葉鍵で大長編ドラえもんを製作しないか? Vol.6
「いやあ、感動したよ」
心にもないお世辞を言いつつ拍手。実に辛い。
「だろう? おれさまの自信作だ。歌いながら涙が出てくるぞ、ウウッ」
本当に泣いている。実にわかりやすい。わかりやすいのはいいことだ。
「……ジャイアンに聞きたいんだけどさ、どうしてそんな悲しい曲を作ったの?」
「そりゃあお前、表現したいからだよ。おれさまのナイーブなハートをみんなにな」
「そうか……。普通そうだよね」
そういう理由だと思うんだけどな……。
……と、その時携帯の着信音が。
「あらら!」
「なんだよ、お前携帯電話なんかもってんのか!」
「まあね」
「電源を切っておけ。それがリサイタルのマナーだからな!」
「はいよ」
ぼくは電源を切った。
「じゃあ今度は名曲シリーズでいこうじゃねえか! まいにちまいにちぼくらはてっぱんのお〜♪」
地獄はまだまだ続くみたいだ。
「オエ〜」
結局3時間にも渡って聴かされた。歌の毒はなかなか抜け切れない。
ぼくは部屋で畳の上でダウンしていた。
「『夜霧の咽ぶ』か。ジャイアンもなかなかかっこいいこと言うねえ」
「感心してる場合じゃないって!」
「ごめんごめん」
舌を出してドラえもんは謝る。
……それにしても、多少は心が軽くなった気がしなくもない。結果的に毒で毒を征したのか。なんだかなあ。
「でも歌の毒はなかなか尾を引くからなー。お手伝いに影響しないといいけど」
「いま1時だよ。後3時間半もあるから大丈夫じゃないの」
「いやあ、そうだといいけどね」
と、その時だった。ドアのチャイムが鳴ったのは。
「はーい」とママが応対する声が聞こえる。
「え、あのどちらさま? え、維納夜曲の? のびちゃーん!」
「誰かしら?」
維納夜曲の関係者であることには違いない。おやっさんだろうか。わざわざウチにやってくる人なんて他に思いつかない――。
「こんにちは、のび太君」
「!?」
そこにいた人物が信じられなくて一瞬夢なんじゃないかしら、とさえ思ってしまった。
須磨寺雪緒、その人が何故かウチの玄関先に立っていたからだ。
「お出迎えに来たわ。行きましょう」
屈託のない笑顔で言われると、少し言い方が悪いけど不気味に感じる。
「……エ、しかし、まだ時間が」
「たまには早く行ってもいいじゃない?」
――何か話でもあるのだろうか。
「のびちゃん、せっかくわざわざ遠い所から来てくださったんだから行きなさい」
「わかった。それじゃ今から行きましょう」
「ええ」
何を考えてるんだろう……。
次回から多少急ぎます。
乙ディス、急いで断片的になるよりも
場面ごとにまとまっているほうがうれしいかも
でもご判断にお任せします。
h
475 :
ゾリンヴァ:04/03/21 03:41 ID:g98oKrt5
ィエア!! ニッポン ァ ドラえもん・カカ!! カッ・・・カカッ!
\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ____ヽ /  ̄  ̄ \
| | /, −、, -、l /、 ヽ
| _| -| ・|< || |ヘ |―-、 |
, ―-、 (6 _ー っ-´、} q -´ 二 ヽ |
| -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ ノ_/ー | |
| ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \ \ | /
ヽ ` ,.|  ̄ | | O===== |
`− ´ | | _| / |
| (t ) / / |
ィエオゥゥゥゥ!!! キィィィ ひひひひぃ ィエアッハッハッハ!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ )
| ノノ_ノノ_ノノノ
| / / ヽ/ ヽ |
|i⌒ ─| ・ | ・ | | ィエア!! コレ 見て クデサイ
???????????●卍●?ゾリンヴァデス?●卍●???????????
ワタシ コノ コレ 衝撃 受けマスタ!!!
| ∂ \__人__
「携帯に電話してみたんだけど、切られちゃったから直接行ってみようと思って。のび太君の家も見てみたかったし」
「……それで、ぼくの家を見た感想は?」
「普通ね」
「そりゃあ、まあ」
電話した? ああ、ジャイアンの歌の練習の時か。確かに切ったけど……。
「それじゃあぼくのほうも聞きますけど、雪緒さんの家ってどんな感じなんですか」
「わたし? わたしは汚いソバ屋さんなのよ」
「ソバ屋?」
全然イメージが合わない答えが返ってきた。何だか嘘くさい。
「嘘ついても仕方ないと思うけど」
「そりゃあ、まあ」
いい加減な会話をしながら、足は維納夜曲に向かってる。
「……それで、どういうつもりなんですか?」
「え?」
「わざわざウチまで来た理由です」
「それは、のび太君には駅まで送ってもらってるから。たまにはわたしのほうから迎えに行こうかなって。本当なら年上のわたしがそういうことをすべきなのにね」
「そうじゃない。そんなことじゃないんでしょう? だって雪緒さんは他人の事なんか構いやしないんだから!」
少しまた苛立っていた。何でそういう態度を静香ちゃんに見せてあげられないんだろ!
