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124名無しさんだよもん
「…お嬢さん、このままでいいのか?」
そう、店長は言った。私はレジの方の店長の方に顔を向ける。
「…何か、言い忘れたことが、あるんじゃないのか」
―――そこには、夕日に照らされた、迷える子羊を救った、聖者みたいな顔をした、
強面のおじさんが居た。その表情は叱ってる様でもあり、励ましている様でもあり、見守っている様でもあった。
その瞳は――「行け」と言っているように私は感じた…といったら大袈裟だろうか。
「空手…見せてもらったよ、坂下さん」
……この人、私を知って…!!
「綺麗なカタだった。あれは一朝一夕に出来るものではない。拳に拳を重ね…作り上げたものだ。
 失礼ながら君に天性の才能は無かっただろう。だが…君はソレを作り上げた。一途に、地べたを這いずり回りながら」
「………」
「その一途さを…ここで空手以外にも生かしても構わないんじゃないかと…私は思うのだがね」
そう告げると店長は再び帳簿に目を落とした。
「………」
そうだ、私らしくも無い…忘れてた。悲劇のヒロインは私には似合わない…!!
「有り難う御座います!…御代は?」
「ああ…ツケでいい、早く言ってやんな」
「押忍!」
そして、少女は駆け出した。とりあえず、駅へ。
それで駄目なら…構わない。思いつく限りの心当たりを潰してやろう…!!

そして、誰も居なくなった維納夜曲では店長が密やかな笑みを浮かべるのだった。
「手を焼かせるね…全く」
そう言いながらもどこか嬉しそうな店主であった。

「ハァ、ハァハァ…・・はぁ…」
最寄の駅のホームにたどり着いた坂下。だが其処に想い人の姿は無い。
通行人や、待ち合わせ中のサラリーマンに話を聞くが、そんな男は知らないと言う。
「……」
踵を返し、駅を後にする。
125名無しさんだよもん:04/03/07 01:01 ID:wHPryIzT
「……海だ」
ふ……っと、先程の雑談を思い出す。
何気なく会話に登場した『海』というキーワードに彼が見せていた感傷めいたものを思い出したのだった。
「坂、神さん…!!」 暴れる心臓を押さえつけ、再び彼女は走り出す。
夕日はまさに海に沈もうとしていた…!!

♪正義とは宇宙さえも恐れぬ
心にだけ宿るものなんだ

そんなどこかで聞いた唄が坂下の頭に木霊していた。 
間に合え……!

♪勇気とは星よりも光る
瞳にだけ映るものなんだ

走る、疾る、奔る。
この街から出て…なおかつウ夕日の海岸を眺めながらというと…ポイントは一つだけだ。

♪誰が、誰がわかろう
そうだ!両手広げ走り出せ

走る、疾る、奔る。
息を切らせ、かつて彼女の短い人生でもかつて無かったほどの勢いで、彼女は駆けた。

♪天はきっと知っている
そうだ!胸を張って立ち回れ
海はいつも見つめてる

そして…海岸を見渡せる高台。ごつごつとした岩場。
海からの潮風が塩辛い其処に、彼女の捜し求めた流浪人はいた。
126名無しさんだよもん:04/03/07 01:02 ID:wHPryIzT
「…驚いたな…」
彼は視線を遙か彼方の太陽に向けたまま、告げた。
言わなきゃ…言わなきゃ。
心臓が物理的で無しに、バックンバックン騒ぐ。五月蝿いことこの上ない。
「坂、神さん……!

A どこにも行かないで…私と…この街で暮らしてください…!……お願い…
B 私も連れてって…!!
C 「いや…お前に言わせるには忍びない…  1.来てくれ…良恵。
                              2.帰れ…お前はお前の戦場に 
127名無しさんだよもん:04/03/07 01:03 ID:wHPryIzT
ageてもうたーー!!
128名無しさんだよもん:04/03/07 01:11 ID:3PAyA6Jp
Bだな
129名無しさんだよもん:04/03/07 01:55 ID:0N+Zq5sl
「私も連れてって……!!」

 出会ってから、まだほんの数日も立っていない人。
 強くて、不老不死で、不器用で、変な血を持ってる、謎が多い人。
 それでも、私の好きな人。
 この人を愛することが私の運命だったと、今なら胸を張って言える人。
 
 強くなりたい。空手を極めたい。
 それが私の目標だった。
 その気持ちは今も変わらない。
 でも、今はそれだけじゃない。
 坂上さんの傍にいたい。
 坂上さんと一緒に、坂上さんの行く末を見守りたい。
 
「……駄目だ。俺と一緒に来るということは、死ぬまであての無い旅をするということだ。君には家族や友人がいるのだろう?
 良恵、君には君の居場所がある。……来てはいけない」

 坂上さんは反論を許さない強い視線であたしに語りかける。
 でも、その瞳にはちゃんと優しさが含まれていた。坂上さんは私のためを思って忠告してくれる。それはよく分かっている。
 坂上さんと旅に出れば、家族、綾香や葵、藤田たちとももう会えないかもしれない。
 空手の大会にだって出られるか分からないし、私には学校だってある。
 それに、私は旅なんてしたことがない。
 坂上さんの足手まといになってしまう可能性だって十分あるだろう。

 それでも、私は一度決めたことは絶対に曲げない。
 それが私だから。
 誰よりも、どうしようもなく坂上さんを愛してしまった、馬鹿な私だから。

A 「それでも……それでも私は、貴方の傍にいたいんです!」 
B 「だったら……一つだけ約束してください! 私がもっと強くなったら、必ず迎えに来るって!!」
130名無しさんだよもん:04/03/07 02:04 ID:lqtd3EOd
B
131名無しさんだよもん:04/03/07 02:39 ID:0N+Zq5sl
129作者ですが、蝉丸を「坂神」ではなく「坂上」と書いてしまいました。
スレの皆様、大変申し訳ありませんでした。
132名無しさんだよもん:04/03/07 03:49 ID:WEms4FFn
途中から参加したからよく分からんがもしやこの話はこのスレができてから
最短の物語になるのではないか?
133名無しさんだよもん:04/03/07 06:32 ID:wHPryIzT
まぁ別に長さが規定されてる訳でもないし。
134FARE-M ◆7HKannaArk :04/03/07 09:18 ID:Q1O+36sY
大丈夫。夕菜の16レスが多分最短だ。
135名無しさんだよもん:04/03/07 10:13 ID:WaHQzk27
たまが最短かと。
136FARE-M ◆7HKannaArk :04/03/07 14:38 ID:Q1O+36sY
アレはカウントに入れないw
137名無しさんだよもん:04/03/07 15:02 ID:xcbqcL+U
「だったら……一つだけ約束してください! 私がもっと強くなったら、必ず迎えに来るって!!」

 在らんばかりの声を出して、私は坂神さんに言った。

「私、もっと強くなります! それに、もっとたくさんの事を勉強して、少しは女の子らしさも磨いて、友達を大事にして、親孝行もします!!
 でも、大人になったら、私が独り立ちできるようになったら、そうしたら私の人生は私のしたいように生きます!!」

 そう。今の私に坂神さんと一緒に行くことは難しいかもしれない。
 私はまだ、世界というモノを知らないただの高校生なのだから。
 でも、人は必ず大人になる。いつかは旅立つ日が誰にでも来る。
 ならば私は、それまでにもっと強くなる。坂神さんと一緒に旅をするに相応しい大人になってみせる。

「私はどうしても坂神さんの傍にいたい。貴方と共に、貴方の行く末を見守りたい。
 お願いします! 私が一人前の女性になったら、その時は私を連れて行ってください!!」

 私が言いたいことの全てを語り終わっても、坂神さんは目を瞑っていた。その表情からは何も読み取れない。
迷っているのか、怒っているのか、それとも笑っているのか。
 5分くらいもそのままでいただろうか。坂神さんはようやく目を開けて、まっすぐな瞳で私を見た。
「……もし、それもダメと言ったら?」
「その時は、私が大人になったら私も旅に出ます。坂神さんを見つけるまでずっとずっと」
「……ふ。だと思った」
 笑った。 微かだが、坂神さんが今確かに笑っていた。
「俺の負けだ好恵。お前の感じている情熱はよく分かった。
 それほどまでに熱い情熱を持ったお前を俺の人生に付き合わせてしまうのは少々もったいない気がするが、それがお前の決意ならば仕方があるまい」
138名無しさんだよもん:04/03/07 15:04 ID:xcbqcL+U
「じゃ、じゃあ……」
「二つだけ条件をつけておく。一つ。本当の強さというものは単に肉体の強さだけではない。
 体と同じだけ、心も磨いておくことだ。困難に決して挫けない強さ。運命に立ち向かう強さというものを忘れるな」
「はい!」
「そして二つ目」
 坂神さんは少し間を空けるように口を閉じ、今度ははっきりと唇の端を吊り上げて面白そうに笑った。
「……俺が惚れ直すような、いい女になっておけ」
「……はいっ!!」
 そう言うと、私たちは二人で笑いあった。夕日の下、さざ波の音が静かに響く海岸線に、私たち二人

だけの笑い声がしばらくの間続いていた。

「……それでは、今度こそ俺は行く。世話になったな、好恵」
 私の正面を向いて、坂神さんは隣町へと続く道の真ん中に立っていた。
「はい。坂神さんもお気をつけて」
 今度は涙は出なかった。だって、私は知っているから。
 坂神さんは約束を必ず守ってくれる人だ。だから、この別れは永遠ではないということを。
 坂神さんは右手の指をまっすぐ伸ばし、額に当てて敬礼の姿勢をとった。
 私もそれに、同じく敬礼の姿勢で返す。もう、お互いに言葉は要らなかった。
 くるり。坂神さんが背を向けて歩き出す。夕日は半分以上水平線の向こうに沈みかけ、海も空も濃い茜色に染まりきっている。
 坂神さんは一度も振り返らずに歩いていった。その背中は、初めて見たときと同じ。とてもとても大きく見えた。
 そんな背中を、私は見えなくなるまでいつまでもいつまでも見送っていた。

A エピローグへ
B まだ続く。「さあ、強くならなきゃ。特訓開始!」
139名無しさんだよもん:04/03/07 15:13 ID:z+ivIDKx
A
140名無しさんだよもん:04/03/07 15:37 ID:xcbqcL+U
「はあぁっ!!」
 バシィッ! 綾香の回し蹴りを紙一重でかわして踏み込み、私の渾身の正拳突きを綾香の胸にクリーンヒットさせた。
「く……」
 綾香がたまらず膝をついた。全身に力を込めて立ち上がろうとして………
 立ち上がることが出来ずに、その場に倒れこんだ。
「……あはは、ギブアップよ好恵。私の負け」
 首だけを動かして私と視線を合わせると、綾香は悔しそうに、でも私を祝福するかのように微笑んだ。
「……やっと勝てたな、綾香」
「まったく、強くなったわねアンタ。100連勝出来るかと思ったのに、99連勝で止められちゃったか」
 果てしなく広がる青空に視線を移し、綾香はなぜか嬉しそうに呟いた。
「ねぇ、何かあったの? 今日のあなた、今までのあなたとはまるで別人だったわ」
「そうだな……何かあったといえばあったな。私は綾香を倒す以外にも目標が出来た。その目標のためには、ここで立ち止まるわけにはいかなかったからな」
「そっか。私以上の目標が出来たか。けど、次はまたあたしが勝たせてもらうわよ」
 上半身だけを起こすと、綾香は私に向けて右手を差し出してきた。私はその手を強く握って握手をした。
141名無しさんだよもん:04/03/07 15:38 ID:xcbqcL+U
「……で、あなたにそこまでさせた目標って何? やっぱり恋人?」
 綾香がさっきまでの笑顔はどこへやら、いたずら好きの小悪魔のような邪悪な笑みを向けながらそんなことを言ってきた。
「なっ!? なんであんたがそれを!? あ、葵か? 葵に聞いたのか!?」
「あら、葵は何も言ってないわ。ちょっと冗談のつもりでカマをかけたんだけど……ふーん、本当に恋人か〜」
 や、やられた。これでは試合に勝って勝負に負けたようなものじゃないか。
「い、言っておくがな綾香。別に恋人というわけじゃない! 今の私にとっては目指すべき目標。それだけだ!!」
「はいはい、そういうことにしておきましょ」
 まったくそんなつもりはなさそうに綾香はそう言うと、体を大の字にしてその場に再び寝転んだ。
 私も同じように、その場に横になって青空を見上げる。
 坂神さんは、この空の下で今何をしているのだろうか。こうやって同じ空の下で少しでもあの人と繋がっていることを想像するのが、今はとても嬉しい。
 待っていてください坂神さん。私はもっと強くなります。体も、心も、そして女としても。
 だから私も待っています。あなたが私を迎えに来てくれる、約束されたその日をいつまでも―――――。

 完
142名無しさんだよもん:04/03/07 17:09 ID:9OuvZ0Qt
それでは今回の話のタイトルを。

A マケナイコブシの恋物語
B 不器用な格闘家達
C FIST&LOVE
D 空手も恋も一途です!
E 結論:やっぱり綾香はレズだった。
143名無しさんだよもん:04/03/07 17:11 ID:9OuvZ0Qt
忘れてた。

F センス無いな。俺が決める。(タイトル指定)
144名無しさんだよもん:04/03/07 17:15 ID:Xu2GPrGf
145名無しさんだよもん:04/03/07 17:29 ID:9OuvZ0Qt
じゃ、次回の主役は?

A フィルスノーン
B 雫
C 痕
D To Heart
E White Album
F こみっくパーティー
G ナイトライター(with 雀鬼's)
H まじかる☆アンティーク
I 誰彼
J うたわれるもの
K Routes
L 猪名川で行こう!
M MOON.
N ONE
O Kanon
P AIR
146名無しさんだよもん:04/03/07 17:33 ID:6TjYj8si
天使がないのでK
147名無しさんだよもん:04/03/07 17:34 ID:gUnNPfRF
N
148名無しさんだよもん:04/03/07 17:54 ID:9OuvZ0Qt
天いなはまだ凍結期間中のはずなので抜きました。
では、主人公は・・・

A 浩平
B 瑞佳
C 留美
D 茜
E 澪
F みさき
G 繭
H 詩子
I 雪
J みさお
K みゅー
L その他マイナーキャラ(人物名指定)
149名無しさんだよもん:04/03/07 17:55 ID:6TjYj8si
ちょっと待てやw
150名無しさんだよもん:04/03/07 17:56 ID:9OuvZ0Qt
よく見たら住井もおばさんも入ってねえし・・・
Lに含まれると思ってくれ。
151名無しさんだよもん:04/03/07 18:02 ID:FHUPMtFg
天いなはともかくこの場合はルーツじゃね?
152名無しさんだよもん:04/03/07 18:08 ID:nN0Y0Nn7
Routesではりなおし。

A 那須宗一
B 湯浅皐月
C 伏見ゆかり
D リサ=ヴィクセン
E 立田七海
F 梶原夕菜
G 福原庄蔵
H 高井鈴美
I 篁
J 醍醐
K エディ
L アレキサンダー=D=グロリア
M 那須大八郎
N さくや
O 悪七兵衛
P 二郎
Q 源頼朝
R その他
153名無しさんだよもん:04/03/07 18:08 ID:yhKBqbvi
では、優先順の法則に従い>>146ーKのRoutesということで
154名無しさんだよもん:04/03/07 18:08 ID:FHUPMtFg
それならC
155名無しさんだよもん:04/03/07 18:10 ID:FHUPMtFg
スマソ>>152のな(最短記録更新の悪寒がするが)
156名無しさんだよもん:04/03/07 18:20 ID:yhKBqbvi
どうも皆さんはじめまして、私の名前は伏見ゆかりといいます。
普通の学生さんをやっています。仲の良い友達は宗一君と皐月ちゃん。
そうそうそれで今何をしているのかというと……

A グルメ&大食いの旅の真っ最中
B 宗一君とはぐれちゃってジャングルの中で置き去りに――
C 大切な時計を無くしてしまったので探している。
D えっと、何してるんだっけ…?
157名無しさんだよもん:04/03/07 18:21 ID:9OuvZ0Qt
A
158名無しさんだよもん:04/03/07 18:21 ID:AiEC6vvW
A
159名無しさんだよもん:04/03/07 18:52 ID:Bio38iCk
春休みをいかしてグルメ&大食いの旅の真っ最中。
折角の休みはなんだから美味しいモノを探して食べて楽しむ――うん、これに限るね。

各地の美味しい処を巡って今のところ旅は順風満帆。
前の街の大食い大会で軍資金を補充したから懐もまだまだ大丈夫。

噂でこの辺りにとても有名な店があると聞いてやって来たのはいいのだけれど、
なんと困った事に…


A 財布を落としてしまった。
B 折角来たのにその店が臨時休業――
C 旅先で知り合った志を共にする相棒の(人物指定)と逸れちゃった…
160名無しさんだよもん:04/03/07 18:55 ID:tZ/LTa1s
a
161名無しさんだよもん:04/03/07 18:55 ID:lqtd3EOd
C 詠美
162名無しさんだよもん:04/03/07 19:20 ID:lqtd3EOd
財布を落としてしまいました
これでは旅行を続ける事も家に帰る事もできません
私の旅行はここで終わってしまうのでしょうか?

A 残念な事に旅行は終了、次の話へ
B とりあえずこういう時は警察に届けないと。私は交番へ行きました。
C 「これ、あなたの財布ですか?」その時、後ろから声をかけられました。(人物指定)
163名無しさんだよもん:04/03/07 19:21 ID:nN0Y0Nn7
A
164名無しさんだよもん:04/03/07 19:22 ID:5zoBjsea
では、次回の主役を。

A フィルスノーン
B 雫
C 痕
D To Heart
E White Album
F こみっくパーティー
G ナイトライター(with 雀鬼's)
H まじかる☆アンティーク
I 誰彼
J うたわれるもの
K Routes
L 猪名川で行こう!
M MOON.
N ONE
O Kanon
P AIR
165名無しさんだよもん:04/03/07 19:23 ID:nN0Y0Nn7
H
166名無しさんだよもん:04/03/07 19:27 ID:lqtd3EOd
主人公は誰?

A 宮田健太郎
B スフィー
C 江藤結花
D リアン
E 高倉みどり
F 牧部なつみ
G 長瀬源之助
H 高倉正純
I 江藤泰久
J 因幡ましろ
167名無しさんだよもん:04/03/07 19:27 ID:uYQMtMHa
主人公は?

A 宮田健太郎
B スフィー
C 江藤結花
D リアン
E 高倉みどり
F 牧部なつみ
G 長瀬源之助
H 高倉正純
I 江藤泰久
J 因幡ましろ
K その他(指定)
168名無しさんだよもん:04/03/07 19:28 ID:nN0Y0Nn7
んー連続したんでパス。
169名無しさんだよもん:04/03/07 19:34 ID:ZObC9H3T
D
170名無しさんだよもん:04/03/07 19:47 ID:h1bVDUg0
…またリアンが主役かよ。
171名無しさんだよもん:04/03/07 19:47 ID:9LokX7C5
>>155の予想が的中したな(藁
172名無しさんだよもん:04/03/07 19:52 ID:8zD3a/kc
同じ主人公は避けたほうが良くないか?
この訴えが認められるのならJで。
173名無しさんだよもん:04/03/07 19:52 ID:lqtd3EOd
皆さんこんばんは、グエンディーナの第二王女リアンです
姉さんを追いかけて人間界に来たのですが…迷いました

A 現在暑くて砂がいっぱいの所にいます、姉さんはどこでしょう?
B 現在とっても寒いところにいます、白熊やペンギンがいます
C 姉さんを見つけられず、私は力尽きてしまいました
174名無しさんだよもん:04/03/07 19:53 ID:h1bVDUg0
B
175名無しさんだよもん:04/03/07 20:05 ID:ziilGcWO
 えーと、今いるところは……なんだか氷が張ってます。
 しかも、白熊やペンギンがいますね……。
 それにとっても寒いです。気温を測ると氷点下を下回っています。通りで寒いわけです。
 確か、姉さんが住んでいるという家はもっと暖かいところにあるはずですけど。
 これは、もしかしてもしかしなくとも迷った……?
 それに、一刻も早く暖かいところに行かないと私の危険が危ないです!!
 え、えーと、この場合は確か……!!

A と、とりあえず南を目指しましょう!! ひとまずは暖かいところへつけるはず!
B その辺の人……じゃなくて熊やペンギンに道を聞きましょう!!
C 高く飛べば辺りを見渡せて、姉さんのいる島国にすぐにたどり着けます!!
176名無しさんだよもん:04/03/07 20:05 ID:/91gvhFd
愚痴スレが…
177名無しさんだよもん:04/03/07 20:06 ID:/91gvhFd
とりあえずC
178名無しさんだよもん:04/03/07 20:18 ID:ziilGcWO
 そ、そうです!! 限りなく高く飛べば姉さんのいる島国を発見できます!!
 思い立ったら即実行! ではひとまず上昇!!
 ……と言うわけで高度一万メートルほどにきましたが、見事に見当たりませんね……。
 おかしいです。ここまで高く飛べば……って待ってください。
 確か、私のいるところは南極というような場所だった気がします。
 ペンギンもいますし、今見える風景がそうだから間違いないでしょう。
 私だってちゃんとグエンディーナを出る前にこちらの世界の勉強ぐらいしてます。
 確か……姉さんのいる場所は日本。
 やってしまいました。南半球からじゃ北半球の島なんて見えるわけがないじゃないですか!
 ……自分に突っ込みをいれても仕方がありませんね。それに、とてつもなく寒いです。
 ちょっと高く飛びすぎました。しかも今午後二時にもかかわらず太陽が出てないんです。
 わ、私の体力ももう限界です……。
 私は最後の力を振りぼってゆっくりと地面に降りましたが、意識がなくなってきました……。
 ああ、このまま死んでしまうんでしょうか……。

「……!!」
 あれ……なんだか声が聞こえます。
 一体、誰の声なんでしょうか……。その声で私は目を覚ましました。
「目が覚めたみたいね。良かったあ……」
 まず私の目に付いたのは一人の女性でした。
「あの……ここは何処ですか?」
「ここ?ここは……」

A 南極点の近くよ
B T県N市よ
C 水の町パルメアよ
179名無しさんだよもん:04/03/07 20:24 ID:LxvIxOEP
Cで
180名無しさんだよもん:04/03/07 20:36 ID:ziilGcWO
「水の町パルメアよ」
 え……パルメア?
 段々と辺りがはっきり分かるようになってきました……。
 えーと、今私の周りにいるのは……二人。
 赤いお下げをした私よりもいくつか年上ぐらいの人と……少し年配の男性。
「しかし、びっくりしたぞ。お前さんがいきなり天井から降ってきたときには……」
 え……天井から……?
 ちょっと待ってください。冷静に思い出して見ましょう。
 確か私は姉さんのいる五月雨堂という骨董屋さんを目指してこの世界に降り立った。
 でも、私の魔力じゃ力不足で南極に来てしまった。
 だから私は高く上がって目的地を見渡そうとしたのだけれど、寒さで体力がつき倒れてしまった。ここまではいいですね?
 だけど、今この人はパルメアといってました。これは一体どういうことなのでしょうか……。
 え〜と、詳しく思い出して見ましょう。
 確か倒れるときに私は最後の気力を振り絞って、地面に激突しないようにゆっくりと地面に降り立ちました。
 ……確か、そのときは気にしている場合じゃなかったんですが、魔力の調整を忘れていたような……。
 とすると、もしかして私の魔力が暴走して別の場所に空間転移してしまったんでしょうか!?
「す、すいません!! ちょっと聞きたいんですが!?」
「ひゃっ!? な、何!?」
「ここは地球の何処なんでしょう!?」
 そう、まずはそこです!
 それを聞いて、日本に向かわないと!!
「……地球? 何それ?」
 そんな言葉が返されました。……え?
 これは……一体、どういうことなんでしょうか。この人は「地球」という単語をご存じない?
 え、えーと、もしかして……

A 私の魔力の暴走が激しすぎて、別世界にまでワープしてしまったとか
B この人が超世間知らずだとか
181名無しさんだよもん:04/03/07 20:45 ID:tZ/LTa1s
A
182名無しさんだよもん:04/03/07 20:49 ID:ziilGcWO
フィルスキャラ選択スレ初登場だね
183名無しさんだよもん:04/03/07 20:55 ID:lqtd3EOd
私の魔力の暴走が激しすぎて、別世界にまでワープしてしまったとか…
でもよく考えれば私には人間界に行く時に帰還魔法がかけられています。
だから一定期間経てば少なくともグエンディーナには帰る事ができるはずです、あんまり深刻に考える事はないのかもしれません。
ただ姉さんに会えないのはすごく寂しいけど…

A 姉さんに会うためにも人間界にワープする方法を考える
B せっかく来た別世界なのだからしばらくどこかで住み込みで働かせてもらう
C のんびりと旅に出てこの世界を見回ってみようかな
184名無しさんだよもん:04/03/07 20:56 ID:8zD3a/kc
185名無しさんだよもん:04/03/07 20:56 ID:nN0Y0Nn7
Bで。
186名無しさんだよもん:04/03/07 21:13 ID:ziilGcWO
 この世界を見回るというのもいいかもしれませんね。
 半年たてば帰還魔法で戻れるのですし、それまでこの世界についていろいろと見て回ってみるのも楽しいです。
「……そういえば、どうしてあなたは天井から降ってきたの?」
 不意に、お下げの女性に話しかけられました。
「ええ、じつは……」
 私はことの経緯を話しました。
 「……つまり、あなたは異世界の人?」
「ええ。あなたたちから見ればそうなります」
「ふ〜ん、はじめて見たわ」
 そりゃあ……頻繁にいたらびっくりしますが。
「でも、どうしてここに来たの? 旅行?」
「え、えーと……まあ、そんなとこです」
 流石に恥ずかしいですよ……。魔力が暴発してこうなったって言うのは……。
「なら、この町ぐらいは案内してあげるわ。どうせ暇だし」
「え、よろしいのですか?」
「いいわよ。大したことじゃないし。そういえば自己紹介がまだだったわね。あたしはティリア・フレイ。ティリアでいいわ」
「私は、リアン=エル=アトワリア=クリエールです。リアンでいいですよ」
 こうして、私はティリアさんにこの町パルメアを案内してもらうことになりました。
187名無しさんだよもん:04/03/07 21:16 ID:ziilGcWO

「ここが魔法屋よ。魔法瓶を持っていれば魔法を詰めてもらえるわ」
 ティリアさんがこの世界のことが分からない私のために位置から説明してくれます。
 どうやらこの世界にも魔法はあるみたいですね。私のそれとは体系が違うみたいですが。
 私たちはその魔法屋を暫く見た後、広場に出ました。
 広場に行ったらなにやら騒がしいです。町の人たちが困ったような表情で話しています。
「どうしたの?」
「ティリアか。それがな、封印の洞窟に行った調査隊行方不明なんだ」
「調査隊!? じゃ、デュークも!?」
 ティリアさんがなにやら驚いています。デュークとは知り合いの名でしょうか?
「ああ。一体どうしちまったんだろうかね……」
「……っ!!」
「あっ、ティリア! よせ!!」
 ティリアさんがその場から駆け出しました。
 私も大体の話は読めてきました。その封印の洞窟とやらに向かったティリアさんの知り合いが行方不明。
 つまりは、ティリアさんはそれを探すために……。
 ……なにやら深刻な話みたいですけれど、どうしましょうか……。

A ティリアを追いかける
B 私の出る幕じゃない。どこか別のところへいこう
188名無しさんだよもん:04/03/07 21:17 ID:lqtd3EOd
A
189名無しさんだよもん:04/03/07 21:31 ID:ziilGcWO
 とりあえず、追いかけましょう!!
 私だってグエンディーナの第二皇女、困っている人は見過ごせません!!
 私はティリアさんの走った方向に向かい、飛ぼうとしました。
 しかし……
「あ、あれ?」
 と、飛べない!? 一体どうして!?
 まさか……この世界自体が空を飛ぶ魔法を封印しているとか。
 詳しいことは分かりませんが、となると走っていくしかありません。
 私は街の外へ出ました。

 町の外は大きな平野になってました。
 しかも、右手には険しい山手前には海と一本道なので分かりやすいです。
 ティリアさんは一体何処まで言ったのでしょうか……。
 ……いました! あんなところに!
 ……ちょっと待ってください、なにやら様子がおかしいです。
 見ると、モンスターっぽいのと戦ってます。何匹も周りに取り囲まれて、少しピンチのようです。
 ここは私の出番ですね! グエンディーナの魔法をご賞味あれといったところです!!
 えいっ!!
 私は雷を魔法で飛ばしました。私の雷は目測を誤ることなくモンスターをことごとく貫きます。
 そしてその隙を逃さず、ティリアさんが持っていたナイフでモンスターを切り裂きました。
 ……ふう、とりあえずは戦闘終了ってところでしょうか。
190名無しさんだよもん:04/03/07 21:32 ID:ziilGcWO
「……やっぱりリアンね」
 ティリアさんが私のほうに近寄ってきました。
「ありがとう。おかげで助かったわ」
「いいえ。困っている人を助けるのは当然のことですよ。
 でも……どうして急に走っていったのですか? やっぱり……デュークさんという人と関係が?」
「ええ……」
 急にティリアさんが深刻な顔になりました。
「デュークは、私の恋人よ。行方不明になったときいて……それで……」
 それで……いてもたってもいられなかった。という訳ですか。
「ティリアさん……

A ひとまず町に戻りましょう。情報がない限りは危険ですよ
B 私もご一緒させてください
C 正直に言うと、捜索隊の報告を待ったほうがいいです。独断先行はいけません
191名無しさんだよもん:04/03/07 21:32 ID:nN0Y0Nn7
Bでいこう。
192名無しさんだよもん:04/03/07 21:52 ID:ziilGcWO
「私もご一緒させてください。どうやら道中は危険のようですし、一人よりは二人ですよ?」
 私がそう言うと、ティリアさんは少し驚いたような表情になりました。
「え……別にかまわないけど……」
「なら、決まりですね。行きましょう」
「でも……リアンは関係ないし……」
「関係なくたっていいじゃないですか。私はそれまでやることもないんですし、ついていくぐらい」
「そりゃそうだけど……」
「さ、行きましょう。こうやっている時間がもったいないですよ?」
 お節介というわけじゃないけれど、ティリアさんがあまりにも一生懸命なのでついていくことにしました。
 私だって女の子、恋する男のためにいても立ってもいられない人がいれば応援したくなります。

 私たちは封印の洞窟という場所に来ました。なんだか重々しい雰囲気の場所です。
「ティリアさん……封印の洞窟って、一体何を封印しているのですか?」
「ああ、そういえばリアンは別の世界から来たから知らないんだっけ。
 ここにはね……ガディムって言うやつが封印されているのよ」
「ガディム……とは?」
「闇の神が作り出した全てを無に返す破壊神。まあ、こいつが暴れまわったのは2000年も前の話だけどね」
 つまりは……太古の魔神といったところでしょうか? 詳しいことは分かりませんが。
 封印されているというのなら、封印を解かない限りは問題ないわけですね。
「さて、乗り込みましょう。早くデュークを助けないと……」
 そうティリアさんが言って洞窟の中に入ろうとしたとき……
 バチン!!
 という音とともにティリアさんがはじかれました。
 これは……魔力の結界!? こんな強力なのは初めてです。
193名無しさんだよもん:04/03/07 21:52 ID:uigqs7o9
「やっぱリリアンね」に見えた
194名無しさんだよもん:04/03/07 21:53 ID:ziilGcWO
「ティリアさん! ここは強力な魔法で結界が張られているみたいです!!」
「結界!? リアンの魔法でどうにかならない!?」
「私の魔力では、ちょっと無理です……」
 いきなり八方塞です。
 こう、強力な結界では私程度の魔力じゃうんともすんとも言わないでしょう。
 一体どうすればいいんでしょうか……
 と、そのときティリアさんがなにやらつぶやき始めました。
「……神々の封印を解くって、どうすればいいのよ!?」
 誰かと会話しているような内容ですが……ここには私たち以外誰もいないんですけど。
 あさっての方向を向いてなにやら話しているんですが……独り言でしょうか?
 まさか……誰かが魔力で姿を隠しながらティリアさんに話しかけているとか。
 まさかとは思いますが、透視の魔法を使ってみますか。
 私は魔力を集中し、そして……

A 一人の男が目に映った
B 何も映らなかった
C 勢い余ってティリアさんの下着の中を覗いてしまった
195名無しさんだよもん:04/03/07 21:53 ID:uigqs7o9
196名無しさんだよもん:04/03/07 22:07 ID:ziilGcWO
 なんだか見えてきました……。
 え……これは……まさか……。
 こ、この人の素肌と言える肌色、そ、そして二つの乳房、間違いありません!
 え、えと……ティリアさんの……裸?
 え、え、えぇーーーっ!?
 ちょ、ちょっと、落ち着いてください私! と、とにかくこういう場合は深呼吸して……。
 すー、はー。よし、OKですね。
「……どうしたのリアン、急に深呼吸なんかしちゃって」
 ティリアさんが私に近寄ってきました。
 ちょ、ちょっと!! まだ魔法といていないんですから正面から近寄ってくると……!!
 あ、ああっ!! 女の子の恥ずかしい部分が露に……!!
 と、とにかく!! 早くこの魔法を解かないと……!!
 ……結局、あせった私は二度ほど失敗しながらも、透視の魔法を解くことに成功しました。

「ふう……」
「変なリアンね……」
 訳が分からないといった顔つきでティリアさんが私を見ますが、まあ黙っていたほうがいいでしょう。
 いえ、黙らないといけません。ええ、そりゃもう。
「……でも、どうするんですか? こう強力な封印がされていては、手も足も出ないですよ」
「ひとまず……町に戻ってみるわ。さっきの男が言ったことも気になるし」
「さっきの男とは?」
「え……あなた、見えてなかったの?」
「ええ」
 ……やっぱり何かいたようですね。
 今度現れたときはちゃんと見破らないと。先ほどのような失敗はもうしたくないです。
 私たちは町に戻ることにしました。

 町に戻った私たちですが……

A なにやら人だかりが出来ています。何かあったのでしょうか?
B この世界には場違いな服装の女性が完全に浮いた状態で広場に立っていました
C 町が賊に襲われているみたいです! 助けないと!!
197名無しさんだよもん:04/03/07 22:10 ID:nN0Y0Nn7
Cで。
198名無しさんだよもん:04/03/07 22:10 ID:Q1w+jG+U
Aですかな
199名無しさんだよもん:04/03/07 22:27 ID:ziilGcWO
「はーっはっはっは!! 潰せ! 壊せ! 焼き払え!!
 そして女は俺のところにもってこい! このアール様が一人残らず食ってやる!!」
 そんな声が辺りに響きました。
 見ると、男が数人完全武装してます。……賊、でしょうか?
「ティリアさん、どうやら賊のようですよ!?」
「そのようね……町の人を助けないと!!」
 私とティリアさんは賊に向かって走り出しました。
「おうっ、何だ手前らは?」
「うるさいっ! 私たちの町に喧嘩を売るなんていい度胸ね! 返り討ちにしてあげるわ!!」
 ティリアさんはそういって賊に向かいナイフを突き出しました。
「ぐぎゃあっ!!」
 賊はそう喚くと地面をのた打ち回りました。……弱すぎですね。
 RPGで例えるなら……下っ端ABCというところでしょうか?
 さて、私も応援しないと……!! と、私が呪文を詠唱しようとしたときでした。
 ティリアさんとは違う、別の女性がほかの賊を斬りつけました。
「フィーユ!」
「ティリア、こいつらは雑魚だ! 頭を叩けば四散する!!」
 その女性、どうやらフィーユと言う名前のようですが……は、
 じりじりと先ほど大口を叩いていたアールという男ににじり寄ります。
「へ、へへ……そんなに近づくなよ。照れちまうぜ」
 口ではそういってますが、あれは絶対にあせってます。
 まあ、自分の手下が数秒で倒されたんですから当然でしょう。
 さて、この人はどうするべきでしょうか……

A フィーユという人に任せましょう。この人の強さなら大丈夫ですね
B 私がじきじきに鉄槌を。魔法で消し炭にしてやりましょう
C その時、後ろから別の女性がこの男を思いっきり殴りつけました
200名無しさんだよもん:04/03/07 22:35 ID:e6M4u0sh
201FARE-M ◆7HKannaArk :04/03/07 22:47 ID:Q1O+36sY
一応トップの変更というか試行錯誤というか、index.html
の方を上げてみました。

ttp://members.at.infoseek.co.jp/farem/sentaku/index.html

はるかの世界、Maiキャラット等も上がってますので。
202名無しさんだよもん:04/03/07 22:54 ID:ziilGcWO
「アール!! 何やってんだ!!」
 その時、後ろから別の女性がこの男を思いっきり殴りつけました。
「確かに俺たちは盗賊だがまっとうな奴からは奪わないのがモットーだろうが!!」
「いててて……。はて、誰ですかいあんたは?」
「はあ!? すっとぼけんな!! てめぇは自分の親分の顔も忘れたのか!?」
「さーて、知りませんなあ……。あんたが本当の親分なら、愛用の鞭を持ってるはずじゃないですか」
「ぐ……」
 なんだか話が変な方向に流れていますね。
 どうやらこの女性、この男の親分のようですが、おそらく留守中にこの男にNo.1の座を奪われたんでしょう。
 この女性がこの男を蹴落としてくれれば自然と騒ぎは収まるみたいですが……。
「おい皆!! 親分愛用の鞭も持ってこれない奴が親分のわけないよな!?」
 男が周りの賊にそう声を掛けると男に賛同の声が返ってきます。
 どうやら、この女性……立場的に分が悪いみたいですね。
「……なら、鞭をとってくりゃいいんだな!」
「ええ、いいですとも。ただし、そこまでの道に協力生ものが住み着いちまってますがね」
 ……この女性が鞭を持ってくれば親分としての座に帰りつけるわけですね。
 となると……この騒ぎも一段落つくわけですが……。
「……どうしましょうか?」
 私はティリアさん、フィーユさんに話しかけました。
「どうするもこうするもないだろ? こいつらを倒せば町の平和は戻ってくるんだ。だったらとるべき行動はひとつ」
「あの女の人が親分の座に戻れば解決するんでしょ? だったら無理に血を流すこともないんじゃない?」
 二人の意見が割れましたね。
 私もそのどちらかをとるしかないとは思うんですが……。

A フィーユに賛成。アールをしばいてそれで終わり
B ティリアに賛成。女性の手助けをし、それでこの女性に引き上げさせる
203名無しさんだよもん:04/03/07 22:58 ID:ZObC9H3T
B
204名無しさんだよもん:04/03/07 23:15 ID:nN0Y0Nn7
指摘スマソ

協力生もの→強力な魔物
205名無しさんだよもん:04/03/07 23:17 ID:ziilGcWO
_| ̄|○
206名無しさんだよもん:04/03/07 23:24 ID:6Pks9VEF
誰かフィルスの資料をくれ。
マヂで分らん。
207名無しさんだよもん:04/03/07 23:27 ID:ziilGcWO
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1068628101/l50
↑ここの住人とかに聞いてみるとか。
流石に今回は書き手減りそうだな……今のところ半分以上原作ネタ準拠だし
208名無しさんだよもん:04/03/07 23:38 ID:ziilGcWO
「それなら……あの女の人の手助けをして、とっととお引取り願いましょう。
 確かにあの男の人を叩けばそれですむかもしれませんが、流さなくても済む血を無理に流すこともないですし」
「ふうん……ま、いいけど」
 フィーユさんのほうは少し不服そうな声を出しながらも剣を収めないで木に寄りかかりました。
「やっぱりそうよね。無駄な血は流さないのが一番!
 という訳で、そこのあなた! 協力させてもらうわ!!」
「……はあ? まあ、いいけど……」
 突然話を振られた女性のほうは少し困惑しているようです。
「という訳で、一時停戦ね。あんたら、私たちが帰ってくるまで待ってなさいよ?」
「ああ、いいとも。ただし急いでくれよ。俺も待つのは三時間ぐらいが限界だ」
「アール! 絶対にてめぇはこの俺、サラ・フリート様が直々に引導を渡してやるからな!!」
 私たちはこのサラさんの鞭をとりに行くことになりました。

