エビルたんに甘えるスレ@兼雀鬼・NW総合スレ…?

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35これも愛の形 1/7
「はい、どうぞ」
 芳晴はニコニコと満面の笑みを浮かべながら、コーヒーカップの乗ったト
レイを差し出した。
「ありがとう」
 座布団の上に正座していた江美――エビルが、ニュートラルな表情でカッ
プに手を伸ば。
 一口口付けてから、あたりを見回すように視線を泳がせた。
「今日は、あの小うるさい天使はいないのか?」
「コリンですか? 一度遊びに出たらいつ帰ってくるか解りませんから」
 エビルの問いに、芳晴は困ったように苦笑しながら答えると、すぐに嬉し
そうな笑顔に戻る。
「でも感激だなぁ、江美さんが俺の部屋まで来てくれるなんて……あんなこ
とがあった後だから、もう口も聞いてくれないかと思ってましたよ」
「あれは事故のようなものだ、あんなものをずるずると引きずる程私もおろ
かではない」
 エビルは芳晴にそう答えてから、再びカップを口に近付けた。
 ひとすすりしてから、ふはぁっ、とため息をつく。
「とは言いながら、人間の男に呼ばれて来てしまうあたり、私も相当俗化し
たかな」
「俗化って……」
 自分のカップを手に、芳晴が苦笑する。
「芳晴」
 エビルはおもむろに顔を上げ、じっと芳晴に視線を向けた。
「わかっているとは思うが……私は…………だぞ?」
 相変わらずニュートラルな表情が、物悲し気に見えた。
「別に……俺にとって江美さんは江美さんですから」
 少し照れくさそうに言い、それをごまかすようにおどけてみせた。
「まさか、俺の命をもらうぞー、とか? 江美さんにならとられてもイイか
も知れないけど……」