1、たいやき屋の占有を侵害しているから、横領ではなく窃盗。
「自己の占有する他人の物」であっても、その他人にも占有があれば窃盗。
>>70では、あゆの目の前で代金支払いを待つたいやき屋にたいやきの占有がある。
もう少し実質的に言えば――
横領が窃盗に比べて軽く処罰される理由として挙げられるのは、
(1) 他人の占有を侵害しないため、違法性減少
(2) 他人の占有を離れて自己の占有に帰した物であるため、誘惑が強く、責任減少
の二つ。
委託に基づく場合が委託物横領、そうでない場合が占有離脱物横領。
>>70では、
たいやき屋は鯛焼きを手渡し、あゆの目の前で代金支払いを待っているのであり、
代金支払いがなければその場で直ちに「鯛焼きを返してくれ」となるはずのところであるから
(このような事情の法的評価が「占有あり」ということ)、
上のような違法性減少・責任減少が認められる事例ではない。
あゆは、鯛焼きを持って逃走することにより、
鯛焼き屋の鯛焼きに対する占有を侵害したと言える。
参考として、以下の事例ではいずれも横領ではなく窃盗を認めるのが判例・学説である。
括弧内は占有を侵害される者。
(1)宿泊客が、着用している丹前・浴衣を領得(旅館主)
(2)売り場の店員が、商品を領得(店主)
(3)倉庫番が、倉庫内の政府管理米を領得(農業会長)
2、鯛焼き屋の交付行為がないから、詐欺ではなく窃盗。
仮に、あゆが初めから代金を支払わずに逃走するつもりであったとしても、同様。
交付行為の有無が、窃盗と詐欺とを区別する。
交付行為があるというためには、「占有が終局的に移転」することが必要であると言われ、
また、交付者に「占有の弛緩」の認識があるだけでは足りないとも言われる。
たいやき屋が、あゆがその場で直ちに代金を支払うことを予定して、
つまり、代金支払いがなければすぐに返してもらうつもりで、
先にたいやきを手渡す行為は、そのような交付行為の要件を充たさない。
参考
(1)洋服の試着を許された者が、店員の隙を見て逃走した場合は、窃盗。
(2)詐欺の目的で金銭を用意させたが、
被詐欺者が現金を玄関において便所にいった隙にこれを持ち逃げした場合は、
これを詐欺とする判例があるが、有力学説は窃盗とする。
(3)自動車販売店で、自動車の試乗のために一定時間の単独走行を許されて、
そのまま乗り逃げした場合は、詐欺。
(4)無銭飲食の場合は、代金支払いの意思がないのに注文し、
一部食べた時点で詐欺の既遂とされているが、この場合には、
料理を出せば代金支払いの前に客が食べてしまうことを当然の前提としているので、
上の交付行為の要件を充たすとされるのであろう。
(5)二項詐欺の事例で、旅館の宿泊客が、代金支払いを免れるため、
「映画を見に行ってくる」と言って外出してそのまま逃げた場合について、
交付行為なしとして詐欺を否定(利益窃盗で無罪)とした判例があるが、
有力学説は反対。
ちなみに、
>>70では、
たいやきを持って逃げた点について一項犯罪が成立するかという問題と、
代金支払いを免れた点について二項犯罪が成立するかという問題とがある。
前者については、上の通り、窃盗。
後者については、利益窃盗として、犯罪不成立。
>>77-80 おお、説得力があるな。
「横領でない理由」「詐欺でない理由」はわかったが、↓にも反論してもらえるか。
316 名前:名無しさんだよもん 投稿日:03/08/15 00:20 ZCTpKNSW
そもそも無理矢理あゆの行為を窃盗罪にする必要ってあるんかね。
なんか感情先行で無理やり窃盗罪という結論を導きたい人がいるようだけれど。
あゆが盗んだなら窃盗だろうけど、今回の場合は売買の意志は相互にあったんだし、
親父も同時引渡しでなく金銭の受領後の引渡しでもなく、事前引渡しを実行したのだし。
親父側の売買意志そのものは明白なんだから、あゆに要求できるのは代金未払いへの
民事請求のみなんでないの?
別にあゆが勝手に取ったわけじゃないんだし。(今回のケースでは)
売買契約は成立、あくまで債権取立てだけが残ってるという判例の立場で別に問題ない
ケースだと思うのだけれど。
>>78の補足。
窃盗と占有離脱物横領との区別、つまり、被害者に占有があるか否か。
(1)バス待ちの行列に並んでいた被害者が、カメラを傍らに置き忘れ、
そのまま行列は改札口のほうに進んだが、
距離にして約20メートル、時間にして約5分のところで
気がついて引き返したところ、既に持ち去られていた → 窃盗
(2)列車待ちの列の中にボストンバッグを置いたまま、
電報を打つため約十分離れた → 窃盗
(3)大規模スーパーマーケットの6階のベンチに財布を置き忘れ、
地下1階に移動して10分後に気がついて戻った → 占有離脱物横領
(4)事実上自転車置場として利用されている人道橋に、
14時間、無施錠で自転車を放置した → 窃盗
(5)自転車を路上に放置し、その場所を忘れた →占有離脱物横領
このように、被害者の占有は、それなりに広い範囲で認められている。
>>81 たいやきの所有も占有も、売買契約の成立およびその履行により、
合法にたいやき屋からあゆに移転している、という趣旨でいいのかな。
占有の移転については、上に書いた通り(たいやき屋には刑法上の占有あり)として、
所有の移転について。↓
まず、前提として――
(1)民法上は、民法176条(物権変動における意思主義)の解釈として、
「売買契約の成立と同時に所有権が移転する」というのが伝統的通説であったわけだけど、
最近の学説では、176条は、
「意思表示さえあれば、書面などの形式を要することなく、所有権は移転する」というにとどまり、
「所有権の移転時期が契約成立と同時である」とまでいったものではないとして、
代金支払い・目的物引渡し・登記移転の有無を考慮する説が有力となっている。
さらに進めて、所有権の各効果(物権的請求権、使用収益権など)について
個別に移転時期を考えれば済むのであって、
所有権自体の移転時期をある時点に特定する必要はなく、
契約が順次履行されるのに応じて段階的に移転すると考えればよいとする学説もある。
ただ、この話は、例えば不動産などの売買が念頭に置かれていて、
そもそも屋台やコンビニでの売買というのは、民法の教科書だと、
契約成立と同時に履行される売買(現実売買という)とみなされていたりするわけだけど。
民法学者は、
たいやきひとつちょうだい → あいよ → たいやきを手渡す → 代金を手渡す
を全体として見て、「契約成立と同時に履行された」と考えるのではないかなあ。
つまり、
>>70の場合には、契約交渉の途中で持ち逃げされたと。
まあ、ともかく、民法上も、代金支払いがないうちは、所有権の移転がないとする余地はある。
(2)ところで、民法はともかく、最近の刑法学説においては、
刑法上保護される所有の有無について、民法を参考にしつつも、
最終的には刑法固有の考慮(刑罰を科すべきか否か)によって決めるべきとするのが大勢。
で、その刑法固有の考慮だけど――
教科書なんかだと、横領罪のところで、
「他人に刑法上の所有があるか否か」(「物の他人性」)
が問題となる事例について議論されてるね。
(1)不動産の二重売買の事例では、
第一譲受人が代金を支払い済みの場合には、
保護に値する所有があるとして、横領が成立するが、
そうでない場合には、いまだ保護に値する所有がなく、不成立とするのが多数説。
これは、売主が物を処分したという、
>>70とは逆の事例。
上に書いた民法の伝統的通説によれば、所有権は移転しているはずなのに、
刑法上は、代金支払いがなければ横領不成立とされていることに注意。
(2)自動車の所有権留保売買で、買主が代金完済前に目的物を処分した場合に、
横領が成立するとした判例があり、学説の多数も賛成している。
留保所有権が、実質的には担保権であるにもかかわらず、
刑法上保護に値する「所有」であるとされていることになる。
こちらは、
>>70と同様に、代金未払いの買主が処分した場合であり、非常に参考になるね。
>>70の結論としては、屋台でのたいやきの売買において、
たまたま先にたいやきを手渡したからといって、代金支払いもないのに、
(刑法上保護に値する)所有を失うというのは不当。
というわけで、窃盗が成立するとして問題はないんじゃないかな。
なお、窃盗であって横領でないのは、上に書いた通り、たいやき屋に占有があるから。
自動車の所有権留保売買では、売主に占有がないので、横領。
>>70だとあゆの占有取得時にそもそも不法領得の意思が存在していないんじゃないか?
