葉鍵の野望・・・覇王伝

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538東北の中の人@世界編
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       〈(ハ从ノlハミi((.   /
        l人`Д´#从 )) < 勝手に人を月厨アーパーの仲間にすんじゃ無え(怒
         /  y/  ヽ(   \
        (⊃ ⊂[_ノ       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        (ノノノ | | | l )  シツレイナ。
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
悪近中に荒れまくった様で(w、本格的な説明ができなかったんですが。

これに関しては確かに一応、最初から出てきているネタです。
結局最大の問題点は、日本以外の「海外」の設定と日本の朝廷の設定をどうするかなんです。
こちらとしてはこの問題は、「歴史上の人物をSS上に出すか出さないか」の海外版と認識してます。

なぜ、それが必要かというと、結局東北というか、南蛮が出てくるからです。
政宗的な発想だと、どうしてもイスパニア艦隊提督ビスカイノとか、支倉常長などの
「海外組」の話もできれば残しておきたいわけです。なぜなら、所詮東北は出遅れ組であり、
史実どおり、天下統一できるとは最初から思っておりません。下手すると、まあ歴史通りです。

結局、どこでもそうですが、野望型だと滅ぼされる勢力がどうしても出ぎみ。
しかも、バトロワでもないので、その武将は「死ぬ」訳ではない。当然降伏して内政を行う
キャラも出てくるわけですが、内政が得意な武将はSSでは消されぎみになりがちなのは、
もう最初から予想されていまして。(やっぱり戦が華ですから。)

まあ、それでもいいのかもしれませんが・・・
でもあまり戦闘するのが苦手な作品群も、正直有るわけで。
一応それを消す為に「貿易」「対外交渉」「侵略」という名の海外がらみの新しい舞台を
天下布武の次シナリオとして下準備しているという伏線もあったりします。
539東北の中の人@世界編:03/11/02 00:02 ID:Yy2XnMoX
 コレに関しては、「海外を一切出すな」という論理も確かにできます。
 確かに、「野望」というゲーム上ではそれでもいいでしょうが、SSとなると正直
海外を「一切出すな」といわれるのは正直時代遅れな気もします。まあ、南蛮人や唐人が
一切来訪しない国というのも、正直、どうかと思います。
 この時代なら、ある程度なら海外に文化開放し、進んだ知識と先進的な考え方を持って
技術開発と軍事拡張に臨み、悪習を退け、改革と革命を日本各地にもたらす大名の
方が、やはり「信長」の性格、そして乱世を制覇する覇王としては適任かと思います。

 で、その海外を、なんにしようかという所で。
 いくつか候補が出てきましたが、その候補の一つとして「他会社勢力」を候補として
当時出した訳です。話とあまり関係ないのに、どうして名前が出てきたのかという
疑問がありましたが、これが答えになりましょう。
 要するに、出した理由は、海外勢力の確認と、相談です。というより、
一番重要なイスパニアと朝鮮・中国の設定です。

 「あれ」をわざと出して、反応を見た上で、海外勢力をどうするのかの相談を
できればしたかったわけです。
「あれ」は、こちら側の疑問に対する一応の「形」の提示の一つであり、
それに対して他の中の人がどういう反応をするのかは、その時の反応を見てなんとなく決める形を
本来取りたかったわけです。
 まあ、確かに。海外に関してはそう簡単には出ませんので、難しいといえば難しいですが。
 また、本来板違いの上、直接関係ない海外の話で戦闘をとめるのはどうかとも思うので、
あえて進んでは話をしてませんでした。
540東北の中の人@世界編:03/11/02 00:03 ID:Yy2XnMoX
ちなみに、他会社勢力の話の元ネタとしては、関連スレとしてエロゲネタ板で出てきた
三国志スレがその出自です。
エロゲネタ板の設定ですと、会社別の戦い方になっており、キャラ別で戦っているわけではない。
ですが、葉も鍵もエロゲであることに違いは無いわけですから、とりあえず、
東アジア秩序の中に組みこんでいいのかとか、いろいろネタとしてはあったわけです。

 で、毎度のごとく現れる議論の中の一つとして、実際の人物をどこまで出していいのか
という話もありまして、宣教師などに関しても例外ではありません。
 宣教師としてはルロイス等が有名ですが、こいつを出していいのかどうかは正直難しい。
 今井宗休だしていいのかというのと同じぐらい頭抱える問題ですが。
 (堺が焦点になりだしてるからココもヤバイネタになってきそうな気も・・・無いわけではない。)
541東北の中の人@世界編:03/11/02 00:04 ID:Yy2XnMoX
んで。
その当時、(前スレ)の段階で提示したネタ叩き台は、
   朝鮮−エルフ黒虹等
   中国−その他エロゲー
     (葉鍵に関係のあるエロゲーは山東半島・呉等近いところに置く)
カンボジア−コーエー(アンジェリークはここのネタですな)
イスパニア−PS2
ヨーロッパ−PS2・ドリキャス他
   同人−海(海賊・私掠艦隊)(大航海時代ルール)

当時、世界地図として出したネタはそれですた。んで、

「西洋にその名が知られる」=「コンシューマー化」
「同人」=「会社じゃない」=「領土なし」=「海賊」

当時はそういう基準でこの世界地図叩き台つくりますた。もちろん改変可です。
542東北の中の人@世界編:03/11/02 00:10 ID:Yy2XnMoX
 ちなみに、収容がつかなくなるのではという問いもありますが、
収容できなくともぶっちゃけ、外国の話なんで海隔てた日本には関係ありません(w

 というかそもそも、外国同士で言葉が通じないので、収応する必要性が無い。
収容できてれば現代ではもう戦争起きない(世界統一政府が出来ている)わけで、
収応できなくなるのが当たり前と最初から観ているので、あんまり細かくは
設定する必要はない・・・・

 が、全く設定が無いのはちとまずい。

 特に、朝鮮・中国。

まあ、九州と琉球の中の人が決めてくれればこちらとしても極めて、有難いんですがね。
正直、議論が必要なところです。

 ちなみに、この場合、他会社の日本参加は難しいと考えた方がいいです。
 グローバル思考など皆無なこの時代では、言葉と常識の壁が厚すぎます。
 国崎や美凪・詠美・玲子などは有る意味「最高」(wだから壁を軽々と突破できた
 (及び、できる)所があります。瑞希とか、下手な常識人でこの壁は破れません。
 まさに、革新大名や武将が相当な事情を持たないと、これは正直できません。
 (中国から日本なんて特に。倭寇に犯され、日本を見下している中国人から見たら、
  日本を学ぼうなんてネタは無いに等しいでしょう。中華思想の壁は日本よりさらに厚い。)

異論が有る場合は、ここの海外設定から文句を付けて頂けると有難い(w。
なぜかというと、「日本国全体」の問題であり、それはそのまま国内情勢にも直に反映してくるからです。

特に、対馬10万石の内訳なんて、朝鮮との交易が主なんで、極めて重要なネタかと
思います。こちらとしても北海道を使ったアイヌルートももちろん出ますし、正直有る程度
設定がほしいんです。

朝鮮出兵も見越して・・・。
543名無しさんだよもん:03/11/02 00:10 ID:OXxbUseb
>>540
×ルロイス

○ルイス=フロイス

×今井宗休

○今井宗久

それはそれとして、無理に実在の人物を消す必要は無いと思いますよ。
葉鍵勢力だけでは人数的にどうしても頭打ちですから。
大名としての登場は性質上避けるべきでしょうが。
あと、あまり今後の展開のネタ晴らしは…。
544名無しさんだよもん:03/11/02 00:13 ID:OXxbUseb
>>542
世界征服までやり出したら現実の時間で何年あっても足りないのでは?
545名無しさんだよもん:03/11/02 00:29 ID:OXxbUseb
エロゲネタ板に少し書き込んだ者ですが、
向こうでは舞台はあくまで現代(あるいは近過去)を前提として書き込んでいます。
戦国を舞台とする場合他社勢力の扱いは再考の必要ありと思っています。
546東北の中の人@世界編:03/11/02 00:33 ID:Yy2XnMoX
>>543
あら(w
打ち間違えでした。すいません。

まあ、今後のこちら側の展開のネタは、バラしているようで、実はばらしてません。
「あれ」ネタだけですので、そこらへんはご安心ください。
(というか、あれまんま大航海時代のパクリなんですがね。)

確かに、他の人に関しては有る程度憶測は入れてますが・・・
これは確かにあんまりやるべきではないですな。

あと、世界征服自体は、口ではどうであれ史実どおり無理でしょうね。
でも、一応「やれるように」しておけば、そのネタでもう一波乱国内に起こせる。
話を全てそこで終わりにしてもいいし、その時々に応じてですね。

でも、天下統一そのものができるのかしら(w
547名無しさんだよもん:03/11/02 01:24 ID:Pw5fH0cY
>545
場所教えてください。
548名無しさんだよもん:03/11/02 01:31 ID:d09wZ/nV
対馬10万石の内訳云々なんてたいして重要でもない。
朝鮮出兵なんか見越さなくてもいい。
549東北の中の人@世界編:03/11/02 01:37 ID:H4dYyOWy
>>545
成る程。
 まあ、この時代は中国は明代後半から清代初頭、西洋もレパント海戦とか
その時の話ですから、エロゲネタと最初から完全に合うとは思ってません。
また、下手に振り回されるのもどうかと思いますし、完全互換は無理でしょう。
 これに関しては、「概念」というか、世界観の話ですから、そこまで話を詰める
必要性は無いかもしれません。
 (まあ、歴史を完全に合わせる必要性も無いという意見もあるが。)

 一応。こちらに関しては「あれ」関係は実在人物に変更してもOKです。
常にその準備はしています。
 なんなら南蛮人も宣教師も他にいますし、実際に技術が信長あたりに渡ったのも
事実の模様なので、そこら辺は調整可能です。

 でも、これ(海外)に関しては、中の人同士の世界観の話ですから、お話し合いです。
こちらとしては、「他作品の国々もある中での葉鍵を中心とする国」で考えた方が
ネタっぽいかなという発想もあったんで、出した当時としては軽く出したんですが。

 (当時、正直「彼ら」が「あんな」人たちだとは知らなかったんで。申し訳ない。)



550東北の中の人@世界編:03/11/02 01:37 ID:H4dYyOWy
 あともう一つ。
 水瀬・大庭戦の「飛ばし」について文句が来てましたが、正直、これはかなり難しい(w。
これは、「中の人同士が完全に反対の意見でぶつかり合った」最初の事例なので、
かなり頭痛い所の一つだったんです。

当時は、千堂・大庭・水瀬の国境線すら確定しておらず、またルールも烈風伝とか
武将風雲録とかで、めちゃくちゃだったので、大混乱した戦いでもありまして。

(川越城から九品仏軍(千堂軍)が訓練の為に城を出て、その間になぜか長谷部彩
(大庭)が川越城にいつのまにかいて、それが水瀬に寝返って、さらに千堂家が奪い返すと
 いうかなり「水瀬側に有利な」めちゃくちゃな話でして(w
 川越城を水瀬に取られたら両家共に東北や同盟どころじゃなくなるんで、
 かくかくしかじかの上、結果、また禁じ手である朝廷命令で強引に同盟させた・・・)

 ただ使者出すだけの話が肝心要の所で話の主軸の主人公が寝返ったり(苦笑)、
移動したりした為、偉く長くなり、それがために大庭家の軍事技術のインフレや東北の
硬直化など、副作用が起きてしまった・・・というのも、実情といえば実情です。

 まあアホみたいな副作用は、こちらで責任もって消します。
 ですが、中の人同士が戦しあうときは、有る程度の話をしておかないと、悲劇が起きる
可能性が高いことも正直、ありえます。
 まあ、近畿で鍔競り合いが続いているようですが(w。
 中の人同士が戦する場合は、最悪、軍事統率権の放出までも視野にいれ、書く方は、
「日本のため」「大名の今後の為」に、いかにして「国を滅ぼすか」さえも上手く
考えないとならないかもしれません。です。はい。
551東北の中の人:03/11/02 01:43 ID:H4dYyOWy



        .´   `v^)     _____
       〈(ハ从ノlハミi((.   /
        l人´д`从 )) <   以上、終了。
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        (⊃ ⊂[_ノ       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        (ノノノ | | | l )    スレ汚シスマソ
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄







552名無しさんだよもん:03/11/02 01:56 ID:OXxbUseb
>>547
☆ねこねこの野望 〜全国版〜☆
www2.bbspink.com/erog/kako/1053/10539/1053964997.html

「ロックは人生だ」規制が鬱陶しい。
553名無しさんだよもん:03/11/02 02:00 ID:oQmN99F2
>552
ありがとうございました。
554名無しさんだよもん:03/11/02 03:17 ID:soxPFTtx
>>550
水瀬に有利だったのは川越城確保までで、最終的には千堂が有利になったかと。
555名無しさんだよもん:03/11/02 07:26 ID:tA+OQZdB
>550
彩の所在についてはそのときにNG出せば済んだ話なのでわ…?
勢力的に居ないはずの場所に居る、ってのは明らかに他がツッコミ入れるべき場所。
好き嫌いとかの問題じゃないからね、それ…
そんな状況を自家優位に収拾したかったのは判るけど、
そのために世界設定そのものにまで手が加わってしまったのは明らかにあなたの咎。
あなたがそーいうのを好きそうだから設定決めをみんながあなたに無言委任してるだけの話で、
千堂戦力の優位確保のために世界設定を定めようってんならこの企画、崩壊するよ?
猛省されたし。

中の人同士の戦いについては基本的には同意。
ただし、それをここでやるとスレの進行が止まり
外部チャットでやると「コテによるスレの私物化」と粘着荒らしに絡まれる罠。

あんたの書く設定、けっこう好きなんで苦言を呈させてもらった。
気分を害したのなら忘れてくれ。

556名無しさんだよもん:03/11/02 10:21 ID:ot5+Zuwm
世界地図なんかイラネ
別に人なんか出さなくても「中国と交易しました」でいいじゃん?
対馬の内訳なんて宮田の人に任せればいい。宮田の人がいらない
設定なら不要。
557東北の中の人@:03/11/02 11:13 ID:Hpjzb1i7
>>555
当時も、NGはそれとなくは出したんですがね・・・(笑。気付いて貰えなかったのか、あえて無視したのか・・・

だが、・・・NGを聞き入れてくれない人も中にはいらっしゃいまして・・・
正直、NG聞く聞かないも中の人次第ですから。
中の人同士の直接の話し合いは正直、馴れ合いの可能性も
出るので避けたかったという罠もあり、正直結構難しい面もある。
(本来なら、世界地図とかのネタもここであんまりやりたくは無い。)

で、武蔵に関してですが。
近江に関しては名城が二つ有り、琵琶湖もあるし京に近いので、当然これでもいいのでしょうが、
近江と武蔵は少々状況が違いまして。
    一応「南武蔵」(東京地区)本城(行政管区)は八王子城にしてあるが南は北の従属物に正直近い。
    戦略的には確かに重要だが、国としてはあまり・・・。正直、「北武蔵」がこの時代、武蔵の中心。

と、なると。(南武蔵が対馬とか安房と同じ扱いにされてしまうと)和樹の領土が下手すると、
相模一国扱いされかねない。(結局は、本城である、川越(松山)落とした大名家が
武蔵代表という意味合いが強いので)

となると・・・

558東北の中の人@:03/11/02 11:31 ID:Hpjzb1i7
国の例:

宮田家(今)  肥前・筑前・筑後    (壱岐・対馬)
水瀬家(初期) 越後・下野        (佐渡)
千堂家(初期) 相模            (南武蔵・伊豆)
大庭家(初期) 上野・常陸・下総・武蔵 (但し、常陸が妖しい)

「本城取り」というのは、ゲーム上の設定ですが、国ごとに色分けすると大庭家が広すぎなんです。

(しかも、川越の落とし方が「彩が寝返ったから北武蔵が水瀬家に落ちました」という論理だったので、
いくらこちらでも彩一人出奔ならともかく、2・3行でいきなり国丸ごと他作品移動は到底受け入れられぬ。
せめてどうやって落としたのかについて書いてもらえれば、ありがたかった・・・)
※忍城が出てきた話は、結局はその問題の派生です。というか、彩が戦線の最前線にいるとは、正直思えなかった。

関東の街道の殆どが川越通っており、ここを水瀬に取られれば、エンドレスで戦いが続きかねない。
(そのままだと水瀬・千堂同盟があるので、千堂家は武蔵には攻め込めない。
 そうなると一応、川越攻防戦は大庭家有利になるので、ひたすら倒れるまで戦争が続く。)

正直、玲子が出るまで待ってもらえれば(ゲーム内時間2ヶ月)こんな事にはなってなかった・・・

まあ、HP管理の人も大変だと思います(w。見難いのは解ってますので、後で書き直す事も有るかもしれません。
海外設定に関しては、一応大勢に従いますです。はい。
559上陸(中編):03/11/02 15:01 ID:ok9DNJUI
「しっかしシケてんなぁ」
「何だか雰囲気暗いですよね」
古くから栄えた港、日本三津の一つと寄港先で聞いてきたのだが、上陸した
その場所は町の大きさこそそれなりの規模だが、昼間なのに人通りも少なく、
歩いている人の表情も暗かった。
「……本当に商売になるのか?」
「さあ?まずは話を聞いてみないとね」
魔族と呼ばれる民の中でも名門として知られ、また故国でも有数の武門として
重きを置かれたデュラル家だったが、外国よりの侵略軍の迎撃を命じられて
当主ルミラはじめ主だったメンバーが出陣している隙に折悪しく地権に関わる
大がかりな詐欺に遭い、あっというまに素寒貧になってしまったのが数年前、
金の切れ目が縁の切れ目は古今東西普遍的な真理らしく、凱旋から一転して
四六時中借金取りに追われるようになるわ、屋敷まで売り飛ばす羽目になるわ、
他の貴族連中に指差して笑われるわ、それだけならまだしもここぞとばかりに
宮廷政治的にも足を引っ張られるわ、それが原因で国王にも敬遠されるわ、
大勢いた使用人たちも去って行くわ、あっという間に没落貴族そのものになって
しまったのは、まあ腹芸の苦手な武門故の政治力の低さも一因ではあった。
いろいろ試みたもののやればやるだけ状況は悪化の一途、いっそ外国で商売を
起こして一旗上げよう、それならいっそ遠ければ遠い方がいいとばかりに
黄金の国として話に聞く日本を目指したのが一昨年のことだった。渡航準備で
またまた借金を増やす羽目になったが、もうここまで落ちれば怖いものはない、
最後までルミラについていく決心を固めている忠実な部下のみを連れて、
途中情報収集をしつつ売れそうな品を仕入れつつ、ようやく日本本土に辿り
着いたのであった。だが、上陸地のこの状況はどういうことなのか?
情報が間違っていたのだろうか? 一同に不安がよぎった。
560上陸(中編):03/11/02 15:02 ID:ok9DNJUI
「そこのお爺さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかしら」
数少ない通行人の中から、一人の老人にメイフィアが話し掛けた。
「あんたら、そこの船の人かい?」
「ええ、そうだけど」
「悪いことは言わん。役人どもがサボっているうちに早く別の港に行きなされ」
「どういうこと?」
「ここ薩摩の国は今あまりいい政事が行われていないのじゃ。この国を治める
 ラントールの殿様は強欲なお方じゃ。あんたたちのような南蛮の人が来たと
 なれば役人どもは点数稼ぎのために税と称して積荷を根こそぎ持っていくじゃろう」
それを聞いてルミラは苦笑した。
「……どこの国でも腐敗した連中ってのはいるものね」
「悪いことは言わん、大隅の方にでも行きなされ。あそこの殿様はサーゼ様という
 お方なのじゃが、剣の達人にして賢者の誉れも高い立派なお方じゃ。政事も至極
 真っ当と聞く。根占あたりならここからでも遠くない。早く立ち去りなさるがいい」
「……もう遅いみたいだな」
エビルが指差す方から、立派な服装で馬に乗った男が、武装した二十人ほどの
男たちを連れて現れた。通行人たちはその一行を見かけただけであっという間に
姿を消してしまった。
「なるほど。典型的だな」
「絵に描いたような嫌われ者みたいねぇ」
561上陸(中編):03/11/02 15:04 ID:ok9DNJUI
「そこな南蛮人ども、神妙にせよ! そこへ直れ!」
男は高圧的な態度で馬上からルミラ達を呼ばわった。血の気の多いイビルが
眉を怒らせて前に出ようとしたが、それを押さえてルミラが応えた。
「そういうあなたは何者? そのおっしゃりようはさぞやお偉い方なのでしょうね?」
「俺は薩摩守護代ラントール家の御当主トゥル43世閣下の代官だ。下賎な南蛮人
 風情がここ坊津に上陸しながら真っ直ぐに代官所に来ないとは何事だ。賊と
 みなして成敗されても仕方ないところだぞ! ……だが我々も鬼ではない。
 それなりの挨拶をするなら許してやろう」
「ふ〜ん、挨拶ね。じゃあアレイ、お願い」
「は? え? わ、わたくし、ですか? は、あー、えーと、その、わたくし、
 世に名高きデュラル家のルミラ様にお仕えするアレイと申します。
 ……えーとその、本日はお日柄もよ」
「御苦労様、もういいわよ。……さて、これでいい?」
代官は呆然としていたが、次の瞬間我に返って怒鳴った。
「貴様ら、愚弄するか! えい、お前ら、こいつらに少々痛い目見せてやれ!」
一斉に抜刀する男たちに向かって馬上の男が声をかけた。
「適当に相手してやれ。やり過ぎて殺すなよ。閣下は寛大なお方だからな」
(こいつら、なりは粗末だがなかなか上玉だ。いつものように適当に痛めつけて
 から美味しく頂いてやるとしよう)
馬上でにやける代官の表情を見てルミラは嘆息し、さっきから恐い顔をしている
イビルに言った。
「……なめられたものね。イビル、頼むわ。これくらいなら一人で十分でしょ」
「へへっ。そう来なくちゃな」
ルミラの言葉を聞いて怒りで顔を真っ赤に染めた男達に対して、イビルは一転
不敵な表情を浮かべた。
562上陸(中編):03/11/02 15:05 ID:ok9DNJUI
「ものどもかかれぃ!」
代官の号令で斬りかかって来る男たちの目の前に立ちはだかったイビルは、
いつの間にか禍禍しい空気を漂わせる槍を握っていた。
「へ、お前ら如き素手で十分なんだがな、そこのじーさんを巻き込むと悪い。
 この<魔物の槍>の錆にしてやるぜ」
「舐めるな小僧ーっ!」
「あたいは男じゃねーっ!」
最初に突っ込んで来た男は刀を振るう間も与えられず槍の一撃で沈黙した。その影から
踊りかかってきた二人も、一斉にかかってきた五人も、回り込もうとした三人も、
自分の体の一部の如く自由自在に槍を操るイビルに近付くことさえ出来なかった。
「くっ! こいつ、手強いぞ」
瞬時に半減した男達に向かってイビルは凄絶な笑みを浮かべてゆっくり歩み寄った。
「どうした、これだけか?」
男達の半数はそれだけで威圧され、腰を抜かして動けなくなってしまった。だが、
残りの男達は目配せを交わして別の方向に走った。その先には赤毛の少女がいた。
「そいつだ! そのガキを人質にしろ!」
馬上で代官が叫ぶ。男達は一斉にアレイに飛び掛った。
563上陸(中編):03/11/02 15:07 ID:ok9DNJUI
「お嬢ちゃん!」
しかし、老人が声を上げると同時に、男達は全員投げ飛ばされて地面に這いつくばっていた。
「ああ見えてアレイはとんでもない馬鹿力、いやむしろ力馬鹿なのよね」
「むー、メイフィアさん、それではわたくしの頭の回転に問題があるみたいではないですか」
「あら、全然回転していないわけでもないみたいね」
「……」
「まあ、それくらいにしておきなさいよ」
こんな状況でも軽口を叩く部下達に苦笑するルミラと唖然とする老人。
一方、あっと言う間に部下達が倒される様を見せつけられた馬上の代官は、
震えが止まらない様子でルミラ達に問い掛けた。
「お、お、お前ら、い、一体な、何者だ?」
「ふふ。アレイの挨拶を聞いていなかったの? 私はルミラ=ディ=デュラル。
 これでもれっきとした貴族なのよ? デュラル家と言えば欧州では
 ちょっとは知られた武門なんだけどね。この子達は私の忠実な部下。
 みんな地獄の如き戦場を我が家とした兵共よ」
「く、今日は遅れを取ったが、ラントール家の力をこの程度と思うなよ!
 お、お、覚えておけーっ!」
代官は馬を返して逃げようとしたが、
「逃げようったってそうは行かないニャロメ」
こと瞬発力では馬にも負けない猫の獣人は、次の瞬間には難なく代官を
馬から引き摺り下ろしていた。
564名無しさんだよもん:03/11/02 15:10 ID:ok9DNJUI
後編は後少しなんで、それほど間を空けずに出せると思います。

