 詩子たちをみて微妙に感動するマルチであったが、
「いや、友情なのはよいのだがな……」
「すごい食べにくいよ……」
 クーヤとあゆの顔はタイ焼きを持ったまま引きつっていた。
「え〜 食べにくいですかぁ?」
「食べにくいよ! なんか目が怖いよ! 特にあのお下げの人!!」
「うむ……あの恨めしい目がなんともいえぬ」
「うぐぅ……タイ焼きを口に運ぶたびに、『私は我慢してるのに、食べるんですね』って目で訴えてくるよ……」
「気、気にするなあゆ。よ、余たちはちゃんとお金を払って食べているのだからな」
「お金を払ってねぇ……」

 クーヤの言葉に、エビルが、目だけ笑わずに口元に笑みを作った。
「そういうからには、食べた分はお金を払ってくれるんだろうねぇ……?」
69勝負の傍らで:04/05/25 02:06 ID:ANGchof7
 クーヤが慌ててあゆの方を見る。
「あ、あゆ、手持ちは……?」
「ないよ! クーヤちゃん、お金持ちじゃないの!?」
「支払いは全てサクヤに一任しているゆえ、余自身は手ぶらだ……!
そういえばあやつと分かれたとき、小遣いを貰うのを忘れていた……」
「なんで忘れちゃったの!?」
「よ、余にいうな! おのれ、サクヤ、いずれ手打ちにしてくれる!! マルチは……聞くだけ無駄であろうな……」
「はい、持ってませんねぇ。わたしは食べませんし」
 マルチ、飲食をしてないため、一人だけ結構余裕。

「き、北川と住井とやらはどこにいったのだ? 奢るのではなかったのか!?」
「知らないよ! なんか変なくず鉄を持ってきた後、騙されたーとかいって、どっかにいっちゃったし……!!」
 クーヤとあゆは顔を見合わせ、それからゆっくりとエビルとイビルの方を見た。

 イビルとエビルはニッコリ笑って、バキボキと手を鳴らす。

「ど、どうするのだ!?」
「うぐ……それはやっぱり……」
 思いっきり小声であゆは耳打ちする。
「……食い逃げ?」
70勝負の傍らで:04/05/25 02:07 ID:ANGchof7
 クーヤはポンと手を打って叫んだ。

「なるほど! 食い逃げか!! それは名案だな!! ……で、食い逃げとはなんだ?」
「はい! 食べた後、代金を払わず逃げることですね」
「おお、マルチは物知りだな。撫でて遣わすぞ」
「えへへ〜」

 イビル達の視線から逃れるように顔を背けて、あゆはうめくように言った。
「ごめんなさいそんな目で見ないで下さいっていうか実はボク今朝心を入れかえて
食い逃げはしない方向で生きていくと決めたばかりなので
今のはおちゃめな冗談にして皿洗いをさせてくれるとうれしいです……」
  
 
 その後、千鶴に一ポイントにつきタイ焼き一つと騙されていたことを知り、
実は自分が4万円もの大金を持っていることを知ったあゆは、とりあえず事なきを得たことに安堵しながらも、
かなり本気で北川と住井に殺意を抱き、それに応じてクーヤは国威を賭けて二人を成敗すると宣言したとかなんとか。

【四日目午後 湖畔沿い 参号屋台】
【登場 【里村茜】、【上月澪】、【柚木詩子】、【月宮あゆ】、【クーヤ】、【マルチ】、『イビル』、『エビル』】
71名無しさんだよもん:04/05/25 22:22 ID:1vRqmwjy
保守
72勝負の傍らで:04/05/25 23:48 ID:fUr1/xbc
失礼しました。最後のやたら長い一文を、

「 その後あゆ達は、イビル達の容赦ない罵声の下で皿洗いをしながら、かなり本気で北川と住井に殺意を抱き、
クーヤは国威を賭けて二人を成敗すると宣言したとかなんとか。 」

に変更してください。
73力と、心と、そして運:04/05/26 00:45 ID:ISDtJuqf
 突然聞こえてきた少女の声、リサはまるでその声に呼応するかのように生気を取り戻した。
 走りに諦めは消え、代わりに覇気が見える。
 蝉丸がリサから目を離したのはほんの一瞬、だがたったそれだけで蝉丸たちは引き離された。
 彼らは未だに体力的余裕があるためすぐにペースを上げるが、
 その距離は縮まるどころか僅かながら離されていく程だ。

―厄介なことになった

 蝉丸は舌打ちをしながら思う。
 逃げ手の体力、気力共に限界に近いことは明白だった。だがこの走りだ。
 一度折れた心はなかなか戻らない。しかし、戻りさえすればその心は決して折れぬ刃となる。
 彼女はまさにその状態にある。精神が身体を凌駕し、がむしゃらに走り続けることだろう。
 もっと早くに勝負を仕掛ければこんなことにはならなかったはずだ。
 既にものを言うのは心の力―そんな勝負に持ち込まれようとしている。
 そうなれば不利なのはこちら。
 誰か思う人でもいるのか、プライドからなのか、それは分からないが彼女はもう折れそうにない。
 一方の自分はただここまで来ては逃せないという意地だけ。
 今は燃えているが、本来淡白な自分が追っていけるかは妖しい。
74力と、心と、そして運:04/05/26 00:46 ID:ISDtJuqf
「ふふ…」

 だから、勝負における最後の要素が自分に味方したときはつい笑みがこぼれた。
 今、リサの向かうは山林。
 それがとても良い。とても運が良かった。
 もしも川のほうへ行くという選択をすれば自分は負けていたし、
 道に沿って走るという選択をすれば勝負は膠着したままだった。
 だが彼女はそのがむしゃらさ故に、直進してしまったのだ。道を外れ山林へと。

「何を呆けておるッ!」

 そんな風に蝉丸が思っていたところに醍醐が足払いをかけた。
 無論注意を怠ったわけではないので、蝉丸はそれを最小の動作で回避し、山林へとリサを追う。
 木々の合間を縫って山林を奥と進んでいく。
 そして、この男との勝負もそこまでだと、そう思いながら醍醐へ最後の牽制を放った。軽い裏拳だ。

「ふん、甘いわ」
 
 当然、醍醐はかわす。そしてカウンターをいれんと蝉丸を見据える。が、
 
「馬鹿な…!?」
75力と、心と、そして運:04/05/26 00:47 ID:ISDtJuqf
 彼はその瞬間に醍醐を射程外へと引き離していたのだ。
 もう醍醐が蝉丸を捕らえることは無い。蝉丸は口元を僅かに緩めながら、醍醐を放していった。

「俺の、勝ちだ」

 ここは、薄暗い山林。蝉丸に勝利をもたらす選択肢。
 そう、陽光薄れるこの場所では仙命樹が束縛を離れ、躍動する。
 力を得た仙命樹は蝉丸の察知能力及び身体能力を飛躍的に上昇させ、蝉丸に勝利をもたらすのだ。
 彼は厄介なライバルを引き離し緩んだ気持ちを引き締め、研ぎ澄まされた神経をリサへと向ける。
 脚に力をこめ、地面を蹴り上げ、走る。
 その速度は無情にもリサを追い詰めていく。

 そして、その距離は3,4メートルまで縮まった。


「さぁ…決着だ」



 
【4日目午後 山道】
【登場 リサ・ヴィクセン】
【登場鬼 【醍醐】【坂神蝉丸】】
【蝉丸全開、リサ絶体絶命。リサに奇跡は起きるのか?】
76衝撃の3人娘、神との戦い:04/05/26 01:37 ID:kLWph0ym
「と、止めろって言われても…」
「あの人、すごいパワー……今の私のまじかるサンダーくらいじゃ止められそうにないよ」
「えっと、何か道具は……」

瑞佳はあたふたし、スフィーは真剣に悩み、ゆかりは荷物をひっくり返した。

「せめてトウカさんがいてくれたら…ああ、でもあの人結構うっかりしてるところあるし…」
「眠らせる…のもムリかなぁ。相手が速すぎて狙いがつけられないよね…」

混乱してさりげなくトウカをけなしている瑞佳と、なんとか魔法で解決しようとするスフィー。
そして、あくまでマイペースなゆかり。

「網くらいしかないですね」
「網?そんなのあったっけ?」
「確か、ゆかりさんを浩平が捕まえた時に回収したんだよ」
「あぁ、あの時はトウカさんがゆかりの下敷きになって大変だったんだよね」
「うん、ゆかりさんが…その…で、木が折れちゃって……あ!」
『それだ!』

ぴったりと思考が重なるスフィーと瑞佳。
ゆかりは二人の言っている意味が分からず、「?」を頭上に浮かばせている。

「ゆかりさん、作戦を説明するね―――」
77衝撃の3人娘、神との戦い:04/05/26 01:39 ID:kLWph0ym
「むっ!?」

Dは自分史上最高速で走りながら、自分の前方の少女達に気づいていた。
どうやら彼女らは、逃げ手を追うことではなく自分を妨害することが目的らしい。

「たとえどんな手段で来ようと、今の私には通じぬわぁっ!!」


瑞佳がやや前かがみになり、両手を両膝の上に乗せる。
簡単に言うと、馬とびの馬の体勢だ。

「ゆかりさん!」
「はいっ!」

その背を踏み台にして、ゆかりが跳ぶ!

「跳び越えて私を囲む気か!?無駄無駄無駄ァッッ!!」

信じられないことに、さらに加速するD。
Dの後方を取るつもりなら、この加速は想定外、作戦は失敗ということになる。
「うまくいって…!」

スフィーが魔法を行使する。
Dはそれを察知すると、ほんの少しだけ減速し、魔法に対する障壁を展開する。
しかし、障壁に対して攻撃は来なかった。
なぜなら、スフィーの魔法は、Dにはむけられていなかったから。
その標的は…

「zzz……」

跳び上がった、ゆかり。
放物線を描いてDの位置へ落ちていく。
78衝撃の3人娘、神との戦い:04/05/26 01:40 ID:kLWph0ym
「チィッ、私の邪魔をするなら、女子供でもレミィやまいか以外には容赦せぬ!
 大 神 昇 竜 拳 !!! 」

拳に輝きが集まり、そのアッパーはゆかりをとらえる。
ゆかりは星になる……はずだった。

「なにっ!?なんだというのだ、この重さは!?」

Dは知らなかった。眠っている時のゆかりの謎の重量を。
そしてこれこそが、スフィーと瑞佳の狙い。
Dが加速と減速の微調整をしたお陰で、ぴたりと座標が合い、ゆかりが命中した。僥倖である。
Dはゆかりを捕らえようとしたアッパーごと地面に倒れ伏す。

「やったよ、瑞佳!」
「うん。これなら、浩平があの子を捕まえる時間には充分だよね!!」

こうして、3人娘が勝利した……かのように見えた。
しかし、相手は伝承にうたわれるもの。
このように簡単に決着するはずがないのだ。

「私は、私は負けるわけにはいかぬ!
 愛を知り、いまや空蝉など足元にも及ばぬ私が…大神昇竜拳が敗れた程度で終わるはずはない!!
 私は家族…レミィとまいかに誓ったではないか!必ずや優勝を捧げると!!
 負けられぬ、負けられぬのだ!!おおおおおおおおぉぉぉォッッッ!!」
79衝撃の3人娘、神との戦い:04/05/26 01:42 ID:kLWph0ym
「な、何!?」
「魔力!?ううん、何なの、この力!?」

Dを中心に力の渦が巻き起こり、拳に再び光が宿る。
しかも、その光は先ほどまでの比ではない。

「咆哮せよ我が拳っ! 大 神 神 竜 拳 !!!!!!!!!!!!!!!!」

BagoooooooooooooN!!!!
そんな効果音とともに、眠ったままのゆかりが天高く舞い上がる。

「そんな……」
「あのゆかりを吹っ飛ばせるなんて……」
「ハッハッハ!!やはり今の我に敵無し!!いける、いけるぞ!!!」

Dは以前よりもさらにスピードを上げて浩平と観鈴を追いかける。
反則的な奥の手であったゆかりを倒され、愕然とする瑞佳とスフィーは気づかない。
浩平の注文どおり、数秒の時間稼ぎはできていたことを。
あとは、浩平と、どんどん実力を上げていくD次第なのだ。


「はあっ、はあっ……」
「もう、少し……今度こそ、オレの…勝ちだぁっ!」

浩平の手が、観鈴に迫る…。
80衝撃の3人娘、神との戦い:04/05/26 01:45 ID:kLWph0ym
一方その頃、空に打ち上げられたゆかりは―――。

「zzz……」
「むぅっ、おそらくはあの方にやられたのだろうが、この状況で眠っているとは…」

落下を開始したゲンジマルとすれ違っていた。


【四日目午後】
【登場 神尾観鈴】
【登場鬼 長森瑞佳 スフィー 伏見ゆかり D 折原浩平 ゲンジマル】
【D すごい速さで観鈴に接近中】
【浩平 本当にあと少し】
【ゲンジマル 落下開始。ゲンジマルとゆかりの落下位置は吹っ飛ばしたDでさえ知らない】
81ダンスナンバー:04/05/26 22:55 ID:e3lbFg48
「ハウエンクア君、キミの服洗濯終わって今は乾燥機にかけてるから。たぶんそろそろ着れるようになると思うよ」
「あ、どうも……」
「ハウエンクアさん、もうちょっと待っててくださいね。お料理、もうすぐできあがりますから」
「あ、すいません……」
「どうしましたかハウエンクアさん? さっきからずいぶんとお静かですけど」
「あ、いえ……」
「ぴこっ?」
「あ、うん。ありがとう」
 迷い兎ハウエンクアが南女史に保護されて数時間。
 高倉みなみ・風見鈴香両名が待つマンションの一部屋に招かれた彼を待ちかまえていたのは、凄まじいまでの接待攻撃だった。
「その……こういうの慣れてなくて……」
「ふふ、緊張する必要なんてないんですよ」
 朝方醍醐を見送って暇をもてあましていたお姉さん方。
 そんな彼女らにとって、ボロボロの風袋でまるで打ち捨てられたペットのようだったハウの姿など、格好の餌食でしかなかったのだ。
「あの……僕、嵌められてないですよね?」
「何がですか?」
 思わず疑問を口にしてしまった。が、曇り一つない南の笑顔で返されてしまう。
 あまりに慣れない扱い。いつものアハハハ笑いもなりを潜め、恐縮しきりのハウエンクアであった。
82ダンスナンバー:04/05/26 22:56 ID:e3lbFg48
「ふーん、それは大変だったね……」
「でもロマンチックじゃないですか。好きな人のために自ら身を引くなんて。悲しいけど素敵ですよね」
「ぴこぉ〜……」
「いや、そんな大したものじゃ……」
 みどりの料理を待つ間、暇をもてあます3人+1匹。洗濯場からは乾燥機が回転する音が聞こえてくる。
 雑談代わりに適当な世間話をしているだけのはずだったのが、話の内容はいつの間にかハウエンクアの身の上話に移っていた。
「まぁ……ウチの國もね。聖上は国政ほったらかしで他國の皇との逢瀬を繰り返すわ、大老はその聖上を甘やかしっぱなしだわ、
 同僚はその大老へのコンプレックスの塊で政治のせの字もわかってないわ。……僕も仕事仲間に恵まれてるよ」
 身の上話からさらに人生相談へ。というか愚痴へ。
「苦労してるんだね」
「本当だよね……。おかげで本来僕の役目じゃない外交折衝まで任されてるんだから……人前で話するの苦手だっていうのに……他にマトモな人材ないもんだから……」
「でもすごいじゃないですか。私より若いのにそんな大任をまかされてるなんて。私だってまだまだこみパスタッフの中では見習い同然ですし」
「え? あ、そ、そうですか?」
「そうですよ。きっとハウエンクアさんの皇様もハウエンクアさんを信頼しているからこそ他の皇様とのラブロマンスに熱中できるんですよ」
 などと、本当にそう思ってるのかハウを励ますためなのか。調子のいいことを言ってしまう南さん。
 ただ……
「え? あ、あは、アハハハ……や、やっぱりそうなんですかね?」
「はい! きっとそうですよ! ハウエンクアさんて、やっぱりすごい方だったんですね!」
「あ、アハハハハ……」
 いまいち単純なクンネカムンの右大将には効果があったようだ。
 と、そこで鈴香の一言。
「なにせ、南さんへの第一声が『マーマ』だったんでしょ?」
「ハ……」
 ピシッ、とハウの動きが固まる。
83ダンスナンバー:04/05/26 22:57 ID:e3lbFg48
「ふふふ、あれは驚きました。私だってもう若くはないですけど、それでもこんな大きな子は産んだ覚えはありませんから」
「あ、あの、その、それは、ですね……」
 しどろもどろのハウエンクア。
「似てたの? 南さん、ハウ君のお母さんに」
「い、いや、そういうわけ……じゃ、なくて……その、雰囲気が……」
「雰囲気かー。うん、なんとなくわかる気がします。南さん、たしかに暴政本能っていうかそういうのありそうですし」
「まあ、ふふ。それっておばさんくさいってことですか?」
「そ、そんなことはないですよ南さん! 南さんは十分若いですって!」
「ふふ、ありがとうございます。ところで本物のハウエンクアさんのお母様はどうなさってるんですか?」
「……………それは」
 ……一瞬、ハウが南から視線を逸らし、その表情に影が差した。
「あ…………」
 それだけで大方の事情は察知した南。形のよい眉をひそめ、どう二の句を継ごうか悩んだ瞬間――――
「お待たせしましたハウエンクアさん。昼食ができましたよ」
 キッチンから、ベストのタイミングでみどりのお声がかかった。
「あ、それでは少し遅れましたけどお昼にしましょうか」
「そうだね。ハウ君来てドタバタして忘れちゃってたけど、そろそろお腹も空いてきたし」
「ああ……久しぶりのまともなご飯……うっ……思わず涙が……」
「ぴこ。ぴこ」
「ふふふ、遠慮しないでいっぱい食べてくださいね」
 

【ハウ 幸せ】
【お姉さんズ&芋 おもてなし】
【これから昼食 四日目午後 マンションの一室】
【登場 【ハウエンクア】【牧村南】【高倉みどり】【風見鈴香】『ポテト』】
84名無しさんだよもん:04/05/27 09:57 ID:BfkBhUch
誤字だってのは分かってるんだ。
でもつい笑っちまったYO!
85名無しさんだよもん:04/05/28 03:33 ID:Zetjiugq
まあ念のため。
86名無しさんだよもん:04/05/29 04:04 ID:8x/U9Sxc
ほっ。
87До свидания:04/05/30 00:50 ID:KU96bREn
――――勝負は、ついた。

 女の背中を追い始めてから数時間。感覚的には丸一日以上続いたともいえる、この追撃戦。
 勝ったのは――俺だ。

 どんなに強靭な心を持とうとも、
 どんなに精神か身体を凌駕しようとも、
 如何ともしがたいものはある――――

 最後の最後で、幸運の女神は俺に微笑んだ。

 行き止まり――

 女が飛び込んだ薄暗い山林。俺の中の仙命樹が解き放たれるその場所。
 抜けた先にあったのは、新たな道ではなく――崖。
 垂直に切り立ち、そして水平に広がる巨大な――崖だった。

「俺の、勝ちだ」

 女の背中に向かい、再度言い放つ。
 とうの昔に、ソレは女の目にも飛び込んでいるだろう。
 目の前にそそり立つ絶望。突きつけられた終焉。
 避けようのない、敗北。
 女が、息を、大きく、吐く。
 その背中から立ち昇っていた覇気はたちまち消え失せ、そして――

「……!?」

 ……代わりに吹き出したのは、新たな闘志……これは、『殺気』!?
88До свидания:04/05/30 00:57 ID:KU96bREn
 ターーーンッ……!

 崖にたどり着いた女は、諦めて脚を止めることはせず……高々と跳び上がり、垂直の斜面を、蹴りつけた。

 シュッ……

「ちぃ、ッ!」
 真後ろを尾けていた俺を三角飛びで越え、一回転。俺の後頭部にめがけて強烈な蹴りが疾る。
 わずかに身体を捻ってかわす。衝撃波を伴った脚が俺の右耳を掠め、そのまま音もなく地に降り立った。
 速い……!
 想像していた反撃。想像を超えた一撃。僅かにあった、俺の中の余裕が一瞬で消し飛んだ。

 ブオンッ……!
 女は追撃の手を緩めることなく、上段の後ろ回し蹴りを繋げてきた。
 鼻先2センチを黒い影……靴裏が掠める。
「……やるな。だが……!」
 だが、後ろ回し蹴りは威力が大きい代償として、弱点がある。
 一瞬見えた背に、蹴りを……違う!
「クッ!」
 俺はその場に伏せると、横に跳んだ。
 すぐ脇を女の背中からのタックルが通り過ぎていく……やはりか。
 反撃に対する反撃まで心得ている。この女は……強い。しかも、格闘技のそれではなく……実践で、命と命のやりとりの中で培われた、強さ。

 ヒュ! ファ! フォッ!
 まるで雅曲でも奏でるかのように、空気を切り裂く旋律を伴って女の脚が舞い踊る。
 その動きに、一切の曇りはない。
 どこにこんな体力が残っていたというのだ……!
 内心驚愕しつつも、それを表に出すわけにはいかない。
 一撃一撃を、あるいはかわし、あるいは流し、俺は冷静に反撃の機会を窺っていた。……窺うことしかできなかった。
89До свидания:04/05/30 00:58 ID:KU96bREn
 ヒュッ、フォン!
「……来た!」
 女が連撃の仕上げとして放った回し蹴りをギリギリでかわすと、女の動きが止まった。
 今度は、タックルも来ない。
 そこを狙い、脚払いをかけ……

 パーン……

 ……俺の顎が、浅く、しかし高く、鳴った。
 同時に女の身体が空中に踊る。
 ……踵か。
 背中を見せたのすらどうやら囮だったようだ。
 女は予備動作ゼロの体勢から、高々と後ろ足を蹴り上げ、踵を俺の顎に決めたのだった。
 トン――
 土埃一つ物音一つ立てず着地した女が、体勢不十分の俺を仕留めにかかる。

 懐かしい死の予感が俺の背筋を走る。

 だが、まだだ。
 一か八か。
 必殺の一撃を外せば、まだ逃れる術はある。
 女の、意図は――――
90До свидания:04/05/30 00:59 ID:KU96bREn
『それ』が来ることを、俺は予期できなかった。
 何が幸いしたのか。
 勝利の女神は、相当俺を気に入ってくれたのか。
 最初の言葉を訂正しよう。
 勝負は、俺の負けだった。
 実力ではなかった。
 俺の、負けだった。

 ガシーーーーーーーーンッ!!!

