378 :
1/5:
>>232-233 「え…、あれ…?」
長森はふと自分の居場所に気付いた。
目をぱちくりさせて、周りを見回す。
「やだ…私、すごい想像してた」
そこは女子トイレの個室。
妄想にのめり込んで、周りのことが見えなくなっていたのだろうか。
(それにしては現実感があったけど…)
冷たいタイルの壁に寄りかかりながら、足元を見下ろす。
右手が無意識のうちに身体中をまさぐっていたらしく、胸元の紅いリボンはほどけ、カーディガンは半分脱げかかっていた。
「わ…」
さきほどティッシュを手にしていた左手が、スカートの中にもぐりこんでいる。
あわてて引き出して目の前にもってくる。
「えっ…。これって…」
丸めてあったティッシュは、自らの愛液でぐっしょりと濡れていた。
軽く握ると、透明な糸を引いて汁が垂れる。
379 :
2/5:03/10/07 15:41 ID:RKTdsWiz
「…浩平の、せ…精液の匂いで…私、興奮しちゃったんだ…」
いったい自分はどうしたというのだろう。
長森は疑問を持たずにはいられない。
浩平に、そんな感情を覚えたことなんてない。
彼を男という性として意識したことなんて、一度もなかった。
二人の関係をあえて表現するなら、だらしなくて意地悪な兄と、お節介な妹、それだけで。
その先、なんて。
「でも、私だって…、浩平の子ども、作れるんだよね…」
浩平の精液と、自分の愛液が混ざりあったティッシュを、あらためて眺める。
湿り気を帯びて重みを増した丸まりが、手の上にちょこんと乗っている。
「浩平と私の、子ども」
言葉にしてみると、それは本当に自然に、心の一角に位置を占めた。
心に浮かぶイメージ。
それは、幸せな情景だった。
「私、浩平の子ども、欲しいよ…」
おなかを押さえて、ぽつりとつぶやく。
そこに納まっているはずの子宮が、きゅんとうずいたような気がした。
380 :
3/5:03/10/07 15:42 ID:RKTdsWiz
「浩平…こう…へ…い…」
制服の裾から手を入れて、おへその上からゆっくりとさする。
まだ見ぬ我が子を愛しむように。
「ここに…浩平の…お…ちん…ちんが…入るんだよね…」
両手がじわじわと下りてゆき、スカートをめくり上げながら下着に触れる。
「ふあ…」
赤いリボンを一つあしらっただけの、シンプルな白い下着。
その綿の布地の上から、長森はぎこちなく自らの性器の形をなぞってゆく。
そこは既にぐっしょりと濡れていて、布越しにも形まで透けて見えるような気がした。
初めて覚える、粘液のぬるりとした感触。
自分の体からそんなものが出るなんて、知識として知っていても驚いてしまう。
「私も、女の子なんだ…」
381 :
4/5:03/10/07 15:42 ID:RKTdsWiz
下着をぎこちなく撫でまわしている内に、下着の一部がぷっくりと盛り上がっているのに気付く。
「…クリトリ…ス?」
はしたなく勃起した肉芽を確かめるように、おそるおそる触れる。
「ひ…うっ!」
電気のようなものが背筋を駆けのぼり、思わず喉から声がこぼれた。
自分が女子トイレにこもっていたことを思い出して、あわてて口をふさぐ。
「あっ…やだ、私っ…」
手のひらに涎がベットリとまとわりつく。
夢中になるあまり、つばを飲み込むことすら忘れていたことに気付き、苦笑する。
「足も、こんなに開いてるし…」
いつの間にか、ふとももは男を迎え入れるがごとくパックリと開いていた。
自分のなんともみっともない格好を眺め、長森はクスッと笑った。
「別にいいよね。…誰も見てないし」
しばらく耳を澄ませて誰も来ないことを確かめてから、クリトリスを再びいじり始める。
382 :
5/5:03/10/07 15:43 ID:RKTdsWiz
幾本もの指がクチュ、クチュと水音を立てるたび、小さな唇からは熱い吐息混じりの喘ぎ声が漏れる。
「はうぅっ…。浩平…私のここ、もっといじって…」
再び目の前に浩平の姿を思い浮かべ、長森は媚びるように上目づかいの視線を向けた。
…もっと、してほしいよ…
…浩平…浩平…
男を乞い慕う熱い眼差しが、相手を求めて宙をさまよう。
ぎこちなかった左手の指が、弦を押さえるがごとくリズミカルにすべり始める。
気持ちいいと感じた点を的確に押さえ、時折弾くように震わせてみたり。
「ふ…あ、あっ、ああ…! はうううっ!」
右手は弓を操るように、やわらかく上下に動いている。
クリトリスの付け根から、蟻の門渡りまでのスジに沿わせて、手首と肘の角度を巧みに変えながら緩急自在に撫でまわす。
(…なんか…ヘンだよ……浩平…浩平っ…っ!)
長森はふるふると首を振りながら、ぱくぱくと声にならない声を上げ、体を弓なりにしならせた。
ゴツン、と頭の後ろがトイレの壁に当たる。
その音で、長森の中の何かが崩れた。
「ひう…くうんっ、んん〜っ…、んはああああっ!!」
狭い個室に絶頂の声を響かせ、長森はクタリと崩折れた。