なお、ルミラ達の故国はベタベタですが東欧を想定。某串刺し王の数代後の
時代ですし。ただ、実際にはオスマン=トルコのスレイマン大帝に屈していた
頃なわけで、厳密には矛盾が出るので抽象的に欧州のどこかという表現にしてます。

言葉の問題については、事前に琉球あたりの寄港地で習得くらいに補完して頂くと
有り難いですが(現時点ではガディム復活前)、これも厳密にやってしまうと
おかしくなるし、無駄に説明行が増えるだけなので誤魔化しています。
そのあたりも含めて、海外設定はあまり厳密にしない方がいい気もしてます。
実在の人物も他社キャラも絶対駄目とは思いませんが、出すにしてもゲスト程度にと。

魔法に関しては信長の野望や三国志あたりのゲームでありそうな程度の効果に
しておくつもり。火計とか混乱とか天候操作とか。
……フランソワーズは木人(三国志曹操伝)?

>515
永禄二年夏に健太郎とルミラ達、一戦交えていたことにさせてもらう予定です。
何卒よしなに。しかし、「城主さん」はいいですね。なつみらしくて。
565名無しさんだよもん:03/11/02 18:11 ID:TlfKENIw
しかし初めからラントールとかが守護代なのはすごいなw
やっぱり九州は魔境だ
566名無しさんだよもん:03/11/02 19:03 ID:tA+OQZdB
まぁ、平安時代からずーっと一国の支配家が変わらんような場所だから…
そんなの日本で他に無いっつーの。
567北川・生きてます:03/11/02 21:00 ID:TpVOXCXH
「たいちょー、俺らこれからどうなるんですかぁ?」
「んなこと俺に聞くな」
越後南部、その山奥を百余のくたびれた集団が進んでいく。
……越中を任せれていた北川軍五千の成れ果ての姿である。

柳川軍加賀強襲の第一報が富山城に届くと北川は即座に援軍に赴くことを決断した。
籠城という選択肢もない訳ではなかったが、窮地の美坂軍を見捨てるなど到底出来る筈もなかったのだ。
しかし、それは柳川の計略であった。
わざと情報を漏らし城外に誘き出した北川軍を柳川は自ら率いる軍勢で奇襲。
質、人数、勢い…… 全てにおいて劣る北川軍はあっという間に多数の死者を出し敗北するのである。

その後、守備兵の碌にいない越中の城はいずれもあっさりと柳川方の手に落ちるも北川は命辛々脱出に成功。
越後を守る為に春日山城へ向かおうとするが、既に城への街道は敵によって制圧されていてそれも出来ず。
しかも不運なことに柳川軍に発見され追われる羽目になるのであった。
568北川・生きてます:03/11/02 21:05 ID:TpVOXCXH
『きったがわくーーーん!! 居るのは解ってるんだよーー!
 返事してくださーーい!』
おそらく紙か何かを丸めて叫んでいるのだろう、遠くから大きな声が響いてくる。
その声の主は柳川家重臣阿部貴之。予備兵力で構成された残敵掃討軍一千の大将である。
『早く出て来た方がいいぞーー! 柳川さん普段は優しいけど、怒ると凄く怖いんだよーー!
 まだ大丈夫だから安心してこっちにおいでよ!』
「誰が騙されるかっての。このホモや……」

瞬間、北川のすぐ側を目掛け矢や銃弾が五月雨の如く降り注ぐ。

『……もう一度言うよーー! 早く出ておいでーー! 今なら命の保障もしてあげるよーー!』
あくまでも先程と同じ声色で貴之は続ける。
「もしかして……見つかってるんじゃないか? 俺達、遊ばれてるんじゃないか?」
「隊長」
おずおずと斥候に出ていた兵が進み出る。
「後方に道があります、さっさと逃げましょうよ!」
「う、うむ」
569北川・生きてます:03/11/02 21:08 ID:TpVOXCXH
追撃が始まってから数日、北川達はまだ逃げ続けていた。
しかし敵を避け雪深い山道を進んでいる為に逸れる者が続出。
残っている者は更に減って側近を中心とする五十余になり、もはや誰がどう見ても落ち武者の集まりであった。
「あの、隊長……」
「ん?」
疲れた様子で部下が話しかけてくる。思えば何日まともに食べてないんだろうか?
「俺達は南へ南へ逃げてますよね」
「今更何を言ってるんだ、山奥に進んでるんだから当たり前だろ」
「このままじゃ信濃に入っちゃいますよ。ていうか、もう入ってるような」
「……」
(そういやこの辺の景色、見たことがないぞ。ヤバくないか?)

「貴様ら何者だ!?」
「うわっ、やっぱり!」
思わず頭を抱えてしゃがみ込む北川。
遭遇したのは未だに藤井冬弥、澤倉美咲を捜索していた緒方家奉行軍の一団。
「こういうのは気付くと出て来るって古来より相場が……」
「何ごちゃごちゃ言っている?」
刀を抜き槍を構える緒方兵達。返答しだいではただでは済まなそうな雰囲気が漂っている。
「この人数でこの武装。怪しい、怪しすぎる!」
「ええと、その……ですね」
しどろもどろになる北川、そこへ
「見つけたぞ北川の者ども!」
「今度は何だ!」
現れたのは追手である柳川兵達。山中を進んでいる為か此方も少人数ではあったが。
「……誰だ貴様らは」
「……お前らこそ」
570北川・生きてます:03/11/02 21:10 ID:TpVOXCXH
(こいつはチャンスだ!)
「おじさん!」
「な、何だ?」
次々に現れる正体不明集団に驚き戸惑っている緒方兵へ北川は叫ぶ。
「こいつらが真の敵です!」
びしっ、と柳川兵を指差す。
「はぁ?」
訳が解らない、という顔で呟く緒方兵。
「……なるほど。そういうことか」
対照的に全てを理解したかのような顔で呟く柳川兵。
「貴様ら援軍を呼びおったな!」
「さっきからいったい……」
「問答無用! 者ども掛かれっ!」
一斉に攻勢に掛かる柳川兵に対して緒方兵も応戦を開始する。
「この野郎……! よく解らんが敵が現れたぞ! 味方を呼べ!!」
「おい! こっちも早く増援を連れて来い!」
「頑張れ〜!」

かくして突発的にお互い相手も知らぬ戦いは始まった。
初めは小規模であった争いも双方が助けを呼んだ為、最終的には合わせて四百名程が集まる大乱闘になる。
結局、それは国境越えの事態に気付いた貴之が兵を引く夕刻まで続くのであった。
571名無しさんだよもん:03/11/02 21:22 ID:tA+OQZdB
乙…って言いたいところだが、
冬の立山連峰を道案内無し冬季装備無しで突入…
さすがに無茶でねぇかい?
黒部第四ダムってたしかそこらへんだぞ?

まぁ、現在虜囚の身であるところの死にかけの筈の病人と
冬に雪の上でHしちゃう世界の住人だから
寒さには異様な耐性があるのかもしれんが(ワラ
572名無しさんだよもん:03/11/02 21:28 ID:ou7Rzg1o
この事件がきっかけで緒方と柳川が敵対することになったら
北川ナイスプレイだな。英二と柳川は争ってもメリットないから衝突避けるだろうけど
末端レベルじゃ険悪ムードが漂いそう。
573名無しさんだよもん:03/11/02 21:49 ID:tA+OQZdB
あと南越後の対決はどうなったんだ、
北川書いてお茶濁してる場合じゃねーだろ…?>水瀬の人
574名無しさんだよもん:03/11/02 21:54 ID:SCQnbW+6
>571
越後南部っていうんだから春日山南の川の方から入ったんじゃ?
流石に少人数とはいえ3000級越えは無理でしょ
575名無しさんだよもん:03/11/02 23:14 ID:tA+OQZdB
そもそもそれ自体がかなり変だけどな…
越中〜春日山城の間で「封鎖できる」街道の場所は
前スレでも名前の挙がってた「親不知」が一番適切。
越後−越中の国境領域だから、
柳川軍が押さえの兵を置いてないほうがおかしい場所。

そこを抜けちゃった以上、もうあとはどこをどう封鎖しても
春日山城までの行程を妨害するのは無理なんだが…
越中〜糸魚川〜直江津までの長大な範囲を、
すべて柳川軍の軍兵で埋め尽くすってんならともかく。

緒方と柳川の共同作戦を妨害したいのかもしれんが、
あまりにも無理があると思われ>水瀬の人
576名無しさんだよもん:03/11/03 00:16 ID:KWfP0hdC
よし、こんな時は得意の脳内妄想でカバーだ!

北川軍、柳川軍に完敗→越後へ向け逃走→柳川軍、2日かけ越中掌握(能登の嵐参照)
→その間に北川は越後に入る→柳川の騎馬隊かなんかの先発隊が越後に進撃、北川追いつかれる
→身を隠すため街道から離れた道を使用、逃走速度激減→たどり着く頃には柳川軍が春日山城を包囲
→見つかり追われる
577名無しさんだよもん:03/11/03 00:31 ID:RncrKpGq
何気に葉鍵板書き込み数7位
578名無しさんだよもん:03/11/03 01:31 ID:mjmAwR6n
こういうのは書いたもん勝ちなとこあるからなあ・・・どれだけ無茶でもスルーという行為だけは無いことだし・

ただあんま矛盾が多いことはやって欲しくないな実際。
とりあえず思考ベクトルをしたい事を書く、からできることを書く、としておかないと、矛盾が溢れる事になる。

そういうのを無しにする為にも、余りにもご都合主義な話は無効するぐらいの気でいたほうがいいと思うんだがね。
579名無しさんだよもん:03/11/03 02:04 ID:yolwXpa8
個人的には、北川が面白いからOK。田中以来のヒット。

>>573
水瀬の中の人が書いたのかわからないが、そうなら>>372かと。
続き書いちゃっていいと思うけどね。
580名無しさんだよもん:03/11/03 02:21 ID:6NrQQj8y
この状況下ではどちらも国境の警戒が厳しくなり、北川がのたれ死ぬかとっつかまる展開に一直線のような気が。
581名無しさんだよもん:03/11/03 04:29 ID:ZC3NfItL
>>564
>魔法に関しては信長の野望や三国志あたりのゲームでありそうな程度の効果にしておくつもり。
そうですね、>>524-525でも魔法使ってますし、
直接殺傷したり、操ったりするのでなければいいような。
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1058064126/2
あたりとだいたい同じって感じでいいんじゃないでしょうか。

>>578
矛盾は特に無いような。
越後に入ったが「春日山城への街道は封鎖されてた」ので、
「雪深い山道を」「南へ南へ」「山奥に向かって」「このままだと信濃(もう入ってる?)」という表現から、
春日山近くの関川西沿いの山道を進んで信濃に入ってすぐの、御巣鷹山か黒姫山あたりで、
緒方兵と接触したのでは。
582名無しさんだよもん:03/11/03 04:41 ID:JEfxeq0b
なんつーかどうも現代の感覚(しかも平地の感覚)で話を作ってる中の人が
多いような気がするなぁ。冬に信濃から飛騨に抜けるとか、越中から越後に
抜けるとか。一遍でいいから、移動経路を道路地図で確認するくらいして
もらいたいもんだ。

けど、話が面白ければ無茶でも通っちまうところがこのスレのいい所でも
あるので、あまりうるさく言うつもりは無いけどさ。
583名無しさんだよもん:03/11/03 06:51 ID:rAKIjT69
リアル戦国志向ではなく、葉鍵キャラで戦国時代っぽいことをしてみるのが趣旨だからかと。
智子もみんなの知らない間に因幡から堺にいってたりするが、
どういう経路で行ったのかとか描かないでいいと思うし。

>>580
どっちかっていうと、特に敵対してない緒方に保護してもらった方がいいか。
場所によっては、中立らしい善光寺も近いけど。
584名無しさんだよもん:03/11/03 08:46 ID:JSfaLUSS
>582
いちおう飛騨〜信濃間にも街道はあるようだし
それに街道以外にも山道だってあるわけだし
大軍勢の通過でなければ、あまり突っ込まなくてもいいと思う。

ついでに言えば、
冬のさなかに越中から飛騨を越えて三河に行った戦国武将もいる訳で……
585名無しさんだよもん:03/11/03 09:50 ID:AaGWNr3m
いや、通れる事は問題ではないが冬だってのがねぇ。

一度夏に松本から高山への長距離バス(安房峠越え)に乗ったことがあるんだけどね。
もうどうしょうも無く険路な訳よ。現代の、二車線舗装道路の国道でも。
450年位前の戦国時代に、冬に、特に装備も無しであそこを通ろうなんて考える奴は、
もう馬鹿かと阿呆かと、自殺志願者か気違いか人外か鬼か魔物か、
とにかく命懸けだと。ま、だからこそ追っ手を振り切るには適切なんだけどね。

>冬のさなかに越中から飛騨を越えて三河
それは低地(川と盆地と低い峠)沿いでしょ? 現在でも高山本線が通ってる
ルートだし、あの辺は南北方向なら結構通り易いので余り不思議でもない。
峠もせいぜい標高が7〜800mだし。でも東西方向の野麦峠も安房峠も
1700m級だ。文字通り桁が違う。

んでも、冬弥なんか確かに命懸けな上にサポート付きだし
できてもおかしくないから何も言う気はない。
ただ、冬の飛騨信濃国境は「超」難所だと言いたかっただけだ。
586名無しさんだよもん:03/11/03 12:17 ID:rAKIjT69
>>241
>既に一月も半ばを過ぎ、春になる頃だったから歩けない程じゃなかったが

いま思ったら、これ旧暦設定?

587名無しさんだよもん:03/11/03 12:18 ID:rAKIjT69
ああ、旧暦設定って書いてあった。
588名無しさんだよもん:03/11/03 12:25 ID:BAo+If5T
>>583
緒方としては、あまり保護したくないんじゃない? 
確保したら、柳川に引き渡すか、秘密裏に処理するほうがいい気がする。
そういうの得意そうだし、英二さんとか弥生さんとか。
589名無しさんだよもん:03/11/03 13:38 ID:dxPOzH8Q
大名思考中
590名無しさんだよもん:03/11/03 15:32 ID:Mq0+Hs7d
移動に関してはリアリティに拘りすぎるのも何だから言わなくてもいいと思う。
元々、忍者も縦横無尽にあちこち移動しているし。

ただ、緒方と柳川の兵って、互いを見分ける印とか無かったの?
特に、国境にいる兵はこういうトラブルが多そうだから。
いや、話は面白かったので、叩いてるわけじゃないよ。
591名無しさんだよもん:03/11/03 15:56 ID:Zv6XsXqD
ちっと柳川方が短絡過ぎには見えるけどね。その瞬間、北川が消えているし。
乱戦に紛れて死んでたりしてw
592名無しさんだよもん:03/11/03 16:11 ID:fNBpneuK
>590
そこで忍者を引き合いに出すのは根本的におかしいだろ?
忍者までも街道しか通れないんじゃあ、忍者を雇う意味がほとんど無いわけで。

移動の問題はおろそかに出来ん。
大名家の盛衰が武将の頭数だけで決まりかねんぞ、そこんとこいい加減にすると。
明らかにまずいトコはきちんと周囲がツッコミ入れないと…
判定役、居ないんだからさ。 上の彩問題みたいな書き放題を許すのか?
593名無しさんだよもん:03/11/03 17:45 ID:2bLKcko5
まとめ:

また水瀬厨か!
594名無しさんだよもん:03/11/03 18:13 ID:7tOfvn/w
で、今どこが優勢なわけよ?
やっぱり長瀬・緒方の二強か、大庭家もそれほど弱いとは思えんが。
宮田家や長瀬家(周防)もその気になれば地方統一できそうだ。
595名無しさんだよもん:03/11/03 20:28 ID:dxPOzH8Q
>>594
千堂家は中の人の意向次第だが、かなり強大。緒方家もこの状況では
千堂家を裏切りようがない。さらに関東以北が事実上第三者に介入されていない。
経済力では長森家も捨てがたいが、いかんせん謀略にきりきり舞いさせられている。

中国はあとは那須家。藤田家は勢力拡大がまだ進んでいない。
朝廷や諸勢力を考えると
1長瀬祐介 2千堂 3緒方 4宮田 5那須
こんな所か。3と4の順序は微妙。
どちらも比較的ボロを出している。経済的には宮田だが、あれは言い訳できないわな。
柳川は経済力でも水瀬を上回り次点。
596名無しさんだよもん:03/11/03 20:53 ID:3IhUJIzv
ではピンチな勢力は?
597名無しさんだよもん:03/11/03 21:27 ID:rAKIjT69
>>595
武将数も重要な要素なので、
1.祐介 2.緒方 3.那須 4.宮田
そのあとは、水瀬・千堂・柏木・長森・柳川が団子状態だと思うが。

>>596
大国だと、友好勢力が無い水瀬&大庭&柳川。
あと、領土が1つの大名全般は、いつでも一回の戦いで滅ぶ可能性のあるので、
ある意味いつもピンチ。
598名無しさんだよもん:03/11/03 21:44 ID:4uVEjbbY
保護されている神奈達なんてもっとも危うい

そういえば幕府の名前ってないの?
599名無しさんだよもん:03/11/03 21:50 ID:sQ8wO0SC
>597
祐介ダントツだな。
家臣の団結力も並じゃないし、大名の戦術力も銀英伝のヤンなみだし。
忍びも優秀なところが揃っている。

千堂の武将数が少なかったのが、意外。
あと、緒方ってそんなに部下いたんだ。
600名無しさんだよもん:03/11/03 21:55 ID:1WQCdJHS
外の人&設定・感想用に一つスレ建てないか?
SS感想だけでこのレス数はいくらなんでも多すぎる。
ただでさえ文字数大杉でDAT落ち速いんだから。
601名無しさんだよもん:03/11/03 21:59 ID:TbZdeRmd
>>600
そう・・・かな?
それほど早い流れにも見えないけど…
602名無しさんだよもん:03/11/03 22:07 ID:JSfaLUSS
>>600
……と言うか、支援サイトの掲示板にあると言う罠>感想用のスレ
今のところ全く使われていない訳ですが
603名無しさんだよもん:03/11/03 22:10 ID:1WQCdJHS
このスレ下手すると700でDAT逝きなんだよ。重すぎて。


しかも前はほとんど感想無しだ。
何気に600ゲトしてるし、ちとやばい。
604名無しさんだよもん:03/11/03 22:13 ID:8aGSqsaF
支援サイトも見に行くけど、葉鍵板にあった方が書きやすいやね。
メリットがどれだけあるかはよくわからないけど。

>>590
>対照的に全てを理解したかのような顔で呟く柳川兵
緒方兵を水瀬兵と間違えたのなら何も理解する事は無いので、
柳川(貴之)兵は、緒方が水瀬と組んでるかなにかと誤解して、
襲い掛かったように読んだ。
605名無しさんだよもん:03/11/03 22:13 ID:TbZdeRmd
あ〜、でも総合スレ見てみたら
感想スレがある鬼ごっこスレよりここ、流れが速いのか。
なら仕方ないかな…
606342:03/11/03 22:36 ID:LheHS9bc
>>595
>どちらも比較的ボロを出している。経済的には宮田だが、あれは言い訳できないわな。

ごめん、何のことか判らないので教えて下さい。
何かとんでもなく拙いこと書いてましたか?
607名無しさんだよもん:03/11/03 22:45 ID:dxPOzH8Q
>>606
いや、火種を残しているという以上の意味はありません。

ただし、お家再興というのはどこででも存在する名分なので………
608名無しさんだよもん:03/11/03 22:49 ID:dxPOzH8Q
後は感想に属するのでまた次の機会にします。
609名無しさんだよもん:03/11/03 23:06 ID:8aAYDqJP
何気に書き手も読み手も増えたよね
俺も最近読み始めたんだが
610342:03/11/03 23:40 ID:uWaHzcXI
>>607
そっちの方でしたか、了解しました。