窃盗の成立するとは思えないが。(占有の移転時期の解釈の差だろうが)
>>70の二段階目であゆにたいやきの占有を認めるなら、
現行法上利益窃盗は成立せず、窃盗罪も不成立。
行為者が代金支払いの猶予という利益があるにせよ欺罔行為も相手方の
処分行為があるわけではないから詐欺罪は認めにくい。
>>86 俺が上で「窃取」行為にあたると言っているのは、
たいやきを受け取ったことではなくて、それを持って逃走したことだね。
「窃取」の定義は、「他人の占有する財物を、
その意思に反して自己の占有に移転させる行為」などとされているけど、
上に書いたように、受け取った時点では、まだたいやき屋の占有が及んでいる。
たいやき屋の占有が侵害され、占有があゆに移転するのは、逃走によって。
逃走開始の時点で既に占有侵害の故意も不法領得の意思もある以上、
窃盗が成立することに問題はないと。
「
>>70の二段階目であゆにたいやきの占有を認めるなら」というのは、
「たいやき屋の占有喪失を認めるなら」という意味にとっていいのかな?
とっていいとして、やはりそれは肯定できないと思うな。
前スレをちょっと見たら、「たいやきを手渡した時点でたいやき屋は占有喪失」
という意見がわりと多かったみたいだけど、
>>78や
>>82にいくつか例を挙げたように、刑法上保護に値する占有はそれなりに広い。
たいやき屋があゆの目の前で、今手渡したたいやき代金の支払いを待っている状況では、
占有喪失は肯定できないと思う。
なお、繰り返しになるけど――
仮に初めから代金支払いの意思がなかったとしても、
やはり窃盗であって詐欺にはならないというのは、たいやき屋が、
当然代金の支払いを受けられるだろうという錯誤に陥り、たいやきを手渡す行為が、
>>79で書いたように、たいやきの占有を終局的にあゆに移転させるものといえず、
したがって、「交付」行為にあたらないから。
その後の持ち逃げが「窃取」行為と評価されることにより、窃盗になる。
(ただ、窃盗の実行の着手時期(未遂の成立時期)がいつか、
ということについては、わりと微妙かなあ。)
また、やはり
>>79で書いたけど、無銭飲食の場合に詐欺が成立するのは、
料理をテーブルに運んでくれば、
客が代金支払いの前に食べてしまうことを当然に予定しているので、この時点で、
占有を終局的に移転させる(財物の処分を終局的に委ねる)意思(交付意思)も認められ、
「交付」行為と評価できるからだと思われる。
(これに対して、たいやき屋の場合は、「お嬢さんが直ちに金を払うのでなけりゃ、
俺が今手渡したブツは返してもらうよ。」と思っている。)
したがってまた、そのような「交付」行為に向けられた「料理を注文する」行為は、
「欺く」行為にあたる。そういうわけで、一部を食べた時点で一項詐欺の既遂になる。
もしかしたら、
「たいやきを手渡した時点でたいやき屋は(刑法上の)占有喪失」と考える人は、
「親父も同時引渡しでなく金銭の受領後の引渡しでもなく、事前引渡しを実行した」
という点をちょと重視しすぎてるのかな?
引渡しが1ヶ月も先履行だとか、
>>85のような所有権留保売買とかであれば、
それもわかるんだけど、
>>70はいわゆる現実売買で、
たまたまちょっと先にたいやきを手渡した、というだけだからなあ。
だからこそ、あゆは逃げたわけで。
金を払えない以上、直ちに返還すべきことがわかっていたから。
例えば、駅のホームの売店で、新聞を手に取って、
「これください。」「はい。120円です。」というやりとりがあってから、
金がないことに気づき、それを持ったまま逃走した、という場合には、
「新聞を手に取った時点で(刑法上の)占有は移転したが、
そのときには金を払う意思があった。よって、窃盗は不成立」
と言う人は、あまりいないんじゃないかな?(それともいるのかな?)
>>70も、刑法上の評価(所有侵害の有無、占有侵害の有無、
占有移転が意思に反するか瑕疵ある意思に基づくか、等々)の点では、
この場合と実質的に変わるものではない、ということかな。
自動車の所有権留保売買の事例であれば、売主は、
買主が代金完済前から自動車を使用すること、
それを禁止して自動車を自分の手元に置いておけるものではないこと、
要するに、自分が占有を喪失し、占有が買主に移転することを是認している。
したがって、刑法上の評価として、占有侵害はない(所有侵害はある)とされて、
窃盗ではなく横領になる。
前スレ見たら、
>>81のコピペ元の、
「売買契約は成立、あくまで債権取立てだけが残ってるという判例の立場」というのは、
民事判例が「特約ない限り契約成立時に所有権が移転する」という立場を採っていることを
言ってるみたいだね。
この点については、
>>84の(2)ということかな。
刑事判例も、窃盗罪の保護法益(本権説か占有説か)、
権利行使と恐喝、建造物損壊罪における建造物の他人性について、
民法上の権利関係の判断を回避する立場をとってる。
ついでに言えば、民事判例にしても、
結局は「契約の解釈」などによって不都合な結論を避ける、
というところだと思う。
>>78 >横領が窃盗に比べて軽く処罰される理由として挙げられるのは、
>(1) 他人の占有を侵害しないため、違法性減少
>(2) 他人の占有を離れて自己の占有に帰した物であるため、誘惑が強く、責任減少
>の二つ。
_ _
〃┏━━ 、 _________________
| ノノソハ))) /うぐぅ、おいしそうな鯛焼きが
(\リリ ´ー`)リ < 鯛焼き屋さんの手を離れてボクの手に渡されたから
(ニE(#⊃o⊂#) \誘惑が強かったんだよ。責任性をもっと軽く見積もってよっ。
/__∞_|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(_f_)_f_)
あゆが財布を持っていなかったことは原始的無効に当たりませんか。
その辺を言い出すと、そもそも生き霊うぐぅさんの責任能力も問題にせんといかんわけで。
>>94 生き霊は法の想定外だが、財布を持ってないという状況は法の想定内だろ。ごっちゃにするな。
メンテ
しかし、なんだな。
葉鍵系の中ではおそらく最も有名な犯罪(らしき物)なのになかなか纏まった結論が出ないってのは、
やっぱ、難しい問題なのかね、これは。
98 :
名無しさんだよもん:04/03/03 03:18 ID:it8OWWOD
>>97 まあ結論的には3つに絞られると思うんだけど、理由付け如何でどれにも転がりうるから
もめてるんだと思われ。
多分、このまま完全に一つに統一はされないんじゃないかな?