「……そうね。じゃあ、本当の理由を言う前に来て欲しい場所があるわ」
「どこですか?」
「屋上」
――! なんだって……。
「大丈夫よ。ちょっと話したいことがあるだけだから」
「……はい」
雪緒さんの高校に人の姿はほとんどない。基本的に土曜は高校でも休みなんだ。
「わたしと一緒なら、小学生の君でも目立たないと思うから」
ぼく達は堂々と昇降口から入っていった。
屋上に通じるドアには当然の事ながら鍵がかかっている。
「合鍵を持ってるの。黙って持ってきたあと、こっそりと作ってきちゃった」
「へえ、ぼくとおんなじですね」
「……え?」
「いえ、なんでもないです」
ドアが開いた。そこには澄み切った冬の青空が広がっていた。
ぼく達は黙ってその場に踏み込んだ。目線は欄干の向こう。綺麗な青空の向こう。
「のび太君、この場所は好き?」
「え?」
顔はいつの間にかぼくのほうに向けられていた。
「あんまり。どうもいい思い出がないもんで」
「そう。わたしは好きなんだけどな。この場所が」
「それは死に近い場所って意味ですか」
「それだけじゃないわ」
再び雪緒さんは空を眺める。
「空に一番近い場所だから」
「空?」
「わたしは飛べない。空を飛ぶことが出来ない。結局は地べたに這いつくばってるだけ。だから想像してみるの、空を飛べたら、手に届くかなって……」
空を、……飛ぶ。
「君もなんとなくなんだけど、そういう考えを持ってる気がする」
「ええ、ぼくも自由が一番だと思います。でも……」
「でも?」
「空はいつも笑っているんです。眺める人の心にね。だから大きな空を眺めていると誰かさんの笑顔に見えてくる。それは一番好きな人の姿に」
「……なかなか詩的な事を言うのね」
「そういう歌を聴いたことがあります」
「そう……。でも、そんなこと聞かなければよかったかな。これから空を見るのが辛くなるかも」
「え?」
「なんでもないわ」
一瞬だけ動揺したように見えたけど……。
「のび太君、本題に入るわ」
――!
「もう、終わりにしよう」
「……え?」
「もう、わたしのせいで君を苦しめるのは本意じゃない。だから、もう終わりにしましょう」
「それは、どういうことですか?」
「……言っていいわ、わたしが死にたがってる狂人だってこと。大勢の人に言っていいわ。
『須磨寺雪緒は自殺願望があります、早く病院に連れて行かないと学校の屋上から飛び下りますよ』って。そしたらわたしは素直に『はい、そのとおりです』って言ってあげる」
「……」
「何もかも、わたしの頭がおかしいせい。目の前にいつ死ぬかわからない女がいて、普通でいてくれなんて無理だったのね。大したことないって思ってた、本当よ。せいぜい焼肉食べられなくなるくらいだって思ってた。
でもこれ以上、関係ない君を巻き込みたくない。だから、もう何もかも言っていいわ」
「……」
「あ、それともわたしが直接言ったほうがいいのかな? それとも君が言う? どちらか、君が選んで。わたしはどちらでもいいわ」
「……ぼくも、もうどうでもいいですよ。なんか雪緒さんが死にたがってることなんか、もうどうでもよくなってきました」
「……そう」
何を言っても無駄、ならば……、もう成す術もない。それなら……。
「空が綺麗ね。手に届くかしら……」
雪緒さんはいきなりそう言うとフラッとよろめいたと思うと、欄干に手をかけていた。
「なっ!?」
慌ててぼくはその体を抱きとめる。
「……ああ、わたしが死のうと思ったの? でも、心配することないわ。言ったでしょう? 『君の前では死なない』って。でも人間は死ぬことを許されてる、自らの命を絶つことが。そう仕組まれてる。だからいつかは……」
「……嫌です!」
「え……」
「いやだいやだいやだ! どこに行っても死んじゃ駄目です!! 死なないでください! 言ったでしょ! 空は笑ってるんです、誰も死ぬことなんか望んでないよ!!」
「……」
「死んじゃ……やだよ……。ぼくは、どうしたらいいんだ……!」
「それじゃもう一度だけ約束して……」
「え?」
「君には笑っていて欲しい」
――!!
「約束、忘れたの? 『君の前では死なない』っていう引き換えの条件がそれなのに」
「……ごめんなさい」
「涙を拭いて、それじゃお店に出られないわ」
貸してもらったハンカチで顔を拭う。
ああ……、すっかり忘れていた。約束したじゃないか。でも、……それは結構厳しい条件だって今わかった。不釣合いかもしれないような。
「ハンカチ、ぼくのほうで洗っておきますから」
「そう」
「それと、誰にも言いません。何も言うつもりはありませんから」
「もう、そのことはいいわ。何も言わないで……」
「……もう維納夜曲に行きませんか? 少し早いかもしれないけど」
「そうね。それもいいかも知れないわね」
本当はここからもう離れたかった。それに雪緒さんが同意してくれたことが、何だか切なかった。
歌ってのは「青空っていいな」
ドラえもんの平成1年4月〜4年10月のEDです。
>>473 あんまり間を開けるのもちょっと…な気がするので
ダラダラやっていきます。
>>475 応援よろしく
保守
のび天で盛り上ってる所で申し訳ないのですが・・。
このスレに来るのは初めてなのですが、初代スレの「星の記憶の伝承者」
に惚れ込みまして先程迄初代スレから過去ログ編集サイトまで一通り
見させて頂きました。
現行の、のび天(天丼に入ってそうな呼び方ですね)
は原作未Playなので読んでも大丈夫か少し迷ってますが(ネタも余り知らないので)。
質問なのですが、編集サイトで「星の記憶〜」の原作者さんの続編が
「へっぽこロボ製造工場」で書かれてるそうなのですがリンクから繋がりません。
Googleで検索してもサイトはあるのですが同じくサイトが開けず
「ページが見つかりません」と出てしまいます。
これについて何か知っている方いないでしょうか?