どっちにしても宮田に天下は無理でしょう。頭数足りなさすぎだし。
一応切り札として水軍を強力にしましたが、嫌がらせが関の山でw
宮田と江藤の関係もぎくしゃくさせてますし。上手く取り込むか、
もしくは粛正するか、ネタを練ってるところです。
611上陸(後編):03/11/03 23:44 ID:nWXJxGlX
「さて、どうしましょうか」
とりあえず代官と取り巻き共を縛り上げたはいいが、勢いで現地の役人と
事を起こしてしまったには違いない、困惑しているルミラ達だったが、
その前に一人、また一人と町の住民が集まってきた。
先ほどの老人がルミラに向って口を開いた。
「あんた達、どうなさる?」
「どうっていうと?」
「あんた達はこの町、いや、場合によっては薩摩一国の命運を握ってしまったのじゃ」
「この町の命運?」
「そうじゃ。事情はどうあれ、あんた達はこの地で代官、ひいてはラントール家の
 顔を潰してしまった。トゥル43世はメンツにかけてあんた達を潰そうとするじゃろう」
「そうでしょうね。でもそれは私闘よ。この町とは関係ないはず」
「まあ聞きなされ。あんた達には二つの道がある」
「二つの道?」
「一つは今すぐこの町を出てラントールの手の及ばない他の国に行くこと。
 これならあんた達には不都合は起こらないじゃろう。じゃが、この場合、
 トゥル43世の怒りの矛先はこの町自体に向けられるじゃろうな。多分
 ラントールの手の者はこの町を破壊し尽くすじゃろう」
「そんな! 酷いです!」
人の良いアレイが憤慨する。
612上陸(後編):03/11/03 23:44 ID:nWXJxGlX
「もう一つの道は、ここに留まってラントールの軍と戦うこと。あんた達が
 単なる商人でないのは先程の手並みを見てよくわかった。武門の出というのは
 本当なのじゃろう。どんな事情がおありか知らないが、その力を振るってみる
 手もあるということじゃ。この町、いやこの国の民はこれまでラントール家の
 厳しい収奪に耐えて来た。薩摩の民は忍耐強い。じゃが、トゥル43世は流石に
 やり過ぎじゃ。忍耐も限界に来ておる。もしあんた達がその気なら、
 この町の人間はあんた達に力を貸すじゃろう。ほら、見なされ」
老人が指すその先には、既に百人を超そうかという人の群れがあった。
「……やれやれ。参ったわね」
ぼやくルミラにメイフィアが囁く。
「ルミラ様、これはデュラル家再興のための千載一遇の機会。御決断を」
「そうね。選択の余地はないようね。考えてみれば、所詮デュラルは戦働きで
 名を成した家門。どこに行っても戦場でしか生きられないのかも知れない……
 わかったわ、やってやろうじゃないの。欧州に轟く我等が武名の所以、
 ここ日本でも知らしめて差し上げるわ」

民衆を率いたルミラ一行が坊津の代官所を急襲、占拠するまで、
それから半刻もかからなかった。
613上陸(エピローグ):03/11/03 23:47 ID:nWXJxGlX
「それではわしは失礼させていただくとしよう」
代官所を仮の司令室に改装する作業が急ピッチで進む中、老人はルミラに辞去を申し出た。
「御老人、すっかりお世話になったわね。良ければお名前をお聞かせ願えないかしら」
「わしはゼック。刀鍛冶じゃ。最近はやりがいのある仕事がなくての、
 隠居同然だったんじゃが……槍使いのお嬢ちゃん」
「ん? あたい?」
日頃滅多に女扱いされないイビルが照れを隠しきれない表情で答える。
「あんたの槍、なかなかの業物じゃな。手入れもなかなか良い」
「おう、あたぼうよ。なんたってそんじょそこらの槍じゃないからな」
「じゃが、かなりくたびれておるのも確かじゃ。一度わしの所に持って来なさい。
 鍛え直して差し上げよう」
「お、おう。それは有り難いぜ。よろしく頼む」
「では達者でな。わしはあんた達の行く末をじっくり見せてもらうことにするよ」
老人はニヤリと笑って立ち去って行った。
「ふふ。期待していてちょうだい。面白いものを見せて差し上げられると思うわ」

---------------------------------------------------------------------------
現実の歴史では、坊津の港は江戸幕府の海外貿易の禁止に伴い、歴史の表舞台から
姿を消します。それでも薩摩藩の密貿易の根拠地として江戸時代半ばまでは
それなりだったのですが……。今では鑑真和上の記念館があるくらいで、
単なる田舎の漁港以外の何物でもありません。
614名無しさんだよもん:03/11/04 02:09 ID:nkK/aZHo
いま一気に読んだんだけど、柳川が越後へ侵攻して秋子から防衛の伝令が発せられたのが12月(>>62)、
冬弥一行がいつから逃げ始めたのかわからないが、飛騨越えが一月半ば過ぎ(>>241)、
その捜索隊と北川が遭遇したので、その時期は一月上旬から半ば?、
それまでの時期は春日山城は篭城ってことでいいと思いますが、
そろそろ援軍もついたでしょうし、時間軸をあわせる上でも、
春日山城の戦いをやった方がいいような気がするのですが。
幸い、何人か書きたい人もいるみたいですし。
615関東の中の人:03/11/04 13:48 ID:pU+fn4FV
        .´   `v^)     _____
       〈(ハ从ノlハミi((.   /
        l人´д`从 )) <  話ぶり返しだが。
         /  y/  ヽ(   \
        (⊃ ⊂[_ノ       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        (ノノノ | | | l )  スマンナ。
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 感想・その他スレと本スレを分けるのは有る意味ありがたいとは思いますです。

下手に中の人が失敗を仮にして萎縮されてもこちらとしても困るし、(そりゃ下手していなくなると
そこで話止まりますから)また中の人が何かしらの陰謀を企てている(笑)場合は、
下手に感想で言われると先に意図せずにネタバレされる可能性大なのを逆に恐れます。

(特に。水瀬家の場合はまだ柳川軍の位置は不明だし、柳川の中の人は「水瀬秋子を狩る」とは言ったが
あんまり拡大戦線を張りたくない様子もあるので、この国境の兵力の意味が何なのかは、まだ謎。
 あと、「街道封鎖」(言葉注意)をされていると書かれているので、そこまでが確実な決定。
 ですので、下手に春日山籠城とか外の人の方で本スレで言われてしまうと、
それだけで中の人が話を書きにくくなる可能性が高くなるので、キツくなる可能性はあります。)

「外の人」が「中の人」を規制するのが必要と感じているなら、まあ、直接叩くのもいいですが、
もっと間接的な方法として。天変地異を起こす権限を外譲渡するのはどうでしょう。
大体の内容として、地震・雷・火事・洪水・疫病・豊作・凶作等。
これはコーエーでは農民をこき使ったときにおきるものですが、SSでは極めて起き難い。
(そりゃ中の人から見たら戦争起こすには資源が豊富な方がいいんで)

もちろん、人為的に(中の人が)米相場を変動させる事は可能ですが、(例:大庭家)
内政しないといけないんでまず間違いなくSSに影響は出るでしょう。(中の人は地震を自国内で
地震を起こす事は勝手だが、他国では起こす事は不可。だが、外の人は問答無用で日本の国内全体に
地震や凶作を起こす事が出来るという事です。)
616関東の中の人@提案:03/11/04 13:49 ID:pU+fn4FV
 で、例の掲示板ですが、中の人中心のネタバレ掲示板とか、設定を検討する掲示板という
形を取ったほうがいいかもしれません。(というかどうせ余り機能していないわけですし)
 こちらも天いな上総設定のジャンク品(使えなくなった設定)をあえて公開して叩き台にできる
ようにはしています。(もちろん決定では無い)

 そうする事で、
@一つの作品でどうにもならなかった問題を他作品を混ぜる事で解決できたりする場合も出てきますし、
 逆に妨害も出てくるでしょう。
 (あゆの奇跡を他作品キャラが使っても問題は無いでしょう。ヌアンギとか。ウィツの万能に関しても
 他作品キャラが使えるのは同じ。)
 ですが、世界観とか、各中の人内のネタもありますんで、他作品巻き込んだ超大技食らわせる
 必要性が有る場合はネタあわせする必要がある。特に、魔法系の大技。

A中の人同士が戦うときに、下手に萎縮されても困るわけですから、そこらへんの調整を本スレで行う
には無理がある(緒方・千堂戦や千堂・水瀬戦、緒方・長瀬戦が起きた場合、中の人の担当がばれてしまうと
それだけでどちらが勝つか一発でばれてしまう)でしょうし、また中の人同士が戦う場合も、水瀬・大庭戦の時の
ような戦力インフレがおきてもらっても困る。

バトロアと違うところは、大名・作品同士が共存しないといけない点です。
ハカロアの場合はとりあえず教室に纏めて殺しあってくれればそれでよかったんですが、こちらの場合そうも
言ってられない。一つの作品のネタが日本という同じ国で起きている以上、下手にダイナミックなことを
やられてしまうと、他大名にまでその設定が掛かる可能性もありますんで、そうするとハカロアよりも複雑な
ネタあわせが必要になってくる。

 これは正直野望の企画書作るようなものですから、ゲーム作りと同じで没ネタも多くなるでしょう。
 でも、コテ同士の「馴れ合い」はこちらも避けたいので、公開はするがネタバレがある掲示板ということに
なりますね。作品だけ見たいひとは見ない方がお得という掲示板という事になりますが。
617名無しさんだよもん:03/11/04 14:11 ID:U3jDfDF3
…ヌワンギが奇跡をいつ使ったんだ?
618名無しさんだよもん:03/11/04 14:17 ID:2h/gnyPB
天変地異つっても時系列が揃ってないと意味なくない?
今は永禄元〜3年くらいでばらけてるよな。
619名無しさんだよもん:03/11/04 15:27 ID:rkKfOD4o
>>617
俺もそれは思ったw
うたわれで奇跡はハクオロの事かな、たぶん。

っていうか、今までの戦いとかまじアンの中の人の言い方見てる感じ、
ハカロワとか鬼ごっこみたく、特殊能力はある程度規制するんじゃないの?
格闘技とか剣技等特技みたいなのは、個性付けの上でも必要だと思うが。

と思ったが、そういう話を感想・議論スレみたいなのでやればいいのか。



     ‖  ‖  ‖        〃
     ‖  ‖  ‖         《
     ┃  ┃  ┃        ┃,.´ / 鬼ヽヽ
     ┃  ┃  ┃        ┃! i iノノリ)) 〉
     ┃  ┃  ┃        ┃i l l.´ヮ`ノリ  聞いて驚け、見て笑えだよ
ワショーイ ┃  ┃  ┃  ワショーイ   ⊂ く/_只ヽ          
  /■\■\■\   /■\ ̄/■\名雪┐/■\
 ( ´∀`)∀`)∀`)  ( ´∀`) ( ´∀`)   .( ´∀`)ワショーイ
 ⊂  ._9 ._9 ._9   ⊂  ._つ⊂  ._つ ̄ ̄ ⊂  ._つ
  人 Y .  Y .  Y    人 Y   人 Y  Y   人 Y
  し'(_)(_)(_)    し'(_)  し'(_)(_)  し'(_)

葉鍵の野望シリーズの感想・つっこみ等専用スレです。
中と外の人等の議論も公に出来るものはこちらでお願いいたします。

前スレ:葉鍵の野望・・・・・武将風雲録
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1057662641/
前々スレ:長谷部の野望 同人群雄伝
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1043552334/
現スレ:葉鍵の野望・・・覇王伝
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1063811560/

公式サイト:
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/6752/rekisi/index.html

621名無しさんだよもん:03/11/04 15:41 ID:abd4HMZX
適当に改変して使ってください↑
622名無しさんだよもん:03/11/04 15:49 ID:hGrW9mER
戦国無双ってつけてもいいと思うけど、
スレタイに感想とか議論とかもつけた方がいいような。

ちなみに、鬼ごっこは
葉鍵鬼ごっこ 第○回
葉鍵鬼ごっこ感想・討論スレ○
(○は数)
623名無しさんだよもん:03/11/04 16:27 ID:AtCPrI/+
葉鍵の野望・戦国無双〜感想討論専用幕屋〜

野望ネームが使えないから2以降は議論。
624名無しさんだよもん:03/11/04 16:48 ID:LN93zAAP
戦国無双なんてつけると無駄に誤解させるだけのような気がする。いるの、それ?
625名無しさんだよもん:03/11/04 17:31 ID:hR4rN273
>>624
それならば「葉鍵の野望・戦国夢想」と言う風にするのもアリでは?
626名無しさんだよもん:03/11/04 17:44 ID:hGrW9mER
両方いれるなら、

葉鍵の野望・感想議論スレ〜戦国無双〜

みたいに、葉鍵の野望の直後に感想とか入れた方がわかりやすような。
627名無しさんだよもん:03/11/04 21:15 ID:41xtGaAH
ではとりあえずそれで。
後でスレ建てます。
628名無しさんだよもん:03/11/04 21:40 ID:ypEfPti7
629長森家戦勝の祝宴:03/11/05 02:01 ID:utTfrPCq
清洲城外れでの長森家主催の宴席、そこへ供を連れ完璧な礼儀作法をする一人の女が現れる。
「御初にお目にかかります。緒方家家臣篠塚弥生、当主名代として参りました」
「え、ええと。初めまして。当主の長森瑞佳です」
小坂由起子、椎名香穂とはまた違った長森家にはいないタイプの大人の女性に少し緊張する瑞佳。
「おいおい、お互いそんなに硬くならないで。折角の祝宴なんだから」
「ええ、そうですね」
浩平の言葉に弥生は姿勢を崩す。
「長瀬殿にも一度お会いしてみたかったのですが忙しいのであれば仕方ありませんね。
 それでは戦勝の余韻、愉しませていただきます」

「ところで長森殿」
祝宴が始まり少し経った頃、おもむろに弥生は話を切り出した。
「当家で預からせていただく椎名繭殿のことですが……」
「何か問題でも?」
「いえ、幼いとは聞いていましたが、お見受けしたところ少女と言うより幼……」
「な、何を言ってるんですか! 繭はああ見えるけどそんな心配をする年齢じゃないですよ、幼児体型なだけで!」
何故か慌ててフォローする浩平、周りもそれに同調する。
(設定上はね)
誰かが呟いたような気がするが皆一様に黙殺。
「……そうですか」
630長森家戦勝の祝宴:03/11/05 02:05 ID:utTfrPCq
「それにしても本当に残念です」
ちらりと空席、長瀬祐介のいる筈でだった席を見る。
「月島、広瀬氏征伐、三河解放の武勇伝などを是非お訊きしたかったのですが。ああ、それと……」
その視線をずらし新しく長森家家臣の列に加わった雪見の眼をじっと見る。
「深山殿にも感謝を。貴女が長森に属す、という素晴らしい決断をしたからこそ渡辺家を滅亡にまで追い込めたのです」
「そんなことはありません、長瀬殿の協力もありましたし。それに肝心の主力を壊滅させたのは緒方家なのですからね」
こちらも弥生をじっと見つめ答える。
「ご謙遜を。……でも一つだけ残念なことがありますわ」
「残念なこと……ですか?」
「貴女の陣中にいた氷上シュンが逃げてしまったことです」
「氷上?」
突然出たその名に家臣団の数名が反応する。昔の経緯で知っている者も多いのである。
「既にお聞きの方もおられるでしょうが、彼は何を思ったか渡辺家残党を引き連れ、我が所領を襲撃したのです」
場が静まる。噂で知っている者はいたが殆どの者は初耳なのだ。
「撃退はしたようですが、突然の攻撃に当方にも死者が出ました。そして、何より許せないのは領民が殺されたことです。
 戦場では不慮の事故や誤解で領民が死ぬことはあっても、信濃の地は平和そのものでしたのに。
 彼もおとなしく深山殿に降伏していれば所領は安堵だったでしょう。諸悪の根源は死に逃げた渡辺茂雄なのですから……」
631長森家戦勝の祝宴:03/11/05 02:08 ID:utTfrPCq
「あと当領に追放の清水なつきですが、我々のすきなように扱ってもよろしいのですね」
既に皆が賛同していることである、誰も反対するわけがない。
「興味本位で訊いてみるんですが“すきなように”って何するんですかねぇ?」
さっきから大酒を飲んでいる住井がおどけた様子で質問する。
祝宴は終わりに近づきそこらではうたた寝している者までいた。
「そうですね…… 例えば東海道で鋸挽の刑はどうでしょうか?」
「何ですか、それ? 森林伐採でもさせるんすか?」
「まず罪人を往来の激しい場所で首まで土中に埋め、すぐ側に竹の鋸を置きます。
 それを興味のある通行人に一回ずつ引いてもらいます。勿論そのまま放置しますよ。
 切れ味が悪いのでなかなか死ねないでしょうね、もっともその間に行いを悔いてもらうんですが」
「ひぃ……」
弥生の淡々と進めるとんでもない処刑方法の話に寝ていた者まで起きだす。
「車裂の刑などもどうでしょう。これは二台の馬車に縄で罪人の片手、片足をそれぞれ固定して
 それを反対方向に思いっきり走らせるんです。そうすると……」
「ストップ! ストップ! も、もう結構です!」
完全に酔いが醒め止めに入る住井。他にも青くなっている人が多数何か喚いている。
「ちょっとした冗談だったのですが、あまり面白くなかったようですね」
(冗談じゃないっての。無表情だからマジで怖い……)
「さあ、景気の悪い話はここまでに。続きを愉しみましょう」
632長森家戦勝の祝宴:03/11/05 02:11 ID:utTfrPCq
──翌日早朝、清洲城里村屋敷

「それでは失礼させてもらいますわ」
家臣を背に茜に別れのあいさつをする弥生。まだ眠っている繭やぐるぐるに縛られて何だか解らなくなっている者もいる。
「そういえばあのお二人は? 昨日も姿を見なかったですけど」
二人とは森川由綺と七瀬彰のことである。昨日の祝宴にも現れていなかったのだ。
「少々事情があり先に帰国してもらいました」
ただそれだけ答える弥生、詳しく説明する気はないらしい。
「ところでこれは私から里村さんへの個人的な贈り物ですが」
そう言って見慣れぬ品と脇差を差し出す。
「……? 何です、これ」
「私がある人から貰った南蛮物で時計といいます」
「時計…… 時を刻むというあれですね」
「その方は大変それがお気に入りでした。不思議な魅力、とでも言いましょうか、確かに引かれるものがありますね。
 さらにそれさえあれば正確に行動できますし、便利な物です」
「この脇差は……」
それを手に取り抜こうとする。と、そこで何かに気づく。
「なるほど。こんな変わった物もあるんですね」
「堺で造られた物らしく緒方さんも愛用している物ですよ」

「時に、これはただの世間話ですが……」
その後も続く他愛もない話。その最中、突然弥生は僅かに顔を険しくする。
「何でしょう?」
「緒方さんの長森家に対する興味は、急速に失われつつありますわ」
「えっ……? どういうこと……」
「緒方家としては長森家よりもわざわざ援軍まで出してくれた千堂和樹殿を信頼に足る人物と判断し
 近々同盟締結の使者を送るらしいです」
「……」
「いいですか、里村さん。緒方家と長森家がこれからも上手くやっていけるかはあなたの行動にかかっています。
 そのことをお忘れ無きように……」
633名無しさんだよもん:03/11/05 02:12 ID:utTfrPCq
北川が信濃ですか。
時期は614でいいのかな? それなら無理もないと思ふ
634名無しさんだよもん:03/11/05 02:17 ID:0TPnnjPs
長森家は難儀だね…(涙)
635名無しさんだよもん:03/11/05 03:34 ID:5P+RIjUj
繭を送ったのは間違いだったような・・・。
636名無しさんだよもん:03/11/06 23:09 ID:aTOLfYfL
>>635
ある日突然反転して、内部から謀略の限りを尽くしますw
637名無しさんだよもん:03/11/06 23:29 ID:2LlDHnib
ツインテールを引っ張られる理奈とマナ
638名無しさんだよもん:03/11/07 00:07 ID:RJonBqsz
実は長森家で唯一謀略家の素質があるのかもな<反転繭
反転しないだろうけど。あれはハカロワネタにすぎないし。
639名無しさんだよもん:03/11/07 00:16 ID:GzV+BY3N
>>638
一応本編でも反転するけどな。
・・・浩平の想像で(w
640名無しさんだよもん:03/11/07 00:21 ID:D9FLRHsq
才能とか資質とか言い出したら、はっきりいって祐介にもないぞ謀略の才能なんざ。
641名無しさんだよもん:03/11/07 00:21 ID:1YnJEJpS
氷上シュンは頭よさそうだが、いま祐介の所いってるしな。
642名無しさんだよもん:03/11/07 00:28 ID:D9FLRHsq
氷上カムバ――ック!
お前は浩平の友人じゃなかったのかと、浩平のピンチに何をやっとるのかと。
643名無しさんだよもん:03/11/07 00:28 ID:3pXOVBPH
長瀬ちゃんは人材引き抜きに力を入れているね。
644名無しさんだよもん:03/11/07 00:30 ID:3pXOVBPH
大名思考中
645名無しさんだよもん:03/11/07 05:44 ID:RxCzFRJX
なんとなく、長瀬が織田、長森が徳川、そんな事を思った今日このごろ
646名無しさんだよもん:03/11/07 11:28 ID:VcGU4JkY
ここに書き込んでいいのか不安だけど、一応たまたま気付いた事。
公式サイトのキャラクターリストで、
瑞佳の漢字が違うことと、橘敬介がいないことに気付きました。
647名無しさんだよもん:03/11/07 20:42 ID:qSF243gC
そのかわりポテトが武将登録されてました。
648342:03/11/08 22:28 ID:4QIgtuNo
ちょっと趣向を変えた話を投下します。
4レスほど。
649木田時紀放浪記−1:03/11/08 22:29 ID:4QIgtuNo
 俺の名は木田時紀。播州のとある豪族の嫡子と言うことになっている。
 俺の両親は播州を束ねる橘家に仕えている。忠勤に励んだお陰か、なかなか殿の覚えも
めでたく、家中でもかなりの地位にあるようだ。
 だが、家のことを全く顧みないあの人達のことを親だと思えたことは一度もない。
 妹の恵美梨は『お兄ぃは冷たい』と事あるごとに俺を詰るが、思えないものは仕方がない。
 それだけでは無く、いつの頃からか俺は両親のことだけでなく、周囲のありとあらゆる事に
興味を失っている。家のこと、家臣のこと、周囲を取り巻く状況のこと、そして、俺自身のことも。
「う、うぅぅん…」
 だが昨夜、つまらない成り行きで、俺は一人の女を抱いてしまった。
 抱いた女もつまらないヤツだ。つい2,3日前までは存在すら知らなかった。
 俺の刎頸の友を自称する霜村功によると、家中でも有名な器量悪の女らしい。
「うぅぅ、あ、き、木田君…」
 器量悪が目を覚ましたようだ。
 女の名は栗原透子。容姿も頭の中身もたいしたことのない、ただ女であることだけが取り柄
のヤツだ。
「お、おはよ」
「ああ…」
 栗原は挨拶すると、恥ずかしそうに布団をかぶり直した。

