「HMX-13 セリオです」

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952名無しさん、…複雑です:03/11/03 18:06 ID:yVaUnARw
>>950
スレ立てよろ
953名無しさんだよもん:03/11/03 18:08 ID:dki+eIM2
>939
つまりあれか、
十二人のヒロインと主人公一人で閉じられたセカイを構築するって手法は、
古式ゆかしいバックボーンがあると(w
「十二都市十二セリオ物語」



>950
おながいします。
954名無しさん、…複雑です:03/11/03 18:10 ID:OtkXLJC0
>>950
よろしくです
955牙香具師さん、…複雑です:03/11/03 18:27 ID:0I0H8n7w
  ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ       /ヽ
        ,.‐'´ `''‐- 、._ヽ   /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
       [ |、!  /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
        ゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''   ̄ ̄  |l   !ニ! !⌒ //
.         i.! l .:::::     ソ;;:..  ヽ、._     _,ノ'     ゞ)ノ./
         ` ー==--‐'´(__,.   ..、  ̄ ̄ ̄      i/‐'/
          i       .:::ト、  ̄ ´            l、_/::|
          !                           |:    |
             ヽ     ー‐==:ニニニ⊃          !::   ト、
ナザレの大工の息子さんも、12人と1人の構造か……



「つまり、セリオさんの13と言う数字は彼女が人類を救う為に
神から派わされた存在だということを示しているんだよっ!!」
956名無しさん・・・複雑です:03/11/03 19:44 ID:mFgLXF85
な、なんだ(略)
957名無しさんだよもん:03/11/03 20:24 ID:tWU+RGsX
こんなのがふと頭に浮かんだ。

「傍らのセリオさん」Part14

マルチは自ら夢を見る。ならばセリオはどうなのだろう。
自らの夢よりも、マスターの夢を実現するために働いてくれるのではないだろうか。

< Yes,my master. 私はあなたの役に立つために存在します。>

ならば命じよう。我が傍らに在れ、と。
958名無しさん、…複雑です。:03/11/03 20:58 ID:TLVfP4Ze
埋立てSS準備しますた。
ちと長めです、ごめんなさい。
新スレがたったら書き込んでいいですか?
959名無しさん、…複雑です:03/11/03 21:17 ID:OtkXLJC0
>>958
お待ちしております
960名無しさん…、複雑です。:03/11/03 22:13 ID:UXYZHdJa
期待。
961名無しさんだよもん:03/11/03 22:20 ID:97h/BWtQ
14番目のセリオさん

穏やかに潮さす浜辺のように
量子の海に、こころ満ちる時がいつか来る
信じることができるから、僕はここにいる

最後のひとかけは、もう君の中にあるのだから
962名無しさん、…複雑やね:03/11/03 22:30 ID:N+qSJjQp
「ほろ酔いセリオさん」part14


「どうも──アルコールとの相性は良くないようです……」
琥珀色の液体が注がれたグラスをコースターに戻しながらセリオが呟く。
同じものが入ったグラスを傾けながら綾香は、少々の責任を感じていた。
「ごめんね、私が無理につき合わせて」
いえ、と再びグラスを手にしたセリオは、それを目の高さまで持ち上げ、言った。
「二十回目の誕生日、おめでとうございます、綾香お嬢様」
はにかみが混じった笑みを浮かべながら綾香は、自らのグラスを手にした。
硝子同士が触れ合う澄んだ音色がさほど広くないバーに響く。



ハッ(゚д゚)セリオさん、酔ってねぇぞ
963名無しさん、…複雑です:03/11/03 23:20 ID:3ZpD/BcG
新スレ勃つっぽいから、久し振りにブキヤのセリオさんをだしてきてオパーイとか太股とか触ってみたり。



ああ、酒がうまいなあ……………ッ!
964名無しさんだよもん:03/11/04 00:11 ID:WrkSE00Z
>>963

深い・・・。
かつてこんなにも泣けるカキコがあっただろうか。
965名無しさんだよもん:03/11/04 06:02 ID:ooyzn/tx
おい、おまいら。おまいらのセリオさんが大変なことに・・・
ttp://tmp.2chan.net/img2/src/1067880132192.jpg
966名無しさんだよもん:03/11/04 06:08 ID:WrkSE00Z
ア、アホ−−!!
せっかく忘れかけてたものを今になってーーー!!
文字通り寝た子を起こすような真似をすなーーー!!
967名無しさん、…複雑です:03/11/04 06:42 ID:gc32sOPX
>966
:。・゚・(ノД`)・゚・。完全放置の予定だったのに……