それは維納夜曲までの道程での事だった。
「静香ちゃん、今もピアノの練習してるのかな」
「!」
そういえば静香ちゃんは全てを知っている。そのことに今更ながら気づかされた。
「そういえばもうそろそろクリスマスですよね! 今年はぼくは何をもらえるんだろ!」
慌てて無理やり話題を変えることにする。
「ああ、そうか。まだのび太君は小学生だものね」
「どうせ、『いろはかるた』とか『世界の偉い人の伝記』とかそんなもんです。たまには為にならないプレゼントが欲しいんですけどね。雪緒さんはどうだったんです?」
「わたし? わたしはゴールデンレトリバー」
「え?」
「グランドピアノに大きなケーキ。父と母が幸せそうに笑ってる……」
「ヘエー。いいクリスマスだったんですね。うらやましい〜」
いかにもお嬢様って感じだ。流石だと思った。
……ところが雪緒さんが口に出した言葉は意外なものだった。
「そんなことないわ。わたしは嫌いなの」
「……え、どういうことですか?」
「誰にも祝福されたくないの。クリスマスは世界中が祝福してるようで……嫌い」
「……?」
その凍り付くような言い方に、ぼくは何も言えなくなってしまった。
維納夜曲に着いたのは4時。いつもより30分も早かったけど、おやっさんはぼく達が働くことに快く許可してくれた。
「2人揃って来るなんて。デートでもしてたの?」
と、いうのは明日菜さん談。ぼくはヘラヘラ笑う事でごまかした。
「あの店長、静香ちゃんがいない間にお聞きしたいんですけど、クリスマスに休み頂けませんか? あの子のコンクールに誘われてて……」
「25日か……。微妙だな。もしかしてのび太も誘われているのか?」
「え、えっと――。はい」
「店側としては2人両方同時に休まれると困るんだがな。……やはり駄目だ、のび太にはいつ休んでもらってもいいが須磨寺のこの店のアルバイトだ。正直、こちらの都合も考えて欲しい」
「そうですか」
「……」
静香ちゃんが今ピアノの猛練習してるのは、雪緒さんをコンクールに誘う為なんだがな……。
「さあ、仕事だ。早く支度しろよ」
「はい」
もうじき静香ちゃんもここに来る。なんだかそれが憂鬱だった。
「それでね、ポイちゃん元気にしてる。のび太クン。飼うのは無理かもしれないけど、預かることぐらいは出来ないの? 一度会わせてあげたくてしょうがないんだけどな」
明日菜さんは雪緒さんとぼくにいつものように色々と喋りまくっていた。
「預かるなんて無理ですよ。そんなんでママの気が変わるとも思えないし。あ、そう言えば明日菜さんはもう一匹犬飼ってるって言ってましたね、何て名前なんです?」
そこで明日菜さんは少し考えた後、ちょっとニヤリと笑った。
「『逆蟻OH!』」
「え? ぎゃくありおー?」
「クイズです」
……何が何だかわからない。雪緒さんもさっぱりみたいだ。
「じゃあ『逆蟻OH!』の仲間に『巻く墨』、『紅雪みとめる』、『アマ無線列島』、『沢田研二明日静かに雨』、『呂夫婦沢田研二考え込む』……、ああ最後の2つはちょっと難しいわね」
「ダメです。余計に訳がわからなくなりましたよ!」
ぼくは頭を抱えている隣で雪緒さんはまだ考えていた。
「わかったわ。『逆蟻OH!(蟻が逆さ)』がリア王、『巻く墨(ベース)』が、マクベース、『紅雪(スノー)みとめる(承認)』が、でベニスの商人、
『アマ無線(ハム)列島』、がハムレット、『沢田研二(ジュリー)明日静かに(シー)雨(ザー)』、でジュリアスシーザー、』、
『呂(ろ)夫婦(めおと)沢田研二(ジュリー)考え込む(えーっと)』でロミオとジュリエット。全てシェークスピアの作品名ね」
「ご名答! よくわかったわね」
「リア王ということはひょっとしてコーデリア?」
「そう! さすがは雪緒チャン、博識ね」
全然会話についていけない……。
「可愛いのよコーデリア。今度雪緒チャンにも見せてあげるわね」
「……わたしはあまり犬はスキじゃないから」
「そうなんだ」
明日菜さんはちょっとガッカリしている。まあ犬に限らず物を愛するって感情に乏しい雪緒さんじゃ、犬が好きじゃないってのも当然かもしれない。
「ところで……静香ちゃん来ないな。メールでは確かにここに来るって言ってたのに」
「ピアノの練習に夢中になっているとか」
時刻は4時35分って所。昨日の様子じゃ遅れるはずがないと思ってた。それどころか、きっとぼく達よりも先に来てて待ってると思ってたんだけどな。
と、その時ドアのベルの音。ぼくが出た。
「いらっしゃ――、あ、静香ちゃん」
「……」
声を掛けたってのに、何も反応してくれず俯いたまま。表情は冴えない。
「静香ちゃん、いらっしゃい。ゆっくりしていってね」
「……はい」
雪緒さんが笑顔で声をかけているのに、昨日と打って変わっていまひとつの反応。まさか、また何かあった?
静香ちゃんは無言のまま席に座り、適当にケーキを注文した。「チーズケーキでいいです」なんて連れない言い方。一体どうしたって言うんだろ?