しかし、事例や問題作ったりするのって難しいな。
殺人とかは葉鍵でまず無いし、典型的なのはあまりおもしろくないし・・・
お財布忘れましたごめんなさいで返せばすむところを、持って逃げるから話がややこしくなるんだよな。
まぁそれ言ったら始まらないわけだが(´д`)y-~~~
ところで追いかけている間、販売ができなかった時間分を営業妨害? とかで、なんか請求できたりするのかね?
精神的苦痛とかなんとか言い張れそうだが。
>>98 しかし、今のところ
>>77以降の窃盗説がほぼ決め手だろ。
有力な反論も出てないし、他と比べて説得力が段違い。
>>102 2ちゃん専用ブラウザだと長文見づらくて反論暫く
据え置きにしておいたんだが、やった方がよければ。
ちなみに漏れは横領罪説。
まず
>>78 1,の「鯛焼き屋の占有」について
通常の横領罪の事案においても、元々は横領犯人と委託者の双方に占有があるため、
「鯛焼き屋の占有を侵害したから窃盗」とする横領罪説に対する批判は当たらない。
例えば、Aが宝石を横領犯人に対して寄託したが、それを横領犯人が横領したという
場合を考えるといい。横領犯が横領行為をするまではAは横領犯人を介して宝石を
間接占有している>独自の占有はある。
さらに、(1)ないし(3)であげられている事例はいずれも占有の侵害者は占有者の
占有補助者であるから、独自の占有を認められず、そもそも「他人物を占有している」
という構成要件自体を欠く場合とも考えられる。
で、本件の場合
あゆは鯛焼き屋から一応鯛焼きの交付を受けている。
そもそも、窃盗罪における「窃取」とは占有者の意思に反する占有の移転であるところ、
本件においては、「金を払ってくれると思って」というところで瑕疵はあるものの、鯛焼き屋は
一応自分の意思に基づいてあゆに鯛焼きを引き渡しているのであるから、窃取という窃盗罪の
構成要件を欠く。
さらに、引き渡しという行為がある以上、あゆを代金が支払われるまでの占有補助者とするのは
厳しいと思われる。
また、実質的には
>>92でも挙がっているとおり、鯛焼きがすでにあゆの手元に来ている以上、
誘惑の強さから責任を減少させる必要があるとも考えられる。
さらに、横領罪説は「鯛焼きを手渡した時点で鯛焼き屋が占有喪失」と考えているわけでは
ないことに注意すべきである。(ちなみに、このように解するのは過失詐欺で不可罰とする説である)
窃盗と横領の区別は、「元占有者の占有喪失如何」ではなく、「犯人に独自の占有が認められるか
どうか」という点にある。
けだし、そもそも民法の規定のとおり、例えば本件において鯛焼き屋が、あゆに鯛焼きを手渡した
時点で鯛焼きの占有および所有を失ったならば、あゆはそもそも「他人の物の占有者」たる地位を
失い、横領罪の構成要件すら欠くことになってしまうのである。
そして、犯人の側に占有が認められないとしたら、他人の占有ないし本件を犯人が占有者ないし
本件者の意に反して奪うことになるため、窃盗罪が成立するのも疑いがない。
横領罪説は「民法と刑法の間の所有および占有の概念の違い」を考えるからこそ、民法上所有権
および占有権を現所有・占有者が失ったと考えられる後についても、その財産的価値帰属に着目し
犯罪の成立を認める説である。
先に述べたとおり、本件においては「あゆ自身が鯛焼きを占有してる」ことは否定すべきでない以上、
横領罪の限度であゆに犯罪の成立を認めるべきであると考える。
こんなところか?
あと、漏れは詐欺罪ではないが、詐欺罪の成立についての
部分についても触れておく。
「財産を終局的に移転する」というのは、所有権移転などの権利そのものを
相手方に移転させ、その限りで自分は無権利者となることの認識に近いと思われ。
つまり、洋服店の中なんかで「試着してくる」と嘘を言ってそのまま逃げるというような場合を
含まない趣旨。この場合は店はまた帰ってくると思っているのだから、服の所有権を移転させる
意思はないから交付(処分)行為とは言わない。
>>79や
>>88でのこの点の考え方は、詐欺罪のこの要件について誤解していると思う。
なぜなら、この論理で行くと例えば実務において詐欺と扱われているネットオークション詐欺が
詐欺罪を構成すること等を全く説明できなくなるはず。
およそ取引上、「対価が支払われないのなら解除返品を要求する」のは当然のことで、
この要求がない場合に限って詐欺罪の成立を肯定させるなら不当に1項詐欺罪の
成立範囲を狭めることになる。
ネットオークションで落とした物だって、金が振り込まれなかったら返品要求するだろう。
>>88みたいに、金を払う意思もないのに注文し、(欺罔行為)、払ってくれるものと相手を
誤信させ(錯誤)、鯛焼きを引き渡させ(処分行為)、損害を与えたら紛れもない詐欺だろう。
ちなみに、駅の売店の例については、売り場の形態から引き渡しは代金支払いと同時、
ないしは後と考えられる。店のレジなんかも同じ。
しかし本件は、そもそも鯛焼き屋がその手元にある材料を使って作った鯛焼きを、代金が払われる
前に明確にあゆに引き渡しているのだから、上記の場合と事案を異にする。
ついでだから
>>86にも触れておく。
>>70は、客観的には実は詐欺の要件は満たす。
それでも詐欺罪にならないのは、元々は金を払うつもりなので、欺罔し、錯誤に陥れて財物を交付
させるという詐欺罪の故意が欠けるため。
106 :
106:04/03/05 23:05 ID:DOi1SXHA
書き始めたらかなり長くなってしまったが……。
とりあえず、
>>103>>104に対して、俺の考えを。
107 :
106:04/03/05 23:08 ID:DOi1SXHA
>>通常の横領罪の事案においても、元々は横領犯人と委託者の双方に占有があるため、
>>「鯛焼き屋の占有を侵害したから窃盗」とする横領罪説に対する批判は当たらない。
>>窃盗と横領の区別は、「元占有者の占有喪失如何」ではなく、「犯人に独自の占有が認められるか
>>どうか」という点にある。
「占有侵害があれば横領ではなく窃盗になる」というのは間違いないと思う。
以下、教科書を引用しつつ、もうちょっと詳しく。
1、
教科書の横領罪のところを見ると、その冒頭部分に、
「横領は占有侵害を伴わない犯罪である」ということが書いてある。
例えば、西田・各論(第2版)の221頁には、
刑法典第三十八章「横領の罪」は、
占有侵害をともなわないで財物を領得する罪である。
単純横領罪(二五二条、委託物横領罪ともいう)、業務上横領罪(二五三条)と
占有離脱物横領罪(二五四条)に分かれる。(略)
いずれも占有侵害をともなわない点で共通する。
とある。
また、山口・各論283頁には、
委託物横領罪においては、窃盗罪とは異なり占有侵害がなく、
そのため法定刑は窃盗罪より軽くなっている
とある。
