1 :
田中:
☆東北
大名 軍団長/城主
陸奥 オリカカン -
陸中 スオンカス -
陸前 ワーベ -
磐城 カンホルダリ -
岩代 アムルリネウルカ=クーヤ -
(以上、1868年以前は全て「陸奥」)
羽後 インカラ -
羽前 二ウェ -
(以上、1868年以前は全て「出羽」)
☆関東
大名 軍団長/城主
下野 大庭詠美 大庭詠美
上野 水瀬秋子 水瀬秋子
常陸 大庭詠美 -
下総 大庭詠美 芳賀玲子?
上総安房 天使のいない12月勢?
北武蔵 千堂和樹 九品仏大志
南武蔵 千堂和樹 澤田真紀子
相模 千堂和樹 風見鈴香?
☆中部
大名 軍団長/城主
信濃 森川由綺 -
甲斐 緒方英二 -
伊豆 千堂和樹 -
飛騨 長森瑞佳 -
美濃 長森瑞佳 里村茜
駿河 緒方英二 -
遠江 緒方英二 -
三河 深山雪見 -
尾張 長森瑞佳 -
北越後佐渡 水瀬秋子 相沢祐一
南越後 水瀬秋子 -
越中 柳川祐也 ?
能登 柳川祐也 ?
加賀 柳川祐也 ?
☆近畿
大名 軍団長/城主
近江 長瀬祐介 -
伊勢志摩 遠野家 -
伊賀 清水なつき -
越前 柏木賢治 -
若狭 ?
山城 (神奈備命) (不在)
摂津 長瀬祐介
河内 長瀬祐介
和泉 篁 -
大和 霧島佳乃 -
丹後
丹波 ? -
播磨淡路
但馬
紀伊 神尾観鈴 -
☆中国
大名 軍団長/城主
因幡 保科智子 -
伯耆 岡田目久美 坂下好恵?
出雲 岡田目久美 -
石見隠岐 長瀬源五郎 -
美作 那須宗一 -
備前 那須宗一 ?
備中 伊藤 -
備後 宮内レミィ -
安芸 藤田浩之 -
周防長門 長瀬源五郎 -
☆四国
大名 軍団長/城主
讃岐 犬飼 ?
伊予 犬飼 -
阿波 坂神蝉丸 ?
土佐 坂神蝉丸 -
☆九州・沖縄
大名 軍団長/城主
筑前対馬 高倉宗純 -
筑後 宮田健太郎 ?
豊前 高槻 ?
豊後 高槻 -
肥前壱岐 宮田健太郎 -
肥後 ルミラ=ディ=デュラル -
日向 さくや -
大隅 ティリア=フレイ ?
薩摩 ティリア=フレイ -
琉球 デューク=ボルト -
優位同盟([盟]盟主、[従]従属大名)
[盟]那須家→[従]伊藤家
軍事同盟
水瀬家←→千堂家
軍事同盟(仮)
長瀬家←→長森家
緒方家←→長森家
緒方家←→千堂家
強制停戦中
水瀬家・千堂家←→大庭家
交戦中
長瀬家←→渡辺家
緒方家←→渡辺家
水瀬家←→柳川家
岡田家←→藤田家・保科家・宮内家
お疲れ様です。
……現在テスト中w
また時間ができたら更新します〜
>>1 おつ〜
前スレ512k超えてて誘導できないのか…
>FARE-M ◆7HKannaArk氏
まぁ、大半の人は自力でこれると思うけど、暇を見てサイトの方で誘導よろでつ。
>>4のリンク先にある、Air勢はいつの間にか変更しているの?
具体的には伊賀にあった霧島佳乃ですが。
あと、清水なつきもいつの間にか復活しているようだし。
たぶん直し忘れ
即死回避
同じく 即死回避
16 :
上野水瀬家:03/09/18 23:26 ID:5Z9jBX1k
‖ ‖ ‖ 〃
‖ ‖ ‖ 《
┃ ┃ ┃ ┃,.´ / 鬼ヽヽ
┃ ┃ ┃ ┃! i iノノリ)) 〉
┃ ┃ ┃ ┃i l l.´ヮ`ノリ 聞いて驚け、見て笑えだよ
ワショーイ ┃ ┃ ┃ ワショーイ ⊂ く/_只ヽ
/■\■\■\ /■\ ̄/■\名雪┐/■\
( ´∀`)∀`)∀`) ( ´∀`) ( ´∀`) .( ´∀`)ワショーイ
⊂ ._9 ._9 ._9 ⊂ ._つ⊂ ._つ ̄ ̄ ⊂ ._つ
人 Y . Y . Y 人 Y 人 Y Y 人 Y
し'(_)(_)(_) し'(_) し'(_)(_) し'(_)
即死回避がてら
即死阻止。
即死回避。
1さん 乙カレー
祐介、雪見の部隊、総勢九千は尾張を越えて翌日には三河に侵入していた。
「この進軍速度は速すぎるのでは?」
雪見の言葉に
「今回は戦う可能性は低いと見て良いと思います。従ってまずは目的地に早く辿り着く事が第一です」
といって強行軍とも思える進行を続けさせる祐介。
シュンも配下を先回りさせ、食料や水を予め用意させて脱落者を減らす事に務める。
「見えました!岡崎城です!」
雪見の近くにいた兵がそう叫ぶ。
「そろそろね……。澪ちゃん、兵 五百を率いて長篠城に行って来て」
澪は馬上で頷くと本隊とは別の道に進み、その後ろに兵が続いていった。
「瑞穂ちゃん。兵 五百を率いて上月さんの後ろについて行って」
「わかりました。それでは後ほど」
瑞穂が本隊より離れると兵卒もそれに合わせるように集団から離れていった。
(よく統率されているわね。しかもこの期に及んで良く走る……)
進行速度を落とす事無く、スムーズに分離した長瀬の部隊を見て雪見は思った。
そしてシュンの方を向いて状況を聞く。
「氷上君。岡崎城の様子は?」
「全軍を三方ヶ原に投入しているから、ほとんど兵は残っていないね。がら空き同然だよ」
「それじゃ一気に制圧できるわね」
そう言って雪見は全軍の速度を落とさせると、陣形を整えて進軍を再開した。
雪見の率いる総勢七千強は抵抗される事もなく岡崎城を取り囲む。
「岡崎城は長森家家臣、深山雪見が包囲した!抗戦の意志がないなら
ただちに城門を開け降服されたし!」
雪見の声が大きく響く。しばらくすると城の内部でざわめきが起こり
半刻もしないうちに城門から城主代と思われる首が投げ込まれ、城門が開かれた。
「雪見様のお戻りだ!」
「これで我等は渡辺から離れられるぞ!」
歓声があがると雪見はまずみさきを載せた駕籠を入城させ、続けて軍勢を入城させる。
雪見達は岡崎城で休息すると、翌日の朝には再び東に進軍を開始した。
その日の夕方には遠江との国境近くまで進軍していた。
とにかく何時渡辺勢と緒方勢の戦の決着がついても良い頃なだけに
出来る限り国境近くまで領地を回復させたいと言うのが雪見の本音だった。
また渡辺勢が敗北した際には、早めに渡辺軍の残党を確保したいという考えもあった。
「ところで深山さん、さっき国境近くに遣っておいた部下から報告があってね。
どうも国境が封鎖されてるみたいだね」
「国境が封鎖?誰に?って緒方の手の者ね」
「そういう事。おかげで遠江に忍び込むなんて無理。さらに遠江から戻ってくる
間者のみならず、逃げてきたと思われる人達まで無差別に殺害してる」
「何ですって!?」
雪見が大声をあげる。
「被害は!?どの位いるわけ!?」
声を荒げる雪見をシュンが抑える。
「既に数十人は出ているみたいだね。そのうちこちらの間者は
三人にも満たない。つまり……」
「ほとんどが無関係の民百姓と言う事……」
雪見の言葉に頷くシュン。その顔からは笑顔が消えていた。
「……さすがに同じ間者として、許せないかな?」
そう言うと、シュンは部下に幾つか囁いて先行し始める。
「氷上君?」
「祐介君。君の言った『緒方は信用できない』という言葉。僕も支持する事にするよ」
そう言ってシュンは先に向かった。
「そうね……。髭は気に喰わない所は有ったけども、無差別な虐殺をさせた事は一度もなかったわね」
雪見も後を追うように呟く。祐介は少し空を見上げるようにして考えていた。
(これは僕がさせた策の結果だろうか?……と言う事は、これは僕達長瀬の間者を
捕えようとする策か。ならばこちらの間者が壊滅状態にあると言う事は
気づかれていないと言う事か?)
祐介は一つ大きな息をすると、思考を続けた。
(緒方の大将の緒方理奈。どうやら周りに行動を止められる人間がいない様だな。
とすればこの事で緒方理奈が森川由綺に負けるのは確定したようなものだな。
無関係の民を虐殺するのは、いくら何でも当主が無視する事は出来ないだろうし。
結果的に緒方の内部バランスに小さなズレを作る事になったかも……)
「祐くん?」
「え?……ああ、何?」
沙織に声をかけられて、我を取り戻す祐介。
「どうしたって言う訳じゃないんだけど。何か悩んでるような感じだったから」
「そう言う訳じゃないんだけど……ありがとね」
そう言って祐介は沙織に笑いかけるが、その時にふと思い出したことがあった。
(緒方家内部に協調派がもしもいるとしたならば、どんな方法で排除するだろうか?
いやむしろ協調派を排するならば、止め役を失う事で残った二派をまとめる必要がでてくる。
だとすると、僕が緒方英二の立場ならどうするか……)
祐介はそこまで考えて、苦虫を潰したような顔をした。
(どうやら、完全にしてやられたと言う事か……)
祐介は雪見に声をかける。
「深山さん。国境近くまで行ったら進軍を止めて、長篠城の二人に
こちらに来るように伝令を。今後の事について話があります」
祐介の声と表情に雪見は少し恐いものを感じたが、ゆっくりと頷いた。
23 :
長瀬の人:03/09/19 17:18 ID:Cyc/NAYR
即死回避ついでにSS投下、と
これで即死したら嫌だなぁ
ちょっとだけ祐介が電波っぽくなってきたかな。
主立った諸勢力について、分かっている限り(公式サイト雑談スレより転載、一部加筆)。
○葉鍵設定のない勢力は、現時点では史実通りの名称です。
○特別な設定済の勢力は、相当する史実の勢力と入れ替えてあります。
○非葉鍵勢力は若干弱めに設定してあります。ただし、史実勢力でも高野山・比叡山は
強大化しています。
○国人衆、寺社衆、自治都市、長吏衆は係争地中心の抄録です。国人は基本的に
すべての国に存在します。
○「規模」は、2つ差があれば高確率で大きい方が勝ち、3つ以上差があれば単独では
まずひっくり返せません。ただし、鉄砲隊や呪術などの武器・特殊技能により逆転する
可能性はあります。
○規模は敗戦によって下がり、時間の経過や大名家からの援助などにより少しずつ上昇します。
○規模または経済力が0になるとその諸勢力は滅亡です。ただし、何らかの形で再建される
ことがあり、室町(神奈)幕府は再建中です。
独立勢力
ジョン=オークランド(伊豆大島に拠る)
諸勢力([敵]敵対大名[従]その大名または諸勢力に従属中[不]その大名または諸勢力と
不戦協定中)
★朝廷・幕府・国人
朝廷 規模 3(山城)→中立
神奈幕府 規模 0(山城)→[敵]高野山金剛峯寺(再建準備中)
上野国衆 規模 4→[敵]大庭詠美
南武蔵国衆 規模 5→[敵]大庭詠美?
★寺社
高野山金剛峯寺 規模 9(紀伊/真言宗)→[敵]神奈備命
比叡山延暦寺 規模 7(山城/天台宗)→中立
大坂(石山)本願寺 (摂津/浄土真宗本願寺派)→月島家により壊滅?
日光二荒山神社 規模 1(下野/神道)→中立?
大本山法華経寺 規模 1(下総/日蓮宗)→中立?
鶴岡八幡宮 規模 3(相模/神道)→中立?
身延山久遠寺 規模 2(甲斐/日蓮宗)→中立?
善光寺 規模 4(信濃/仏教無宗派)→中立?
瑞泉寺 規模 3(越中/浄土真宗本願寺派)→[従]柳川祐也
御山御坊 規模 6(加賀/浄土真宗本願寺派)→[従]柳川祐也
吉崎御坊願慶寺 規模 5(越前/浄土真宗本願寺派)→中立?
本証寺 規模 2(三河/浄土真宗本願寺派)→中立?
市場山浄慶寺 規模 1(美濃/浄土真宗本願寺派)→[不]長森瑞佳?
長島願証寺 規模 4(伊勢/浄土真宗本願寺派)→中立?
本圀寺 規模 1(山城/日蓮宗)→[従]比叡山延暦寺
興福寺 規模 5(大和/法相宗)→中立?
久宝寺御坊顕証寺 規模 2(河内/浄土真宗本願寺派)→中立?
鷺森御坊 規模 5(紀伊/浄土真宗本願寺派)→中立?
大山寺 規模 1(伯耆/天台宗)→中立?
鰐淵寺 規模 1(出雲/天台宗)→[従]比叡山延暦寺
光照寺 規模 1(備後/浄土真宗本願寺派)→中立?
善教寺 規模 2(安芸/浄土真宗本願寺派)→中立?
サンタ・マリア教会 規模 2(肥前/吉利支丹カトリック)→中立?
※豊後の吉利支丹は壊滅? ちなみに「切支丹」は禁教令が出てからの用語。
戦国時代の本願寺は本願寺派と大谷派の分裂前。
★水軍
風見水軍 規模 5(相模)→[従]千堂和樹
箱館水軍 規模 1(渡島)→中立?
能代水軍 規模 3(羽後)→中立?
ノセチェシカ水軍 規模 5(岩代)→[従]カンホルダリ
江尻水軍 規模 1(駿河)→中立?
国崎水軍 規模 2(伊勢?)→[不]大庭詠美
志摩水軍 規模 4(志摩)→中立?(国崎水軍と敵対?)
熊野水軍 規模 2(紀伊)→中立?
塩飽水軍 規模 4(讃岐)→中立?
三島水軍 規模 6(安芸ほか)→中立?
隠岐水軍 規模 1(隠岐)→中立?
豊後水軍 規模 5(豊後)→[不]那須宗一[敵]高槻
平戸水軍 規模 2(肥前)→中立?
坊津水軍 規模 2(薩摩)→中立?
アルクェイド水軍 規模 9(?)→[不]大庭詠美?
※渡航の目安は琉球・規模2〜、明・規模5〜、南蛮、アメリカ・規模8〜。
風見水軍は三崎水軍、三島水軍は村上水軍とも。
★自治都市・忍者・被差別民
江戸町衆 規模 2(南武蔵)→[敵]大庭詠美
直江津町衆 規模 2(南越後)→中立?
諏訪町衆 規模 1(信濃)→中立?
津島町衆 規模 4(尾張)→中立?
京都町衆 規模 5(山城)→中立?
堺町衆 規模 7(和泉)→中立?
福岡町衆 規模 5(備前)→[従]那須宗一
博多町衆 規模 5(筑前)→中立?
黒脛巾流 規模 2(陸前)→中立?
羽黒流 規模 3(羽前)→中立?
立川流 規模 7(相模)→[従]千堂和樹
戸隠流 規模 2(信濃)→[従]緒方英二?
緒方流 規模 4(甲斐)→[従]緒方英二
加治流 規模 3(南越後)→中立?
越前流 規模 4(加賀)→[従]柳川祐也?
秋葉流 規模 1(三河)→中立?
伊賀流 規模 7(伊賀)→中立?
甲賀流 規模 7(近江)→[不]長瀬祐介?
義経流 規模 2(越前)→中立?
鉢屋流 規模 3(出雲)→中立?
長岡流 規模 5(安芸)→[従]藤田浩之
窃忍流 規模 1(肥後)→中立?
兵道流 規模 3(薩摩)→中立?
※立川流は史実では風魔流、緒方流は史実では武田流、長岡流は史実では世鬼流。
下野長吏衆 規模 1→[従]大庭詠美[敵]千堂和樹
下総長吏衆 規模 3→[従]大庭詠美[敵]千堂和樹
相模長吏衆 規模 1→[敵]千堂和樹?
30まで行けば即死回避だっけ?
さて長瀬VS緒方の抗争が本格化しそうですが現時点では長瀬優勢か。
緒方家が東海道を封鎖しているが長引けば自分の首を絞めるだけ。
経済的な打撃が大きいし(逆に畿内を抑える長瀬家や海の使える千堂家が
封鎖を仕掛けた場合この心配は少ない)、無関係の死者が出れば出るほど
それ自体が噂になる(大量の行方不明者が出るから)。
緒方理奈を失脚させるために利用する? としても、そうそう身内を使い捨てて
いては保たない気がする。
他の地方は…
○北海道・東北
群雄割拠であり、動き出すとしても地域統一が前提となる。とりあえず大庭さんちの
働きかけを見守るか、第三者が動き出すか……いずれにしても本格的な動きは
もう少し先になりそう。
○関東
千堂家の優位確定。水瀬家を怒らせても手を組める大名家がほとんど居ないという
足元を見ている。一方緒方家はお互い腹背に敵を抱えるだけにしばらく裏切れまい。
もし裏切ればいくら何でも終わりだろう。当分両者の同盟は続くはず。
あとは大庭家領の国人衆を調略すれば楽勝である。
停戦は大庭さんちさんが示唆するように大庭家の滅亡をより確実にするための
展開だろう。イナゴ戦術で暴れ回るしか能がないだけに、戦争を封じられれば
じり貧なだけである。
水瀬家は一瞬で領土が半減してしまった。緒方家が久瀬を捜索中なので、おそらく
隙あらば攻め込んでくるだろう。しかし緒方家とて二正面作戦を採る余裕はない
はずなので、優秀な中の人が居れば持ちこたえられるか。
○東海甲信
史実の織田・徳川と武田の関係に似た展開となっている。領地は持たないが
長瀬家が外交・謀略面で先手を打っている。緒方家は背後から裏切られる可能性が低く、
対長瀬家に専念できるとはいえ足場固めに遅れを取る。長森家は要所を押さえているし
内政面では安定しているが、謀略型ではないのでこの世界での巻き返しは難しいが、
がんばってほしい。
常陸・鹿島港。
鹿島港は、常陸の大社・鹿島神宮を目の前に、造られた港である。
詠美が南の従属大名・栗原家などの諸大名勢力が支配する銚子港に対抗する為、
そして、南蛮船の太平洋側の停泊基地、兼東北水軍の攻撃を防ぐ為の前線基地として作り上げた、
いわば、人工の港であった。
開設した当時は、佐倉城などへの物資運搬のために利用されたが、海路封鎖の後はすっかり寂れている。
国崎が持つ南蛮船「くにさき」はここに停泊を余儀なくされていた。
周囲の、日本独自の安宅船や関船とは全く形が違うその船は、まるで知らない者が見たら
まず南蛮人が来たと思ってしまうだろう。
実際、停泊しているのはもうだいぶ長いのにも関わらず、珍しいのかまだよく船を見る子供や商人も
いるくらいだ。
最初は、天文に強い遠野ですら予測出来なかった謎の台風によって、流されただけの
国だった。そのときは、この国の戦いに、まさかここまで長くいることになるとは思ってなかった。
あの、水瀬軍との凄惨な戦いがウソのように、今はかもめが幾羽もすい、すいと空を舞っていた。
空は、ただからりと蒼く、突き抜けるような青空が水平線のかなたまで、ただ、ただ広がっていた。
その空を見ながら、一人思う。
「日本・・・か。」
彼は、少し昔に思いを巡らせていた。
あの日は、雨だった。
「私・・・・・・わたし・・・・・・」
まだあどけなさが残る、小さき執権が、力も無く泣き崩れる。
昔。あれは、まだ美凪がまだ13か、14で、元服したばかりだった頃。
俺はあの時、偶々流れてきた一介の浪人だった。
元はといえば、俺もここに頼ってきているような、傀儡師(くぐつし)の一人。
はっきり言えば、ここにいる「穢多」や「非人」と呼ばれるような連中と全く変わりが無い。
ただ、身分だけは一応は、落ちぶれた武士の出だった。それだけのこと。
こんな人間に、武将になどなれるはずも無い、また、なる気もさらさら無かった。
ただ、伊勢には、皇大神宮・・・・・・つまり、伊勢神宮がある。
今ではかなり寂れてはいるものの、それでも伊勢神宮には多くの参拝客が訪れる。
そこで、傀儡操りを行えば・・・・・・
参拝客:「いやっほぅっー、国崎最高!!」
伊勢の神官:「おのれ〜!!
国崎最高:「うわっはっはっはっ、伊勢神宮破れたり!!」
「完璧だ・・・・」
一人悦に入る国崎往人、18歳。
「ならば、後は実行あるのみ!!!」
・
・
・
伊勢神宮に架かる清流、五十鈴川。
「・・・・・・・・・」
伊勢神宮にかかる橋のたもとで、一人呆然としている男がいた。
(誰も、見向いてくれなかった・・・・・・・・)
(・・・・・・・恐るべし・・・・・・伊勢神宮・・・・・・)
人形を動かしていても、往来の人間どもの目が厳しい。
それでもやり続けていたら、
「あんさん、なあ。邪魔やからこっちいっててや。これでも、一応、神聖な場なんやで。」
「住まい無いのわかるけど、もう、ちょっと場所考えて住む場所考えような。」
他にも出し物はいろいろあったのにも関わらず、俺だけ兵士に追い出されてしまった。
(・・・・・・出し物としてすら見られなかったのか・・・)
どうも、そのようらしい。
「そりゃ無いっすよ、兄貴・・・・・」
無性に悲しくなって来た。
その時、橋の上から、一枚の封筒が落ちてきた。
ひょっとしたら金かと思ったら、一枚の紙がその中に入っていた。
中には・・・
「・・・・・・・・おこめ券・・・?」
・・・・・それが、伊勢・遠野家執権、遠野美凪との最初の出会いだった。
伊勢・遠野家。
今の幕府を建設する際に功のあった一族、橘・霧島と並ぶ名家の一つ。
軍事的に見ると、南北朝の時代、南の朝廷が吉野にあり、統一後、それを封じ込める為に
紀伊半島に配属された、元々は、今の将軍の一族である。
だが、遠野家の役割は、それだけではなかった。
遠野家は、伊勢の皇大神宮の支援と宿場町の整備を一手に引き受けていた。
その裏には、神道勢力の支援と、仏教勢力の分断というアメ・ムチの二つの政策があった。
橘にしても、霧島にしても、この三家の最大の特徴は、神道支援と仏教排他という共通した目標がある。
その昔、吉野の朝廷は、兵力不足を補う為に、高野山金剛峰寺や法隆寺等の、
仏教の僧兵の力を多用し、幕府軍と戦っていた。
結果として、長期にわたる戦の上、今の幕府軍が圧倒的威信を保有する形
で和解したのだが、その時、今の朝廷と吉野の朝廷が合体した後、
不穏な動きをまだ続ける寺社勢力を抑えるために、幕府の一族をわざと
あんな山奥である、紀伊半島に配置したといういきさつがあった。
特に、霧島の上野城は、奈良・大阪から関東に抜ける際の最大の近道であり、
また、峻烈な山岳地帯でもある。領土は少ないが、守りに徹するだけならば、
少数の兵でも大軍と向き合える、まこと、伊賀は近畿における天然の要害であり、
また、伊勢と紀伊は、言うまでも無く、神道の聖地・伊勢神宮と熊野大社があった。
今の橘・神尾家の両家の家紋が熊野大社の御神獣である「八尺烏」なのは、
元々が熊野大社の支援をしていた関係にある。
仏教の勢力を出来うる限り小さくし、対立軸たる神道の勢力の拡大を狙うことに
より、都に近い紀伊半島の安定を図る。
それがこの紀伊御三家の基本的な政策方針だった。
恐らく、現在の将軍、神奈を高野山の僧兵が急襲したのも、旧来からの怨恨の可能性も十分に
考えられよう。
・・・・・・とにもかくにも。
遠野美凪は、幼くして、病弱な母に代わり、伊勢と大社の守護を任されていた重鎮であった。
そして、その役目の最中、偶々、眼に留まったのでだろう・・・・・・
「にゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ですので・・・・・南蛮船を製造する際の、最初の問題は、この舳先をいかにして造るかなんです。」
「にゃあ〜」「ふみゅ」
「・・・・・・唐の船や和船の場合は、舳先は着けず、重い石を前に置いて波を打ち砕きます・・・ですが。」
「そのやり方だと、余り長期の航海には向かない・・・・ということですね。美凪のお姉さん。」
「・・・・・・正解です。」「ふにゅう。」
美凪は、戦の後、鹿島の港で南蛮船の製造と修理の方法を千紗に教えてもらうようにせがまれ、
南蛮の船に関する講義をしていた。
まあ、実際コレには金を貰っているからなんともいえないのだが、あの娘もよく体が持つものだと、
本当に感心してしまう。
今、大庭家では戦で荒れ果てた城の改修と城下の再構築に入っていた。
特に、下総で牧村軍と激戦を繰り広げた小弓城は、殆ど崩壊寸前にまで至っていた。
この娘は、その改修や城下の整備をやりながら、暇を見つけては(といっても、暇など無いのだが)
新技術を教わりに鹿島まで飛ばしてきているのだ。
「ふみゅ。・・・・・・ZZZ」
・・・・・・紀伊の三家、遠野・霧島、神尾の三家に共通するのは、「執権制度」を取り入れている点だ。
「執権制度」とは、幕府の将軍や大名家がまだ子供だったり、無能だったり、阿呆(例:↑)だったり、
病気だったりした時に、その代わりとして他の有能な人物が国を摂政する制度だ。
本来ならこれは鎌倉幕府時代に造られた制度だが、そのやり方を少し変えて、今の幕府も踏襲しているのだ。
紀伊半島にはこれがあるために、他の大名家と違い、誰が当主かをはっきり言うのは難しい。
霧島家も、本来当主は霧島佳乃という人物なのだが、今はその姉、聖が執権を行っている。
神尾家も、本来なら神尾晴子という人物が大名なのだが、今はその娘が当主であり、ひっこんだはずの本人は
一歩引いた形で周辺の鎮圧に当たっていた。
この制度、紛らわしいといえば紛らわしいが、利点もある。
まず第一に、大名家の跡取りを幼い時から鍛えることが出来る点である。結局のところ、この制度は大御所制度に
限りなく近い。執権として昔の大名や、姉が鍛えておけば、大名に危急の時や病気の時は執権が行えばよいし、
また、執権から大名に再度鞍替えすることもここではよく起きる。
もう一つは、重なるが、指導者が2名いることで、組織が安定する点である。
紀伊には、高野山をはじめ、様々な寺社が軒を連ね、特に幕府開始当初は毒による暗殺が横行した。
それを防ぐ為に、執権と大名という形で指導者をわざと二人つくり、常時は執権、緊急時は大名という風に
権限を分割し、どちらか一方が戦死や毒殺の目を会おうとも、もう片方が政務を取れるように常にしていたので
ある。
最後に幕府を支援できるのは、結局この三家のみ。したがって、その安全性には特に気を使っていたのだ。
その制度がまさか、こんな形で裏目に出るとは・・・・・・
ばーん。
突如、鉛弾が頭を掠めた。
詠美:「誰がアホじゃごらああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
起きたらしい。
最高:「・・・・・・・俺はまだ何も言ってねえ!!」
詠美:「あんた絶対ぜったい絶対ぜったい今あたしのことアホだ思ったでしょが!!」
最高:(なぜ解るんだこの女わ・・・・)
詠美:「直感!!」
最高:「直感で人を撃つんじゃねえ!!!」
美凪:「詠美さん・・・・今授業中・・・・・」
詠美:「・・・・・・ふみゅ。」
・・・・・・先公には基本的に弱いらしい。
夜。常陸・鹿島の街の酒場。
「おう、提督、提督も一杯どうです?」
鳥羽から俺に同行していた(というより、美凪についてきた)水夫たちのうちの何人かの
姿も、無頼者や町人たちの間からも見えた。
こういう所の酒場というのは、水夫たちにとっては極めて重要なのだ。特に、航海中の食事は
水夫たちはかなりの制限を受ける。壊血病、ねずみ、様々な困難が航海には常に待ち受けている。
それに、航海をする場合は、長期保存が可能な食事を大量に用意しなければならない。
日本人の場合は、干し魚、漬物など、あと、水であるが、この水も結構厄介だ。長い航海の
間には腐ることもたびたびある。南蛮船では、葡萄酒や麦酒を薄めたものなどを水の代わりに支給
することもある。長期保存をする為の技術の一つだ。
大庭家の場合、とある宣教師から製法を聞き出したらしく、許可した修道院で、葡萄酒とビスケット
の製造が南蛮船に補給可能な量まで製造に成功したらしいが、それでも日本酒では代用できないか等、
様々な試作をしていたらしい。
(千紗談:水夫に供給する食事の質に関しては、出来るだけ上げておかないと船の中で水夫さんたちが、
反乱起こしやすいんですよ。半分以上は詠美お姉さまの興味本位なんですが、唐・真臘等への長期航海も
ある大庭家の場合は、兵士・水夫の食料の質をを上げておくに越したことは無いです・・・・にゃあ。)
また、ビスケットに関しては、大庭家以外でも、長期保存が出来る簡易食料として、各大名家でも
試験を重ね、一部は実用化していた。
遠野家の場合は、その小麦粉かなにかから作り出した兵糧を「備急餅」と呼んでいた。今(現代)で
言えば、「代用パン」なのだろうが、当然、ふっくらとしているような代物では無い。つーか乾パンだ。
結論。「常人には、食えたもんじゃない。」
そこで、入港した際は水夫はたいてい、どこでも大酒のみになるのだ。これだけはだいたい世界各国
同じらしい。
そして、そういうところに情報も多く集まる・・・・・・。
「正月ですからねえ、まあ、特にここ最近、鹿島に来る参拝客は多いんですわ。」
酒場の親父が景気そうだ。
「こりゃまたどうして。」
「知らないんですかい?鹿島の神ゆうたら、武術の神様でっせ。」
「武術の神?」
「へえ・・・・・・こんな世ですからねえ。腕一本で伸し上がりたい浪人はごまんといるわけですわ。
御影すばるはんだって、もとはここの出ですぜ。」
「ふーん。(あのバカが。)」
「あと、緒方と千堂が渡辺の領地に攻め入ったとか。」
「なんか、緒方軍の圧勝だったみたいでげすが、千堂の猪名川由宇の動きが凄まじかったらしいですぜ。」
「ああ、2日で駿河・遠江を抜けたという話だろ。」
「むちゃくちゃですわ。ほんま。」
つーか、普通やるのか?そんな事を。
「・・・・あと。そうですな。小さいのだと・・・また伊勢で何かお家騒動が起きたらしいですわ。」
「・・・・・・何?」
「なんかなあ。・・・・・・・・遠野家の金子だか金田だかっちゅう執権が、前の父親の腹違いの娘を
引き合いに出して、大河内城で反乱を起こしたとか・・・・・・・・」
(・・・・・・・・!!!!)
「ちょっと待て、その・・・・娘の名前というのは・・・・・」
「・・・・・えと・・・もう、忘れてもうたわ。・・・・いや、確か・・・・・あれは・・・・
あれや、『みちる』ゆう名前でしたなあ。確か。」
.´ `v^) _______
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l人´д`l从 )) <
>>1 ういっす。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) 新スレ乙。
まずは借りた国崎最高を返します。
あと、素の設定ではAir情勢が全く動けないから多少設定変更。
終わったら彩関係等を少しだけやって、東北編に入りますです。
「茜〜 いい加減逃げようよ!」
「先に行っていてもいいのですよ?」
「そんな〜 心配して言ってるのに〜!」
渡辺軍本陣の奥。緒方軍が迫りつつあるそこにまだ二人は居た。
辺りの気配から既に見張りは何処かへ消えている様だったが茜が動こうとしないのである。
「うん? まだ居たのかね」
そこへ大して驚いた様子も見せず入ってくる者が一人、云わずと知れた渡辺軍総大将である。
「滅び行く当家にもう君等は必要ないよ、解放する。つまらない意地を張ることも無いしの。
既に本陣は緒方兵に囲まれている、奴らの攻撃が始まる前に保護を求めたらどうだね?」
「その前に…… 一つ訊きたい事があります」
「ん?」
不思議そうに訊き帰する髭。こんな時に何を言うんだね、という顔だ。
「戦いが始まる前に『何故長森家に攻め込んだか』とか言ってましたね」
「ああ、確かに言った。答えが解ったのかね?」
「解らないから訊いているんです。……何故ですか?」
「今となってはどうでもいい事だが…… それでも知りたいのかね?」
その言葉に静かに茜は頷いた。
「……仕方ないな」
「はっきり言おう。長森君が当主では長森家は駄目だ、里村君にもそれは解ってるだろ?」
茜には反論する事が出来なかった。
確かに長森瑞佳は優秀であった。が、それは文官として見た場合の事である。
戦場においては瑞佳の力は全くと言っていい程発揮できない。その上、性格からか直ぐに人の意見に従ってしまうところがある。
その為に家中の意思を統一出来ない事が度々あった。七瀬留美が先の戦いで単独行動に奔ったのがいい例だ。
更に調略活動を命じる事も滅多に無い、偵察の任務が殆どなのだ。
「平時の当主として彼女程適任な者はいない、しかし今はこんな時代だ。このままではいずれ他の大名に併合されてしまうだろう。
それならば……渡辺家譜代の者として再び纏まった方がお互いの為になるだろう?」
「一度私達を見捨てておいて何を今更……」
「無論、わしにそんな事を言う資格は無いと思うよ。しかし元々渡辺家は六ヶ国を有する強国だ。
上手く再統一が出来ればおいそれと外敵の侵入を許す事も無いだろう。それにこれ以上、民を苦しませる事も無くなる筈だ」
「……民を苦しませる?」
「旧渡辺家は渡辺、長森、深山、広瀬、清水に分裂しお互いに争っている。
しかしこんな事何時まで続けるつもりなのだね? 一番苦しむのは誰でもない、領民ではないのかね?」
「……」
「今回の戦いで少々強引な事をしてでも旧渡辺領を回復してせめてその中だけでも秩序を取り戻そうと思ったのだが……
緒方、長瀬が参戦した事で全ては終わってしまったのだよ」
「それでは……清洲から撤退した時点でこうなる事は解っていたと?」
「だから深山君と氷上君を残して来たのではないか」
「えっ……?」
「あの二人は長森家と何かと縁があるようだしのう。我々が負けたと解ったらきっと最善の行動をとってくれる筈だ」
その時、俄かに辺りが騒がしくなってきた。
「どうやら総攻撃が始まったらしい、話はこれで終りだ。速く行きなさい」
「……あなたはどうするんですか、降伏しないんですか?」
「わしか? ……それは止めておこう、ここに残るよ。こんな時に責任を取らないで何の為の大将なんだね?」
「……そうですか」
そう言って後ろを向き出口へむかう茜。
「行きましょう、詩子。もうここに居ても仕方ありません」
「えっ、でも……」
髭をちらちら見る。二人のやり取りを聞いて戸惑っているようだ。
「里村君、今更こんな事を頼むのは大変おこがましいのだが……」
「……」
「旧渡辺家の者を……皆の事、宜しく頼む」
奥から出て来た茜達を迎えたのは辺り一面に倒れている渡辺家旗本衆であった。
誰もが最後まで戦ったのであろう、逃げる様にして倒れている者は一人として居なかった。
「おい! まだ誰か居るぞ!」
二人に気付いた緒方兵が数名近づいてくる。
「敵かっ!?」
「いや、違う。……もしや」
その瞬間、突然奥から炎と煙が立ちこめてくる。兵達は驚いているが茜はそれに構わず話し出す。
「私は長森家家臣、里村茜です」
戦いに勝利した緒方軍本陣。そこには先程から引っ切り無しに報告が届けられていた。
「敵本陣を征圧した森川殿、長森家家臣里村茜殿と柚木詩子殿を保護しました」
「よかった、二人は無事だったのね。今何処にいるの?」
「こちらに向かっているとの事です」
「そう、それで敵大将は?」
「それが…… 御二人を保護した直後本陣に火を放った様でして…… おそらく自害したものかと」
「……なるほど」
「既に敵にも知れているらしく投降者が続出しています。
この場に居る渡辺家重臣は投降して来るなり、捕らえるなりして全員の確保に成功しました。
また高天神城の南明義ですが……敗戦を知り降伏する模様です」
「つまり順調って事ね」
「はい。ですが一つ問題が」
「問題?」
「敵兵およそ三千が三河に向かって逃走中との事ですが……いかがなさいますか?」
「勿論追撃してちょうだい。降伏しないんだから何も逃がさなくてもいいわ」
「失礼致します」
そこにまた一人入ってくる者が。だがそれは伝令兵ではなく忍びの者であった。
「緒方様より手紙を御預かりしています」
「兄さんから? いったい今頃何よ」
渡された手紙を受け取る理奈。しかしそれを読むにつれて表情が変わっていく。
「命令変更。追撃は中止にして」
「はっ」
「軍勢が集合したら陣形を整えて国境まで移動する。
あと封鎖も解いといてね、もう続ける意味はないわ」
「それではこちらの動きが筒抜けになるのでは?」
傍らにずっと立っていた弥生が口を挟んだ。
「それでいいのよ」
弥生に手紙を渡しながら余裕な感じで理奈は答える。
「むしろ奴らに動きを見せ付けるぐらいじゃなくちゃね」
作品が続いていい感じですな
先月終わりあたりからの分一気に読んだが、田中と髭いいな。
水瀬は関東が停戦、東北は鎖国、緒方は南進&対長瀬モードなので、
柳川に全力を注げるが、マンパワーに欠ける柳川が人質をどう使うか。
柏木が若狭攻めるとかって話が出てて気になったんだけど、
若狭とか丹波とかは誰も大名設定されてないみたいだけど、
国人衆がそれぞれ小規模に統治してる感じ?
>48
私はそのつもりでいました。
昔は、天いなが発売されたら空いている地域に放り込むという
話で若狭・丹波も候補地に上がったようですが、彼女らは
関東に行ったみたいですね。
>>49 シナリオの都合で天いな使いたければ使ってもいいですぜ。
どちらにしても、予定では天いなは千堂家シナリオで出てくる話で、
いなくても話は続く・・・・
葉をバカにするわけではないが、おそらく今までの傾向から、出来は
蔵等>天いな だと予測できるんで、
大きい空白地 (姫路・八神の両城)を蔵等に明け渡したほうが
無難だと考えていたんですな。
流石に、12月までには何らかのレスポンスが出るだろ。たぶん。
(会社更生法適用というレスかも知れないが。)
自分の好みを出来の違いと脳内変換できる
>>50に萌え
52 :
50:03/09/21 16:21 ID:0Bw1KtA9
だが、ただ・・・・・
Keyの全力を投入している クラナドと、
Leafの東京だけの力で、しかもうたわれ・Routes・テネを作り、
その間に製作が決定されて作られた、天使のいない12月と。
それで、「天いな」より、クラナドの方が質が下だったら、
その地点でKeyそのものがゴールだろうよ。
そうは、思わないか?
>>51よ・・・・
54 :
51:03/09/21 18:50 ID:s0xUdzZn
スレ違いだからあんま言いたくないんだけど、そんなの
ま ず 発 売 し て 見 せ ろ ! 話 は そ れ か ら だ。
あんたの言うことって、そのまま葉と鍵の実力差なんじゃないの?
1本のゲームのレベルじゃなくて、総体として。
>>53-54 複数の開発部がひとまとめになっているleaf(Aquaplus)と形の上では
ビジュアルアーツの一ブランドに過ぎないkeyでは基礎体力が違いすぎる。
むしろそれにもかかわらず「葉鍵」と伍して語られるほどがんばっていると見るべき。
葉鍵戦国でいえば、月島家を傘下に置く長瀬祐介家と渡辺→長森傘下の深山家が
互角に戦っているようなもの。
葉鍵戦国で単純に葉VS鍵の戦いになったら頭数の差で鍵が簡単に負けるのは
目に見えていてつまらん。「葉鍵関ヶ原前夜」と題して別のシナリオで
見てみたい気はするが………。
サーバ負荷鰻登り。
>53
いや、規模的には葉の東京開発室の方が上だぞ…。
鍵のスタッフって10人もいないんだから。
下手するとその辺の新興ブランドの方が多いくらいだ。
規模の話じゃなくて、力の入れ方でしょ?
まあ、会社がどうとかは別にいいとして、まだ発売されていない
クラナドと天いなはないものとして進めるのでもいいと思うけど。
天使はもう出るし
どっちにしろ書き手さんですよ。がんばれ
ところで、めっちゃ古い話だが、皆、フォン氏のFLASHを覚えてるか?
久々に過去ログであったのを見たが、懐かしく懐かしくて。あれは最高の出来だった。
再現シナリオの奇跡とかゴールとか、ネタとわかっていても涙が出そうになった
上野(群馬)箕輪城、12月。
同じ頃、早朝。
柳川急襲と、長谷部再謀反の報は、水瀬秋子の下にも届いていた。
「・・・・・・・・」
水瀬秋子は黙するままであったが、おもむろに筆と紙を取り出だす。
「・・・・・・これを、急ぎ新発田に。」
雪が小降りになっていく中、伝令が駆けていく。
「それと、もう一つ、名雪と香里ちゃんに連絡を。」
「・・・・・・はっ」
師走の、民達も忙しいこの時期。水瀬家も突如、慌ただしくなった。
北越後(新潟)新発田城、同日
「秋子様より、伝令!!即刻出陣し、急ぎ春日山を防衛せよと!!」
「なに?」
「祐一くん、どうしたの?」
月宮あゆ、治安維持の為、残っていた水瀬の武将である。
「・・・・・・越中・加賀が柳川に奪われた。」
「え?」
「今、秋子さんから文が届いた。急ぎ、春日山城を防衛しろと。」
上野、美坂香里・水瀬名雪軍
「・・・・・え?」
「栞様、美汐様の生死は不明!!
越中・越後国境に現れた敵軍の数は1万以上!!
急ぎ春日山城に出向き、防衛の任にあたれと!!」
上野・倉田佐祐理・川澄舞軍
「但し!!佐祐理様・舞様の軍は疲弊の度色濃く、士気も低下しているので、
兵を一旦箕輪城に入城させよとの事!」
舞:「・・・・・・!!」
秋子:「危急存亡の秋なれば、神速をもって事に当るべし。」
(春日山城は元より水瀬の本地。城の改修も元より完全に為してある。)
(よって、一万の軍勢でもってしても、援軍が来るまで持ちこたえられぬ程では無いはず。)
(・・・・・・だが。一万以上の兵力を動員するには、それなりの兵糧と荷駄が必要。)
(しかも、この雪の中、あれ程の速度で進軍できる兵はそうはいない・・・・・)
(だが、もしも、彼らが「軍」で無いとするなら、その速度も納得できる・・・)
(という事は、国境に現れた柳川の兵の正体は・・・・・・)
水瀬家、全軍移動開始。
相沢祐一率いる北方隊 兵力 騎馬5千 春日山城に移動。
川澄 舞率いる川越援軍 兵力 騎馬2千 箕輪城に入城
倉田佐祐理率いる川越援軍 兵力 足軽6千 箕輪城に入城
水瀬名雪率いる倉田救援隊 兵力 足軽6千 春日山城に移動
春日山城 城兵 兵力 足軽3千 春日山防衛
月宮あゆ率いる北越後軍 兵力 足軽1千 新発田城防衛
(参考)降伏兵士数
美坂 栞率いる北陸部隊 兵力 一万 降伏
北川 潤率いる越中部隊 兵力 5千 壊滅
水瀬家 現在の武将の状況
(捕縛)美坂 栞 天野美汐 (逃走)北川 潤、斉藤
(怪我)川澄 舞 倉田佐祐理
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ザクッ/ y┃ ヽ( \
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水瀬担当では本来ありませんが、このぐらいは確実に動かすだろうという
予測でとりあえず指揮をとりますた。
実際、どーやって1万以上の部隊を動かしているのかは柳川の人でないと
解りません。おそらく、一向一揆の兵站無し(というか、各自買弁)部隊だ
とは思うんですが、実際のところどうなんでしょ。
でも、まあ春日山は水瀬の本拠地だし、そう簡単には落ちないかと。
多分。
えっ……師走だったん?
67 :
長瀬軍撤退:03/09/23 23:33 ID:dn0laUnE
突然集められた軍議に集まったほぼ全員が首をかしげていた。
「祐介君。まずは説明してもらいたいわね?」
突然の軍議に雪見は開口一番そう言った。
「作戦自体は当初の予定通りにいってる。ここで進軍を止める事にどういった考えが?」
「緒方が長瀬と長森の繋がりを断とうとする恐れがあります」
祐介の言葉に集められた全員が意外そうな表情をうかべる。
「それってどういう事?」
「おそらく緒方が出兵している今、本国甲斐の方では謀叛騒ぎが起きているでしょうね」
「祐くん、それって……」
「そう、以前沙織ちゃんが言っていた、緒方理奈と森川由綺の仲を取持とうとする協調派。
それを追い出すための緒方英二の策を、誰にも真相を気付かれずに行うなら
戦力のほぼ全てを東海に出撃させている 今この時しか機会は無いよ」
祐介の言葉に雪見はため息をつく。
「祐介君。それがどうして長瀬と長森の繋がりを断つ事に?」
「問題は緒方内部で正当化する手段ですよ。協調派を追い出し、
かつ、緒方内部を上手くまとめなくてはならない。とするならば二派にとって
共通の敵を創る必要が出てきます。そしてその対象として候補があるとすれば……」
「……同盟を組んでいる長森ではなく、同じく千堂でもない。
その上で尤も緒方にとって邪魔な相手……」
雪見はそこまで言って、そして何かに気付くと祐介を見た。
68 :
長瀬軍撤退:03/09/23 23:33 ID:dn0laUnE
「……そう。その一番の対象は、京への通り道にいる僕達長瀬勢です。
そして僕達がその対象になると同時に同盟を組んだ相手も同じ扱いにするでしょうね」
「……つまり、長森さんが祐介君との同盟を行えば、同時に長森さんが
緒方の敵として認識されると言う事?」
「……少なくとも、今の緒方勢の殆どの人間はそう考えるでしょうね。
『敵の味方は敵』という論理が成り立つ以上、
それはこのまま緒方が長森に対して攻勢に出てくる理由付けになる。
だが手を組まない場合、現状の戦力差・国力差を考えると
長森は緒方に対抗できずに、事実上緒方の属国になってしまうでしょうね」
祐介はそう言って大きく息をつく。
「始めからそのつもりだったのかも知れません。長瀬が出てこようとこまいと、ね」
「……と言うと?」
「渡辺勢が清洲を囲むまで、緒方が出撃の時期を遅らせたのは駿河と遠江をより確実に
落とすだけじゃなく、長森の弱体化を狙い戦後の外交上の優位を作り出す為だと思います。
実際、今の長森に緒方の外交上の要求をはねつけるだけの戦力は残っていません。
それに三河を確保したとしても一・二年では失った国力を取り返すことは
出来ないでしょうし、国力を取り返した所で、それでも単独では緒方に対するには足りないでしょう」
祐介は続ける。
「大軍を引っ張り出したのは三河遠江の同時攻略の為と同時に、
国内での動きを身内に気付かれないようにする為です。後は先に言った通り
その謀叛を裏でけしかけた等といって他の大名に責を押し付ける。
それによって二つに分かれていた内部を一つにまとめる。
最後に国境での緒方の行動は長瀬、長森に対する警告でしょう。
『もしも敵対するつもりならば、こうなる覚悟をしておけ』という、ね」
69 :
長瀬軍撤退:03/09/23 23:34 ID:dn0laUnE
雪見は静かに聞いていたが、聞き終わるとシュンに聞いた。
「氷上君。国境の様子は?」
雪見の言葉にシュンは答える。
「緒方の手の者と思われる奴等は十数人は切った。それで部下に国境を越えさせてわかったんだけど、
渡辺軍は既に敗れてる。里村さん達は多分緒方に保護されてるんじゃないかな?
それにどうやら緒方勢も国境に近付いているね。追撃というよりも、進軍、だけどね」
「渡辺を殲滅しながらさらに進軍ということは、軍事力を背景にした、圧力外交か……。
何を目的にしてるのかしら?」
「長森さんに長瀬軍を引きずり出させるか、あるいは長森さん達の屈服か、
若しくは長森さんに祐介君を討たせるか……。何を考えているのやら。
それともう一つ。関東に朝廷の使者が赴いたって」
『朝廷の使者?何の為なの?』
「おそらくは停戦の調停だろうね。という事は関東の大庭は健在、ということかな?」
雪見達の会話を静かに聞いていた瑞穂は祐介に何か囁いた。
「深山さん、三河も抑えた事だし、僕達はこれで撤退します」
「え?」
祐介の意外な言葉に雪美が頓狂な声をあげる。
「どういう事?緒方を放って置くの?」
「ええ。ここで戦っても勝ち目は無いですからね。。
緒方としても実際に長森をこのまま攻めるという事は無いでしょう。
それに緒方が長森殿をそそのかして後背を突かないとも限りませんし」
「……確かに今の長森さん達に、それを断るだけの力はないわね」
70 :
長瀬軍撤退:03/09/23 23:34 ID:dn0laUnE
「ええ、それに三河と深山さん達を長森の側に寄らせたということで
償いは済んだでしょう。ならば撤退しても特に問題は無いですよね?」
「……逃げるの?」
「そうです。ただし勝算がある逃走、ですけどね」
「……と言うと?」
祐介は雪見達を近付けさせて小さな声で話をする。三人ともその話を聞いて
驚きの表情をうかべたが、やがて呆れ顔で祐介を見る。
「まったく……、何を考えているのやら」
「と言う訳で一・二年だけ辛抱してもらえるとありがたいんですけど」
「一・ニ年ね……。私達がその間に緒方寄りにならないと期待されてるのかしら?」
その質問に瑞穂が答える。
「そうですね……。今まで渡辺の属国であり、またすぐに緒方の属国になると言うのは
少なくとも深山家としては受け入れる事は出来ない。そうじゃないですか?」
「……緒方が長森さんや私達を盛り立てるという事は考えていないのかしら?」
「無理です。緒方が西進を考えているなら長森を大きくする事は避けたがるでしょうし
もし盛り立てるのならば、長森瑞佳を利用した政治的効果を狙ったものでしょう。
そして盛り上げた長森を畿内にぶつけて、畿内と長森とを消耗させる漁夫の利を狙うでしょうね。
それとも無ければ緒方の後継者争いに参加させるか……。
実の妹ですら戦略の道具として使うような人物ですから、他人である長森瑞佳殿を
利用する事に躊躇いを持つとは思えません」
「……緒方が東に向かうとは考えないのかしら?」
「緒方の主戦力は騎馬です。その戦力を活かすには平野での野戦が尤も効果があります。
とするなら箱根越えはないですし、越後、上野に出るには水瀬との戦力差が小さい。
武蔵に出たとしても、小田原城は天下に比類なき堅城。緒方英二と言えども
そうは簡単にはいかないでしょう」
71 :
長瀬軍撤退:03/09/23 23:35 ID:dn0laUnE
雪見は瑞穂の言葉に頷く。その上で瑞穂は雪見に言った。
「二年あれば緒方を囲む状況が変わると思います。それまでやって欲しい事がありますが……」
「何を?」
「東海道への物流の抑制です。全面封鎖は出来ないにしても、質の良い物を
流さない事はできるでしょう。それに緒方は今回、遠江の川の堤を破壊したとか?」
瑞穂の言葉にシュンが頷いた。
「そう聞いてる。それで渡辺勢は全軍を集結しきれなかったからね」
「でしたら尚更都合が良いですね。遠江の中でも特に天竜川は『暴れ天竜』とも呼ばれる位、
多少の長雨でも氾濫すると聞いています。只でさえ氾濫しやすい川の橋や堤を破壊した事で
当分の間、東海道の物流は停滞するでしょうし、丁度良いと思いませんか?」
瑞穂の説明に雪見も澪も頷く。
「……わかったわ、やってみましょ。でもどんなに頑張っても一年が関の山だと思うけど?」
「十分です。一年経って状況が動かなければ、忘れてもらって構いません」
「……ま、期待しないで待ってるわ」
雪見の言葉に瑞穂、祐介が頭を下げる。
「深山さん、僕も祐介君達について行く事にするよ。里村さん、柚木さん達も戻るだろうし
……僕が長瀬の方にいたほうが何かと都合が良いんじゃない?」
「そうね……、今の長森さんの性格じゃあなたの力を活かせないだろうし。
緒方に対する間者活動の件で面倒が起きるよりは良いかもね。
わかったわ。しばらく祐介君の所にでもいなさい。
ただし緒方が里村さん達を戻すまではこちらに残ってなさいね」
「こっちとしても構わないけど、給料分の仕事はしてもらうからね?」
シュンの言葉を雪見も祐介も了承する。
72 :
長瀬軍撤退:03/09/23 23:36 ID:dn0laUnE
「さて、それじゃ撤退する事にしようか。沙織ちゃん、全軍に通達。近江に帰宅する、とね」
「りょーかい」
『帰宅する』という言葉に唖然といった表情を浮かべる雪見を気にせずに
祐介は瑞穂にも指示を出す。
「それと瑞穂ちゃんは長森殿に戦勝報告をお願い。ついでに叔父さんと瑠璃子さんに
頼んでおいた貢物が清洲城下に届いてると思うから、それも一緒にね」
「わかりました。それじゃ私はただちに」
瑞穂が陣を出て行くと、祐介達もただちに手勢を移動させる準備に取り掛かった。
「あ、これを」
といって祐介は雪見に例の書状を渡した。
「とりあえず、これを見せればとりあえずは緒方も帰ると思います。
長森を攻めるつもりが無いなら、長森家臣であるあなたを攻める事は無いでしょう」
「これが証明書、というわけね。……効果があることを祈るわ」
「同感です」
祐介はそう言って微笑むと、陣を出て行った。
「さて、それじゃ私たちもやるべき事をやりましょうか」
雪見はそう言って、旧渡辺勢残党の保護と緒方への終戦の伝令を
シュンと澪にそれぞれ命じると、自分もシュンの手伝いの為に陣を後にした。
>>66 一応、戦国時代の暦は10〜12月が冬だから、良いんじゃないですか?
>>68 『三河遠江』じゃなく、『駿河遠江』だった
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〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`l从 )) <
>>66 正直、判らん。(きっぱり)
ザクッ/ y┃ ヽ( \
Σ(m)二:;⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ |ヽ゚・.゚・*: .。.:,... ヘブンズ・ドアー。
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師走かどーだかは解らんが、兎に角、水瀬が最初に動き出したあたりは、
どうも秋から冬らしいです。確か、少しだけ季節に関する記述があった気がする。
雪が降っていて、それが水瀬家の殆どが南に来ている理由の一つとしてあがってました。
ただ、この時代が旧暦と実際の季節がずれているので、1月は春扱いになる可能性もあり、
という事は、この合戦は霜月・師走あたりになるのではという予測です。
まあ、実際季節はあまり関係無いんですがね・・・
本音を言うと別に師走・正月でなくとも、別にいいんです。
でも、全体の時間の管理についてはどうにかしないといけませんね。
猪名川の奇襲にしても、柳川の奇襲にしても、結局は時の勝負ですから、
一日二日、雪のあるなしの違いが大ダメージを生むことも多い。
柳川の動きにしても、仮に国境の一万の大将が優秀な忍者だった場合は
援軍が来る前に春日山が落とされる可能性もある。
北越後・上野からの反転に2日はかかると柳川の方の人が書いてましたが、
正直、距離長いので普通でも5日はかかると思います・・・・・
つまり、今までの流れを信長の野望的にやると、
開始1ターン目で,
水瀬が久瀬を滅亡・将軍行方不明
2ターン目に水瀬が加賀に侵攻
長瀬が京都制圧
3ターン目で緒方家が渡辺家を滅亡
水瀬・大庭に侵攻
柳川・加賀越中に侵攻
千堂・大庭侵攻の上撤退
田中の活躍
緒方・長瀬らの計略
朝廷が関東に収まるように綸旨を出す
4ターン目 柏木・若狭侵攻・・・?
文やスレが長くても、実際は大体こんな感じ・・・
久瀬に至っては命令下す前に滅んでるなこりゃ。
ちょっと調べたら蒼天録風に再構成してみましょう。
特に長瀬祐介家に濃厚に感じるが、この世界で謀略を張り巡らせ、裏切りを繰り返す
連中は悪人と言うより、世間一般の倫理観を、つまりこれは悪いことだという意識を
初めから持っていない。悪いことだという意識がどこかにあれば、悪びれたり
開き直ったり、何らかの覚悟を決めたりするものだが、そういう感じが全くない。
信長の野望で裏切り者の代名詞扱いされる松永久秀も、もう少し倫理観は
持っているだろう。この点千堂家はまだそういう意識があるようだ。
いわば呂布が知恵を付けたような連中揃い。
まあ蒼天録や、そして天下創世のCOMも、平気で身内を陥れようとするわけだが、
それでも友好度は多少当てになった。今回は全く当てにならない。
1560年夏
語り部「遠野家でお家騒動があり、当主の美凪を追放したようです。
家中は大混乱です」
「政略フェイズ」
-各国政略中-
何者かの流言により長森瑞佳と清水なつきの関係が疎遠となったようです。
藤田家の提唱により藤田家・来栖川家・宮内家が岡田家包囲網を敷いたようです。
何者かの流言により岡田目久美と坂下好恵の関係が友好でなくなりました。
何者かの流言により岡田目久美と出雲宗徒(鰐淵寺)の関係が友好でなくなりました。
何者かの流言により岡田目久美と出雲国衆の関係が疎遠となったようです。
「戦術フェイズ」
河越城の長谷部彩が大庭家から独立しました!
(忍城でも呼応の動きがあるが城主不明)
福地城の清水なつきが長森家から独立しました!
柳川家の魚津城が水瀬家の軍門に降りました!
柳川家の富山城が水瀬家の軍門に降りました!
山口館の長瀬源五郎が来栖川家から独立しました!
(以下呼応する城主が続くが姓名不明なので略)
当主の来栖川芹香は監禁されたようです。
1560年秋
語り部「久瀬家主催の饗宴会で水瀬家の倉田佐祐理が負傷しました。
両家の対立は決定的なものとなったようです」
「政略フェイズ」
-各国政略中-
朝廷が神尾家に金1000を下賜されたようです。
長谷部家が水瀬家に従属しました。
水瀬家と千堂家が友好を深めているようです。
長谷部家は水瀬家に完全に屈しました。
千堂家が水瀬家と軍事同盟を締結したようです。
何者かの流言により岡田目久美と出雲宗徒(鰐淵寺)の関係が疎遠となったようです。
来栖川家の長瀬源四郎が何者かの手により暗殺されました!
何者かの流言により月島瑠璃子と月島拓也の関係が親密でなくなりました。
森川家が緒方家に従属しました。
森川家は緒方家に完全に屈しました。
何者かの流言により長谷部彩と水瀬秋子の関係が疎遠となったようです。
「戦術フェイズ」
柳川家の尾山城が水瀬家の軍門に降りました!
柳川家の大聖寺城が水瀬家の軍門に降りました!
久瀬家の新発田城が水瀬家の軍門に降りました!
神奈家の室町御所を守る者は誰もいません!
神奈家の室町御所が高野山金剛峯寺の軍門に降りました!
神奈は放浪の身となったようです。
久瀬家の村上城が水瀬家の軍門に降りました!
久瀬は行く当てを失い、浪人となりました。
久瀬家は滅亡しました。
1スレ目を不完全ですが蒼天録風にしてみました。
難易度高いなあ。
そういや九州探題とかっているのかな?