 リアンたちが町を出た後……
「……あんたはいかねえのか?」
「お前が約束を破る可能性だって大いに有り得る」
「つれねえな……」

209名無しさんだよもん:04/03/07 23:40 ID:ziilGcWO
 私とティリアさんとサラさんは、賊のアジトへとやってきました。
「こっちだ」
 サラさんの案内で私たちは奥に進みます。
 途中、魔物が何匹か襲ってきましたが私たちの敵ではありません。
 ティリアさん、サラさんの連携に私の援護。完璧です。
 強力な魔物だかなんだか知りませんが、かかってこいって感じです。
「あれが……その魔物みたいね」
 ティリアさんが身構えました。
 見ると……魔物が一匹通路の前に陣取っています。
 ……先ほどとの魔物とは格が違うようですね。雰囲気で分かります。
「ドーバン様の命により……貴様たちを殺す!!」
 言葉もしゃべれるみたいです。ドーバンとは何者でしょうか……?
 ……けど、倒さないわけには行きませんね。
 どうしましょうか……

A ティリアの剣技
B サラの鞭技
C リアンの魔法
210名無しさんだよもん:04/03/07 23:47 ID:lqtd3EOd
A
211名無しさんだよもん:04/03/08 00:07 ID:iaict+Io
つうかサラは今鞭を持ってないはずでは?
212名無しさんだよもん:04/03/08 00:08 ID:BPN5F8dh
だからBを選んだら失敗だったんだろ。
213名無しさんだよもん:04/03/08 00:43 ID:rSjkhz5e
すまん、説明不足だった。
サラは初期装備として別の鞭を持ってるんだ。
……これは未プレイが多いことを失念していた俺のミスだ。
未プレイでも話が楽しめるよう努力するよ。
214211:04/03/08 01:10 ID:w8wN8J78
ああ、そういうことか。いな行このおまけでプレイ済みなのに気付かなかったよ。
215名無しさんだよもん:04/03/08 01:31 ID:rSjkhz5e
「サラは下がってて。愛用の得物がないときついでしょ?」
 ティリアさんが一歩前に出ました。
「あ、おいお前……!!」
 ティリアさんは一人魔物に向かって切りかかります。
 ……一言で言うなら、見事です。
 あの動き、洗練されていて……無駄がないです。おそらく、いい師を持ったのでしょう。
 私が援護をする必要もないですね。
 魔物の攻撃を最小限の動きでかわしながら、そこに生まれる隙を的確に突いていく。
 口で言うのは簡単だけど、実行するのは難しいそれを忠実に行ってます。
 この分じゃ早く決まりそうですね。
 ティリアさんはそれから十分も経たずして魔物を討ち取りました。
「あんた強いねぇ。気に入ったよ」
「えへへ……。これでもサーゼ・フレイの孫だから」
「へぇ……有名な戦士サーゼ・フレイの孫」
「といってもそれは過去の栄光で、今はバカな事ばかりいってる変な人だけど」
 ティリアさんは少し照れているようです。
 と言っても自分の祖父に向かってその言い方は酷いんじゃないかと……。
216名無しさんだよもん:04/03/08 01:32 ID:rSjkhz5e
 私たちは通路の奥に進みました。
 先ほどまでごつごつとした場所だったのが、急に壁に装飾が施された開けた部屋になりました。
 どうやら、何かを祭ってある神殿みたいなところのようですが……。
「ここは……?」
「ああ、地の神殿さ。一応地の神さんを祭ってあるんだ」
 サラさんはそう返事をしながら奥に行きます。そしてひとつの宝箱を開けました。
「おっ、あったあった。さて、こいつでアールをしばきに行くか」
【サラは専用の鞭を手に入れた】
 さて、ここに長居は無用ですね。そろそろ戻らないと……
 と、そのときでした。
「……そーいう問題じゃなくて!!」
 またティリアさんが何か独り言のようなことを言ってます。
 やはり……さっきの話を総合するに、誰かが魔法で私たちに気付かれないようにティリアさんに話しかけているのでしょう。
 透視の魔法で今度こそ正体を見破ってやります!
 今度は失敗しないように、慎重に行きましょう。そして……

A 成功。少し年配の男の姿が確認できた
B 失敗。何も見えてこなかった
C またまた勢い余ってティリアとサラの服の中を透視してしまった
217名無しさんだよもん:04/03/08 01:33 ID:uw3NcUtA
Aで
218名無しさんだよもん:04/03/08 09:37 ID:rSjkhz5e
 何か見えてきました……少し年老いた、男の人のようです。
 会話もだんだんと聞こえてきました。
「だが、それ以外に封印を解く方法はない」
「で、でも! 神様の封印を解くのに……その……エッチしなくちゃいけないなんて……!!」
「男がいやなら女でも良い。そこにいる者も地の民だ」
 男の人はサラさんのほうを指差しました。
 ……途中から会話を聞いたのでさっぱり分かりません。
「ティリアさん、封印を解くとか地の民とか、一体何のことなんですか?」
「え、それは……」
「……女、我の姿が見えるのか?」
 男の人が私を睨み付けました。……なんだか怖いです。
「あなたは一体何者ですか……?」
「我は知識の探求者。我の魔法を解くことが出来るとは……おそらくは異界の者か。
 ならば一言だけ言っておく……この世界から去れ。この世界はお前の思っているほど甘いものではない」
 男の人はそれだけ言って消えてしまいました。
「ティリアさん、一体今のは……?」
「リアンも見えたのね……あいつは……」
219名無しさんだよもん:04/03/08 09:38 ID:rSjkhz5e
 ティリアさんが語ってくれました。
 あの男が初めて見えたのは、私と封印の洞窟に行ったとき。
 そこで唐突に現れ、自分に封印を解き、洞窟の中に入る方法を教えてくれた。とのことです。
「……なんだか怪しいですね。見ず知らずの人にそんな重要な話を振ったりと」
「あの男もただ知識を得たいだけだって言っていたし、それに怪しくてもデュークを助けるのがそれしかないなら……」
「……まあ、ほかに方法がない以上それに頼るしかないのでしょうけど、どうやって封印を解くのですか?」
「それにはね、私が地・風・氷・水・火の五つの神の封印を解けばいいらしいの」
「その封印を解くには?」
「え、えと……、それが……その……」
 そこまで聞いたとき、ティリアさんが急に顔を赤くして言葉を濁しました。
 一体なんだと言うのでしょうか?
「あのね……この世界には、それぞれの神に加護を受けた民が存在するわけよ。
 その民から力を吸収すればいいんだけど……その方法が……」
「その方法が?」
「……性的に相手に快楽を与えること。つまりは……エッチすることよ」
 そこまでティリアさんが説明したときには、もう顔を髪の色に負けないぐらい赤く染めていました。
 ……え、えぇーっ!? それじゃ、先ほどの話から総合すると……ティリアさんは、サラさんと……。
「おい、何してるんだ? 早く行こうぜ」
 サラさんは先ほどの話が聞こえていなかったのか、私たちを急かします。
「え、えーとね、サラ……」
「どうしたティリア?」
 ティリアさんがサラさんに話しかけました。……マジで、言う気ですか!?
 ティリアさんは……

A まず理由から話し始めました
B 唐突に「エッチの経験ってある?」と言い出しました
220名無しさんだよもん:04/03/08 10:26 ID:FUDadxJK
A
221名無しさんだよもん:04/03/08 14:45 ID:abnjK1ay
おお、原作と違った展開に(笑)
222名無しさんだよもん:04/03/08 16:13 ID:rSjkhz5e
「これから、私の言うことを良く聞いてほしいの」
「おいおい、何だよいきなり……」
 ティリアさん……マジで言うんですか!
 数分後……
「……ティリアの言いたいことは大体分かった。つまりは……俺とヤってほしいってことか」
「結果的にそうだけど! そうじゃないのよ!!」
 サラさんは少し冗談めいた風に返事しました。
「分かってる分かってる、溜まってるんだろ? あーよしよし、お姉さんに任せなさい。
 直ぐにすっきりさせてやるから」
 ……これって、まったく信用されてないとか?
 まあ、普通ならそういう反応してもおかしくないですよね。
 おかしい人に見られて無碍にされるよりは数段マシですが。
 そして、サラさんは服を脱ぎだしました……。
 って、私の前で脱がないでください!!
「サ、サラさん!!」
「なんだリアン、恥ずかしがってるのか? 見た目どおり純な奴だなぁ。見たっていいんだぞ?」
「み、見ません!!」
 私は両目を手で塞ぎます。
 くすくすと言う笑い声が聞こえてきました。……からかわれてる。
 ……まさか、このまま二人は行為に及ぶのでしょうか?

A このまま目を塞いだまま終わるまで待つ
B 野次馬のような野暮なことはやめ、いったん外に出る
C 指の隙間をあける
223名無しさんだよもん:04/03/08 16:17 ID:gBIHNNYm
B
224名無しさんだよもん:04/03/08 17:11 ID:rSjkhz5e
 やめやめ、ここで二人の様子を見てても仕方ありません!!
 だいたい人のそのようなプライベートに近い趣味を覗くことは私は好きじゃありませんから!
「ちょ、ちょっと外に出てます!!」
「照れちまって……初々しい奴」
 サラさんの茶化しが入りましたが無視です!
 野次馬なんて私のイメージに合いません、外で待ってることにしましょう!!

 暫くして……ティリアさんとサラさんが出てきました。
「不思議なこともあるもんだな……地の神さんみたの生まれて初めてだぜ」
「まったく……サラってば全然信用してなかったんだから」
「悪い悪い。俺はてっきりティリアが溜まっていたから無茶な理由付けをしだしたのかと……」
「何よそれは!」
 二人が言うには、あの後に地の神様と言う方が現れたらしいです。
 ……私もあの場にいればよかったです。そして、神様の話では封印のバランスが崩れ、
 ガディムが復活しかけているとか。
 何か置いてきぼり食らった気分です。例えるなら、
 RPGに良く出てくる長老の話で、「一度しか言わない」と念を押されていたのにもかかわらず
 余所見をしながらボタンを連打してしまい、全然話の内容が見えなかった場合に非常に良く似ています。
 ……今度は私もその場に居合わせておきましょう。とりあえず今は町に戻らないと!

 さて、パルメアに戻った私たちですが……

A フィーユさんがすでにアールさんをタコ殴りに! 約束が違いますよっ!?
B 出たときとまったく変わらずの状態でした。では早速サラさんに説得のほうを頼みましょう!
C アールさんが町娘を犯してます。……何やってるんでしょうか
225名無しさんだよもん:04/03/08 17:20 ID:8flwXim3
なんか最近無駄に下品な選択肢やら展開やらが多いな。
純粋無垢な俺としてはとてもじゃないが耐えられん。

Cで。
226名無しさんだよもん:04/03/08 17:34 ID:09mX9ISs
耐えられんとか言いながらしっかり選んでるぢゃねぇかw

需要があるから供給されるんだろ……確かにあまり変な展開は勘弁して欲しいが、それがこのスレのコンセプトだからな。
227名無しさんだよもん:04/03/08 18:24 ID:rSjkhz5e
 先ほどのアールさんが……なにやら取り込み中のようですね。
 一体何してるんでしょうか……ちょっと見てみましょう。
「……なあ、もう勘弁してくれよ? これで七回目だぜ?」
「たった七回で止めちゃうなんて、私のこと愛してないの?」
「いや、そうじゃねえが……しかたねえ、もう一度いくぜ」
 ……どうやら愛を育んでいるようです。
 しかも七回って何ですか。私たちが留守中の間七回と言うことは、一発一発が早すぎです。
 某仮面の男顔負けですよ? フィーユさんもいつの間にかいません。……きっと呆れたんでしょうね。
「……てんめぇ!!」
 サラさんが鞭を持ってアールさんに向かい駆け出しました。……アールさん、死にましたね。

〜アールがぼこぼこにされています。暫くお待ちください〜

「ふう……馬鹿は片付いたな」
 サラさんがさわやかな笑顔で汗を拭きます。
 その後ろに湯気を出しながら倒れているアールさんがいるのは気にしちゃいけません。
「で、お前らはこれからどうするんだ?」
「私はこれからほかの神様たちの封印を解きに行くわ。乗りかかった船だし」
 ティリアさんがそう答えました。私は……特に予定ないです。
「ふ〜ん、俺もついてってやるよ。お前らと一緒だと何かと面白そうだ」
「え、でもサラはこの人たちの……」
「ああ、いいんだよ。こいつらだって今回の一件で懲りただろ」
 どうやらサラさんはティリアさんについていくようです。
 私は……どうしましょうか?

A ティリアたちに同行する
B 一人でいろいろと見て回る
C その前にスフィーに連絡を試みる
228名無しさんだよもん:04/03/08 18:51 ID:rQEKK4L5
b
229名無しさんだよもん:04/03/08 21:12 ID:rSjkhz5e
「リアン、あんたはどうするんだ?」
「え、私ですか? 私は……この世界をもう少し見回りたいと思ってます」
「なら私たちとこない? リアンの魔法は頼りになるし」
 ティリアさんたちが誘ってくれました。でも……
「そう言われると嬉しいですけれど、暫く一人で見てみたいんです。
 ティリアさんたちは深刻な問題があるみたいですし、私のような者じゃかえって足手まといですよ。
 頼りになると言ってくれるとありがたいですが、この程度じゃとても……」
 それに魔力の暴発がまた起きてしまったら、ティリアさんたちを巻き込みかねませんからね。
 私もまだこちらにきて魔力が安定してないみたいですし、すこし距離を置くのがいいでしょう。
「リアンがそういうなら強制は出来ないけど……」
 ティリアさんは少し悲しそうな目でこちらを見ました。
「な〜に、リアンだってこの世界を見て回るんだろ? だったらまた会えるんじゃないか?」
 サラさんのほうは楽観的に言います。案外そうかもしれませんね。

 私は身支度を整えました。……といっても手荷物は何もありませんが。
 この服装では目立つと言うことで、ティリアさんから服も一着もらいました。
「へえ……結構似合ってるじゃないか」
「何から何までありがとうございます。旅賃まで融通していただいて……」
「気にしない。困ったときはお互い様って言うじゃない?」
「いろいろと、ありがとうございました。では、失礼します……」
「旅先で、また会うかもね」
 私はティリアさんたちと別れ、ひとまず隣の大陸に行くことにしました。
 サーゼさんから許可ももらってるので、地下通路の門番の人も快く通してくれました。
 でも……ひとつだけ問題があるんですよ。
 行くところ行くところ魔物が襲ってくるんです! もうたまったもんじゃありません。
 私だって魔法使いです、魔法で迎撃も出来ますが、こう何度も襲われると疲れてきます。
 この世界、こういった町の外の治安にも目を向けるべきですよ!
230名無しさんだよもん:04/03/08 21:13 ID:rSjkhz5e

 暫く歩いたところ、分かれ道が見えてきました。
 そこには看板が立っていて、
 「北東 風の村アノル 西 シオン城」と但し書きがされてます。
 ……どっちに行きましょうか。

A 風の村アノル
B シオン城 
231名無しさんだよもん:04/03/08 21:23 ID:Ggg27wEy
A
232名無しさんだよもん:04/03/09 04:32 ID:FvAOANA3
どっかで芹香登場しないかな、ワクワク
233名無しさんだよもん:04/03/09 10:48 ID:3Z6Nq82m

 北東のほうに行ってみましょうか。
 城に行っても一般人が気安く入れたりはしないでしょうし。
 そう思って私は風の村アノルに向かいました。

 その途中、人にすれ違いました。
 この世界は町の外はモンスターだらけ、それ故にあまり人とすれ違うことがありません。
 だから余計に目に付いたんですが……なにやら一生懸命に走っていました。
 まあ、おそらく急な用事でもあったのでしょう。私の気にするところじゃないでしょうね。
 見たところ私と同じぐらいの歳の女性のようでしたが……。

 アノルに到着しましたが……一言で言うなら、平凡な村といったところでしょうか?
 パルメアよりものどかですが、活気がないというわけでもないみたいです。
 さて、何をしましょうか……。

A 流石に疲れました。宿を探しましょう
B いろいろと町を見回ってみましょう
C 姉さんに連絡を取れるか試してみましょう
234名無しさんだよもん:04/03/09 10:50 ID:3Z6Nq82m
>>232
俺の技量じゃ間違いなく無理!

……ふと思った。フィルス始まってから俺しか書いていないけど、このスレでフィルスプレイ済みなのって何人ぐらいいる?
235名無しさんだよもん:04/03/09 11:01 ID:IoKl9s05
ここらで新たな展開が起こることを期待しつつB
236名無しさんだよもん:04/03/09 11:50 ID:3Z6Nq82m
 いろいろと村を見回ってみましょう。
 まだ私はここについたばかりで、ここがどういうところなのかも分かっていませんし。
 私はその辺を散策することにしました。
 別段変わったところのない村ですね。店も小さいながらちゃんとありますし、宿も見つけました。
 ただ、村の人の話によると、ここには風の神殿があるようです。
 そうなると……ティリアさんたちにまた会えるかもしれませんね。
 挨拶ぐらいはしておくのもいいかもしれません。
 さて……私は何をしてましょうか?

A もうそろそろ宿に泊まりましょう
B 村人からここの話でも聞いてみましょう
C お店で買い物でもしましょう
D その時、姉さんから急に魔力で連絡が入りました
E その時、急に魔物の群れが村に襲い掛かってきました
237名無しさんだよもん:04/03/09 12:25 ID:alyDz8kq
d
238名無しさんだよもん:04/03/09 12:50 ID:E5YkD1G/
あれ?スフィーってリアンが人間界に行ったことを知らないはずなのに
239名無しさんだよもん:04/03/09 13:16 ID:3Z6Nq82m
 そのときでした。
『……アン!! リアン!!』
 頭の中から声が聞こえてきます。
 これは……姉さん!?
「姉さん!? 一体どうして!?」
 姉さんは私が人間界にきたことを知らないはず……?
『こっちには魔法使いだって少ないのにあんなに魔力の乱れが起きて気付かないわけないでしょ!
 それより……あんたとんでもないことになったわね』
「とんでもないことって……?」
『自覚なし……か。あんたのいる場所、別世界でしょ?』
「ええ……」
『どうやって帰るか分かる?』
「分かりませんが……半年たてば帰還できるのでは?」
『……その帰還魔法がキャンセルされているとしたら?』
 ……え? ……キャンセル?
『祖父馬鹿のお祖父ちゃんがこんな状況になってすっ飛んでこないのはおかしいって思わなかった?
 理由は分からないけどあんたのいる世界じゃ私たちの魔法はほとんど通じないわ。私だって最初はびっくりしたわよ。
 ついさっきお祖父ちゃんからリアンの帰還魔法がキャンセルされたって連絡がきたんだけど』
「……でも! 私はちゃんと魔法使えましたよ!!」
『そりゃあ、単純な魔法なら使えるんじゃない? 火をつけるぐらいのものや雷を飛ばすぐらいのものなら』
 ……図星です。
 ええ、確かに空は飛べませんでしたがそういう魔法は使えました。
『私だってそっちの世界に行って助けてあげたいけど、はっきり言って難しいわ!
 私は今長瀬さんって言うこっちで知り合ったすごい魔力の持ち主に協力してもらってこうやって連絡の魔法を使ってるけど、
 それでもこれが限界! あまり長くは話せないから!!』
「……それじゃあ私はどうやって帰れば!?」
『そう、問題はそれ! それは……

A そっちの世界の帰還魔法を身に付けて帰ってきて!
B 魔法が使えない原因を見つけなさい!
C ……はっきり言って分からないわ。お手上げ!
240名無しさんだよもん:04/03/09 13:35 ID:xDz9iM2f
B
241名無しさんだよもん:04/03/09 18:41 ID:hvAfhSdD
支援板が見えないのは俺だけ?
242名無しさんだよもん:04/03/09 18:50 ID:+kzE3bHI
こっちは見れるが
243名無しさんだよもん:04/03/09 18:52 ID:+kzE3bHI
ageてしまったすまん
244名無しさんだよもん:04/03/09 19:14 ID:3Z6Nq82m
『魔法が使えない原因を見つけなさい!
 あんたがどうにかしてその原因を解決すれば、後は私たちでなんとかするわ!!」
 姉さんの声がだんだんと幼くなっていきます。
 ……もう、あまり時間がありませんね。
「私がその魔法が使えない原因を見つければいいんですね?」
『そう! もうそっちの場所は突き止めてあるから、後はその原因を取り除くだけ!
 いいわね、それがいつまでも出来ないようだったらそっちの世界で一生暮らすことになるわよ!!』
 そ、それは……流石に嫌です……。
 確かにこの世界にはいい人たちが多いけれどやっぱり姉さんの下にいたいです。
『……もう時間がないわ! 長瀬さんの魔力もなくなってきてるし、いったん切るからね! しっかり……やるのよ!』
 それだけ言われると、連絡が途切れました。
 ……何とかするしか、ないですね。

 まず、魔法が使えない原因についてですが……情報が少なすぎます。
 結局は……現段階では、何も分かっていない。とにかく、情報を集めないと……。
 ……でも、一体どうやればいいんでしょうか? まさかこの世界の人に、
 「私の世界の魔法が使えなくなった原因を知りませんか」と聞いても仕方がないです。
 どう調べるべきでしょうか……。

A 世界を回っていれば情報も集まるでしょう、このままいろいろと世界を回ってみましょう
B ティリアさんたちになら相談できそうです。一度相談してみましょう
C その時、魔物の群れが村を襲ってきました
245名無しさんだよもん:04/03/09 19:39 ID:ZejalD8J
C
246名無しさんだよもん:04/03/09 23:32 ID:xDz9iM2f
姉さんとの交信が終わった後、私はこれからの事を考え始めました
「ギャオオオォォォン!!!!!」
その時、村の外から魔物の雄叫びが聞こえました。それも一匹や二匹のものではありません
「うわぁぁーーー!!!」
何十匹という魔物の群れが村の外から入ってきて村人たちを襲い始めました
村人たちは逃げようとしましたがほとんどが老人で満足に逃げられず一方的に襲われています
私が魔法で対処できるような数ではありません、魔物の群れは村人を引き裂き、村を壊し、やりたい放題です
その凄惨な光景にすくみ上っている私のところへ魔物の群れの一部が襲い掛かってきました
私は…

A 一目散に村の外へ逃げ出しました
B 無謀とわかっていても魔物たちと戦い始めました
C 近くの家に入り、鍵をかけて立て籠もりました
247名無しさんだよもん:04/03/09 23:44 ID:N8NNMND2
C。中で誰かに出会うことに期待
248名無しさんだよもん:04/03/09 23:44 ID:rHTbCD3y
B
249名無しさんだよもん:04/03/10 00:31 ID:RH0MgzZ/
私は近くの家に逃げ込み急いで鍵をかけました。ドアの向こうから魔物達の唸り声が聞こえてきます
「あの…あなたは?…」
振り返ると奥の部屋に中年の夫婦がいました、夫は熱があるようで苦しそうにベッドに寝ていて、奥さんの方はベッドの隣に座って外の騒ぎに怯えながら夫の手を握っています
「す、すみません、勝手に入ってしまって、魔物の襲われて…」
私は慌てて謝りました
「いえ、かまいません、今まで魔物は村の中までは入ってこなかったのですがなぜ急に襲うようになったのか…ごほっ、ごほっ」
「あなた、いけません、じっとしていないと」
外からは魔物達が暴れている音と村人の悲鳴が聞こえます、ドアの方からも、魔物達が体当たりをする音が聞こえてきます、この家もいつまでもつかわかりません
奥さんの方が私に言います
「あなたは村を脱出しなさい、そしてこの事をパルメアの町のサーゼ様に伝えてください、きっと力になってくれるはずです」
今からパルメアの町に行って助けを呼んできても間に合うとは思えません、「あなただけでも逃げなさい」と言うことのようです
「そんな…あなた達は?」
「夫は高熱で動けませんし私は夫を見捨てられません、あなたが戻ってくるまで待っています、早く行ってください」
「………」
「今ならその窓から出て走れば脱出できるはずです、お願いします、急いでください!」
「……わかりました」
「ありがとうございます、一つ、お願いがあるのですが、今エリアという私たちの娘が夫の病気を治すためにレーウェルの森のセネルの花を取ってパルメアの町のサーゼ様のところに行っているはずです、もし途中で会えたら『私たちはお前を愛していた』と伝えてください」
「………」
「さぁ、早く!!」
私は泣きながら村を脱出しました…

A 私は急いでパルメアの町に行きました
B そのころティリアたちは(視点ティリアに)
C そのころエリアは(視点エリアに)
250名無しさんだよもん:04/03/10 00:33 ID:qfuISyan
A
251名無しさんだよもん:04/03/10 02:51 ID:nroVZl1j
>>234
俺はプレイ済みだが、うろ覚えなので様子見してる。
252名無しさんだよもん:04/03/10 02:56 ID:KnkOwSYx
やっぱ漏れは支援板見えんわ。どうやらinfoseekの調子が悪く、しかも見れる奴見れない奴、使える奴使えない奴がいるらしい。
253名無しさんだよもん:04/03/10 03:42 ID:w+Wj6wWY
yahooのプロキシサーバを使えと言われたので使ってみたら入れた。

ttp://www.cybersyndrome.net/

ここで探して串を刺してみるといい。
254249:04/03/10 03:58 ID:RH0MgzZ/
>>234
一応プレイ済みなので書いてみた…(ちなみにデュークが死んでしまった)

ごめん、エリアの母親がすんげえ説明口調になってしまった…駄文申し訳ない
255名無しさんだよもん:04/03/10 16:51 ID:k32lhmfX
>すんげえ説明口調
それこそRPGの醍醐味かと
256名無しさんだよもん:04/03/11 06:17 ID:wpjFuFkb
 私は泣きながら村を脱出しました。
 私が裏口から家を出た後、どうなったかは分かりません。ただ、ドアが破られた音が聞こえました……。
 それでも私は後ろを振り返らずに、とにかく、無我夢中で走りました。
 ……悔しかった。
 私の魔法は他人が困っているときのためのものなのに、肝心なところで役に立たない。
 でも、私にはどうすることも出来なくて……。
 今の私には、私を追ってくる魔物を振り切ることしか、出来ませんでした。
 野を越え、地下通路を越え、懸命に走り、パルメアの町に辿り着いたときに初めて後ろを振り返りました。
 もちろんもう魔物は追ってきていません。
 私は安堵のため息とともに、その場にへたへたと座り込みました。
「リアンじゃないか、忘れ物か?」
 不意に、声を掛けられました。
 顔を上げると、立っていたのはサラさん。
「ぐすっ……うっ、うっ……うっ……」
「おいおい、何泣いてんだ? 何かあったのか?」
「サラさん……アノルが、アノルが……」
 涙で上手く話せなかったけれど、私がそういっただけでサラさんは察してくれたようで、
 急に深刻な顔つきになりました。
「……とりあえず、ティリアの家に行くか。ここじゃ話しにくいだろう?」
 私はそれに頷き、ティリアさんの家に向かいました。
257名無しさんだよもん:04/03/11 06:18 ID:wpjFuFkb
「あら、どうしたのリアン?」
 ティリアさんの家に入ったときに初めに目に付いたのは一人の少女でした。
 ティリアさんと一緒にいるその少女は、確かに私がアノルに行く途中すれ違った子。
 ……この子がおそらく、エリアさんでしょう。
「……さて、じゃあ話してくれリアン。アノルで何があった?」
「アノル!? アノルに……アノルに、何かあったのですか!?」
 少女のほうが私に詰め寄りました。
「エリアさん……ですね」
「なぜ私の名前を……?」
「ご両親から……託けを賜ってきました」
 ……私は、言わなくてはいけません。
 エリアさんに、残酷な……死刑宣告を。
「『私たちはお前を愛していた』たしかにご両親はそう言っていました……」
「一体……何があったのですか!?」
 ……ごめんなさい。
「……村が、魔物に襲われました。私だけ……何とか逃げ延びて、サーゼ様にご報告をと……」
「何!? アノルの村が!?」
「…………っ!!」
 その場の誰もが、ショックを受けたようです。
 エリアさんは、それを聞くなり外に飛び出していってしまいました。

258名無しさんだよもん:04/03/11 06:19 ID:wpjFuFkb
「エリアさん!!」
「待て、リアン!!」
 私が追おうとしたところ、サラさんに呼び止められました。
 たしかに私が行った所で……何の解決にもならないでしょう。
「ティリアさん、サラさん……私は、私は村の人を見殺しに……」
「誰も責めたりしないわよ。どうしようもなかったんでしょう?」
 ティリアさんは、私を慰めながら席を立ちました。
「……じゃ、行こうか。もしかしたら村にも生き残りかもいるかもしれないし」
「はい……」
「それじゃお祖父ちゃん、私たちが様子を見てくるわ」
「……気をつけてな。あまり無茶をするでないぞ」
「分かってるわよ」
 私は、まだ心の中で自分が許せないままパルメアの町を出ました。

259名無しさんだよもん:04/03/11 06:19 ID:wpjFuFkb
「……酷い……」
 アノルに着いて、ティリアさんは一番初めにそういいました。
 村は魔物に襲われ、あちこちに村人が倒れており、それのいずれも息はありません。
 先ほどまでのどかな田舎町だったのが、一瞬にして地獄絵図に変わっていました。
「しかし……妙な話だな」
「妙?」
「ああ……。魔物って言うのは本来集団行動はとらないだろ?
 あいつらには仲間意識は薄いしな。なのに……こりゃどう見ても……」
「誰かが……計画的にやったとしか思えないわね」
「でも……誰が?」
「流石にそこまでは……」
 誰かがこの魔物たちを扇動? 一体誰が何のために……。
「さて、エリアを探そうぜ。もうここに来ているだろ?」
 ええ。エリアさんはここの出身の人。
 このままこの惨劇を目の当たりにして、心中無事でいるはずがないでしょう。
 私は村を少し歩き回り、そして……

A 自分の家で喉に短刀を突き立てようとしているエリアさんを発見した
B 墓地の前で失意にくれているエリアさんを発見した
C エリアさんの姿は村に見当たらなかった
260名無しさんだよもん:04/03/11 06:36 ID:tuje7tj9
B
261名無しさんだよもん:04/03/11 13:55 ID:BTw5PiId
墓地ってももう埋葬したんかい!
262名無しさんだよもん:04/03/11 15:44 ID:ekhI3+wU
逃走して墓地で死んだと言う展開も考えられるだろう
263名無しさんだよもん:04/03/12 17:58 ID:YSRQeeQr
 土を掘る音が聞こえてきました。それも……墓地から。
 行ってみると、やはりエリアさんはそこにいました。
 両目に涙をためながら、懸命に土を掘り返していました。
「エリアさ……」
 私が近寄ろうとしたとき、肩を掴まれました。
 振り向くと、サラさんが静かに首を振っています。
「リアン……一人にしてやれ。おまえが行っても……余計悲しませるだけだ。
 エリアは優しい奴だからお前のことを責めたりはしないだろうが……」
 私は、小さく頷きました。
 ……確かに、私はエリアさんのご両親を見殺しにした。
 その事実は、変わりようがないんです。
「リアン、すこし村をぶらついて来てて。エリアのことは私たちに任せてさ……」
 そのティリアさんの提案に乗るしか、私に選択肢はありませんでした。
「分かりました。では私は宿屋のところにいますので……」
 私は、後ろ髪を曳かれる思いで墓地から離れました。

 待つこと数十分、ティリアさんが宿屋へと来ました。
「リアン……エリアが、話があるって」
「話……?」
「うん。一対一で、話したいことがあるんだってさ。エリアの家で待っているって……」
 ……確かに、エリアさんは私には心中穏やかでないでしょう。
 だから、一度腹を割って話し合うという道を選んだ……。これに私が断るわけには行きません。
「分かりました」
 私はそれだけ言うと、エリアさんの家に向かいました。
264名無しさんだよもん:04/03/12 17:59 ID:YSRQeeQr

 エリアさんの家の戸をノックすると、
「どうぞ」
 という声が返ってきました。
 これからが……正念場です。例えその場で呪いの文句を言われても仕方がありません。
 私にはそれを言われるだけの、因業があるのですから。
 中に入ると、エリアさんが一人で椅子に座っていました。
 そして、もうひとつの椅子を指します。座れ、ということでしょうか。
 私は椅子に座り、エリアさんをじっと見ました。
 正直……内心どのような気持ちなのかは計り兼ねます。
 エリアさんがどのような気持ちで私で呼んだのかまったく読めません。
「突然呼び出してしまい、すいません……」
「いえ……悪いのは、私ですから。一体、どのような話を……?」
 そう私は聞きました。ここからです。
 ここでエリアさんがどのようなことを言おうとも……私は受け入れなければ。
 エリアさんは……

A 「自分を責めないでください」と言って悲しげな笑いを見せた
B 突然、私の頬に平手打ちをした
C 「もう……私とかかわらないでください」と私を拒絶した
265名無しさんだよもん:04/03/12 18:36 ID:qxzvv3Ir
B
266名無しさんだよもん:04/03/12 21:11 ID:YSRQeeQr
 パンッ
 乾いた音が辺りに響きました。
 最初、何が起きたのか分かりませんでした。
 ですが……だんだん、状況が読めてきました。
 痛みに染みる私の頬、そして動作を起こしたままのエリアさんの右腕。
 私は……ぶたれた。エリアさんに。
「……ごめんなさい」
 エリアさんの方は、震えていました。
「あなたが悪くないのは、分かってます。……けど、私はそれを納得できるほど大人じゃないから……。
 だから……殴らせてもらいましたっ。だから自分を悪く思わないでください。いいですね?」
 エリアさんはそれだけ言ってから、笑いました。満面の笑みで。
 その笑みのまま席を立ち、窓に近づいたかと思うと……。
 ガラッ
 窓を全開にしました。そこに現れたのは一生懸命聞き耳を立てているティリアさんとサラさん。
「二人っきりで話したいと……言いましたよね?」
「あ、あはは……これは……その……つい……」
 ティリアさんたちの乾いた笑いが辺りに響きます。
 エリアさん……表面では笑っているけど、内心めっちゃ怒ってますね。
 その怒りは、二人に向かってるのですか? それとも私に?
「ま、まあいいじゃねえか。結果いい方向に向かったんだし」
「全然よくありませんよっ!! 隠れて盗み聞きするなんて……!!」
「あはは……ごめんごめん。ついつい気になっちゃって」
 ……私たち、はたから見られていたらとてつもなく恥ずかしいことをしていたような気が……。
267名無しさんだよもん:04/03/12 21:12 ID:YSRQeeQr

「さて……早速で悪いんだけど、風の神殿に案内してくれない?」
 話も一段落ついたところで、ティリアさんがそう切り出しました。
 もちろんエリアさんも断る理由はなく、
「あ、はい。分かりました」
 と、二つ返事で了承しました。
「そういえば、ここの風の神殿には……」
「はい。風の民にしか解けない封印が施されています。私がいるから問題はありませんけど」
「そうか。なら問題ないな」
 私たちは風の神殿の入り口へと向かいました。

 入り口へついたとき、私は目を疑いました。
 何故なら……

A 入り口の封印が解けている
B 魔物が入り口の前に陣取っている
C 人が倒れている(人物指定)
268名無しさんだよもん:04/03/12 21:13 ID:/TR8Ejpk
c ここで何故か芹香ですよ
269名無しさんだよもん:04/03/12 21:19 ID:YSRQeeQr
ここで>>232=268とESPしてみる
270名無しさんだよもん:04/03/12 21:23 ID:/TR8Ejpk
キヅクンジャネェヨコノヤローヽ(#゚Д゚)ノ┌┛Σ(ノ´Д`)ノ

ぶっちゃけスマンかった。好きなんだ芹香
271名無しさんだよもん:04/03/12 22:07 ID:xM9jiPzT
私は目を疑いました。そこには一人の女の子が倒れていたのです。
「………っ!!!」
そして私は顔を背けてしまいました、その女の子は全裸で周りに服の切れ端が散乱し
女の子の体には生臭い精液がべっとりと浴びせられていたからです。
おそらく村の女の子で襲われた後に魔物たちに輪姦されたのでしょう。
「……この子、まだ息があるみたいだ!」
女の子を埋葬しようと近づいたサラさんが言いました。
「よかった、生きていた人もいたんだ…」
「でも、私はこの子を村では見たことありませんよ」
「とりあえず、風の神殿は後回しだな」
私たちはいったんエリアさんの家に女の子を連れて帰りました。

………
しばらくすると女の子は意識を取り戻しました。
エリアさんの服を着てもらい、話を聞いてみました。
「…………………」
女の子の声は小さくて聞き取りづらいのですがそれでもいろいろと聞くことができました。
驚いた事にこの女の子の名前は来栖川芹香といい、私と同じように別の世界から来た人間なのです。
なんでも魔法の実験中に突然魔方陣が光だし、気がついたら魔物でいっぱいのこの村にいたと、そして魔物たちに……
私はその話を聞いて

A この世界から戻るためにも芹香さんも一緒に私たちと風の神殿に行かないかと誘った
B とりあえず芹香さんにこの家で安静にしていてくださいと言った
C 今の芹香さんを一人にはできない、私と芹香さんが留守番をして3人で風の神殿に行ってくれませんかと提案した
272名無しさんだよもん:04/03/12 22:33 ID:CTUlsjjP
B
273名無しさんだよもん:04/03/12 22:50 ID:/TR8Ejpk
いくら気に食わなかったからってこの展開は酷くね?Il||li _| ̄|○ il||li
274名無しさんだよもん:04/03/12 22:59 ID:FVMnrPZS
いや、全然
275名無しさんだよもん:04/03/12 23:07 ID:YSRQeeQr
「えぇと……とりあえず、芹香さんはここで安静にしていてくださいませんか?」
「…………」
 えっ? 私たちはどうするのかって?
 それは……
「ああ、俺たちはちょっと風の神殿に用があるからな」
「…………」
「『私が元の世界に戻れる可能性は有るのですか?』と聞かれても……。
 今のところは難しいです。おそらくあなたの魔法もここでは使えないのでしょう?」
 こくこく。
 芹香さんが首を縦に振りました。
 この人……先ほどの制服から察するに、姉さんのいっている世界と同じ世界の人なのでしょうけど、
 その世界の人にしては珍しく魔力が感じられます……。
「でも、本来ならば転移系の魔法は使えますよね?」
 こくり。
 また芹香さんが首を縦に振りました。
「私もまた別の世界からここに飛ばされたのですけれど……どうやらこの世界では私たちの魔法は使えないみたいなんです。
 その原因さえ見つければ、何とかなるのですが……。そうすればあなたも自分の魔法でもとの世界に戻れると思います」
「…………」
 分かりました。私も休んでからその原因を探って見ます。
 と芹香さんは言いました。
「はい、よろしくお願いします」
「…………」
「ちょっと待ってくださいって……どうしたのですか?」
「(ここでお会いしたのも何かの縁、もしかしたらお役に立つかもしれないのでこの本を持っていってください)」
 芹香さんはそう言って私に一冊の本を渡してくれました。
 題名は……ミステリー全集。……機会があったら読むことにしましょう。
276名無しさんだよもん:04/03/12 23:08 ID:YSRQeeQr

 私たちは風の神殿の中に入りました。
「ここがそうですが、風の神様の封印を解くには一体どうするのですか?」
 エリアさんが不思議そうに尋ねます。
 ティリアさん……まだ説明していなかったんですね。
「え、ええとね……それは……」
 まあ、私も二回目となれば次の展開は読めてきますけど。
 ……どうしましょうか?

