葉鍵的 SS コンペスレ 10

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347名無しさんだよもん
俺のアツイ思いを受け取れ
348名無しさんだよもん:03/08/27 00:40 ID:4tiao+GL
シロップみたいな甘々感想と貶すためにある辛口感想とを選べるオプションプレゼント。
349 ◆G2/Yj5eh5U :03/08/27 01:02 ID:2SctEW2I
投稿します。
テーマは「旅」+「絶体絶命」?
タイトルは「旅路の果てに」
350旅路の果てに:03/08/27 01:03 ID:2SctEW2I
 長い長い、俺の旅は終わった。
 旅路の果てに、俺はとうとう見つけた。
 翼を持つ少女を。
 俺の目の前で、少女は不思議そうに首をかしげながら、俺を物珍しそうに見ている。
 その背にあるのは、間違いなく、翼。
 純白に輝くその羽根からは、俺ですら感じることの出来る神々しさで溢れている。
 これからどうすればいいのか、なんてことは少しも思いつかなかった。
 俺の旅が終わった。
 そのことへの感慨と、いくらかの寂寥感、そして達成感で俺の心はいっぱいだった。
 しかし、ふと思う。
 俺は本当にこれでよかったのだろうか?
 もしかしたら、俺はどこかで選択肢を間違えたりはしなかったのか?
 もっと、他の結末が用意されていてもおかしくないのではないだろうか?
 これは何かの間違いで、俺の人生はもっと他の選択肢があったはずじゃないのか?
 せっかく翼を持つ少女を発見したと言うのに、頭の中にはそんなよけいな考えが生まれてきてしまう。
 駄目だ、そんなことを考えるな、俺。
 せっかくここまで辿り着いたんじゃないか。
 ほら、鉄格子の向こうには、翼を持つ少女が2人もいるじゃないか―――

「ねぇウルト姉様。この黒くて目つきの悪い人、誰?」
「分かりません。行き倒れのようです。……ですが見るからに怪しい人物ですから捕らえておきました。
 カミュ。ここはひとつ、ハクオロ様の元へ連れて行きましょう」
 
 …
 ……
 ………

 なんだか知らないが、これはなんだかヤバイ状況ではないだろうか。
 違う。絶対に何かが間違ってるぞ。
 どこで俺は選択を誤ったんだ!?
 
 俺は一体、ど う す れ ば い い ん だ
351 ◆G2/Yj5eh5U :03/08/27 01:04 ID:2SctEW2I
以上、一発ネタ『旅路の果てに』でした。
352 ◆/T.9VQZiKc :03/08/27 03:45 ID:+LIxO7Gx
投稿させて頂きます。
ONEの浩平視点、9レス予定。
353Runner:03/08/27 03:46 ID:+LIxO7Gx
「ママー、あのお兄ちゃんなんであんな格好で走ってるの?」
「シッ、目を合わせちゃいけません!」
 むう。危ない奴扱いとはなんたる屈辱。
 今すぐ引き返して釈明したい所だが、それをぐっと堪えてひた走る。
 もっと、早く。もっと、速く。
 あいつのいる、あの場所へと――

 事のはじまりは一本の電話。着替え終わって部屋を出ようとした所、携帯がぶるっと振るえたのだ。
「この電話番号は、現在、使われておりません」
「思いっきり出てるじゃないのよ!」
 相手は七瀬。学生時代の友人だ。
「突っ込みの早さは相変わらずだな。だがそろそろ他の返しも覚えないと、立派な芸人にはなれないぞ」
「なるかっ! ……じゃなくて、折原。あんた今どこにいんの?」
「どこって……いつもの店だが?」
 この時間帯なら決まってるだろうに。変な奴だな。
「瑞佳とか住井からなにも聞いてないの?」
「オレがこっちにいるの、あいつら知らないだろ?」
 そう。オレは今、一人暮しをしている。由紀子さんと七瀬にだけ事情を伝え、あいつには手紙を送り、家を出た。
 だから他の奴から直接オレに連絡がくることはない。七瀬もそれを承知しているはずなんだが……。
「それもそっか」
「で、なんの用なんだ?」
「ああ、そうそう。実は……え、あ、ちょ、ちょっと!」
354Runner:03/08/27 03:47 ID:+LIxO7Gx
「やっほー、折原君。元気?」
 唐突に通話相手が切り替わる。この声は確か、
「柚木か?」
「ぴーんぽーん。大正解。でも折原君も酷いよねー。全く連絡ないと思ってたら七瀬さんとだけ話してるなんて。もしかして不倫?」
「違う! というかオレも七瀬もまだ独身だろうが!」
「ところで今日は来ないの? 結婚式」
 全く無視かよ。って、結婚?
「誰の結婚式なんだ?」
「住井君に決まってるよー。折原君も変なこと聞くよね」
 決まってるのか。しっかし住井が結婚とは。なんか全然イメージ出来ないんだが。
 まあ基本的にいい奴だから、相手が誰であれ幸せにしてやれるだろ。……ん、そう言えば。
「住井の相手って誰なんだ?」
「…………」
「柚木?」
「…………」
 それまで饒舌だった柚木が、ぴたりと口をつぐんだ。
 沈黙。何故だかそれが、とても不吉なものに思える。
「おい、どうしたんだ」
「商店街の近くに教会があったよね。あそこで式をあげるんだよー」
 明らかに取り繕ったような口調で、別の話題へ方向転換。不安感が増大する。
「そんなことを聞いてるんじゃない。相手だよ、住井の」
「……ふう。わかった。折原君も強情だねー。聞いて後悔しない?」
「何でオレが後悔せにゃならんのだ。いいからさっさと教えろ」
 強気な台詞とは裏腹に、携帯を握る手に汗がにじむ。
「わかったよ。住井くんのお相手は……なが」
355Runner:03/08/27 03:48 ID:+LIxO7Gx
 がちゃん。唐突になにかを落とすような音と共に、通話が途切れた。
「おい、柚木っ!」
 登録番号から七瀬を選び出し、すぐさまこちらからかけ直す。通じない。電源自体が入っていない?
「くそっ」
 衝動的に沸いた携帯を叩き付けたい気持ちを必死で堪え、柚木が話していた最後の台詞を反芻する。
 『なが』で始まるオレの知人。心当たりは一人しかいない。
 けど理由は? あいつがオレに黙ってそんなことを決めるはずがない。しかし、オレは連絡先を教えなかった。
 押しの弱いあいつのことだ。頼れる相手のいない状況で強気に迫られたら、ついふらふらと……って、オレが信じてやらないでどうするんだ。
 ……こうして考えていても埒があかん。電話で問い質そうにも通じない。なら、直接会いに行くまでだ。
 オレは更衣室を出て
「店長、折原浩平、早退しますっ!」
 店の奥に一声かけ、そのまま外へと飛び出した。

 しゃ、シャレにならんっ。
 目の前の扉に手をつきながら、息を整える。
 電車を乗り継ぎ、後ろ指を差されながらも走りに走って目的地である教会に到着した頃には、既にオレの体力は限界にまで達していた。
 完全なる運動不足。強制チキンレースだった学生時代が懐かしい。
 しばらくその体勢で固まっていたが、ようやく人心地がついてきたので、一つ深呼吸して扉に向き直った。
 中の一切覗えない、木造の頑丈そうな扉。場所柄か、実際の大きさ以上に威圧感を受ける。
 ともすれば萎え勝ちとなる気力を必死で振り絞り、観音開きである両側面に手をついて、ゆっくりと押し進めた。
 軋んだ音を立てて、扉はゆっくりと開かれる。

