アルテッツァが似合う葉鍵キャラは?

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「琴音ちゃん、車買ったんだって?」
「ええ、美大に推薦で合格できたので18になってすぐに免許取って。で、入学祝いに両親が買ってくれたんです。」
俺と琴音ちゃんが出会ってはや4年、今では二人とも都内の大学へ進学していた。
通っている学校は違うが、距離は近いし、キャンパスに出入りするのは自由なので会うのにも特に困ることはない。
「よかったら藤田さん、今度の日曜にでもドライブに行きませんか?」
「いいね、で、どこに行こうか?」
「とりあえずまだ慣らし運転中なんで、その辺を流すくらいですけど・・・」
「そしたらさ、その後俺のおごりで昼メシなんてどう?」
「あ、それだったら美味しいお店知ってるんで、そこにしませんか?」


で、日曜の待ち合わせの時間・・・
「遅いな・・・ま、都内じゃしょうがないか・・・」
そう言えば、彼女が買った車の種類を聞いてなかったな。
ま、どデカいミニバンとかオヤジセダンとかありえないよな・・・
あ、でも琴音ちゃんは北海道の生まれだし、ひょっとしたらSUVとか・・・
パッパー!
「藤田さーん!」
クラクションと俺を呼ぶ声のした方を振り返ると、そこには、
飛行機の翼をイメージした特徴のあるフロントマスク、今どき珍しい丸っこいフォルム。黄色いナンバープレートには
『函館50 ね 51-08』の文字。
スバルの新しい軽自動車、R2だった。色はライトパープル。実に彼女にふさわしいと思った。
ボンネットにターボ搭載車である証の穴が開いているのが少々気になったが・・・。
ガチャッ

助手席のドアが開いた。それもタクシーのようにひとりでに。
流石は最新型・・・じゃなくて、こんな芸当が出来るのは、俺が知っている限り彼女だけだ。
ドアの向こうでは琴音ちゃんが普段と変わらぬ笑顔で座っていた。
「さ、遠慮しないで乗ってください。」
「あ、ああ・・・。」
助手席に座ってみる。
「思ったより広いんだな。」
「軽に乗るとみんなそう言うんですよ。」
「シートの座り心地もなかなか良いじゃないか。」
「デュアルSRSエアバッグだから万が一の時でも安心ですよ。」
「出来ればそんなモノのお世話にはなりたくないな。」
「さ、行きますよぉ・・・。」
琴音ちゃんがシフトレバーを「D」の位置に入れる。
次の瞬間、俺の身体はシートにめり込まんばかりに思いっきり押し付けられた。
 ヽ
「つわあああぁぁぁあああ・・・・・・」

「あ、言い忘れてました。この車、スーパーチャージャー搭載なうえに車重が普通の軽よりずっと軽いんで
 加速はレガシィやインプレッサWRX STiより以上なんですよ。」
と琴音ちゃんは説明したが、俺は何も答えることが出来なかった。
その間にもR2はどんどん加速していく。ミッションがCVTなので変速ショックが無く、そのせいで気づいてないのかも知れない。
「琴音ちゃん、ちょっとスピード出し杉・・・。」
「え、まだ80`ちょっとしか出していませんけど?」
「80`って・・・ここの道は50`制限だろ!?標識にも確かにそう・・・」
「何言ってるんですか?北海道ではこれくらい普通ですよ。」
「それにさ・・・、まだ慣らし運転の途中だって言ってたよね?もうちょっとゆっくり・・・」
「そうですね、まだ4000回転固定なんでなまらあづましくねえ(とても落ち着かない)です。
 早く1000`の慣らしを終わらせて、全開で思いっきり飛ばしてたいです。藤田さんもこの気持ち、分かるっしょ?」
「・・・・・・・・・。」
何故ここで北海道弁・・・とツッコミを入れる気力さえ、今の俺には沸いてこなかった・・・。