前田・各論(第3版)255頁、林・各論276頁にも似たような記述あり。
108 :
106:04/03/05 23:08 ID:DOi1SXHA
2、
「占有侵害があれば横領ではなく窃盗になる」というよりはむしろ、
「刑法典がはじめから、占有侵害の有無に着目して、
奪取罪(移転罪。窃盗、強盗、詐欺、恐喝)と横領罪(非移転罪)とを
異なる類型として規定した」というほうが適切かな。
教科書の財産犯総説のところを見ると、財産犯の分類について説明してあって、
占有奪取(前田)ないしは占有移転(西田、山口、林)を伴うか否かにより、
奪取罪(移転罪。伴う場合)と横領罪(伴わない場合)とに区別されると書いてある。
なお、ここで占有「移転」と書いてあるのは、占有「侵害」とするほうが適切なんだろうね。
次の3で書くように、共同占有の場合は横領ではなく窃盗とされているんだけど、
この場合には「移転」ではなく「侵害」と言うほうが良いだろうから。
109 :
106:04/03/05 23:09 ID:DOi1SXHA
3、
教科書では、窃盗と横領との区別について、窃盗罪の「占有」のところで説明している。
例えば、山口・各論175頁には、
他人の占有の要件によって、隣接した財産犯の構成要件が区別されることになる。
すなわち、それにより、移転罪である窃盗罪と非移転罪である横領罪との区別が
されることになるのである。具体的には、
@取得する財物におよそ他人の占有が存在するか否か(占有の存否)によって、
窃盗罪と遺失物横領罪(刑254条)とが区別され、
A取得する財物の占有が誰に存するのか(占有の帰属)によって、
窃盗罪(刑235条)と横領罪(刑252・253条)とが区別されるのである。
とある。
通常は、
「被害者に占有あり、犯人に占有なし」=「占有移転あり」ならば窃盗、
「被害者に占有なし、犯人に占有あり」=「占有移転なし」ならば横領、
としておけばいいんだけど、
それでは、両者に占有がある場合(共同占有の場合)はどうか。
判例・学説は窃盗とすることで一致している。
要するに、「犯人に占有があるか否か」ではなく、
「被害者に占有があるか否か(その占有の侵害があるか否か)」が
窃盗と横領とを区別している。
110 :
106:04/03/05 23:11 ID:DOi1SXHA
>>例えば、Aが宝石を横領犯人に対して寄託したが、それを横領犯人が横領したという
>>場合を考えるといい。横領犯が横領行為をするまではAは横領犯人を介して宝石を
>>間接占有している>独自の占有はある。
この場合は、Aには(刑法上の)占有がないとされているんじゃないかな。
教科書で、やはり窃盗罪の「占有」のところを見ると、
「刑法上の占有には民法で言う代理占有(間接占有)を含まない」
ということが書いてあるね。
例えば、山口・各論175頁の、
>>109で引用した部分の直前には、
刑法にいう「占有」とは、財物に対する事実上の支配をいう。
これは、民法上の占有よりも事実的なものであり、
たとえば、代理占有(民181条)や占有改定(民183条)による占有の取得(略)
も認められないとされている(略)。
しかしながら、刑法による占有も、物の現実の握持の存在までは要しないとされ、
さらにある程度までその範囲は拡張されている。
そのため、その限界が不明瞭になっていることは否定できない。
とある。
前田・各論(第3版)167頁、西田・各論(第2版)141頁、林各論・193頁にも同趣旨の記述あり。
(なお、ここで問題としているのは、窃盗罪において被害者の側に必要とされる「占有」。
横領罪において犯人の側に必要とされる「占有」は、
事実的支配のみならず法律的支配も含むとされている。)
111 :
106:04/03/05 23:12 ID:DOi1SXHA
>>さらに、(1)ないし(3)であげられている事例はいずれも占有の侵害者は占有者の
>>占有補助者であるから、独自の占有を認められず、そもそも「他人物を占有している」
>>という構成要件自体を欠く場合とも考えられる。
教科書では、
>>78の(1)〜(3)のような事例は、やはり窃盗罪の「占有」のところに書いてあって、
「占有補助者」という語も確かに出てくるね(西田、山口)。
西田は(1)〜(3)いずれも「複数の占有に上下関係がある場合」として説明している。
林も同様。山口は(1)を別のカテゴリーにしている。
しかし、いずれも、「被害者(上位の者)に占有があるか否か」によって
窃盗と横領とを区別するという文脈で論じられている。
前田172頁の注9には、はっきりと、
>>78の(2)の事例について、
なお、店主のみ占有するのか店員との共同占有なのか争いがあるが、
店主が(しかも所有者でない場合に)盗るという例外的場合以外結論に差は生じない。
とある。
要するに、もう一度確認すれば、
窃盗と横領とを区別する基準となるのはあくまで「被害者に占有があるかどうか」であって、
「犯人に独自の占有が認められるかどうか」ではないと。
112 :
106:04/03/05 23:13 ID:DOi1SXHA
>>あゆは鯛焼き屋から一応鯛焼きの交付を受けている。
>>そもそも、窃盗罪における「窃取」とは占有者の意思に反する占有の移転であるところ、
>>本件においては、「金を払ってくれると思って」というところで瑕疵はあるものの、鯛焼き屋は
>>一応自分の意思に基づいてあゆに鯛焼きを引き渡しているのであるから、窃取という窃盗罪の
>>構成要件を欠く。
この点については、
>>87で書いた通り、俺が「窃取」行為にあたると言っているのは、
たいやきを受け取ったことではなくて、それを持って逃走したことだな。
例えば、
>>79の(1)の事例でも、服を着たまま逃走したことが「窃取」行為と評価されている。
それ以前に、試着を許したことが詐欺における「交付」行為にあたるか否か、という問題があるけど、
これが否定されて、その後の逃走を「窃取」行為と評価することになる。
この場合にも、「一応自分の意思に基づいて……引き渡している」わけだけど、
そうであれば常に詐欺罪における「交付」行為にあたるわけではないし、また、
そうであれば常に窃盗罪における「窃取」行為の存在が否定されるわけではない。
113 :
106:04/03/05 23:15 ID:DOi1SXHA
>>ちなみに、駅の売店の例については、売り場の形態から引き渡しは代金支払いと同時、
>>ないしは後と考えられる。店のレジなんかも同じ。
>>しかし本件は、そもそも鯛焼き屋がその手元にある材料を使って作った鯛焼きを、代金が払われる
>>前に明確にあゆに引き渡しているのだから、上記の場合と事案を異にする。
でも、駅の売店やコンビニで新聞を買う場合、
客は代金支払い前に勝手に新聞を取ってしまう、ということは普通にあるよね?