「一体どうしたのかしら?」
雪緒さんも一応気にかけている。
「雪緒さんは心当たりないんですか?」
「全く思い当たらないけど……」
「ぼくも、あんまりわかんないなあ」
それからというもの雪緒さんは静香ちゃんに積極的に声をかけるようになった。
無論、それは静香ちゃんの応対をするのが最も雪緒さんにふさわしいというだけであって、言わばあの笑顔は営業スマイルで店員としての業務サービスであることをぼくは知っている。
しばらくして……、店に来てから30分ぐらい経っただろうか。ようやく静香ちゃんも機嫌が直ったのかハキハキと笑顔で雪緒さんと喋りだすようになった。ひとまず一安心である。
先程から適当にふたりの会話を聞いているけど、クリスマスコンクールの話題が尽きない。曲のこの部分はどうだの、ピアノの先生はどうだの、今度のコンクールにはグランドピアノで演奏するだのと。
もちろん雪緒さんも経験者だから、「それはこうね」とか話題についてアドバイスなりしているけど、「ああ、そうなの」とやっぱり冷めている適当な相づちが多かった。
6時、今日はおやっさんが直に「そろそろ帰ったほうがいいんじゃないか?」と言いにきた。
「それじゃ……」
名残惜しそうに静香ちゃんはレジで代金を支払う。なんと800円なり。昨日は1200円だった。1時間半もこの店にいるんだから色々と注文しなくちゃ居づらいのはわかるけど、どっからそんな大金持ってくるんだろう?
「のび太、今日も送っていってやれ。この店をご贔屓にしてくださっている大切なお客様だからな」
「わかりました」
ぼくの返事を聞くと同時に静香ちゃんのウキウキしてた雰囲気が消えた。その代わりにまた俯き加減の冴えない顔。一体どうなってんの?
どこか引っかかりながらも、ひとまずぼくは帰宅への準備をすることにした。
妙なクイズの元ネタは藤子F先生が考えたもの。「ドラカルト」にも載ってます。
>>482 サイトが消滅していると思われます。
作者さんはYahoo!ジオシティーズにスペースを借りていたのですが
ジオシティーズは一定期間の間、まったく更新されていないとサーバーから消されてしまうのです。
ちなみにシナリオは中盤あたりまで進んでいたのですが、完結には至ってなかったです。
妙なクイズというかすごいダジャレだw
「偉い人のお話」はパパが必ず勧めるんだよな・・・
428kbか、どうなるんでしょう。
保守しとく
>>489 続けるにしては少なすぎるし終わるにしては中途半端だね
じゃあどうするの?
「それじゃ、お疲れ様でしたー。雪緒さん、また明日」
「ええ、また明日。じゃあね、のび太君、静香ちゃん」
「……はい、また明日来ます」
ぼくは店を出た。沈み気味な静香ちゃんと共に……。
「ねえ、静香ちゃん。なんか元気ないじゃん。どうしたの?」
「……別に、何でもないわよ」
言葉とは裏腹に明らかにおかしいことはわかってるんだけど……。
それからは声を掛けることすら許されないような雰囲気だった。ぼくっていつ嫌われたんだろう――? 歩きながらのん気にそんなことを考えていた。だいたいぼくにはまったく心当たりがない。どうしたもんだかなあ……。
「ねえ、のび太さん」
ふと突然、向こうから声を掛けられて気がついた。
「おっと。なんだい?」
静香ちゃんはぼくと目線を合わせることなく語り始めた。
「明日でいいわ。のび太さんに話したいことがあるの。明日の適当な時間にうちに来てちょうだい」
「え、えっと……。明日のいつでもいいの?」
「ええ。……明日は維納夜曲に行かないから」
「……!?」
「雪緒さんにはあたしは来ないって適当に言っておいて」
「あ、ああ……」
思いつめたような顔に思わず焦った。すぐぼくの隣にいるっていうのに、何を考えているのかさっぱりわからなかった。
「それじゃ……」
送っていったが礼もなく静香ちゃんは立ち去ってしまった。
後姿が何だか疲れているように思えた。
窓からこぼれる暖かい光。ようやく家が見えてきた。ここまで随分長い距離を歩いてきたかのように、体は疲れきっていた。
「ただいま」
玄関の光が眩しい。
「おかえりなさい。今日はかなり早く出たみたいだけど、どうだったの?」
「とんでもなく疲れたよ。早くご飯にしてくれないかな」
「はいはい」
「それにしても飽きっぽいのびちゃんが随分続いてるじゃない。決して楽じゃないんでしょう?」
「まあね。大変といえば大変だし、面倒くさいと言えば面倒くさくなってきたよ。でも、簡単に止める訳にはいかないんだよ。……自分で決めたことだし、維納夜曲のみんなも結構ぼくのこと大事にしてくれてるし」
決して終わりには出来ない。終わらせるわけにはいかない……。
「ヘエー。まあ毎日昼寝してるよりましね。これからも頑張りなさい」
「うん」
ドラえもんはテレビを見て爆笑している。本当にのん気なもんだ。
「あー、面白かった。それにしてもさ、のび太君。タケコプターを貸してるんだからさ、もうちょっと早く帰ってこれないの? こんなに面白いテレビが見れないなんて、ちょっともったいなくない?」
「そうだねー。なんか最近残業しなくちゃいけなくなってさ」
「へえ、それってどんなことなの?」
「……いや、言えない」
「なんだよ、つまんないの。どちらにしろ、もうちょっと早く帰れるようにしてもらいたいもんだね。晩ご飯は一緒に食べたいんだから」
そうだった。ぼく一人だけでこの居間で食べているこの状況は普通じゃなかった。最初、みんなぼくが帰ってくるまで待ってくれていたのだけれども、
なんか迷惑掛けたくなかったから先に食べておいてくれと頼んでおいたのだった。確かにひとりだけで取る食事はちょっと寂しいかもしれない。でも……。
「慣れるよ、きっと。ぼくがいない食事も」
「そういう問題じゃないんだけど……」
それからぼくは口を閉じることにした。昨日知ったばかりだった、こうして普通でいられるのは忙しいおかげだって。暇が出来ればきっと死の恐怖に怯えるに違いない。雪緒さんの死に……。
――それは、静香ちゃんもおんなじじゃないのか?