 ギリッ……ギリギリッ……
 女の細くしなやかな右脚が俺の手の中で軋んでいる。
 左右連続からの高速下段膝蹴り。
 狙いは股間か水月か。
 おそらくは数限りない強敵を沈め続けた、必殺の一撃。
 それを受け止めたのは……俺の腕。
「!」
 女が、少し、驚く。
 そして、にやりと、笑う。
 なるほど……

「……せいっ!!!」

 渾身の力を込めて、その脚を放った。
 投げられた女は、跳んだ。いや、飛んだ。
 最初より遙かに高く、そして――――遙かに、美麗に。
 後方伸身……2回。
 美しい。
 臆面なく、掛け値なく、そう思った。
 それは、事実だった。
91До свидания:04/05/30 01:01 ID:KU96bREn
 タンッ……

 埃一つ舞い立てぬ見事な着地。
『戦闘意志なし』の優雅な証拠――腕組み。

 果てなき沈黙と、時の凍結。
 風が凪ぐ。
 女は、その口を開いた。

「……Nice Fight」

 木漏れ日降り注ぐ無色透明の光の中で、女は静かに言った。
 賞賛の言葉がその姿にぴたりと、合っていた。

「……お前こそ」

 そう、これはおそらく……『試験』。

「あなたの勝ちよ。ミスター……」
「……蝉丸だ。坂神、蝉丸」
「ミスターサカガミ。あなたの、勝ち。フフフ……」
 笑った。
 満面の笑みが、その顔に花開く。
「しかし、物騒な試験だな。俺でなければ、どうなっていたことか」
「フフ、ここまで私を追いつめたあなただもの。きっと……いえ、大丈夫と思ったわ」
 悪びれた様子もなく、女は、そう言い切った。
「名前を聞きたい」
「リサ。リサ・ヴィクセン」
「ヴィクセン(雌ギツネ)――」
 似合っている――とは、思ったとしても、口に出すべきことではないだろう。
92До свидания:04/05/30 01:02 ID:KU96bREn
「しかし、なぜあんな試験を?」
「試験は相手を試すためにするものじゃなくて?」
「いや、それはそうだが……」
「ふふ。ごめんなさい。そうね――」
 ヴィクセンは顎に手を当て、しばし逡巡した後……
「あえて言うなら……自分の我侭のため、かしら」
「我侭?」
「そう。どうせ捕まえるなら……彼か、それでなくとも、彼に並ぶ人に捕まえてもらいたかった――そんな、個人的な願いかしら」
 彼――とは誰か。訊くのは――野暮というものか。
「…………それで、俺は、合格……というわけか」
「ええ。文句なしに、ね。私のコンボを破ったのはあなたで二人目。あなたに捕まったのなら、私も文句はないわ」
 ふぅ、と一息つく。
「それでヴィクセン。お前はこれから……どうする?」
「そうね……もう鬼としても活躍できる時間なんて残されてないでしょうし、何よりあなたとの追いかけっこでちょっと疲れたから……
 このあたりでしばらく休むことにするわ。坂神、あなたは?」
「俺は――まだ逃げ手を捜すとしよう。おそらく一番最初に鬼になり、6点どまりというのは少々情けないのでな」
「Wow! Six-points....やるわね、あなた」
「そうも言ってられん。俺の……旧い仲間などは、もっと点を挙げているだろうからな」
93До свидания:04/05/30 01:04 ID:KU96bREn
「じゃあな」
 木の幹に背を預けるヴィクセンを置き、俺はまた道を引き返した。
 ……ある程度距離が離れたところで、ヴィクセンに、言う。
「戦いは……お前の、勝ちだ」
「?」 
「最後の一撃……あれはただの偶然――いや、ここが木陰だったからかわせただけのことだ。
 もう一度あれを見舞われたら、俺もかわせる保証は……ない」
 仙命樹の活性化による感覚神経の鋭敏化……それがなければ、おそらく、アレには……反応することすら難しかっただろう。
 俺が勝てたのは、俺の力によってではない。邪道な手段によって……だ。
 だが、ヴィクセンは再度笑みを浮かべると、
「事実は一つ。あなたは、かわした。それだけよ」
 と言った。
「……そうだな」
 それ以上交わすべき言葉はない。
 俺は無言のまま、その場を後にした。
94До свидания:04/05/30 01:06 ID:KU96bREn
「Foo……」
 木漏れ日を浴びながら、リサは大きく伸びをする。
「NastyBoy……あなたの120%は、あまり当てにはならなかったわ……。私、自信をなくしそう」
 次第次第に、その瞼が重くなっていく。
「逃亡時間、四日間とちょっと。まあ、悪い記録じゃないと……思う、けど……」
 体から力が抜けていき、目の焦点もだんだんと合わなくなってくる。
「……スパスィーバ、坂神……私を捕まえたのが、あなたのような人でよかった……」
 そしてとうとう、その目が閉じられた。
「……イズヴィニーチェ……xxxx……」
 最後に唇がわずかに動き、誰かの名を呼んだ。しかし、それは言葉になっていなかった。

「………………」

 闘いは終わり、地獄の雌ギツネは眠りに落ちた。

「Zzzz…………」

 後に残ったのは、一人の少女、マーシャの小さな寝息だけだった。



【四日目午後 山頂近くの崖の麓】
【マーシャ 鬼化】
【蝉丸 合計6点。鬼としての活動続行】
【登場 リサ・ヴィクセン 【坂神蝉丸】】
95名無しさんだよもん:04/05/30 06:43 ID:u5go1KAT
原作やってるとなるほどと思えるネタだな。
BGMはもちろんFace to Faceで。
久々にRoutesやってみたくなった。
さて、リサが捕まって残りはハクオロ、楓、観鈴、みちるの4人か。
誰が残るやら。
96名無しさんだよもん:04/05/30 07:03 ID:5AY04JxJ
ところで、鬼ごっこって、最後の一人が勝者?一番捕まえた鬼が勝者?時間制限(あったっけ?)に生き残った香具師が勝者?
………まだ決まってなかったような希ガス
97名無しさんだよもん:04/05/30 08:47 ID:Z5CEfKkv
最後の一人が勝者だと、最初っから決まっておるが。
一番捕まえた鬼は、それとは別だ。
98名無しさんだよもん:04/05/30 15:55 ID:uh42yA4G
まぁ基本的には逃げ切ったやつが勝者で、鬼のスコアはおまけみたいなもんだからな。
話の展開上、どうしても鬼のほうがやる気を出しやすいんだが、そこは忘れちゃアカンで。
99名無しさんだよもん:04/05/31 00:05 ID:qy3mLka+
パクリなのか?
100名無しさんだよもん:04/06/01 00:59 ID:wnUijVqS
外部でパクリって指摘があるねぇ。
routes未プレイだがそうなのか?
101名無しさんだよもん:04/06/01 01:17 ID:JUKkBEuz
漏れはわざとほぼそのまま書いたんだと思ったんだが…
102名無しさんだよもん:04/06/01 04:08 ID:mPJblgl1
普通に宗一VSリサをオーバーラップさせて書いたものだとばかり。
103名無しさんだよもん:04/06/01 13:08 ID:vMH7gQHy
諧謔を解せない方なのでしょう。二次創作限定の手法ですな。多用しすぎるのは良くありませんが。
104VER.2:04/06/01 16:02 ID:RaknjFeL
現在地まで更新しました。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/5154/
105VER.2:04/06/01 16:20 ID:RaknjFeL
おっと、それと。
本スレ第8回と感想スレ4のログを保存している方、もしいましたらどこかにageていただけないでしょうか。
htmlファイルとは言わずテキスト部分だけでも構いませんので、よろしくお願いします。
106名無しさんだよもん:04/06/02 00:14 ID:O4Ct2NOY
107名無しさんだよもん:04/06/03 03:03 ID:il1aMQ7v
保守。
108名無しさんだよもん:04/06/04 02:44 ID:oZKqELMI
なるほど、確かにコピー・パクリのレベルだ
コレを何も考えず受け入れる奴もどうかと思うが、まあ良くも悪くも、これ二次創作のお遊びだからな
ラスト近くにこういうのが来たのは個人的に残念だが、別にかまわないんじゃない?
109名無しさんだよもん:04/06/05 20:56 ID:DlN4SFB7
保守
110名無しさんだよもん:04/06/07 15:38 ID:4HY3obyz
111名無しさんだよもん:04/06/08 01:22 ID:dCyKK2H9
112名無しさんだよもん:04/06/08 19:25 ID:LZA28PY6
113名無しさんだよもん:04/06/10 01:08 ID:8ICFGd3q
114名無しさんだよもん:04/06/10 23:00 ID:FGieMcLK
うまー

久しぶりに自分を追い込もう。
週末に、必ず一本は書く。
115名無しさんだよもん:04/06/12 00:37 ID:poyku4Z0
がんがれ。
保守っとくぞ。
116名無しさんだよもん:04/06/12 00:38 ID:5LvUdqoH
それまで保守は任せろ
117名無しさんだよもん:04/06/12 23:54 ID:7SMZAoVq
圧縮近いよ気をつけろ!
118名無しさんだよもん:04/06/13 04:14 ID:8EJfjSuT
保守ほしゅ
119名無しさんだよもん:04/06/13 09:12 ID:QlRvyQJo
まんこ
120名無しさんだよもん:04/06/13 11:36 ID:gzyDfrOf
age
121もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:49 ID:ANK1sJD7
 この島に残された逃げ手は残り4人。
 彼ら全員が、今現在、鬼に発見され、なんとかその手を逃れようとしている最中であった。

 それなりに広い島の中で、わずか4つしかない逃走劇の内の二つが交わる確率など、ごくごく低いものに違いない。
だが、今この瞬間、市街地の一角で、柏木楓とハクオロの逃走劇―――全く対照的な二つの逃走劇が交差しようとしていた。

 互いの接近に気付いたのは、少年とアルルゥである。だが―――

「え? 他の逃げ手がこの先にいるの?」
「うん。このままだともうすぐ出くわすよ」
「え……そりゃ、ちょっとまずいんじゃ……! ハクオロさーん、そっちはヤバイみたいよー!!」

「ハハハ、ほらエルルゥ、こっちだぞ〜」
「フフフ、捕まえちゃいま〜す」

「……だめだ、二人の世界に入ってて、聞きやしない」
「まあ、いいんじゃないかな。どうにでもなるよ」
「あんたもお気楽ね……」
 
 とまあ、ハクオロ側はそんな感じであり、楓側にしても

「おとーさんの匂いって……ハクオロおじ様?」
「ん」
 ユズハの疑問に対してアルルゥは「ん」の一言ですませて、
光岡の手を避けるのに精一杯な楓には、そんな会話ともよべぬ声を聞く余裕など、当然ない。
122もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:51 ID:ANK1sJD7
 故に、背後の鬼に気を取られている楓と、エルルゥと二人の世界に行っているハクオロは、互いの接近に気付かなかった。
「な……!?」
「え……?」
 角を曲がって来たハクオロと、猛スピードで走っていた楓がぶつかるその瞬間まで。


「ぬぅ!?」
 突如身にうける衝撃にハクオロはうめきながらも、
なんとか楓を受け止め、体を軽く回転させながら衝撃を受け流した。次いで、彼女を抱きかかえたまま地を蹴り、横に跳ぶ。
 その一瞬後、後方から猛追してきた光岡の魔の手が、空を切った。
 
「君は……まだ逃げ手なのか!?」
 エルルゥから逃げていたときとは違い、今度は本気で走りながら、ハクオロは腕の中の楓に問う。
 楓も自分とぶつかった相手がまだ逃げ手であることに多少驚いたようだが、
「鬼が来てますよ?」
 ハクオロに、そう警告を送る。
その警告に、オロはわずかにふりかえった。なるほど、男の鬼が猛スピードでこちらに迫ってくる。
「む、これはいかんな」
 小柄な女性とはいえ、一人抱えているのだ。このまま逃げることが可能かどうか?
 さらに走る足を速めるハクオロに、楓が眉をややひそめて、いった。
「おろしてください。その方が速いです」
「いや、しかしだな。それでは君が捕まってしまうだろう?」
「逃げ手同士です……あたなにとっては、私が捕まった方がいいんじゃないですか?」
「む……」
 ハクオロはその問いにやや困った顔を見せたが、
「確かにそれは道理だが……しかし、君もここまで頑張って逃げてきたのだろう? 
私とぶつかってしまったがために捕まってしまったとなると、後味が悪い」
 などと、暢気な答えを返す。
123もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:52 ID:ANK1sJD7
「……ずいぶんと余裕ですね。優勝したくはないのですか?」
「優勝できればそれにこしたことはないが……
しかし、人を押しのけてまで、とは思ってないな。やはりこれは遊戯なわけだしな」
「そうですか……」
 ハクオロの腕の中で、楓はため息をついた。次いで、スっと目を細める。
「ところでわたしはそうじゃありません。わたしは、絶対に優勝したい」
 その言葉ともに、ハクオロの腕をふりほどき、その胸を蹴って横に跳んだ。
その衝撃で、楓とハクオロが左右にはじけ跳んだ。


「む……別れたか!?」
 まさしく捕まえる寸前まで追いついていた光岡は、急停止しながら、
眼前で左右に分かれた楓とハクオロをそれぞれににらむ。どちらを追うか、一瞬迷う。

 楓もまた地面に着地し、次なる跳躍のためにその足にばねを溜めながら、事態の推移を確認する。
いかな楓といえど、人を傷つけてまで優勝したいとは考えていない。
故に今だって相手が傷つくような蹴り方はしていない。蹴った、というより足で押したといった方が正確か。
だが―――
(でも、できればあの人を追って欲しいな……人を押しのけてでも私は優勝したいから)
 そういうふうに楓は思っていた。

そして、ハクオロといえば。
楓に蹴られて軽く痛む胸を押さえながら、彼は苦笑していた。一瞬の動作だが、分かる。
どうもあの少女、身体能力だけならオボロをしのぐ存在らしい。
(考えてみれば、あの鬼から今まで逃げてきたのだからな。当然といえば当然か。これは失礼なことをした)
 故に、あの鬼がこちらを追ってきても構わない、とハクオロは思った。
 楓を軽んじた罪滅ぼしとまでは思わないが、それならそれで相応の罰だろう、ぐらいには思っていた。

 光岡、楓、ハクオロがそれぞれの思惑からほんの一瞬の間停止する。
そして、次のアクションを起こしたのは彼らではなかった。 
124もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:53 ID:ANK1sJD7
「おと〜さん!!」

 その声に、ハクオロがふりむく。その視線の先、民家の屋根の上にいるのは白い虎とそれにまたがる二人の少女の姿だ。
「ア……アルルゥ!?」
 ハクオロがそう叫ぶ間にも、ムックルは屋根の上から跳び、
あろうことかアルルゥはムックルの背中を空中で蹴って、さらにハクオロの方へ飛びついてきた。
「おとーさん!!」
 再度、ハクオロの名前を呼びながら。

 愛娘が父の名を呼びながら、飛びついてくるのである。
 こんなときに、受けとめない父親がいるだろうか?

 いるはずが、なかった。


「ん〜」
「むぅ、アルルゥ……久しいな」
 父の腕に抱かれ頬擦りしてくるアルルゥに、多少困惑しながらもハクオロは笑いかけた。
視線をあげ、ユズハとムックルと目があう。
「ユズハもいたか。体のほうは大丈夫か?」
「はい、おじ様。アルちゃん達のおかげで大丈夫です」
 ずっとムックルにしがみついてきたせいか、多少息を荒げているがそれでもユズハはにっこりと笑いお辞儀をした。
「そうか、それは良かった。お前になにかあると、オボロが大変なことになるからな。
ところで、お前達。私の財布を―――」

「あーーーーーーーーーっ!!」

 ハクオロが財布のことを聞くよりも前に、とんでもない絶叫が天高く響いた。
125もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:53 ID:ANK1sJD7
「な、な、なんで……なんで、アルルゥが捕まえちゃってるんですかぁーーーーっ!?」
「エ、エルルゥ……?」
 ふりむくとそこには、こちらを指差しワナワナと震えるエルルゥの姿が。
ようやく追いついてきたらしく、マナと少年の姿もエルルゥの背後に見える。
「なんでなんですか!? ああもう!! せっかくいい雰囲気だったのに……!!」
 足を怪我したなんて事実はどこにいったのやら。エルルゥは身を震わせながらツカツカとハクオロの方にやってくる。
「どういうことなのか、説明してもらいますからね!! ハクオロさん!!」
「いや、おちつけ!! 説明と言われても、これはどう考えても不可抗力としか言いようが……!!」
 うろたえるハクオロの腕の中で、アルルゥは勝ち誇った笑みをみせる。
「ヴァヴァア、うざい」
「う、うざ!? な……なんですってぇ……!?」
「いや、アルルゥ。どこでそんな言葉を覚えたのだ!?」
「ん〜」
「ほ、頬ずりまでしちゃってぇぇっ!! も、もう許せません!! ガブッ」
「か……かむなぁ! 地味に痛いぞ!?」
「ん、ガブリ」
「真似するなアルルゥ!! あ、痛い! でもちょっと気持ちいい!? 
ぐおぉぉっ、私が一体何をしたというんだぁぁっ!!」
 二人に首筋を噛まれながら、ハクオロは天に向かって叫んだ。


「……みかけどおり、変態みたい」
「……いや、あの男は何者なのだ?」
 そんなハクオロ達をみて、思わず立ちすくむ楓と光岡。
 我にかえり、逃げ手と鬼という互いの立場を思い出したのが、同時。
126もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:55 ID:ANK1sJD7
「水が入ったが……今度こそ仕留めてみせる!!」
 裂帛の気合と共に地を蹴る光岡に対して楓は一瞬注意と視線を向け、逃走にかかろうとする。

―――その刹那、意識の死角をついて、黒い悪魔が、音もなく現れた。

「つぅ……っ!?」
 まるでそれは一つコマの足りないアニメーション。
 光岡を一瞬ふりむき、次いで逃げる方向へ視線を戻したとき、そこにはいつの間にか悪魔がいた。

 驚きの声さえろくにあげられぬ楓に、悪魔はニッコリ笑って、
ほんの少し体を傾け、まるで挨拶するかのように右手を軽く上げた。
「〜〜〜っ!!!」
 頭の中が白くなったまま、楓は悪魔の動きに反応して、
その右手から逃れるように右―――そいつからみれば左の方だ、もちろん―――跳ぶ。

そして―――
「そ……んなっ!?」
 本当の驚愕は、次の刹那だった。彼女が地を蹴り跳んだ先。そこには―――
「……え?」
 なんとかハクオロ達を収めようと奮闘していた、マナの姿が。

「つぅぅっ!!」
 無理に体をひねり、なんとか正面衝突を避けて、マナの傍らに着地する。
その無理な体勢から、それでも次の一歩を出すのと、
「え……ええええっとぉ!?」
 状況を飲み込めぬまま、それでも反射的にマナが右手を伸ばすのが同時。

 否、ほんのわずかだけ、マナの方が速かった。
127もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:55 ID:ANK1sJD7
「あ……あはは! やった!? もしかして一ポイントとっちゃったの、私!?」
 楓の背にわずかに触れた右手を見ながら、はしゃぐマナ。
だが、がっくりと膝をつく楓の方をチラリと見て、すこし気まずくなったのか、
「あー……」
 と、ガリガリ頭をかいた。
「でも運だよね、運。ラッキー……あんた達からみたらアンラッキーか。
コッソリ近づいたこいつにビックリして、私の方にとんできちゃうなんて」
 申し訳そうな顔をしながら、それでもどこか嬉しさを隠しきれぬ顔でマナはぺこりと楓と光岡に頭を下げた。

(違う……これはそんなのじゃない……)
 楓は、ごめんねと再度謝りハクオロ達の方へ再度割り込もうとするマナの小柄な体をみつめながら思った。
 次いで、光岡の方に目を向け、その顔に浮かぶ苦々しげな表情を見て自分の考えが間違いないと悟る。

 そう、これは運なんかではない。楓が光岡に注意を向けたその一瞬を狙って、この少年は楓の死角をついて接近した。
 そして、楓が反射的にマナの方向に跳ぶように、右手の動きとわずかな姿勢の変化だけで誘導したのだ。 

 光岡がため息混じりにつぶやく。
「上には上がいるということか」
「いや、やはり機をつかめたのは、運だと思うよ」
 少年もまた、マナと同じように申し訳なさそうに笑った。
「本当は、この鬼ごっこの間は本気を出すつもりはなかったんだ。道化役を演じる傍観もいいかなってね。だけど―――」
 腰に手を当て、なかば呆れながらハクオロを助けようとするマナを見ながら少年は言った。 

「叶う事ならせめて最後に、この鬼ごっこで一瞬でも勝負したっていう実感をプレゼントしたかったんだ。
誰かの事に世話ばかり焼いて自分のことをかまってやれない、あのお節介焼きなお嬢さんに、ね」
128もし、学んだことがあるのなら:04/06/13 14:59 ID:ANK1sJD7
 だからごめんね、と謝る少年に光岡に首を振った。
「勝負の場において、そのような謝罪は無用。悪いのは己の未熟だ。
いや……己の未熟を悟れただけでも、収穫か」
 その言葉に、膝をついていた楓もようやく立ち上がった。
「……そうですね。私も学んだこと、あります」
 楓は、なおもハクオロを取り合うエルルゥとアルルゥを見てチラリと笑った。

 多分、容姿も似てるし姉妹なんだろう。あの光景は、まるでどこかの4人姉妹と一人の従兄弟のようだ。
 だけど、こっちのほうが、ずっとほのぼのしてる。素直に自分の気持ちを言っていて、それがちょっと、羨ましい。
まあ、4人姉妹の方が殺伐としているのは、おおむね長女に責任があるような気がするが―――

 だが、楓はそのことは口にはせず、再度クスリと笑って、言った。
「女の嫉妬は、見苦しいですね」
と。

【四日目午後 市街地の一角】
【ハクオロ、楓、鬼化。鬼なったのは楓の方が後】
【アルルゥ、ハクオロゲット】
【マナ、楓ゲット】
【残り 二人】
【登場 ハクオロ、柏木楓
【【エルルゥ】、【少年】、【観月マナ】、【光岡悟】、【アルルゥ】、【ユズハ】】
【登場動物:『ムックル』『ガチャタラ』】
129名無しさんだよもん:04/06/13 16:05 ID:w3QVo8NF
あと2人……
正確には捕まえるのはあと1人……
みちるはともかく、観鈴が捕まる場合は捕まえた方がトップランカーになる……

果てさて……いよいよクライマックスか。
130The Beginning of the End:04/06/15 14:36 ID:ssmj/733
 太陽が中天を通り過ぎた頃、ここ、鶴来屋別館屋上では数人の男女が死んだ…………ように眠りこけていた。
「まなみ……俺が悪かった……どうか機嫌を直してくれ……」
「晴香……俺は悪くないんだが……とりあえず戻ってきてくれ……」
 おそらく今回の企画でもトップクラスについていないであろう2人、山田まさき&巳間良祐。
「………うにゃ〜、む〜、くす〜……」
 いつでもどこでも眠れるお気楽ねこ、たま。
「……どうですかメイフィアさん」
「こりゃ〜キツイわね〜……直すのはちょ〜っと無理っぽいかしら……」
 そして四散した屋台の破片と睨めっこをしてはため息をつく、メイフィア&フランソワーズ。
 誰も気づかねぇのか、とか。トイレはどうしたんだ、とか野暮なツッコミはどこ吹く風で丸一日。
 ひたすら彼らは待っていた。待ち続けていた。

 ……福音が訪れる、この時をただひたすらに!