 日がかなり高くなった頃、俺達は宿を出た。その別れ際、
「あ、あの、あのね」
「なんだよ」
「あの、昨日のことなんだけど…本気?」
 昨日のこと? 暫く考えた後、こいつが何を言っているのかに思い至った。
「ああ」
 昨日、俺はこの女と、自分たちの存在意義についてつまらない言い争いをしたのだった。
 その時俺は言った。
 『出奔する』と。
650木田時紀放浪記−2:03/11/08 22:29 ID:4QIgtuNo
「ホントにいなくなっちゃうの?」
 何故か、栗原の眼鏡の向こうが不安そうに曇った。
「ああ。お前もその方が良いだろ? 傾き者で有名な俺なんかと寝たって知れたら拙いだろうからな」
「そ、そんなこと…」
「どっちにしろお前には関係のないことだろ、さあ、帰れよ」
 そう言うと俺はさっさとその場を後にした。後ろで栗原が何か言ったようだったが、特に気に
止めることはなかった。

 屋敷に帰ると、恵美梨は不在で、家臣達もあらかた出払っているようだ。
 俺はさっさと荷物をまとめると、一筆書き置きを残しておいた。出奔することと、京へ行くような
ことを匂わせる文面だ。
 追ってこられてもかなわない。俺は最初から西へ向かうつもりだったので、こうしておけば
問題ないだろう。もっとも恵美梨は常々『お兄ぃはもう帰ってくるな!』と言っていたので、
探すようなことはないだろうが。
 誰にも見咎められないまま、俺は屋敷を後にした。

 姫路城下を抜け、街道への入り口に近づいた頃、俺に声を掛けてくる者がいた。
 俺は声を無視した。まさかもう手が回ったはずもない。どうせ物売りの類だろう。
 俺が足早に立ち去ろうとすると「あっ!」と声を上げてそいつは追ってきた。
 こういう手合いは無視が一番だ。俺は振り返らず、そのままの速度で歩き続けた。
 しばらくすると後ろからは「はぁはぁ…」と息を切らせた声がする。しつこいヤツだ。
「ま、待ってよぉ、木田くぅん…」
 それはどこかで聞き覚えのある、間抜けな声だった。
 足を止めた俺が怪訝そうに振り返ると、軽装に笠をかぶった一人の女がちょうど転んだところだった。
 まさか…
 俺は近づいて女の笠をくいっと上げた。
651木田時紀放浪記−3:03/11/08 22:30 ID:4QIgtuNo
「いたたた…」
 間抜けの正体はやはり…
「栗原! お前こんなところで何をしてるんだよ?」
 栗原は涙目で俺を見上げると、「やっと止まってくれた…」と情けなく言った。
 俺は栗原の手を取り、とりあえず引き起こしてその場に座らせた。
「何をしてる?」
 再度俺が訊くと、栗原は言った。
「あ、あのね、あたしも木田君についていっちゃ、駄目?」
「ばっ、馬鹿! 遊びに行くんじゃないんだぞ!」
「ふえぇぇ、あたし、馬鹿だもん」
「開き直るな馬鹿! 出奔するんだ、もうここには帰ってこないんだぞ。意味判ってんのか!」
「うん、判ってる」
「どうして!」
「え、えと、わかんない」
「はあ?」
 クソッ! この間からそうだ。こいつと話していると頭が変になる。
「帰れ。今すぐ回れ右して姫路に帰れ!」
 すると栗原は半泣きになって
「やだ!」
「やだじゃない! お前は足手まといなんだ。迷惑なんだよ」
 実際ただ女を連れて行く迷惑とは別に、厄介なことがあった。
 この女の親友に榊しのぶというのがいて、これが過保護なまでに栗原に構う変なヤツなのだ。
溺愛と言ってもいい。しかもそいつが橘家の筆頭家老というのが拙い。きっと領内を虱潰しに
してもこいつを見つけ出そうとするだろう。
「榊の所に帰れよ!」
「やだ、あたし、帰らない!」
 しばらく芸のない押し問答が続いた後、泣きながら栗原は言った。
「しーちゃんのところにいるとあたし、凄くミジメなんだもん。帰りたくないよ…」
 そう言って俺の袖を掴んで縋り泣く。
「お願い、足手まといにならないようにするからぁ。一緒に連れってってよぉ」
 そう言って離そうとしない。クソッ。
652木田時紀放浪記−4:03/11/08 22:31 ID:4QIgtuNo
 その後も(今度は優しげに)説得を試みた俺だったが、栗原の意思は変わらなかった。
 流石に俺も疲れてきた。
 いきなり立ち上がると、強引に袖を払った。
「勝手にしろ、俺は知らん」
 そう言ってすたすたと俺は歩き出す。
 後ろではぐすぐすと泣く声がして、少しして小走りに俺の後ろまで走り寄る栗原の
足音が聞こえた。
 俺は振り返らなかったが、栗原も何も言わず、ただ付いてきた。

 数刻そのまま歩き続けると、夕闇が迫ってきた。遠目に宿場らしき明かりが見える。
 つまらない時間を食ったせいで、もう少し先の方まで行くつもりだった俺の予定は
台無しだ。今夜はあそこで夜を明かすしかないか…
 宿場にはいると、その中でやや小さめの宿屋を見つけ、そこの暖簾をくぐった。 
「いらっしゃいませ。お泊まりですか?」
「ああ」
「ありがとうございます。お二人様ご案内ぃ〜!」
 ちょっとまて。
「俺は一人だ」
「はい? でも、後ろの方はお連れさんでしょ?」
 振り返ると、栗原がいつのまにか掴んだ俺の袖を見るように俯いていた。
「あ……」
 怒鳴り声を上げようとしたが、その前に栗原の躰がビクッと跳ねたのを見て、
途端にやる気がなくなった。
「ああ、すまない、二人だ…」
 観念して俺は店主に告げた。

 本当に先が思いやられる。クソッ! 
653342:03/11/08 22:38 ID:4QIgtuNo
天いなキャラ登場の巻です。この二人は国設定から除外されているから
ということで放浪させてみました。あちこちの領内に出没させる予定ですw
ちなみにこの二人しか天いなから使う予定はありません。
654笑顔の向こう側に:03/11/09 12:13 ID:iKSSaQkZ
 南越後の主城、春日山城。
 そのふもとの平野部を流れる関川東岸に布陣するは、水瀬勢・一万余。
 柳川軍の南越後乱入の報に、北越後・上野から急ぎ戻ってきた軍勢だ。
 水瀬・相沢・美坂・沢渡の4種の旗指物が林立しているのが遠目にも伺えるが、
 本来ならこうした地元での防衛戦に参加してしかるべきの越後国人衆のそれは、見当たらない。
 関川を隔てて半里ほどのところで、城下町の焼け跡に春日山を押さえるかたちに布陣している柳川軍にも
(※柏木家正統を主張している勢力であるため、
 本来ならば「七尾柏木」と表記するべき軍団であるが、
 本稿では分かりやすさを優先してこう表記する)
 越後国人衆らしき紋が見当たらないのは、
 今回の戦が水瀬家の敗亡の危機であると国人衆たちも思っている、ということか。
 久方ぶりに叔母……いや、主君に会いに本陣に歩む途中の相沢祐一は、
 そんな物見の報告に胸中の不安をさらに募らせていた。
655笑顔の向こう側に 2:03/11/09 12:14 ID:iKSSaQkZ
 陣幕をくぐり、軍議の場へ祐一は入る。
「お呼びに応え、北越後軍団より相沢祐一、五千の兵と共に参上いたしました……って、おわっ?!」
 彼がたじろぐのも無理はない。
 床几を並べて諸将が座る、その真ん中に置かれた書状に落としていた視線がそのまんま彼に向けられたのだ。
 その視線はまさに「怒」の一言に尽きる。
 まだ若年の沢渡真琴の視線も、美貌で知られる美坂香里の視線も、
 どちらも凄まじいまでの怒気に満ちていた。
 真琴のそれは率直な怒りに、香里のそれは刺さんばかりの氷のような怒りに。
 ふたつの見目麗しき危険物をむやみに刺激せぬよう、祐一は声を半減させて先ほどの口上をつづける。
「…で、柳川勢への先鋒は我らが…」
「…!」「…!」
 要らぬ一言で危険物を刺激してしまい、思わず黙る祐一。
「……社交辞令なのに……」
 小声で不平を呟くしかないのは、さすがは名雪の従兄弟といったところか。
 そんな場の空気を読んでるのやら読んでないのやら、
 場の主たる主君・水瀬秋子は相変わらずの微笑でその挨拶を受ける。
「はい、北越後からはるばるお疲れさま、祐一さん。
 で、よろしかったらその目の前の書状、祐一さんにも読んで頂きたいのですけれど……?」
「へぇ、これですか……」
 真琴と香里をここまで怒らせている書状の内容とは、いったい何なのやら。
 興味半分で読んでいた祐一だが、その表情は平静から青ざめ、そして……2人に劣らぬ怒気をはらむことになる。
656笑顔の向こう側に 3:03/11/09 12:14 ID:iKSSaQkZ
「水瀬秋子殿
 
 一筆啓上奉る
 先だっては我らが手に加賀・越中の二ヶ国を譲渡頂き、誠に感謝申し上げ候
 なおその際に貴軍の将、美坂栞・天野美汐の両名を我らが手にて保護仕るもの也。
 ついては両名のうち、貴殿の望まれる一方を返還することで
 我らこの戦を終わりにせんと欲す。
 女子子供を東西に無駄に走らせ、 
 長の戦塵にまみれて貴殿に年相応の外見が板に付いてしまわれる前に、
 手打ちに為さるが貴家の得と我ら謹慮す

                        柳川祐也」
657笑顔の向こう側に 4:03/11/09 12:14 ID:iKSSaQkZ
「どう思います?」
「どうって……! これで黙ってたらお話になりませんよ!
 連中、交渉する気なんざハナっから無いんだ!」
「……」
「……」
「……」
「……あれ?」
 いきり立った祐一。だが、同意してくれるかと思った真琴も香里も黙ったまま、
 秋子さんに至っては微笑のまんまという反応に、振り上げた手が間抜けに見える。
「……ええっと、その……何か、俺、まずいこと言いました?」
「相沢くん……この書状、ちゃんと読んだの?」
 理性の糸をぎりぎりで繋いでるような表情で、香里が言う。
「……何が言いたいんだ?」
「連中がどういう条件で人質を返すって言ってるのか、ってことよ」
「……あ」
「越中加賀はこちらのモノ、越後国内の兵を引くとも言ってない、
 オマケに返す人質はどちらか一人だけ……
 もう一人を返すために差し出すのは春日山城、とでも言う気なの?!」
「香里ちゃん、落ち着いて? 気持ちは分かるけど……ね?」
「落ち着いてられませんっ! こんな、こんなヒトを馬鹿にした条件で、なんて……」
「……なるほど、確かにな。
 人質ってのは普通負けてる側が、自分たちの安全と引き替えに優位者に対して出す条件だ。
 なのに今回はあっちが優位に立ってて、なおかつこっちにさらに不利になるような条件を
 人質をもって呑まそうとしてる……」
「……許せない」
 祐一の解説をも余計だと言わんばかりに、真琴が呟く。
658笑顔の向こう側に 5:03/11/09 12:15 ID:iKSSaQkZ
「……こんな条件では、呑んだとたんに水瀬家は滅びます。
 使者の方には2日ほど待ってもらい、拒絶の意志を伝える。これでいいですね?」
「御意」
「はい」
「…はい」
 三将の声が揃った。

「……ところで秋子さん、……名雪は?」
「あの子には別働隊を率いてもらっています。領内国人衆の動揺が不安ですから」
「なるほど……今回、国人衆は中立の立場を取ってますね」
「そうでなければこんなわずかな時間で柳川軍がここまで来れるわけないじゃない! どいつもこいつも!」
「香里、落ち着けって。 ……それだけ状況がヤバいってことなんだから」
「……分かってるけどっ!」
 噛みつくように叫んだ香里の目に涙が浮かんでいるのを、祐一は確かに見た。
 秋子はそんな彼女に、諭すように言う。
「香里ちゃん、しばらく…休みなさい。数日はどちらにせよ状況は動かないわ。
 ゆっくり眠って身体を休め、その気持ちを思い切り敵軍にぶつけてちょうだい」
「うっく……は、いっ」
 退出する香里。
「えーと、じゃ…真琴も」
「ええ、ゆっくり休んで頂戴。
 今度の戦は天野さんを取り返すための大事な戦いになるわ、風邪なんか引いちゃ駄目よ?」
「はーい……」
「……じゃ、秋子さん、俺も」
「あ、ちょっと待ってください。 祐一さんにはちょっとやってもらいたいことが残ってるんです」
「え?」
「……男の子にしか、頼めないことなんですよ。 お願いされてもらえません?」
659笑顔の向こう側に 6:03/11/09 12:15 ID:iKSSaQkZ
 夜、美坂軍陣屋。
 その心情を考えれば当然のことではあるが、結局寝付かれずにいた香里のもとに水瀬秋子が訪ねてきたのは、
 既に日もくれてしばらく経ったころである。
 たき火を囲む兵たちの中には、すでにこくりこくりとしている者も多い。
 人払いを命じ、香里は秋子への答礼をはじめる。
「殿の我が陣へのご来訪、誠に感謝の念にたえず…」
「ああ、いいんですよ。そんな堅くならなくっても、ね? 香里ちゃん。
 今は主君と家臣じゃなくて、ウチの名雪のお友達の様子を見に来たただのおばさん、だから」
「……はい」
「ね、顔、あげて?」
 その言葉に、顔を上げて秋子の顔を見る香里。
「あらあら……」
 頬に手を当て困ったような笑顔をする秋子の、その顔も涙ににじんで歪んで見える。
「あ、秋子さん、あの子は、栞はっ……」
 その大きな瞳に溜まった涙がこぼれそうになるのを見て、秋子は香里をその胸に抱き寄せた。
「う、うぅ、うぁ、ぁ……」
 泣き崩れる香里。
 家の道具として生きる身ではなく、自ら槍を取っていくさ場に立ち運命を変える道を選んだ彼女だからこそ、
 妹の運命に、妹の身が敵地に捕らわれていることに、その状況に自分が何も出来ないことに、
 こんな憤りの涙を流さざるを得ないのだろう……。
 そのどちらの道をも歩んできた秋子には、彼女の悔しさがよく分かる。
 分かるからこそ、彼女は何も言わず、腕の中の香里を撫でてやるのだった。
 香里の泣き声が外に漏れないように、香里をひとりきりにしてやらないために、
 そして凍りつきかねないその心が、冬の外気で凍えてしまわないために。
660笑顔の向こう側に 7:03/11/09 12:16 ID:iKSSaQkZ
 半刻ほどの嗚咽ののち、香里は秋子に(抱かれつつ)尋ねた。
「……栞は、大丈夫でしょうか。 冷たい姉と、恨んだりしないでしょうか」
「大丈夫よ」
 即答する秋子。
「……どうして?」
「ここでこちらが『肯』と言ってくるとは、あちらもはじめから思ってはいないもの」
「……どうしてそんなことが分かるんですか」
「……」
「……答えてください。いつものようににこにこしてるだけじゃ、私、わたし……」
「……仕方ないわねぇ」
 泣き出そうとする子供をあやす母親のような笑顔で、秋子は話し始める。
661笑顔の向こう側に 8:03/11/09 12:16 ID:iKSSaQkZ
「結論から先に言えば、柳川さんはここで戦う気は無いのね。
 能登から越中、南越後までの進撃をわずか三日弱で済ませたその速度から考えて、
 あの柳川軍は家中の最後の戦力を集めた精鋭で無いわけがない」
「……でも、あれが柳川軍じゃなく……」
「そう、国人衆や一向宗徒の可能性もある、と言いたいのね。
 私も一度はそれを考えたし、
 また、加賀で栞ちゃんの率いた1万もの軍団をあっさり崩壊させるのは、能登に逃げた柳川勢では不可能。
 国一揆を起こさせた、と見るのが自然ね。昔の山城であったような……。
 両国に張った情報線が一気に消滅したのも、それの裏付け。
 間者や行軍では『線』で断つことはできても、『面』で消滅させることは出来ないもの」
「……うん」
「旧領の加賀の国人衆や一向宗徒はともかく、越中の国人衆は姿を見せぬ柳川には従わないでしょう。
 そうなると一度くらいはあちらで合戦をしてきたのかもしれない……」
「……はい」
「だけど、国人衆や一向宗徒は自分たちの土地を離れて戦いはしないもの。
 金を積まれて勝算があれば、領主に対して反旗も翻すかもしれない、国一揆を起こすかもしれない。
 でも彼らは自分たちの土地を自分たちで守るためにしか、戦わないもの。
 領主の甘言に騙されてのこのこ異国で死んだところで、
 彼らに得るものは何一つ無いのよ」
「つまり……」
「ここに居る柳川軍が正規軍でないということは、絶対にありえない」
662笑顔の向こう側に 9:03/11/09 12:17 ID:iKSSaQkZ
「……なるほど。 でも、それと今回の手紙とどうつながるんです?」
「そうね。
 柳川軍にとって、ここは土地勘もなければ戦備も無い敵地。
 こんなところで決戦を挑んだところで、勝算などあるわけがない。
 両家の勢力の中間である越中まで私たちを引きずり出さなければ、ね」
「柳川家が決戦を求めるという根拠は?」
「加賀・越中二国の国人衆・一向宗徒を煽動するのに必要な金額は膨大なものになるわ。
 そして柳川軍を高速で輸送してくれるモノを雇うのにも、相当の大金が要る」
「……はい」
「先の敗戦が偽りのものであったとしても、大きく柳川家の威信は傷ついたし出費もかさんでいる。
 それをさらに金で補ったわけですもの、七尾の金蔵はもはや底をついているのは確実。
 その出費を取り戻すためには、越中だけでは足りない。
 豊かな南越後を取るところまで勝たねば、柳川家は今回の博打に敗れます」
「……あ」
「されど南越後での戦は勝機なし、となれば手段はひとつ。
 私たちを越中まで引きずり出し、そこで討つ。
 南越後で水瀬が威信を失えば、国人衆を切り崩すことで容易に南越後は取れる」
「……なるほど」
「だから、越後には精兵を送り込んだ。 一度軽く当たって退却し、私たちを越中におびき出すために。
 恐らく越中国人衆にはすでに『有事の際には一度だけ加勢する』とか何とか話がついてるはず。
 精鋭兵ならば退却を潰走と勘違いして本当に潰走するような無様な真似も最小限に抑えられる。
 そう、これもまた先だって栞ちゃんを捕らえたときと同じような、一種の詐術なの」
663笑顔の向こう側に 終:03/11/09 12:17 ID:iKSSaQkZ

「……でも、国人衆が秋子さんの思った以外の動きをしたら?」
「私だって名雪が生まれる前は国人領主の家の主婦だったんだから、」
「そこのところは誰よりも良く分かっている……ということ、ですか」
「正室の子でないというだけで世の中を斜に構え、
 辛い人生をたどってきたかのようにうそぶく未熟者よりは、世の中のことは充分分かっているつもりです」
「……秋子さん」
「はい?」
「もしかして、怒ってくれてる……んです、か?」
「当然です。栞ちゃんも美汐ちゃんも、ウチの大切な子。
 その命を弄ぶような真似をしたあの男……ただで許してやるつもりは、ありません」
 香里の頭を撫でていた手に、力がこもる。
 びくっと香里が秋子の顔を見上げたときには、すでにその力は笑顔の影に隠れ去っていたのだが……。
664水瀬の人の卵:03/11/09 12:19 ID:iKSSaQkZ
…というわけで、一日だけ時間を進めてみるテスト。
665名無しさんだよもん:03/11/09 18:52 ID:e4bS2pCK
お、越後進みましたね、乙。
666波紋(プロローグ):03/11/10 01:47 ID:jI2gwAiv
永禄元年春 薩摩国竜ヶ水