そうに決まってる。だってあの子は本気で雪緒さんのことが好きなんだから……。
それじゃ、今頃ぼくと同じように怯えて生きているんだろうか。
それを、少しでも忘れるためにピアノの猛練習をしてるとしたら……。
ぼくはその晩、8時半には布団に潜り込んでしまった。
今日も疲れきっていたという事実と、明日静香ちゃんから何を宣告されるかわからない不安を少しでも軽くしたい為に。
明日を迎える恐怖。――今、この瞬間にも雪緒さんが死んでいる可能性。
再びあの悪寒が戻ってきた。
「何もかも言っていい」。あの時のことを今になって少し後悔していた。でも、あの人を裏切ることは出来ない。裏切ることなんか、できない。
……そして、ぼくは何もできない。再びあの悪寒が戻ってきたのだ。
「うう……」
真冬の朝は寒い。起きるのがおっくうになる。
今日は日曜、のんびりしていたかった。
昨日は結局なかなか寝付けなかったんだし。
「11時だぞ! いい加減起きなさい!」
ドラえもんに布団をひっぺ返される。ぼくは畳の上を転げた。
「なんだよ、もう少し寝かせてくれたっていいじゃんか〜」
「11時まで寝てて何言ってるの! ホラ、とっとと着替えた!」
「わかったわかった、ドラえもんはうるさいなあ……。グゥ」
「立ったまま寝るなー!」
「いいかい、規則正しい生活こそが健康の基本なんだよ」
「だから、ぼくは疲れてるんだってば〜」
「疲れが抜け切らないのも、いい加減な生活を送ってる証拠だよ!」
ひとりでノロノロと朝ごはんを食べる。食パン2枚に玉子焼きに適当に作られたサラダ。
「まずは健康に気を使わないと。風邪をひいたらお手伝いどころじゃないんだからね!」
――思い出した! 静香ちゃんの家に行くって約束してたっけ。
「ゆううつ……」
「シャッキリしろよ!」
ドラえもんは相変わらず騒々しかった。
1時になった。そろそろ行ってみるか。
「ちょっと静香ちゃんのとこまで出かけてくる」
「維納夜曲のお手伝いは?」
「ちゃんとわかってる。じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
ドラえもんに見送られて家を出た。外は北風がピューと音を立てて木をざわめかせている。
「こりゃあ寒いや」
体より心のほうが憂鬱で寒いのだけど。
源家の門構えは借家の我が家よりも多少立派である。今日は何だか威圧感を感じるほど大きく感じた。
玄関先で10秒ほど躊躇した後、結局インターホンを押した。
「……のび太さん」
20秒ほどで静香ちゃんが出てきた。とんでもなく暗い顔、間違いなく疲れきってる。まるで幽霊のようである。
「や、やあ!」
精一杯の作り笑いで、その場の雰囲気を和らげようと努力してみる。
「入って。今は誰もいないから」
「……はい」
無駄だったらしい。早くも冷や汗をダラダラと流しながら靴を脱ぎ始めた。
連れられた先にはリビング。そこはピアノがある。
静香ちゃんは何も言わないまま、ピアノ専用と思われるイスに座った。
「ああ、のび太さんは適当に座って」
相変わらず冷たい。まるで言葉に温度がなかった。
「……」
黙りこんだままソファーに座った。ふかふかのソファーが心地いいのだけど、それよりも静香ちゃんから放たれてるオーラがトゲトゲしくて痛かった。
それから苦しい程の沈黙、約1分。ぼくはひたすら向こうからの言葉を待つことにした。
「……ねえ、ひとつ聞いていい?」
「な、なに……?」
静香ちゃんはぼくのほうを振り向くことをせずに話し始めた。
「あたしたち、『協力する』って言ったわよね。おとといのことだったかしら?」
「あ、ああ……。そうだよ」
「あれ、撤回させてもらうことにするわ」
「え――!」
言いだしっぺは君じゃないか! って言おうとした時だった。
「あの時と今。少し状況が違ってきちゃったみたいだから」
「なんだって?」
そんなことはない。だって問題は何も解決してないはずなんだから。
「あなたは何も変わってない。けど……、問題は雪緒さんなのよ」
「雪緒さん?」
「……一言で言うわ。雪緒さんはのび太さんのことを好きになってる」
「――ハ?」
そ、そんなバカな!
「そうよ。そうに決まってるわ。雪緒さんの心にあるのはのび太さんなのよ」
「そんなワケないよ! あの人はまったく変わってない! だってあの人は今でも死にたがってる! それは間違いない!!」
「違うわ! それは問題じゃないのよ!」
「……え?」
それは、もんだい、ではない?