 ババババババ……
 鳴り響くローター音。
 ちゃっちゃかちゃ〜んちゃん、ちゃっちゃかちゃ〜んちゃん……
 ベトナムでかき鳴らされた音楽。

「これは……?」
 メイフィアが呟いた疑問の声に答えるように
「……リヒャルト・ワグナー……」
 水を吸った毛布を頭からかぶり、死にそうな顔の良祐が起きあがった。
「ニーベルングの指環……」
 そして見据える。東方より来たる賢者たちを。
「……ワルキューレの騎行!」
 福音をもたらす神の使いを。
「地獄の黙示録か!」

 キュバババババババババババ………!

131The Beginning of the End:04/06/15 14:37 ID:ssmj/733
 山田まさきも起きあがり、叫んだところで屋上を凄まじい突風が襲った。
 見ればホテルの周りを何機もの大型輸送用ヘリコプターがホバリングしている。
「なんだ!? 何事だ女将!?」
「さあ……? なんか主催者側がアクション起こすってったら私のとこにも連絡来るんだろうけど……」
 クイッと顎で屋台だったものを指す。
「無線機もあの中だしね」
「おい見ろ!」
「!」
 続いてその中の一機……唯一の通常サイズのヘリが屋上に近づき、淵に横付けするような形になった。
 そのドアを開け、中から出てきたのは……
「……こんにちは、良祐さん」
「あ、あなたは水瀬さん!?」
 ヘリ内の座席で横を向き、良祐らの真正面に現れたのは紛れもなく管理者・水瀬秋子。
 良祐にとっては二日ぶりの再開である。感覚的には一年ぐらい開いてる気もするが……
「な、何事ですかこれは!?」
「ちょ、ちょうどよかった!」
 しかし良祐の問いをかき消すように、2人の間にまさきが割って入った。
「た、助けてくれ! 助けてください! もう丸一日ここに閉じこめられてるんだ! 降ろしてくれぇ!」
 恥も外聞も投げ捨てたまさきの懇願。が、秋子は困ったように微笑んで頬に手を当てると
「申し訳ないのですが……それはできかねます」
「なぜだぁ!」
「一応私も管理側に所属する身なので……直接参加者個人に利する行為はできないのです」
「そ、そんな……」
 がっくしとうなだれるまさき。
「あー、ですが……えーと……」
 そんなまさきを見、形のよい眉をひそめて何やら困ったような……言葉を探しているような様子の秋子。
「その……一応これだけはお伝えしておきます。『もう少しの辛抱』ですよ」
「え……?」
「は……?」
「それでは私も仕事があるので失礼します。これからも頑張ってくださいね」
 そしてバタンとドアを閉め、そのまま地上へと降りていった。
132The Beginning of the End:04/06/15 14:38 ID:ssmj/733
「……お、女将。今の言葉……どういう意味だ?」
 まだやや呆けた表情のまま、良祐が問いをメイフィアにぶつけ直した。
「残念ながらそれに答えることはできないわね。管理者があれしか伝えられないと判断したのなら、私らもそれに従うのみ」
「……もう少しの辛抱ってことは……つまり」
 続いての問いはまさきに。
「ああ。そういうこと……だろうな」
 2人で頷き合う。

「皆さん、ご飯ができましたよ」
「お昼にしましょう!」
 時間はほんの少し戻り、場所はホテルの中。
「はぁ〜、もうお腹ペコペコよぉ〜」
「朝だってしっかり食ってたくせに何言うんだよ」
「寝ても覚めてもお腹は減るもんなのよ。それが正しい生物としての食物連鎖」
「その単語、使い方違うわよ」
「ぐっ……」
「ふふふ。それより急ぎましょう。冷めてしまいますよ」
「そうだね。……というかもう俺たちホント鬼ごっこしてないよな」
「まーそれはそれで一つのやり方だし」
 ホテルの食堂、その一角で食事の準備をしているのは由美子と千紗。呼ばれて出てきたのは芳晴・コリン・雪見・なつみ・健太郎・広瀬の6人。
 現在ホテルにいるのはこの計8人。色々あったが共に過ごす時間だけは長く、それなりに仲良くなっていた。
「それにしても一時に比べてだいぶ静かになってしまいましたね」
「まあそうね。真っ昼間っからホテルでゴロゴロしてるのなんて怪我人か」
「芳晴みたいな暇人てトコだけだろうしね」
「おい……」
「まあ皆さんそれぞれ思うところがあって出かけてるのでしょうし、いいんじゃないでしょうか」
「はにゃ〜、皆さん早くご飯食べてくださいよぅ。千紗もがんばったんですから〜」
「おっとごめんごめん。それじゃ、いただきま……」

 キュバババババババババババ………!
133The Beginning of the End:04/06/15 14:38 ID:ssmj/733
「なんだアレは!?」
「ヘリ……よね!?」
 場所はさらに移り、ホテルの外。距離的にはやや離れた場所。
「まさか誰かのアイテムか!?」
「んなわけないでしょ!」
 ホテルへ戻る途中だった柳川と、彼に抱きかかえられた名倉友里。
「いや、わからんぞ。何せあのバカでかい化け物になるアイテムが配布されている状況だ」
「う……まあそれを言われてみれば……確かに……けどっ!」
「……なんて言い争いをしている場合ではなかったな。とにかく見に行こう! どのみちあそこはホテルだ!」
「そ、そうね!」

「な、な、な、なにごと芳晴君!?」
「わ、わかりゃしませんよ!」
 戻って食堂。突然の轟音と突風によってガタガタと揺れる窓。やって来たのはいただきますの挨拶と同時だった。
「よ、芳晴見てよあれ! 兵士!?」
「なんだってんだいきなり!?」
 外に飛び出してみた一行が見たのは、開け放たれたヘリの口から次々に降下してくる武装した兵士の姿。
「まさかロワイアル!?」
「むしろサバイバル!?」
「今度は戦争ですか!?」
「こ、こうなったら仮面でもう一度ユミコネミテアに……」
「だぁぁっ! ちょっと待ってください由美子さん! 様子がおかしいですよ!」
 確かに芳晴の言うとおり。兵士らの様子がおかしい。
 地に降り立った兵士は芳晴らはまるで無視……どころか、すれ違いざまに一礼しながら、次々とホテル内へと突入していった。
「……な、なんなんですか〜……?」
 千紗の半分泣きが入った呟き。それと同時に
「どうやら驚かせてしまったようですね。申し訳ございません」
「……!?」
 覚えのない声が聞こえてきた。一行の目線が集中する声の元……唯一の通常サイズヘリコプターはゆっくりと地に降り立つと……
 バン!
 とドアを開け、その中から一直線に赤絨毯を吐き出した。
134The Beginning of the End:04/06/15 14:39 ID:ssmj/733
「はじめてお会いします。私は今大会管理の一端を担当させていただいている水瀬秋子と申します」
 赤絨毯の上をゆっくりと歩き、芳晴らに向き合うと秋子は恭しく一礼した。
「実はこの建物は表彰式や閉会式その他もろもろの式典の会場となっておりますので、その準備をしに参りました」
「閉会式の準備……ですか?」
「はい」
「コマンダー秋子! 施設破損箇所修復準備整いました!」
「了承」
「コマンダー秋子! 施設罠解除準備整いました!」
「了承」
「コマンダー秋子! 施設大ホール設営準備整いました!」
「了承」
「コマンダー秋子! 施設清掃作業準備整いました!」
「了承」
 ……などと芳晴と会話をする間にも、次々と兵士たちから寄せられる報告に的確な指示を与えている。
「っていうか了承了承言ってるだけじゃないの?」
「コリン、それは思っても言ってはいけないことだ」
「そういうわけですので」
 仕切直すように、秋子が口を開く。
「少々騒がしくなると思います。お食事の邪魔でしょうが、ご了承お願いします」
「了承」
 芳晴は一秒で答えた。
「ありがとうございます。では……」
 それだけ言い残し、秋子もホテルの中へと消えていった。
「…………閉会式の準備ということは……」
 確認するように、なつみが呟く。
「そういうこと、だろうね」
 やや名残惜しそうな微笑みと共に、健太郎は答えた。
135名無しさんだよもん:04/06/15 14:40 ID:ssmj/733
「……なるほどな、そういうことか」
 続いての声は森の中から聞こえてきた。
「……その声は!」
 一番最初に反応したのは、その声を待ちわびた、待ち続けていた由美子だ。
「やなが……あああっ!!?」
 振り向いた由美子の目に映ったのは、彼女の想い人柳川と
「もうすぐこのゲームも終わりってことね」
 彼に抱きかかえられた女性、名倉友里の姿。


 そして終わりが始まった。


【四日目 午後 ホテル(鶴来屋別館)】
【芳晴・柳川一行 ホテル前】
【良祐一行 ホテル屋上(軟禁)】
【由美子・柳川 再会】
【ホテル内では秋子を指揮官として兵士らが式典の準備・施設の復旧作業中】
【登場:
【巳間良祐】【山田まさき】
【城戸芳晴】【コリン】【小出由美子】【塚本千紗】【牧部なつみ】【深山雪見】【宮田健太郎】【広瀬真希】
【柳川祐也】【名倉友里】
『メイフィア』『フランソワーズ』『たま』『水瀬秋子』】
136名無しさんだよもん:04/06/15 22:16 ID:mkX1RBtS
もう最終局面だな。
あと少しだ。

つーか良祐らはなんで軟禁されてるんだっけ?
137名無しさんだよもん:04/06/15 22:53 ID:J5Wy9g9L
あと少しだねぇ。そうか、もう一年以上やってるんだな……

了承コンボ藁田。
後、ようやく柳川と由美子の伏線が消化されたな。ちょっと気になってたんだけど。
残ってる伏線、終了していないパートって言うと、覚えている限りだと、
繭の手紙。
久瀬の佐祐理探し。
由依の復讐。
和樹と彩達ぐらいか。

ま、全ての伏線にけりをつけるのなんて無理だっていうのは分かってるけど。
138名無しさんだよもん:04/06/15 23:04 ID:aKX9cWau
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/5154/LOG01/SS/657.html
>>136
屋台が事故りかけたところで鶴来屋別館屋上にシュインで避難。
しかしドアが内側から閉まってて出るに出られず、その上ユミコが屋台を破壊して地味に遭難てところだな。
139名無しさんだよもん:04/06/15 23:05 ID:JPsrGiWd
もうすぐ終わりか…優勝者はどっちだ?

そして超ダンジョン組にも救済の手を…w
140Ver.2:04/06/16 00:23 ID:vTQfRvjz
更新しました。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/5154/




……エンディング記念の絵とか誰か書いてくれたら嬉しいなー……とボソッと言ってみるテスト。
141名無しさんだよもん:04/06/16 00:59 ID:4zl250Uo
>>140
乙です。

そして結果は…
「く・お・ん・ち・き・しょぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!」
 腹の底から叫ぶ。まるで己を鼓舞するかのように。
 空きっ腹。疲労困憊。状況はけして良くない。
 つーか悪い。最悪に近い。
 それでもみちるはまだ負けるわけにはいかなかった。捕まるわけにはいかなかった。
 今までハクオロや美凪と過ごしてきた時間が脳裏をよぎる。
 最後にちょっとだけ血みどろ大神の姿がよぎる。
 2人とついでに1人のためにも――――まだ
「つ・か・ま・る・わ・け・に・は・いかないんだぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーッッ!!!!!」

「μ! 早い!」
 逃げるというか走るというか、転げ落ちるように森の中を駆け抜けるみちる。それを後ろから追うのは繭・郁美・さいかの被保護トリオ。
「あれが火事場の馬鹿力というものでしょうか」
 前衛を駆けるのは繭・郁美の年齢不詳コンビ。たぶん、同じぐらい?
 郁美も前評判ほどは脚が遅くなく、一行の中では一番体力があると思われた繭の真横をぴたりと尾けていた。
「あなた、名前は?」
「繭。椎名繭」
「繭ちゃんだね。私は郁美。よろしく」
「郁美……うん」
 お互い横目で互いを確認しながら簡単な自己紹介を済ませる。
「で……」
 そのまま目線を後ろにやる繭――――が、自分にワンテンポ遅れて出撃した幼女の姿はだいぶ後ろにあった。
「さいか……ちゃん。そうか……!」
 続いて郁美もそれに気づく。
 考えてみれば当たり前である。さいかは一行の中で一番歳が幼く、すなわち体力がなく、脚も遅く、しかもありがたいことに先日まで病気を患っていて
 現在病み上がりの状態らしい。これまで脚はカルラを代わりとしてきたため表面化することはなかったが、1人で走るとなるとこうなるのは自明の理だった。
(――どうすれば)
 一瞬思考を巡らせる郁美。
 共に半日以上を過ごした中。しかもその生い立ちは似ている部分も多い。自分にもなかなか懐いてくれ、いつか欲しいと思っていた妹ダブらせた節もあったが、
 ここで彼女を助けるとなると、目の前の少女を見逃しかね
「μ!」
 しかし彼女が考えをまとめる前に繭が動いた。
 彼女は後ろにバックステップで一歩飛ぶと、驚く2人を尻目にさいかの小さな身体を抱き上げ、再度駆けだした。
「え!」
「はい!?」
 思わず目を丸くする2人。
「……え、えと……なんで……?」
 とりあえず一番驚いてるのはさいか自身だ。お世辞にも大きいとは言えない繭の胸の中で疑問を口にする。
「みんな、一緒に、追う。助け合って、一緒に……捕まえる!」
「…………」
 その言葉を聞き、郁美はフッと唇を綻ばせた。同時に、自分を恥じた。
 一瞬でも、僅かでも、自己中心的な考えを巡らせてしまった、己自身を。
「……そうだね。みんなで一緒に頑張ろう。繭ちゃん、疲れたら言って。私が代わるから!」
「はい」
「え? わ、とっとと!!」
 郁美が言った瞬間、繭はさいかの身体を手渡してきた。
 手を伸ばし、慌ててそれを受け止める。
「ま、繭ちゃん!?」
「ちょっと疲れた」
「…………」
 その言葉を聞き、再度郁美はフッと唇を綻ばせた。
 まあ、今度は多分に苦笑の要素が混じった笑みだったのだが。
「どっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「!」
 ギリギリの追撃戦を続けることしばし。不意に、3人の目の前からみちるの背が消えた。
「どこ……?」
「だんさだ! どてになってるんだ! おねえちゃんたち気をつけて!」
「土手!?」
 さいかの警告に従い、注意深く歩を進める……なるほど。
 確かにみちるの背が消えたあたりで足裏の感触が無くなっていた。
 鬱蒼と生い茂る木々の葉で非常にわかりにくくなっていたが、そこには確かに大きな段差があった。
 ……ということは……
「あの子……ここを真っ逆さまに?」
「みゅー……」
 慌てて下をのぞき込む……と。
「ふにゅぅ………」
 見事に頭からつつき落ちたみちるが泥の中に頭を突っ込み、ディ●ニーアニメな様になっていた。
 しかし……
「ぬぐ……ぬぐぐ……ぬぐぐぐぐぐ……」
 二十の指を大地に突き立て、両腕に力を込め……
「これくらいで……負けっかぁぁぁぁ! こんちきしょー!!!」
 一気に頭を引き抜いた!
「ファイトぉぉぉぉぉぉーーーーー! いっぱぁぁぁぁーーーーーーーーーーツッ!!!!」
 だがその姿はすでに満身創痍である。
 顔は真っ黒髪は泥だらけ、服も所々破けて今の落ちた時の怪我か鼻の頭を擦りむいている。
「しかしみちるは負けない! それが……オロとの! 美凪との! 約束だからだぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!」
 限界を超えた身体に鞭打ち、みちるは再度駆けだした。
「みゅー……すごい……」
「か、感心してる場合じゃないですよ! い、急いで追わないと!」
「けど……ここ、結構高い……」
 確かに。崖と呼ぶにはさすがに小さいが、小さな彼女らが気軽に飛び降りれる高さでもなかった。
 着地に失敗すれば足をくじくことも充分考えられる。
 ……返す返すもここをモロに落ちて無事だったみちるの体力と執念、幸運には驚かされるところだが……今は感心している場合ではなかった。
「どうすれば……」
 アビスボートな台詞を呟きかけた郁美。しかしそれを遮ったのは差し出された小さな手だった。
「おねえちゃん、これ! いそごう!」
 差し出されたのは、さいかの手。太い蔓が握られた小さな手。
「これをつたっていそごう! 逃げられちゃうよ!」
 言うやいなやさいかは土手下に向かって蔓を投げつけるとそれをしっかりと掴み、するすると器用に下の地面へと降り立った。
 慌てて繭と郁美もそれに習う。
 一瞬息を整えると再度さいかを抱き直し、みちるが消えた方向に向かう。
 そんな中、郁美が問いかけた。
「さいかちゃん……さっきのは、なに?」
「あそこにあった木。あれはよく太いつるが巻き付いてる木。カルラおねぇちゃんにおしえてもらった」
「……………」
 今日何度目だろう? 郁美は唇を綻ばせた。
『助け合って、捕まえる』
 なるほど……たしかに。
 繭だけでも、自分だけでも、さいかだけでも――この追いかけっこは、完遂できないだろう。
 なら……
「急ごう繭ちゃん! あの子も、いくらなんでもそろそろ限界のはずだよ!」
「μ!」
 助け合って、そして勝利を、この手に……いや、みんなの手に――!


【繭・郁美・さいか みちるを追う】
【みちる 満身創痍。かなりギリギリ】
【四日目午後 森の中】
【登場 みちる・【椎名繭】・【立花郁美】【しのさいか】】
146名無しさんだよもん:04/06/16 02:49 ID:PhXTcSB5
訂正。
>>144
×> 二十の指を大地に突き立て、両腕に力を込め……

何者だ、みちる。

○> 十の指を大地に突き立て、両腕に力を込め……
147名無しさんだよもん:04/06/17 10:55 ID:zDbpywud
次あたりか。
148名無しさんだよもん:04/06/19 02:17 ID:Ju98kItz
あと一歩。
149名無しさんだよもん:04/06/19 12:57 ID:BATkF7SD
ライバルになると思ったら、協力したか。
意外でもあり、納得もいったな。いい感じに個性が出ていると思う。

さて、二つのチェイスのすりあわせが難しいところだが。
確かに後、一歩。がんばってくれ。
150名無しさんだよもん:04/06/20 00:14 ID:+5oBhXii
もう時間軸は出てきた順番どおりって考えるのかな?
151名無しさんだよもん:04/06/20 00:19 ID:odn4dNrT
捕まった順番かな?
確かに優勝争いなわけだし重要なトコだけど・・・。
まぁ、出てきた順番どおりっしょ、ほぼ同じ時間軸で進んでるし。
152名無しさんだよもん:04/06/20 20:10 ID:SIBEiNpC
ううむ、素直に行くか、意外性に走ってみるか…
どうするか…
153名無しさんだよもん:04/06/21 23:26 ID:QQkFYiP5
何を悩んでいるのか手に取るように分かるよw
154名無しさんだよもん:04/06/23 02:30 ID:HPIBQr6n
難しい……
ランカーズをまとめて描くより難しいぞここは……
155名無しさんだよもん:04/06/24 03:33 ID:m8unOmCz
がんがれ
156名無しさんだよもん:04/06/25 02:23 ID:+cpNkO4m
よし、週末書こう。
157名無しさんだよもん:04/06/26 10:23 ID:C5KaZQmE
    __
   ,.'´ヘヾソヘ   
   ,.!ミlイ゙゙'""l'| >156さん頑張ってくださいね
.   リヾi'|´ー`ノi|
.  从 ('i∨i')
    〈,UJ,〉
      し'ノ
158訳あって改名:04/06/26 22:33 ID:lQ4iD1Ir
直って無い様なので一言。参加者の総数は千鶴さん含めて166人ですよ
159訳あって改名:04/06/27 10:10 ID:WHnPuV1b
いきなりですが、終わりも近いと言うことで逃げ手ランキング。まずは166位から161位まで
166:柏木千鶴(主催者)
 ” :御堂(柏木千鶴)
164:坂神蝉丸(柏木千鶴)
163:七瀬留美(柏木千鶴)
162:国崎往人(柏木千鶴)
161:広瀬真希(坂神蝉丸)
160訳あって改名:04/06/27 10:49 ID:WHnPuV1b
160位から151位まで(括弧内はどの鬼に捕まったか。?は捕まった時が
分からないので出てきた順か、その時の状況から判断した順位です。)
160:月宮あゆ(柏木千鶴)
159:ディー(月宮あゆ)
 ” :森川由綺(御堂)
157:緒方理奈(御堂)
156:美坂香里(御堂)
155:折原浩平(七瀬留美)
154:トウカ(折原浩平)
153:ビル・オークランド(月宮あゆ)
152:月島拓也(柏木千鶴) ?
 ” :山田まさき(柏木千鶴)
161訳あって改名:04/06/27 11:05 ID:WHnPuV1b
150位から141位まで
150:皆瀬まなみ(柏木千鶴)
149:ウルトリィ(国崎往人)
148:新城沙織(美坂香里)
147:神奈(ディー)
146:光岡悟(坂神蝉丸)
145:エリア・ノース(柏木千鶴)
144:宮内レミィ(ディー)
143:伊藤(坂神蝉丸)
142:天沢郁未(広瀬真希)
 ” :住井護(美坂香里)
162訳あって改名:04/06/27 11:36 ID:WHnPuV1b
140位から131位まで
140:北川潤(美坂香里)
139:コリン(光岡悟)?
138:立田七海(森川由綺)
137:塚本千紗(御堂)?
136:鹿沼葉子(塚本千紗)
135:水瀬名雪(皆瀬まなみ)? (142〜135?)
134:倉田佐祐理(柏木千鶴)? (144〜134?)
133:雛山理緒(倉田佐祐理)
132:宮田健太郎(月宮あゆ)
 ” :長森瑞佳(折原浩平)