竜ヶ水は錦江湾西岸の鹿児島郡と北岸の姶良(あいら)郡の間にあり、姶良カルデラの
外輪山が険阻な崖となって海際まで迫る難所である。ここは姶良郡の中心地加治木に
城を構えるシオン氏が精鋭を駐留させて鹿児島に根拠を置くラントール氏の攻勢に
備えている前線であり、小競り合いも日常的に起こる。しかし、今夜起こっている
事態はそういったことをはるかに超えたものであった。鹿児島から一年ぶりに本格的な
侵攻軍が竜ヶ水を超えて加治木へ進軍せんと攻め寄せてきたのである。駐留軍は五百、
対する寄せ手は万を超す大軍である。ただし、この隘路では大軍のメリットは薄い。
攻め寄せて来たラントール軍は足止めを食らい、援軍を待って撃退されるはずであった。
しかし、加治木への伝令を出す間もなく状況が激変した。
「馬鹿な! 何故姶良の方から敵が来るんだ!」
「わからん。……船か? そうとしか考えられん」
「船だと!? 桜島の我が軍は何をしていたのだ!」
「桜島は問題が起こっているとは聞くが、機能を失ったとは聞いておらん」
「くっ。状況が変化したのか? だが、いずれにせよ議論している場合じゃないな」
漆黒の闇の中、自分達の本拠地の方向から現れた敵軍は、前方から迫り来る大軍と
対峙していた味方の軍勢の背後を突き、大混乱に陥れた。いかな精鋭といえど、
こうなってしまってはなすすべもない。こちらの混乱を見て、前方の大軍も動き始めた。
667波紋(プロローグ):03/11/10 01:48 ID:jI2gwAiv
「こうなっては我らは終わりだ。だが、このまま唯々諾々と倒されるわけにはいかん」
混乱する駐留軍の陣地で、初老の指揮官は飛び抜けて若い兵を呼んだ。
「お前に任を与える。心して聞くが良い」
「はっ。有り難き幸せであります。何なりとお申し付けください。
 ……出来ますれば憎き敵軍へ一矢報いられるような御命令を」
「では命ずる。直ちにこの崖を登って吉野、吉田から加治木へ向かい、このことを伝えよ」
「それは他の者にお命じ下さい。俺は戦います!」
「聞くが良い。我らはここで玉砕することになろう。だが、それでは我らのお城が無防備で
 この大軍を迎えてしまうことになる。故に、誰かが加治木までこのことを伝えねばならない。
 これは我々の最も大事な役割なのだ」
「皆がここで敵と刺し違えようというときに俺だけ生き残るわけにはいきません!」
「これは命令だ。意味はわかるな」
「ですがっ!」
「くどいっ! お前はシオンのお家を滅ぼしたいのか!」
「くっ!」
「早く行け! もう時間がない」
「……御免!」
若者は振り返らずに山の方へ駆け去っていった。崩壊に近付きつつある陣地の中で、
しかし指揮官は穏やかな笑みを浮かべた。
「……よ、お前はまだ死ぬには早過ぎる。生き残れよ。……さて、我等は最後の御奉公、
 精一杯の時間稼ぎと行こうか。 皆の者、出来るだけ粘るのだ! ガディムの
 監視者たるシオン軍の力、ラントールの奴ばらに見せてやれ!」
数で圧するラントール軍はシオン軍を直ちに壊滅させるかに見えたが、思わぬ抵抗に
遭い、結局駐留軍を殲滅しきったのは夜が白む頃だった。
668波紋(プロローグ):03/11/10 01:52 ID:jI2gwAiv
「顧問殿、敵軍を殲滅しましたぞ。いやあ、流石ですな。神童というのは
 正にウィル殿のためにある言葉だ」
「ふわぁ。やっと終わったの? 遅かったなぁ。もうちょっと何とか出来なかったの?
これじゃあ加治木への奇襲は無理だよ」
中年の指揮官がラントール軍の本営で報告する相手は、年端も行かない少年であった。
「面目ない。しかし、相手はこれまで何度も煮え湯を飲まされた難敵ですからな。
 竜ヶ水を取り戻しただけでもトゥル43世閣下はお喜びになるでしょう」
「しょうがないなぁ。じゃあともかく加治木まで進軍だね。出来るだけ急ごう。
 奇襲は駄目でもぐずぐずしていていいことは何もないからね」
「分かりました。顧問殿」
「あ、そうそう。吉野の軍に指示して怪しい者が通らないか警戒を強めるよう
 鹿児島に今すぐ伝えておいてね」
「何故です?」
「やだなぁ。今の敵軍が伝令を出してるかもしれないじゃない。この進軍が
 加治木へ伝わるのは遅ければ遅いほどいいに決まってるよ」
「ははぁ。流石ウィル殿ですな。わかりました。そのようにさせます」
指揮官が出ていった後、少年は呟いた。
「もう遅いだろうけどね。でもそれはそれでいい。僕達の進軍を聞いて高山へ
 助けを呼ぶがいい。噂に聞くフレイ軍の力とやら、楽しませてもらうよ。
 しかし、こんなことにも気が回らない奴が指揮官になれるあたり、ラントール軍が
 まともな軍に勝てないのは当たり前だね。僕の知ったことじゃないけど」

-----------------------------------------------------------------------
竜ヶ水は現在JR線と国道10号線が走り、鹿児島県内でも交通の要衝です。
が、本当にその二本が通るだけのスペースしかありません。また、鹿児島と
国分、加治木を真っ直ぐ結ぶのはここだけなので、渋滞の名所でもあります。
ここの山側斜面はほとんど崖なので、多分登るだけで結構命懸けと思います。
669名無しさんだよもん:03/11/10 23:50 ID:OzO/c1Cq
どうやら容量っていうかファイル数が限界っぽいため、
サイト移動します。
……形式変えてないけど。

今までのところは一応アップしてあるつもりです。
最近は実習で忙しくてあんまり時間無いんですけど……

サイトは↓
http://members.at.infoseek.co.jp/farem/rekisi/index.html

……そのまま移設したんでもしかしたらみれないとことかあるかもしれません
よろしければ指摘の方をよろしくお願いします。
670名無しさんだよもん:03/11/11 02:26 ID:MHJpheE+
サイト移転乙に、新作もいっぱい乙
本当に続くな
671名無しさんだよもん:03/11/11 20:59 ID:+nmJbdAS
>670
どうだか。
672名無しさんだよもん:03/11/11 21:40 ID:Fkj7QhJT
>671
そう言うなや。
673名無しさんだよもん:03/11/11 21:50 ID:JE+8L4E4
というか1日1、2作が当たり前のペースだったから
少しでも間が空くと心配になってしまうのは俺だけ?
674名無しさんだよもん:03/11/12 08:31 ID:U7hFbCKw
大名思考中
675名無しさんだよもん:03/11/12 16:04 ID:YgoLY0do
感想スレが落ちますた…(´・ω・`)
676名無しさんだよもん:03/11/12 16:25 ID:rBqLxply
…あ、ほんとだ。

一日ちょいカキコ無しで落ちるとわ…
なんだかんだいって葉鍵板はまだ激戦区なのね。
677名無しさんだよもん:03/11/12 20:17 ID:HGzYzs6u
あら。
678名無しさんだよもん:03/11/13 08:06 ID:ZNJYpFJB
再建いたしますか? (y/n)
679名無しさんだよもん:03/11/13 17:19 ID:IvCjZHwI
今のところは立てなくてもいいんじゃない?
680名無しさんだよもん:03/11/14 01:18 ID:aFxl6+pH
誰か補足に超先生の歴史講座みたいなの希望
681名無しさんだよもん:03/11/14 01:39 ID:fjsh8DrH

         ∧_∧
         < `ш´>  日本は私が作った
       _φ___⊂)
      /旦/三/ /|
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
    | WA十円 |/
682名無しさんだよもん:03/11/14 09:13 ID:7JvP/Tzq
WAはおまいじゃねーだろw
683名無しさんだよもん:03/11/15 02:50 ID:kVjkgkYQ
大名思考中
684波紋(前編):03/11/15 23:08 ID:Ln4qWnii
永禄元年春 大隅国加治木

「最近にない大軍ね。今度はラントールの連中も久々に本気ということかしら?」
「さあな。ただ、一つはっきりしているのは、俺達は今回サーゼ様抜きでこいつらを
 追い返さなきゃならないってことだよ」
姶良郡の中心地、加治木の北側の丘に作られた加治木城は、薩摩と大隅の守護を代々
任じられてきたシオン氏の居城である。その加治木城から小さな川を挟んで対岸にあたる
蔵王岳−この地方で時々見受けられる、風雨によって奇妙な形に侵食された小山である−
から、二人の少女が眼下に広がる平地を見下ろしていた。赤髪の少女ティリアと
青髪の少女フィーユ、大隅フレイ家の若き嫡子とその乳姉妹である。剣豪として高名な
サーゼを当主に戴き、尚武の気風を謳われるフレイ家にあって、この少女たちは将来を
嘱望され、近年は若いながら一軍を任せられるまでの成長を見せている。その二人が
見下ろす先では、ラントールの旗を掲げた大軍が城の麓、網掛川沿いに集結していた。
「しかし、どうやってこんな大軍連れてきたのかしら?」
「吉田の山道を抜けて来たんじゃないか? 竜ヶ水は大軍が通るには狭すぎるし、
 そもそもシオン家の精鋭が駐留している。海路も有り得なくはないが、
 これだけの規模なら桜島のシオン軍に捕捉されないわけがないだろう」
「いや、今回は吉田側ではありませぬ。そちらも警戒しておりますしの」
二人の背後から一人の老人が現れた。その老人を見て、フィーユは恭しく、
ティリアは気楽な調子で頭を下げた。
「ギース殿、御無沙汰いたしております」
「お久しぶり、ギース殿」
「いや、こちらこそ援軍にお越し頂いたのに挨拶が遅れて申し訳ありませぬ」
シオン家の家老ギース・デルム、その智謀で賢者として知られる名臣であり、
それ以上にこの二人にとっては、近しい身内のような存在である。
685波紋(前編):03/11/15 23:09 ID:Ln4qWnii
「では、彼等は一体どのような魔術を使ったっていうの?」
「海路で姶良の西端、重富に精鋭を上陸させ、鹿児島から海沿いに来た本隊とで
 竜ヶ水の我が軍を挟撃、殲滅したのです。本来ならそのような奇襲を見逃す
 我が軍ではないのですが……」
「桜島の事態はそこまで深刻なのですか?」
「どうやらそのようですな。正直甘く見ていたかも知れませぬ。それだけに、
 デューク殿達の報告を心待ちにしておるのです」
「一体何が起こっているのかしら? ……心配だわ。デューク……」
「ティリア、ここで心配しても仕方ないよ。俺達にはやることがあるんだ」
「……そうね。じゃあ始めましょうか。ギース殿、この状況をどう見る?」
「そうですな……」
三人は額を寄せ、あるいは時に眼下の敵軍を鋭い目で見やりつつ話し合いを始めた。

錦江湾の北岸、大隅国姶良郡に広がる平野は、南九州では数少ない水に恵まれた
穀倉地帯となっており、大隅国分寺が設けられた頃から栄えてきた。この地の豪族
だったシオン氏は、南北朝の世に破壊の神ガディムが復活し、桜島に封印された
事件の折に重要な役割を果たし、幕府から薩摩・大隅二国の守護の地位、朝廷からは
ガディムの封印を監視する役割を与えられ、九州で重きをなした。しかし、時が過ぎ、
ガディムの破壊の記憶が薄れて来ると、各地の土豪勢力の台頭に伴ってシオン氏の
影響力は減っていった。戦国の世が本格的に到来すると、鹿児島を根拠に商業で
成功したラントール氏が薩摩南部を支配し、霧島の山の民との関係を背景に力を
増した川内のロイハイト氏が薩摩北部から大隅北部にわたってイニシャティヴを
握るなど、シオン氏の実質支配領域は姶良郡と桜島のみとなっていた。ただし、
ガディムによる破壊が厳しかった大隅南部の国人達はシオン氏に概ね協力的であり、
守護の権威は何とか保たれてきた。
686波紋(前編):03/11/15 23:11 ID:Ln4qWnii
この状況でラントールの家督を継いだトゥル43世は野心を剥き出しにし、度々加治木に
出兵してシオン氏を脅かさんとした。その権威を欲したのである。一方、肝属(きもつき)郡
高山(こうやま)のフレイ氏は南北朝以来のシオン氏の同盟者だったが、当代のサーゼは
シオン家を助けてラントール軍を討ち、シオンの家老ギースと共にラントールの侵攻を悉く
失敗に帰せしめ、天下に武名を轟かせたのである。結局ラントール軍は三年前重富で行われた
会戦でギースが采配を振るうシオン軍とサーゼの率いるフレイ軍に完膚なきまでに叩きのめされ、
要衝竜ヶ水を押えられたため、しばらく鳴りを潜めることを余儀なくされていたのであった。

「さて、大体こういう方針で宜しいですかな?」
三人は半刻ほども話し合っていたが、やがて結論を出した。
「そうね、私もそれでいいと思うわ」
「百戦錬磨のギース殿の御卓見、大変勉強にさせて頂きました」
「じゃ、フィーユ、行こうか」
「ああ」
「気をつけてお戻りなされよ。道中ラントールの間者が忍んでおるやも知れませぬ」
「ええ、わかってるわ。ギース殿こそ気をつけてね。まあ、あそこの間者は
 あんまり優秀とは言えないけど」
「ふっ。そうでしたな」
ティリアとフィーユはもう一度ギースに頭を下げてから蔵王岳を下っていった。
「はてさて、どうしたものですかな。いずれにせよ、お二人の技量の程、
 見届けさせてもらいますぞ」
-------------------------------------------------------------------------

地名に関しては基本的に現代ないし江戸期のものを使っています。例えば
桜島の場合、この名前が正式名称となったのは元禄年間で、その前は向嶋と
呼ばれていたとのことですが、それでは無駄に分かりにくいですし、そもそも
よく分かっていない旧地名も多いみたいですから。
687名無しさんだよもん:03/11/16 01:42 ID:PY6dmNYW
たしかに地名は統一した方がいいかも、マイナーなものは現代のでもいいんじゃ?
というか細かい地名よくわかんなし。
688名無しさんだよもん:03/11/16 02:55 ID:3gNKsggV
ヘ:::::::::;;: -‐''''""( )1
 ゙、::::::::-‐''""" ̄"'i
  :V;;||:::: '~ニ=ッ, r='|  ショ カツリョウ
  i!f !:::::      ゙、i  諸 葛 亮 曰く
  i!ゝ!::::     ‐/リ
  i::/:、 :::、  /''ii'V  「五百年前の詳しい地名なんぞいくら何でもわかんなし。」
  ̄ハ:::::\ "''il|ハ゛
689名無しさんだよもん:03/11/17 00:44 ID:79fGvsIN
大名思考中
690名無しさんだよもん:03/11/17 03:50 ID:3P41aiWr
お、新作乙
691名無しさんだよもん:03/11/18 00:03 ID:QPM6yoLC
人少なくなったねぇ……
692名無しさんだよもん:03/11/18 00:09 ID:ukwlEtOI
11月になってから突然失速したのう、忙しいのかな?
九州は順調なのに。
近畿、東北方面の続き少しでもいいから頼んます
693名無しさんだよもん:03/11/18 11:15 ID:X7ciGXDu
辛うじて圧縮を乗り切ったようだ。現在397位。
694東北担当→越後担当:03/11/18 17:56 ID:EgXR8Eot
シナリオ2はしばし松。
695名無しさんだよもん:03/11/18 18:57 ID:2vORWEtA
よかった、生きてたか。
近畿や中部の中の人も今までのハイペースがたたって大休憩ですか?
696長瀬の人:03/11/18 20:15 ID:CrNbKVZ1
>695
休憩と時間軸を合わせる(藤田や水瀬)為に今は見に回っているだけです
それと、次の話がうまくまとまらないという側面もw

>694
ところで水瀬の人の卵と東北の人は同一人物だったのか?(名前欄より推測)
697柳也の中の人:03/11/18 21:11 ID:8bH9L+Aj
神奈様ご一行をすんなり京都に戻してよいのやら、思案がまとまりません。
水瀬・柳川の抗争にもちょっかい出したいし… でもヘタなことすると
即滅亡コースだし… 個人的にはそれでも構わないんだがw
違います。ただの伝言っす。

京都戦線・日本海戦線は今、関東人がある陰謀をはりめぐらせてますです・・・( ̄ー ̄)
699名無しさんだよもん:03/11/19 10:38 ID:c73UWHK1
-各国政略中-

政略の内容は追って告知されます。
しばし待たれよ。
700名無しさんだよもん:03/11/21 00:47 ID:vng42L+d

         .´   `v^)     _____
        〈(ハ从ノlハミi((.   /
         l人´д`l从 )) <  ・・・・・・。
      ザクッ/ y┃  ヽ(   \
       Σ(m)二:;⊂[_ノ      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         (ノノノ |ヽ゚・.゚・*: .。.:,... 700get.
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
701名無しさんだよもん:03/11/21 22:06 ID:/4cZyHOh
大名試行錯誤中…
702名無しさんだよもん:03/11/23 00:17 ID:Sb/lykBq
保守。
703緒方家緊急評定(前編):03/11/23 01:29 ID:q1M9oRG4
「やっと着いた……」
甲府の町を臨む丘。そこに南達は突然躑躅ヶ崎館で開かれる事になった評定に参加する為にいた。
「山奥の町にしては立派だけどやっぱり駿府に比べれば全然大したことないわね」
「しかたないだろ。甲斐は高い山と深い森に囲まれた国。
 碌に米の収穫もできないし、最近まで産業という産業もなかったんだからな」
南森の呟きに答える南。緒方家について多少は勉強してきたらしい。
「ところで聞いたか? 例の噂」
「重臣の謀反未遂の話か? いきなり大変なことなってるよな」
「そうじゃない、氷上の方だ」
「ああ、そっちの話か」
頷く中崎。元同僚の事件は南達にも衝撃をあたえていた。
「あいつも馬鹿だな。そこまで髭に義理立てしなくてもいいだろうに」
「一時はどうなるかと思ったけど私達領土安堵だしね」
「お前ら…… その話を信じてるのか? 氷上は訳もなく住民を殺したりする奴じゃない、明らかにおかしいだろ」
村田と南森の言葉に南は反論する。お世辞にも仲がいいとはいえなかった渡辺家家臣団で氷上シュンは例外的な存在なのだ。
「でも事実死んでいたのは渡辺家の間者らしいぞ。晒されてるらしいから見てこいよ。俺は御免だけどな」
「薄情だな。少し前までは一緒に戦ってた仲間じゃないか……」
「そうかもしれないけどよ、そんなこと言ってて俺達まで疑われたらどうするんだ。元も子もないつーの」
「それにどこで誰が何聞いてるかわからないわよ。壁に耳あり障子に目あり……」
そこへ馬に乗った伝令らしき兵がやって来る。
「駿河から来られた方々ですね?」
こくこくと頷く南達、すでに話はやめている。
「躑躅ヶ崎へようこそ。間もなく緊急評定が始まりますのでついて来てください」
704緒方家緊急評定(前編):03/11/23 01:32 ID:q1M9oRG4
躑躅ヶ崎館『蛍ヶ崎の間』、そこには当主緒方英二を中心に不在組を除く緒方家の主要人物が集結していた。
緒方理奈、河島はるか、観月マナ、寺田信子、日立泉、フランク長瀬。そして新たに加わった南達東海四人衆。
他にも各地の国人衆代表や寺社仏閣の責任者、そしてある程度地位がある侍大将もかなりいたりする。
「それじゃ、そろそろ評定を始めたいと思う」
「まずは冬弥君と澤倉さんのことよ。納得のいく説明をしてよね」
さっそく切り出す理奈。その為にこの評定が開かれたと言ってもいい程の重要議題なのだ。
「わかっている。それじゃ頼むよ」
それを合図に末席に座っていた男が立ち上がる。
「もう一つ訊きたいことがあったのよ。……誰よ、この人?」
「……僕ですか?」
理奈の視線と言葉を受けその男はついっと眼鏡を人差し指で上げる。
「旧越後領主の久瀬君だ。この度縁あってうちに仕官してもらったんだよ」
「ちょっとまってください!」
変わりに答える英二。それに慌てた様子でマナは叫んだ。
「その人は水瀬家から指名手配されてるじゃないですか!」
「たしか講和の饗宴中に問題を起こして、水瀬側の使者倉田佐祐理を負傷させたあげく
 戦いになって滅ぼされちゃったのよね」
「問題? この僕がですか?」
ふふんと笑いながら再び久瀬は眼鏡をいじる。
「当主殿の妹と聞いていましたが失礼な人ですね。あれは僕のせいではない」
「……どういうことよ」
705緒方家緊急評定(前編):03/11/23 01:35 ID:q1M9oRG4
「いいですか、よく聞いてください。確かに倉田さんは怪我をしました。
 しかしきっかけをつくったのは彼女に付いて来た川澄舞なんですよ。
 奴は予定が半分ぐらい進んだ時にいきなり抜刀、僕は腰が抜けるほど驚きましたね。
 そしてすぐに取り押さえる指示を出しましたよ。極めて常識的な判断だと思いませんか?」
「何で饗宴中に帯刀を許可してあったのよ? その時点で駄目ね」
「うぐ…… と、とにかく」
ズバリな指摘にこほんと咳払いをして冷静を保つ。
「こちらの至極真っ当な行動に対しなんとあっちの護衛は応戦してきたんですよ!
 それであんなことになってしまったんです。だいたい何で講和を潰さなきゃいけないんです?
 祝宴、饗宴、茶会、歌会…… これらを開くことは僕の生きがい、その会を滅茶苦茶にされて黙っていられるかっ!?
 それにあと少しで倉田さんと踊ったり蹴鞠したりできたんだ、それをあの女ぁぁぁぁぁ!!」
怒りの余り久瀬が両手で握っていた扇がベキッと折れる。
「……兄さん、この人大丈夫?」
「普段はまともだろう。誰だって怒るとこんなもんだ」
「でも水瀬家はどうするんですか? 余計な疑いをかけられちゃうような……」
「はぁはぁ…… それなら心配ありません」
心配するようなマナの言葉に息を整えながら久瀬は答える。
「水瀬家には今そんな余裕はない、そうなんでしょう英二さん?」
「そういうことだ。安心してくれ」
「その根拠のない自信はどこからきてるのよ……」
706緒方家緊急評定(前編):03/11/23 01:39 ID:q1M9oRG4
「それでは藤井冬弥、澤倉美咲両氏の出奔事件について説明させていただきます」
「で、何で久瀬君が司会してるの?」
「一々突っつからないでくださいよ。単にこの件の調査をまかされただけです」
「そういうことだ。それでは続きを」
「はい。ええ、事件の発端は渡辺領に侵攻した頃に遡ります。ある日、忍衆から二人の謀反容疑が伝えられました。
 奉行衆が調査を開始したところ澤倉殿の部屋から内応を約束する手紙が多数発見されました。これがそれです」
「……確かに澤倉さんの字みたい、でも相手の手がかりはないわね。冬弥君の方は見つからなかったの?」
「はい、見つからなかったようです。ですがこれで十分と判断して緊急逮捕したようです」
「もっと慎重に進めるべきだったんじゃない? せめて全員が帰国するまで待つとか。由綺のことを知らないの?」
「その時僕はこの件に関わっていませんでしたのでそんなこと言われても困りますね。……続けますよ」
そう言って報告書らしきものをぱらぱらと捲る。
「取り調べを行っていたところ、突然澤倉殿の部下が奉行所を襲撃。二人を連れ逃走したのです。
 それでも何とか追跡をしていたのですが例の渡辺家残党侵入事件の混乱で完全に見失ってしまいました。
 現在忍衆、奉行衆が全力を挙げ捜索中です」
「俺は渡辺家残党もこの件に何か関わっていると思っている」
珍しく渋い顔で英二は言った。
「しかし結局のところ一番のこの事件の原因は俺にあるのかもしれないな。
 作戦とはいえ演出で家中に馬鹿げた派閥争いと疑心暗鬼を持ち込んでしまったんだから」
「……」
沈黙する家臣団及び国人衆。派閥争いについては皆、心当たりがあるのだ。
中には本気になって信じ煽り続けていた者もいる。反省するべきことは多々あった。
「諸君、今は当家始まって以来の危機と言ってもよい時なのかもしれない。
 そのことを末端まで知らせて一致団結していくように徹底させて欲しい。必ず……必ずだぞ」
707緒方家緊急評定(前編):03/11/23 01:41 ID:q1M9oRG4
「ではそろそろ次の話題に移るとしよう。外交の話なんだが…… 千堂家と正式に同盟を締結しようと思う。
 折り良く使者として澤田真紀子殿が来ている」
そう英二が言うと従者が全員に紙を配り始める。