あるいは、コンビニのソフトクリームなんかは、店員が作って手渡してから、
お金をもらうということもある。
俺が言いたいことはだいたい
>>89で書いた通りなんだけど、もう少し補足すると、
当事者が明確に目的物引渡しが先履行だと考えているなら、横領でいいんだけどね。
先履行というのは、なにも1ヶ月も先じゃなくてもいい。
重要なのはあくまで、売主の占有侵害があったと評価できるか否か、すなわち、
当事者の意思が、「代金は後払い。支払い前から買主に物の事実的支配を移して、
その使用や処分を認める」というものであったか否か。
でも、
>>70は、駅の売店やコンビニでの売買と同じく、
民法で「現実売買」と言われているような売買であって、
そのような意思があったとは認められない。
事実、たいやき屋はあゆが逃げたら直ちに追いかけてるわけだから。
「おいおい、そのたいやきをどこに持って行くつもりだよ!」って。
こういう事情の刑法的評価が「たいやき屋の占有を侵害した」ということであり、
そのことが横領よりも加重された刑罰を根拠付けている。
114 :
106:04/03/05 23:16 ID:DOi1SXHA
>>また、実質的には
>>92でも挙がっているとおり、鯛焼きがすでにあゆの手元に来ている以上、
>>誘惑の強さから責任を減少させる必要があるとも考えられる。
>>78の(2)責任減少で重要なのは、「他人の占有を離れて」という点だろうね。
「他人の占有を離れちゃってる物だから、まあいいだろ」ということで、誘惑が強いから、とされる。
必ずしも自分の手元にあるからではない。
上に述べたように、共同占有の場合には、自己にも占有があるわけだけど、横領ではなく窃盗だし、
>>79の(1)の事例も、「手元に来ている」けど窃盗が成立する。
あくまで、「他人の占有(の侵害)」の有無が窃盗と横領とを区別する基準であり、
その有無によって法定刑に差を設ける実質的根拠が
>>78の違法減少・責任減少であると。
【保護法益】 【法定刑】
窃盗 所有+占有 10年以下の懲役
委託物横領 所有+委託関係 5年以下の懲役(業務上なら10年以下の懲役)
占有離脱物横領 所有 1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料
115 :
106:04/03/05 23:19 ID:DOi1SXHA
>>そもそも民法の規定のとおり、例えば本件において鯛焼き屋が、あゆに鯛焼きを手渡した
>>時点で鯛焼きの占有および所有を失ったならば
>>民法上所有権および占有権を現所有・占有者が失ったと考えられる後についても
民法上も、これは大いに怪しいと思うな。
所有権の移転時期については、だいたい
>>84>>91あたりじゃないかと思う。
いずれにしても、教科書に載っているような「所有権の移転時期」の議論では、
「現実売買において厳密にどの時点で所有権が移転するか」
ということを頭においているわけではない、というのは確かだと思う。
116 :
106:04/03/05 23:21 ID:DOi1SXHA
所有権の移転時期に関する判例について。
判例が「契約と同時に移転」説を採る例として引かれる
最判昭和33.6.20民集12‐10-1585(民法百選1(第5版)、48事件)は、
不動産の売買で、「代金は3回に分けて支払う。
目的物引渡し・所有権移転登記は代金全額の支払いと同時とする。」という約定がある場合に、
買主が最初の2回を支払い、3回目の支払いの提供と同時に引渡し・登記を求めたが、
売主が応じなかったので、所有権確認等を求めたという事案。
1、2審とも原告(買主)勝訴(引換給付判決)。
被告(売主)が、「引渡し・所有権移転登記と同時履行なのに、
買主に所有権があるとしたのは矛盾だ」として上告したが、
最高裁は、「特約なき限り契約後直ちに移転」説を採ると言った上で、棄却。
所有権確認を認容した結論自体については、学説にも異論がないところだと思う。
契約の解釈により(?)所有権移転時期を遅らせた例として、
最判昭和35.3.22民集14‐4‐501(民法百選1(第5版)、49事件)は、
「契約から三日後までに代金支払いがない場合には、契約は当然に失効する」
という特約がある場合に、契約と同時の所有権移転を否定した。
117 :
106:04/03/05 23:23 ID:DOi1SXHA
なお、49事件の解説者(成城大学教授・滝沢いつよ)は、
判例を支持する立場から、こう書いてる。
契約成立時移転説が契約の成立時期如何と密接な関連性を持つ点は
従来必ずしも十分に自覚されていなかった。
単に売りましょう・買いましょうという抽象的な合意を前提とするのではなく、
所有権移転の効果を生ぜしめるに足る実質的な売買契約意思の確認があって
はじめて原則論が適用されることは、別稿で論じているので参照されたい(略)。
判例理論に対する登記・引渡・代金支払時説からの批判は、
右のような観点から克服されるべきではないかと考えている。
このあたりからしても、
>>84でちょっと書いたように、現実売買なんかでは、
たいやきひとつちょうだい → あいよ
だけでは契約成立と考えられていないんじゃないかと思う。
手元の教科書にはっきりとした記述があったわけじゃないけど。
118 :
106:04/03/05 23:25 ID:DOi1SXHA
占有の移転時期については、普通の教科書にはあまり書いてないと思うんだけど、
やはり「手渡した時点でたいやき屋は(民法上の)占有喪失」とは考えられていないんじゃないかな。
例えば、逃げたあゆに対する占有回収の訴えを否定するというのも不当だろうし。
119 :
106:04/03/05 23:30 ID:DOi1SXHA
かなり長くなったけど、とりあえず以上で。
120 :
106:04/03/06 00:12 ID:a4kJ2nOQ
あと、
>>105について、今日はもう時間がないので簡単に。
>>79の(1)と(3)を比較してみると、
どちらも「試しに着る・乗る」という点では共通してるよね。
つまり、「所有権移転などの権利そのものを相手方に移転させ、
その限りで自分は無権利者となることの認識」は全くないといってよい。
それなのに、(1)では「交付」行為が認められず、(3)では認められている。
また、(5)では、債務を免れさせる意思など全くないのに、
「交付」行為を認める学説が有力。
このような区別の基準が、「占有が終局的に移転」することが必要である(西田)とか、
「占有移転」の認識ではなく、「占有の弛緩」の認識があるだけでは足りない(山口)とか
表現されている。ずいぶんとあいまいではあるんだけど、
個々の事例における判断の積み重ねによって、かなりの程度までは、
「新たな事例について、だいたいの人の判断が一致する」ところまでもっていけるだろうと思う。
参考例――
西田は、(2)を詐欺罪ではないとして、「意志に基づく占有の終局的移転はない」と言い、
また、(5)を詐欺罪とした上で、
「同じトイレの店内にいくとか(判例引用略)、
知人を見送りに行く[店先で見送る――俺注]とかいった場合(判例引用略)には、
いまだ相手方に事実上財産上の利益の処分を委ねるという外形的事実の認識がなく、
したがって利益の終局的移転の認識を欠く」から詐欺罪は不成立だと言う。
121 :
106:04/03/06 00:15 ID:a4kJ2nOQ
で、ネットオークションはやったことないんだけど、商品は宅配便で送るんだよね?