163名無しさんだよもん:04/06/27 13:11 ID:NPxnS3Kv
お疲れ。なつかしい奴らがそろってるな。
続きもよろしく。
164訳あって改名:04/06/27 13:45 ID:WHnPuV1b
130位から121位まで ここから時間軸がいろんなとこにいくので
             どこまで正確にいけるか
130:スフィー(折原浩平)
129:セリオ(美坂香里)
128:しのまいか(ディー)
127:那須宗一(坂神蝉丸)
 ” :矢島(雛山理緒)
125:垣本(雛山理緒)
124:ニウェ(月島拓也)
123:エルルゥ(塚本千紗)
122:リアン(エリア・ノース)
121:相沢祐一(水瀬名雪)
165訳あって改名:04/06/27 14:05 ID:WHnPuV1b
120位から111位まで
120:太田香奈子(セリオ)
 ” :縦王子鶴彦(緒方理奈)
118:横蔵院蔕麿(緒方理奈)
117:ハウエンクア(皆瀬まなみ)
116:巳間良祐(ディー)
115:伏見ゆかり(折原浩平)
114:しんじょうさおり(水瀬名雪)
113:澤倉美咲(水瀬名雪)
112:石原麗子(太田香奈子)
111:ヌワンギ(美坂香里)
166訳あって改名:04/06/27 14:16 ID:WHnPuV1b
110位から101位まで
 ” :河島はるか(那須宗一)
109:三井寺月代(坂神蝉丸)
 ” :ゲンジマル(天沢郁未)
107:久瀬(ニウェ)
106:醍醐(御堂)
105:名倉由依(天沢郁未)
 ” :オボロ(久瀬)
103:立川雄蔵(久瀬)
 ” :グラァ(久瀬)
101:ドリィ(久瀬)
167訳あって改名:04/06/27 14:32 ID:WHnPuV1b
100位から91位まで
100:芳賀玲子(オボロ)
 99:牧部なつみ(宮田健太郎)
 98:藤井冬弥(森川由綺)
 97:少年(天沢郁未)
 96:桜井あさひ(緒方理奈)
 95:観月マナ(少年)
 94:阿部貴之(伊藤)
 93:川澄舞(月宮あゆ)                             
 ” :エディ(神奈)
 91:橘敬介(鹿沼葉子)
168訳あって改名:04/06/27 14:44 ID:WHnPuV1b
90位から81位まで (@にはセリオ1、太田香奈子1、美坂香里2ずつ入る)
 90:篠塚弥生(国崎往人)
 89:相田響子(ウルトリィ)
 88:サラ・フリート (山田まさき)             
 87:ティリア・フレイ(サラ・フリート)
 ” :清(略) (ディー)
 85:田沢圭子(ディー)
 ” :保科智子(@) 
 ” :坂下好恵(@) 
 ” :柏木初音(@)
 81:川名みさき(@)

169訳あって改名:04/06/27 15:03 ID:WHnPuV1b
80位から71位まで
 80:美坂栞(美坂香里)
 79:杜若きよみ(黒)(ドリィ)間違えました99〜93の間です
 78:七瀬彰(しんじょうさおり)
 ” :藤田浩之(縦王子鶴彦)
 76:長岡志保(横蔵院蔕麿)
 75:高槻(巳間良祐)
 74:椎名繭(高槻)
 73:デリホウライ(御堂)
 72:A棟巡回員(鹿沼葉子)
 71:深山雪見(天沢郁未)
 
170訳あって改名:04/06/27 15:20 ID:WHnPuV1b
すいません80〜71まで間違いがあったため訂正します
 80:美坂栞(美坂香里)
 79:杜若きよみ(黒)(ドリィ)間違えました99〜93の間です
 78:七瀬彰(しんじょうさおり)間違えました112〜93の間です
 77:高槻(巳間良祐)
 76:椎名繭(高槻)
 75:デリホウライ(御堂)
 74:A棟巡回員(鹿沼葉子)
 73:深山雪見(天沢郁未)
 ” :高瀬瑞希(国崎往人) 
 71:九品仏大志(国崎往人)
 
171訳あって改名:04/06/27 15:45 ID:WHnPuV1b
70位から61位まで
 ” :牧村南(折原浩平)
 ” :風見鈴香(折原浩平)
 68:高倉みどり(折原浩平)
 67:マルチ(石原麗子)
 66:クーヤ(マルチ)
 ” :長谷部彩(桜井あさひ)
 64:杜若きよみ(白)(桜井あさひ)
 ” :小出由美子(緒方理奈)
 62:城戸芳晴(緒方理奈)
 61:長瀬祐介(森川由綺)

 
 
172訳あって改名:04/06/27 15:58 ID:WHnPuV1b
60位から51位まで
 ” :神岸あかり(川名みさき)
 59:氷上シュン(川名みさき)
 58:佐藤雅史(醍醐)
 ” :来栖川綾香(北川潤)
 56:来栖川芹香(来栖川綾香)
 ” :千堂和樹(天沢郁未)
 54:巳間晴香(天沢郁未)
 53: 藍原瑞穂(久瀬) 
 52:柏木耕一(オボロ)
 51:柏木梓(高瀬瑞希)
173訳あって改名:04/06/27 16:10 ID:WHnPuV1b
50位から41位まで
 50:御影すばる(ヌワンギ)
 ” :日吉かおり(河島はるか)
 48:江藤結花(河島はるか)
 47:ユズハ(深山雪見)
 46:アルルゥ(深山雪見)
 45:湯浅皐月(藍原瑞穂)
 44:梶原夕菜(柏木耕一)
 43:澤田真紀子(ディー)
 42:松原葵(オボロ)
 41:天野美汐(久瀬)
 
174訳あって改名:04/06/27 16:24 ID:WHnPuV1b
40位から31位まで
 40:月島瑠璃子(天野美汐)
 39:沢渡真琴(天野美汐)
 38:姫川琴音(松原葵)
 ” :藤田浩之(縦王子鶴彦)
 36:長岡志保(横蔵院蔕麿)すいません。この2人43〜61位までの間に
 35:霧島聖(御堂)
 34:緒方英二(緒方理奈)
 33:松本リカ(天沢郁未)
 ” :砧夕霧
 31:桑島高子
175訳あって改名:04/06/27 16:39 ID:WHnPuV1b
30位から21位まで(あ、前の2人捕まえたのは七瀬留美です)
 30:ダリエリ(砧夕霧)
 29:神岸ひかり(長瀬祐介)
 28:サクヤ(縦王子鶴彦)
 27:神尾晴子(折原浩平)
  ”:クロウ(ゲンジマル)
 25:猪名川由宇(ゲンジマル)
 ” :大庭詠美(デリホウライ)
 23:立川郁美(デリホウライ)
 22:しのさいか(デリホウライ)
 21:カルラ(しのさいか)
176訳あって改名:04/06/27 16:42 ID:WHnPuV1b
ええ一気にやってしまったため、かなりの間違えがあるかもしれません。
事情があるので、この続きはまた後で(え、もうやるな?そ、そんな)
177名無しさんだよもん:04/06/27 16:56 ID:/IC65ZdT
や、書き手さん側とかにとってはかなり参考になるんじゃないかな?
178END:04/06/27 17:15 ID:wfPDKJ9G
 ――――物事が終わることに意味などない。なぜって、理由がないことに意味などあるわけがない。

「はぁっ、はあっ、はあぁ……っ……!」
 観鈴、浩平の極限追撃線。
 かなり限界に近づいていた観鈴だが、彼女がもう一度空を見上げると、そこに新たな人影があらわれた。
『観鈴ちゃん……』
 一時行動を共にし、いったん別れ、その後再会してまた別れた神岸ひかり、その人である。
「ひかり……さん?」
『観鈴ちゃん……私はいつでも、いつまでも空の上から観鈴ちゃんのことを見守ってますよ……』
 さわやかな顔でにっこりと微笑む。
(ひかりさん……)
 その時、奇跡が起きた! なんと観鈴ちんの走るスピードが一段階速くなったのだ!
「……ってまたそれかよ馬鹿野郎!!!」
 いい加減浩平のツッコミも入る。
 浩平に追いつめられてからずっと観鈴はこの調子である。
 あと一歩のところまで浩平が迫ると適当に記憶の中にある人間を空の人にしてしまい、そこから勝手に遺志を受け継いで新たな力を絞り出す。
 これこそ観鈴が詩子から受け継いだ新必殺技である。
 しかし……
『観鈴ちゃんっ……!』
 とうとうその詩子すら昇天させられた。彼女の天真爛漫な笑顔が青空に映える。
『あたしの分まで……がんばって!』
「うん、詩子さん……わたし、がん」
「ばるな! これ以上!」

179END:04/06/27 17:15 ID:wfPDKJ9G
「努力! 友情! 勝利ーーーーーーーーッ!!!」
 一方、今では失われて久しい3箇条を叫びつつ森の中を疾走するのはみちるその人。
「μ……ッ!」
「くっ……すごい体力。あんなに一生懸命なれるなんて……あの子、何か負けられない理由でもあるの?」
「あの子にもまけられないりゆうがある。わたしたちにもまけられないりゆうがある。それだけだよ」
「そう……だねっ!」
 それを追うのは繭、郁美、さいかの被保護3人娘。奥歯をかみしめ、再度地を蹴る。
「それより気をつけて……そろそろ、もりをぬけるはず!」
「うんっ!」

「………ふぅ」
 場面は移ってホテル前、その目の前に着陸しているヘリコプターの操縦席。
 秋子を送り出した後パイロットの兵士は操縦桿に脚をかけ、一人タバコを燻らせて休憩していた。
「この壮大なお遊びももうすぐ終わりか……一体全体誰が勝つのかねぇ……」
 と呟きつつ、手元のコンソールから管理側のメインコンピュータにアクセス、現在の逃げ手情報を閲覧してみる。
「ええと……残りが2人か。……どっちも女の子だな。スゲェこった。一人が神尾……観鈴……今は山ン中か。思いっきり追われてるな」
 参加者の現在位置と地図を合成すれば現在位置がどこかもすぐにわかる。このシステムとHMシリーズの監視を合わせて管理者側は参加者らの情報を把握していた。
「んで、もう一人が……これは本格的に子供だな。みちる……と。場所が…………」
 その時。
「おおおおおおおおっ! おおらあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 ……スピードは大したことがないが、それはそれは鬼気迫る表情でヘリの鼻先を一人の少女が通過していった。
 秋子が歩んだ赤絨毯の上に泥の足跡をつけながら突っ走っていく。高いんだぞそれ。
「………………」
 無言のまま、最後の一人、『みちる』の詳細情報を画面に表示する。
 顔写真……一致。現在位置……ホテル前。追ってるのは……
「μ!?」
「ここは……ホテル!?」
「やった! たてものの中に追いつめれればこっちが有利だよ!」
 ……3人。
 みちるに続いて、ホテルの中に……
「…………やばいっ!!」
 兵士は慌てて無線機をひっつかむとチャネルを開き、叫んだ。
180END:04/06/27 17:17 ID:wfPDKJ9G
「よし……こんなものでしょうか」
 式典会場の大ホール。そこで飾り付けなどの準備をしていた秋子は満足めいた息を吐いた。
『エマージェンシー! エマージェンシー! コマンダー秋子! コマンダー秋子!』
 と、その時。彼女が持っていた無線機が激しく叫ぶ。
『残りの逃げ手、みちるがホテルに入った! 繰り返す、みちるがホテルに入った!』
「ッ! 何事ですか!?」
 秋子が叫ぶとすぐ近くにいた兵士が敬礼しつつ答える。
「サー・イエス・サー! どうやら最後の逃げ手の一人、みちるがこの建物内に侵入した模様です!」
「いけません! すぐに他の準備中の方々に退くように指示を!」
「サー・イエス・サー! 了解しました! すでに作業も軒並み完了しております! 即刻撤退いたします!」
「急いでください!」

「………………」
「………………」
「………………」
 さらに場面は移り変わって鶴来屋別館、食堂。
 一つの机を柳川、由美子、友里の3人で囲んでそれはそれは剣呑な雰囲気を漂わせていた。
「……パリ……」
「……もぐ……」
「……ずず……」
 他の面子もその隣で静かに遅れた昼食を摂っているのだが、空気がアレすぎて味など微塵も分からない。すでに緊張感に押し潰されそうな気配である。
「……で、柳川さん。こちらの女性とはどういったご関係ですか?」
 ややあって、重々しく由美子が口を開いた。『こちらの女性』が指している人間とはもちろん友里のことである。
「そ、それは……」
「爛れた関係」
「!!?」
 柳川の代わりに、挑発めいた表情で友里が答えた。
「ど、どういうこと……!」
「……とでも答えればいいのかしら?」
「う……」
「そうね、それじゃあ……」
「……………」
181END:04/06/27 17:19 ID:wfPDKJ9G
「………将来を誓い合った仲?」
「な! や、柳川さ……!」
「うそよ嘘。う・そ」
「……はぁ……」
 先ほどからこの調子である。
 由美子が詰め寄ろうとすると友里がその出鼻をくじき、曖昧かつ危険な答えで由美子の感情の矛先を煙に巻く。
 これを延々と繰り返していた。
「………………」
 だが柳川にしてみれば針のむしろであることに代わりはない。もう真綿でじわじわと首を絞められているようなものだ。
 すでに胃に2,3個穴が開いていてもおかしくはない。ホントに心底、縁切り寺に駆け込みたい気持ちでいっぱいだった。
(まあ基本的に悪いのは俺だしな……)
 狩猟者の所為ともいえないこともないが、狩猟者とはとどのつまり柳川である。
 自分にも非があるゆえ逃げ出すこともできず、根が真面目な彼はこうしてただ黙って座っていることしかできなかった。

 バタバタドタン! バタン!

「ん?」
 食堂の扉がけたたましく開かれた。振り向いた一行が見たのは、出入り口に呆然と佇む一人の少女の姿。
「……や、やあ、これはまた可愛らしいお客さんだね」
 真っ先に動いたのは、一番入り口近くに座っていた健太郎だ。
 何はともあれこの雰囲気を何とかしたい。そのきっかけにでもなれば、と彼はできるだけさわやかな笑みでその少女――みちるに声をかける。
「………………」
「お腹は空いてないかい? しかし泥だらけだね、もし浴びたければシャワーもあるよ? とりあえず一休みでも……」
 端から見れば幼女を略取しようとしている危ないお兄さんにも見えないことはないが、基本的には善意からの言葉である。
 だが……
「にょぉわぁ!? 鬼だし! 逃げろぉぉ!!」
 ……誘われた幼女の方は、ある意味当たり前なのだが、そのまま一目散に退散してしまった。
「………………」
 後に残され、固まる健太郎。
「………………」
 しばし食堂の空気が固まる。そして誰とも無く、やがて全員同時に叫んだ。
「…………逃げ手だーーーーーーーーー!!!!!!!!」
182END:04/06/27 17:20 ID:wfPDKJ9G
「……………フッ!!」
 そしてホテルからは遙か離れた山の中、観鈴、浩平、Dによる追撃戦。
 とうとう浩平の後ろにDが追いついた。かつてないほどみなぎる力、それは浩平の目測をも超えるものだった。
「悪いな小僧……この勝負……我の勝ちだ!」
 そのままバッ! と両翼を広げ、大きく跳躍する。
「この勝利……我が、愛する者たちのために!」
 某白い悪魔よろしく浩平の頭を踏みつけて観鈴の背を掴もうと手を伸ばすが……
「………そうか。それは悪いなおっさん」
 Dの足の下で、浩平は静かに吼えた。
「あんたには悪いが……俺だってハイそうですかと……」
 肩から下げていたバッグを握りしめ、遠心力をつけて頭上のDに向かって叩きつける。
「……道をゆずるワケにはいかねぇんだよ!!」
「ハッ!」
 そんな浩平の哀れな抵抗を見て、Dは嘲笑とも取れる笑みを漏らした。
「その程度で……今の我の進撃を阻むことができるとでも思うか!? 笑止! セイッ!!!」
 刹那、腰から抜きはなったDの剣が疾った。見事に浩平のバッグを真ん中で二等分割、バッグの中身の食料やその他のわけわからないものが中空にバラまかれる。
 Dはそのまま何事もなかったかのように突き進む。
「これで終わりか小僧!? ならば我の……」
「違うな」
 ……打つ手破られたにも関わらず、浩平の態度は崩れない。
「それでいい。それでいいんだ……」
 頭を下げ、ぐっと肺に空気を取り込むと大きく叫ぶ。
 
「スフィー!!! やれ!!!!」

183END:04/06/27 17:21 ID:wfPDKJ9G
「μ! 二階に上がった!」
「いくみのお姉ちゃんは右の階段から! μのお姉ちゃんは左の階段から! さいかはこのまま真ん中から行くよ!」
「わかりました!」
 ホテル内、子供たちの追撃戦。
 遮二無二逃げるみちるの背を、3人はさいかの指示に従い、的確に逃げ道を潰すように、正確には上へ上へと追いつめるように道を制限しつつ追いかけていた。
「だおあぁぁぁぁぁぁぁっ!!! ここまで来て……負っけてたまるかぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 逃げているつもりで、追い立てられて、どんどん階段を上へ上へと上がっていく。

 そしてやがて、一行は最上階、フロアをぶち抜く長い廊下に出た。
「にょぉわぁぁぁぁ……ッ!!!」
「μ! もう少し!」
 さいかの作戦としては、このままみちるを追いつめ、最後は屋上に追い立ててそこで捕まえる。
 かつて港の監視所でデリが己らに使った戦法をそのまま踏襲するつもりだったのだが……
「あ、いた! いました!」
「ま、たぶん最後のチャンスだしね。やれる範囲で鬼ごっこさせてもらいましょうか」
「!?」
 一行とは反対側の道から、鬼の一団が現れた。先ほど食堂で食事をしていた面々だ。
「にょ、わ!?」
 だがもちろん一番驚いているのはみちるである。一本の長い廊下。後ろからは繭たち。目の前からは芳晴たち。
 逃げ場は……逃げ場は?
「………あった!」
 あった。唯ひとつだけ、廊下のど真ん中に立つみちる。その隣に豪華な観音開きの扉があった。
「おぉらぁぁぁぁ………ッ!!!」
 勢いをつけて一気に押し開く。そこに広がるのは……
「……わ……っ……」
 思わず一瞬追撃戦のことも忘れるほど、豪華絢爛に飾り付けがなされた大ホール。閉会式の会場だった。
184END:04/06/27 17:22 ID:wfPDKJ9G
「あんな子供を捕まえるのは気乗りしないが、鬼と逃げ手として出会ったからには仕方がない。仕事を遂行させてもらう」
「待ってくださいよ柳川さん! 今は大切な話の最中なんですから!」
「ンなのは後でもいいでしょうが!」

「μ! あの部屋は……」
「い、急がないと! あの人たちに先を越されてしまいます!」
「どっちにしろ追いつめた! もう少しだよ!!」

「ッ!?」
 後ろから聞こえてくる怒号でハッと我に返る。
 そのままホールの中央を、入り口の扉から最奥の壇上まで貫く赤絨毯の上を走りながらホールの中を見回すが……ダメだ、もうここは本格的な行き止まり。
 入ってきた扉以外、外に出れそうな場所はない。
 絶望に打ちひしがれながらもみちるは、最後の力を振り絞って身体を引きずるように、ホール内の壇上、一段高くなっている場所までたどり着いた。
 凸字型になっている台の上に佇んでいると、数秒遅れ、みちるを追ってきた面々がその回りを取り囲んでいた。
「……………」
 悔しげな瞳で己を追いつめる鬼の一団を眺める。
 そんな中、3人の少女が一歩、進み出た。

「μ……おじさんのため……」
 繭と、
「お兄ちゃん……そして、クロウさんの……ために……」
 郁美と、
「……カルラおねーちゃんの……ため……」
 さいかが、一歩一歩、みちるへと近づいていく。
 と、3人の呟きを聞いた瞬間、みちるが叫んだ。
「おあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
 鼓舞するかのような大絶叫。ビリビリと空気が震える。
「ならばみちるとて! オロと! 美凪のため! ここまで来た、ここまでたどり着いた! 半端な負け方はしない!
 さあ、来るなら来い…………………来いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーッ!」
「μ!」
「覚悟はよろしいようで!」
「いくよ!」
185END:04/06/27 17:24 ID:wfPDKJ9G

「おおおおおおおおおおおおおあああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!」


「スフィー!!! やれ!!!!」
「!?」
 突然の浩平の叫び。その遙か後ろにいるスフィーは……瞬間、浩平が何を言わんとしているのか理解した。
「……わかったよ! こーへー!」
 精神を集中し、マナを凝縮、変換、極限まで精錬された力が紫電と化し、スフィーの身体の回りに火花を形作る。
「まぁじぃかぁるぅぅぅぅ……………」
「ハッ!」
 背後で高まるマナの気配を感じ取ったD。しかしやはり彼もその余裕を崩さない。
「少女よ、その程度の魔力で我を倒すことができるとでも思うのか! 笑止、我は汝らに崇められうたわれるものウィツァルネミテア!
 我はとうとう家族と愛を知った! 今の我は……無敵なり! 今の我には何物も通じぬわ!!!」
「そうか。けどな」
 浩平はあくまで静かだった。
「………さんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
 スフィーの魔法が発動。天が輝き、一筋の雷光が――――
「だから言っただろう! その程度、我には通じ……」
 ――――Dの頭の真横――――散らばる荷物に直撃した。
「なに!?」
「世の中、どうしようもないものもあるんだよ」

 ぱぁーーーーーーーーーーーーーーーんッ!!!
 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱぁーーーーーーーーーーーんッ!!!