A このまま見てる
B 後ろを向く
277名無しさんだよもん:04/03/12 23:09 ID:dNAahL7H
A
278名無しさんだよもん:04/03/12 23:17 ID:YSRQeeQr
個人的に、ID:/TR8Ejpkが芹香が好きと言ったその直後に芹香を輪姦させる
ID:xM9jiPzTがすごいと思った
279名無しさんだよもん:04/03/13 00:00 ID:QHUZcz8N
なんていうか268がかわいそうだ。
彼は別にルール違反をした訳でもなんでもないのにな(w
あと、芹香が登場した意味が何もなくなっているが(すぐに退場しちゃったし…)
これはいいのだろうか?
これも一種の選択無視?
280名無しさんだよもん:04/03/13 00:02 ID:QHUZcz8N
と、思ったら芹香は別視点で動くのかな?
281名無しさんだよもん:04/03/13 00:13 ID:gJ9rM+Il
今後の展開によるんじゃないかな?
>>269はある意味選択し無視といっているが、そんなことはないと思う。
意味もなく退場とか言ってるがそんなこといったら過去どれだけ意味もなく退場した連中がいるか分からんよ。
例をとるなら24時の志保や雪見、逝こうの冬弥と由綺、AKIRAの水瀬親子など……。
というか、議論はもう前々々回の話でお腹いっぱい。もう少しマターリ行こうよ。
282名無しさんだよもん:04/03/13 00:13 ID:gJ9rM+Il
レス番ミスった。>>269>>279ね。
283名無しさんだよもん:04/03/13 00:14 ID:IJ9g5sDu
>>279 280
どうだろ?確かにルール違反ではないがこれが選択無視に当たるかどうかは微妙。
このレベルの選択無視はこれまでにもあったわけだがその度にスレ住人で話し合ってたと思う。

が、今回は話し合いが無い…

基本的に選択無視が許されたためしは無い。
今回のを無条件に許せば選択者の存在意義が薄れるだろう
ただの書き手のリレースレに成り下がる危険性もある。

今回を選択無視ととるか。そして無視ならそれをどう処理するのか…
結構これからの選択スレに重要な話だと思うが。
284名無しさんだよもん:04/03/13 00:15 ID:gJ9rM+Il
「エリア……」
「はい、なんですか?」
 ティリアさんがエリアさんににじり寄りました。
 ……まさかっ!? いきなり襲う気ですかっ!?
「エリア、ごめん、ごめんね……」
「ティ、ティリアさんっ!? 一体何をっ!?」
 ティリアさんはエリアさんの胸をつかみ、そして……落としにかかりました。
「きゃ、きゃああっっ!!!」

「何でこんな酷いことするんですか……」
 終わったあともエリアさんはなみだ目でティリアさんにぼやきました。
 ちなみに、じかに見た私の感想としては……ティリアさん、唐突すぎです。
 いきなりつなぎのジッパーをあけて「やらないか」と誘われるよりも唐突です。
 いやもう、あれじゃ急に襲い掛かってくる痴女ですよ。もう少し工夫したほうが……。
「ご、ごめん。話しても納得してくれないと思って……」
 ティリアさんは今頃説明を始めました。遅すぎです。
「……そういうわけだったんですか。でもいきなりなんて酷いです。
 前もって言ってくれれば納得しましたのに……」
 エリアさんはまだご機嫌斜め。まあ、当たり前といえば当たり前なんですが。
 そのときでした。
285名無しさんだよもん:04/03/13 00:15 ID:gJ9rM+Il
 風の神様を祭ってあると思われる石像が、突如女性の姿に変わりました。
 ……まさか、この石像が風の神様だったなんて……。
「また二千年前の悲劇が繰り返されてしまう……その前に、ガディムを再び封印してください。
 早くほかの神々の封印も解いて……」
「待ってください! 二千年前の悲劇とか、私にはまったく分からないんです!!
 私はただ……デュークを助けたいだけで……!!」
 ティリアさんが風の神様に向かって言います。
 風の神様のほうは、ティリアさんを悲しそうな瞳で見つめていました。
「……時が来れば分かることです。今はただ、あなたの信じる道を行きなさい。
 それと……そこの貴女」
「……私ですか?」
 風の神様は急に私のほうを見ました。
「貴女……この世界の人間ではありませんね?」
「ええ。別の世界からここに飛ばされて……何故か魔法も使えないので帰れないんです」
「……魔法が使えないのは当たり前です。何故なら……

A かつて私たちが結界呪文により、他世界との関わりを全て断ち切ったからです
B ガディムの影響により、他世界の力は全て封印されているからです 
286283:04/03/13 00:17 ID:IJ9g5sDu
_| ̄|○なにこっ恥ずかしい事書いてんだ漏れ…

>>281の言葉がもっともです。ハイ
287名無しさんだよもん:04/03/13 00:18 ID:OGLLYgUr
A
288名無しさんだよもん:04/03/13 00:39 ID:+rJBfBg8
「かつて私たちが結界呪文により、他世界との関わりを全て断ち切ったからです」
「ガディムの封印と同時に、他世界からガディムを復活させる者が来ないように他世界と繋がらないようにしたのです」
「そうですか……」
「ですが私たちの復活により結界呪文の効果は薄れています、全ての神を蘇らせれば結界の効果はなくなるはずです」
なるほど、それならティリアさんに協力して神様を復活させた方が私も芹香さんも早く元の世界に帰れれるみたいです
そういえば芹香さんが心配です、どうしているのでしょう?
289名無しさんだよもん:04/03/13 00:40 ID:+rJBfBg8
……………
来栖川芹香です
先ほどまでのことを思い出していました
私はいつものように学校の部室で黒魔術の実験をしてました
いつもなら静かに終わるはずなのに何故か魔方陣が光りだし私はその光に包まれました
気がつくと私は見知らぬ場所で倒れていました
周りを見回すと魔道書で見たような魔物達が村を襲っています、そして私のところにもやってきて……
「……………」
私も自分の魔法で抵抗してみました、でも、独学の私の魔法は役に立たず魔物たちに押し倒されて、それで……
「………っ!」
体は洗ったはずなのに、まだ精液の臭いがする気がします…それに万が一魔物の子を孕んでしまったら……
私は絶望と恐怖でまた泣き出してしまいました

290名無しさんだよもん:04/03/13 00:41 ID:+rJBfBg8
(さぞかし悔しかったようだの)
?、私の頭の中に声が聞こえます
(突然異世界に飛ばされて魔物に輪姦されたのじゃ、当然だろうて)
っ!やめて下さい!!!
(だがさっきいたリアンという娘も異世界から来ているんだが…)
(お前よりも強力な魔法が使えてもう何匹も魔物を倒しているんだよ…)
そんな…
(同じ異世界から来た魔術士でも大きな違いだのう…)
…悔しい、妬ましい…なんで私だけ…
(わしがお前に力をやってもいいのだがな?)
えっ?
(あのリアンよりもさっき居たこの世界の魔術師のエリアよりも強力な魔術士にしてやるのだよ)
………
(それがお前の夢でもあるのだろ?そのために毎日独学で研究しているのだろ?)
……分かりました…私に力をください…
(ただし条件がある、先ほどのリアンという娘を始末するのだ)
そんな…
(嫌ならこの話はなしだな…)

A それだけは駄目です
B …構いません
291名無しさんだよもん:04/03/13 00:42 ID:3xnfgJN1
a
292268:04/03/13 02:45 ID:qiNJE+AU
嗚呼…そうか、俺が悪いのか…人物指定ってあったから好きなキャラ指定したのに。
話の流れに合わないとこうなる運命なのね…そうですか。
ごめんね芹香たん…ゴメンねスレの皆…しばらくROMることにするよ。
願わくば今後の芹香たんが幸福でありますように…
293名無しさんだよもん:04/03/13 15:44 ID:IJ9g5sDu
>>268
お前新参者だろ?
作品に登場=活躍には繋がらないということはここの人間なら知ってて当然なんだが。
お前の個人的な萌えなんざ知った事じゃない。
一旦は擁護しようかと思ったがもうやめた。

自分で書き手に回らない以上、書き手にそのキャラの扱いを丸投げにする事になる。
キャラがどう扱われるかは言わば一種の賭けだ。
その状況で270のお前の態度…
書き手の心には天使と悪魔が住んでいる。
お前は天使を追い払い悪魔を呼び出しちまったんだよ。

基本的に
「面白い話を書く」のが選択スレの目的だ。
故に基本的に人物指定は「こいつが出れば盛り上がる」という事を念頭に置いて選ばれる。
個人的な感情が浮き彫りになってるのが見えればそれは無視される。
とりあえず過去ログ(支援サイトの纏めではなく2chの過去ログ)を全文読め。
書き手と読み手の関係を勘違いするな。


何か他に言いたい事があれば支援板で言ってくれ。
お前の愚痴を書く場所はそこだ。
294名無しさんだよもん:04/03/13 17:45 ID:Tu1kB4tY
一応>>268は謝った上にROM宣言してるんだから、これ以上責める必要も無いと思うのだが・・・
295293:04/03/13 17:56 ID:IJ9g5sDu
>>嗚呼…そうか、俺が悪いのか…人物指定ってあったから好きなキャラ指定したのに。

この文章からしてまだ勘違いしているようだったからな…
容赦無い意見かもしれんがあえて言わせてもらった。
また今回の芹香のような事態を引き起こさないために。

目障りだったと思う。
スマンカッタ>ALL
296名無しさんだよもん:04/03/13 18:59 ID:gJ9rM+Il
 ……それだけは駄目です。
―――ほう、せっかくのチャンスを棒に振るのか。
 私は……人殺しのために魔力が欲しいんじゃない。
―――今のところは退いておくが、お前はきっと申し出を受け入れる。人の心に欲がある限りな……。
 ……声が、やみました。
 今のは一体……。それに、リアンさんを始末させようとするなんて……。
 ……不覚にも、一瞬迷ってしまいました。魔力を得られるときいて……。
 このままでは、私はいずれリアンさんを……。
 出ましょう。ここから。リアンさんが戻ってくる前に。
 私は、置手紙を残しこの村から離れることにしました。
 また、魔物に襲われるかもしれませんが、一緒にいたらいつ私が欲望に負けリアンさんを襲ってしまうか……。
 さようなら、リアンさん、ティリアさん、サラさん、エリアさん。もう、会うこともないでしょう……。
297名無しさんだよもん:04/03/13 19:00 ID:gJ9rM+Il

「……あれ、芹香さん?」
 私たちはエリアさんの家に戻ってきました。
 しかし、ベッドで休んでいた芹香さんの姿が見当たらず、変わりに手紙が一通置いてあるだけ。
『お世話になりました。私はこれから一人で戻れる方法を探ってみることにします。
 お体にお気をつけてください。 PS.本もちゃんと読んでくださいね』
「どうやら先に行ってしまったようですね」
「なんだ、顔ぐらい見せていきゃいいのに」
「まあ、いいじゃないですか。それより、これからどこに行くんです?」
 今まで私たちが蘇らせた神様は地の神様と風の神様です。
 残る神様は……三人。水の神様と、氷の神様と、火の神様。
「もちろん次の神様を復活させに行くけど」
 ティリアさんは少し考えてから言葉を続けました。
「さしあたって次に行く場所は……」

A パルメアに戻るわ。そこで水の神様を蘇らせましょう
B フェーネル山。そこに氷の神殿があるわ
C ラントール。火の神様の封印を解きに行きましょう
298名無しさんだよもん:04/03/13 20:54 ID:HhzfFqHn
a
299名無しさんだよもん:04/03/15 01:20 ID:wr8PRx23
保守
300名無しさんだよもん:04/03/16 04:23 ID:MUP2M28r
h
301名無しさんだよもん:04/03/16 07:31 ID:w89ZatGl
え〜と、誰か書いてる?
書いてたら挙げなくていいから返事して。
302名無しさんだよもん:04/03/16 09:49 ID:/vigs+7k
返事をしてみようかな
303名無しさんだよもん:04/03/16 10:36 ID:/vigs+7k
「パルメアに戻るわ、そこで水の神様を蘇らせましょう」
少し考えてティリアさんは言いました。まぁまずは手近な所から進めるようです
水の神殿は他の所と違いすぐに行く事ができますしパルメアの町には水の民もいるはずです
もっともティリアさんとHをしてくれる人がいるかどうかは知りませんが…
「ティリアさん、パルメアの町でHの相手をしてくれる人はいるのですか?」
私はティリアさんに聞いてみました
「うーん、やっぱりフィーユかなぁ」
フィーユさんというと確かティリアさんと一緒に盗賊と戦っていたあの人ですね
「…ちゃんと事情を説明しておいた方がいいですよ」
いきなり襲われるのは困るのは体験済みなのか、エリアさんがティリアさんに釘を刺します
私たちはアノルの村を出てパルメアに戻りました
そしてまずティリアさんの家に行きアノルの村での出来事をサーゼさんに報告しました
「そうか……全滅か……残念じゃったな…」
「うん……ところでおじいちゃん?フィーユは今どこにいるか知らない?」
「ああ、フィーユかフィーユなら……」

A ブルボの子供が魔物の毒にやられ治すためにブルードラゴンの卵が必要なのでロイハイト公国のフェーネル山に行ったぞ(原作だとこんな感じ)
B 実は魔物にさらわれてしまったのじゃ…
C 気晴らしにカジノで遊ぶためにバリアントライフへ行ったぞ
304名無しさんだよもん:04/03/16 10:59 ID:w89ZatGl
Cで
305名無しさんだよもん:04/03/17 18:26 ID:X3UgQOl9
「気晴らしにカジノで遊ぶためにバリアントライフへ行ったぞ」
「気晴らし?」
「ああ、先ほどの男どもを殴れんかったんがよほど悔しかったんじゃろう」
 先ほどの男……ああ、アールさんたちですね。
「ふうん……ありがと、お祖父ちゃん」
「あまり無茶をするでないぞ」
「ティリアさん、バリアントライフとはどこにあるんですか?」
「ええ。それなんだけどね、ラエートで船に乗ってかないといけないのよ」
 ティリアさんが持っていた地図を見せてくれます。南東にあるのが私たちのいるパルメアのある島。
 それから地下道を通って北にある大陸、そこにシオン城やアノルの村があります。
 ただこの大陸、中心に大きな湖がありますね。ラエートはこの大陸の西側に位置していますが……。
 ラエートまでは……アノルの方から大陸の中心にある湖を回っていくしかないようです。
「これは随分と掛かりそうですね……」
「そうだな。こっからアノルに行くだけでも結構時間食ったし、こりゃかなり掛かりそうだな」
「あの……アノルまでならすぐ行けますよ」
 私たちがそうぼやいたときでした。
 エリアさんが不意にそんなことを言いました。
「えっ? すぐに行ける?」
「はい。私の魔法シュインですぐです。私がバリアントライフまで行っていればそこへも行けたんですが、
 残念なことに今まで村よりも北に行ったことがないので」
 どうやらエリアさんは転移魔法を使えるみたいですね。
 ……私には出来ませんが。
「それだけでも十分な時間短縮よ。早速頼むわ」
「はい」
 エリアさんが呪文を唱え始めます。
「アノルを越えた先の橋に人から金をふんだくる魔物が居座っているという噂じゃ、くれぐれも気をつけてな……」
 サーゼさんが、最後にそう忠告してくれました。
306名無しさんだよもん:04/03/17 18:27 ID:X3UgQOl9

 私たちは気付いたらアノルの村の入り口に立っていました。
「へえ……やるじゃない」
 ティリアさんが賞賛の声を漏らします。
 エリアさんは恥ずかしいのか顔を赤らめて俯きました。
「よし、さっさと行こうぜ。こっからでもラエートまでは暫く掛かるからな」
「ええ、そうしましょう」
 たしか、サーゼさんの話によると途中に魔物がいるという噂ですが……。

 私たちは件の橋までやってきました。そこにいたのは……

A 異様に柄の悪い鶏
B アクセサリーを露天のように売っている女性
C 癖毛が特徴的な女の子
307名無しさんだよもん:04/03/17 19:14 ID:3pSwJ1MU
Aってなんだろう
308名無しさんだよもん:04/03/17 22:10 ID:hJIY+vU1
私達が橋に行くとそこには異様に柄の悪い鶏がいました
その鶏は通せん坊をして私達に橋を使わせてくれません
鶏はどうしても通りたければ自分の要求を聞けと言ってきました
その要求とは…

A 1000G払え
B CLANNADを18禁にしろ
C 女を用意しろ
309名無しさんだよもん:04/03/17 22:11 ID:N5UXtKyv
A
310名無しさんだよもん:04/03/18 01:13 ID:TKWx8x3Z
異様に柄の悪い鶏は私達に橋を通りたければ1000G払えと要求してきました
「どうします?払うのですか?」
私は皆さんに聞いてみました
ティリアさんは
「ここで足止めを食ってもしょうがないし払おうか?」
と言いますし
「いや、こんな鶏の言うことなんか聞くことはない、実力行使で通ろうぜ」
とサラさんは言います
「何か他に解決の方法があるかもしれませんよ」
エリアさんはこう言います
私はどの意見につきましょうか

A ティリアの言うとおりさっさと1000G払って通る
B サラの言うとおり実力行使で鶏と戦ってみる
C エリアの言うとおり他の解決方法を探してみる
D 何か独創的なアイデアを提案してみる
311名無しさんだよもん:04/03/18 01:19 ID:bVvkMqEe
さくさく進めよう。Aで。
312名無しさんだよもん:04/03/18 18:10 ID:TKWx8x3Z
「ここはもう1000G払って先に進みましょう」
私はティリアさんと同じ意見でした、ここで時間をかけてもいいことはないでしょう
私たちは鶏に1000G払い橋を通してもらって港町ラエートへ向かいました
「ここがラエートですか…」
ラエートは大きな町でとても活気があります
「さてと、これからどうする?」
サラさんが言います

A さっそくバリアントライフまでの船のチケットを買いましょう
B とりあえず酒場で休憩でもしましょうか
C エリアさんが「海」というものを教えてくれました
313名無しさんだよもん:04/03/18 18:29 ID:lCKiqdaf
314名無しさんだよもん:04/03/19 22:05 ID:Hqbi8kmG
hosyu
315名無しさんだよもん:04/03/20 02:33 ID:0N4OyBw4
書いている人手を挙げて
316名無しさんだよもん:04/03/20 19:10 ID:ojX02jbv
書けるけど暇がない……というか、いちいち点呼すんなや。
たかだか二三日新着がつかなかっただけじゃん。かつての一週間つかなかったときに比べれば……。
それ以前に他スレであるが鬼ごっこや故・ファンタスレに比べたら……。
317名無しさんだよもん:04/03/20 19:52 ID:WxfMUhqJ
いや、>>315が書く気になったんだけど、すでに書いてる人がいるなら
無駄になるなってことだろう。きっとそうだそうに違いない。
318名無しさんだよもん:04/03/21 00:20 ID:mm3f3gVD
保守
319名無しさんだよもん:04/03/22 03:58 ID:23vDVllV
hosyu
320名無しさんだよもん:04/03/22 06:49 ID:Bas8R+9Q
「……これが海ですか」
 私は砂浜に立ちました。
 今までの道のりでも海はありましたが、こうして直に触れるのは初めてですね。
「リアンさんの世界には海はないんですか?」
「はい。だからこうして触れるのは初めてです……。
 そういえば、どうして海というものはあるのでしょうか?」
「それはですね。海があらゆる生き物の母であることに関係してます。
 そもそも海というものは……」
 エリアさんが私に丁寧に説明してくれます。
 実に興味深い話です。
「……エリア、力説してるとこ悪いんだが早く行こうぜ」
「えっ? す、すみません! 急いでるんでしたよね」
 飽きてしまったのかサラさんがせかします。
 ……まあ、この話はまた今度でもいいでしょう。
321名無しさんだよもん:04/03/22 06:50 ID:Bas8R+9Q

 私たちは船でバリアントライフまで渡りました。
 それから町に降り立ったのですが、どことなく様子が変です。
 カジノの町と聞いていたからもっと明るい場所だと思っていたのですが、
 町行く人の影がどことなく重々しく、まるで通夜か何かです。
「なんだか暗いですね……」
「だな。俺はもっと生き生きしたところだと思ってたが」
「一体どうしたというのでしょうか?」
 適当な人を捕まえて事情を聞くのが一番ですね。
 と、そこに見たことのある人が前を通りました。
「フィーユ?」
「……ああ、ティリアか。おまえも最悪のタイミングで来たな」
 やっぱりフィーユさんでした。
 この人も丁度いいところに来てくれます。
「最悪のタイミング?」
「……戦争だよ。この国は宣戦布告されたんだ」
 フィーユさんが俯きながら舌打ちします。
「おい、ちょっと待てよ。今はどの国も不可侵条約を結んでるんじゃなかったのか?」
「……それが破られたのさ。ここは武力は皆無に等しい。落ちるのも時間の問題だ……」
 ……それで、町の人たちの表情が暗かったのですか。
「一体どこの国がそんな無茶を?」
「それは……」

A 貿易国家ラントール国
B 北の大国ロイハイト国
C 獣人の生き残りという噂のトゥスクル国
322名無しさんだよもん:04/03/22 08:55 ID:pyjcNnq4
C
323名無しさんだよもん:04/03/22 15:53 ID:2Rmznd6Z
ほう。こう絡めてくるか・・・・・・
324名無しさんだよもん:04/03/22 20:02 ID:Bas8R+9Q
「トゥスクル……」
「トゥスクルって……あの?」
 トゥスクル。予備知識のまったくない私にティリアさんたちが説明してくれました。
 今から数年前に新大陸の発見とともに露になった巨大な国家で、
 文化の系統が我々とまったく違い、さらに独自の神を崇めているとか。
 その姿はかつて絶滅した獣人を思わせるが詳しいことは不明。
 数年前各国に和睦の使者を出して以来、まったく我々と関わりあわなかったそうです。
 それが急に沈黙を破り、宣戦布告……。なにか引っかかりますね。
「流石にあまりにも不可解だ。私もバリアントライフの人たちを助けるために戦線に立ったんだが、不覚を取った……」
 フィーユさんが右肩を見せました。
 そこには包帯が巻いてあります。……戦えるほど浅い傷には見えません。
「ティリア。早くここから出るんだ。お前も戦火に巻き込まれるぞ」
「無理ね。私にここの人たちを見捨てろって言うの? むしろ出るのはけが人のフィーユのほうよ」
「それに、ここは二大陸の間にある島です。守備的にもここを落としちゃいけませんよ」
 もう、何をするか決まったようなものですね。
 フィーユさんのほうも、諦めたのか深いため息をつきました。
「……まったく、ティリア。お前は馬鹿だよ。私の想像以上にな」
「馬鹿で結構。エリア、フィーユをパルメアまで送ってあげて。この怪我じゃただの邪魔者だし。
 私とサラとリアンでバリアントライフの王様に会ってくるから」
「はい、分かりました」
 ……しかし、私たちが国の戦争に介入して何とかなったりするようなものなのでしょうか?
325名無しさんだよもん:04/03/22 20:03 ID:Bas8R+9Q

 バリアントライフ城――
 私たちは王様に謁見することになりました。
 普段から王様と謁見は自由という気風もあって会うのにはなんら苦労はいりませんでした。
 流石に戦中だけあって部下の兵士にいろいろと聞かれましたが、
 それもティリアさんがサーゼさんの孫だと分かると顔パスです。……あの人、実はすごい人だったんですね。
 私たちは王様の部屋へと通されました。
「遠路はるばるよく来てくれた。時期が時期でなければ大いに楽しんで行ってもらったが……」
「いえ、王様。貴方の心中をお察しします」
「君たちの助力を得られると聞いて私は百万の兵を得た思いだが、どうしたものか……」
 王様は頭を抱え込みました。どうやら戦況は相当悪いみたいです。
 王様が右手を上げると、部下の兵士が大きな地図を持ってきました。
 これは……バリアントライフの地図ですね。下のほうが赤く染まってます。
「今の戦況はだいたいこうだ。赤く染められた地域はすでに奴らに奪われている。
 もともと私たちの国は争いには向いていない。しかし、奴らの目的が世界の統一ならば決して屈することは出来ぬ……。
 ここが落ちれば奴らはここを拠点とし、ラントールやロイハイト、シオンに足を伸ばしていくだろう。
 ここは三国をつなぐ重要な場所にあるからな」
「王様、敵側は何故宣戦布告などといったことを?」
「正直に言うと分からない。かの国の方針は不干渉であったから、
 我々もそれに従いかの国の立国以来数年間一切の関わりを絶ってきた。
 故に、侵略などされる謂れはまったくないのだが……」
 分からなくなってきましたね。
 不干渉を方針としてきた国が大義名分もなしに他国と戦争を始めたりするものなのでしょうか?
 何か……何か裏を感じます。
「生き残るためには奪われた地域を奪還するのが最良の手だが、決め手がないのでうかつに攻め込めん。
 ただでさえ武力の少ないわが国だ。陥落に失敗したら、その瞬間この国は終わる」
「王様、それならば……!!」

A 一か八かやってみましょう! このままでは敗北を待つばかりです!!
B 私たちが和平の使者としてトゥスクル国に向かい説得を試みてみます!!
C 少数でトゥスクル国に向かい敵の王の首を取りましょう! そうすれば敵も撤退するはず!!
326名無しさんだよもん:04/03/22 20:11 ID:23vDVllV
A
327名無しさんだよもん:04/03/23 20:06 ID:snR3NB3H
「一か八かやってみましょう!! このままでは敗北を待つばかりです!!」
「それはそうだが……攻め手がないのだ。戦力比で言えば侵攻軍とは4:6ぐらいだが、
 相手の本隊が加わればどうなるか分からん。まだトゥスクルはその全貌を明らかにしていない。
 あれだけの軍勢がじつは氷山の一角に過ぎなかったという可能性も否定は出来んからな」
「でも、奪われた地域を奪還しないことには始まらないでしょう?」
「それはそうだが……私もただ手をこまねいてみていたわけではない。いろいろと策を弄してみたのだが……」
 王様は席を立ち、地図の前で止まりました。
「まずこの南の地点。ここに奴らの軍が駐留している。まず班を二つに分けそこに一方から攻撃を仕掛ける。
 相手はもちろん応戦してくるであろう。そこで、もうひとつの少数で組まれた班が他方から敵の首領を討ち取る。
 考えた結果これが最良だと判断した。しかし……別働隊の中に実力者がいなければこの話は成り立たん」
 つまりは……陽動みたいなものですね。
 確かに、この作戦はこちらに強力な駒がなければ成り立ちませんが……。
「なに言ってるんだ、王様。俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ」
 サラさんが親指を立てました。……やる気、満々ですね。
「敵側に分があろうと上等。こっちからやってやるわ。ね、リアン」
「え、ええ……」
 わ、私もそのメンバーに参入済みですか!?
「……そなたたち、正気か!?」
「ああ。悪いがこちとら理不尽な侵略を黙って見過ごすほど人間できてねーんでな」
「むぅ……こちらとしては、ぜひとも「お願いします」としか言えんが……」
「決まりね。じゃあ早速出陣ましょう!!」
328名無しさんだよもん:04/03/23 20:07 ID:snR3NB3H

 リアンです。大変なことになってきました……。
 まさか私が戦争やることになるなんて思ってもみませんでした。
 王様もこの国とまったく関係のない私たちを信用していいのかと聞いたところ、
 「サーゼ様の孫一行だから安心です」との一言で返されてしまいますし……。
 正直不安です。まあ、やるしかないんですが……。
 さて、状況を整理してみましょう。
 前もってやった打ち合わせどおりまずは陽動隊が一斉攻撃を仕掛けます。
 そして敵が向こう側に気を取られている隙に私たちが闇に隠れて本陣へ入り、敵の頭を倒す。
 たったこれだけのことなんですが、問題は……そう、私たちが倒れたら作戦は失敗ということです。
 相手にまったく気付かれないようにメンバーは私たちだけ。
 ぶっちゃけいうと、攻め込むには少なすぎる人数です。
 ……生き残るには、雑魚は完全無視で本当に頭だけを狙うしかないですね。
 陽もとっぷり暮れました。そろそろ陽動隊も動き始めるでしょう。気張らないといけませんね……。

「分隊長、報告します」
 そのころ、敵の本陣では一人の男が伝令を受けていた。
「どうした?」
「バリアントライフの軍勢が東の方向から大移動中とのこと。おそらく目的はここの陥落かと思われます」
「ほ〜う、ついに来たか。そろそろ大きな山が来ると思っていたころだが」
 男はにやりと笑う。
 これは奴らの賭けだ。捨て身になってここを取り戻しに来る。
「なら、迎え撃ってやらなきゃな。俺たちだけでこの国はとっておかないと。わざわざ大将が出てくることもねえ」
 男は立ち上がった。
「おまえら! これから大きいのが来るぞ!! 迎撃の準備だ!!」
329名無しさんだよもん:04/03/23 20:09 ID:snR3NB3H
 闇と静寂が場を支配する中、決戦の火蓋は切って落とされた。
 鏑矢を射ち、東から一気に攻め込む陽動隊。かがり火を炊いての突撃である。
 陽動隊の不意打ちのような形になっているが、侵攻軍の対応もよく直ぐに緊迫した接戦状態となった。
 両軍の兵はお互いに斬り、斬られ、闇夜に歓声が轟く。
 そして、そことは逆方向の場所。小高い場所にリアンたちはいた。
「陽動のほうはうまくやってるみたいね。リアン、敵の本陣の詳しい場所の特定は出来る?」
「はい。……あそこ、あの巨大なかがり火の真下です」
 リアンが指差す。これはいわゆる透視の魔法の応用である。
 ほとんどの魔法を封じられているリアンだが、簡単な魔法ぐらいなら使えるのでそれをうまく組み合わせたのだ。
 姿を消す魔法がつかえれば事はもっと簡単に進んだが、これが今のリアンの限界であった。
「よっし! それじゃ、突撃だ!!」
 サラが先陣を切って敵の軍勢に突っ込んでいく。
 正にこれが正念場であった。

 リアンたちは一丸となって敵方の裏から攻め入った。
 攻めるといっても、あくまで静かに気付かれないように、である。
 少なくとも、敵の敷地内に入るまでは気付かれるのは避けたいところだ。
 すぐに敵の侵入を防ぐ柵にぶち当たる。
「分かっているだろうけど時間がないから、手はずどおりに!!」
「ええ!! まずは……」

A 力で柵をぶち壊し強引に侵入
B エリアの風の魔法で自分たちを吹き飛ばして侵入
C リアンたちは魔法で援護しティリアとサラだけが普通に乗り越えて侵入
330名無しさんだよもん:04/03/23 20:16 ID:XSflZJrX
331名無しさんだよもん:04/03/24 13:25 ID:GrUC6eSU
本陣を見回り中の兵士は不振な気配を感じて後ろを振り返った
「?」
だが、そこには人影はなく、木箱が2つあるだけだった
「気のせいか…」
兵士はすぐに見回りを再開した、しかし
「動かないで」
兵士は突然後ろから喉元に剣を突きつけられてしまった
「いろいろと聞きたい事があるんだ、正直に話せば命は助けてやるよ」
ゆっくりと後ろを振り返るとそこには2人の女戦士がいた、どうやらさっきの木箱に隠れていたらしい。
「わ、分かった、何でも話す、だから命だけは助けてくれ…」
ティリアとサラは兵士から敵の指揮官の名前・居場所・本陣の兵力・配置etcを聞き出し
兵士に猿轡をかませて人目に付かない場所に縛っておいた
「それにしても木箱に隠れて移動なんてばれないの?」
「何言ってるんだティリア、あたしが仕事するときはいつもこうだぜ。木箱はスニーキングミッションには欠かせないものなんだよ」
「そんなものなのかな」
「とにかく万一見つかったら一定時間隠れて騒ぎが収まるのを待つ、そして再び移動、極力戦闘は避けて敵の指揮官の場所まで進むんだ」
そう会話すると2人は再び木箱をかぶり移動を開始した

A とにかく敵指揮官の居場所まで進む
B 敵指揮官の前に秘密兵器メタルギ…もといアヴァ・カムを破壊しておく
C その時、大さ…もといリアン達から通信魔法が入ってきた
332名無しさんだよもん:04/03/24 14:12 ID:rjoL+LD/
a
333名無しさんだよもん:04/03/24 14:33 ID:5qNSIcNz
 敵の本陣までは比較的楽に進めた。
 それというのも、陽動隊がうまく敵側の戦力をひきつけているからである。
 敵の見張りもうまく木箱の中に隠れてやり過ごし、ティリアとサラは指揮官のいる本陣の前へとやってきた。
「さて、ここからが正念場だぜティリア……」
「ええ。分かってるわ」
「自信はあるか?」
「それなりには……ね」
 先ほどの兵士から聞き出した情報によると、ここの指揮官の名前はクロウ。
 得意武器は槍で騎馬術にも長けているらしい。
 相手にとってまったく不足はない。いや、ティリアたちから見れば不足があってほしいのだが。
「上等。いくぜっ!!」
 ティリアたちは、今本陣の中に駆け込んだ。

「二人はうまくやっているのでしょうか……」
「二人を信用しましょう。私たちは信じて待つのみです」
 その頃、先ほどの侵入場所にリアンとエリアはいた。
 この二人はティリア・サラと比べて体術に長けているわけではなく、
 従って彼女らの侵入の援護の役割を担うことになっていたのである。
 もちろん、彼女らの侵入の後も何もしないということはない。
 二人の脱出経路の確保が彼女らの仕事だ。
 といっても、単に脱出経路にいる兵士を黙らせるだけなのだが。
「とにかく、まずはこれを何とかしなくちゃいけませんね」
 エリアが前を見る。
 先ほどティリアとサラがすいすい乗り越えていった柵が二人の前に立ちはだかる。
「二人を安全に脱出させるためには邪魔ですが、これを何とかするのには骨が折れそうですね……」

A このままリアン視点で脱出経路確保ルート
B ティリア視点で指揮官対決ルート
334名無しさんだよもん:04/03/24 14:37 ID:QR37CxGN
aで
335名無しさんだよもん:04/03/24 15:06 ID:5qNSIcNz
「結局、こうすることになっちゃいましたか……」
「でも、こうするよりほかに仕方がないですけどね」
 リアンは目前の光景を見てため息をつく。
 ぶすぶすという音や煙とともにぽっかりと開いた穴。魔法で柵を焼き払ったのである。
 いや、焼き払ったというよりは熱源を収縮させて焼き切ったというのが正しいが。
 物音を聞きつけてやってきた兵士たちも、エリアの魔法で熟睡中。今頃は夢の彼方だろう。
「さて、次は……」
 リアンが魔力を集中する。
 現れたのは、ただの種火。そう、何の変哲もない火である。
 普通と違うのは、それが赤ではなく青い色で燃えていることぐらいだ。
 リアンはその火を辺りで一番高くて大きなかがり火に投げつけた。
 投げつけられたその火は、すうっとかがり火の中に入るとそのかがり火を青く変える。
 青にかわった火は何事もなく燃え、数十秒後にまたもとの色に戻る。
 これは合図だ。陽動隊にはこのかがり火の色が変わったら退く手はずになっていたのである。
 その合図が出たことは、すなわち……侵入成功。
 あとはうまく退きながら時間を稼ぐだけだ。無理に攻め入ることもない。
 犠牲者を減らすためのリアンたちの策であった。
「これでひと段落ですね」
 リアンが一息つく。
「まだまだですよ、リアンさん。これから敵の本陣までの道を開いておかないと」
 どうやら、まだまだやる仕事はたくさんありそうだ。

336名無しさんだよもん:04/03/24 15:07 ID:5qNSIcNz
「ここが本陣でしょうか……」
「そのようですね。ティリアさんたちが切り込んで行った後があります」
 リアンとエリアも本陣の前まで来た。
 ティリアたちが行ってからずいぶん遅くの到着である。
 もちろん、それまでに出会った兵士は全て傷つけずに眠らせてきた。
 それから人気のなさそうな場所に片付けたので、気付かれることもあるまい。
「ティリアさん達は無事でしょうか……」
「とにかく、行ってみましょう」
 リアンたちは本陣の中に入っていった。
 そして、中で見たものは……

A 二人が敵を倒す姿
B お互い一歩も退かずにらみ合っている二人と敵の姿
C 敵の指揮官の前に倒れている二人の姿
337名無しさんだよもん:04/03/24 15:12 ID:GrUC6eSU
A
338名無しさんだよもん:04/03/24 21:48 ID:5qNSIcNz
「やあああっっっ!!!」
 リアンたちが中に入って始めに見たものは、ティリアが敵の指揮官の脇腹に剣撃を入れるところであった。
 鎧を装着しているものの、流石にその衝撃は尋常ではなく敵の指揮官は吹き飛ばされ、壁に衝突する。
「決まった、な……」
 サラのその呟きとともに、指揮官は動かなくなった。
「はあっ、はあっ……危なかった……」
 ティリアが片膝を突く。
 敵の指揮官を倒すのにはティリアでも相当な体力を労したようだ。
「丁度決まったみたいですね」
「おっ、リアンたちも来たか。まあ、見てのとおりだよ」
 敵の指揮官はまだ動かない。
「……殺しちゃったのですか?」
「いや、一応死んでないよ。気絶させただけ。こいつにはいろいろと聞きたいこともあるしね」
「さて、じゃあ尋問タイムと行くか」

「う、うう……」
「おっ、気付いたな」
 指揮官クロウは目を覚ました。
 そして一番最初に気付いたのは自分の両腕、拘束されている。
 さらに自分を覗き込むのは先ほど死闘を繰り広げた相手、だ。
「お、お前たちは……!! まだ俺を殺さないのかっ!?」
「ええ。こっちにもいろいろと聞きたいことはあるしね」
「聞きたいこと? 嬢ちゃんら、分かってるはずだ。俺は武人、味方の情報を漏らすなんてことは死んでもやらないぜ」
「そんなことは分かってるさ。俺たちが聞きたいのは、何故あんたらが戦争を仕掛けてきたかだ。
 それぐらいは話せるだろ? こっちは何もあんたらにちょっかいを出した覚えはない。
 だけどあんたらは仕掛けてきた。それなりの大義名分があるんだろ? それを聞かせてくれ。
 沈黙を破っての攻撃だ。理由がないほうがおかしい」
 そのサラの問いに、クロウは口を開いた。

A 「知らんな。全ては総大将の命令だ」
B 「何もしていないだと? 先に攻撃を仕掛けてきたのはお前らのほうだ!!」
C 「悪いが、それも話すわけにはいかないな」
339名無しさんだよもん:04/03/24 22:05 ID:As3heLPU
340名無しさんだよもん:04/03/24 23:00 ID:5qNSIcNz

 リアンたちの作戦は大成功だった。
 トゥスクルの兵は撤退、領地の奪還にも成功した。
 その勝利の立役者であるリアンたちに、バリアントライフの王は改めて頭を下げた。
「まず、礼を言おう。君たちは本当に良くやってくれた。おかげで領地の奪還にも成功した。
 とりあえずは、抵抗する目処が立ったといっておくべきか」
「ですが、王様。少し気になることが……」
「気になること?」
 リアンたちは話し始めた。クロウが何を語ったかを。