遅レスだが…
鹿島って、砂浜だから、南蛮船が停泊することはありえないかと。
港が整備されたのが昭和35年あたりだし。
それまでどこの港使ってたのか謎だけど…平潟港(やや北過ぎ)、
大津港、那珂湊港あたりだと思う。
あと、鹿島周辺は、神社はあるものの、他は農村しかないはず。
発展したのは、工業地帯として開発されてからだから。
街とかあったかどうかはかなり微妙だと思う。
以上、元茨城県人による戯言でした。
まぁ、そんな細かい時代考証気にするなといわれりゃ、
それまでなんだけど。
何事もなかったかのようにスルーしてもらってかまいません。
.´ `v^) _______
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`;l从 )) <
>>83 あったらしいんだよ、それが。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) ヤッパリ、スルー出来ナカッタカ
やっぱり誰か気づくかなと思ったのですが(笑)
鹿島工業地帯が作られるまで港の建設はおそらく無いと思いますが、
歴史的に観ると、「鹿島の町」はどうも実在していたようです。
具体的な資料はちと無いのですが、同じくコーエーの太閤立志伝の中では
鹿島の町つうのがしっかりと実在しています。
まあ、一々あんまり調べてないんで、実態はよくわからんのですが。
確かに、今は鹿島はただの農村&サッカー場ですが、元々鹿島神宮は
武の神様であり、そのために鎌倉-江戸の時代には武士階級の参詣者が多かったのではと
思われます。というか、鹿島の町の場合は鹿島神宮の神宮町の可能性のほうが高そう。
だが、近代に入るとここら辺は軍事的に使われてたっぽく、最近でも旧日本軍が
茨城県神栖町に空軍基地をおいて、そこの毒ガスだかなんだかが井戸水に流れ込んだ云々で
少し話題になりました。この「茨城県神栖町」ゆうのは、場所的には鹿島神宮のまん前です。
んな事知らない人の方が多いでしょうが、ここは武芸やってる奴は結構参拝するらしい。
で、憲法9条発布以降は……言うまでも無いか。
で、港があったかどうかですが。
本来なら銚子にしようと思ってたんですが、安房上総に入る勢力がこれでは「狭すぎる」という理由で、
強引に銚子を渡してしまったんです。水戸あたりに港が作れればそれが一番ベストだったんですが、
ここら辺は馬使いのノセチェシカとの決戦場でして、危なくて港を置くことが出来ないと判断、
泣く泣く鹿島に軍港を作ったという裏事情がありまして。
南蛮船を停泊する事が出来るぐらいの人工の港を作る事が果たしてこの時の技術で
出来たかどうか・・・・・・
正直なところ、妖しい(笑)。
伊達政宗(だっけ?)が仙台の石巻港を作った時も、あれは仙台城造成の後で、さらに
南蛮人や様々な技術者を養成した後の灌漑事業でしたから、かなり土木技術が
あがっているはずですが、この時代の大庭の実力でそれが出来たかどうか・・・・・
そこら辺は疑問に感じざるを得ませんが・・・・そこら辺はスルーしてくださいまし(泣)
・・・まあ、南蛮船も種子島には難破して止まったけどね。
領土が確定したので、大体の目安。
大庭領:浦安から佐原、あとは利根川以北
千葉の勢力:千葉(町)から佐倉・佐原、あとは銚子まで。
ちなみに、霞ヶ浦から東は基本的に御影すばるの所領。但し港は除く。
霞ヶ浦から西の常陸領は塚本千紗管轄。広いけど荒れ放題。
なんとか無事なのは下野の宇都宮だけですか。ここが事実上大庭の首都。
正直、建前上千葉の勢力は、上総安房2国だが、正直、これでは一作品では狭い。
でも玲子に与えるには交通不便な上、でか過ぎる上に水が無い…帯に短し、たすきに長し。
※:SS中に「安宅船」と書いてたが、これは普通の関船ですな。
安宅なんて、でか過ぎてこんなとこでは製造して無いですわ。
緒方軍本陣では保護された里村茜と柚木詩子を加えた主要人物全員を集め軍議を開いていた。
「渡辺から多少の事は聞いていましたが……思った以上に事は進んでいたようですね」
茜は三河・遠江の部隊展開が書かれている地図を見ながら呟く。
「しかし何故こんな所に長森軍が居るんですか?」
「あれは長森軍なんかじゃないわよ」
理奈が茜の疑問に不機嫌そうに答える。
「実態は長瀬軍。あの人達、何を考えてるのか知らないけど尾張の方から攻めて来たのよ」
「……しかし三河に来るには長森の所領を通過しなければならないのでは?」
「長森家は長瀬家とも同盟を結んだようです」
弥生が理奈に代わり答えた。
「そういう事、そちらの御当主は人気者のようね」
「そうですか……」
茜は先程から驚かされっぱなしであった。
自分の知らぬ間に、さっきまで長森家を滅ぼそうとしていた渡辺家が滅亡に追い込まれていたり
何時の間にやら何の交流も無かった緒方、長瀬と同盟を結んでいたり……
「けどね、このままじゃ長森家は相当にヤバイわよ」
「……どういう事ですか?」
「それは俺から説明しよう」
突然、まったく別の方向から声が響いた。
全員が一斉にそちらを向き、同時にどよめく。理奈と弥生を除いて。
「遅かったわね、兄さん」
「いやいや、俺も忙しいんだ。むしろこんなに早く到着した事を誉めてくれよ」
現れた者、それは甲斐に居る筈の当主、緒方英二であった。
「まぁ、とりあえずこれを見てくれ」
そう言って一枚の書状を取り出し卓上に広げる。
「……これは?」
「清水なつきって人から届いた物なんだけどね、結構重要な事が書いてあるんだよ」
「えーと、何々……『長瀬家の清水軍に対する支援』?」
訳が解らないといった調子で書状を朗読する由綺。しかしそれを愕然として聞いている者が二人。
「茜、これって……」
「……」
「長森家の御二人は既に解っていると思うけどね。実は先の南尾張の戦いの折、渡辺方の
人物に対し援助を行った者がいるらしい。それが……」
「長瀬家……」
静まり返る陣内。長瀬家が何故か緒方家に対し敵対的だと皆は知っていたが
まさか長森家にまで手を出しているとは考えていなかったのである。
「緒方殿」
「ん?」
茜は決然とした表情で英二に視線を向ける。
「助けて頂いたばかりですが私達は清洲に帰らせてもらいます。一刻も速くこの事を……」
「無駄ですよ。その事を既に長森の人間は知っている」
「なっ……!? そんな馬鹿な事が……」
「これを見てくれ」
そう言って英二は再び一枚の書状を取り出した。
二枚目の書状、それは同盟を仮締結した時から清洲城に留まっている緒方家の者からであった。
それには長瀬家家臣に丸め込まれる長森家家臣の様子、そして高まる反緒方感情が克明に記せれていた。
「何故……そんなにすんなりと……」
「四老中のうち二人が長瀬家支持にまわっているらしい。無理も無い」
四老中とは当主長森瑞佳を補佐する為に作られた役職で、長森家独立に際し功のあった
折原浩平、七瀬留美、里村茜、小坂由起子が選ばれている。
それだけに彼等の家中での発言力はかなりのものである。
「どうにか小坂殿からは同盟堅守の約束を取り付けたんだが……美濃に居る為あまり影響が無いようだ。
まぁ、彼女が良識人だったのは我々にとって慰めになったけどね」
「浩平まで……」
「彼等の暴挙はこれに止まらない」
茜に追い討ちを掛けるように英二は続ける。
「本来共に渡辺を倒すべき仲間である筈の我々に、彼等は挑発行為を繰り返している。
これは渡辺家に因るものでは無い……証人を呼びましょう」
英二は一言、二言、伝令に言付ける。すると直ぐに一人の男がやって来た。
「紹介しましょう。渡辺家重臣筆頭、南明義殿だ。詳しくは彼の方から……」
「間違いありません。我々は緒方家に対して何等、工作活動をしてはいません」
降伏の為にやって来た筈が、何時の間にやら証言させられる羽目になった南は茜との思わぬ再開に喜びつつ話を続ける。
「私は高天神城に籠城していましたが常に本隊と連絡を取っていました。
それにさっき会った南森達もそんな事はまったく知らないと言っています。
そもそも美濃・尾張に重点的に間者を配置していたから今回の緒方家侵攻を察知出来なかったんじゃないですか……」
「だ、そうだ」
「……でも英二さん」
由綺が小さく手を上げる。
「それは長瀬・渡辺じゃなくても出来るんじゃ。たとえば……」
「もしかしてうちらか? 冗談やない! そこまで陰険な事、あんた等や無いんだからする筈あらへん!」
「あっ、そうじゃなくて…… ええと、御免なさい……」
「由綺ちゃん、今のは失言だな。すいませんね、猪名川さん。そして……千堂和樹殿」
そう言って猪名川由宇の隣に立つ従者に目を向ける。当然、皆の視線もそこに集まる。
「……何時から気付いていたんですか?」
「よかった、あってたよ」
はははと子供っぽく笑いながら英二は言った。
「いやね、従者にしては立派な鎧が気になったんだよ。それに猪名川さんの後ろで無く、横に立っている。
普通だったら無礼な事この上無いが、気にする様子も無い。それで何となくね。
でも本当にあっていてよかった。外してたら馬鹿みたいじゃない、俺?」
「……兄さん」
「おっと、話がずれた様だ。……それでそんな事は無いですよね?」
「勿論です。俺達は渡辺茂雄を倒すという大義の下、援軍に来たんですよ」
「失礼します!」
そこに伝令が書状を持ってやって来る。
「三河の長森軍からです」
「正確には長瀬軍だけどな」
そうぼやきながら英二は読み始める。
「長瀬家はこれ以上の我々の介入を阻止する気らしい。終戦だから三河には来るなだとさ」
書状を読み終わり肩をすくめながら英二は言った。
「で、どうするんですか、里村さん?」
「……」
「このままではいずれ長森家はいい様に操られ、乗っ取られるのが落ちですよ」
「……緒方殿」
「ん?」
「取引を……しませんか?」
その日の夜、誰にも気付かれる事無く百騎の集団が信濃に向かって行った。
さらにそれと同じ頃、三河の長森軍に緒方家からの書状が届けられた。
その書状は季節の挨拶から始まり意味の無い美辞麗句がたっぷりの物だった。
内容を箇条書きにすると──
・貴軍と当軍の活躍により渡辺軍を壊滅させる事が出来た。真にめでたい。
・しかし何の連絡も無く軍を進めた事、連絡があれば共同作戦も可能であった筈である。
この事、当家としては大変不満に思う。
・また旧渡辺家家臣団だが彼等の所領は安堵しようと思う。
三河の長篠城は当家の家臣となった中崎勉の城である、至急引き渡し求む。
・そちらに残っている旧渡辺家家臣の処遇は御自由に。
・なお、無事保護した長森家家臣は此方の手で送る。
緒方家当主 緒方英二
千堂家当主 千堂和樹
緒方軍大将 緒方理奈
旧渡辺家家臣 南明義より
長森家は緒方派と長瀬派で割れそうだな
長森家が独自の思考を取り始めると舵取りは大変だが面白い存在になるのだが…。
このまま緒方・長瀬両家の玩具にするのはもったいない。
地方情勢続き。
○北陸
水瀬家は一転して劣勢に。持久戦になればすぐ滅ぼされることはなくなる代わり、
勢力拡大も困難になる。その上緒方家とも友好的とは言えず、実質包囲網に近い状態。
柳川家は一気に優勢になった。雪中一般人主体の兵で戦争を強行できたのはなぜか
謎だが、一向一揆を味方につけているのが大きい。ただ自ら認めているように人材不足
であり、一向宗も爆弾となり得る。柏木家は出遅れている。将軍を保護しているとはいえ、
このままでは勢力差が手のつけられない物になるだろう。
○近畿
長瀬家が急成長。畿内にまともに戦える勢力存在しなくなった。
特にAir勢は弱体で、放置しておけば各個撃破されて終了だろう。
それどころか神尾家は近いうちにてこ入れが期待できるとはいえ、高野山が
兵を出せば一撃で潰されてしまうだろう。雑賀&一向宗、真言宗ながら
高野山に追放された根来衆を味方につけてようやく互角か。
むしろ長瀬は対緒方に力を使いすぎている間に篁−那須主導の外交戦で
介入される可能性がある。早めに倒して足場を固めるか、外交で味方に
つけるか、迷うところだ。
地理的にはもっとも包囲網を食らいやすいのだが、義理0タイプばかりの
葉鍵戦国では脅威となりにくいのは好都合。
○中国
謀略戦が先行し、領土の変動は少ない。
長瀬源五郎家はいつの間にか来栖川綾香の残党も逐うことに成功したようで、
敵だらけの状況でよく持ちこたえている。周辺大名の思惑がバラバラなのが
大きい。
那須家は東進と目標が決まっており、藤田家は事実上手が出せないので進軍が
容易。おそらく適当な頃に岡田家と手切れをするだろう。
藤田家は結局来栖川家を引っかき回しただけ。首尾よく長瀬源五郎家を討てば
大きな顔が出来るのだが、残念ながら味方になりそうな勢力が存在しない。
何とか高槻を利用するか、犬飼家を味方につけるか。やはり暗殺を駆使する
裏の道に励むのだろうか。
○四国
大きな動きはまだ無い。
気がつけば両長瀬家&藤田家に乗っ取られている可能性も…。逆に、
早期に統一すれば畿内進出の有力候補となるので、そろそろ動いておきたいところだ。
○九州
高槻が来栖川家の内紛に介入している他は、動きはまだ無い。
特にボルト・フレイ両家は当分動かない見込み。
好機と見て誰かが高槻領に手を出せば連鎖反応が起こる可能性もあるが…。
>>96訂正。
藤田家は結局来栖川家を引っかき回しただけ。首尾よく長瀬源五郎家を討てば
大きな顔が出来るのだが、残念ながら味方になりそうな勢力が存在しない。
↓
藤田家は結局来栖川家を引っかき回しただけ。首尾よく長瀬源五郎家を討てば
大きな顔が出来るのだが、長瀬源五郎家攻略で協力できそうな大名家がない。
NPC大名を含めた包囲網は、考えたら書き手の思惑次第で簡単に潰せるわけだから、
いくら参加大名数が多くても同じなのだな。
本気で包囲網を築きたいなら複数の中の人が参加しないと意味がない。
大名思考中
現状では長森勢に謀略家がいないからなぁ。氷上が使えたかもしれないけど、
長瀬に行っちゃったし。
死人を持ってくるしかないかな。みずかとか、みさおとか。
死んだ事になってる髭を持ち出すのもありか。
何にせよ、何か仕掛けようとしなければ草刈場になるだけだと思われる。
>101
どっちもジョーカーっぽい存在だからなぁ>みずかorみさお
雪見なら策士役をやれそうではあるけど。
華穂さんは策士ってタイプじゃなさそうだし。
教師陣も本編では名前が出てくる人間はいない、
小説版で出てきた宮本(みさきの担任で子供の頃からの知り合い)は50近い老女で人柄も温厚みたいだし。
…本気で正体隠した髭でも連れてくるしかないかもしれん。
大谷刑部みたく頭巾被りっ放し、声も炭を飲んで喉を潰して変えているような。
九州編書きたいけど鍵勢力がさっぱりわからん…
丹後街道とは、丹後国の田辺(現京都府舞鶴市)から越前国の敦賀までを結ぶ、
若狭国を横断する街道である。古代から若狭国の基幹道路であったが、その東の
要となるのが椿峠である。美浜の平野がこの山で途切れ、先端が海になる要衝の
地で、度々若狭と越前の諸勢力が戦っている。
若狭へと進む柏木軍の道を最初に阻んだのは、武田某なる地元の豪族であった。
彼は郡内に陣ぶれを出し、地侍二百、百姓ら六百ほどを集めて、椿峠のすぐ近くに
ある国吉城に篭った。
国吉城は高さ二百メートルの山頂から尾根の稜線にかけ防御施設が築かれた山
城で、山上からは東に美浜、西に三方一帯が見渡せる。柏木軍にとっては若狭侵攻
の最初にして最大の難所である。
「さて、どうしようか」
国吉城から1キロほど離れた寺に本陣を置き、柏木耕一は軍議を開いた。
「篭城相手には持久戦というのが常ですが」
「それが常道だが、悠長に兵糧攻めをしている暇があるかどうか、だな」
千鶴の言葉に対し、耕一は眉間に皺を寄せた。
「事前工作により、若狭国の大半の国人衆は様子見に回っている。しかしここで我々が
もたもたしていると、柏木恐るるに足らずという風潮になり、反柏木に傾くだろう」
「逆にいえば、ここで一気に討ち倒してしまえば、みな柏木になびくと」
「そうなるね、楓ちゃん」
耕一は深く頷き、楓に微笑みかけた。
「だが、稜線が狭いので一度に多数では攻められないぞ。上から矢を射掛けられ、
木石を投げ落とされたら相当苦しい」
「そうなんだよなぁ…」
柳也の指摘に耕一は苦虫を噛み潰した。ちなみに神奈・柳也・裏葉の三人は、
耕一たちに同行している。
「数で力押しするにも、まずは下調べが肝心かと。山道に罠など仕掛けられてい
てはたまりません」
「それもそうか… まぁ、今日のところはこれで終わりにしよう。楓ちゃん、道を調べ
るの、お願いできる?」
耕一の頼みに楓はこくりと頷くと、陣幕から出て行った。
翌日、柏木千鶴の率いた手勢が国吉城を攻めたが、小手調べ程度のもので、
双方特に大きな損害は無かった。
翌々日、城からの矢がぎりぎり届かぬ位置まで移動し、柏木耕一は大声を張
り上げた。
「やぁやぁ、遠からん者は音に聞け、近くば目によって身よ! 我こそは柏木耕一、
柏木賢治が嫡男なり!」
これには敵も反応を示し、城の物見櫓には鈴生りの人だかりとなった。そこで
耕一は供の者に命じ、弓矢を持ってこさせた。
「大きいな… 鎮西八郎為朝の弓か? それは」
呆れた声を出す柳也に、耕一は笑って見せた。
「いいや、爺さんの物だがな。五人張りというから為朝より強い」
耕一は矢を番えると、深呼吸した。すると突然、彼から発せられる気迫が突風
のごとく周囲に吹き荒れる。常人ではけして引けぬ弓がぎりぎりとしなり、見るも
のを驚愕させる。
「南無八幡!」
鬼神のごとき威圧感を込めて矢を放つ。それは天高く飛び、城の櫓に見事突き
刺さった。
うおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
味方からは歓声が、敵方からは畏怖のどよめきが起きる。耕一は続けざまに
二度三度と矢を放ち、それらはいずれも板塀を貫通した。
そこで城の裏手から喚声が上がる。別働隊を率いた柏木楓が、耕一に気を取ら
れた敵の隙を突いて攻撃を仕掛けたのだ。
「今よ! 突撃!」
敵が混乱した混乱した頃合を見計らい、柏木千鶴が号令をかける。耕一の強弓の
助けを得て、柏木の兵が城へとなだれ込んでいく。流れは完全に柏木に傾いていた。
「凄いな。かつて柏木が鬼神と謳われたのも納得できる」
遠くから合戦の様子を眺めていた那須家の間者、エディはぼつりと呟いた。
結局、国吉城は陥落した。
その報が若狭国中に広まった後は大きな抵抗も受けず、柏木家が若狭平定に
成功した。
しかしすぐに柳川が加賀・越中を取り返したと連絡が入り、柏木千鶴が若狭小浜
に残り、耕一と楓は越前国にとんぼ返りすることになった。
#耕一が鬼の力に覚醒済です。夜襲を受けて深い手傷を負い、鬼の力に目覚める
#描写もしたかったのですが…
#それ書いてると間に合いそうに無かったもので。
元旦・小田原城。千堂家の評定。
元旦の宴。当主の席は、空だった。
瑞希:「・・・・・・新年早々、いきなり当主はいないわけね。」
真紀子:「当主が出陣中の為、私、澤田真紀子と九品仏大志が
評定を代行を勤めさせていただきます。」
いくみん:「はい♪」
九品仏:「うむ。まさか緒方の騒動にくっついていくとは思わなかったがな。
まあ、今緒方と争うわけにもいくまい。」
いくみん:「撤退の時期については緒方SSの人にお任せしますね♪」
九品仏:「さてと。」
九品仏:
「現在においての千堂家の総力だ。
第一軍団 軍団長・千堂和樹(6千)
相模:兵力 5千(うち猪名川軍三千が出陣中)
伊豆:兵力 一千 軍団長 (風見鈴香)
第二軍団 軍団長・澤田真紀子 領地:南武蔵(一万三千)
第三軍団 軍団長 九品仏大志(9千)
見にくくなるので、各城の兵力詳細は省略させてもらう。
正直。本来当家の経済力ではせいぜい二万が限界なのだが、
それを無理して兵力を増派した結果、やはり経済的な問題が生じている。
然るに、経済力を高めるためには関東最大の米どころでもあった
川越を押さえる必要性がどうしてもあったのだ。
「しかし、今回は水瀬の動きがどうしても邪魔だった・・・というわけね。」
瑞希がつぶやく。
九品仏:「その通りだ、マイシスター。」
九品仏:
「本来なら、この様な計略を使って陥れるのは我輩の好みではあまり無い。
だが、水瀬が当初交わした同盟の盟約の中の条件には、関東に対しては、
これ以上の進軍をしない代わりに、こちら側も箕輪城や水瀬領に対して、
攻撃を差し控える事が同盟の際の最初にして最大の条件だったのでな。」
瑞希:「・・・・・・どうやってあの城奪い取ったのよ。」
九品仏:
「それは機密中の機密だ。とは言え。遠からず汝らの耳にも入ってくるだろう。
確かに、水瀬は軍では取らなかった。だが、「ある」計略を使って川越を陥れた。」
立川:「仕方なしに、我々も、『それ』と全く同じ計略を使った。ただそれだけだ。」
立川:「不思議とは思わんか、小娘。」
瑞希:「え?」
立川:「あの、内向的で、もの静かな娘が、なぜゆえに大庭・水瀬からの
「独立」と「裏切り」なんていう暴挙に出られたのか。」
瑞希:「・・・・・・?」
立川:「その事については、お主は知らぬ方がよかろう。知らぬ方が幸せな事もある。」
瑞希:「?」
九品仏:「でだ。」
話は続く。
九品仏:「現在の状況では、兵力と人員が偏りすぎている。」
「現在の状況下では、南武蔵に大軍が配置され、その分相模の防衛が手薄に成っている。
この状況をまず、かえる必要性があることが一つ。」
真紀子:「さらにもう一つ、難題があるのよ。」
瑞希:「難題・・・ですか?」
九品仏:「うむ。川越の防衛だ。」
かいつまんで言うと、川越近辺は荒川の下流域にあり、関東でも米の生産高が最も高い
米どころであるが、そこを主戦場とすると田畑がまた荒れ果てる事となり、ここでの
収益が見込めない。
九品仏:「したがって、水瀬対策の為に、由宇大師の配置を変更する事になった。」
真紀子:「由宇ちゃんには、松山と忍城の防衛に入ってもらい、水瀬・大庭の軍が
接近した時は領内で戦うよりも、敵領内に侵入して戦う体制にしてほしい訳。」
九品仏:「我輩は川越城に入り、暫くは開墾と治水の作業に入る事になる。」
真紀子:「立川君は由宇ちゃんと共に、川越を守る2つの城の改修と増築、そして・・・」
瑞希:「由宇の代わりに、あたしが、箱根に逝けと。」
九品仏:「さすがは同志瑞希、話が判るではないか。」
瑞希:「はあ・・・山ですか。」
九品仏:「何を言うかマイシスター、あそこは一応は観光地だぞ」
瑞希:「それは今(現代)の話でしょうが!!」
千堂家・再編成の内訳は、以下の通り。(カッコ内は兵力)
(対緒方)
小田原城 (守兵4000、立川郁美在住)
高瀬瑞希 箱根防衛・街道封鎖・箱根神社及び箱根周辺山岳宗教勢力との交渉等。
(3000)
澤田真紀子 八王子城防衛・街道封鎖及び高尾山・三峰周辺山岳宗教勢力との交渉等。
(3000)
九品仏:
「特に、宗教勢力に付いては気をつける事だ。箱根・高尾・三峰周辺には山伏にしか
知られていない僅かな小道があまた在ると聞く。だが、もし敵がそこを突破して来た場合は、
我々は奇襲を受けてしまう事になる。また、山伏に化けて間者が侵入することも多い。
それを防ぐと共に、味方につけて置くための措置、あーんど、警備を頼んで治安強化だ。」
(対水瀬・宇都宮大庭)
猪名川由宇 松山城防衛、城の改修と兵の訓練(兵5000)
立川雄蔵 忍城防衛、城の改修と兵の訓練(兵4000)
千堂和樹 川越城城主、堤防の改修と農業育成等(兵1000)
九品仏大志 川越城軍師、堤防の改修と農業育成等
真紀子:
「ここは防衛上の拠点でもあり、また千堂家最大の米どころでもある、重要な生産拠点
でもあるわ。だからなんとしてでも川越での攻城戦は控える必要性があるの。
改修と訓練が終わったら由宇ちゃんにも堤防の方を手伝ってもらう事になると思うけど。」
(対下総大庭・上総安房等)
牧村 南 江戸城防衛、城の改修・港の整備(兵10000)
瑞希:「そういえば、南さんがいないけど。」
九品仏:「所用があって、今伊豆諸島だ。」
伊豆、大島。
牧村 南:
「オークランド家の命運、もはや尽きました。
大事となる前に潔く降伏されよ。」
オークランド:「・・・・・・・・」
牧村 南:
「この条件なら、決して悪い条件とは思えませぬ。
この小さき島に閉じこもっていては、、如何にして天下を夢見る事が出来ましょう・・・」
オークランド:
「・・・・・・」
牧村 南:
「和樹様は、潔く降伏されれば、所領として横須賀の地を用意し、部下の方々にも
それ相応の所領をお約束なされております・・・」
オークランド:「何もせずに、出てきたと思えばいきなり降伏勧告・・・
どうすればいいんだ・・・・・・!!」
ワラタ。ここはやはり、こう言っとくべきじゃないかな。
おのれ、高野山
114 :
千堂。:03/09/27 02:46 ID:5g/iBYkX
2月……
千堂家、再・再編成の内訳は、以下の通り。(カッコ内は兵力)
(対緒方)
小田原城 (守兵4000、立川郁美在住)
高瀬瑞希 箱根防衛・街道封鎖・山岳宗教勢力との交渉等。 (3000)
澤田真紀子 八王子城防衛・街道封鎖及び山岳宗教勢力との交渉等。 (3000)
(対水瀬・宇都宮大庭)
猪名川由宇 松山城防衛、城の改修と兵の訓練(兵5000)
ビル・オークランド 同上
立川雄蔵 忍城防衛、城の改修と兵の訓練(兵4000)
千堂和樹 川越城城主、堤防の改修と農業育成等(兵1000)
九品仏大志 同上
ジョン・オークランド 同上
レベッカ・ミラー 同上
クライド・ヘイミング 同上
(対下総大庭・上総安房等)
牧村 南 江戸城防衛、城の改修・港の整備(兵10500)
ジャック・ウォルグ 同上
ぴんぽんぱんぽーん。
「弥生の月に、小田原において、長らく途絶えていたコミックジェネレーションを再開いたします。
今まで協力いただいた方々に感謝すると共に、皆様の一層のご協力と参加を心よりお待ち申し上げます。
コミックジェネレーション管理運営委員会代表取締指南役 大膳少進 牧村 南」
神奈将軍:「……堕ちたか…。」
裏葉 :「どうか最後は幸せな記憶を・・・」
えーと、一応保守
テスト終わったんで更新。
……まあ、これから忙しくなるけどさw
.´ `v^) ____________
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`l从 )) < 金が無い。
ザクッ/ y┃ ヽ( \
Σ(m)二:;⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ |ヽ゚・.゚・*: .。.:,...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
天いな勢は物凄い勢いで分裂しそうです
策士・明日菜、茜ばりの知略の主・雪緒、高慢かつ有能なる姫・しのぶと白チーズの従者w
とか人材はいるけど、まとまりが全然ねえ。
維納夜曲城は年中お家騒動の危機…
最近切腹が多いな。
流石に手討ちや切腹の乱発までは蒼天録の真似はできない………と思いたい。
大名思考中
/// /Vヽ
ll l lノノノ)) 〉
ヽl l´д`ノ|| テンイナ ドコニオク?
/ヽ!トv^ リ
ヽ lY) 〉!
ヽlY)i l |
1:タンバ 2:アワカズサ 3:ヒメジ 4:オカナイ
どこに置いても他家と違った感覚が楽しめます
/// /Vヽ
ll l lノノノ)) 〉
>>124 ヽl l´д`ノ|| キョウセイデハナイノデ
/ヽ!トv^ リ ホカノトコロデ カキタケレバ オスキニドウゾ
ヽ lY) 〉!
ヽlY)i l |
/// /Vヽ
ll l lノノノ)) 〉
ヽl l´д`ノ|| デモ、セメテ 1ターンキル クラワナイバショニ
/ヽ!トv^ リ オイテヤレ。 カワイソウダカラ。
ヽ lY) 〉!
ヽlY)i l |
/// /Vヽ
ll l lノノノ)) 〉
ヽl l´д`ノ|| カントウジョウセイハ サイショカラ ゴチャゴチャダカラ
/ヽ!トv^ リ ダイミョウガカワッタテイドハ ケンチャナヨ
ヽ lY) 〉!
ヽlY)i l |
/// /Vヽ
ll l lノノノ)) 〉
ヽl l´д`ノ|| ・・・・・・タイチョウガ ワルイヨ。
/ヽ!トv^ リ
ヽ lY) 〉!
ヽlY)i l |
/// /Vヽ
ll l lノノノ)) 〉
ヽl l´д`ノ|| ・・・・・・ケッキョク カエンカッタ。
/ヽ!トv^ リ
ヽ lY) 〉!
ヽlY)i l |
「……で、この書状は誰宛ですって?」
「は、長瀬祐介殿にと……」
「……もう帰っちゃったわよ」
「……なんですと?」
深山雪見の陣において、緒方の使者と深山雪見は上のような会話をしていた。
「ところで……」
「は、はい?」
「ここが長森家の深山勢の陣と知って来ているのかしら?」
「え?え?」
「まさか長瀬の軍勢と思って来たなんて事は……」
「……違うので?」
雪見はゆっくりと立ち上がり、使者の前に例の長森瑞佳発行の書状を使者に見せつける。
「……読めるわよね?」
「は、はい」
「つまり既に三河から先は長森領であり、三河の城主を決めるのは三河国主である
この深山雪見である、という事を念頭に入れてもらいたいわね。
その上で、そちらの大将にはこう伝えなさいね。
まず何も連絡しなかったのは、深山家全体を丸々長森側に寝返らせる工作を長瀬祐介殿はしていた。
下手にそちらに連絡をとる行動をする事で、事前に渡辺本隊にその動きが掴まれたら如何するのか?」
雪見の言葉に黙りこくる使者。
「次に長篠城の城主は既にこの書状に基づいて、長森瑞佳の名前のもとに
我が軍の上月澪を城主に任命してあるわ。言わばこの要求は長森に対して堂々と
侵略を宣言した事になるのだけど?
さらに筆頭家老の南明義を始め、中崎、南森の三名は今回の長森領出兵を積極的に
支持してきた立場にいる者。そういった人物を何ら罪を問わぬままに登用するというのは、
あなた方の言う長森との同盟が口先だけの物であったという疑惑をもたらすのではなくて?」
雪見は続けた。
「それと捕えられていた二人は当然ここに送ってもらえるんでしょうね?」
「は、いや、清洲まで……」
「……それはつまり私達を長森勢として認めない。つまり長森瑞佳の出した
書状そのものを無視する。結局の所、長森は緒方にとって無視しても構わない存在である。
そう受け取っていいのかしら?」
「あ、いや、その……」
「緒方にとっては長森瑞佳の言葉なんてものは、とるに足らないものとでも?」
「い、いやそう言うわけじゃ………」
「……まぁ、そこの所はいいわ。だけど、長篠城は既に長森家所有の城。
それを開け渡せというのは受け入れられない。ただし、中崎勉以下元渡辺の臣が
長森家の一員として働く気があるというのならば、それを受け入れる準備はこちらにはある。
と、伝えてもらいたいわね」
使者が頭を下げて陣を出て行こうとする、その前にシュンが入ってきた。
「深山さん、それじゃあ僕は行くね」
「あら、氷上君。もう行くの?」
「まあね。これ以上ここに留まっていても意味ないし。それにここいら辺の『害虫駆除』は
済ませたからね。あ、ところで君」
「は?」
呼び止められた使者にシュンはこう言った。
「緒方理奈といった名前の木偶人形さんに、元渡辺家 間者頭の氷上シュンがこう言ったと伝えてね。
『渡辺さんの言った通りに、少し挑発するだけで過剰かつ自慰的な示威行動に出ましたね。
さらにその自慰の為に無関係の者を巻き込む身勝手さ。他人との絆を軽んじる愚かさ。
そのような事では遠くない何時か 他者の信用を得ることが出来なくなるでしょう』とね」
そう言うと、使者が何か言う前にシュンは陣を出て行った。
「……深山殿、あの者が何処に行くのかご存知か?」
「さぁ?何処に行くかは聞いてないけども、何処かに仕官するつもりも無いみたいよ?」
「……彼は、我々緒方に対し何かやっていましたか?」
「それも聞いてないわね。だけど、髭……ああ、渡辺さんが他の家臣には極秘にして
彼に用事を頼む事は良くあったわね。……それがどうかして?」
「……いえ。ではこれにて」
使者はそう言って深山の陣を出て行った。使者が出て行くと雪見は大きく息をついた。
『主演女優 お疲れ様でした、なの』
「確かに疲れたわね。何しろ緒方相手にあんな啖呵をきるような事をした訳だしね」
入れ違いに入ってきた澪が、スケッチブックにそう書いて見せる。
『氷上君の事は嘘なの?』
「さぁ?ただ、髭はあれで切れる人物なわけだし、もしかしたら、そういった事を頼んでいても
不思議じゃないわね。どちらにしろ、例の噂は結果として緒方理奈が行き過ぎた行動をする
きっかけにはなっただろうし。それに……」
『それに?』
「何故 長瀬の間者が駿河から尾張まで来れたか……。つまり何故 渡辺の陣において対間者の
配置が徹底されていなかったか……。それに深山と氷上君を尾張に残した理由……。
いやそれよりも、髭はみさきが既に駿府を脱出している事を知っていたのかもしれないわね。
そしてみさきを深山なり長森なりに戻す可能性を考えていたというのならば……。
だとすれば、氷上君の間者部隊が長瀬の間者の援護に回っていたとしても不思議じゃない」
澪は納得したように頷くと、スケッチブックに続いて書きこむ。
『……緒方に対して強く出るという事は、長瀬さんの言ってる事を信用してるの?』
「……私は信用したいと思っているわ。理由は一つ。理由が何であれ、無事にみさきを助けたのは
長瀬だから。もし緒方が先に駿府に着いていたならば、みさきが無事に帰ってきたかどうか
知れたものじゃない。もしかしたらみさきを髭以上に深山を操る道具として使ってきたかも知れない。
……結果論だけども、だから私は長瀬祐介を信用しているのだけど?」
澪は雪見の言っている事に笑顔で頷いた。
「澪ちゃんもそうなの?」
『緒方さんはこちらに何もしてくれなかったけど、長瀬さんはこちらが長森さんに属せる様に
色々としてくれたの。長瀬さんと長森さんには恩と義理があるの』
「……そうね。それに今回長篠城を開け渡す様に言ってきたという事は、将来的に三河への
進出を考えているという事になるわね。……なら、やっぱり緒方の手にみさきが行かなかったのは
良かったかも知れない」
『もし緒方が今すぐ三河に攻めて来たらどうするの?』
「それは無いと思うけどね。でも、もしそうなったなら……」
『なったら?』
雪見は悪戯っ子のような表情をしてこう言った。
「みさきも連れて、近江に逃げよっか?」
複雑そうな表情を浮かべた澪に雪見は『冗談よ』と言って、澪に長篠城に戻るよう言った。
(問題は里村さん達ね。緒方よりの考えになっているのはいい。でも独断で何か行動を起こしていたら
結果的に長森家が分裂する決定打になる事もありえる。そうなった時に長森さんに
再びまとめる力があるかしら?いや、むしろそうなった時には私達が如何すればいいか……。
長森をまとめなければ深山にも明日は無い、か)
そう考えると雪見は岡崎城への撤退準備を指示し始めた。
ttp://farem . h p . infoseek.co.jp/cgi-bin/picbbs/img-box/img20031004001819.jpg
確か、トマトになるはずだったので、貼るときにはこんな感じで。
ファイルサイズが小さく、しかも細かいところがつぶれて見えなくならない
方法を模索中。しばらくは、これで我慢してください。
>>127-130 ふむ。これで深山は中立やや長瀬寄り、か。ここで長森が
表向きは中立やや緒方寄りになっておけば、
結構長期に渡って緩衝地帯に留まれるかな。その間に国力を回復させる。
その裏では長森と深山が結託して独自の路線を模索する、と。
長森=織田、深山=徳川、緒方=武田、長瀬=浅井と対応させると、
桶狭間後の情勢と大体同じになるな。史実との違いは、武田が遠江を獲って
浅井が既に京を押さえているために、織田徳川同盟の立場が弱くなってること、か。
長森&深山としては、第一に国力回復、次には
飛騨か伊勢を取る、
長瀬を取り込む、
緒方の内紛に付け込む
の3択になる、か。
舵取りが難しいが、なんとかやってってもらいたいもんだ。(無責任な言い方)
飛騨取ったとこでなんもない土地やし
柳川や柏木あるいわ水瀬と接するから得策じゃないな
伊勢は長森の前に長瀬が取り込むと思われ
結局なんか政変が起こるまで現状維持しかなさそう
それより長森家は家中を一枚岩にまとめるのが先決だろう
今のままだと長瀬派の深山家や七瀬と緒方派の茜とで割れるぞ
もうちょい瑞佳がリーダーシップ発揮できりゃいいんだが無理っぽい。
浩平ちいたあガンバレ。どうも葉に比べて鍵は主人公連中が活躍してないぞ
今のところ長瀬祐介攻勢、緒方守勢で長森家は両者にいいように利用されている
状況が続いている。
ただし、長森家は民衆の信頼があるから今のところ両方とも完全に潰そうとは
していない。というより、後難を恐れてできない。
この貯金があるうちに何とかしないと、隙を見せたらたちまち牙を剥かれるだろう。
遠江、高天神城。
そこは国境から引き返して来た緒方軍と旧渡辺軍で溢れていた。
その数二万五千、入城しきれなかった者は城の周りに掘建て小屋を作って過ごしている程である。
折りしも正月の真っ只中、兵士相手に商人が集まりちょっとした町が形成されていた。
「失礼する」
事務作業に追われる理奈のもとに訪れる者が二人。援軍の将、千堂和樹と猪名川由宇である。
「ああ、千堂殿。生憎、今手が離せないのでこのまま話す事になりますけど……」
「別に御構い無く。でも本当に忙しそうですね……」
「ええ、本当に。……恨むわよ、兄さん」
英二は遠江に着いた日の夜、早くも数名の家臣と長森家の二人を連れて信濃に帰ってしまった。それも大量の命令書を残して。
さらに占領に伴う被害の把握、国人や水軍衆との交渉、軍の指揮までやらされていて連日徹夜であった。
「それで御用件は?」
「はい、突然ですがそろそろ帰国しようと思いまして」
小田原を発ってから元旦を挟み結構な日数が経っている。関東状勢が一段落尽いたとはいえ、これ以上当主不在が続くのは
少々危険な事に思われた。それに大義名分の渡辺征伐も済んでいるのである。
「そうですか…… こんな状態なのでまともに御見送りもできませんが……」
「気にしないでください。このまますぐに発つつもりですので」
「行ったわね」
城から千堂領へと帰って行く猪名川軍を理奈は見下ろしていた。
「そんな事より仕事仕事」
自分の分は終ったのか、どうでもよさそうにはるかが話し掛けてくる。
「……少しぐらいいいじゃない」
うんざりと呟きながら近くに腰を下ろす。
周りには書類が無雑作に積まれている。いい加減、見るのも嫌になっていた。
「それよりも東海方面軍の編制は進んでるの?」
「んー。ぼちぼちかな」
東海方面軍──英二の指示で作られる事になった新軍団の名称である。
兵力は主に旧渡辺軍を中心として一万二、三千の予定になっている。
軍団長などは一切決まっていなかったがある程度の事はしておかなければならない。
「あっ、あと報告があるんだけど」
「……これ以上仕事増やさないでよ」
「大丈夫。ただ単に興国寺城が謎の大爆発をしただけだから」
「はっ?」
「放置してあったら賊の根城にされたみたい。それでマナちゃんが討伐軍出して城に攻撃したら、いきなりずどーん……だって」
「……理解不可能ね」
「防衛機能完全喪失だけど別に問題ないと思うよ。当分必要無さそ……」
「しっ、失礼いたしますっ! 理奈様一大事です!!」
その時、突然転がり込む様に男が部屋に入って来た。ただの伝令では無い、理奈の側近の一人である。
「騒々しいわね。それにこれ以上忙しくしないで」
「それどころではありません! これを!」
「……これは本当なの?」
書状を読んだ理奈の問いに何度も頷く側近。
「はるか」
「ん?」
「甲斐本国で変事よ。帰国させて貰うわ」
「えっ?」
「後の事は頼んだわよ。フランクさんも居るんだし何とかなるでしょ」
「えっ? えっ?」
「それじゃ急ぐから」
そう言って大慌てで部屋を出て行く理奈と側近。
残されたのは呆然と突っ立っているはるかと手付かずの書類の山。
「……本気?」
一方美濃と信濃の玄関口、木曽福島城。
そこでは既に遠江を去っていた緒方英二と里村茜の会談が行われていた。
「合意点はこれぐらいでいいですか?」
「ああ、解った。……それにしても君もなかなか大胆な事を考えるね」
「……」
「ま、別に構わないが…… むしろ歓迎すべきと言っておこう。
我々は弱い長森家など望んでいない。強い長森家が協力者として必要なのだよ」
「……一ついいですか?」
「ん、何か不満な点でも?」
「はっきり言っておきますが長森家は協力者とは名ばかりの属国になるつもりは毛頭ありません。
それは……解っていますね?」
「何だそんな事か」
軽く笑いながら英二は答える。
「安心してくれ、そんな事は絶対に無い。単に同盟を遵守してくれるだけでいいんだ。何なら誓約書でも書こうか?
それに当分西進しようとも思ってないからね、当家と長瀬家との確執を気にせずとも結構」
「当分……ですか?」
「ああ、当分だ。そうなるよう努力するよ」
「えっ! もう出発するって?」
場所は同じく木曽福島城。
英二と共に付いて来ている彰は『これから清洲に向かう』と聞いて溜息まじりの声を上げた。
あの日の夜、突然声をかけられ遠江を出てから僅か数日、軍用路を使い少人数の騎馬隊だからこそ出来た
強行軍であっと言う間にこんな所まで進んで来ている。
「しょうがないよ、彰君」
なだめる様に話しかける由綺、その脇には例の如く弥生がいる。
「あれから里村さん達も余裕無いみたいだし…… 困った時は協力してあげないと、ね?」
「それに今回の件は当家にとっても重要な事です」
何時ものように由綺の発言を補足する弥生。
「順調に進んでいた長森家との同盟交渉は報告ですと長瀬家が何をしたのかは知りませんが
現実を直視出来ない可哀想な人達の反緒方感情で暗礁に乗り上げている様です。
そこで里村殿に清洲に乗り込んでもらえば……」
「交渉は上手く進む……と」
「英二さんと里村殿がこれから何をするのかにも因りますがおそらくは」
「荒っぽい事にならなきゃいいけど……」
「心配無いでしょう。私達は僅か百人の外交団、こちらに攻撃など仕掛けて来たら大問題になります。
それに渡辺征伐の功労者が直接挨拶に行くんです。追い返しようが無いですよ」
そこに伝令がやって来る。
「皆様方、出発の時刻です」
「ありがとう。急いで行かなきゃ!」
「……どうか平和な旅になりますように」
史実では時期を隔てて起こった事がほとんど同時に起こっているので
情勢が錯綜しまくってるな。
今後甲斐信濃では、史実の「晴信による信虎追放」と同様(またはその逆)のことが
起こりそうだが、史実ではこれは桶狭間(1560:永禄3年)の約20年前
(1541:天文10年)だな。
長森は既に美濃を得ているのに、尾張国内の統一はまだ。
今後、史実では桶狭間の4年前に起こった「信行の謀反」(1556:弘治2年)に
相当することが起こりそうだ。勝家に相当するのは茜だろうが、信行(信長の同母弟)
に相当する人物が居ないので大義名分を立て難いな。
中国の情勢。陶晴賢(この時点では隆房)の謀反は桶狭間の9年前(1551年:
天文20年)。史実ではその4年後に厳島の合戦が起こって、陶が滅亡する。
つまり、桶狭間の前後10年位で起こった事が一度に起こってるわけで、そりゃ
難易度も高くなるわな。
「晴信による信虎追放」よりもむしろ
「義信の父信玄に対する謀反疑惑」のほうが近いと思われ
確か今川攻めののときだったし。
ところで藤田家の方はどうなってる?
舞台設定はともかく、各勢力の思考は史実にこだわる必要はないと思うが…。
ただ長森瑞佳はどう転んでも織田信長にはなりそうもないし、なって欲しくもない。
逆に長瀬祐介は浅井長政とは全く別の謀略家になっている。将軍様も史実では
外交戦に暗躍したが、今回はさっぱり。
>>140 緒方家は大名自ら疑惑を煽っているようだがどの方向で話を進めるつもりなのやら。
時間が経てば代わりの出てくる史実と違い、そうそう新武将を増やすわけには
行かないから粛清はかなりの覚悟が必要。
武田の場合は信玄の本音がどちらだったか、ちょっと判りかねる。
>>139 史実では足場固めにそれこそ10年は平気で掛かるし、対外戦争の
名分を得るのに苦労している。その代わり圧倒的に優勢と見ると抗戦せずに
寝返ってしまう城主が多いので、織田のように急激に勢力を拡大することになる。
それでも尾張統一にほぼ13年、美濃占領にさらに3年掛けている。
短期間に事を進めようとするとえげつなさが前面に出てしまうのが
よく判る展開。
>>141 中国地方で動きがなければ、長瀬祐介家が先手を打って動くだろうね。
那須家の動きを抑えてしまえばほとんど怖いものがなくなる。
そしてまたアク禁をくらう。
中四国九州の中の人いないしねぇ。
「なんだか閑散としてるね…」
「そうね…」
ゆかりの言葉に皐月が呟くようにして応じる。
湯川皐月率いる美作軍四千、備前からの援軍をいれて総勢五千五百の軍勢。
鳥取城を目指し、因幡街道を北上中である。
「先行しているリサさんのおかげね」
「…? どういうこと?」
「リサさんには先に因幡に潜入して那須家侵攻の報を各所で流してもらっているから」
「そっか…だからあたりに人の気配が全然ないんだね」
「そう。このあたりの人たちはすでにほとんど城に招集されているか避難をしているはずよ」
「ふふっ、皐月ちゃんらしいよね」
「そう…?」
「うん」
そう言ってゆかりはじっと前方を見やる。
「軍紀を厳しくしようとしても限界があるからね」
「そうね…」
この時代、戦における略奪、陵辱の類は当たり前のように行われていた。
むろん、被害者の多くは逃げ遅れた農民の女子供たちである。
まして今回の那須軍は明確な大義名分のないいうところの侵略軍である。末端の兵士たちの思惑も自ずと知れていた。
皐月は戦国武将にしてはどこかしら理想主義的なところがある。
手応えのある戦は大歓迎だが、その戦における副次的な被害は極力出したくないというその心理はゆかりにも手に取るようにわかった。
「でも、もちろん目的はそれだけじゃないわよ」
「そうなの?」
リサの流した情報には無論因幡方の士気を下げるため種のものも過分に含まれている。
皐月軍の総勢の誇張はもちろん、国主、保科智子の悪評、山陰道を東進しているはずの岡田軍の悪鬼暴虐ぶりなど…
「リサさんの流言飛語の効果しだいでは因幡国内で戦う意思のある人間はほとんどいなくなるわね…」
現に、今皐月の元には内応を願い出る因幡の国人衆の密書が何通も届いている。
(脆いものね…)
と皐月は思う。
保科家といえば鎌倉時代以来の名家である。
その上応仁の乱ではその一翼を担っていたほどの勢力を持っていた。
が、その後は衰弱の一途を辿り、現在ではこうして滅亡の憂き目にあっている。
現当主、智子は決して無能というわけではない。だが如何せん運がなさ過ぎた。
智子が因幡守護の任を幕府より受け、この地に赴いたのはわずか数年前。
守護就任後早々、岡田家の領地拡大の野心の対象となり、ことあるごとに国境でのいざこざが続いていた。
そして先日の岡田家による因幡侵攻。
前もっての密約どおり周防長門来栖川家、安芸藤田家、備中宮内家によって包囲網が形成される。
…が、他ならぬ包囲網形成の主導者である藤田浩之によってその包囲網が破られる。
(佐ノ山の戦いにおける敗因が藤田家にあるらしいということは那須家では独自の情報によりすでに公然の事実となっている)
その後、逆に岡田家、那須家によって保科家包囲網が組まれ、現在に至る。
藤田家を信用し、包囲網形成を嘆願した智子としてはたまったものではないだろう。
保科家の因幡における治世はまだ時が浅い。
国人衆との縁も薄く、彼らとしても保科家と命運を共にする義理はなかった。
「……」
「皐月ちゃん…複雑そうな顔してるね」
「そう、かな…」
面白いはずがなかった。
相手は名家とは言え、動員総力が三千弱しかない弱小勢力である。
美作独力でさえ勝つことは可能あるのに、備前からの援軍に加え、岡田家との共同軍である。
(これは戦じゃないわ。…単なる殺戮よ)
皐月は気が重かった。
保科智子は大軍岡田軍に敢然と立ち向かった誇り高き武将である。
彼女自身も尊敬している。できればこんなつまらない戦で失いたくはなかった。
(このまま降ってくれればいいのだけれど…)
智子の気性から言ってそうなる可能性は極めて低い。
と…
「あれ…?」
前方にいつの間にか一人の人影が見えていた。
「リサさん…」
「戦勝おめでとう。皐月さん」
リサの言葉に皐月は眉を顰める。
「さすがにそれは気が早すぎじゃないの? リサさん」
微笑を絶やさぬままリサが応じる。
「すでに鳥取城に至るまでのほとんどの拠点の調略は完了したわ。あとは鳥取城まで軍を進めるだけ」
「そう…」
リサの言葉に皐月は密かに顔をしかめる。
正直なところ、皐月はリサのことをあまり好いているわけではなかった。
エディほどではないにせよ皐月には那須家旗上げ以来宗一を支えてきたという自負がある。
新参者が、という気持ちが少なくはない。
特に皐月は美作地方軍団長に任命されて以後、宗一に地方に追いやられたという焦りがある。
(宗一としては美作攻略戦における当然の功労褒賞のつもりだったわけだが)
現在宗一直属の間者という乳母姉弟である夕菜を除いて最も宗一の近くに位置しているリサの手柄が面白いわけがなかった。
「それで…保科家の動きは…?」
「今のところ特に鳥取城から動きがあったという知らせはないわ。…おそらく篭城策を取るつもりかと」
「篭城策、か…」
「援軍、の当てがあるのかな…?」
篭城策をとる兵法上の鉄則は援軍が期待できる場合に限る。
「…かもね」
無論、援軍がなくとも耐え切れるという自信を保科方が持っていたとしても不思議ではない。
鳥取城は難攻不落で名高い堅城である。
「考えられるとすれば同盟国である安芸備中…」
「それは大丈夫。安芸備中から因幡に援軍を送るとなればまず出雲・伯耆の岡田家を破らなければならない。それに先の合戦の直後、他国に援軍を送る余力があるとは思えないわ」
最も、それは岡田家とて同様のはずなのだが…
「仮に出兵があったにせよ岡田家に任せておけば大丈夫でしょう」
「I see...とすれば残りは播磨か但馬か…」
同盟国ではないものの播磨は保科家の出身地であり縁も深い。
援軍を要請することは十分に考えられた。
「いずれにせよその二国が我が軍に敵対するような事態は避けたいわね」
「Why?」
「宗一の目標が東進だしね。不用意に東側に敵対勢力は作りたくないわ」
「? 皐月さんは宗一の東進に反対だったんじゃ…?」
「ふふっ、皐月ちゃんは一番宗一くんのこと理解してますからね。あえて苦言を呈しているだけなんだよね?」
「ちょ、ちょっとゆかりっ、勝手に変なこと言わないでよねっ」
「フフフ。照れない照れない」
「も、もう…」
真っ赤になる皐月をゆかりとリサは微笑ましげに見守る。
「と、とにかく備前に伝令を。播磨の動きに注意して。何かあったらすぐに知らせを」
「Yes,sir.…但馬はどうするの?」
「可能性が低いからね。とりあえず捨て置くわ。…それと、ゆかり」
「なぁに、皐月ちゃん?」
皐月は一旦言葉を切り前方を見やる。
わずかに沈黙の時が流れた。
「悪いけど…死にに行ってもらえる…?」
―――九州は奇妙な地である。
京の都から遠く離れ、四国と並んで“蛮地”と称されるこの地は、
魔物のすむ島と中央の人間から半ば本気で信じられている。
だが一転、世界の視点から見れば中心地はあくまで九州であり、倭の国とはすなわち九州のことである。
住人の多くは本州の人間に比べて顔の彫りが深く長身で、
蝦夷や琉球の地と同様に高天原以前の日本原住民の血を濃く継いでいると言われる。
また、古くから中国や朝鮮半島との交易の窓口として発展してきた地であり、時代の変化にも柔軟であった。
薩摩大隈の国のフレイ家、肥後のデュラル家など南蛮出身の領主が相次いで誕生したことや
豊後に月教なる新興宗教が起きたことなどはひとえにこの九州の特性ゆえであろう。
日向の国。
九州はさらに僻地であるこの国もまた変事の多き地である。
台風の相次ぐ被害による飢饉の影響でこの国では農民一揆が頻繁に起こっていた。
時の国主・丸井久氏はこの一揆をあくまで武力によって鎮圧。
一揆の勢力が絶えた後もその残党狩りに余念がなく、多くの民の血が流れていた。
久氏の政に失望した多くの民は彼の力の及ばぬ山地の奥深くに逃れ、“ニルヤの里”と称される独自の勢力を築く。
その後も久氏の暴政が留まることはなく、人心は彼から離れ、ついには家臣である那須大八郎の謀叛を呼ぶこととなる。
ニルヤの里の長であるさくやと通じた大八郎は内謁の最中に堂々と久氏を暗殺。
その後那須党を総員して瞬く間に日向の国を制圧してしまう。
―――世に言う“佐土原の変”である。
そして三年後…
佐土原の変後、大八郎は主殺しの責を負って隠居。
家督は末弟である那須二郎与次が継いでいる。
大八郎は隠居後、ニルヤの里でさくやと祝言をあげ、狩人として平和な日々を過ごしていた。
…あくまで表向きには、である。
というわけで九州編のさわりだけ。
名目上の当主は二郎たんということになりまつ。
備前の那須家と区別するために日向那須家とでも呼んでください。
まぁ、両家が関わることは展開上よほどのことがない限りないでしょうが…
それはそうと西近畿地方の大名分布…そろそろ決めておきたいんですけど…
天12は関東に行くようなので特に案がないようなら
史実大名を置く(或いは名無しで通す)つもりでつけど良いでしょうか。
(さすがにクラナドは発売を待つ期間が長すぎますし…)
名無しの豪族かなんかでいいんじゃない
ところで丸井ってあの人?
>>155 あの人でつ(w
ほんとは青村御所の変とかやりたかったけど
それは四国担当の専売特許だし(w
大名思考中
test
一月某日。小田原。
和樹:「ういっす。」
九品仏:「よくきたまいえたーなるどうしよ。」
和樹:「なんかやるきなさげだな」
九品仏:「これといったうごきがないからな。」
和樹:「ゆうのおかげでえらいめにあったわ。」
九品仏:「でだ。」
和樹:「ん?」
九品仏:「興国寺城が何者かに爆破された。」
和樹:「瑞樹を箱根に移動させてた筈だが・・・」
九品仏:「どうも食い違いがあったらしい。」
和樹:「やはり興国寺の物資を高天神城にまで全部移動させたのは不味かったか」
九品仏:「いくらなんでもまっとうに戦やらかす程度の食糧と金はどうしても必要だろうからな。」
九品仏:「ただのでっかい仕掛花火だな。」
和樹:「・・・・・・あんなもんに、だれが火つけたんだ?」
・・・・・・大庭領・某所
「せいこうしますた。」
「ぱぎゅう。ごくろうさんですの、おまいら」
・・・・・・小田原。
和樹:「まあ、いいや。」
九品仏:「いいのか?一応緒方領ということになってるが。」
和樹:「アレに関しては今はどっちにとっても邪魔だろ」
九品仏:「頭痛い駿河・相模の前線基地だからな。」
興国寺城は、駿河と小田原のど真ん中辺りにある丘陵地帯の城であった。
駿河側から見た場合は小田原城攻めの際の前線基地にもなるし、
相模側から見た場合は駿府城攻めの際の前線基地にもなる、紛争の地になりやすい場所だった。
和樹:「速攻で返すといったのは、こちらとしても安房上総攻めがあるし、それに相模武蔵の内政も
あんまり良い状態じゃねえ。それに、あそこに城建てるにしても川が無いから農業での収益も
大して上がらんし、行政管区としては正直効率が良いとはいえん。」
九品仏:「火つけた奴の顔を見てみたいものだが。」
和樹:「茶蕎麦ばっかだったぞ、送られてきた向こう(興国寺)の兵糧。」
九品仏:「さすが茶処。」
和樹:「で、一時的に本城を移すのか。」
九品仏:「ああ、だが、それは南女史の返事次第だ。」
現在、牧村南が伊豆の海賊・ジョン・オークランドを屈服させるべく伊豆大島で交渉中であった。
和樹:「にしても、凄い軍勢だな。」
九品仏:「なんてことは無い、これは全てが汝の力だ。」
小田原城眼下に、幾百槽もの関船が出撃の時を今か今かと待ちわびていた。
そこに集まっていた兵は、江戸に集結していた兵力一万、さらにそれを運ぶ相模の戦船。
九品仏:「三河に行っている間に出した書状の通りだ。
東を某の部隊、兵三千、中央を風見鈴香、兵4千。そして・・・」
和樹:「西から俺の部隊、兵3千で伊豆大島を一気に攻撃する。」
九品仏:「われらが軍勢は伊豆諸島の総人口を上回る。必ずや勝利しようぞ。」
和樹:「だが、コレだけの軍勢、果たして必要なのか?」
九品仏:「脅しだ。これも、表面上は水戦に慣らす為の軍事演習に過ぎぬ。」
和樹:「だが、問題は、やはり緒方だ。」
九品仏:「動けぬとは思うが、下手に警戒されてもまた難儀だからな。」
和樹:「ここは一時興国寺の事でいざこざになられても困るし、下手に出ておくか・・・・」
九品仏:「例えば?」
和樹:「そうだな・・・・興国寺の損害を補填するという名目で、金五千貫を緒方に渡しておく。」
九品仏:「今、5千貫は大きいが、まあ正直仕方あるまい。」
和樹:「そして、若し出来れば・・・・・・」
九品仏:「同盟、か。」
和樹:「ああ。」
九品仏:「難しい判断ではあると思うがな。もし緒方と同盟を結び、万が一緒方が上野を攻撃した場合は、
関東管領になる事が難しくなる。関東管領には、関八州制圧が最大の条件だからな。」
和樹:「だが、あそこを守るのは倉田佐祐理と川澄舞。小諸周辺を固めれば、緒方の軍でもそう簡単には、
抜けぬとは思う。」
九品仏:「だが、やろうと思えば、『抜く』事はおそらく出来るぞ。」
和樹:「だろうな・・・・」
九品仏:「だが、上洛の事も考えよ。緒方と結ぶは、東海道を封鎖されたも同じ。」
和樹:「だが、まだ裏街道がある。」
九品仏:「・・・・・水瀬・柳川・柏木を一気に抜く気か、同志。」
和樹:「・・・・・・関東東北を手中に収めれば、可能であろう。」
九品仏:「!!」
和樹:「・・・・・・まずは、関八州と東北を完全に手中に収め、東日本を完全に我が物とする。」
九品仏:「という事は、西はそれ以降か。」
和樹:「高尾・箱根は天下の険、ここを背骨として一気に陸奥まで制覇する・・・これは、わが秘中の秘だ。」
九品仏:「・・・・・成る程。」
和樹:「南さんの『市』の準備は進んでいるな。」
九品仏:「ああ。」
和樹:「新しき時代は確実に来ている。それを感じているのは道々の者達や切支丹を自在にを操詠美も一緒だろう。
だが、これからの問題は、その時代を作るべき新しき諸勢力と、どう折り合いをつけるかだ。」
九品仏:「・・・・・・」
和樹:「この『市』は、その時代に対処するべき方法を探る、一つの方策に過ぎぬ。」
九品仏:「・・・・・・・・」
九品仏:「使者として、ここは澤田真紀子女史に行って貰おう。緒方の内情は彼女が一番よく知っている筈だ。」
和樹:「ああ。」
瑞佳は自室に篭っていた。
(どうすれば良いの?)
長瀬からの貢物と戦勝報告を受けた、その夜。味方についた深山からの親書には三河国境での
緒方の間者による民百姓の虐殺行為や長篠城の接収、また渡辺家主力の本領安堵等による
深山の立場からの緒方への不信感。及び緒方の長瀬に対する敵対心は渡辺家間者頭
氷上シュンの諜報による結果という、深山の考えが書かれていた。元渡辺家、それで長瀬祐介に
尤も長く接していた彼女の意見は瑞佳を大いに悩ませた。
(由起子さんは長瀬に不信感を持っている様だし……)
美濃の小坂由起子からは『緒方との同盟が唯一の道』という意見が送られている。
瑞佳は傍らの本を一冊とってパラパラとめくり始めた。内容は頭の中には入ってこない。
そうしていると襖の向こうから足音がした。
「……瑞佳。起きてるか?」
「浩平?……入って来ていいよ」
瑞佳の声にゆっくりと入ってくる浩平。その表情はいつもよりも重かった。
「どうしたの?こんな遅くに」
瑞佳は浩平の方を向く事なく言った。
「……お前だって、起きてるじゃないか」
「……そうだね」
場が沈黙に支配される。
「……繭に言われたんだよ。『瑞佳おねーちゃんが落ち込んでるから慰めてあげて』って」
「……そう、繭が」
椎名繭。長森家の面々がまだ尾張の小領主だった頃からの個人的付き合いがあり
その付き合いは今ではそれぞれの家全体の付き合いになっていた。
「あの子にまで心配かけちゃってるんだ……」
「……落ち込むなよ。お前の後ろには俺達がいる。皆でお前を支えて行くって、あの時言っただろ?」
「……そうだったね」
元々渡辺が美濃尾張から撤退していったのは、かの「千庭の乱」の後による各地での混乱が原因だった。
それが長森家の立ち上げのきっかけであり、現在の状況を作り出した大元であった。
「しかし、まさかこんな事になるとは、あの時は夢にも思わなかったぞ」
「……そうだね。それに、みんなあの時と変わっちゃった………」
「変わったって……」
瑞佳の言葉に浩平は驚きの表情を向ける。
「みんなだよ……。私は元々こうなるなんて思ってなかったんだよ。
ただ、尾張の国の皆を守れればそれでいい。そう、思ってた。
だけど、みんな尾張を治めてから変わっていっちゃったんだよ」
「瑞佳……」
「それに何時の間にか美濃や三河にまで広がって……。私はこんな事 望んでなかったんだよ!
でも皆が本当に私の為になると信じていたから、止められなかった……。
……こんな事になるなら引き受けるんじゃなかったよ。もう私、疲れたよ……」
「……」
瑞佳は浩平の方を向く。その眼は焦点が合っておらず、何処か遠くを見ている様にも
何も見てないようにも、浩平には思えた。
「……瑞佳、すまない。……お前がそう考えていたなんて気付かなかった」
そう言って浩平は瑞佳に頭を下げる。
「……俺達はお前のためになると思ってやってきたつもりだった。
その事がお前を追い詰めていたなんて、考えもしなかった」
浩平は瑞佳の手を握ると、驚いたように瑞佳は浩平を見る。
「……今まで、お前に背負わせてきた事の少しでいい。俺にも背負わせてくれないか?」
浩平の言葉に心臓が大きく跳ね上がる瑞佳。
「え、え、ど、どういう意味?」
浩平を瑞佳を抱き寄せる。
「わ、わ、こ、浩平っ!?」
驚き慌てる瑞佳に、耳元でささやく浩平。瑞佳はそれを聞いて、さらに驚いた表情で浩平を見た。
「浩平、それは…………」
「頼む。このままじゃ長瀬と緒方の板挟みで長森家、いや皆がバラバラになるのは目に見えてる。
それじゃあ尾張以来、今まで俺達がやってきた事が、本当に無意味になる。
それを抑えるのには、この方法しかない。頼むっ!お前が俺を信頼してくれるなら
俺の言う通りにしてくれ。俺に任せてくれ!この通りだっ!」
浩平は畳に額を擦らせる様に勢いよく頭を下げる。
「……わかったよ。でも浩平」
そう言って瑞佳は浩平の手を取る。
「私には浩平の方が心配だよ……」
「俺の事なら大丈夫だ。それよりも準備の方を頼む」
「……わかったよ」
浩平は微笑んで頷くと颯爽と立ち上がり
「じゃな、半月後に会おうぜ」
と言って部屋を出て行った。瑞佳はしばし浩平に見惚れていたが、
ふと我を取り戻すと、少しにやけている自分に気付く。
「そうだ、準備、準備。今の私に出来るのはこれしかないんだから」
そう言って軽く顔を叩くと、机の上を片付け筆をとる。
(お金は、長瀬さん達からの貢物で間に合わせるとして……)
紙を変え、筆を走らせていく。時には書物を覗き込み、また別の紙に書き込んでいった。
翌日、清洲の城下町郊外に到着した長瀬祐介の陣に住井護の姿があった。
「戦後事務の都合で、対面は半月ほど先の事になってしまいますが、よろしいでしょうか?」
「ああ、それなら結構です。四老中の人ですら半月は長森殿と面談謝絶なのに、
こちらだけ、という訳にはいかないでしょう」
「そう言ってくれると助かります」
「ところで、外れの丘で何か祭壇の様な物の建築工事している様子でしたけど、
何か行事でもあるんですか?」
「え?いや、聞いた事ないですけど?」
不思議がる祐介を見て住井は正直に答える。印象として、長瀬祐介は偉そうには見えなかった。
「……まぁ、とにかく。そういう事なのでお願いします」
「了解しました。お役目、ご苦労様でした」
住井は頭を下げると陣から出て行った。
「……そういう訳で、兵を護衛の分 三百だけ残して、残りは近江まで連れて行って
また戻ってくれるかな、瑞穂ちゃん?」
傍らに居た瑞穂に祐介は言う。
「わかりました。それと他には?」
「それと、戻るついでに、畿内の外交交渉の進み具合を聞いておいてもらえる?」
「わかりました、翌朝には出ます。ところで折原殿との面談ですが……」
「会ってくれそう?」
「……いえ、館の方に居る事は居るんですが、例え重臣の方であっても
例外なく、誰にも会わないと言われてしまいましたので」
「そっか。一度会ってみたかったんだけどな。うん、ご苦労様」
瑞穂が陣を出て行くと、祐介は黙考し始めた。
(……半月。何を行うつもりだろう?しかも四老中を遮断してまで行う事?…………解からないなぁ)
.´ `v^) _______
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`l从 )) < 解除。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) イヤッホウ。
和樹様の野望、始動開始。本編(とうほぐ編)ももうすぐ。
伊勢の話が出ているんで、今急いで確認しているんですが・・・・
ひじりんを口説いていた隣町の医者が、実は今の遠野の執権なんですが、
正直、名前忘れました(泣)
金田でよかったような気がします、確か。
こみパのシナリオは殆ど終わってるんですがね。
残っているのは、まだ出てない「アレ」だけなんですが。
>>78-79の続きをまとめてみる。
各大名家の動きが急で、年4ターンの蒼天録に当てはめるのはかなり無理があるのですが、
一部は秋の戦略ということにしました。
2スレ目
1560年秋(続)
「政略フェイズ」
-各国政略中-
月島瑠璃子が何者かの流言を信じたため、月島拓也との関係が友好でなくなりました。
月島瑠璃子が何者かの流言を信じたため、月島拓也との関係が疎遠となりました。
摂津国衆が何者かの流言を信じたため、月島(拓也)家との関係が疎遠となりました。
摂津国衆が何者かの流言を信じたため、月島(拓也)家との関係が冷え切りました。
河内国衆が何者かの流言を信じたため、月島(拓也)家との関係が疎遠となりました。
和泉国衆が何者かの流言を信じたため、月島(拓也)家との関係が疎遠となりました。
藍原瑞穂が何者かの流言を信じたため、月島拓也との関係が友好でなくなりました。
藍原瑞穂が何者かの流言を信じたため、月島拓也との関係が疎遠となりました。
河内門徒・久宝寺御坊顕証寺が何者かの流言を信じたため、
月島(拓也)家との関係が疎遠となりました。
「軍略フェイズ」
長森家の那古野城が清水家の軍門に下りました!