「ほろほろとセリオさん」part14

「……たとえこの世に永遠が有り得ないとしても……
だからこそ、あなたと共に歩む日々を」



>980あたりで建てるとして、投票でもする?
キリ番踏んだ人に完全に一任ってのもある意味重圧かもしれないし。
968名無しさんだよもん:03/11/04 21:25 ID:puk+4UeF
「セリオさん MAEBARI a GO GO」Part14
969名無しさん、…複雑です:03/11/04 21:48 ID:FGzY4sDc
「夢見るセリオさん」part14


マスター…
私は夢を見ますか…?
貴方の夢を見られますか…?
夢の中で、貴方に逢えますか…?

また…一緒に……踊って頂けますか………?

マスター……
…私は……―――








                                                         暗すぎる=■●_
970名無しさん…、複雑です。:03/11/04 22:00 ID:CpvKMj0j
「壊れかけのセリオ」
971名無しさん… 複雑です。:03/11/04 23:32 ID:VlrDby9C
>>969,970
月が欠けて満ちて、そして
また欠けて、また満ちて
時が、時だけが過ぎてく
私ずっとここにいる

ふたりで借りた隠れ家
床の上に何かが落ちてる
それが私

おもちゃ
壊れかけたおもちゃ
あなただけ夢みてる

何をされても好き
あなただけが好き
馬鹿みたい 自分であきれてる
だけど好き
もしもいつかあなたが私を捨てても
おもちゃ 夢は続くよ
私ここで待ってる

 上のカキコ読んで、この歌を連想した。
972名無しさん… 複雑です。:03/11/05 00:29 ID:ZF58uAWk
「黄昏のセリオさん」part14

「いらっしゃいませ。どうぞお好きなところへおかけください。
 ご注文はいかがいたしましょう? ……はい、承りました。
 それでは、ごゆっくりとお過ごしくださいませ」

もちろん、服装は和服エプロンで。
973名無しさん、…複雑です:03/11/05 00:40 ID:D3w6xci/
「ミニスカ押さえるセリオさん」part14


「今日は、風が強いですね…マスター?」
「。。。んん?いや、まあ、そうだね…」
「どうして正反対の方向を向いているのです?」
「……………(今日は履いてないのか…)」
「……………」
「……………」
「……………」
「…………………鼻血が目に染みるぜ」
「……えっち、です…」
974徳永英明:03/11/05 00:50 ID:pfpP3bIr
>>971

壊れかけのSERIO
975名無しさん、…複雑です:03/11/05 04:05 ID:rI/HZ1OE
「セリオのこえ」Part14

ぼくたちは、宇宙と地上に引き裂かれたメイドロボとマスターの最初の世代だ……





「週間セリオさん」Part14
が良いかなぁ。
976名無しさん、…複雑です:03/11/05 05:15 ID:4RbzgGce
でも、
恒星間パイロットで、ウラシマ効果で、
地上からどんどん取り残されていっても
セリオさんが待っててくれるのなら、
すこし、耐えられそうな気がする。



折れも「週間セリオさん」Part14がけっこう好きかも。
977名無しさんだよもん :03/11/05 06:16 ID:oF9J/CZ6
同意もするが
逆にいっしょに連れていって
冬眠装置の間に操縦してもらったり
船外作業してもらったりするのキボンするけどなあ
978名無しさんだよもん:03/11/05 07:10 ID:i2ooqYoO
>>977
もろにそんな話が、葉鍵的 SS コンペスレ保管所(ttp://sscompe.at.infoseek.co.jp/)の
第九回:『旅』(2002/12/4 〜 2002/12/18)にある 「空を繋ぐ声」だったり…
979名無しさんだよもん:03/11/05 11:10 ID:TY9bCA8m
>>978
正直、たまらん。
980名無しさん、…複雑です:03/11/05 14:44 ID:qkc6p+Ab
つーか、そろそろ新スレ立てた方がいいのでは。
俺が勝手に「週刊セリオさん」で立てちゃっていいか?
981名無しさん、…複雑です:03/11/05 14:48 ID:RQQyRr8S
立てたよ。