「何もしていないだと? 先に仕掛けてきたのはお前らのほうだ!」
 サラの問いに、クロウはそう返した。
「先に仕掛けてきたのがこっちですって? そんな訳があるはずが……」
「ないとは言わせん。俺たちだってお前たちと争いたくはなかった。
 だから俺たちは他国と一切国交を開かなかったのだ。
 しかしっ……!! お前たちが総大将の世話になった集落を潰したんじゃねえか!!
 俺には見える! 仮面の下に隠れた総大将の涙がっ……!!
 そっちがその気ならこっちだって容赦しねえ。それに、放っておいたらまたいつこの悲劇が繰り返されるか……。
 今回は俺の負けだが、俺は絶対にお前らを許さん。それに、俺に苦戦しているようでは絶対に大将や総大将には勝てん。
 必ず落とし前は付ける……必ずな!!」
341名無しさんだよもん:04/03/24 23:01 ID:5qNSIcNz
「……なんと、敵はそんなことを!!」
「王様、失礼ですが……本当にこちらからは何も仕掛けていないのですか?」
 敵との意見が食い違っている今、考えられる可能性は三つ。
 一つ、敵が嘘をついている可能性。
 二つ、自分の想像の範疇を超えた何かが裏で動いている可能性。
 ……そして三つ、味方に裏切り者がいる可能性。
「無論だ。第一そんなことをしてどうする。自慢にならんが我が国は戦争を起こせば百戦百敗する自信がある」
(……確かに自慢にもなりませんよ)
 三つ目の可能性は低そうだった。
 そうなると、残る可能性は一つ目か二つ目だが、今の情報ではさすがに判断は出来ない。
「そのことについてはまだ分からんが、当面の問題は奴らの逆襲だ。
 その指揮官の話を総合すると、まだそいつより強い奴が二人いる」
 王様の心配はむしろそちら側であった。
 クロウですら突飛な作戦を用いてやっと撃退したのだ。
 それよりも強いものが二人もいては、ひとたまりもない。同じ作戦は二度通じないだろう。
342名無しさんだよもん:04/03/24 23:02 ID:5qNSIcNz
「やはり、我々の身を守るためには戦うしかないのか……。
 そうなるとすれば、他国の支援は必要不可欠だ。果たして応じてくれるかどうか……」
 王様は困った顔で唸る。もしかしたら、見込みが薄いのかもしれない。
「待ってください! 敵のいったことも気になります!
 ならば……敵と話し合ってみるのはどうでしょうか……?
 相手の反感を買わないためにも指揮官は殺さずに返したわけですし……」
 王様とは対照的に話し合いを勧めるティリア。
「和平か……。それも敵が応じるかどうかは分からん。
 かといって、やってみる価値はないでもないが、正直危険すぎる……」
「それならば私たちが行きましょう! それならば文句はありませんよね?」
「う〜む、しかし……」
 王様は首を捻る。
「……俺は王様に賛成だな。敵を信用するのは危険だからな。エリアはどう思う?」
「私ですか? 私は……やっぱり無駄な争いはしたくないです」
 意見は真っ二つに分かれた。
 和平か、戦争か。
「リアンはどう思う? 戦うか、話し合うか」
「私は……」

A 王様の言うとおり、他国と手を結んで全面対決するしかないと思います
B ティリアさんの言うとおり、一度相手と話し合ってみるといいと思います
343名無しさんだよもん:04/03/24 23:04 ID:9Nuadf39
B
344名無しさんだよもん:04/03/24 23:04 ID:GrUC6eSU
B
345名無しさんだよもん:04/03/25 00:32 ID:HGmZP1E5
「ティリアさんの言うとおり、一度相手と話し合ってみるといいと思います」
「…ふむ、わしも無益な争いは好まない。話し合いで解決するのであればそれが一番望ましい」
王様は話し合う事を決意しました
「それでは重ね重ね申し訳ないが和平交渉へいってもらえるか?」
「先ほども申し上げたとおり私たちは構いませ…」
ティリアさんが返事をしようとするとエリアさんがティリアさんに聞きました
「ところでティリアさん、フィーユさんのほうはどうするのですか?」
「あ、そうだった」
そうです、ここへ来た目的はフィーユさんとHをしてパルメアの水の神を復活させる事なのです
エリアさんは言います
「どうします?この和平交渉が終わってから水の神を復活させますか?」
サラさんはこう提案します
「いや、今回は和平交渉だけなんだから俺とリアンだけで行ってもいいぜ。
 ティリアとエリアはその間に水の神を復活させてまた合流すればいいんじゃないか?」
私は
「あの、シュインを使えばパルメアとバリアントライフはすぐに往復できるのですから
 ティリアさんとエリアさんで水の神を復活させて
 すぐに戻って皆で和平交渉に行けばいいのではないでしょうか?」
と提案してみました
私達の相談の結果は

A とりあえず皆で和平交渉へ行く
B パーティーをわけて私とサラさんで和平交渉へ行く
C 水の神を復活させてから皆で和平交渉へ行く



346名無しさんだよもん:04/03/25 00:33 ID:TzEWXNPP
分散せずにA
347名無しさんだよもん:04/03/25 15:08 ID:HGmZP1E5
「相手が第二陣を送る前に和平交渉をするべきです、ここは皆で交渉に行きましょう」
「分かった、そなたたちを全権大使として船を用意しよう」
私達は王様の用意してくれた船でトゥスクルへ向かいました

「……どうしましょうかね」
チキロナは焦っていた。
少し前、他国の武器を研究するために密かに入手したバリアントライフ製の武具が全て紛失したのだ。
そして、バリアントライフ兵によるヤマユラ襲撃の報が入った。
「何者かがチキロナの武具でバリアントライフ兵に見せかけた襲撃を行った」
この事をハクオロに報告すべきかどうかを考えていると
トゥスクルはバリアントライフを攻撃する事を決定し
チキロナの元にも大量の武器の注文が入ったのだ。
チキロナは考えた。誰が自分が密輸した武器を使ってこのような事をしたのかも気になったのだが
こうなった以上それを考えても始まらないし皆目見当がつかない
それよりこの状況を上手く利用できないかということである
348名無しさんだよもん:04/03/25 15:09 ID:HGmZP1E5
ハクオロが統治している間、トゥスクルは非常に平和であり
それは良い事なのだが武器の注文もほとんどなく商売上はあまりうまみがなかったのだ
このままバリアントライフと戦争になってくれれば武器の注文は増える
バリアントライフを領地にすれば市場も広がる、なによりあそこは賭博の街だから
大量の金が動いている、大義名分を表にすれば他国も簡単には手を出さないはずで
ハクオロも他国まで攻めはしないだろうが警戒するためにもまた武器の注文をするだろう
商人であるチキロナには美味しい状況になったのだ。
わざわざ疑われる危険を冒して正直に報告する必要はないだろう(実際にバリアントライフの武器密輸はしたのだし)
バリアントライフはたいした兵力はないはずであり侵攻軍の指揮官のクロウは有能だからまず負ける事はないはずである
そう考えていたが実際には侵攻軍は敗北しクロウは捕まった後開放された。
そしてすぐにバリアントライフから和平の使者が来て、現在沖に船が停泊している
このまま和平をされては折角売り込むはずだった大量の武器が無駄になってしまう
それどころか調査が進めば自分の自作自演ということにされかねない
城内には和平の道を模索すべきとの声もあると聞く
どうにかして戦争をし続けてもらわなければならない
「仕方がありませんね、ここは…」

A 和平反対派に見せかけて使者を攻撃する
B 先の戦いで入手したバリアントライフの武具を使い使者に見せかけて和平会談を破綻させる
C 暗殺者を雇って使者を亡き者にする
349名無しさんだよもん:04/03/25 15:52 ID:xcsz6Jbk
B
350名無しさんだよもん:04/03/25 17:32 ID:USl9V4CX
つっこむと、
チキロナ→チキナロね。
351名無しさんだよもん:04/03/25 18:03 ID:HGmZP1E5
すまんこってす
Il||li _| ̄|○ il||li
352名無しさんだよもん:04/03/25 23:00 ID:USl9V4CX
「遠いところをわざわざ御足労でした」
「いえ、それほどのことでもありませんよ、ハイ」
 チキナロが城に入り込むのにたいした苦労はいらなかった。
 リアンたちよりも先に入り込み、兵に自分が使者であると偽る。
 まず兵に自分は「他のものより先行し、相手方に会談の旨を伝える」役目だと説明する。
 既にリアンたちが入港している今さして疑われずに部屋へ通された。
 なお、もちろんある程度の変装はしてある。
「失礼な話ですがあなた方とは交戦中であり、皇自らこの会談に参席は遠慮させてもらいます。
 なので皇の腹心とも言える者が代理としてこの会談に出席するということでよろしいでしょうか?」
「ええ。構いませんよ」
 兵はもう暫くすれば現れますので少々この部屋でお待ちください。と付け加えた。
 チキナロは心の中でにやりと笑う。やるなら……今だ。
「すみません、用を足すにはどこで?」
「ああ、それでしたら……」
 兵が案内しようと近づいたその瞬間、チキナロは兵に当身を食らわす。
 どすっという衝撃とともに兵は崩れ落ちた。
「……さて、ひとまずは成功といったところでしょうか。これからどうやってぶつけてあげましょうかねえ……」

「……どうしたのですか?」
 チキナロは城を出るときに番兵に呼び止められた。
「いえ、他の者が遅いので様子を見てこようかと。直ぐに戻りますよ」
「そうですか。お気をつけて」
 去っていくチキナロは、恐ろしいほどに歪んだ笑いを含んでいた。
 そして、リアンたちがこの城に到着するのは数分後の話である。
353名無しさんだよもん:04/03/25 23:00 ID:USl9V4CX
「すみません、バリアントライフからきたのですが……」
「ええ、話は伺ってますよ。入った手前の部屋にどうぞ」
 その対応にリアンたちは少し拍子抜けした。
 もう少し疑われるのではと思っていたが、すんなり通された。
 まるで、前もって話が進めてあったかのような口ぶりである。まあ、実際にチキナロがある程度の説明をしていたのだが。
 リアンたちは少し疑問に思いながらも、城の中に入った。

「リアンさん、おかしくないですか?」
「そう言われればそうですね、まるで最初から手はずが整っているような……」
「まあ、気にすることはないんじゃないか? 俺たちが非武装の船で来たことからある程度の予想はされてるだろ?」
 そんなことを話しながら、リアンたちは目的の部屋の戸を開けた。

 部屋の中は、地獄であった。
 まず目に付いたのは倒れている兵。あちこちが殴打されており、ぴくりとも動かない。
 そして部屋の後ろに飾ってある額縁。おそらくこの国の皇を描いたものであるが、
 その絵もずたずたに切り刻まれている。
「な、何……これ……!!」
 ティリアが倒れている兵に駆け寄る。もう息はない……。
 そして、絵に突き刺さっている剣、それはまぎれもなくバリアントライフ製の剣であった。
「い、一体誰がこんなことを!?」
「それは分からない!! 分からないけど、これじゃ……」
 まるで、自分たちがやったみたいだ。
 その言葉は、同時にその場の全員が連想できていた。
 そして、偶然とは皮肉なものである。
「待たせてしまって申し訳ない。私が聖上代理の……」
 会談相手の到着であった。
354名無しさんだよもん:04/03/25 23:03 ID:USl9V4CX
 会談の相手は、部屋を見るなりリアンたちをじろりと睨んだ。
「あ、あのっ……これはっ……!!」
 ティリアが弁明を試みるが、相手はそれを無視し兵に近寄る。
 そして、意気がないことを確認すると布を兵の顔にかぶせた。
 それから改めて壁に掛けられた絵の惨状を見る。そして聞こえてきたのは歯軋りの音。
 暫く眺めていたが、相手は無言で席に着いた。
「……まずは自己紹介を。私はベナウィ。聖上の代理としてこの会談の取り纏めを任せられています」
「え、ええと……私たちは……」
 リアンたちはその言葉に少し戸惑った。
 この惨劇を見たら、誰でも怒りを露にしてもおかしくはない。
 しかし、目の前の男はあくまで冷静に事を運んでいる。
「あなたたちの挑戦状、確かに受け取りました」
「え……?」
「兵を殺し、我々の主である聖上の肖像画を切り刻んだその行為、許しがたきことです。
 あなた方に敵意がないようであれば和平に応じ、聖上にもお会いしていただこうと思っていましたが仕方がありません。
 帰ってお伝えください。我々はその宣戦布告に応じる、と」
 ベナウィはあくまで静かに言葉を繋ぐ。
 しかし、その目には怒りの炎が燃えていた。
 自分の主君を足蹴にするような行為が心底腹立たしいのであろう。
 リアンたちは「嵌められた」と今になって悟った。
 何者かが戦争を望み、自分らを陥れたのは明らかなことだ。
 結果、ベナウィに敵意を向けられている自分たちがいる。

A このまま引き下がる
B 何とか話し合ってみる
355名無しさんだよもん:04/03/25 23:33 ID:eeN6UcHe
B
356名無しさんだよもん:04/03/26 06:10 ID:lyk8Loxy
「なるほど、そういうことね」
「サラさん?」
私たちの訝しげな視線に対して、サラさんは小さなウインクを返してきました。
よく分かりませんが、ここはサラさんに任せてみましょう。
「ベナウィさん、とおっしゃいましたね。少しお話したいことがあるんですけれど」
「何でしょう」
「今回の件、私達には身に覚えが無いの。そもそも・・・


A 私たちよりも先にここへ入ってきた者がいないか調べていただけませんか?
B 私たちを身体検査して、兵士たちの傷痕に合う武器を持っているか調べてくださいませんか?
C このような挑発をするぐらいなら、なぜクロウさんをお返ししたのでしょうね?
D あなた、本当にベナウィさん?
357名無しさんだよもん:04/03/26 06:37 ID:XuTAPADK
B
358名無しさんだよもん:04/03/27 21:51 ID:35eMfW9B
「私たちを身体検査して、兵士たちの傷痕に合う武器を持っているか調べてくださいませんか?」
「検査……ですか。まさか、これは自分たちの所業ではないと仰るのでしょうか?」
「ええ。まったく身に覚えがありません」
「……分かりました。いいでしょう、しかし無駄となるでしょうがね……」

 数十分後、ベナウィに呼びつけられた女性兵はリアンたちの所持品を全てテーブルに置いた。
「こんなところですわね。武器が何点かと後は簡単な手荷物ぐらいですわ」
「ご苦労。下がっていてください」
 ベナウィはテーブルに置かれた武器を一通り見た。
「そちらのティリア殿が太刀を一振り、サラ殿が鞭、後ろのお二方は武器は未所持ですね」
「そうです。私たちの武器ではそこの兵についているような傷はつかないはずでは?」
 サラが兵を指差した。
 確かに兵についている傷は剣で斬られた傷でも鞭で打たれた傷でもない。
「なるほど……そう言いますか。確かにあなた方の武器ではこのような傷はつかないでしょう」
「だったら、私たちは無罪ってことじゃないんですか?」
 サラがにやりと微笑む。
 しかし、対するベナウィはそれを一笑に付した。
「……あなたたちは大切なことを見逃している」
「大切なこと?」
「ええ。この兵が撲殺された……という事です。すなわち……」
 ベナウィは右手で握りこぶしを作り、リアンたちの前に突き出す。
「自らの拳が凶器である場合も十分にありうる……という訳です」
「なっ……!! あなたならいざ知らず、私たちのような女性に兵を殴り倒せるほどの力があるわけが……」
359名無しさんだよもん:04/03/27 21:52 ID:35eMfW9B
「カルラ」
 ベナウィは一言、淡々と人の名を呼んだ。
 そして現れたのは先ほどの身体検査を任された女性。
「呼びまして?」
「すみませんが……少し貴女の力をこの方々に見せてあげてください」
「ええ、よろしくてよ」
 カルラはつかつかとテーブルに向かい……
「破っ!!」
 力任せにテーブルを叩き折った。
「……こんなところでいかがかしら?」
「十分です。……お分かりいただけましたか? ここに実例がいる以上それは必ずしも成り立ちません。
 ましてやあなたたちは持ち物から察するに戦場に携わる者。カルラのような芸当も出来るでしょう。
 要約すると……信用できない、ということ。ましてやあなたたちとは戦の最中、なおさらです」
 ベナウィがその冷たい瞳で再度リアンたちを貫いた。
 無駄となる。ベナウィの言葉どおりであった。
「これでもういいでしょう? 既に賽は投げられました。もうあなたたちとは話すこともありません」
 そしてぴしゃりと言い放つ。
 しばらく静寂が辺りを支配した後、リアンが口を開いた。

A 「分かりました……。信じていただけなくて非常に残念です」
B 「なら……真犯人を捕まえれば信じていただけますか?」
C 「それなら……私のすべて、命さえも貴国に差し上げます。それで怒りをお収めください」
360名無しさんだよもん:04/03/27 22:02 ID:dM8OYNoZ
C
361名無しさんだよもん:04/03/27 22:25 ID:35eMfW9B
「それなら……私のすべて、命さえも貴国に差し上げます。それで怒りをお収めください」
「なっ!? リ、リアン……それって!?」
 ティリアが言葉を続けようとするが、リアンが手で遮る。
 ベナウィのほうもその言葉は予想していなかったのか、驚いたようで目をかっと見開く。
 リアンの言ったこと、それは即ち……人質。
 いや、人質というよりも……自分の人権すら保障されない、殺されるも犯されるも覚悟の上、
 生き物としても扱われなくても構わない、まさに献上物である「物」といったほうが正しいか。
「……貴殿は、自分の言っていることがお分かりか?」
「ええ。全て理解しているつもりです。……私程度ではつりあわないかと存じますが、なにとぞ御容赦を」
「待てよリアン!! それで収まったとしてお前はどうなる!?」
 サラのその問いかけに、リアンは優しく微笑んだ。
「いいんですよ……。私だって世界は違えど皇女です。
 人が苦しんでいるのを放っておくことなんて出来ません。私の犠牲ですむのならこの命などいつでも」
「で、でも……!!」
「ティリアさん、貴女には目的があるでしょう? デュークさんを、助けるんじゃなかったのですか?」
 リアンがそう言うとティリアは押し黙った。
 その言葉でもそうだが、そのリアンの目が語っていた。もう、全て決意済みであることを。
 サラもエリアも同時に悟っているようで、何も声を掛けることは出来なかった。
「……分かりました。あなたのその心意気は尊敬に値します。あなたの望むようにしましょう」
 ベナウィのほうも、その覚悟に惹かれたのかそう言った。
「貴殿の名は?」
「リアン=エル=アトワリア=クリエールといいます」
「私は聖上代理でこの会談を任されています。
 今ここに、貴女を「献上」という条件の下和平条約に調印いたしましょう。
 カルラは御三方を港まで護衛お願いします。
 ではリアン殿、こちらに。あなたの処遇は聖上の判断に任せます」
 そして、リアンの手を引く。
「リアン!!」
 ティリアがリアンに声を掛けるが、リアンは微笑んだだけで何も言わなかった。

A リアン視点でハクオロ謁見ルート
B ティリア視点で事後報告ルート
362名無しさんだよもん:04/03/27 22:30 ID:oMeJoqSj
a
363名無しさんだよもん:04/03/27 23:16 ID:TBWb0Oky
あの事件があった翌日、私は早速トゥスクルの王様と引き合わされる事となりました
割り当てられた、というより押し込められた部屋から謁見の間へと先導してくれた女性は
「ハクオロさんがこんな方法で女の人を……」
と、何やら呟いていましたが、一応気にしない事にします

「君が、『貢物』となった少女か」
私が座らされた場所から数メートルくらいの所にいる仮面の男性
あの人がハクオロ、この国の王様(ここでは皇とか聖上とか言うそうです)らしいです
仮面の奥に見える瞳に一瞬すくみ上がりそうになりました。正直言って怖いです
そのすぐ横に昨日聖上代理をつとめたベナウィさんが武器を足下に置き座っています
私から少し離れた所ですが、トゥスクル製らしき剣を持った女性と、先日のカルラさんとが
一緒になって私の方を見ています。こちらの方はそこまで怖い目はしていません
こちらを見ている例の怖い瞳に負けないように、精一杯真剣な目を返します
少しの間そうして見つめ合った後、ふっとその目が笑った……ように思いました
「強い目をしているな、あそこで自分の命を捧げるなどと言えたのも納得だ」
この台詞は……多分、誉めてるんでしょうか?
真意の読めない私を放っておいて、何やら話を続けています
「自己犠牲の精神というのもいいが、過ぎるとただの自己満足になる。今後はそれを気を付けるように」
半分説教しているような内容に、思わずこくりと頷きます
「君の友人も君と同じような事を思っているだろうからな」

その言葉を最後に、ハクオロさんは私から目を離し……

A.呆れたような表情となりました(仮面のせいで詳しくは分かりませんが)
B.怒ったような表情になりました(仮面のせいで(ry)
C.喜んだような表情になりました(仮面の(ry)
364名無しさんだよもん:04/03/27 23:19 ID:r50pYKK7
C
365名無しさんだよもん:04/03/28 11:56 ID:ZPk/Zlv/
喜んだような表情になりました(仮面の(ry)
「あの……どうしたのですか?」
「あ、いや……すまない。少し考え事をな……。さて、君の処遇だが……」
 王様はきりっと表情を戻しました。
 ……しかし、先ほどの思い雰囲気は感じられず、なんだか学校でお説教をされているような感じです。

 その頃――
「そうか……リアン殿が自らを人質として和平会談を……」
「はい」
 ティリアたちは会談の結果をバリアントライフ王に報告していた。
 結果としては会談は成立、国は平和になったがリアンが人柱となったことも含めて。
「君たちには……礼を言っても言い尽くせんな。わが国のためにそこまでしてくださるとは……」
「その言葉……リアンに聞かせてあげたかったです。では王様、私たちはこれで」
 ティリアたちは席を立つ。
 そして、無言のままにその場を後にしようとした。
「……待ちなさい」
「まだ何か?」
「君たちには国を救ってもらった。ならば……国の宝を差し上げるのが礼儀というものだ。
 ……人の命に代えられんのは分かっているが、今の私にはこれぐらいしかできん。ぜひもらってくれ」
 王様は自分の懐からひとつの小箱を取り出した。
 そして、開いた先に入っていたのは石。
 宝石ではない、しかし……魔力を帯びて光り輝いている。
366名無しさんだよもん:04/03/28 11:56 ID:ZPk/Zlv/
「王様、これは?」
「わが国は二千年前に建国された。……そのときの初代国王が手に入れたものだ。
 いわばこの石は国の歴史そのもの。そなたらがいなければ国はつぶれていたのだ、
 それまでの歴史はそなたたちが持っているべきであろう」
「しかし……」
「いらんと言っても私は聞かんぞ。……情けない話だが、私はこの宝を肌身離さず持っていた。
 私の代でこの石を失ってしまってはご先祖に申し訳が立たないと考えてな。
 しかし……戦をして初めて分かった。宝よりも民のほうが大事だ。
 これを守るために私は矢面にも出ずに民をないがしろにしていたのかも知れん。
 ならば、例え宝でもそのような石はもういらん。ご先祖もそれを願ってくださるだろう」
 王様は、そういってティリアに箱ごと石を渡した。
 そこまで言われてはティリアも受け取らないわけにはいかず、
「ありがとうございます。大切に扱わせていただきます」
 といって懐の中に入れた。

「さて……どうするんだ?」
 城から出てから開口一番サラはそういった。
「どうするって?」
「決まってるだろ、これからのことだよ。リアンを助けに行くか、神々の封印を解きに行くか」
 リアンを助けに行く、それはつまり……事件の真犯人を捕まえること。
 真犯人さえ捕まえればリアンが囚われる必要はないはずだ。
 対して神々の封印を解きにいくことは即ち……デュークを助けること。
 しかし、それは同時にリアンを見捨てることにもつながる。
「決まってるじゃない! 私たちの代わりに掴まったリアンを助けに……」
「ちょっと待ってください」
 ティリアの言葉を途中でエリアが制した。
「どうしたのよエリア、まさかリアンを見捨てろというの!?」
「そう言いたい訳ではないですが、最後にリアンさんが言ったことを覚えていますか?」
「……確か……」

 ―――貴女には目的があるでしょう? デュークさんを、助けるんじゃなかったのですか?
367名無しさんだよもん:04/03/28 11:58 ID:ZPk/Zlv/

「そうです。リアンさんは……それを望んでいるだと思います。
 自分のためにティリアさんに迷惑を掛けることは絶対にリアンさんは望まないでしょう」
「そんなっ……私は迷惑だなんて!!」
「……ええ、そんなことは分かってます。私やサラさんだってそうは思わないです。
 しかし……それでリアンさんは本当に喜ぶのでしょうか?」
 エリアは俯いてそういった。
 自分でも言うのが辛かったのだろう、最後は少し涙声になっていた。
 ティリアは少し考え、口を開いた。
「私は……」

A 「神様の封印を解く。それがリアンの望んでいることだから」
B 「それでもリアンを助けたい。神様の封印を後回しにしても」
368名無しさんだよもん:04/03/28 12:17 ID:ZstJLfbz
A
369名無しさんだよもん:04/03/28 14:05 ID:/pIlCK/g
「私は神様の封印を解く。それがリアンの望んでいることだから」
ティリアはそういうとフィーユに会うためにエリアにパルメアまでシュインをしてくれるよう頼んだ
(リアン…無事でいててね…)

こんにちは、囚われのヒロインリアンです
あれから3日が経ちました、現在私は地下牢に繋がれています
しかも魔法使いということで食事のとき意外は猿轡をかまされています
食事も傍で兵士に槍を突きつけられながらであまり美味しくありません
「…君の処遇だが正直に言うと正確には決まっていない、とりあえずは牢に入ってもらう。不自由だろうが我慢してくれ」
ハクオロさんの言葉を思い出しました、覚悟していたとはいえ辛いです
今も城内で私の処遇を議論しているようです
370名無しさんだよもん:04/03/28 14:06 ID:/pIlCK/g

「あの娘に敵意はないのだから地下牢に監禁などせず城内で働いてもらうというのはどうだ?」
「聖上、それは危険すぎます、あの娘は魔法使いなのですよ、武器がなくても十分に聖上を殺す事もできます。私はすぐにでも処分してしまうべきだと考えます」
「『処分』なんて酷すぎます、もう『追放』という名目でこっそり返してあげてもいいんじゃないですか」
今日も城内では夜遅くまで議論が交わされていた、だが、まだ結論はでていなかった
「とりあえず今日はもう遅い、続きはまた明日にしよう…」
ハクオロがそう締めくくろうとしたとき、慌てた様子の兵士が部屋に入ってきた
「何ですか!、今は会議中です、用なら後に…」
「大変です、ラントール・シオン・ロイハイトの連合軍が奇襲をかけてきました!!!」
「何?!!!」

「卑劣な獣人どもを生かしておくな!!!」
「正義は我等にあり!!!」
「死ねっ!!化け物どもめ!!!」
血気盛んな兵士達が街を火の海にしてゆき、あたりには悲鳴と怒号が飛び交った
和平条約が結ばれたと聞いて気が抜けていたトゥスクル兵は
この奇襲に対応する事ができず総崩れとなり一方的に討たれていった
ラントール・シオン・ロイハイトの連合軍は大船団を送りこみ一気に攻めてきた
連合軍の兵たちはトゥスクル兵を殺し、女子供も殺し、街を破壊して次々と城を目指していった
「街は火の海となりこの城にも敵が迫ってきています、どうか脱出してください」
「そんな…いったいなぜだ…」
371名無しさんだよもん:04/03/28 14:07 ID:/pIlCK/g
リアンが囚われてから2日後、バリアントライフ襲撃の報を知った三国から大部隊が来たのだった。
和平条約が結ばれ事なきを得たのだが国王会議で戦争から和平交渉のいきさつを聞くと各国の王は激怒した
「おのれ、言いがかりをつけて国を攻め、和平交渉でも同じ事をして使者を貢物にさせるとは…決して許せん」
「この調子では何時他国にも同じように責めてくるか分からん」
「獣人などという化け物どもがまともな事をするはずがない、わがラントールはトゥスクルを攻めるべきだと考えるがあなた方はどうか?」
「我がシオンは魔物討伐が国家事業だ、攻めない理由はない」
「戦争は金がかかるのが不満だが仕方ない、ロイハイトも協力しよう」
「待ってくれ、一応和平条約を結んだ国と戦争とは…」
「今回和平条約を結んだのはトゥスクルとバリアントライフだ、我々が条約に従う必要はない」
深いため息をついた後、戦争を止められないと悟ったバリアントライフ王は三国の王に頼んだ
「…そうか、では一つだけお願いがある、貢物になった女の子を助けてくれんか」
「うむ、分かった、必ず卑劣な獣人どもより取り返して見せる」
そして、三国の連合軍は即トゥスクルに進み、奇襲をかけたのだった

A ハクオロ達はリアンと一緒に城を脱出した
B 地下牢のリアンの元に連合軍の救出部隊が来た
C ハクオロ達は城で壮絶な最後を迎えた
372名無しさんだよもん:04/03/28 14:09 ID:+43Dlh6P
a
373名無しさんだよもん:04/03/28 14:11 ID:+43Dlh6P
ハクオロ以外性格まるで違うな(苦笑w
374名無しさんだよもん:04/03/28 14:20 ID:/pIlCK/g
うーん、ベナウィはハクオロの安全を考えると思ったし
エルルゥはこれ以上自分の周りに女の子が増えるの嫌がりそうだから
こんな風に発言するかなと思ったけど…
もう一回うたわれやり直そうかな
375名無しさんだよもん:04/03/28 17:07 ID:ZRYDVatt
 こんにちは、囚われのヒロインリアンです。
 上が騒がしいようですが何かあったんでしょうか?
 おや誰かやってきました……!? ハクオロさんです。

「リアン君、トゥスクルはラントール・シオン・ロイハイトの連合軍の攻撃を
 受け壊滅状態だ。直にこの城も落ちるだろう。私達と共に城から
 逃げ出すんだ。」
 そう言ってハクオロさんは私の猿轡と手錠をはずしてくれました。
 しかし……和平交渉を結んだのに何故? ティリアさん……。


 ハクオロ達を乗せたウォプタルは漆黒の闇を駆けていた。
「聖上、これからのことですが……」
「うむ。そのことなんだが――アマテラスを起動させる」
「アマテラスを!? しっしかし…いくら何でもアレを使用するのは……」
「大丈夫、もちろん撃つつもりはないさ。脅しだ、おどし。アマテラスをちらつかせておけば彼らもこれ以上攻められないだろう。その上で和平交渉をする」
「はっ わかりました。それではオンカミヤリューに向かいましょう」

「あの〜ハクオロさんアマテラスとは何でしょうか?」
「すまない、これは軍事機密でね、教えるわけにはいかないんだ
 と、いってもオンカミヤリューにいけばわかることなんだがね」
376名無しさんだよもん:04/03/28 17:08 ID:ZPk/Zlv/
俺はどちらかというとうたわれの面子よりもフィルスの国王陣のほうに違和感が。
金が掛かるというのはロイハイトよりもラントールの国王が言ったほうがはまってるかとw
377名無しさんだよもん:04/03/28 17:09 ID:ZRYDVatt
 ハクオロさん達の会話から察するにアマテラスとは何かの兵器
 なのでしょうか…?
 それも戦況を一瞬にしてひっくり返せるほどの……。

 A 連合軍の追っ手がやってきた。
 B 何事もなくオンカミヤリューに到着
 C その頃、ティリアは…
378名無しさんだよもん:04/03/28 17:20 ID:/pIlCK/g
C

ごめん、多分ロイハイトとラントールを逆にしていました
脳内変換してください
ロイハイト→ラントール
ラントール→ロイハイト
379名無しさんだよもん:04/03/28 17:49 ID:ZPk/Zlv/
 その頃、ティリアはフィーユとことを済ませ水の神殿に来ていた。
 ティリアたちが近づくと、水の神の石造は光り、元の姿へと戻る。
 今まであってきた神は一言二言はなすと直ぐに消えてしまったが、今回ばかりは違っていた。
「……あなたたちは『失われた地』へ赴きましたね?」
「『失われた地』?」
 水の神が聴きなれない言葉を口にする。
「ええ。封印されている間にデルムの塔からの地と風の神から連絡を受けました。
 戦を止めるためにあなたたちは行ったでしょう?」
 その言葉でピンとくる。
 つまり、『失われた地』というのはトゥスクル国のある大陸のことのようだ。
「ええ。それが……何か……?」
「恐れていたことが起こってしまいました。かの国は……実は、二千年前に我々がこの世界から切り離したのです」

「ハクオロさん、どうして私を連れ出したのですか? 逃げるのならかえって邪魔になってしまうのに……」
 リアンはウォプタルの上でハクオロに聞いた。
「君は、私たちの大陸の者ではない。だから……君なら交渉にいけるだろう」
380名無しさんだよもん:04/03/28 17:50 ID:ZPk/Zlv/

「二千年前人間は今よりも非常に高度な文明を築いていました。
 人が魔力や馬を使わずとも動かせる車、電気という名の明かり。正に人は栄華の絶頂にいたのです。
 ……しかし、そのためか人は足を踏み入れてはならないところまで行ってしまった……」
 水の神は少し間を置いた。
 ティリアたち三人は依然黙っている。
「……彼らは作ってしまったのです。神を神とも思わぬ行為……人造人間を。
 当時人よりも能力的に優れた存在として獣人というものがいました。
 彼らはそれをなんとしても奴隷のように使役したかったのでしょう。出来ぬのなら作ればいい。
 そうやって作り出されたのが……『失われた地』にいる者たちです。
 この事件は神々の間でも大きな論争を生みました。人を生かすか、滅ぼすか。
 最終的にはその文化を奪うだけで目を瞑る……といった結論に達しましたが、ただ一人それに納得しない神がいました。
 それが……ガディムを作り出した闇の神です。闇の神は結論が出ると直ぐにガディムを作り出しました。
 その後のことは知っているでしょう? 我々は活動を停止することでガディムを封印したのです。
 ただ……封印する前に、我々は闇の神をひとつの陸地ごとこの世界から切り離しました。
 それが……『失われた地』です。丁度……人造人間を開発していた陸地でした」
「そ、それでは彼らが独自に崇めている神って……」
「ええ。彼らの崇めているウィツアルネミテア……それは闇の神に他なりません」

A このままティリア視点で詳しい話を聞く
B リアン視点に行き、連合国と交渉する
C 姉は戦っていた。スフィーのリアン救出奮闘ルートへ
381名無しさんだよもん:04/03/28 17:51 ID:ZRYDVatt
間違えた…orz
オンカミヤリュー→オンカミヤムカイだった
オンカミヤリューは種族名だよ…
382名無しさんだよもん:04/03/28 18:08 ID:ZstJLfbz
Cでいこうか。
383名無しさんだよもん:04/03/28 18:27 ID:ZPk/Zlv/

 こんにちはっ、超お久しぶりなスフィーです。
 私の不肖の妹リアンが魔力の暴発なんか起こしちゃって取っても大変なことになってきました。
 一応連絡を試みてから数日、私の魔力もだいぶ戻ってきたわね。
 さて……今日も今日で長瀬さんのところへ。今日こそはリアンを助ける方法を見つけなくちゃ!

「やあ、健太郎君にスフィーさん」
 そーいうわけでわたしはけんたろと一緒に長瀬さんの店までやってきました!
 前回の連絡じゃあリアンが何とかしないとどうしようもないとは言っちゃったけど何かせずにはいられないよ。
「長瀬さんっ! 今日もおねがいっ!!」
「ええ。分かってますよ……」
 私と一緒にリアンが飛ばされた世界に張られている結界をキャンセルするのに快くOKしてくれる。
 こないだの連絡のときもそうだったけど、結構世話になりっぱなしね。
「スフィー、あまり無茶はするなよ?」
 けんたろが心配してくれる。
 心配してくれるのは嬉しいけど魔力のない人間は黙ってなさい、餅は餅屋よ?
「さて、じゃあいきましょうか。……おや?」
「ん、どうしたの?」
「いえ……結界が……」
384名無しさんだよもん:04/03/28 18:28 ID:ZPk/Zlv/
「向こうの崇めている神が闇の神ですって!?」
 驚いてティリアが水の神に聞き返した。
「はい。数年前に何かの弾みで切り離した世界がまた繋がってしまったときには私たちも内心穏やかではありませんでした。
 今再び闇の神がガディムに代わる何かを作り出し世界の消滅を図れば動けない我々にはどうしようもなかったからです。
 しかし……実際には闇の神は何も行動を起こしてきませんでした。
 封印されているのか、それとも二千年の間に考えを改めたのかは分かりません。
 しかし……ひとつだけ明らかなのは、もはやガディムが闇の神の制御が効かない存在だということです。
 今ガディムが復活すれば闇の神であろうととめることは出来ないでしょう。
 二千年前に私たちが敷いた結界も解け掛かっています。ですから……急いでください」
 水の神はそういって消えた。おそらくデルムの塔に向かったのだろう。
「……行きましょう。次の神殿へ」
「ああ」
「はい」

「結界が……弱まっています。理由は分かりませんが先日ほどの強さはありません」
「弱まってる!? じゃあリアンは助けられるの?」
「助けるためには私たちのどちらかが向こうに行って帰還魔法を掛ければよいのですが……。
 そのためには結界を解かなければいけないのは分かっていますね? そして、その結界ですが……」

A おそらく打ち破れるかと思います
B 弱まっていても……まだ我々の力では不可能だと思います
C やってみなければわかりませんねぇ。今の私からではなんとも言えません
385名無しさんだよもん:04/03/28 18:46 ID:wwVgIwhS
B
386名無しさんだよもん:04/03/28 20:57 ID:ZPk/Zlv/
「弱まっていても……まだ我々の力では不可能だと思います。だからもう少し様子見ですかね」
「なにそれー!? もったいつけて結局それ!?」
 私が文句を言ったら長瀬さんも折れたのか、キャンセルの準備をしてくれた。
 さてと、私もやらなくちゃね……。

 数分後

「……失敗です」
 長瀬さんのその言葉と共に私は床に倒れこんだ。
 もーだめ!! 一歩も動けない!!
 ……しばらくはリアンが行動を起こしてくれるのを待つしかないみたいね。 
 リアンはちゃんと帰還の為の準備を進めているのかしら?