 薄い光の差したそこには、誰の姿も見当たらなかった。
356Runner:03/08/27 03:49 ID:+LIxO7Gx
「間に合わなかったか……」
「浩平っ」
「当然だな。今まで散々ほっぽり出しておいて、虫が良すぎるか」
「浩平っ、浩平っ」
「結局、オレのしてきたことはただの自己満足だったワケだ。笑い話にもなりゃしない」
「浩平っ、浩平っ、浩平っ」
「だあっ、人が感傷に浸っとるのにうるさいわっ」
 振り返った瞬間、腹部を重い衝撃がおそった。
 酸素が肺から排出され、思いっきり咳き込む。
 飛びこんできたのは、
「長…森?」
 オレが捜し求めたあいつ。長森瑞佳、その人の姿だった。

「なっ、なんでお前が居るんだ? 結婚式はどうなった? それに住井は?」
「柚木さんからここに残るように言われたんだよ。結婚式は無事に終わったもん。住井くんは二次会に行ってるはずだよ」
 矢継ぎ早に繰り出した質問に、笑顔で答える長森。そのまなじりにはうっすらと涙がにじんでいる。
 しかし長森に残れってのはどういうことだ? 新郎放置でいいのか?
「……住井と一緒に行かなくていいのか?」
「なんで? 佐織に怒られちゃうよ」
 は、佐織? なんでここで稲城の名前が出てくるんだ?
「浩平、どしたの?」
 長森の問いかけを視線で黙らせ、脳細胞をフル回転。結婚した住井、七瀬からの電話、待っとくように言われた長森、怒る稲城……。
357Runner:03/08/27 03:49 ID:+LIxO7Gx
「ゆ〜ず〜き〜」
「あーあ、もうばれちゃったのかー」
 オレの声に答えるように、花壇の影から柚木と七瀬が姿を現した。
「七瀬、お前もか……」
「お、折原っ。あたしは止めたのよ。でも柚木さんが……」
「あーっ、七瀬さんずるいんだぁ。あんなに楽しそうにしてたのにぃ」
「二人とも同罪だっ。オレが一体どんな気持ちで」
「えっ、どうなってるの? えっ? えっ?」
 この中で一人、長森だけが状況を把握出来ていないようだ。

「と言うわけで、折原君は見事に勘違いしてここまできちゃいましたー」
「あの言い方だったら誰でも間違うわっ」
 そう、オレは引っかけられた。中途半端に携帯が切れたのは、柚木が誤って落としてしまった(と主張している)ため。
 話題を突然変えたのは、友人の結婚を知らなかったオレを気遣う(と主張している)ため。
 そして最後に言いかけた台詞は、「長森さんの親友の稲木さんだよっ」だったらしい。
 偶然七瀬が電話してるのを見てそこまで考えるとは……もはや怒る気にもなれん。
「あんた、由起子さんなり他の友達なり、別の人に確認するって考えは思い浮かばなかったの?」
「きっと長森さんのことが気になってそんな余裕なかったんだよ」
「なっ」
「じゃ、長森さん。あたしと七瀬さんは先に行っとくねー」
「え、あ、ちょっとちょっと!」
 柚木は意味深な笑みを浮かべ、七瀬を引きずりながら去っていった。
 後に残されたのはオレと長森。なんともいえない微妙な空気が流れる。
358Runner:03/08/27 03:55 ID:ncBgNpB4
「……騒がしい奴らだったな」
「浩平、さっき柚木さんが言ってたこと本当?」
「あん? なんのことだ?」
 明後日の方角を向いてすっとぼけるオレ。長森はさらに言葉を続ける。
「うん、それじゃあ別の質問するね。なんでわたしに黙って家を出ちゃったの?
 どうして今まで連絡くれなかったの?」
「えーっと」
 適当にはぐらかそうかと思っていたんだが、長森の真剣な表情を見て止めた。
 こりゃある程度は答えないと、納得してくれないな。
「あの手紙に書いてあった通り、やりたいことが見つかったんだ」
「それは、ここじゃ出来ないことなの?」
「ああ」
 お前の近くじゃ意味がないんだよ。
「わたしに知られちゃいけないことなの?」
「ああ」
 お前にバレたら意味がないんだよ。
「今の浩平の服装に関係があるの?」
「ああ」
 オレの服装にって……うおっ!
「それってコックさんが着ている白衣だよね。アルバイトでもしているの?」
「いや、その、なんだ」
「浩平、答えるんだよっ」
 長森は一見優しげで、何を言っても許してくれそうな雰囲気を漂わせているが、その実芯が強く、自分がこうと決めたことは決して曲げない強固な意志を持っている。
 そのおかげでオレもこの世界に帰って来れたワケだが、今回ばかりは嬉しくない。
「浩平っ!」
 結局オレは洗いざらいぶちまけるハメとなった。オレ弱っ。
359Runner:03/08/27 03:55 ID:ncBgNpB4
「浩平、そんなこと気にしてたんだぁ」
「お前、男の決意をそんなことの一つで済ませるか!?」
 『えいえん』より帰還したオレは、結局出席日数が足りなくて留年した。
 その間に長森は全国大会常連の音大へと進学し、吹奏楽部にて一年生ながらレギュラー入りするという快挙まで成し遂げていた。
 さほど頭の良くないオレが進学するなんて、予備校でも通わない限り難しい。
 かといってこれ以上、由起子さんに負担をかけるわけには行かない。
 どうすれば今の長森と釣り合えるようになれるか。オレは悩みに悩んだあげく、今の道を選んだ。
 以上、身振り手振りを交えた10分近くにも渡る告白を、長森は一言の元に切り捨てた。
「だって、そうだよ。全国大会ったって何百人も出ているようなものだし、うちの高校の進学率もそれほど高くなかったし。なにより浩平のキャラクターに合ってないもん」
「……」
 こいつ、オレのことを何だと思ってやがるんだ?
「それで、なんで中華料理店で修行しようなんて思いついたの?」
「おいおい、長森が勧めたんだろうが」
「えっ、わたし?」
 本気で心当たりがないといった感じで首を傾げる長森に、溜息をつきながら説明してやる。
「前にチャーハン作ってやった時、お前褒めてくれただろ?
 『浩平、美味しいよ。これならすぐにでもお店を持てるんだよ』って」
 オレがそう告げると、長森はあっと叫んで口元を押さえた。
「ん、どうした?」
「えーっと……言っても怒らない?」
「それは内容を聞いてみないとわからんな。が、とりあえず言わないと怒るのだけは確実だ」
「うーっ、そんなんだぁ……」
 長森はしばらくの間逡巡していたが、ようやく意を決したのか、恐る恐る口を開いた。
360Runner:03/08/27 03:56 ID:ncBgNpB4
「浩平……」
「なんだ」
「あれ、嘘。お世辞。実はあんまり美味しくなかったんだよ」
「はぁ?」
「浩平が初めてわたしのために料理を作ってくれたのが嬉しくて、それで……浩平っ!?」
 急に地面へとへたりこんだオレに驚いたのだろう。長森が声を張り上げる。
「いや、大丈夫だ。ちょいと自分が情けなくなってな」
 俯き加減で自嘲気味に笑いながら、言葉を続ける。
「勘違いして空回りして迷惑かけて……オレって最高に格好悪いよな」
 その時、オレの視界がやわらかいものに包まれた。のろのろと頭を起こす。
 そこにあったのは、全てを慈しむかのような微笑みを浮かべた長森の顔だった。
「それって全部わたしを思ってしてくれたことだよね? 浩平は全然格好悪くないよ。
 ううん、むしろこっちこそ浩平の悩みに気付いてあげられなくてごめんね」
「長森……」
「浩平……」
 そのままゆっくりとお互いの顔が近づき、そして――
361Runner:03/08/27 03:57 ID:ncBgNpB4
「うんうん、こうしてHappyENDを迎えられるのもう詩子さんのおかげだよねーっ」
「……結果的に見ればそうなるのかしらね」