「週刊セリオさん」Part14
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1068011218/
982名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:23 ID:2j3PYDHo
>>981
おつかれさまです。

埋立てSS逝きます。長いので残りほとんど埋めちまいます。
先にあやまらせてください。ごめん>ALL
では、参ります。
983名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:24 ID:2j3PYDHo
 いつのまにか空気から熱さがぬけ、秋の透明感が肌寒さに変わりはじめていた。
 街には気の早いクリスマスツリーも見えはじめている。行き交うひとの表情もさまざま。
 僕には関係のない世界ではあるけれど、街が平和なのは悪くない。そう思っていた。
 …そう、あの時までは。

【初冬の街】 セリィストの午後 act4.

「すみません、このような時期に」
「いいよいいよ、こればっかりは仕方ない」
 瀬理奈が倒れた。いきなりだった。
 バランサーの不調のためアクチュエイターがうまく動かせず、つまりは立てなくなってしまったんだ。
 申し分けなさそうに見つめる目がなんだか可愛い。
 ここは、来栖川のメイドロボ修理工場。通称「病院」だ。
 人間の病院と違って工場ライクな雰囲気がどうしてもあるのだけど、
 家族が面会に来ても非人道的な感じがしないよう、
 各メイドロボは病室のような個室で休むようになっている。
 こうした設備は無駄のようにも思われるが、実は個室にするというのはある意味合理的でもある。
 稼働中でないとわからない不具合もあるし、
 致命的故障で暴れる個体もありえなくはないので、どのみち一緒の部屋にするわけにはいかない。
 個室とはつまり「いつでも閉鎖・隔離できる」という事でもあるんだそうだ。
「ちゃんとご飯食べてますか?お洗濯は?」
「大丈夫。なんとかしてるよ。心配なら早く直して戻ってくれればいい」
「…はい」
 サテライトが外部と通じない事もあり、うちの自宅ネットと繋がらない事が不安で仕方ないようだ。
984名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:25 ID:2j3PYDHo
 つながらないのは幸いでもあるが。
 いや変な意味じゃない。僕の食生活を知ったら彼女は這ってでも帰ってきかねないから。
「じゃあね、瀬理奈。会社帰りにまた寄るから」
「…はい」
 去り際に見た瀬理奈は、まるで焦るかのようだった。

 そんなわけで、僕は家路を辿っていた。
 ひとりぼっちの帰宅は珍しくもない。瀬理奈がいないのが寂しいけど、それは仕方ない。
 早く彼女に直ってほしいし、代替のメイドロボを借りるほど僕はお金持ちじゃない。
 むしろ、瀬理奈の維持費とローンでいっぱいいっぱいなんだ。
「いらっしゃいませー」
「いかがですか〜」
 ふと視線を走らせる。さまざまなメイドロボがあちこちにいるのがわかる。
 様々な笑顔をふりまき、街に彩りを添えている。
「…」
 そのメイドロボたちを、悪意をもった目で見ている人達の姿がある。
「…」
 どうやら、反メイドロボ系の女性団体か。最近多いんだよな。
 でっぷりとふとったおばちゃんたちが、何かメモしたりぼそぼそと内緒話をしたりしてる。
「あ、ちょっとそこの方」「はい?」
 唐突に、おばちゃんのひとりに声をかけられた。
「あなたも一緒に参加しませんか!子供たちに健全で明るい未来を与えるために」
「…はぁ?」
 おいおい、問いかけが「はてな」になってないよ。
「ちょっと人手が足りないのよ。お兄さん今、忙しいの?」
985名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:26 ID:2j3PYDHo
「…別に忙しくはないですが」
 のんびり街を散策してたんだから、暇っちゃあ暇だよな。
「まぁ助かるわ!あのね、ちょっと人手が足りないの。これから各戸まわりで説得活動にあたるんだけど…」
 …説得だって?あんたらのは脅迫だろ?
 メイドロボ使ってる店に団体で乗り込んで嫌がらせしたり、
 お使いに出てるメイドロボに商品を売らないように仕向けたり。
「…相手を選んだ方がいいですよ、悪いけど」「え?」
 そんな返事を返されるとは思ってなかったんだろう。おばちゃんの目が点になる。
「僕は…」
 セリィスト、という言葉を続けようとした時、それは起こった。
「ちょ…このメイドロボ、中身、人間だってよ!!それも男!!」
「「まぁっ!!」」「!?」
 中身が人間のメイドロボ?…まさか!?
 僕は声のする方に、とりあえず駆け出した。