高野山金剛峯寺の室町御所を守る者は誰もいません!
高野山金剛峯寺の室町御所が長瀬(祐介)家の軍門に下りました!
1560年冬
語り部「豪雪に見舞われた地域があるようです。軍勢が足止めを受けています」
摂津国衆が月島(拓也)家に対し一揆を起こしました!
「政略フェイズ」
-各国政略中-
月島(瑠璃子)家が盟主を月島(拓也)家から長瀬(祐介)家に鞍替えしました。
藤田浩之が那須宗一と友好を深めているようです。
豊後水軍が何者かの流言を信じたため、高槻家との関係が疎遠となりました。
那須家が岡田家と軍事同盟を締結しました。
渡辺家の提唱により渡辺家・清水家・広瀬家が長森家包囲網を敷いたようです。
清水家が渡辺家に従属しました。
高槻家が田沢家と軍事同盟を締結しました。
緒方家が長森家と不戦協定を締結しました。
緒方理奈が何者かの流言を信じたため、長森瑞佳との関係が疎遠となりました。
七瀬留美が何者かの流言を信じたため、緒方英一との関係が疎遠となりました。
折原浩平が何者かの流言を信じたため、緒方英一との関係が疎遠となりました。
長森家が何者かの流言を信じたため、緒方家との関係が友好でなくなりました。
柳川家が加賀門徒、御山御坊を支配下に置いたようです。
柳川家が越中門徒、瑞泉寺を支配下に置いたようです。
朝廷の斡旋により大庭家は千堂家・水瀬家と休戦し、不戦協定を結びました。
長瀬(祐介)家が深山家と友好を深めているようです。
長瀬(祐介)家が深山家と不戦協定を締結しました。
深山家が盟主を渡辺家から長森家に鞍替えしました。
「軍略フェイズ」
清水家の福地城を守る者は誰もいません!
清水家の福地城が霧島家の軍門に下りました!
月島(拓也)家の高槻城主、桂木美和が長瀬家に降伏しました。
月島(拓也)家の高屋城主、吉田由紀が長瀬家に降伏しました。
石山城の藍原瑞穂が月島(拓也)家を裏切り
長瀬(祐介)家に寝返りました!
月島拓也は長瀬祐介に降伏しました。
広瀬真希が合戦で敗北し、長瀬軍に捕らえられました。
広瀬真希は長森家に引き渡されたようです。
渡辺家の御堂が緒方家の軍勢により討ち死にしました!
渡辺家の興国寺城が千堂家の軍門に下りました!
千堂家は城を緒方家に引き渡したようです。
渡辺家の駿府城が緒方家の軍門に下りました!
渡辺家の浜松城が緒方家の軍門に下りました!
水瀬家の尾山城が柳川家の軍門に下りました!
水瀬家の大聖寺城が柳川家の軍門に下りました!
水瀬家の富山城が柳川家の軍門に下りました!
河越城の長谷部彩が水瀬家を裏切り
千堂家に寝返りました!
清水なつきが合戦で敗北し、長瀬軍に捕らえられました。
渡辺茂雄が緒方家の軍勢により討ち死にしました!
大名の渡辺茂雄が討ち死にしたため、渡辺家は滅亡しました。
渡辺茂雄の処遇は仮。
蒼天録ではどこかが流言か讒言を流していても、基本的には流されているという
事実しか分からず、内応工作は仕掛けられても基本的に表示されません。
また他大名同士の軍事同盟・不戦協定・包囲網も表示されません(従属、家臣化は
表示される)。このためある程度メッセージを補っていますが、蒼天録風にしたため
抜け落ちている行動もあることをお断りしておきます。
で、こうしてみると誰が前スレで一番暗躍したのか一目瞭然………。
>>170 >長森家が何者かの流言を信じたため、緒方家との関係が友好でなくなりました。
この下に追加。
長瀬(祐介)家が長森家と不戦協定を締結しました。
>>172 英二動きまくりと思ってたら、祐介の方が動きまくりでしたな。
一方、冬弥と美咲とその部下達はというと……
「……冬弥君。今どの辺かな?」
「……深志城は過ぎたはずだけど」
長瀬祐介が清洲に到着した頃から、およそ一週間後。
甲斐から逃亡している冬弥たちは道なき道を通り、北信濃に入ろうとしていた。
「なにしろ街道が使えませんからね。所々に警備兵が配置されている。
……まるでこうなる事を知っていたかの様に」
「そんな……。英二さんにとっては予定通りって言う事か?」
「そうでなければ、この動きは説明できません」
黙りこくる冬弥たちの横で、美咲がボソリと
「……ねぇ、やっぱり躑躅ヶ崎館に戻ろう?話せばきっと解かってくれるよ」
と言う。だが美咲の部下達はそれを真っ向から否定する。
「駄目ですよ!今戻ったら確実に殺されます!」
「でも!このまま逃げていているよりかは、誤解を晴らせるよ。
英二さんだって解かってくれるよ」
「無理ですよ!そうなるなら、そもそもこんな事にはなりません!」
「全く同感」
「「「「「うわぁっ!」」」」」「きゃっ!」
いきなり聞き慣れない声が間近で聞こえて、驚く一同。
「……まるで幽霊にでも出会った様な声を出されるのは心外だなぁ」
声がする背後を見ると、そこに居たのは微笑んでいる一人の男。
「あ、怪しい者じゃないよ」
(……説得力がないだろ)
冬弥はそう思ったが、驚きのショックで声にはならなかった。
「え、え〜と。……あなたは?」
もっとも落ち着いて対応した美咲の言葉にその男は『氷上シュン』と答えた。
「元渡辺家の間者で、今は仕事の最中なんだけど」
「仕事?」
「うん。君達を捜していたんだ」
その言葉に全員が緊張する。
「あ、緒方英二とは関係ないよ。むしろ緒方英二は僕にとっては敵さ」
「敵?それに『元』渡辺家と言うのは?」
「あ、それについてはね……」
そう言うとシュンはこれまでの緒方、渡辺、長森、長瀬の状況を、そして自分が
ここに来た理由をつぶさに語り始めた。
「……そんな事になってたんだ」
シュンの話が終ると、美咲が驚いた表情でシュンを見る。
「ま、というわけで。事実上緒方に敵対を表明している長瀬祐介と『今は』行動を共にしている訳」
「しかし、長瀬祐介と言う人物はそこまで考えていたのか」
「ま、本人は『我ながら妄想だとは思うけども』と言ってたし、僕だって信濃に入るまでは半信半疑だったしね」
そう話していると近付いている足音がした。
「氷上様、後をつけていた緒方の間者を駆逐いたしました」
「ああ、ご苦労様」
「如何にか捕らえようとしましたが一人を残して自害されてしまいました。申し訳ございません」
「まぁ、仕方ないね。で、その一人は?」
「はっ、こちらに」
そう言って猿轡を噛まされた一人の男が連れてこられる。
「残念ながら、外すとすぐに舌を噛もうとします。このままで尋問なさってください」
「解かった。それじゃ最初に、この謀叛騒ぎは誰の指示だい?」
男は少しも反応しなかった。
「……森川由綺と緒方理奈の争いをけしかけたのは誰だい?」
同じく反応はなかった。
「……緒方英二の指示じゃないのかい?」
反応なし。
「……『千庭の乱』の少し前。大庭に朝敵認定がなされる直前、君達は京に居た。違うかい?」
シュンにしか解からない程度に眉がピクリと動く。
「……これ以上は聞いても無意味なようだね。彼を適当に処置しておいて」
シュンの指示に部下たちは男を連れて何処かに行ってしまった。そうしてシュンは冬弥達の方を向く。
「ところで、これからどうするつもり?」
「とりあえずは海津城に入って、そして英二さんと対話しないとどうにもならない。
仮に長瀬殿の言う通り、英二さんの都合だったら尚更だ。
……それに由綺なら、今回の事が事実無根だって解かってくれる筈さ」
「その為にも、いま貴殿と行動を共にしてはこちらが困るのだ」
美咲の配下に言われ、シュンは一つ大きな溜息をつくと『解かったよ』と言った。
「ではこれで失礼する。またいずれ会えることを」
「ごめんなさい。助けてもらったのに、協力できなくて……」
「いや、気にしなくて良いよ」
「……ありがとう。そう言ってくれると助かる」
そう言って美咲たちは海津城に向かっていった。
「氷上様、良いのですか?」
しばらくして戻って来た部下達にシュンは笑って答える。
「あっちが言ってるんじゃ、ついて行き様がないよ。こっちも先に海津城に行こう」
「解かりました」
そう言って彼らは分散していった。
>>174 緒方家も実際は動いているのだが、祐介さんは前半は対月島、後半は対緒方と
動き回っていたから、単純計算でも2倍。さらに各諸勢力への工作をそれぞれ
1回と数えるとこうなってしまう。これだけ動き回っていながら、力攻めで
城を落とした記述がほとんど無いのが、徹底した謀略路線を浮き彫りにしている。
やっぱりえげつないね。
あと今の表から抜けている行動は…。緒方家の重臣幽閉は歴史イベント処理だな。
180 :
大庭など:03/10/10 00:27 ID:tIu4dML2
最下層あげ。
また悪禁くらった。
181 :
海津にて:03/10/10 02:59 ID:9UWRJ7Xw
「ええと、確認するけど……あれは海津城だよな?」
「紛れも無く」
「なら訊くが…… あれは何だ?」
「奉行連中の軍かと」
「そんな冷静に答えないでくれぇ……」
冬弥は呻きながら頭を抱えた。
紆余曲折のち、どうにか追手を避けようやく辿り着いた海津。そこは冬弥の知らぬ完全武装の兵でいっぱいであった。
「あの分だと城の中にも奴らは居るでしょうね」
「うぅ……どうすればいいんだ」
「さぁ」
「あの、藤井君……」
「何……美咲さん?」
「気のせいかもしれないけど…… 後ろから蹄の音が聞こえない?」
「えっ?」
耳を澄ます一同。……確かに聞こえている、しかもかなり近い。
「誰か来る……って、隠れろ!」
慌てて辺りの茂みに身を隠す。間髪を入れず騎馬武者が道を走っていった。
「尾行されていたようですね。これじゃ引き返す事も出来ませんよ」
「……もう駄目かも」
182 :
海津にて:03/10/10 03:01 ID:9UWRJ7Xw
「そうだ!」
護衛の一人が声を上げる。
「何だ、妙案でも浮かんだのか?」
「藤井殿がおとりになる……というのはどうでしょうか?」
「は?」
「奴らの狙いは藤井殿と澤倉様。そこで藤井殿が大声でも上げて道を突っ走って行ったらどうなるか……
この厳重警戒の中です、すぐに見つかって追われるでしょう。その隙に俺達が澤倉様を連れて逃げます」
「おい」
「御安心下さい、澤倉様は命を掻けても守り抜き無事な所まで御送りします」
「俺はどうだっていいのか?」
そんな冬弥の呟きを他所に盛り上がる護衛達。
「すばらしい、その案でいこう!」
「藤井殿の献身はきっと何時までも語り継がれる事でしょう!」
「……」
「でも、それじゃ藤井君が……駄目だよ、そんなの……」
それも美咲のこの発言で一変する。
「まったくです、全員で何とかしてこの危機を乗り越えねば!」
「さすがは澤倉様。その優しさは海よりも深く山よりも高い!」
(……これだから信者って奴は)
183 :
海津にて:03/10/10 03:04 ID:9UWRJ7Xw
「冗談はさて置き、本当にどうしよう美咲さん?」
「俺達は本気な訳ですが……」
冬弥は護衛達の発言を無視する事に決めた。
「うーん…… そういえば藤井君、最近まで海津城改修していたんだよね。
秘密の通路とか地元の人しか知らない道とか知らない?」
「あ、それなら俺知ってます」
冬弥おとり案を出した護衛が軽く手を上げながら答える。
「俺この辺の出身なんですけど、親父が猟師やってるもんでここらの地理にはちょっと詳しいんですよ」
「そういう事は頼むから早く言ってくれ!」
「いや、だって、あれは道って言うのもはばかられる様なものですし。大体何処に抜ける道だと思ってるんですか?」
「知るわけ無いだろ」
「越後ですよ」
「……でも、それって結構いいんじゃないか?」
暫く黙って考え込んでいた冬弥が口を開く。
「越後って事は水瀬領…… あいつ等もそこまでは追って来れないだろ。
それで当主の……水瀬秋子だっけ? に仲介してもらってもらうってのはどうだ?
あそこと俺達は敵対してる訳じゃないんだし、何とかなりそうじゃないか?」
「……でも今、冬だし…… 通れないんじゃないかな?」
「積雪の具合にもよりますが多分大丈夫ですよ」
不安そうな美咲に声を掛ける先程の護衛。
「防寒対策も万全ですし、道も解ります。それに冬の猟の為の山小屋もありますから食べる物にも困らないと思いますよ」
「よし、それじゃ決まりだな」
「でも……」
「どうしたの美咲さん?」
「水瀬領は……止めた方がいいんじゃないかな?」
「えっ、何で?」
「ほら、やっぱり他家にまで迷惑掛ける訳には…… 他の道を探してみましょうよ」
「恐縮ですがここからですとその道しか…… 何せ表の道は奴らでいっぱいですから」
「それならこの前の…… ほら、氷上君達に助けてもらうとか……」
184 :
海津にて:03/10/10 03:07 ID:9UWRJ7Xw
「突然どうしたんだよ?」
何故か焦る美咲に戸惑いながら、冬弥はほんの少し語気を強くする。
(この場から逃げる方法はこれしかない。それを美咲さんが解らない筈は無いのに……?)
「でも、でも……」
「ああああああああっ!! 泣かせたっ! 澤倉様を泣かせたっ!」
「と、冬弥殿!! なんて事を!!」
「落ち着けっ! 刀を抜くな! それに騒ぐな! 見つかるぞ!」
冬弥の言葉通り、近くで声に気付いた兵達が異変を告げる鐘を鳴り響かせる。
「うわっ、これはまずいですよ」
「……本当に逃げないと。このままじゃ皆、殺されるかも知れない」
その言葉に、ついに美咲は無言ではあったが頷いた。
冬弥は逃走中に考える。
何故、控え目な美咲さんがあんなに(やっぱり控え目であったが)水瀬領行きに反対したのか。
何故、自分達の行く先々に追手が待ち受けているのか。
それに長瀬の間者の氷上シュン…… 謎が多すぎる。
「俺の知らない所で何が起こってるんだ?」
独り言に答える者はいない。今は只、逃げるのみである。
そろそろ全面対決かの
長瀬と緒方の対立は避けられそうもない
冬弥が水瀬行くって、意外で面白いと思った。
長瀬vs緒方は、周辺大名の動向も相俟って要注目ですな。
海津城周辺、そこには冬弥達の後を追っているシュンの部下の間者三人が遠目に様子を窺っていた。
「どうやら藤井殿御一行は越後に向かうようだ」
「よし、氷上様に連絡するぞ。急がなければな……」
「そこまでです」
突如聞き覚えの無い声が響く。
「武器を捨ておとなしく投降しなさい。命だけは助けてあげますわ」
三人はまったく気配を感じなかった事に驚きながらも顔を上げる。
そこには女が一人、歳は二十代後半であろうか? かなりの厚化粧だがそれを差し引いても美人といえた。
「貴様……何者だ?」
「名乗る程の者ではございません」
「……緒方の忍びだな?」
「さあ、どうでしょう。雇用主を明かすのは商道徳の守秘義務に反しますので」
「どういう事だ? ……まあいい、兎に角、我等を見たのならば死んでもらう」
「やめた方がいいですよ? 彼方達では役不足です」
「行くぞ!」
芝居がかった女の台詞を無視し一斉に切り掛かる三人組み。
「仕方ありませんね……」
女は身動ぎもせずに呟いた。
「そんな馬鹿なっ……」
間者の一人は愕然としつつも、何とか言葉を搾り出した。
すぐ側には先程まで同僚だった者が物言わぬ死体となって横たわっている。
「だから言いましたのに。役不足、だと」
「き、貴様! 本当に何なんだ!!」
間者は本気で恐怖を覚えた。この三人はシュンが渡辺家から連れて来た者の中でもかなり名の通った者達である。
それがたかが数秒で一人にまで追い込まれている。とても信じられる事では無かった。
「答えませんよ、聞き分けが無い人ですね…… 氷上殿の部下にしては」
「!!」
「私が何故、正体を知っているのか不思議ですか?」
「突然何を! そんな事は知らぬ!」
「まあ、いいでしょう。後ろを見てください、謎が解けますよ」
その言葉に後ろを覗く、普段なら絶対に言われた通りに動かなかったであろう。
「おっ、お前は……」
瞬間、三発の銃声が三方向から響き渡る。
そして間者は驚きの表情のまま息絶えたのであった。
「……緒方の忍びがこの厳重警戒の中、そう易々と捕まる訳なかろう」
今は亡き間者の後ろから現れた男は決然と言い放つ。彼は紛れも無くシュンに捕らえられた者であった。
「お見事な腕前でした」
軽く手を叩きながら女が近づいて来る。それを合図に脇の林の中からも続々と男達が出て来る。
「いえ、これも高井殿のご指導あってのものです」
「ふふふ、そんなに謙遜しなくても……」
高井と呼ばれたその女は微かに笑いながら言った。
高井鈴美──知る人ぞ知るこの国でも十本の指には確実に入る忍びである。
彼女はこの地で多額の報酬と引き換えに緒方家忍衆の教育を行っていたのである。
その圧倒的な実力はまさに緒方家の切札といえた。
「でも……まだまだ報酬分には程遠いですわ。氷上シュンの行方は?」
「おそらくこの近くに潜伏していると思われます」
「そうでしょう。あの方々はずっと藤井殿達の後を追っているようでしたからね」
「我等の本拠地で……それも最重要機密に触れた上に、こんなに派手な事をして見つからずに済むとでも思っているのでしょうかね。
なめられたものです」
「こうして捕捉に成功して正体も判明したのですからいいではないですか。それに冷静でなければいい仕事は出来ませんよ」
高井は語気を強める男を軽く窘める。
「申し上げます」
そこへ音も無く新たな忍びがやって来た。
「敵忍衆本隊、およそ二十名ですが発見いたしました。同時に攻撃を開始しています」
「解りました。私もすぐにそちらへ参ります。
……そうそう、逃げられるのも癪ですので国人衆および農民達にも協力を要請してください。勿論、躑躅ヶ崎への連絡も忘れずに」
「御意」
翌日、渡辺家残党侵入の報を受けた信濃国人衆はこぞって兵を出し捜索を開始した。
農民達も身を守る為に鍬や斧を手に武装し集団で山狩りを始める。
シュン達がこれらの行動で捕まる事など有り得る筈は無かったが確実に足止めにはなった。
そして更に翌日、氷上シュンは高井鈴美率いる緒方家忍衆と対峙するのである。
高井鈴美って誰だ・・・。
と思ったら、Routesか。
時計店エージェントだな
すまんが一つ質問していいか?
俺はここで楽しく読ませてもらっている読み専だが、忍者がえらく万能な気がするんだ。
ああ、俺は歴史好きだが頭は悪く知識はないため、異議を唱えてるんじゃなく、純粋な疑問から聞いている。
志保が戦場において敵の大将を一発で狙撃したり、千堂家の会議でいくみんが司会をしてたり、シュンの侵入から弥生さんの権力、柳川の情報封鎖などなど。
情報戦が重要な事も忍者の役割が大きい事もわかるが、何か違和感が残るというか、凄すぎと言うか。もともと、忍者は少数かつ日陰の身だと思うし。言い方悪いが、所詮は人間だし。
まあ、主君にフレンドリーに接するのは気にしない。口調でキャラが判別できなくなるから。
馬鹿なこと聞いているならスマソ。
>志保が戦場において敵の大将を一発で狙撃したり
敵がじゃなくて同盟軍だったな、間違えてゴメン。
それぐらいならここでやってもいいんじゃない?
書き手に質問している形式だから、こっちだろ。
向こうでやったら本スレで聞けって絶対言われるぞ。
SSなんだし多少ぐらい万能でもいいんじゃん?
多少万能って謎な表現だな。
_| ̄|● おっしゃる通りです
あー、えーと、なんだ……このスレっぽく……面をあげぃw
>>192 忍者万能は蒼天録の仕様です。
諸勢力調査のために忍者についても少し調べましたが、蒼天録同様
万能に使われすぎと思う。
忍者といってもそこらの武士と実力的に大差ないのも多数いたようですし、
そう簡単に精鋭を養成できるとは思えません。
蒼天録でさえ、開始直後に暗殺が成功するほど甘くはない。
たしかに超級ですと
>>170のように謀略を連発してきますが、そうなるまでに
数年〜十数年は掛かります。
結局実際の戦国時代では何十年も掛かって進行した事件を数ヶ月で展開しようと
するからつい万能になってしまうのだろうと思います。
202 :
192:03/10/14 00:04 ID:uZj7qbMQ
>201
成る程。ペースを速めるためには多少の万能はやむ終えないと。
まあ、要するに便利屋として一番使いやすいというわけか。納得です。
萎えるような質問して正直すまんかった。SSの続き、期待して待っております。
203 :
201:03/10/14 02:28 ID:Wjvqj31j
>>202 私も忍者万能が続くと萎えるので(蒼天録でも大名暗殺を連発することがあり、
萎えること甚だしい。時には武田信玄や本願寺顕如でもあっさり殺される)、
もっと苦労して欲しいと思っています。
度を超すようなら適度に意見することは大事です。
現実の戦国時代では、忍者は職務上表に出にくいので表向きは他の職業として
振る舞っていた可能性が高い。伊賀流・甲賀流は土豪そのものだが、伊達氏は
農民を土地から離れないという理由で雇っていた。
また修験道との強い結びつきが指摘される一方、奇術師、猿楽師、虚無僧などは
忍者との結びつきはもちろん、変装にも多用された。甲斐の国人小山田氏は
浅間神社に仕える富士御師を忍者として使っている。
完全に家臣化した忍者と大名と独立した協力関係を結んでいた忍者があり、
戦国時代は後者が多かった。
伊賀は「くり(栗にはイガがあり、また京都から9里の距離だからという)」、
甲賀は「郷家」の隠語を用いていたが、たとえば「栗」のつく地名には
伊賀忍者の隠れ里もあったという。
流言飛語や内応工作は間違いなく行っていたが、やはり職務上記録には残りにくい。
戦場で敵の動きを知ったり奇襲を掛けたりした記録が残されている。
とはいえ、戦場で戦うよりも情報収集や工作が中心といえる。
(参考『歴史群像シリーズ71 忍者と忍術』学研)
小説で忍者が気になるのは、万能扱いもさることながら、どこの勢力の忍者衆も
規模的に巨大すぎるのも原因と思う。
>>201と重なるが、そうそう人手が
調達できるとは思えない。
あんまり制限つけると書き手も困りそうだから、
忍者が万能すぎるのはどうかと、と思う人もいますよ、程度で。
いくみんこと立川郁美ですが…
元々和樹ら千堂主流派には忍者としてすら知られていないんです。
郁美・表設定では千堂挙兵の際に戦の資金と家宝を和樹に大量に渡したさる名寺社かつ資産家の娘で、心の臓を患っていた程度の認識しか無いんです。
当然スポンサーですから千堂家内の地位も高い事は高いですが、積極的に内政や戦闘には立川郁美名義では参加してません。
今はただの姫扱いです。
忍者として最強の実力を持っている事は、兄以外では真紀子女史しか知りません。
実際の忍の仕事は兄と真紀子だけで十分なんです…
207 :
大庭系:03/10/14 07:51 ID:eR8zG6Qy
で、忍者総論についてですが…
元々スパイは、技についてはある程度最新技術は万能に出来ないと仕事になりませんし、そもそも城門爆破・城放火等の大技は火薬使用抜きに出来ないと思いますので、「一人や小人数でなら」万能といってもいいと思います。
私的には最大指揮可能人数の上下で判別をしています。
忍者技には狙撃暗殺毒霧等、卑怯な技が大杉なんで、普通の大名も忌避するし、忍者も表に出すのを嫌うんです。
だから集団戦法取られると、統率が弱くなる傾向がある。(軍団戦が得意な人も当然いますが)
忍者についての考えですか……
一応、自分としては
『商人や僧に化けている忍びの侵入自体を防ぐのはほぼ不可能』
『また商売のついでとして農村、町の様子を見てまわる、大規模な土木工事を見るのは捕える理由にならない』
『ただし、そこで絵に書き取る。何か事実(と思える)事とは異なる噂を広めるのは捕まる原因になる』
『当然道無き道に入れば『怪しい奴』として捕まる原因になります』
『敵の城、砦の侵入は規模や配置兵力、及びその忍者の能力にもよる』
(駿府城侵入に関しては、事前に『敵はうってでる』と言う弥生さんのセリフがあった為
渡辺勢出撃の結果として侵入が容易になったと解釈しました)
『忍者部隊を率いれるのはその忍軍出身者のみであり、個人の雇われ者は飽くまで個人行動しか取れない』
(これはそれぞれの流派が、個々の技術・文化を持ち閉鎖的社会であるため。
主家の意思によって他流を強制するのは『本来』不可能)
『本職以外にも別の職業も持っている』(と言うか、そうでもしないと関所を越えるのは不可能)
と言う事を考えてはいるのですが……。
さて実際その通りに書けているかどうか?(事実と矛盾してないか?とも言う)
あとは、大庭の人の意見と同じ。
自分が書くときは一部隊は一人から五人という事にしてます。
噂は勝手に伝わるものだから人数は必要ないし、侵入に関しては大人数だと目立ちますので。
ちなみに遠江方面に仕掛けた間者は田中含めて、二部隊七、八人といったところ
ちなみに間者の種類を『孫子』用間編より抜粋
因間…敵地の民を自国の間者として利用
内間…敵国の官吏を自国の間者として利用
反間…敵国の間者を自国の間者として利用
死間…敵国に虚偽の情報を持ち込み、敵国を罠に嵌める手引きをした後、敵国の手によって殺される
生間…敵国に潜入して諜報活動を行い、それを自国に報告する
>>205-208 丁寧な回答ありがとうございます。
なるほど、意外と少人数なのですね。
それにしては守備側も防備を固めている状況で成功率が高すぎな
気がします。
中の人がいない大名家相手だと反撃できないからこうなってしまうのでしょうか?
もう一つ質問ですが、諸勢力表
>>28では長瀬家≒六角家と見倣し甲賀流と
不戦協定を結んでいると推定していますが、問題ありませんか?
>>209 ……成功率。何をもって『成功』と定義すれば良いのかなぁ?
と言うよりの何処のシーンに対してかがわからないので、一応流言を例にとります。
まず間者の行動は『目的地(敵陣地)に潜入』『計略(流言)の実行』に分けられます。
まず潜入ですが、これは既に相手が交戦状態に入っているのなら容易です。
何故なら、死んだ兵士の鎧を奪って それを着れば簡単に潜入できるからです。
次に計略の実行。もしかしたら、この段階で『成功』と言ってるのかもしれません。
ですが『成功』と言うのはこの場合『大将の設定した目的を達成する事』であるので、
仮に流言を流す事に成功したとしても、相手がそれを真に受けなければ成功とはいえません。
A家がB家に『A家にとって都合のいい行動をB家にして欲しい』という『目的』の為に、
B家に流言を流すようA家の間者に指示し、間者がB家内に流言を流す事に成功したとしても
B家がそれを見抜いて『A家に都合のいい行動』をしなければその計略は失敗と言えます。
一応『成功率が高い』に関してはこんな答えにしておきます。
次に長瀬と甲賀の関係ですが、蒼天録をやった事が無いのでどう言えば良いのかわかりませんが
極めて親密な関係にあります。もっとも甲賀は長瀬に服従してる訳じゃないので、
不戦協定を結んでいるで良いと思います。……どっちかと言えば同盟関係ですが。
ちなみにその根拠としては、田中が駿府に潜入した時に使った睡眠薬です。
自分なりに調べたら、伊賀忍者は火の扱いや個人技に秀でていたのに対して、
甲賀忍者は薬の扱いや集団戦が得意、との事なので甲賀との関係を匂わせるために使わせてみました。
(実際、そんな薬があったかは知らない)
209氏、こんなもので良いですか?
>>209 さらに補足すると、
伊賀忍者の頭の忍装束には金文字でどでかく「通天閣」と書かれてます。
深く追求するな。
忍とはそう言う生き物だ。
213 :
209:03/10/14 20:27 ID:Wjvqj31j
>>211 了解です。
おおむね感じたのは
>>201の点なので、印象が先走っていた面があったようです。
手数をお掛けしました。
甲賀衆は蒼天録ではなく、史実の話です。蒼天録では中立勢力扱いです。
史実では六角氏と不戦協定を結び自治権を認められた存在で、1487年、六角氏が
足利幕府の討伐を受けた時は協力して退けています。
ただし甲賀忍者は他の大名家にも多数雇われており、しかも違う大名家に
仕えた忍者同士で情報を交換していたようなので、長瀬氏は史実の六角氏よりさらに
甲賀衆と親密な関係と思われます。
どうもありがとうございました。
214 :
209:03/10/14 20:31 ID:Wjvqj31j
>>212 (とりあえず笑い)
>>213 蒼天録では厳密には「不戦協定」では相互不可侵なだけで共同軍・援軍は受けられず、
「軍事同盟」で初めて軍事的に協力できるようになるのですが、史実の場合そこら辺は
曖昧なので。
蒼天録基準か史実準拠か
その昔、全国版では資金さえあれば忍者を千人雇えたのよな
ただ資金のたまる終盤だと成功率が下がるから、千人がかりで
暗殺を謀ってもまず成功せんかった…
つか怪しげな奴が千人も城下に侵入すればそら警戒するか
千人いたら、それはもはや軍隊だな。
どこの物影を見ても仲間がいて、鈍い奴は隠れられず、その内誰かが見つかり城内大警戒。
暗殺どころの騒ぎではなくなってしまいましたとさ……って、いっそ城に火でもかけちまえw
…いや、北朝(Ry
219 :
柏木千鶴:03/10/14 21:51 ID:eR8zG6Qy
>>218 御茶菓子を作って見ました。
少しでも領内の文化を発展させたくて…
北条氏なんかは数百人規模の忍者部隊で
ゲリラやったり夜討ちしたりしていたらしい。
特殊部隊みたいだ。
そこまでいくと、テロリストみたいだな。
つか、忍者ってテロリストみたいなもんか。
忍者の仕事の99.99%までは情報収集と情報操作で、
暗殺に用いられるのは極めて希なケースなんだが…
まあ、史実の戦国を当てはめてしまうと面白いモノにはならないしな。
所詮ここは葉鍵板。で、このスレはネタスレ。面白さ優先。リアリティは後回し。
それで良いじゃないの。
いや、さすがにヨークとかガディムとかウィツとかが暴れまわるのは無しにして
欲しいけど。でも最終段階では東北のウィツと琉球のガディムをどうにかせんと
ならんのか。うーむ。
そこらへんは農民一揆と琉球空手で倒されたってことに。
ウィツはハクオロと相討ちってことにしてしまえばいいんだけどな。
ガディムは…ティリアたちを放浪させて、数ヵ月後に暗殺って処理にするとか。
>227
それは大庭の人とまだ見ぬ九州参加者に委ねるべきかと…
大名思考中
今、水瀬の中の人っています?
あゆと久瀬の中の人をやりたいんですが、あゆは水瀬家所属だからと思って。
あと、真琴は今、何処にいるんでしょ?
中の人が途中で不在になった場合のルールがないけれど…
乗っ取りは何日放置で可能とか決めた方がよいのだろうか?
>>230 水瀬の中の人はいない様ですが、久瀬はどうやら緒方の中にいるようです
あゆと真琴は北越後にいるはずです
↑
水瀬家の中の人はどうもいないようなんで、大丈夫だと思います。
水瀬の場合は柳川の奇襲攻撃を受け、真琴・名雪・秋子・香里の部隊が急遽春日山に移動中、同時にネ右一も春日山に移動、あゆは新発田城ですが、雪の中であり、それにも関わらず正体不明の柳川の動きの方が速い事に気を付けて下さい。
柳川は一万数千、水瀬より柳川の方が動きが速いから恐らく籠城になるでしょう。
栞・おばさんは捕まってます。
越中の北川はいつの間にか消えた。
斉藤はどこだか忘れた。
必殺の奇跡をいつ使うかなんだよな、ここ…
南越後
春日山城に三千、援軍が一万一千。
武将の状況 秋子・真琴・名雪・香里および祐一が春日山城に向かっている。
北越後
新発田城に一千。
武将の状況 あゆが待機。
上野
箕輪城に八千。
武将の状況 舞と佐祐理が待機、負傷中らしい。
柳川の捕虜に栞と美汐。北川と斉藤は逃走?
関係ありそうな人達
彩 川越城にて水瀬家を裏切り千堂家配下に。
久瀬 緒方家より御迎えがあった模様。
冬弥、美咲 追手を逃れ越後へ入国。
周辺大名
柳川家 一気に加賀・越中制圧。このまま越後へ進撃するかは不明。
千堂家 勅命により同盟継続中なれど彩の件で関係は最悪、秋までの縁か。
大庭家 こちらも勅命により停戦中。国力の回復に努めている。
緒方家 今のところは関わりが無いが久瀬や冬弥達の事で何かありそう。
緒方忍軍本隊が動き始めた翌日の夜、信濃の一角に於いて緒方家忍衆と氷上シュンの部隊の
戦いが行われたが、圧倒的な数の差にシュン達は追い詰められていた。
「……わかった、降伏する事にするよ」
緒方忍衆に追い詰められたシュンは取り囲んでいた三十人ほどの緒方家忍衆を前に、
そう言って刀を地面に投げ捨てる。それに続く様に最後まで残っていた部下二人も同様の行動を行う。
周辺の死体の殆どがシュンの配下だった。
「縛り上げなさい」
高井鈴美の命に瞬く間に縛り上げられるシュン達。
「ふふ、こうも簡単に捕まるなんてね。いや、実力を考えればむしろよく持った
と言いましょうか?」
シュンはいつも通りの表情をしたままで連れて行かれた。
「それでは」
「…最後まで気を抜いちゃダメよ?」
「…はっ!」
高井鈴美の言葉に従って、きっちりと護衛されていくシュン達。
それを連れて行くのはシュンに捕らえられたあの男と他四名。逃げ出せるはずがなかった。
「高井殿、これで片付きましたな」
「そうね。所詮は自分の技量をわきまえない者達でしたわね。
これであれだけの報酬をもらってはなんだか悪い気がしますわ」
そう言って鈴美は笑う。
「…ところで、藤井殿は?」
「今頃は越後方面への隠し道に差し掛かった頃でしょう。あと半刻もすれば報告
に来るはずです」
「そうですか。全ては筋書き通り、ですか?」
そう言うと、鈴美は『ふふふ』と言って笑った。
だが、彼らは自分達こそが『筋書き』の中にいることを一刻後に痛感する事になる。
一刻経ったが、本隊の所に報告は来なかった。
「……如何したのかしらね?」
そう言いながら、鈴美は自分が少しイラついているのが解かった。
「……あ、来たようです」
見張っていた一人がこちらに向かってくる人影を見つける。
「……!何だ!?」
近付いてくるにつれて、その者が血まみれになっている事に気付いた。慌てて走
り寄る忍衆。
「如何した!誰にやられた!」
血まみれになっていた男は死にかけていたが、か細い声で
「……こ…う………が……」
とだけ言うと、そのまま息絶えた。
(甲賀……!まさか!?)
鈴美はただちに冬弥たちのいるであろう道に向かっていった。
「…な、まさか、そんな」
鈴美は目の前の光景にしばし絶句した。自分の教育した忍び一人が
一刀のもとに斬られて死んでいるのが目に入った。
「一体何が起きたんだ?藤井殿にこのような事が出来るはずがない」
そして離れにもう一人の死体があった。冬弥たちに越後方面の隠し道を教えたあ
の男だった。
「な、何故ばれたの?彼が忍びだと言う事が……」
「高井殿!藤井殿は越後に向かった模様です!」
「直ちに補足を!」
その指示に数人が走っていったが、ものの数分で叫び声が聞こえてきた。
鈴美が向かった先には、走っていった者達に仕掛けてあった罠の矢が刺さり、皆
息絶えていた。
「馬鹿な……。渡辺の連中は全て屠ったはず」
「……やってくれたわね」
鈴美が吐き出すように言った。
「こんな事ができるとしたら伊賀か甲賀の連中しかいないわ」
「な!?何故奴らがこんなところに……」
「…………」
鈴美が考えていると別の報告が届いた。
「一大事です!氷上シュンが……」
「ここも……」
護送のために奉行に引き渡した場所から、数里も離れていない所で十名ほどの兵
が倒れていて
それも全て首に針のような物を刺されている、言い方を変えれば
出血量の少ない殺され方をしていた。
「どういう事だ……」
さらにおかしい事にほぼ全ての兵の鎧が剥ぎ取られていた。
「……!まさか!」
鈴美はすぐに美濃との国境に向けて伝令を走らせた。
「助けてくれて、ありがとうね」
「……自分の仕事をしただけだ」
シュンとその部下二人に、長瀬祐介の要請によって南信濃に潜伏していた
甲賀の精鋭五名が加わった八名は、緒方の兵に化ける事で護送部隊の馬を盗み、
夜が明ける頃には深志城を通過していた。途中の検問や関所は緒方家の装備をし
ていたのと
自ら『渡辺の残党がこちらの方に逃れた』と言う伝令を行ったため、
怪しまれる事なく通過する事が出来た。
「氷上様、……同僚の多くが逝ったにもかかわらず死に損ねてしまいました」
部下の一人がそう言って涙を流す。言われてシュンは長瀬祐介との会話を思い出
す。
「これは……。僕達を囮にした挙句に死ねと言うのかい!?」
そう言ってシュンは祐介に頼まれた仕事内容が書かれた紙を机に叩きつける。
「……いやなら、やらなくても良いよ。元々無茶だと言うのは解かってる。
まして誇り高い忍者に民の虐殺に等しい行動をやらせるような相手だからね。
おそらくまだこちらが掴んでいない何かがあると思う。
やらないからと言って、それで君達への考えが変わる訳じゃない」
「そう言う問題じゃない!相手の本拠地に、しかも確実に敵の忍者が大量に
配置されているような所に、いるかどうか解からない『協調派』とやらを捜す。
しかも僕達の役目は甲賀衆の為の囮!?この作戦は僕達を壊滅させるのが目的かい!?」
あまりに大声で話をした為に、氷上の部下が慌てて押さえに入った。祐介は
「……確かに、無茶を形にしたような作戦だね。解かった。君の言う通り
この話はなかった事にするよ」
と言ってその紙を近くのたいまつにくべようとした。
「お待ちを!」
シュンの部下の声が祐介の手を止めさせる。
「……その仕事、是非我らに」
「馬鹿を言うな!生きて帰れないぞ!」
「だからこそですっ!」
シュンの言葉を振り切るように叫ぶ。
「長瀬殿、是非我ら渡辺の死に損ないに、良き死に場所を与えてくださいませ!」
「……反渡辺として動いた僕に、言う言葉じゃないんじゃないかな?」
「……長瀬殿ならば、渡辺様を死なせる事無く済ませていたと思っておりますっ……!」
「……どうして、そう思うんだい?」
「……長瀬殿の戦は『死者を出さない戦』とお見受けいたしました。
それ故、長瀬殿を恨み申しませんが、渡辺様に従い殉死する事が我らの最後の仕事と
心得れば……。是非!我らに死に場所をお与え下さいますよう!」
祐介は困ったようにシュンを見る。シュンは何か堪える様に静かに頷いた。
「……わかった。君達に任せるよ。……だけど死にに行くんじゃない。氷上君。
君は彼らを一人でも多く生きて帰ってくるようにして欲しい。……やってくれるかい?」
「……わかった。そういう事なら喜んで引き受ける。……ただし!」
シュンは大声を出し、そして静かに言った。
「……部下の中から希望者のみ、家族のいない者のみでやる事にさせてもらうから」
「……ゴメン」
「……いや、こちらこそ緒方に対して、一矢報いる事ができる機会を与えてくれ
た事に感謝するよ」
シュンは祐介に硬い笑顔を向け、祐介はシュンに申し訳ない様な、悲しそうな表情を見せた。
(そう、だから僕たちは生きて戻らなければならない。ちゃんと援護を送ってくれ
た祐介君の為にも……)
シュンは部下の方を向いて言った。
「お前達、生きて帰る事が任務だ。……それに生きていれば復讐戦を企図する事もできる」
「……はっ」
部下は涙を堪えながら、どうにかそれだけを言った。
緒方忍軍は、結局シュン達を再び補足する事が出来ず、国外脱出を許す結果になる。
さらに越後に向かおうとしていたはずの冬弥達の行方をも掴めなくなってしまった。
結果的に緒方忍軍は高井鈴美と言う切り札を投入したにもかかわらず
緒方英二の信用を失いかねない大失策を演じる事になってしまった。
一方冬弥達は何処に行ったかと言うと
(寒い……。いきなり連行されることになったと思ったら、どうして俺は飛騨の山
を登っているんだ……)
冬弥の前には道案内の猟師と『甲賀の下忍』と言う男が一人。
後ろには美咲とその部下二人、そして『甲賀の下忍』と言う男が一人。
全員揃って六人で飛騨越えをしている所だった。既に一月も半ばを過ぎ、春になる頃だったから
歩けない程じゃなかったが、厳しい寒さはこたえた。『甲賀の者』達が防寒装備を用意してなかったら、
今頃は大きい川と、そのほとりで服を剥ぎ取るお婆さんが見えていただろう。
(おまけに一人を『緒方の忍びだ』と言って容赦なく切り捨てるわ。有無を言わさ
ず飛騨越えをする事になるわ。
おまけに最終的には『長瀬祐介の陣に連れて行く』?まったく如何いうこった……)
高井さん、解雇されちゃうだろうな。雇われの身で、この失態は痛い。
冬弥組はこれからどうするか。長瀬陣営に加わるとしたら、理奈達の葛藤が面白そうだ。
とりあえず長瀬家は第三勢力の介入を避けたのか。
中国の長瀬家は、どうなった?
初期設定では森川家は緒方家と従属関係ですらなく、完全に独立した大名の
扱いだった。もし誰かが一度でも森川家を独立して動かしていれば、緒方家は
内部統一でまず時間を取らされたはず。
それを「派閥争いを装った芝居」という、ゲームでは通常騙せない全国地図まで
騙した芝居という設定を成功させ、無傷で内部統一に成功した。両家が分かれた
ままだったら長瀬家の一人舞台になっていたから緒方家としては成功といえる。
しかし、ここに来て設定の強引さがようやく足枷となってきたようだ。
さて、次の一手は如何に。
長瀬祐介はヤン・ウェンリーか?はたまたアルスラーンか?
ファン・ヒューリックとドクター・リーかな。
東日本は長瀬を中心に動いていきそうやね。
「……何時までここにいるの?」
「しかたないよ。あと数日の間だし我慢しよう」
「はぁ…… 由綺、大体ここ清洲じゃないんだよ」
彰の言うとおりここは尾張ではない。一行は本来茜の居城である美濃稲葉山城に留まっていた。
先行していた使者が瑞佳との対面を拒否された上に
たとえ茜が本人が来ても会えないと伝えられた事への抗議を示す行動である。
茜と詩子の帰還を聞きつけた配下の者や忍衆も集まって来ており
今にも(本人達にその気はないが)謀反でも起きるのではないか、という騒ぎであった。
「それにしても何をしているのかな、英二さんに里村さん達」
英二は弥生と、茜は由起子とそれぞれ別々の部屋で話し合っていた。
「きっと重要な事でも話してるんだよ」
「そりゃそうだろうけど……」
何時ものように溜息をつく。と、そこに遠くから地響きのような音が聞こえる。
「退いてくだされぇ!!」
見ればこちらに向かって凄い勢いで迫って来る騎馬武者。
余程慌てているのか飛び降りるように馬から下り、着地に失敗し呆然としている二人の前に突っ伏す。
「……こ、これは、森川様に七瀬様……」
よろよろと立ち上がる男に由綺が話しかける。
「だ、大丈夫!? 早く手当てをしないと!」
「……緒方様は」
「えっ?」
「緒方様にこの手紙を…… 一大事との事です……」
「くっ、はははは!」
稲葉山城の一室、そこには高井鈴美から届いた二日前の事件についての報告書を片手に
笑いを堪え切れない緒方英二と、全く状況についていけない篠塚弥生の姿があった。
「はははっ、こいつは傑作だ! このままいけば、大成功どころの話じゃないぞ!」
「いったいどういう事ですの?」
弥生は同じ様に報告書を読みながらも何故、英二が大笑いしているのか理解できない。
その中身は忍衆に甚大な被害が出ただの、長瀬家が気付きつつあるだの、二人の行方が解らなくなっているなどの
緒方家にとっては不利にしか成りえない事ばかりなのに……
「この件の表面だけを見て解ったつもりになり大騒ぎしている奴らがいるんだ。勘違いもいいところ、これが笑わずにいられるかい?」
「……?」
弥生は“この件”こと、藤井冬弥ならびに澤倉美咲謀反騒動の計画についての詳細を頭の中で整理し始めた。
計画の目的は“演出”によって生じた緒方派と森川派の統一にあった。
二人に他家からの内応による謀反容疑を掛け、外部に敵がいる事を家中に印象付ける。
それにより『内部で派閥など作っている場合じゃない、緒方家の危機だ』との意見を盛り上げ家臣や兵士の意思統一をはかる……
すべてはその為に行われていたのである。
「勘違いと言われましても…… 事実、落とし入れているではないですか、お二人を」
「あっ、酷いな。弥生さんまでそんな事言うのかい?」
「はい?」
「考えてもみてくれよ、何で俺が澤倉さんを落とし入れなきゃならないんだ?
彼女は優秀な内政官だ、信濃の発展は彼女の努力の賜物と言っていい。それに利用するなら藤井君一人で十分だ」
「……それは問題発言では?」
「まぁ、そろそろ弥生さんに本当の事を言う時が来たみたいだな」
英二は神妙な様子で姿勢を正す。顔もさっきまでのそれでない。
「簡単に言うと、皆複雑に考え過ぎなんだよ。弥生さんも長瀬家も」
「複雑……ですか?」
「何でもっと単純に考えられないのかね。信用無いのかな、俺って」
「……まさか」
「澤倉美咲は……受け取っていたんだよ」
「……何をですか?」
もう弥生には英二の言いたい事が解っていた。それでも……訊ねずにはいられない。
「そう、他家からの内応状を。それも一年以上前に」
「そんな馬鹿な…… 彼女に限って……」
「これが本当なんだな。俺はそれを過剰に演出しただけだ。
裏切り者は絶対に許さないのが俺の主義。そう、それだけ。それだけの事だ……」
それから英二は未だ動揺している弥生にあれこれと指示を出し、それも終えると立ち上がる。
「……じゃ後の事は頼んだよ。里村さんと協力して上手くやってくれ。
由綺と七瀬君は残していく。意味は……解っているね」
「何処に行くのですか? この重要な時に……」
「俺かい?」
懐に報告書をしまいながら返事をして、不敵に笑う。
「俺は長い長いこの“演出”に本当の終止符を打ってくるよ」
「……美咲さん」
夜。ここは飛騨の山小屋。
冬弥はずっと顔を伏せている美咲に心配そうに話しかける。ここ最近、ずっとこんな調子だ。
問い掛けにも殆ど応じず強張った顔をしている。具合を何度聞いても『大丈夫だから』の繰り返しである。
「……髪?」
不意に冬弥は美咲が握っている物に気付く。その言葉に慌てて手を引っ込める。
「この前斬られたあいつの遺髪……? 確か忍びだとか……」
「嘘よそんなの……」
美咲は顔を上げる。その目は真っ赤に腫れていた。
「彼は、私の為に、何時も何時も頑張ってくれてたの…… それなのに……酷すぎるよ……」
今でもはっきりと思い出せる、斬られる瞬間のあの悔しい様な悲しい様な、無念の表情が。
「……」
「でも……もういいんだ」
「美咲さん……?」
只ならぬ様子に近づく冬弥、だが……
「来ないで!」
「さっ、澤倉様!」
美咲は素早く立ち上がると隣に立てかけて置いた部下の刀を抜き冬弥達に構える。
「美咲さん落ち着いて!」
「私が悪いんだよ…… 一人で勝手に“演出”を真に受けて……」
「えっ?」
「皆にいっぱい迷惑掛けちゃった…… 藤井君や彼だって私がしっかりしていれば……」
「何言ってるか解んないよ!」
「……っ!」
叫びにならない声を上げると美咲は暗くまだ寒い外へと飛び出していった。
「ええっ!」
美咲が山小屋を飛び出したとの知らせを聞いた忍びは思わず声を上げた。
「無茶ですよ、いくら何でも!」
と、道案内の猟師。
実際まだあちらこちらに残雪がある上に決して平坦な道ではない。
「今から俺達は美咲さんを捜しに行く、危険は覚悟の上だ」
「解りました…… 勿論我々も手伝……」
「折角だけど、帰ってくれないか?」
「なっ、何を言ってるんです!?」
「長瀬殿の好意は大変嬉しく思っている。だけどあんたらは美咲さんの事を何一つ解っちゃいない」
美咲の部下は皆、誰よりも美咲の事を慕っている、そしてそれを美咲自身も知っている。
目の前で部下を殺されて、とても耐えられる筈がなかった。
「それにこれ以上俺達に関わらないで欲しい。このまま同行し続けると取り返しのつかない事になりそうなんだ。
俺も、美咲さんも……」
「ですが……」
「無理にでも止めようとするなら…… 斬ってでも行く」
「藤井殿……」
「長瀬殿には感謝していると伝えておいて欲しい」
そう言って冬弥と美咲の部下達も外の闇へと消えて行った。
驚きの度合いは柳川逆襲の時と同じくらい。
しかし、柳川の時と違って、こちらはちゃんと伏線を張ってある。巧いな。
読み合い且つ揚げ足の取り合いだから、詰め将棋のような雰囲気がある。
ひとつ、疑問なんだが…
水瀬家総帥・秋子女史、どこに居るの?
柳川の人の記述によれば春日山籠城っぽいが、
ここのまとめだと上野からの移動中…
秋子さん書きたいとは思うものの>230も居るし、
さらに秋子さんどこに居るのか微妙っぽいし…
柳川の人もしばらくカキコ無いみたいだし、
困ッテマスー ワタシ困ッテマスー
「……お帰りなさい。味噌汁が温まってますが、飲みますか?」
「……やけにすんなり行かせると思ったら。……嵌めたな?」
「……自分の意志と都合と判断でいかれたのに、その言い方は無いでしょう。
ま、全員無事でお帰りになったようですし、とりあえず火にあたったら如何ですか?」
冬弥達は美咲に追いついたものの、道は解からない、暗い、寒いの三拍子の前に、
山小屋に戻らざるを得ないことを悟った。もっとも当り前といえば当り前なので
山小屋で出迎えたのは甲賀忍者の慇懃無礼な声と冷たい視線、それに囲炉裏の火と暖かい味噌汁だったが。
もう一人は端に座って、冬弥達を睨みつけていた。
「……なんで我々が道案内を雇ったのか、よく考えてから行動して頂かないと困ります。
『出来る限り生きて連れて来るように』と言われてますので」
「……そうかいそうかい。俺が悪かったよ」
「……それじゃとりあえず美濃までは共に行くという事で手を打ちましょうか?
どうやら、美濃に緒方英二もいるようですし」
「……長瀬祐介の陣に連れて行くんじゃなかったのか?」
「……『本人の希望を最優先』だそうです」
「……そうかい」
結局、冬弥達は勢い良く出て行ったものの、また元の所に戻ることになってしまった。
「……そちらのお嬢さんは如何ですか?」
「……いただきます」
美咲の声には生気がなかった。
「お嬢ちゃん、少しでも腹に入れないと、明日持たないよ」
「……はぁ」
猟師の声にも返事なのか、溜息なのか判らない声を返す。
「……何か腹に入れるんなら、これでも入れたら如何だ」
端にいた甲賀の一人がそう言って美咲の前に何かを投げる。
……脇差だった。
「あんた!冗談にも程が……」
「黙れ!餓鬼は引っ込んでろ!」
突然の怒鳴り声に、冬弥も美咲も身体を強張らせた。その様子を見て
その忍びは性格の悪そうな笑みを浮かべると、続けてこう言った。
「はっきり言って、あんた最低だ。自分は誰かが守ってくれると勝手に思い込んでるから、
こんな事をやっても誰かがついて来ると考えてる。『悪いのは自分じゃない。他の誰かだ』。
そう思っているから、誰かに迷惑をかけていても気付かない。しかもそれが正当化できると思っている。
……日本中捜しても、あんたほど性格の悪い人間は居ないだろうな」
甲賀の言葉に、もう一人は聞いてるのか聞いてないのか囲炉裏に小枝をくべる。
「『迷惑をかけた』?『私が悪い』??『私がしっかりしていれば』???
ふざけるな!そこまで判ってて、テメェのやった事は何だ!何か考える訳でもない、
何をしようと決めてる訳でもない。考え無しに道も知らない山中に出て行った?
しかも帰ってきてみれば、勝手に落ち込んで何も言わねぇ?
気楽なもんだな、自分の生き方を他人に決めてもらう人形って奴は。
そんな気楽な生き方があるのなら、俺も教えてもらいたいもんだね」
罵倒されても美咲は何も言わなかった。
「いっそのこと、崖から落ちて死んでりゃ良かったんだ。そうすりゃ少なくとも
残りの三人のお荷物にはならなかっただろうさ!」
『お荷物』と言われて、美咲の体がピクリと動く。
「『優しい』だの言われて思い上がってるようだが、お前は優しいんじゃない!
他人に嫌われるのが、自分が傷つくのが嫌なだけだろうが!
だから事実を認めようとしない。自分の殻に閉じ篭って」
バシャァッ! カカーン
突然、何かを投げつけられた。美咲が中身の入った椀を投げつけたのだった。
椀そのものは大きく外れたが、中身が少しだけ忍びにかかった。
「……怒る程大層なものが、あんたに有るとでも思ってるのか?」
「……何も知らないくせに」
「は?聞こえねえよ!言いたい事があるなら…」
「何も知らないくせにっ!」
忍びの方も以外だったのか、思わず言葉を止める。冬弥達も含めてそこに居た全員が
初めて聞く美咲の怒りの声に圧倒されていた。
「私だって好きで裏切りの約束をしたわけじゃない!私は英二さんが嫌いだった!
他人を自分の好きなように操れると考えてるあの男が嫌だった!
出来る事なら自分であの男を追い出したかった!でも、そんな事が出来るほど
自分に力が無い事も判ってた!だから私は裏切る約束をしたのよ!
英二さんさえいなければ、由綺ちゃんと理奈ちゃんが当主の座なんて物を巡って争う事も無くなる!
みんな仲良くいられる!それの何が悪いの!?何がいけないって言うの!?」
大きな声で、すごい剣幕で叫ぶように一気に言い切る美咲。
美咲の剣幕とその内容にに冬弥と美咲の部下はショックを隠せなかった。
「……美咲さん。いま言ったの、本当かい?」
「……本当よ。だから英二さんの言った事は事実よ。謀叛人は私だったんだから」
「そんな……」
囲炉裏のパチパチという音が山小屋の中を支配する。冬弥も美咲の部下も如何すれば良いのか
右往左往している。その沈黙を破ったのは先ほどまで挑発的な発言をしていた忍びだった。
「……言い訳は終わりか?だったら次は如何する?俺達は別に如何でも良いがな。
ここまでつき合せた、そこの三人には如何するつもりだ?」
「……わからない。如何すれば良いのか、何をすれば良いのか。
……冬弥君、あなた達も知ってるなら教えて。私は如何したら……」
「甘ったれるな!それぐらい自分で決めろ!そんな事まで人に言われなきゃならないのか!」
忍びの怒号にも似た言葉に、美咲は小動物のように身体を震わせた。
「自分の意志で『裏切り』なんていう大層な事を決意したんだろう?
だったら!これからどうするか位決められるはずだ!」
忍びの言葉に俯く美咲だったが、しばらくして言葉を発し始めた。
「……冬弥君。私、やっぱり英二さんの所に行くわ」
「そんな!美咲さんが行ったら、殺されるよ!」
「うん。……でも、冬弥君達は助かる。だって冬弥君は無実だから。
冬弥君が私を連れて行けば英二さんは許してくれるよ、きっと」
美咲は悲しい目で、それでも笑顔で冬弥に言った。
「……美咲さん」
「…ね?そうすればみんな上手くいくの。由綺ちゃんとだって会えるし
はるかちゃんや彰くんともいつもの様にお話が出来るようになる」
「……美咲さん。それは違う」
そう言って冬弥は両手を縛るように差し出していた美咲の手を下ろさせる。
「俺達だけじゃ『いつもの様に』じゃないんだ。俺達にとっては美咲さんがいなくちゃ
『いつもの様に』はならないんだよ……」
「冬弥君……」
「藤井殿……」
冬弥は美咲の髪を軽く撫でると忍びの方を向いて言った。
「……改めて頼む。俺達は長瀬祐介に『降服』する。だから、連行して欲しい」
「……そこの嬢ちゃんも、それで良いのか?」
「……お願いします」
「……わかった」
「あ、それと……」
「……なんだ?」
「……ありがとう、ございました。おかげで胸のつかえが取れた気がします」
「……」
さっきまで強気だった忍びは、美咲の言葉に背を向けてしまった。
「彼は照れやさんだからね。それに素直じゃないし」
「……うるさい」
同僚の評にぶっきらぼうに答える。そのやり取りに美咲の顔にも久方振りに笑顔が浮かんだ。
「さて、それじゃ具がたっぷり入った味噌汁飲んでさっさと寝ないとね」
そう言って改めて美咲の分をよそった。
(……どうせ元に戻らないのなら、美咲さんを一人に出来ない。俺が守らなかったら
誰が美咲さんの悲しみを受け止めるんだ。……スマン由綺、彰)
冬弥は、心の中で、そう呟いた。
259 :
大庭担当:03/10/17 22:03 ID:bS+7oovm
水瀬家総裁水瀬秋子殿はいまんところ柳川の防衛の為春日山に向かっていそうな雰囲気。
正直大名なのにこの人陰でしか動いていない。
この人ここまでの大乱起こしていながら一回もまだ先頭切って戦って無いのよ。
何で動かないのかは謎。
祐一がかなり強いからなにもしなくていいのか、
まだ本気でなく千庭の乱、柳川侵攻・加賀越中攻略すら片手間で戦っただけなのか…
謎というより中の人が片手間で消えてしまったからでは…
大名自身は最強クラスの実力を持つだけに、中の人によってはまだまだ挽回可能。
だが急がなければ、周りの話が進んで詰まされてしまうのは時間の問題。
261 :
230:03/10/17 23:19 ID:9Y/aU9Xj
>253
ああ、すいません。
私がしたい中の人は久瀬なので、あなたが水瀬の中の人をしてもらっても全然構いません。
書き方まずかったですね、すいません。
262 :
230:03/10/17 23:26 ID:zuFKPuNl
甲賀さん、仮にも要人を怒鳴ってもいいの?
独立忍軍だから、他と違ってプライドが高いのかな……。
>263
落ち着け。
口調がかわっとるぞw
>>262 あれは交渉上の脅しと思う。
調略に脅し賺し宥めは付き物。
読んでいてびくっと来たくらいだから、直接脅された二人にはさぞ効果的だったろう。
史実の甲賀は土豪の連合であった性質上、独立心が強かったのは間違いない。
北へ、北へ。
水瀬家の軍勢が北へとひた走る。
「(…『鬼柳川』が黙ったままでいるとも思わなかったけれど…)」
「(…栞ちゃんに預けた北陸方面、ここまで早くひっくり返されるとは、ね)」
「(…すこしでも生きてるひとが多ければいいんだけどねぇ…)」
一団の馬群の中、美しい栗毛の馬を駆るは、水瀬家当主、水瀬秋子。
彼女の呟きはいつもこんな調子だ。
軽く首をかしげ頬に手をやり、かすかに微笑みをうかべて。
若くして病に倒れた夫の後を継ぎ、水瀬家の当主となって十余年。
未亡人ひとりの守る家、と侮りをもって襲い来る近隣の諸勢力を滅ぼし続け、
夫の忘れ形見となってしまった一人子を守らんと、それだけを思い続けてきた彼女の軍勢は
いまや越後を越え北陸・関東にまたがる広大な領土を統べる大勢力と化していた。
その行程の途上に、どれほどの危機が、どれほどの苦難があったことか。
美坂栞に委ねた北陸戦線が柳川裕也の奇計に嵌り崩壊、余勢を駆って柳川軍は越後へ乱入。
軍略に不慣れな者には水瀬家は崩壊の危機を迎えている、ようにも見えるだろう。
才あるとはいえいまだ経験に乏しい諸将にも、
不安と焦り、それを糊塗せんとする見せかけの高ぶった気勢が漂っている。
しかし、秋子はそれに流されることは無い。
勝勢のときにも敗勢のときにも常に穏やかな笑みを絶やさず、
その冷静さをもって状況を正確に推し量る。
それが彼女の真の将器、小土豪の未亡人を越後の主にまで押し上げた力なのだ。
上野から越後への関門、三国峠。
大部隊の行軍に耐える道としては事実上唯一のものといっていいこの峠だが、季節は冬。
つい先だって関東出陣のために巨費を投じて行った除雪作業も、
ほんの数週間の間ですっかり無に帰していた。
無論、越後からの荷駄や急使のために最低限の道は確保してあったとはいえ、
大庭領を窺っていた一万強もの大兵を平易に通せるほどではない。
自然、そこへ続く最後の平野部である沼田において、水瀬軍は行軍を止めて小休止せざるを得ない。
いくら焦る心にまかせて兵馬をせきたてたくとも、肝心の道が狭すぎる。
細長い隊列を組んでおそるおそる雪道を通り抜ける以外に、道が無いのが現実なのだ。
自然、沼田城における軍議も過熱せざるを得ない。
口火を切ったのは沢渡真琴。幼い口調とあどけない外見に似合わぬ家中屈指の豪将。
「三国を越える先陣、ほかにはぜったいゆずらないからねー!