「お前らっ!」
「うひゃっ」「ひんっ」

 振り向きざまに(何時の間にか教会の裏手に回って)こちらを覗きこんでいた二人を怒鳴りつけ、勢いよく立ち上がる。
「え、あれ?」
 また状況を見失ってるのだろう。未だにきょとんとしたままの長森の手を取り、オレはゆっくりと足を踏み出した。
「さってと。オレたちも二次会行くか」
「あ、そだね」
 そのまま二人肩を並べて歩きながら、オレは何気はなしに呟いた。
「長森」
「なぁに?」
「これからもよろしくな」
「……うんっ!」
362 ◆/T.9VQZiKc :03/08/27 04:01 ID:ncBgNpB4
>>353-361
以上、「Runner」でした。

この時間帯は規制が厳しい…。
363 ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:13 ID:Zi81F1qm
これから作品を投稿します。
痕もので、長さは18レス。テーマは「夢」「結婚」「キス」「嘘」などです。
タイトルは『夢の迷宮』です。
364 ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:15 ID:Zi81F1qm
 夜が来る。たとえ世が不平等に満ちていても、時だけは万人に等しく流れる。昼
の間は蝉たちが異性の気を引こうと、盛んに声を張り上げていたがそれも止み、人
の手になる物以外でそれと知覚できるのは、鈴虫の鳴き声と真円を描く月くらいの
ものであった。
 満月に煌々と照らされた家々の中に、この辺りではひときわ大きな屋敷があった。
裕福なだけでなく喧嘩沙汰でも無類の強さを誇るという理由で、土地の者から信頼
と畏怖を受けてきた家系である。もしも古老に話を聞けば、三代前の家長が若い頃
にどんなやんちゃを働いたかを、嫌というほど聞かせてくれるだろう。
 普段はその屋敷に住んでいるのはうら若い女性ばかりであったが、六畳の一室で
布団を乱暴に肌蹴て惰眠を享受しているこの人物は、紛れもない男性であった。男
は四姉妹の長女の従兄弟にあたり、名前を柏木耕一という。
 時は、草木も眠る丑三つ。墨を流したような空間で、やがて扉の取っ手が回りド
アの微かな軋みと共に、ゆらりと蠢く人影がひとつ。
 事件はこの部屋から始まる―――。

 耕一は夢を見ていた。
 異国の地で勇猛な武将となって酒を飲んでいた。銀の杯をくいっとあおって、一
気に飲み干す。他の者たちが酒と肉に酔い痴れているのに、一人だけ浮き上がって
いるような感覚に囚われる。数百人は入りそうな大広間は暑い季節ということで窓
は開け放たれ、金の燭台の上に点された蝋燭の炎は時々風を受けてゆらめいている。
踊り子たちは艶やかな衣装を纏って音楽に合わせてひらひらと舞い、なみいる参加
者たちの喝采を浴びる。
 耕一は前開き型の足首まである長衣を着ているが、なんとなく気分が落ち着かな
い。というのも宮廷の儀式があまり好きではないので、軍議以外では滅多に王宮に
出仕しないからだ。特に冠をかぶるのは嫌で、こんな物より兜の方がずっとましだ
ったが、これも礼儀の内だから仕方がない。
365(2) ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:17 ID:Zi81F1qm
 そんな彼が上座に近い所に座っていられるのは、戦場でのめざましい功績のお陰
あろう。大臣たちが彼を煙たがり、職を追おうと画策しているというのも、ただの
噂では無いのだろう。
 こんな王宮、ただ一つの心残りがなければいつ飛び出しても良いのだが―――と
上座の最奥部を覗き見る。両肩に太陽と月を象った衣服を着ているのが王。その傍
にいる美貌の寵姫が、王のために酌をしている。彼はこの国の支配者の寵愛を受け
ている女性に、恋慕しているのだ。
 傾国という言葉はあの方のためにあるのだろう、と彼は思った。佇まいは控え目
であるのに、その眉目は人々の目を惹き付けずには置かない。彼女の着ている絹の
長筒袖の上衣や宝飾品はそれぞれが千金に値するものであったが、それでさえ彼女
の美しさの引き立て役にしかなっていないようだった。
 彼女の事を考える度に胸の奥は苦しくなり、彼女を触りたい、抱きしめたいとい
う欲望が湧き上がって来るだった。他の者と会話をしている間にも視線は彼女を追
い、自分と彼女以外の世界は色彩を失っていくように感じられた。
 その時であった。一陣の風が窓から吹きすさんで宴会場を駆け回り、蝋燭から輝
きを次々と奪っていった。僅かな月明かりの他は暗闇を妨げる物は無く、人々のど
よめきだけが耳に飛びこんで来る。
「何も見えないぞ!!」
「誰か!!明かりはまだか!!」
 彼はふいに衝動に突き動かされて自分の席を離れ、先程までの記憶を頼りに漆黒
の海を泳いで上座に近付いた。自分は何をやっているんだろうという思いと、この
機会を逸したら一生思いを遂げる事は無いのだという思いが交錯して、彼の頭は破
裂しそうだった。暗闇の中で寵姫を抱きしめ、「あっ」という声に構わず慌しく唇
を奪う。
366(3) ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:19 ID:Zi81F1qm
 耕一は目を覚ました。
「……夢か」
 寝室にいた。彼が滞在している間だけのもので、洋式だがベッドは無くフローリ
ングの上で布団を敷いて寝ている。先程まで存在していたものは何も無かった。踊
り子も楽隊もいない。ただ一つ、彼の嗅覚を刺激する酒の臭いを除いては。臭いの
元は自分の吐息だ。
 頭がずきずきする。まるで警報機が最大音量で鳴っているみたいだ。
 唇に手を当てると、生々しい感触がまだ残っているようだった。