 思わず頭にズンズンを付けたくなるような、耳をつんざく鋭い音があたりに響き渡った。
186END:04/06/27 17:25 ID:wfPDKJ9G
「……づっ……!!?」
 鍛えようのない鼓膜と三半規管に間近から強烈な振動が叩き込まれ、ぐらりとDの体勢が崩れる。
「ビンゴ。最後の最後で役に立ったか。そして、オレの、オレの……ッ!」
 浩平のバッグが地に落ちる。その切り口からこぼれ出ているのは遙か昔に購入したパーディーグッズ。
 無惨な姿になった覆面やらサングラスやらその他のくだらないもの。
 そして……焼けこげた数個のクラッカー。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
 しかし観鈴ちんはそんな背後のゴタゴタなどどこ吹く風。やっぱり虚ろな目で体力の限界貴乃花を感じ取っていた。
 ……と、
『にはは』
 突然、観鈴の目の前に新たな人影があらわれた。それは……
『にはは。観鈴ちん強い子がんばる子。ひとりぼっちでもがんばる』
 ……昇天させられた、自分自身の姿。
「……さすがにそれは……ない……よ……ね……」
 観鈴ちん、限界到達。ここで加速が止まった。
「オレの……おおおッ! 勝ちだッ!」
 この機を逃さず、飛びかかる浩平。
「がおぉっ! お母さん! ひかりさん! 詩子さん! 往人……さん!」
 しかし願い届かず。
 後ろから観鈴の腰にいいタックルが決まり、2人はもんどり打って地面に倒れた。

 …………しばしの沈黙。

「はあ、はあ、はあ………やった……のか?」
 ややあって起きあがり、誰にともなく尋ねてみる……が、腕の中の観鈴ちんも、後ろのDも、2人とも目を回している。質問には答えてくれない。
 その代わり……
「お疲れさまでした、折原さん、神尾さん」
 一行の横の森から出てくる、人影がひとつ。
「あ、あんたは確か……柏木……千鶴?」
 彼女は優雅な仕草でマイクを取り出すと、高らかに宣言。
 その声が島中に響き渡る。
187END:04/06/27 17:26 ID:wfPDKJ9G
「勝負ありッッッッ!!!! ゲーム・セットッッッ!!!」

「!?」
 その声は当然のごとく、鶴来屋別館屋上大ホールにも届いていた。
 声が聞こえた瞬間……みちるに飛びかかった3人組の身体が誰かに受け止められる。
「残念、一歩及びませんでした」
 それは、管理者の片翼、水瀬秋子。
 彼女もまた、華麗な仕草でマイクを取り出すと、みちるの傍らに立ち、大きく宣言。


「葉鍵鬼ごっこ、終了ッッッ!!! 優勝者…………みちる!!!!!」


【優勝 みちる】
【観鈴 鬼化】
【浩平 +1。合計9pts】
【ゲーム終了】
【時間 四日目午後】
【場所 鶴来屋別館最上階大ホール・山中の道】
【登場:
 みちる・神尾観鈴
【折原浩平】【ディー】
【長森瑞佳】【スフィー】【伏見ゆかり】【ゲンジマル】
【椎名繭】【立花郁美】【しのさいか】
【巳間良祐】【山田まさき】
【城戸芳晴】【コリン】【小出由美子】【塚本千紗】【牧部なつみ】【深山雪見】【宮田健太郎】【広瀬真希】
【柳川祐也】【名倉友里】
『メイフィア』『フランソワーズ』『たま』『水瀬秋子』『柏木千鶴』】
188名無しさんだよもん:04/06/27 17:26 ID:wfPDKJ9G
以上!
189名無しさんだよもん:04/06/27 17:33 ID:wqU5Rmmx
        。 ◇◎。o.:O☆οo.
       。:゜ ◎::O☆∧_∧☆。∂:o゜
       /。○。 ∂(*゚ー゚)O◇。☆
     /  ◎| ̄ ̄∪ ̄∪ ̄ ̄ ̄|:◎:
    /    ☆。|....Congratulations!!.|☆
  ▼       。○..io.。◇.☆____| 。.:
∠▲―――――☆ :∂io☆ ゜◎∂:.

ついに終了ですか。お疲れ様!
190名無しさんだよもん:04/06/27 17:34 ID:vBjMUyWT
乙。
191名無しさんだよもん:04/06/27 17:40 ID:7bnZZoYw
キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!!
192名無しさんだよもん:04/06/27 17:43 ID:HrjSttvV
うむ、乙。
193名無しさんだよもん:04/06/27 17:44 ID:dQVVDguW
お疲れ様でした
194名無しさんだよもん:04/06/27 17:48 ID:rVKidhc9
パーティーグッズ・・・完璧に忘れ去られてたな。
今ログ読み返してやっと思い出したw
195名無しさんだよもん:04/06/27 17:55 ID:IHGa1B5B
みちる、おめでとーーー!!!!
196名無しさんだよもん:04/06/27 18:23 ID:/IC65ZdT
おおっ!? 終わった!
みちるタンおめー!!!
197アナウンス:04/06/27 18:42 ID:2nkIXRoP
 ぴんぽんぱんぽーん♪
 
「運営側からのお知らせです。閉会式、および表彰式は午後6時からの開始となります。
 会場は鶴来屋別館最上階大ホールになります。参加者の皆さまは遅れないよう集合ください。
 お疲れの方は鶴来屋別館のフロントまでお越しくだされば部屋の鍵をお渡しします。
 ホテルの各施設も稼働を始めていますので、どうぞご利用ください。
 運営側からのお知らせでした」

 ぴーんぽーんぱーんぽーん♪

「やあやあ、お疲れさま。いや、やっとこれも終わるね。いろいろデータも取れたし、有意義だったよ。
 巡回中の子たちにも順次帰還するよう伝えておいてくれ。頼んだよ」
「はい、了解しました」

【ホテル各施設 利用可能】
【閉会のレセプションは午後6時から。場所は鶴来屋最上階大ホール】
【時間 四日目午後】
【場所 管理室】
【『長瀬主任』『HM-13』】
198名無しさんだよもん:04/06/27 18:55 ID:P4+uQcyP
さあここからが大変だ。
ロワは終了時残り7人だけだったがこれは150人オーバー。
こいつらの帰還をどこまで描けるのか…
残された伏線も山ほどあるからな。
書き手はどのくらい残ってるんだろう?
199名無しさんだよもん:04/06/27 21:57 ID:cPLwkgjz
どの伏線が残ってるんだ?
200名無しさんだよもん:04/06/27 22:00 ID:4Vue3s7P
できれば大番長のラストくらいには仕上げて欲しいが・・・書き手さんガンバだ!
201名無しさんだよもん:04/06/27 22:48 ID:nwE8jQNM
か、完全に出遅れた!まーさか、せっせこ間違いだらけのリスト作ってる時は自分の他に1人しか
来なかったから事情に行ってる間に終わるとわ思わなっかた。間、優勝も決まったし(逃げ手も、千鶴さん
が主催者特権使わなきゃ鬼も)誰も見ないだろうけど逃げ手ランキングまずは20位から11位まで
 20:柳川祐也(ダリエリ)
 19:名倉友里(高瀬瑞希)
 ” :岡田メグミ(相田響子)
 17:吉井ユカリ(相田響子)
 16:霧島佳乃(三井寺月代)
 15:裏葉(来栖川綾香)
 14:柳也(裏葉)
 13:ユンナ(A棟巡回員)
 12:岩切花枝(ディー)
 11:ベナウィ(松原葵)
 
202名無しさんだよもん:04/06/27 22:54 ID:54VtyJ8z
ほう
203名無しさんだよもん:04/06/27 23:15 ID:nwE8jQNM
な、何故名無しに?ま、兎に角、栄えあるTOP10いきます、と
 ”:里村茜(倉田佐祐理)
 9:上月澪(沢渡真琴)
 8:遠野美凪(皆瀬まなみ)
 7:カミュ(柏木耕一)
 6:柚木詩子(セリオ)
 5:リサ・ヴィクセン(坂神蝉丸)残った5人の中で絶対優勝すると思ったんだが
 4:ハクオロ(アルルゥ)3番目くらいに優勝すると思ってた(つーかエルルゥに捕まると思った)
 3:柏木楓(観月マナ)てかリサが駄目ならこっちが優勝すると思ってた
 2:神尾観鈴(折原浩平)鍵は実力者が3人残って結局全滅。葉はAIRのみ(しかもずっと守られていた2人)が残って・ヘッ?と思ったもんだ。
             しかも鬼の優勝の浩平は他の鬼と比べると捕まえた数は運としか思えないしな
 優勝:みちる
ま、何ヶ月も停滞してるよりか優勝が決まった方が目出度い事は確かだけどね。

以上グチだか何だか分からないランキング発表を終了します。
最後に閉会式、祝勝会、及び伏線の回収(全部とまではいけないだろうけど、できるだけ多く)
と、後日談(やればいいな)心よりお待ちいたします。
204訳あって改名:04/06/27 23:17 ID:nwE8jQNM
だから何故に名無しになってるんだよー・・あと便座カバー(って出てないし)
205敗者-Loser-:04/06/27 23:41 ID:v6pzKff+
 見上げる空の青さが、眼に痛い。
「………………」
 終わった、か。
 私の負けか……。
 …………。
 最後の最後で……傲ったか。
「ふ……」
 私という男は……際限なしの大馬鹿者だな……。
 空蝉……。
 汝も捕まったのか……汝は我が手で捕らえたかったのだが……。
 しかし……優勝者があの小娘……みちるとかいう娘だということは……我が差し出した手も多少は効果があったのか?
 ふ……まあいいだろう。借りは返したぞ、我が空蝉よ……。
「あのー……大丈夫ですか?」
「生きてる?」
「意識ありますか?」
 ……ふと気がつくと私の顔を数人の少女がのぞき込んでいた。
「あ、ああ……大丈夫、だ……」
 情けないことに少女らの肩を借り、私は起きあがった。
「ごめんねおじさん、加減する余裕無かった。耳、大丈夫?」
 一番小さい……術使いの子供が心配げに話しかけてくる。
「ああ、大丈夫だ……少々世界が回ったが、あの程度。ダメージはない」
「そう、よかった」
 にっこりと微笑む。だが残念、まだまだお子様。20点というところだ。
「あの……浩平ずいぶん無茶なことしてましたけど、お怪我はありませんか? あの……もしどこかおかしくしてたら私、浩平の代わりに謝りますから」
 続いて何やら乳臭い雰囲気の少女……見てるこっちが恐縮するほど頭を下げている。
「いや、私は大丈夫だ。どちらかというと汝の男の方を心配した方がいいのではないか?」
 我らの後ろを指し示す……と、私と壮絶な追撃戦を行い、最後は我を出し抜いた男が体中を砂だらけにして倒れていた。
 まあ最後あれだけ強烈なタックルをぶちかまし、しかも捕まえた小娘をかばってスライディングすればああもなるだろう。
「あ、そ、そうでした。浩平、大丈夫? 無理しちゃだめだよ?」
 ふ……むつまじいことだ。65点。ギリギリ合格だな。
206敗者-Loser-:04/06/27 23:42 ID:v6pzKff+
「あの………」
 そして最後に残ったマシュマロ娘。何がマシュマロって? 聞くな、ンなこと。
「お前はいい。とてもいいぞ。これからも自信を持って生きるがいい。90点」
「はい? あ、は、はい。ありがとう……ございます」
「うむ。ではさらばだ」
 私はそのまま肩で風を切り、ハードボイルドにその場を後にした。
 そう、あのマシュマロ娘がいたということはもう一つ別の人間がいるはずでもあるのだが、そいつは気にするほどの者ではな……
「貴方様、それはあんまりではないでしょうか」
 うるさいゲンジマル。私は男に興味はないのだ。
「達者でな、ゲンジマル」
「いやお待ちくだされ、某はまだまだお話したいことが山ほど……」
「私にはない」
 宴は終わったが、まだひとときの猶予は残っているだろう。
 最後の時間は彼女らと過ごしたい。
 私は帰る。私は帰らねばならぬ。
「ひとの話を聞いてくだされ」
 しかし……なんといって謝ろう。あれだけ大見得切ってボウズで帰るハメになるとは……
「おーい、聞こえてますか?」


 まあいい。帰ってから考えよう。
 今は2人の顔が見たい。


【D 家族の元へ】
【ゲンジマル つれない態度】
【スフィー 20点】
【長森 65点】
【ゆかり 90点】
【浩平 砂だらけ】
207名無しさんだよもん:04/06/28 01:26 ID:0iAU35nO
今書き手って何人くらいいるんだ?
208名無しさんだよもん:04/06/28 01:38 ID:UpjIw3zL
もう半月書いてないから、書き手と名乗っていいのか分からんが、一応挙手しとく。

>>203
ぎりぎりまでおいつめられるリサ。
しかし蝉丸の手が触れる寸前で、別の最後の逃げ手がつかまるという展開は考えていたかな。
結局、リサはつかまってしまったのでボツになっちゃったけど。
まあ、なんにせよ最後の一番難しい部分を書いてくれたEND書き手さんには感謝と賞賛を。
もう少し盛り上がりながら終わりたかったけど、なんにせリレーで最後まで書き上げたことは誇っていいことだと思うしね。

エピローグは多少ならネタがあります。そのうち書かせてもらおうかな。
209敗者 -2-:04/06/28 02:32 ID:u+gAliQ7
「……ふう」
 柚木詩子はその放送を聞き、大きく息を吐いた。
「……残念でしたね、詩子」
『観鈴さん、負けちゃったみたいなの』
「ま、これも運命ってやつね。残念だけど、残念なら残念なりに慰めてあげなくっちゃ」
 そしてガタッと席を立つ。
「これも暖かくなっちゃったけど……ま、いいか」
 ひょいっと紙パックの濃厚を空中に放ると、パシッと取ってポケットに入れる。
「お姉さん、長々と居座っちゃってごめんね」
「いや、構わん。それよりそっちの2人はどうする?」
 茜と澪を見やりながらのエビルの言葉。冷やしてあるあんみつのことだ。
「……ふぅ。ここまで付き合ったんです。中途半端はよしましょう。最後まで付き合います」
『同じなの』
「ん〜……けどこっからホテルって結構離れてるよ。歩いてる間に暖かくなっちゃもったいないよ?」
「ああ、そいつぁ心配するな。これ、持ってけ」
 詩子の言葉を否定しつつ、エビルが投げてよこしたのは一つの水筒のような筒。
「なにこれ?」
「『魔法瓶』だ。その中には『シュイン』てな魔法が詰めてある。それの蓋を開けると……」

 きゅぽっ。

「あ」
「あ」
「あ」
 思わず間の抜けた声がシンクロする。
「………開けちゃった」
「開けると……」

 次の瞬間、詩子、茜、澪の3人の身体は遙か上空へと消え去っていた。
210敗者 -2-:04/06/28 02:33 ID:u+gAliQ7
「うぐぅっ!!?」
 屋台の奥で洗い物をしていたあゆが思わず呻る。
「え、エビルさん! 今のはなに?」
「ああ、あの魔法瓶にはシュインてな魔法が詰めてあってな。蓋を開けるとその魔法が発動するってな道具なんだよ」
「へぇ〜。そのシュインていうのはどんな魔法なの?」
「使用者が一度でも行った場所になら瞬間移動ができるワープの魔法だ」
「要するにルー●ですね」
 マルチの悪意はないツッコミ。
「それを言ったらお終いだ。……ま、配布用のヤツにゃちょっと細工がしてあって目的地は自動でホテル前に設定されてるんだけどな」
「配布用? がめつい汝らにしては殊勝な心がけよのぅ」
「仕事増やすぞこのウサギ耳。……ま、これの分の代金は最初に主催者側の連中からいただいてるからな。
 ゲーム終了のアナウンスが終わったら各参加者に配ってくれ……ってな。というわけでお前ら、最後の仕事だ。これを持て」
「うわっ!」
 3人がそれぞれどさりと手渡されたのは巨大な袋だ。その中には山のように魔法瓶が詰め込まれている。
「中身はさっきのと同じ魔法瓶だ。お前らはこれから手分けして会う参加者会う参加者に片っ端からそれを配布して回れ。
 ある程度配り終えたらなからの時間を見計らってお前らもホテルに飛びな。遅れたらご馳走食えなくなっちまうぞ」
「え……? ということは……」
「ああ、ご苦労だったな。正直お前たちが飲み食いした分にはとても届かない仕事量だが、それでチャラにしてやろう。
 その代わり最後の、そして大事な仕事だ。しっかり働いてくれよ」
「うん! わかったよ任せて!」
「はい、一生懸命がんばりますね」
「ま、仕方があるまい。ではあゆ、マルチ。また後で会おう」
「はい」
「はいっ!」
 と言葉を残して3人それぞれ別の方向へと散っていった。

 残されたイビエビ姉妹。いや、ホントは姉妹じゃないんだが。
「……そろそろ我らの仕事も終わりだな」
「……ま、つまんねぇこともなかったな。いろいろ面白いやつらとも会えたし」
「さて、それでは我らも最後の巡回に出発するか」
211名無しさんだよもん:04/06/28 02:36 ID:u+gAliQ7
「ああ、けどその前に……っと、おいテメェ。そろそろ起きな」
 げしっと屋台の裏で寝ていた栞の頭を蹴る。
「えぅぅ〜……痛いです。もっと優しくしてくださいよぅ」
 頭を押さえつつ、素直に起きあがった。
「ったくいいタマしてるぜ。途中からずっと寝たふりしてたくせに」
「まあまあいいじゃないですか。私だってずっとがんばってきていろいろ疲れてるんですから」
「要するに面倒な仕事に巻き込まれたくなかっただけだろう」
「あ、わかってますね」
「安心しな。あたいらだってテメェみてえな何しでかすかわかんねぇヤツに大量の仕事道具預ける気にゃなんねぇよ。
 そら、お前の分だ。さっさと帰んな」
 ひょいっと一本だけ魔法瓶を投げつける。
「言っても無駄だと思うが、もう変な考え起こすなよ」
「わかってますよ。残念ながら今回は私の完敗です」
「…………今回"は"……か。まあいい。我らはお前になど関わっている暇はない。そらエビル、そろそろ出発するぞ」
「おう、じゃあな。性悪娘」
「はい、またお会いしましょう貧乳姉妹さん」
「お前に言われたくないわ!」

 ガラガラと立ち去っていく弐号屋台。
「……残念です。私は……まだまだ……かなわないのですね……」
 屋台の後ろ姿が完璧に消えたことを確認すると、魔法瓶を握りしめながら、栞は青空を仰ぎ見る。

「………けど、いつか……いつかはは……きっと、私は、あなたを……超えてみせますよ……」

 その顔に浮かぶは歓喜か遺恨か哀しみか。それは空しか知りえなかった。

【あゆ・マルチ・クーヤ それぞれ他の参加者に帰還用魔法瓶の配布】
【イビル・エビル(弐号屋台) 巡回に出発】
【詩子・茜・澪 ホテル前へ帰還】
【栞 一人残される。帰還用魔法瓶一本所持】
【帰還用魔法瓶 シュインが詰めてある。一回のみ使用可能。使えば自動的に鶴来屋別館前へワープ】
【【月宮あゆ】【マルチ】【クーヤ】【柚木詩子】【里村茜】【上月澪】【美坂栞】『イビル』『エビル』】
212訳あって改名:04/06/28 12:45 ID:Fo+uTB7G
ええいつも変わらずですが鬼の方のランキングもいって見たいと思います。別にいいという方は無視していいです。
 1:柏木千鶴10(坂神蝉丸、御堂、七瀬留美、月宮鮎、国崎往人
          月島拓也、倉田佐祐理、エリア・ノース、山田まさき、皆瀬まなみ)
 2:折原浩平 9(トウカ、長森瑞佳、スフィー、伏見ゆかり、牧村南
          風見鈴香、高倉みどり、神尾晴子、神尾観鈴)
 3:ディー  8(神奈、宮内レミィ、しのまいか、巳間良祐、清(略)
          田沢圭子、澤田真紀子、岩切花枝)
 ”:美坂香里 8(新城沙織、住井護、北川潤、セリオ、ヌワンギ
          美坂栞<川名みさき、柏木初音、保科智子、坂下好恵の誰か2人>)
 5:御堂   7(緒方理奈、森川由綺、美坂香里、塚本千紗、醍醐
          デリホウライ、霧島聖)
 ”:天沢郁未 7(ゲンジマル、名倉由依、少年、千堂和樹、巳間晴香
          深山雪見、吉井ユカリ)
 7:坂神蝉丸 6(広瀬真希、光岡悟、伊藤、那須宗一、三井寺月代
          リサ・ヴィクセン)
 ”:久瀬   6(オボロ、立川雄蔵、グリィ、ドラァ、藍原瑞穂
          天野美汐)
 ”:緒方理奈 6(縦王子鶴彦、横蔵院蔕麿、桜井あさひ、小出由美子
          城戸芳晴、緒方英二)
10:国崎往人 4(ウルトリィ、篠塚弥生、高瀬瑞希、九品仏大志)
 ”:月宮あゆ 4(ディー、ビル・オークランド、宮田健太郎、川澄舞)

以上TOP10の発表。それより下は次の機会に(やる意味あるのか?)
          