春日山のお城を囲んでる柳川勢なんか、真琴がけちょんけちょんにのしてやるんだからーっ!」
…聞きようによらずとも子供の喧嘩にしか聞こえないのが、難だが。
それに続けるように、反対側に腰を下ろしている美坂香里が口を開く。
「今回の敗戦で傷つけられた美坂一族の武名、必ずや私が取り戻してみせます」
文武両道に長け、将来を嘱望される姫武将。
その口言いは物静かではあるが、……目が、笑ってない。
戦の先陣は武門の名誉、生死を問わず戦後の論功では高く評価されるのは言うまでもない。
しかしこの両名がこの日の軍議で特に熱く先陣を申し出たのは、特殊な事情がある。
柳川軍によって加賀・越中が奪還され北陸方面軍が壊滅したときに、
その主要な武将たちの多くの消息も途絶えている。
情報収集のために従軍していた天野美汐、天野家は沢渡家の近隣の土豪勢力であり姻戚関係も深い。
何より美汐は真琴の幼なじみであり、姉妹のような付き合いを長く続けてきていたのだ。
そして…内政官として北陸方面を任されていた形の美坂栞は、香里の全妹……要するに父母を同じくする、本当の姉妹。
美坂本家を継いだ姉の香里、分家を率いる妹の栞。
二人とも、今回の戦で槍働きに身を投じたい理由がそれぞれにある、というわけだ。
その二人の威勢にたじろぎかけているのが、水瀬名雪。
言うまでもなく秋子と亡夫の娘であり、いまのところ唯一の水瀬家直系血族、である。
直接戦闘に関しては先の二人にやや遅れをとるところもあるが、
その戦略機動、要するに行軍だ…の早さについては家中随一との評判も高い。
評判は高い……が、しかしそれもこのように同輩二人のちらす火花に退いてるようでは威名もあがらない。
母譲りの穏やかな性格もあるのだろうか、このような軍議の場においてはちょっと引いた立場に居ることが多い。
喧々囂々の口論を続けている沢渡と美坂のそばに居れば、それもやむなし…とは思える、のだが。
のだが。
半刻後、水瀬名雪はその二人の刺すような視線をモロに受けることとなる。
「そうですねぇ……じゃ、先陣は名雪にやってもらいましょう。
南越後の皆さんにはひさしぶりに見せる姿なのだから、
おもいっきり目立つように旗指物はしっかり用意しておきなさいね」
母であり主君である水瀬秋子から、あっさり下された決定。
「う、うそぉ……っ」
「名雪、返事は?」
「あ……はい、かしこまりましたぁ…ううっ」
「了承♪」
主君への礼として頭を下げた名雪だったが、
背後の二人の顔を振り返る勇気を起こすことは、ついに無かった……と、
後の史書は述べている。
一年程前、緒方家本拠地、躑躅ヶ崎館
(いったいこれから如何なってしまうのだろう……)
美咲は自室から外を見て考え込んでいた。
彼女を憂鬱にさせているもの……それは激しさを増している森川派と緒方派の派閥争いである。
ほんの最近までは皆で仲良くやっていたのに今では家臣団の仲は最悪、兵の喧嘩など日常茶飯事だし死者まで出る始末。
さっきも両派の使者が協力を求めてやって来ていた。
(誰もこんな事を望んでいる筈は無いのに…… 何で英二さんは止めようとしないの?)
更に英二は領主として事を纏める責任を全く果たしていない…… いや、面白がって煽っている様にすら見える。
今日も家中の騒動など知らぬかのように、只何時ものように命令を出すだけであった。
「こんな所に…… 何かしら?」
ふと、外に何か落ちているのに気付く。今思えば何故拾ってしまったのだろうか?
『民を苦しめ、臣すら纏められぬ緒方英二の甚だしい悪政。
このまま許しておいていいのだろうか?
之を正さんとする勇気ある者を待つ。 詳しくは屋敷裏にて』
中にはそう書かれていた。
それは具体的な目的も、出し主も書かれてはいなかったが明らかに英二に敵意を持つ者の手紙。
普段なら一も二も無く届け出ていただろう。しかし……美咲はそれをしまい込む。
もし私が出奔したら、皆この危機に気付いてくれるかもしれない……
もし私が騒ぎを起こしたら、皆正気に返ってくれるかもしれない……
もし私が裏切ったら、皆仲間割れの虚しさを解ってくれるかもしれない……
皆が元のように暮らせるなら自分が犠牲になっても……
その時、美咲の腹は決まった。
現れたのは水瀬家の間者。徹底した領土拡大路線を進んでいるのだからこの隙を見逃す筈は無かったのだ。
かくして美咲は内応し謀反する準備を始めるのである。真実が伝わる、その日まで。
“演出”判明後はきっぱりと水瀬家との連絡も絶ち、派閥解消にも奔走した。
しかしどうしても内応の事は言えなかった。自分の事を考えたからではない、水瀬家に迷惑を掛けたく無かったのだ。
だが、それは最悪の判断であった。
すべてを把握していた英二にとっては都合が悪くなったから止めた……そうとしか見えなかったのである。
──緒方英二とある無名者の会話──
「失礼致します」
「うむ、呼びつけてすまなかったな」
「しかし私などに何の用ですか? そもそも澤倉様直臣ですし……」
「これを見てくれ」
「何です、これの手紙は?」
「……い、いったい誰ですか! こんな……とんでもない事を!」
「解っているのだろ? この手紙の出し主を?」
「何を言っているのですか! そんな事知るわけが……」
「この花押に筆跡、そして文章。名前こそ書いてはいないがまぎれも無く……」
「冗談はよしてください! そんな事がある筈が…… きっと、きっと誰かの陰謀ですよ!」
「残念だがこれは澤倉君の部屋から出た怪しげな者が持っていたんだ。
さらに水瀬家からの内応状も何通も確認されている」
「水瀬家……」
「一つ重要な事を教えてあげよう。今起こっている派閥騒動……あれは全部やらせだ。
由綺に理奈、それと弥生さんと協力してね」
「なっ……」
「目的はいろいろあるんだが…… その一つに忠誠心の確認があってね。
皆を試させてもらったんだよ。で、この結果だ」
「そんな……」
「内応者は一人だけだ。本当に……本当に残念だよ」
「……処罰はどうなるんですか?」
「普通に考えれば打ち首、よくても島流しってところだが…… 君の心掛けしだいかな
「えっ?」
「越後まで澤倉様と一緒に──ですか?」
「そうだ。その後はどうにかして水瀬家に入り込んで欲しい」
「……何の為です?」
「余計な詮索はして欲しくないな。兎に角、そうしてくれれば澤倉君への処分も取り消そう」
「何故私なのですか? 優秀な忍びでも……」
「澤倉君の事だ、彼女だけなら捕らえようと人を差し向けても自ら出頭するかもしれない。
しかし大切な部下である君がいたらどうだ?」
「……」
「安心してくれ、他にも数名付ける。藤井君でも加えたら効果は倍増だろうな」
「藤井殿も巻き込むのですか……」
「彼は危険だ。何時か騒動を起こす……そんな気がしてな。
それと報酬だが勿論出るぞ。信濃半国を君に与えよう。どうだ?」
「一つお願いが御座います」
「報酬の他にか? 何だね?」
「その信濃半国をどうか澤倉様に……」
「……ほう」
「この話通りに大事になれば必ずや反省して下さるでしょう。そして領地を下されれば御二人の間のしこりも無くなる筈です」
「ははは、流石は信者さんだ」
「どうかこの通りです!」
「解ったよ。正直なところ、俺も澤倉君を手放したくはないからね」
「……本当に有難う御座います」
──信濃・躑躅ヶ崎館への街道──
「ちょっと待ってくれ」
英二は護衛に待つように言って馬を降りる。
そこにはできたばかりの祭壇、そして磔になっている幾つもの死体。
祭壇の方には『領民を守り緒方家に忠義を尽くした英雄達 ここに眠る』の言葉と共にたくさんの花が飾られている。
そして死体の方には『領民を虐殺し我らに逆らった愚かな大悪党 氷上シュン一派の末路』の立札がある。
死体は民衆の悪戯か、もしくは相当な恨みを買っているのか。石を投げつけられ悲惨な事になっている。
「正々堂々と戦った兵ならばこんな扱いはしませんでしたのに」
「……高井さんか」
「今回の件、真に申し訳御座いません……」
「まあ、その話は後で。何か変わった事は起こらなかった?」
「はい。理奈殿が躑躅ヶ崎に帰還しました。家臣の動揺を抑えるのに尽力なさっています」
「そうか。気が利くようになったもんだな」
「また、都より帝の使者が宣旨を携え御出でになっています」
「やっと来たか。で、誰だ?」
「河田権中納言殿と御見受けしました。待ちくたびれしょぼんとしていますわ」
「それは悪い事をしたな。急いで帰るか、高井さんも来てくれ。いろいろと話したい事がある」
そう言って護衛のいる方に戻って行く。既に鈴美の姿はない。
最後に祭壇を見つめ誰にも聞こえぬ声で呟く。
「……おのれ長瀬祐介、図に乗りおって。家臣を失う口惜しさは俺だって同じだぞ!」
水瀬家中の人誕生の予感 230さんかな?
>>230 久瀬返しますか? 何とかなる……と思います。
275 :
253:03/10/18 23:17 ID:R4VhzsGU
あ、私>230さんじゃないです。 別人w
やっぱり嵌めたのか。
>>248の台詞をよく読もう。
そう、澤倉さんが内応に応じたとは一言もいっていない。
どちらに転んでも話を進められるように情報をぼかしているのがうまい。
どちらにしても………
演出作戦開始
↓
美咲、家中を諌める為に内応に応じる
↓
英二が内応に気付く、美咲の家臣と取引
↓
演出の内容が知らされる(全重臣にか?)
↓
美咲、内応取り消し。しかし打ち明けず
↓
英二、美咲の態度に悪意を感じる
↓
渡辺領侵攻開始
↓
作戦決行
↓
が、美咲の家臣が斬られてしまう
って感じだと思うが
ここで問題なのが英二が美咲さんの本心に気付いていたかどうか。
気付いて無かったら…… お互い勘違いの末の悲劇だ。
でも一番の被害者は美咲さん信者その一。
たしかに英二の協力者であったが美咲を思っての行動だったし。
G13型トラクター買いたし至急掲載乞う
詳細は専用掲示板。
分かっていて見せしめにばっさり、というのはありそうな話。
何をやってもおかしくない、というハッタリを効かせている。
ただ、長瀬家と緒方家はどちらも極端な信義無用謀略型だが、長瀬家は卒がなく
なかなかボロを出さない。緒方家の方が若干人間くさい分弾劾しやすい感じだ。
今後の展開で明らかにされることでしょう。
東北・・・・・・
東北・千台。
一人の男が、岩屋の前の神鏡の前に座していた。
男は、一心に何かを祈っているようにも、眠っているようにも見える。
「聖上。」
もう一人の男が、その部屋の中に入ってきた。
「・・・・・・知っておる。」
「・・・・・・」
岩屋の前に座りし、その男は、表情を変えぬままに答える。。
「・・・・・・民の事であろう。」
「残念ながら、予想通りで御座いました。」
「・・・・・判っておる。」
その国主は、静かに後ろを振り返る。
「民が飢え、母は泣く子を抱きながら我々に救いを求めている。
だが、我々の力だけで、こればかりは、どうにもすることもできぬ。」
男は、さらに言葉をつなげる。
「そうであろう。
ムント。」
御神屋迎。(オンカミヤムカイ)
彼らは、元々東北征伐の際に設立された、和人中心の東北探題職、であった。
しかし、今では現地の宗教と融合し、イノンノイタックル・・・・・・、つまり神主と合わさった
存在となっている。
元々、彼らは政府と宗教とは離れていた存在であった。
しかし、相次ぐ民族間のいざこざが絶え間なく続いた為に、最終的には中央政権とのパイプが
途切れてしまった。もちろん、中央政権とのつながりを保つ為に、海賊討伐・山賊討伐に兵を出した事は
数知れず。しかし、なぜ故か、圧倒的な力を保有する勢力も現れ、にっちもさっちもいかない状態に
成っていく。
「・・・・・なんとしても、せめて関東探題との連絡を確実とする手段を探らなければ成らぬ・・・・・」
しかし、言葉をさらに続ける。
「とは申せ、そういい続けて50余年になりつつあるな。」
「仰せの通りで。」
(討伐する兵を養うにも、それを雇うるだけの兵糧が足りぬ。兵糧がなければ戦にもならぬ。)
「・・・・・・・」
「領民の数は。」
「現在推定では12万から15万、そして、町に流通する食糧の量は、現在では恐らく10万石程度・・・」
「現在、我々は17万石の領有を果たしておりますが、7万石は国家財政の基盤でございます故。」
「この状態では他国からの兵糧をまた買うより・・・」
「それは私は反対です。」後ろより、羽根の生えた一人の清楚な女性が現れる。
「金があってもそれ以上に米相場が既に現在、上がり過ぎておりましょう。」
この背中に羽根の生えし娘の名をウルトリィという。御神屋迎の皇女にして、学徒である。
「蝦夷の食料をこれ以上大名家が買い占めれば、さらに蝦夷の米相場は暴騰を招きましょう。」
我々は、蝦夷6州の全ての管轄を行わねば成らぬ立場の筈。
これ以上、兵糧相場に介入する事は食料の暴騰を招く事になり、蝦夷6州の民全てを更なる
飢えに招く事になりましょう。」
「姫様。しかし、現在の米倉では領民に養いえるだけの米食料がございませぬぞ。」
男は困惑の色を隠せない。
「ムント、残念ですが、それはどこも同じです。」
「姫様」
ムントが制した。
「これ以上民に、米食料の開放は出来ませぬ。我々とて、国家運営に係るだけの経費があるのですぞ。」
「・・・・・・」
「最近の山賊や、ノセチェシカの騒動で、軍事方としてもタシロ(山刀)やエムシ(刀)の不足がおき、
我々の方に常に嘆いておりまする。」
「・・・・・・」
「姫様、軍事の事ももう少しお考え遊ばされても・・・・・」
「民が滅んで、如何にして国が成り立ちましょう。」
「・・・・・・はあ、なんと申せば宜しいのやら・・・・」
「ウルトリィ、御神前だ。・・・・・・今は慎むが良い。」
ワーべの声が静かに、岩屋に響く。
「・・・・・・評議は、朝廷で行おう。」
御神屋迎・朝廷。
「して、各地の情勢は・・・・」
「はい。」
神官が答える。
「・・・・・・脱北者の話を統合いたしまするに、現在、ミナセコタンとオオハコタンとの間で、
大乱が再度起きたようでございまする。」
「ミツミの地で大乱だと?」
「はい。」
「また、クンネカムンの北、ヒサセコタンはミナセコタンの奇襲を受け滅亡」
「何時の事だ。」
「判りませぬ。三月前とも五月前とも。ただ・・・・・・」
「ただ?」
「ミナセコタンのアキコの息子のアイザワと申す者が、テッポウを馬上で操ったという話が。」
「はて。」
ムントが口を開いた。
「テッポウはオオハコタンの者から聞いた時は、馬上で操る物では無いと聞いたが。」
「使えるのやも知れませぬ。」
ウルトリィが静かに返す。
ウルトリィ:「我々は、未だ話に聞くテッポウなる物を見たことも在りませぬ。」
ムント:「コグリョコタンに伝わる火箭をさらに改良したものとは聞いておりますが。」
ウルトリィ:「ふふっ、あのような大掛かりな物を馬上ではまず操れないでしょう。
何かしら、小さいものには相違ありませぬ。」
ワーべ:「して。」
ワーべ:「ミナセコタン・オオハコタンに向かわせた密偵はいかがした。」
神官:「帰ってまいりませぬ。」
ワーべ:「やはり突破は無理であったか・・・・・・」
判ってはいた。だが、やはりワーべの顔から落胆の色は隠せなかった。
昔こそ幕府直轄のオンカミヤムカイに対抗する勢力はいなかったものの、
いまでは日本中央の勢力の混乱もあり、事実上オンカミヤムカイは実力自体は脆弱と
いわざるを得なくなっていた。
北には強国と化したシケリペチムと鎖国を続けるクンネカムン、
南には半ば盗賊団となった騎馬民族ノセチェシカ、そして中央との連絡を絶っている最大の
原因であるカナモリの勢力。
彼らの動きと呼応して、蝦夷は盗賊団・小勢力が跋扈する大混乱状態に陥っていた。
特に・・・・「あのシケリペチムが操る『大碗口』とか申す火砲は一体何なのでしょうか。」
ムントがため息をつく。
『大碗口』。
その名の通り、大きなお碗のような形をしている大砲である。
本来なら火薬の技術など未だ伝わっておらず、このような大砲を持っている事自体が不思議で成らぬ。
「・・・・・・・・・・・・・・」
ワーべは黙っている。だが『何なのでしょうか』などといわれても、すでに大体憶測はついているのだ。
「あの国、か。」
あの国とは、コグリョコタンのことである。和名、高麗。
海の向こうの国であり、大和の隣、九州の真北にある大陸国家である。
「しかし、あの国の関与に関しては、未だ証拠はありませぬ。」
これに対してはウルトリィも黙っている。
北方・陸前にはスオンカス率いる和人の一派があるが、その者達は現地の蝦夷の人々を盛んに捕らえ、
奴隷としてその国に売り捌いているという話もある。またそういう奴隷に関しては、女、特に少女が
好まれ、話によると処女であるか否かの検査までして輸出しているといううわさすらあった。
この件に関しては、極めて慎重にならざるを得なかった。
なぜなら、蝦夷は他民族の集合体であり、耳の形や羽の在る無しで民族そのものが変わってしまう、
日本の和人勢力とは比べ物にならないほど各民族間の民族意識が高い地域なのである。
それは高麗人に関しても同じ面がある。高麗人に対して厳しくすれば、それに呼応して他民族も
その理由を悪用して何をしでかすかはわからない。
何故に奴隷として少女らが必要なのか、高麗の狙いすらよくわからなかった。
自国の性産業のみなら普通なら生まれる比率は男女は大体一対一、そこまで少女をほしがる理由など
無いはずなのだが・・・
「・・・・・・」
ワーべも黙らざるを得ない。内は食料が無く、外は敵が強い、正に内憂外患であった。
※「コタン」 蝦夷における国のこと。関東以西の和人の国の場合は彼らはそう呼ぶ。
一方、ミツミの地、オオバ(カ)コタン。
「米は買えまへん。」
「ばきゅ?」
「買わん。」
「ばきゅ?」
「買わねえゆうとるやろうがこのボケがあああああ」
「ばきゅうううううう!!!」
ばきゅ〜ひどいですの〜〜〜
===大庭家経済諮問会議===
【千紗】「にゃあ〜〜何なんですかこの米相場は。」
【詠美】「まあ、野望の武将風雲録換算で米相場1あたり0.2ってとこ。」
【千紗】「・・・・・・・・・」
【詠美】「この米余りはどーしょうも無いわね。」
【千紗】「米売っても金にならなきゃお米に意味が無いですよ、詠美のお姉さん。」
【詠美】「ほーしゅー(報酬)はしたぼく(下僕)どもには銭で出したけど、
問題は武器の値段と火薬の値段が通常の30倍以上の値でデフォって事ね。」
【千紗】「にゃあああああああああ」
【詠美】「ポチと謎じゃむの締め付けがここまで悪影響及ぼすとはね」
【千紗】「なんでそんなに米相場下がってるんですか?」
【詠美】「大量に米を売られたからよ。北うぐぅに。」
【千紗】「にゃあ?」
【詠美】「越後では米が昨年・昨昨年と大豊作だったからね、その久瀬が持ってる
大量の余剰米を一気に水瀬の腹黒女に売り逃げされたわ」
【千紗】「にゃあ〜えげつなさ杉ですよ水瀬のお姉さんだかなんだか判らない人。」
【詠美】「経済まで操ってくるとはね、さすがにちょっとやばいわ。」
===芳賀家安全保障理事会===
【芳賀家関係筋A】「なんかここのちゃん様頭よすぎじゃない?」
【芳賀家関係筋B】「うぐぅ、どんなアホでも金絡むと頭よくなるんだよ、お姉ちゃん。」
【芳賀家関係筋C】「流石30にもなってコミケで本職より稼いでる人は違うねえ」
【芳賀家関係筋B】「ううっ、ボクたちだって壁やってみたいよう」
【芳賀家関係筋A】「この前はほーじん格にすれば税制で有利になるからと手続に関していろいろ話してたし」
【芳賀家関係筋B】「なんかこの話やばくない?」
【芳賀家関係筋C】「つうか、マジあの人結婚しないの?」
【芳賀家関係筋B】「それリアルでヤバい。」
【麻生家関係者A】「だーいじょうぶ、大丈夫、
確かに、誰もいないと不安はあるかも知れないけどね、
でも好きな人は、多分その時が来れば自然にできるものだと思うな」
【芳賀家関係筋A】「だからアンタは高校より1・2歳年とっただけの小娘っていわれるんだよう」
【芳賀家関係筋B】「つうか、恋人がいる奴は帰れ、帰れよう」
【木田】なんで俺がこんなところにまでいるんだろう
元々こいつらとは何の関係も無いはずなのに
【芳賀】「木田ぁ!!誰彼てる暇あったらとっとと持ち場帰れ!!」
【国崎】「ていうか、話全然戦国と関係無えだろうが!!」
なんか本家管理人がA級悪禁が望ましいとかアホ抜かしています。
俺は何もやっていない、どうすればいいんだ。
……以上、あちらからコピペ
>>281-289 転載ご苦労様です〜
じつはすでにページの方でもアップしてあるはずです。
……最近は実習で体がボロボロ……
>>289 ども。ありがとうございますです。
>>290 理系ですかい?ご苦労様です。
はあ、携帯は辛い。
つーか水瀬はよくよく考えたらめちゃ弱いんじゃないか?
武将ばかりいっぱいいて肝心の情報戦用の間者が全然いない。
事実消えた武将の消息をほとんど掴めていない。
その上、総大将の秋子さん以下武将達は、全員腹心二人人質に取られている可能性を全く考慮に入れていない。
このまま柳川の所に攻めようとしても、柳川側の、人質解放(一人だけ)を条件にあっさり引き下がらざるをえない状況に陥る可能性がかなり高いと思うんだが。
ついでに柳川が一向宗と結んだという情報はつかんでるのか?
一向宗の狂信者はいないかもしれんが、農民を懐に引き込んでる柳川が自領土の農民を扇動して一揆をおこさせるとは何故考えない。
ただでさえ負けがこんでるんだから、今は遮二無二攻めるよりもまず国内を安定させるべきだと思うんだが。
>292
がなんか言葉たらずなので追記。
結局情報という戦場において最上の武器を水瀬は大勢力故に疎かにしてるっぽいんだよな。
緒方、長瀬、那須クラスの諜報能力なら、当然天野、美坂両名が捕えられたことは察することができたはず。
それが掴めてない時点で、水瀬は既に柳川にアドバンテージを取られてるわけだ。
今南越後にまで押し寄せている水瀬の軍勢と戦うも人質を盾に休戦に持ち込むも柳川の心一つ。
まあ何が言いたいかというと、柳川まだまだ頑張れるってことだ。
なんか例の奇襲戦に限ってぐだぐだと細かい突っ込みが入ってるんで書き込み辛くなってるかもしれんが俺は柳川陣営の活躍に期待している。
>>292 一応史実で有力な忍者衆がいる国は
>>28の一覧で設定してあるのだが、
葉鍵の野望で有力な勢力はどれもどこかの忍者衆を味方につけるか傘下に置いている。
ところが水瀬領の忍者勢力だけ独立勢力のまま。
柳川家は史実で有力な忍者衆がいない(信長の野望では越前流は無視されている)
のにここまで諜報面で反則的な強さを誇っているが…。
序盤に快進撃を見せたが、諜報面を表現する書き込みがなかったために、
謀略型の大名家(両長瀬・千堂・緒方・那須・藤田)が幅を利かせている現状では
大きく後れを取ってしまった。中の人が謀略中心の展開で固まってしまったので、
地力があっても簡単に揚げ足を取られてしまう。(大庭家は例外の可能性があるが、
中の人にやられ役と位置づけられているので介入は難しい)
長森家も人材・国力的にはなお有力勢力のはずだが、諜報面が弱く長瀬・緒方に
頭を抑えられているしね。
最悪の場合、領内の加治(軒猿)流まで柳川か緒方あたりにふんだくられそうだ。
>295
いや、反則的な強さ、とは思わないぞ。
水瀬側の諜報能力が低い、と解釈すればいいだけの話だし。
ようは無いもの同士で、全体的な戦闘に気をとられすぎていた水瀬と、全ての諜報能力を三国にしぼった柳川との差が出ただけの話。
これから先柳川が長瀬や那須とやりあえば、諜報能力の甘さはでてくると思う。
あの作戦は諜報能力よりむしろ、柳川陣営の政略的な能力の高さ(一応本職刑事だし)と指揮能力の高さがものをいったんじゃないか?と個人的には考えている。
で、こんなこと書いたからといって、実は水瀬側が忍者を取り込む工作してましたとか後付けで書くのは止めて欲しい。
水瀬は今まで通り戦力は強大だが、諜報能力が低いって設定のままで。
つーかそうでなきゃ水瀬強すぎで面白くないわな。
>>296-297 言われてみればそうですね。
ただし、上杉(長尾)≒水瀬なら、加治流は傘下にいることになる。
初めにそれを匂わせる記述をして置けば、今になって大苦戦をしなくても済んだのに。
私としては後付けで忍者を味方につけてもいいけど(柳川家の大逆転も後付けだし)、
それならそれなりの展開が欲しいところ。
水瀬家は積極的に謀略を仕掛ける思考ではないが、本来謀略には打たれ強い
性向と思う。緒方家とは逆で、天然で周囲の動揺を鎮めてしまう感じ。
どこかと違って大名自身は決して阿呆ではない。大名の強さを
生かし切れていないように思う。
結局水瀬対柳川戦は、低い諜報能力を、大切にしているかそうでないかの違いがでたのだと思う。
柳川陣営は、自分たちの諜報能力の低さと、諜報の大切さをしっかりと理解している。
で、水瀬は最新の動きを見てもどうも情報の重要性をあまりよくわかっていない可能性が大きい。
女手一つで水瀬家を大勢力に成長させた秋子がそれを理解していないのは、おそらくは相手が秋子を侮り、諜報戦をあまりおこなわず、単純な軍略では、周りの様々な勢力(美坂や倉田)に助けられた。
実は政略や諜報といった裏側の勝負という物をあまり体験しないまま勢力を誇大化させていったのではないか?
事実久瀬との同盟もふいにして力押しに頼ってるし。
そして諜報を侮っているという点が、水瀬家最大のアキレス腱であり、それが結果として水瀬を瓦解させる、と。
秋子さんが、というより中の(略。
結局最初の一手が後々まで響いているな…。
諜報能力の低い大名は大勢力でもかわいそうなくらいこてんぱんにやられている
ことを考えると、今から合掌した方がいいか?
このまま殺伐とした思考の大名だけ残るのもなんかやだが。
信長の野望で言えば、初心者が有力大名家で始めて適当に勢力を広げていたら、
いつの間にか謀略を駆使した上級者の小大名に倒されていたという感じ。
>301
現実でも圧倒的な戦力を所有する今川家が信長の奇襲で義元の首を獲られて崩壊。
大勢力結集地帯の中国地方を毛利が権謀術を駆使して征服したりしてるし。
乱世においては機を読むだけの情報量と、明敏さ、そして実行力が不可欠で、逆にそれさえあれば小勢力にでもいくらでもチャンスはあるってことだ。
>300
外には厳しく中には優しく形式の大名はいくらでもいる(藤田、那須、長瀬)
別にみんな普段まで殺伐としてるわけではない。
戦場において殺伐さを感じさせるほど非情になるのは必然。
まあ細かい突っ込みは確かに入れましたが、
この状態で柳川軍が越後に奇襲する方法は少なくともこちらでは二つすぐに考えられます。
答えを敢えて言わないのは柳川の中の人の選択を制限したくなかったためであり、越後侵攻軍が柳川正規軍の可能性も当然あり得ます。
諜報に関しては大庭戦の時は一応香里がやってる事になってました。
他にできそうな奴もいないというのもありますが。
そんな事よりも水瀬にはいまの所超重大な大穴が一つあります。
言いませんが、凄い単純です。というか、柳川の正体は多分コレでしょう。
305 :
↑:03/10/20 02:00 ID:1nslm4we
恐らく、国境にもう軍が来ている以上、春日山には柳川の方が速く着ける筈。
となると柳川の戦術として考えられるのは、
1:水瀬軍本体が来る前に春日山強奪(正規軍でないと辛い)
2:1だと最悪挟み討ちになるから有利な地形で待機して水瀬を待つ
3:2と似ているがまず防御を優先して国境で待機
4:わざと負けて部隊を散らせて越後国内でゲリラ戦(一向宗専用)
どれも手としては有効で、さらに痕特有の設定使えば戦術は無限。
柳川先制ですから柳川の動きで水瀬が決まる。
国境軍に誰か武将がいれば1がベストかも。
>305
人質を盾にして国境で水瀬軍を足止めしてしまえばさらに良いな。
大穴は俺にはわからん。
個人的には304、305を読んでかなり期待が高まってるので柳川の中の人頑張ってくれ。
ところでアルクェイド水軍とか止めて欲しいと思ってるのは俺だけか?
アルクェイド銃とか宣教師のシエルとか端役でちらちらでてくるのは許容できるけど、いくらなんでも勢力持たせるのはどうかと思う。
こういうこと書くからといって、勘違いしないで欲しいんだけど、俺は月姫は嫌いじゃない。
むしろ好きなほうだよ、でもここは葉鍵板なんだってことを忘れないで欲しい。
たまあに、なんで月姫だしちゃいけないんだよ見たいな逆ギレ起こす人もいるけど、月姫を認めてしまえば、じゃあ他のメーカーのキャラもいいじゃん?ってことになるし、そうなると収拾がつかなくなる。
だから葉鍵以外は基本的に禁止なんだろ?
つーか、本気で月姫というかタイプムーン作品を葉鍵に絡ましたいのなら、この板を葉鍵月板にする努力をまずすべきだと俺は思う。
それもせずに、月姫キャラを登用したりするのは、言い方悪いけど子供っぽい我侭。
いやー、自分がアタマ抱えてるトコを全部言われてしまいますた(笑)
初心者へのレクチャーってことでありがたく拝聴してます、はい。
水瀬に中の人が居たころは事実上ソロプレイ、
今はマルチプレイっていう感じなんですよね。
みんなマルチプレイ対応しちゃってるのに、
水瀬だけはソロプレイ対応状態で継続せんといかんから
情報・謀略絡みのことをこちらから極めて書きづらいんですわ…
面白いか否かはさておき、>297の意見には僕も激同意なんです。
後付けで何でもできる性質のゲームだからこそ、なるべくそれはやりたくない。
ま、こちらとしても柳川の人の手を待ちたいところ。
>292
原作秋子さんは、自分の思考内容を
得意げに祐一や名雪にべらべら喋るようなタイプじゃないんで……w
309 :
大庭担当:03/10/20 07:54 ID:1nslm4we
>>月姫
確かに、こいつら(国崎・アルクェイド)は、「水軍」ではあるんですが、大航海時代的「海賊」であって、野望的な「水軍」ではありません。
野望的に、確かにこいつはアメリカまで交易可能なんでそれで勢力8と表記したのでしょうが、
実際の兵力は最大で2000、通常は300程度の水夫の集団で、例えは風見水軍と比べたら兵力差は30倍以上離されます。
国崎も勢力4と書かれてますが、実際兵力は30ですから、最初から規定の水軍とは考え方が違うんですね。
こちらも日本の勢力とは考えておらず、信長的には南蛮船扱いしてます。
だが、アルクェイドと風見鈴香が戦ってどっちが強いかといえばアルクェイドなんで(w
(一騎討ち仕掛けられたら終りだよ(w)
概念的に考えるのは難しいんですが、
海版忍者1000人対大名の戦いと考えれば理解しやすいかと思います。
風見水軍も千堂から半独立した水軍大名、海には海のルールがあるので仮に千堂と緒方が手を結んだとしても、相模水軍と遠江水軍が合戦する可能性はありますし、緒方側がどう考えるか分かりませんが、普通大名は干渉しません。
だからアルクェイドが詠美以外の大名、特に高槻あたりに寄港しても不思議ではない。
寄港を許すかは各大名と現地の水軍の判断次第です。
ただちゃん様は「ちょお優遇政策」を周囲の反対無視して取っているだけ、しかもアルクェイド艦隊を泊めるにはどうしても千堂家の江戸港が欲しいですな。
鹿島・銚子・勝浦はちと辛い。
(まあアルクェイド水夫2000人で力ずくで叩き落とすのも可だが)
まあ海外勢力ですから、月姫SSやるとしたら一応専用掲示板でしょうな。
大航海時代得意じゃないと書けませんが。
>>309 アルクェイドは規模9、国崎は2。
>>27参照。
例外を作るとややこしくなるので信長の野望の枠内で対応しなければならないのが
辛いところですな。
ちなみに史実で最大勢力の三島水軍(村上水軍)は因島だけで11万4500石ほどの
大名だったそうだが、動員兵力は合わせて1万程度だそうである(ネットで調べただけ
なので実数はもっと多いかも)。葉鍵戦国では若干弱体化した規模設定になっているが。
風見水軍の兵力30倍というのはアルクェイド水軍の通常時に比べてということですか?
最大時では6万となり多すぎと思う。
風見水軍は次回の補正で規模を上方修正されると思う。
なお、駿河の江尻水軍は非葉鍵勢力で弱体化していることもあり滅茶弱い。
緒方家あたりが援助しない限り、いつ滅亡しても不思議ではない。
房総半島の百首水軍は既に風見水軍の餌食となった模様。
314 :
大庭担当:03/10/20 12:36 ID:1nslm4we
いや、国崎は規模0か1、アルクェイドは出さなくていいと思う。
あとすいません、兵力差で30倍と書いてましたが、規模で30倍くらいですね。
水軍というからには港湾管理が重要ですから、その該当者でニ万から三万(家族含む)で、実際の戦闘員は三千から四千程度ですね普通。
アルクェイドの兵力ニ千はもう近海近接戦闘の時だけ、ニ千名の食糧と水だけで莫大な量だし、しかもそれで7日から10日程度しか持たないのであんまりやりません。
ピサロがアステカ攻めた時も兵力は200ちょいでしたので実際もそんなものだと思います。
>>314 今後も大きな顔をして活躍を続けるなら設定せざるを得ない。無視するわけにも行かないから。
その辺は適当に。
過去ログを流し読みしているのですが
一応中立勢力では存在しているみたいですが
今井や神屋のような商人キャラがまだ未登場ですよね
特定の大名に資金や武器人材を援助するかわりに、何らかの見返りを
期待する、こんな死の商人連中がいてもいいかと思う
それこそモンゴル帝国のウイグル商人や、銀英伝のフェザーンのようにね
でも葉鍵キャラはもう出尽くしてるしなぁ・・・・
他社の場合はどこまでOKなのだろうか?
なあ、中の人がいる大名同士が戦った場合、決着は事前に話し合っておくの?
正直、今回の緒方VS長瀬を読んだところ、事前に勝敗を決めておいた方がいいと思うんだが。
続けて読むと、どうも違和感を覚えた。どちらも自分の持ちキャラに愛着があるのが解って、無理な展開になってる気がした。
辛辣でスマソ。
>>316 今スレ開始時の主な諸勢力リストは
>>25-28。
この他、信濃国衆が緒方傘下となっているのが
>>189などで確認できる。
中立勢力は早い者勝ち。
>>317 事前に決まるとわざとらしくなってどっちらけになる可能性がある。
今のまま謀略の千日手になる可能性もあるが、これでも史実に比べれば遙かに
勢力拡大は速い。
とはいえ今季節はまだ春のまま? 次スレになっても謀略戦が続くようなら
合戦に動いて貰った方がいいかも。その結果どうなるかは別にして。
TYPE−MOON勢がいるようだけど
中立勢力とはいえ他会社のキャラを登場させる場合の制約はないのかな?
いや、他のメーカーの勢力参戦させる方がよっぽど荒れの元凶になると思うんだが。
ここ、元大戦記スレの書き手が多いのか? 普通出さないぞ。
>>大庭担当
ふざけるな。
お前空気読めない奴だな。
アルクェイド水軍だと?
なんだよそれ。とっとと諦めろ。
……ほら、どう見ても前スレから読んでない奴がわざわざ噛みついてきた。
>323
いや、前スレから読んでるけどアルクェイド水軍はどうかと思うよ。
無理に月姫絡ませなくても物語は成立するのに・・
大戦記というのは貴重なスレだったんだなあ…
あれだけ出てたにもかかわらずアンチの一人もいなかったなんて。
>>304で言われている「水瀬の大穴」って俺にも分からん。
やはり、(初代)信長の野望と三国志Uしかやったことないような
中の人では、乱世を勝ち残れないのか…
水瀬が対・柳川で柏木と手を組むことくらいしか考えつかん。
捕虜のはずの栞が柳川を手引きとか・・・・
現在の各大名の国力ってどんなもんだろうか?
別に噛み付くことも無かろうよ
本スレで出なきゃ問題ない話じゃないのか?
それがメインなわけでもあるまいし。
水軍って言ってもこの場合貿易するために来てる南蛮の船の一つに
過ぎない扱いでいいだろうし。
まあ、なんというか、重箱の隅つついているような気がする。
……まあ、なんというかさ、前に葉鍵の国家で他メーカー相手に
みたいな話題があったじゃん。
それの延長上じゃないの?
>326
水瀬が対・柳川で柏木と手を組むことくらいしか考えつかん。
それじゃあ水瀬の大穴じゃなくて柳川の大穴じゃん。
まあ別問題としても、現時点で柏木が動くとは考えがたいな。
まあみんな努力をする気は全くないということはよくわかったよ(月姫)。
大名思考中
何のどういう努力だろう?
>333
そんなに月姫書きたいなら葉鍵月板にする努力をまずしろってことだろ。
正直やってでいないことでは無いだろうに、何故それをしないのかというと所詮はオタク、努力などしたこともない連中だからということだろうな。
何故名前が出たぐらいでそんなに怒っとるんだね、落ち着け。
もう本編では出ないっぽいんだから神経質になりすぎ。
未だに沈黙を守っている国ってどんだけあるだろ?
宮川家も少しは描写があったから除外するとして、霧島家と四国勢?
あと、吸収も那須家以外は描写無いな。
>336
グハッ! 吸収→九州だね。
>336
那須は中国じゃなかったか?
九州は月教が積極的に動いてるが。
四国は基本的に隔離戦場になるんだろうな・・海隔てて同盟結べなくも無いけど。
>>334 でも正直思うのですが、月姫や他社追加をする権限は隔離板の隔離板であるここの住人には無いのでは。
向こうも下手に移動されて、すたれたら嫌でしょうし、やるなら段階を経ないと。
まずエロゲネタあたりに月姫の葉鍵移動を住人に申請して、受理してもらってから向こうがさらに他社追加を要請した場合を葉鍵で協議するしかないでしょう。
そうでないと、コミッティを大事にする「らしい」ひろゆきも動きますまい。
スレ違いsage。
折角沈静化したのに何故続けるのか理解できん
外部へどうぞ
九州は週末ぐらいに宮田高倉戦を投下予定。
これとちょっと絡めようかと思ってたんだが、今来栖川は
どうなってるの?まとめサイト読んだ限りじゃ内戦ぽいけど、
それがまだ続いてるで合ってる?
九州は特殊能力系の大消耗戦になりそう・・終わったころには勝ち残った勢力も疲弊してとても天下など狙ってられんぞ多分。
四国は仙命樹を実用化すれば偉いことになるがここも結局共食いになりそう。
坂神側が外と同名結ぼうとしても、おそらくは海は岩切が全て征しちまうだろうしなあ・・
来栖川は長瀬の造反でほぼ乗っ取られて、姉は監禁状態で、妹は戦に負けて逃亡中。
今は藤田側忍者志保が保護しようと動いている。
瀬戸内海は三島水軍を味方につけた者勝ち。というか、味方につけるか、
それとも何とか倒すかしないと海に出られません。他の水軍は弱いから
決め手に欠ける。
あとは那須家の動きが早ければ中国では頭一つ抜けるか。
長瀬祐介VS緒方の勝者が決まるまでに足場を固めておかないと、中・四国、九州勢力
の負けはほぼ決まり。
いかに仲間をひきつけるかという水面下の戦いもいいけど、そろそろまた合戦が見たいな。
一番近いのは、水瀬VS柳川かな。職人さんに期待。
>>326.330
読んでたら、大名の配置的にも(北陸勢力は長瀬・長森・緒方に絡ませ辛い)
いずれそういう方向に持ってくと思ってた。
というか、柳川の活躍は、ほとんど出番のなかった柏木勢を
絡ませるための布石と思ってたというか・・・。
まとめサイト、黒背景に白字(灰?)って読みづらい。
たまに確認するだけならいいけど通しで読みたいときは
すっげー疲れる。変更キボンヌ。
黒背景に白字でいいと思うけど、もっと明るめの白の方がいいかもね。
いじるのが大変なら別に今のままでいいと思うけど。
しかし、3スレ目まで進んで死亡したのがセバと田中の二人だけ…か。
そうしょっちゅう人がしなれても困るけど少なすぎるのも考えものかもしれないなぁ
河越城・2月。
【九品仏】ところで同志。
【和樹】何だ?
【九品仏】二月なので蜜柑の収入が相模であった。
【和樹】……
【九品仏】喜べ同志。
これで小田原は心置き無く籠城できる。
【和樹】…いつも思うんだが。
【九品仏】何だ。
【和樹】…蜜柑で兵糧収入はどう考えても何かおかしいだろ。
【由宇】どあほう。このペースじゃいつ七月になるか分からん。
米貰える時は貰っとき。
【和樹】(…)
特産品の収入がありました。
>349
3スレ目まで進んではいるが、物語内時間はほとんど経過してない。
今ばたばたキャラが死んでるようでは戦国が1年で終わってしまうぞ〜
1スレでおおむね3ヶ月のペースだが、最近はさらに進行が遅くなったようだ。
このスレでは12月の終わりから始まりようやく2月に入ったところか。
このままでは天下統一まで20スレくらいは消費しそう。
…スレタイを考えなければ。
つーか天下統一なんてさせるの? ゲームじゃないんだし小国乱立でいいじゃん。
永禄三年(1560年)夏 薩摩国鹿児島
薩摩国の中心地、鹿児島の町には一つの城が建っている。城、といっても武家の
館に堀がついた程度のものではあるのだが、つい一年前まで内城と呼ばれる
この城を巡って、いや、九州西部全域で、激しい戦乱が荒れ狂っていた。
後世第一次デュラル戦役と呼ばれるようになるその戦いは大きな苦難を人々に与えたが、
そこには新しい時代の息吹も潜んでいた。今はまだ気付いている者は少ないが。
「全く。ティリアさん、どこに行ったのかしら? ……って考えるまでもないですね」
一人の少女が慌しく城下を歩いている。薄茶色の髪に南蛮風の頭飾りを付けたその
少女は一見平凡な町娘に見えるが、その瞳は隠しきれない知性の輝きに彩られていた。
町はまだ戦の傷跡が生々しく残っていたが、それ以上に再建の活気に満ちていた。
「おい、エリア、そんなに急いでどうしたんだ?」
街角で一人の女性が少女に声をかけた。地味な服装で人の群れに溶け込みそうだが、
人を寄せ付けぬ狼のように鋭いその目を見れば只者ではないことがわかる。
「あ、サラさん。お帰りだったんですね」
「おお、さっき着いたところだ。今からティリアんとこへ出向こうと思ってな」
「ティリアさんだったらお城にはいませんよ」
「とすると……」
「多分道場でしょうね」
「やっぱな。あんまり焦ってもしょうがないんだがな」
「ええ。でも、ティリアさんとすればせめて体を動かしておきたいんでしょう」
「まあな。それであいつの気が済むならそうさせておけばいいさ」
「とは言え、それで政務が済むわけではありませんからね」
「ははは。そりゃそうだ。お目付け役は辛いね」
「ええ、全くです」
道場では二人の若い娘が木刀を取って激しい稽古を繰り広げていた。
「チェェエストォオオオ!!!」
「!!!」
凄まじい掛け声と共に赤髪の娘が青髪の娘に木刀を打ち込めば、
黙然と、しかし劣らぬ激しさで青髪の娘が打ち返す。
「相変わらず気合入ってるな」
「お二人とも我らが大隅戦士団の誇る剣士ですからね」
実戦さながらの激しさで稽古は続いていたが、やがて入ってきた二人が
目に入ったのか、どちらからともなく動きを止めた。
「あれ? エリアにサラじゃない。どしたの?」
赤髪の娘が二人に声をかけ、青髪の娘が静かに一礼する。
「どしたの? じゃありません。ティリアさん、お稽古も結構ですけれど、
お城でのお仕事もたまっているんですからね」
「う。ご、ごめんなさい。……え、えーと、サラは?」
「こっちは今帰ったとこだ。いつもの報告しにゃならんし、早く城に戻ろうぜ」
「実は、今日はお客様がいらしてるんですよ」
「お客様?」
「ええ、宮田様の御使者として牧部殿が」
「え? なつみが来てるの!? そりゃ今すぐ戻らないと。
じゃ、ごめんね、フィーユ。また後で」
「ああ、俺は兵達の鍛錬を続けるよ」
というわけで薩摩編プロローグ前半です。初代スレのデュラル家-薩摩、
フレイ家-大隅案と現在の状況を何とか繋げられないかという試み。
なので、過去-永禄元年〜二年-のフレイ、デュラル両家が当面はメイン……
なんですが、宮田家も関係してるんですけど、どうしましょ。
特になつみ(間者のつもり)が重要な役どころですので、ちょっと彼女、
お借りしたいんですけど、よろしいでしょうかね? >342氏
357 :
342:03/10/22 01:02 ID:JYeuXobl
>>356 死ななければどうぞw
こちらもなつみは使ってますが、どちらかというとココロの方なので
遠距離に出現しても問題ないかと。
>>352 3スレ目でやっと作品内抗争&統一が進みつつある、
という感じですからね〜。
>353
ゲームだし。
とりあえずこちらで分かる限りでゲーム内時間確認。
千堂家…二月
大庭家・緒方家・長瀬家?・遠野家・最高・オンカミヤムカイ…一月
柏木・水瀬・柳川?・クンネカムン…12月下旬
神尾家…OP(10月)
今の相場は合戦しているのが12月、それ以外は一月あたりか。
(※時間は各家軍団の政策により変化する場合があります。)
大名増えると時間の経過も遅くなり戦争するとそれも遅くなり、
正直大名が内政やると時間の経過が速くなる。
まあ次スレあたりで本当に天野美汐が稲刈りする話もあるかも。
大体統一時間の相場は20年…
肥前・筑後を領する宮田家の使者との会見は城内で行われていた。見る者に
どことなく不思議な印象を与える瞳をこの城の若き主に向ける使者も若い娘だった。
「気持ちばかりの金品ではありますが、我が主、宮田健太郎からの挨拶です。
薩摩の再建に少しでもお役立て頂きたい」
「前の薩摩守護代ラントール一族の放埓とデュラルの者たちの起こした戦で、
民は疲弊し尽くしています。宮田殿のお心遣い、本当に有難く思います」
「肥後のデュラル一党との睨み合いが未だ続く中、我が殿はティリア様
との同盟を頼りにしております。今後ともよしなにお願いします」
「私たちの一番苦しい時に御助力いただいた宮田家の方々には心から感謝しています。
私たちで役立つことがあったらいつでも言って欲しいと宮田殿にお伝え願いたい」
「はい。そのお言葉を聞けば我が殿も安心することでしょう。デュラル一党
から薩摩一国を取り戻した貴方様の御武勲はラントール一族の暴虐から先の
薩摩・大隅国守護シオンの御一家を守り抜いた先代サーゼ様に劣りません。
流石武勇で鳴るフレイ家の御当主と我が殿は常日頃申しております。
末永いお付き合いの程、よろしくお願いいたします」
しかつめらしく会見は続いていたが、一通りの公的なやり取りが終了して
左右の者が退席すると、赤毛の城主は使者に満面の笑みを向けた。
「用事は終わりよね? じゃ、改めて鹿児島の町へようこそ。一年ぶりよね」
それを聞いた使者も、微かな笑みを浮かべると態度を一変させた。
「……もう随分経つように思ってたけどね。あの頃は大変だったけど、過ぎると早いわ」
「そうね。あの頃は本当に最悪の状況だった。でも、その最悪の状況の時に
手を差し伸べてくれた健太郎殿、そして実際に私たちを助けてくれた
あなたにはいくら感謝しても感謝し足りないくらいだわ」
「ま、お仕事だしね。感謝するならうちの軍師殿にしてちょうだい」
年齢が近いとはいえ、仮にも国守の地位にある者と一介の使者との会話とは
思えないが、それがごく当たり前のように彼等は話を続けている。
「で、どうなの? まだ集まらない?」
「う〜ん。それがねぇ、後二人、なんだけど……」
「ふ〜ん、状況に変化なし、というわけね。でも、自分で聞いててなんだけど、
他国の間者に言って良かったの? そういう情報」
「今日は使者でしょ……ってのはともかく、ガディムのことは一国の事じゃ
ないからね。少なくとも九州の民ならそのことは分かっているはず。
デュラルの者や月教徒達ならいざ知らず、宮田家や高倉家、日向の那須家に
知られて困る情報じゃないわ」
「なるほどね。確かに好き好んでかの邪神と事を構えようなんて物好きが
他にいるとは思えないわね。でも、ホントに集まるの?」
「あはは。相変わらず手厳しいね。でも、残る二人は必ず見つかると思う。
問題は時間ね。今や結界の向こう琉球とは完全に音信が途絶えてしまった。
漁師達も琉球の海には近付けなくなったと言ってる。まだ目立った動きは
ないけど、過去の例からすると、ガディムは必ず近いうちに動きを起こすわ」
「それまでにあなた達がなんとかしてくれることを祈るわ。ホントに」
「まあそう努力したいものね、デュークのためにも…………あ、準備出来た
みたいね。じゃ、ちょっとした宴席を設けたから付き合って」
「私、薩摩の人達と違ってうわばみじゃないし、お手柔らかにね」
頷いた使者の表情はどことなく皮肉っぽかったが、赤毛の国主にはそれが
彼女なりの親愛の情の表現であることがよくわかっていた。
「私は大隅の人間なんだけどな。まあいいや、じゃあ行こ?」
プロローグ後半です。こういうわけでフレイ-宮田の同盟関係を前提に
しちゃってたりしてたんで……
次は時間を遡って永禄元年のルミラ一家上陸編の予定。
>357
現時点で生き残ってますのでその心配は御無用です。
お借りしたいのはその前の時間軸ですので。
大名思考中
365 :
山陰の謀将1/3:03/10/24 17:48 ID:4wROd1dl
・某国・某所
「全く、恐れ入るよ。たかが家出のために岡田、来瀬川、藤田に那須。
近隣全てを手玉に取るとは。山陰の謀将とはよく言ったものだ」
男の言葉に、女は薄く笑った。
因幡国・鳥取城
難攻不落の堅城、そう謳われたはずの鳥取城は包囲後、戦火を交えること
なく陥落した。攻め入るはずの岡田・那須連合軍が困惑するほどあっさりと。
入城後、すぐにその理由を悟った両軍だったが、困惑が混乱へと変化するのに
そう時間は掛からなかった。ただ一人、激怒した者もいたが。
「一体どういう事なのよ。あのくそばか関西人は一体どこに行ったの?」
366 :
山陰の謀将2/3:03/10/24 17:48 ID:4wROd1dl
鳥取城に城主、保科智子の姿はなかった。城には近辺から徴収された士気に
乏しい農兵数百、呆れた事にその命令系統もはっきりさせていなかった。
包囲されるまで動きがなかった理由が、代表者を決める話し合いをしていた
ためというから、戦う前に降るのも無理はない。
「あんたの所、きちんと包囲してたの!?」
怒りに震える岡田に詰め寄られるリサ。へまがあるなら連戦連戦で疲労して
いるそっちだろう。と思いつつも口には出さない。そもそも、間者である彼女
が責められる筋合いはないのだが、責められるべき皐月、ゆかりに出し抜きを
許したのが運の付き。自分の逃げ足の遅さに深刻な懸念を抱きながら、岡田の
相手を片手間に思案に暮れるリサだった。
岡田にへまがあるないに関わらず、現実問題として、包囲を突破され
るはずはない。馬鹿馬鹿しい。何のための包囲だと思っているのだ。
退路を断っていない包囲など包囲にあらず。浮き足立った鳥取城の様を
見る限り、包囲される前に逃げ出したに決まっているではないか。実
に見習いたい位の逃げ足を、保科智子は土壇場で発揮して見せたのだ。
問題はいつ智子が逃げ出したかどうかという事だが……
因幡の国人達への内応を進めていたリサだが、実は鳥取城に関しては
手が回らず他の間者に任せていた。リサにとって智子はその程度の評価
しかなかったのだ。
そして手を借りた間者は彼女と同じ……
「どうやら私も、完全に信頼されているという訳じゃなさそうね」
367 :
山陰の謀将3/3:03/10/24 17:59 ID:w1xo8ALn
和泉・堺
「連絡が入ったよ。鳥取城が落ちたらしい」
間者から入ってきた言葉をそのまま伝える男――篁に、女――保科智子
は薄笑いを広げ、
「さよか。……これで、ウチは自由や」
万感の思いを込め、呟いた。
368 :
保科の野望1/3:03/10/24 18:06 ID:w1xo8ALn
自他とも認める中国一の弱国である因幡だが、その国主保科家は名門中の
名門。その財は応仁の乱でほとんど失われたとされているが、いまだ残された
家宝も少なくなく、保科が因幡の地に渡ると共に、その家宝も因幡に移った
とも言われている。併合しても大した益とならぬ因幡の地を(岡田はともかく)
那須が攻めた所以である。しかし、
「何もないわね」
ものけのからとなっている金庫を訝しげに調べる皐月に、
「それだけ苦しかったって事じゃないかな」
ゆかりが同情も露に嘆息する。因幡は貧しい国である。大した産業もなく、
取れる作物も高が知れている。優秀な内政家としても知られる智子が財政
の建て直しには貧窮していたのは周知の事実、代々伝わる家宝も手放さざるを
得なかったのだろう。
温厚で知られるゆかりだが、そんな粉骨砕身で尽くした智子を
裏切った因幡の国人達の不義理には、怒りを感じざるを得なかった。
これでは、逃げるのを誰も責め切れまい。
「でも保科智子は相当な倹約家だったそうじゃない。いくらなんで
もびた一文もないなんてどう考えても変よ」
「それにしてもいいのかね。秘蔵の家宝も全て売り払ってしまって」
「構わへん。構わへん。どうせ大した物じゃあらへんし。所詮この世、
先立つものは銭や。銭。あんたなら分かるやろ。葦はん」
智子の言葉に、篁は薄く笑った。
369 :
保科の野望2/3:03/10/24 18:08 ID:w1xo8ALn
「君は因幡という弱小国に飛ばされる事を潔しとしなかった。」
「当然や、あんな田舎。柳也殿が戦略的に重要やっていうから行って
みれば……まあ、それはええやろ。行く前から分かっていた事や。けど……」
「あそこまで酷いとは思わなかった?」
「ホンマ、何もあらへん。産業も農業も、数ヶ月で見切りをつけたわ。
……兵が強いならまだ救いはあったんやけど」
「動員可能兵数三千弱、これは中国地方はおろか全国でも屈指の寡兵だ」
「質も悪いで。屈指どころか全国最弱。ウチが保証したる。……これは
ウチは戦場の将って柄やないから、鍛えるようにも鍛えれなかったのも
あるんやけど」
「世間では岡田が悪役のように言われていたが、実際は違っていたのだな。」
「そう、先に喧嘩を売ったのはウチや。あんな国に縛られるのなんて御免や。
とっとと滅ぼして貰って、いっそ始めから、浪人から成り上がるのもいいかと思ってな」
「では、あの岡田包囲網は? 君の意に反するのではないのか」
「アレは、藤田クンのアホが勝手に同盟持ちかけてきたんや。ホンマ、
余計なことしよる。あん時にはどうしようかと思ったわ……長瀬の
おっさん煽り立てるの結構苦労したんやで。遠いから」
「だが、お陰でより厳しい窮地が作られた。あの状況で逃げても誰も君を
責められまい。善政を敷いて民のために尽くした――という事になっている
君を、民が寝返ったのだからな。」
「悲劇の姫君完成って訳や」
370 :
保科の野望3/3:03/10/24 18:09 ID:w1xo8ALn
「これから、どうするのかね」
「そうやねぇ。近くに前に世話になった先生がいるから、ちょっと顔
出しにいこうかな」
「止めておけ。あそこは君の所と同程度の亡国の危機だ」
「ほなら、ぬけぬけと柳也殿の面拝みに行くのも一興や。……確か越前やったな」
「……いい趣味をしている」
「由宇のとこは遠いからなぁ〜。まあ、当座の金には困らへんから、
のんびり決めるわ」
「……ウチで働かないか? こう見えても信頼できる駒が少ないんだ」
「ウチを信頼できるんか?」
「人質がいるからな。……君には無価値かも知れんが」
「ひどいなぁ〜。ウチだって親子の情くらい持っておるのに」
智子の言葉をそのまま受け取らず、篁は薄笑いを広げ、
「飢えた狼を野に放つのもまた一興か」
感嘆交じりに心中、呟いた。
371 :
保科の野望:03/10/24 18:14 ID:w1xo8ALn
以上、ダークいいんちょ話。エセ関西弁は勘弁してほしいが
篁の口調。これであってるだろうか? 爺だけど見た目は若いらしいし……
えと、柳川の中の人、投稿お待ちしてます…
ってぇか投稿してくれんとこっちががしがし書いちゃうぞ、と。
「手番」(不正確な言い方だけど)としてはそっちの番だし。
大きな声じゃいえんが、信長の野望で見かけたら真っ先に斬首したくなる性格になっている…
ともあれ畿内で唯一長瀬家に対抗できそうな勢力が動き出しただけに、
今後が楽しみ。
>>371 いいんちょの一人称は、
「私」
「ウチ」だと由宇になっちゃうんで、そこんとこよろ。
何にせよ、マルチプレーヤー状態になったから判定役が欲しくなってきたとは思う。
現実では状況というものはそう簡単には動かせないけど、このスレは結局
虚構なので、中の人次第で幾らでもひっくり返せる。どんなに絶体絶命な状態でも
例えば『汝ノ願イヲ叶エテヤロウ』を持ち出せば全て解決できるしな。
「をいをい、そりゃ流石にまずいだろ」って言える立場の「外(そと)の人」が
どうしても必要だよな。
あ、ここで言ってるのはハクオロでなくてディーの方ということで、よろしく。
どこででも使えるし、奴の性格からして本気で願ったら拒否はしないだろうし。
余りにも安易過ぎるから、この手は禁じ手にしてくれ。(笑
>372
俺は柳川の中の人を待ち続けているが、書くなら人質問題を有耶無耶にしないでくださいね。
人質がいる以上、柳川の中の人が書き込まないなら、この場合は人質一人の解放を条件に、休戦。
そして、お互いにもう一人の人質の解放日を交渉して、終了、が妥当では無いかと。
いつのまにか忍者が救出してました、とかは柳川の特殊性質を考えると不可能だと思うし。
後、柏木と同盟っていうのも無い、と思う。
まず柏木側にメリットが著しく少ない。
将軍家を抱え込んでいる以上、何よりも都への進路を作るのが天下獲りへの近道。
だから、背後で柳川と水瀬が争う今の状況は、中央への侵略への好機なわけで、柏木としてはできるだけ長く柳川と水瀬の争いが続くことを希望するはずなわけだ。
ここでもし水瀬と組んで柳川を叩くとしたら、多少の領土と引き換えに、近畿に攻め入る好機を無くすわ、背後で再び息を吹き返した水瀬の侵略に怯えるわで散々な嵌めに陥る。
まあここでも水瀬が大勢力であることがデメリットになるな。
小国からすれば、次は自分達が危ないという危機感が先だって同盟する気にはならんよ間違い無く。
理由はなんであれ、押しつぶされた久瀬家の先例があるわけだし。
なんだこりゃ
元々柏木家の本領であった加賀を柳川に奪われた状態なんだから
それを奪回するのは柏木家の悲願だと思うけど。
>377
助言は良いと思うけど、あまり先読みしてネタを潰すのはどうかと。
本当に柏木が水瀬と組んだとかいう話が出たら、こういう意見を言えばいいと思う。
381 :
371:03/10/25 18:55 ID:mBpMZyzo
>>374 ご指摘サンクス
……原作やってないの丸分かりのポカやってしまった。欝だ。
>>377 しかし上洛した所で、月島を駆逐したのは長瀬だからな。将軍家もその功績を無視はできないから
柏木にそれほど旨みはないのでは? かえって厄介事に自ら首を突っ込む破目になりかねん。しかし、柏木の
後押しがなくても、神奈達は一刻も早く京に戻らないと。幕府に京の統治能力がないと世間から風潮されるぞ。
>377
その条件が妥当かどうかはノーコメントですが、
人質問題は忘れてないんでご安心を。
真琴と香里にわざわざセリフ言わせた意味が
まるっきり無かったのには、少々へこんでますが(涙)
…っていうか、「女武将」「捕虜」「柳川」……危険な単語がw
てかどうでもいいが柳川動かしてえ・・・・
でも俺には柳川の切り札の概要も、水瀬の大穴もさっぱり理解できねえ・・・・
>>377 >柏木側にメリット
仇敵かつ自分より大勢力の柳川を、水瀬の力を借りて倒せるのなら、最高では?
国力にあわせて加賀しかもらえなくても、領土は二倍になって、
同盟なら後背の憂いを断って、上洛や対長瀬に専念できるわけだから。
もっとも、実はもう同盟ができてました、というのだとちょっとアレだが。
水瀬と柏木の同盟、ありえん!