そうだとすれば、上の基準に照らして、「交付」行為を認めて詐欺罪とすることに
問題はないと思う。
発送する人にしてみれば、落札した人へ発送してしまったら、もうどうしようもなくて、
あとは落札した人の好きにできるわけだからね。
>>70で「交付」行為が認められないのは、
民法でいう現実売買であり、たいやき屋は、あゆの目の前で、
たった今手渡したたいやきの代金を、あゆがこの場で直ちに支払うのを待っており、
もし支払がなければ、当然たいやきは持って行っちゃだめよ、という状況だから。
この場合には、刑法上の評価として、「意志に基づく占有の終局的移転」はなく、
せいぜい「占有の弛緩」が認められるにすぎない、ということになる。
そして、その後の逃走が、「意思に反する占有移転」=「窃取」行為と評価されることにより、
窃盗罪になると。
122 :
106:04/03/06 00:15 ID:a4kJ2nOQ
とりあえず以上で。
とりあえず乙。…本当に長いなあ。
うむ、よくわからん。
よし。お前試しに鯛焼き持ち逃げして、逮捕裁判判決受刑してこい。
・・・とか言うと教唆とかになりますか?
125 :
103:04/03/06 00:47 ID:s7U5FDFO
>>106 うーむ。書いたとき手元に資料無くて記憶に頼ったんだが確かに横領と
占有の関係あたりとかは間違ってたかもしれん。乞許。>今ゆっくり資料見て判断
ただ、漏れはあくまで鯛焼き屋からあゆに鯛焼きが渡された時点で
刑法上の占有というならそれがあゆに移り、所有は未だ鯛焼き屋って
考え。
やっぱりあゆが鯛焼き屋から鯛焼き貰った時点でも、まだ鯛焼き屋に
占有があるってのはどうも不自然な気がしてならんから。
漏れの頭が固いのかもしれんが。
確かに未だ鯛焼き屋の面前であることを重視すれば占有は鯛焼き屋にあるとも
十分言えるだろうが、やっぱり漏れはあゆに渡されて移転したことを重視したい。
ただ、この点についてだけはどんな議論しても水掛け論にしかならないと思う。
事実の認定の差だから。
>>77以下だとちょっと不明確なところがあったから批判書いたんだが、
確かに
>>112の通りに考えるのなら窃盗でも十分考えられると思う。
ただ、それでもやっぱり、
>>78の(1)〜(3)と本件を同じには考えられないと思うぞ。
店員と客で、しかも店舗家屋のない屋台だから。
126 :
103:04/03/06 00:48 ID:s7U5FDFO
>>112の真ん中の「窃取」については、窃盗説ならその通りだな。
横領説の立場だと、持って走り出した時点で不法領得の意思の発現があったと
考えて、横領を既遂にするんだが。
>>113の点については、鯛焼き屋が追いかけたのは「鯛焼きを取り返す」のではなく
「金を払って貰うため」とも考えられるから、鯛焼きについての占有侵害の問題しかない
とは断じられないと思う。
あと、民法上の話だけど、ここに載ってる説はどうもこの学者の自説らしいね。
判例上は一応「特約ない限り契約成立と同時に移転」として、大多数の学説も
そう解しているらしい。(我妻など)(反対:物権行為独自性説>近江など、
段階的所有権移転説>内田)
最後は置いておくとして、引渡行為は契約があることを前提にやる事だから、
どのみち民法上所有権はあゆにあると思う。百選49みたいな特約もないし。
最後に、上の隙を盗んで慌てて書いたんで、書き方で気に障るところがあったら
申し訳ない。書き方まで気にする余裕無かった。
しかし、改めて今いろいろ見てみたんだが、財産犯同士の限界ってほんとに曖昧だな。
窃盗と詐欺、横領、占離、横領と背任、恐喝と強盗とまあ・・・
ところで、今やっぱり結果無価値の本読んでる人が多数なのか?
>>106の見ると、西田、山口、前田・・・
127 :
103:04/03/06 01:05 ID:s7U5FDFO
>>124 現実問題、鯛焼きごときでは逮捕されてもまず起訴はされないんじゃ?
ただ、教唆:人を唆して犯罪を実行させることだから、可能性はあると思う。
そういえば、葉鍵版じゃないけど、ACCS(だったっけ?ソフトのコピー
防止協会)のサイトにF8連打でDoS攻撃しかけるスレ建てて問題になったの、
あれ結局どうなったか誰か知ってる?
2ch+教唆で変なこと思い出してしまった。
F8じゃなくF5のはず・・(ACCSであってる)
ところで(あゆが)盗んだ鯛焼きを(あゆと)一緒に食べた祐一は同罪?
因みに祐一は「代金は後から払う」という言い分で丸め込まれてるわけだが・・
>>126 >>書き方で気に障るところがあったら申し訳ない。
いや、全く無問題なので、気にしないでくれ。
比較的最近になって、司法試験板をちょこちょこ見るようになったんだけど、
あっちはけっこうすごくなるときがあるね、書き方が。(w
>そもそも無理矢理あゆの行為を窃盗罪にする必要ってあるんかね。
>なんか感情先行で無理やり窃盗罪という結論を導きたい人がいるようだけれど。
とか何とかほざいてた香具師が
今頃どんな顔してるか見物ですね。
132 :
103:04/03/09 17:54 ID:JNQqpR0+
ちょこっと行為無価値側のも見る機会あったので追加報告。
>「占有」の意義について
同じ刑法上の占有でも、横領罪と盗取罪では意義が異なるらしい。
窃盗罪の占有は事実的支配関係のみで、横領罪の方は法律上の支配も含むそうだ。
(大谷「新版刑法講義各論追補版」205p最後の方)
言われてみれば銀行に預けてある預金って被害者・行為者どっちの手元にもないけど
横領できるよな・・・
これは結果無価値・行為無価値で変わらないと思う。でもまあ、本件には直接は関わらない
かも。
>占有の有無
この場合こっちが問題になりそう。
これの判定には財物に対する客観的な事実上の支配と、主観的な占有意思の
両方がいるらしい。んで主として客観面を見て、主観面も加味して判断。
(大谷206p)
んで、こっちからは本件、客観的には実際に持ってるのがあゆで鯛焼き屋の面前だから微妙?