「問題なのは……、雪緒さんが誰が好きなのかってこと! それは間違いなくのび太さん! あなたなの!」
「それは……。そんなことは……」
あるわけがない。だってそんなハズはない。あの人の心は壊れている。心がない人は物を好きになることは出来ない。それは今まで何度も思い知らされている。
「証拠だってあるわ」
「しょうこ?」
「……昨日、のび太さんの家に雪緒さんが訪ねていったでしょう!」
「な! なんで知ってるの!」
「たまたま見たのよ。本当にピアノの練習に疲れてちょっとだけ散歩してたら、街中でたまたま雪緒さんの姿を見かけたの。家はこの辺じゃない。普通なら遠くて気軽に歩いて来れる距離じゃない。それが何で? って後を追いかけてみたら、のび太さんの家だった」
「……それは」
言い訳しようにも言葉が見つからない。静香ちゃんは、そんなぼくの様子を無視するかのように話を続けた。
「その後、2人であの高校に入っていった。あたしが見たのはそこまで。さあ、話してみなさいよ。昨日、あの屋上で何を話したの!?」
今でも静香ちゃんはこちらを振り返ることはない。でも気迫に満ちたその声はぼくを震わせていた。
「それは……、それは説得してたんだよ。雪緒さんに死なないでくれって。これは本当だよ!」
「本当にそれだけなの?」
一瞬だけ声が和らいだような……。
「ああ、そうだよ。だから、君にはこれからも協力してほしい。だって、ぼく達の目的は一緒じゃないか!」
ぼくは早口で一気に言った。これは本心だ。
「……そうね。だから、もう協力できない」
「ハ?」
「あたし、あの時言ったわよね? あたしものび太さんも、雪緒さんのことが好きなんだって。だから、一緒に協力しようと言った。けど、あの時気づかなかったことがひとつだけあった」
その時、ガララッっと何かが開くような音。どうやら静香ちゃんはピアノの鍵盤を覆う棚をしまいこんだ様だった。剥き出しになるピアノの鍵盤。
「それは……」
言い切らずに静香ちゃんはピアノを弾き始めた。本当にゆっくりとした曲をポツリポツリと。
――! あ!!
「のび太さんも聞いたことがあるんでしょう? 『もういない誰かとわたし』」
もちろんだ。あの日、あの時、あの場所であの人が弾いていたあの曲!
「……雪緒さんの曲よ」
間違いなかった、あの悲しいメロディ、テンポはまったく同じ。それはピアノになっても、あの暗い雰囲気はまったく変わらない。
「一昨日から練習してる。それは指がヘトヘトになるくらい。学校が帰ってから寝る寸前まで何度もね。指が疲れるわ、肩も痛くてたまらないの。
でもね、正直言うと学校に行く時間すらもったいなく思えちゃうの。出来るならずっと家で引きこもって練習していたいと思っちゃう。何でだと思う?」
答えられない。今も演奏されてるピアノは静香ちゃんの言葉以上に鬼気迫る勢いで物語っていた。その異様なまでの雰囲気がぼくを縛り付けていた。
「――それは、あたしが雪緒さんを本気で愛しているからよ!!」
ダンッ!! と凄まじい勢いで静香ちゃんは鍵盤を叩きつけた。耳障りな不協和音が部屋に響きわたった。
「だから……、だから、もうあなたと協力することなんかできないわ。だって、この気持ちはもうどうすることも出来ないもの……」
静香ちゃんは独り言のように呟いた後、崩れるようにピアノにもたれかかった。
気持ちはわからないわけではない。人を好きになったら自分ひとりで独占したいって考えることは普通なんだ。
ぼくの事を恋のライバル視してる静香ちゃんにとって、ぼくは邪魔者でしかないんだろう。
でも……!!
「言いたいことはそれだけ。だから出て行ってちょうだい……」
あのピアノの束縛から、ようやく逃れたぼくは口を開くことが出来た。
「し、静香ちゃん。でも雪緒さん側は君のことを……!」
その時だった。死んだような静香ちゃんが恐ろしい勢いで起き上がったのは。
「聞きたくない! そんなのあんたの口から聞きたくない!! さあ、出て行きなさい!!」
「――っ!」
どうしようもない感情がぼくをその場から走らせた。
玄関先から自分の靴を履き、どこかへ――! ここではないどこかへ!!
走った。デタラメに走った。
なんだよ……、そんなの、あんまりじゃないか!
ぼくが何したっていうんだ。何でぼくが怒鳴られなくちゃいけないんだ。何でぼくはあの子に怒鳴られた事がこんなにも悲しいんだろう!