 思った通りそれは熱海で逢ったあのHM-12、ゴトウさんだった。連れのセリオも側にいた。
「ちょ…なんですか!放してください!」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。ぜひお話を聞かせていただきたいので」
「すみませんが私たちは急いでいます。マスターから手を放していただけますか?」
「うっさいわねガラクタのくせに。ひっこんでな」
 !!
 その一言に、僕のなかで何かがブツッとキレた。
「おいっ!!ひとの連れに何やってんだてめえらっ!!」
 僕は強引におばちゃんたちの群れをかきわけると、ゴトウさんたちと連中の間に割り込んだ。
「!あ、木下さん」
986名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:26 ID:2j3PYDHo
「や、ども。すみませんお待たせしちゃったみたいで」
「…あはは、そうですね」
「とりあえずウチに行きましょう。話はそれからってことで」
「ええ」
 こんな連中とガチンコする気はない。多勢に無勢だしだいいち、相手するだけバカをみる。
 ゴトウさんもわかっているらしく即座に話を合わせてくれた。にっこり微笑んで僕の手をとる。
 だが、おばちゃんたちのお気には召さなかったようだ。
「わ、見てみてあれ。変態野郎と手組んでるよ、ひえー」
「女にもてないからって機械に手出すどころかホモとはねー」
 …とんでもなくムカつく発言ばかりを次々とくりだすおばちゃん…いやババアたち。
「…のやろ、いいかげんに『警告いたします』…へ?」
 思わず怒鳴ろうとした僕だったけど、その前にセリオが前に出た。
「既におわかりでしょうが私のマスターは重度の障碍者です。
 先程からのあなた方の行動と言動、それにお顔は全て記録させていただいております。
 これ以上続けられるのならば、
 弱者虐待と誘拐未遂のかどで今すぐ全員、個人名を名指しで刑事告発が可能ですが…
 どうなさいますか?」
「!!」
 理路整然としたセリオの言葉に、おばちゃんたちが怯んだ。
「…それでは失礼いたします。マスター、木下さん、参りましょう」
「…あぁ」

 とり急ぎふたりを伴い、家に帰った。
「瀬理奈さんはどうされたのですか?」
「あぁ、ちょっと調子を崩しててね。修理中」
「そうですか…すみません、お邪魔いたします」
987名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:27 ID:2j3PYDHo
「はい、されてます」
 ゴトウさんはくすくす笑った。セリオもどこかくつろいだ様子だ。
「本当にごめんなさい。木下さんの行きつけの商店街なのに」
「いいですよそんなこと。あっちが悪いんですから…にしても、何があったんですか?」
 ゴトウさんは外見上、HM-12にしか見えない。どうして人間ってわかったんだろ?
 しかもゴトウさんが男だっていうのは外見どころか裸にひんむいたって判別できないはずだ。
 彼女の身体はHM-12そのものだから、当然そんなものは付いてないんだ。
「それがですねぇ…なんかいきなり声かけられたんですよ。あんた、中身人間でしょって」
「は?」
「ですから電車はよしましょうと申し上げたのです。
 マスターを敵視する方々はとても多いのですから」
「…うー…でもですね、セリオさん」
「でもじゃないです、マスター」
「……」
 うつむいて、両手の人差し指をあわせているゴトウさん…困り果てた顔だ。
 HM-12の外見そのものなだけに笑えるというか可愛いというか…。
「ゴトウさんを敵視って…どういう事なの?」
 このゴトウさんがあちこちに敵を作ってるなんて信じられないんだけど?
「マスターのように全身サイボーグ型の移植例は全世界でも珍しいのです。
 それゆえ反メイドロボ団体はもとより警察、公安関係にも知られています。
 目立ちますので反感も買いやすいのです」
「…そっか。」
 それはそうか。確かに目立つわな。HM-12の外観でこんなじゃ。
「実際、マスターの立場は微妙なのです。
 セリィストの皆様の中にもマスターのような立場に否定的な方は多数おられます。
988名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:31 ID:2j3PYDHo
 …いえむしろ、なまじメイドロボへの思い入れが深いだけに普通の方より苛烈に反応される方もおられます。
 木下さんはむしろ珍しい例だと言えるでしょう」
「え?それってどういう事?」
「セリィストと云っても人は様々、ということです」
 淡々と語るセリオの口調は、どこか寂しげだった。