 あんな夢を見るなんて欲求不満なのかも知れない。そういえば最近あちらの方は
御無沙汰だった。千鶴さんは結婚するまでは、と言って一緒に寝てくれない。今更
身持ちを堅くしてもなあ、とも思うのだがそれが伝統ある家の格式という奴なのだ
ろう。
 だがそれもあと数日の辛抱だ。千鶴さんとの挙式が間近に迫っている。なるべく
早い方が良いという千鶴さんのたっての希望であった。この結婚生活の奇妙さは、
スタートした時から別居する運命にあったことだ。夏休みの間は良いとしても、千
鶴さんは鶴来屋での業務があるし、自分はまだ大学を卒業してないからだ。
 自分にもやらなきゃいけない事は山ほどある。式の進行の打ち合わせとか、スピ
ーチの暗記などだ。千鶴さんが仕事で忙しい分、自分が段取りを把握して彼女を引
っ張って行かなくては。

「……ん?」
 扉が半開きになっている。昨日は泥酔していたので開けたままにしてあったのだ
ろうと、耕一は判断する。廊下を出て、居間に向かって歩く足元が頼りない。
367(4) ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:50 ID:Zi81F1qm
「耕一お兄ちゃん、おはよう」
「おはよう、初音ちゃん」
 居間に入ると既に朝食の準備は整っており、一番下の妹が彼に向かっていつもの
様に屈託のない笑顔を向ける。他の者たちも全員、顔を揃えていた。
「昨日は随分飲んでいたみたいですね」
と、この家の当主が言う。さらりとした長い黒髪が、風を受けてふわっと流れる。
「お陰で二日酔いみたいだよ……頭痛い」
「耕一、これを食べるといいよ」
 普段は男勝りの次女が細やかな気遣いを見せて、酢の物の入った小鉢を耕一の傍
に置く。
「おお、すまないな」
「なあ耕一、この家にはいつまでいられるんだ?」
「いつまでって……大学があるから、夏休みまでだよ。まあ、中間試験をする教科
もあるから、八月いっぱいくらいまでは大丈夫かな」
 大学生には、一年半年の授業を一週間で何とかするという特殊能力があるのだ。
もちろん単位を取った後は、覚えた事など綺麗さっぱり忘れている。
「今はバタバタしているけど、一段落したらどこかへ行きたいよな」
「そうだな、今度みんなで海にでも行こうか」
 朝食は何気ない雰囲気のままで終わった。他の者は出かける準備をする。学校が
まだ終わっていないのだ。耕一は午後に式の打ち合わせがあったが、それまでは家
で留守番である。

 みんなを見送った後で、耕一は言いしれない違和感を覚えた。そういえば楓ちゃ
んの様子がおかしかった。どうして朝食の時は殆ど喋らなかっただろう、と思った。
368(5) ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:53 ID:Zi81F1qm
 耕一は夢を見ていた。昨日の夢の続きだった。
 彼女の唇は柔らかく、吸い付く様であった。ほっそりとした体は心地よい温かさ
を伝え、芳しい香りが鼻腔をくすぐる。視覚以外の全ての感覚が否が応にも彼の劣
情を煽っていく。
 だが頬に生暖かい液体が触れたとき、彼はびくっとなって唇を離してしまった。
急速に理性を取り戻した彼は慌てて彼女を解放し、もたつく様にその場から遠ざか
る。席につくのと同時に、外から番兵たちが入ってきた。彼らは松明を手にして蝋
燭に再び火を点していく。明かりが増えるごとに、人々は落ち着きを取り戻した。
彼だけは、出来心から犯した罪にその身を強張らせていた。
 上座では、寵姫が王に泣きついている。
「王様、何者かが無法にも私の唇を奪いました」
と彼女は涙ながらに訴えた。
「ですがその際、私の髪留めをその者の冠に刺しておきました。どうか捕まえて下
さいまし」
 再び衆勢がざわめく。この国には成文法など無く、刑罰は王の機嫌次第である。
酒席で王様の一番のお気に入りに手を出せば死刑は免れえない。
 彼女の言葉を聞いてはっとなって冠に手をやろうとして、慌ててその動きを止め
た。今動けば咎人だと自ら名乗り出るようなものだ。彼女の言う髪留めとは小さい
針のような物である。一見したくらいでは分からないだろうが、一人一人じっくり
と冠を調べられたらそれまでだ。
 王国で随一の勇将が、色に迷って身を滅ぼすか。絶望と自嘲が心を彩る。たとえ
運良く死罪にならなくても、このような不名誉が露見してどうしておめおめと生き
ていけよう。
 どうして王は何も言わないのだろう。その顔は見覚えがあった。ああ、千鶴さん
だ。ようやくその口から衝いて出た言葉は―――。
369(6) ◆KSmAya5926 :03/08/27 05:56 ID:Zi81F1qm
 耕一は目を覚ました。
 ……またか。
 唇に手を当てると、やはりキスの感触が残っているような気がした。ふとその手
に血がついているのに気付く。何時の間に唇を切ったのだろうか。
 もう片方の手にはスピーチの原稿。読んでる間に眠ってしまったらしい。
 扉に目を向けると、また扉が半開きになっている。昨日は確かに閉めて寝たはず
だ。酒を飲んでいなかったので断言しても良い。
 もしかして、毎夜この部屋に誰かが侵入しているのではないだろうか。
 誰が?
 従姉妹のうちの誰かしかいないだろう。
 何のために?
 自分にこっそりキスをするために。この血はその時に切ったものなのだろう。
 耕一は考えこんだ。深夜にこの寝室に忍び入ってキスをしたのは千鶴さんなのだ
ろうか。結婚するまで性交渉は無しと言った手前、自分からは言い出しにくくてこ
んな事をしているのだろうか?
 だが、キスくらいならしたければ言えば良いのではないだろうか。わざわざ回り
くどい事をするような性格とも思えない。
 すると他の三人が怪しいという事になる。千鶴さんと結婚する俺とは表立ってキ
スするわけにはいかないので、誰にも知られ無いようにこんな方法を取った。
 一応の筋は通っている。
 できれば姉妹の仲にひびを入れたくないので、千鶴さんの耳には入れない方が良
いだろう。ということは、自分だけで他の三人にそれとなく聞いて回って、侵入者
を突き止めて、自分との二人だけで決着をつけるべきだろうと思った。
 耕一は嘆息した。全くただでさえ忙しいのに、問題をややこしくさせるものだ。
370(7) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:11 ID:Zi81F1qm
 その日の朝食が終わった後、耕一は初音の通学路の途中まで付き合ってあげた。
太陽の光は舗装された道路に照り返して、今日もうんざりするくらい暑くなりそう
だった。
「耕一お兄ちゃん、最近は良く眠れる?」
「ああ、一度寝たら目を覚まさない程だよ」
「そうなんだ、良かった」
 初音から太陽にも負けないくらいの笑顔が零れる。
「でも、ここのところお酒の量が増えているみたいだから、気をつけないと駄目だ
よ。体を壊したら大変だからね」
「心配してくれてありがとう。気をつけるよ」
 耕一はそういえば、と何気なさそうに話題を変えた。
「最近、妙な夢をみるんだよ」
と、この二日の夢の内容を語って聞かせた。
「……でさ、王様の顔が千鶴さんなんだぜ。いや、怖いの怖くないのって。浮気を
したら死刑、っていう事なのかな」
 初音の表情が硬くなる。
「どうかしたの?」
「……え?ううん、何でも無いよ」
 すぐに笑顔に戻った。
「じゃあ私そろそろ学校だから……」
 もう校舎が見えるところまで来ていた。彼女と同じ制服姿も散見する。
「ああ、行ってらっしゃい」
 初音と別れた耕一は憮然とした表情で、柏木家に向かって踵を返した。
371(8) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:17 ID:Zi81F1qm
「楓ちゃん」
「何か用ですか、耕一さん」
 耕一は夜半に廊下で楓を呼びとめた。部活が忙しいのか彼女は最近帰りが遅い。
耕一は、彼の知らない間に部屋を訪れたりすることは無かったかと尋ねる。
「行ってません」
 彼女の答えは素っ気無かった。
「本当に?」
「ええ」
「ふうん、どうも寝込みに誰かいる気配がしたんだけどな」
「夢でも見ていたんじゃないんですか」
「夢なんかじゃないよ」
 耕一が食い下がると、楓はふっと表情を柔らかくした。耕一に労わるような視線
を送る。
「耕一さんは疲れているんですよ。それで神経質になっているだけです」
「だけど」
「今晩は、鍵を掛けてお休みになっては如何ですか?」
「……え?」
「そうすれば、真実がはっきりすると思いますよ」
 楓は立ち去った。廊下にただ一人取り残される。