213訳あって改名:04/06/28 16:29 ID:A6bzUUdV
鬼ランキングTOP10下と、言っても3が7人、2が17人、1が34人じゃ
順位のつけようがないので一気にやります、いっきに。
3人:セリオ(太田香奈子、柚木詩子、<川名みさき、柏木初音、保科智子、坂下好恵の誰か1人>)
   オボロ(芳賀玲子、柏木耕一、松原葵) 七瀬留美(折原浩平、砧夕霧、桑島高子)
   皆瀬まなみ(水瀬名雪、ハウエンクア、遠野美凪) デリホウライ(大庭詠美、立川郁美、しのさいか)
   水瀬名雪(相沢祐一、しんじょうさおり、澤倉美咲)森川由綺(藤井冬弥、立田七海、長瀬祐介)
長すぎるのでここまで
214訳あって改名:04/06/28 16:29 ID:A6bzUUdV
2人:高瀬瑞希(柏木梓、名倉友里)倉田佐祐理(雛山理緒、里村茜)来栖川綾香(来栖川芹香、裏葉)
   塚本千紗(鹿沼葉子、エルルゥ)雛山理緒(矢島、垣本)相田響子(岡田メグミ、松本リカ)
   河島はるか(日吉かおり、江藤結花)桜井あさひ(長谷部彩、杜若きよみ(白)>縦王子鶴彦(藤田浩之、クーヤ)
   鹿沼葉子(橘敬介、A棟巡回員)深山雪見(ユズハ、アルルゥ)ゲンジマル(クロウ、猪名川由宇)
   天野美汐(月島瑠璃子、沢渡真琴)柏木耕一(梶原夕菜、カミュ)松原葵(姫川琴音、ベナウィ)
   川名みさき(神岸あかり、氷上シュン)太田香奈子(石原麗子、<川名みさき、柏木初音、保科智子、坂下好恵の誰か1人>)

1人:月島拓也(ニウェ)、エリア・ノース(リアン)、山田まさき(サラ・フリート)、ウルトリィ(相田響子)
   広瀬真希(天沢郁未)、三井寺月代(霧島佳乃)、光岡悟(コリン)、那須宗一(河島はるか)
   伊藤(阿部貴之)、ニウェ(久瀬)、宮田健太郎(牧部なつみ)、北川潤(来栖川綾香)
   醍醐(佐藤雅史)、サラ・フリート(ティリア・フレイ)、巳間良祐(高槻)、神奈(エディ)
   ダリエリ(柳川祐也)、横蔵院蔕麿(長岡志保)、砧夕霧(ダリエリ)、ヌワンギ(御影すばる)
   長瀬祐介(神岸ひかり)、しのさいか(カルラ)、しんじょうさおり(七瀬彰)、少年(観月マナ)
   ドリィ(杜若きよみ(黒)、藍原瑞穂(湯浅皐月)、高槻(椎名繭)、A棟巡回員(ユンナ)
   沢渡真琴(上月澪)、裏葉(柳也)、観月マナ(柏木楓)、アルルゥ(ハクオロ)
   石原麗子(マルチ)マルチ(クーヤ)
 
以上!!・・ってこれは本気で役立たないな〜出しといて言うのもなんだけど。
215名無しさんだよもん:04/06/29 02:59 ID:aAu5AqrY
閉会式開始は期限を定めてみるか?
216訳あって改名:04/06/29 16:22 ID:CaGtWZX/
今回のは役に立つ(筈)参加者、最終履歴、見るなり無視するなりどうぞ
560:立川雄蔵 3日9〜12時、郁美が楽しんでやってる所を見た後どこかに行く

591:ニウェ 3日夜、光岡もろともユミコミネツァに殴り飛ばされる
        (いろんな奴追っかけたわりには結局久瀬しか捕まえてないような)
594:長瀬祐介、神岸ひかり 3日夜、川近くの小屋 ひかりさんが溺れたと勘違いし助けようとして溺れてしまい逆に助けられてしまう

595;芳賀玲子 3日昼前、湖のほとり 自分を写真に撮ろうとした、いとっぷにマナー違反を注意した後写真を撮らせる
         (結局、出番これ以外はグリドラ追っ駆けてただけという不遇のキャラ。ま166人もいればそういうこともあるか)

613:伊藤、阿部貴之 3日4時雨、瑞穂、耕一の2人と柳川、皐月とリサ、香奈子の写真をトレードしあう事を約束する
            (この設定完全に忘れ去られたな)

651:ヌワンギ 3日夜遅く、目覚ましたトウカに教われないように浩平に遠くに捨てられる

655:日吉かおり、江藤結花 3日昼過ぎキャンプ場 はるかによって鬼になった後、宗一、はるか、梓と一緒に行動する

658:相田響子、篠塚弥生 4日朝、別荘 岡田、松本を鬼にした後そこを離れる

670:神尾晴子 市街地外れノガレージ付一軒家 鬼にされた後そこで就寝

683:七瀬彰、しんじょうさおり、澤倉美咲 4日朝小屋 名雪、理緒の2人が出て行った後マッタリトすごす。(彰視点)


とりあえずここまで


217訳あって改名:04/06/29 17:16 ID:CaGtWZX/
690:御影すばる 4日早朝  目立つ為にでたのに初登場132話、最後が534話と放置され続けたので、活躍と夕霧達に再会する為家を出る
          (そのために夕霧達とすれちがい出番の方もなかった)

694:ユンナ 4日10時、海近くの舗装された道 A棟巡回員にカタパルトを喰らい反転が解ける。
        その後カミュを逃がし何処かに去る

696:川名みさき、柏木初音、保科智子、坂下好恵、神岸あかり、氷上シュン 4日昼、駅宿
     初音、賭けは続行だが楓と仲直りをする。他の5人は近くの川で、まったりと

697:縦王子鶴彦、横蔵院蔕麿 2日夜、超ダンジョン サクヤに説教されて別れた後どこ行ったか不明

699:河島はるか、柏木梓、森川由綺、立田七海 4日明け方小雨、海岸近くの森 
    はるか、梓は柳也達の追跡に参加せずキャンプ場のかおり達の元へ由綺はショックを受けてる七海の側に

701:エディ、橘敬介 3日夜遅く、ペンション 皐月達の始めたレストランに、しばらくいた後残る逃げ手を捜しに出た

702:緒方理奈、緒方英二、三井寺月代、霧島聖、霧島佳乃 4日日の出、雨上がり
    柳也達を包囲するも2人ノコンビネーションによって敗退。霧島姉妹は人形に誤魔化され
    緒方兄弟は月代もろとも転倒させられた。
    (緒方理奈、鬼のランカーズの中でも一番かげが薄い存在に)

707:岡田メグミ、松本リカ、吉井ユカリ、千堂和樹、巳間晴香、藤田浩之、長岡志保 、桜井あさひ、長谷部彩、杜若きよみ(白)
    4日10時、森の一角の別荘 別荘の全員が鬼ごっこをあきらめ和み中。ゲームの最下位だった和樹と志保が屋台に買出しに
    その近くにあさひ達3人が屋台を探して(彩は和樹も)いる
    <展開が遅いからとはいえ、鬼ごっこに他とは違った攻め方をしようとした和樹、晴香ペアと浩之、志保ペアそして
     雅史の分まで頑張ってきた岡田達3人をこんなところで、あんな簡単に脱落させる必要があったんだろうか> 


218訳あって改名:04/06/29 17:57 ID:CaGtWZX/
708:水瀬名雪、雛山理緒 4日11時、森 理緒貧乏脱出プログラムのため名雪と共に逃げ手を追う
              途中穴に落ちた祐一を踏む

729:藤井冬弥、来栖川芹香 4日朝、森 冬弥、宗一二勝負を挑むも返り討ち。芹香は宗一達を援護した後冬弥の看病

743:カミュ、柏木耕一、藍原瑞穂、杜若きよみ(黒)、グラァ、ドリィ 4日昼 山間部谷
    耕一VSムツミ(カミュ)決着つくも耕一がカミュの胸をもんでしまい瑞穂を怒らせ、決定的瞬間を見逃したきよみ(黒)たちはなにがなんだか

744:佐藤雅史、皆瀬まなみ、新城沙織、遠野美凪 4日午後2時、駅舎 美凪がまなみをからかったり(仕返しか?)
    駅舎には手紙を渡す相手の七瀬もいるはず

747:柳也、裏葉、来栖川綾香、那須宗一 4日朝 決着。柳也、裏葉、綾香の3人は疲れからそのまま就寝。

749:田沢圭子 4日午後1時、平地の一軒家 ハクオロ達を見送った後雅史を探しに出る

756:石原麗子、サラ・フリート、ティリア・フレイ、エリア・ノース、リアン 4日0時、超ダンジョン
    麗子、超ダンジョンの負傷者を何とかするよう依頼される。そのころサラ、ティリアは爆破トラップで黒こげにエリア、リアンは空腹と乾きと暗闇で精神的にヤバイ
    <2日の頃から放置された挙句この仕打ち。フィルスのキャラはホント報われない>

758:美坂香里・セリオ・太田香奈子・澤田真紀子、天沢郁未・名倉由依・川澄舞・相沢祐一、御堂、久瀬・オボロ・月島拓也 4日昼過ぎ、森の中
    ランカーズ逃げ手を追って別々の方向に
    <てっきりDVS浩平Tにこのランカーズが追いついて優勝を決める第二回ランカーズマラソンが行われるとおもったんだが>

219訳あって改名:04/06/29 19:03 ID:CaGtWZX/
761:天野美汐・月島瑠璃子・沢渡真琴・松原葵・姫川琴音、ベナウィ、清(略)・矢島・垣本・七瀬留美・倉田佐祐理 4日昼過ぎ、駅舎
瑠璃子と真琴、リサに対して応援。他はおおむね、まったりモード

<<ええここから先はグチになるので、読みたくなければ飛ばしてください。まずなんでベナウィと美汐がいきなり仲良くなっているのか!!
  ベナがこの島に来てから一番付き合いが長いのが晴子で、晴子の話を聞いてこの母子を再会させようと一緒に行動してました。一方の美汐
  の方もこの島で瑠璃子達と知り合いチームとして様々な事を体験しました。しかし2人一緒になったら他の人そっちのけ!!
  なんだかいままでの物語台無しにされた気分です。しかもそのことで掲示板でも美汐が攻撃される始末。この二人くっつけたこと意味無いとおもいます。
  次は古いことですが、脇役野郎Aチームの話の時にONEの南が没個性的と言われだしてもほとんどオリジナルキャラになるからと没にされました。確かに南
  はセリフも少なく立ち絵もありません。けど、その少ないセリフの中で奴がどれだけ茜のことを見ていたのか、どれだけ好きなのかを表しています。
  これは自分の勝手な思い込みなので没個性的という言葉に文句は言えません。しかしTHあかりシナリオのかませ犬兼フラグアイテムの矢島は良いとして、
  雅史と一緒に「じゃーな」と言うセリフと綾香シナリオの時にちょっと会話をするだけの垣本のどこに個性があるんですか!南だせとは言いませんが没個
  性的キャラはオリキャラ化するというならコイツ確実にアウトだしPC版の橋本先輩の方がまだましじゃないですか!!
  以上なんら関係ないボヤキ失礼しました)

762:砧夕霧、桑島高子、ダリエリ 4日昼 すばる探し中。

763:ウルトリィ・国崎往人・高瀬瑞希・九品仏大志、神奈・鹿沼葉子、A棟巡回員、ビル・オークランド 4日午後、商店街外
    往人と大志、葉子のスカートを下ろす。その後4人にボコられる。巡回員とビル脇キャラ同士,交流を深める

220訳あって改名:04/06/29 19:30 ID:CaGtWZX/
764:高槻、カルラ、クロウ、デリホウライ、大庭詠美、猪名川由宇、梶原夕菜、湯浅皐月、サクヤ 4日午後、ペンション
    みちるが来た事に対し保護者3人それぞれの被保護者に自分の力で頑張ってみろと送り出す。他は加わろうとせずレストランをやったり
    徹夜でしあげた原稿見せたり。
    <<どー考えても3人の誰かがみちる捕まえる流れだと思ったんだが>>

766:しのまいか・宮内レミィ・岩切花枝・トウカ 4日午後、山中の道 トウカは痛みで動けない。他はDが戻るまでるすばん。

767:北川潤、住井護 4日午後湖畔沿い屋台 最終兵器がガラクタだと分り金を得るためクーヤ達を置いて逃げ手を追いに
   <<当然の事ながら金はできず、自業自得な罠外しのタダ働き。ええ住井が北川のイトコて設定はロワの時にできたんだと思いますが
     その設定でロワでは浩平達と別れ澤倉美咲に一目ぼれ。しかし自分のミスで守れず狂った後に勘違いしたまま殺される道化だったんだが
     小説ではこいつお調子者だけど瑞佳のことが本当に好きで、でも瑞佳の心に浩平がいたから身を引いたって話があるんです。
     小説の話なんかオフィシャルじゃないだろて、言われれば、その通りだけど、
     北川ガイトコなんてオフィシャルですらないだろ!!とすごく言いたかった。
     おかげですぐに惚れっぽい性格にされたし、命の恩人なのに助けた相手に快楽殺人者よばわりされるし・・ま鬼ごっこの北・住地雷原コンビは
     笑えるから好きですけど(ならいいじゃん!!)ええスレ違いでした、すいません>>

768:醍醐 4日午後、山道 リサと蝉丸に撒かれる

770:ハウエンクア、牧村南 、風見鈴香、高倉みどり 4日午後マンション一室 皆でごはん
    <始まりから碌な目にあってなかったハウ。最後にいい目に合えたようだ
221名無しさんだよもん:04/06/29 19:46 ID:H0n9CEMK
愚痴は外部板の愚痴スレで吐いた方がいいんじゃないかなぁと思う。
まとめてくれるのはありがたいんだけどさ。
222名無しさんだよもん:04/06/29 19:51 ID:42nwV0Xi
同意する話もいくつかあるが、垣本に関しては『垣本』で笑わかせてくれたから個人的には満足。
223Watchers who standing from top of the tree:04/06/29 21:29 ID:bQil83nM
「…………どうやら駄目だったようですわね」
「ま、時の運ってなヤツだ」
「くぅぅっ! 繭ぅぅぅぅっ!!!」
 町外れのペンション、そこの食堂の片隅で奇妙な面子がテーブルを囲んでいた。

「ま、泣くなやおっさん。これも一つの結果だ、あいつらはあいつらなりに頑張ったんだろう」
 クロウがばんばんと高槻の肩を叩きながら酒をつぐ。
「くぅぅっ! おっさんと呼ぶなぁっ! こう見えても俺はまだ若いんだぞぉっ!」
「へぇ、そいつぁ意外だな」
「とてもそうは見えませんわね」
 口を揃えるカルラとクロウ。
「…………おおおおおっっっっっ!」
 感涙だかなんだかよくわからんが汚らしく顔を歪める高槻さん。

「いいから飲ませろっ! もう飲まなきゃやっとられんわっ!!」
「そういうことなら私もお付き合いしますわ。クロウ、私にも酒を」
「これで何杯目だよ」
「あら、まだ数えれるうちは飲んだ範囲には入りませんことよ」
「………あー、はいはい。もう好きにしてくれ」
「苦労とやら! 俺にも次をよこせぇぇぇぇぇっ!!!」
「クロウだってのに。はいはいわかったよ。俺様はしがない給士だよ。はいはい」
 ブツブツと文句を言いながらも2人の杯に酒をついでいく。
「それにしても……さすがはあるじ様のご息女ですわね。まさかこの荒唐無稽な島で最後まで生き残るとは」
「総大将の娘さん……か。にしても、ま。この四日間、なかなか面白くはあったな。残念ながら守りきるこたできなかったが」
「ふん、結果で評価することなど他人がやればいい。重要なのは自分が満足できたのか、それだけだ。
 俺は繭と過ごしたこの数日間、非常に充実していた。結果だけ見れば負けたわけだがそれは後悔していない。お前も自分に自信を持て」
「……………」
「……………」
 高槻の台詞に目を丸くするうたわれ2人組。
「……本当、あなた……」
「馬鹿なのかわかってんのかよくわからねぇこと時々言うよな」
「うるせぇぇぇぇ! 時々は余計だぁぁぁぁぁ!!」
224Watchers who standing from top of the tree:04/06/29 21:30 ID:bQil83nM
 カラン……
「あの……すいません」
 とまあ楽しく過ごしていると、不意に出入り口の鐘が鳴った。
「あら? あなたは……」
「あ……その、こんにちは。私、この島で屋台を引いているアレイといいます」
 ペンションに入ってきた少女、アレイはペコリと頭を下げた。
「何の用事だい? もうゲームは終わったんだろ」
「はい。それで皆さんにお届け物があって参りました。これ、帰還用の魔法瓶なんですが――――」

 ――――ひとしきり説明を終えると数本の魔法瓶を残し、アレイは再度ペンションを離れて壱号屋台の元へと戻っていった。

「転送魔法……と」
「世の中便利なモンがあるんだな」
「しかぁし! 今の小娘の話によると繭たちはすでにホテルに居るらしいではないか! よし、では早速戻……」
「お待ちなさいな」
 高槻が手を伸ばした瓶はひょいとカルラによって拾い上げられる。
「他の方々にも配って差しあげないと。ホテルまでは結構距離がありますから」
「ん? どしたんですか皆さん」
 同時に、物音を聞きつけたのか店の奥から皐月が姿を現した。
「あらちょうどよかった。実は――――」
225名無しさんだよもん:04/06/29 21:32 ID:bQil83nM
「ああ。あたしはいいです。もうちょっとここに残っていきます」
 アレイの説明とほぼ同じ内容の説明を聞いた皐月だが、彼女は首を横に振った。
「あら? 暖かいベッドで休みたくはありませんの?」
「まあ後ろ髪引かれる感じはしますけど、滞在中にここ結構散らかしちゃいましたから。それを片づけてから戻ろうと思います」
「行儀がいいことですわね」
「えへへー。そんなこと言われたのって初めてかも。ま、立つ鳥跡を濁さずって言いますからね」
「パンダの嬢ちゃんたちはどうしてる?」
「ああ、話しかけない方がいいですよ。今なんだか鬼気迫る勢いで漫画仕上げてるみたいですから。心配しなくても6時までには帰ります」
「うぉぉお前らぁ! 俺を無視するなぁ! 俺ぁ片づけなどどうでもいい! さっさと繭の元へ帰らせ……ぐへっ!!?」
 カルラから魔法瓶を取り上げようとした高槻だが、逆に手首を極められるとそのまま再度イスに座らされた。
「なら私『たち』もお手伝いしますわ。酒瓶を空けなくては片づきませんでしょうから、ね。高槻さん、付き合っていただきますわよ」
「うぉぉ! 勝手に話を進めるなぁ! 第一俺らが戻らないと下手をすれば繭たちが心細……」
「というわけでクロウ、先に戻って彼女らにこのことを伝えておいてくださいな。6時までには戻ります、とね」
「あいよ、わかった。どうせ酒が絡んだお前に口答えしたって無駄だ。じゃ、俺ァ先に戻ってるぜ。カルラ、おっさん、嬢ちゃん、また後でな。よい……しょっと!」
 そしてキュイッと瓶の蓋を半回転。瞬間彼の身体は光に包まれ、遙か空の彼方へと消えていった。
「さあそういうわけですから皐月さん、空けたい酒瓶はどんどん持ってきてくださいな。いくらでも私たちが処理しますので」
「オッケーラジャーアイアイサー! まだまだ残ってるからね。ジャンジャン行っちゃっていいですよジャンジャン!」
「だぁかぁらぁお前らわぁぁぁぁぁ! 俺の話を聞けとぉぉぉぉぉぉ!!!」
226名無しさんだよもん:04/06/29 21:33 ID:bQil83nM
【四日目午後 町外れのペンション】
【クロウ ホテルへ帰還】
【カルラ・高槻 酒瓶の処理】
【皐月らは片づけを済ませてから帰還】
【同人娘は追い込み真っ最中】
【デリはそのへんで潰れてるかと】
【アレイ(壱号屋台) 魔法瓶の配布続行】
【登場【クロウ】【カルラ】【大庭詠美】【猪名川由宇】【デリホウライ】【湯浅皐月】【梶原夕菜】【サクヤ】【高槻】『アレイ』】
227訳あって改名:04/06/30 08:18 ID:p2U7BKHE
昨日途中で終わってしまったので続きを
771:坂神蝉丸、リサ・ヴィクセン 4日午後山頂近くの岸の麓 リサ最後の戦いそして彼女は眠りにつく。
    <<すいません。スレ違いなのは分かりますが、これだけはここで言いたい。前も言いましたが残った5人のなかで
      みちる;守られていた者達が最後は自分の力で頑張る物語、観鈴;鬼の優勝者を決める最後のポイント、ハクオロ;
      マナの言った通りエルルゥが鬼ごっこの思い出を作る為の勝負、楓;もし初音との賭けを持ち出した場合千鶴さんが
      主催者権限、及び鬼の本当の優勝者の事を持ち出し「葉鍵鬼ごっこ」が「痕」の痴話喧嘩話になってしまい、今まで
      の物語が壊されしらけた終わりになる危険性がある、と問題点が目に付きました。そしてリサは楓と同盟(それも
      協力はしないが邪魔もしないだけ)組んだ他は美汐Tに2回程助けられ
      た以外ほとんど1人で戦いぬき、その勝負じたいも質、量共に他の参加者よりも多く一番優勝にふさわしいキャラだ
      と思いました。展開の方もみちるは今にも捕まりそうで、ハクオロと楓も遭遇して混戦状態に陥り、観鈴もTOPの2人
      に追われ、リサも追われていましたが何とかなりそうでした。この話を見た時、大停滞した流れを進めてくれた事には感謝
      しましたが、何故ここでリサが脱落するのか、残った4人の内、誰を優勝させるつもりなのか、又その場合上にあげた問題点
      をどうするつもりなのか、とても気になりました。(続く)>>


228訳あって改名:04/06/30 08:19 ID:p2U7BKHE
772;観月マナ、エルルゥ、少年、ハクオロ、柏木楓、光岡悟、ユズハ、アルルゥ 4日午後、市街地の一角 
    ハクオロは条件反射でアルルゥを抱き上げてしまい、それを見たエルルゥが激怒。そのままアルルゥと
    喧嘩になってしまう。楓の方も少年の誘導によりマナによって鬼になってしまうが、エルルゥ達を見て
    色々と思うことがあるのだった。
<<(続き)リサが鬼になった時点で次に考えたのが楓でした。実力もあるし戦績もリサの次くらいにあるからです。
      問題点も管理者は千鶴さんの他に秋子さんもいるから、いざとなったらなんとかしてくれると考えました。
      しかしこの話は前に予想した通り混戦状態の中2人共、脱落するといったものでした。ロワでは常に葉よりも
      鍵の方が優遇され特にAIRがいい扱いを受けている(まあ最初のほうで半分になった挙句、結局鍵作品の中で
      唯一、生存者無しになりましたが)と言われてましたが、今回の話で<葉、実力者3人全滅。鍵、ずっと守って
      もらっていたAIRの一般人2人が残る>もう優遇どころの話ではなくなってしまいました。確かに終盤運だけで
      残る逃げ手がいても良いとは思いますがこれはいかんせん、やりすぎだと思います>>
229訳あって改名:04/06/30 08:30 ID:p2U7BKHE
俺がここに書くのも(多分)最後では

END:しのさいか・立川郁美・椎名繭、みちる、城戸芳晴、牧部なつみ、宮田健太郎、小井出由美子、コリン、
   深山雪見、名倉由里、柳川祐也、塚本千紗、広瀬真希、山田まさき、巳間良祐
   柏木千鶴 4日午後、ホテル 
   ホテルと山道で同時に展開する最後の鬼ごっこ。そして鬼と逃げ手の優勝者が決まる<<なにはともあれ決着!!>>