同盟締結の協定および提案事項
・要請がない限り援軍を出さないこととする
・緒方家が関東に領地を持たないことを約束するかわりに、千堂家も東海・甲信に領地を持たないことを約束する
・こちらが同盟を尊守する証拠に駿河相模国境の興国寺城の修理を当分見合わせる
・お互いにとって不利な噂や諫言を決して信じない

「条件はこんなところでどうだ?」
「千堂家はわざわざ精鋭を連れて当主自ら援軍に来てくれたりするから信頼してもいいと思うけど
 関東に領地を持たないとか興国寺城の修理をしないって譲歩する必要性は?」
「いやね、何でも千堂家と水瀬家の同盟は事実上崩壊したらしいんだ。理由は水瀬家が関東への影響力を増しすぎたから。
 千堂家は関東八州の制圧を目指しているんだから何時かはこんなことになると思ってたんだけどこんなに早くとはね」
「なるほど。それで関東状勢に関わるつもりはないと伝えるわけね」
「この同盟が締結されれば甲斐の守りは完璧となり東海方面も安定するだろう。どうにかして成功させたいもんだ」
708緒方家緊急評定(前編):03/11/23 01:45 ID:q1M9oRG4
「それにしても千堂和樹さんって当主なのに先陣にたってたんですよね。それって結構すごいですね」
三方ヶ原決戦に参加していないマナが一言。和樹を見ていないので興味津々といったところだ。
「マナちゃん、こういう時ははっきり言ったほうがいいわ。千堂家、水瀬家、大庭家、長瀬家、長森家、渡辺家……
 どの大名家も戦いの時は当主が殆ど指揮を執ってるのよね。例外は兄さんぐらいなもんよ。まったく少しは現場に出て欲しいわ」
「そんなつもりで言ったんじゃないですけど……」
兄弟喧嘩に巻き込まないでといった表情でマナは呟く。
「理奈ちゃん、酷いな心外だな。俺だって三方ヶ原決戦の後は戦後処理に奔走して遠江へ美濃へって移動して頑張ってたのに」
「遠江では仕事推しつけて行っちゃったじゃないの!」
「でもその後、私に推し付けた罠」
今まで話を聞いてるんだかいないんだかのはるかはしっかりとそこに突っ込みをいれる。
(で、次は俺達に推し付けたんだよな)
(おい、聞こえるぞ!)
後ろの方の南達が何か話した気がするがそれ以上は気にしない。
「細かいことはこれぐらいにして。じゃあ次、軍備の話な」
「逃げたわね……」
709名無しさんだよもん:03/11/23 01:46 ID:q1M9oRG4
使者で真紀子さん来てるのすっかり忘れてた。

>大庭の中の人
同盟の件ですけどこんなところでどうですかね?
710波紋(中編):03/11/24 14:09 ID:7URQpnbW
「難攻不落という評判は伊達じゃないみたいだね。なかなか厄介だ」
加治木城の南側に展開するラントール軍の本陣でウィルは呟いた。
加治木城が難攻不落と称されるのには理由がある。一つの丘全体を城域とした
この山城は東西南の三方が絶壁となっており、城壁の役割を果たしている。
特に、城の東西には川が流れており、攻め難い地形である。西の網掛川は城に
隣接する位置で龍門滝となり、東の日木山川は蔵王岳との間に渓谷をなしている。
東側には人吉街道も走るが、城の直下であり、寄せ手は矢の絶好の的となることを
覚悟しなければならない。一方、北側は九州山脈の末端に繋がる山地で、出城が
設けてあることもあり、こちらも侵入は容易でない。結局この城に攻め入るには、
城壁代わりの崖に取り付くか、山地を回り込んで北側から攻め込むしかないが、
北側は相手の地元の山中でそれなりの距離の行軍を強いられるという状況になる上、
途中ロイハイト氏の勢力圏に入ってしまいかねないため、ウィルはそちらからの
速攻をあきらめて城の南に陣を構えさせ、本格的な攻城戦の準備を進めていたのである。
「でも、この城だけなら時間さえかければ落とすのは難しくない。問題は援軍だな。
 そろそろ高山からフレイの軍が着く頃だからね。とりあえず夜襲を警戒させないと。
 この軍は指揮官からして質悪いからねぇ、やっぱり言っとかないといけないだろうな。
 ……だけど、がっかりだね。サーゼが動かないで、援軍は嫡子の、何て言ったかな、
 小娘ってのはね。せっかく楽しめると思ったのにな」
711波紋(中編):03/11/24 14:10 ID:7URQpnbW
「さあ、そろそろ行くわよ。私に続いて!」
深更、地の利を生かして森の中を行軍し、ラントール軍に隠密に接近したフレイ軍
五百人は、ティリアの号令一下敵陣に襲い掛かった。
「敵襲だ!」
怒号が響く敵陣に斬り込んだティリア以下フレイ軍は、間髪を入れず見張りを斬り、
敵襲の声を聞いて出てきた敵兵を反撃の態勢を与える間もなく次々倒して行った。
ウィルの進言で夜襲を警戒していたラントール軍だが、それでも陣地の寸前まで
深い草の中に隠れて接近してきたフレイ軍の鮮やかな奇襲に対応が遅れ、混乱に陥った。
「ウィ、ウィウィウィル殿、て、敵襲でござる」
「やっぱり来たね。しかしこの程度で混乱するとは……しょうがないな」
少年は立ち上がると、陣屋の表に姿を表した。
「うろたえるな! 逃げる者は斬る!」
声を上げると同時に刀を抜き、敵襲と反対方向に走って逃げようとした兵士の一人を
斬り捨てる。一瞬陣営が静まりかえった。
「落ち着いてかかれば大した敵じゃない。包囲殲滅せよ! 敵はわざわざ袋の鼠に
 なりに来たようなものなんだから」
憑き物が落ちたように混乱が収まったラントール軍は、ウィルの指示に従って
フレイ兵を包囲する態勢を取り始めた。
「潮時ね。撤退!」
が、その動きを察したティリアの合図を受け、フレイの兵達は即座に撤退に転じた。
「逃げるぞ! 追え!」
反撃に転じようとしていたラントール兵の一部は、撤退するフレイ軍を追って
陣地を飛び出し、陣を出てほどなく、日木山川の渓谷に入る手前でフレイ軍に追い付き、
斬り合いとなった。フレイ軍が奇襲に失敗して逃げ出したと見たラントール兵達は
意気軒昂として戦い、フレイ軍はそれに押されてじりじり後退すると見えた。
712波紋(中編):03/11/24 14:11 ID:7URQpnbW
「我が軍優勢、このまま押しきれそうですな」
情勢を見た指揮官の言葉に、しかしウィルは反論した。
「待ってよ。このまま深追いしちゃいけない」
「何故ですかな? 憎っくきフレイの奴ばらに目にもの見せる機会ではござらぬか」
「分からない? これは偽退、罠だよ」
「罠、ですと?」
「そう。この敵軍、襲撃の鮮やかさから見て、かなりの精鋭に違いない。
 撤退に移ったタイミングも手慣れたものだ。それを思えばこの手間取り具合、
 間違いなく僕らを誘ってると見ていいよ」
「な、なんと」
「間者からの報告では、城兵は千人、高山からの援軍も同じくらいらしい。
 いずれにせよ、こちらに比べれば兵数は問題にならない。今の襲撃者は
 ざっと数百、恐らく残りは渓谷沿い、城の対岸に伏せてあるはずだ。
 あそこに誘い込んで伏兵に襲わせるのがこの地形では効果的だからね」
「しかし、ただやられっぱなしというのは納得行きませぬ」
「フッ。このまま、と言ったでしょ。罠は分かっていれば罠の用をなさない。
 逆手に取ってやればいいんだよ。三千人を今の敵軍に当らせ、三千人で城の対岸を
 襲撃だ。奇襲の兵も伏兵もせいぜい数百、普通にやれば両方を撃滅できるはずだよ」
「なるほど。では早速出撃するといたそう」
「サーゼ本人ならともかく、経験の足りない小娘では見る目の有る人間を騙しきれる
 ものじゃない。このボクを相手に小細工を弄したこと、後悔させてあげるよ」
713波紋(中編):03/11/24 14:13 ID:7URQpnbW
日木山川の渓谷の入り口ではティリアを中心とするフレイ軍の奇襲隊と陣営から
突出してきたラントール兵が戦っていた。意気上がるラントール軍に押され、
徐々に下がって行くフレイ軍という状況に見える。そこに更にラントールの陣から
大軍が松明を掲げて押し出してきた。ラントール軍は二手に分かれ、一組は
交戦の現場に、もう一組は日木山川を越えて蔵王岳の麓に向った。
敵と激しく切り結んでいたティリアだが、それを確認するとニヤリと笑った。
「よし、今よ! みんな、逃げて!」
ティリアの声を聞いたフレイの兵達は、それまで互角以上に戦っていたはずの
ラントール兵をほぼ例外なく一刀で突き放し、かつ間髪を入れず逃げ出した。
「追え! 逃がすな!」
後方から迫るラントール軍は、必死の形相でフレイ軍を追った。
と、突然上から無数の矢が降ってきた。
「しまった! ここは!」
ラントールの軍兵はいつのまにか加治木城から矢の届く街道上に誘導されていたのだ。
激しい矢の雨の中、ラントール軍は確実に討ち減らされ、抵抗力を奪われて行った。
一方、蔵王岳の麓を目指したラントールの部隊は、目標の敵部隊を見つけられず、
森の中で右往左往していたが、突如自分たちがやってきた方向から鬨の声が上がった。
「行くぞ! 敵は烏合の衆だ!」
「馬鹿な! 何故後ろから敵が来るんだ!」
フィーユ率いるフレイ軍の別働隊五百である。予想もしない背後からの敵襲に
ラントール軍はたちまち混乱し、森の中に突撃してきた少数の敵兵に翻弄された。
714波紋(中編):03/11/24 14:15 ID:7URQpnbW
「なんだって? 南から敵!? ……くっ。謀られたか。僕としたことが!
 ……仕方ないね。全軍に命じて陣地に引き帰させてよ。今すぐだ。ここで少々
 被害が出ても構わない。陣地で守る分には人数差が効く。向こうもこれ以上は
 手出しできないはずだ。今はともかく耐えるしかない」
ウィルの指示により、ニ方のラントール軍は人吉街道上で合流し、加治木城からの矢と、
引き返してきたティリア隊、追撃するフィーユ隊による被害を受けつつも何とか陣地に
撤退し、守りを固めた。この夜、フレイ軍がほぼ無傷なのに対して、ラントール軍は
五百人近い損耗を受けたが、撤退に追い込むには程遠く、戦いはまだ始まったばかりと思われた。

「流石ギース殿。本当に予想通りになったわね」
「だが、それは敵がかなり有能だということをも意味するわけだぞ」
「そうね。竜ヶ水攻略はやっぱりまぐれじゃなかったってことよね。それに、あそこまで
 ギース殿の策が決まっていながら、そこから立て直したというのも只者じゃないわ」

「しかし、こちらに偽退を読ませておいて裏をかく、こんな手を考え付くのは奴か。
 ギース・デルム、やはり敵に回せば恐ろしい男だ。それに、フレイ軍、今回は
 サーゼじゃなく小娘が動いたと聞いてがっかりしてたんだけど、それでも
 ギースの構想をここまで完璧に実現して見せるとは、やはり侮れないね。
 ……くくく。面白い、実に面白いね。この仕事、やっぱり受けて良かったよ」
-----------------------------------------------------------------------------

加治木城址は九州自動車道加治木インターのすぐ近くにあります。龍門滝は加治木城が
あった小山の西隣にありますが、高速から眺めるとなかなか立派な滝です。城跡の東、
日木山川沿いの県道が人吉街道の大口筋で、今は鹿児島空港へのメインルートの一つ。
715名無しさんだよもん:03/11/24 17:06 ID:wCe3p2V/
三戦の野望 2ch録 風雲!長森城 【第1弾】
http://pub.idisk-just.com/fview/d1F99_PpZc1y9eJc8ZdTk-quUhLHoaRagb7nJkEcU46HSsijRVqipcRUe0EQQnKX.swf
三戦の野望 2ch録 風雲!長森城 【第2弾】(3.08MB [lzh])
http://pub.idisk-just.com/fview/d1F99_PpZc1y9eJc8ZdTk-quUhLHoaRagb7nJkEcU46HSsijRVqipakwsNEXjR44.lzh

いままで全く張られてなかった。
716名無しさんだよもん:03/11/24 17:08 ID:wCe3p2V/
すいません、張られてました・・・・
717名無しさんだよもん:03/11/24 21:44 ID:Pkkpg/9X
まあ、いいんじゃない?
忘れている人もいるだろうし。

第二弾のβ版
http://pub.idisk-just.com/fview/d1F99_PpZc1y9eJc8ZdTk-quUhLHoaRagb7nJkEcU4419jkygvVKpWNy6285RUbv.swf
718分かたれた幕府:03/11/25 02:16 ID:C2Oo+qQm
神無月──紀伊・熊野大社、社殿。

「ふうむ。」
二つの手紙を読んでいる男が居た。年は、見たところ30ぐらいだろうか。
この戦国の世にしては、痩せた体つきをしている、華奢な男である。

「・・・・・・敬介殿。どうなされたのじゃ。」
【敬介】「・・・・・・母上。」 
【母】 「まさか、神尾からの援軍要請かえ。」
【敬介】「そうではありませぬ、が・・・・・・」
【敬介】「・・・確かに。一つは神尾の忍びからの報告です。」

その手紙は、神尾家の雑賀城が武田商店他の独立勢力によって攻撃を受けているとの報告であった。

【母】 「また神尾の小憎たらしい小娘かえ。鬱陶しい。」   【敬介】「・・・・・・」
【父】 「もう放っておくがよいわ。もうよいではないか。これ以上あの娘を助けたとて、得るものは何も無いわ。」

 敬介は、黙っていた。今まで、神尾と橘との間には、色々と確執があったのである。

【敬介】「ただ、手紙は、それだけではありませぬ。」 【父】 「何?」
【敬介】「・・・・・・これをご覧遊ばせ、父上。」
 敬介の父は、その手紙を受け取り、読むやいなや、眼を見開かせた。

【父】 「・・・・・・将軍家が・・・消えた?」        【敬介】「はい。」
【敬介】「神奈備命殿は現在行方不明、生存すらわからず。」
【敬介】「神奈備命様の母上とされる、八尾比丘尼殿も生存不明。一部には高野山に居るという話もありますが。」
【父】 「・・・・・・」     【母】「・・・・・・」
【敬介】「この手紙は、将軍家の中の有志によるもの。つまり・・・・・・

       簡単に言えば。私に第15代室町将軍になってくれ、という手紙です。」
719分かたれた幕府:03/11/25 02:20 ID:C2Oo+qQm
【父】「・・・・・・!!」 【母】「・・・・・・なんと・・・・・・あの神奈の小娘がかえ・・・・・・?」
【敬介】「・・・・・・・・はい。」

 征夷大将軍。
 元々は、荒ぶる東北を討つために将軍・甘露(あまづゆ)氏に与えられた全日本の武士の統率権。
 平安の御時を経て、鎌倉時代以降は天下の統治者、天皇に代わる全日本の統治の代行者として、
 全ての武家を統率する権限を持つ唯一の存在として、崇められてきた武家の最高位。

 だが、鎌倉幕府を開いた源家(水無月家)は、その地位ゆえに常に命を狙われ、最終的には
水無月家は三代で断絶、その後は大庭家による執権制に移行してしまった。
 権力者は常に狙われやすい。また、後継ぎがなくなってしまってはまた皇室から将軍を取る必要に迫られる。
 ましてや、出生率が低いこの時代である。後継ぎの問題は常に頭を悩ませる問題だった。

 従って、今回の幕府では、暗殺や不慮の断絶を防ぐ為に家を最初から4つに分けていた。
 それが、将軍家(本家)・橘・遠野・霧島の4家である。
 将軍家が廃絶した場合は、上の三家から、将軍にふさわしい者を連れてくることになっていた。

【敬介】「立場上・・・・・・もし、誰も居ないのなら、次の将軍は、確かに私になります。」
【母】 「なんと・・・・・・」 【敬介】「幕府を、あまり長期間空にしておくわけには確かに参りますまい。」
【母】 「なんとまあ嬉しいことやねえ。これも熊野の大神のお導きかもしれませぬぞえ」

「だがしばし待て。」父が遮る。
【父】 「八尾比丘尼殿がご存命という可能性もまだあるのではないか、敬介。」
【敬介】「はい。」  【父】「調べてからでないと、難しかろう。」
【敬介】「・・・・・・確かに。」
【母】 「そんな事はあるはずもありませぬぞえ。」 【敬介】「何故ゆえです。」
【母】 「何故って、あそこは女人禁制の聖地ではありませぬか。」
【父】 「馬鹿者、そういう話ではないわ。」

【敬介】「・・・・・・一応、高野山に使いの者を出しましょう。表と、裏とで。」 裏とは、忍びの事である。
【父】 「だが、高野山に忍び込めるか・・・・果たして。」【敬介】「判りませぬ、しかし。」
【敬介】「・・・・・・手順は踏まねばなりますまい。」
720分かたれた幕府:03/11/25 02:21 ID:C2Oo+qQm
【敬介】「それと・・・・・・全軍に出陣の下知だ。雑賀城に援軍に出る。」敬介は部下に命令を下した。
【母】 「何?!」 母親は仰天していた。
【母】 「何故に神尾を助ける必要があるというに! この大事な御時に、気でも触れ申したか?」

【敬介】「この大事な時だからこそ、あえて動くのです、母上。」
【父】 「・・・・・・ほう。」
【敬介】「今、ここで神尾の乱をみすみす見逃しておけば、世間の者は私をどう思いましょう。」
【父】 「・・・・・・」 
【敬介】「今は乱世、だからこそ真に日本を束ねる指導者が必要な時ではありませぬか。」
【敬介】「紀伊一国纏められず、娘を妻方に取られたままとなっては、それでは全く橘の名折れ。」
【敬介】「今こそ、紀伊国の指導を我々がしなければならぬのです。」
【敬介】「次期、将軍として。」

【父】 「・・・・・・・・・・判った。 
    熊野大社別当・名門紀伊橘の本家は既におぬしに渡しておる。好きにやるがよい。だが、」
【敬介】「・・・・・・」
【父】 「乱世に・・・・・・飲み込まれるなよ。」
【敬介】「・・・・・・はっ。」


 神無月。武田商店他、紀伊国人連合軍の雑賀城侵攻に対し、
 熊野大社別当・紀伊橘家当主橘敬介は自ら2千の部隊を擁し、神尾家に対して援軍を派遣した。
 水瀬家の大庭家侵攻の前の話である。

 この時、神尾観鈴17歳、国崎往人24歳。
 乱の火種は、この時既に始まっていた。


721分かたれた幕府:03/11/25 02:22 ID:C2Oo+qQm
雑賀城。
いきなり城下は燃えていた。

【晴子】「だあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
【晴子】「なんでやねん!!なんでやねん!!何でいきなりなんでやねん!!」

【】「観鈴様!状況は逼迫しておりまする!!敵勢は既に砦の殆どを陥落!!」
【晴子】「見れば判るわあ!!」

【観鈴】「がお・・・だから街は茅葺は駄目だって言ったのに・・・」
【晴子】「あんたは黙っとき!!いや、あんた河原崎さんとこに連絡し!!援軍の要請や!!」
【観鈴】「が、がお・・・・」(ぼかっ)
【晴子】「なんど言うたら判るねん!」
【観鈴】「うう・・・・・・」


紀伊・手取城周辺。
【河原崎さん】「ほら、あの明かり、また和歌山で・・・」
 夜に照らされたその明かりは、遠方の手取城からもよく見えていた。
【敬介】   「・・・・・・・・」(よ、弱すぎる・・・・・・)
【河原崎さん】「どうしました?」
【敬介】「い、いや・・・・・」
【敬介】「まあ、とりあえず。これから紀伊の安定のために、少し動きます。ご協力願えないでしょうか。」
【河原崎さん】「ええ、こんなことずっと続いてたんじゃしょうがないでしょう?」
【敬介】「ご協力感謝します。」
【敬介】「これより新宮軍を含む全軍、北に進路を取り、雑賀城を包囲する国人連合をけん制する形で
     陣を張る。それともう一つ、武田商店の店主に使者を出せ。手紙はこれから書く。」
【部下】「はっ。」
【敬介】(これで、河原崎軍も含めて総勢は4千、神尾家の4千と合わせれば8千になる。
     国人衆の総兵力は五千だが、篭城する敵を囲みながら同時に外の軍と戦う事になる・・・)
【敬介】(国人衆とて馬鹿ではない、不利な戦いと見れば講和を申し込んでくるはず・・・)
722分かたれた幕府:03/11/25 02:24 ID:C2Oo+qQm
【敬介】「高野山はどうだ。」
【部下】「一応、熊野の神主の者が直接高野山に入り、談判いたしましたが、八尾比丘尼殿はいらっしゃらないとのご返答。」
【敬介】「そうか。忍びはどうだ。」
【部下】「何名か戻ってまいりましたが、それらしき形跡は無いと。」  【敬介】「・・・・・・そうか。」

【部下】「殿、熊野権現の大神主の方が今この陣に参られるとの事です。」
【敬介】「・・・・・・・・何?熊野権現の大神主ともあろうお方が、なぜわざわざ直接いらっしゃるのだ?」
【部下】「とにかく、そのようでございまする。」
【敬介】「・・・・・・判った。丁重にお迎えせよ。陣中ではあるが、無礼無きようにな。」