 その夜、耕一は楓に言われたとおりに鍵を掛けて寝る事にした。窓は嵌め殺しで
半分しか開かないようになっているので、とても人が通れる広さではない。犯人を
取り押さえられないのは癪だが、これで悩まされる心配は無いだろうと思った。
372(9) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:20 ID:Zi81F1qm
 耕一は夢を見ていた。
「……それでね、珊瑚って栄養が少なくて塩分の多い、プランクトンの少ない海域
でしか生息できないんだって!」
 彼女は余程ここが気に入ったのか、先程から海の話ばかりをしている。
「へえ、恵まれた環境だと逆に生きていけないんだ。でもそれで良く生きてるね」
「体内に藻類を生えさせているの。藻類は光合成と珊瑚から出るアンモニアで生長
して、珊瑚はそれを栄養源としているのよ」
「共生ってやつか」
 彼は尿を彼女に飲ませるところを想像した。陰茎から迸る小さな滝を彼女の舌が
受けとめて、澱みを形成する。目の前の海は蒼く澄み切っているのに、傷つき汚れ
た心はこんな時でも妄想を止めない。
「……ねえ、聞いてるの?」
「ん?ああ、勿論だよ」
「……もうっ」
 彼女は頬を膨らましたが、すぐに針にでも突つかれたみたいに萎む。それからや
やあって、ポツリと洩らした。
「一人じゃ生きていけないなんて、まるで……私達みたいだね」
「……」
 彼らは警察から追われていた。逃避行の果てに、この南の島まで辿り着いたのだ。
 暫くの間、二人は肩を寄せ合い、無言で海原を見つめていた。水平線には陽が出
番を終えて沈もうとしている。海風は途絶え、浜辺を往復する波の音だけが聞こえ
てくる。
「……そろそろ、行こうか」
 二人は手を取り合って歩き始めた。陸とは反対の方向へ。彼らが歩を進めるにつ
れて、ひんやりとした海水が踝から膝、腰を洗う。繋いだ掌だけが温もりを伝える。
薄暗い海の中で抱き合い、お互いの存在を確かめ合う。次に大きいうねりが起これ
ば、二人の姿は消えるであろう。その時まで彼らは唇を貪り合った。
373(10) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:23 ID:Zi81F1qm
 耕一は目を覚ました。
 体調は悪くなかった。たとえ夢は見てもノンレム睡眠の方もしっかり取れていた
ようだ。だが快適な朝もすぐに台無しになった。またしても扉が開いていたからで
ある。
「勘弁してくれよ……」
 クローゼットの引出しを開けてみると、鍵は有った。内側から掛ける場合には必
要ないのだが、外から錠の開け閉めをしようとするならこれが不可欠だ。
 こんな事が有り得るのだろうか?侵入者は窓の細い隙間を通りぬけて、目的を遂
げた後でドアから出ていったのか?この家にはそんなスリムな人間は存在しない。
針金か何かで錠を開けたという可能性も無い。どうしても錠の部分に傷が残るし、
大体そんな特殊技能を修得しているなどと言うのは、いかにも非現実的ではないか。
 わけがわからないまま、布団の上を寝転がって考える。結婚式は明日だというの
に、自分は何をやっているのだろう?千鶴さんは夏のかき入れ時なので忙しく、夕
方は顔を見せられない事が多い。できる限り千鶴さんの苦労を軽減させて、会社を
支えていかなければ。とりあえずは結婚式だ。今日も入念な打ち合わせがある予定
だった。

 夕食が終わった後、耕一は台所へ行った。梓が洗い物をしている。
「耕一、手伝って」
「ああ。初音ちゃんは?」
「洗濯物を畳んでるよ。暑いから結構な量が出るんだ」
 梓が洗剤を含ませたスポンジで食器を泡まみれにする。それを耕一が水道水です
すぎ流した。
「耕一。夏が終わったら、本当に帰っちゃうのか?」
「しょうがないだろ。大学を中退するわけにはいかないんだから。あとちょっとの
辛抱だよ」
374(11) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:26 ID:Zi81F1qm
 いくら旅館業界といっても、歴とした会社に中退では肩身が狭い。たとえ強力な
コネが有るとしてもだ。
「何だか……今度別れたら、もう二度と会えない気がして……」
「ははは、何を大袈裟なこと言ってるんだよ」
 梓らしからぬ弱気な物言いを耕一は笑い飛ばした。
「大丈夫だよ。心配しなくても必ず戻ってくるよ。会いたくなったら、電車や車な
らそんなに時間もかからないし。それに電話や手紙だって有るんだからな」
「そうだけど……」
 彼女の瞳から不安の色が消えなかったのを、耕一は不思議な思いで見つめた。ど
うしてそんなに悲しそうな顔をするのだろう?
 二人の間に気まずい沈黙が降りた。食器も全て片付いて洗うものは無くなり、手
持ち無沙汰になった。その沈黙を埋めたくて、梓に聞いてみる。
「なあ、部屋の鍵って他に有ったっけ?」
「え?そうだな……」
と梓は思案顔だったが、やがて「あっ……」と小さく声を洩らした。
「どうした?心当たりでもあるのか?」
「マスターキーがあるんだ」
「誰が管理しているんだ?」
「それは……」
 勢い込んで尋ねる耕一に、梓はひどく言い難そうだった。困り果てた様子で、途
切れ途切れ答える。
「……千鶴姉の部屋の金庫に有るよ。開け方は千鶴姉しか知ら……ないよ」
「……そうか。ありがとうな、梓」
 台所から出ていく耕一の後ろ姿を見送る梓の両目から、雫が落ちて床に跳ねる。
「耕一……あんた、やっぱり……」
375(12) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:29 ID:Zi81F1qm
 耕一は自分の部屋で布団に包まった。ひどく満足そうな表情だった。
 やっぱり千鶴さんだったんだ。今夜はまだ帰ってきてないけど、深夜になればま
たこの部屋に来るんだ。
 今さら千鶴さんからは言い出し難いのだろう。だったらこのまま寝てしまって、
気付かない振りをしていた方が良いかもしれない。それとも、寝たふりをして彼女
がのこのこやって来たところを抱き締めてあげるのも悪くない。初夜は明日だけど
一日くらいの前借りくらいだったら、彼女も許してくれるだろう。仕事で疲れ気味
のようだから、精一杯奉仕してあげたい。
 これから訪れる楽しみを待ちわびながら、耕一は何時しか眠りに落ちていた。