だいいち柏木は「柳川が動く」事を予測しておきながら若狭に出兵してる。
そして、その出兵の最中に柳川が動いた訳だ。何で「柳川が動く」と考えていながら
若狭に出兵した?「次期当主の理由付け」にしても仇敵の柳川を叩いた方が良いだろうし。
どう客観的に見ても「柳川と柏木が裏で通じてる」と見られるのがオチ
うるさいな
>386
そういう事レスすな・・・・
>384
水瀬がいずれ後から迫ってくる可能性の高さを考えると俺は怖くて同盟なんかできんと思うが。
大勢力同士で衝突しあって双方疲弊してくれるのが小勢力としては一番いいはず。
ぶっちゃけ水瀬が天下を狙わないわけがないんだから、柏木は後の展開を考えるとまずは近畿を攻めて地固めしないと柳川が勝とうと水瀬が勝とうと餌食になるだけじゃん。
同盟なんか、守られるかどうか不確か極まりないんだしな。
水瀬の中の人も大変だのう。(w
責任重大だわ。
だが、喜ばしきは人増えた事。
>>388 少なくとも、ここの人間担当大名家は信義という概念はまず無いと考えて良い…。
水瀬家の行動は実はましな方。
関東・東北のどこかに第三者が中の人として乱入すると面白そうだが、
不可能とは言えないまでもしばらく動けないよう念入りに縛りを掛けられて
いるのでこれを解くのはかなり難しい。
潜在的に見ると、関東・東北連合が一番敵がいないんだよね。
>390
何故か福本漫画を思い出した。
愚図から絡め取られていく・・・
信じ過ぎるものから落ちていく・・・
>>392 いくら戦国でも、あからさまに不義理な真似をすれば非難対象になるが、
ここでは信義に反しても事実上罰則が無い。
現実ならあまり謀略ばかりすれば間違い無く他勢力との同盟は成し難くなると思うが(詐欺まがいのことばかりして、同士からすらも煙たがれた清河八郎のように)そこらへんも書き手次第になるからなあ・・・
関東圏以外から関東圏の勢力争いを客観視するとどの勢力とも同盟する気にはなれんと思うが。まあそこらへんは状況次第だし、書き手次第だもんな。
戦国時代だって罰則はないだろう。
ただ部下や民衆、中立軍などへの評価に影響する。義理人情の影響が大きい時代だし。
そういうところをもう少し考えてもらいたい。
同盟って言うのをゲーム的に捉えすぎ。
今のところ絡め取られた愚図は主にONE勢。
しかも自分たちが絡め取られていることにすら気がついていない幹部も大多数。
・・・・・・・・・・・頑張れ浩平!!
>385
出兵の最中ではなく、一応、攻め終わったころに動いたように見えたけどなぁ。
その辺の読みはさすが千鶴さん?
柳川打倒はむしろ柏木の悲願だから、どっかからわいて出たような奴を先陣には使えないはず。たとえどれだけ強くても。
だから一応、理由付けの意味はあるとは思う。
ただ、それでも、同盟は微妙だが。
水瀬としても一度は領有した加賀の所有権を主張はしたいはずだし。
まぁ、柏木としての理想形は水瀬が攻め込む前に二人を救出して送り返して、
あとは独力で柳川をたたくことだろうけど、水瀬も押しかけ援軍を出すか?
さすがに周囲が裏で通じてると疑うことはないと思う。
柳川がいきなり降伏したりしない限り。
ま、結局は中の人次第だろうけどね。
>397
個人的には柏木の一番の理想は南越後と越中の国境で柳川対水瀬が行なわれている最中に越中を掠め取ることだと思うが・・でも一向一揆がいるんだよなあ・・防御は実は完璧じゃないか柳川陣営。
ついでに人質二人奪還は義経流の規模から考えるとちょっと無理っぽく思える。
>>398 水瀬家の場合は助力を頼むなら領内にある加治(軒猿)流が最優先と思う。
なお、規模は葉鍵の影響下にある諸勢力はやや強く、それ以外はやや弱く
設定してある。加治流が弱いのはこのためで、本来は緒方(武田)流に
少し劣る程度。
ただし、高野山と比叡山はこの限りではない。
>399
いや、水瀬じゃなくて柏木の話だから。
397で柏木サイドが人質救出って話が出てたから、あそこの忍軍じゃ無理じゃないかって書いたんだよ。
>>400 失礼、よく読んでいませんでした。
伊賀と甲賀が忍者の供給元になったのは史実でもほぼ同じだが、
甲賀は長瀬との結びつきを強めておりたとえ協力に応じたとしても好ましくない。
残るは中立を保つ伊賀だが、手配しようとすると…。
伊賀…、ひじりんか。三河が同じKEYの深山だってのが、面白いな。偶然だろうが。
雪見に家康の腹黒さを求めるのも、聖に半蔵正就の忠誠心を求めるのも大間違い
(加えて大笑い)だが。(笑
>>388 >水瀬がいずれ後から迫ってくる可能性の高さ
水瀬秋子って、このスレだと強いけど謀略苦手(上杉謙信がモデル?)なので、
同盟して柳川を倒して(同盟して倒せるとも限らないが)旧領回復したら、
同盟破ってわざわざ柏木攻めるよりも、米の収穫期まで停戦させられて城奪われた
因縁のある千堂か、大庭攻めに動くと思うが。
>403
あの・・・なんというかそういう神視点からの読みではなく、あくまで柏木視点からの推測だと思うんですが・・・
ついでに水瀬が謀略苦手は他勢力間にそろそろ浸透してそうですが、それ以上に交渉のまずさ、もしくは小勢力への非情さが浸透していてもおかしくはないかと。
いや、対久瀬の一連の流れについてだけど。
諜報能力が高い陣営は、深い内情を理解はすれど、交渉の場に川澄などという猪武者をわざわざ護衛に引き連れていくなど・・・・と交渉術の拙さを侮られ
低い陣営は表層的な事しかわからないから判断できない故に、噂話から、水瀬は小勢力へは情け容赦無し、ととられる。
ついでに緒方家は、あの徹底的な謀略ぶりを恐れられ、外から警戒されまくると。
>>385 今は柳川の方が強いから、簡単に済む若狭に行ったんでしょ。
柳川が水瀬と戦うなら、戦って疲弊した後に攻めた方が得だから。
>>398 後ろから攻めるのは俺も思った。
信長の野望は領土離れてたりしても遠慮なく同盟とかできるけど、
ここでは忍者なり直接会談するなりしないとね。
今、水瀬それ所じゃないし。
同盟して対柳川ではなく、対柳川の結果として・・・というような気がする。
「柏木に同盟の利益が多い」、「柏木に同盟の利益はない。むしろ上洛すべき」、
「即同盟はどうかと思うが、利害関係は一致する」とかいろいろ意見が出てますが、
柏木について事実関係を確認すると、
前スレ531より、柳川との因縁は
「柏木家。かつては能登・加賀・越中をも支配し、北陸の雄と呼ばれていた。
しかし当主である柏木耕平の没後お家騒動が起こり、柏木本家は妾腹の子で
ある柳川裕也によって、故郷の加賀を追い出されてしまう。」
若狭出兵については、前スレ537
1.若狭出兵の時期は、水瀬が加賀を押さえていた時。
2.その時期の理由「俺と楓ちゃんの初陣を飾るためには、水瀬が加賀を押さえているこの時期しかないんだ」
3.出兵の理由「長男というだけじゃ家臣はついてこない」勝ち戦という実績が早急に必要だったから。
4.長瀬が強いし、柳川が加賀を奪い返しに動きそうなので、上洛する気はない。
ということから、
5.水瀬が加賀を押さえてる時期しか若狭へ出兵できないという台詞、また若狭平定直後、
柳川が加賀・越中を取り返したと連絡が入ると耕一・楓は越前にとんぼ返り(
>>107)ということから、
非常に柳川を警戒している。
水瀬への感情は、特に出てきていない。
あと、関連する捕虜の情勢としては
6.栞は一向勢に捕らわれており、柳川への引渡し予定。美汐は柳川に直接捕らわれている。
どっちも今どこにいるかは不明。
test
>407
まあそれ以前に柏木と水瀬間は領土が柳川を挟む形なので同盟交渉をすることが地理的に不可能なんだろうけど。
俺として、長瀬が栞確保に向かうと予測してみる。
如何せん、長瀬は現在戦国トップの謀略王(次点は緒方)だし、甲賀、シュンと強力な忍者を有している。
そして、大名自身、とにかく搦め手で仲間を増やすのを好む傾向になる。
長瀬は月島の領地もあまり傷つけずに手に入れている。
あそこに、あと足りないのは優秀な武将。内政面は長瀬コンビがいる。
祐介は天才戦術家だが、あまり前線に立つ武将は少ない。
栞は一度、柳川を破っているしね。まあ、演技だったと言う話もあるけど。
常識的に考えて南越後まで水瀬が進軍するほど時間が経ってるんだから、十分農民から柳川に栞引渡しの時間はあると思うんだけど・・・・栞の重要度と柳川の怜悧さを考えると戦後処理において最優先事項だろうし。
あの戦はとにかく速さが要だったから、戦後のどさくさで長瀬に栞を掠め取られるってのもないし。
ついでに柳川には鬼の力もあるから奪還は現実味がないかなあ・・とか思ったり。
鬼の力とか電波とか仙命樹の力は露骨過ぎると面白みがないし、おそらく大規模戦闘において効果は薄いだろうけど、暗殺、浸入を防ぐ為の能力として有効化するのはありだと思う。
後は個人的な印象だが、警官が二人もいるとなんとなく警護が他よりも厳しそうというか、厳しく完備されてそうな気がしないでもない。
>410
柳川の勢力から長瀬は地理的に遠すぎる。
長瀬の忍者がやばいのはわかるけど、いくらなんでも柏木跨いでさらに先にある柳川領まで侵入(ここまではありとしてもあくまで少数精鋭の偵察が限度では)。
さらに忍者でもなんでもないただの武将引き連れて柏木領を通過はちょっと非現実的というか、むしろそれがアリになると忍者がやばすぎるという・・
前にも話題になったけど、あんまし忍者を便利にして欲しくないね。
>409よ、何故陸路と決めてかかる?
>>414よ、何故水軍が水瀬の味方と決めてかかる?
北陸は特に有力な水軍が無いので、中の人の裁量の余地が大きい。
>416
中の人の裁量だけで船の使用云々が決まるのもどうかと思うが。
海軍がいない→航海の経験者がいない、の論法が成り立つわけで・・・・難破しちゃう危険性高すぎだろうに。
海甘く見たらいかんよマジで。
というかそもそも帆船自体が存在しないような気がするし(製造技術無いでしょ)
ちなみに経験っていうのは、越前への航海への経験ね。
海岸線も何もさっぱり分からん場所にいきなり行くのはやばいと思うよマジで・・・・・冒険家や事業主じゃねーんだから。
柏木耕一は一通の書状を前にして、頭を悩ませていた。
それの中身は簡素なもので、「柳川という共通の敵がいるので水瀬と仲良くしましょう」
ということが美辞麗句を省いて書かれている。差出人は天野美汐となっており、素っ気無
い文章や文字の乱れ具合から、かなり慌しく書いたものと推測される。おそらく柳川が加
賀・越中へ反攻したとき、負け戦を予期した彼女が打った手の一つとして、この書状を部
下に持たせたのであろう。
水瀬家美坂軍が柳川家長瀬軍を追い返した挙句加賀まで占領したという報を聞き、柏
木千鶴は即座に若狭出兵を決めた。越中の守備兵を裂いて加賀にまで手を出した美坂
軍にはこれ以上遠征する余力は無く、背後を気にせず動ける好機と判断したのだ。越前
一国しかない小大名の柏木としては、いきなり上洛というのは無理にせよ、有力大名のい
ない若狭・丹後から豊かな畿内へと食い込みたかった。
実際の遠征では、将軍家という思わぬ拾い物もあり、若狭も平定できて柏木に追い風が
吹いたと思えたのだが、そこで柳川の加賀・越中逆襲の知らせが入った。
柳川の性格からして加賀を取られて黙っているはずはなく、近いうちに柳川が兵を出す
ことは予測できた。しかし加賀どころか越中までをも奪い返すその見事な手口は、予想外
の出来事だった。加賀を巡って水瀬・柳川が抗争しているうちに国力を増すという目論み
は見事に外れたのである。
柏木軍は若狭の小浜に千鶴を残し、耕一・楓は越前へと舞い戻った。それは柳川の侵
攻を恐れたと人々の目に映ったが、実際は少し違う。越前本国に守備として残した柏木梓
の暴発を恐れたのである。
柏木としては、柳川は仇敵である。先代当主・柏木耕平の妾腹の子でありながら柏木
本家に反旗を翻した彼を討ち、先祖代々の墓がある雨月山を取り返さない限り、本家と
しての面目は丸潰れである。周囲の大名家や豪族からも軽んじられてしまう。また彼の
反乱はまだ記憶に新しいところであり、家中には柳川に恨みを抱く者も多い。乳兄弟の
日吉かおりが辱めを受けたと激怒した柏木梓が「柳川討つべし」の急先鋒である。
しかし柏木の現状を見るに、柳川・水瀬より国力で劣っていることは間違いない。仮に
水瀬と協力して柳川を挟み撃ちにし、首尾よく柳川を討ち滅ぼしたとしても、その後が問
題になる。大国である水瀬と領を接することにより、今度は水瀬からの侵略に怯えるこ
ととなる。水瀬は宴席で久瀬を騙まし討ちにして久瀬領を併合した実績があり、次に柏
木がそうならないという保証は無い。
柳川としては水瀬と抗争しているのだから、柏木にまで手を出して戦力を分散させる必
要は無いのだ。逆に柏木からしてみれば、水瀬と協調して柳川を攻めれば向こうは戦力
を分散させざるを得なくなり、こちらが有利に戦える。しかし柏木としても、若狭へと出兵
しているのに加賀へも出兵するニ正面作戦はやりたくないのが本音である。
現在の最善策は、水瀬・柳川の抗争が長引くよう適度に加賀へと介入しつつ、丹波へ
侵攻して国力を増やすことであろう。それには家中の打倒柳川論を適度に抑える必要が
あるわけだが、この書状はそれを煽る存在となっている。
「さて、どうしたもんか…」
「ずいぶんと難しい顔をしているな、どうした?」
耕一が考え込んでいるところに、柳也がやってきた。
「まぁ、今後のことでな。柳川をどの程度攻めるかの加減をな」
適当にぼかして答える耕一だが、柳也も深くは追求せずに頷いた。
「それより、何か用か?」
「あぁ、月島瑠璃子から書状が届いてな。僧兵どもは追い払った、早く帰って来い、と」
「そうか… あんまり留守にしてる訳にもいかないか。せっかく、初音ちゃんと仲良くなっ
たのにな」
「あぁ、神奈は海の幸が美味いから帰りたくないと言うかも知れんがな」
二人は軽く笑いあった。
「ずいぶんと世話になった」
「困ったときはお互い様さ。 …そうだ、京までの道中、護衛をつけよう。梓が適任かな。
それから、ぜひ小浜の千鶴さんとこにも顔を出してやってくれないか」
「若狭から丹後を通って山城へ行けと? 梓殿にどれくらいの兵を持たせるつもりだ?」
「そうだな、丹後を平定できるくらい、ってのはどうだろう」
水瀬と柏木の同盟について、ここでの議論を自分なりにまとめて書いてみましたが、
どうでしょうか。まぁ、まだ耕一の脳内プランなんで、方針変更はいくらでも可能ですがw
……なぁ、ここの住人は
上杉謙信が1553年と1559年に上洛してる事実をどう理解してるんだ?
あと>417-418、あなた戦国期の海上交通についてちっとは調べろ。
いや、そこまでせんでもいいから「水軍」が普段何やって稼いでるかくらいは知っとけ。
それは史実。
ここはネタスレ。虚構。嘘。中の人次第で何でもあり。出鱈目マンセー!
と理解してますが何か?
うん、そっちなら良いのよ。
史実でもノブヤボでも出来ることを、
勝手な思いこみで「出来ない」って名無しが制限かけるのは違うだろ、って話。
ま、戦国ヲタの戯言だ。 忘れれ
でたらめマンセーはさすがに違うだろ。ある程度この時代の知識は共通項として持ってないと。
リレーSSなんだからさ。いきなり時代関係なしに黒船が来航したら困るべ?
>>422 ここの中の人は侵入者即抹殺のイメージが強いから、多分そのせいでしょう。
>>425同意。
もっとも今回の場合、柏木家は将軍を帰す際に長瀬祐介家の外交戦術にどう対処するかのほうが重要。
まかり間違えばいつの間にか軍門に下っている可能性あり。
長瀬家は謀略家だが、他家に比べるとボロを出していない。隠していてもいつかは
ばれたり状況証拠から怪しまれるものだが、長瀬家は小さな事実を認めることで
上手に大きな謀略の発覚を遅らせている。
>>412 忍者で奪還を支持するわけじゃない(長瀬の中の人次第だと思うが)、
事実上長森領は自由に通行できるのだから、飛騨から行けば柏木領通らないよ。
>>421 梓が柳川打倒派の急先鋒だったり、うまいと思った。
畿内北部に主要勢力がいないから、ポンポン領土拡張できるはなんだかなあ、
という感じもするけど。
>>422 越後←→越前なら、瀬戸内海とかほど楽ってわけでもないが、
大軍動かすとかでなければ、別に難しいわけじゃないね。
ところで、天使のいない12月とかCLANNADの扱いはどうなるのでしょうか?
天使のいない12月は千葉に配置しそうでしたけど、
千葉は現在戦闘や誰かが侵攻する意図がある地域でないのでいいとして、
播磨・丹後・山城あたりは重要な土地の割に葉鍵勢力がいないので、
今までほとんど戦ってない柏木・那須とか、しばらく緒方と開戦することはなさそうな長瀬が
あんまり労せず手に入れちゃいそうなので、入れるなら早めに決めた方が
いいような気がするのですが。
CLANNADに関しては、発売時にまだこのスレ続いてたら、
空白地帯に配置(旗揚げや謀反?)なり、無視するなり決めるので、
いいような気もしますが。
>427
確かに、長瀬家の謀略はほぼ成功している。
祐介自身、電波を使ってるのかもと思うほどカリスマがあるので、部下の結束は強い。
しかし、しかしだ。
祐介も若さゆえか外にばかり目を向けている気がする。
実は、祐介以上の電波力、もとい、謀略の達人が内に潜んでいるのに気付いているのだろうか?
他家に兄を売った雌狐。柏木家とのパイプもある月島瑠璃子。
気を付けないと、拍子抜けするほどあっさりと足元をひっくり返されるぞ。
スマソ、かなり妄想が入っている。
>>430 あまり謀略家を増やすと「名前だけ葉鍵で中身は別人」の謀略家ばかりになって
萎える。その辺うまくやって欲しい。
原作から考えると、カリスマのある祐介ってなんか変だなw
祐介の時点で、本編とはだいぶかけ離れてるけどね。
ひきこもって、鬱々されてても困るけど。
>>420 長瀬は強いから、上洛する気はなかったんじゃなかったっけ?
丹後平定すると、かなり長瀬に警戒されそうな予感。
永禄元年春 薩摩国坊津(ぼうのつ)
薩摩半島の南西部はいわゆるリアス式海岸になっている。この種の海岸は
山地が海に没した地形になっており、港として絶好の条件を兼ね備えることが多い。
従って、この地域でも漁業が栄えると共に、海外航路の出発点としても古くから
重要な位置を占めてきた。中でもここ坊津の港は、古くは遣唐使の出発地となっており、
鑑真和上が来日した時もこの地に上陸したと伝えられている。岩山がそのまま海に迫る
その港に、嵐にでも遭ったのか酷くくたびれた南蛮船が一隻入港していた。
「やっっっと港に着いたぜ」
「わ、わたくし、よ、酔ってしまいました〜〜〜」
「ひ、ひどい目にあったにゃ。海はもうこりごりにゃ」
船上でも船と同様にくたびれた人影が三人のびていた。一人は少年のような風貌の
青髪の娘、一人は素直そうな赤毛の少女、そしてもう一人は猫の系統の獣人である。
「だらしないわねぇ、あんたたち。あの子達を見なさいな」
船室から出てきた金髪の女性が苦笑しながら指差す先では、茫洋とした風情の赤毛の娘と
小柄な金髪の少女が上陸の準備に黙々と立ち働いていた。
「……あー、何て言うか、元気だよな、あいつら」
「……エビルさんたち、口数は少ないんですけどねー」
「はいはい、愚痴ってないで働きなさい」
「メイフィア、横暴ニャロメ」
「あんたたちがルミラ様に怒られるのは勝手だけどね」
「う、やばい」
「そ、そうです、ルミラ様のためです! 頑張らなけ…れ……う、うぷ」
「急に立ち上がったらそうなるのは当り前にゃりん」
「……やれやれ。仕方ないわねぇ」
「みんな、準備はどう?」
小半刻ほど経ち、船室から現れて一同に声をかけたのは(少なくとも外見は)
若い女性だった。身にまとう物こそ長旅でくたびれているが、(外見上の)
若さに似合わぬ威厳をまとい、立ち居振舞いは巧まぬ高貴さを感じさせる。
(「……? なんだかどこかで良からぬ噂が流れているような気がするわ」)
名はルミラ=ディ=デュラル、ぼろは着ていてもれっきとした貴族の当主である。
「ルミラ様、準備整いました」
金髪の少女が告げるとルミラは頷いた。
「じゃあ上陸するわよ。この地では何とか上手く行くといいわね」
深く頷いた一同、赤い髪の少女アレイ、猫の獣人たま、金髪の少女フランソワーズ、
金髪の美女メイフィア、青髪の娘イビル、赤毛の娘エビル。単なる西洋人ではなく、
魔族と呼ばれる異形の民に属する彼らだが、ルミラとデュラル家の旗の下、
戦国の歴史に名を残すことになる一騎当千の面々である。
イビル「まずは食糧補給が先だけどな」
アレイ「確かにお腹減りましたですねぇ」
たま「鮎塩くいてーっ!」
メイフィア「……全く、この欠食児童共と来たら」
----------------------------------------------------------------
ちなみに、メイフィアさんは素で戦国武将と同時代人だったりします。
十六世紀末に自分の魂を絵に封じ込めた魔女なんで、まさにこの時代の人。
メイフィアさん、船酔いしないように絵の中にいたろ?w
437 :
関東担当:03/10/27 08:43 ID:7bwva7FI
>>429 詳しくはまだ未定だが播磨移動で最終調整中。
後は中国側との調整…かな。
438 :
名無しさんだよもん:03/10/27 12:53 ID:iUzzCp7M
調整って、何を調整することあんのさ? 管理人ならさっさとFA出せよ
>>437 近畿はかなり空白地帯あるから、その方がよさそう。
全部まとめるか、学園組とケーキ屋組に分けるかは微妙だが。
>>433 ふと思った。祐介がいきなり鬱になって出家して高野山に行ってしまい、
家臣が必死で考え直してくれるように頼み込んで連れ戻すってネタを。
というか、ストーリー開始時点よりも前に2〜3回やっていそうだ。
いや、このスレだと高野山は使いにくいからむしろ比叡山か。
場所も近いし他国に知られ難いだろうし。もしかしたら今でも数カ月おきに
やっているのかも知れん。だから家臣がみんな、目を離すとまずいと
思ってるのかも。
…このスレの設定だと秋子さんではこのネタやれないからなぁ。
>>428 >>433 ご指摘ありがとうございます。
畿内北部を甘く見ていたり上洛の方針をころっと転換したり、中の人の
不徳の致すところであります。ゲーム内的には耕一が若狭での勝ち戦に
浮かれているということでしょうか。
ま、耕一は原作でも頭の切れるタイプではないし、お調子者の面があり
ますので、大目に見てやってください。
丹後へ侵攻するとなれば、長瀬・月島連合が黙っていることはないでしょ
うから、そう簡単に平定はできないでしょう。どこからも妨害がないなら
平定できてしまっても良いかな、と個人的には思いますけど(葉鍵ネタス
レだから名も無きNPCよりは葉鍵キャラを優先)。 あるいは、柏木に露
払いをさせておいて丹後を丸ごと頂くためにわざと妨害しないとか。
柏木も長瀬・月島連合が黙っているとは思っていません。しかし、彼らが
将軍家に形なりとも従っている以上は、将軍家の仲裁がある程度利くと
甘い希望を抱いています。
柏木にとって最悪のケースを想定すると、丹後で長瀬・月島と抗争、つい
でに加賀へ介入するさじ加減を間違え柳川とも抗争、というニ正面作戦に
なってしまったときでしょうか。そうなったら柏木の滅亡は間近ですね。
>>440 比叡山は地理的に難しいけど、石動山あたりはリアル戦国でもそれなりの宗教的勢力で、
上杉と友好関係にあったから、使えるかも。
と言っても、越中と能登の境界あたりだから、だいぶ遠いが。
443 :
440:03/10/27 23:52 ID:rRQ3AQnz
>>442 それは秋子さんでこのネタをやるのなら、ですね?
でも俺としては秋子さんが鬱になるのは想像しにくいなあ。
謙信のエピソードだからって、このスレで地理的に対応する水瀬家でやる必要は
ないんじゃないのかな。むしろ祐介のほうが性格的にマッチしてると思う。
どうせ大勢に影響しないエピソードだしな。(笑)
>>441 不徳どころか、かなりいい手だと思う。
長瀬はもちろん、同盟に囲まれてる&疲弊したとはいえ大国の長森にも
手を出すのは自殺行為なので、柳川との即会戦を避けるなら、
畿内に行くしか手がない。
将軍の帰京という大義名分があれば、当分は他の勢力も手を出しづらい、と。
長瀬には警戒されるが、勢力的にそれほどでもない柏木よりは、
対緒方が主軸というのは動かないでしょうし。
スレ設定的にも、柏木が丹後制して、山城に神奈が戻って、
天使勢が播磨・但馬あたりにくれば、畿内の空白は
ほぼ解消されますしね。
──躑躅ヶ崎館──
「おや、理奈ちゃん自らお出迎えとは嬉しいね」
「兄さん! いったいどうなってるのよ!?」
戻ってきたばかりの英二の言葉を無視して理奈は詰め寄って来る。
「冬弥君と澤倉さんが出奔!? しかも内通の疑いが掛かってるですって? そんな馬鹿な事が……」
「あったんだよ、実際。でなきゃこんなに大騒ぎになって無いって」
「嘘でしょう……」
その言葉に思わず絶句する。理奈にとって冬弥は由綺を介して知り合った親しい友人なのだ、到底信じられる筈が無かった。
「緒方殿〜!」
そこへ場違いに能天気な声が響く。見ればご大層な格好をした男が手を振りながら駆け寄って来る。
「お久しぶりです、中納言殿。遠路遥々こんな山奥によくお出でくださいました」
「いえいえ、都にいたってろくな事ありませんし。あっちじゃ家も雨漏りしてて本当にしょぼーんなんですよ」
顔を曇らせている男の名は河田権中納言。朝廷から緒方家に派遣されて来た使者である。
「ところでその格好……何をなさってるんです?」
「ただ待ってるのも何ですから、庭先を借りて蹴鞠を……」
「中納言殿、少しよろしいでしょうか?」
その時、理奈が何かを思い出したかのように英二にそっと耳打ちをする。
「帰ってきたら他にも『あなたは蹴鞠という球戯をご存知ですか?』とか訳解んない事言ってる
眼鏡かけた兄さんみたいに変な人もいるんだけど……あれ誰?」
「酷い事言うなぁ。なかなか俺に似ていい男じゃないか」
「で、誰なの?」
「うーん。強いて言えば……血統書付きの捨て犬」
「はぁ?」
「それじゃ俺、中納言殿と話があるから、後は任せた」
「えっ、ちょ、ちょっと〜!」
──躑躅ヶ崎館接客の間──
「ところで……例の件はどうなりましたかな?」
「おお、忘れるところでした!」
そう言って持っていた荷物入れの中から一枚の書状を取り出す。
「この通り。従五位上 少納言就任、真におめでとうございます」
「いえ、全ては中納言殿のご尽力あってのものです」
「このぐらい何でも無いですよ。甲斐に信濃の荘園返してもらって本当に助かってるんですから」
「……そんなにお困りで?」
「ええ」
割と深刻そうに頷く河田権中納言。
「頼みの綱であった幕府の権威が失墜してからというもの、碌な事がないんですよ。
各地の荘園は殆ど荒らされるか奪われてしまって収入激減。それに千庭の乱、あれは拙かった」
「ほう……」
「それまでは大庭家がしっかり関東管領やっていて、あそこからの収入だけは確保出来てたんですよ。
ところが何をトチ狂ったか上の方が朝敵認定なんか出してしまいまして…… おかげで荘園全部取り上げられた赤貧貴族続出。
認定解除したりいろいろ交渉したりして少しは返還してもらったんですけど……以前の十分の一も無いんです。
訊けば戦乱で消滅しただの賊が乗っ取っているとの事。もう朝敵認定だけは勘弁して欲しいですよ」
「自業自得では?」
「うう、僕は反対したのに……。あ、でも寄付に荘園返還は大歓迎ですよ。今なら今回みたいに幕府を介さずに直接官位をあげちゃいます!」
「ところで将軍は如何してるんですかね。行方不明になってるって話ですが」
「知りませんよ。……まあ、帰って来たところで別に何も変わらないと皆思ってるんですけどね。
宮中では『幕府は滅びたみたいだから征夷大将軍の位を取り上げるて違う人を頼るべきだ』って公言してる人までいるんですよ」
「神奈備命も可哀想に。世知辛い世の中ですな」
「こっちだって生活するのに必死なんです。強力な庇護者を求めるのは当然の事じゃないですか。
……そんな訳で今僕達が期待しているのは大躍進中の長瀬殿。山城南部だけじゃなくて北部も統治してくれれば助かるんですがね」
「南部だけ?」
「なんか将軍家に遠慮してるみたいで北部の統治を残っていた幕府の兵に任せてるみたいなんですが……
幕臣の柳也殿に裏葉殿がいなきゃまともに動けない人達みたいで、はっきり言って頼りにならないんですよ。
せめて皇居の壁ぐらい直せよ、て感じです」
「妙なところで義理高いんですな、彼は」
「中納言殿」
「何でしょうか?」
「ちょっと待っていてもらえませんか」
その後も雑談を続けていた二人だったが唐突に英二は話しを打ち切る。
「……? 別に構いませんが」
そう言って部屋を後にする。外には一人の女が立っていた。
「……高井さん。準備はどうだい?」
「あの通りです」
鈴美の目線の先には高々と上がる煙が。
ただの狼煙ではない、緊急事態を告げる狼煙である。
これより数日のうちに領内各地にいる重臣は躑躅ヶ崎館に集まる事になるだろう。
「澤倉さん達の行方は?」
ところで、と前置きして英二は尋ねた。
「依然つかめていません。しかし見当はついています」
「へぇ……」
「渡辺家残党を裏で操っていたのは間違えなく長瀬。ならばお二人を何かに利用する為、必ずや自分が滞在しているところ……
今は清洲ですがそこに呼び寄せるでしょう。
そこに至るまでの信濃街道はこの騒ぎで厳重警戒中、危険を冒してそこを通行している筈は無いです」
「じゃ何処を移動中だと思うんだい?」
「飛騨ですよ。あんな事があったんです、北陸に向かう訳がありません」
「……飛騨か。けれど澤倉さんの足じゃ辛くないか?
街道が無い北信濃からあそこまで突破するにはどう考えても二週間はかかりそうなもんだが」
「ですが我々の追手から逃れるには最適な場所です。意表も衝けますし」
「なるほどね……」
うんうんと言いながら頷く英二。
「よし、解った。美濃へ行って網を張ってくれ。何の道、美濃を通らねば清洲にも近江にも行けまい。
どうせだから里村さん達にも協力を頼んでおいてくれよ。そして……何としても生け捕りだ。
難しいかもしれないががんばってくれ」
「解りましたわ」
「ところでこの度の失策…… 何かお咎めは?」
「お咎め? いったい何の事だい?」
英二はとぼけた顔で軽く笑う。
「高井さんの本当の仕事は忍衆の教育、それにも関わらずあんなに沢山返り討ちにしてくれて感謝しているよ。
加えて後始末の手際の良さ。実に素晴らしいじゃないか、氷上シュン一党による民の虐殺をでっち上げるなんて」
「大した事ではありませんよ。同士討ちになった農民と国人衆の人々の死を無駄にするのが忍びなかっただけですわ」
(流石に情報操作はお手のものだね……)
「あと遠江方面での敵の間者の動きがパタッと止まってるんだ。何か指揮系統の乱れだと思ってるんだけどね。
だから渡辺家残党をけしかけたのかな? どっちにしろ敵にもかなり被害を与えているんだ、いいじゃないか」
「それに高井さんに期待しているのはそれだけじゃないんだよ」
「はい?」
「今後も戦いは続くだろう。そしてますます武器や金が必要になる訳だ、国を支える為には米もね。
ただそれを成し遂げるには天下の自治都市堺との繋がりも必要不可欠」
「なるほど、そういう訳ですか」
「書いてもらえるね、堺町衆評議会への紹介状」
実は高井鈴美、表の顔は堺町衆の一人である。
堺では南蛮物の店などやっていたりするが稼ぎの大半は依頼費だったりするので、半ば趣味のようなものであった。
「……ふふふ」
「ん、何が可笑しいのかな?」
「いえ、あそこが自治都市とは緒方殿とあろう者が」
「……違うのかね?」
「自治都市、それは堺の見かけだけの姿です。実態はそんなものではないですよ」
たしかに勅命連発はよくないな
しかし蹴鞠っていうと氏真くんが頭に浮かんでくる
生まれたのが400年遅ければ、
静岡市サッカー界で名を轟かせJリーガーとして大活躍、
南米サッカー界から三顧の礼で迎えられて
日本人なのに「キング」ペレの真の後継者として称えられただろうに……
ないない
>>450 史実の戦国時代で朝敵認定をされるところまで行ったのは大内義興ただ一人。
しかし滅びるどころか、逆に上洛に成功。なし崩し的に朝敵を消滅させてしまった。
ただ、幕府にとっては結構威力があるので、室町後期幕府の力が落ちていた時期は
時々使われた。戦国になるとそれすらしなくなった。
江戸幕府滅亡に朝廷が使われたのを見ても分かるように、朝廷を使う側に
相応の実力があれば効果は絶大だが、そうでなければ却って朝廷の権威が失墜する
だけという諸刃の剣。だから朝敵認定を封印したのである。
ただ、朝敵ではないが、越後長尾氏はそれよりはランクの低い治罰の綸旨
(近隣の敵を攻撃するための大義名分)をもらって戦争の名分にしているので、
小説の内容は全くのデタラメでもない。
関東管領を保護したのは小説と正反対だけれども。
まぁ、幕府の重職であるはずの関東管領が朝敵認定されるようでは
幕府(神奈、じゃなくて)が既に滅亡している証でもあるわけだが…
>>454 そういえば関東管領の上司である鎌倉公方はこの世界では何処に?
鎌倉公方は幕府中央と対立することが多く、永享の乱(1438年)で公方の
足利持氏が幕府の申請により朝敵にされ討伐された。
ただし、室町幕府最盛期は朝廷に頼らず独力で敵を倒していたので、綸旨に
頼るようになったのは衰えの現れ、といわれている。
>455
まあ、それでも「幕府が朝廷の権威も借りつつ内紛を解決」だからまだマシなわけで。
こっちの場合、幕府の面目がまるっきりブッ潰れた状態になってるからなぁ…
橘大納言家(播磨姫路・淡路・福原)
大名 橘先生 (姫路城御所)
執権 榊しのぶ(姫路城)
執権 巣鴨文吾(維納夜曲)
家臣 (姫路城) 榊しのぶ 木田恵美梨 霜村功 葉月真帆
(維納夜曲) 麻生明日菜 須磨寺雪緒
播磨姫路を中心とする水軍中心の大大名。
橘家は今の幕府を立てた功臣の一つ・紀伊橘家と名前は同じだが、直接の関係は無く、
むしろ大名である橘氏が従三位大納言という公家を中心とした古典勢力である。
管轄する播磨は、昔は福原の港があり、またさらに大都市・堺と近いという地理的な
位置、さらに何より瀬戸内海の海運を淡路島周辺で一手に担う上、農業生産に関しても
極めて高い生産性を挙げ、富が集中するので中国地方の中でも文化力は確かにトップ
クラスではある。
しかし、家臣内部の忠誠度に関してはいまいち高くない上に、国内においても
戦国の動乱に合わせて「婆沙羅」や「傾者」とよばれる無頼集団が大挙して現れるなど、
治安・風俗共に現在乱れており、家臣の中でもその流れに乗ずる動きがある。
これを文化の円熟期とも混乱期とも言う事はできるが、戦国の世を渡るには少々不安な面もあろう。
まずは忠誠度の向上と軍備の拡張を考え、姫路勢力はしばらくは動かない方が無難かも知れない。
しかし、巣鴨文吾を中心とした海上城郭「維納夜曲」の勢力は、内政戦闘外交全てに優れた
名将・巣鴨文吾を中心とした実質剛健な海軍が備わっており、いざ戦争となった場合は
彼と姪の麻生明日菜・須磨寺雪緒を中心とした部隊が瀬戸内の戦場を駆け抜ける事になろう。
(注1:肝心の天いな総大将・木田時紀の設定については、書く人にお任せします。
まあ、彼の選択次第でこの家はどうにでもなるんですが・・・)
(注2:「維納夜曲」の場所ですが、戦術上重要だと思われるお好きな場所でいいです。
といっても、本州か淡路かしかないんですが。
どう出るかは判りませんが、最初の設定で、一応は淡路島の港の目の前という
ことにはしてます。(堺が目の前に見える位置であり、南蛮・唐からの
都の守りでもある・・・)
もし書きづらいようなら、最初の様に巣鴨独立・維納夜曲単独でも構いません。)
(注3:栗原透子については、最初から武将登録されてません。)
(補足)
設定が本当にややこしいんですが、橘先生の部下として明日菜がいる訳では無く、
あくまでも橘先生の家臣に巣鴨文吾がいて、その直臣として明日菜がいる形です。
つまり、普通あんまり無い「家臣の家臣は臣ならず」の原則がこの家にはあります。
勢力が海と陸に分かれている事がこの状態を複雑にしている一つの原因でしょうが。
巣鴨さんの方には元々野望があまりありません。ですので、主家である橘家を立てて
ある程度やってますが、橘家の方で巣鴨家を信頼しているかどうかなんて判りません。
.´ `v^) _______________________
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`;l从 )) < (天いな編を書くのは色々と)難しい。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) アク禁カイジョ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ちやんと上総安房でもやってみましたが、下手すると由宇の一撃で吹き飛ぶ可能性も無きにしも
在らずでしたので、結局取り下げ、次善の案として播磨案初期設定を一応提出しますです。
一応橘先生が大御所、しーちゃんが将軍的な感じがあります。でも、
しーちゃんが総裁か橘先生が総裁かはそれぞれの中の人で適当に決めてください。
この親っさんなら最初から鉄甲船持たせておいてもいいかも知れません。
本来なら維納夜曲だけあって本当に維納行かせようとしましたが、やはり無理っぽい。
この人の場合はひたすら豪華絢爛な和風で押していった方がいいのではないかと考え、結局そっちにしました。
マジ設定で姫路地区は豊かで、文化も発達しています。どんな文化かは詳しくは何か忘れたが、
とにかく「渋いもの」が多い。
かなり設定的には詰めたつもりでしたが、問題がある場合は随時訂正願いますです。
しかし、ここに勢力を作る事は正直中の人同士の戦術にも微妙な影響を与える事になる・・・・
戦術がかなり変わる可能性が高そう。文吾さんと橘さんの中の人次第だが。
(福原は水軍の都ですので、播磨では無いけど一応入れてみました。)
今、幕府がどうなっているのかについてははっきり言って解りません。
柏木と柳也の中の人と長瀬の中の人の政策次第で大分変わってきます。
但し、関東的には。
和樹が伊豆平定したので、取り合えず相模守護を名乗ろう(自称)かという
話を書きかけましたが、神奈が柏木に匿われた事を和樹が知っているのか
不明な為、わざと停止した経緯も有るんです。
要するに、この問題、柏木が将軍を匿い、長瀬は将軍を敬い、
神尾を中心としたAIR勢力は将軍の一族という設定(御三家)ですので・・・
最悪、同じく将軍がいなくなった場合、神奈が将軍となったのと同じように、
次の将軍として名乗り出る人物が必要になる・・・・・・なあ。
次期征夷大将軍最有力者
↓
へヘ ニハハ
/〃⌒⌒ヽ
〈〈 ノノノハ))) カタ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|ヽ||´ ∀`|| __カタ ___< にはは、シリコンキョニュウはにせもの!
リ ]つ╂リ]|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| \_________________
|\.|| SOTEC. |
'\,,|==========|
読み返してみて、自分が大きな勘違いをしていることに気づいた。
柏木が欲を出しているのは丹後じゃなくて丹波です。京から遠ざかって
どうすんだ。
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ
∪∪
幕府の政策については…
神奈としては、高野山に囚われの八尾比丘尼を救出するのが第一なんで
しょうけど。まずは失墜した権威を建て直さないと… どうやって?
都の世論は長瀬待望論が主流のようだし、この件は長瀬の人がイニシア
チブを握ってますね。(丹波に出てきた柏木+将軍家にどう対処するのか
も含めて)
大名思考中
長森瑞佳が面会を遮断して半月。清洲城において久々に長森家の家臣一同が集まった。
その中には四老中を始め、住井護、椎名香穂、そして新たに家臣の席に加わった深山雪見など、
重臣の全員が清洲城の大広間に集まる事になった。
(ようやくですか……。これでようやく例の話を持ち込んで、長瀬の手から
長森家を解放できるというものです)
茜はそう考えて大広間に向かっていた。既に小坂由起子とは話がついている。
あとは、この会議の場で長森瑞佳の認可を取れれば良い。茜には長瀬と手を組ませない自信があった。
「それではこれより評議を始めます。本日は長瀬と緒方に対する対応を如何するか。
それに対する意見を述べていただきたいと思います」
住井の司会で評議は始まった。その言葉に対して、真っ先に七瀬が意見を言う。
「長瀬と同盟を組むべきよ」
「私も同意見ね。緒方は深山領である三河、長篠城を手中に収めようと要求してるわ。
これは将来的に三河より西に出ることを示唆してる。そんな相手と手を組むなんて
長森さんは緒方に三河以西を捧げるつもりなの?」
七瀬の意見に追従する様に雪見も意見を述べる。彼女は新参者とは言え、三河一国を持つ大名でもある。
その意見の影響力は四老中に劣る物ではなかった。
「七瀬さん、それに……深山さんでいいのかしら?」
二人に対し小坂由起子がたしなめる様に言う。
「長瀬は一度こちらに対して敵対行為を行っています。それを簡単に信用して
緒方との敵対関係を作り出すなんて、長森をつぶす事になりかねません」
「そうですね。長瀬の言ってることはあまりにも虫が良すぎます。彼らの言い分を認めれば
長森家が乗っ取られる事にもなりかねません。だいいち、彼らは味方であるはずの
緒方英二殿に挑発行為を行っているのですよ?」
茜の意見に対して、雪見が反論する。
「それは緒方英二と南君の言い分でしょう?どうしてそれだけで長瀬がやったと断定できるのかしら?
それに挑発したのは誰かはともかく、それが原因で緒方軍の忍びが三河遠江国境で
民を虐殺する事になった訳だけど。……人間、怒ると本性が出るものよ、里村さん?」
「……そもそも緒方に対して挑発行為を行わなければ、その民を死なせる事はなかったのでは?」
「挑発に乗って、そんな事を命令した人間に責任は無い、とでも言うの?
いいわね、自分の行動の責任を背負う経験の無い人は気楽で」
「……無礼な言い方ですね。新参者は自重すべきでは?」
「あら?勝手に他人の領地を緒方に渡す事を了承したのは、何処の誰?
それが貴方にとっては、深山に対して礼儀を尽くした行動なのかしら?」
「……長瀬の手先である貴方に、何故礼儀を尽くす必要が?」
「……ふうん。どうやら、長森に深山は必要ない、といってるのかしら?
それに清水なつきの事だって、提供したのはたかが十日分の兵糧。
その後すぐに渡辺本隊と合流したのだから、そんなに戦局に影響を与えたとも思えないわね。
……それよりも、貴方こそ緒方の手先じゃないの?
三河を緒方に捧げて、何を手に入れたのか興味あるわね」
「……」
「……」
茜と雪見。二人の睨み合いで評議の場が沈黙する。
「……長森さん。如何するつもりですか?」
「そうね。深山の件、長篠城の問題も含めて、長森さんの考えを聞いたいわね」
そう言ってその場の視線が瑞佳に集まる。瑞佳は落ち着いた感じで言った。
「浩平は、どう考えてるの?」
瑞佳の言葉に、この評議の中で一度も発言していない浩平に皆の視線が集まった。
「……結論から言えば、緒方とは長篠城が長森の領有である事を認める事を条件に不戦協定を結び
長瀬とは友好の意を了承するのが良いだろうな」
「浩平!?」
茜が声を上げるが、瑞佳は浩平に理由を尋ねた。
「まず、こちらは緒方と敵対するつもりは無いが、長瀬の功績を無視すれば
「長森瑞佳は恩知らず」として見られるのがオチだ。それに長瀬は「緒方と敵対するなら同盟」
と言っている。だったら、同盟を結ぶ必要は無いんじゃないか、七瀬?」
「……まぁ、そう言えばそうね」
浩平の言葉に頷く七瀬。さらに
「深山さんとしては、長篠城の問題が解決すれば緒方と敵対するわけじゃないんだろ?」
「……そうね。とりあえずそれと緒方が三河に侵攻しない、という保証があれば良いわ」
「それに由紀子さんも、緒方との敵対関係さえ無ければ良いんでしょう?」
「そうね」
「だったらそれで良いわけだ。さてと、茜はどうなんだ?」
「……如何いう事ですか?」
「この案に賛成か、反対か、さ。もう既に三人は賛成してるし、他に案も無い。
茜が他に具体策を出すならば、それも考えるけども。どうだ?」
「!」
そう言われて茜は場の空気に、既に自分が賛同するものとして、視線が向けられている事に気付く。
(…やられた)
茜は既にこの評議が浩平に支配されている事を悟った。
(…だけども、引き下がる訳には)
「どうだ?」
浩平の言葉に
「…何故、軍事同盟ではなく、不戦協定なのですか?」
「長瀬の功績を評価する、と言ったろ?それに長瀬が友好の意を表明し、
髭が居なくなった以上、誰と戦うための軍事同盟なんだ?」
「……」
茜が黙ると、瑞佳が言った。
「じゃ、浩平の意見に賛成の人は手をあげて」
そして茜以外の全員が手をあげる。
「……茜は反対か?」
「いえ……。棄権します」
「わかった。そういう事ならこの件はこの方針で動く事に決定する、で良いんだろ、瑞佳?」
「うん。それじゃ、次ね。新しい人事を考えたので、賛同して貰いたいんだけど……」
瑞佳はそう言って、手元の箱から一枚の書類を取り出す。
「……如何かな?」
「お、良いじゃないか、瑞佳」
その人事の概要は
五老中…折原浩平 七瀬留美 小坂由起子 里村茜 深山雪見
美濃国主…住井護 美濃国主補佐…小坂由起子
三河国主…椎名香穂 三河国主補佐…深山雪見
長森軍大将…折原浩平 副将…七瀬留美 里村茜 大将付き間者頭…柚木詩子
という物だった。
「…長森さん、どうして私が美濃から外されるのですか?」
まず、茜が睨むように瑞佳を見た。かなり不満そうな表情を浮かべて。
「当面戦が無いとは言え、長森の軍勢は今回壊滅的にやられたわけだ。
まずはそれを是正するために、軍勢の再編や訓練に家臣の実力者を充てる。
そういう事だろ、瑞佳?」
「うん。それに私は戦の事は苦手だしね。今回の事から誰かに軍勢を一切任せるべきだと考えたんだけど」
「それならば良いです。ですが、何故その大将が浩平なのですか?」
「自分じゃない事が不満か?」
「……いえ。ですが、納得の良く理由が無ければ従いかねます」
「……今回の敗因のひとつに、七瀬と茜の不協和があった。
その結果、七瀬が作戦通りに動かずに突出し、敗退を招いた。
だから七瀬や茜には大将が任せられないんだが、不服か?」
「うぐ……」
「……いえ、そういう事ならば仕方ないです。自分の不徳とする所ですから」
七瀬と茜が下がると、雪見が瑞佳に聞いてきた。
「どうして私が三河の国主から外されるのかしら?」
「それは、深山さんが長瀬よりの意見で、由起子さんが緒方よりの意見で、
それに五老中という、影響力が大きい人だから。そういう人を正面に置くと、
長瀬の人や緒方の人に余計な疑惑を生むと思うの。でも住井君も椎名さんも
内務官としての力はあるけど美濃、三河の事はあまり良く知らないから、
二人を補助してあげて欲しいのだけど。……ダメ、ですか?」
「……良いわよ。そこまで考えているなんて、さすが長森さんね」
雪見が笑顔でそう誉めると、瑞佳は照れて髪をいじった。
「後は捕虜の問題ね。清水なつきと広瀬真希を如何する?」
「おい、七瀬。広瀬はお前に任せる」
「……は?ちょっと折原、何考えてるのよ」
「広瀬との因縁は瑞佳よりもお前の問題だろ?だったらお前達で話し合うのが良い」
「そうだね、浩平の言う通りだよ。七瀬さん、任せて良いかな?」
「う…………、解ったわよ。……はぁ、気が滅入るわ」
「安心しろ、一発張り倒せば……」
「これ以上問題大きくしてどうする、アホッ!」
いつものドツキ漫才に一同が笑う。
「……清水なつきは如何します?」
茜が言うと
「……最後に彼女が手を組もうとしたのは緒方だし、そっちの方に追放すれば良いんじゃない?」
雪見の言葉に反論の声は無かった。死罪にするのは瑞佳の性格上無いにしても
このまま長森家に留まらせるのも問題がある、と皆が思っていた。
「……他のみんなも反対はないようだし、これはこれで良いか?」
浩平の言葉に、全員が賛同した。
「それともう一つあるんだけど……」
瑞佳が申し訳無さそうに声を出す。
「緒方家との不戦協約が成り立ったら、繭を緒方英二さんに預かってもらおうと思うのだけど」
瑞佳の言葉に全員が驚きの声をあげる。
「繭を人質に出すんですか!?」
とりわけ椎名香穂が驚きの、悲鳴にも似た声をあげる。
「違うんです。これから領内の復興とかで繭に構ってあげられなくなると思うんです。
だから半年から一年くらい、他の家に留学する、というのが繭にとっても良いと思うんです」
「……」
瑞佳の言葉に香穂も静かに頷いた。
「……でも、それでは長瀬との関係は如何する?長瀬が繭の事を人質と受け取れば
緒方と長森の関係を不戦協定以上のものとして受け取らないかな?」
住井の言葉に瑞佳も「あ、しまった」という表情を浮かべる。
「え、えと。……どうしよう」
しどろもどろする瑞佳を見て、茜が静かに言った。
「……深山さんが渡辺に出していた人質の方を、長瀬の方に留学させれば良いのでは?」
茜はそう言って雪見を見る。雪見は茜を睨みつけていたが
「……そうね、緒方と長瀬の間に温度差を作らない事が必要なら、止むを得ないかしら?
(それに長瀬殿なら、約束を破る事は無いでしょうし)」
と平静さを保って言った。
「本当?深山さん、ありがとう」
「いえ。早速、長森さんの役に立てて嬉しいわ」
「……それじゃこの件も良いな。さて、それでは祝宴の仕度をするか」
「うん。清洲外れに宴席を設けてあるから、明日そこで戦勝の宴を、とも伝えてくれ。
そうだな……。長瀬殿には住井を、緒方殿には茜が行ってくれるか?」
「……解りました」
そう言って二人が立ち上がろうとする。そこに浩平が一言声をかけた。
「ああ、そうだ。二人とも」
そう言って、茜と住井を呼び止める。
「相手に確認するように言って置いてくれ。『軍事同盟ではないので
軍事的にも、政治的にも『今は』一切の協力はできない』とね」
「…………解りました」
茜も住井も頷くと、大広間を出て行った。
「それじゃ今日はここまでにします。みんな解散していいよ」
そう言って全員、大広間から出て行った。
>432 >433 >440
祐介の性格設定には一応理由があるんですが、まだSS内で書けるタイミングじゃないので……
ただ440のネタと絡ませると面白い事になるかも知れないなと思いました
……もしかしたら使うかも?
>>457 橘先生、下克上されちゃいそうなヨカーン
474 :
440:03/10/29 18:56 ID:08bHbu04
>472
あ、その気があるんだったらご自由に。このネタの著作権(笑)は放棄しますので。
>>457-458 作品内統一が達成された勢力は基本的に二カ国以上持ってるから、
但馬も勢力圏にいれてもいいかも。
>>471 表面的には緒方よりといえなくもないわけですが、どうなるか。
>>475 一応「淡路」とか「安房」とか「対馬」とか「隠岐」も国扱いなんですが・・・ね(w
そこらへん、マジで中の人と中国の中の人との調整次第でしょうね。
本当に、決定版というわけではないので。
ただ・・・戦術的問題から言えば、播磨-但馬とか、播磨-丹後だと、
軽い山脈というか、高地超えがあるので、そこの問題ですよね。
交通不便とまでは言いませんけど、結構街道敷設が必至・・・
水瀬の時では無いですが、下手な武将分散・兵力分散は敗戦を引き起こす
可能性も高いから、そこが難しい。
ただでさえアレな大名家だから、慎重にしないとすぐ滅ぶ。
ここSS書くのすら難しいですが、戦術とシナリオ次第では、ここ結構化けれるでしょう・・・ね。
淡路とか対馬は、あまり一国扱いはされてない気がするけど、
播磨なら一国の価値としてはだいぶ高い方で、領土比武将数は
トップクラスなので、小さ目の軍事強国ってのいいかもね。
大名思考中……
【朝鮮人】「運が良かったニダ、国崎ソンセンニム。それは日王が発行する「米預かり証」ニダ。」
【国崎】「米預かり証?」
4年前。
伊勢国。
俺は、ただのる浪人だった。
日本各地を難破して、明らかにぶっ壊れた古い南蛮船を、俺はその当時住処にしていた。
その船には、俺と同じような境遇の人間も多かった。今は国崎と同類と化している穢多・非人のみならず、
唐人・南蛮人・蝦夷・売買された朝鮮人。切支丹・戦災孤児・「見世物としての」片輪の人間……
「その船」は、本当に、海岸に捨てられていたようなボロ船だった。
だが、雨露をしのげる程度には、屋根がついていて、そこでなんとか寝泊りできた。
奴らもそこで寝泊りしていたところに紛れ込んだといった方が良かった。
それらの人間を、その船首に「天使の人形」がついた奇妙な南蛮船は、
ただ、何も言わずに受け止めていてくれていた。
【唐人】「ああ。それ一つで、その額の米をもらう事が出来るアルよ。」
【国崎】「そんなものがあるのか。」(なんだいかにもなこの髭親父は)
【唐人】「その米、米屋に行って換えてきてやるアル。渡すアルよ。」
【国崎】「ちょっと待て、そう簡単にこんなもん渡せるか。」
こんなもん奪われたらせっかくの俺の食い扶持が
全く無くなる。
人がよいにもほどがある。冗談ではない。
【唐人】「何言ってるアル。お前も当然来るアルよ。」
【国崎】「何?」
【唐人】「お前一人で百石運ぶ気アルか。欲張り者めが。」
伊勢の米屋。
目の前に米俵。
山、山、山。
【国崎】「・・・・・・・・・・」
俺はただ呆然としていた。
【唐人】「ここの一角。大体これ全部で百石ぐらいアル。」
【国崎】「・・・・・・」
【国崎】(なんだこの量は・・・・・・・・)
【国崎】(俺一人で食える量どころじゃねえ・・・・・・)
おこめ券。正式名称「米預かり証」。単純に、米と交換できる証書だった。
説明によると、米・麦・塩・豆・麻などの重い重量物は、堺や大都市での売買では、
一々本物の米や麦を移動させるのは面倒になる。
従って、「権利を証明するもの」として、紙の証書が必然的に出てきた・・・らしい。
つまり、今で言う証券市場の証券である。
ちなみに、天皇とは全く関係ない。
ちなみに、米一石の換算は人一人が一年間食する量。つまり、米百石とは・・・
(百年間食い続けないといけないわけか・・・・・・)
【国崎】「んなもん呉れたのか、あいつは。」
【男】「そういうこと。」
【国崎】「・・・・・でも、本当に代えてもらえるのか?」
【唐人】「多分、大丈夫アル。安心するアルよ。」
【国崎】「・・・・・・・・」
【唐人】「・・・・・」
【】「アイゴー、どういう事ニダか!!」
【商店】「駄目にきまっとるだろうがボケ。どこで盗んだ!!」
【】「盗んでなんかないニダ、みんなそうやってウリをバカにするニダ!!民族シャ別ニダ!」
【】「るせえボケ!!」
【国崎】(なんか修羅場になっとるようだが・・・・)
ずばばばばばーーん。
【国崎】「何だああああああああ!!!」
突如銃声が響いた。
【朝鮮人】「アイゴーーーーーーーーーーー!!!!!!」
男が急に飛び出してきた。
さっき店に入った奴の後ろから、店の中から警備員のような奴らが刀やら薙刀やら持って沢山出てきた。
【用心棒】「まてコラ!!」
【唐人】「国崎往人!早く豚ずらするアル!!」
【国崎】「・・・・・・全然話が違うじゃねえかオイ!!!」
声:「・・・・・・どうしたんですか?」
そこに、華やかな着物を着る、二人の姿があった。
【店主】「これはこれは、美凪様と茂美様、ようこそおいでくださいました」
美凪だった。
【店主】「申し訳御座いません、ただいま取引状を盗んだと思われる男どもを退治しておりまして・・・・」
【美凪】「この人たち・・・・残念ですが違います。」
【店主】「へ?」
何がどう残念なんだ。
【美凪】「・・・・・・・一応。」
一応か、おひ。
その後、店主と美凪の話が数分続いた。
【店主】「これはこれは、まさか美凪様の御家来衆の方とは露ともしらず、申し訳御座いませぬ・・・・」
【唐人】「なんかずいぶん愛想良くなったアルな。」
【国崎】(家来?)
【店主】「いや、すぐにお取引させていただきます、まさか美凪様の御家来衆が、このような風体の者を使っているとは、
てんで思いませんで・・・」
【国崎】(・・・・・・考えてみれば当たり前か。)
そもそも、片輪の人間と日本語も妖しい多国籍外国人の集団なんて普通信頼するはずも無い。
つーか、おもいっっっきりこれでは、無頼者の集団だ。
しかし・・・
「お前・・・・・」
美凪の正体、伊勢の大名としての遠野美凪を観たのは、これがはじめてだった。
【】「アイゴーーーーーー何するニダ!!」
まだ、あの男が今度は美凪の部下に取り押さえられていた。
【茂美】「静粛に・・・・!!
この手下の者は米売買の際に明らかに不正に米を抜き取り自分のものにしようとした・・・
最初に言ったはずだ・・・こういう行為は一切認めてないと・・・」
【国崎】「・・・・・・・・」
【】「アイゴーーーー濡れ衣ニダ!!シャ別ニダ!!」
【美凪】「・・・・・・」
【唐人】「・・・・・・彼らも元々は結構気のいい人間なんです。」
【国崎】「・・・・・・そうか?」
【唐人】「多分。」
閑話休題。
遠野美凪。
14歳。伊勢遠野大河内城執権。
遠野家には、家臣が三人いた。
一人は、さきほどいた女、川口茂美という。美凪直参の家臣。
そしてもう一人が、金田という家老の親子。
彼は鈴鹿長島の領主で、隣の伊勢霧島と同じく、忍者であり、医者だった。
「執権」と名がついていたが、彼女は元々は「跡継ぎ」であって、性格には「大名」ではない。
大名は、最初は美凪の父親であった。だが、父親はその後死亡したらしく、
その後は母親が一応継いでいたが、病弱であるとの事であった。
その美凪の父親は、元々は遠野水軍の司令官でもあり、伊勢志摩水軍の長でもあった。
だが、その後、父親の病死後、放置状態となっている。
しかし、「こんな船」を、まさか遠野が未だに管理していたとは思わなかったが。
【国崎】「ていうか・・・・・マジで管理していたのか・・・この船。」
【美凪】「・・・・・・はい。」
【美凪】「最近までは・・・・」
確かに、こんなオンポロ船なのに、船室の中には鍵が厳重にかかっているところもあった。
特に、「船長室」と思われる船の最後尾は、全く入ることが出来なかった。
【国崎】「最近までは・・・?」
【茂美】「乗れる人がいないのに管理してても仕様が無いじゃないですか。」
【国崎】「乗れる奴がいないのか。」
【茂美】「はい、何度も廃棄しようと言ってたんですが、どうしても・・・」
【】「それならここにいるアル」
【茂美】「はい?」
中国人のおっさんは、なぜか俺を指差した。
【】「米渡して先ほどの不祥事についておとなしく跪いて謝罪と賠償をすれば考えてあげてもいいニダ」
【美凪】「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当ですか?」
【国崎】「・・・・・・はい?」
【美凪】「三跪九叩頭。」
【国崎】「やるな。」
紀伊沖。
【国崎】「ふう・・・」
【国崎】「そういうことであったか。。」
【中国人】「そういうことであったアル。」
【国崎】「道理で。」
要するに。こいつらは元々は南海地方、特にシャム・ハノイ周辺に交易を主にしていた
呉の地方の商人であり、ある程度なら南蛮船の仕組みや動かし方も理解していた。
だが、移動中に嵐にあり、船が崩壊して紀伊半島に流されてしまった連中だった。
【国崎】「戎克(ジャンク船)の元船長だったとはな。」
【中国人】「そういう事も海ではあるアル。」
【国崎】「ふーむ。」
でだ。
【国崎】「とりあえず、堺に行けばいいわけか。」
【茂美】「はい。とりあえず、そこで投資と米・豆の相場を調べ、3千石程度購入してください。」
【国崎】「はい。」(なんでこいつがいるんだ・・・・)
【茂美】「ざ・目付き役です。」
【国崎】(心の中読まないでください・・・・)
・・・・・・
【茂美】「待ちなさいコラ!!」
【黒人】「センチョウサン、タスケテクダサイ!!オネガイシマス!!」
【国崎】「何だああ?」
【茂美】「その人いくら洗っても黒いのが落ちないんです!!」
【国崎】「何度も聞こうと思ったんだが、ありゃなんだ?」
【唐人】「元々そういう人種アル。」
実際、黒人というのを見たのはこいつだけだった。
というか・・・
【国崎】「殆どが違う国籍か・・・・」
日本語もそうだが、こいつらかなりいろいろな言葉を片言ではあるがしゃべれる。
【唐人】「あの朝鮮人と黒人は奴隷として売られていた者だったアル。でも、他の奴らは
あえて国を飛び出た奴らも多いアルよ。」
【国崎】「国を飛び出た?」
【唐人】「そうある」
【国崎】「国って・・・」
【唐人】「判らないアルか?」
【国崎】「え?」
【唐人】「いいもの船長室にあったある。国崎往人も来るアル。」
【国崎】「?」
船長室に入ると、丸い球体が置かれていた。
中には、何やらいろいろな地図のようなものが書かれてある。
【唐人】「これが、全ての世界、「地球」アル。」
【国崎】「ち、地球?」
【唐人】「そうアル。」
【唐人】「お前の国は、ココ、そして、アイツの本来の国は、ココある。」
そこを指差されたのは、余りにも小さい島国の、ほんの一部。そして、その黒人の国は
はるかに遠くにあった。
【唐人】「船乗りと商人は、いざとなったら、国を捨てる覚悟もあるときは必要アル。」
【国崎】「?」
【唐人】「民族の国が滅ぶ事なんて、本当日常茶飯事アルよ。」
そのときは、彼の言っている事がわからなかった。
だが、わかる「時」がくるまで、そう時間はかからなかった。
「金田・・・か。」
現・遠野家執権、金田。
同じ忍者の、霧島の家との仲が悪いとは聞いていた。
「あなた・・・・・誰?」
母親の「その」一言を逆手にとり、美凪を裏切り、半ば下克上を果たした人物。
見事な狂言であった。
美凪を実の娘ではない、別の娘と言い切り、それで攻撃を仕掛けてきた。
国家簒奪。
要するに、様々な捏造した資料で、美凪を本当の遠野家の一族でないとしたのだ。
そして、母親を囲い込み、自らが執権となった。伊勢を追い出された、最大の理由。
しかし、あの時・・・・
その時の事を今言ったとしても、詮無き事。
だが、もしも霧島の勢力に援軍を頼み、勇気を出して迎え撃っていれば・・・
勝てたかも知れなかった。
しかし、そこまで恐らく、あの男たちは見切っていたのかも知れない。
美凪の、その弱さまでをも。
しかし・・・・・
何故ゆえに、今また騒動が起きたのだろう。
今回の話は、今までの話と少し内容が違う。
実際の遠野家の領主は、先の父親であり、父親の実の娘はみちる一人のみ。
つまり、みちるにこそ領主としての権利がある、という理由らしいが・・・
・・・・・・・まさかだとは思うが・・・・
【聖】「いつか、彼女の母親の病気も治るときが来るだろう。」
【聖】「いつかは、判らない。明日かもしれないし、ずっと来ないかもしれない。」
【国崎】「・・・・・・」
・・・・・・
【国崎】(遠野の母親に、あのときこなかった「時」が・・・・来たのか。まさか。)
【国崎】(・・・だとしたら・・・)
【国崎】(「みちる」という娘、が出てくる理由も、全てが・・・・全てが・・・・・・・繋がる・・・・)
【国崎】「なら・・・・危ない!!」
【国崎】(アレを知っているのは、家中でも僅かだ!!)
