クラナドSS専用スレッド

このエントリーをはてなブックマークに追加
22746
朋也「よう、藤林。カッペイは元気か?」
椋「…カッペイ?…誰ですかその人?」
朋也「誰って…おまえの彼氏だろうが」
椋「…ええっ!?」
朋也「なにびっくりしてるんだよ…」
椋「わ、わたし、まだ誰ともつきあったことないです…そ、それにわたしの好きな人は(ゴニョゴニョ)」
杏「あんたたち、なにはなしてるのよ?」
朋也「お、杏。いいところにきたな。聞いてくれよ。藤林がカッペイのこと知らないっていうんだぜ」
杏「カッペイ?誰よそいつ?」
朋也「おまえもか…おまえが数日前バイクではねたヤツだよ!」
杏「人聞きの悪いこと言わないでよね!バイクで人をはねるなんて非人道的な行為をあたしがするわけないでしょうが!」
朋也「…」
杏「で、そのカッペイがどうしたのよ?」
朋也「いや…たしかカッペイと藤林が一目ぼれして付き合いはじめたと思ったんだが…」
杏「そんなことあるわけないでしょうが!椋はねぇ…」
椋「お、お姉ちゃん…」
杏「椋はねぇ、あんたのことが好きなのよっ!」
朋也「ええっ!?」
椋「……」
杏「やっぱ気づいてなかったみたいね…」
朋也「だ、だって俺、藤林とカッペイが一目ぼれして付き合ったって思ってたからさ…」
杏「うわ…朋也あんた最悪…」
杏「考えてもごらんなさいよ。仮にそのカッペイってヤツがいたとしても、好きな人の前でほかの男に一目ぼれするなんてあると思う?」
朋也「そういわれてみればそうだな…」
杏「それに椋ってば、あたしに、『朋也とくっつけてほしい』っていってきたのよ?」
杏「それなのに、別の男に一目ぼれして付き合いはじめちゃうような恥知らずを、妹にもった覚えはないわよ!」
椋「そ、そうです…わたしそんなヒドイことしないです…」
杏「で、カッペイってどんなヤツだったのか、話してみてよ」
朋也「ああ…」
俺は二人にカッペイがどんなヤツか話した。
22846:04/05/17 08:12 ID:J1gLcF+B
杏「やっぱ夢でもみてたのね…出会いからして不自然だし。仮にあたしがバイクで人をはねたにしても、そのままにしていくわけないじゃない。そんなことすればただの犯罪者よ」
朋也「おまえ、俺をはねたことあるだろ…」
杏「まあ、あのときはあんただったしね。知らない人ひいたら止まるわよ。普通」
杏「それに、旅人で、履歴書の書き方もわからなくて、自己中で、男らしくないんでしょ?顔以外最悪じゃない。そんなヤツいねーよって感じよね」
杏「ねえ、椋。あんた、そんな得体の知れないヤツと付き合いたいとおもう?」
椋「……」
藤林がブンブンと首をふる。
椋「わ、わたしが好き人は、お、岡崎くんですから…」
耳まで真っ赤にして、藤林はそう言った。
朋也「藤林…」
杏「あーもう、あんたたちお似合いよ。どうせならつきあっちゃえば?」
椋「…」
朋也「そうだな…そうしてみるか?」
椋「えっ?」
朋也「俺がそんな夢をみたのも、何かの啓示かもしれないしな」
椋「岡崎くん…」
俺たちは歩き始める。カッペイのいないこの道を。