 耕一は夢を見ていた。
 暗闇の中を、一組の男女が裸で縺れ合っている。
 耕一は女の乳房を口に含み、先端の突起を舌で転がした。彼女の体がビクッと震
えやがて「……んっ」という微かな嗚咽が漏れる。そのまま舌を滑らして、臍を舐
めまわすと、彼女の声がうわずった。調子付いた耕一の口は更に下って、彼女の秘
部に到達する。容赦無く花弁に熱烈な接吻をして肉芽を擦る様に刺激してやると、
彼女の腰は跳ね上がり、両手で耕一の頭を離さぬように押さえつけた。
「あっ……ああっ……いや、くふぅん……!!」
 唇と舌と指で秘所を弄り回すと、すぐに蜜が溢れてくる。それを舐め取り、強く
吸い出だすと、その刺激でまた新たな蜜が量産されて、際限が無かった。
 耕一は彼女を裏返して尻肉を掌で押し広げる。あらわれ出た菊門に舌をねじ込む
と彼女は止め処も無く喘ぐ。その嬌声が彼の耳に心地よい。
 視覚が制限されている分、他の感覚が鋭敏になっていた。愛液のむせ返るような
臭いが、汁の交じり合う音が、汗にまみれた肌の感触が、彼を興奮させていた。
376 ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:32 ID:Zi81F1qm
 耕一はいきり立ったものを彼女の秘所に押し当てて、後ろから一気に貫いた。
「くはあっ……」
 止まらない叫びと共に、彼女の体内が彼を包み込む。彼女のそこは、既に滑らか
だ。彼は律動を開始させる。肌がぶつかり合わさる音と、押し殺した叫びが彼の耳
をくすぐる。
 彼女に覆い被さるようにして、本能のままに動きつづける。腰を彼女の尻に打ち
つけながら、両手を胸元へ伸ばす。彼女は抗いもせず、彼が乳をまさぐるのを許し
た。
「あ、ああっ……いいっ……」
 強引に唇を合わせ、口を塞ぐ。歯の隙間を押し開いて舌をさし入れる。独立した
生き物のように互いの舌が淫靡に絡み合う。
 耕一の動きが速くなる。彼女の体が絶頂に達し、全身がガクガクと痙攣する。
「あああああっ……!!」
 耕一は彼女の内側で欲望を放出させた。

 これは夢だ。
 夢の世界でキスしている時は、現実でもキスしているんだ。
 だから俺は目を覚まさなければならない。
 彼女に会いたいから。
 早く起きるんだ!
 
 耕一はいきなり身を起こして、あっと短く叫ぶ人影の手首を掴んで引き寄せた。
 月明かりの下に現れた相貌を目にして、耕一が驚きの声を挙げる。
 そこにいたのは楓だった。
377(14) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:35 ID:Zi81F1qm
「楓ちゃん、どうして君が俺の部屋に忍び込んだりなんかしたんだ」
「ここは耕一さんの部屋ではありません」
「……え?」
 楓が手探りで電源を入れると、明かりがついた。見慣れない箪笥、机、本棚。縞
模様のベッドの上にいる耕一と楓は服を着ていなかった。
「楓ちゃんの……部屋なのか?」
「はい」
 楓の息遣いは乱れていた。耕一も全身を疲労感が覆っている事に気付く。彼女の
体は汗ばんでいて、そして内股からはひとすじの鮮血が―――
「今のは夢じゃなかったのか!?俺は、楓ちゃんと……」
「……耕一さんは毎晩この部屋に来ていたのですよ。初めはキスだけでしたが」
「それじゃあ、侵入されていたんじゃなくて……」
 自分が侵入していたのだ。鍵を掛けた人間が鍵を開けられるのは当たり前じゃな
いか。耕一は喘いでいた。予想だにしていなかった状況に頭が混乱する。
「どうして俺はこんな事を……?」
「やはり、記憶して無いようですね」
「そうなのか……?」
「先日も申し上げましたが、不安や緊張、疲労が積み重なった結果でしょう。夢遊
状態となって、邸内を徘徊していたんです」
 そうなのか。結婚への不安、会社を支えていかなければならない重圧、千鶴さん
とのすれ違い、そういった諸々の事情が俺を精神不安定にさせていたののだろうか。
 だが、だからと言って許される事ではないだろう。
「……すまない。千鶴さんが居ながら、こんな事をしてしまって」
 頭を下げる耕一に向かって、相手は無言だった。
 どうしてそんなに哀れんだ目で自分を見つめるのだろう、と耕一は思った。
「耕一さん。服を着て、私について来て下さい」
378(15) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:38 ID:Zi81F1qm
 楓が耕一を案内した先は千鶴の部屋だ。千鶴だけでなく、叔父や耕一の父親も使
用していたことのある場所だ。
 そこには仏壇があり蝋燭や供え物だけでなく花で装飾されていて、そして仏壇の
中央には―――

 千鶴の遺影があった。

「嘘だろ……?」
「千鶴姉さんは同族との忌わしい闘争の末に命を落としました。耕一さんは敵を取
ったようですが、姉さんを救えなかった傷心を抱えたまま帰られました。私達が異
常に気がついたのは、耕一さんから手紙が度々送られて来るようになったからです。
……文面は」
と、楓は紙の束を耕一に渡した。
「千鶴姉さんの安否を気遣うところから始まって、果ては姉さんがアパートに来た、
姉さんとどこそこへ行った、という内容までありました。耕一さんが千鶴姉さんが
生きていると思いこもうとしている事は明らかでした」
 楓の言葉に耳を傾けながら、手紙に目を走らせる。ああ―――自分が書いたもの
だ。
「耕一さんが法要のためにこの家に来ても、なお幻想を持ち続けていました。私達
は相談した結果、姉さんが生きているという誤解を解かない事にしました。梓姉さ
んは早く伝えた方が良いと言ってましたけど、家長である私の判断に従ってもらい
ました」
「家長……?」
379(16) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:41 ID:Zi81F1qm
「ええ、この家は梓姉さんではなく、私が継いだのですよ。意識して千鶴姉さんの
振舞いや話し方を真似していました。だから耕一さんがこの家にいらっしゃる時は、
私の中に千鶴姉さんを見ていたのではありませんか?」
 楓ちゃんは無口なんかじゃなかったんだ。一家団欒の時は、楓ちゃんの事を千鶴
さんだと思って―――
 耕一は膝をつく。楓の言葉が残酷なほど体に突き刺さる。

 耕一は世界の崩壊する音を聞いた。
 千鶴さんは一年前に死んでいた。
 悲しみに暮れる従姉妹たちに妄想を送りつけていた。
 法事を結婚式だと思いこんでいた。
 部屋に忍び込まれているのではなく、自分が忍び込んでいた。
 楓ちゃんの部屋に侵入したのは、マリッジブルーの所為ではなかった。
 彼女を喪われた恋人の身代わりとして、同一視していたからだ。