【敬介】   「・・・・・・でも、なんで国人風情が五千も兵を持ってるんだ?」
【河原崎さん】「半分は観鈴ちゃんちの兵ですよ。奪われたんでしょうね。きっと。」
【敬介】   「・・・・・・・・・・・・また、諜報不足か。」

【敬介】「とりあえず、もめた原因は紀伊国内の利権がらみの問題だろうから、まずは話し合いから行こうか。なあ。」
【敬介】「はあ。」(ため息しか出ないな・・・・・・・)

【敬介】(高野山の兵は、逃げ戻ったという報告が来た。しばらくは動けまいが、油断は禁物。)
【敬介】(高野山の僧兵は油断がならぬ。できるだけ早めに決着をつけたほうがよさそうだ・・・・)

【敬介】「雑賀周辺で3日待つ。恐らくもうそろそろ国人衆にもこの軍の動向が伝わった頃だろう。」
【敬介】「4日5日の、その間に返答が無ければ、一気に城の内外から総攻めだ。いいな。」

【敬介】(だが・・・・・・その前に。)
【敬介】「この書状と金を伊賀の霧島に送ってくれ。重要な案件だ。」



723分かたれた幕府・脇:03/11/25 02:25 ID:C2Oo+qQm
伊賀。

「ぴこっ」
「なるほど。要するに、京に橘殿のよい噂を流してほしいわけか。」
「左様。」
「ぴこっ?」
「ふうむ。」
「ぴっこり。」
「この案件に対しては、家中の者と相談して決めるので、時と場合によっては条件に沿いかねる時もある。」
「もし、願いかなわずとも、お怨みなきよう・・・」
「重々承知。」
「ぴこ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
        .´   `v^)     _______
       〈(ハ从ノlハミi((.   /
        l人´д`l从 )) < (色々と)難しい。
         /  y/  ヽ(   \     
        (⊃ ⊂[_ノ       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        (ノノノ | | | l ) 妥協案前半。

神奈備命生存の報が無いので、こういう話にしてみますた。
神奈備命派と、橘敬介派に幕閣が分かれることになる・・・・・・
「幕府分裂」。えらいこっちゃです。

一応、敬介は神尾の乱を抑えた後、京に行き、新将軍として京都と幕府の復興を果たそうとします。(ここで3月)
まあ、京都側で手引きできる人間が必要になると思いますが、多少の無理は・・・まあしょうがないかも。

要するに、京の内部では、今の将軍に対する情報が全く無い。掴みきれていないがために起きた暴走です。
まあ、要するに、敬介的には神奈が生きてもらってたら困る訳ですが。将来将軍位を継ぐであろう娘の為にも。

予想外の動きだとはおもいますんで、一応キャンセルはOKです。
(特に、長瀬家。この動きを掴んでないとは思えないのだが・・・)
ただ、長瀬家側が将軍として彼を認めてくれれば話はかなりやり易くなるのではないかと。
柏木的には将軍簒奪ということで京都に戦闘しかければいい訳だし。

だが、朝廷はもう幕府に力が無いと観ていますな。流れから観たら確実に。
725名無しさんだよもん:03/11/25 11:43 ID:OstuAZhE
堺幕府の再現か?もっとも公家に「堺大樹」と評価された足利義維はついに
正式の将軍にはなれなかったが。
だが、大庭担当殿の影響範囲が無駄に大きすぎる気がする。
何が言いたいかというと、他の書き手ももっとがんばれ。
726名無しさんだよもん:03/11/25 11:45 ID:EgkYnaBB
>724
わざと揉め事作り出したり、中の人がいる場所を勝手に動かしたり
関東の優位を作る努力には脱帽するな
まぁ、企画崩壊させない程度にな
727名無しさんだよもん:03/11/25 11:53 ID:OstuAZhE
なお、史実の展開から推し量れば幕府は簡単には消滅しない。
史実でも1565年足利義輝が殺されてから3年間将軍は空白だったが幕府消滅には
至らず、三好三人衆によって義栄が擁立された。彼こそが義維の息子である。
もっとも彼も入京できないまま織田信長擁する義昭に在位7ヶ月で将軍位を追われ、
義昭の代で本当に幕府は滅亡するのである。それでも、義昭の将軍位は1589年まで
そのままで、信長といえど剥奪することはできなかった。
既得権を潰すのはこれほど難しいのである。有職故実命の朝廷にとっては特に。
堺大樹のごとき存在になるか、それとも…
728名無しさんだよもん:03/11/25 11:57 ID:OstuAZhE
>>726
同意。あまり遠隔操作で大名家を引っかき回すのは感心しない。逆に他勢力は
律儀なのか中の人の下準備が周到なのか、関東以北にはほとんど手出ししていない。
729名無しさんだよもん:03/11/25 12:16 ID:KTIJWu6Q
将軍と名乗りたい奴がいる限り幕府は続く、と。
730名無しさんだよもん:03/11/25 12:20 ID:OstuAZhE
>>729
征夷大将軍は朝廷に任命されないとなれないけどね。朝廷から積極的に潰す
真似はしないってこと。
一度見限ってまた復活されたら困るという保険の意味もある。
731名無しさんだよもん:03/11/25 12:45 ID:9tK2FS2B
>724
自分はなかなかいいと思う。
現在京都にいる幕府人間は無能者ぞろいだからこういう展開もありかと。
長瀬が将軍として彼を認めれば神奈&柏木は動きやすいし、ここまでは
最強の裕介を崩すチャンスが生まれると思う。
長瀬対柏木はいい勝負するんじゃないだろうか。
地の利は長瀬、兵力も長瀬だが柏木は武将が多分長瀬より強い。
しかも対月島戦みたいに寝返りは期待できないので総合的に見ると五分五分か?
問題は裕介が敬介を将軍に認めるという愚考を犯すかどうかか・・・



732名無しさんだよもん:03/11/25 15:19 ID:EgkYnaBB
祐介は戦場や、敵対勢力には謀略を多用しているものの、大義名分はしっかりしているから、
こういった政治的に筋の通っていない(まだ、神奈の消息がわかっていない段階でこういった話がでる方がおかしい)
策にはのらないと思われ。むしろ、ここで性急に動いた事で、神尾、橘が謀叛の疑いで潰される可能性のほうが高い

って言うか、葉鍵戦国では政略的な部分を考えない謀略が目立つw
733名無しさんだよもん:03/11/25 15:30 ID:KTIJWu6Q
背後にどの勢力を引き込むか、それが将軍の椅子の行方を決める? どちらも自力で将軍になるには弱小過ぎ。
734名無しさんだよもん:03/11/25 15:43 ID:+mmZ7I8R
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735名無しさんだよもん:03/11/25 16:33 ID:OstuAZhE
>>732
それがなおさら不義理さを強調する結果を生む。

展開次第では逆に長瀬・柏木連合軍を形成され叩き潰される可能性も
出てきたわけだ。ただでさえよわっちいのに…。

>>733
征夷大将軍の官職がある限り神奈有利。ただし、入京できずに近江で足止め
されるかも知れない。長瀬がうんといえば廃立は不可能ではないだろうが、
長瀬にとってもかなり危険な賭(足利義材を追放し、義澄を擁立した明応の変が
参考になる。このときは朝廷は渋々追認した)。
736名無しさんだよもん:03/11/25 19:07 ID:wZCWo5HD
>726
>わざと揉め事作り出したり
まあ、これはいいが
>中の人がいる場所を勝手に動かしたり
これって仁義ハズレもいいとこだろ。最低。

「関東以北に他の中の人が手出ししてない」のは、
そういうリレーSSの仁義を弁えてるからだろうに
自分は他の中の人が居る大名家の行動も書いちゃう
ってのは明らかに不公平、中の人の考え方に問題ありすぎ。
ゲームマスター的な役回りを黙認してもらってるのにその権限を
自勢力の有利になるようなかたちでしか使えないんだったら
他の中の人が呆れて去るのも時間の問題では?猛省を求む。



関東の優位を作る努力には脱帽するな
737名無しさんだよもん:03/11/25 19:50 ID:BocCsNjl
近畿のAIR組みは今までろくに動きが無かったんだから別にいいんでない。
大庭の人もキャンセルOKって言ってるし。
738名無しさんだよもん:03/11/25 19:50 ID:DhvHsvVp
神尾の中の人はいなかったような、それに関東優位って? 京もからだったしな。
とりあえず神奈達が帰ってこないと承認されても仕方ないぞ
瑠璃子さんあたりは居場所知ってるけど公家や一般民衆なんかは知らないし。
死亡説まで流れてるんだから
739柳也の中の人:03/11/25 21:25 ID:XxW3GLdL
>>724
自分は面白いと思います。
文を書けない自分が不甲斐ない…
740名無しさんだよもん:03/11/26 00:04 ID:d6TKDVnl
>>738
そういう問題はないのだが、数多くの大名を中の人として抑えているのが気になる。
他の中の人はせいぜい2,3の大名家が限度だから。(数えてみると最大
13大名家。もちろん展開の都合上他の大名家を動かしたケースは除く)

ただ、当時の時間感覚では半年足らずの不在でこういう真似をするほど切迫した
状態になるとは思えない。天皇も一緒に行方不明になったら事情は変わるが。
741祐一の大変な一日(1):03/11/26 00:34 ID:PZdBDc1T
 南越後の主城、春日山城。
 関川河口の扇形平野部、その扇の一番外側の骨の上端あたりの小山を利用した城、だ。
 平野部に面しているのは東側のみで、北側は海のすぐそばまで丘陵が続き、
 西側と南側はそのまま鉢巻山の中腹−本格的な「山」だ−に繋がっていく。
 その二つの山の間を縫うように正善寺川が流れるが、
 現代でこそ川沿いに道があるが、当時はそのようなモノは無い。
 春日山城もこちら側には登城口を設けず天然の城壁に任せるのみの造りであり、
 この城を攻める柳川軍も、その攻囲陣はおのずと北側・東側が中心になっている。
 城攻めに必要なだけの「厚み」のある陣を敷くだけの平地が無い以上、やむを得ないことなのだが。

 その正善寺川、山中のわずかな川縁の裸地を夜の闇にまぎれて歩く者たちが居る。
 黒と見まがうほどの濃い柿色の衣に全身を包み、一列になって歩いている。
 いや、一見ただの川縁としか見えないが、陽光の下でゆっくり調べれば、
 つまずきやすい川石や足をとられやすい柔らかな川砂を除け、丹念に固められた一筋の小道が
 川沿いの森からはみ出た下生えに半分隠れるような形で設けられているのが分かるだろう。
 その「道」を通っていた一行が、足を止める。
742祐一の大変な一日(2):03/11/26 00:35 ID:PZdBDc1T
「…ここです」
 先頭を歩いていた者が押さえた声でそう言うと、張りつめていた一同の空気がふっと軽くなる。
「あとは、この岩の裏側から城への横穴をたどるだけ、か」
「大丈夫、って秋子さんは言ってたけど、やっぱり気持ち良くない……」
「しょーじきに言えよ、怖かったぁー、ってな」
「…あぅー……真琴怖くなんかないもん! 見つかったって全員ぶっ叩いてやるんだから!」
 手にした杖…言うまでもなく、鋼入りの仕込み杖だ…を振りかざして、
 からかわれた側が吠え、ようとするところで一言。
「おいおい、大声出したらバレちまうかもしんないんだぞ? 今だってどこに柳川軍の斥候が居るか…」
 びくっ、と動きが止まる。 
「さ、分かったらさっさと行くぞ。 狼煙上げて半日、城兵のみんなもいいかげん待ちくたびれてるだろうからな」
「ぅー、……分かった」
 無精無精頷いて……率先して「道」の側、木立の中の岩の裏側に飛び込む真琴。
「お、おい、あんまり慌てると…」
「あは、真琴がいっちばーん! 早く来ないと祐一追いてくよー!」
「……はしゃぐとこかね、ここ」
 肩をすくめるほかの兵士たち。
743祐一の大変な一日(3):03/11/26 00:36 ID:PZdBDc1T
 堅い樫の厚板で作られた地下道。
 四つん這いに近い姿勢でなければ進めない、小さな隧道。
 沢を埋め立てて造られた、秘密の抜け道だ。
 ここを真琴と2人して這い進むことになるなんて、昨日の今頃は思いもしなかったことで。
 いや、それを言えば今の柳川軍との戦い自体、祐一の予想をはるかに超える展開になっているわけだが。
「男の子にしか頼めないことですから…」
 そう叔母に囁かれて引き受けた仕事は、朝の早やからの大音声。
 まだじんじんと痛む喉が、自分の張り切りぶりを改めて思い出させてくれる。
744祐一の大変な一日(4):03/11/26 00:37 ID:PZdBDc1T
 水瀬家中屈指の将、数少ない一門衆の男である相沢祐一が戦陣で一席ぶつとあらば、
 相沢衆のみならず他隊の軍兵共にとっても、聞かぬと無視を決め込むものでもない。
 自然、祐一の前には今のところ持ち場のない数百の兵たちが集まることになる。
 その兵たちに対し、祐一は昨夜の評定で示された柳川祐也からの書状について語り出した。

「皆のもの、持ち場に居る者も聞くがよい!
 昨夜我らが御大将に、七尾柏木の祐也殿から送りつけられた書状のことを!」

 冬の寒空に大声が響き、消えていく。
 自分を見る幾百対もの瞳の光を、祐一は感じる。

「皆も知っていよう、奴らが加賀・越中を陥れたことを。
 皆が納めてくれた幾百俵もの米、何百振りもの刀剣、
 そして故郷で共に日々を送った何千もの仲間たちが、
 奴らによって失われた! 奴らの奸計によって!」

 瞳の光に力がこもるのを、祐一は見のがさない。
 その反応こそ、いちばん必要なモノなのだから。
 
「そして昨日、奴らは我らが越後衆の血に汚れた手で、
 このような書を送りつけてきたのだ!」

 懐から昨夜の書状の写しを出し、それを掲げる。

「奴らはこの中でこう言っている!
 『捕らえた将はふたり、そのひとりと引き替えに軍を退け』と!」

 静寂。
 柳川の要求が何を意味するのか、それを理解しきれぬ者の生む沈黙だ。
 その空気が場を満たすまで、祐一は黙る。
745祐一の大変な一日(5):03/11/26 00:39 ID:PZdBDc1T
「…今、七尾柏木の軍勢は南越後の半地までを攻め進んでいる。
 この場で我らが退くとは、どういうことか」

 声を落とさず、それでいて語りかけるように。

「そう、もう分かっている者も居るだろう!
 奴らは我らから、この地…
 我らが生まれ育ったこの地、我らが日々耕し続けてきたこの地、
 我らの南越後を、こんな一片の書状で奪い取ろうとしているのだ!」

 叫びつつ、書状を引き破る。

「聞け! 我ら南越後衆は、大河と山と、豊かな大地、
 そして降り積もる雪に鍛えられた、北陸一の、いや、日の本一の兵だ!」

 沈黙が、高揚に変わる瞬間。
 美しき叔母に頼まれたのは、まさにこの瞬間を生み出すことなのだ。

「その我らを、その我らが、
 大地の厳しさも豊かさも知らぬあ奴などに、
 ここまで貶められ、侮られていてよいのか!」

 あちこちから怒声、罵声があがる。
 長の戦塵にまみれ、その末に故郷の風にたるまされていた皆の目が、
 見る間に戦人の闘気に満ちあふれていく。
746祐一の大変な一日(6):03/11/26 00:39 ID:PZdBDc1T
 口上の締めくくりを鬨で締め、来るおおいくさへの戦意を高める。
 乱れがちだった軍律も、鈍く重くなり下がっていた兵たちの足取りも、
 これでなんとか「いくさ」になるだけのところまで戻ってきている。
 むろん、故郷への情と誇りを絡めての鼓舞も、
 しょせんは一時凌ぎであり、水瀬軍が疲弊していることに変わりは無い。
 そうと知って、それでも祐一にこのような芝居を頼まねばならぬ現状。
 祐一は兵たちとはまた違う意味で、身震いせざるを得なかった……。

 今朝の「一仕事」のことを思い出しながら、祐一は通路を這いずり続ける。
 ふぅ、とため息をついて顔を上げたその刹那、
 もふっ……と、暖かく柔らかいモノが顔面を包む。
 そして、次の瞬間…。
「きゃー、なにすんの祐一ぃーっ!」
 強烈な後ろ蹴り。
「お尻触ったらけっ飛ばす、って言ってるのに、顔ごと突っ込んでくるなんて、
 祐一のえっち、どすけべ、へんたーいっっ!!」
 蹴り、蹴り、蹴り、蹴り、蹴り。
「い、いや、だ、だから、いき、なり、止まるなと」
「出口の石戸外してもらってるから止まって、って言ったのに、
 真琴のお尻触ろうとわざと無視したでしょー! この、この、このーっ!
 あとで秋子さんにいいつけてやるからーっ!」
「ま、まて、それは勘弁……マジで!」

 十数分後、ホコリまみれになって久しぶりの春日山城に入った真琴と祐一。
 秋子の花押入りの書状を城代に渡すや否や、祐一が薬師のところに直行になったのは言うまでもあるまい……。 
747水瀬の人の卵:03/11/26 00:40 ID:PZdBDc1T
そして、また一日、と。
748名無しさんだよもん:03/11/26 08:23 ID:0k1E3D+b
祐一の何処が演説上手でカリスマ性あるんだよ。
またU−1か。
749名無しさんだよもん:03/11/26 09:13 ID:SwYVGcR8
>748
この場合必要なのは、大きく太めの声と事前に言う内容の用意だけでいい。
カリスマなんて言うのは、血統第一主義のこの時代『当主の甥』と言うだけである程度あると考えていい話。

『明らかに問題がある』と『お前さんの好みと違う』はまったくの別物。
混合しているようなら実社会で苦労するぞ?
まぁ、引き篭もりにその心配はなかろうが、な (´,_ゝ`)プッ
750名無しさんだよもん:03/11/26 09:27 ID:SwYVGcR8
ついでに言えば
大庭の人の設定の一部分に見える妄言(指導者が二人いて組織が安定する訳ねぇだろ!)や
緒方の人の伏線無しに新キャラを出す事に比べれば、遥かにマシなレベルの話に
何故目くじら立てるのか理解できんな
751名無しさんだよもん:03/11/26 10:07 ID:AXjs9ExZ
ウー
  .ウー   \   |    /
        _┌┬┬┬┐_
      ――┴┴┴┴┴―、       警  告
    /             \
   /                  ヽ  このスレは470kbを超えました。
    l:::::::::.                  |   至急次スレを建てて下さい。
    |::::::::::   (○)     (●)   |
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    ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ
752名無しさんだよもん:03/11/26 10:48 ID:08qBM+bR
瑞佳
753名無しさんだよもん:03/11/26 11:48 ID:o2vSkeAQ
無意味にAA使うから余計に増えるってのが判らんか?
754名無しさんだよもん:03/11/26 12:56 ID:8bmj39lC
>748 将が鼓舞すんのがU-1扱いなら、うたわれ勢以外が将やってる時点で全員同罪。

755名無しさんだよもん:03/11/26 19:45 ID:SwYVGcR8
>738
関東優位と言うのは、
解決の難しい揉め事を投下して、他の中の人がその解決に時間をかけているうちに
大庭の人が関東・東北の諸問題を一気に書き終えようとしている。
と解釈したからじゃないか?
実際これで、長瀬、柏木の人は面倒な問題にぶち当たったし
当分これに関する話を書く事を半ば強制される訳だしな

大庭の人は設定を無言委任されている立場だし、『キャンセルOK』と言っていても
当の本人以外がキャンセルすれば、他の人も書き辛くなる空気になるから
結局のところ、『見せ掛けだけの言い訳』でしかない。
だから『関東優位を作る為の努力』と非難されたんじゃないのか?

まぁ何が言いたいかと言うと
『ここまで言われて何も反応を返さないなら、大庭の人は消えた方が良い』ってこった
756名無しさんだよもん:03/11/26 20:26 ID:jr+UIK/s
いや、なんていうか、ここまでくると被害妄想だな…
ぐちぐちと続けようとすあたりこの前の人そっくりだ。
書き込む前に少し落ち着けって
757名無しさんだよもん:03/11/26 21:21 ID:4SFgANlQ
大庭の人は作品投下後の自分語りがかなりうざい。
さらに関東〜東北を自分設定で固めようとしてるのをちらつかせることで
他の中の人は介入しにくくしている。
そのくせ他のところには手を出す、と。

どっか別のところで自分一人でやってろって感じ。
758名無しさんだよもん:03/11/26 22:49 ID:59+b6SDQ
基本的に空気読めない人だからね。
759名無しさんだよもん:03/11/26 23:08 ID:mef6i3Ml
柏木vs対長瀬が出てくるのは、柏木かいてた柳也の人が柳川vs水瀬に介入しないで京に向かい、
Routes組が柏木と組む意向を示したことからすると、自然な流れだと思うけど。
760内幕:03/11/26 23:25 ID:aj5ngOas
河内国・若江城

「何故です。何故攻撃してはならないのです。瑠璃子さま」
「……」
「彼らは敵軍ではない。むしろ援軍だ。京にとってはな」
「……」
「信用できるか。篁が人気取りのために裏で糸を引いているのは
誰が見ても明らかだろう」
「……」
「篁は後援者の一人に過ぎん。主導はあくまで堺町衆だ」
「……」
「その堺町衆が当てにならないではないか。連中、いつの間に篁に尻尾を振りよった?」
「……」
「篁は元々町衆出身の大名ではないか。堺がその後ろ盾だと言われていた
ものだが……いつからかは知らんが、それが逆転してしまったのだろう。
地元の、しかも商人出身の篁であるから町人もさほど、抵抗を覚えまい」
「……」
「くそ、独立気風と反骨精神。堺商人の誇りはどこに行った?」
「少なくても長瀬に下った我々にそれを謗る資格はあるまい」
「……」
「……」
「どうやら篁家は我々と同盟を結びたいようです。東海で緒方と睨み合って
いる今、後背に敵を作るべきではありませんから、これは我々としても喜ば
しい話です。彼らを京まで通してそこで会談の機会を」
「……私の独断で決めていいものでしょうか?」
「瑠璃子様は畿内方面の責任者であらせられます。何の問題もないかと」
「……分かりました。通行の許可を与えます。彼らから預かった書簡を
大至急、祐介殿に」
761将軍失格:03/11/26 23:28 ID:aj5ngOas
 長瀬軍が去った後、京の都の状況は散々たるものだった。
 彼らに後を任されたはずの幕府の残存はただでさえ、統治能力が
疑わしいというのに神奈派と橘敬介派に分裂、この余りにも愚かしい
諍いによって、京は治安維持能力を喪失した。
 これがどれだけ恐ろしい事か。その説明は京に餓死者が現れたという
一例を挙げるだけで十分だろう。
 元々、京都で消費される米のほとんどは近江米である。祐介は上洛前と
変わらず、この時代最大の人口を誇る京都を養えるほどの米糧を送っていた。
餓死者が出るはずがない。……その米がきちんと町民に行き届いてさえいれば。

 窃盗、略奪、強姦、あらゆる犯罪が京を跋扈した。前述した通り、治安維持
能力を喪失した幕府にそれを取り締まる力はない。それをいい事に悪人達は
更に犯罪を重ねる。まるで幕府の威光を嘲笑するかのように。

 賊にすらなめられる幕府に都人達は失望した。最早、幕府に京を任せる事は
できない。都人の信望は巧みな用兵で月島を破り、東海遠征での華々しい戦果が
伝わってくる長瀬祐介へと集まった。長瀬祐介を将軍に、との声は日ごとに
高まり、現在の将軍である神奈へは逆に怨嗟の声が漏れ出す。

 神奈が逃げ出すから誰も京の治安を守ってくれないのだ。神奈の
生死がはっきりしていないから道理を重んじる長瀬が上洛する事ができない。
嗚呼、早く神奈の死体が見つかりますように。都人達の一日の終わりはこの願い
と共に終わる。
 神奈達からすれば溜まったものじゃない願いだが、我が身可愛さに京を
捨てた事は事実、彼らの気性からして反論はできまい。那須の間者エディから
この事を聞かされた神奈、柳也、裏葉の三人は、果たして何を思うだろうか?
 