ひとりになりたい……。
>>500 スレの残りサイズでしょ。あと60kbか。まだ大丈夫だと思うけど。
そして気がつけば裏山にいた。何でだかは自分でもまったくわからない。
携帯電話で時間を確認する。午後2時10分。今のうちに維納夜曲にメールでもしておこう。
『風邪引いちゃって出られません。今日は休むことにします』と。
寒い。指が何度も震えた。その度に打ち直した。本当にこんなんじゃ仕事に出られない。
20分ぐらいかかって、ようやく打ち終わった。そして電源を切った。……誰も電話にかけられないように。
裏山はとんでもなく寒かった。このままじゃ凍え死ぬかもしれないくらい。
――それも、いいかもしれないな。
ふと、そんなつまらない事を考えてみた。
涙が出てきた。
――そして、何かを思い出した。
夕陽が落ちかけていた。ぼくはそれを見つめていた。
まるで、この世界から捨てられたようだ……。
ああ……。そうか、ここはポイを持ってきた所。あの日、拾ったはいいけど、どうすることも出来なくてここに移動させたんだっけ。
なんだかな。今度はぼくが静香ちゃんに捨てられたってわけか。裏切られたってほうが正しいのかな? あの日、ぼくがポイをここに置き去りにした時も本当は怨んでたんじゃないかな。そうかも……、きっとそうなのかも。
少しだけ落ち着いてきた。凍えるような寒さが頭を冷やしてくれたと思う。
「どうしようかな、これから」
重たい腰をどっこらせと持ち上げた。やっぱりうちに帰るべきだろう。
「明日も学校か……。でも、もうそろそろ終わりだよな」
冬休みが始まってクリスマスが来て大晦日が来てお正月が来て……。これから楽しいことばかりのはずなのに今はただ時間が過ぎていくことが怖い。目の前には底無しの絶望感しかない。
「……家に帰ろう。本当に風邪引いたってみんなに迷惑掛けるだけだもんな」
自分がここにいる意味ってなんだろう。そんなことを考えてみたら雪緒さんが死にたいって言ってたのを思い出した。
ああ、そうだ。確かぼくのせいで子孫に迷惑をかけてたんだっけ。ぼくって本当にろくでもない奴だったんだな。今更こんなことになってわかった。
「ただいま」
家に帰ったのは5時30分くらいのことだっただろうか。
「おかえりなさい。随分早かったのね」
「え?」
「維納夜曲のお手伝い。いつもならもっと遅くまでやってるじゃないの」
「……ああ、そうなんだ。今日日曜だし、早く帰っていいってさ」
維納夜曲からうちへの連絡はなかったのか。まあ、それならそれでいいさ。
「ちょっと昼寝しとく。明日も学校あるし、お手伝いもしなくちゃいけないんだ。少しだけ寝ておく」
「はぁ。晩ご飯までには起きるのよ」
それから、布団の中でダラダラとマンガを読みながら過ごした。体も心も疲れているのに寝ることは出来なかった。
「どうなの、最近、具合のほうは?」
「最悪ってところ」
「ふーん。で今日はちゃんと維納夜曲に行ったわけなの?」
「行ってないよ」
「ふーん、そう……」
さっきからそんな会話がドラえもんとの間に交わされていた。
「それじゃ、ご飯が出来たら呼ぶから……」
「はいはい」
それからまもなく階段を下りていく音が聞こえた。ぼくを一人きりにしてくれたのかもしれない。
ご飯を食べても味がわからず、テレビを見ても面白くもなかった。『世の中ってあんまりリアルじゃない』。そんな言葉が頭を過ぎった。まるでその通りだ。
ぼくはウスラボンヤリと窓から月を眺めていた。寝る時間になっても寝る気にならなかった。眠たくなかった。
「じゃあ、ぼくは先に寝るから……」
後ろでそっと押入れの戸が閉まる音がした。ぼくはドラえもんの邪魔にならないように電気を消した。
今もあの子は気が狂ったようにピアノの練習をしてるに違いない。それを周囲に咎められても決して止める事はないだろう。
他人を気にすることなくひたすらに、一途にただ一人をを苦しくなるまでに想ってたあの姿。……そういうのが『本気』で人を好きになるってことなのかもしれない。
それなら、ぼくがそれを邪魔する権利もないし、逆に応援してやるくらいが友達としての役割なんじゃないか。
……それでぼくは満足できるのだろうか。
それで、いいのなら、ぼくはこんなに悩まなくていいのに。
「朝だ! 遅刻するぞー!!」
「ああ……」
もう朝が来たのか……。それすら実感がなかった。
朝ごはんを適当に食べた後、学校へ向かった。
フラフラとおぼつかない足取りだったから何度かつまづきそうになった。
……それでも助けてくれる人はいないんだ。
教室に着いた時はもう1時間目が始まっていた。廊下に立たされたことは言うまでもないだろう。
廊下から教室の中を覗いてみる。すると一つの空席があることに気づいた。
それは静香ちゃんの席だった。
顔を合わせなくていいっていう安心感の後に、妙な不安感がぼくを襲った。まさか……これからずっと学校に来ない、つまり不登校なんてことはないだろうな……。
休み時間、クラスのみんなに聞いてみると静香ちゃんは風邪だと言う。入院してた時の風邪がぶり返したんじゃないかって心配する子もいた。本当はそんなわけがないのだけど、何も言えることはなかった。
どうでもいいような授業はあっという間に終わり、放課後になっていた。今日も維納夜曲に行かなくちゃいけない。いや、それと言うよりは行くべきなんだろう。ぼくはお手伝いなんだから。
……そういえば昨日は維納夜曲に行っていない。雪緒さんはどうしているだろうか。
その時、突然ぼくの頭にひとつの考えが浮かんだ。
行ってみようか。もう一度、あの場所へ。
それで、雪緒さんという人ををもう一度考えてみよう。あの曲を聴きながら。あの演奏に雪緒さんが何か想いを込めていることを信じて。
ようやく昨日から止まってた頭が正常に動き出した気がした。そうだ、まだぼくには知らなくちゃいけないことがあるんだ!
もう誰もいない教室、ぼくは席を立った。そして夢中で走り出した。廊下、階段、昇降口、校庭、校門、そして大空へ!
綺麗な冬の青空、日はもうそろそろ落ちようとしている。まだ間に合う。雪緒さんはまだ学校にいる。まだ終わってない!