「う……うわああああ!!」
 耕一は嗚咽をあげ、それはやがて絶叫となった。
「耕一さん!」
「嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ……!!」
 騒ぎを聞きつけて梓と初音が部屋に駆け込んで来る。
「耕一!!」
「耕一お兄ちゃん!!」
 従兄弟の狂態から、彼が真実に辿り着いた事を二人は知った。
 蹲まる耕一を無理矢理抱き起こして、梓が怒鳴った。
「千鶴姉はもう死んだんだ!!もう居ないんだよ!!」
 耕一は泣きじゃくりながら叫び続けた。
「嘘だ……!!」
380(17) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:44 ID:Zi81F1qm
 病院の一室で、楓と梓、初音は白衣の男性と顔を合わせていた。
「……先生。耕一さんの容態はどうなんでしょうか?」
「柏木さんは重度の精神的ショックから、眠りつづけています。一種の睡眠障害か
と思われますが、回復は極めて困難です」
「じゃあ、耕一はずっとあのままなのか……?」
「そんな……」
 梓の悲痛な叫びに、初音も表情を曇らせる。
「あるいは何らかの切っ掛けで覚醒する事もあるでしょうが、それが何時なのかは
断定できません。明日にでも目覚めるかも知れないし、何年も昏睡するかも知れま
せん」
「そんな無責任なこと言うなよ!何とかしてくれよ……お医者様なんだろう!?」
 掴みかからんばかりの梓を、二人がかりで制する。
「残念ですが、こればかりは現代の医療技術でも……」
 医師の無慈悲な言葉に、姉妹たちは一様にうなだれた。重苦しい雰囲気が、場を
支配する。

 楓は後悔の思いに囚われていた。
 耕一に真実を伝える事を先延ばしにしたのは彼女だ。死んだ人には勝てないと思
ったから。好きな人に拒否されるのが怖かったから。
 自分を姉の代用品として抱いてくれるならばそれでも良かった。たとえ偽りで彩
られた愛情であっても。自分のエゴから出た判断が、最悪の結果を招いた。
 だが、嘘で塗り固めた安逸はもう限界に達していたのだ。遅かれ早かれ、破局は
訪れていただろうし、真実を伝えずに済む筈が無かったのだ。
 前世からの数百年の思慕―――その相手との一夜限りの出来事は夏の花火の様に
はかなく消えた。
 楓の瞳から頬へ涙が伝う。やがてその喉からは、嗚咽が洩れ始めた。
381(18/18) ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:47 ID:Zi81F1qm
「―――千鶴さん、準備できた?」
「ええ、入って良いですよ。耕一さん」
 結婚式場の控え室では、新婦の衣装が整えられていた。きらびやかな純白のウェ
ディングドレス姿に、思わず感嘆の声を挙げる。
「わあ……」
「惚れ直しましたか?」
 千鶴は新郎に向かって、悪戯っぽく笑いかけた。
「ああ、最高だよ」
 着替えを手伝っていた妹たちも、新婦である長姉の美しさを称え祝福する。
「凄く綺麗です、千鶴姉さん」
「良く似合ってるよ、千鶴お姉ちゃん」
「本当、耕一には勿体無いくらいだよな」
「ふふ……ありがとう、みんな」

「じゃあ、そろそろ行こうか」
「……はい」
 耕一は千鶴の手を取って、照れたような笑みを浮かべてエスコートした。彼女も
恥じらいを含んだ、だけどとても幸福そうな表情で頷いた。
「これからはずっと一緒です、耕一さん」
「ああ。愛してるよ、千鶴さん」

 耕一は夢を見ている。
 目が覚める事は、二度とない。
382 ◆KSmAya5926 :03/08/27 06:55 ID:Zi81F1qm
>>364-381
「夢の迷宮」でした。
投稿規制に引っ掛かりました。
この後の投稿予定者には迷惑かけて本当にすいません。
383名無しさんだよもん:03/08/27 07:28 ID:bCfHFVwQ
もし2chの書き込み規制に引っ掛かってる人がいたら
とりあえずこちらでどんぞ。

http://kita-kao.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/sscompe/index2.html
384 ◆QYKMYbF9AU :03/08/27 07:38 ID:l11ifnyu
これから投稿します。
タイトルは『みさきとメイドロボの微妙な関係』
ONEのみさき先輩と、To Heartのセリオという顔合わせです。
テーマは「プレゼント」、そのほか「結婚」なども。
21レスの予定です。規制に引っ掛からなければいいんですが。
それではよろしくお願いします。
「実はみさき」いつもより早く会社から帰ってくるなり、浩平君が言った。
「ちょっといい知らせと、かなり悪い知らせがあるんだ」
「じゃあ、悪い方から聞かせて」と私は言った。あとからがっかりするなんて嫌だもの。
「明日から出張なんだ」
「ふうん……どこへ?」
「カムチャッカ支社」
「カムチャッカって……ロシアの!?」そんな遠いところに支社があるのも驚きだけど……
「ずいぶん急だね。何日くらいなの?」
「わからない。一週間か一ヶ月か、下手したら一年とか二年とか……」
「ええ〜っ!?」それって転勤、っていうか左遷っていうんじゃ?
「もちろんそんなところにみさきを連れて行くわけに行かないから、俺一人で行くことになる」
「そんな……」
 浩平君と結婚して一年余り。
 ようやく新生活にも慣れてきたところなのに……
「もちろん、目の不自由な女房がいるからって断ろうとしたんだが……
 今の厳しいご時世じゃ、なかなか会社に逆らえなくってさ」
 すまなそうな声で言う浩平君。
「そんな、私は一人でも大丈夫だよ。浩平君こそ、お仕事が大変で心配だよ」
 そうは言ってみたものの、一人ぼっちになるのは不安で仕方がない。
 浩平君がいない間は、実家にでも帰っているしかないだろう。

「それで、いい知らせの方は?」
 努めて明るい声で訊いてみた。悪い知らせを覆せるとは思わないけど。
「ああ、そうそう。プレゼントがあるんだ」
 プレゼント?  気持ちは嬉しいけど、何を貰っても浩平君の代わりにはならないよ……

「さ、挨拶挨拶」いきなり浩平君が玄関のほうに向けて話しかけた。
(挨拶?)私が訝しんでいると、
「初めまして」と涼やかな声がした。女の人の声だ。
(え? 一体何?)ちょっと混乱する私に、その人は自己紹介をした。
「来栖川電工のHM‐13型、通称セリオと申します」
 HM‐13セリオっていうと、たしか最新型のメイドロボ?
 サテライト・システム搭載でとても高性能だって、ニュースやコマーシャルで聞いたことがある。
「でも、これって凄く高いんじゃ……」
 高級外車くらいするんじゃなかったっけ。
「私、浩平君に負担をかけるの、嫌だよ……」
「大丈夫、大丈夫。ローンを組んでるし、会社からもその分の特別手当てが出ている。
 それに、国からの補助金もあるんだ。けっこうリーズナブルだった」
 そういえば、全盲の私は一級障害者になるから、介護用メイドロボには補助金が出るんだっけ。
「それにこの子がみさきの世話をしてくれていたら、俺も安心して出張に行けるし」
「う、うん。そうだね」
 浩平君にそう言われると、納得するしかない。あんまり心配をかけたくないし。