もしそうなると主観面で判断>売買の引き渡しのつもりであゆに渡している以上、
その時点で鯛焼き屋は主観的に鯛焼きの占有意思を失い、その後は代金請求の
意思か、またはもって逃げられた時点で新たに取り戻しの意思を得たって事になるかも。
で、便乗して聞きたいんだが、山口とか西田とかの結果無価値型って刑法の占有概念に
主観面って考慮するの?なんか大谷とかと違って要らなさそうな気もするんだが。
漏れは普段前田(こいつは結果無価値とも違う)で、山口西田あたりの見解って良く
知らないんで。(周り見てもこの二人のは誰も持ってないので調べようがない・・・)
ちなみに、前田には漏れが見た限りこの辺詳しく載ってなかった。
あと、大谷取ってる人で↑が「違うぞ」等あったらよろ。
133 :
前半:04/03/09 21:34 ID:j8ZHJZI9
「客観的な支配の事実」と「主観的な支配の意思」とを共に考慮する、
というのはどの学者にも共通じゃないかな。
手元の教科書だと、前田西田山口林いずれもそうだね。
両者の関係については、
西田 …… 「占有の意思はあくまでも事実的支配を補充するにすぎないもの」
林 …… 「一方が強ければ、他方は弱くてもよいという関係」
とされている。
あと、山口にこんな記述がある。
「客観的要件が拡張され緩やかに解されるに至っているため、
占有の限界が明確でなくなっている……
判例においては、占有の存在を肯定するためには、
財物に対する客観的な支配が存在しなくても、
主観的な支配の意思を推認させる状況(所有者が置き忘れたものではなく、
意図的に置いたものだということが窺われる状況)が存在すれば足りる
と解されるに至っている」
ちなみに、手元のいずれの教科書でも、窃盗罪の占有の箇所で、
「占有の有無(存否)」という項目を立てて
「窃盗と占有離脱物横領との区別」について説明し、
「占有の帰属」という項目を立てて
「窃盗と委託物横領との区別」について説明している。
で、上の「客観と主観とを共に考慮する」という話が書いてあるのは、
「占有の有無(存否)」のほうだね。
もっとも、その趣旨は「占有の帰属」のほうでも妥当するだろう。
どちらも、窃盗罪の要件としての占有が被害者にあるか否かという問題だから。
134 :
後半:04/03/09 21:34 ID:j8ZHJZI9
ともあれ、「客観と主観とを共に考慮する」といっても、
「客観は45点、主観は37点です。両者を合計して82点です。
80点以上なので、占有があります。」
というような明確な基準ではないわけで、結局のところ、
考慮すべき要素は、大きく分けて客観的なものと主観的なものとがある。
どちらか一方のみで決めるのではなく、両者を総合的に考慮して決める。
一般的には、客観的な支配が強ければ強いほど占有は認められやすく、
また、主観的な支配の意思が強ければ強いほど占有は認められやすい。
という以上の意味はあまりない、というところだと思う。
そういうわけで、教科書では、
判例に出てきた事例などをいくつかの類型に分けた上で、
各類型ごとに、○○の場合は占有あり、××の場合は占有なし、などと検討して、
できるだけ明確な基準(というのか合意というのか)を形成すべく努めている、
という感じかなあ。
参考として、山口の分類。
各類型における具体例は省略。
1 占有の存否――窃盗罪と遺失物等横領罪との区別
a 財物を握持している場合
b 財物が人の(閉鎖的)支配領域内にある場合
c 財物が人の(閉鎖的)支配領域内にない場合
d 元の占有者の占有喪失により、
占有が他者(当該領域を支配しているもの)に移る場合
2 占有の帰属――窃盗罪と横領罪との区別
a 共同占有
b 上下・主従関係がある場合
c 支配関係がある場合
d 封緘物の占有
135 :
103:04/03/11 02:04 ID:V9AdCzl9
レスどうも。
まあ、主観的事情なんてものは目で見えるもんじゃないから実際の裁判で認定する際
どうしても客観的事情中心にはなる罠。
にしても、↑山口のは、もしそういう実際の裁判の事情も組まず説そのもので
「推知できるのみで足りる」のだとすると、
もうほとんど不要説に近いような気はするな。
そろそろ新しいネタが欲しいな。
不買運動が違法になる場合、とか。ゲームネタじゃないけど。
消費者の不買運動というのは、
学部・司試レベルの民法・刑法ではあまり触れられてないね。
内田民法2の不法行為のところにちょとだけ書いてあった。
その他の財産的利益の侵害として、営業活動の妨害がある。
たとえば、ボイコットは、消費者によるもの(不買運動)と企業間の取引拒否があるが、
不法行為の成立は、ボイコットの原因となった相手方の行為の不当さと
ボイコットの効果との比較衡量で判断される。
したがって、消費者の不買運動が不法行為となることは少ない
(一番の原因は、効果がないためである)。以下略
139 :
137:04/03/14 19:23 ID:S2Urk5Q5
>>137-138
ただ、「単なる不買運動」程度ならともかく、あまり度が過ぎると名誉毀損とかになったりな。
2CHの書き込みを元に訴えたDHCとかの例もあるし。
それと、最後の一行についてはどうなのかな?
効果があったかどうかは「不買運動がなければ売れたであろう数」と「現に売れた数」の差で
求めることになるんだろうが、そんなもの実際問題算出するなんてかなり難しいだろう。
発売前からの不買運動ならなおさら。
不法行為の場合、損害の立証責任は原告(公の件を前提にしてのカキコだろうから、この場合鍵)
に有るから、鍵の側が「不買運動でこれだけの損害を被った」と証明しなきゃいけない訳だが、
かなり難しいと思われ。
だから、漏れは効果の有無そのものと言うよりは立証が難しいからではないかと思ってるわけだが。
それ以上に、公の件については、漏れは運動そのものよりむしろオフィシャルに堂々そういうこと書き込んだりしたことの方が
問題になりそうな気がするが。
保守
折原浩平は、幼なじみの長森瑞佳を汚してやろうと、クラスメイトである住井護に長森瑞佳を
夜に学校に呼び出して強姦し、もって処女を奪う事を依頼した。
そして、折原浩平は長森瑞佳に夜に学校の教室で待っている旨告げた。
長森瑞佳はそれに従い、夜に学校の教室に出向いたところ、意に反し住井護一人だけがいたので
帰ろうとしたところ、住井護は後ろから長森瑞佳を羽交い締めにし、抵抗する長森瑞佳を無理矢理
押さえつけた上、強姦に及んだ。
そこに、たまたま学校に残っていた中崎勉が騒ぎを聞きつけてやって来たところ、これを見た
中崎勉はこれに乗じて自分も長森瑞佳を強姦しようと決心し、住井護に「自分も手伝うから、後で
俺にもやらせろ」などと言った後、長森瑞佳の両足を押さえつけた。
その後、住井護が長森瑞佳から離れた後、中崎勉が長森瑞佳を姦淫したが、長森瑞佳は住井護の
行為によってすでに茫然自失の状態となっており、中崎勉の行為に対し全く抵抗しなかった。
住井護は自らの強姦行為後もその場に留まり、中崎勉の行為を笑いながら見ていた。
長森瑞佳はこれらの行為によって全治2週間の傷害を負ったが、その受傷時期は明らかでない。
この場合、折原浩平、住井護、中崎勉は何罪?
ちなみに、どうも元ネタがあるらしい。
(知り合いから事案だけ聞いたので、それが何なのか詳細は不明。)
護、勉は強姦致傷罪、
浩平は同罪の目的をもって加害者への指示、被害者を誘導しているところから
共同正犯で起訴は充分有り得るかと。
>>143 勉は強姦「致傷」になるか?