 私たちは馬車でオンカミヤムカイというところに向かっています。
 ハクオロ皇が言うにはそこに行けば先ほどのアマテラスというものについて分かるらしいのですが。
 ……しかし、それまでが暇ですね。
 この馬車は結構大きく私やハクオロ皇以外にも結構人が乗っています。
 おそらくは皇の腹心とも言える部下たちなのでしょうけど……少なからずそうは見えない人もいますね。
 まず右横、皇の隣に座っている二人……容貌から察するに姉妹でしょう。
 それから……私から見て対面。男の人に寄り添うように座っている女性。明らかな被保護者です。
 ……おそらくは、皇の家族か何かでしょうけれど。

 私たちはしばらく馬車に揺られ……

A 先ほどの姉妹の小さいほうがじーっとわたしの方を見つめてきた
B ハクオロ皇に急に外の世界について聞かれた
C 何事もなくオンカミヤムカイに到着した
D 突然弓矢の攻撃があった
387名無しさんだよもん:04/03/28 21:00 ID:vu00VHKD
Cでいこかー
388名無しさんだよもん:04/03/28 21:32 ID:ZPk/Zlv/
 何事もなくオンカミヤムカイという場所に到着しました。
 外から見た様子は……トゥスクルとあまり変わりませんね。
 ただ、ここの人たちは羽を生やしているが特徴的です。
 私たちの馬車は町を通り過ぎ、城の前で止まりました。
 皆さんはハクオロ皇を先頭として城の中に入っていきます。当然私もそれに続きました。

「おじさまっ!!」
 城の中に入ってからすぐに、女の子がハクオロ皇に飛びつきました。
「カミュか、ずいぶん久しぶりだ」
 途端に先ほどみた姉妹の姉のほうが不機嫌な顔になります。……複雑な環境ですね。
 おそらくはこの姉の人が皇の妻か何かなんでしょう。
「なんだか大変なことになっちゃったね……」
 カミュと呼ばれた女の子は悲しそうな表情をしました。
 ……もう、連合軍の襲撃の報せはここまで伝わっているみたいですね。
「はは……まだどうにかする余地はある。その為にもワーベ殿にお会いしたいのだが……」
「うん、いいよ。お父様ならきっとお部屋にいるから」
 今の会話で判断できることは……この女の子、カミュさんのお父上であるワーベという人がこの国の最高権力者ということでしょうか。
 一体、何が始まるんでしょうか……。

 リアンです。今は私たちは待合室にいます。
 ……最初から予想は出来ていました。私は所詮「貢物」です。
 この国の最高権力者に会うなんてことができるはずはありません、よってここで結果待ち組みです。
 というか、ワーベという方に会いに行ったのはハクオロ皇とベナウィさんだけです。
 他の人はみんなここで結果待ち組みです。……いや、みんなってわけじゃないですね。
 先ほどの姉妹の妹のほうと馬車で私の対面に座っていた女性。
 このふたりはカミュさんに連れられて別の場所に行ってしまいました。……まあ、個人的に仲がいいんでしょう。
 さて、結果が出るまでどうしてましょうか……。

A 目の前の姉妹の姉のほうに話しかける
B つい先日激戦を繰り広げたクロウさんに話しかける
C 私の身体検査を執り行ったカルラさんに話しかける
D 立場をわきまえて何もしない
389名無しさんだよもん:04/03/28 21:59 ID:4xIybR28
B
390名無しさんだよもん:04/03/29 00:52 ID:WerXX4yF
「あのう、クロウさん…」
「なんだ、どうした?」
さて何について話しましょう

A 一連の戦争の真相について
B ハクオロさんとはどういう人かについて
C ハクオロさんの女性関係について
391名無しさんだよもん:04/03/29 00:54 ID:TrG63zLG
CとみせかけてB
392名無しさんだよもん:04/03/29 07:11 ID:+iXd8kHn
そろそろ彼女の再登場フラグが立つ気がする。
393名無しさんだよもん:04/03/29 15:37 ID:9v1zh1qh
凸のことか?それとも清水(以下略)?
394名無しさんだよもん:04/03/29 16:28 ID:+iXd8kHn
林間
395名無しさんだよもん:04/03/29 16:47 ID:oYZduR5f
>>393
それじゃ逆襲の眼鏡じゃんw
396名無しさんだよもん:04/03/29 20:38 ID:oYZduR5f
「ハクオロ皇はどのような方なのですか?」
「ん……総大将か。そう言えばお前は来たばかりだから良く知らないんだったよな」
 それからクロウさんは語り始めました。
 圧政であることに目を背けながら仕え続けた前皇時代。
 そこから突如始まった反乱、その反乱軍のリーダーがハクオロ皇であったとのこと。
 それからクロウさんとハクオロ皇は幾たびか戦いハクオロ皇は前皇を倒し今の座に。
 クロウさんたちはそれから皇に従ったようですね。
「……総大将はでっけえ方だよ。ついさっきまで敵として戦っていた俺や大将に
 『その國への忠誠を新たな國でも見せてほしい。お前たちの力はまだ必要だ』と言い切ったんだぜ?
 普通はでてこねえよな……そんな言葉。まあ、言い換えるなら俺らは総大将に命を拾ってもらったようなもんだ」
 ハクオロ皇はなかなか……度量の大きい人のようですね。
「それよりも前のことは俺よっか姐さんのほうが詳しいだろう。
 そういや俺も詳しく聞いたことなかったな。話してくれよ、姐さん」
「えっ?」
 クロウさんが私の目の前に座っていた女性に話を振ります。
 急に話しかけられたからか女性は少しびっくりしたようでした。
「そういえば私もよくお聞きしていませんでしたわね、主様のこと」
「某も聞いたことがない。ぜひとも聞かせていただきたく存じます」
「俺も兄者のことはいつの間にか村にいたということぐらいしか知らんな、エルルゥ話してくれ」
 周りの人たちが続々と女性の前に集まってきます。
 ……みなさん、自分の仕えている王様のことぐらい知っておいたほうが……。
「実は……私も良く知らないんです。初めて会った日は森でハクオロさんが倒れてて……。
 それで、私が家に連れて行って看病したまではいいんですが、その後ハクオロさんが目覚めたときには記憶を失ってました。
 だから……ハクオロさんの過去のことは誰も分からないんです。今まで知り合いとかにも会いませんでしたし」
 記憶喪失の王様……ですか。
 ハクオロ皇とは一体何者なんでしょうか……。
397名無しさんだよもん:04/03/29 20:39 ID:oYZduR5f

 その後は私は他のメンバーともいくらか話をしました。
 その結果分かったのが先ほどハクオロ皇の話をしてくれたのがエルルゥさん、
 隣にいた男の人がオボロさん、そのオボロさんと一緒にいる双子の子がドリィさんとグラァさん、
 刀を持った女性がトウカさんという名前らしいです。
 それから、先ほどカミュさんに連れられて行ったエルルゥさんの妹がアルルゥさん、
 もう一人の落ち着いた女性がオボロさんの妹のユズハさん。
 クロウさんやベナウィさん、カルラさんと合わせて全員しっかり覚えておかないと。
 でも……皇の護衛といえる存在がここまで少なくていいのでしょうか?

 そして……

A 待合室のドアが開き、ハクオロ皇が戻ってきました
B 突如城が揺れました。連合軍の手がもうここまで……!?
C その頃ティリアさん達は……
398名無しさんだよもん:04/03/29 20:43 ID:WerXX4yF
C
399名無しさんだよもん:04/03/29 21:01 ID:oYZduR5f
「さてと……ラントールまで来たのはいいけれど、これからどうする?」
「火の神の復活をさせないといけませんが……」
「そのためには、火の民から力を吸収しなきゃいけないんだよな」
 ティリアたちはラントールまで来ていた。
 目的はもちろん火の神の復活である。しかし、さしあたってひとつ問題があった。
 火の神を復活させるためには火の民と行為に及ばなければならないのだが……
「でも……丁度いい私の知り合いがいないのよ」
 というわけである。まさか行きずりの人をいきなり押し倒すわけにも行かない。
「そうは言ってもしないわけにはいきませんし……」
「でも、いきなりそんなことしたら私が痴女みたいじゃない」
「……私にしたときからもうその気があったかと」
「……何か言った、エリア?」
「い、いえ何も」
 ティリアに睨まれて黙るエリア。
 どうやら風の神殿でのことはまだ根に持っているようである。
「……よし、じゃあこういうのはどうだ?」
「えっ、何か良い方法でもあるの?」
 少々不安になりながらも、ティリアは聞き返した。
「それはな……」

A 睡眠草で眠らせたところを襲う
B アールに丁度いい奴をつれてこさせる
C まだ行為すら知らない子供を狙う
D や ら な い か の方法を用いる
400名無しさんだよもん:04/03/29 21:03 ID:4l07wgbg
C
401名無しさんだよもん:04/03/30 00:19 ID:M7F7jawH
「まだ行為すら知らない子供を狙うのさ、何も分からないうちに済ませてしまえばこっちのもんだよ」
「…それって完全に犯罪ですよ」
「とにかく、火の民の人を探しましょ、都合よく女の子ならいいけど」
……………
「見つかりませんね…」
「街の人の話だと火の神の加護を受けた『ハーケンの一族』は極少数らしいですから」
「こんな所で足止めを食っている場合じゃないのに、早く神様を復活させないと…」

A その時、いつもアドバイスをだす知識の探求者が現れて居場所を教えた
B ティリア達は街の占い師に占ってもらうことにした…占い師は芹香だった
C ティリアはとにかくしらみつぶしに街の女の子を襲いだした
402名無しさんだよもん:04/03/30 00:25 ID:LRgQYBod
403名無しさんだよもん:04/03/30 17:33 ID:U0A+jCS2
 ティリアたちは街でしばらく聞きまわってみた。
 しかしようとして知れない。流石に数が少ない一族だ。
 情報もその分少なく、まるで雲をつかむような話である。
「困ったわね……」
 ティリアがため息をついたそのとき、不意に男が現れた。
 そう、いつも神殿の前に現れるあの男……である。
「だいぶ苦戦しているようだな」
「あっ、あんたは……!!」
「確かに火の神の加護を受けたハーケンの一族は少ない。しかし……その数は0というわけではない」
「でも、今のところ見つかってないわ……」
「……ついて来い」
 男はティリアを誘導する。ティリアはそれに続いた。
「あっ、どうしたんだよティリア!?」
 男の姿が見えていないサラやエリアも、ティリアの行動を不思議に思いながらその後を追った。

 そしてやってきたのは町の外れにある家、
 中をそっと覗いてみると祖父らしきものと共に小さな女の子が読書に勤しんでいる。
「あの子は……?」
「あの少女こそが火の神の加護を受けし者。おそらくあの少女が最後の一人だろう……」
「あっ、あんな小さい子が……」
 その女の子はどう見ても年齢一桁台。
 先ほどの提案に則っているといえば則っているが……。
404名無しさんだよもん:04/03/30 17:33 ID:U0A+jCS2
「何を迷う? 恋人を助けたくはないのか?」
 男にそういわれはっと思い出す。
 そう、ティリアにはデュークを助けるという目的があったのだ。
「……やるしかないのね」
「そうだ。それでいい」
 男はそういって消えた。いつもながら唐突に現れ唐突に去っていく。
「で、どうしたんだ?」
 サラがティリアに聞いた。突然走っていったのだ、不審にも思う。
「……あの子、見て」
 ティリアがそういって家の中を指差した。
「もしかして……あの子が?」
「ええ。そのまさか……火の民よ」
「冗談で言ったつもりだったが……マジで幼女かよ」
「でも、他に手がない以上は……」
 エリアはそこまで言ってから言葉を止めた。
 なぜなら……窓の中に見えたもう一人、その子の祖父と思しき人物。
 そこで三人同時に悟る。
(((……じじいにばれる!!)))
 当初の目的は行為すら知らない子供に訳の分からないうちに済ませるという単純なものだが、
 目の前にじじいがいれば話にならない。
「……どうしようか?」

A オーソドックスにわけを話してじじいに納得してもらう
B じじいをエリアの魔法で眠らせてから行く
C じじいをエリアとサラが外に連れ出している間にやる
D じじいとやる
405名無しさんだよもん:04/03/30 17:55 ID:UsGZZVBf
D
406名無しさんだよもん:04/03/30 18:04 ID:LRgQYBod
おいおいw
407名無しさんだよもん:04/03/30 18:31 ID:M7F7jawH
「じじいとやるわ」
ティリアはそう決意して家のドアを叩いた
「どなたかな?」
応対にじじいが出た、ティリアは服をはだけさせながら言った
「や ら な い か」

A 「ごめんね、デューク…」ティリアの処女は無残に散った
B とりあえず手と口でじじいをイカせた
C 訳を話すとじじいの亡くなった奥さんが火の民でじじいはただの人だった
408名無しさんだよもん:04/03/30 18:34 ID:Xwvmkx9r
c
409名無しさんだよもん:04/03/30 18:38 ID:/u3UxD9k
ティリアは処女じゃないしな。
410名無しさんだよもん:04/03/30 19:39 ID:M7F7jawH
「そうですか…火の民じゃないのですね」
「うむ、残念じゃが違う、しかし惜しいのう、こんな美人とヤレたかもしれないのに
 …若いころを思い出すのう……あのころは一晩中ばあさんをヒイヒイ言わせたもんじゃ…
 今でもできんことはないがな……」
「あの、それでお孫さんとは……」
「ああ、しかしフロリアは年端もいかぬ大事な孫娘じゃ、しかしお前さんたちの事情も分かる。そこで取引じゃ」
「取引?」
「ああ、お前さんたちにフロリアを一晩自由にさせよう、その代わり…」

A その後でティリアを一晩貸せ
B サラを一晩貸せ
C エリアを一晩貸せ
411名無しさんだよもん:04/03/30 20:13 ID:XQKQsvR3
A
412名無しさんだよもん:04/03/30 21:54 ID:U0A+jCS2
「そこの……アンタ。孫と事が終わったら……わしの相手をしてくれんか?
 わしも長いこと独りでおったから若い女性の体が恋しくてのう……」
「なっ……!!」
 ティリアは、「このセクハラじじいがあっっ!!」という言葉をすんでのところでこらえる。
(ティリア……ここは我慢のしどころだぞ)
(そうです。今下手に機嫌を損ねたら火の民の力の吸収が出来なくなってしまいます……)
(あ、あんたたち私にこのじじいとやれっていうの!? うちのお祖父ちゃんと憎らしさでいい勝負してるこのじじいに!?)
(俺たちが何とかするからさ! とりあえずはOKしといてくれよ!!)
「どうした? なんならそっちの嬢ちゃんたちでもいいぞ?」
「い、いえなんでも……その条件、喜んで呑ませていただきますわ」
 思いっきり引きつった笑顔でティリアがにこやかに返事をする。
(……絶対に何とかしなさいよ!?)

「フロリア、お客さんじゃ」
「お客さん?」
 家の中に入ると先ほど窓から覗いた女の子がつぶらな瞳でティリアを見返した。
 自分の孫を売ってまで体を買おうとするとは……とじじいに言いたいところだったがティリアは我慢した。
「……では、終わったらわしのところに来てくれ。それまでわしは隣の部屋にいる」
「俺も出てるよ、流石にやりにくいだろ?」
「では私も……」
 じじいはそう言って部屋から出る。
 サラとエリアもじじいに続いた。
 残されたのはティリアとフロリアのみ。
「えっと……はじめまして、フロリアです」
「ティ、ティリアよ……」
 お互いの自己紹介を済ませながら、
 これじゃ犯罪じゃないかとつくづく思うティリアであった。
413名無しさんだよもん:04/03/30 21:55 ID:U0A+jCS2

「……さて、どうする?」
 別室ではじじいが意気揚々とした表情で待っているのに対し、
 サラとエリアは困ったようにひそひそ話でじじいの対策を練っていた。
「あのおじいさんは既にその気でいますけど……」
 じじいは年甲斐もなくゴムまで付けてやる気満々である。
「流石の俺だってあいつにやられんのは勘弁だ。だからティリアの気持ちは良く分かるが……」
「しかし……あのおじいさんはすでにかなり乗り気ですけど?」
「だからな、やっぱりここは……」

A ティリアが終わったらすぐにシュインで逃げるぞ
B エリアの魔法で眠らせておくぞ
C 力ずくで納得させるぞ
D 諦めてティリアには泣いてもらうぞ
414名無しさんだよもん:04/03/30 22:07 ID:M7F7jawH
ごめん D
415名無しさんだよもん:04/03/31 02:26 ID:3vuvS+JU
「諦めてティリアには泣いてもらうぞ、下手にじじいに騒がれて大事になったらまた足止めを食うかもしれないしな」
「そうですか……」
しばらくするとティリアとフロリアが出てきた。フロリアは恍惚の表情でティリアを見上げて
「ティリアお姉さま…」とつぶやいている
「ふぅ、やっぱりこんな小さな女の子だと罪悪感を覚えるわ」
行為を終えしぶしぶじじいの部屋に入ろうとするティリアにエリアが声をかける
「ティリアさん、大丈夫ですか?」
「平気よ、あんな事言ってたっておじいさんなんだから手で1回か2回抜けば果てるでしょ」
なかなか下品な事を言っているがデューク以外の男とすることへの罪悪感を誤魔化そうとしていた
「安心しろ、いざとなったら適当にぶん殴って逃げちゃえよ」
「もう、サラったら乱暴なんだから」
ティリア苦笑しながらじじいの部屋に入っていった
「おお、待っていたぞ、今晩は一晩中付き合ってもらうからな」
「はいはい、よろしくお願いします」

「とりあえず私達はここで待っていましょう」
「ああ、ティリアは早く終わらそうとしているしな」
サラとエリアは床に座って待つ事にした


「さてと、それじゃ早速始めるとするかの…」
「ま、待ってください、とりあえず私が手で奉仕するので…」
「ほう、そうか…」


「なんだか眠くなってきたな」
「そうですね、ティリアさんも大丈夫そうですし少し寝ましょうか」
そういうとサラとエリアは床に座ったままうとうとと寝始めた」

…………………………

416名無しさんだよもん:04/03/31 02:27 ID:3vuvS+JU
「やだ、こんなに硬くて大きくなっているのに全然イってくれない…」
「やっぱり無理じゃろ、その口を使って奉仕するんじゃ…」
「そんな―――むぐぅぅ…」
「おお、やはりこっちのほうが気持ちええのう、ほら舌を絡めるようにしてカリ首の裏も舐めるんじゃ…」
「ん〜〜〜ん〜〜〜……」




「ん、んんっ!!!―――げほっ、げほっ」
「ふむ、まぁ3回抜いたのだし前戯はこれくらいにするかの」
「え、前戯って」
「何をいっとるのじゃ、これからが本番じゃぞ、夜はまだ始まったばかりじゃからな」
「そんな……」
417名無しさんだよもん:04/03/31 02:28 ID:3vuvS+JU
「ああっ、お願いっ、入れないで」
「何をいっとるんじゃ、おぬしのアソコはもうぬるぬるではないか」
「だけど……」
「心配せんでもちゃんとゴムはつけるわい」
「はぁぁぁっ、入ってくる…ごめんね、デューク………」




「やだぁっ!!またイっちゃうよう……」
「何じゃ、さっきから30回以上イきっ放しではないか、全く最近の若いもんは…」
「お願いです、もうやめてください……」
「何をいっとるのじゃ、わしはあれからまだ5回しかイっておらんのだぞ
 わしのはまだまだ元気なのじゃからおぬしにもがんばってもらうぞ」
「そんな…」
「さて、またゴムを替えねばならんな…」




「イくっ、またイっちゃうよぅ」
「どんどんイけぇ、おお、わしもイきそうじゃ」
「ああぁぁっ!また中で出してくださいぃぃ!!」
「いいのか?ゴムならまだあるのじゃぞ」
「だって、熱いのが中に入ってきたほうが気持ちいいんです…」
「仕方ないないのう…ほれぇ、受けとれぇ」
418名無しさんだよもん:04/03/31 02:29 ID:3vuvS+JU
「ふぁぁぁ、あれ、もう明け方ですか」
エリアが眼を覚ますともう外が白み始めていた、どうして途中でティリアに起こされなかったのか不思議に思っていると隣の部屋から声が聞こえてきた


「……なかにぃ……イくぅぅ……」
「ほれ、そろそろ夜が明けるからのぉ、ラストスパートじゃ」
「…ふぁあああぁ…もっとぉ……」


「………」
まさか本当に一晩中ヤっているとは思わずエリアは怖くなってしまって
部屋の様子を見ることができなかった

それから小一時間が経ったころ、ようやく部屋からじじいが出てきた
やけにさっぱりした様子でエリアとサラを見て
「おはよう、やっぱり若い女の子は違うのう」
というと、何事もなかったかのように朝食の支度を始めた
そして、部屋の奥にはベッドの上で身動き一つとれず体の内外問わず精液まみれのティリアがいた


とりあえず回復魔法をかけティリアが動けるようになってから三人はじじいの家を後にした
「はっはっは、また来るんじゃぞ」
「……はい、また来ます、おじいさま……」
何故か虚ろな瞳をしてティリアは社交辞令に真面目に返事をした

A 三人は火の神殿に進んだ
B そのころリアンは…(視点変更リアンへ)
C そのころスフィーは来栖川財閥と一緒に結界破りの研究をしていた

419名無しさんだよもん:04/03/31 02:30 ID:tjydC41K
おつかれ〜

C
420名無しさんだよもん:04/03/31 03:57 ID:Q4tK2rIo
じじい何者w
421名無しさんだよもん:04/03/31 09:32 ID:tjydC41K
臭作じゃねぇの?
422名無しさんだよもん:04/03/31 17:27 ID:Q4tK2rIo

 は〜い! スフィーだよ!!
「いや、なかなか興味深いですな。他世界の結界とは……」
 来栖川研究所、今そこに私は来てる。
 そしてそこで何やら怪しげな機械を動かしているのが……長瀬源五郎さん。
 今日も私はリアンを助けるために長瀬さんのところに行ったんだけれど、
『私の親戚に魔法を科学的方面から研究している者がいます。そこへ行ってみたらどうでしょうか?』
 と言われて、長瀬さんの案内の下私とけんたろはここまで来たんだ。
 そして出てきたのがこの長瀬さんの甥っ子の源五郎さん。ちなみに通称主任さん。
 でもここもいろいろと込み入った問題があるみたい。
 何でも……数日前からここのお嬢さんが魔法実験途中に行方不明になっちゃったらしいんだって。
 御つきの執事さんとかはもうこの世の終わりのような表情してるし。
「すいません、こいつの妹のためにわざわざ……」
「いやいや、うちの芹香お嬢様の安否にもかかわるからねぇ」
 私たちが魔力の乱れから転移先を逆探知してみた結果、なんとここのお嬢さんもリアンが飛ばされた世界に行ってるみたい。
 だからこうやって全面的に協力してもらってるわけ。
 主任さんは機械のボタンをぽちっと押した。
 その瞬間に画面には訳の分からない数字や文字が羅列される。
 主任さんは困ったように頭をかいた。
「……こりゃ解析だけにもとんでもない時間が掛かりそうですね」
 どうやら、まだ時間は掛かるようだった。
423名無しさんだよもん:04/03/31 17:27 ID:Q4tK2rIo

 解析をしている時間、私たちは椅子に腰掛けて主任さんから話を聞いていた。
「しかし……調べていくうちに面白いことが分かりましたよ。
 その前に聞いておきますが……たしかスフィーさんと老が協力して結界を解こうとしても無理だったのですよね?」
「ええ。何度かやってみたけど全然駄目」
「あれは一人の手によって作られた結界ではありません。
 何人かの術士の手によって作られています。それがかなりの相乗効果を生んでいます」
「そう。そこまで高められた結界の力は老ほどの魔力をもってしても解くことは出来なかった。
 しかし……ここで考えてみてください。対するお嬢様やリアンさんはやすやすとその中に入っていっている。おかしくはないですか?」
「そう言われれば……」
「確かにあれは外部からの侵入を防ぐ結界。魔力の乱れごときでやすやすと侵入されるようなものではありませんね……」
 言われてみて私も長瀬さんも首を捻る。
 その言葉を待っていたと言わんばかりに主任さんが次の言葉を続けた。
「そうです! 更に言うならばその結界中ではこちらの魔法がまったく通じない……」
 そこで主任さんは言葉を切った。
「……さて、解析が終わったようですね。続きは研究室でしましょうか」

 主任さんはさっきいじっていた機械から一枚の紙を持ってくる。
「さて、まずはこれを見ていただきましょうか……」
 私たちに見せたそれは、沢山の大きさの違うぎざぎざの線が走っている。
「何これ?」
「これはですね……そこの解析装置で結界の魔力の波を表したものですよ。
 ちなみにこれはまだ研究段階ですがどうやら魔力というのは粒子よりも波に近い性質があるようですからね。
 まあ、物質化しているようなものもありますから一概にはそう言いきれませんが……」
 何だか話が難しくなってきた。
 私にはちんぷんかんぷん。
424名無しさんだよもん:04/03/31 17:28 ID:Q4tK2rIo
「おっと……少しわき道にそれてしまいましたね。まあ、それを踏まえたうえで本題ですが、
 次にこちらの紙を見ていただきましょう。これは老の放った魔法の魔力の波を表したものですが、あることに気付くはずです……」
 主任さんは私にもう一枚の紙を見せた。
「……形が違ってる!!」
 今度のほうはさっきの線と違って丸っこくて滑らか。
 さっきのとは全然違う。
「そうです。これがいわゆる魔法の体系と言うものの正体です。波形の違い……それによって魔法の形も違ってくる。
 おそらくはスペルの唱え方などで形が変わるのでしょうが、いかんせん研究段階でその全貌はまだ明らかではない……。
 そしてもうひとつ聞きましょう。リアンさんは魔力の乱れでこの世界から消えた、それは間違いありませんね?」
「ええ。私も乱れを感じたからそれは間違いないわ」
「そこで質問ですが、魔力の乱れとはどのように起こるものですか?」
「魔力の乱れとは魔力の調整の不具合からなるものです。
 その殆どがスペルの唱え間違いから引き起こされています」
 私に代わって長瀬さんが説明した。
 そういえば私も良く聞いたことはなかったけど、実際そんなことだったんだ。
「ふふふ……やはり。では私の仮説が正しければリアンさんの場合はおそらく
 『彼女のミスで結界と同波形・波長の魔法を使ってしまった』というところでしょう。
 先日の魔力の乱れはこちらもキャッチしています。今からそのときの波形とこの結界の波形を照合してみましょう」
 主任さんはまた機械を動かした。
「……ふむ、やっぱりそうだ。リアンさんは不幸にもスペルを唱え間違い、
 偶然結界と同系の転移魔法を使ってしまったのでしょう。
 結界も自分と同波形の魔法は弾くことが出来ず……」
「すいません、話が全然見えてこないんですが……」
「うん。ぜんっぜん分かんない」
 けんたろが口を挟んだので私も便乗してみる。
425名無しさんだよもん:04/03/31 17:29 ID:Q4tK2rIo
「おっと、これは失礼。じゃあかいつまんで説明しましょう。そもそもこの手の結界は別の魔法をはじくためのものなんですよ。
 理由は分かりませんがおそらくは中に自分らとは違った体系での実力者が入られると困るからなのでしょうが。
 結界が魔法をはじく原理は単純です。魔力で作られた壁が他の波を押し返すのです」
 そこら辺が魔力は波説を証明するにあたっての最大の問題なんですがね……。
 と、主任さんは困ったように付け加えた。
「まあ、津波を守る堤防みたいなもんですよ。ただし、普通の堤防と違う点はそれ自体も魔力を発しているところです。
 普通の波だったら簡単に押し戻せるでしょう。しかし、それと同波形・波長の波が位相も等しかったら……?
 その場で波の大きさは二倍、更に壁に当たるのですから二倍となり計四倍の大きさとなります。
 つまりまとめるなら……『結界は同じ体系の魔法には効果は薄い』のです。
 それによりリアンさんは件の世界の中に転移できたのだと思います」
「なら私たちが向こうに行くには……」
「そう。結界とおなじ体系の魔法を使えば可能です」

 今までの話をまとめるとこんなものだった。
 「相手の結界はあらゆる魔法をはじいてしまうが自分と同じタイプの魔法には効果がない」
 そうならそうと早く言えばいいのに……。
「で、もちろん出来るんでしょ? 私たちを向こうに行かせること」
「確かにこの波形を機械にインプットして魔力を使用すれば理論的には可能ですが……」

A あくまで理論の話、実用化にはまったく至っていないので実際には無理かと……
B 行くに当たって問題があるんですよ……
426名無しさんだよもん:04/03/31 18:05 ID:u2FZIS6J
427名無しさんだよもん:04/03/31 18:32 ID:OJjyJkn3
「行くに当たって問題があるんですよ……」
 主任さん顔が暗くなる。
「件の世界は完全な異世界と言うわけでないのです」
「えっ、それってどういうこと?」
「正確には解りませんが未来の世界です。数百年……いや、ひょっとしたら数千年先の世界かもしれません。その世界では何らかの原因によって魔法体系が大きく変貌してしまったのでしょう。異世界への移動も困難を極まるのですがさらに時間移動も加わっているのでは……」

 ――時間移動、グエンディーナの秘術にそれがあることは知っている。でも……今の私の力量でそれが出来るかどうか……

「あの……主任さん、時間移動はできないことはないです。グエンディーナにそれを可能にさせる秘術が伝わっています」
「本当ですか!?」
「はい、だからまず主任さんは魔法体系を変換させる装置を完成させて下さいその後は私がなんとか……」
「わかりました、やってみましょう」
 私に扱えるのかな…時間移動の秘術……。

A このままスフィーサイド
B リアンサイドへ
C ティリアサイドへ
ちなみにスフィーのLvは…
a.Lv1 b.Lv2 c.Lv3 d.Lv4
428名無しさんだよもん:04/03/31 19:33 ID:es/T3MZ1
A,d
429名無しさんだよもん:04/03/31 20:18 ID:OJjyJkn3
「なあスフィー、時間移動の魔法って本当に使えるのか?」
「術式は完成しているわ」
「なら大丈夫じゃないか、お前の魔力も完全に戻っているし」
「だめ、魔法を使うための式を会得していてもそれを発動させるための魔力が足りないの。そう――パソコンのメモリが足りないように」
「それじゃあどうすればいいんだ……」
「方法は無いわけじじゃないわ、魔法アイテムよ、それもとびっきり強力なブツなら足りない魔力を補えるかも。けんたろの店にそんな物ないの?」
「うーん、年季が入った物が魔法アイテムとしたら…江戸時代の皿とかは?」
「全然だめ、そうねぇ〜三種の神器とか水晶の髑髏とか聖杯とか…それくらいならいけるかなあ」
「そんなものウチにあるわけねえだろ……」

 当然といったら当然よね、グエンディーナにもそれくらいの魔法アイテム
 なかなかないもんね。

「ちょっと良いですがスフィーさん」
「何ですか長瀬さん」
「魔法アイテムはそんな国宝クラスものでなくてもいいのですよ、人の想いが込められた物――想いが強ければそれで魔法アイテム足りえるのです」

A 「私の店を見に行きませんか」
B 「親戚に博物館の館長がいます。それをあてにしてみては」
C 「来栖川の宝物庫を見てみましょう」
430名無しさんだよもん:04/03/31 20:25 ID:w+aSwiLA
c
431名無しさんだよもん:04/03/31 20:50 ID:Q4tK2rIo
「来栖川の宝物庫を見てみましょう。この家もかなり古い家系ですから何かあるかもしれません」
「でも……良いんですか? ここの家のを使っちゃって……」
「ええ、構いませんよ。何せお嬢様の命がかかってますから……」
 主任はそういってスフィーたちを宝物庫に案内した。

「やっぱりなかなか見つからないわねえ……」
 宝物庫には確かに宝がたくさん眠っていた。
 しかし、ただの宝ではまったく意味がない。魔力が篭っているほどの「思い」が必要なのだ。
「この茶碗なんかホツもなくていい仕事してると思うんだけどなあ……」
「健太郎君、こちらの掛け軸もなかなかの作品ですよ」
 ついつい骨董談義を交わしてしまう健太郎と長瀬。
 やはり二人は骨董屋であった。
「まったくちゃんとやってよね……って、あれ?」
「ん……どうしたスフィー?」
「ちょっと見て、これ」
 そういってスフィーが手に取ったのは……

A 一振りの刀
B 一枚のメダル
432名無しさんだよもん:04/03/31 21:03 ID:3vuvS+JU
B
433名無しさんだよもん:04/04/01 00:23 ID:yc9xYU+2
 私が取ったのは一枚のメダルだった。
「これ…すごい魔力を感じる…」
「どれどれ…普通のメダル…と言いたいところだが、魔力のない俺も、いや骨董屋としてこれは特別な物を感じる」
「その通りです健太郎君、何の変哲のない物にこそかつての所有者の想いが宿るのですよ。探してみてください、まだまだあるはずですよ」

 一時間後私たちは特に魔力が強いと感じた物を数点見つけた。
 最初に拾ったメダル、天使を形をしたキーホルダー、目覚まし時計、ごく普通の鈴、細身の西洋剣、チェックのストール、古ぼけた人形の七点だった。

「しかし、こんなお世辞にも宝といえない物が魔法アイテムだなんて…うーん」
「すごいよけんたろ、このアイテムの凄まじいまでの念、持ってた人はどんな想いを…。これなら時間移動に十分な魔力を得られるよ」

A 準備は万全、研究所へ行こう
B まだやることがあるかも
C ティリア視点へ
D リアン視点へ
434名無しさんだよもん:04/04/01 00:30 ID:nONPcn/b
A
435名無しさんだよもん:04/04/01 00:58 ID:07Vn0yuf
「……インプットは完了しました。後は魔力を与えてやるだけです。
 スフィーさんたちの魔法がそのまま別体系に変換されます」
 主任は機械をスフィーと長瀬の二人に渡した。
 腕時計のようなその形の変換機はどうもそんな大それた様なものに見えない。
「どうもありがとうござます」
 その時、スフィーは緊張していた。
 時間移動の魔法……正直に言うと自分には荷が重いかもしれない。
 この間やった時間軸を超えた交信とは比較にならないほど難しい。
 しかし……失敗するわけには行かない。
 もし失敗すれば時の流れをさまようことになり、どこかに出口が開きでもしない限り抜けられない。
「スフィー、本当にやるのか?」
「……うん。やっぱりリアンが心配だしね。私だって姉だから」
 健太郎が心配の声を掛ける。
 彼には魔法のことは良く分からないが、今からなそうとしていることが難しいことだと言うのは分かった。
「分かった。そこまで言うなら俺は何も言わない、だから……成功させろ」
「うんっ!!」
「……良い顔をしますね、健太郎君」
「長瀬さん……」
 二人を優しく見守る長瀬。彼は世界移動のための魔力提供役である。
 そして健太郎は背中に先ほど見つけたアイテム群、それと 五月雨堂から持ってきたありったけの皿や壺をリュックでしょった。
 万が一スフィーたちの魔力が尽きたときのための保険である。
 本来なら彼は留守番するのが最良だったが、魔力が尽きると彼は死んでしまうためそれは出来なかった。
「スフィーさんを支えられるのはあなただけですよ。これからも彼女の力になってあげなさい。
 ……さて、はじめましょうかね。おそらくグエンディーナ始まって以来の大冒険を」
 長瀬は呪文の詠唱を始めた。そして少し遅れてからスフィーも時間移動の詠唱に入った。
(……すごい。力がみなぎってくる……きっと作り手と使い手に並々ならぬ想いがあったのね)
 スフィーは健太郎のリュックからはっきりとマナを感じていた。
 おそらく使い手に並々ならぬ執着があったのだろう。
 そして魔力の高まりが最高潮になったその瞬間……三人は消えた。
 残されたのは長瀬主任だけである。
「……さて、ちゃんと帰ってこれるんでしょうかねえ」
436名無しさんだよもん:04/04/01 00:58 ID:07Vn0yuf

 スフィーたちは今自分たちが時の流れを移動しているのが分かった。
 ありとあらゆる事象がまるでテープの早回しのように過ぎ去っていく。
 その形容しがたい空間の中、スフィー、健太郎、長瀬の三人はしっかりと手を繋ぎあっていた。
「手を離してはいけませんよ。スフィーさんはともかく私と健太郎君は時の流れにすっ飛ばされてしまいます!
 そうなってしまっては何処の時代に飛ばされるか分かりませんからね!」
「分かってますよ! スフィー、大丈夫か!?」
「……まだまだいけるわ!!」
 スフィーはそういっているが魔力が著しく落ちているのが分かった。
 さっきまでレベル4だったのが今はレベル2ぐらいである。
 健太郎の荷物から常時魔力をいただいてはいるがそれでもこの有様だ。
 今回ばかりは長瀬を頼れない。長瀬も空間転移だけで手一杯であるからだ。
(正直、甘く見すぎていたかも……)
「……スフィーさん、もう少し耐えてください。ここさえ乗り切れば……!!」
「分かってる! 分かってるけど……!!」
「誤算でした……!! やはりスフィーさんの魔力で三人は不可能だったか……!?」
 長瀬がちっと舌打ちした。
 その時……

A 健太郎の持っていたメダルが光った
B 突然健太郎が手を離した
C 突然長瀬が手を離した
437名無しさんだよもん:04/04/01 01:24 ID:hpRIHs0F
A
べただが
438名無しさんだよもん:04/04/01 01:45 ID:07Vn0yuf
「な、何……!?」
 突如、健太郎の持っていたメダルが光りだした。
「ど、どーなってんだこれ!?」
「わ、分からないわ……!!」
 その異常事態に慌てふためく健太郎とスフィー。
「二人とも、落ち着いてください! ……といっても、私も何が何だか分かりませんがねえ」
 そのまま三人は光に包まれた……。

――バリアントライフ
「……リアン殿は無事であろうか」
 王様は一人考え込んでいた。
 自分の力及ばずリアンを人質として取られ、各国の王はそれを理由にトゥスクルに攻め入った。
 無事に帰ってきてくれればいいのだが、そんな保障があるわけでもない。
 彼は、自分に責任を感じていたのだった。
「王様、考えすぎは良くないかと」
 すぐに兵が自分の身を案じてくれる。
「……そうだな。さて、復興事業はどうなっている?」
「はい、現状は……」
 兵が淡々と説明していく。
 その時だった。

―――――キイィィィィン!!!