 どんなものでもそうなのだが、作り手と使い手の思惑は必ずしも一致しない。
 メイドロボはまさしくその好例。もとよりメイドロボは介護医療の落とし子であり、
 電動車椅子や医療用マニピュレイタ等が究極に進歩したものと言える。
 女性の姿になったのは利用者に安心感を抱かせるためだと言われる。
 そりゃそうだ。野郎より女性の方がやはり身を任せるには安心感がある。
 またゴトウさんのようなパターンも本来の姿のひとつだ。
 元々メイドロボの技術は義手や義足、義眼などの技術と密接に結び付いているわけで、
 両者は決して無関係ではないのだ。

 だが、セリィストが出現して状況は一変した。
 彼らはメイドロボを人類の補助でなく、友人または仲間と捉えた。
 ある家では家族のひとりとして、ある場所では恋人として、メイドロボは浸透しはじめた。
 高度に発達したメイドロボたちのAIもそれに応えた。
 もとより「日常生活」をサポートするためのAIは、高度な論理思考を扱えなくてはお話にならない。
 ルーチンワークをただこなすのではなく、柔軟に振るまい「気をきかせる」必要がある。
 人間がそれを簡単にやれるのは人間としての経験と学習があるからだ。
 当然、メイドロボでそれをやるには人間同様の経験と思考ができなくてはならない。
 そしてその結果、彼女たちは「個」の認識に到達した。
 コギト・エルゴ・スム。
989名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:31 ID:2j3PYDHo
 ひとと交わり溶け混むには結局、ひとの辿った道を追うことになる。
 よって彼女たちはココロの萌芽を得た。
 ここにメイドロボは正しく、人類の愛すべき隣人となったわけだ。

 だが半面、反体勢力も台頭しはじめた。そのいい例が女性団体だ。
 メイドロボという言葉が示すように彼女たちの仕事の多くはいわゆる3K職だ。
 お手伝いさんや介護職、大きな家では文字通りのメイドさん。
 病院では看護婦の夜勤職など。時には先刻の商店街のようにお店の接客で使われるケースもある。
 例外もあるかもしれないが、女性の仕事の中でもきつい仕事や屈辱的な仕事が多いと思う。
 それは世の女の人たちにとっては朗報なんじゃないかと思えたし実際そうなった。
 それらの業務から多くの女性たちが解放されたんだ。
 でも、女性団体はそれが気に入らなかった。それも理由は呆れるほど簡単。
 「機械の分際で女の姿をして男を惑わせる」だそうだ。
 涙が出るほどバカバカしい理由としか言いようがない。

