桜 井 あ さ ひ は 【ふたなり】 で す ! (通産4)
その日の授業が終わって、さて、これから暇をどう潰そう、と考えていたとき。
「はるかちゃん! 今、暇?」
と、美咲さんが息せき切って現れた。
珍しいなと思いつつ頷いたら、いつになく強引に私の手を引っ張っていく美咲さん。
着いた先は第三資料室。という名前だが、その実、カビの生えた書物を詰め込んでおく、倉庫みたいなとこ。
狭っくるしいその部屋に美咲さんは私を連れ込み、がちゃりとカギをかけた。
もちろん他には誰もいない。せいぜい本の糊を囓る虫くらいかな?
なにかとてつもなくやっかいなことに巻き込まれた予感。
美咲さん、真っ赤な顔してうつむいているし、息荒いし。
美咲さんはいい人だと思うけど、告白されるとなると、ちょっと悩んでしまう。
「あ、あの……ごめんなさい。こんなこと、他の誰にも相談できなくって……」
「んー、なんだか知らないけど、私でよければ相談に乗るけど?」
「ありがとう……あの、その、私……」
美咲さんは、なおためらいつつも、私の手を取った。
感激して、というのではないらしく、そのまま私の手を引っ張っていく。
微妙なところに。
「美咲さん?」
ぎゅっと目をつぶった美咲さんは、私の手を自分のスカートに押しつけた。
えっと、あの、私そういう趣味はたぶんない……あれ?
なんか固い。
美咲さんは伏せた目を、一度だけちらりとこちらに向けて、「分かった?」と目で聞いてくる。
分かったような、分かりたくないような。
「これって、その……」
いわゆる男の子のあれではなかろーか。
そう聞くと、美咲さんはまだこれ以上いけるのかと思うほど赤くなり、うつむいてしまった。
……ちょっとかわいい。
「えーと、見てもいい?」
「うん……」
スカートをめくってみると、美咲さんの白い下着の中で、窮屈そうに膨らんでいる、あれがあった。
うわ、本物だ。なんとなく反射的にスカートを下ろす。気まずい。小さい頃に見た冬弥のと似てる。
「どうしたの、これ?」
まさか街中で拾ったわけでもないだろうけど。
「えぇと……授業中、なんだか疼きだして……、どうしたらいいのかわからなくって、
それで、はるかちゃんなら、口も堅いだろうし、あんまり驚かないだろうし、
何とかしてくれるかもしれないって思って……」
そういうことではなくって、もっと根本的な。
「実は生まれついてのフタナリ少女だったとか?」
美咲さんは、ぶんぶんと首を振った。
何でも先週あたりからこんな感じらしいけど、どうしてこうなったのかは分からないそうだ。
「不思議なこともあるもんだね」
「誰にも相談できなくって……だけど、時々こんな風になって、我慢していたんだけれど、
でもどんどん酷くなって、もう、我慢しきれなくなって……」
そんなこといわれても。
「どうすればいいのかな……」
男の人ってどうしているんだろう。たぶん、その……溜まってるんじゃないかなと思うんだけど。
「普通は、擦ったりするんじゃないかな……」
さすがに顔が熱くなるのを自覚する。
なんで美咲さん相手に男の子の一人H教室を開かねばならないのか。私も詳しくは知らないし。
「抑えつけてるのが良くないのかな?」
「え、そうなの……?」
いやだから、聞かれても私には分からないし。とにかく試してみよう。
「そ、それって……」
ん、そういうこと。
美咲さんは観念したように、スカートの下に手を差し入れた。
しゅる、と静かな音がしたかと思ったら、スカートが不意に跳ねた。
「んんっ!」
スカートがはっきりと持ち上げられている。
まだ完全に解放されていないのか、美咲さんは下着とパンストを、太腿まで下ろした。なんだか喉が渇く。
「楽になった?」
「少し……」
でもちょっとでも身じろぎすると、スカートに擦れるのか、軽く呻きを漏らす。
潤んだ瞳が、なにかを訴えるように私を見ていた。
まー、なんというか、根本的な解決になってないよね。
「あの、それで次は……」
いつの間にか、完全に指導員役。冬弥や彰の方がたぶん詳しいと思うけど、聞くわけにはいかない。