 突如聞こえる耳障りな音。
 そして……
「う、うわあぁぁっっっ!!」
 天井から落ちてくる人三人。しかも自分の真上に。
 もちろん健太郎・スフィー・長瀬の三人である。
439名無しさんだよもん:04/04/01 01:47 ID:07Vn0yuf
「のわあっっ!!」
「お、王様っ!?」
「いててて……大丈夫かスフィー?」
「何とかね……。長瀬さんは?」
「ええ、無事ですよ」
 三人はお互いの安全の確認をする。下に敷いてあるものに気付かずに。
「どうやら目的地に到着したみたいですね」
「……これもあのメダルのおかげ?」
「さあな。とりあえずはどうするんだ?」
「そうね、とりあえず……」
「……そなたら、いい加減私から降りろ」
 その数十秒後、スフィーたちは兵隊に囲まれた。

「ちょ、ちょっと何よこれ……!?」
 スフィーたちからしてみれば納得いかない。
 転移してきたと思った瞬間に兵隊に囲まれているのだから。
「貴様……わが王を足蹴にしたその罪、万死に値するぞ!!」
「そりゃ不可抗力だっ!!」
「……待て、皆の者」
「し、しかし……」
 突如王様が兵を止めた。
「さて……まず問おう、そなたらは何者だ? いきなり玉座の上から降ってくるとは只者ではあるまい?」
 じろりと王様はスフィーたちを睨む。明らかに警戒していた。
「え、えーと……」

A 「ただ妹を探しに来ただけです」
B 「このメダルがこんなところに飛ばしたんです」
440名無しさんだよもん:04/04/01 01:55 ID:f6/blJ2i
B
441名無しさんだよもん:04/04/01 02:13 ID:07Vn0yuf
「このメダルがこんなところに飛ばしたんです」
「メダル……? まさか! もしやそのメダル、このような物ではないか!?」
 王様はそういってメダルを見せた。
 そのメダルはスフィーたちが持っているのと全く変わらない。
「そうです! ほら……!!」
 健太郎がメダルを王様に見せる。王様はそれ感慨深い目で見つめた。
「まさか戻ってくるとは……それは間違いなく「勝利のメダル」。
 わが先祖が失ったこのメダルの片割れだ……」
「……なるほど、つがいのメダルでしたか」
 突然長瀬が納得したようにいった。
「どういうことですか?」
「いえ、つまりはこのメダルは二枚で一つなんです。長いこと離れていてもその執着は残っていたんでしょう。
 それが私たちがこの世界に近づくに連れてお互い引かれあった、だから私たちはここにくることが出来た……と言うわけですよ」
「なるほど……」
「どうやら、怪しい者ではなさそうだな……」
「はい、一応は」
「そのメダルを持ってきた者には交換に国の宝を渡すよう言い伝えられていたが、先日手放してしまった。
 すまないな……代わりに何か望むものを与えよう。だからそのメダル、譲ってはくれぬか?」
「はい、構いませんが……」
「おお、ありがとう。このメダルを揃えることが我が一族の悲願でもあったのだ。
 さあ遠慮することはない、望むものを言うが良い……」
「それじゃあ……」

A 妹を探しているのだけれどその行方を知らない?
B この世界のこと詳しく教えてくれない?
C ホットケーキを食べきれるだけくれない?
442名無しさんだよもん:04/04/01 02:48 ID:hpRIHs0F
Cに決まってる
443名無しさんだよもん:04/04/01 11:03 ID:07Vn0yuf
「いただきまーす!!」
 スフィーが目の前に山積みにされたホットケーキにかぶりつく。
「さあ、遠慮せずに食べるといい」
「すみません、うちの居候が……」
「まあまあ健太郎君、固いことは抜きにして、それよりも美味しいですよこのホットケーキ」
 三人はちゃっかりご馳走になっていた。
 時間と空間を同時に転移したのだ。スフィーや長瀬はかなりの魔力を消耗している。
 回復させるためにもしっかり食べるものは食べておかねばならない。
 といっても三人(特にスフィーの)食べる量は異常であった。
 何段にもつまれていたホットケーキが見る見るうちになくなっていく。
 流石の王様も少し驚いたようだった。
「ふう……さてと、ところで王様、こんな女の子知らない? 私の妹なんだけど……」
 スフィーが(もちろん食べながら)映像を映し出す。
 以前健太郎に使ったものと同じやり方でリアンを映し出した。
「へぇ、スフィーの妹ってこんな顔してたんだ」
「そうだよ。リアンっていうんだけど」
「…………この子は!?」
 突然、王様が立ち上がった。
「な、何!?」
「そなた、リアン殿の姉上だと申すのか!?」
「そ、そうだけど……リアンを知っているの?」
 スフィーに聞かれて暗い表情をする王様。
「……すまぬ。リアン殿は我々のために……」
444名無しさんだよもん:04/04/01 11:05 ID:07Vn0yuf
 その頃ティリアたちはラントール山を登って火の神殿まで来ていた。
 なんだかんだ言っても実は順調である。幸か不幸か町で戦争の話も聞いていない。
 ティリアたちが近づくと石像は一瞬にしてもとに戻り、大柄の男の姿が現れる。
「……過去、闇の神が何故人間を滅ぼすことに固執したのかは分かっていない。
 しかし……闇の神は決して聞き分けの悪い存在ではなかった。何か理由があったはずなのだ……」
「待ってください! 今はそれよりも……デュークを、私の恋人を助けたいんです!」
 ティリアのその叫びに火の神は少し黙ってから言葉を出した。
「フィルスソードとエチュードストーン、それを手に入れるのだ。
 エチュードストーンが憑かれている魔を断ち、フィルスソードが滅ぼす。
 そなたの恋人はおそらくガディムの体として乗っ取られていることだろう」
「その二つは何処に?」
「エチュードストーンは既にそなた達は手にしている」
 すっと火の神が指をさす。
 その先にはティリアたちがバリアントライフの王からもらった石があった。
「こ、これが!?」
「うむ。そしてフィルスソードのほうだが……こちらが難しい。
 光の神と、闇の神がそれぞれ光の剣と闇の剣に分けて持っているはずだ」
「で、でもその二つの神は……!!」
「そうだ。光の神は既にこの世にはおらず、闇の神は『失われた地』に……。
 だが一先ずは氷の神を復活させに行け。光の神の件は我々に任せろ。
 闇の神もこの世に存在している以上何か手はあるはずだ。
 この世界に侵入者もきている。彼らがどう転ぶかは分からんが、急いだほうがいい」
 それだけ言ってから火の神は消えた。
「あっ、待って……!!」
「……どうしてこういつも言いたいことだけ言っていくんだろうな」
「それでも、私たちに残された手は氷の神を復活させることしか……」

A このままティリア視点で氷の神復活ルート
B スフィー視点でリアン救出ルート
C 随分とご無沙汰な主人公リアン視点のうたわれルート
445名無しさんだよもん:04/04/01 11:16 ID:n1kuteUj
C
446名無しさんだよもん:04/04/01 21:27 ID:07Vn0yuf
 ハクオロがワーベに会いに行ってから一日が過ぎた。
 その間ハクオロは一度もリアンたちの前に戻ってこない。
「ハクオロさん、どうしたのかしら……」
「まだ話がまとまってないんだろう。だが兄者のことだ、心配することはない」
 待合室の中も痺れを切らすものと安心しきって待つものの二つに分かれてきていた。
 そのなかでリアンはどちらかと言えば前者である。
(実際に使わないと言っていたはずなのにちらつかせることすらここまで揉める……アマテラスとは一体?)
 そしてさらに数時間が経過し、待合室のドアがギィィと音を立てて開いた。

「皆、待たせたな」
 その一言を言って、ハクオロがその堂々とした風格で部屋の中に入る。
 その後ろには冷めた顔でベナウィが続く。
「ハクオロさん!」「聖上!」「兄者!」「主様!」
 部屋の中の者は一斉に各々の呼び方でハクオロを迎えた。
「一つ、聞いてほしい。奴ら連合軍だが「アマテラス」をこちらの手札として
 交渉に当たる方向で決まった」
 その瞬間周りにどよめきが沸く。
「ハクオロさん……! アマテラスの起動なんて、そんなことしたら……!?
 いえ、起動しなくても威嚇だけで恐ろしいことに……!!」
447名無しさんだよもん:04/04/01 21:28 ID:07Vn0yuf
「……分かっている。アマテラスは彼ら外の者には恐怖の対象だ。
 一歩間違えば全面戦争になりかねん。しかし……我々にはもうそれしか残された手がない。
 トゥスクルの民もある程度はここオンカミヤムカイに逃げ出せてはいるが事実上トゥスクルは壊滅状態だ。
 もはや……アマテラスが最後の我々の砦なのだ」
 そのハクオロの言葉にその場の全員が黙る。
 それはすなわち……肯定。
「……みんな、苦労を掛ける。……リアン」
「はい」
 リアンは呼ばれて返事をした。
「君には使者として出向いてほしい。彼らは我々を獣人と毛嫌いしているからな。
 これが国書だが、外の世界の皇に渡してほしい。……なに、君はこの大陸の者じゃない。
 用が済んだから殺されると言うようなことはないだろう」
「一つ……聞いていいですか?」
「……なんだ?」
「アマテラスとは、一体何なんですか?」
「……分かった。国書を持たせる以上その中身についても知ってもらおう。
 アマテラス、我々はこう呼んでいるが実は……」

A 星の外から狙っている旧世界の破壊兵器のことだ
B かつてその大空を飛び回った機械の翼のことだ
C 君たちの言葉で言うと破壊神、いわゆる……ガディムだ
448名無しさんだよもん:04/04/01 22:05 ID:nONPcn/b
A
449名無しさんだよもん:04/04/02 11:46 ID:WVz443/7
「星の外から狙っている旧世界の破壊兵器のことだ。
 君は聞いたことないか? オーパーツ……昔では、いや今の科学力ですら作ることが出来ない代物を。
 アマテラスはそれに当たる。伝承では数千年前に敵地ごと海に沈めて敵を討ったそうだ。
 しかも、どうやって飛ばしたかは知らんが空に浮かんでいる星の一つがそれらしいから破壊も出来ない。
 奴らごときなら……一発で軽く全員を消し飛ばせる。それを手札に使えば奴らも引き下がるだろう。
 いや、引き下がるだけではなく我々に従属せざるを得なくなる」
「そ、そんなっ……!?」
「無論、我々も無駄な殺生は好まない。支配だってしたくてするわけではない。
 出来ることなら穏便に済ましたかった。しかし……もう他に方法がないんだ。
 現在我々が手にしている古代の機械は二つある。空を自在に翔るホロログの翼、そしてアマテラス。
 しかし古代の機械にだって落とし穴はある。まずホロログは兵器ではない。
 そしてアマテラスだが……こちらは使い方が良く分からない。今の我々で出来ることは撃つことだけだ。
 出力を変えることまでは出来ていない。すなわち……」
 ハクオロは次の言葉を続けた。
「撃てば必ず敵国は文字通り『消滅』する」
 死刑宣告に近い、その言葉を。

「リアンを戦争していた相手国に献上したですってぇ!?
 しかも、その国がまた戦争状態になっちゃってるの!?」
 スフィーはバリアントライフ王につかみかかった。
「スフィー、よせ!!」
「けんたろどいて、そいつ殺せない!!」
「……いいのだ健太郎殿、私には弁明する資格もない」
 王は悲しそうにそういった。
「リアン殿は我らの命の恩人、彼女がそうしなければ我が国の命はなかった。
 許してくれとは言えぬ。だが、さっきも言ったとおりシオン・ラントール・ロイハイトの連合国軍が
 トゥスクルに侵攻した。陥落も時間の問題と聞いている、だからリアン殿の命も危ない!
 後生だっ! リアン殿を救ってやってくれ!! 我が国は条約を結んだ以上戦争に介入できんのだ!!」
450名無しさんだよもん:04/04/02 11:47 ID:WVz443/7
 王は頭を下げた。
 一国の王が頭を下げると言うことの持つ意味が分からないほどスフィーも愚かではない。
 王は常に威厳を保たなければならないことを曲げてまで彼は頼んでいるのだ。
「……アンタ、勘違いしてない?」
「ん?」
「私たちはリアンを助けに来たの。救ってやらないわけには行かないでしょ?」
「すまぬ……」
「いーのいーの。戦争ねえ、燃えるわ! 私の魔法の見せ所ね!」
 にっとスフィーが笑った。
 これを無謀と言うのか勇敢と言うのかは結果次第である。
「ちょ、ちょっと待ってくれスフィー!? 戦争だぞ?
 そんなところに行ったら俺たちなんか真っ先に殺されちまう!!」
「大丈夫大丈夫、私と長瀬さんがいれば何とかなるわ。
 どうやらこの世界には銃とか核とか細菌兵器とかはないみたいだし、
 さっきの時間転移より万倍安全よ。ねえ長瀬さん?」
「そういう考え方もあるにはありますね……」
 妙なところで納得する長瀬。
「こ、こんな知らない世界にやってきて、軍隊相手に戦おうっての!?
 戦わないにしても敵の中をかいくぐってリアンを助けるなんて雲を掴むようなものだぞ!?」
「男なら細かいことにぐだぐだ言わない。さ、さっさと行くわよ!」
 ずるずると健太郎を引っ張って外に出るスフィー。
 その後ろでは長瀬がやれやれといった表情で見ていた。
「行くと言っても場所も聞かずにえどうするんでしょうかねえ……。では王様、道案内は頼みますよ」
「……貴、貴殿だけが頼りだ。よろしく頼むぞ」
451名無しさんだよもん:04/04/02 11:48 ID:WVz443/7

 海上。
 今スフィーたちはバリアントライフ王からいただいた船でトゥスクル国に向かっている。
 うきうき顔でピクニックに来ているような楽観的なスフィーに対し、
 正にこの世の終わりのような表情で通夜に来ているような悲観的な健太郎。
 両者は心情的に全く対極であった。
「どうしたのけんたろ? そんな変な顔しちゃって」
「……お前が明るすぎるんだよ。戦争の真っ只中に行ったら俺たちなんかあっという間に殺されちまう!
 そうだ、そうに決まってるんだ!! いったいどうするつもりなんだよ!?」
「まあ、いいじゃない別に。健太郎のこともしっかり守ってあげるから」
「その言葉……忘れるなよ」
「はいはい」
 とりとめもない(?)会話をしながら三人の航海は順調に進んでいた。
 そして……

A なにごともなくトゥスクルの港に到着
B 海上に突如巨大な渦が現れた
C 陸から何物かによる弓矢の一斉掃射にあった
452名無しさんだよもん:04/04/02 13:02 ID:9y7ZhW65
453名無しさんだよもん:04/04/02 18:05 ID:WVz443/7

「まったくスフィーは能天気と言うかなんと言うか……って、おいあれ!!」
「ん、どうしたのけんたろ?」
 健太郎は目の前の光景に鳥肌が立った。
 船の行く手を阻むようにして大きな渦があったのである。
 しかも、その渦はだんだん近づいてくる。今、船は明らかに引き寄せられていた。
「何あの渦巻き!?」
「俺だってわからないけど……やばいんじゃないか!?」
 突然の渦にパニック状態になる船内。
 操舵員も航海士も平静を失っていた。
「……落ち着いてください、操舵員は舵を持って船を渦から脱出、
 水夫たちは至急救命用具の準備を!!」
 長瀬がてきぱきと周りの連中に指示をする。
 しかし、この騒然となった船内で聞いているものは誰もいなく、
 すぐに喧騒の中に掻き消えてしまった。
454名無しさんだよもん:04/04/02 18:06 ID:WVz443/7
「早く逃げないと!!」
「だめっ! 私たちだけなら逃げられるけれど他の人が助からない!!」
「……ここは私に任せてもらいましょうか」
 健太郎とスフィーが言い合っているなか、長瀬が船首のほうにゆっくりと歩いていった。
「長瀬さん、一体何するの?」
「少し黙って見ていて下さい。流石に成功するかは私にも分かりませんから」
 長瀬は船首から海を見下ろすような形に立った。
 そして、自分の魔力を高めていき……
「むんっ!!」
 船を、自分の魔力で包み込んだ。
 すると先ほどまでぐんぐん引き寄せられていた船がぴたりと動きを止める。
「すっ、すごい……!! 長瀬さん、一体これは?」
 船は少しずつ後ろに動き始めた。
「飛行魔法の応用です……!! しかし、流石に船全体を包むのは大変な……労力を……!!」
 長瀬が苦しそうに返事をした。
 事実、長瀬の体は猛烈な勢いでレベルが下がっている。
 先ほどまで70代にも見えたその姿はいまでは50代ぐらいである。
「長瀬さんっ、私も……!!」
「いけません! スフィーさんの魔力では失礼ながらすぐに尽きてしまいます!!
 そうしたらその後に来るのは……健太郎君の確実な死ですよ!?
 ここは私に任せてください。岸に付けるぐらいなら、私にも可能です……!」
 長瀬はそういってスフィーを制した。
 確かに健太郎の体は今スフィーの魔力なしでは生きられない。
 スフィーの魔力が完全に尽きた時点で健太郎は死んでしまうため、スフィーは魔力を使い切ることが出来ないのだ。
 先ほどの空間転移も途中メダルの帰巣本能(?)のおかげでどうにかなっただけである。
455名無しさんだよもん:04/04/02 18:06 ID:WVz443/7

 長瀬の必死の頑張りのおかげで船は着々と渦の中心から離れていった。
 先ほどからの魔力の浪費で長瀬の姿はしぼんでいき、今では30歳ほどの姿になっていたが
 顔からは幾分か余裕の表情が生まれている。
 もう誰もが身の安全を確信したその瞬間、
「……大丈夫、このまま行けば無事に……ぐっ!!」
 長瀬は崩れ落ちた。
 船を包んでいた魔力は消え去り、船は再び中心に引き寄せられる。
「な、長瀬さん!?」
 誰もが予想しなかった。
 魔力が尽きたとも思えない、かといって長瀬が気を抜いたとも思えない。
 しかし今ここに長瀬は片膝を突いている。
「ぐ……いけません。魔力が途絶えてしまった……もはやこれまで、早く脱出を……!!」
 船は再びパニックの渦に飲み込まれた。
 そして本物の渦に飲み込まれるのも後数秒先である。もはや飛行魔法を唱えている暇もない。
「けんたろ、手は離しちゃ駄目だよ!」
「ああ、分かっているさ……!!」
 スフィーは健太郎の手をぎゅっと握った。だが、生き残れる望みはかなり低いものだ。
「せめて、あなたたちだけでも……!!」
 長瀬が最後そういった気がした。
 そして、船は中心に到達しバリバリと音を立てて砕けていった。
 何もかもが海に沈んでいく中、スフィーたちは見た。
 渦の上を飛んでいる、こちらを下卑た笑いで見下ろしている老人の姿を……。
456名無しさんだよもん:04/04/02 18:07 ID:WVz443/7
「…………姉さん!?」
「どうした、リアン?」
「あ、いえ、何でもありません」
 ハクオロに聞かれ、リアンはそう返した。
 先ほど不意に頭によぎったのは自分の姉が暗い闇に落ちていく姿。
 気のせいと言えばそれまでだが妙に生々しくてリアルだったのは確かだ。
 それも少し考えてからそんなはずはないと結論付ける。
 スフィーは今人間界で自分が結界を解くのを待っているはずだ。
 人間界は平和そのものでここのように命を脅かされるなどと言うことはあるまい。
「さて、交渉だが……ホロログを使ってリアンを送り届ける」
「ホロログを? 確かホロログが収納されているのはトゥスクルの外れ、連合軍がいないとは言い切れないんですよ?
 相手は存在も知らないんですし、安全に行くなら使わないほうが……」
 エルルゥが反論する。
 確かに敵の軍が近くにいる以上無理にいくこともない。
「いや……敢えて使わなければならないんだ。アマテラスと言っても相手には伝承でしか伝わっていないと思う。
 我々だって実際に動かしたことはないからな。相手がその存在を否定してくると言う可能性がなくもない。
 だからホロログを使う。外のものは空を飛ぶ技術はない、さぞかし恐怖であろう。
 我々が対等な立場に立つには、少しでも相手よりも優位なものがあることを見せ付けねばならん」
「分かりました。ハクオロさんがそういうのなら……」
「すまないな。それで敵がいる可能性がある以上、なるべくなら気付かれずに行きたい。
 多くてもせいぜい五人までだ。他の者はオンカミヤムカイを守ってほしい。
 会談が成立するまで相手の攻撃は止まらないからな。苦しい戦いになると思うが……」
 その言葉に全員が頷いた。
 そして、相談により全員が交渉組と防衛組に分けられた。
457名無しさんだよもん:04/04/02 18:08 ID:WVz443/7
 交渉組に入るメンバーを選んでください。リアンは固定なので最大四人までです。

A ハクオロ G カルラ
B エルルゥ H クロウ
C アルルゥ I ベナウィ
D オボロ  J ドリィ
E トウカ   K グラァ
F カミュ   L ウルトリィ
458名無しさんだよもん:04/04/02 18:27 ID:xjr0CgpN
B、I、K、L
459名無しさんだよもん:04/04/03 05:48 ID:ZOl8JcAS
バランス重視のように見えて実は使いにくい組み合わせだな。(前衛1、後衛3)
460名無しさんだよもん:04/04/04 00:35 ID:58p0XF8q
とりあえず保守。
461名無しさんだよもん:04/04/04 01:42 ID:gtFnCCXW
「……では、そろそろ行きましょうか」
「ええ、そうしましょう」
 リアンたちは立ち上がった。
 相談にはしばらく時間を費やしたが、その結果メンバーは
 リアンのほかにベナウィとエルルゥとドリィに決まった。
 ベナウィが先頭に立ちリアンが魔法で、ドリィが弓でサポート、
 そして怪我をしたものが薬師エルルゥの介護を受けるといったバランス的な組み方である。
 ハクオロは自分で行きたかったようだが、交戦中で危険という理由で却下されていた。
「ベナウィ、くれぐれもしっかり頼む。エルルゥやリアンをしっかりと守ってくれ」
「仰せのままに」
 ベナウィはハクオロに一瞥する。
 そして四人が行こうとしたそのときだ。
「少しお待ちを」
 不意にそんな声が聞こえた。
 リアンが声の主を探してみると、入り口に立っていたのは羽を持った女性。
「ウルトか。一体何を?」
「その会談、私も同行させていただきます」
「何故だ?」
「私たちにも調停者としての責務があります。
 おそらくは外の者は私たちと顔を合わせることにすら顔をしかめるとは思いますがせめてついて行くぐらいは……」
 ハクオロはしばらく考え込んだ。そして……
「……分かった。交渉組は以下の五人とする、他の者は異存ないか?」
 静寂が場を支配する。異議なし……という事だ。
「では、早速行動開始だ。我々はリアンたちが交渉している間は敵兵の討伐に出ること!」
 ハクオロの声と共に、全員部屋から出た。

 リアンたちはトゥスクルの外れに収納されているホロログを起動させに行ったのだが……

A 幸いにもその近辺は連合軍もおらずホロログの格納庫にまっすぐいけた
B 格納庫の近くには連合軍が駐屯していた
462名無しさんだよもん:04/04/04 02:17 ID:S9mvXIyM
463名無しさんだよもん:04/04/04 03:01 ID:gtFnCCXW
 幸いにもその近辺は連合軍もおらずホロログの格納庫にまっすぐいけた。
「……ピラミッドですか?」
 格納庫を見てリアンはそんな感想を抱いた。
「いえ、これは格納庫の入り口で通称ホロログの墓と呼ばれています」
 予備知識のないリアンにエルルゥが説明を入れる。
「ここはホロログのほかにも前皇とその親族が埋葬されているのです。
 だから死者を弔うために霊的な力を高めるためこんな形をしているのだとか」
「良くは分かりませんが……分かりました」
 ここでリアンはふと思う。
 墓と格納庫を一緒くたにしているなんて杜撰というか、適当というか。
 もしかしたらハクオロが前皇に恨みでもあるのかもしれないが。

 中に入ると、最初に目に付いたのは床であった。
 その床には青・赤・銀・金と四色の石が埋め込まれており、その奥に扉がある。
「たしかこの石を正しい順に押せば扉が開いたんです。こないだハクオロさんがそう言ってました」
「ならば早く押して先に行きましょう」
「いえ、それが……そうも行かないんです」
 エルルゥが困ったように言う。次の言葉はベナウィが継いだ。
 いつの間にかベナウィは扉の横にまで移動している。
「これは扉を開くたびに順番が変わるもので我々にも正しい順番が分からない。
 だから……この出っ張りを押すと浮き上がる言葉をヒントにその都度考えなければいけないんです」
 そういいながらベナウィが出っ張り……というよりボタンを押した。
 すると、ベナウィがいる場所とは逆側の場所に文字が浮かび上がってきた。

464名無しさんだよもん:04/04/04 03:01 ID:gtFnCCXW
――――赤は最初ではない
――――銀は青よりも先ではないが金よりも後ではない
――――金は最後ではない
――――青よりも後にくるのは銀と金である
――――ただし、上の四行には一行だけ嘘が書かれている

「これがヒントですか」
「ええ。これを元に正しい順番で押せば扉が開くんですが……」

A 青・赤・銀・金を正しい順番に並べ替えてください
B 皆で考える(ヒントを出す)
465名無しさんだよもん:04/04/04 03:22 ID:th22ILle
>>464
A 赤銀青金

この手の問題が出るたびに思ってたんだ。
あからさまに大間違いしたらどうなるんだろう、って(w
466名無しさんだよもん:04/04/04 03:29 ID:gtFnCCXW
 ガラガラガラ……
「あっ、開いていきます」
「ということは正解でしょうか……?」
 リアンがそういって扉の奥に入った。
 しかし、お目当てのホロログは何処にもなく代わりに一つの棺が置いてあるだけ。
 しかもご丁寧にその棺には

 ひさびさにボタンを押したら間違ってしまった。ヌワンギのハカ

 とまで書かれていた。

「…………」
「間違ってしまったみたいですね……」
 少々困った顔でエルルゥがつぶやいた。
「さ、さて気を取り直して正しい順番で押しましょう」
「一つだけ嘘があるからそれに着目しないといけないんですよね?」

A 青・赤・銀・金を正しい順番に並べ替えてください
B 皆で考える(ヒントを出す)
467名無しさんだよもん:04/04/04 08:11 ID:5gza4d4c
A 赤・青・金・銀
468名無しさんだよもん:04/04/04 12:37 ID:9r58yRQ/
404 NOT FOUND
「・・・・・・・・・・」

A 青・赤・銀・金を正しい順番に並べ替えてください
B 皆で考える(ヒントを出す)
469名無しさんだよもん:04/04/04 12:52 ID:th22ILle
A 青銀金赤
470名無しさんだよもん:04/04/04 12:57 ID:9r58yRQ/
一応言っとくと、これが正解だな。
471名無しさんだよもん:04/04/04 12:58 ID:gtFnCCXW
一瞬無限ループに陥るのかと思ってたw
472名無しさんだよもん:04/04/04 17:04 ID:gtFnCCXW
「……分かりました」
 しばらく考え込んでいたウルトリィが石に近づく。
「まず、嘘というのが四行目です。青よりも後に来るのが銀と金のほかに赤も来ると考えます。
 すると青が一番最初、銀は金よりも先ですから二番目か三番目ですが、
 金が最後ではないというので二番目。もちろん金は三番目です。
 そして赤を最後に押すと……」
 ウルトリィはボタンを全て押し終える。
 ガラガラ……といった音と共に扉が開いていった。
「正解……という訳です」
 そして扉の奥には先ほどの棺は何処にもなく、代わりに長々とした通路が続いている。
 五人は再び先に進んだ。

「あら……扉が」
 リアンたちは歩みを止めた。
 目の前には扉が聳え立っていたからである。
 ためしにリアンは引っ張ってみたがびくともしない。
「リアンさん、少し待ってください。それには仕掛けがあるんです」
「仕掛け?」
「ええ。扉の両脇を見てください」
 エルルゥに言われて見てみると、両脇には火の消えた燭台。
「これに火をともせば開く仕掛けになっているんです」
 エルルゥがリアンにウインクする。魔法で火をともしてくれとのことだ。
「分かりました。……えぃっ!」
 リアンが魔法で火を灯すと扉がギィィと音を立てて開いていった。
「さて、この奥です。もうかれこれ一年動かしていません」
 ベナウィが先行する。目的の物は目の前だ。

 リアンたちが奥に行って最初に見たものは……

A 普通に収納されているホロログ
B ヌワンギの墓
C スタッフルーム
473名無しさんだよもん:04/04/04 17:14 ID:pHYQltMp
Aにしておこう
474名無しさんだよもん:04/04/04 17:50 ID:UZLmCSBv
この謎かけ間違えてないか?
467でもあってるっぽいんだが。
475名無しさんだよもん:04/04/04 18:06 ID:gtFnCCXW
>>474
>>467の場合最初が赤に来ているから一行目が嘘だということになる。
そう考えると他は全て本当だということになる。
そうなると青の後ろには金と銀。というわけで青は二番目。
金は青よりも後ろだが銀よりも先。というわけで金が三番目、銀が四番目だが、
銀は最後ではないという条件があるので>>467は成り立たない。
476名無しさんだよもん:04/04/04 18:07 ID:gtFnCCXW
おっと、金と銀逆ね(汗
477名無しさんだよもん:04/04/04 18:09 ID:gtFnCCXW
あ、更に間違い。>>467の矛盾は金の後ろに銀がきていることだった。


……とまあ、こんな風に一通りしか答えはないわけです。
478名無しさんだよもん:04/04/04 18:11 ID:gtFnCCXW
 ホロログの翼、リアンは最初簡単な気球のようなものを想像していたが実際には違った。
 堂々たる風格でプールに浮かんでおり、形は楕円に近い。
 一見飛行船のように見えるそれだが、どうみても仕組みは飛行船と同じものではない。
 大きさはかなり大きく、ぱっと見で何百人も入れそうだ。
「……どうです? 震撼しましたか?」
 ベナウィがふっと笑って聞く。
 その笑みに嫌味さはなく、ただ誇らしげであるだけだった。
 リアンは静かに頷いた。過去の機械とたかをくくっていたがまさかこれほどのものとは思わなかったのだ。
「さあ、早く乗ってください」
 エルルゥの声が飛んでくる。しかも普通の声ではなく、拡声器の声で。
 ホロログはリアンを迎えるかのように入り口を開けていた。

 ホロログの中も驚くべきものだった。
 リアンは最初無骨な内装を予想していたがその中はちゃんとした「部屋」になっており、
 トゥスクルの玉座の間と大した変わりはない。
「厠は突き当たりを右、浴室はその手前、厨房はその向かい、寝室はその左です。
 水は限度があるのでなるべく節約してください。あまり不自由はしないと思いますが。
 一応前皇が納得のいくまで改良を加えていたみたいですし」
 エルルゥがてきぱきとリアンに説明する。
「あの、ちょっと聞いていいですか?」
「なんですか?」
「こんな便利なもの……一体どうしてこんなところで一年もほったらかしに?」
 リアンのその問いにエルルゥが残念そうにため息をついた。
「幾ら便利でも、使う機会がなければただの粗大ごみなんですよ。
 城の庭につけておくと洗濯物が乾かないという苦情も来るし、
 アルルゥたちが庭で遊べなくなると文句も付けてくるし……。
 だから結局ハクオロさんが皇になってからわずか数週間で格納庫行きになったんです」
(なんだかとても庶民的な理由ですね……)
 古代の超文明も民衆のクレームにはかなわないというわけであった。
479名無しさんだよもん:04/04/04 18:12 ID:gtFnCCXW

『今から発進します。全員衝撃に備えてください』
 何処からともなくベナウィの声が流れてきた。
 その途端、がくんと足元が揺れる。
「きゃっ……!!」
「あ、心配しないでください。一時的なものですから」

 その頃、連合軍の一個小隊はトゥスクルの外れの砂漠地帯にぽつんとあるオアシスで休息を取っていた。
「へっ、もうあらかた殺しちまったか、それとも逃げちまったか……何も出てこないと張り合いがねえな」
「全くです。自分なんか早く戦いたくてうずうずしてます」
 その小隊の兵の質は正直に言って高いほうではなかった。三国が即席に作った連合軍だ、しかもあまり日も置いていない。
 自然と賊と変わりない者が増えてくるというものだろう。
「まあ、この俺にかかればどんな敵だろうと獣人だろうとイチコロだな。たとえ城自体が相手だって俺様の敵じゃ……」
 と、その兵はそこで言葉をとめた。
「どうしたんです?」
 後輩らしき兵が不思議そうに尋ねる。
 先ほどまで大口を叩いていた兵は真っ青な顔で後輩の後ろを指差した。
「あ、あ、あ、あれ……あ、あれ……」
「何ですか先輩。自分をからかおうったって、そうはいきませ……」
 後輩も振り返って絶句した。
 後ろのオアシス、オアシスにしては随分と大きく湖のようであったがそこからザバアッと何かが盛り上がる。
 そしてその盛り上がった物体は空に吸い込まれていった。
480名無しさんだよもん:04/04/04 18:13 ID:gtFnCCXW

「揺れが止まったみたいですね……」
 ところ変わってここはホロログ、先ほど一個小隊を震え上がらせた犯人はこれである。
「もう軌道も安定しました。どうです、外を見ては? 初めてだと感動しますよ?」
 リアンはエルルゥに進められ窓に近づいた。
 そっと外を覗きこんで見ると初めに目に付いたのは流れる雲。
 下には先ほどまで自分たちのいた陸地。はるか遠くて町が判別できない。
 自分は明らかに飛んでいた。前方には水平線も広がっている。
 飛行魔法を使えるリアンにとっては見たことのない風景ではないが、それでも何か胸に踊るものがあった。
「うわぁ……」
「私も最初乗せてもらったときにびっくりしました。何年か前の話ですけど。
 その時には不思議と他の陸地がなくてあなた達のような外の人も入ってくることがなかったんです」
 エルルゥがぼそりとつぶやいた。
「エルルゥさん……」
「どうして外の人は私たちを蔑むんでしょうか? 数年前に急に外の世界の道が開けたとき、
 私も和平の使者の一人として他国に赴いたんですが、外の世界の人はまるで私を汚物を見るかのように……」
 悲しそうに外を見るエルルゥ。
 窓の外にはただ寂しく風と雲が流れているだけだった。
 リアンはその様子を見て、なんとしてもハクオロたちと各国の王の関係を回復させなければと思うのだった。

 第一部 いざ大空へ 終了

 セーブしますか?

A はい
B いいえ
481名無しさんだよもん:04/04/04 18:24 ID:th22ILle
B
482名無しさんだよもん:04/04/04 18:27 ID:gtFnCCXW
こらこらちゃんとセーブしなきゃだめでしょ!

A やっぱりセーブする
B セーブしない
483名無しさんだよもん:04/04/04 18:37 ID:th22ILle
なんでセーブせにゃならんのか理解らんのでやっぱり
B
484名無しさんだよもん:04/04/04 18:42 ID:gtFnCCXW
おい! いいかげんにしろよ!
セーブするんだ!!

A セーブする
B 何が何でもしない

>>483
シリアスな場面が続いたから休憩代わりのネタだよ。深く考えないでくれw
485名無しさんだよもん:04/04/04 19:04 ID:ymsMRfi9
こうなりゃ意地
B
486名無しさんだよもん:04/04/04 19:10 ID:gtFnCCXW
おいてめーいいかげんにセーブしろ!!

A しかたなくセーブする
B 書き手をぶっとばす
487名無しさんだよもん:04/04/04 19:19 ID:dMAG+t2P
B
488名無しさんだよもん:04/04/04 19:34 ID:gtFnCCXW

          ̄ ̄ ̄ ̄-----________ \ | /  -- ̄
      ---------------------------------  。 ←書き手
           _______----------- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     
                     ∧ ∧    / / |  \   イ
                    (   )  /  ./  |    \ /
                 _ /    )/   /  |     /|
                 ぅ/ /   //    /   |    / .|
                ノ  ,/   /'    /    |│ /|
 _____      ,./ //    |     /   .─┼─ 
(_____二二二二)  ノ ( (.  |    / ┼┐─┼─
              ^^^'  ヽ, |  |   /.  ││

 さあすっきりしたところで第二部へ
489名無しさんだよもん:04/04/04 19:35 ID:gtFnCCXW
【第二部】
 暗い……。
 それに何故だか息苦しい。
 後ろを振り返ってみた。すると青々とした大口が俺めがけて向かってくる。
 俺は逃げた。しかし、一生懸命足を動かそうとしても足が動かない。
 何度頑張っても足は結局動いてくれない。
 ――――いやだ、助けてくれ!!
 俺はそう発音しようとしたが声すら出てこない。
 そんなことをしている間に大口は俺のことを飲み込んでくる。
 ――――やめろ! 来るな!!
 そう叫ぼうとするが言葉が出てこない。
 恐怖に負けた俺は助けを求めるかのように人の名を呼んだ。

 ――――スフィーっ!!

「……はっ!!」
 俺はそこで目を覚ました。
 どうやら夢だったようだ。どうりで出来すぎていると思った。
 ……はて、何処までが夢だ? その前に俺は何してた?
 えーとたしか五月雨堂でスフィーが妹の危機だの何だのと言い出して……。
 そんなことを考えている俺の目に最初に飛び込んできたのは……

A 俺の手を握ったままで気絶しているスフィー
B 俺のことを心配そうにみつめる三人組
C 何もない砂浜
D 鉄格子
E どこかの宿の天井
490名無しさんだよもん:04/04/04 19:42 ID:IrlEDNR5
A
491名無しさんだよもん:04/04/04 22:38 ID:pJOFOvle
 ――俺の手を握ったままで気絶しているスフィーだ。
 そう、思い出した。スフィーの妹――リアンを助けるため異世界にやって来たんだ。しかしその道中船に乗っていたところを大渦に巻き込まれたんだったな。
 こんな状況でもスフィーは俺の命を守るため手をしっかり握っていたのか…
「おいスフィー、大丈夫か?」
「むにゃむにゃ……もう食べられないよ…? ………… あれっけんたろ!? 私たち助かったの!?」


「二人とも目が覚めましたか?」
「長瀬さん! ここは一体!?」
「わかりません……どこかの砂浜のようですが……」
 俺たちの乗っていた船は見当たらない。どうやら沈んでしまったようだ。

「けんたろ! あれっ」
 スフィーが声をあげる、俺たちが見たものは……

A 近づく三人組の姿
B 巨大な獣に乗った少女
C 朽ち果てたメイドロボ
D 行方不明の芹香
492名無しさんだよもん:04/04/04 22:45 ID:dMAG+t2P
Bで
493名無しさんだよもん:04/04/04 23:04 ID:pJOFOvle
「なんだよあれ……」
 俺たちが見たものは虎に似た獣の背に乗った少女だった。
 獣は普通の虎の二回りはあるだろうか。彼女はもう一体の小動物と戯れているらしくこちらには気付いていない。
「けんたろ……」
「ああ、わかってる」

 A あの子にここはどこか聞いてみる
 B 気付かれずに退散しよう
 C そうだ、もうリアンと連絡が取れるんじゃないのか?
494名無しさんだよもん:04/04/04 23:25 ID:XMLnpJpH
a
495名無しさんだよもん:04/04/05 02:28 ID:3sxiMPAP
「ごめん、ちょっと聞きたいんだけど……」
 俺はこの子に場所を聞こうとしてみた。しかし……
「…………っ!!」
「あ、ちょっと!!」
 少女のほうは俺のことを怯えた目で見つめ虎にしがみ付く。
 そして次の瞬間には虎さんがご対面。とっても怖いまなざしで俺のほうを見てくれてます。
「……ちょ、ちょっと待ってくれ!! 俺たちは別に怪しいもんじゃ……!!」
 俺が弁明しようとするも少女と虎は聞き入れてくれず、虎は大口を開けて俺に迫ってきた。
 ゆ、夢の続きかあっ!? た、助けてくれえっ!!
「まじかるファイヤー!!」
 スフィーの声が飛んできて俺は反射的に身を逸らした。
 その瞬間スフィーの放った火が虎に命中する。
「ムックル!?」
 少女のほうはだいぶ驚いているようだ。
 いくら猛獣だろうと所詮は動物、虎はその火を恐れて取り乱し……
『グルルルル……』
 ……全然取り乱してない!! それどころか火を浴びせたのに無傷だよ、スゲエ!!
 当たり前だけど虎さん怒っちゃった。健太郎ちん、ぴんちっ!!
 虎と少女がもう一歩俺たちに近づいたとき……
「アルルゥ、どうした!?」
 乱入者はやってきた。
496名無しさんだよもん:04/04/05 02:30 ID:3sxiMPAP

 その乱入者は一言で言うと「怪しい奴」だった。
 なんか仮面とか付けてるし、絶対に普通じゃない。一度死んだ俺が言うのもなんだが。
「おとーさん!!」
 少女のほうがその仮面の男に駆け寄る。
 なるほど……その親にしてこの子ありってところかな。
「外の者たちか……悪いがお引取り願おう」
 仮面の男がヒュッと扇を仰いだ。
 その瞬間に俺の頬に一筋の赤い雫が滴り落ちる。……マジかよ!?
「我々も降伏するわけには行かないんでな。要求を呑まねば次は首が飛ぶことになる」
 男のほうは冷たい瞳で俺のことを見据える。
 ……待てよ、仮面? たしかバリアントライフで聞いた情報によると
 スフィーの妹リアンが人質となった国がトゥスクルで、そこの王様が仮面をかぶった男。確か名前は……
「あ、あんたがトゥスクルの王様ハクオロか!?」
「そこまで知っているか……。この仮面も不便なものだな。目立つことこの上ない。
 敵将の首級を上げに来たのだろうが……みすみすとやられるつもりは毛頭ない」
 ……マジやばいモードですよこれは!?
 なんだかこの人勘違いしちゃってるし、そりゃ俺らは彼らから見たら敵だろう。
 だけど俺らはリアンを取り戻しに来ただけで戦うつもりなんてさらさらないわけで……
 でもこの人はやる気満々なわけだ。どうすりゃいいんだ!?