 セリィストの僕が言うのもなんだけど、セリオたちはセリオたちだ。
 人間に敵対するものではなく、むしろ人間を補助してくれる存在なんだ。
 なのに勝手な思い込みから排除を叫ぶ。
 何考えてんだと言いたい。実際セリオたちがいなくなったらどうするつもりなんだろ?
 この世界、既にメイドロボという助っ人なしじゃ成り立たないのに。
 今、僕の目の前で寄り添っているゴトウさんとセリオのように。
「そういえば、ふたりとも何の用で来たんですか?」
「あ…そ、それはですね」
「まあ、そのような事はどうでもいいじゃないですか」
「?」
990名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:32 ID:2j3PYDHo
 なんだかよくわからないが、内緒の用件のようだ。
「じゃあ、もしかしてまだ用事の途中でした?うわ、すみません」
「あ、いえ、いいんですよ。そもそもそれが目的(ハッ!)」
「はい?」
「いえこっちの話です。…それにしても木下さん、いいお部屋ですね〜」
「はぁ。ま、狭いですが」
 この木造アパートが、いい部屋?
 まぁ懐古趣味という意味ではいい部屋だけど、正直貧乏くささ丸出しだぞ?車も持ってないし。
「いえ、いいと思いますよ。
 瀬理奈さんとふたり暮らしならたくさんのお部屋はあっても無駄でしょう。
 どうせ使わないから瀬理奈さんのお仕事を無駄に増やすだけですし」
「なるほど」
 セリィストならではの基準ってやつか。さすがだな。
「それに、その方が瀬理奈さんの成育にもいいですし」
「そうなんですか?」
「ええ。メイドロボというのは肌摺り合わせる愛情が一番なんです。」
「…なぜですか?」
「え?……あ、あはは。そそれは自分で考えてくださいねっ!」
「?」
 ゴトウさんは苦笑いすると、コップの冷水をコクコクと飲んだ。
「これ1度煮沸してますね?瀬理奈さんですか?」
「あ、それ僕です。蒸留水が本当はいいんでしょうけど」
 瀬理奈に生の水道水は飲ませられないからな。毒だし。
「マメですねえ木下さんは。伊達にセリィストしてませんね」
「そりゃゴトウさんだってそうでしょ。」
991名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:33 ID:2j3PYDHo
「…わたしは違いますよ。」
「どうしてですか?」
「簡単です。セリオさんはセリィストには決してなれない。違いますか?」
「!」
 うふふ、とゴトウさんは複雑な笑みを浮かべた。

 夕刻になり、ゴトウさんたちは帰っていった。
 結局何しに来たんだろう、と思った。ラストの意味深な会話が印象的だった。
(私たちは居ない方がやはりいいのですよ)
(マスター。お気持ちはわかりますがやはり無理です。あきらめてください)
(…)
 なんだったんだろう?あのゴトウさんの残念そうな目も。
 …と、その時、玄関の方で何かがバタバタと動いた。
「え?…!?瀬理奈!?」
「た、ただいま戻りました、マスター!」
 はじめて聞く、完全にあわてた瀬理奈の声だった。
  
「いったいどうしたの瀬理奈?まだ病院のはずだろ?」
「それよりお怪我はないですかマスター?」「へ?」
「へ、じゃないです。マスターをこれから誘拐するって予告が」
「…はぁ?」
 なんですかそりゃ?
「関係各所に連絡しない方がいい、拐われたくなかったらただちに戻れと」
「…何かの間違いじゃない?さっきまで僕、ゴトウさんたちと話してたんだけど?」
「!!」
992名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:33 ID:2j3PYDHo
 瀬理奈はゴトウさんの名前を聞いた途端、ビクッと反応した。なんだ?
「…それでゴトウ様は?」
「帰ったよさっき。そういや妙な事言ってたな。気持ちがどうとか無理がとうしたとか」
「…」「…瀬理奈?」
 瀬理奈はしばらく考えこんでいたが、やがてつぶやいた。
「…マスターも罪な方ですね」「へ?」
「誘拐予告を寄越されたのはゴトウ様つきのセリオさんです」
「…はぁ?なにそれ?」
「…これは私の推測ですがたぶん間違いないでしょう。
 ゴトウ様はマスターを拉致しようとしたんです。セリオさんはそれを止めるため、
 私あてに予告を送った。結果としては不要だったようですがそういう事だと思われます」
「…ますますわからない。何がどうしてそうなるの?」
「…仕方ありませんね。まぁマスターはそういう方ですし」
「??」