【船員】「提督・・・・・・」
【国崎】「あ?」
【船員】「海に出るんだろ?準備はできてます。明日には出航できますぜ。」
いまでは、艦隊の専属船員となった、朝鮮人の奴隷だったあの男だった。
【国崎】「・・・・・・ああ。」
だが、これだと戦になる・・・しかも、圧倒的に、劣勢だ。
【船員】「構いはしませんぜ。」
【船員】「母港に戻る・・・それこそ船乗りの最大の喜びですぜ!提督。」
.´ `v^) _______
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`;l从 )) < 長い。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) マジ。
まあ、次は神尾家少しやって、少し小競り合いが・・・
3月で神尾家強化計画が終了。
そこそこ戦できるレベルにまでは強化できるはず。
国崎達は、まあ「トリリンガル」(数ヶ国語話せる人)なんですね。
今の日本なら引く手あまたな能力も、この時代では
あまり役に立たず・・・。
とりあえず、文章できるだけAIR基準にしてみました。
「ただいま戻りました」
「お帰り。で、畿内の様子は?」
時間的に長森の会議が終った後、長瀬の陣には藍原瑞穂が帰還していた。
「治世の方も上手くいってます。街道の整備・拡張や新しい田畑の開墾、薬などの特産物の開発、
それに朝廷からの要請で京の町の復興工事も承りました」
「うん、そこの所は瑠璃子さんや父さん達に任せるよ。どうも僕はそういうのは苦手で……」
瑞穂はクスリと笑うと、また真面目な顔に戻って
「甲賀衆と氷上殿は近江に入りました。伝書鳩の書状によると飛騨方面は
当初の計画を変更して越中に出る、とのことです」
と報告する。
「そう、それならいい」
「……ところで」
瑞穂が何か言いかけたところで、「長森の使いが来た」と言う知らせが届いた。
「瑞穂ちゃん、話はあとで。取り合えず使者を待たせる訳にはいかないしね」
「……という訳ですので、同盟を結ぶ議は取り下げて頂けますでしょうか?」
「ああ、解りました。長森殿が考えた結果として、そのように決めたのであれば、
それに従うだけですから。それでは友好の意を認めて頂いただけでもありがたい、と伝えてください」
「解りました。確かにお伝えいたします。それともう一つの件ですが」
「……「川名みさきを長瀬家に留学」?」
書状を見て驚いたように呟く祐介。
「はい、ご了承いただけますか?」
「期間が……半年から一年ですね。わかりました。緒方殿が引き受けるのであれば
こちらも引き受ける事にします。あ、それと」
「何でしょう?」
「今日、近江に帰ることにします。さすがに戻らないと、父さん達に何言われるか……」
祐介の言葉に苦笑して住井は頷いた。
「解りました。こちらとしては残念ですが、そう申されるのであれば仕方ないですね。
……それでは失礼」
住井が去ると、瑞穂が先ほどの話を続ける。
「……それにしても、飛騨越中越えですか。確かに補足されることは無いと思いますけど、
雪道の中を歩くなんて、時間がかかり過ぎませんか?」
「うん、歩いたならそうなるだろうね。ところがね……」
そう言って瑞穂にその対策を話す。
「……神通川を下る、ですか」
「そういう事、飛騨から越中の流れは下りだからね、歩くよりは早いよ」
「……しかし、どうやって?」
「切り倒した木を飛騨の山から富山の港に運ぶには、川を使って流すのが一番だからね。
そのときに筏を組むから、それに便乗させてもらう、と。
場合によっては丸太を買い付けても構わない、と言ってあるから問題ないよ」
「……一体どうしてそんな事を考え出せるんですか?」
「その地域の地理・地形、文化・産業を知っていれば、割と簡単に導ける答かな?
もっともそれ以上に川遊びの思い出があるからかも、と思うんだけど」
祐介の言葉に、瑞穂は天を仰ぐ。
(子供っぽいというべきか、それとも発想力豊かと言うべきか……。
とにかく、常識外れであるのは確かみたい……)
「ま、そろそろ山を越えた頃じゃないかな?それじゃこちらは近江に帰ろうか」
時間軸は少し先に進むが、越中富山港外にて
「……全く、これなら始めから越後に出た方が良かったんじゃないか?」
冬弥達は飛騨から越中の川下りの後、富山の港から越前の敦賀の港に向かう商船に乗っていた。
「……美濃は緒方の影響が大きすぎる。それに、越後に向かっていたらすぐに追いつかれていたぞ?
緒方英二の手から離れる事を選択したのだから、これくらいで文句を言うな」
「それに最近 越後の方で米が大量に売られた、って言ってたしね。これを利用しない手はないさ」
「それに、だ。商船を使っている以上は個人的な旅行みたいなものだ。過去に水瀬秋子が
「個人的」に上洛した事もある位だからな。追っ手等も気に病む事はない」
「解った。……ところで美咲さん、例の二人は?」
「船酔いだって。甲板に居るみたいよ?」
「……鍛え方が甘い」
渋い表情で呟いた忍びの言葉に他の三人は苦笑した。
……かくして、澤倉美咲と藤井冬弥の流転の旅は、長瀬祐介の居城、
小谷城にてひとたびの終わりを迎えることになる。
これで近畿南部もようやく進むな。
しかし越中は安全なんだろうか、柳川あたりの兵がうようよしてそうだが
そういえば宮田高倉戦は?
496 :
備前の梟:03/10/31 20:49 ID:p1wvlkkW
福岡梶原屋敷―――
「はっはっはっはッ。そうか、逃げたか!」
伝令からの報告に宗一は腹を抱えて笑う。
「それじゃあ、皐月もさぞかし苦虫を噛み潰したような顔をしていることだろうな」
「いえ、どうやらむしろ安堵しているようにございます。つまらぬ戦で名将を失わずにすんだ、と…」
「へえ…?」
敵を前に、部下を放っておいて逃げ出す人間が果たして将として優れていると言えるのか否か、宗一にとっては正直疑問である。
だが、それ以前の彼女、貧弱な因幡にあって大国岡田家と対等に渡り合っていた保科智子という武将が文武両道の名将であったということは宗一も認めるところである。
(つまらぬ戦で失わずにすんだ、か…)
確かにそれは宗一も賛同するところである。
だが、彼女が惜しいかと問われると今の宗一には応とは答えられない。
戦が始まる前は宗一とて皐月と同じで智子を殺したくはないと思っていた。
出来れば我が軍に降ってくれれば、と願っていた部分も多々ある。
保科智子が手に入れば岡田家との一戦も辞さない、とそんな覚悟すらあった。
だが、彼女が因幡を捨て、野に降った今、宗一にとっての保科智子という武将はただのつまらぬ人間に過ぎない存在へと変わってしまっていた。
(配下には置きたくない武将だな…)
今更彼女の行方を捜そうとも思わない。
497 :
備前の梟:03/10/31 20:50 ID:p1wvlkkW
「…それで、因幡の取り分は如何様になる?」
宗一はこの度の因幡遠征の全権は皐月に一任してある。
つまり領地配分の交渉も皐月の採択に委ねられていた。
「はっ…鳥取城は岡田家に。それ以西の諸城は岡田家側に、それ以南と東の諸城は我が那須家の配分と相成りましてございます」
「ふむ…妥当なところか」
今回の那須家の因幡遠征の最大の目的は岡田家との同盟を確固たるものにすることにある。
鳥取城が得られぬのは惜しいが、そのことにこだわって岡田家との間に溝は作りたくない。
「…もっとも、岡田様のこの度の戦の目的は保科殿の御首だったようで…」
「智子殿を取り逃がしたことで駄々をこねているわけか」
「はぁ…保科は必ず因幡以東の国に逃げたはずである。即刻見つけ出して晒し首にせよ、と」
「ははは…そうだな、こう伝えてくれ。相分かった。那須家の全力をもって保科智子を捜索致すゆえ安心めされい、とな」
(まぁ…適当にあしらっておくか)
宗一は心の中でのみ一人ごちる。
「ご苦労だった。下がるが良い」
「はっ」
伝令を下がらせた後、宗一は一人ほくそ笑む。
(これで西国への蓋は完成した、というわけか…)
藤田浩之、長瀬源五郎の両名がよほどのことをしない限り(例えば来栖川の存在を捨て置いて同盟を締結など)ここ数年の内に岡田家が滅びるということはないだろう。
…いや、むしろ両名が警戒しあっている間に岡田家が備後宮内家をも併呑し、西国をさらに圧迫するということも考えられる。
今のうちに那須家が斡旋して岡田家と長門長瀬家との間に同盟を締結させるという手も考えられるが…まぁ、後々のことまで考えると岡田家が必要以上の勢力拡大することは避けておきたい。
要は西国の均衡が出来るだけ長く続けばよいのだ。
(後は流れを見守るのみ、か…)
…と
498 :
備前の梟:03/10/31 20:53 ID:p1wvlkkW
「ソーイチ」
丁度折り良くその声を聞き、宗一は思わず笑みをもらす。
「帰ったか、エディ」
「オゥ、帰ったゼ」
エディが密偵として越前に赴いてから早三ヶ月が経つ。
その間、越前の様子は逐一宗一に伝えられていた。
将軍家、神奈備命一行が確かに越前柏木家に匿われているということ。
柏木家当主、賢治が病に伏せており、どうやら先が短いらしいということ。
嫡子、柏木耕一が若狭への出兵において華々しく初陣を飾ったということ。
だが、加賀柳川の躍進により兵を越前へと返さざるを得ない状態になってしまったこと…
「…で、今後、柏木家はどう出る…?」
「どうやら将軍ドノの帰京を最優先とするらしいナ。今は丹後への出兵の準備中ダ」
「丹後へ…? 柳川は放っておくのか?」
「アァ。少なくとも柏木から手を出すことはナさそうダゼ」
「その根拠は?」
「遠征の総大将が柏木梓ドノダ」
「なるほど…」
柏木梓と言えば柏木家において“柳川討つべし”の声が最も大きな者である。
その梓を総大将として丹後へ向かわせると言うことは言い換えれば柏木当主(この場合耕一)に柳川討伐の意思はなしという事に他ならない。
梓を遠征させることにより、家中の柳川討伐の声を抑え、また、同時に耕一が越前に残ることにより万が一の場合の加賀に対する守りも万全となる。
499 :
備前の梟:03/10/31 20:54 ID:p1wvlkkW
「で、ドウするつもりダ? ソーイチ」
「ん…そうだな…」
宗一は呆ける様にしばし視線を庭先へと向ける。
庭ではこの屋敷の主である梶原夕菜と立田七海がお手玉を興じていた。
「さっさとしネエとせっかくのチャンスが潰れちまうゼ?」
「ははは…」
(やっぱりお見通し、か)
さすがに付き合いが長いだけある、と宗一は苦笑する。
「…一つ、賭けてみる、かな」
「…ン?」
「エディ。帰ってきて早々すまないが、またすぐに越前に向かってくれ」
「オウ。そう言うと思ってたゼ。…で、オレッチは何をすればいい…?」
「まず将軍様に謁見を。この機会に那須家を売り込んでおいてくれ」
「身も蓋もナイ言い方ダナー」
「ま、な。そんでさりげなく京の現状も伝えといてくれ。都の治安の状態や朝廷内の思惑、包み隠さずすべて、な」
「煽りマスカ」
「ああ。それと密かにで良い、越前に噂を流しておいてくれ」
「どんナ噂ダ?」
「『近江長瀬と月島家は密かに通じていた。先の天王山の合戦はとんだ茶番である。その証に長瀬は捕らえた月島拓也を処さず、幽閉に止めたのみであり、その旧臣においてもほぼ勢力を残したままである』、とな」
500 :
備前の梟:03/10/31 20:55 ID:p1wvlkkW
「…信じマスかな?」
「信じてくれれば儲けものだな。…まあ、そこまでいかなくても柏木家と将軍一行が長瀬に対する警戒心を持ってくれればそれでいい」
将軍、神奈を都より放逐させたのは他ならぬ月島拓也である。
その月島と長瀬とが通じていたとなればそれは転じて一連の出来事がすべて長瀬祐介の意図であったという可能性を生じさせる。
神奈一行としても少なからず警戒心を抱かずにはいられないだろう。
「マ、上洛を遅らせるための時間稼ぎってトコデスか」
「ああそんなところだ。そして最後に…」
そう言いながら宗一はもう一度視線を庭先へと向ける。
「…?」
「七海も、連れて行ってくれ」
「ナナミチャンを、か? 本気か? ソーイチ」
七海は先の美作攻略戦の際、両親を失った戦災孤児である。
戦の後、宗一が身元を引き受け、いわゆる養女という立場にあった。
「ああ…本気だ」
そう言って目を細める宗一の心をエディは読み取れない。
そんなエディを前に宗一はポツリと呟くようにもらす。
「老い先短い賢治殿だ。耕一殿も早く孫の顔を見せてやるのが孝行だろう…」
501 :
備前の梟:03/10/31 20:58 ID:p1wvlkkW
なんか早めに書いておかないとどんどん後手後手に回ってしまいそうなんで(汗
とりあえず柏木家に“女の戦い”の火種を持ち込んで見ますた。
中の人がどう調理してくれるか楽しみでつ(w
とりあえず念のため天いなプレイしとかないと…
血族でないので微妙だが、婚姻・・・?
那須家の介入キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
耕一のエロパワーで七海にフキフキしちゃうぞー(w
そんなことしたら四姉妹に狩られるだろうけどな。
あと、こちらのミスなんですが、柏木の侵出予定地は丹後でなく
丹波です。混乱させてしまい申し訳ありません。
>502
幼女、もとい養女だから那須家の姫となるので正式な婚姻も可能だが、
那須が柏木へ同盟申し込みということになるのかな?
>>502 それよりも、天下の一大事が有る。
北川はどうなった。
柳川の人に言ってくれ…
506 :
342:03/11/01 02:28 ID:7XaJkQSJ
一週間遅れました。申し訳ない。
いろいろ調べてると面白い発見とかあって、盛り込んでるうちに収拾がつかなくなった罠w
とりあえず前半5レスあげます。つっても前半だけじゃ意味判らんかも。
「高倉家嫡女、高倉みどり様がご到着です」
「来たか…」
肥前佐賀城主・宮田健太郎は苦虫を噛み潰した。
ここ最近の宮田家と高倉家の関係は健太郎の意思に反して悪化の一途をたどっている。
その改善のためとは言え、わざわざみどりが来訪するのは、それだけ高倉側の態度が
硬化している事を意味している。既に太宰府において当主高倉宗純が動員令を発したとの
噂まで起こるほどで、ここ数ヶ月の状態からすればこの会談が行われることすら奇跡に近い。
「けんたろ、みどりさんがお待ちかねだよ?」
スフィーが部屋に入ってきた。
彼女は健太郎の腹心で、妹のリアンとともに宮田家を一介の国人から肥前筑後の国主に
までのし上げた功労者である。しかしその外見は、年端もいかぬ少女のそれであり、その
正体を知っているのは健太郎ともう一人しかいない。
「ああ、判ってる」
困り顔の健太郎に、スフィーは苦笑した。
「気持ちはわかるけど、あんまり悩んでも仕方ないよ」
「判ってるって」
こちらも苦笑で応じ、重い腰を上げる健太郎だった
「いらっしゃい、みどりさん」
昔の部屋住みの身だったころのように、軽く声をかけて健太郎は評定の間に入ってきた。
ほっとした表情と、少しの苦笑いを含ませながらみどりも応える。
「お久しぶりです、健太郎さん」
時候の挨拶を交えて軽く談笑した後、みどりは本題を切り出した。
「それで本日の用件ですけど」
「ああ、みどりさん。言わなくても了解してますよ」
「そうですか。それではご返事を伺いたいのですけど」
「そうですね……先に謝っておきます。すいません」
簡単に頭を下げる健太郎。
「いえ、健太郎さんが悪い訳じゃないことは、私も知ってますし…」
「いえ!」
頭を上げた健太郎は強い口調で言い切った。だがその悲痛な顔色にみどりは困惑する。
「はい…?」
「謝ったのはその件じゃありません。これのことです」
そう言って健太郎が手を叩くと、評定の間の襖が一斉に開き、完全武装の武士達が
一斉に雪崩れ込んでみどり達使者一行を包囲した。
「け、健太郎さん、何を?」
「みどりさん、貴女はこの城で保護させて頂きます」
「けんたろ」
「リアン!」
「はい」
スフィーの問いかけには応えず、健太郎はその妹の方を呼んだ。
「全て手配は済んでるか?」
「はい」
リアンが真剣な顔で頷く。
「けんたろってば!」
「大丈夫だ、これくらい」
「でも…」
「スフィー、留守は頼んだぞ」
「…うん、任せといてよ」
「じゃあ、行ってくる」
健太郎は本丸を出た。城外にはみどり達が来るときには伏せられていた肥前衆五千が
既に整列している。健太郎が騎乗してその前に進むと、その横に二人の少女が従い、
更にその後ろに白ずくめと黒ずくめの二隊が続く。健太郎の馬廻衆で、因幡ましろの
指揮する白兎衆と、因幡まくらの黒兎衆である。併せて千。総数六千の兵力が今健太郎の
指揮下にあった。
「出陣する。目標は太宰府である!」
大音声で健太郎が号令すると、兵達の喚声が城下に響き渡った。
高倉みどり軟禁と、宮田軍北上の知らせはすぐさま太宰府の高倉宗純の知るところとなった。
「みどりが…やはり行かせるべきではなかったわ!」
怒声を発する宗純。周囲は一斉に静まりかえり、その視線は非難の意味も込めて当主の
傍らにある老人に向けられた。
「源之助! 貴様とみどりの取りなしが仇となったぞ。どうするつもりだ!」
宗純は源之助に詰め寄る。高倉家の長老長瀬源之助は、飄々とした体こそ崩さなかったが
目はしっかりと主君のまなじりを見据えて言った。
「こうなれば戦うしかないですな」
「当たり前だ! それももっと早く宮田の小倅を叩き潰しておくべきであったわ!」
「今更そんなことを言っても仕方ありますまい」
「貴様、逃げ口上か!」
「いいえ。実際宮田があればこそこの筑前が他国、特に来栖川の魔手を逃れてこれたのでは
ないですか。御館様が仰るほどこの高倉にはかつての勢威、九州探題としての実力は残って
いません」
「貴様、余を愚弄するか!」
「事実を申しておるのです。とはいえ、今ここで争っている時間はありません。幸い宮田軍は
六千。我が配下の西筑前衆で防ぎ切れましょう。私はすぐ出陣いたしますので御館様は…」
源之助の言葉を遮るように、伝令が慌てて評定の間に現れ、大声で報告した。
「御注進! また海賊どもが博多に現れました。上陸の構えを見せております!」
「…ふう、健太郎君もどうして打つ手が早い」
博多。
明や朝鮮との交易の拠点であり、西日本最大の規模を持つ貿易港である。
その海上には、既に大小百隻を超える武装船がひしめき合い、その一部は既に上陸して
高倉の守備隊を排除しつつあった。
その船団の最後尾に、一隻の南蛮船がある。
倭寇の中軸としても名高い肥前海賊衆を束ねる平戸の江藤氏が、紅毛人との連携で
南蛮海賊を討った際に拿捕した船で、今は世継ぎの江藤結花が乗艦としている蜜蜂丸である。
「今日は思いっきりやっていいわよ。ただし火だけは注意してね」
結花はのんびりと構えている。先月にも来襲して数日の間占拠した実績(但しこれは
独断である)もあり、また今回は健太郎が攻めてくるため博多に注力できない高倉の足下を
見ていたからであった。
しかし結花はその愉快そうな表情とは裏腹に内心では健太郎の真意を測りかねている。
今回の、いやこれまでの宮田と高倉の関係悪化の原因は誰あろう自分なのである。
だが結花自身、高倉を攻め滅ぼすところまで考えていたわけではなく、単に嫌がらせ程度の
気分であったので、今回の作戦を聞いたときには自分を棚に上げて「本気?」と聞き返して
しまったほどだった。
「まあいいわ。健太郎がやる気になったんなら、それはそれで」
誰にも聞こえることのないその呟きは、聞きようによっては寂しいものだった。
「若、合図が!」
「やったみたいね」
満足げに頷く結花。陸上では黒白赤の三色の狼煙が上がっている。
「それじゃあ上陸。念のため防衛戦を張るわよ」
結花は先程までの気分を振り払うように、極めて陽気に声を張り上げた。
九州戦線動く。
裏切り者がまた一人誕生。
完結までどれほどの返り忠が見られるのであろうか。
そして次への躍動までのささやかな凪を迎えている近畿。
これで全く動きがないのは四国だけとなった。
おっと、軍事的には東北もまだだ。
四国だけが、初期状態から全く動いていない、徒弟青。
しかし、このままだと関東以北が統一されて最強勢力が誕生しそうな予感。
誰の動きが一番早いか。
>>513 徒弟青とはなんだ。
「と訂正」です。失礼しました。
515 :
342:03/11/01 02:53 ID:Nys4uEmw
えっと、とりあえずまじアンの雰囲気を強めにしてみたので他の書き手さんの
話より戦国っぽくないかもしれん。その辺はご容赦を。
あと、スフィー達の魔法のことだけど、自分が書いている限りはリアンは
ほとんど魔法無し。スフィーとなつみは幻術っぽく見えるようにするつもり。
スフィーについてはレベル縛りで一戦一回のみで使うとレベルダウン、Lv.1の時は
使用禁止。ちなみに今はLv.2です。レベルアップはイベントで対処。
来栖川と月教の中の人の動向にもよるけど、豊前侵攻くらいはするかも。
>>363 肥後には手出しする予定無いので、ご存分に。
勝手に宮田軍を動かしてくれても結構ですw
ま、ここの住人には言うまでも無い事ですが、国名の「前中後」と「上下」は
京都からの距離で決まり、京に近いほうが「前」「上」、遠い方が「後」「下」。
丹波よりも遠いから丹後なわけですな。
で、ここからは役に立たないトリビアですが、例えば備前備中備後美作のような
場合は、もともとは全部合わせて「吉備」の国だったわけです。
豊前豊後は「豊(とよ)」の国。
筑前筑後は「筑紫」の国。
肥前肥後は「肥(ひ=火)」の国。
越前加賀能登越中越後がまとめて「越(こし)」の国。
上総下総安房は「総(ふさ)」、
上野下野は正しくは上毛野と下毛野でまとめて「毛野(けの)」。
解り難い所では相模と武蔵。
もともとは「牟佐(むさ)」の国で、それぞれ「むさかみ」と「むさしも」
だったのが訛ったのだそうな(これには異説も有って定説では有りません)。
.´ `v^) _______
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`l从 )) <
>>517 ご教授感謝いたす。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) キタガワ・・・
さて・・・九州も動いているし、蝦夷も少し動くか。
>>372 リレー小説だから、状況を踏まえて、続き書いていいような気がする。
あんまりずっと止まってるのもどうかと。
>518
そういやあんた例の板違い作品出す気満万じゃなかったっけ?
その妙なAAが記憶に良く残ってる。
確か臆面も無く設定書き込んでた気がするんだが。
ちょっと前に荒れてた時に、名前がちょっと出てるだけで騒ぐなとか反論がでてたが、前スレから見てると必ずしも一過性のネタではなかったことがよくわかる。
えーと、もう止めなよ?
>>520 その話は今後一切このスレでは出さないと言うことで決着していると思う。
(出す場合は裏設定としてまとめサイトの掲示板でのみ)
あんまりむやみに蒸し返すのはやめときましょうや。
それとどうでもいい話だが、AAはうたわれのトウカのはず。
522 :
342:03/11/01 15:07 ID:Z0s8JDQk
9レス投下、これで筑前攻めは終わりです。
戦局は、まだ決していない。
高倉は博多を占領されたものの、それは宮田本隊が敗退すれば取り返せる程度のものだったし、
既に長瀬源之助が統括する西筑前の七千が出陣している。一時健太郎の侵攻を阻止しさえすれば、
おっつけ高倉本隊が合流して押し返せるとの計算が立つ。宮田の優勢はその程度の物だった。
健太郎は鳥栖方面から真っ直ぐ太宰府を突かず、北上して基山に登って布陣した。源之助も
その前面に陣を敷き健太郎と睨み合う。
その日の夜半。
「昔な、この山にはちゃんと城があったんだよ。まだ武士なんていない頃だけどさ」
「ふーん、そうなのか?」
健太郎のそばにはまくらが付き従っている。といっても、面白そうにそこかしこの石垣の跡を
撫でたり蹴ったりして遊んでいて、とても護衛の任とは思えない。姉のましろに見つかったら
こっぴどく叱られるだろうな思うと、健太郎は少し可笑しかった。
「海の向こうにも国があるんだけど、そこから攻められないようにするためだったんだ。だけど
ほとんど使われないうちに、城主達は麓に移ったんだと」
とても戦国の武将とは思えない柔和な顔色で話す健太郎。父親の影響で歴史や骨董に深い
造詣のある彼は、聞いているのかも判らないまくらに対して出来るだけ平易な言葉で説明を
続ける。
「海の向こうにも人が住んでいるのか?」
「ああ、こっちの人間とは顔つきが違ったり、目の色や髪の色も違ってて、話す言葉なんて
全然判らない。でもむこうにも村があって町があって国がある。こっちと変わらない」
「スフィー姉ちゃんみたいなものか?」
「スフィー? まあ、そんなもんだな」
まくらの言葉に健太郎は笑った。
笑いながら麓を見下ろすと、そこには長瀬軍の焚いた篝火が一面を照らしている。その東に
少し行ったところには太宰府があり、こちらもかなりの明るさだ。遠くに目をやると博多のあたり
まで明るい。こちらは味方だ。
「城主さん?」
気が付くと健太郎達のそばには不思議な笑いを浮かべた少女が立っていた。
「なつみちゃんか。そろそろ時間かい?」
「うん。……でも本当にやるの、こんなこと? とても成功するとは思えないんだけど?」
健太郎は何も言わず、ただ肩をすくめて見せた。そして胸元から一本の包みを取り出すと、
それをなつみに渡し、始めてくれと言った。
「うん。それじゃ」
なつみは手頃な石に腰掛けると、目を閉じて何事かを呟く。すると次第に彼女の体はうっすらと
光り始め、それが一定の明るさに保たれるとなつみは口を閉じた。
「綺麗なのだ…」
まくらの感嘆は健太郎のものでもあった。目を閉じて光を放ち、少し薄笑いを浮かべて佇む美少女の
姿は、この世のものとは思えない幻想的な美しさを見せている。
こういう美しさだけでこの世が成り立っていればどんなに良いだろうと、健太郎は思った。
「…誰です?」
高倉の本陣、一人周辺の地図を身ながら物思いにふけっていた源之助は、違和感に瞬時に気付く。
「よく判ったね」
声がして、源之助が正面を向くと、そこに微かな光が集まって、それは次第に女の子の姿を
取り始める。源之助はそれに少しも動じず、笑みすら浮かべて待った。
「初めまして長瀬さん。私は牧部なつみ。夜分にごめんなさい?」
「健太郎君の使者ですね?」
なつみと名乗ったそれは、ふわふわと浮かんだ状態のまま、不思議な笑みを浮かべている。
「うん、今日は城主さんのお使い。早速用件を話していい?」
長瀬が頷く。なつみは手に持った包みを両手に抱くように持ち直すと、言った。
「城主さんは長瀬さんに、降伏して欲しいって」
「はい? そのようなことが出来ると本気で思っているのですか?」
「それが一番良いって城主さんは言ってた。後戻りは出来ないけど、出来れば血を流すのは
最小限にしたいんだって。みどりさんは無事だし、高倉さんにも手は出さないって」
「それを信じろ、と? 随分と虫のいい話ですね。だいいち戦えばこちらが勝つのに、どうして
そんな譲歩をしないといけないんです?」
「それは嘘」
なつみはくすくすと笑う。長瀬は表情を変えない。
「判ってるんでしょ? 城主さんはたった六千しか兵を連れてきてない。本気なら最低でも倍は
動員出来るのに。長瀬さんが本気で戦うなら、城主さんは佐賀まで退くよ。それで満足?」
「そしてスフィーさんの出番、と言うわけですか。そう簡単にいくと思わないで欲しいですね」
「私とリアンが加わっても? お望みならお母さんもくるかも」
「それは凄い見せ物になるでしょうね」
長瀬は笑う。
「決心が付かないみたいね?」
「折角人の振りをしてここまでやってきたんです。それは無理からぬ事でしょう」
「そっちじゃなくて、降伏すること」
「まだそんなことを? 第一私個人としても得になるとは思えませんし」
そう言いつつも、長瀬は冷静に判断してこの戦いに勝機がないことは判っていた。
仮にここで戦端が開かれれば、すぐに双方の援軍がやってくるだろうし、その数は宮田の方が
遙かに多い。それに何度となく博多を襲われて、人心は既に高倉を見限りだしている。不利に
なれば一瞬で総崩れとなる恐れがあった。
それに健太郎と宗純では将器も違いすぎる。佐賀の国人からはじめて2年で肥前を統べて
見せた健太郎と、家柄しか誇るところのない高倉では話にならない。
だが…それでも宗純を見捨てることには躊躇いがあった。長い間仕えてきた相手である。
健太郎を信用するにしても、宗純が国主を追われるのは不憫でなかった。
「そんな時はこれを見せろって、城主さんに言われてきたんだけど」
そう言うと持っていた包みを開けるなつみ。源之助は訝しみながらもそれを待つ。
なつみが中の物をぱらりと紐解くと、するするっとそれは下に広がった。
「………なっ! なななななななぜそれを持っているのです!」
それは一筆の水墨画だった。
惹かれる雰囲気こそあるが、それだけでほかに見るべき所はない。素人同然の者が描いたで
あろうそれに、今までの物静かな雰囲気を一変させて明らかに狼狽え出す長瀬源之助。
その水墨画の下に押されている落款。【源】の字を模したそれが何を意味するのかは自明だ。
「それを一体何処で…」
「知らない」
即答のなつみ。
「これと引き替えにすれば降伏してくれるって、それだけ城主さんが言ってた」
「……判りました。降りましょう」
流石になつみも驚きを隠せない。
「…本気?」
「但し、約束は守ってもらいますよ。宗純は隠居、それ以上はしないと」
「城主さんはみどりさんに跡を継いでもらうって。所領も安堵。博多以外はね」
「了解しました」
【歴史イベント 長瀬源之助の降伏】
・健太郎と源之助が同じ勢力にない場合
・健太郎の手に家宝『【源】の字の骨董品』がある場合
・源之助に贈ることで一度だけ降伏させることが出来る
なつみは去り、源之助は床几に腰掛け直した。
このような手を使うほど、健太郎に戦いたくないという気持ちが強いと言うことを理解した
からこそ、源之助は降伏を受け入れたのである。
「しかし…優しすぎますよ、健太郎君は。それに」
源之助はひとりごちた。
「八方丸く収めようなんて、虫が良すぎると思いますがね」
全ての発端は、半年前にある。
戦国初期、北九州を支配する高倉家の分国に下克上の嵐が吹き荒れ、膝元の筑前を除いて
全て失われたとき、肥前は紆余曲折の末、椎原氏が支配した。
3年前、突然「シャムや天竺、南蛮を見てくる」と書き残して健太郎の父健吾が城主の座を
捨てて出奔した後、ある事件があってスフィーとリアンを得た健太郎は、家勢の強化を始めた。
それが椎原の怒りに触れ、佐賀城は何度となく椎原軍に包囲されたが、宮田の後見を自認する
江藤泰久の力もあって肥前は次第に宮田の勢力が強まり、さらに高倉の梃子入れもあって、
1年前ついに椎原は滅ぼされ、宮田が肥前の国主となった。
この経緯から、宮田は高倉と友好関係にあり、防長の長瀬源四郎が大軍を率いて遠征したときも
連合してそれを撃退したこともあった。
だが半年前、高倉から健太郎とみどりの婚姻による同盟を打診してきたことが、その関係を
破綻に至らせることとなる。
その頃から実質江藤水軍の領袖となっていた結花が、筑前の海岸沿いを荒らし始めたのである。
玄界灘の海戦に勝利して筑前水軍を殲滅した結花は、健太郎の制止を無視して壱岐・対馬を
占領して高倉宗純を激怒させた。さらに博多や門司からの対明交易の船を臨検したり、博多を襲って
一時占拠するなど、制海権を盾にやりたい放題の限りを尽くした。
当然再三にわたり抗議が健太郎に向けられたが、戦国大名宮田氏はその成り立ちから事実上
宮田・江藤の連合政権であり、陸は宮田、海は江藤が勝手にすると結花に開き直られるとどうにも
対処が出来ない。
なぜ江藤結花がこのような暴挙に出たのかは本人の心の内なので誰にも判らない。
ただスフィーだけが訳知り顔に「けんたろも大変だね」と言ったのみである。
ともあれ、宮田軍は長瀬軍を吸収して太宰府へと進軍した。
一時の混乱はあったが、既に情勢を読んで高倉に未来はないと考えていた者が多く、ほぼ無傷で
西筑前を納めた健太郎は、結花とスフィーに伝令を出して動かないよう指示した。
太宰府は累卵の如き危うさだった。
特に急ぐでもない宮田軍の進出速度に、それだけで恐慌を来たし、逃亡する者が続出した。
健太郎が太宰府を包囲したとき、そこに籠もる兵は僅か数百にまで減っていた。
源之助が一足先に太宰府に入ると、暫くして守備側は武装解除した。
健太郎は必要な指示を簡単に済ませると、因幡ましろを伴って太宰府に入った。
「貴様、よくもぬけぬけと余の前に顔を出せたものだな!」
宗純の罵倒を健太郎はただ受け止めた。
「一体誰のお陰で肥前を得たと思っている!? この忘恩の賊めが!」
「それについては感謝の言葉もありません」
素直に健太郎は謝辞を口にする。
「西筑前のうち、高倉の所領は全てみどりさんに安堵します。他の者も抵抗しなければ
同じです。高倉公、どうか心安らかにご隠居所に赴き下さい」
「き、貴様ー!」
宗純は目の前の湯飲みを取り、いきなり健太郎に投げつけた。湯飲みは健太郎の右目に
当たり、瞼が切れて出血した。
「貴様!」
背後に控えていたましろが剣を抜いて躍りかかろうとする。
「いい、やめろ」
「し、しかし健太郎殿!」
「いいと言ってるだろ」
不承不承に剣を納めて座るましろ。
「いい気なものだ、一人いい男面か? 貴様などどう足掻いても落ちるのは地獄の先よ!」
宗純は言い放って呵々大笑した。
暫くして平穏を取り戻した太宰府に諸将が参集した。
結花達肥前の将、源之助達筑前の降将が顔を揃える。そこにやってきたスフィーらも加わる。
「け、健太郎! その顔どうしたの!?」
治療を断ってそのままにしておいた健太郎の顔は血が変色して黒ずんでいた。
「なんでもない。転んだだけだ」
「そ、そんなわけないでしょ!」
「船だって進めば波濤にぶち当たるだろ? それと同じだ」
皮肉げに笑って言う健太郎に、結花は何も言えず黙って下を向いた。
そのあと、論功行賞がリアンの口から行われた。筑前諸将はほぼ本領安堵。博多と太宰府は
宮田の直轄。博多の運上金の1/3は江藤に。あと新たに得た所領の分配が滞りなく済まされ、
一座にほっとした空気が漂う。
健太郎が口を開く。
「俺は佐賀に戻る。代官として太宰府はみどりさん、副将に長瀬さん」
「ちょ…」
結花が異議を唱えようとするが、健太郎の顔を見ると何も言えずに引き下がった。
「言っておくが、今後分国内で佐賀の指示に従わない者は全て処断する。それに例外はない。
それと、当分俺は戦をするつもりはない。内治に専念するからそのつもりで」
では解散、と一声発して健太郎は座を外した。それをスフィー一人追う。
「けんたろ」
スフィーは健太郎の袖を引いて無理矢理自分に向き直させる。
「なんだよ」
「なんだよじゃないでしょ。手当てしないと」
「いいって」
煩そうに袖を払おうとする健太郎だが、無理矢理に別室に連れ込まれ、スフィーの治療を
受けることになった。
「まったく。痛いの苦手な癖にやせ我慢しちゃって」
「お前にやられたときの方が痛かったけどな」
「あー、そう言う事言うの? こら」
ぺちっと傷痕を叩くスフィー。
「いて! 触るなよバカ」
「痛いから治療してるんでしょーが。ったく、一人で行かせるとこれなんだから」
それから黙ってスフィーの治療を受ける健太郎。処置が終わった後、ぽつりと呟いた。
「…俺も親父みたいに消えちまいたいな」
「あー、それもいいかもね。機会があったらそうすれば?」
「なんだよ、冗談だって思ってるな?」
「ううん、別に。あたしはけんたろの行くところに付いてくだけだから。別にどっちでも良いって事」
「…お前ら、物好きだよなぁ。行き先は地獄かもしれないぜ?」
「地獄ね、うん。まだ一回も行ったことないから、それもいいね」
そう言ってニパッと笑うスフィーに、健太郎は苦笑するほか無かった。
532 :
342:03/11/01 15:24 ID:Z0s8JDQk
火種をいくつか残しつつ、筑前戦終了。
宮田はこれで肥前・筑前・筑後・壱岐・対馬の5州の太守となりました。
次は月教の中の人次第で、豊前攻めか連合して防長介入か。
お疲れ。
そういえば、最近の信長の野望では使者を捕らえることができないのは何でだろう。
>>518>>521 あとは設定で今後の筋書きをあまり出さないように、というのもまだなければ追加。
またここで一行で話を進めてしまい、くわしくは避難所で、等という真似をしたら
駄目出しをする。
>>533 とりあえず、いいたい。
あんた、何様だよw
まあ、筋書きのことは同意するけどさ。
>>534 いや、時にはこういう風に「外の人」が暴走を牽制する必要があると。
>>375さんのようにいいたかったわけです。
どうも失礼しました。
>>535 まあ、確かに外の人が牽制する必要があるのは確かだけど
さっきみたいのはどうかと。
どちらも程度問題だけどね。
あまりに制限すると面白いものができなくなるかもしれんし
気をつけたほうがいいかも。
かといって暴走されてもみんなが困るとw
難しいねぇ……
>>342さん
お疲れ様です〜
さて、まじアン組は一応統一みたいだけど、これからどうするんかなぁ
楽しみにしてます〜
.´ `v^) _______________________
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人`Д´#从 )) < 勝手に人を月厨アーパーの仲間にすんじゃ無え(怒
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) シツレイナ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
悪近中に荒れまくった様で(w、本格的な説明ができなかったんですが。
これに関しては確かに一応、最初から出てきているネタです。
結局最大の問題点は、日本以外の「海外」の設定と日本の朝廷の設定をどうするかなんです。
こちらとしてはこの問題は、「歴史上の人物をSS上に出すか出さないか」の海外版と認識してます。
なぜ、それが必要かというと、結局東北というか、南蛮が出てくるからです。
政宗的な発想だと、どうしてもイスパニア艦隊提督ビスカイノとか、支倉常長などの
「海外組」の話もできれば残しておきたいわけです。なぜなら、所詮東北は出遅れ組であり、
史実どおり、天下統一できるとは最初から思っておりません。下手すると、まあ歴史通りです。
結局、どこでもそうですが、野望型だと滅ぼされる勢力がどうしても出ぎみ。
しかも、バトロワでもないので、その武将は「死ぬ」訳ではない。当然降伏して内政を行う
キャラも出てくるわけですが、内政が得意な武将はSSでは消されぎみになりがちなのは、
もう最初から予想されていまして。(やっぱり戦が華ですから。)
まあ、それでもいいのかもしれませんが・・・
でもあまり戦闘するのが苦手な作品群も、正直有るわけで。
一応それを消す為に「貿易」「対外交渉」「侵略」という名の海外がらみの新しい舞台を
天下布武の次シナリオとして下準備しているという伏線もあったりします。
コレに関しては、「海外を一切出すな」という論理も確かにできます。
確かに、「野望」というゲーム上ではそれでもいいでしょうが、SSとなると正直
海外を「一切出すな」といわれるのは正直時代遅れな気もします。まあ、南蛮人や唐人が
一切来訪しない国というのも、正直、どうかと思います。
この時代なら、ある程度なら海外に文化開放し、進んだ知識と先進的な考え方を持って
技術開発と軍事拡張に臨み、悪習を退け、改革と革命を日本各地にもたらす大名の
方が、やはり「信長」の性格、そして乱世を制覇する覇王としては適任かと思います。
で、その海外を、なんにしようかという所で。
いくつか候補が出てきましたが、その候補の一つとして「他会社勢力」を候補として
当時出した訳です。話とあまり関係ないのに、どうして名前が出てきたのかという
疑問がありましたが、これが答えになりましょう。
要するに、出した理由は、海外勢力の確認と、相談です。というより、
一番重要なイスパニアと朝鮮・中国の設定です。
「あれ」をわざと出して、反応を見た上で、海外勢力をどうするのかの相談を
できればしたかったわけです。
「あれ」は、こちら側の疑問に対する一応の「形」の提示の一つであり、
それに対して他の中の人がどういう反応をするのかは、その時の反応を見てなんとなく決める形を
本来取りたかったわけです。
まあ、確かに。海外に関してはそう簡単には出ませんので、難しいといえば難しいですが。
また、本来板違いの上、直接関係ない海外の話で戦闘をとめるのはどうかとも思うので、
あえて進んでは話をしてませんでした。
ちなみに、他会社勢力の話の元ネタとしては、関連スレとしてエロゲネタ板で出てきた
三国志スレがその出自です。
エロゲネタ板の設定ですと、会社別の戦い方になっており、キャラ別で戦っているわけではない。
ですが、葉も鍵もエロゲであることに違いは無いわけですから、とりあえず、
東アジア秩序の中に組みこんでいいのかとか、いろいろネタとしてはあったわけです。
で、毎度のごとく現れる議論の中の一つとして、実際の人物をどこまで出していいのか
という話もありまして、宣教師などに関しても例外ではありません。
宣教師としてはルロイス等が有名ですが、こいつを出していいのかどうかは正直難しい。
今井宗休だしていいのかというのと同じぐらい頭抱える問題ですが。
(堺が焦点になりだしてるからココもヤバイネタになってきそうな気も・・・無いわけではない。)
んで。
その当時、(前スレ)の段階で提示したネタ叩き台は、
朝鮮−エルフ黒虹等
中国−その他エロゲー
(葉鍵に関係のあるエロゲーは山東半島・呉等近いところに置く)
カンボジア−コーエー(アンジェリークはここのネタですな)
イスパニア−PS2
ヨーロッパ−PS2・ドリキャス他
同人−海(海賊・私掠艦隊)(大航海時代ルール)
当時、世界地図として出したネタはそれですた。んで、
「西洋にその名が知られる」=「コンシューマー化」
「同人」=「会社じゃない」=「領土なし」=「海賊」
当時はそういう基準でこの世界地図叩き台つくりますた。もちろん改変可です。
ちなみに、収容がつかなくなるのではという問いもありますが、
収容できなくともぶっちゃけ、外国の話なんで海隔てた日本には関係ありません(w
というかそもそも、外国同士で言葉が通じないので、収応する必要性が無い。
収容できてれば現代ではもう戦争起きない(世界統一政府が出来ている)わけで、
収応できなくなるのが当たり前と最初から観ているので、あんまり細かくは
設定する必要はない・・・・
が、全く設定が無いのはちとまずい。
特に、朝鮮・中国。
まあ、九州と琉球の中の人が決めてくれればこちらとしても極めて、有難いんですがね。
正直、議論が必要なところです。
ちなみに、この場合、他会社の日本参加は難しいと考えた方がいいです。
グローバル思考など皆無なこの時代では、言葉と常識の壁が厚すぎます。
国崎や美凪・詠美・玲子などは有る意味「最高」(wだから壁を軽々と突破できた
(及び、できる)所があります。瑞希とか、下手な常識人でこの壁は破れません。
まさに、革新大名や武将が相当な事情を持たないと、これは正直できません。
(中国から日本なんて特に。倭寇に犯され、日本を見下している中国人から見たら、
日本を学ぼうなんてネタは無いに等しいでしょう。中華思想の壁は日本よりさらに厚い。)
異論が有る場合は、ここの海外設定から文句を付けて頂けると有難い(w。
なぜかというと、「日本国全体」の問題であり、それはそのまま国内情勢にも直に反映してくるからです。
特に、対馬10万石の内訳なんて、朝鮮との交易が主なんで、極めて重要なネタかと
思います。こちらとしても北海道を使ったアイヌルートももちろん出ますし、正直有る程度
設定がほしいんです。
朝鮮出兵も見越して・・・。
>>540 ×ルロイス
↓
○ルイス=フロイス
×今井宗休
↓
○今井宗久
それはそれとして、無理に実在の人物を消す必要は無いと思いますよ。
葉鍵勢力だけでは人数的にどうしても頭打ちですから。
大名としての登場は性質上避けるべきでしょうが。
あと、あまり今後の展開のネタ晴らしは…。
>>542 世界征服までやり出したら現実の時間で何年あっても足りないのでは?
エロゲネタ板に少し書き込んだ者ですが、
向こうでは舞台はあくまで現代(あるいは近過去)を前提として書き込んでいます。
戦国を舞台とする場合他社勢力の扱いは再考の必要ありと思っています。
>>543 あら(w
打ち間違えでした。すいません。
まあ、今後のこちら側の展開のネタは、バラしているようで、実はばらしてません。
「あれ」ネタだけですので、そこらへんはご安心ください。
(というか、あれまんま大航海時代のパクリなんですがね。)
確かに、他の人に関しては有る程度憶測は入れてますが・・・
これは確かにあんまりやるべきではないですな。
あと、世界征服自体は、口ではどうであれ史実どおり無理でしょうね。
でも、一応「やれるように」しておけば、そのネタでもう一波乱国内に起こせる。
話を全てそこで終わりにしてもいいし、その時々に応じてですね。
でも、天下統一そのものができるのかしら(w
>545
場所教えてください。
対馬10万石の内訳云々なんてたいして重要でもない。
朝鮮出兵なんか見越さなくてもいい。
>>545 成る程。
まあ、この時代は中国は明代後半から清代初頭、西洋もレパント海戦とか
その時の話ですから、エロゲネタと最初から完全に合うとは思ってません。
また、下手に振り回されるのもどうかと思いますし、完全互換は無理でしょう。
これに関しては、「概念」というか、世界観の話ですから、そこまで話を詰める
必要性は無いかもしれません。
(まあ、歴史を完全に合わせる必要性も無いという意見もあるが。)
一応。こちらに関しては「あれ」関係は実在人物に変更してもOKです。
常にその準備はしています。
なんなら南蛮人も宣教師も他にいますし、実際に技術が信長あたりに渡ったのも
事実の模様なので、そこら辺は調整可能です。
でも、これ(海外)に関しては、中の人同士の世界観の話ですから、お話し合いです。
こちらとしては、「他作品の国々もある中での葉鍵を中心とする国」で考えた方が
ネタっぽいかなという発想もあったんで、出した当時としては軽く出したんですが。
(当時、正直「彼ら」が「あんな」人たちだとは知らなかったんで。申し訳ない。)
あともう一つ。
水瀬・大庭戦の「飛ばし」について文句が来てましたが、正直、これはかなり難しい(w。
これは、「中の人同士が完全に反対の意見でぶつかり合った」最初の事例なので、
かなり頭痛い所の一つだったんです。
当時は、千堂・大庭・水瀬の国境線すら確定しておらず、またルールも烈風伝とか
武将風雲録とかで、めちゃくちゃだったので、大混乱した戦いでもありまして。
(川越城から九品仏軍(千堂軍)が訓練の為に城を出て、その間になぜか長谷部彩
(大庭)が川越城にいつのまにかいて、それが水瀬に寝返って、さらに千堂家が奪い返すと
いうかなり「水瀬側に有利な」めちゃくちゃな話でして(w
川越城を水瀬に取られたら両家共に東北や同盟どころじゃなくなるんで、
かくかくしかじかの上、結果、また禁じ手である朝廷命令で強引に同盟させた・・・)
ただ使者出すだけの話が肝心要の所で話の主軸の主人公が寝返ったり(苦笑)、
移動したりした為、偉く長くなり、それがために大庭家の軍事技術のインフレや東北の
硬直化など、副作用が起きてしまった・・・というのも、実情といえば実情です。
まあアホみたいな副作用は、こちらで責任もって消します。
ですが、中の人同士が戦しあうときは、有る程度の話をしておかないと、悲劇が起きる
可能性が高いことも正直、ありえます。
まあ、近畿で鍔競り合いが続いているようですが(w。
中の人同士が戦する場合は、最悪、軍事統率権の放出までも視野にいれ、書く方は、
「日本のため」「大名の今後の為」に、いかにして「国を滅ぼすか」さえも上手く
考えないとならないかもしれません。です。はい。
.´ `v^) _____
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`从 )) < 以上、終了。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) スレ汚シスマソ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>547 ☆ねこねこの野望 〜全国版〜☆
www2.bbspink.com/erog/kako/1053/10539/1053964997.html
「ロックは人生だ」規制が鬱陶しい。
>552
ありがとうございました。
>>550 水瀬に有利だったのは川越城確保までで、最終的には千堂が有利になったかと。
>550
彩の所在についてはそのときにNG出せば済んだ話なのでわ…?
勢力的に居ないはずの場所に居る、ってのは明らかに他がツッコミ入れるべき場所。
好き嫌いとかの問題じゃないからね、それ…
そんな状況を自家優位に収拾したかったのは判るけど、
そのために世界設定そのものにまで手が加わってしまったのは明らかにあなたの咎。
あなたがそーいうのを好きそうだから設定決めをみんながあなたに無言委任してるだけの話で、
千堂戦力の優位確保のために世界設定を定めようってんならこの企画、崩壊するよ?
猛省されたし。
中の人同士の戦いについては基本的には同意。
ただし、それをここでやるとスレの進行が止まり
外部チャットでやると「コテによるスレの私物化」と粘着荒らしに絡まれる罠。
あんたの書く設定、けっこう好きなんで苦言を呈させてもらった。
気分を害したのなら忘れてくれ。
世界地図なんかイラネ
別に人なんか出さなくても「中国と交易しました」でいいじゃん?
対馬の内訳なんて宮田の人に任せればいい。宮田の人がいらない
設定なら不要。
>>555 当時も、NGはそれとなくは出したんですがね・・・(笑。気付いて貰えなかったのか、あえて無視したのか・・・
だが、・・・NGを聞き入れてくれない人も中にはいらっしゃいまして・・・
正直、NG聞く聞かないも中の人次第ですから。
中の人同士の直接の話し合いは正直、馴れ合いの可能性も
出るので避けたかったという罠もあり、正直結構難しい面もある。
(本来なら、世界地図とかのネタもここであんまりやりたくは無い。)
で、武蔵に関してですが。
近江に関しては名城が二つ有り、琵琶湖もあるし京に近いので、当然これでもいいのでしょうが、
近江と武蔵は少々状況が違いまして。
一応「南武蔵」(東京地区)本城(行政管区)は八王子城にしてあるが南は北の従属物に正直近い。
戦略的には確かに重要だが、国としてはあまり・・・。正直、「北武蔵」がこの時代、武蔵の中心。
と、なると。(南武蔵が対馬とか安房と同じ扱いにされてしまうと)和樹の領土が下手すると、
相模一国扱いされかねない。(結局は、本城である、川越(松山)落とした大名家が
武蔵代表という意味合いが強いので)
となると・・・
国の例:
宮田家(今) 肥前・筑前・筑後 (壱岐・対馬)
水瀬家(初期) 越後・下野 (佐渡)
千堂家(初期) 相模 (南武蔵・伊豆)
大庭家(初期) 上野・常陸・下総・武蔵 (但し、常陸が妖しい)
「本城取り」というのは、ゲーム上の設定ですが、国ごとに色分けすると大庭家が広すぎなんです。
(しかも、川越の落とし方が「彩が寝返ったから北武蔵が水瀬家に落ちました」という論理だったので、
いくらこちらでも彩一人出奔ならともかく、2・3行でいきなり国丸ごと他作品移動は到底受け入れられぬ。
せめてどうやって落としたのかについて書いてもらえれば、ありがたかった・・・)
※忍城が出てきた話は、結局はその問題の派生です。というか、彩が戦線の最前線にいるとは、正直思えなかった。
関東の街道の殆どが川越通っており、ここを水瀬に取られれば、エンドレスで戦いが続きかねない。
(そのままだと水瀬・千堂同盟があるので、千堂家は武蔵には攻め込めない。
そうなると一応、川越攻防戦は大庭家有利になるので、ひたすら倒れるまで戦争が続く。)
正直、玲子が出るまで待ってもらえれば(ゲーム内時間2ヶ月)こんな事にはなってなかった・・・
まあ、HP管理の人も大変だと思います(w。見難いのは解ってますので、後で書き直す事も有るかもしれません。
海外設定に関しては、一応大勢に従いますです。はい。
「しっかしシケてんなぁ」
「何だか雰囲気暗いですよね」
古くから栄えた港、日本三津の一つと寄港先で聞いてきたのだが、上陸した
その場所は町の大きさこそそれなりの規模だが、昼間なのに人通りも少なく、
歩いている人の表情も暗かった。
「……本当に商売になるのか?」
「さあ?まずは話を聞いてみないとね」
魔族と呼ばれる民の中でも名門として知られ、また故国でも有数の武門として
重きを置かれたデュラル家だったが、外国よりの侵略軍の迎撃を命じられて
当主ルミラはじめ主だったメンバーが出陣している隙に折悪しく地権に関わる
大がかりな詐欺に遭い、あっというまに素寒貧になってしまったのが数年前、
金の切れ目が縁の切れ目は古今東西普遍的な真理らしく、凱旋から一転して
四六時中借金取りに追われるようになるわ、屋敷まで売り飛ばす羽目になるわ、
他の貴族連中に指差して笑われるわ、それだけならまだしもここぞとばかりに
宮廷政治的にも足を引っ張られるわ、それが原因で国王にも敬遠されるわ、
大勢いた使用人たちも去って行くわ、あっという間に没落貴族そのものになって
しまったのは、まあ腹芸の苦手な武門故の政治力の低さも一因ではあった。
いろいろ試みたもののやればやるだけ状況は悪化の一途、いっそ外国で商売を
起こして一旗上げよう、それならいっそ遠ければ遠い方がいいとばかりに
黄金の国として話に聞く日本を目指したのが一昨年のことだった。渡航準備で
またまた借金を増やす羽目になったが、もうここまで落ちれば怖いものはない、
最後までルミラについていく決心を固めている忠実な部下のみを連れて、
途中情報収集をしつつ売れそうな品を仕入れつつ、ようやく日本本土に辿り
着いたのであった。だが、上陸地のこの状況はどういうことなのか?
情報が間違っていたのだろうか? 一同に不安がよぎった。
「そこのお爺さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかしら」
数少ない通行人の中から、一人の老人にメイフィアが話し掛けた。
「あんたら、そこの船の人かい?」
「ええ、そうだけど」
「悪いことは言わん。役人どもがサボっているうちに早く別の港に行きなされ」
「どういうこと?」
「ここ薩摩の国は今あまりいい政事が行われていないのじゃ。この国を治める
ラントールの殿様は強欲なお方じゃ。あんたたちのような南蛮の人が来たと
なれば役人どもは点数稼ぎのために税と称して積荷を根こそぎ持っていくじゃろう」
それを聞いてルミラは苦笑した。
「……どこの国でも腐敗した連中ってのはいるものね」
「悪いことは言わん、大隅の方にでも行きなされ。あそこの殿様はサーゼ様という
お方なのじゃが、剣の達人にして賢者の誉れも高い立派なお方じゃ。政事も至極
真っ当と聞く。根占あたりならここからでも遠くない。早く立ち去りなさるがいい」
「……もう遅いみたいだな」
エビルが指差す方から、立派な服装で馬に乗った男が、武装した二十人ほどの
男たちを連れて現れた。通行人たちはその一行を見かけただけであっという間に
姿を消してしまった。
「なるほど。典型的だな」
「絵に描いたような嫌われ者みたいねぇ」
「そこな南蛮人ども、神妙にせよ! そこへ直れ!」
男は高圧的な態度で馬上からルミラ達を呼ばわった。血の気の多いイビルが
眉を怒らせて前に出ようとしたが、それを押さえてルミラが応えた。
「そういうあなたは何者? そのおっしゃりようはさぞやお偉い方なのでしょうね?」
「俺は薩摩守護代ラントール家の御当主トゥル43世閣下の代官だ。下賎な南蛮人
風情がここ坊津に上陸しながら真っ直ぐに代官所に来ないとは何事だ。賊と
みなして成敗されても仕方ないところだぞ! ……だが我々も鬼ではない。
それなりの挨拶をするなら許してやろう」
「ふ〜ん、挨拶ね。じゃあアレイ、お願い」
「は? え? わ、わたくし、ですか? は、あー、えーと、その、わたくし、
世に名高きデュラル家のルミラ様にお仕えするアレイと申します。
……えーとその、本日はお日柄もよ」
「御苦労様、もういいわよ。……さて、これでいい?」
代官は呆然としていたが、次の瞬間我に返って怒鳴った。
「貴様ら、愚弄するか! えい、お前ら、こいつらに少々痛い目見せてやれ!」
一斉に抜刀する男たちに向かって馬上の男が声をかけた。
「適当に相手してやれ。やり過ぎて殺すなよ。閣下は寛大なお方だからな」
(こいつら、なりは粗末だがなかなか上玉だ。いつものように適当に痛めつけて
から美味しく頂いてやるとしよう)
馬上でにやける代官の表情を見てルミラは嘆息し、さっきから恐い顔をしている
イビルに言った。
「……なめられたものね。イビル、頼むわ。これくらいなら一人で十分でしょ」
「へへっ。そう来なくちゃな」
ルミラの言葉を聞いて怒りで顔を真っ赤に染めた男達に対して、イビルは一転
不敵な表情を浮かべた。
「ものどもかかれぃ!」
代官の号令で斬りかかって来る男たちの目の前に立ちはだかったイビルは、
いつの間にか禍禍しい空気を漂わせる槍を握っていた。
「へ、お前ら如き素手で十分なんだがな、そこのじーさんを巻き込むと悪い。
この<魔物の槍>の錆にしてやるぜ」
「舐めるな小僧ーっ!」
「あたいは男じゃねーっ!」
最初に突っ込んで来た男は刀を振るう間も与えられず槍の一撃で沈黙した。その影から
踊りかかってきた二人も、一斉にかかってきた五人も、回り込もうとした三人も、
自分の体の一部の如く自由自在に槍を操るイビルに近付くことさえ出来なかった。
「くっ! こいつ、手強いぞ」
瞬時に半減した男達に向かってイビルは凄絶な笑みを浮かべてゆっくり歩み寄った。
「どうした、これだけか?」
男達の半数はそれだけで威圧され、腰を抜かして動けなくなってしまった。だが、
残りの男達は目配せを交わして別の方向に走った。その先には赤毛の少女がいた。
「そいつだ! そのガキを人質にしろ!」
馬上で代官が叫ぶ。男達は一斉にアレイに飛び掛った。
「お嬢ちゃん!」
しかし、老人が声を上げると同時に、男達は全員投げ飛ばされて地面に這いつくばっていた。
「ああ見えてアレイはとんでもない馬鹿力、いやむしろ力馬鹿なのよね」
「むー、メイフィアさん、それではわたくしの頭の回転に問題があるみたいではないですか」
「あら、全然回転していないわけでもないみたいね」
「……」
「まあ、それくらいにしておきなさいよ」
こんな状況でも軽口を叩く部下達に苦笑するルミラと唖然とする老人。
一方、あっと言う間に部下達が倒される様を見せつけられた馬上の代官は、
震えが止まらない様子でルミラ達に問い掛けた。
「お、お、お前ら、い、一体な、何者だ?」
「ふふ。アレイの挨拶を聞いていなかったの? 私はルミラ=ディ=デュラル。
これでもれっきとした貴族なのよ? デュラル家と言えば欧州では
ちょっとは知られた武門なんだけどね。この子達は私の忠実な部下。
みんな地獄の如き戦場を我が家とした兵共よ」
「く、今日は遅れを取ったが、ラントール家の力をこの程度と思うなよ!
お、お、覚えておけーっ!」
代官は馬を返して逃げようとしたが、
「逃げようったってそうは行かないニャロメ」
こと瞬発力では馬にも負けない猫の獣人は、次の瞬間には難なく代官を
馬から引き摺り下ろしていた。
後編は後少しなんで、それほど間を空けずに出せると思います。
なお、ルミラ達の故国はベタベタですが東欧を想定。某串刺し王の数代後の
時代ですし。ただ、実際にはオスマン=トルコのスレイマン大帝に屈していた
頃なわけで、厳密には矛盾が出るので抽象的に欧州のどこかという表現にしてます。
言葉の問題については、事前に琉球あたりの寄港地で習得くらいに補完して頂くと
有り難いですが(現時点ではガディム復活前)、これも厳密にやってしまうと
おかしくなるし、無駄に説明行が増えるだけなので誤魔化しています。
そのあたりも含めて、海外設定はあまり厳密にしない方がいい気もしてます。
実在の人物も他社キャラも絶対駄目とは思いませんが、出すにしてもゲスト程度にと。
魔法に関しては信長の野望や三国志あたりのゲームでありそうな程度の効果に
しておくつもり。火計とか混乱とか天候操作とか。
……フランソワーズは木人(三国志曹操伝)?