A このままじゃ殺される。たたかって気絶させるしかないっ!!
B なんとかこちらに敵意がないことを伝えてみる
C スフィーと長瀬さんの魔法で逃げるしか……!!
497名無しさんだよもん:04/04/05 02:32 ID:xq8jGtA+
B
498名無しさんだよもん:04/04/05 02:32 ID:XPZeLdnE
A
499名無しさんだよもん:04/04/05 03:29 ID:3sxiMPAP
「行くぞっ……!!」
 ハクオロが俺に向かって突撃する。
「ま、待ってくれ……!! 俺たちは別に争うつもりは……!!」
 俺がそう言うが奴の扇は俺のことをついてくる。
 運良くタイミングが合った俺は幸いにも頬に赤い線を一本増やすだけで済んだ。
「かわしたか……。なかなかやるな、しかしこちらとしても負けるわけにはいかん……!!」
 ハクオロは殺気をびんびんに張り巡らせてきた。
 ……やばい、このままじゃ殺される。なんとしてもこっちに敵意がないことを伝えなくちゃ……。
 なんてことを考えている間にハクオロは再び俺の首を殺ぎに来た。
 ……しまった!! もう遅い、やられる!!
 俺は直感的にそう感じていた。その時……
 ガツッ!!
 不意に鈍い音が辺りに響く。俺が恐る恐る目を開くと扇と俺の体の間に薄い膜みたいなものが現れていた。
「そう簡単に健太郎君をころさせはしませんよ……」
 それをやってのけたのは長瀬さんだった。さ、サンキュー長瀬さん!
 しかし……長瀬さんの姿は先ほどの船を持ち上げたせいかとてつもなくレベルダウンしている。
 その姿は俺と大して変わらない年齢ぐらいに。
「結界の術法か……。なかなか出来るな」
「いえ、そこまで言われるほどじゃありませんよ。それと、私たちは別に争いに来たわけじゃありません」
「随分と苦しいことを……ならばなんだというんだ?」
「返してもらいにきたのよっ。私の妹のリアンを!!」
「……リアンを!?」
 ハクオロのほうが驚いて俺たちを見る。
「君は……リアンの姉だというのか?」
「そうよ。ただ私たちはリアンを返してもらいに来ただけ、用が済んだらさっさと帰るわ」
 ハクオロの腕がだんだんと下がっていく。……もしかして、難を逃れた?
500名無しさんだよもん:04/04/05 03:29 ID:3sxiMPAP
「騙されるな兄者!!」
 そう思っていたところにまた人が現れた。しかも厄介そうなのが。
「オボロ!?」
「そいつらはおそらく連合軍の手先だ! 兄者を油断させて倒そうという魂胆に決まっている!!」
「い、いや……しかしこの者たちはリアンの……」
 ハクオロが困ったような声を出すも、オボロと呼ばれた男は気にせず俺たちを睨みつける。
「人のいい兄者につけこむとは不届き千万!! 死ねえっ!!」
 そいつは持っていた刀で俺のことを切りつける。……ってさっきからなんで俺ばっか!?
 だが……再び長瀬さんの魔法でそれは弾かれた。
「なっ……結界か!?」
「あ、あんたも話を聞いてくれよ……。スフィーからも何とか言ってくれ」
 俺はスフィーに話を振る。
 こういうときは野郎の説得よりも女の説得。これに限るな、うん。
「だから、私たちは戦うつもりなんて全くないわ。だから武器も持ってないし……」
「…………ん」
 スフィーがそこまで言ったときだ、さっきの虎に乗っていた少女がオボロにあるものを見せる。
 ……それは、俺のリュック。しかも中に入っていたのは……細身の西洋剣。
 し、しまった!! 武器になりうるものはバリアントライフにおいてくるべきだった!!
「で、何処が武器を持っていないんだ?」
 俺のリュックを片腕で掴みながら俺のことを睨んでくる。
「い、いや……それはただの骨董品で……」
「……ふざけるなあっ!!」
 男は俺のリュックを思いっきり地面に叩きつけた。
 ……ってそんなことをしたら!!
「ま、待てえっ!!」
「な、なんだきさまっ!?」
 俺は自分でも今まで出したこともないスピードで男の前に走った。
 そしてすぐにリュックの中を確認する。どうか壊れないでいてくれ。
 ……俺の期待はおもいっきり裏切られた。
「ああーっ!! 古伊万里が!? 春楽がっ……!! せっかくホツもカケもない良品だったのに……!!」
「な、何を言っているんだお前は?」
501名無しさんだよもん:04/04/05 03:30 ID:3sxiMPAP
「お前に俺の気持ちが分かるかあっ!? これはな、五月雨堂向こう一か月分の商品だったんだぞ!!
 それがこんなにされちまって、俺にこれから一ヶ月どうやって暮らしていけっていうんだ!? まだガス代も払ってないのに!」
「い、いやそんなこと言われても……」
「スフィー、聞いてくれ! こいつのせいで俺たちはこれから飯も満足に食えないぞ!!」
「えぇーっ!? じゃあ結花のホットケーキは!?」
「そんなもんはしばらく食えん! それもこれもこいつのせいだあっ……!!」
 俺は男を睨みつけた。その瞬間男が怯む。
 これまで俺がしたこともない形相だったろう。それぐらい俺は鬼気迫っていた。
 俺とスフィーはまさにバイオ●ザードのゾンビのごとく男ににじり寄る。
「何それ……私のホットケーキを……」
「ああ。俺たちの一か月分の飯を奪ったのはこいつだ……」
「ま、待て待て。俺が悪かった、許してくれ!!」
 男が何かいったような気がしたが俺には聞こえん。
「飯……」
「ホットケーキ……」
「う、うわあ……!! 助けてくれ兄者ぁっっ!!」


「では君たちは別の世界から飛ばされてきたというのか?」
「ええ。基本的にはこの世界とは無関係な存在です」
 あれからどうにか誤解を解いた俺達はお互いの情報を交換し合っていた。
 なお、先ほどの不届き者、名前はオボロというそうだがそいつは隅でガクガク言っている。
 商人から商品を取りあげるのは自殺行為だと身に染みて分かったことだろう。
「……君たちにはすまないことだがリアンはここにはいない」
「えっ? じゃあ何処に……」
「それは……」
 ハクオロが説明しようとしたそのときだ。
 急に……

A 連合軍の奴らが襲いかかってきた
B 体が金縛りにかかったかのように動かなくなった
C 視点が切り替わった。(リアンorティリア視点へ)
502名無しさんだよもん:04/04/05 06:40 ID:plo1VeeS
A
503名無しさんだよもん:04/04/05 12:12 ID:3sxiMPAP
「……ムッ!!」
 ハクオロが急に自分の顔の前で扇を開く。
 ガツッという鈍い音が辺りに響いた。そして次の瞬間にはハクオロの足元に落ちている一本の矢。
 それからハクオロは吐き捨てるように言った。
「そこの者、隠れているのは分かっている。さっさと出て来い」
「……なんだこいつ!? どうしてこんなに正確に分かるんだ!?」
 横の茂みから出てきたのは数人の兵。おそらく連合軍のものだがチンピラと大差ない。
「即興で作られた軍団の落とし穴だな。兵の質がかなり下がる。
 あそこまで物音を立てられて気付かない奴はいない」
 気配の察知って言うのか? 俺は全然分かんなかったぞ。
 さっきのオボロもいつの間にか兵の後ろに移動している。……早い。
「……死ね」
 オボロは鋭い瞳で敵兵を見据えると、次の瞬間刀を薙いだ。
 ビュッと音を立てて飛び散る血飛沫。そして胴体と分かれる首。
 あれが……戦士の目って奴か? さっきの俺たちとは対応が全然違う。
 丸腰だったし敵意がないのが明らかだったから……なめられていたな。
「兄者、騒がしくなってきたな」
「ああ。気付いているか? ざっと数十人……囲まれている」
 ハクオロがそんなことを言う。
 ……って囲まれてるのかよ!? どうすりゃいいんだ!?
「兄者は退却してくれ。俺が食い止めておく」
「冗談言うな。お前一人じゃ流石に大変だろう。……アルルゥ、ムックルと安全なところへ」
「や。おとーさんと一緒にいる」
 女の子が目一杯否定する。親孝行な子だ。
 とはいえ、本当にどうすればいいんだ? 俺達はこいつらのような優れた武術があるわけでもないし……。
504名無しさんだよもん:04/04/05 12:13 ID:3sxiMPAP
(……おい、スフィー。魔法で飛んで逃げようぜ)
 俺はスフィーに目配せでそう合図するが……
「私たち相手に数十人なんてなめられたものね」
 ぜんっぜん気付いてねえ!! しかもやる気満々だし。
 なめてない、敵さんはなめてないよ。おまえのまじかるサンダーは俺と互角ぐらいの力しかないだろ!?
「な、長瀬さん! ここは逃げ……」
「強行突破しかありませんね。健太郎君、とりあえず物陰へ」
 長瀬さんもかよっ!? それに俺は戦力外通告か!?
 いや、確かに魔法も使えなければ武術が出来るわけでもないけど。
 そんなことしている間に敵さんたちがじりじり近寄ってきているのが分かった。
 ……えぇーい、男は度胸だ!! とことんやってやろうじゃないか!!

 いや、みんなすごいねー。
「はああっっっ!!!」
 ハクオロの一薙ぎで一人崩れ落ち、
「殺ャーーーー!!」
 オボロの斬撃でまた一人崩れ落ち、
「ガルルルル……!!」
 虎の噛み付きでまた一人崩れ落ち、
「まじかるサンダーバースト!!」
 スフィーの魔法でまた一人崩れ落ち、
「……むんっ!!」
 長瀬さんの魔法でまた一人崩れ落ちる。……えっ、俺? 俺はって言うと逃げ回ってます。
 こいつらいれば俺のやることない! 見てるだけで十分!!
 というわけで俺は逃げるだけ。……なのだが、なんだか敵さんが一人こちらに向かってるよ。
「えぇーい!! せめてお前ぐらいは殺してやるわ!!」
 ぎゃー!! やばい、やばいぞ!! 一般人狙うんじゃねえよ、武人の風上にも置けねえ奴だ!!
 こ、ここは一先ず……

A やっぱり逃げるしかないっ!!
B 普段の結花との小競り合いを活かして避けてみせるっ!
C 骨董品屋をなめるなっ!! 骨董品で攻撃を仕掛ける
505名無しさんだよもん:04/04/05 12:24 ID:QtfHuJm2
C
506名無しさんだよもん:04/04/05 20:34 ID:3sxiMPAP
 俺の力を見せてやるっ!!
 骨董品屋をなめるなっ! 常に骨董品屋は強くあれだ!!
 敵兵が俺に向かって刀を振り下ろしてくる。
 俺は瞬時にその軌道を見切り、その場にあった何かで防ぐ。
 ガチン!!
 鈍い音と共に俺の持っていた何かが砕けた。……ってこれは!!
 うちの商品の壺(4万3000円)じゃないか!!
 えぇーい!! もうやけくそだぁっ!!
 俺は散乱している骨董品のうち油絵を手にとって敵兵の頭に思い切り叩きつけた。
 バリバリバリ……!!
 まさにドリ●のコントのように額縁から顔を出す男の完成だ。
 原価は高かったが渦に飲まれてぐちゃぐちゃになってしまっていたからもはや未練はないっ!!
「……んなぁっ!?」
 敵兵のほうは驚いているようだがそれで俺の攻撃は終わらない。
 次に手に取ったのは皿。
 それを渾身の力で敵兵の顔に叩きつける。さきほどどっかの誰かさんのせいで割れちまっていたから丁度いい。
「ぐあぁぁっっ!!」
 悲鳴を上げて崩れ落ちる敵兵。どうだまいったか。
「こ、このやろうっ!!」
 別の奴がまた俺に向かってくる。
 俺はそれも冷静に対処し、目覚まし時計を相手の顔面にぶん投げてやった。
 ガツンという鈍い音と共に鼻を抑える敵兵。
『名雪……俺に奇跡は起こせないけど……』
 はずみでスイッチの入った目覚まし時計の音も滑稽さをなお誘う。しかしどうでもいいがとんでもない目覚まし音だ。
 そして息をつかせぬうちに西洋剣で斬りかかる。
「ちっくしょおぉー!! 俺の商品をかえせぇっ!!」
「う、うわ……おた、お助けぇっ!!」
 次の瞬間、敵兵はただのたんぱく質の塊になった。
「……兄者、今回の戦で俺は悟ったことがある」
「いうなオボロ。私もだ」
「「……げに恐ろしきは武人より商人」」
507名無しさんだよもん:04/04/05 20:36 ID:3sxiMPAP

「さて……片付いたな」
 ハクオロの声で俺たちは一息ついた。
「チッ、こんなところまで外の奴らが入り込んできやがるとは……」
「……城のほうは無事だろうか。何れにせよ一時帰還だ」
「了解っ!」
 ハクオロたちが歩き出す。
「ちょ、ちょっと待って!! 私たちも一緒にいくわ!! リアンが心配だもの!!」
「……いいだろう。ならついてくるがいい」
「なっ、兄者……!! こいつらは外の世界の者だ、不用意に信用は……!!」
「オボロ、彼女らは連合軍と敵対している。今おいていけばいずれ掴まって処刑だろう。
 私にはそれは見過ごせん。……何、彼女らがやる気なら先ほどの戦闘でやっていたはずだ、心配はない」
 ハクオロはふっと笑った。
 ……話が分かる奴で助かったぜ。

 城とやらはそこから歩くこと一時間ぐらいの場所にあった。
 街はまだ戦火にはさらされていないようだ、ちらほらと人の姿も見える。
 しかし、どこかよそよそしい。まあ当然か、いまは戦中だしな。
「見て、あの人たち。外の人たちよ」
「まあ、恐ろしい……。ハクオロ様はどうして外の連中なんか」
「さっさと追い出しちゃえばいいのに」
 いや、よそよそしかったのは俺たちが来たからか。
 ここの世界の連中はこの陸の奴らに何したんだ? ここまで嫌われてるとは……。
508名無しさんだよもん:04/04/05 20:37 ID:3sxiMPAP
 城の中に入っても扱いはとんでもないものだった。
 さっきから一つの部屋にずーっと押し込められっぱなしだ。
 なんでも彼らの聖典の神様が「外の世界の者は大きな災厄を運んでくる」と言ったからこんな扱いらしいが、
 まったく神様もろくなことを言わないな。ウィツアルネミテアだかなんだかって名前らしいが。
 ここにはさっきのハクオロたちのほかにも何人か新顔がいる。おそらくはこいつらの仲間だろう。
 ……にしても視線が痛い。明らかに敵意の視線だ。
「……というわけでリアンは他国の交渉に向かっている。おそらくは今ホロログの墓に到着したころだろう」
 ハクオロが長い説明を終えた。
「じゃあ、リアンは今ここにいないって言うの……!?」
「そういうことになる。直に戻ってくるだろうが」
 スフィーはがっくりと肩を落とした。
 まあ、無理もない。今まで散々苦労してここにきたって言うのに結果がこれだ。
 しかしそうなるとリアンが帰ってくるのを待つしかないな。一体何時になるのやら……。

 ……暇だ。やることが何もない。
 俺達は一応不法入国者だ。外出……というかこの部屋の外に出ることを禁止されている。
 まあ、どうせ一日かそこらぐらいしかかからないだろうし、俺もそれを待てないほどガキじゃない。
 実際外出を許されていてもこの張り詰めた雰囲気の中外に出るのは遠慮していただろうが。
 さて……リアンが戻ってくるまで何してるか。

A スフィーたちと今後の相談
B ハクオロに何か話題を振る
C オボロに何か話題を振る
D アルルゥに何か話題を振る
E 視点変更(リアンorティリア)
509名無しさんだよもん:04/04/05 20:45 ID:nZzhZ10B
D
510名無しさんだよもん:04/04/05 21:26 ID:3sxiMPAP
 そうだ。さっきの子と何か話でもしよう。
 さっきはわけも分からないうちに襲われたからな、誤解は解くのが一番だ。
「おい、ちょっと……」
 俺は話しかけようとしたが、
「……っ!!」
 避けられた。しかも露骨に。
 ……待ってくれ、それは傷つくぞ。怯えた目で俺のことを見ないでくれ。
「気を悪くしないでくれ、アルルゥは人見知りが激しい。
 知らない人に会うとすぐこれだ、しかも君らのような外のものとはあまり接触もした事がないしな」
 ハクオロがフォローを入れてくれた。ああ、なるほどそういうことか。
「アルルゥちゃんって言うのか、俺は宮田健太郎って言って骨董屋をやっている……」
 自己紹介しようとしたが今度はぷいっとそっぽを向かれた。
「……ま、まあそういうこともある。あまり気を悪くしないでくれ」
 今度はハクオロのフォローも空しかった。
「くすくすくす……」
 その時、笑い声が漏れてきた。
 だっ、誰だあっ、笑った奴は!?
 俺は笑い声の主を辿ると……一人の少女がいた、しかも羽つき。
「おにーさん、アルちゃんをナンパしようとしても無理無理。アルちゃん結構奥手だから」
「いや、ナンパしようとしたわけじゃなくて……って君は?」
「私? 私はカミュだよ。骨董屋の宮田健太郎さん」
 さっきの下りをからかわれた。しかも中学生ぐらいの子に。
「女の子と仲良くなりたいのなら、まず贈り物だよ。それがマナー」
「どんなマナーだ?」
「こ、細かいことは気にしない! とにかく古今東西お近づきのしるしとして何かプレゼントをあげるのが礼儀だよっ!」
 こくこくこく……と何処からともなく首を縦に振る音が。
 その主は……アルルゥちゃん。しかもご丁寧に両手を俺に突き出してる。
 なんだかオヤジ刈りされる中年の気持ちが痛いほど分かった気がしたぞ。
511名無しさんだよもん:04/04/05 21:27 ID:3sxiMPAP
「そんなこといっても今たいした物なんかないし、ここは一つ……」

A 天使のキーホルダーをプレゼントする
B 鈴をプレゼントする
C ストールをプレゼントする
D 人形をプレゼントする
E 割れた皿をプレゼントする
F スフィーをプレゼントする
512名無しさんだよもん:04/04/05 21:29 ID:ZfrDwbVQ
D
513名無しさんだよもん:04/04/06 02:50 ID:lOIsMxRj
「じゃあ、これで」
そういって健太郎君が取り出したのは古ぼけた人形でした。
あれは確か来栖川家から(勝手に)持ち出したものだったはずですが、気軽にあげてしまって良いんでしょうかねえ。
「へえ〜、ちょっと汚れてるけどかわいいじゃない。貴方なかなかセンスあるよ」
「(こくこく)」
まあお嬢さん方には好評なようですし、あれは健太郎君の所有物になったのだからかまわないでしょう。

A アルルゥ「ん。」(健太郎に何かを差し出しながら)
B カミュ「ねえねえ、私には?」(健太郎に物欲しそうな目を向けながら)
C カミュ「で、そっちのお兄さんは?」(長瀬に物欲しそうな目を向けながら)
D ???「オイデケェェェェェ!」(妖怪のような顔で人形に向かって突進しながら)
514名無しさんだよもん:04/04/06 02:53 ID:lOIsMxRj
しまった。Bはカミュじゃなくてスフィーのつもりだったのに・・・
515名無しさんだよもん:04/04/06 03:05 ID:QwKLv2mt
駄目だ、駄目なんだ、絶対に混乱するだけだ、
スレの進行考えると選ぶべきではない選択肢なんだー!!

と2秒ほど苦悩したうえでD
516名無しさんだよもん:04/04/06 21:25 ID:dxBXFlNe
「オイデケェェェ……」
 ん、何か聞こえた気がするな。気のせいか?
「オイデケェェェ……」
 また聞こえたぞ。今度は気のせいじゃない。
 一体なんだっていうんだ。そう思って俺は振り向いていたら……
「オイデケェェェェェ!!」
 ど、どわぁっ!! だ、大魔神!?
「トウカ、止すんだ!! あれはお前の人形じゃない!!」
「クケーーッ!!」
 トウカと呼ばれた女の剣士がものすごい勢いで俺に迫ってくる。
 ハクオロが羽交い絞めにして何とか持ちこたえているが。
 カミュちゃんとアルルゥちゃんは怯え俺の後ろに隠れている。
 一体何なんだよ!? 他の連中は我関せずといった表情であからさまに避けてるし。
「……かくなる上はっ!!」
 ハクオロがすっと拳を動かした。
「クケッ!!」
 それと同時に妙なうめき声を出して倒れるトウカ。
 ……当身を食らわせたのか。いや、一安心一安心。
517名無しさんだよもん:04/04/06 21:26 ID:dxBXFlNe
「……申し訳ない!! あまりにも某の持っていた人形と似ていたもので!!」
「い、いやいいよ」
 気がついたトウカに俺らは謝られた。
 何でもこの人何日か前から自分の大事にしていた人形がなくなっているらしい。
 そんな大事にしているのならちゃんと自分でなくさないように持って置けよ。
「しかし、後どのぐらい待たされるんだ?」
「私のほうからはなんとも言えん。リアンたちが上手くやれば今日にでも一時攻撃は止むだろうが」
「それじゃ、私たちはしばらく何もしないで待ってるしかないの?」
「そういうことになるな」
 それを聞いてスフィーはまたぶーぶー文句を言う。さすがレベル2、中身はお子様だ。
 もう何もしないで待つことに飽きが来たか。まあ、今まで良く持ったというべきだろ。
「つまんないつまんなーい!!」
「……そんなに退屈ならワシが遊んでやろうか?」
 突如、そんな声が聞こえた。
 その聞きなれない声に総立ちして身構える部屋の一同。
「キヒヒヒッ! 何を驚いているんだマルタどもめ」
 空中に、老人が一人浮かんでいた。
 こちらを下卑た笑みで見下ろしている。その老人は俺たちを見ると驚いたような顔をした。
「……おや、生きていたか。あの渦に飲まれればくたばると思っていたが。
 なかなかどうして人間とはしぶといものだろうか」
「な、何いっ!? じゃああの渦を引き起こしたのはおまえかぁっ!?」
「いかにも。ガディム様の忠実なる配下、このドーバン様がやったことだ。
 貴様たち外の世界の者はいるだけ邪魔だからな。生きていたとは計算外だったが」
「私たちを甘く見ないでよっ!! あんな渦から生き残るぐらいお茶の子さいさいよ!!」
 スフィーが強がって胸を張る。
 だがドーバンはそんなスフィーの行動を気にも留めずにハクオロのほうに向き直った。
「まあ、お前たちなど最初から眼中にない。ワシが用があるのはこの方だ……。
 そろそろ行動を起こしても良いのではないか? 闇の神様」
「闇の神? ……私のことか?」
 淡々とそんなことを言い放った。
 闇の神? 一体何のことだ? ハクオロのことを言っているようだが……。
518名無しさんだよもん:04/04/06 21:27 ID:dxBXFlNe
「……知らないな。私はハクオロだ、それ以上でも以下でもない。闇の神だのといったものとは違う」
「記憶を失くされたか……。それならばそれでもいい。あくまで我が主はガディム様のみ。
 しかし、役立たずの貴方には消えてもらう。貴方の加護を受けた闇の民を増やされてはたまらんからな」
 ドーバンはそういい捨てると同時に魔力を放出する。
「ぐっ……!!」
「けんたろ、こいつ凄い魔力だよ!!」
 スフィーにいわれないでも分かる。一般人の俺ですら感じるんだ、相当なものだろう。
 長瀬さんと同等か……あるいはそれ以上か。どちらにしてもやばいことには変わりない。
「聖上をみすみす貴様にやらせはせん!!」
 トウカがハクオロの前に立って刀を抜いた。他の奴らもそれに続く。
「マルタどもよ、邪魔をするつもりか? せっかくガディム様が貴様らの恨みの対象である人間どもをつぶしてくださるというのに」
 対してドーバンは自信たっぷりにトウカたちを見た。
(長瀬さん……勝算はどうでしょうか)
 俺はこっそり長瀬さんに耳打ちする。
(分かりません。ここまで人数差があれば大丈夫だとは思いますが……)
 長瀬さんは先ほどとは違い消極的な意見を出した。
 やはり相手が魔力もちだとすこし消極的にもなるのか。しかし、戦わないわけにはいかない……な。

A このまま健太郎視点でドーバンと対決
B リアン視点に行き王様たちと交渉
C ティリア視点に行って氷の神を復活
519名無しさんだよもん:04/04/06 22:27 ID:PvbxW9DD
B
520名無しさんだよもん:04/04/07 18:30 ID:Krqh+uvF
「ベナウィさん、最初は何処に向かうのです?」
 ホロログの中でリアンはベナウィに聞いた。
 最初というのは結構重要なものである。
 最初に恐怖感を煽る相手が強国であればあるほどその分同盟国の衝撃も大きいものだ。
 リアンはこの世界に来てまだ日が浅いのでどの国が強国かは把握できていない。
「まずはロイハイトへ向かいます。あの国は武力においては三国で一番優れている。
 そのロイハイトをまず抑えることによって我が国への攻撃は弱体化します。
 それと同時に他国の恐怖感を募らせることも可能です」
 ベナウィは淡々と説明する。
 そんな中でリアンはもう後に退けないことを薄々感じていた。

 ロイハイトの城下町は一瞬にして混乱の渦に落ちた。
 突如として現れた巨大な影。機械の駆動音と共に空から現れる「船」
 攻撃こそしてこないもののその威圧感は存在だけでも十分だった。
 突然のことに逃げ惑う民衆。出動はしたが対処のしようがなく戸惑う兵達。
 そんな中でホロログはロイハイトの城の上空に悠々と浮かんでいた。
「リアンさん、これからがあなたの仕事です。よろしく頼みますよ」
「……分かっています」
 そしてホロログは……

A 城の内部に着陸した
B 王室の窓にピッタリ付けてきた
C 艇内マイクで要求をロイハイト全国民に聞かせてきた
521名無しさんだよもん:04/04/07 18:33 ID:WiIkYh1W
C
522名無しさんだよもん:04/04/07 19:35 ID:Krqh+uvF
『ロイハイト国王及び全国民に告ぐ。我々トゥスクル・オンカミヤムカイ両国は貴国に要求する。
 一つ、連合国軍の我々の大陸からの撤退。
 一つ、連合国軍の無条件降伏。
 以上の二つ。なお、要求を認めない場合、古代の破壊兵器「アマテラス」で貴国を砲撃することを辞さない。
 アマテラスの威力は伝説などで周知のことと存じますが、それをお忘れなきように。
 我々はこのホロログと共にアマテラスも既に手の内である。繰り返す、ロイハイト国王及び……』
 その放送はロイハイト全国民を震撼させた。
 ロイハイトにもアマテラスの伝説は伝わっている。ただの伝説だと勘ぐる者もいなかった。
 何故ならば、彼らのホロログもまた伝説として伝わっていたからである。

 そんな中……
「な、何よあれ……」
「あれが……ホロログの翼っていう奴か?」
 ティリアたちは城下町でその放送を聞いていた。
 リアンたちが暗号解きに時間がかかったおかげで鉢合わせしたのである。
「アマテラスといえば……何千年も前に使われた最強最悪の古代兵器のことですよ!」
「まさか、あいつらがそんなものを持っていたなんて……リアンは止めなかったのかよ」
 ちっと舌打ちするサラ。だが文句を言おうにも相手は空の上である。
 そういっている間にホロログが城に着陸していた。
「ああ言って恐怖を煽っておきながら直談判。相手もなかなかのやり手ね……」
「どうするティリア? 言って様子だけでも見てみるか?」
「う〜ん……」

A 行ってみましょう。リアンがどうなったかも気になるし
B 駄目、私たちは氷の神様を復活させに行かなきゃ
523名無しさんだよもん:04/04/07 20:02 ID:ChTpne+D
B
524名無しさんだよもん:04/04/08 00:24 ID:g2kLBIcN
「駄目、私たちは氷の神様を復活させに行かなきゃ。
 私たちにはデュークを助けてガディムを倒すという使命があるのよ。
 それにこれは戦争の交渉よ、私たちがいってどうにかなるレベルの問題じゃないわ」
「……分かった。ティリアがそういうなら俺たちだって見なかったことにする。な、エリア?」
「はい。ですから……急ぎましょう」
 三人はそれから程なくしてロイハイトを離れた。
 目指すは氷の神殿が眠るフューネル山である。

「……ロイハイト王、これがトゥスクル國ハクオロ皇からの国書です」
 そのころリアンは一人ロイハイト王に使者として出向いていた。
 他の四人はホロログの中で待機である。
 ロイハイト王は国書を一通り読んでから驚嘆の声を漏らした。
「まさか……伝説のアマテラスが存在するというのかっ!?
 それをトゥスクル国が所持しているとは、そんなものがあっては我々の敗北は明白ではないか!?」
「ハクオロ皇は以前のような国交断絶状態を望んでいます。
 ですから……早急に軍を撤退させ、和平条約を締結して下さい」
「しかし……我々は下賎な獣人ごときに降伏することは許されん。それこそ国家の名折れ。
 それにラントール、シオンと協議もしないで私が独断で撤退を決定は出来ん。
 だから……少し日を貰おう。ラントール、シオンと協議できるほどの期間を戴きたい」
「分かりました。ハクオロ皇はあなた方が追撃をしない限りは砲撃も行わないでしょう」
 口では冷静に言葉を述べているリアンだったが、明らかにロイハイトに疑問を抱いていた。
 この国でも獣人に対する差別が存在することが遺憾なのであった。
 単一民族しかいないグエンディーナで育ち、そうした差別も経験したことのないリアンにとってそれは疑問であったのだ。
 結局今回の交渉は今後の結果待ちという形となった。
525名無しさんだよもん:04/04/08 00:24 ID:g2kLBIcN

 ティリアたちはフューネル山に到着した。
 三人が山を見ての一番の感想といえば……
「……さむいっ!! 何なんだこの寒さは!?」
「ちょ、ちょっときつ過ぎるわよ!?」
「こ、これは大変です……!!」
 寒いの一言だった。
「ダ、ダルヒダラ!!」
 エリアが堪らず炎の魔法を唱える。
 それによりティリアたちの周りは多少暖かくなった。
「そうだ……失念していた。たしかフューネル山は異常に寒く、
 そこを越えるにはロイハイトの王家に伝わる魔法薬が必要不可欠らしい」
「でも、今ロイハイトはあんな状態だし流石に貰いに行ける雰囲気じゃないわ」
「やはり、ここはこのまま行くしかないでしょうね。幸いにも私の魔法で多少は寒さをしのげますし……」
 エリアはそういうが、実際にはかなり無謀に近いものだった。
 寒さをしのぐために炎魔法を唱え続けるのは非常に負担である。
 普段一瞬でいい動作を継続させなければならないからだ。
 それに寒さをしのぐためにはある程度大きさも必要である。
「エリア、それは無茶じゃないか?」
「でも、それ以外に方法はありませんよ?」
「……分かったわ。エリアに任せる。でも駄目だと思ったらすぐに脱出よ? いいわね?」
「はいっ!!」
 かくして三人は魔法薬なしでエリアの炎魔法だけを頼りにしフューネル山を登ることになった。
 そして……

A 現実は非情である。エリアの魔力が尽きてしまった
B 歩いているうちに洞窟を発見した
C 歩いているうちにモンスターに遭遇した
D 歩いているうちに炎が服に燃え移ってしまった
526名無しさんだよもん:04/04/08 00:26 ID:PBgBaQQS
B
527名無しさんだよもん:04/04/08 12:45 ID:IlBoQsZC
もう、エッチなんだから。
528名無しさんだよもん:04/04/08 14:31 ID:gTWA564b
529名無しさんだよもん:04/04/08 17:02 ID:FvuniM6g
多分選択肢のBとDを勘違いしてんじゃない?
530名無しさんだよもん:04/04/08 17:08 ID:pEDQ6gu6
いや、>>527は洞窟を女性器の比喩だと曲解しているのだと思われ……
531名無しさんだよもん:04/04/08 20:35 ID:TS6RS1da
はいはい、雑談はここまでね。
532名無しさんだよもん:04/04/09 13:32 ID:WEvNcB0b
アスホール♪
533最下層民:04/04/09 23:01 ID:1DSo1yD9
最下層
534名無しさんだよもん:04/04/09 23:30 ID:NA7P98Bt

      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iキ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
       /  `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´  'i、
       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
       |  ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi  |
        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi  |
       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ
535名無しさんだよもん:04/04/10 00:05 ID:1IXgW6I3
536名無しさんだよもん:04/04/10 19:34 ID:pCtCiuZD
>>531
こいつのせいで荒れました。
537名無しさんだよもん:04/04/10 23:16 ID:yAKlnGsi
「エリア、大丈夫か!? あまり無茶はするな!!」
「……はい、何とか」
 歩き始めてから数十分、早くもエリアに苦痛の表情が浮かんできた。
 ティリアたちも手伝いたいところだがティリアは炎系魔法は使えず、サラは魔法自体が使えない。エリアに任せきりにするしかない状況だ。
「とはいえ……そろそろ限界に近づいてきたわね。休める場所が欲しいんだけど……」
「おいティリア、あれ見ろよ!!」
 サラがある場所を指差す。そこには洞窟の入り口があった。それを利用しない手はあるまい。
「おあつらえ向きね、あそこで休みましょう」

 中は意外に暖かかった。氷は中まで張ってはいたが、外気ほどの寒さはない。
 しかし、注目すべき点はそこではなかった。
「ティリア、あれ……」
 サラが指差したのは所々に立っている柱。
 それも、自然に出来たものではない。明らかに人の手が加えられたものである。
「柱みたいね。ということは……」
「ああ。ここがどうやら氷の神殿の入り口のようだな」
「でも……氷の民の力はまだ吸収してないわ。ここまで勢いで来ちゃったけれど」
 ティリアたちの問題はそこにあった。
 ロイハイト国は氷の神を崇めているわけではない。すなわち、氷の民はロイハイトにはいない。
 だから城下町では氷の民を探さずにここまで来たのであるが……。
「噂によると……氷の民は二千年ほど前に絶滅したと聞きます」
「それじゃあ、もうどうしようもないじゃない!! せっかくここまで来たのに……」
 ティリアががっくりとその場に座り込む。その時、コツコツコツ……と足音が聞こえてきた。
 その場が静かであったために逆に目立つその足音は段々と近づいてくる。
「な、何……この足音?」
「分からないが……誰かがここに向かっているみたいだな」
 三人は身構える。そして少しして現れたのは……

A 獣耳の女の子
B うさ耳の女の子
C 来栖川芹香
538名無しさんだよもん:04/04/10 23:18 ID:SvRksgXg
B
539名無しさんだよもん:04/04/11 15:47 ID:j6mVGPgq
しかし、よく圧縮を乗り切ったものだ。雑談も無駄ではなかったということか
540名無しさんだよもん:04/04/11 17:46 ID:j6mVGPgq
「ほう……久しぶりの客人か。かれこれ何年になるか分からんな」
 その人物はうさ耳の女の子だった。
 流石にフロリアよりは年上だろうが、どんなに頑張って年齢はティリアたちより幾分も下だろう。
「あ、あんたは?」
「余の事はさておき、そなたらは氷の神を復活させに来たのだろう?」
「どうしてそれを……」
「何、簡単なことだ。この山に寒さに耐えてまで来る理由は二つ。
 一つは薬の原料を取りにくること。しかしその原料はふもと付近に群生しておるからここまで来る必要はない。
 ならばもう一つ……氷の神に会いに来る、という理由が妥当だろう。そしてそんなことをするのは復活させるときだけ、ということだ。
 自己紹介が遅れたな、余の名前はアムルリネウルカ・クーヤ。いわゆる……最後の氷の民だ」
 クーヤはにやりと笑った。

「最後!? 一体どういうこと……?」
「それに、アンタのその耳……どうみても、獣人……」
「まあ待て。話には順序がある。確かに余は紛れもない獣人のたった一人の生き残りだ。そなたらが作った紛い物とは違う。
 それと、余がこの役目を担うことになったのは今から数年前の話だ。
 その頃はちょうどガディムとの決戦の真っ只中。同胞が何人も死んでいった時期だった……」
「ちょっと待ってください。数年前の話……ですよね?
 ガディムは二千年も前に封印され、あなたたち獣人はとうの昔に絶滅したはず……」
 エリアがそう指摘する。
「まだ話には続きがある。我々と神々は最終手段としてガディムを封印するという結論に至った。
 フィルスソードで倒してしまうのが最良であったが光の神が亡くなられてしまった以上それもできなかったからな。
 しかし……そこで一つ危惧があった。もしも今後ガディムが復活するようなことがあったら、だ。
 ガディムを倒すにせよ、封印するにせよ、五つの神の協力が必要不可欠だ。
 だから、余が神々の魔法で飛んだのだ。今後世界の拮抗が崩れる時代へと」
541名無しさんだよもん:04/04/11 17:47 ID:j6mVGPgq
「つまり、あなたは……」
「うむ、そなたらから見れば二千年前の人間ということになるな。余から見るとあれから数年しか経っていないが。
 さあ、早速余から力を吸収するのだ。そのためにやってきたのだろう? 長かった……余の役目もやっと終わる……」
「でも……それじゃぁ、あなたはまるでそのためだけに存在していたみたいじゃない!? あなた自身の行きたいという気持ちは!?」
 ティリアがそう言うと、クーヤはふっと笑った。
 そして……
「その通り、余はその為だけの存在じゃ。二千年前に栄えた獣人だけの国家クンネムカンの皇としての責任もある。
 だが、後悔はしておらん。今更しても遅いがな。サクヤ、ゲンジマル……みないい連中だった。天寿をまっとう出来たのであろうか……?」
 寂しい表情をしながら呟いた。
 おそらくクーヤの瞼には二千年前の光景が蘇っているのだろう。
「……分かったわ。じゃあ、行くわよ」
「うむ。存分に吸収するが良い。つかぬ事を聞くが……吸収とはどうやるのだ?」
「えっ……?」
 のほほんとした口調でクーヤが聞いてきた。
 流石にそれはティリアたちも予想だにしていなかった。そんな運命を背負っているものがやり方を知らないとは思わなかったからだ。
「それは……その、私と……性行為に及ぶってことよ」
「性行為? 何の行為だ?」
 クーヤはしかもセックスすら知らなかった。
 こんなこと、誰が予想できようか。クーヤは皇として大切に扱われたためかそういった知識が圧倒的に乏しいのである。
「え、えーと……」

A しっかり説明して納得してもらう
B 魔法で眠らせて気付かないうちにやる
C 唐突に襲う
542名無しさんだよもん:04/04/11 17:48 ID:ZhoD5Evl
A
543名無しさんだよもん:04/04/11 18:29 ID:j6mVGPgq
「つまりはね……というわけで……という事をするわけよ」
「なっ!? 赤子とはコウノトリが運んできてくれるものではないのか!?」
 一から丹念に優しく説明する。
 その内容はまさに小学生や中学生の保健の教科書みたいなものだ。
「……むぅ。それも余の役目、仕方ない……が」
「分かってくれるの?」
「もしも子供が生まれてしまったら責任はとってもらうぞ?」
「……女同士で生まれるわけないでしょっ!!」

 ティリアはクーヤの寝所に案内された。なお、サラとエリアは気を遣ってその場に残留である。
 部屋は比較的簡素な造りになっていた。
 クーヤはベッドにちょこんと座ると目でティリアに合図する。
「……行くわよ、クーヤ」
「う、うむ……どんとこい」
 ティリアはクーヤに近づいていき、するする……とクーヤの上着を脱がす。
 クーヤの素肌がどんどんさらけ出されていく。
 まだ完全に発育しきっていないのか、少々慎ましいその胸が初めにちょこんと顔を出した。
 体を見られ、クーヤはすこし顔を赤らめる。
「さ、流石に恥ずかしいな」
「大丈夫、直ぐに終わらせるから……」
 そして……