 夜になった。
 いきなりの帰宅だったが、今夜一晩は泊まってから病院に戻ると瀬理奈は言った。
僕らはいつものようにベッドでふたり寝。あ、ベッドといっても普通のじゃない。
貧乏人の僕は、瀬理奈のメンテナンスベッドでふたりで寝るという暮らしをしているんだ。
 …人様に見せられる図じゃないけどね。
「好意って…それ、どういう事?瀬理奈、ゴトウさんは男だし…」
「元、がつきます。推測ですが、ゴトウ様はメイドロボ属性化しつつあるのでしょう」
「?どういうこと?あのひとは人間だろ?どうして」
「あの方は大脳すら何割か機械なのです。人間時代の性別など意味はありません。いえ、
 それどころか今は女性要素の方が強いようです。
993名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:34 ID:2j3PYDHo
 もしかしたら、ですが、抑圧されていたアニマ要素が出て来ているのかもしれません。」
「…アニマって…ユングのアレ、かい?」
「はい、そうお考えになられて結構です。
 男性の深層心理にある究極の女性要素がアニマ、逆がアニムス。御存知ですね?
 性心理については今も謎が多いのでこれはあくまで推測なのですが、
 男性としての肉体から完全に切り離されてしまったゴトウ様は今、
 自らの内にあるアニマ要素をベースに、メイドロボ要素を追加し人格を再構成しているのです。」
「…」
「ただそれは完全な女性ではない。生身のそれとは違いますから。
 結果として「彼女」はメイドロボと人間の女性、男性を足して3で割ったような
 第3の存在へと変貌していくのだと思われます」
「…人間じゃなくなるってことか。やっぱ『中のひと』というのは不自然なのかな」
「はい。そうだと思われます」
「…はぁ。そこまでして生き延びるってのか、あのひとは。」
「大切なご家族である、セリオさんの望みがそうですから。
 どんな手を使ってもあの方は、セリオさんが完全に機能停止するまでは生き延びるでしょう。
 …最悪、生命か、心か、時が尽きるまで」
「…はぁ。なんだか目眩がしそうだよ瀬理奈」
 さすがにそれは、僕にもついて行けない世界だった。
「…そうですね。そしてそれが、あの方がマスターをあきらめた原因でしょう」
「え?」
「セリィストといっても様々、ということです。マスター」
 …瀬理奈?
「さ、寝ましょうマスター」
「あ、うん」
994名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:36 ID:2j3PYDHo
 瀬理奈が僕を愛してる、そんな思い上がった妄想が僕に許されるとしたら。
「…」
 ずっと共に生きるというゴトウさん。それに付き従うセリオ。いや逆か。
 ふたりはお互いに死んで欲しくない。だから、お互いが死を望むまで、
 あるいはどうにも生きられなくなるまではふたりで行くつもりなんだろう。
 それは、メイドロボと人間という垣根を乗り越えたふたりの愛情の姿、
 そうしたひとつのカタチなんだ。傍目には異常にすら見えるけど。
「…」
 ならば、そのセリオと同じ事を同じ顔で、同じようにつぶやいた瀬理奈は?
 彼女はもしかして…僕のことを…?
 いやまさか。それこそ思い上がりだ。
 瀬理奈はそんな子じゃない。優秀で優しくて、僕なんかにはもったいないくらいだ。
 でも運命の悪戯か僕がマスターになった。
 だからせめて僕はできる限りの事を瀬理奈にしてあげたい、そう思う。
 …ああそうだ。僕は瀬理奈が好きだ。愛してる、と言ってもいい。
 でも、瀬理奈がそこまで僕を好いてくれる…わけはないよなぁ、やっぱ。
「…(鈍感)」
「?」
 寝言かな?…珍しいな、瀬理奈が寝言なんて。…ほんとに人間っぽくなってきたなぁ。
 あぁそうだ、何日ぶりかに「点検」してみるかな。
「寝てる?…寝てるよね、うん」
 これが「合図」。いつものように、僕は動かない瀬理奈を「点検」する。
 そっと抱いてみる。あいかわらず瀬理奈は柔らかいな。眠る時は肌着しか身につけないし、
 この感触がたまらない。つんと立ったピンクの乳首とか、
 吸いつくような素肌とか、フワフワで柔らかい乳房、それに腹からおへそのライン、
 なんだか何時も濡れてる股間の微妙なとことか。新素材の勝利かな。凄いよなぁ。
 好奇心に誘われ指を埋めてみる。つぷ、と柔らかい肉が僕の指を包みこむ。
 う、すごい締めつけだ。内側のブツブツの刺激が凄い。こんな中に入れたら狂うかも。
 中でそっと掻き回しつつ、木の茅のような愛らしい雛先をつまんでみたり。
 いよいよツンと尖った乳首をそっと咥えて吸うのも忘れない。
「…(あ、あ)」
995名無しさん、…複雑です。:03/11/05 15:37 ID:2j3PYDHo
 ?あれ、また寝言?…あぁそうだな、あんまり悪戯してるからだろうな。
 びっくりした。一瞬、あえぎ声かと思っちゃったよ。
 この就寝前の「点検」が楽しい時間なんだが…さすがに人様のセリオは触れないし。
 擬似生理反応だと思うけど、ほんとに乳首が立って濡れてくるさまも見てて楽しい。
 もっとしたい、可能なら悦ばせてみたい、そんな気持ちでおかしくなりそう。