「握って……擦る?」
さすがに指導も疑問形に成らざるをえない。対女の子用のだって詳しくないのに。
でも美咲さんもあんまりそういうことしそうにないなぁ……。
由綺は意外とストレス溜まりそうだから、結構しているかも。寂しがり屋だし。
理奈ちゃんはやってる。かなりプロ級。たぶん。なんでも本気出しそうな人だし。
弥生さんは正真正銘プロフェッショナル。道具とかにも対応済み。
マナちゃんは……まだ早いか。
などととりとめもない妄想をする程度には、私は混乱していた。
美咲さんは、スカートをめくり、あれを握ろう……とする前に、目を逸らし、スカートを下ろしてしまう。
どうも直視したことすらない模様で、スカートの上で手を彷徨わせている。
「はっ、はるかちゃん……」
ご指名が来た。
「あの、私、できない……」
私が男の子と仮定して、こんなことあの潤んだ瞳で言われたら、陵辱一直線コースだよね。
まぁ、私は女の子なので、とりあえずリクエスト通りに。
「ん……分かった」
さすがにちょっとためらった。とりあえず美咲さんに頼んで、スカートだけ持ち上げてもらう。
したら。さっきよりも全然大きくなったそれが、私の目の前に突き出てきた。
皮に覆われた先端は、ちょっとだけ濡れていて、スカートに小さな染みを残していた。
なんかくらっと来そうな匂いだった。
「じゃあ……触るね」
「うん……お願い」
そっと指先で触れた。
「んくっ!」
それだけで美咲さんの体が跳ねる。
そーっと、慎重に、指を絡めた。
「んふぅっ……」
美咲さんがちょっとしたことで、熱い息を吐くので、ひじょーにやりづらい。
だけど触られているうちに慣れたのか、少しずつ息が整い始める。
リズムが一定になった分、速度は上がってるけど。
美咲さんのそれは、どうしてこんなになってるんだろうと思うくらい熱い。体温四十度超えてそう。
しかもなんだか、どんどん大きく、固くなってくる感じ。思わず、強く握り返してしまう。
「あぁんっ!」
うわ、うわ、うわっ。びっくりした。久しぶりの、マジびっくり。
「ごめん、痛かった?」
「ち、違う……大丈夫……、大丈夫だから……その……」
ん? 美咲さんはもじもじと、足をくねらせる。
「今くらいの強さで、続けて……」
なんだか要求がエスカレートしてます、大佐。
こういうのって、両手使った方がいいのかなぁ。まぁ、ものは試しっていうし。
リクエスト通りに強めに握り、左手をつけて、サポートする。
「ああっ……ん……、うん……気持ちいい、はるかちゃん……」
いつもの奥ゆかしい美咲さんはどこへやら。
すっかり欲情した顔つきで、美咲さんは太腿を震わせ、自分からも、微かに腰を動かし始める。
立っていられなくなったのか、私の肩に手を置いた。時々食い込んで、痛い。
手の摩擦に会わせて、軽く皮が引っ張られ、先端の赤い部分が面積を増す。
そこからこぼれ落ちた雫が、手のひらに絡んだ。なんだかベタベタする、変な液体。
邪魔だから、ちょっと息を吹きかけて蒸発させてみると、美咲さんは悶える声を上げた。
同時に揮発した匂いが、濃く鼻をつく。
あ……。
まずい。何がまずいかはとりあえず秘密。
美咲さんの声はどんどん高くなり、腰の動きは激しくなっていく。
連動するように、私の手も乱暴に、力強く動いていた。
だけどそれはもう確実に、快い刺激として美咲さんの中に流れているのがはっきり分かる。
「はっ、はるかちゃん……はるかちゃんっ! わたし、いいっ……やぁっ、気持ちよくって、やだぁっ……」
どっちかはっきりしなさい。なんて問うまでもなく、本当は美咲さんは、刺激を欲している。
それに……私もなんだか止まらなくなっていた。
密室とはいえ大学の構内で、女の子同士でこういった背徳的な行為をするって言うのは、
ちょっとなかなか経験できないシチュエーションだ。
私もいつしか、それから目が離せなくなっていた。
もう、ちょっと息を吹きかけただけじゃ追いつかないほどに、ぬるぬるとにじみ出てくる粘液。