承継的共同正犯認めるんならなるだろうが
受傷した部位に再度異物を挿入する行為は傷害を助長したと考えるに
難くない、よって傷害罪を適用する とあった判例を見た覚えがあるよ。
どの判例だったかすぐに探せないけど・・
>>145 傷をより酷くするのはその犯人による新たな傷害だろ。
それに、普通の傷害罪には同時傷害の特例(207条)がある。
147 :
名無しさんだよもん:04/03/23 04:52 ID:Z0P2/jp0
メンテ&あげ
あゆの奴を判りやすくやるなら
誰か試せ、捕まってみれば分かる。
俺は生霊だって言ったら刑は軽くなるかもしれんがびょいんかな。
高い木から落ちろ。まずはそれからだ。
自殺に教唆はないだろ。
>>153 あるよ。刑法202条。
「人を教唆しもしくは幇助して自殺させ、またはその嘱託を受けもしくはその承諾を得て殺した者は、
六月以上七年以下の懲役または禁固に処する。」
あまり知られてないけどね・・・
確かに自殺そのものは罪にならないので、普通の共犯としての教唆ではなくこれ自体が
新たな一つの構成要件らしい。(反対説有り)
最近、多重債務持ち自衛官コンビの片割れがもう片割れに対して自殺教唆をしたってのが
新聞に載ってたと思うが。
伊吹公子が教師を辞めたのは君が代斉唱のときに起立しなかったため懲戒免職されたのだとしたら、
どんな問題が出る?
157 :
名無しさんだよもん:04/04/03 21:23 ID:DgvGbohF
あげ
アメリカ大統領が日本国内でロリゲーを買ったらどうなる?
アメリカも大変だな
161 :
名無しさんだよもん:04/04/09 03:50 ID:yXYGlIOD
古河渚は18歳であり、父親の秋生は病死し母親の早苗のみがいる。かかる場合における次のアからオまでの
記述のうち、謝っているものを組み合わせたものは後記1から5までのうちどれか。
ア 渚が早苗の同意なくしてスクーターを購入したが、後にその行為を取り消した場合、早苗は当該取消行為を
取り消すことは出来ない。
イ 古河早苗が交通事故により死亡し、伊吹公子を渚の後見人に選任する場合、公子に加えて幸村俊夫も後見人
として選任することは出来ない。
ウ 渚が藤林杏との間でスクーターの無償寄託契約を締結している場合(渚が受寄者とする)、渚が杏にスクーター
を返還するには早苗の同意が必要である。
エ 渚が遺言をなす場合、その内容が高額な財産の処分に関するものであっても、早苗の同意を要しない。
オ 渚が家業のパン屋について営業を許可されたが後に早苗により営業許可が取り消された場合、取消以前に
渚が行った仕入れ行為は遡って無効となる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
4!!
5だろう('A`)y-~
藻前ら問題をよく読め。
「謝っているもの」とあるだろ。古河渚が謝っているのを選ぶんだよ。
165 :
161:04/04/12 11:36 ID:fL6ZtGQA
正解そろそろ良いかな?
4です。解説いる?
解説編キボンヌ
167 :
161:04/04/15 00:55 ID:YcasKzrU
一応自分が調べた限り。
ア、イ、ウ、エは条文まんまで、ア:渚も確定的に有効に取消できる(民法120条)から、それをさらに取消は無理。
イウエ:それぞれ842条、4条但書(渚はスクーターを返すだけで単に債務を免れる)、961条(制限がないことは
条文から明らか)。オは、一旦許可された営業を遡及的に取り消されると取引の安全を害するので将来効のみ。
こんなところかな。根気よく条文探せばわかるとおもふ。
メンテ
総択どうだった?と聞いてみる・・・・・
急に静かになったね。
静かなのはいいことだ。
マターリできるからな。
漏れはとりあえず試験前だからな・・・(泣)
CLANNAD?出たんですか?
173 :
名無しさんだよもん:04/05/03 11:19 ID:iFtCAB75
マチノ ウワサデ デタト キイタ
174 :
172:04/05/03 12:40 ID:KQKyoj8g
刑法解ききれねぇ・・・orz
ああ・・・あと6日後か・・・もうだめぽ・・・
憲法と民法でそれぞれ18点以上獲ればいいんだよ!
おれはそうしようと思ってるよ……ハハハハハ。
ウワアアアアアアン
176 :
172:04/05/03 23:41 ID:KQKyoj8g
>>175 ってか、今年やっぱ去年より難化するよなぁ・・・
去年のアレでも47ってのが信じられないが・・・_| ̄|○
一昨年からすべてが変わってしまった・・・
・・・確かに刑法は厳しいな。
憲民を各一時間弱で終わらせても、なお刑法解くのに時間が足りない。
178 :
名無しさんだよもん:04/05/04 00:05 ID:VcSJAAJN
おまいらは糞ベテか?
ロー行ったらどうだ?
金がないのか?
奨学金はけっこう充実してるらしいぞ。
今年駄目ならローも視野に入れるよ
(問) 東京都は一定規模の会場貸出を許可制とする条令を可決させ、
事実上、石原都知事が同人誌即売会の開催を制限できるにした。
かかる条令ににつき、憲法上の問題点について論ぜよ。
>>180 行政上の観点から。
同人誌即売会の開催制限を目的とし、『一定規模の会場貸し出しを許可制とする条例を可決』させることは
行政権の濫用であり、違法。
(一定距離内で風俗店を経営することが許されていない『児童福祉施設』に建設許可を与えることは、風俗店の
出店を妨げる目的である場合は違法となるという判例より)
憲法の観点からは、表現の自由や、会場貸出が検閲に当たるかどうかが問題になるのだろうか。
そんなこと可決させたらヲタクどもが暴れる。
∧||∧
( ⌒ ヽ 憲 法 壊 滅
∪ ノ
∪∪
倉等市が、その条例で飼育されている動物が人に危害を加えることを避ける目的で、
「@猛獣を飼うことを禁ずる、A猛獣を飼っているのを発見した場合は保健所が、その判断でこれを没収する事が出来る」
旨の条例(以下、本条例とする)を制定したとする。
ところで、倉等市の住民である藤林杏はうり坊のボタン(イノシシの仔、現在体長30cm程度)を本条例の制定前から
飼育していたところ、ボタンが本条例の「猛獣」に当たるとして、没収の処分を受けた。
この処分を不服として、藤林杏が裁判所に本件処分の無効確認を求めた場合、憲法上どのような問題が生ずるか。
朋也は勤務先に右肩が上がらないことを隠して働いてたけど、
バレたら会社クビになるの?
クビになったら解雇取り消しを求めて裁判とかしたりできんの?
186 :
名無しさんだよもん:04/05/17 22:07 ID:GnMVG21i
母体が死亡する確率があるにも関わらず、自宅出産に固執した岡崎夫妻と古河夫妻(と医療関係者)は罪に問われますか??
>>185 実際職務に支障がなければ問題ないだろ。
>>185 ネタバレスレで考察されてた気がする。
あの程度の理由で解雇したら不当解雇になるとか。