>515
永禄二年夏に健太郎とルミラ達、一戦交えていたことにさせてもらう予定です。
何卒よしなに。しかし、「城主さん」はいいですね。なつみらしくて。
しかし初めからラントールとかが守護代なのはすごいなw
やっぱり九州は魔境だ
まぁ、平安時代からずーっと一国の支配家が変わらんような場所だから…
そんなの日本で他に無いっつーの。
「たいちょー、俺らこれからどうなるんですかぁ?」
「んなこと俺に聞くな」
越後南部、その山奥を百余のくたびれた集団が進んでいく。
……越中を任せれていた北川軍五千の成れ果ての姿である。
柳川軍加賀強襲の第一報が富山城に届くと北川は即座に援軍に赴くことを決断した。
籠城という選択肢もない訳ではなかったが、窮地の美坂軍を見捨てるなど到底出来る筈もなかったのだ。
しかし、それは柳川の計略であった。
わざと情報を漏らし城外に誘き出した北川軍を柳川は自ら率いる軍勢で奇襲。
質、人数、勢い…… 全てにおいて劣る北川軍はあっという間に多数の死者を出し敗北するのである。
その後、守備兵の碌にいない越中の城はいずれもあっさりと柳川方の手に落ちるも北川は命辛々脱出に成功。
越後を守る為に春日山城へ向かおうとするが、既に城への街道は敵によって制圧されていてそれも出来ず。
しかも不運なことに柳川軍に発見され追われる羽目になるのであった。
『きったがわくーーーん!! 居るのは解ってるんだよーー!
返事してくださーーい!』
おそらく紙か何かを丸めて叫んでいるのだろう、遠くから大きな声が響いてくる。
その声の主は柳川家重臣阿部貴之。予備兵力で構成された残敵掃討軍一千の大将である。
『早く出て来た方がいいぞーー! 柳川さん普段は優しいけど、怒ると凄く怖いんだよーー!
まだ大丈夫だから安心してこっちにおいでよ!』
「誰が騙されるかっての。このホモや……」
瞬間、北川のすぐ側を目掛け矢や銃弾が五月雨の如く降り注ぐ。
『……もう一度言うよーー! 早く出ておいでーー! 今なら命の保障もしてあげるよーー!』
あくまでも先程と同じ声色で貴之は続ける。
「もしかして……見つかってるんじゃないか? 俺達、遊ばれてるんじゃないか?」
「隊長」
おずおずと斥候に出ていた兵が進み出る。
「後方に道があります、さっさと逃げましょうよ!」
「う、うむ」
追撃が始まってから数日、北川達はまだ逃げ続けていた。
しかし敵を避け雪深い山道を進んでいる為に逸れる者が続出。
残っている者は更に減って側近を中心とする五十余になり、もはや誰がどう見ても落ち武者の集まりであった。
「あの、隊長……」
「ん?」
疲れた様子で部下が話しかけてくる。思えば何日まともに食べてないんだろうか?
「俺達は南へ南へ逃げてますよね」
「今更何を言ってるんだ、山奥に進んでるんだから当たり前だろ」
「このままじゃ信濃に入っちゃいますよ。ていうか、もう入ってるような」
「……」
(そういやこの辺の景色、見たことがないぞ。ヤバくないか?)
「貴様ら何者だ!?」
「うわっ、やっぱり!」
思わず頭を抱えてしゃがみ込む北川。
遭遇したのは未だに藤井冬弥、澤倉美咲を捜索していた緒方家奉行軍の一団。
「こういうのは気付くと出て来るって古来より相場が……」
「何ごちゃごちゃ言っている?」
刀を抜き槍を構える緒方兵達。返答しだいではただでは済まなそうな雰囲気が漂っている。
「この人数でこの武装。怪しい、怪しすぎる!」
「ええと、その……ですね」
しどろもどろになる北川、そこへ
「見つけたぞ北川の者ども!」
「今度は何だ!」
現れたのは追手である柳川兵達。山中を進んでいる為か此方も少人数ではあったが。
「……誰だ貴様らは」
「……お前らこそ」
(こいつはチャンスだ!)
「おじさん!」
「な、何だ?」
次々に現れる正体不明集団に驚き戸惑っている緒方兵へ北川は叫ぶ。
「こいつらが真の敵です!」
びしっ、と柳川兵を指差す。
「はぁ?」
訳が解らない、という顔で呟く緒方兵。
「……なるほど。そういうことか」
対照的に全てを理解したかのような顔で呟く柳川兵。
「貴様ら援軍を呼びおったな!」
「さっきからいったい……」
「問答無用! 者ども掛かれっ!」
一斉に攻勢に掛かる柳川兵に対して緒方兵も応戦を開始する。
「この野郎……! よく解らんが敵が現れたぞ! 味方を呼べ!!」
「おい! こっちも早く増援を連れて来い!」
「頑張れ〜!」
かくして突発的にお互い相手も知らぬ戦いは始まった。
初めは小規模であった争いも双方が助けを呼んだ為、最終的には合わせて四百名程が集まる大乱闘になる。
結局、それは国境越えの事態に気付いた貴之が兵を引く夕刻まで続くのであった。
乙…って言いたいところだが、
冬の立山連峰を道案内無し冬季装備無しで突入…
さすがに無茶でねぇかい?
黒部第四ダムってたしかそこらへんだぞ?
まぁ、現在虜囚の身であるところの死にかけの筈の病人と
冬に雪の上でHしちゃう世界の住人だから
寒さには異様な耐性があるのかもしれんが(ワラ
この事件がきっかけで緒方と柳川が敵対することになったら
北川ナイスプレイだな。英二と柳川は争ってもメリットないから衝突避けるだろうけど
末端レベルじゃ険悪ムードが漂いそう。
あと南越後の対決はどうなったんだ、
北川書いてお茶濁してる場合じゃねーだろ…?>水瀬の人
>571
越後南部っていうんだから春日山南の川の方から入ったんじゃ?
流石に少人数とはいえ3000級越えは無理でしょ
そもそもそれ自体がかなり変だけどな…
越中〜春日山城の間で「封鎖できる」街道の場所は
前スレでも名前の挙がってた「親不知」が一番適切。
越後−越中の国境領域だから、
柳川軍が押さえの兵を置いてないほうがおかしい場所。
そこを抜けちゃった以上、もうあとはどこをどう封鎖しても
春日山城までの行程を妨害するのは無理なんだが…
越中〜糸魚川〜直江津までの長大な範囲を、
すべて柳川軍の軍兵で埋め尽くすってんならともかく。
緒方と柳川の共同作戦を妨害したいのかもしれんが、
あまりにも無理があると思われ>水瀬の人
よし、こんな時は得意の脳内妄想でカバーだ!
北川軍、柳川軍に完敗→越後へ向け逃走→柳川軍、2日かけ越中掌握(能登の嵐参照)
→その間に北川は越後に入る→柳川の騎馬隊かなんかの先発隊が越後に進撃、北川追いつかれる
→身を隠すため街道から離れた道を使用、逃走速度激減→たどり着く頃には柳川軍が春日山城を包囲
→見つかり追われる
何気に葉鍵板書き込み数7位
こういうのは書いたもん勝ちなとこあるからなあ・・・どれだけ無茶でもスルーという行為だけは無いことだし・
ただあんま矛盾が多いことはやって欲しくないな実際。
とりあえず思考ベクトルをしたい事を書く、からできることを書く、としておかないと、矛盾が溢れる事になる。
そういうのを無しにする為にも、余りにもご都合主義な話は無効するぐらいの気でいたほうがいいと思うんだがね。
個人的には、北川が面白いからOK。田中以来のヒット。
>>573 水瀬の中の人が書いたのかわからないが、そうなら
>>372かと。
続き書いちゃっていいと思うけどね。
この状況下ではどちらも国境の警戒が厳しくなり、北川がのたれ死ぬかとっつかまる展開に一直線のような気が。
なんつーかどうも現代の感覚(しかも平地の感覚)で話を作ってる中の人が
多いような気がするなぁ。冬に信濃から飛騨に抜けるとか、越中から越後に
抜けるとか。一遍でいいから、移動経路を道路地図で確認するくらいして
もらいたいもんだ。
けど、話が面白ければ無茶でも通っちまうところがこのスレのいい所でも
あるので、あまりうるさく言うつもりは無いけどさ。
リアル戦国志向ではなく、葉鍵キャラで戦国時代っぽいことをしてみるのが趣旨だからかと。
智子もみんなの知らない間に因幡から堺にいってたりするが、
どういう経路で行ったのかとか描かないでいいと思うし。
>>580 どっちかっていうと、特に敵対してない緒方に保護してもらった方がいいか。
場所によっては、中立らしい善光寺も近いけど。
>582
いちおう飛騨〜信濃間にも街道はあるようだし
それに街道以外にも山道だってあるわけだし
大軍勢の通過でなければ、あまり突っ込まなくてもいいと思う。
ついでに言えば、
冬のさなかに越中から飛騨を越えて三河に行った戦国武将もいる訳で……
いや、通れる事は問題ではないが冬だってのがねぇ。
一度夏に松本から高山への長距離バス(安房峠越え)に乗ったことがあるんだけどね。
もうどうしょうも無く険路な訳よ。現代の、二車線舗装道路の国道でも。
450年位前の戦国時代に、冬に、特に装備も無しであそこを通ろうなんて考える奴は、
もう馬鹿かと阿呆かと、自殺志願者か気違いか人外か鬼か魔物か、
とにかく命懸けだと。ま、だからこそ追っ手を振り切るには適切なんだけどね。
>冬のさなかに越中から飛騨を越えて三河
それは低地(川と盆地と低い峠)沿いでしょ? 現在でも高山本線が通ってる
ルートだし、あの辺は南北方向なら結構通り易いので余り不思議でもない。
峠もせいぜい標高が7〜800mだし。でも東西方向の野麦峠も安房峠も
1700m級だ。文字通り桁が違う。
んでも、冬弥なんか確かに命懸けな上にサポート付きだし
できてもおかしくないから何も言う気はない。
ただ、冬の飛騨信濃国境は「超」難所だと言いたかっただけだ。
>>241 >既に一月も半ばを過ぎ、春になる頃だったから歩けない程じゃなかったが
いま思ったら、これ旧暦設定?
ああ、旧暦設定って書いてあった。
>>583 緒方としては、あまり保護したくないんじゃない?
確保したら、柳川に引き渡すか、秘密裏に処理するほうがいい気がする。
そういうの得意そうだし、英二さんとか弥生さんとか。
大名思考中
移動に関してはリアリティに拘りすぎるのも何だから言わなくてもいいと思う。
元々、忍者も縦横無尽にあちこち移動しているし。
ただ、緒方と柳川の兵って、互いを見分ける印とか無かったの?
特に、国境にいる兵はこういうトラブルが多そうだから。
いや、話は面白かったので、叩いてるわけじゃないよ。
ちっと柳川方が短絡過ぎには見えるけどね。その瞬間、北川が消えているし。
乱戦に紛れて死んでたりしてw
>590
そこで忍者を引き合いに出すのは根本的におかしいだろ?
忍者までも街道しか通れないんじゃあ、忍者を雇う意味がほとんど無いわけで。
移動の問題はおろそかに出来ん。
大名家の盛衰が武将の頭数だけで決まりかねんぞ、そこんとこいい加減にすると。
明らかにまずいトコはきちんと周囲がツッコミ入れないと…
判定役、居ないんだからさ。 上の彩問題みたいな書き放題を許すのか?
まとめ:
また水瀬厨か!
で、今どこが優勢なわけよ?
やっぱり長瀬・緒方の二強か、大庭家もそれほど弱いとは思えんが。
宮田家や長瀬家(周防)もその気になれば地方統一できそうだ。
>>594 千堂家は中の人の意向次第だが、かなり強大。緒方家もこの状況では
千堂家を裏切りようがない。さらに関東以北が事実上第三者に介入されていない。
経済力では長森家も捨てがたいが、いかんせん謀略にきりきり舞いさせられている。
中国はあとは那須家。藤田家は勢力拡大がまだ進んでいない。
朝廷や諸勢力を考えると
1長瀬祐介 2千堂 3緒方 4宮田 5那須
こんな所か。3と4の順序は微妙。
どちらも比較的ボロを出している。経済的には宮田だが、あれは言い訳できないわな。
柳川は経済力でも水瀬を上回り次点。
ではピンチな勢力は?
>>595 武将数も重要な要素なので、
1.祐介 2.緒方 3.那須 4.宮田
そのあとは、水瀬・千堂・柏木・長森・柳川が団子状態だと思うが。
>>596 大国だと、友好勢力が無い水瀬&大庭&柳川。
あと、領土が1つの大名全般は、いつでも一回の戦いで滅ぶ可能性のあるので、
ある意味いつもピンチ。
保護されている神奈達なんてもっとも危うい
そういえば幕府の名前ってないの?
>597
祐介ダントツだな。
家臣の団結力も並じゃないし、大名の戦術力も銀英伝のヤンなみだし。
忍びも優秀なところが揃っている。
千堂の武将数が少なかったのが、意外。
あと、緒方ってそんなに部下いたんだ。
外の人&設定・感想用に一つスレ建てないか?
SS感想だけでこのレス数はいくらなんでも多すぎる。
ただでさえ文字数大杉でDAT落ち速いんだから。
>>600 そう・・・かな?
それほど早い流れにも見えないけど…
>>600 ……と言うか、支援サイトの掲示板にあると言う罠>感想用のスレ
今のところ全く使われていない訳ですが
このスレ下手すると700でDAT逝きなんだよ。重すぎて。
しかも前はほとんど感想無しだ。
何気に600ゲトしてるし、ちとやばい。
支援サイトも見に行くけど、葉鍵板にあった方が書きやすいやね。
メリットがどれだけあるかはよくわからないけど。
>>590 >対照的に全てを理解したかのような顔で呟く柳川兵
緒方兵を水瀬兵と間違えたのなら何も理解する事は無いので、
柳川(貴之)兵は、緒方が水瀬と組んでるかなにかと誤解して、
襲い掛かったように読んだ。
あ〜、でも総合スレ見てみたら
感想スレがある鬼ごっこスレよりここ、流れが速いのか。
なら仕方ないかな…
606 :
342:03/11/03 22:36 ID:LheHS9bc
>>595 >どちらも比較的ボロを出している。経済的には宮田だが、あれは言い訳できないわな。
ごめん、何のことか判らないので教えて下さい。
何かとんでもなく拙いこと書いてましたか?
>>606 いや、火種を残しているという以上の意味はありません。
ただし、お家再興というのはどこででも存在する名分なので………
後は感想に属するのでまた次の機会にします。
何気に書き手も読み手も増えたよね
俺も最近読み始めたんだが
610 :
342:03/11/03 23:40 ID:uWaHzcXI
>>607 そっちの方でしたか、了解しました。
どっちにしても宮田に天下は無理でしょう。頭数足りなさすぎだし。
一応切り札として水軍を強力にしましたが、嫌がらせが関の山でw
宮田と江藤の関係もぎくしゃくさせてますし。上手く取り込むか、
もしくは粛正するか、ネタを練ってるところです。
「さて、どうしましょうか」
とりあえず代官と取り巻き共を縛り上げたはいいが、勢いで現地の役人と
事を起こしてしまったには違いない、困惑しているルミラ達だったが、
その前に一人、また一人と町の住民が集まってきた。
先ほどの老人がルミラに向って口を開いた。
「あんた達、どうなさる?」
「どうっていうと?」
「あんた達はこの町、いや、場合によっては薩摩一国の命運を握ってしまったのじゃ」
「この町の命運?」
「そうじゃ。事情はどうあれ、あんた達はこの地で代官、ひいてはラントール家の
顔を潰してしまった。トゥル43世はメンツにかけてあんた達を潰そうとするじゃろう」
「そうでしょうね。でもそれは私闘よ。この町とは関係ないはず」
「まあ聞きなされ。あんた達には二つの道がある」
「二つの道?」
「一つは今すぐこの町を出てラントールの手の及ばない他の国に行くこと。
これならあんた達には不都合は起こらないじゃろう。じゃが、この場合、
トゥル43世の怒りの矛先はこの町自体に向けられるじゃろうな。多分
ラントールの手の者はこの町を破壊し尽くすじゃろう」
「そんな! 酷いです!」
人の良いアレイが憤慨する。
「もう一つの道は、ここに留まってラントールの軍と戦うこと。あんた達が
単なる商人でないのは先程の手並みを見てよくわかった。武門の出というのは
本当なのじゃろう。どんな事情がおありか知らないが、その力を振るってみる
手もあるということじゃ。この町、いやこの国の民はこれまでラントール家の
厳しい収奪に耐えて来た。薩摩の民は忍耐強い。じゃが、トゥル43世は流石に
やり過ぎじゃ。忍耐も限界に来ておる。もしあんた達がその気なら、
この町の人間はあんた達に力を貸すじゃろう。ほら、見なされ」
老人が指すその先には、既に百人を超そうかという人の群れがあった。
「……やれやれ。参ったわね」
ぼやくルミラにメイフィアが囁く。
「ルミラ様、これはデュラル家再興のための千載一遇の機会。御決断を」
「そうね。選択の余地はないようね。考えてみれば、所詮デュラルは戦働きで
名を成した家門。どこに行っても戦場でしか生きられないのかも知れない……
わかったわ、やってやろうじゃないの。欧州に轟く我等が武名の所以、
ここ日本でも知らしめて差し上げるわ」
民衆を率いたルミラ一行が坊津の代官所を急襲、占拠するまで、
それから半刻もかからなかった。
「それではわしは失礼させていただくとしよう」
代官所を仮の司令室に改装する作業が急ピッチで進む中、老人はルミラに辞去を申し出た。
「御老人、すっかりお世話になったわね。良ければお名前をお聞かせ願えないかしら」
「わしはゼック。刀鍛冶じゃ。最近はやりがいのある仕事がなくての、
隠居同然だったんじゃが……槍使いのお嬢ちゃん」
「ん? あたい?」
日頃滅多に女扱いされないイビルが照れを隠しきれない表情で答える。
「あんたの槍、なかなかの業物じゃな。手入れもなかなか良い」
「おう、あたぼうよ。なんたってそんじょそこらの槍じゃないからな」
「じゃが、かなりくたびれておるのも確かじゃ。一度わしの所に持って来なさい。
鍛え直して差し上げよう」
「お、おう。それは有り難いぜ。よろしく頼む」
「では達者でな。わしはあんた達の行く末をじっくり見せてもらうことにするよ」
老人はニヤリと笑って立ち去って行った。
「ふふ。期待していてちょうだい。面白いものを見せて差し上げられると思うわ」
---------------------------------------------------------------------------
現実の歴史では、坊津の港は江戸幕府の海外貿易の禁止に伴い、歴史の表舞台から
姿を消します。それでも薩摩藩の密貿易の根拠地として江戸時代半ばまでは
それなりだったのですが……。今では鑑真和上の記念館があるくらいで、
単なる田舎の漁港以外の何物でもありません。
いま一気に読んだんだけど、柳川が越後へ侵攻して秋子から防衛の伝令が発せられたのが12月(
>>62)、
冬弥一行がいつから逃げ始めたのかわからないが、飛騨越えが一月半ば過ぎ(
>>241)、
その捜索隊と北川が遭遇したので、その時期は一月上旬から半ば?、
それまでの時期は春日山城は篭城ってことでいいと思いますが、
そろそろ援軍もついたでしょうし、時間軸をあわせる上でも、
春日山城の戦いをやった方がいいような気がするのですが。
幸い、何人か書きたい人もいるみたいですし。
.´ `v^) _____
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`从 )) < 話ぶり返しだが。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) スマンナ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
感想・その他スレと本スレを分けるのは有る意味ありがたいとは思いますです。
下手に中の人が失敗を仮にして萎縮されてもこちらとしても困るし、(そりゃ下手していなくなると
そこで話止まりますから)また中の人が何かしらの陰謀を企てている(笑)場合は、
下手に感想で言われると先に意図せずにネタバレされる可能性大なのを逆に恐れます。
(特に。水瀬家の場合はまだ柳川軍の位置は不明だし、柳川の中の人は「水瀬秋子を狩る」とは言ったが
あんまり拡大戦線を張りたくない様子もあるので、この国境の兵力の意味が何なのかは、まだ謎。
あと、「街道封鎖」(言葉注意)をされていると書かれているので、そこまでが確実な決定。
ですので、下手に春日山籠城とか外の人の方で本スレで言われてしまうと、
それだけで中の人が話を書きにくくなる可能性が高くなるので、キツくなる可能性はあります。)
「外の人」が「中の人」を規制するのが必要と感じているなら、まあ、直接叩くのもいいですが、
もっと間接的な方法として。天変地異を起こす権限を外譲渡するのはどうでしょう。
大体の内容として、地震・雷・火事・洪水・疫病・豊作・凶作等。
これはコーエーでは農民をこき使ったときにおきるものですが、SSでは極めて起き難い。
(そりゃ中の人から見たら戦争起こすには資源が豊富な方がいいんで)
もちろん、人為的に(中の人が)米相場を変動させる事は可能ですが、(例:大庭家)
内政しないといけないんでまず間違いなくSSに影響は出るでしょう。(中の人は地震を自国内で
地震を起こす事は勝手だが、他国では起こす事は不可。だが、外の人は問答無用で日本の国内全体に
地震や凶作を起こす事が出来るという事です。)
で、例の掲示板ですが、中の人中心のネタバレ掲示板とか、設定を検討する掲示板という
形を取ったほうがいいかもしれません。(というかどうせ余り機能していないわけですし)
こちらも天いな上総設定のジャンク品(使えなくなった設定)をあえて公開して叩き台にできる
ようにはしています。(もちろん決定では無い)
そうする事で、
@一つの作品でどうにもならなかった問題を他作品を混ぜる事で解決できたりする場合も出てきますし、
逆に妨害も出てくるでしょう。
(あゆの奇跡を他作品キャラが使っても問題は無いでしょう。ヌアンギとか。ウィツの万能に関しても
他作品キャラが使えるのは同じ。)
ですが、世界観とか、各中の人内のネタもありますんで、他作品巻き込んだ超大技食らわせる
必要性が有る場合はネタあわせする必要がある。特に、魔法系の大技。
A中の人同士が戦うときに、下手に萎縮されても困るわけですから、そこらへんの調整を本スレで行う
には無理がある(緒方・千堂戦や千堂・水瀬戦、緒方・長瀬戦が起きた場合、中の人の担当がばれてしまうと
それだけでどちらが勝つか一発でばれてしまう)でしょうし、また中の人同士が戦う場合も、水瀬・大庭戦の時の
ような戦力インフレがおきてもらっても困る。
バトロアと違うところは、大名・作品同士が共存しないといけない点です。
ハカロアの場合はとりあえず教室に纏めて殺しあってくれればそれでよかったんですが、こちらの場合そうも
言ってられない。一つの作品のネタが日本という同じ国で起きている以上、下手にダイナミックなことを
やられてしまうと、他大名にまでその設定が掛かる可能性もありますんで、そうするとハカロアよりも複雑な
ネタあわせが必要になってくる。
これは正直野望の企画書作るようなものですから、ゲーム作りと同じで没ネタも多くなるでしょう。
でも、コテ同士の「馴れ合い」はこちらも避けたいので、公開はするがネタバレがある掲示板ということに
なりますね。作品だけ見たいひとは見ない方がお得という掲示板という事になりますが。
…ヌワンギが奇跡をいつ使ったんだ?
天変地異つっても時系列が揃ってないと意味なくない?
今は永禄元〜3年くらいでばらけてるよな。
>>617 俺もそれは思ったw
うたわれで奇跡はハクオロの事かな、たぶん。
っていうか、今までの戦いとかまじアンの中の人の言い方見てる感じ、
ハカロワとか鬼ごっこみたく、特殊能力はある程度規制するんじゃないの?
格闘技とか剣技等特技みたいなのは、個性付けの上でも必要だと思うが。
と思ったが、そういう話を感想・議論スレみたいなのでやればいいのか。
適当に改変して使ってください↑
戦国無双ってつけてもいいと思うけど、
スレタイに感想とか議論とかもつけた方がいいような。
ちなみに、鬼ごっこは
葉鍵鬼ごっこ 第○回
葉鍵鬼ごっこ感想・討論スレ○
(○は数)
葉鍵の野望・戦国無双〜感想討論専用幕屋〜
野望ネームが使えないから2以降は議論。
戦国無双なんてつけると無駄に誤解させるだけのような気がする。いるの、それ?
>>624 それならば「葉鍵の野望・戦国夢想」と言う風にするのもアリでは?
両方いれるなら、
葉鍵の野望・感想議論スレ〜戦国無双〜
みたいに、葉鍵の野望の直後に感想とか入れた方がわかりやすような。
ではとりあえずそれで。
後でスレ建てます。
清洲城外れでの長森家主催の宴席、そこへ供を連れ完璧な礼儀作法をする一人の女が現れる。
「御初にお目にかかります。緒方家家臣篠塚弥生、当主名代として参りました」
「え、ええと。初めまして。当主の長森瑞佳です」
小坂由起子、椎名香穂とはまた違った長森家にはいないタイプの大人の女性に少し緊張する瑞佳。
「おいおい、お互いそんなに硬くならないで。折角の祝宴なんだから」
「ええ、そうですね」
浩平の言葉に弥生は姿勢を崩す。
「長瀬殿にも一度お会いしてみたかったのですが忙しいのであれば仕方ありませんね。
それでは戦勝の余韻、愉しませていただきます」
「ところで長森殿」
祝宴が始まり少し経った頃、おもむろに弥生は話を切り出した。
「当家で預からせていただく椎名繭殿のことですが……」
「何か問題でも?」
「いえ、幼いとは聞いていましたが、お見受けしたところ少女と言うより幼……」
「な、何を言ってるんですか! 繭はああ見えるけどそんな心配をする年齢じゃないですよ、幼児体型なだけで!」
何故か慌ててフォローする浩平、周りもそれに同調する。
(設定上はね)
誰かが呟いたような気がするが皆一様に黙殺。
「……そうですか」
「それにしても本当に残念です」
ちらりと空席、長瀬祐介のいる筈でだった席を見る。
「月島、広瀬氏征伐、三河解放の武勇伝などを是非お訊きしたかったのですが。ああ、それと……」
その視線をずらし新しく長森家家臣の列に加わった雪見の眼をじっと見る。
「深山殿にも感謝を。貴女が長森に属す、という素晴らしい決断をしたからこそ渡辺家を滅亡にまで追い込めたのです」
「そんなことはありません、長瀬殿の協力もありましたし。それに肝心の主力を壊滅させたのは緒方家なのですからね」
こちらも弥生をじっと見つめ答える。
「ご謙遜を。……でも一つだけ残念なことがありますわ」
「残念なこと……ですか?」
「貴女の陣中にいた氷上シュンが逃げてしまったことです」
「氷上?」
突然出たその名に家臣団の数名が反応する。昔の経緯で知っている者も多いのである。
「既にお聞きの方もおられるでしょうが、彼は何を思ったか渡辺家残党を引き連れ、我が所領を襲撃したのです」
場が静まる。噂で知っている者はいたが殆どの者は初耳なのだ。
「撃退はしたようですが、突然の攻撃に当方にも死者が出ました。そして、何より許せないのは領民が殺されたことです。
戦場では不慮の事故や誤解で領民が死ぬことはあっても、信濃の地は平和そのものでしたのに。
彼もおとなしく深山殿に降伏していれば所領は安堵だったでしょう。諸悪の根源は死に逃げた渡辺茂雄なのですから……」
「あと当領に追放の清水なつきですが、我々のすきなように扱ってもよろしいのですね」
既に皆が賛同していることである、誰も反対するわけがない。
「興味本位で訊いてみるんですが“すきなように”って何するんですかねぇ?」
さっきから大酒を飲んでいる住井がおどけた様子で質問する。
祝宴は終わりに近づきそこらではうたた寝している者までいた。
「そうですね…… 例えば東海道で鋸挽の刑はどうでしょうか?」
「何ですか、それ? 森林伐採でもさせるんすか?」
「まず罪人を往来の激しい場所で首まで土中に埋め、すぐ側に竹の鋸を置きます。
それを興味のある通行人に一回ずつ引いてもらいます。勿論そのまま放置しますよ。
切れ味が悪いのでなかなか死ねないでしょうね、もっともその間に行いを悔いてもらうんですが」
「ひぃ……」
弥生の淡々と進めるとんでもない処刑方法の話に寝ていた者まで起きだす。
「車裂の刑などもどうでしょう。これは二台の馬車に縄で罪人の片手、片足をそれぞれ固定して
それを反対方向に思いっきり走らせるんです。そうすると……」
「ストップ! ストップ! も、もう結構です!」
完全に酔いが醒め止めに入る住井。他にも青くなっている人が多数何か喚いている。
「ちょっとした冗談だったのですが、あまり面白くなかったようですね」
(冗談じゃないっての。無表情だからマジで怖い……)
「さあ、景気の悪い話はここまでに。続きを愉しみましょう」
──翌日早朝、清洲城里村屋敷
「それでは失礼させてもらいますわ」
家臣を背に茜に別れのあいさつをする弥生。まだ眠っている繭やぐるぐるに縛られて何だか解らなくなっている者もいる。
「そういえばあのお二人は? 昨日も姿を見なかったですけど」
二人とは森川由綺と七瀬彰のことである。昨日の祝宴にも現れていなかったのだ。
「少々事情があり先に帰国してもらいました」
ただそれだけ答える弥生、詳しく説明する気はないらしい。
「ところでこれは私から里村さんへの個人的な贈り物ですが」
そう言って見慣れぬ品と脇差を差し出す。
「……? 何です、これ」
「私がある人から貰った南蛮物で時計といいます」
「時計…… 時を刻むというあれですね」
「その方は大変それがお気に入りでした。不思議な魅力、とでも言いましょうか、確かに引かれるものがありますね。
さらにそれさえあれば正確に行動できますし、便利な物です」
「この脇差は……」
それを手に取り抜こうとする。と、そこで何かに気づく。
「なるほど。こんな変わった物もあるんですね」
「堺で造られた物らしく緒方さんも愛用している物ですよ」
「時に、これはただの世間話ですが……」
その後も続く他愛もない話。その最中、突然弥生は僅かに顔を険しくする。
「何でしょう?」
「緒方さんの長森家に対する興味は、急速に失われつつありますわ」
「えっ……? どういうこと……」
「緒方家としては長森家よりもわざわざ援軍まで出してくれた千堂和樹殿を信頼に足る人物と判断し
近々同盟締結の使者を送るらしいです」
「……」
「いいですか、里村さん。緒方家と長森家がこれからも上手くやっていけるかはあなたの行動にかかっています。
そのことをお忘れ無きように……」
北川が信濃ですか。
時期は614でいいのかな? それなら無理もないと思ふ
長森家は難儀だね…(涙)
繭を送ったのは間違いだったような・・・。
>>635 ある日突然反転して、内部から謀略の限りを尽くしますw
ツインテールを引っ張られる理奈とマナ
実は長森家で唯一謀略家の素質があるのかもな<反転繭
反転しないだろうけど。あれはハカロワネタにすぎないし。
>>638 一応本編でも反転するけどな。
・・・浩平の想像で(w
才能とか資質とか言い出したら、はっきりいって祐介にもないぞ謀略の才能なんざ。
氷上シュンは頭よさそうだが、いま祐介の所いってるしな。
氷上カムバ――ック!
お前は浩平の友人じゃなかったのかと、浩平のピンチに何をやっとるのかと。
長瀬ちゃんは人材引き抜きに力を入れているね。
大名思考中
なんとなく、長瀬が織田、長森が徳川、そんな事を思った今日このごろ
ここに書き込んでいいのか不安だけど、一応たまたま気付いた事。
公式サイトのキャラクターリストで、
瑞佳の漢字が違うことと、橘敬介がいないことに気付きました。
そのかわりポテトが武将登録されてました。
648 :
342:03/11/08 22:28 ID:4QIgtuNo
ちょっと趣向を変えた話を投下します。
4レスほど。
俺の名は木田時紀。播州のとある豪族の嫡子と言うことになっている。
俺の両親は播州を束ねる橘家に仕えている。忠勤に励んだお陰か、なかなか殿の覚えも
めでたく、家中でもかなりの地位にあるようだ。
だが、家のことを全く顧みないあの人達のことを親だと思えたことは一度もない。
妹の恵美梨は『お兄ぃは冷たい』と事あるごとに俺を詰るが、思えないものは仕方がない。
それだけでは無く、いつの頃からか俺は両親のことだけでなく、周囲のありとあらゆる事に
興味を失っている。家のこと、家臣のこと、周囲を取り巻く状況のこと、そして、俺自身のことも。
「う、うぅぅん…」
だが昨夜、つまらない成り行きで、俺は一人の女を抱いてしまった。
抱いた女もつまらないヤツだ。つい2,3日前までは存在すら知らなかった。
俺の刎頸の友を自称する霜村功によると、家中でも有名な器量悪の女らしい。
「うぅぅ、あ、き、木田君…」
器量悪が目を覚ましたようだ。
女の名は栗原透子。容姿も頭の中身もたいしたことのない、ただ女であることだけが取り柄
のヤツだ。
「お、おはよ」
「ああ…」
栗原は挨拶すると、恥ずかしそうに布団をかぶり直した。
日がかなり高くなった頃、俺達は宿を出た。その別れ際、
「あ、あの、あのね」
「なんだよ」
「あの、昨日のことなんだけど…本気?」
昨日のこと? 暫く考えた後、こいつが何を言っているのかに思い至った。
「ああ」
昨日、俺はこの女と、自分たちの存在意義についてつまらない言い争いをしたのだった。
その時俺は言った。
『出奔する』と。
「ホントにいなくなっちゃうの?」
何故か、栗原の眼鏡の向こうが不安そうに曇った。
「ああ。お前もその方が良いだろ? 傾き者で有名な俺なんかと寝たって知れたら拙いだろうからな」
「そ、そんなこと…」
「どっちにしろお前には関係のないことだろ、さあ、帰れよ」
そう言うと俺はさっさとその場を後にした。後ろで栗原が何か言ったようだったが、特に気に
止めることはなかった。
屋敷に帰ると、恵美梨は不在で、家臣達もあらかた出払っているようだ。
俺はさっさと荷物をまとめると、一筆書き置きを残しておいた。出奔することと、京へ行くような
ことを匂わせる文面だ。
追ってこられてもかなわない。俺は最初から西へ向かうつもりだったので、こうしておけば
問題ないだろう。もっとも恵美梨は常々『お兄ぃはもう帰ってくるな!』と言っていたので、
探すようなことはないだろうが。
誰にも見咎められないまま、俺は屋敷を後にした。
姫路城下を抜け、街道への入り口に近づいた頃、俺に声を掛けてくる者がいた。
俺は声を無視した。まさかもう手が回ったはずもない。どうせ物売りの類だろう。
俺が足早に立ち去ろうとすると「あっ!」と声を上げてそいつは追ってきた。
こういう手合いは無視が一番だ。俺は振り返らず、そのままの速度で歩き続けた。
しばらくすると後ろからは「はぁはぁ…」と息を切らせた声がする。しつこいヤツだ。
「ま、待ってよぉ、木田くぅん…」
それはどこかで聞き覚えのある、間抜けな声だった。
足を止めた俺が怪訝そうに振り返ると、軽装に笠をかぶった一人の女がちょうど転んだところだった。
まさか…
俺は近づいて女の笠をくいっと上げた。
「いたたた…」
間抜けの正体はやはり…
「栗原! お前こんなところで何をしてるんだよ?」
栗原は涙目で俺を見上げると、「やっと止まってくれた…」と情けなく言った。
俺は栗原の手を取り、とりあえず引き起こしてその場に座らせた。
「何をしてる?」
再度俺が訊くと、栗原は言った。
「あ、あのね、あたしも木田君についていっちゃ、駄目?」
「ばっ、馬鹿! 遊びに行くんじゃないんだぞ!」
「ふえぇぇ、あたし、馬鹿だもん」
「開き直るな馬鹿! 出奔するんだ、もうここには帰ってこないんだぞ。意味判ってんのか!」
「うん、判ってる」
「どうして!」
「え、えと、わかんない」
「はあ?」
クソッ! この間からそうだ。こいつと話していると頭が変になる。
「帰れ。今すぐ回れ右して姫路に帰れ!」
すると栗原は半泣きになって
「やだ!」
「やだじゃない! お前は足手まといなんだ。迷惑なんだよ」
実際ただ女を連れて行く迷惑とは別に、厄介なことがあった。
この女の親友に榊しのぶというのがいて、これが過保護なまでに栗原に構う変なヤツなのだ。
溺愛と言ってもいい。しかもそいつが橘家の筆頭家老というのが拙い。きっと領内を虱潰しに
してもこいつを見つけ出そうとするだろう。
「榊の所に帰れよ!」
「やだ、あたし、帰らない!」
しばらく芸のない押し問答が続いた後、泣きながら栗原は言った。
「しーちゃんのところにいるとあたし、凄くミジメなんだもん。帰りたくないよ…」
そう言って俺の袖を掴んで縋り泣く。
「お願い、足手まといにならないようにするからぁ。一緒に連れってってよぉ」
そう言って離そうとしない。クソッ。
その後も(今度は優しげに)説得を試みた俺だったが、栗原の意思は変わらなかった。
流石に俺も疲れてきた。
いきなり立ち上がると、強引に袖を払った。
「勝手にしろ、俺は知らん」
そう言ってすたすたと俺は歩き出す。
後ろではぐすぐすと泣く声がして、少しして小走りに俺の後ろまで走り寄る栗原の
足音が聞こえた。
俺は振り返らなかったが、栗原も何も言わず、ただ付いてきた。
数刻そのまま歩き続けると、夕闇が迫ってきた。遠目に宿場らしき明かりが見える。
つまらない時間を食ったせいで、もう少し先の方まで行くつもりだった俺の予定は
台無しだ。今夜はあそこで夜を明かすしかないか…
宿場にはいると、その中でやや小さめの宿屋を見つけ、そこの暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませ。お泊まりですか?」
「ああ」
「ありがとうございます。お二人様ご案内ぃ〜!」
ちょっとまて。
「俺は一人だ」
「はい? でも、後ろの方はお連れさんでしょ?」
振り返ると、栗原がいつのまにか掴んだ俺の袖を見るように俯いていた。
「あ……」
怒鳴り声を上げようとしたが、その前に栗原の躰がビクッと跳ねたのを見て、
途端にやる気がなくなった。
「ああ、すまない、二人だ…」
観念して俺は店主に告げた。
本当に先が思いやられる。クソッ!
653 :
342:03/11/08 22:38 ID:4QIgtuNo
天いなキャラ登場の巻です。この二人は国設定から除外されているから
ということで放浪させてみました。あちこちの領内に出没させる予定ですw
ちなみにこの二人しか天いなから使う予定はありません。
南越後の主城、春日山城。
そのふもとの平野部を流れる関川東岸に布陣するは、水瀬勢・一万余。
柳川軍の南越後乱入の報に、北越後・上野から急ぎ戻ってきた軍勢だ。
水瀬・相沢・美坂・沢渡の4種の旗指物が林立しているのが遠目にも伺えるが、
本来ならこうした地元での防衛戦に参加してしかるべきの越後国人衆のそれは、見当たらない。
関川を隔てて半里ほどのところで、城下町の焼け跡に春日山を押さえるかたちに布陣している柳川軍にも
(※柏木家正統を主張している勢力であるため、
本来ならば「七尾柏木」と表記するべき軍団であるが、
本稿では分かりやすさを優先してこう表記する)
越後国人衆らしき紋が見当たらないのは、
今回の戦が水瀬家の敗亡の危機であると国人衆たちも思っている、ということか。
久方ぶりに叔母……いや、主君に会いに本陣に歩む途中の相沢祐一は、
そんな物見の報告に胸中の不安をさらに募らせていた。
陣幕をくぐり、軍議の場へ祐一は入る。
「お呼びに応え、北越後軍団より相沢祐一、五千の兵と共に参上いたしました……って、おわっ?!」
彼がたじろぐのも無理はない。
床几を並べて諸将が座る、その真ん中に置かれた書状に落としていた視線がそのまんま彼に向けられたのだ。
その視線はまさに「怒」の一言に尽きる。
まだ若年の沢渡真琴の視線も、美貌で知られる美坂香里の視線も、
どちらも凄まじいまでの怒気に満ちていた。
真琴のそれは率直な怒りに、香里のそれは刺さんばかりの氷のような怒りに。
ふたつの見目麗しき危険物をむやみに刺激せぬよう、祐一は声を半減させて先ほどの口上をつづける。
「…で、柳川勢への先鋒は我らが…」
「…!」「…!」
要らぬ一言で危険物を刺激してしまい、思わず黙る祐一。
「……社交辞令なのに……」
小声で不平を呟くしかないのは、さすがは名雪の従兄弟といったところか。
そんな場の空気を読んでるのやら読んでないのやら、
場の主たる主君・水瀬秋子は相変わらずの微笑でその挨拶を受ける。
「はい、北越後からはるばるお疲れさま、祐一さん。
で、よろしかったらその目の前の書状、祐一さんにも読んで頂きたいのですけれど……?」
「へぇ、これですか……」
真琴と香里をここまで怒らせている書状の内容とは、いったい何なのやら。
興味半分で読んでいた祐一だが、その表情は平静から青ざめ、そして……2人に劣らぬ怒気をはらむことになる。
「水瀬秋子殿
一筆啓上奉る
先だっては我らが手に加賀・越中の二ヶ国を譲渡頂き、誠に感謝申し上げ候
なおその際に貴軍の将、美坂栞・天野美汐の両名を我らが手にて保護仕るもの也。
ついては両名のうち、貴殿の望まれる一方を返還することで
我らこの戦を終わりにせんと欲す。
女子子供を東西に無駄に走らせ、
長の戦塵にまみれて貴殿に年相応の外見が板に付いてしまわれる前に、
手打ちに為さるが貴家の得と我ら謹慮す
柳川祐也」
「どう思います?」
「どうって……! これで黙ってたらお話になりませんよ!
連中、交渉する気なんざハナっから無いんだ!」
「……」
「……」
「……」
「……あれ?」
いきり立った祐一。だが、同意してくれるかと思った真琴も香里も黙ったまま、
秋子さんに至っては微笑のまんまという反応に、振り上げた手が間抜けに見える。
「……ええっと、その……何か、俺、まずいこと言いました?」
「相沢くん……この書状、ちゃんと読んだの?」
理性の糸をぎりぎりで繋いでるような表情で、香里が言う。
「……何が言いたいんだ?」
「連中がどういう条件で人質を返すって言ってるのか、ってことよ」
「……あ」
「越中加賀はこちらのモノ、越後国内の兵を引くとも言ってない、
オマケに返す人質はどちらか一人だけ……
もう一人を返すために差し出すのは春日山城、とでも言う気なの?!」
「香里ちゃん、落ち着いて? 気持ちは分かるけど……ね?」
「落ち着いてられませんっ! こんな、こんなヒトを馬鹿にした条件で、なんて……」
「……なるほど、確かにな。
人質ってのは普通負けてる側が、自分たちの安全と引き替えに優位者に対して出す条件だ。
なのに今回はあっちが優位に立ってて、なおかつこっちにさらに不利になるような条件を
人質をもって呑まそうとしてる……」
「……許せない」
祐一の解説をも余計だと言わんばかりに、真琴が呟く。
「……こんな条件では、呑んだとたんに水瀬家は滅びます。
使者の方には2日ほど待ってもらい、拒絶の意志を伝える。これでいいですね?」
「御意」
「はい」
「…はい」
三将の声が揃った。
「……ところで秋子さん、……名雪は?」
「あの子には別働隊を率いてもらっています。領内国人衆の動揺が不安ですから」
「なるほど……今回、国人衆は中立の立場を取ってますね」
「そうでなければこんなわずかな時間で柳川軍がここまで来れるわけないじゃない! どいつもこいつも!」
「香里、落ち着けって。 ……それだけ状況がヤバいってことなんだから」
「……分かってるけどっ!」
噛みつくように叫んだ香里の目に涙が浮かんでいるのを、祐一は確かに見た。
秋子はそんな彼女に、諭すように言う。
「香里ちゃん、しばらく…休みなさい。数日はどちらにせよ状況は動かないわ。
ゆっくり眠って身体を休め、その気持ちを思い切り敵軍にぶつけてちょうだい」
「うっく……は、いっ」
退出する香里。
「えーと、じゃ…真琴も」
「ええ、ゆっくり休んで頂戴。
今度の戦は天野さんを取り返すための大事な戦いになるわ、風邪なんか引いちゃ駄目よ?」
「はーい……」
「……じゃ、秋子さん、俺も」
「あ、ちょっと待ってください。 祐一さんにはちょっとやってもらいたいことが残ってるんです」
「え?」
「……男の子にしか、頼めないことなんですよ。 お願いされてもらえません?」
夜、美坂軍陣屋。
その心情を考えれば当然のことではあるが、結局寝付かれずにいた香里のもとに水瀬秋子が訪ねてきたのは、
既に日もくれてしばらく経ったころである。
たき火を囲む兵たちの中には、すでにこくりこくりとしている者も多い。
人払いを命じ、香里は秋子への答礼をはじめる。
「殿の我が陣へのご来訪、誠に感謝の念にたえず…」
「ああ、いいんですよ。そんな堅くならなくっても、ね? 香里ちゃん。
今は主君と家臣じゃなくて、ウチの名雪のお友達の様子を見に来たただのおばさん、だから」
「……はい」
「ね、顔、あげて?」
その言葉に、顔を上げて秋子の顔を見る香里。
「あらあら……」
頬に手を当て困ったような笑顔をする秋子の、その顔も涙ににじんで歪んで見える。
「あ、秋子さん、あの子は、栞はっ……」
その大きな瞳に溜まった涙がこぼれそうになるのを見て、秋子は香里をその胸に抱き寄せた。
「う、うぅ、うぁ、ぁ……」
泣き崩れる香里。
家の道具として生きる身ではなく、自ら槍を取っていくさ場に立ち運命を変える道を選んだ彼女だからこそ、
妹の運命に、妹の身が敵地に捕らわれていることに、その状況に自分が何も出来ないことに、
こんな憤りの涙を流さざるを得ないのだろう……。
そのどちらの道をも歩んできた秋子には、彼女の悔しさがよく分かる。
分かるからこそ、彼女は何も言わず、腕の中の香里を撫でてやるのだった。
香里の泣き声が外に漏れないように、香里をひとりきりにしてやらないために、
そして凍りつきかねないその心が、冬の外気で凍えてしまわないために。
半刻ほどの嗚咽ののち、香里は秋子に(抱かれつつ)尋ねた。
「……栞は、大丈夫でしょうか。 冷たい姉と、恨んだりしないでしょうか」
「大丈夫よ」
即答する秋子。
「……どうして?」
「ここでこちらが『肯』と言ってくるとは、あちらもはじめから思ってはいないもの」
「……どうしてそんなことが分かるんですか」
「……」
「……答えてください。いつものようににこにこしてるだけじゃ、私、わたし……」
「……仕方ないわねぇ」
泣き出そうとする子供をあやす母親のような笑顔で、秋子は話し始める。
「結論から先に言えば、柳川さんはここで戦う気は無いのね。
能登から越中、南越後までの進撃をわずか三日弱で済ませたその速度から考えて、
あの柳川軍は家中の最後の戦力を集めた精鋭で無いわけがない」
「……でも、あれが柳川軍じゃなく……」
「そう、国人衆や一向宗徒の可能性もある、と言いたいのね。
私も一度はそれを考えたし、
また、加賀で栞ちゃんの率いた1万もの軍団をあっさり崩壊させるのは、能登に逃げた柳川勢では不可能。
国一揆を起こさせた、と見るのが自然ね。昔の山城であったような……。
両国に張った情報線が一気に消滅したのも、それの裏付け。
間者や行軍では『線』で断つことはできても、『面』で消滅させることは出来ないもの」
「……うん」
「旧領の加賀の国人衆や一向宗徒はともかく、越中の国人衆は姿を見せぬ柳川には従わないでしょう。
そうなると一度くらいはあちらで合戦をしてきたのかもしれない……」
「……はい」
「だけど、国人衆や一向宗徒は自分たちの土地を離れて戦いはしないもの。
金を積まれて勝算があれば、領主に対して反旗も翻すかもしれない、国一揆を起こすかもしれない。
でも彼らは自分たちの土地を自分たちで守るためにしか、戦わないもの。
領主の甘言に騙されてのこのこ異国で死んだところで、
彼らに得るものは何一つ無いのよ」
「つまり……」
「ここに居る柳川軍が正規軍でないということは、絶対にありえない」
「……なるほど。 でも、それと今回の手紙とどうつながるんです?」
「そうね。
柳川軍にとって、ここは土地勘もなければ戦備も無い敵地。
こんなところで決戦を挑んだところで、勝算などあるわけがない。
両家の勢力の中間である越中まで私たちを引きずり出さなければ、ね」
「柳川家が決戦を求めるという根拠は?」
「加賀・越中二国の国人衆・一向宗徒を煽動するのに必要な金額は膨大なものになるわ。
そして柳川軍を高速で輸送してくれるモノを雇うのにも、相当の大金が要る」
「……はい」
「先の敗戦が偽りのものであったとしても、大きく柳川家の威信は傷ついたし出費もかさんでいる。
それをさらに金で補ったわけですもの、七尾の金蔵はもはや底をついているのは確実。
その出費を取り戻すためには、越中だけでは足りない。
豊かな南越後を取るところまで勝たねば、柳川家は今回の博打に敗れます」
「……あ」
「されど南越後での戦は勝機なし、となれば手段はひとつ。
私たちを越中まで引きずり出し、そこで討つ。
南越後で水瀬が威信を失えば、国人衆を切り崩すことで容易に南越後は取れる」
「……なるほど」
「だから、越後には精兵を送り込んだ。 一度軽く当たって退却し、私たちを越中におびき出すために。
恐らく越中国人衆にはすでに『有事の際には一度だけ加勢する』とか何とか話がついてるはず。
精鋭兵ならば退却を潰走と勘違いして本当に潰走するような無様な真似も最小限に抑えられる。
そう、これもまた先だって栞ちゃんを捕らえたときと同じような、一種の詐術なの」
「……でも、国人衆が秋子さんの思った以外の動きをしたら?」
「私だって名雪が生まれる前は国人領主の家の主婦だったんだから、」
「そこのところは誰よりも良く分かっている……ということ、ですか」
「正室の子でないというだけで世の中を斜に構え、
辛い人生をたどってきたかのようにうそぶく未熟者よりは、世の中のことは充分分かっているつもりです」
「……秋子さん」
「はい?」
「もしかして、怒ってくれてる……んです、か?」
「当然です。栞ちゃんも美汐ちゃんも、ウチの大切な子。
その命を弄ぶような真似をしたあの男……ただで許してやるつもりは、ありません」
香里の頭を撫でていた手に、力がこもる。
びくっと香里が秋子の顔を見上げたときには、すでにその力は笑顔の影に隠れ去っていたのだが……。
…というわけで、一日だけ時間を進めてみるテスト。
お、越後進みましたね、乙。
永禄元年春 薩摩国竜ヶ水
竜ヶ水は錦江湾西岸の鹿児島郡と北岸の姶良(あいら)郡の間にあり、姶良カルデラの
外輪山が険阻な崖となって海際まで迫る難所である。ここは姶良郡の中心地加治木に
城を構えるシオン氏が精鋭を駐留させて鹿児島に根拠を置くラントール氏の攻勢に
備えている前線であり、小競り合いも日常的に起こる。しかし、今夜起こっている
事態はそういったことをはるかに超えたものであった。鹿児島から一年ぶりに本格的な
侵攻軍が竜ヶ水を超えて加治木へ進軍せんと攻め寄せてきたのである。駐留軍は五百、
対する寄せ手は万を超す大軍である。ただし、この隘路では大軍のメリットは薄い。
攻め寄せて来たラントール軍は足止めを食らい、援軍を待って撃退されるはずであった。
しかし、加治木への伝令を出す間もなく状況が激変した。
「馬鹿な! 何故姶良の方から敵が来るんだ!」
「わからん。……船か? そうとしか考えられん」
「船だと!? 桜島の我が軍は何をしていたのだ!」
「桜島は問題が起こっているとは聞くが、機能を失ったとは聞いておらん」
「くっ。状況が変化したのか? だが、いずれにせよ議論している場合じゃないな」
漆黒の闇の中、自分達の本拠地の方向から現れた敵軍は、前方から迫り来る大軍と
対峙していた味方の軍勢の背後を突き、大混乱に陥れた。いかな精鋭といえど、
こうなってしまってはなすすべもない。こちらの混乱を見て、前方の大軍も動き始めた。
「こうなっては我らは終わりだ。だが、このまま唯々諾々と倒されるわけにはいかん」
混乱する駐留軍の陣地で、初老の指揮官は飛び抜けて若い兵を呼んだ。
「お前に任を与える。心して聞くが良い」
「はっ。有り難き幸せであります。何なりとお申し付けください。
……出来ますれば憎き敵軍へ一矢報いられるような御命令を」
「では命ずる。直ちにこの崖を登って吉野、吉田から加治木へ向かい、このことを伝えよ」
「それは他の者にお命じ下さい。俺は戦います!」
「聞くが良い。我らはここで玉砕することになろう。だが、それでは我らのお城が無防備で
この大軍を迎えてしまうことになる。故に、誰かが加治木までこのことを伝えねばならない。
これは我々の最も大事な役割なのだ」
「皆がここで敵と刺し違えようというときに俺だけ生き残るわけにはいきません!」
「これは命令だ。意味はわかるな」
「ですがっ!」
「くどいっ! お前はシオンのお家を滅ぼしたいのか!」
「くっ!」
「早く行け! もう時間がない」
「……御免!」
若者は振り返らずに山の方へ駆け去っていった。崩壊に近付きつつある陣地の中で、
しかし指揮官は穏やかな笑みを浮かべた。
「……よ、お前はまだ死ぬには早過ぎる。生き残れよ。……さて、我等は最後の御奉公、
精一杯の時間稼ぎと行こうか。 皆の者、出来るだけ粘るのだ! ガディムの
監視者たるシオン軍の力、ラントールの奴ばらに見せてやれ!」
数で圧するラントール軍はシオン軍を直ちに壊滅させるかに見えたが、思わぬ抵抗に
遭い、結局駐留軍を殲滅しきったのは夜が白む頃だった。
「顧問殿、敵軍を殲滅しましたぞ。いやあ、流石ですな。神童というのは
正にウィル殿のためにある言葉だ」
「ふわぁ。やっと終わったの? 遅かったなぁ。もうちょっと何とか出来なかったの?
これじゃあ加治木への奇襲は無理だよ」
中年の指揮官がラントール軍の本営で報告する相手は、年端も行かない少年であった。
「面目ない。しかし、相手はこれまで何度も煮え湯を飲まされた難敵ですからな。
竜ヶ水を取り戻しただけでもトゥル43世閣下はお喜びになるでしょう」
「しょうがないなぁ。じゃあともかく加治木まで進軍だね。出来るだけ急ごう。
奇襲は駄目でもぐずぐずしていていいことは何もないからね」
「分かりました。顧問殿」
「あ、そうそう。吉野の軍に指示して怪しい者が通らないか警戒を強めるよう
鹿児島に今すぐ伝えておいてね」
「何故です?」
「やだなぁ。今の敵軍が伝令を出してるかもしれないじゃない。この進軍が
加治木へ伝わるのは遅ければ遅いほどいいに決まってるよ」
「ははぁ。流石ウィル殿ですな。わかりました。そのようにさせます」
指揮官が出ていった後、少年は呟いた。
「もう遅いだろうけどね。でもそれはそれでいい。僕達の進軍を聞いて高山へ
助けを呼ぶがいい。噂に聞くフレイ軍の力とやら、楽しませてもらうよ。
しかし、こんなことにも気が回らない奴が指揮官になれるあたり、ラントール軍が
まともな軍に勝てないのは当たり前だね。僕の知ったことじゃないけど」
-----------------------------------------------------------------------
竜ヶ水は現在JR線と国道10号線が走り、鹿児島県内でも交通の要衝です。
が、本当にその二本が通るだけのスペースしかありません。また、鹿児島と
国分、加治木を真っ直ぐ結ぶのはここだけなので、渋滞の名所でもあります。
ここの山側斜面はほとんど崖なので、多分登るだけで結構命懸けと思います。
サイト移転乙に、新作もいっぱい乙
本当に続くな
>670
どうだか。
>671
そう言うなや。
というか1日1、2作が当たり前のペースだったから
少しでも間が空くと心配になってしまうのは俺だけ?
大名思考中
感想スレが落ちますた…(´・ω・`)
…あ、ほんとだ。
一日ちょいカキコ無しで落ちるとわ…
なんだかんだいって葉鍵板はまだ激戦区なのね。
あら。
再建いたしますか? (y/n)
今のところは立てなくてもいいんじゃない?
誰か補足に超先生の歴史講座みたいなの希望
∧_∧
< `ш´> 日本は私が作った
_φ___⊂)
/旦/三/ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| WA十円 |/
WAはおまいじゃねーだろw
大名思考中
永禄元年春 大隅国加治木
「最近にない大軍ね。今度はラントールの連中も久々に本気ということかしら?」
「さあな。ただ、一つはっきりしているのは、俺達は今回サーゼ様抜きでこいつらを
追い返さなきゃならないってことだよ」
姶良郡の中心地、加治木の北側の丘に作られた加治木城は、薩摩と大隅の守護を代々
任じられてきたシオン氏の居城である。その加治木城から小さな川を挟んで対岸にあたる
蔵王岳−この地方で時々見受けられる、風雨によって奇妙な形に侵食された小山である−
から、二人の少女が眼下に広がる平地を見下ろしていた。赤髪の少女ティリアと
青髪の少女フィーユ、大隅フレイ家の若き嫡子とその乳姉妹である。剣豪として高名な
サーゼを当主に戴き、尚武の気風を謳われるフレイ家にあって、この少女たちは将来を
嘱望され、近年は若いながら一軍を任せられるまでの成長を見せている。その二人が
見下ろす先では、ラントールの旗を掲げた大軍が城の麓、網掛川沿いに集結していた。
「しかし、どうやってこんな大軍連れてきたのかしら?」
「吉田の山道を抜けて来たんじゃないか? 竜ヶ水は大軍が通るには狭すぎるし、
そもそもシオン家の精鋭が駐留している。海路も有り得なくはないが、
これだけの規模なら桜島のシオン軍に捕捉されないわけがないだろう」
「いや、今回は吉田側ではありませぬ。そちらも警戒しておりますしの」
二人の背後から一人の老人が現れた。その老人を見て、フィーユは恭しく、
ティリアは気楽な調子で頭を下げた。
「ギース殿、御無沙汰いたしております」
「お久しぶり、ギース殿」
「いや、こちらこそ援軍にお越し頂いたのに挨拶が遅れて申し訳ありませぬ」
シオン家の家老ギース・デルム、その智謀で賢者として知られる名臣であり、
それ以上にこの二人にとっては、近しい身内のような存在である。
「では、彼等は一体どのような魔術を使ったっていうの?」
「海路で姶良の西端、重富に精鋭を上陸させ、鹿児島から海沿いに来た本隊とで
竜ヶ水の我が軍を挟撃、殲滅したのです。本来ならそのような奇襲を見逃す
我が軍ではないのですが……」
「桜島の事態はそこまで深刻なのですか?」
「どうやらそのようですな。正直甘く見ていたかも知れませぬ。それだけに、
デューク殿達の報告を心待ちにしておるのです」
「一体何が起こっているのかしら? ……心配だわ。デューク……」
「ティリア、ここで心配しても仕方ないよ。俺達にはやることがあるんだ」
「……そうね。じゃあ始めましょうか。ギース殿、この状況をどう見る?」
「そうですな……」
三人は額を寄せ、あるいは時に眼下の敵軍を鋭い目で見やりつつ話し合いを始めた。
錦江湾の北岸、大隅国姶良郡に広がる平野は、南九州では数少ない水に恵まれた
穀倉地帯となっており、大隅国分寺が設けられた頃から栄えてきた。この地の豪族
だったシオン氏は、南北朝の世に破壊の神ガディムが復活し、桜島に封印された
事件の折に重要な役割を果たし、幕府から薩摩・大隅二国の守護の地位、朝廷からは
ガディムの封印を監視する役割を与えられ、九州で重きをなした。しかし、時が過ぎ、
ガディムの破壊の記憶が薄れて来ると、各地の土豪勢力の台頭に伴ってシオン氏の
影響力は減っていった。戦国の世が本格的に到来すると、鹿児島を根拠に商業で
成功したラントール氏が薩摩南部を支配し、霧島の山の民との関係を背景に力を
増した川内のロイハイト氏が薩摩北部から大隅北部にわたってイニシャティヴを
握るなど、シオン氏の実質支配領域は姶良郡と桜島のみとなっていた。ただし、
ガディムによる破壊が厳しかった大隅南部の国人達はシオン氏に概ね協力的であり、
守護の権威は何とか保たれてきた。
この状況でラントールの家督を継いだトゥル43世は野心を剥き出しにし、度々加治木に
出兵してシオン氏を脅かさんとした。その権威を欲したのである。一方、肝属(きもつき)郡
高山(こうやま)のフレイ氏は南北朝以来のシオン氏の同盟者だったが、当代のサーゼは
シオン家を助けてラントール軍を討ち、シオンの家老ギースと共にラントールの侵攻を悉く
失敗に帰せしめ、天下に武名を轟かせたのである。結局ラントール軍は三年前重富で行われた
会戦でギースが采配を振るうシオン軍とサーゼの率いるフレイ軍に完膚なきまでに叩きのめされ、
要衝竜ヶ水を押えられたため、しばらく鳴りを潜めることを余儀なくされていたのであった。
「さて、大体こういう方針で宜しいですかな?」
三人は半刻ほども話し合っていたが、やがて結論を出した。
「そうね、私もそれでいいと思うわ」
「百戦錬磨のギース殿の御卓見、大変勉強にさせて頂きました」
「じゃ、フィーユ、行こうか」
「ああ」
「気をつけてお戻りなされよ。道中ラントールの間者が忍んでおるやも知れませぬ」
「ええ、わかってるわ。ギース殿こそ気をつけてね。まあ、あそこの間者は
あんまり優秀とは言えないけど」
「ふっ。そうでしたな」
ティリアとフィーユはもう一度ギースに頭を下げてから蔵王岳を下っていった。
「はてさて、どうしたものですかな。いずれにせよ、お二人の技量の程、
見届けさせてもらいますぞ」
-------------------------------------------------------------------------
地名に関しては基本的に現代ないし江戸期のものを使っています。例えば
桜島の場合、この名前が正式名称となったのは元禄年間で、その前は向嶋と
呼ばれていたとのことですが、それでは無駄に分かりにくいですし、そもそも
よく分かっていない旧地名も多いみたいですから。
たしかに地名は統一した方がいいかも、マイナーなものは現代のでもいいんじゃ?
というか細かい地名よくわかんなし。
ヘ:::::::::;;: -‐''''""( )1
゙、::::::::-‐''""" ̄"'i
:V;;||:::: '~ニ=ッ, r='| ショ カツリョウ
i!f !::::: ゙、i 諸 葛 亮 曰く
i!ゝ!:::: ‐/リ
i::/:、 :::、 /''ii'V 「五百年前の詳しい地名なんぞいくら何でもわかんなし。」
 ̄ハ:::::\ "''il|ハ゛
大名思考中
お、新作乙
人少なくなったねぇ……
11月になってから突然失速したのう、忙しいのかな?