200レス突破…でも、あと50は続きそうです。
>>501 とりあえず自分がテンプレでも作っておきます。
乙、いやあ、いい修羅ー場ですねえ
ところで「もういない誰かとあたし」が正式らしいのでよろすく…。
乙保守
保守新党
保守印船
高校の屋上に到着した。そこには誰もいない。するとやはり教室にいるのか? 石ころ帽子を被った。
「行くか……」
ドアを開ける。そこから広がるのは静まり返った校舎。
ぼくはそっと足を踏み込んだ。そして耳を傾ける。ギターの音、雪緒さんの音を確かめるために。
……聞こえない。校舎内からは何も聞こえることはなかった。
でも、教室の場所はだいたいどこら辺だかはわかってる。前にもここには来たことがあるんだし。
ぼくは足を進めた。耳を澄ましながら、一歩一歩注意深く。それでも何も聞こえてくるものはなかった。それは前、ここに来た時には確かに聞こえていた場所ですら。
もしかして、ここにはもういない? 既にバイトに行っているんじゃないか。でも時間的にはまだ……。
ぼくは気持ち的に急ぐことにした。焦っていたというべきかもしれない。
――ここで会わなきゃ意味がない。あの場所、あの雰囲気じゃなきゃ、ぼくはあの人のことを考える意味がないのに。
そしてたどり着いた。この前来た教室、あの場所へ。……だけどギターの音なんか聞こえてはきやしない。
やっぱり誰もいない。そう思って閉められたドアを開けた時だった。
信じられない光景がそこにはあった。壮大な夕陽の中、ある一人の少女が眠ってる誰かに口づけしていた。
その特徴的な髪型、見間違えるはずもない。その人は間違いなく源静香。それじゃ、そこの机の上に眠っているのは……。
教室のいう空間はまるで幻想的な世界、夕陽はその一途な想いを称えているかのようであった。
ぼくが呆けている間、静香ちゃんはそこから顔を離し、こちらを振り向いた。
「……」
動揺した様子はない。確かに静香ちゃんにはぼくの姿が見えていないはずなのに、その視線はぼくだけを見つめてる。
「のび太さんでしょう? 隠れてないで出てきていらっしゃいよ」
「……」
ぼくは帽子を取った。静香ちゃんは黙り込んだままだった。
「なあに? 何か言いたいことがあればハッキリ言えばいいじゃない!」
「……!」
言葉が出ない。出せない。何を言えばいいってんだ!
「女同士で気持ち悪いとでも思ったの? そうよ、あたしはしたことは普通じゃない。そんなことぐらいわかってるわよ! でも……、でも、あたしは……」
その時だった。静香ちゃんの声で寝ていた雪緒さんが目を覚ましたのは。
「――!?」
雪緒さんは何でぼくたちがここにいるのか分からないみたいでちょっと驚いている。
「雪緒さん……」
静香ちゃんがぎこちない様子で雪緒さんに近づいていく。その有様はまるで死人のような動きだった。
「あたし、雪緒さんにキスしました」
「え?」
雪緒さんは自分の口元に手を当てる。残ってる感触を確かめようとしてるんだろう。
「キス……したの?」
「あ、そ、その! あたしは雪緒さんのことを本気で好きだから!!」
静香ちゃんは一歩踏み出す。しかしそれに合わせるかのように雪緒さんは一歩退いてしまう。
「……ゆ、雪緒さん?」
「やめて……、そんなことしないで……」
「えっ?」
静香ちゃんが凍りつく。
「もう2度とわたしに近よらないでぇ!!」
全てを拒絶する声が教室内に響いた。その時、ぼく達は呆然とするしかなかった。
「――あっ!」
雪緒さんは我に返ったように動揺していた。それは自分が何を言ったか気づいたのだろう。
「そう……ですよね。女の子同士なんて気持ち悪いですもんね。あたしったら何も考えずに……!」
「ち、ちがう……の。静香ちゃん!」
「あ……!」
「ごめんなさい! さようなら!!」
静香ちゃんは振り返ったと思ったら物凄い勢いで教室から走り去って行った。
その顔に涙が見えたかも知れない。
「静香ちゃん!!」
声を出したのはぼく。雪緒さんの方に視線を移すと。
「あ、ああ……!」
口から言葉にならない嗚咽を漏らしながら酷くうろたえている。震えが止まらないみたいだ。
そこまで取り乱した様子は今まで見たことがなかった。
静香ちゃんも放っておくわけにもいかないけど、雪緒さんもなんかおかしい!
ここは……!
次の瞬間には全力で地面を蹴っていた。ぼくはひとまず静香ちゃんを追いかけることに――っ!
「――あっ!?」
左腕を誰かに強い力で掴まる感覚。腕は完全に伸びきったまま、ぼくはバランスを崩して勢いをなくした。後ろを振り返るとその腕は雪緒さんによって掴まれていた。
「お願い――、行かないで!!」
「で、でも!」
「お願いぃ!」
だが、ぼくは精一杯の力で強引にそれを振りほどいていた。
「!?」
余程ぼくの行動が意外だったのか、雪緒さんは目を見開いている。
「……ここで待っていてください。ぼくはあの子を放っておく訳にはいかない!」
「のび太君っ!」
後ろを振り返る暇はなかった。何が何でも追いつかなきゃあの子は――!!
>>507 な、なんだってー!! 雪緒の一人称は「わたし」なのに!?
>>514 そこが不思議なところ
ライターと作曲者の単なる意思の疎通ミスか
あるいは意図的なものか
保守新党
保守
最下層民には変なスクリプトがついてるから気をつけろよ。
( ´_ゝ`)フーン