A クーヤはティリアに全てを任せた
B ティリアは事を終えた
C その頃リアンは……
D ドーバンと睨みあっている健太郎たちは……
544名無しさんだよもん:04/04/11 18:30 ID:v4Z3mnpk
B
545名無しさんだよもん:04/04/12 10:18 ID:PDWQNHDy
その選択肢だとティリアがタバコ吹かしながら
「野良犬にかまれたと思うんだな」って言ってるみたいじゃねぇかw
546名無しさんだよもん:04/04/12 15:08 ID:RCsDWzzL
えーと…ティリアは4人(+じじい)とズンパンしたんだから
あと一人でいいの?
547名無しさんだよもん:04/04/13 15:32 ID:kX0Ku20o
保守代わりに曙置いておきますね
            __,,,,,,
         ,.-'''"-─ `ー,--─'''''''''''i-、,,
      ,.-,/        /::::::::::::::::::::::!,,  \
     (  ,'          i:::::::::::::::::::::;ノ ヽ-、,,/''ー'''"7
      `''|          |:::::::::::::::::::::}     ``ー''"
        !       '、:::::::::::::::::::i
        '、 `-=''''フ'ー''ヽ、::::::::::/ヽ、-─-、,,-'''ヽ 
         \_/     ヽ--く   _,,,..--┴-、 ヽ
                     ``"      \>
548名無しさんだよもん:04/04/13 15:33 ID:kX0Ku20o
ずれてるー!!
              __,,,,,,
         ,.-'''"-─ `ー,--─'''''''''''i-、,,
      ,.-,/        /::::::::::::::::::::::!,,  \
     (  ,'          i:::::::::::::::::::::;ノ ヽ-、,,/''ー'''"7
      `''|          |:::::::::::::::::::::}     ``ー''"
        !       '、:::::::::::::::::::i
        '、 `-=''''フ'ー''ヽ、::::::::::/ヽ、-─-、,,-'''ヽ 
         \_/     ヽ--く   _,,,..--┴-、 ヽ
                     ``"      \>
549名無しさんだよもん:04/04/14 02:57 ID:iALcWNwD
干す
550名無しさんだよもん:04/04/14 20:49 ID:uiICAXgR
 ティリアも事を終え、氷の神を復活させに行くことになった。
 クーヤの話だと、この洞窟の奥に神殿があるとのこと。
 寒さをしのぐための魔法薬まで貰った。余談だが、魔法薬なしでこのフューネル山に特攻したのは前代未聞らしい。
「いろいろお世話になったわね」
「うむ。そなたらも自分らの使命を全うするのだぞ。それと……そこの者」
「ん、なんだよ?」
 クーヤは急にサラに話を振った。
「そなた……大分血は薄くなってはいるが我々と同じ獣人だな。身体的特徴は見受けられないが」
「俺が、獣人?」
 突然のことにびっくりして聞き返す。
 流石にサラもこんなことは予想できなかった。
「うむ、しかしそこまで血が薄くなってしまうと人間とあまり変わりないな」
「そういえば、サラって結構暴力的なところもあったし言われてみれば……」
「ティリアッ! てめ、このやろ!!」
 ティリアが冗談めいた茶化を入れる。
 その様子にクーヤは苦笑した。
「……ははは! 面白い連中だのう。その事実を知って訝しがることもなく笑えるとはな。
 そなたらのような者が多ければ我々も人間と分かり合えたかもな……」
「…………」
 そんなことを言いながら表情を淀ませた。
 ティリアたちは何も言えずにただ黙っていることしか出来なかった。
551名無しさんだよもん:04/04/14 20:50 ID:uiICAXgR
「さて、そろそろ大詰めだな」
「ええ。氷の神様を復活させれば終わりね」
「でも、氷の神様のところへ行くのにさし当たって問題がありますよ」
「分かってる。だからこうして『これ』を何とかしなくちゃって考えてるんじゃない……」
 三人は思案に耽っていた。
 もうあとは氷の神を復活させに行くだけなのだが、一つの障害が目の前に立ちふさがっていたのである。
 だから三人はそれを何とかするために頭を悩ませているのだが……。
 ちなみにその障害とは……

A とてつもなく入り組んだ迷路
B 扉の前に陣取っている魔物
C 落盤でふさがれてしまっている通路
D 神殿の入り口までに行く手を阻む罠の数々
E 人が通るとすぐに吠えてくる鎖で繋がれた見るからにウザそうな顔をした犬
552名無しさんだよもん:04/04/14 20:57 ID:D+39Dw5e
Dで
553名無しさんだよもん:04/04/15 22:36 ID:rYa2A/ps
保守
554名無しさんだよもん:04/04/16 22:24 ID:2LtkR6Xc
「でも、ここまで徹底されると骨が折れますね……」
 エリアがため息をついて前を見る。
 そして小石を持って前に放った。すると直ぐに下から針が突き上げる。
 先ほどからこのような罠の数々に行く手を阻まれているというわけである。
 魔法で一つ一つ解除していってはきりがない。
「どうする? こんなことしてたら日が暮れちまうぜ?」
「う〜ん……」
 ティリアは暫く考え……

A 「仕方ないけど一つ一つ地道に潰していくしかないわね」
B 「めんどくさい、攻撃魔法で罠を全部消し飛ばしましょう」
C 「労力も時間も惜しいし魔法で罠の位置を特定して避けていきましょう」
D その時、後ろから巨大な機械が現れた
E 交渉中のリアンはどうなった?
F それよりドーバンと対決中の健太郎たちを知りたい
555名無しさんだよもん:04/04/16 22:31 ID:QDzIexaC
B
556名無しさんだよもん:04/04/16 22:39 ID:2LtkR6Xc
二重投稿してた。スマソ
557名無しさんだよもん:04/04/16 22:58 ID:2LtkR6Xc
「めんどくさい、攻撃魔法で罠を全部消し飛ばしましょう」
 ティリアはそう言い切った。
「け、消し飛ばすって……!?」
「しょ、しょうがないじゃない! 一つ一つつぶして言ったらきりがないわ。だから、どーんと一発、ね?」
 ティリアが期待のまなざしでエリアを見る。
 つまり、エリアの魔法で全て吹き飛ばしてくれ……とのこと。
「私だって何処までやれるか……」
「そんなこと言わずに、私も手伝うから」
 エリアはしぶしぶ魔法の詠唱に入る。
 ティリアもそれに続いた。放つのは二人の得意魔法。
「……ウィンドバーン!!」
「ラインクルスッ!!」
 二人の言葉が重なり、辺りにとてつもない突風と雷が乱れ飛ぶ。
「ふ、二人とも! やりすぎなんじゃないかっ!?」
 サラがそう叫んだ気がしたが二人には聞こえない。
 二人の魔法は見る見るうちに通路を削っていく。
 そして丁度いいところで風と雷はやんだ。もう少し削っていたら完全に通路は崩れ去っていただろう。
「何とかなったわね」
「……このアホッ!! もしこの洞窟が崩れたらどうするつもりだったんだよ!?」
「ま、まあいいじゃない。結果的に成功したんだから」
「……ったく、行き当たりばったり過ぎるぞ」
 サラの文句を受けながら、ティリアたちは神殿へと向かった。
558名無しさんだよもん:04/04/16 22:59 ID:2LtkR6Xc

「やっとここまで来たな……」
「ええ。これが最後ね」
「ついに、私たちの苦労も晴れるんですね……」
 氷の神殿の中は重苦しい雰囲気が漂っていた。
 それもそのはず、ティリアたちにとってここは最後の場所だ。緊張もするだろう。
「じゃ、いくわよ……」
 ティリアはふぅっと息をつくと神殿の石像に近寄った。
―――−カアッッ!!!
 その石像は光に包まれ、次の瞬間には若い青年の姿になる。
 その若い青年、氷の神はティリアたちを見るなり、直ぐに口を開いた。

A 「直ぐにデルムの塔に向かえ」
B 「闇の民を探せ」
C 「闇の神について話そう」
D 「直ぐに逃げろ。ここはもうじき崩れる」
559名無しさんだよもん:04/04/16 23:03 ID:DvQSmxni
A
560名無しさんだよもん:04/04/16 23:03 ID:m/1n9xBl
C
561名無しさんだよもん:04/04/16 23:27 ID:2LtkR6Xc
「直ぐにデルムの塔に向かえ。我々の封印は解けた。今こそ真実を知るべきときだ」
「デルムの塔……?」
「シオンの北、湖の中心に位置する島、それがデルムの塔だ。通常の人間では到底到達は出来ない」
「じゃあ、どうやっていけば……」
「そなた等の努力で補ってもらう。これは一つの試練だ」
 氷の神はしれっと言い切る。
 しかし、それは普通に考えてとんでもないことだった。
「ちょ、ちょっとそれはどうやって……!!」
「我々はそなたらに期待している。必ずやこの苦境を乗り越えてくれるだろう。
 手助けの言葉を送るなら……ホロログの翼が助けになる、というところか」
 そこまで言い切ってから氷の神は例に漏れずに消えた。
「……あのくそ神がっ!!」
「何なんだあいつはっ!? 今まであってきた奴の中で一番の無責任さだっ!」
 いなくなってから誰ともなしに文句を言い続けるティリアとサラ。
「あ、あの……ティリアさんもサラさんも落ち着いて……」
「だけど、どうするのよ? 氷の神はホロログの翼とか言っていたけど何のことだか分からないし」
 そう言われてエリアは考え込む。
 氷の神は最後に「ホロログの翼」と言うものを自分たちに伝えたが、それは一体何なのか。
562名無しさんだよもん:04/04/16 23:28 ID:2LtkR6Xc
「とにかくここから出ようぜ。それから今後のことを考え……って」
 サラはそこまで言ってから言葉を止めた。
「どうしたの、サラ?」
「なんだか違和感が……。普段より力が漲っている気がするんだ」
 その時、三人の頭に不意に声が流れる。
『獣人よ、そなたの力を解放させてもらった』
「わっ!? な、何!?」
 しかし、よくよく聞くと先ほど聞いたばかりの無責任神こと氷の神の声である。
『そなたの中に使われていない力が眠っていたのでな。これからはそなたも魔法を使うことが出来よう』
「そうなのか?」
『疑うなら試してみるといい。では健闘を祈る』
 声が止んだ。サラは半信半疑になりながらも、右腕にすっと力を込める。
 すると、即座に腕の周りに冷気が集まり始めた。
「これは……!?」
「これは冷気の魔法ですよ。こればかりは相性の問題で私にも使うことが出来ません」
 エリアがそう注釈を入れる。どうやら氷の神が言っていたことは嘘ではないようだ。

 三人は神殿を出たが、大きな障害にぶち当たった。それは……

A 洞窟が崩れかかっている
B 魔物が待ち構えている
C 道がふさがれている
563名無しさんだよもん:04/04/16 23:30 ID:m/1n9xBl
A
564名無しさんだよもん:04/04/17 00:12 ID:qgZL1nG8
 ガクガク……と壁が揺れた。
 天井からは小さな岩の破片がぽろぽろと落ちてくる。そして轟々と音が響く。
「な、何……? もしかして……!!」
「洞窟が、崩れるのかっ!?」
 三人は同時に気付く。
「と、とにかく早く脱出しないと……!!」
 そして同時に走り出した。しかし、間に合いそうにないのは誰が見ても明らかであった。
 再び轟音が辺りに響いた。
 すると、ティリアたちが走っている場所の天井部分がずり落ちてくる。
 おそらく崩れてもろくなった天井が重みに耐え切れなかったのだろう。
「て、天井がっ……!!」
 驚愕の声を漏らすエリア。
「どーするんだっ!? だからあんな無茶をしなきゃ良かったんだ……!!」
 叫ぶサラ。
「だ、駄目!! 間に合わないっ……!!」
 懸命に走るも出口まで十数メートルのところで絶望するティリア。
 その場の三人は同時に目を瞑った。
 そして、一秒……二秒……。
 いつまでたっても天井は落ちてこなかった。
「ティリア、大丈夫か?」
 不意に声を掛けられる。ティリアが恐る恐る目を開けてみると……
「危ないところであったな。だが、余のアヴ・カムゥがある限り大丈夫だ」
「……クーヤ?」
 確かにクーヤの声が聞こえた。
 しかし、目の前にあるのは白い巨大な物体。
 ロボットなのだが、生憎ティリアたちにはロボットという概念がない。
 アヴ・カムゥはその両腕でしっかり天井を支えている。そしてハッチが開き、クーヤが姿を現した。
「何をしておる? 今のうちに早く通り抜けるのだ!」
「え、ええ……!!」
 三人はちらりちらりとアヴ・カムゥを見ながら通路を通り抜けた。
565名無しさんだよもん:04/04/17 00:13 ID:qgZL1nG8

 クーヤがアヴ・カムゥを乗り捨て、出口に到達したときに、そのときを待っていたかのように天井は崩れ落ちた。
「ふぅ……正に間一髪だったな」
 四人は外で一息つく。
「ありがとうクーヤ。おかげで助かったわ」
「何、礼には及ばん。だがまさかここが崩れるとは思わなかったがな。お陰で余の寝所が潰れてしまった」
 そのクーヤの言葉にティリアたちは苦笑した。
 まさか原因が自分たちだとは口が裂けても言えない。
「だが、目的は果たせたようだな」
「まあね」
 クーヤのその言葉に自信たっぷりの表情を見せる三人。
「これからどうするのだ? 余はこれから身を隠せる場所でも探しにいくが」
「私たちはこれからデルムの塔に向かうわ」
「何、あの場所にか? だがあそこは船を漕いでも元の場所に戻されてしまう。方法はあるのか?」
「う〜んと……」

A ロイハイトの上空に浮かんでいた乗り物の中の人を説得して運んでもらう
B 乗り物を襲撃してぶんどる
C サラの氷の魔法で湖を凍らせて進む
D 右足が沈む前に左足をあげて湖を走る
E クーヤの意見を聞いてみる
F そこに天の助け、助っ人が登場
566名無しさんだよもん:04/04/17 00:22 ID:6KShmieC
567名無しさんだよもん:04/04/18 22:33 ID:5d1o31Kn
保守
568名無しさんだよもん:04/04/19 18:44 ID:trKvLWFD
メンテ
569名無しさんだよもん:04/04/20 01:12 ID:xbhqjxuy
「正直言って思いつかないわ。クーヤ、何かいい方法はない?」
「そう言われてもな、余もこの世界で山を降りるのは今回が初めてのこと。二千年前とどう変わってるか皆目見当もつかんしな」
 クーヤが首を捻る。
 こればかりはクーヤでもかなりの難題らしかった。
 クーヤは暫く考えてからさらに言葉を繋げた。
「……よし、博打のようなものだがこれしかないだろう」
「何かいい方法が見つかった!?」
「それはな……」

A 「風の魔法を使って自分たちを吹き飛ばしデルムの塔へ行くのだ」
B 「二千年前、余が使っていた飛翼艇がある。もしも残っているのなら……」
C 「助っ人を召喚する。この笛を使ってな……」
D 「巨大なパチンコを作りそれで塔の最上部まで狙う」
570名無しさんだよもん:04/04/20 01:35 ID:9NS4G2VN
571名無しさんだよもん:04/04/20 20:34 ID:WCu7bsUw
「二千年前、余が使っていた飛翼艇がある。もしも残っているのなら……」
「飛翼艇?」
「巨大な人工的な鳥とでも、説明するべきかの? ともかく、それが残っていれば」
「デルムの塔に行けるのね」
「まあな。じゃが、正直なところ残っているとはとても思えん」
 クーヤのその言葉に一同は黙り込む。

「あの、もしかしてそれは『ホルルグの翼』というのではないですか?」
「ほう? 知っておるのか」
「やはりそうですか。ティリアさん達もこの言葉には聞き覚えがありますね?」
「え? 私は知らないけど」
「俺も知らないな。いや、まてよ。なんか最近聞いたような気も」
「まったく、二人とももう忘れたんですか?」
 エリアは呆れた顔でいう。
「先ほど水の神が言い残した言葉に『ホルルグの翼が助けになる』とあったでしょう。あのときは思い出せませんでしたが、空を翔ける鉄の翼の伝説を昔図書館で読んだことがあります」
「じゃあ、もしかして場所がわかるのか!?」
フルフル
エリアは首をふる。
「その本にはそこまでは書かれていませんでした。しかし、心当たりはあります」

A 「トゥスクゥルです。」
B 「かつてクンネムカンのあった場所です」
C 場所を指定してください。
572名無しさんだよもん:04/04/20 20:51 ID:xbhqjxuy
ちょっと待て、選択肢を見間違えてないか?
573名無しさんだよもん:04/04/20 21:12 ID:9NS4G2VN
明らかにBと間違えているな
574名無しさんだよもん:04/04/20 22:03 ID:xbhqjxuy
よし、こういうときこそ選択で決めよう。

>>571をスルー A する
          B しない(その場合>>571の選択も頼む)
575名無しさんだよもん:04/04/20 22:08 ID:M/c1SdLs
今は少しでもサクサク進みたいし、
敢えてBのC。そして場所指定は次の人に任せる。
576名無しさんだよもん:04/04/20 22:24 ID:ipu7QyAn
オンカミヤムカイで。
577571:04/04/20 23:18 ID:WCu7bsUw
ごめんなさい。
578名無しさんだよもん:04/04/21 23:50 ID:JH5oi5Be
「その本の最後に書かれていたんです。「オンカミヤムカイ」と……」
「オンカミヤムカイ?」
 聞き慣れない言葉にティリアが聞き返した。
「はい。おそらくは地名のようですが、その場所さえはっきりすれば……」
「……オンカミヤムカイなら余が知っておる」
「本当、クーヤ!?」
「無論。まさか二千年の時を経ても伝わっていたとはな」
 クーヤがぶすっとした顔で答えた。
「そのオンカミヤムカイがどうかしたの? 何か不機嫌だけど」
「そうか……そなたらはそこまでは知らぬようだな。もともとオンカミヤムカイとは国の名だ。
 しかも……二千年前、我々獣人の紛い物を作り出した張本人だ。
 とうの昔にそこの人間はある神の手によって滅びたはずだが」

579名無しさんだよもん:04/04/21 23:51 ID:JH5oi5Be

 その頃、そのオンカミヤムカイではハクオロたちとドーバンの対決の真っ最中であった。
「……しかし、お前たちはよくワシの思い通りに踊ってくれた。その点だけは感謝しなくてはな」
「踊る……だと?」
 警戒しながら聞き返すハクオロに対して、ドーバンは再び下卑た笑いを漏らした。
「ケーッケッケ! まだ分からないのですかな?
 闇の神よ、貴方様が統治していたヤマウラとか言う集落、何で潰れたんでしょうかねぇ……」
「何だと? ……まさか!?」
「そう、そのまさかよ。すべてはこのワシが仕組んだこと。あなたの国にバリアントライフを襲わせるための。
 その戦争の混乱に紛れてエチュードストーンを奪う作戦は失敗しましたがな」
 ドーバンはその笑みを絶やさずに右手に魔力を込め、「何か」をその場に召喚した。
「その意味でこの男は非常に役に立った。こいつが独断で和平を取り潰したのは計算外だったが」
 ドーバンが召喚した「何か」は、武器商人チキナロに他ならなかった。
 チキナロは何も言わずに倒れている。どう見ても生きてはいない。
「この男は、チキナロ……」
 ハクオロもチキナロとは多少付き合いがあった。
 付き合いと言っても国王と商人として、だが。
 国が成立して以来チキナロから武器を注文していたため、面識もある。
「まあ、用済みの駒は潰すに限りますな。……さて、そろそろおしゃべりはやめて、死んでもらいましょうか」
 ドーバンがすっと身構えた。その瞬間……
「死ぬのは貴様だっ!!」
 そんな怒号が聞こえてきた。
 いつの間にかオボロがドーバンの後ろに回りこんでいて、そこから不意打ちを仕掛ける。
 オボロの一撃がドーバンに命中すると、
 まるで予め打ち合わせをしていたかのようなタイミングでトウカ・カルラの二人が追撃をする。
 オボロが後頭部、トウカが心臓、カルラが首を正確に打った。しかし……
580名無しさんだよもん:04/04/21 23:53 ID:JH5oi5Be
「そこまで死に急ぎたいのか、マルタどもよ?」
「……!?」
 ドーバンはそよ風に吹かれたような態度を崩さなかった。
 三人の攻撃は確実に致命傷であったはず、なのにドーバンには傷一つもない。
「……結界ね。しかも私たちの世界のものやこの世界のものとも違う体系の」
 スフィーがつぶやいた。
「クククク……その通り。こいつは古代の魔法よ、こいつを破ることは貴様らには出来まい?
 注意するとすれば闇の神様だけだが、肝心の神様も記憶をなくされていては恐るるに足らんわ」
 スフィーたちはドーバンの余裕の態度の理由が分かった。
 彼はスフィーたちの攻撃を絶対に“食らわない”自信があるのである。
(……スフィー、正直どうだ?)
 健太郎がこっそりスフィーに耳打ちする。
(まずいかもね……あいつの結界強力よ)
 スフィーは先ほどよりも弱気な返事をする。
 暫く沈黙が流れ、最初に動いたのは……

A ハクオロ
B スフィー
C ドーバン
D アルルゥ
E 長瀬
F カミュ
581名無しさんだよもん:04/04/21 23:56 ID:MjhoK/tE
D
582名無しさんだよもん:04/04/23 00:34 ID:And1Vo+9
おお、ここであのイベントが・・・
583名無しさんだよもん:04/04/24 03:48 ID:klautBYW
584名無しさんだよもん:04/04/24 12:58 ID:lXy8xXTN
「おとーさんをいじめるの、だめ!!」
 不意に、そんな声がした。
 健太郎が見ると、先ほどのアルルゥがムックルに乗ってドーバンに突進する。
 意外だった。誰かの背に隠れるような、そういった娘だと思っていた。
 しかし、実際には誰よりも早く行動し、その勇気を見せている。
 先ほどから消極的な意見ばかり出している自分とは対極だ。健太郎には、そんな今までの自分が情けなく思えた。
「アルルゥ!? よすんだ!!」
 ハクオロが制止の声を上げるが、アルルゥは構わずドーバンに突っ込んでいく。
 ドーバンはそんなアルルゥの態度にも余裕の表情を崩さなかった。
「ふふふ……愚かな。ムティカパごときの力でワシに勝てるとでも思っているのか?」
 そしてそのまま何もしないでアルルゥとムックルの攻撃をじっくりと「観察」する。
 ムックルはまず爪でドーバンを裂き、飛び掛って頭から噛み付く。普通の人間なら勝負は決まっていただろう。
 だが、ドーバンはさも何もなかったかのようににやりと笑みを見せる。
「無駄だと言ったのがわからんようじゃな……」
「……っ!?」
 わざとだ。健太郎には即座にわかった。相手ほどの実力があれば身をかわすのも迎撃も出来たはずだ。
 だが、あいつは敢えてしなかった。受けきることによって圧倒的な力の差を見せ付けるために……。
 ドーバンは腕に魔力を込めると
「死ねぇっ!!」
 そのままその魔力をアルルゥに叩きつけた。
585名無しさんだよもん:04/04/24 12:59 ID:lXy8xXTN
 ムックルの上からアルルゥが宙に舞う。
 アルルゥの小さな体はゆっくりと弧を描き、そしてドタッという音を出して地面に投げ出された。
「ア、アルルゥ!?」
「…………」
 ハクオロがアルルゥに走りよる。
 アルルゥの体からは赤い水溜りが作られていた。素人でも一目でわかる。……危険な状態だ。
 アルルゥはうっすらと目を開けた。そして……
「お、おとー……さん」
 声も絶え絶えにそう言って微笑んだ。
 そして、アルルゥの体から力が抜けた。辛うじて息はあるものの、長くは持つまい。
「アルルゥ……何故……」
「やはり貴様らは愚かな生き物よ。蛙の子は蛙だな、人間と同じで直ぐに感傷的になりおる」
「な、なによ!? 蛙の子はおたまじゃくしよ!!」
 ドーバンの言葉にスフィーが反論していたが、ハクオロにはなにも聞こえていなかった。
「さて……早く皆死んでもらおう。ワシもなかなか忙しい、光の勇者どもは順調に事を進めているようじゃしな」
 ドーバンは再び魔力を込める。
 その様子にその場の者全員が警戒し、身構えた。ただし、ハクオロを除いて。
「まずは闇の神! 貴方からだっ!!」
 ドーバンの魔力の玉が雨のように容赦なくハクオロに降り注いだ。
 その時……

A ハクオロが変身した
B ハクオロが記憶を取り戻した
C ムックルがアルルゥの仇といわんばかりに逆襲した
D 健太郎が「骨董品屋をなめるなっ!! PARTU」発動
586名無しさんだよもん:04/04/24 13:24 ID:/2HMCC8i
ここでAだぁッ!!
587名無しさんだよもん:04/04/26 01:11 ID:RXP1TrPK
ほす
588名無しさんだよもん:04/04/27 01:31 ID:emF+MWbg
保守
589名無しさんだよもん:04/04/28 03:35 ID:+9p1QlU6
hosyu
590名無しさんだよもん:04/04/28 15:04 ID:6aoQYyZv
ほぅ
591名無しさんだよもん:04/04/29 00:16 ID:buhXo69X
保守代わりに質問。
ここの住人は今どれから崩してる?

A リアライズ
B アルルゥとあそぼ!
C クラナド
D それ以外
E なにもしてない
592名無しさんだよもん:04/04/29 00:27 ID:vvXR8e42
D
某S=R、なんか凄いシナリオ(;´Д`)
593名無しさんだよもん:04/04/29 00:51 ID:Zy5NdCKa
D
四葉と
594名無しさんだよもん:04/04/29 13:59 ID:wnIdRRKn
漢ならA
595名無しさんだよもん:04/04/29 20:07 ID:gWl2Wihh
Bから……
596名無しさんだよもん:04/04/29 20:37 ID:buhXo69X
ちなみに言いだしっぺの俺はB
>595
やっと同志発見
597名無しさんだよもん:04/04/29 22:43 ID:9kfmjj5I
Cなんだが……
598名無しさんだよもん:04/04/30 00:05 ID:J41yH1jU

ただいま再就職活動中で金もなければ暇もない('A`)
599名無しさんだよもん:04/04/30 22:17 ID:Kgr0z1Zv
 すうっと、辺りが光に包まれる。
 その場の全員が正視できないほどの光で、部屋は白く輝いた。
 その光の中心にいるのは……ハクオロである。
「な、何だと……!?」
 ドーバンは思わずのけぞった。
 正直に言うと、こんな展開は彼のシナリオにはない。
 光が止んで、現れたのは異形な「モノ」――龍と取れなくもない、魔人と取れなくもない、
 そんな存在がハクオロの代わりに立っていた。
 ドーバンはちっと舌打ちしてそのモノを睨みつけた。
「本性を表したか、闇の神……。化け物め!!」

 ドーバンは先ほどの魔力弾をその「モノ」に掃射する。
 魔力弾は全てが的確に相手を狙う。
「グオォォォッッッ!!!」
 その「モノ」は集中掃射をくらい一声吼える。
 しかし、吼えただけで何事もなかったかのようにドーバンを睨みつけた。
「な、何だと……!? まさか、全て急所に当てたはずだ、だとすると……!?」
 ドーバンの攻撃は完璧だった。人体の急所と同じ位置に自分の攻撃を全て当てたはずだ。
 相手に結界を張る暇も与えないほどだ。しかし、現実は……。
 そう、相手は守ったのでも避けたのでもない、耐えたのだ。ドーバンの攻撃全てに。
 多少ダメージはあるだろうが、まだまだ余裕はありそうである。それはドーバンにとって計算外であった。
 流石のドーバンも闇の神の真の力がここまで強大だとは思っていなかったのである。
 普段の状態ならば自分でも戦える自信はあったが如何せん今は分が悪い。
 船を一隻沈めるほどの渦を作り出したばかりだ、魔力も残り少ない。
 そんなドーバンがとった行動は……

A 逃げの一手。残りの魔力で脱出
B 特攻。闇雲にハクオロに攻撃
C 召喚。自分の手下を呼び出す
600名無しさんだよもん:04/04/30 22:24 ID:+JK210+g
B
601名無しさんだよもん:04/04/30 22:24 ID:rvAnH+tc
A
602名無しさんだよもん:04/04/30 23:13 ID:Kgr0z1Zv
(そんな、馬鹿な……ワシが、このワシが押されている!? こんな復活しかけの遺物などに……!?)
 ドーバンは再び魔力弾を放出した。
 一発一発は確実にハクオロに命中しているものの、ハクオロに効いている素振りはまったくない。
「まさか! まさか!? ワシが負けるはずなどはない! ワシは全能の魔術師!!
 ワシを倒せるものなどガディム様ぐらい! ガディム様を作り出した闇の神でさえ劣る要素はないはずだ!! 事実……」
 ハクオロはそのドーバンの言葉を最後まで聞かずにその腕を振り下ろした。
 バスッ!!
 結界に阻まれるも、それをものともしないで吹き飛ばす。明らかに、ドーバンの魔力はそこをついてきているのが見て取れた。
 ドーバンは壁に叩きつけられた。
「ヒャハ……ヒャハハハハ……」
 辺りに、ドーバンの乾いた笑いが木霊した。

 ハクオロがドーバンに止めを刺そうと近寄ったところで、その足を止めた。
 両手をふと見てみる。その両手は血を流したわけでもないのに赤く染まって見えた。
(待て……なんだ、これは……)
 ハクオロの意識が段々と戻ってくる。
 辺りを見ると、先ほどから乾いた笑いを漏らすドーバン、
 それに……ぼろぼろになって倒れている、アルルゥ。
 そしてアルルゥを無視し今正に敵を殺さんと進撃する自分。
(俺は、何をやっている……? アルルゥ、アルルゥを助けなければ……!!)
 そのとき、再び辺りが光に包まれた。
603名無しさんだよもん:04/04/30 23:14 ID:Kgr0z1Zv



「……さん!!」
 ……どのぐらい経っただろうか、誰かの声が聞こえる。
 誰だ……? もう少し、眠らせてくれ……。
 私はうっすらと目を開けた。
 そして最初に視界に飛び込んできたのは……

A アルルゥ
B 健太郎
C スフィー
D エルルゥ
E リアン
604名無しさんだよもん:04/04/30 23:41 ID:+JK210+g
Dだろうなあ。
605名無しさんだよもん:04/05/02 22:35 ID:YyZT9fHE
ほす
606名無しさんだよもん:04/05/03 21:24 ID:MoS9aSpi
「ハクオロさん、大丈夫ですか!?」
「……エルルゥ?」
 私が目を開けると、エルルゥが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「よかったぁ! 目を覚まさないから心配したんですよ?」
 エルルゥのその一言で今までの事態を思い出す。
 ……そうだ、ドーバンと名乗る魔術師が我々に襲い掛かってきて、それで……。
「……そうだ! エルルゥ、アルルゥは!? アルルゥはどうしてる!?」
「ア、アルルゥですか? アルルゥなら……」
 エルルゥは右を向いた。そこには……
「おとーさん、やっと起きた」
 元気そうなアルルゥの姿があった。
 ……どういうことだ? 確かアルルゥは、ドーバンの魔力で致命傷を……。
「一体、どうなっているんだ……?」
「ハクオロさん、まだ疲れが残っているんじゃないんですか?」
 エルルゥは心配そうにそう私のことを気遣ってくれた。

 後から話を聞いても腑に落ちないものだった。
 あの時、私が光に包まれた時気付いたらドーバンはいなくなっていたらしい。
 そして致命傷を負っていたはずのアルルゥもあの調子だ。
 私が考え込んでいるとベナウィが私の前に来た。
「聖上、もう調子のほうは大丈夫でしょうか?」
「ああ。心配を掛けてすまないな」
「いえ、聖上のお体は大切ですから。それから、今回の和平交渉の件ですが……」
 ベナウィがきりっとした顔つきで私に結果を報告する。
 そう、私が意識を失っている間に既にリアンたちは戻ってきたようなのだ。
 横ではリアンが涙を流しながら姉であるスフィーと抱き合っている姿が見られる。
 ベナウィは少し間をおいてから口を開いた。

A 「交渉は成立、連合軍は撤退を開始しました」
B 「交渉は決裂、残念ながら……全面対決しかありません」
607名無しさんだよもん:04/05/03 21:38 ID:wdkAKgFG
A
608名無しさんだよもん:04/05/05 19:07 ID:uNFlmF4M
「交渉は成立、連合軍は撤退を開始しました」
「そうか……」
 それを聞いて私はほっと胸をなでおろした。
 とりあえず、当面の危機は去ったといえる。
 後の問題は國の復興だな。
 今回の件で國は事実上壊滅したが、まだ人は残っている。
 私がゆっくり骨を休めることが出来る日は遠いな……。

 しかし、復興もしなければいけないが気になることがあった。それは……

A 先ほどの魔術師、ドーバンについて
B リアンたちのその後について
C 連合軍が条約を破る可能性について
609名無しさんだよもん:04/05/05 19:46 ID:8MEthN0J

そろそろまとめ?
芹香についても触れてやれよ。
610名無しさんだよもん:04/05/05 21:54 ID:uNFlmF4M
 そう、リアンたちのその後についてだ。
 私はリアンのほうに向き直った。リアンはスフィー、健太郎、長瀬の三人と談笑している。
「健太郎さん、長瀬さん、こんな見ず知らずの私のために助けに来ていただけるなんて……」
「いや、別に気にしなくて良いさ。スフィーの妹だし、困っている奴を捨てて置けなかったしさ」
 まあ、とりあえず問題は……ないか。リアンにはスフィーたちがいる。
 先ほどのドーバンの一件で彼女らの無実は証明されて晴れて無罪放免だ。
 出来ることなら迷惑を掛けてしまった埋め合わせぐらいはしてやりたいが。
「後は帰るだけなんですが……それもいろいろと問題がありますね」
 長瀬がため息をついた。
「え〜と、長瀬さんの親戚の人の言ってた来栖川さんって言う人も見つかってないですし……」
「私たちの魔力も今はかなり底をついてるしね。それに完全でも戻るのは結構危険な賭けだし……」
 どうやら彼女らは彼女らでいろいろと問題を抱えているようだ。
 ならば……私は手を差し伸べてやらなければなるまい。

「話は聞かせてもらったぞ」
 私は四人の間に割って入った。
「ハクオロさん……」
「我々もドーバンの計略にかかりリアンに迷惑をかけてしまった。ぜひ手助けをさせてくれ」
「そんなこと言われたってな。あんたが手助けできることといったらなんだい?」
「確かにトゥスクルは一時壊滅し、私は全てを失ったかのように見える。だが、全てを失ったわけではない。
 幸か不幸か、ホロログは健在だ。こいつなら場所移動には不自由しない。
 そしてもう一つ、私が蓄えた知識も残っている。君らの帰りのための魔力についてあてもある」
「あて……?」
「ああ、それは……」

A デルムの塔。不意にそんな名前が私の脳裏によぎった
B ソリアの樹海。そこに何かあるはずだ
611名無しさんだよもん:04/05/05 22:03 ID:9/TqRHxM
フィルスはわからないけど、書き手の人を信頼してる。
きっとどちらでもどうにかなる術があるはずだ。Aで
612名無しさんだよもん:04/05/05 22:04 ID:9/TqRHxM
フィルスはわからないけど、書き手の人を信頼してる。
きっとどちらでもどうにかなる術があるはずだ。Aで
613名無しさんだよもん:04/05/05 22:05 ID:uNFlmF4M
>>611
OK、信頼されたぜ。俺だって今回は最初のほうから関わってたから完結させたい。
そしてあんた、魁先生も信頼し(ry
614名無しさんだよもん:04/05/05 22:07 ID:9/TqRHxM
二重すまん
615名無しさんだよもん:04/05/05 22:49 ID:uNFlmF4M
 デルムの塔。不意にそんな名前が私の脳裏によぎった。
 そして……
「デルムの塔……」
 気がついたら口がその言葉を発していた。
「デルムの塔? その場所に一体何が?」
「いや……私にもわからん。自然と、口が動いていた。こう、なんと言ったら良いのか……。
 何か予感めいたものを感じた。何か、重要なものが関係しているような……」
 なんで、そんな聞いたこともないような場所を言ってしまったのだろうか。
 魔力についてはカミュとウルトに協力を仰ごうと思っていたはずだが……。
「それは……ハクオロさんの記憶とかかわりがあるのですか?」
 エルルゥが話に入ってきた。
「……どうだろう。だが、そこに何かある、それだけは間違いないと思う」
 辺りは暫く静寂に包まれた。そして……
「分かったわ、どうせ他に何かあてがあるわけでもないし、芹香さんのついでだと思えば良いし……」
 スフィーの肯定の声だけが返ってきた。
 他の面々は何も言わない。つまりは、全員賛成とのことなのだろう。
「そうか、では早速向かおう。ホロログに乗ってくれ」
 私たちはデルムの塔に向かうことになった。
 聞いたことのない場所のはずなのに不思議と行き先が分かる。
 これも何かの啓示なのだろうか……。

 その頃、同じデルムの塔を目指すティリアたちはクーヤの助言の元オンカミヤムカイに向かっていたが、
 今のティリアたちは……

A 実は全然進んでいなくまだフューネル山周辺をぶらついていた
B オンカミヤムカイにわたるための船を捜すためにロイハイトの港ボスニアまで来ていた
C なんだかんだいってハクオロたちがドーバンと対決している間にオンカミヤムカイに到着しばったりハクオロたちの前に出くわしていた
616名無しさんだよもん:04/05/05 23:02 ID:vqlLWBu3
ご都合主義C
617名無しさんだよもん:04/05/06 11:55 ID:TXFxTsjq
ああ、「到着し、ばったり」ね
「到着縛ったり」ってなんだ!?と思ってしまったぞw
618名無しさんだよもん:04/05/06 17:56 ID:IX/yW85F
「結構あっさり着けちゃったわね」
「何でも軍隊を撤収するからって、そのための往復船に乗れたのが幸いだったな」
「さて、もうそろそろのはずだが……ってあれは!?」
 四人がふと上を見上げた。そこには……

 その上空――
「まさか飛行船がこの世界にもあったなんてな……」
「旧世界の遺産だ。我々の技術だけで作ったものではない」
 健太郎たちはホロログに乗り込み、来栖川芹香を探しながらデルムの塔に向かっていた。
 新たに乗った健太郎、スフィー、長瀬の三人は中がくつろげる造りになっていることに少し驚いていた。
 なお、ホロログに搭乗しているのはハクオロ、リアン、スフィー、健太郎、長瀬の五人だけである。
 他のメンバーは復興作業に従事だ。
「けんたろけんたろ!! ここから見ると人がゴミのようだよ!!」
「なんつー例え方だよ……」
 ブリッジで五人は談笑する。そのとき、リアンはふと外を眺めた。そうしたら……
「あら……あの人たちは!!」
 偶然ティリアたちを発見していた。
619名無しさんだよもん:04/05/06 17:57 ID:IX/yW85F

 その後、ホロログでは……
「まったくそなたらは! このホロログは余の飛行船であるぞ!!」
「まあまあクーヤ、抑えて抑えて」
 ティリアたちは問題なくホロログに搭乗させてもらった。行き先が同じだというのもあったが。
 お互い顔合わせを済ませる。ハクオロの番になったとき、クーヤは顔をしかめた。
「お前は……」
「ん、私がどうかしたか?」
「まさか……闇の神、なのか?」
 核心をつく言葉だった。
 先ほどドーバンに言われた言葉、それをクーヤは再びハクオロの前で聞かせていたのだ。
 辺りが静まり返る。
 闇の神といわれてぎょっとするティリア・サラ・エリアの三人。そして……驚いた顔をするハクオロ。
「闇の神……あの男も言っていたが、それは一体なんだ? 私にはわからない……」
「……なるほど、記憶がないのか。ならばいい。出来るなら、思い出さないでいて欲しいが……」
 その後は飛行船内は無言であった。

 デルムの塔に着いた九人だが、デルムの塔を登るに当たって問題があった。それは……

A デルムの塔は五人しか入れない
B 中に超強力な魔物がうじゃうじゃいる
C とてつもなく入り組んだ迷路と厄介な罠があって攻略が不可能に近い
D 塔の入り口に鍵がかかっている
620名無しさんだよもん
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