九州は順調なのに。
近畿、東北方面の続き少しでもいいから頼んます
辛うじて圧縮を乗り切ったようだ。現在397位。
シナリオ2はしばし松。
よかった、生きてたか。
近畿や中部の中の人も今までのハイペースがたたって大休憩ですか?
696 :
長瀬の人:03/11/18 20:15 ID:CrNbKVZ1
>695
休憩と時間軸を合わせる(藤田や水瀬)為に今は見に回っているだけです
それと、次の話がうまくまとまらないという側面もw
>694
ところで水瀬の人の卵と東北の人は同一人物だったのか?(名前欄より推測)
神奈様ご一行をすんなり京都に戻してよいのやら、思案がまとまりません。
水瀬・柳川の抗争にもちょっかい出したいし… でもヘタなことすると
即滅亡コースだし… 個人的にはそれでも構わないんだがw
違います。ただの伝言っす。
京都戦線・日本海戦線は今、関東人がある陰謀をはりめぐらせてますです・・・( ̄ー ̄)
-各国政略中-
政略の内容は追って告知されます。
しばし待たれよ。
.´ `v^) _____
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`l从 )) < ・・・・・・。
ザクッ/ y┃ ヽ( \
Σ(m)二:;⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ |ヽ゚・.゚・*: .。.:,... 700get.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
大名試行錯誤中…
保守。
「やっと着いた……」
甲府の町を臨む丘。そこに南達は突然躑躅ヶ崎館で開かれる事になった評定に参加する為にいた。
「山奥の町にしては立派だけどやっぱり駿府に比べれば全然大したことないわね」
「しかたないだろ。甲斐は高い山と深い森に囲まれた国。
碌に米の収穫もできないし、最近まで産業という産業もなかったんだからな」
南森の呟きに答える南。緒方家について多少は勉強してきたらしい。
「ところで聞いたか? 例の噂」
「重臣の謀反未遂の話か? いきなり大変なことなってるよな」
「そうじゃない、氷上の方だ」
「ああ、そっちの話か」
頷く中崎。元同僚の事件は南達にも衝撃をあたえていた。
「あいつも馬鹿だな。そこまで髭に義理立てしなくてもいいだろうに」
「一時はどうなるかと思ったけど私達領土安堵だしね」
「お前ら…… その話を信じてるのか? 氷上は訳もなく住民を殺したりする奴じゃない、明らかにおかしいだろ」
村田と南森の言葉に南は反論する。お世辞にも仲がいいとはいえなかった渡辺家家臣団で氷上シュンは例外的な存在なのだ。
「でも事実死んでいたのは渡辺家の間者らしいぞ。晒されてるらしいから見てこいよ。俺は御免だけどな」
「薄情だな。少し前までは一緒に戦ってた仲間じゃないか……」
「そうかもしれないけどよ、そんなこと言ってて俺達まで疑われたらどうするんだ。元も子もないつーの」
「それにどこで誰が何聞いてるかわからないわよ。壁に耳あり障子に目あり……」
そこへ馬に乗った伝令らしき兵がやって来る。
「駿河から来られた方々ですね?」
こくこくと頷く南達、すでに話はやめている。
「躑躅ヶ崎へようこそ。間もなく緊急評定が始まりますのでついて来てください」
躑躅ヶ崎館『蛍ヶ崎の間』、そこには当主緒方英二を中心に不在組を除く緒方家の主要人物が集結していた。
緒方理奈、河島はるか、観月マナ、寺田信子、日立泉、フランク長瀬。そして新たに加わった南達東海四人衆。
他にも各地の国人衆代表や寺社仏閣の責任者、そしてある程度地位がある侍大将もかなりいたりする。
「それじゃ、そろそろ評定を始めたいと思う」
「まずは冬弥君と澤倉さんのことよ。納得のいく説明をしてよね」
さっそく切り出す理奈。その為にこの評定が開かれたと言ってもいい程の重要議題なのだ。
「わかっている。それじゃ頼むよ」
それを合図に末席に座っていた男が立ち上がる。
「もう一つ訊きたいことがあったのよ。……誰よ、この人?」
「……僕ですか?」
理奈の視線と言葉を受けその男はついっと眼鏡を人差し指で上げる。
「旧越後領主の久瀬君だ。この度縁あってうちに仕官してもらったんだよ」
「ちょっとまってください!」
変わりに答える英二。それに慌てた様子でマナは叫んだ。
「その人は水瀬家から指名手配されてるじゃないですか!」
「たしか講和の饗宴中に問題を起こして、水瀬側の使者倉田佐祐理を負傷させたあげく
戦いになって滅ぼされちゃったのよね」
「問題? この僕がですか?」
ふふんと笑いながら再び久瀬は眼鏡をいじる。
「当主殿の妹と聞いていましたが失礼な人ですね。あれは僕のせいではない」
「……どういうことよ」
「いいですか、よく聞いてください。確かに倉田さんは怪我をしました。
しかしきっかけをつくったのは彼女に付いて来た川澄舞なんですよ。
奴は予定が半分ぐらい進んだ時にいきなり抜刀、僕は腰が抜けるほど驚きましたね。
そしてすぐに取り押さえる指示を出しましたよ。極めて常識的な判断だと思いませんか?」
「何で饗宴中に帯刀を許可してあったのよ? その時点で駄目ね」
「うぐ…… と、とにかく」
ズバリな指摘にこほんと咳払いをして冷静を保つ。
「こちらの至極真っ当な行動に対しなんとあっちの護衛は応戦してきたんですよ!
それであんなことになってしまったんです。だいたい何で講和を潰さなきゃいけないんです?
祝宴、饗宴、茶会、歌会…… これらを開くことは僕の生きがい、その会を滅茶苦茶にされて黙っていられるかっ!?
それにあと少しで倉田さんと踊ったり蹴鞠したりできたんだ、それをあの女ぁぁぁぁぁ!!」
怒りの余り久瀬が両手で握っていた扇がベキッと折れる。
「……兄さん、この人大丈夫?」
「普段はまともだろう。誰だって怒るとこんなもんだ」
「でも水瀬家はどうするんですか? 余計な疑いをかけられちゃうような……」
「はぁはぁ…… それなら心配ありません」
心配するようなマナの言葉に息を整えながら久瀬は答える。
「水瀬家には今そんな余裕はない、そうなんでしょう英二さん?」
「そういうことだ。安心してくれ」
「その根拠のない自信はどこからきてるのよ……」
「それでは藤井冬弥、澤倉美咲両氏の出奔事件について説明させていただきます」
「で、何で久瀬君が司会してるの?」
「一々突っつからないでくださいよ。単にこの件の調査をまかされただけです」
「そういうことだ。それでは続きを」
「はい。ええ、事件の発端は渡辺領に侵攻した頃に遡ります。ある日、忍衆から二人の謀反容疑が伝えられました。
奉行衆が調査を開始したところ澤倉殿の部屋から内応を約束する手紙が多数発見されました。これがそれです」
「……確かに澤倉さんの字みたい、でも相手の手がかりはないわね。冬弥君の方は見つからなかったの?」
「はい、見つからなかったようです。ですがこれで十分と判断して緊急逮捕したようです」
「もっと慎重に進めるべきだったんじゃない? せめて全員が帰国するまで待つとか。由綺のことを知らないの?」
「その時僕はこの件に関わっていませんでしたのでそんなこと言われても困りますね。……続けますよ」
そう言って報告書らしきものをぱらぱらと捲る。
「取り調べを行っていたところ、突然澤倉殿の部下が奉行所を襲撃。二人を連れ逃走したのです。
それでも何とか追跡をしていたのですが例の渡辺家残党侵入事件の混乱で完全に見失ってしまいました。
現在忍衆、奉行衆が全力を挙げ捜索中です」
「俺は渡辺家残党もこの件に何か関わっていると思っている」
珍しく渋い顔で英二は言った。
「しかし結局のところ一番のこの事件の原因は俺にあるのかもしれないな。
作戦とはいえ演出で家中に馬鹿げた派閥争いと疑心暗鬼を持ち込んでしまったんだから」
「……」
沈黙する家臣団及び国人衆。派閥争いについては皆、心当たりがあるのだ。
中には本気になって信じ煽り続けていた者もいる。反省するべきことは多々あった。
「諸君、今は当家始まって以来の危機と言ってもよい時なのかもしれない。
そのことを末端まで知らせて一致団結していくように徹底させて欲しい。必ず……必ずだぞ」
「ではそろそろ次の話題に移るとしよう。外交の話なんだが…… 千堂家と正式に同盟を締結しようと思う。
折り良く使者として澤田真紀子殿が来ている」
そう英二が言うと従者が全員に紙を配り始める。
同盟締結の協定および提案事項
・要請がない限り援軍を出さないこととする
・緒方家が関東に領地を持たないことを約束するかわりに、千堂家も東海・甲信に領地を持たないことを約束する
・こちらが同盟を尊守する証拠に駿河相模国境の興国寺城の修理を当分見合わせる
・お互いにとって不利な噂や諫言を決して信じない
「条件はこんなところでどうだ?」
「千堂家はわざわざ精鋭を連れて当主自ら援軍に来てくれたりするから信頼してもいいと思うけど
関東に領地を持たないとか興国寺城の修理をしないって譲歩する必要性は?」
「いやね、何でも千堂家と水瀬家の同盟は事実上崩壊したらしいんだ。理由は水瀬家が関東への影響力を増しすぎたから。
千堂家は関東八州の制圧を目指しているんだから何時かはこんなことになると思ってたんだけどこんなに早くとはね」
「なるほど。それで関東状勢に関わるつもりはないと伝えるわけね」
「この同盟が締結されれば甲斐の守りは完璧となり東海方面も安定するだろう。どうにかして成功させたいもんだ」
「それにしても千堂和樹さんって当主なのに先陣にたってたんですよね。それって結構すごいですね」
三方ヶ原決戦に参加していないマナが一言。和樹を見ていないので興味津々といったところだ。
「マナちゃん、こういう時ははっきり言ったほうがいいわ。千堂家、水瀬家、大庭家、長瀬家、長森家、渡辺家……
どの大名家も戦いの時は当主が殆ど指揮を執ってるのよね。例外は兄さんぐらいなもんよ。まったく少しは現場に出て欲しいわ」
「そんなつもりで言ったんじゃないですけど……」
兄弟喧嘩に巻き込まないでといった表情でマナは呟く。
「理奈ちゃん、酷いな心外だな。俺だって三方ヶ原決戦の後は戦後処理に奔走して遠江へ美濃へって移動して頑張ってたのに」
「遠江では仕事推しつけて行っちゃったじゃないの!」
「でもその後、私に推し付けた罠」
今まで話を聞いてるんだかいないんだかのはるかはしっかりとそこに突っ込みをいれる。
(で、次は俺達に推し付けたんだよな)
(おい、聞こえるぞ!)
後ろの方の南達が何か話した気がするがそれ以上は気にしない。
「細かいことはこれぐらいにして。じゃあ次、軍備の話な」
「逃げたわね……」
使者で真紀子さん来てるのすっかり忘れてた。
>大庭の中の人
同盟の件ですけどこんなところでどうですかね?
「難攻不落という評判は伊達じゃないみたいだね。なかなか厄介だ」
加治木城の南側に展開するラントール軍の本陣でウィルは呟いた。
加治木城が難攻不落と称されるのには理由がある。一つの丘全体を城域とした
この山城は東西南の三方が絶壁となっており、城壁の役割を果たしている。
特に、城の東西には川が流れており、攻め難い地形である。西の網掛川は城に
隣接する位置で龍門滝となり、東の日木山川は蔵王岳との間に渓谷をなしている。
東側には人吉街道も走るが、城の直下であり、寄せ手は矢の絶好の的となることを
覚悟しなければならない。一方、北側は九州山脈の末端に繋がる山地で、出城が
設けてあることもあり、こちらも侵入は容易でない。結局この城に攻め入るには、
城壁代わりの崖に取り付くか、山地を回り込んで北側から攻め込むしかないが、
北側は相手の地元の山中でそれなりの距離の行軍を強いられるという状況になる上、
途中ロイハイト氏の勢力圏に入ってしまいかねないため、ウィルはそちらからの
速攻をあきらめて城の南に陣を構えさせ、本格的な攻城戦の準備を進めていたのである。
「でも、この城だけなら時間さえかければ落とすのは難しくない。問題は援軍だな。
そろそろ高山からフレイの軍が着く頃だからね。とりあえず夜襲を警戒させないと。
この軍は指揮官からして質悪いからねぇ、やっぱり言っとかないといけないだろうな。
……だけど、がっかりだね。サーゼが動かないで、援軍は嫡子の、何て言ったかな、
小娘ってのはね。せっかく楽しめると思ったのにな」
「さあ、そろそろ行くわよ。私に続いて!」
深更、地の利を生かして森の中を行軍し、ラントール軍に隠密に接近したフレイ軍
五百人は、ティリアの号令一下敵陣に襲い掛かった。
「敵襲だ!」
怒号が響く敵陣に斬り込んだティリア以下フレイ軍は、間髪を入れず見張りを斬り、
敵襲の声を聞いて出てきた敵兵を反撃の態勢を与える間もなく次々倒して行った。
ウィルの進言で夜襲を警戒していたラントール軍だが、それでも陣地の寸前まで
深い草の中に隠れて接近してきたフレイ軍の鮮やかな奇襲に対応が遅れ、混乱に陥った。
「ウィ、ウィウィウィル殿、て、敵襲でござる」
「やっぱり来たね。しかしこの程度で混乱するとは……しょうがないな」
少年は立ち上がると、陣屋の表に姿を表した。
「うろたえるな! 逃げる者は斬る!」
声を上げると同時に刀を抜き、敵襲と反対方向に走って逃げようとした兵士の一人を
斬り捨てる。一瞬陣営が静まりかえった。
「落ち着いてかかれば大した敵じゃない。包囲殲滅せよ! 敵はわざわざ袋の鼠に
なりに来たようなものなんだから」
憑き物が落ちたように混乱が収まったラントール軍は、ウィルの指示に従って
フレイ兵を包囲する態勢を取り始めた。
「潮時ね。撤退!」
が、その動きを察したティリアの合図を受け、フレイの兵達は即座に撤退に転じた。
「逃げるぞ! 追え!」
反撃に転じようとしていたラントール兵の一部は、撤退するフレイ軍を追って
陣地を飛び出し、陣を出てほどなく、日木山川の渓谷に入る手前でフレイ軍に追い付き、
斬り合いとなった。フレイ軍が奇襲に失敗して逃げ出したと見たラントール兵達は
意気軒昂として戦い、フレイ軍はそれに押されてじりじり後退すると見えた。
「我が軍優勢、このまま押しきれそうですな」
情勢を見た指揮官の言葉に、しかしウィルは反論した。
「待ってよ。このまま深追いしちゃいけない」
「何故ですかな? 憎っくきフレイの奴ばらに目にもの見せる機会ではござらぬか」
「分からない? これは偽退、罠だよ」
「罠、ですと?」
「そう。この敵軍、襲撃の鮮やかさから見て、かなりの精鋭に違いない。
撤退に移ったタイミングも手慣れたものだ。それを思えばこの手間取り具合、
間違いなく僕らを誘ってると見ていいよ」
「な、なんと」
「間者からの報告では、城兵は千人、高山からの援軍も同じくらいらしい。
いずれにせよ、こちらに比べれば兵数は問題にならない。今の襲撃者は
ざっと数百、恐らく残りは渓谷沿い、城の対岸に伏せてあるはずだ。
あそこに誘い込んで伏兵に襲わせるのがこの地形では効果的だからね」
「しかし、ただやられっぱなしというのは納得行きませぬ」
「フッ。このまま、と言ったでしょ。罠は分かっていれば罠の用をなさない。
逆手に取ってやればいいんだよ。三千人を今の敵軍に当らせ、三千人で城の対岸を
襲撃だ。奇襲の兵も伏兵もせいぜい数百、普通にやれば両方を撃滅できるはずだよ」
「なるほど。では早速出撃するといたそう」
「サーゼ本人ならともかく、経験の足りない小娘では見る目の有る人間を騙しきれる
ものじゃない。このボクを相手に小細工を弄したこと、後悔させてあげるよ」
日木山川の渓谷の入り口ではティリアを中心とするフレイ軍の奇襲隊と陣営から
突出してきたラントール兵が戦っていた。意気上がるラントール軍に押され、
徐々に下がって行くフレイ軍という状況に見える。そこに更にラントールの陣から
大軍が松明を掲げて押し出してきた。ラントール軍は二手に分かれ、一組は
交戦の現場に、もう一組は日木山川を越えて蔵王岳の麓に向った。
敵と激しく切り結んでいたティリアだが、それを確認するとニヤリと笑った。
「よし、今よ! みんな、逃げて!」
ティリアの声を聞いたフレイの兵達は、それまで互角以上に戦っていたはずの
ラントール兵をほぼ例外なく一刀で突き放し、かつ間髪を入れず逃げ出した。
「追え! 逃がすな!」
後方から迫るラントール軍は、必死の形相でフレイ軍を追った。
と、突然上から無数の矢が降ってきた。
「しまった! ここは!」
ラントールの軍兵はいつのまにか加治木城から矢の届く街道上に誘導されていたのだ。
激しい矢の雨の中、ラントール軍は確実に討ち減らされ、抵抗力を奪われて行った。
一方、蔵王岳の麓を目指したラントールの部隊は、目標の敵部隊を見つけられず、
森の中で右往左往していたが、突如自分たちがやってきた方向から鬨の声が上がった。
「行くぞ! 敵は烏合の衆だ!」
「馬鹿な! 何故後ろから敵が来るんだ!」
フィーユ率いるフレイ軍の別働隊五百である。予想もしない背後からの敵襲に
ラントール軍はたちまち混乱し、森の中に突撃してきた少数の敵兵に翻弄された。
「なんだって? 南から敵!? ……くっ。謀られたか。僕としたことが!
……仕方ないね。全軍に命じて陣地に引き帰させてよ。今すぐだ。ここで少々
被害が出ても構わない。陣地で守る分には人数差が効く。向こうもこれ以上は
手出しできないはずだ。今はともかく耐えるしかない」
ウィルの指示により、ニ方のラントール軍は人吉街道上で合流し、加治木城からの矢と、
引き返してきたティリア隊、追撃するフィーユ隊による被害を受けつつも何とか陣地に
撤退し、守りを固めた。この夜、フレイ軍がほぼ無傷なのに対して、ラントール軍は
五百人近い損耗を受けたが、撤退に追い込むには程遠く、戦いはまだ始まったばかりと思われた。
「流石ギース殿。本当に予想通りになったわね」
「だが、それは敵がかなり有能だということをも意味するわけだぞ」
「そうね。竜ヶ水攻略はやっぱりまぐれじゃなかったってことよね。それに、あそこまで
ギース殿の策が決まっていながら、そこから立て直したというのも只者じゃないわ」
「しかし、こちらに偽退を読ませておいて裏をかく、こんな手を考え付くのは奴か。
ギース・デルム、やはり敵に回せば恐ろしい男だ。それに、フレイ軍、今回は
サーゼじゃなく小娘が動いたと聞いてがっかりしてたんだけど、それでも
ギースの構想をここまで完璧に実現して見せるとは、やはり侮れないね。
……くくく。面白い、実に面白いね。この仕事、やっぱり受けて良かったよ」
-----------------------------------------------------------------------------
加治木城址は九州自動車道加治木インターのすぐ近くにあります。龍門滝は加治木城が
あった小山の西隣にありますが、高速から眺めるとなかなか立派な滝です。城跡の東、
日木山川沿いの県道が人吉街道の大口筋で、今は鹿児島空港へのメインルートの一つ。
すいません、張られてました・・・・
神無月──紀伊・熊野大社、社殿。
「ふうむ。」
二つの手紙を読んでいる男が居た。年は、見たところ30ぐらいだろうか。
この戦国の世にしては、痩せた体つきをしている、華奢な男である。
「・・・・・・敬介殿。どうなされたのじゃ。」
【敬介】「・・・・・・母上。」
【母】 「まさか、神尾からの援軍要請かえ。」
【敬介】「そうではありませぬ、が・・・・・・」
【敬介】「・・・確かに。一つは神尾の忍びからの報告です。」
その手紙は、神尾家の雑賀城が武田商店他の独立勢力によって攻撃を受けているとの報告であった。
【母】 「また神尾の小憎たらしい小娘かえ。鬱陶しい。」 【敬介】「・・・・・・」
【父】 「もう放っておくがよいわ。もうよいではないか。これ以上あの娘を助けたとて、得るものは何も無いわ。」
敬介は、黙っていた。今まで、神尾と橘との間には、色々と確執があったのである。
【敬介】「ただ、手紙は、それだけではありませぬ。」 【父】 「何?」
【敬介】「・・・・・・これをご覧遊ばせ、父上。」
敬介の父は、その手紙を受け取り、読むやいなや、眼を見開かせた。
【父】 「・・・・・・将軍家が・・・消えた?」 【敬介】「はい。」
【敬介】「神奈備命殿は現在行方不明、生存すらわからず。」
【敬介】「神奈備命様の母上とされる、八尾比丘尼殿も生存不明。一部には高野山に居るという話もありますが。」
【父】 「・・・・・・」 【母】「・・・・・・」
【敬介】「この手紙は、将軍家の中の有志によるもの。つまり・・・・・・
簡単に言えば。私に第15代室町将軍になってくれ、という手紙です。」
【父】「・・・・・・!!」 【母】「・・・・・・なんと・・・・・・あの神奈の小娘がかえ・・・・・・?」
【敬介】「・・・・・・・・はい。」
征夷大将軍。
元々は、荒ぶる東北を討つために将軍・甘露(あまづゆ)氏に与えられた全日本の武士の統率権。
平安の御時を経て、鎌倉時代以降は天下の統治者、天皇に代わる全日本の統治の代行者として、
全ての武家を統率する権限を持つ唯一の存在として、崇められてきた武家の最高位。
だが、鎌倉幕府を開いた源家(水無月家)は、その地位ゆえに常に命を狙われ、最終的には
水無月家は三代で断絶、その後は大庭家による執権制に移行してしまった。
権力者は常に狙われやすい。また、後継ぎがなくなってしまってはまた皇室から将軍を取る必要に迫られる。
ましてや、出生率が低いこの時代である。後継ぎの問題は常に頭を悩ませる問題だった。
従って、今回の幕府では、暗殺や不慮の断絶を防ぐ為に家を最初から4つに分けていた。
それが、将軍家(本家)・橘・遠野・霧島の4家である。
将軍家が廃絶した場合は、上の三家から、将軍にふさわしい者を連れてくることになっていた。
【敬介】「立場上・・・・・・もし、誰も居ないのなら、次の将軍は、確かに私になります。」
【母】 「なんと・・・・・・」 【敬介】「幕府を、あまり長期間空にしておくわけには確かに参りますまい。」
【母】 「なんとまあ嬉しいことやねえ。これも熊野の大神のお導きかもしれませぬぞえ」
「だがしばし待て。」父が遮る。
【父】 「八尾比丘尼殿がご存命という可能性もまだあるのではないか、敬介。」
【敬介】「はい。」 【父】「調べてからでないと、難しかろう。」
【敬介】「・・・・・・確かに。」
【母】 「そんな事はあるはずもありませぬぞえ。」 【敬介】「何故ゆえです。」
【母】 「何故って、あそこは女人禁制の聖地ではありませぬか。」
【父】 「馬鹿者、そういう話ではないわ。」
【敬介】「・・・・・・一応、高野山に使いの者を出しましょう。表と、裏とで。」 裏とは、忍びの事である。
【父】 「だが、高野山に忍び込めるか・・・・果たして。」【敬介】「判りませぬ、しかし。」
【敬介】「・・・・・・手順は踏まねばなりますまい。」
【敬介】「それと・・・・・・全軍に出陣の下知だ。雑賀城に援軍に出る。」敬介は部下に命令を下した。
【母】 「何?!」 母親は仰天していた。
【母】 「何故に神尾を助ける必要があるというに! この大事な御時に、気でも触れ申したか?」
【敬介】「この大事な時だからこそ、あえて動くのです、母上。」
【父】 「・・・・・・ほう。」
【敬介】「今、ここで神尾の乱をみすみす見逃しておけば、世間の者は私をどう思いましょう。」
【父】 「・・・・・・」
【敬介】「今は乱世、だからこそ真に日本を束ねる指導者が必要な時ではありませぬか。」
【敬介】「紀伊一国纏められず、娘を妻方に取られたままとなっては、それでは全く橘の名折れ。」
【敬介】「今こそ、紀伊国の指導を我々がしなければならぬのです。」
【敬介】「次期、将軍として。」
【父】 「・・・・・・・・・・判った。
熊野大社別当・名門紀伊橘の本家は既におぬしに渡しておる。好きにやるがよい。だが、」
【敬介】「・・・・・・」
【父】 「乱世に・・・・・・飲み込まれるなよ。」
【敬介】「・・・・・・はっ。」
神無月。武田商店他、紀伊国人連合軍の雑賀城侵攻に対し、
熊野大社別当・紀伊橘家当主橘敬介は自ら2千の部隊を擁し、神尾家に対して援軍を派遣した。
水瀬家の大庭家侵攻の前の話である。
この時、神尾観鈴17歳、国崎往人24歳。
乱の火種は、この時既に始まっていた。
雑賀城。
いきなり城下は燃えていた。
【晴子】「だあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
【晴子】「なんでやねん!!なんでやねん!!何でいきなりなんでやねん!!」
【】「観鈴様!状況は逼迫しておりまする!!敵勢は既に砦の殆どを陥落!!」
【晴子】「見れば判るわあ!!」
【観鈴】「がお・・・だから街は茅葺は駄目だって言ったのに・・・」
【晴子】「あんたは黙っとき!!いや、あんた河原崎さんとこに連絡し!!援軍の要請や!!」
【観鈴】「が、がお・・・・」(ぼかっ)
【晴子】「なんど言うたら判るねん!」
【観鈴】「うう・・・・・・」
紀伊・手取城周辺。
【河原崎さん】「ほら、あの明かり、また和歌山で・・・」
夜に照らされたその明かりは、遠方の手取城からもよく見えていた。
【敬介】 「・・・・・・・・」(よ、弱すぎる・・・・・・)
【河原崎さん】「どうしました?」
【敬介】「い、いや・・・・・」
【敬介】「まあ、とりあえず。これから紀伊の安定のために、少し動きます。ご協力願えないでしょうか。」
【河原崎さん】「ええ、こんなことずっと続いてたんじゃしょうがないでしょう?」
【敬介】「ご協力感謝します。」
【敬介】「これより新宮軍を含む全軍、北に進路を取り、雑賀城を包囲する国人連合をけん制する形で
陣を張る。それともう一つ、武田商店の店主に使者を出せ。手紙はこれから書く。」
【部下】「はっ。」
【敬介】(これで、河原崎軍も含めて総勢は4千、神尾家の4千と合わせれば8千になる。
国人衆の総兵力は五千だが、篭城する敵を囲みながら同時に外の軍と戦う事になる・・・)
【敬介】(国人衆とて馬鹿ではない、不利な戦いと見れば講和を申し込んでくるはず・・・)
【敬介】「高野山はどうだ。」
【部下】「一応、熊野の神主の者が直接高野山に入り、談判いたしましたが、八尾比丘尼殿はいらっしゃらないとのご返答。」
【敬介】「そうか。忍びはどうだ。」
【部下】「何名か戻ってまいりましたが、それらしき形跡は無いと。」 【敬介】「・・・・・・そうか。」
【部下】「殿、熊野権現の大神主の方が今この陣に参られるとの事です。」
【敬介】「・・・・・・・・何?熊野権現の大神主ともあろうお方が、なぜわざわざ直接いらっしゃるのだ?」
【部下】「とにかく、そのようでございまする。」
【敬介】「・・・・・・判った。丁重にお迎えせよ。陣中ではあるが、無礼無きようにな。」
【敬介】 「・・・・・・でも、なんで国人風情が五千も兵を持ってるんだ?」
【河原崎さん】「半分は観鈴ちゃんちの兵ですよ。奪われたんでしょうね。きっと。」
【敬介】 「・・・・・・・・・・・・また、諜報不足か。」
【敬介】「とりあえず、もめた原因は紀伊国内の利権がらみの問題だろうから、まずは話し合いから行こうか。なあ。」
【敬介】「はあ。」(ため息しか出ないな・・・・・・・)
【敬介】(高野山の兵は、逃げ戻ったという報告が来た。しばらくは動けまいが、油断は禁物。)
【敬介】(高野山の僧兵は油断がならぬ。できるだけ早めに決着をつけたほうがよさそうだ・・・・)
【敬介】「雑賀周辺で3日待つ。恐らくもうそろそろ国人衆にもこの軍の動向が伝わった頃だろう。」
【敬介】「4日5日の、その間に返答が無ければ、一気に城の内外から総攻めだ。いいな。」
【敬介】(だが・・・・・・その前に。)
【敬介】「この書状と金を伊賀の霧島に送ってくれ。重要な案件だ。」
伊賀。
「ぴこっ」
「なるほど。要するに、京に橘殿のよい噂を流してほしいわけか。」
「左様。」
「ぴこっ?」
「ふうむ。」
「ぴっこり。」
「この案件に対しては、家中の者と相談して決めるので、時と場合によっては条件に沿いかねる時もある。」
「もし、願いかなわずとも、お怨みなきよう・・・」
「重々承知。」
「ぴこ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
.´ `v^) _______
〈(ハ从ノlハミi((. /
l人´д`l从 )) < (色々と)難しい。
/ y/ ヽ( \
(⊃ ⊂[_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ノノノ | | | l ) 妥協案前半。
神奈備命生存の報が無いので、こういう話にしてみますた。
神奈備命派と、橘敬介派に幕閣が分かれることになる・・・・・・
「幕府分裂」。えらいこっちゃです。
一応、敬介は神尾の乱を抑えた後、京に行き、新将軍として京都と幕府の復興を果たそうとします。(ここで3月)
まあ、京都側で手引きできる人間が必要になると思いますが、多少の無理は・・・まあしょうがないかも。
要するに、京の内部では、今の将軍に対する情報が全く無い。掴みきれていないがために起きた暴走です。
まあ、要するに、敬介的には神奈が生きてもらってたら困る訳ですが。将来将軍位を継ぐであろう娘の為にも。
予想外の動きだとはおもいますんで、一応キャンセルはOKです。
(特に、長瀬家。この動きを掴んでないとは思えないのだが・・・)
ただ、長瀬家側が将軍として彼を認めてくれれば話はかなりやり易くなるのではないかと。
柏木的には将軍簒奪ということで京都に戦闘しかければいい訳だし。
だが、朝廷はもう幕府に力が無いと観ていますな。流れから観たら確実に。
堺幕府の再現か?もっとも公家に「堺大樹」と評価された足利義維はついに
正式の将軍にはなれなかったが。
だが、大庭担当殿の影響範囲が無駄に大きすぎる気がする。
何が言いたいかというと、他の書き手ももっとがんばれ。
>724
わざと揉め事作り出したり、中の人がいる場所を勝手に動かしたり
関東の優位を作る努力には脱帽するな
まぁ、企画崩壊させない程度にな
なお、史実の展開から推し量れば幕府は簡単には消滅しない。
史実でも1565年足利義輝が殺されてから3年間将軍は空白だったが幕府消滅には
至らず、三好三人衆によって義栄が擁立された。彼こそが義維の息子である。
もっとも彼も入京できないまま織田信長擁する義昭に在位7ヶ月で将軍位を追われ、
義昭の代で本当に幕府は滅亡するのである。それでも、義昭の将軍位は1589年まで
そのままで、信長といえど剥奪することはできなかった。
既得権を潰すのはこれほど難しいのである。有職故実命の朝廷にとっては特に。
堺大樹のごとき存在になるか、それとも…
>>726 同意。あまり遠隔操作で大名家を引っかき回すのは感心しない。逆に他勢力は
律儀なのか中の人の下準備が周到なのか、関東以北にはほとんど手出ししていない。
729 :
名無しさんだよもん:03/11/25 12:16 ID:KTIJWu6Q
将軍と名乗りたい奴がいる限り幕府は続く、と。
>>729 征夷大将軍は朝廷に任命されないとなれないけどね。朝廷から積極的に潰す
真似はしないってこと。
一度見限ってまた復活されたら困るという保険の意味もある。
731 :
名無しさんだよもん:03/11/25 12:45 ID:9tK2FS2B
>724
自分はなかなかいいと思う。
現在京都にいる幕府人間は無能者ぞろいだからこういう展開もありかと。
長瀬が将軍として彼を認めれば神奈&柏木は動きやすいし、ここまでは
最強の裕介を崩すチャンスが生まれると思う。
長瀬対柏木はいい勝負するんじゃないだろうか。
地の利は長瀬、兵力も長瀬だが柏木は武将が多分長瀬より強い。
しかも対月島戦みたいに寝返りは期待できないので総合的に見ると五分五分か?
問題は裕介が敬介を将軍に認めるという愚考を犯すかどうかか・・・
祐介は戦場や、敵対勢力には謀略を多用しているものの、大義名分はしっかりしているから、
こういった政治的に筋の通っていない(まだ、神奈の消息がわかっていない段階でこういった話がでる方がおかしい)
策にはのらないと思われ。むしろ、ここで性急に動いた事で、神尾、橘が謀叛の疑いで潰される可能性のほうが高い
って言うか、葉鍵戦国では政略的な部分を考えない謀略が目立つw
733 :
名無しさんだよもん:03/11/25 15:30 ID:KTIJWu6Q
背後にどの勢力を引き込むか、それが将軍の椅子の行方を決める? どちらも自力で将軍になるには弱小過ぎ。
734 :
名無しさんだよもん:03/11/25 15:43 ID:+mmZ7I8R
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>>732 それがなおさら不義理さを強調する結果を生む。
展開次第では逆に長瀬・柏木連合軍を形成され叩き潰される可能性も
出てきたわけだ。ただでさえよわっちいのに…。
>>733 征夷大将軍の官職がある限り神奈有利。ただし、入京できずに近江で足止め
されるかも知れない。長瀬がうんといえば廃立は不可能ではないだろうが、
長瀬にとってもかなり危険な賭(足利義材を追放し、義澄を擁立した明応の変が
参考になる。このときは朝廷は渋々追認した)。
>726
>わざと揉め事作り出したり
まあ、これはいいが
>中の人がいる場所を勝手に動かしたり
これって仁義ハズレもいいとこだろ。最低。
「関東以北に他の中の人が手出ししてない」のは、
そういうリレーSSの仁義を弁えてるからだろうに
自分は他の中の人が居る大名家の行動も書いちゃう
ってのは明らかに不公平、中の人の考え方に問題ありすぎ。
ゲームマスター的な役回りを黙認してもらってるのにその権限を
自勢力の有利になるようなかたちでしか使えないんだったら
他の中の人が呆れて去るのも時間の問題では?猛省を求む。
関東の優位を作る努力には脱帽するな
近畿のAIR組みは今までろくに動きが無かったんだから別にいいんでない。
大庭の人もキャンセルOKって言ってるし。
神尾の中の人はいなかったような、それに関東優位って? 京もからだったしな。
とりあえず神奈達が帰ってこないと承認されても仕方ないぞ
瑠璃子さんあたりは居場所知ってるけど公家や一般民衆なんかは知らないし。
死亡説まで流れてるんだから
>>724 自分は面白いと思います。
文を書けない自分が不甲斐ない…
>>738 そういう問題はないのだが、数多くの大名を中の人として抑えているのが気になる。
他の中の人はせいぜい2,3の大名家が限度だから。(数えてみると最大
13大名家。もちろん展開の都合上他の大名家を動かしたケースは除く)
ただ、当時の時間感覚では半年足らずの不在でこういう真似をするほど切迫した
状態になるとは思えない。天皇も一緒に行方不明になったら事情は変わるが。
南越後の主城、春日山城。
関川河口の扇形平野部、その扇の一番外側の骨の上端あたりの小山を利用した城、だ。
平野部に面しているのは東側のみで、北側は海のすぐそばまで丘陵が続き、
西側と南側はそのまま鉢巻山の中腹−本格的な「山」だ−に繋がっていく。
その二つの山の間を縫うように正善寺川が流れるが、
現代でこそ川沿いに道があるが、当時はそのようなモノは無い。
春日山城もこちら側には登城口を設けず天然の城壁に任せるのみの造りであり、
この城を攻める柳川軍も、その攻囲陣はおのずと北側・東側が中心になっている。
城攻めに必要なだけの「厚み」のある陣を敷くだけの平地が無い以上、やむを得ないことなのだが。
その正善寺川、山中のわずかな川縁の裸地を夜の闇にまぎれて歩く者たちが居る。
黒と見まがうほどの濃い柿色の衣に全身を包み、一列になって歩いている。
いや、一見ただの川縁としか見えないが、陽光の下でゆっくり調べれば、
つまずきやすい川石や足をとられやすい柔らかな川砂を除け、丹念に固められた一筋の小道が
川沿いの森からはみ出た下生えに半分隠れるような形で設けられているのが分かるだろう。
その「道」を通っていた一行が、足を止める。
「…ここです」
先頭を歩いていた者が押さえた声でそう言うと、張りつめていた一同の空気がふっと軽くなる。
「あとは、この岩の裏側から城への横穴をたどるだけ、か」
「大丈夫、って秋子さんは言ってたけど、やっぱり気持ち良くない……」
「しょーじきに言えよ、怖かったぁー、ってな」
「…あぅー……真琴怖くなんかないもん! 見つかったって全員ぶっ叩いてやるんだから!」
手にした杖…言うまでもなく、鋼入りの仕込み杖だ…を振りかざして、
からかわれた側が吠え、ようとするところで一言。
「おいおい、大声出したらバレちまうかもしんないんだぞ? 今だってどこに柳川軍の斥候が居るか…」
びくっ、と動きが止まる。
「さ、分かったらさっさと行くぞ。 狼煙上げて半日、城兵のみんなもいいかげん待ちくたびれてるだろうからな」
「ぅー、……分かった」
無精無精頷いて……率先して「道」の側、木立の中の岩の裏側に飛び込む真琴。
「お、おい、あんまり慌てると…」
「あは、真琴がいっちばーん! 早く来ないと祐一追いてくよー!」
「……はしゃぐとこかね、ここ」
肩をすくめるほかの兵士たち。
堅い樫の厚板で作られた地下道。
四つん這いに近い姿勢でなければ進めない、小さな隧道。
沢を埋め立てて造られた、秘密の抜け道だ。
ここを真琴と2人して這い進むことになるなんて、昨日の今頃は思いもしなかったことで。
いや、それを言えば今の柳川軍との戦い自体、祐一の予想をはるかに超える展開になっているわけだが。
「男の子にしか頼めないことですから…」
そう叔母に囁かれて引き受けた仕事は、朝の早やからの大音声。
まだじんじんと痛む喉が、自分の張り切りぶりを改めて思い出させてくれる。
水瀬家中屈指の将、数少ない一門衆の男である相沢祐一が戦陣で一席ぶつとあらば、
相沢衆のみならず他隊の軍兵共にとっても、聞かぬと無視を決め込むものでもない。
自然、祐一の前には今のところ持ち場のない数百の兵たちが集まることになる。
その兵たちに対し、祐一は昨夜の評定で示された柳川祐也からの書状について語り出した。
「皆のもの、持ち場に居る者も聞くがよい!
昨夜我らが御大将に、七尾柏木の祐也殿から送りつけられた書状のことを!」
冬の寒空に大声が響き、消えていく。
自分を見る幾百対もの瞳の光を、祐一は感じる。
「皆も知っていよう、奴らが加賀・越中を陥れたことを。
皆が納めてくれた幾百俵もの米、何百振りもの刀剣、
そして故郷で共に日々を送った何千もの仲間たちが、
奴らによって失われた! 奴らの奸計によって!」
瞳の光に力がこもるのを、祐一は見のがさない。
その反応こそ、いちばん必要なモノなのだから。
「そして昨日、奴らは我らが越後衆の血に汚れた手で、
このような書を送りつけてきたのだ!」
懐から昨夜の書状の写しを出し、それを掲げる。
「奴らはこの中でこう言っている!
『捕らえた将はふたり、そのひとりと引き替えに軍を退け』と!」
静寂。
柳川の要求が何を意味するのか、それを理解しきれぬ者の生む沈黙だ。
その空気が場を満たすまで、祐一は黙る。
「…今、七尾柏木の軍勢は南越後の半地までを攻め進んでいる。
この場で我らが退くとは、どういうことか」
声を落とさず、それでいて語りかけるように。
「そう、もう分かっている者も居るだろう!
奴らは我らから、この地…
我らが生まれ育ったこの地、我らが日々耕し続けてきたこの地、
我らの南越後を、こんな一片の書状で奪い取ろうとしているのだ!」
叫びつつ、書状を引き破る。
「聞け! 我ら南越後衆は、大河と山と、豊かな大地、
そして降り積もる雪に鍛えられた、北陸一の、いや、日の本一の兵だ!」
沈黙が、高揚に変わる瞬間。
美しき叔母に頼まれたのは、まさにこの瞬間を生み出すことなのだ。
「その我らを、その我らが、
大地の厳しさも豊かさも知らぬあ奴などに、
ここまで貶められ、侮られていてよいのか!」
あちこちから怒声、罵声があがる。
長の戦塵にまみれ、その末に故郷の風にたるまされていた皆の目が、
見る間に戦人の闘気に満ちあふれていく。
口上の締めくくりを鬨で締め、来るおおいくさへの戦意を高める。
乱れがちだった軍律も、鈍く重くなり下がっていた兵たちの足取りも、
これでなんとか「いくさ」になるだけのところまで戻ってきている。
むろん、故郷への情と誇りを絡めての鼓舞も、
しょせんは一時凌ぎであり、水瀬軍が疲弊していることに変わりは無い。
そうと知って、それでも祐一にこのような芝居を頼まねばならぬ現状。
祐一は兵たちとはまた違う意味で、身震いせざるを得なかった……。
今朝の「一仕事」のことを思い出しながら、祐一は通路を這いずり続ける。
ふぅ、とため息をついて顔を上げたその刹那、
もふっ……と、暖かく柔らかいモノが顔面を包む。
そして、次の瞬間…。
「きゃー、なにすんの祐一ぃーっ!」
強烈な後ろ蹴り。
「お尻触ったらけっ飛ばす、って言ってるのに、顔ごと突っ込んでくるなんて、
祐一のえっち、どすけべ、へんたーいっっ!!」
蹴り、蹴り、蹴り、蹴り、蹴り。
「い、いや、だ、だから、いき、なり、止まるなと」
「出口の石戸外してもらってるから止まって、って言ったのに、
真琴のお尻触ろうとわざと無視したでしょー! この、この、このーっ!
あとで秋子さんにいいつけてやるからーっ!」
「ま、まて、それは勘弁……マジで!」
十数分後、ホコリまみれになって久しぶりの春日山城に入った真琴と祐一。
秋子の花押入りの書状を城代に渡すや否や、祐一が薬師のところに直行になったのは言うまでもあるまい……。
そして、また一日、と。
祐一の何処が演説上手でカリスマ性あるんだよ。
またU−1か。
749 :
名無しさんだよもん:03/11/26 09:13 ID:SwYVGcR8
>748
この場合必要なのは、大きく太めの声と事前に言う内容の用意だけでいい。
カリスマなんて言うのは、血統第一主義のこの時代『当主の甥』と言うだけである程度あると考えていい話。
『明らかに問題がある』と『お前さんの好みと違う』はまったくの別物。
混合しているようなら実社会で苦労するぞ?
まぁ、引き篭もりにその心配はなかろうが、な (´,_ゝ`)プッ
ついでに言えば
大庭の人の設定の一部分に見える妄言(指導者が二人いて組織が安定する訳ねぇだろ!)や
緒方の人の伏線無しに新キャラを出す事に比べれば、遥かにマシなレベルの話に
何故目くじら立てるのか理解できんな
ウー
.ウー \ | /
_┌┬┬┬┐_
――┴┴┴┴┴―、 警 告
/ \
/ ヽ このスレは470kbを超えました。
l:::::::::. | 至急次スレを建てて下さい。
|:::::::::: (○) (●) |
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ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ
瑞佳
無意味にAA使うから余計に増えるってのが判らんか?
>748 将が鼓舞すんのがU-1扱いなら、うたわれ勢以外が将やってる時点で全員同罪。
>738
関東優位と言うのは、
解決の難しい揉め事を投下して、他の中の人がその解決に時間をかけているうちに
大庭の人が関東・東北の諸問題を一気に書き終えようとしている。
と解釈したからじゃないか?
実際これで、長瀬、柏木の人は面倒な問題にぶち当たったし
当分これに関する話を書く事を半ば強制される訳だしな
大庭の人は設定を無言委任されている立場だし、『キャンセルOK』と言っていても
当の本人以外がキャンセルすれば、他の人も書き辛くなる空気になるから
結局のところ、『見せ掛けだけの言い訳』でしかない。
だから『関東優位を作る為の努力』と非難されたんじゃないのか?
まぁ何が言いたいかと言うと
『ここまで言われて何も反応を返さないなら、大庭の人は消えた方が良い』ってこった
いや、なんていうか、ここまでくると被害妄想だな…
ぐちぐちと続けようとすあたりこの前の人そっくりだ。
書き込む前に少し落ち着けって
大庭の人は作品投下後の自分語りがかなりうざい。
さらに関東〜東北を自分設定で固めようとしてるのをちらつかせることで
他の中の人は介入しにくくしている。
そのくせ他のところには手を出す、と。
どっか別のところで自分一人でやってろって感じ。
基本的に空気読めない人だからね。
柏木vs対長瀬が出てくるのは、柏木かいてた柳也の人が柳川vs水瀬に介入しないで京に向かい、
Routes組が柏木と組む意向を示したことからすると、自然な流れだと思うけど。
760 :
内幕:03/11/26 23:25 ID:aj5ngOas
河内国・若江城
「何故です。何故攻撃してはならないのです。瑠璃子さま」
「……」
「彼らは敵軍ではない。むしろ援軍だ。京にとってはな」
「……」
「信用できるか。篁が人気取りのために裏で糸を引いているのは
誰が見ても明らかだろう」
「……」
「篁は後援者の一人に過ぎん。主導はあくまで堺町衆だ」
「……」
「その堺町衆が当てにならないではないか。連中、いつの間に篁に尻尾を振りよった?」
「……」
「篁は元々町衆出身の大名ではないか。堺がその後ろ盾だと言われていた
ものだが……いつからかは知らんが、それが逆転してしまったのだろう。
地元の、しかも商人出身の篁であるから町人もさほど、抵抗を覚えまい」
「……」
「くそ、独立気風と反骨精神。堺商人の誇りはどこに行った?」
「少なくても長瀬に下った我々にそれを謗る資格はあるまい」
「……」
「……」
「どうやら篁家は我々と同盟を結びたいようです。東海で緒方と睨み合って
いる今、後背に敵を作るべきではありませんから、これは我々としても喜ば
しい話です。彼らを京まで通してそこで会談の機会を」
「……私の独断で決めていいものでしょうか?」
「瑠璃子様は畿内方面の責任者であらせられます。何の問題もないかと」
「……分かりました。通行の許可を与えます。彼らから預かった書簡を
大至急、祐介殿に」
761 :
将軍失格:03/11/26 23:28 ID:aj5ngOas
長瀬軍が去った後、京の都の状況は散々たるものだった。
彼らに後を任されたはずの幕府の残存はただでさえ、統治能力が
疑わしいというのに神奈派と橘敬介派に分裂、この余りにも愚かしい
諍いによって、京は治安維持能力を喪失した。
これがどれだけ恐ろしい事か。その説明は京に餓死者が現れたという
一例を挙げるだけで十分だろう。
元々、京都で消費される米のほとんどは近江米である。祐介は上洛前と
変わらず、この時代最大の人口を誇る京都を養えるほどの米糧を送っていた。
餓死者が出るはずがない。……その米がきちんと町民に行き届いてさえいれば。
窃盗、略奪、強姦、あらゆる犯罪が京を跋扈した。前述した通り、治安維持
能力を喪失した幕府にそれを取り締まる力はない。それをいい事に悪人達は
更に犯罪を重ねる。まるで幕府の威光を嘲笑するかのように。
賊にすらなめられる幕府に都人達は失望した。最早、幕府に京を任せる事は
できない。都人の信望は巧みな用兵で月島を破り、東海遠征での華々しい戦果が
伝わってくる長瀬祐介へと集まった。長瀬祐介を将軍に、との声は日ごとに
高まり、現在の将軍である神奈へは逆に怨嗟の声が漏れ出す。
神奈が逃げ出すから誰も京の治安を守ってくれないのだ。神奈の
生死がはっきりしていないから道理を重んじる長瀬が上洛する事ができない。
嗚呼、早く神奈の死体が見つかりますように。都人達の一日の終わりはこの願い
と共に終わる。
神奈達からすれば溜まったものじゃない願いだが、我が身可愛さに京を
捨てた事は事実、彼らの気性からして反論はできまい。那須の間者エディから
この事を聞かされた神奈、柳也、裏葉の三人は、果たして何を思うだろうか?
京はもう将軍神奈を望んでいない。長瀬祐介、もしくは長瀬が支持する者
であれば京都――朝廷も含む――は統治者として快く迎えるだろう。彼らが
上洛するまでの留守を預かる事を申し出た、傭兵達を受け入れたように。
762 :
帰還:03/11/26 23:29 ID:aj5ngOas
「ふう、まさかこんな形で帰ってくるとはなぁ〜。因果なものや」
「実質」篁軍。「建前」自治都市、堺から派遣された傭兵二千の中立軍。
その雇われ指揮官、保科智子の帰還は、果たしてどのような変化を京にも
たらすのであろうか?
噂をすれば影。
このスレではそろそろ続けるのは限界か?
>763
500KB制限のことです。
以上、
篁、同盟の誘い。
神奈達ボロクソ。
いいんちょ上洛の三本。
自分で火を付けて自分で火を消すのはどうかと思ったので一応到着まで。
長瀬家に少し不利な状況が重なっている気がしたので少々援護しました。
緒方戦がどう転ぶか分からないのに、その上二正面、三正面って。
>731が言う様に戦闘では結構弱い気がするし。
>765
…うーんと、瑠璃子さんの動向を決めるのはアナタの担当範囲を超えてるっしょ。
この場合「同盟の書状を送る」とこまでに留めとくのが正解、かと。
他の中の人が居る勢力への外交は、基本的に相手の反応待ってあげないと。
ところで結局「餓えた狼を野に放っ」てないんですね。
篁さん、国産きょにぅに心動かされたか?w
…ところでおいらも続き投下したいんですが、容量が……(涙)
前回に引き続き謀略いいんちょですな
このスレでの続きはもう不味い、外部でテンプル作る?
>724
キャンセルOKと書いてあったので、お言葉に甘えて『キャンセル』を要請します
理由として
『スレ住人も含めて『設定者』としては認めているけども、『全体への介入者』として容認していない。
安易にこういった事を認めたなら、他の中の人の存在意義がなくなりかねない』
『伏線もなく過去(十一月)に遡って『実はこんな事がありました』
と言う話をつけるのはあまりにもアンフェアである。
この話は『既に起きた事の解説』でも『過去のみで完結する話』でもないので』
『橘敬介の行動が明らかに急、かつ不用意すぎる。
幕府の支援者の地位にいる人間の行動として不可解である。
自分の作った設定を自分の手で貶める必要は無いのでは?』
『こっちの方に労力使うよりも、東北の話キボンヌw』
と挙げておきます。
ちなみに、自分は718-724を見た時に
『御三家(特に紀伊、伊賀)を速攻で潰すチャンス』と思っていたので
その上で、あえて『キャンセル』を要請するという事を言っておきます。
何か色々叩かれているようですが、めげずに頑張ってくださいな
>765
……と言う訳で、こちらも『キャンセル要請対象』と言う事になりますので悪しからず
それに状況不利と言うほどでもありませんので、ご心配なく。
それと766の言う通り、先に外交の使者を送るようにしてくださいな
769 :
長瀬の人:03/11/27 00:13 ID:mU1ZDHNN
スイマセン
名前を忘れてましたw
>767
すいません。リアクション待っていたら敬介に先を越される気がしたんで。
祐介本人じゃないからOKかなと。……以後気をつけます。
篁は「飢えた狼」を最大限使ってから放すつもりです。「建前」中立軍は神奈、敬介のどちらかが
来たとしても即解散。その時に指揮官が篁の元に戻るようなら建前も何もありませんから
篁的にはもう放してます。勿論、二人のパイプは残ったままですが。
>767
当初は神尾家2ターンキルして、観鈴に墨でも被らせて将軍騙らすつもりでした。往人と柳也が瓜二つなら二人もそうだろうと思って。ただ、その確証がなかったのと
いいんちょが更に黒くなって、「名前だけ葉鍵」の謗りを受けそうだったので躊躇している内に
大庭の人の予約が入って……
>769
書き込んでいる内に……取り敢えずNG了承。近い内にいいんちょを送ります。(Routes未プレイだからいいんちょしか使えない)
それとも……2ターンキルやってもいいですかw
なんなら篁家臣団使ってフォローしましょうか?
方針がわからなきゃ無理だけど。
それとテンプルまとめてるんですが誰か1の文章を頼みます
773 :
長瀬の人:03/11/27 01:29 ID:mU1ZDHNN
>771
いやいや、こちらも大庭の人に対して反応遅かったのが悪かった訳でして
それに『祐介の性格問題』のSSにかかりきりなものでして
だからこそ『水瀬の人待ち』と書いておいたのですが、ね
まぁ、とりあえずは大庭の人待ちかな?
>>768 了承です。
ただ、地方から言わせてもらうと。
空白になっている幕府の処遇に対しては、何かしら「 」してもらえればありがたいです(w
中央の情勢によっては此方も動き変えますから。
そこらへん、極めて難しい・・・・・とは思いますが。
そういう訳で敬介上洛なしの方向で外部にまとめてみました。
あれでいいですか? >中の人
ここいらで何の意味もなく九州の中の人まだー?と聞いてみるテスト
…九州の中の人って大変そう
こんな時だが保守しなきゃ危なそうだ
黙祷
次スレたてるのはしばらく待ったほうがいいのかもね…
将星堕つ。
創造主崩御により改元することを提案します。
>776
ティリア「南方担当者はまだ波紋(後編)書き始めたばっかりみたい」
フィーユ「全く、もうちょっとちゃっちゃと書けないのか」
ティリア「仕事が忙しいってぼやいてるけどね。それに、今度のことでは
思ったよりずっとショックを受けていることに気が付いたとか言ってるしね。
完成にはもうちょっとかかるかも」
フィーユ「ああ、あのことはな……」
ティリア「私達とは余り深い縁ではなかったけれど、私達専用の作品スレやら
キャラスレやら、あるいはこのようなネタスレが今ここにあるのは、間違い
なくあの人のおかげなのよね……。謹んで故人の御冥福をお祈り致します」
フィーユ「今は安らかにお休み下さい」
───相模。
【瑞樹】「和樹。」 【和樹】「何だ?」 【瑞樹】「あれ・・・・・」
───伊賀。
【】「ぴこっ?」 【】「わわっ、お姉ちゃんあれ何だろ」 【】「・・・・・・・・」
───海上。
【美凪】「・・・・・・流星雨。」 【国崎】 「何?」
───東北某所。
【白神の老婆】 「天が・・・・泣いておるわ。」
流星雨が各地で観測されているようです・・・・・・
問題はどのタイミングでスレを立てるかだな
そろそろ大丈夫かな?
白髪(はくはつ、または、しらが)を白神(しらがみ)と読んでたのかぁ?
いや、白神山地は青森と秋田の県境にまたがってるから、設定上間違いでは
ない、か。このスレではヤマユラの村はその辺にあるのだろう、うむ。
そこは間違いなく辺境だし。
>>785 >766 >768 >771 >774を読む限りではそういう事になったんじゃないか?
次スレ立てていいの?
容量ヤバイし、外部のを訂正したのでいいんだよね?
あと>>1を変える感じで。
同盟関係とかも新しくなるとなおいいと思うが、
誰か別の人が新しくするのを待つのでもいいんじゃないかと。
791 :
埋め立て:03/11/29 22:20 ID:02T8T2DY
__ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|堕| _ | 姫・・・
|世| '´ ヽ \__ _______
|門| ri_,.1リノ)))〉 ∨
|天| 〈「(l!゚ー゚ノ|
 ̄ ノ∪)水!つ ∧∧
(((/===ソ (゚Д゚,,)
`/ ) ( y _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| (_(_、つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 埋め立てだよもん
\___________
__
=\長\
=\森\
=\瑞\
=\佳\
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\ '´ ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
= ri_,.1リノ)))〉 |
= ノ「(l!゚ ヮ゚ノ|口 lヽ彡 < 埋め立てだよもん。
= ノ ノ⊂)水iつ 彡 ・ ゝ. |
= ノ ノ く/_l〉リ 彡 ,ヽ_/ \___________
≡≡≡ 〃,゙'´[ ̄ し' ] ̄ /
≡≡≡ (( ヽ.  ̄ ̄ ̄ ,.'
=≡≡ )) // / ̄ヽヽヽ
≡≡ // / ヽヽヽ
ε⌒⌒\ // / ≡ ///
ε⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ ̄
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ウェーハッハッハッハー
'⌒´`ヽ ミ∧彡
. 〈. ノ从ハハ ) ミ ・\
ヽゝ゚ ヮ゚ノゝ ミ ∧_)
/三/志.〉〉ミ /
├エ━━━つ━━━━━━━━|二二二>
勿' ̄ ̄`l/三/‐.||`‐册册
~ヾミ彡ツ二二ン|__L≠))|| |ー‐--,
〈 Y 、 ソーテ /
く´ゝ、__ |'''"~⌒~`‐ゝ、_ヽ、/ /
;;::;::´´)⌒)く´ 、-―‐、'" ___,,,-ゝ >'
;::≡´⌒)≡´)`ヽヽく__ノ 〈___,-'""~
≡;;;´⌒≡≡≡ く__〉.´⌒) 武者志保見参!
:;;: ´⌒)´⌒)´⌒) 埋め立ては華々しく飾らせてもらうわね♪
ズザドドドドーーーーーーーーッ!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| あははーっ!佐祐理が
| 埋め立てながら駆け抜けますよーっ!
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 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
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「`Y´ ヽ
└ァ!ミ!ノノ)))〉 ∧彡
__ _ ん| !|^ヮ゚ノ!| 彡 ・ \
――― く⊂)卯lつrヽ彡 人.ヽ.) < ヒヒーン!
 ̄ ̄ ̄ -ノ!|/__il〉y"''' --/'''"  ̄
=≡=( し'1. | ヽ
/ └─‐┘ )
パッカパッカ / ノ ノ ̄丶 ソ \
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(´⌒(´⌒;; 《_/ 《_/ ヽ/ラ丶/ラ
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::;(´⌒ _. l[》'《|l ヽl| ォ..⌒`)::
::;(´⌒ |10| i| lノノリノ)))〉 .ォ`)::'' <柳川なんか真琴がこてんぱんにしてあげるのよぅ!
──:;;(´´=====!! !(l ゚ ヮ゚ノl|∩= :⌒..ォ):::────
:;;⌒. |d| ..i| |⊂!iFil ノ ! !..⌒`);;:''
''. ̄ '´(( んソ(⌒) ) :;;''
`: '' し
798 :
埋め立て:03/11/30 22:01 ID:79AvOs6o
_,(r-、.‐- 、
》= /, , ヽ、ヾヽ.
_{ {i {i {i ii、ゞ‐、ヾi
、 ,ゝ´ i!(} '!)^('!^})ヾ} ヽ\∧∧∧
{_V彡=、`tt>"Cつ,イ〉ヾ. < 行くで!! 敵は三方ヶ原に在りや!!」
∧~ /^ヾ\ヽ-‐'iノ'l、 \ //∨∨∨
^' r'´二i^j'丿 `V´.ノ y 〉
{ -‐'j' }、;--‐、{_/ ./
ヾ二'ノ/ ,' ; : i_,)/
799 :
埋め立て:03/11/30 22:08 ID:79AvOs6o
, '" "' 、
/ ヽ、
∧ _,,.、-‐―っ ヽ ど
/ `v' / l う
ヽ / | す
li、 -‐―、 〈 | れ
|_j ______ ヽ | ば
|/ ^`=' ゙ 、 / い
/ く ヽ, ,へ/ い
`iー' ヽ、 ノ j6/ ん
}ー-、_ , l '/ だ
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_,,...-‐-''^^~´ ̄/ i`ヽ_ -' | |`ヽー-- 、
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>>112参照
800 :
埋め立て:03/11/30 22:13 ID:79AvOs6o
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l !゙! ゞ'" ,.' ヽ、`゙゙"'''/` .'i,..)゙i..'
゙r- '' ノ ''"` "'' ` ;!',ノ
!、 ` _ _ ,:;;;:.i
ヽ、 ` , .,:;;:.ノ < 悲劇の姫君完成って訳や
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`i;";´: !_;:'
,.:!' iゞ!
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''":.:./r ;.-:':.:.:.:.:.::.:.:.:.:ヽ、
>>369参照
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||ヽ川┌,.=キ.テ、,,,,/'~-て~)`~)、i|`< } |
_,`'/`iヽ`ー‐,ノ ` 、___,,.ノ `'ノノ | .
i' i'~_ノ`'ヾ゙゙~ ι /`'// / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|/ ./,/,.-、`_、 -ー一 ノ .| ./ < あなたは蹴鞠という球戯をご存知ですか? || '^,.-‐-、-' ヽ、 / ,.!i`' \______
ヽi ,4 ,,| _,.,i 、__,,/-‐'''~ .|~`、
ヽ |`'゙-一~/~ ) , | T.、
,-, -=| )) / /`ー---_-,.''~/ | `-、
. / / `ヽ、 /、 / | - 一' ./ .| ` - 、
/ / `'-、,`), |、 /. |
/ ノ / | ` 、,-- / |
>>445参照
802 :
埋め立て:03/11/30 22:31 ID:79AvOs6o
__、ー-‐‐- 、
ゝy''´'`゙`y ハ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
´'fy、-;_7 } | お咎め?
ヮ ,rj/ <
`ェ=={ | いったい何の事だい?
,イi/r' ̄ \ \______
| l / r'⌒}
>>448 参照
, -‐‐- 、
/ ~\
j彡 .r_~}!i ii i i ヽ
ヾ,∩/~ _、ヾリ}}i i}. _____
y、} " 0,'tリリリ |
,.√jl i/ \ (ア/~ミ\ < その通りだ、マイシスター
/^ .{_ノ ヽヽ.二ユ'、 i ̄l |
\\\t j \\ノ\ } .i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ^^^ /ノ\ \!ヽ .ヽi }
`‐'ヽ. `ヽヽ }、 ' ノ
ヽ. '} i `´
} - 。l |
>>109参照
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'´ M ヽ. 今よ! 次スレに突撃!
ドドドド… ! ノ从 リ))〉
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1070098986/ ノ|lゝ゚ ヮ゚ノ|
く// 、 ヽヽ ミミ(ヽ,,,ヘ
____( __ ヽ二つミミジ ,, ・ヾヽ、
彡彡彡ミミ"´ || 丿丿 | ̄" ``メ-ゝ-々_゚〉
/, ,) ヽ(_)-" ヽィ´,/
( ,ヽ | | 、ヽ )ノ l
ヽ ノ`゙`i''‐'‐'─t" ヽ<ノソ
) /ヽ、 l `ー-、_`ヽ、
゙.; 〈, ', ヽ.ヽ、 } ,l`ヽ,`、
; . / / `tニゝ / / ,tニゝ
・; Lソ `,゙ ;' ;,〈_フ ' ; '
>>105 参照