EP1:ゲンジマル、ディー、長森瑞佳、伏見ゆかり、スフィー、折原浩平、神尾観鈴 4日午後、山中の道 
   敗れたディーは少女達の品定め(胸)をして残した者達の所に帰っていく。…ゲンジマルは無視して。
   (ハラワタを・・ブチまけろ〜〜!!のセリフは楓より千鶴向きだと思う。特にこの状況だと。)

EP2:クーヤ、マルチ、月宮あゆ、里村茜、上月澪,柚木詩子、美坂栞 4日午後、湖畔の前の屋台 
   茜達3人はシュインの魔法でホテルに行った。クーヤ達3人は食べた分の弁償として他の参加者達に
   魔法の筒を届けに行き、危険人物の栞は再戦を誓いそのまま帰らされた

EP3:764続き<<前に挙げたみちるが優勝した時の問題点が、ちゃんと解決してたのがよかったです>>

長々と穴だらけの各リスト及び駄文を書き続けてしまいました。
最後に一言「何だかんだ言っても紙媒体化希望。もしでたら買います」
230名無しさんだよもん:04/07/01 03:24 ID:yrkPJd70
一応保守っておくか
231名無しさんだよもん:04/07/02 03:02 ID:0ciUqwGB
保守は任せろ。
232名無しさんだよもん:04/07/03 02:50 ID:UGbAX9B7
しかし立川兄の出番の少なさは人語を絶するな。
登場話数では一番少ないんじゃないか?
だれか調べてみないかなー…と他力本願なことを言ってみる。
233訳あって改名:04/07/03 12:19 ID:c69oNYkp
>>232 186、257、308,314,528,560の計6話だけだね
でも出番の少なさではフィルスのキャラ、リアン、芳賀玲子も相当なものがるぞ
て最後って言ってから3日しか経ってないのに書いてる俺て・・・
234名無しさんだよもん:04/07/04 02:47 ID:midPvmmT
一番多いのはDか、Kanonの誰かってとこかな。
235名無しさんだよもん:04/07/04 08:32 ID:ZPnR8o1F
観鈴あたりもじゃないの?あの辺はセットで出てくるし
236名無しさんだよもん:04/07/04 08:33 ID:ZPnR8o1F
学園と間違えた……orz
237名無しさんだよもん:04/07/04 11:15 ID:yVa5R+EF
Kanonは名雪、を除いてみんなそれなりに活躍したな。
ただ、真琴、美汐を除いて、みんな一度は叩かれてしまったが。

個人的には、今回佐祐理が良かった。
やられ役に終わらずに、最後に1ポイントもぎとったところも含めて。
238名無しさんだよもん:04/07/05 03:38 ID:BpxEpjE6
出現率作品部門ではKanonだな。
239名無しさんだよもん:04/07/05 12:49 ID:EQjHh9ks
Kanonは問題作も多いな。
香里の最終万能兵器セリオとかつまらないU−1SSとか
伏線潰しが多すぎ。痛い書き手が多かった。
240名無しさんだよもん:04/07/05 12:52 ID:Gh0w96GC
オイオイ、今風に言わないでくれ
アレはアレで、あの時代らしいネタでそれなりの議論にもなったんだしもういいじゃないか
241名無しさんだよもん:04/07/06 02:10 ID:lXhIiM5u
ロワと被んなくてホントよかった。
242名無しさんだよもん:04/07/06 07:32 ID:3B5WDoNm
それは激しく同位しとく。
243名無しさんだよもん:04/07/07 05:17 ID:VfCtCq4h
干す
244名無しさんだよもん:04/07/08 03:38 ID:R7LUMTTY
洗濯
245名無しさんだよもん:04/07/08 21:21 ID:HiUxQFR0
まあ、このまま終わるのも寂しいし、また週末ぐらいに軽めのエピソードを落とさせてもらおうかな。
ほとんど自己満足になりそうだけどね。

それはそうとして、そろそろ自分の作品を発表したりとか、思い出話とかしていっていいですか?
246名無しさんだよもん:04/07/08 22:12 ID:dRxe5fT1
いいんじゃないか。
今更なんの作品が来ても派手に荒れることはないだろうし。
247名無しさんだよもん:04/07/08 22:14 ID:dRxe5fT1
思い出話にもなるだろうしな。
248名無しさんだよもん:04/07/10 02:38 ID:LyGcYbJN
告白待ちsage
249名無しさんだよもん:04/07/10 04:14 ID:SQa5gc1N
それでは、自分の書いた話を告白させていただきます。

231話「High Speed Dance」    257話「盾」                 276話「根競べ」
308話「縁、あるいは因果応報」  328話「二人は知らない」        359話「竜虎演舞」
410話「乙女のピンチ」        435話「久瀬、心の向こうに」     437話「戦え久瀬!何かのために!!」
463話「その嘘の価値は」      473話「真夜中の大作戦」       480話「挟み撃ち?」
485話「コーヒーブレイク」      495話「ホテルの攻防戦」       503話「誰のために鐘はなる?」
505話「忍び寄る影」         516話「狐の縁」             521話「鬼と力と情報と」
532-B 話「狩猟者の借り」     545話「原稿をめぐって」         552話「いつか、約束」
557話「耳を澄ませば」       559話「再会なるか?」          563話「Silent Walk」   
567話「せめて抵抗を」       575話「迎撃、追撃」            578話「最終局面」
585話「みんな集まれ灯台へ」   603話「レイニィ・レイニィ・センチメンタル」   610話「ブリッツ」
250名無しさんだよもん:04/07/10 04:16 ID:SQa5gc1N
617話「黄昏の狂想曲」       622話「美女と野獣×2」         628話「主の夢」
637話「今、出来ること」       638話「お隣さんとの付き合い方」   640話「結束と裏切り」
642話「小さな森の木の上で」   644話「ひとまずの決着」        648話「マナーは大切にね☆」
651話「飲み過ぎ注意報」     654話「嵐の前の静かな夜に」      655話「世界最強の名の下に」
661話「Time Up」          666話「御裾分け」             668話「おとーさんの怒り」
678話「不安と愚痴と」       682話「Lock ON」              687話「月が沈む時」
688話「おさかな天国」       695話「続、負の遺産」           697話「サクヤの日記(三日目夕方まで)」
700話「親切の見返りは」     701話「サクヤの日記(三日目夕方から就寝まで)」   713話「希望の星に向かって」
719話「リスタートあゆ」       720話「地雷を踏んだらサヨウナラ」   722話「俺の屍を超えてゆけ」
725話「サヨナラ」          738話「負け犬達の挽歌」          754話「8分の1の確率」
761話「その思いが届けば」    763話「せめて最後の援護を」       764話「自分の力で」
765話「線が交わる時」       767話「勝負の傍らで」            772話「もし、学んだことがあるのなら」

以上、66話です。
251名無しさんだよもん:04/07/10 04:27 ID:SQa5gc1N
こうやって見ると、前半久瀬しか書いてないですね……
確かにあのころは暴走してました。申し訳ない。 それと、全感想を途中でやめてしまいもうしわけありません。

好きなキャラは、やはり自分が書いたキャラが中心となってしまうのですが、
久瀬、リサ、柳也夫妻、ハクオロチーム、七瀬&佐祐理、浩平チーム、茜チームなどになります。
他の人がメインで書いてた中ではD、カルラ、三人娘、岩切などですね。
Dは、正直自分では手を出せないほど完成度が高かったです。

それでは、ひとまずこの辺で。拙作を読んでくださいました方、感想をつけて下さいました方、ありがとうございます。
252名無しさんだよもん:04/07/10 15:06 ID:dYNp7jx3
久瀬は序盤と後半は悪くなかったと思ふ。
253名無しさんだよもん:04/07/11 01:39 ID:W9SQA6ES
>>249氏乙でした。
個人的にはサクヤの日記とお魚天国おとーさんの怒りが好きだな。

中、後半久瀬はいい書き手に恵まれたね。同じkanonのU-1達と違い。
254名無しさんだよもん:04/07/11 01:41 ID:KkX3w0f+
なんで余計な一文をつけるかな、君は。
255名無しさんだよもん:04/07/11 01:44 ID:W8khggXD
久瀬は扱いが良くて然るべきキャラだしな
256名無しさんだよもん:04/07/11 01:48 ID:KkX3w0f+
あ、バカが寄ってきた。
257名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 07:59 ID:StETtjV3
それじゃ俺も告白。

511「誤算」             520「chase!」               522「最悪の訪問者」           524「memories」
528「信念」             534「場外乱闘」             543「泣いた天使がもう笑った」      544「家族の肖像」
546「侍魂」             554「人外 2×2(ツーバイツー)」   583「かりそめの同盟」          590「雨の日の過ごし方」
595「マナーは守りましょう☆」   608「brother and sister,and girls」   614「ターミ姉ちゃん」           616「kinoko」
621「運だめし」           633「質 vs 量」              636「伏兵」                 646「山猫と老戦士─襲撃─」
650「山猫と老戦士─終劇─」  660「策士たちの庭」           665「二兎」                 667「ホテルの攻防戦再び」
675「flying enemy」        676「忘れられた男」           677「D-LIVE!!」               699「Mission」
705「HUNTER × HUNTER」   724「笑っている場合ではない」    726「グッドナイト スイートハーツ」   729「Trap & Magic」
743「お約束の結末」       746「Last Action Heroine」       749「Every time I speak your name」 752「真昼の遁走曲」

以上、計36話。
自分じゃ結構書いたなー、と思ってたけど>>249氏と比べたら全然ですな。
書いたキャラで印象に残ってるのは詩子、大志、緒方兄妹あたりかな。あんまり特定のチームを書いた意識はなかったけど
こうしてみるとそうとも言えず。前半はともかく後半はほとんど同じ面子だし。他にも何かと反省することしきりです、はい。

>>249さん乙でした。感想もらえたときは嬉しかったです。
盾、ホテルの攻防戦、Silent Walk、黄昏の狂想曲、主の夢、小さな森の木の上で、おとーさんの怒り、せめて最後の援護を
個人的にはこれらが特にお気に入り。
258訳あって改名:04/07/11 10:41 ID:bEETxndn
上の方にある「最終履歴」
愚痴書いたり最終履歴なんて書いた為誤解されましたが現在地確認と、思ってください。
そもそもアレ書いたの、このまま最後まで行ったら忘れ去られるキャラ(由美子に殴られて
そのまま落ちてこないニウェとか浩平にどっか捨てられっぱなしのヌワンギとか)が出るなー
と思って全員のフォローは無理(いとっぷ・貴之組と耕一・瑞穂組の写真のトレードとか)でも
なるたけ多くのキャラの補間がされたらいいなと思います
259訳あって改名:04/07/11 10:50 ID:bEETxndn
なんか最後の文が変になってる。”いいなと思って書いた物です”に変えておきます(それでも変だし)
260名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 12:17 ID:NVp5UYlK
まあ忘れられたのはそれとしといて無理する必要もないと思うが…
261名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 13:30 ID:u1e7fneb
何個かエピローグ投下してからにしようかと思ったけど、ちょっと時間がなさそうなので告白。

029 過去からの便乗者            044 所詮、鰯の頭         049 打算者二人
061 恋は盲目                  068 光る白衣が運の尽き     093 節操無しの野望
147 死に様があんまり似てるから      166 穴の中にて          190 まなみ、回想
235 奴は目覚めた               252 名倉友里、お前もか     269 薮鬼
278 こんな巳間良祐は嫌だ         320 管理者マターリ          345 大切な人
356 新たな出会い…のシチュエーション  382 また、ふたり         414 唯一にして最悪の前科
439 砂浜の攻防                488 薄暗闇の森の中で      517 罪は一瞬、罰は一生
612 束の間の健康体             619 灰色の友情          657 Fly High!
691 彼女が立つ、その屋上の上で

以上、25話。
途中から読む側に回りましたが、自分の書いたネタが繋がってたりすると嬉しかったですね。
262名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 16:50 ID:3Fppbelg
>>257
この中なら、侍魂、山猫と老戦士、D-LIVE!!、グッドナイト スイートハーツが面白かったかな。
特に、D-LIVE!!の詩子がよかった。
詩子はこの作品に限らず常にノリノリで、見てて楽しかったよ。
常に冷静な茜や、振り回される観鈴との対比も面白かったし。

263名無しさんだよもん:04/07/11 22:11 ID:ewtb9g0V
誘導
http://info.2ch.net/guide/adv.html#saku_guide
|6. 連続投稿・重複
|同じ事象・人物に関するスレッドは、個々に多少の違いがあっても原則的に削除対象になります。
|その場合、立てられた時期・時間、1に書かれている内容、レスがどれだけついているか、という優先順位で総合的に判断します。

葉鍵板・SS総合スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1089537629/
264名無しさんだよもん:04/07/12 04:29 ID:QOLV7hNc
自分が書いたのかどうか微妙なのがあった…
一年以上前のだからなぁ。
265名無しさんだよもん:04/07/13 16:33 ID:eJyNFgn5
結局賞品は何にしよう?
266名無しさんだよもん:04/07/14 01:38 ID:QSrNTosL
逃げ手3位ぐらいまでと、鬼1位が常識的な範囲内で願い事を一つかなえてもらえる。
プラス賞金額で差異、ぐらいかな。
何位までか、っていうのはネタがあるかどうかによるんだろうけどね。

とりあえず、ようやくエピローグを読んだのでちょっと感想を。
魔方陣は便利だな。ちんたらホテルまで集める話を書かずにすむし。
まあ、もうホテルに集めてしまっても良いと思うけど。
あゆ、クーヤ、マルチにちょっと出番がありそうかな。
栞はなんだかんだいって最後は綺麗にしめたかな。逆に地雷コンビはグダグダになりそうだけど。
267名無しさんだよもん:04/07/14 01:45 ID:kWJGAvvE
今、書き手さんはまったりと>>137の伏線まとめ話やエピローグの部分を考えているのだろうか。
268名無しさんだよもん:04/07/14 02:03 ID:QSrNTosL
さて、このまま静観というのも少し寂しいので、お気に入りのキャラをあげてみよう。
全員分所見を書こうとも思ったが、荒れそうなので控えておく。

ハクオロチーム
  ハクオロはなんだかんだいって格好いいな。マジでそう思う。
  このチームはDチームとはまた違った形で擬似家族を形成していたように感じた。
  ハクオロをきわどくからかう美凪も萌え。
Dチーム
  ここはもうネタの宝庫ですなぁ。よくここまで色々なことを思いつくものだと感心しながら読んでいた。
  Dは完全にオリキャラなんだけど、決して一発キャラではなく矛盾がなくキャラ立ちしていた。
  ギャグの合間にレミィやさいかを大切に思っているというのが伝わってきたし。
雅史 
  常に穏やかでしっかりしているって感じで、好感度は高かった。能力はないけど、頼りになる。
  三人娘との相性も良かったけど、沙織との相性も良かった。
  手紙イベント考えた人はGJ。彼によく似合う役回りだと思う。
七瀬チーム 
  姉御な七瀬と、やられ役の佐祐理の関係は新鮮で面白かった。普通は逆なんだろうけど。
  佐祐理がギャグキャラで終わらず、最後には七瀬の力を借りて
  茜達に勝利できたっていうのも、なんか良かった。
晴子チーム
  一番多い時は、晴子、ベナウィ、茜、詩子、澪、観鈴の大所帯。
  でも、全員違う属性のキャラなため、うまくそれぞれがキャラをたたせていた(やや澪が弱いか?
  晴子の人情話はやや助長に感じたが
夫妻
  逃げ手の中では一番応援してたなぁ。ここまでラブラブなのは新鮮だった。
  二人に流れる穏やかな空気がなんとも言えずいい。
セリオ
  万能化してしまったために叩かれてしまったキャラだけど……個人的には好きです。
  一件冷静なようで、チームの誰よりも香里を優勝させたがっているっていう
  キャラ付けは上手いと思ったんだが。
269名無しさんだよもん:04/07/14 02:08 ID:QSrNTosL
あらら、途中で送信。
「晴子の人情話はやや助長に感じたが、観鈴を中心にして上手くストーリーになっていた」で。

まあ、好きになったキャラはこんな感じで。
岩切やゲンジマル、真っ黒なまなみに、いつの間にか協力している大志&往人とかも好きだったな。

人気投票とか本当はやりたいんだけど、ちょっと人数が集まりそうに無いかな。

270名無しさんだよもん:04/07/14 02:12 ID:9Z8herBX
>267
どいつを書いたらいいのか迷ってる状態ですなー。
全部書くのは無理ですけど、関わった連中ぐらいはなんとか書きたいと思ってるんで、どいつからやったものだか。
271名無しさんだよもん:04/07/14 15:04 ID:QA02ZNl6
久瀬とか書かれてもいい気がするんだがなぁ。

しかしフィルス組は哀れだ。
272名無しさんだよもん:04/07/14 22:06 ID:kfAOl2Cb
恥を忍んで告白致します。

8:みさきと智子                199:岡田軍団 番外編「同士・佐藤雅史と云ふ者――」
21:眠れる森の…               202:さおりんが来る…!
23:迷コンビ誕生?              226:眼下に見えるは…
32:岡田軍団 いきなりピンチ編(笑)   228:運命のコイン?
34:美しき浜辺にて              240:観鈴ちん、また一人ぼっち…
40:子鬼、登場                 262:「禍福はあざなえる縄の如し」
47:ポッキーの結ぶ友誼           289:森の小さな教会で――
50:流れ着いた落し物            291:チキナロを探せ!(笑)
55:レモン銃                  302:岡田軍団 団長受難編(笑)
58:気まぐれが招いた物は…?      316:誤報――
64:大志と瑞希 仕返し編?        330:カルラの真意
72:岡田軍団 空腹編            343:人、恋しくて…?
80:星空の『優しい鬼』            379:岡田軍団 「明日に向かって走れ!」編
102:理由と権利                383:宵闇の駅
118:再会――少女と子狐          397:ストームトルーパー・葵
124:闇よりの帰還(笑)           412:穴の中のトワイライトゾーン
132:今度こそは…!             427:岡田軍団 「一難去ってもまだ一難!」編
143:鬼とオートマ―タ            449:リスタート・K♪
154:雪見さん 復活の夜明け       456:雨の朝、再会はドラマチックに?
157:智子小隊 行動開始…!       464:岡田軍団 「ミッドナイト・ランナウェイ!」編
164:岡田軍団 希望の夜明け編     477:“盲亀の浮木”……?
170:怪人さんと屋台で朝食♪       483:岡田軍団 別離編 「別れの朝」
184:まだまだ負けません♪         504:「チームプレイ VS チームワーク」
188:俊足コンビ 地に帰還         510:妄想と情熱の間――
196:小隊長は、情熱派           535:ひかりの誤算 高槻の誤算
273名無しさんだよもん:04/07/14 22:07 ID:kfAOl2Cb
538:レイニィ・レイニィ・メランコリック
569:エスコート・ナイト
572:兵士の策―― ――戦士の賭け
587:ロックンロール・マザーズ
601:ポスト・ボーイ
604:「友情」 「犠牲」 ――そして「誇り」
629:その笑顔の価値
634:イ・ケ・ナ・イ・♪ ルミラ様っ! 「タダより高い物は無し」
656:終焉のノクターン
664:和みと言う名の鎮魂歌
673:睥睨するモノ――

計、61本。
荒れを産んでしまった物、調子に乗って浮かれてしまい大恥かいた物、
キャラの性格を掴みきれずに「誰だよ、これ?」状態になってしまっている物…
誤字脱字も多いですね。何より殆どリレーしてないし…(;'A`)
ですが、良い経験になりました。
「寝る時間さえも惜しい!」と思えたのは、久し振りの快感でした。
読んで頂き、叱咤激励を下さった方々、本当にありがとう御座いました。
終盤戦は着いて行けずに脱落してしまい、申し訳ありませんでした。
そして、みちるタンおめでとう御座います!
274名無しさんだよもん:04/07/15 00:32 ID:f3CWV4Im
では私も。

220 Another Morning, Another Way 222 Trap De もっと  244 似ている、二人?
261b 悪女の条件(アナザー)    277 Sci-Fi SERIO    293 楓的姉妹認識
297 女と着替えと葛藤と      307 童話的現実    321 来栖川ラプソディ
335 散らばって散らばって     353 不可視の対決 with 主人公s  408 誤解、再び
421 天然地雷投下娘・千紗     445 前世と現世の狭間でアイを叫んだけもの
460 どろんこあそび        472 編集長の手腕   499 逆襲の編集長
523 女3人で姦しい。では4人では? 541 或る報告書
551 流れ同人作家旅情3編準拠:長谷部彩      561 中盤の鬼は -DEAD OR ALIVE-
566 最終兵器彼女         584 まちあわせまちぶせ 631 非最終兵器彼女A
684 名探偵(?)河島はるかの事件簿[問題編]
686 名探偵(?)河島はるかの事件簿[解答編]
アナザー Shiori unlimited

計27話 ラストは外部改訂スレに投下したものの、アナザー行。まとめサイトにはまだ載ってません。

リレー、というかSS自体ほとんど初めてなので、投下したもののずいぶんと改訂をやる羽目になった記憶があります。
悪女の条件やはるかの事件簿でさんざん叩かれましたし、他のモノにしても今見直して言葉が
足りなかったりする部分が多々見られるあたり、まだまだ未熟ですね。反省してます。
あと、捕獲鬼数はゼロ。こちらは予定通りでした。
275名無しさんだよもん:04/07/15 01:12 ID:8jxCj7yN
じゃあ俺も書いた本数極少だけど告白。
俺みたいに序盤と中盤ちょこっとだけ書いて、そこで離脱した人はもうここにはいないのかな……いないか。
私事で長いこと離れてて、復帰するころには大分話が進んでいたからなぁ('A`) 書けない作品も結構あるし。
こんな半端な俺だが、晒すだけ晒してみよう。

016 054 071 084 (ここまで無題) 119 フェイク・トリック  133 フォーリング・ダウン   

はるかと月代の話、美咲と彰の話×2、由綺とはるかたちの話、理奈となつみの話、きよみ(白)と彩の話と、
ここいら、133以外は全部ホワルバ絡みだ(;´Д`) 
ここで一時期離脱し、しばらくしてから放置キャラサルベージに復帰。

394 兄弟の絆を分かつ閃光  411 飯への扉  418 現代的若者のコミュニケーション不全を表すサンプル×3
453 0.05秒の葛藤  467 ファンサービスは、いつも笑顔で  497 そして残すはただ1人  525 賭けの宣告

と、ここいらへんを書いたところでまた離脱。以後、復帰できず。計13本。少なすぎorz
もーちょっと書いてるかと思ったが……つーかうたわれとかが書けないのがけっこうきつかった('A`)