そのせいで手は余計に滑らかに動き、それがまた美咲さんを悶えさせる。
手の動きと腰の動きが一致するのを、時々ちょっと意地悪して、止めたりずらしたり。
段々私も慣れてきて、どこを触ると美咲さんがどんな声を上げるのか、分かってきていた。
ここの段差の部分、くりっとひねるようにすると、「あぁんっ!」って、声を上げて身悶える。
先っちょの切れ込みみたいな所をなぞると、「んんっ!」って、背中を仰け反らせる。
きゅっと、皮を剥き下ろすようにすると、痛いのか感じているのか分からない顔で、「あはあっ!」って叫ぶんだ。
「はるかちゃんっ! 私、私っ、もう、だめぇっ……」
美咲さんの泣き声が、胸の奥を突いてくる。どんなに泣き言を言われても、腕を止めることができない。
指から伝わってくる熱さが、いつの間にか私の息をも荒くさせていた。
美咲さんは足を開いたり閉じたり、突き出したり引いたりと、
自分でも何がしたいんだか、わけがわからなくなっている。
「いいよ、美咲さん……大丈夫だから」
何が大丈夫なんだか分からないけど、そういうと美咲さんは安心した。
頭を撫でるかわりに、それの先端を撫でる。
赤い部分は大分剥かれて、かなり面積を増していた。そして濡れ光っていた。
いつの間にか、私の顔は、もうそれに触れそうなくらいに近づいていた。
その唇のような先端に、無意識にキスしていた。
「きゃあっ!」
なにか出た。
それ自体よりももっと熱い液体が吹き出て、唇に、鼻に、顔全体に叩きつけてくる。
粘ついた熱い感触が、何度も、何度も。
すごい匂い。どろりとしたそれは頬に貼りついて、たれてこぼれ落ち、慌てて手で掬い上げる。
白く濁った、濃く熱い、精液。
陰嚢も見あたらないのに、どこから出てるんだろう……と、保健体育の知識が顔を出す。
ただ、その熱さや、粘つきや匂い。それに味は、そういった知識からは得られないものだった。
美咲さんのそれからは、まだ白濁がとろりとこぼれていて、私の手のひらに絡んでいた。
もう終わったのかな……と、軽く絞り出すようにすると、ぷつりと白い玉のような固まりがまだ出てくる。
どこに入っていたのかと呆れるくらい。
ハンカチかティッシュか、用意しておけば良かった。
「あ……はぁっ」
全部出し終わった美咲さんがとうとう力尽き、膝をついた。
「平気、美咲さん?」
「あ……うん、ごめん、ごめんね……はるかちゃん……」
「んー、まぁ、めったにない体験だったし」
と、平然と応えようとしたけど、やっぱりなんだかドキドキしている。
美咲さんがなにかに乱れた顔を上げた。真っ直ぐ私を見つめてくる。どき。
「こんなに汚れちゃったね、はるかちゃん……」
え?
美咲さんの顔が近づいてきた。よける間もなく、舌が、私の顔にへばりついた精液を舐め取る。
「ちょ、ちょっと……」
さすがに慌てた。生温い舌が、生き物みたいに頬を、鼻を、目蓋の上まで舐めてくる。
美咲さんはしっかり私の顔を掴んでいて、贖罪のつもりか、懸命に舌を動かす。
ちょっと気持ちいい。彰(ペットの方だ)もたまにこうするけど、やっぱり人間相手だとなんか違う。
最後に、唇まで。
「んっ……」
そして、重ねられた。……って。
舌が入ってくる。生臭い精液の匂いが、直接口の中に送り込まれて、舌に絡みついてくる。
今までとは段違いに強烈な刺激が、喉の奥にまで流れ込む。こまった。やだ、なんか……。
「んふぅっ……」
変な声が出る。まずい。目が自然と閉じられる。口の中の感触がリアルに伝わる。
やだ、やだ、やだ、やだ、美咲さん、ダメ、だってば……火が、点く。
胸の奥に疼いていた熱い情欲が、炙られた。
「あはぁっ……」
唇が離れた。その間に、唾液の細い橋が結ばれ、落ちる。
「はるかちゃん、私、まだ……」
美咲さんの手が、私の手を導く。その先に触れた物は、まだ、熱く、硬かった。
ジーンズの奥で、なにかが私を突き動かそうとしている。
私は返事の代わりに、美咲さんのものを、熱く握った。
続き書くかどうか分からんけど、とりあえずこんなとこで。