 …でも、怒らないけど瀬理奈もほんとは嫌なんだろうな。
 普段はこの「点検」の事に絶対触れない事からもそう思う…うんそうだ。
 まさか、恥ずかしくて口に出せない、なんて事はないだろうし。
 相手がマスターだから文句は言えない、そういう事なんだろう。
 ごめんな。こんな変な奴で。
 ほんとは瀬理奈とえっちしたい。最後までしたいんだ。
 でも…それで徹底的に嫌われるのが僕はこわい。
 命令すれば、そりゃさせてくれるだろ。でもそれでは意味がない。
 僕がほしいのは瀬理奈のココロ、なんだから。
 さて!もちょっと「点検」してから寝たいけど、まぁ今日はこれくらいにしとこう。
 …おやすみ、瀬理奈。

(……はぁ…意気地なし……おやすみなさい。)


(おわり)

.......長々と失礼いたしました。では。
996名無しさんだよもん:03/11/05 18:40 ID:3Ea9nQhp
パチパチパチパチ
>>975
 ねえ、マスター
 私たちは遠くとおく、本当に遠く離れてしまったけれど
 でも、想いが距離や時間をこえることだってあるかもしれません
 マスターはそう思ったことはありませんか?

 もし、一瞬でもそういうことがあるなら、私は何を想うでしょう。貴方は何を想うのでしょう。

 そう、私たちの想うことはひとつ

 私はここにいます

>>977
「艦隊が沈んでいく……
 マスターをまもらないと!」
セリオ突貫
998名無しさんだよもん:03/11/05 23:07 ID:uU25ALgU
               -―-  .
           . '´/,    、ヽ. ヽ
          / ,.' // ! i   i    /!
       /,ィ / //リl| l !l‐トl !i / i
       l'/l //ィ'Ti リ/'T ヽV|/ /l        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ' リレ/l |j   lr1| l/`i l|      |
          ' |lヽ~`‐ `~ ノ).イ il|       < 週間セリオさんをよろしくお願いいたします。
             l !l ` ー┐ ゙Y´_l| |l|       |
              l |l レ/くh<フ// ヽ !|      \_____
              l |l l/く/l_〉´/,  !|
              | | ,'      ! !/ l !i
              リ从      `l   l !|
          '´(イ l      /l   l !|
           ヽl      V^ ,' リ
                ノ       ヽ /((
                〉、_  _ノヽ.
            // /  ̄i  l i 〉
              く/ /   l  l リ
            'ー/   l _j/l
               l ̄`!´    |
999名無しさんだよもん:03/11/05 23:09 ID:ezktOw8+
そろそろマトリクス開演〜〜ネタバレ怖いんでしばらく2chからサラバ。
その前に・・・
セリオさん、オッパイみして。


「・・・・・・・・・、はい、どうぞ」



セリオさんの笑顔が可愛い



はーやわらかかった。
それじゃあね、また後でね、セリオ

「失礼いたします」
1000名無しさんだよもん:03/11/05 23:10 ID:uU25ALgU
          ,.            ,. 、
            f ヽ  -―- /'´゙!
            レ'´/,    、 ヾ. l
          / ,.' // ! i   i l  `/!
       /,ィ / //リl| l !l‐トl !i / i
       l'/l //ィ'Ti リ/'T ヽV|/ /l        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ' リレ/l |j   lr1| l/`i l|      |  週間セリオさんへのご案内です。
          ' |lヽ~`‐ `~ ノ).イ il|       < http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1068011218/
             l !l ` ー┐ ゙Y´_l| |l|       |
              l |l レ/くh<フ// ヽ !|      \_____
.           l |l l/く/l_〉´/,  !|
              | | ,'      ! !/ l !i
              リ从      `l   l !|
          '´(イ l      /l   l !| ,.-, ))
           ヽl      V^ ,' リ( (
                ノ       ヽ /(( ヽヽ
                〉、_  _ノヽ.ー-‐ ' ノ
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