 京はもう将軍神奈を望んでいない。長瀬祐介、もしくは長瀬が支持する者
であれば京都――朝廷も含む――は統治者として快く迎えるだろう。彼らが
上洛するまでの留守を預かる事を申し出た、傭兵達を受け入れたように。
762帰還:03/11/26 23:29 ID:aj5ngOas
「ふう、まさかこんな形で帰ってくるとはなぁ〜。因果なものや」
 「実質」篁軍。「建前」自治都市、堺から派遣された傭兵二千の中立軍。
 その雇われ指揮官、保科智子の帰還は、果たしてどのような変化を京にも
たらすのであろうか?
763名無しさんだよもん:03/11/26 23:35 ID:d6TKDVnl
噂をすれば影。
このスレではそろそろ続けるのは限界か?
764名無しさんだよもん:03/11/26 23:37 ID:d6TKDVnl
>763
500KB制限のことです。
以上、
篁、同盟の誘い。
神奈達ボロクソ。
いいんちょ上洛の三本。

自分で火を付けて自分で火を消すのはどうかと思ったので一応到着まで。

長瀬家に少し不利な状況が重なっている気がしたので少々援護しました。
緒方戦がどう転ぶか分からないのに、その上二正面、三正面って。

>731が言う様に戦闘では結構弱い気がするし。

 
 
766水瀬の人の卵:03/11/27 00:01 ID:kXiD2HfT
>765
…うーんと、瑠璃子さんの動向を決めるのはアナタの担当範囲を超えてるっしょ。
この場合「同盟の書状を送る」とこまでに留めとくのが正解、かと。
他の中の人が居る勢力への外交は、基本的に相手の反応待ってあげないと。

ところで結局「餓えた狼を野に放っ」てないんですね。
篁さん、国産きょにぅに心動かされたか?w


…ところでおいらも続き投下したいんですが、容量が……(涙)
767名無しさんだよもん:03/11/27 00:05 ID:Wxroqp7e
前回に引き続き謀略いいんちょですな

このスレでの続きはもう不味い、外部でテンプル作る?
768名無しさんだよもん:03/11/27 00:13 ID:mU1ZDHNN
>724
キャンセルOKと書いてあったので、お言葉に甘えて『キャンセル』を要請します
理由として
『スレ住人も含めて『設定者』としては認めているけども、『全体への介入者』として容認していない。
 安易にこういった事を認めたなら、他の中の人の存在意義がなくなりかねない』
『伏線もなく過去(十一月)に遡って『実はこんな事がありました』
 と言う話をつけるのはあまりにもアンフェアである。
 この話は『既に起きた事の解説』でも『過去のみで完結する話』でもないので』
『橘敬介の行動が明らかに急、かつ不用意すぎる。
 幕府の支援者の地位にいる人間の行動として不可解である。
 自分の作った設定を自分の手で貶める必要は無いのでは?』
『こっちの方に労力使うよりも、東北の話キボンヌw』
と挙げておきます。
ちなみに、自分は718-724を見た時に
『御三家(特に紀伊、伊賀)を速攻で潰すチャンス』と思っていたので
その上で、あえて『キャンセル』を要請するという事を言っておきます。
何か色々叩かれているようですが、めげずに頑張ってくださいな

>765
……と言う訳で、こちらも『キャンセル要請対象』と言う事になりますので悪しからず
それに状況不利と言うほどでもありませんので、ご心配なく。
それと766の言う通り、先に外交の使者を送るようにしてくださいな
769長瀬の人:03/11/27 00:13 ID:mU1ZDHNN
スイマセン
名前を忘れてましたw
770保科・篁担当:03/11/27 00:43 ID:S5fkjCoS
>767

すいません。リアクション待っていたら敬介に先を越される気がしたんで。
祐介本人じゃないからOKかなと。……以後気をつけます。
篁は「飢えた狼」を最大限使ってから放すつもりです。「建前」中立軍は神奈、敬介のどちらかが
来たとしても即解散。その時に指揮官が篁の元に戻るようなら建前も何もありませんから
篁的にはもう放してます。勿論、二人のパイプは残ったままですが。

>767

当初は神尾家2ターンキルして、観鈴に墨でも被らせて将軍騙らすつもりでした。往人と柳也が瓜二つなら二人もそうだろうと思って。ただ、その確証がなかったのと
いいんちょが更に黒くなって、「名前だけ葉鍵」の謗りを受けそうだったので躊躇している内に
大庭の人の予約が入って……
>769
書き込んでいる内に……取り敢えずNG了承。近い内にいいんちょを送ります。(Routes未プレイだからいいんちょしか使えない)
それとも……2ターンキルやってもいいですかw
772名無しさんだよもん:03/11/27 01:02 ID:E9eR6SXG
なんなら篁家臣団使ってフォローしましょうか?
方針がわからなきゃ無理だけど。

それとテンプルまとめてるんですが誰か1の文章を頼みます
773長瀬の人:03/11/27 01:29 ID:mU1ZDHNN
>771
いやいや、こちらも大庭の人に対して反応遅かったのが悪かった訳でして
それに『祐介の性格問題』のSSにかかりきりなものでして
だからこそ『水瀬の人待ち』と書いておいたのですが、ね

まぁ、とりあえずは大庭の人待ちかな?
774詠美の中の人:03/11/27 02:06 ID:Z5pMUPaM
>>768
了承です。
ただ、地方から言わせてもらうと。
空白になっている幕府の処遇に対しては、何かしら「  」してもらえればありがたいです(w
中央の情勢によっては此方も動き変えますから。

そこらへん、極めて難しい・・・・・とは思いますが。
775名無しさんだよもん:03/11/27 02:15 ID:E9eR6SXG
そういう訳で敬介上洛なしの方向で外部にまとめてみました。

あれでいいですか? >中の人
776名無しさんだよもん:03/11/27 13:51 ID:xZ0rzQ0k
ここいらで何の意味もなく九州の中の人まだー?と聞いてみるテスト


…九州の中の人って大変そう
777名無しさんだよもん:03/11/27 19:16 ID:0QHLPCVd
こんな時だが保守しなきゃ危なそうだ
黙祷
778名無しさんだよもん:03/11/27 19:55 ID:kXiD2HfT
次スレたてるのはしばらく待ったほうがいいのかもね…
779名無しさんだよもん:03/11/27 21:53 ID:6br24rFK
将星堕つ。
780名無しさんだよもん:03/11/28 01:11 ID:yYQiiumJ
創造主崩御により改元することを提案します。
781名無しさんだよもん:03/11/28 02:02 ID:R3FR1dDk
>776
ティリア「南方担当者はまだ波紋(後編)書き始めたばっかりみたい」
フィーユ「全く、もうちょっとちゃっちゃと書けないのか」
ティリア「仕事が忙しいってぼやいてるけどね。それに、今度のことでは
 思ったよりずっとショックを受けていることに気が付いたとか言ってるしね。
 完成にはもうちょっとかかるかも」
フィーユ「ああ、あのことはな……」
ティリア「私達とは余り深い縁ではなかったけれど、私達専用の作品スレやら
 キャラスレやら、あるいはこのようなネタスレが今ここにあるのは、間違い
 なくあの人のおかげなのよね……。謹んで故人の御冥福をお祈り致します」
フィーユ「今は安らかにお休み下さい」
782名無しさんだよもん:03/11/28 02:25 ID:BWdEIZay
───相模。
【瑞樹】「和樹。」 【和樹】「何だ?」 【瑞樹】「あれ・・・・・」

───伊賀。
【】「ぴこっ?」 【】「わわっ、お姉ちゃんあれ何だろ」 【】「・・・・・・・・」

───海上。
【美凪】「・・・・・・流星雨。」 【国崎】 「何?」

───東北某所。
【白神の老婆】 「天が・・・・泣いておるわ。」

流星雨が各地で観測されているようです・・・・・・
783名無しさんだよもん:03/11/28 03:44 ID:U+U2lNiK
問題はどのタイミングでスレを立てるかだな
そろそろ大丈夫かな?
784名無しさんだよもん:03/11/28 11:42 ID:TNtBsuoP
白髪(はくはつ、または、しらが)を白神(しらがみ)と読んでたのかぁ?
いや、白神山地は青森と秋田の県境にまたがってるから、設定上間違いでは
ない、か。このスレではヤマユラの村はその辺にあるのだろう、うむ。

そこは間違いなく辺境だし。
785名無しさんだよもん:03/11/28 17:05 ID:z8haRYkw
>>718-724>>760-762が消えるって事?
786名無しさんだよもん:03/11/29 00:28 ID:Txqi3uvz
>>785
>766 >768 >771 >774を読む限りではそういう事になったんじゃないか?
787名無しさんだよもん:03/11/29 01:28 ID:aarNQKOW
次スレ立てていいの?
容量ヤバイし、外部のを訂正したのでいいんだよね?
788名無しさんだよもん:03/11/29 04:42 ID:J0IorwKr
あと>>1を変える感じで。
同盟関係とかも新しくなるとなおいいと思うが、
誰か別の人が新しくするのを待つのでもいいんじゃないかと。
789名無しさんだよもん:03/11/29 18:41 ID:14yqDdkJ
ちょっとテスト

前スレ:葉鍵の野望……覇王伝
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1063811560/
前々スレ:葉鍵の野望・・・・・武将風雲録
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1057662641/
前前々スレ:長谷部の野望 同人群雄伝
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1043552334/
詳細:>>2-10

公式サイト:
http://members.at.infoseek.co.jp/farem/rekisi/index.html
790名無しさんだよもん:03/11/29 18:52 ID:14yqDdkJ
791埋め立て:03/11/29 22:20 ID:02T8T2DY
__                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|堕|       _          | 姫・・・
|世|     '´    ヽ        \__  _______
|門|    ri_,.1リノ)))〉            ∨
|天|    〈「(l!゚ー゚ノ|
 ̄     ノ∪)水!つ               ∧∧
      (((/===ソ              (゚Д゚,,)
      `/     )               ( y  _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|       (_(_、つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ∧
   / ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | 埋め立てだよもん
   \___________
792名無しさんだよもん:03/11/29 22:21 ID:02T8T2DY
  __
  =\長\
   =\森\
     =\瑞\
      =\佳\
         ̄ ̄\   _
             \ '´    ヽ         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          =  ri_,.1リノ)))〉        |
          =  ノ「(l!゚ ヮ゚ノ|口 lヽ彡   <  埋め立てだよもん。
         =  ノ ノ⊂)水iつ 彡 ・ ゝ.   |   
        =  ノ ノ  く/_l〉リ 彡 ,ヽ_/    \___________
     ≡≡≡ 〃,゙'´[ ̄ し' ] ̄  /
     ≡≡≡ (( ヽ.  ̄ ̄ ̄   ,.'
      =≡≡ )) // / ̄ヽヽヽ
         ≡≡ // /   ヽヽヽ
      ε⌒⌒\ // /  ≡ ///
   ε⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
793名無しさんだよもん:03/11/30 00:23 ID:yNLu1XTu
>>792
一瞬耕してるのかと思ったw
794名無しさんだよもん:03/11/30 04:40 ID:brvLBb/e
ウェーハッハッハッハー
795名無しさんだよもん:03/11/30 21:34 ID:79AvOs6o
                  '⌒´`ヽ     ミ∧彡
.                〈. ノ从ハハ )   ミ  ・\
                 ヽゝ゚ ヮ゚ノゝ ミ   ∧_)
                 /三/志.〉〉ミ   /
           ├エ━━━つ━━━━━━━━|二二二>
            勿' ̄ ̄`l/三/‐.||`‐册册
       ~ヾミ彡ツ二二ン|__L≠))||    |ー‐--,
            〈     Y     、  ソーテ /
           く´ゝ、__   |'''"~⌒~`‐ゝ、_ヽ、/ /
     ;;::;::´´)⌒)く´ 、-―‐、'"     ___,,,-ゝ >'
    ;::≡´⌒)≡´)`ヽヽく__ノ     〈___,-'""~
   ≡;;;´⌒≡≡≡ く__〉.´⌒)           武者志保見参!
       :;;: ´⌒)´⌒)´⌒)            埋め立ては華々しく飾らせてもらうわね♪
           ズザドドドドーーーーーーーーッ!!
796名無しさんだよもん:03/11/30 21:37 ID:79AvOs6o
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             |   あははーっ!佐祐理が
             | 埋め立てながら駆け抜けますよーっ!
             \
                ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
                    _
                「`Y´   ヽ
               └ァ!ミ!ノノ)))〉   ∧彡
      __ _      ん| !|^ヮ゚ノ!|  彡 ・ \
       ―――     く⊂)卯lつrヽ彡  人.ヽ.) < ヒヒーン!
        ̄ ̄ ̄     -ノ!|/__il〉y"''' --/'''"  ̄
             =≡=( し'1. |    ヽ
                 / └─‐┘     )
    パッカパッカ     / ノ ノ ̄丶  ソ \
          (´⌒;;; /// /    \ ヽ\ .\      
     (´⌒(´⌒;;  《_/ 《_/      ヽ/ラ丶/ラ
797名無しさんだよもん:03/11/30 21:48 ID:79AvOs6o
     (´⌒:  ⌒` :⌒`)
   (´⌒ ::´⌒:⌒` ⌒ ズ`)
  (´⌒::(´⌒;;:  :;;⌒`)::⌒ド`)
 .::(´⌒    _  _ _   _   ド`)
 ::;(´⌒   _. l[》'《|l   ヽl| ォ..⌒`)::
  ::;(´⌒ |10| i| lノノリノ)))〉  .ォ`)::''  <柳川なんか真琴がこてんぱんにしてあげるのよぅ!
──:;;(´´=====!! !(l ゚ ヮ゚ノl|∩= :⌒..ォ):::────
   :;;⌒. |d| ..i| |⊂!iFil ノ ! !..⌒`);;:''
      ''. ̄ '´(( んソ(⌒) ) :;;''
        `: ''   し
798埋め立て:03/11/30 22:01 ID:79AvOs6o
          _,(r-、.‐- 、
     》=  /, ,    ヽ、ヾヽ.
         _{ {i {i {i ii、ゞ‐、ヾi
    、  ,ゝ´ i!(} '!)^('!^})ヾ}   ヽ\∧∧∧
     {_V彡=、`tt>"Cつ,イ〉ヾ.   < 行くで!! 敵は三方ヶ原に在りや!!」
      ∧~  /^ヾ\ヽ-‐'iノ'l、 \  //∨∨∨
     ^' r'´二i^j'丿 `V´.ノ y 〉
       { -‐'j' }、;--‐、{_/ ./
       ヾ二'ノ/ ,'  ; : i_,)/
799埋め立て:03/11/30 22:08 ID:79AvOs6o
                 , '"    "' 、
               /            ヽ、
              ∧  _,,.、-‐―っ     ヽ          ど
                / `v'     /       l       う
             ヽ        /        |      す
              li、 -‐―、 〈        |        れ
               |_j   ______ ヽ        |         ば
                |/   ^`='    ゙ 、    /       い
               / く         ヽ, ,へ/       い
              `iー' ヽ、   ノ    j6/           ん
                 }ー-、_ ,  l     '/            だ
                |`ーイ  j      /           :
                  __|     _、-ー' l 、            :    `
    _,,...-‐-''^^~´ ̄/ i`ヽ_ -'     | |`ヽー-- 、
  /          /  |  ヽ        | /  ヽ   `ヽ、
>>112参照
800埋め立て:03/11/30 22:13 ID:79AvOs6o
          . , --,、ァ---, , .
       _,.-'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.. ..゙ヽ、
    ,.: ';、;、;.;.;;、 、,;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .\
  ,.:'.:,.:...:....:....:...ト、.v',ッイ: i .、..:....:....:.... :.. .゙、
  ,.:;/;、;、;.;.;イ:!i.     i: !i ! .、; . 、.:.:.:.:.:.:.:. .゙!
  ;'/,';:/,:. ;'.' !i.!     .!i !i i ! i : i ;';、;、;.;.:.:.:.゙!
 / ,';/,': .i ;-!''i!`ヽ  '"i!"!i"!''':、、!、';、;、;..:.:.::,!
.   ;,' !:,'; ;_.',ニ=、   .'´ f,rテ:.ミ-, i! !;';、;;;;:;;:;'
.  '  i ! i l.'´i゙i:;!゙i,.-、i  ' i'゙;:;!'ト -;|-,、;;;;:;'
    l !゙! ゞ'" ,.'   ヽ、`゙゙"'''/` .'i,..)゙i..'
         ゙r- '' ノ  ''"` "'' `   ;!',ノ
       !、  ` _ _       ,:;;;:.i
        ヽ、  `    , .,:;;:.ノ < 悲劇の姫君完成って訳や
          ` 、    ,, ..:' i;;;':;i
            `i;";´:   !_;:'
           ,.:!'     iゞ!
          ,.:'.;/   ,.::':"::.:゙ヽ、
        ''":.:./r ;.-:':.:.:.:.:.::.:.:.:.:ヽ、
>>369参照
801名無しさんだよもん:03/11/30 22:27 ID:79AvOs6o
                _,,....-――、
           /ヽー^ ̄        ` ー-、
           /              \ |
         / ,     _  ,.、    、    、ヽ|
        ,'/,/ , ,, i ,i_`i/_'i  |.| `、ヽヽヽヽヽ |
.       i! |./ //.| ||,| ̄  | 从ヽ|ヽ .| i ヽヽ|
       ,! {‖ ノ//| , |、|.   | |.| jlヾヽ|| .| ヽ|
          ||.|. i .l ノ /、|‖  .| /,|.|=、ヾ、、ヾ l i、 |
         ||ヽ川┌,.=キ.テ、,,,,/'~-て~)`~)、i|`< } |
          _,`'/`iヽ`ー‐,ノ  ` 、___,,.ノ `'ノノ |  .
          i' i'~_ノ`'ヾ゙゙~ ι         /`'//  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          |/ ./,/,.-、`_、   -ー一   ノ .| ./  <  あなたは蹴鞠という球戯をご存知ですか?          || '^,.-‐-、-' ヽ、     / ,.!i`'     \______
          ヽi  ,4 ,,|   _,.,i 、__,,/-‐'''~ .|~`、
          ヽ   |`'゙-一~/~ )       , |   T.、
        ,-, -=|   ))  /  /`ー---_-,.''~/   | `-、
.       / /  `ヽ、 /、 /  |  - 一'   ./   .|    ` - 、
       / /     `'-、,`),  |、       /.   |
     / ノ        /  | ` 、,--   /   |
>>445参照
802埋め立て:03/11/30 22:31 ID:79AvOs6o
   __、ー-‐‐- 、
   ゝy''´'`゙`y ハ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ´'fy、-;_7 }    | お咎め?
     ヮ  ,rj/  < 
     `ェ=={    | いったい何の事だい?
    ,イi/r' ̄ \    \______
    | l /  r'⌒}
>>448 参照
803名無しさんだよもん:03/11/30 22:36 ID:79AvOs6o
        , -‐‐- 、
      /      ~\
      j彡  .r_~}!i ii i i ヽ
      ヾ,∩/~ _、ヾリ}}i i}.    _____
        y、}  " 0,'tリリリ    |
   ,.√jl  i/ \ (ア/~ミ\  < その通りだ、マイシスター
 /^ .{_ノ ヽヽ.二ユ'、   i ̄l    |
 \\\t j \\ノ\  } .i    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ヽ^^^ /ノ\ \!ヽ .ヽi  }
    `‐'ヽ.  `ヽヽ }、 ' ノ
       ヽ.    '} i `´
         } - 。l |
>>109参照
804名無しさんだよもん
                _
             '´ M ヽ.    今よ! 次スレに突撃!
  ドドドド…      ! ノ从 リ))〉     http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1070098986/
               ノ|lゝ゚ ヮ゚ノ|     
             く//  、 ヽヽ ミミ(ヽ,,,ヘ
         ____( __ ヽ二つミミジ ,, ・ヾヽ、
彡彡彡ミミ"´  || 丿丿 | ̄"    ``メ-ゝ-々_゚〉
      /,  ,) ヽ(_)-"  ヽィ´,/
     (  ,ヽ     | |    、ヽ )ノ l
      ヽ  ノ`゙`i''‐'‐'─t" ヽ<ノソ
       ) /ヽ、 l     `ー-、_`ヽ、
゙.;    〈, ',   ヽ.ヽ、     } ,l`ヽ,`、
  ; .  / /     `tニゝ    / /  ,tニゝ
   ・; Lソ  `,゙ ;'    ;,〈_フ  ' ; '
>>105 参照