やっぱり美咲さんや彰、オガタリーナなどのホワルバキャラサルベージがメイン。
放置プレイ喰らってた霧島姉妹や、程良くピンチな楓ちゃんを覚醒させたりも。
ほんとは緒方兄妹は、この少し前で決着がついた美坂姉妹代わりに、引っかき回せれば面白いかな、
と思ってたけど、>>257氏に捕縛されるw いや、まぁ、それはそれで。
以後、書くことはできなかったけど、こっそり楓ちゃん優勝しろと電波を送っておりました。

一番気に入っているのは、ほとんど鬼ごっこしていない418w
ああ、後も一つ。みさき先輩のカレートラップで島真っ二つアナザー書きましたw
276名無しさんだよもん:04/07/15 01:19 ID:tS1Hr4ZA
今判明してる書き手さんは6人で228/775話か。
あと残ってる人はどのくらいだろ。
277名無しさんだよもん:04/07/15 01:50 ID:8jxCj7yN
ごめんなさい、もう一本あった。 533 布団の中の約束 
霧島姉妹絡みで、も一本書いていたの思いだした。計14+1本。
278名無しさんだよもん:04/07/15 07:27 ID:DYiXm6ek
>275
>みさき先輩のカレートラップで島真っ二つアナザー

あの話には爆笑させて貰いますたw
279名無しさんだよもん:04/07/15 17:39 ID:3qhH9q2c
中盤に3本ほど書いたけど、
今読み直すと晒すのが恥ずかしくて…
280名無しさんだよもん:04/07/15 17:48 ID:kbMRIeCR
では自分も告白させていただきます。

「318悪女・美坂栞」「323霧島姉妹のお散歩」「358c/v川上とも子」
「395佐祐理の決意」「413相沢少年の事件簿」「482漢垣本誕生」
「512鬼ライダー詩子への道」
「542鬼ライダー詩子への道2〜師匠の娘と唐辛子手榴弾の哀歌と漢の嘆き〜」
「570リスタート・清(略)」「576”管理”室はいつも「殺します」のち「了承」〜友情篇〜」
「602聞いてオガタリーナ♪」「615マンイーター・水瀬名雪」
「627鬼ライダー詩子への道3 〜観鈴の過去とバイクを探す旅〜」
「641マンイーターの後始末」「647中の人たくさん」
「663マルちゃんクーヤとあゆあゆ」
「670詩子タイフーン」「683望まざるして…」「690すばるを探して三千里」
「708相沢くんと水瀬さん達と」「737るみまんが七瀬」
「742塚本さんと国崎くん達よ〜塚本さんと夢の魔力〜」
「756麗子のおつかい」「760背景〜Background〜」
以上24本。
アナザー:「ミナギロ!」

今見返すと、声優や人情晴子など一つのネタに固執してスベってます。
暴走して壊れまくったのも幾つか(特に初期)。
うーん、オマージュばかりで、自分でネタをあんまり考えていないような……
あと、知ったかぶりでいろいろ変なことも書いてます。
「どうしたらいいんだ」になっているのは恥ずい……
反省点が多すぎてどうすればいいんだ;

基本的に放置されていた人からネタを考えてましたが、個人的には詩子さん茜澪の三娘がお気に入り。
リレーSSなんて始めてで、良い経験になりました。何より楽しかった。ありがとうございました。
みちる優勝オメ!
281名無しさんだよもん:04/07/16 03:09 ID:gnmGgJki
>>274
684 名探偵(?)河島はるかの事件簿[問題編]
686 名探偵(?)河島はるかの事件簿[解答編]
これは何というか唐突過ぎたね(結果的に夫婦捕まってるし)

460 どろんこあそび 353 不可視の対決 with 主人公s 
晴香萌えの為好きです。ただ、どろんこ遊びの複線がU-1作家によって消されたのは
不運以外の何者でもないですね(本当ならアナザー行きなのに)
あのU-1作家の作品が嫌いで一時的に鬼ごっこから離れてました。

472 編集長の手腕 
素直にうまいと思いますた。編集長らしく頭使ってますし(ただしこれもU-1作家の為複線生かされず)

リレーSSにU-1作家入れちゃ駄目だというのが鬼ごっこの一つの教訓ですね。
282名無しさんだよもん:04/07/16 03:28 ID:3TGdtjFV
さすがにあれでU-1認定はできないと思うが(そもそもU-1はもっと別物)
一連の祐一書いてた人のやり口はリレーとして非常に不誠実なものではあったな。
もちろん人によって好きなキャラはいるわけだしそいつを贔屓するのは充分ありうるんだけどそこでは相応の技術が伴わなきゃやっぱり鼻につく。
俺は郁未や舞は結構好きなんだけれど、祐一が下手な贔屓をされてあのチーム自体の評判が落ちてしまったのは残念だった。
283名無しさんだよもん:04/07/16 07:26 ID:9Zq3juKM
活躍させるべきキャラを活躍させたとも言うけど。
284名無しさんだよもん:04/07/16 08:26 ID:Np6zjp0X
祐一自身は言うほど贔屓はされていなかったと思うが……
正直、文章力が不足していたな。
他の書き手にも下手な人達はいたけど、彼らはなんとか読むに耐えうる文章を書こうとしていたし、
そうやって書いてるうちに文章力をある程度のところまでは上昇させていた。
今、あげられている作品を見ても、上手くなっている書き手は数人いるしね。
でも、あの書き手はずっと未熟なまま。
特に最後の「残っていた負の遺産」が一番手を抜いていたっていうのが、残念だ。

最初に戦略的な視点を導入したチームとしては評価してるんだけどね。
285名無しさんだよもん:04/07/16 12:22 ID:kErXT8yI
郁みんや舞を仲間に加えたのは、おそらく鍵女性陣で最強キャラという考えで入れたと思う。
あの馬鹿作家のせいで、おね三人娘と雪ちゃんの極悪人の複線が消えたのは痛い。

>>284
少なくともU-1最強という描き方だろ、文章のうまい下手以前に(仲間割れの雰囲気もU-1の一言で解消w)
あと悪魔のような笑みと強情な性格だっけw

>最初に戦略的な視点を導入したチームとしては評価してるんだけどね。
突然ポイントの集中とか言い出してたしもう少し話を作れと小一時間ry
286名無しさんだよもん:04/07/16 12:27 ID:gf4AXrYJ
あんなどうでもいいキャラどもよりも雪ちゃんとかを活躍させてほしかった。
287名無しさんだよもん:04/07/16 12:35 ID:VAeGCRlt
問題の話って何話?
288名無しさんだよもん:04/07/16 12:36 ID:VAeGCRlt
追記。
確かに御堂を雑魚扱いしている話は酷かった。
手を数回地面に擦り付けただけでトリモチが剥がれるんだと。

ふざけんな。
289名無しさんだよもん:04/07/16 13:11 ID:Wn7CHTbY
だから自分の気にくわないものをとりあえずU-1と呼ぶのはやめいって。
そんなんじゃ本当のU-1を罵るときに言葉に重みがなくなっちゃうぞ。

まあ一連の祐一の話があれだったのは同意だけどな。
U-1とはまた違うって。

>287
それまではまだ個人的に許容範囲だったが「カタパルト」で怪しくなり、アナザーになったリサが消えるやつで決定的になり、「人形クジ」で脱力し、「残っていた」のころはもう呆れるしかなかった。
290名無しさんだよもん:04/07/16 13:15 ID:/tk+V4c0
祐一の最盛期は隊長を発見した時だな
291名無しさんだよもん:04/07/16 13:44 ID:HkFqENOU
ttp://hakaoni.fc2web.com/ss346.html
出るタイミングによってはこれも大荒れを招いてただろうな。
292名無しさんだよもん:04/07/16 13:49 ID:kErXT8yI
>>287
極悪人対決です。話自体がつまらない、いきなり罠にはまる雪ちゃん、どう見ても祐一にポイントとらせる為の話。
その後の超心理戦もこれ又糞つまらない話だった。
293名無しさんだよもん:04/07/16 13:54 ID:HkFqENOU
そーいや雪見も千堂・晴香も一度祐一一行に会って逃げ、改めてとっ捕まえられてるんだよな。
294名無しさんだよもん:04/07/16 14:17 ID:VAeGCRlt
ああ、見てきたけど、揃いも揃ってつまんねぇ話ばっかだな。
文も酷く幼稚だ。
書いたのがU−1作家じゃないかってのも頷ける。
特に極悪人対決は酷すぎだった。
リレーどころか一つの話の中で破綻してるわ、コレ。
295名無しさんだよもん:04/07/16 14:45 ID:19EmHreD
悪口ばっかり言ってて恥ずかしくないの?
296名無しさんだよもん:04/07/16 17:14 ID:89YWkQTA
良作には賛美を。
駄作には罵倒を。
297名無しさんだよもん:04/07/16 21:05 ID:XutMTCo8
乗り切ったか。
そろそろ作品がほしいな。
298名無しさんだよもん:04/07/17 21:52 ID:IMGKoL5U
逆に言えば、あのあたりで過剰に反応して潰し潰ししなくても
ほら、他の方が素晴らしかったから鬼ごっこはこんなにも見事に決着付いたじゃないか

ロワ2スレに巣食ってる連中もちったぁ見習ってみるのも悪くないんじゃないかと
299名無しさんだよもん:04/07/17 22:05 ID:Ugl+98i1
「逃げ手」は減っても「人数」は減らないってのは大きかったんじゃないかね
300名無しさんだよもん:04/07/17 22:11 ID:C1CTizme
あんま他のスレと比較するもんじゃないよ
301名無しさんだよもん:04/07/17 22:16 ID:1GEzhLYn
鬼ごっこは終わった。
それだけだ。
302名無しさんだよもん:04/07/18 17:32 ID:S92GOHeM
書き手報告行きます。

025 時を越えた出会い
053 木の上の眠り姫
062 洞窟探検開始
086 無題 (久瀬とオボロ)
123 サンクチュアリ(聖域)
204 つかの間の休戦協定
245 Crossed Destiny
282 準備は万端!さあ行くぞ!
299 夏草の線路
315 捕虜はかく語りき
349 Never forget this time
386 明日への希望
391 マルちゃんとクーちゃんの大冒険
416 S島日吉
434 遅いよ!マルチ(量産型)さん!!
440 井戸の中からボワっと登場、チキナロさん

全部で16話。書き手として参加できたのは中盤まででした。
204 つかの間の休戦協定 で、祐一が神奈を助けるために触れたのに鬼になってないことで論議を呼ばせたり、 
416 S島日吉ではブラックジョークだとしてもシリアスにしすぎ、かおり壊しすぎ、など、やや荒れる原因となってしまった話を書いてしまったのが今となっては反省しなくてはならないところです。
終盤の盛り上がる展開を書いてくださったほかの職人の皆さんに感謝を。お疲れ様でした。
303勝者-Winner-:04/07/18 23:43 ID:ww+hV2+N
 ばりばり・もぐもぐ・ごりごり・ぼりぼり・ぼぎぼぎ
 そんな(ヤバ気な)擬音に包まれながら2人の少女に貪り喰われていた我らがハクオロ皇。
 まさしくララミーの如く為すがままされるがままな感じな彼ではあったが、その放送を音に聞いた瞬間、顔つきが変わった。

 ――終了ッ! 優勝者……みちる!

「!」
 そのままガバッと立ち上がり、反動で思わずエルルゥとアルルゥを跳ね飛ばしてしまう。
「わっ……」
「きゃっ……! は、ハクオロさん? どうしたんですか突然」
 突然変わったハクオロの雰囲気につられ、エルルゥの闘争モードも収まった。訝しげに訪ねてみる。
「おと〜さん?」
 アルルゥも不思議そうだ。
「……っくっ……くっ……くっ……くっ……」
 しかしハクオロは答えず、ただ妙な呻きを漏らすだけだ。
「あ、あの……大丈夫……ですか?」
「おとーさん……平気……?」
 ちょっと心配になってくる2人。だがしばし経つと、やがて……
「くっ、くっ、くっ、くっ………はーーーーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
「わ、わっ!?」
「おとー……さん?」
 突如風船が割れたように大爆笑。パンと己の膝を打つと、おもむろに2人を抱き上げた。
「ははははははははははは! やったやったぞ! みちるがやったぞ! あっははははははははははは!!!!」
「え? は、ハクオロさんどうなさったんですか?」
「うー、高い高い〜」
 2人を高々と掲げ、ぐるぐると回転。まるで自分のことのように、いや、それ以上の喜びようでだらしなく破顔させている。
「みちるが勝ったそうだ! はははははは! やったじゃないか!!」
「みちる……?」
 不思議な顔をするアルルゥ。
304勝者-Winner-:04/07/18 23:44 ID:ww+hV2+N
「えーと、確か……あの子ですよね。前ハクオロさんと一緒にいた……ハクオロさんの隠し子!」
 そこまで思い出してエルルゥの形相が再度憤怒のソレになる……が、
「……はぁ」
 すぐに収まった。
「まあ許してあげます。ハクオロさんのそんな顔見せられちゃ、怒る気も失せちゃいますよ」
 クスリと苦笑し、ハクオロに抱かれるままにされておく。
「ん〜……隠し子隠し子」
「アルルゥ、そういう言葉を使うのはやめなさい」
「……ん」
「はっははははははははははははは! ははははは!」

「どうしたものか……」
 そんな彼を木の影から見つめる人影が。
「ハクオロ……ずいぶん上機嫌なようだが……」
 我らがクンネカムン皇、アムルリネウルカ・クーヤ様である。
 知っての通り彼女はハクオロとは旧知の仲。本来ならば
『むぅハクオロ、何やら調子が良さそうだな』
 とでも言いながら堂々とその御姿を顕わにしたいところなのだが……
「……さすがにこの姿は」
 背中の袋がズシリと重くのしかかる。飲食代の穴埋めに、屋台の手伝いで東奔西走を強いられている姿。
 このような情けない姿を知り合いの前に晒すなど彼女のプライドが許すはずがなかった。
「しかし無視して先に進むわけにもいくまい……」
 そう。その仕事がある。島中に散った参加者に魔法瓶を配って回るという、エビルたちに申しつけられた大切な仕事が。
 プライドもあるがかといって約束を違えるのも彼女の沽券に関わる。
 というわけで一行の近くの木の影。そこで今彼女はウンウンと唸っていた。
305勝者-Winner-:04/07/18 23:46 ID:ww+hV2+N
「やぁ、どうしたんだい?」
「わぉひゃっ!!?」
 と、唸っていたところ突然後ろから声を掛けられた。思わず驚き、素っ頓狂な声を上げてしまうクーヤ。
「……ん?」
 何という不運か。ハクオロがひとしきり笑い、一息ついたタイミングとバッチリ合ってしまった。その声に気づいてしまう。
「どこかで聞いたことがあるような声だな……」
 そのままクーヤが隠れている木に目をやる。必死に木の影に身をちぢこませるクーヤ様。
「誰かそこにいるのか?」
 件の木の脇に立っている少年に聞いてみた。
「え、ああ、はい……」
 素直に答えかける少年だが……
(ノ〜〜〜〜〜ッ! ノ〜ッ! NON! NON! NON! 頼む頼む! 余のことは黙っていてくれ! 後生だ! 頼むぅぅぅっ!!!!)
 目の前のクーヤが何やら身振り手振りでそんなことを懇願してきた。
「…………………」
 笑顔のまま固まることしばし。
「……………いえ、小っちゃなウサギが一人いるだけです」
「そうか」
 結局クーヤの気持ちを汲むことにした。

(……ふぅ)
 一息ついて額の汗を拭うクンネカムン皇。
(ハクオロさんの知り合いかい?)
 そんな彼女に少年が話しかける。……ボディーランゲージで。
(まあそんなところだ。とっさの行動、褒めて使わすぞ。……その、ええと……)
(少年でいいよ)
(変わった名前だな。余はクンネカムンが皇、アムルリネウルカ・クーヤだ。まあよい、少年よ。貴様にこれを預ける。受け取るがよい)
 袋の中から数本の魔法瓶を取りだし、手渡す。
(これは?)
(これは……中略……という道具だそうだ。帰る時に使うとよい)
(うん、ありがとう)
(では余はまだ仕事の続きがあるから行かせてもらう。汝も達者でな)
(うん、キミもがんばってね)
306名無しさんだよもん:04/07/18 23:47 ID:ww+hV2+N
 そして踵を返し、たったった……とクーヤはその場を去った。
 残された少年は魔法瓶の束を抱え、一行の元へと戻る。
「面倒をかけたな。クーヤは元気そうだったか?」
 開口一番、ハクオロがクーヤの名前を言い当てた。
「あ、気づいてました?」
「頭隠して耳隠さずとはあのことだな」
 苦笑する2人。
「で、その瓶は?」
「ああ、なんでもこれの蓋を開ければ一気にホテルまで戻れるそうです。どうぞ」
 そのままハクオロにも手渡す。
「そうか……ならば多少なりとも疲れたし、早く他の連中とも合流したい気もするな。エルルゥ、アルルゥ、お前たちもいいか?」
「そうですね。早めに戻っておきましょうか」
「ん。オッケ」
 首を縦に振る2人。
「キミたちはどうする?」
「僕たちも……いいよね?」
「そうね。これ以上やることないし」
 こちらも首を縦に振る少年とマナ。
「……キミらは?」
 そして残った2人。光岡と楓にも訊ねてみる。
「……確かにこれ以上島の中を彷徨いていても得るものはなさそうだしな。ホテルに行けば他の連中と会うこともできるだろう。俺も同行しよう」
「……………………………………」
 一人、沈黙を守る楓。
「というわけで我らはこれから戻るが……キミはどうする?」
「………………そうですね。私も戻ろうと思います」
 長い長い沈黙の後、楓も応えた。
「では決まりだ。皆一緒に戻ることとしよう。……開けるぞ」
 そして、魔法瓶を握る手に力を込めた。

【ハクオロ一行、少年、光岡、楓ら ホテルに帰還】
【クーヤ 引き続き配布続行】
【登場 【ハクオロ】【柏木楓】【エルルゥ】【少年】【観月マナ】【光岡悟】【アルルゥ】【ユズハ】】
307名無しさんだよもん:04/07/18 23:50 ID:ww+hV2+N
追加

【登場 【クーヤ】『ムックル』『ガチャタラ』】
308自覚無き天使+α:04/07/20 22:17 ID:IpD1JZK0
 ――終了ッ! 優勝者……みちる!

「終わった、か。まったく散々なゲームだったわ」
鬼たちから離れてふらふら飛んでいたユンナは、今までのことを振り返っていた。
黒髪の少女に妙なキノコを食べさせられて、気付いたときには人間カタパルトを喰らっていた。
その時黒い翼の少女を逃がしたのだが、何故そんなことをしたのかも良く覚えていない。ただ、何となく普段の自分とは正反対の―――思い出せば虫唾の走るような―――行動をしていたような気がする。
結局、何もしていない内にゲームが終わったようなものである。
けれど…
「何でかしらね。こんなに清々しいのは久しぶりだわ」
そう、ゲーム中の彼女の行いはまさしく天使と呼ぶにふさわしいものだった。…それこそ、彼に出会う以前の彼女のように。
「ま、とりあえずは戻りましょうか。せめて閉会式くらいは出ておきた「ぬ゛おぉぉぉぉぉぉぉ!?」…え゛?」
見てはいけない。直感がそう言っている。
それでも彼女は声の主を見てしまった。…そして、硬直。
視線の先には、約半日に渡って宙を舞い続けた老皇が、居た。


「私たちって…私たちって…」
「言うな、ティリア。認めちまったら負けだ…」
―――数分後、石原麗子の手によって4人の参加者が救出された。
超ダンジョンの天井を破って落ちてきた天使と老人。
その下敷きとなった異界の勇者たち。
彼らが生きていたことが、麗子にとって、今回のゲームにおける一番の驚きであった。

【ユンナ、ニウェ、ティリア・フレイ、サラ・フリート 麗子による治療の後、ホテルに送還】
【石原麗子 引き続きリアンを捜索】
【登場 【ユンナ】【ニウェ】【ティリア・フレイ】【サラ・フリート】【石原麗子】】
309名無しさんだよもん:04/07/21 00:07 ID:c5VbG5Vu
こいつらは最後まで不幸なんだな…
310名無しさんだよもん:04/07/21 00:44 ID:8GInd4CP
まあ150人以上もいればこんな奴らもいるさ
311名無しさんだよもん:04/07/21 03:25 ID:MQci/FZe
そもそもフィルス組は結界まで作りながらなぜ参加させられたか謎。
放置されることは目にみえてたのに。
312名無しさんだよもん:04/07/21 04:10 ID:MajN86mL
今さら何を
313名無しさんだよもん:04/07/21 06:53 ID:CZmNoHBZ
>>311
どうでもいいじゃん。
314名無しさんだよもん:04/07/21 22:13 ID:aBM7ZJLJ
まあ、放置されると思いきや活躍したキャラもいるしね。
これもまあ、リレーSSの醍醐味かな。
315名無しさんだよもん:04/07/22 00:42 ID:qWpTchCx
まなみとかビルとかA棟巡回員とかがちゃんと活躍してるSSって相当珍しいからな。
逆に言えばリアンはこいつら以下…
316名無しさんだよもん:04/07/22 01:57 ID:l84nX32G
そういえばリアンは参加してた?他のまじアン勢は大体把握してたけど?
317名無しさんだよもん:04/07/22 02:10 ID:FXHJQkPt
ずっと超ダンジョンの中。フィルスキャラと組んでたんじゃなかったっけ?
唯一した活躍といえば、超序盤で七瀬を回復してやったぐらい。

こいつらを考えれば、来栖川姉妹やクーヤ&マルチ、サクヤなんかは
途中で出られただけまだ幸せかもなぁ。
318名無しさんだよもん:04/07/22 02:11 ID:OXXbCvNf
リアンは確か序盤に結界云々で来栖川姉を追ってなかったっけ?
それくらいしか覚えてないが。
319名無しさんだよもん:04/07/22 02:16 ID:FXHJQkPt
ひょっとして最後に書かれたの二日目とか……
流石にそれはないか。
320名無しさんだよもん:04/07/22 02:41 ID:T32g9Dk7
組んだのがエリアでなければもうちょっとは出番あったんだろうな…
321名無しさんだよもん:04/07/22 03:24 ID:qWpTchCx
確かエリアと一緒に壊れかけてたはず。現在長瀬に依頼された麗子が救出に向かってる。
322名無しさんだよもん
来栖川姉妹てどーやって脱落したんだっけと思ってログを読み返して_| ̄|○