 とはいえ、実はあまり気が進まなかった。
 私は機械が苦手だし、特にメイドロボっていうのは好きじゃない。
 機械が人間みたいに動いたり、ものを考えたりするのって、なんとなく不気味だ。
 それに、感情のない冷たい喋り方をされると、私としては対応に困ってしまう。

 浩平君が彼女と何か話をしている。初期設定をしているらしい。
「ユーザー登録は折原浩平様、奥様のみさき様、お二人でよろしいですか?」
 ああ、と浩平君が返事をした。
「私のデフォルト・ネームはセリオですが、お好きな名前に変更できます」
「みさき、どうする?」
「あ、えっと、セリオちゃんのままでいいんじゃないかな。可愛いし」
「──了解しました。私からは、奥様、とお呼びすればよろしいですか?」
「え? う〜ん、なんかちょっと照れるから、名前で呼んでよ」
「では、みさき様、でよろしいですか?」
「『様』なんてくすぐったいよ。『さん』付けのほうがいい」
「了解しました。これからよろしくお願いいたします、みさきさん」
「あ、いえ、こちらこそ」多分むこうは頭を下げているだろうから、私もおじぎをした。

 はあ……なんだか気疲れしちゃいそう。この子と二人で暮らすなんて、大丈夫かなあ。
   * * *

 その日の夕食は、早速彼女の出番となった。
「何かお望みのメニューはありますか?」
「カレー」即座に答えた私に、浩平君はちょっと苦笑いした。
「しばし別れの晩餐なんだから、もっとごちそうにすればいいのに」
「あ、そうか」どうも私って、そういうのに疎いな。
「みさきが食べたいんなら、俺は構わないけど」
「うん」
 かしこまりました、と言って彼女は買物に出かけた。

「私、ロボットの作った料理なんて食べたことないよ」私は浩平君に言った。
 どんな料理か、ちょっと不安。
「話によると、すごく美味いらしいぞ。どんな料理でも一流シェフ並みに作れるってさ」
「でもなんか、変な感じがしない?」
 ロボットはものを食べないのに、本当に美味しい料理なんてできるのだろうか。
「何も変なことはないと思うけど……なんだ、みさきはロボットは嫌いか?」
「嫌いっていうか、どう接していいのか、よくわかんないよ」
「普通でいいと思うぞ。機械っぽいところはなくて、人間そっくりだし」
「ふうん……」人間そっくりなんだ。
 そんな精巧なロボットを見たことがない私には、いまいちイメージがわかない。

 やがて帰ってきた彼女は、キッチンで料理を始めた。
「おお、凄い手際だ」浩平君が感嘆する。
 しばらくすると、いい匂いが漂ってきた。
「おいしそう……」思わず生つばを飲み込んだ。
 うーん。これは期待できるかも。
   * * *

 夜の寝室で、いつものように浩平君と語らう。
「いやあ、今日のみさきの食べっぷりはすごかったなあ」
「もう、いつまでも言わないでよっ」
 もう二人ともベッドの中だというのに、浩平君ったらまだ夕食の時の話をしている。 
「あっという間に十杯ぺろりと平らげたもんな」
「だっておいしかったんだもん」
 本当に、セリオちゃんのカレーはとてもおいしかった。
 今まで浩平君と外食したことはたくさんあるけど、そのどれよりも上かもしれない。
「一流ホテルのレストランの味を再現した、とか言ってたな」
「すごいね、セリオちゃんって」
「結局、気に入ったみたいだな」浩平君が笑いながら言う。
「うー」それじゃまるで、食べ物につられたみたいじゃない。
「でもあの子って意地悪だよ。『それ以上召し上がっては健康にも美容にも悪影響と思われます』
 とか言って、あれ以上おかわりさせてくれなかったもん」
「それは意地悪じゃないだろ」
「うー」なんか、墓穴を掘ってる気がする。
「も、もういいじゃない。それより……」
 私は浩平君にキスをした。
「今夜でしばらくお別れなんだから」
「ああ」彼の手が私を抱き寄せる。
 彼の愛撫に包まれて、夜は更けていく……
   * * *

「みさきさん、起きてください」
 誰かが私の体を揺すっている。
「みさきさん、もうお昼です」
 お昼……?
「ええっ、もう?」私ははね起きた。
「おはようございます、みさきさん」
「あ、うん、おはよう」
 私を起こしてくれたのは女の人──昨日からうちに来たセリオちゃんだ。
「浩平君は?」
「もう出られました。名残惜しくなるので、みさきさんが眠っている間に出発したかったそうです」
「そうなんだ……」
 こんな朝に寝坊するとは、なんという不覚。
 昨夜は浩平君と、ずいぶん遅くまで……そのせいだね、やっぱり。
 浩平君、大丈夫かな。今ごろ飛行機でぐったりしてるかも。

「はあ……」浩平君のことを思うと、なんだか寂しくなってくる。
 でも、いつまでもベッドに潜っていても仕方がない。起きよう。
「手をお貸しいたしましょうか?」
「大丈夫。寝起きも着替えもできるし、顔も一人で洗えるから」
 そう言い残して、私は洗面所に行った。

 ちょっと棘のある言い方だったかな?
 でも、ロボットがそんなことで気を悪くしたりしないよね。
   * * *

 遅い朝ごはん、というより昼ごはんを食べて数時間後。
 部屋でぼんやりしていた私を、セリオちゃんが散歩に誘ってきた。
「でも私、あんまり外に行きたくないよ」ちょっとぐずる私。
「しかしみさきさん、お昼もたくさんお召し上がりでしたので、少し運動するべきでしょう」
「うー」セリオちゃんの作るごはんがおいしいから、つい食べ過ぎちゃうんだよ〜。

 セリオちゃんの言う事ももっともなんだけど、外に行くのは正直言って、恐い。
 今まで外出するときは、浩平君とか、お母さんとか、信頼できる人と一緒だった。
 セリオちゃんには悪いけど、ロボットのエスコートでは、何となく不安だ。

「ご心配には及びません。私の介護システムは現在考え得る限り、最上のものです」
 私の心を見透かしたように、セリオちゃんは言った。
「責任を持って付き添いますし、万が一、私に故障があっても、すぐにサポートセンターに連絡が行きま

す」
「わ、わかったよ」そうまで言われては反論できない。確かに家に閉じ篭るのもよくないし。
「じゃあ……行こうか?」

 玄関で靴を履くと、セリオちゃんと腕を組んで、外に出た。
「ゆっくり歩いてね、セリオちゃん」
「はい、かしこまりました」
 セリオちゃんは、上手に私のペースに合わせてくれた。
 彼女の腕は思ったより柔らかく、温かみがあって、ロボットの腕という感じは全然しない。
 まるで本当の人間の腕みたいで、安心感を与えてくれた。
 最初は恐くて両手でしがみついていたけど、だんだん慣れてきた。
 片手だけで掴まる。歩きやすくなった。少しペースも速くしてみる。
 やっぱり、外を歩くのって気持ちがいい。
「いい風だね、セリオちゃん。町の様子はどんな感じ?」
「桜の花が咲いています。左手の家の庭にも大きな桜があります」
 セリオちゃんは一生懸命、見えるものを実況してくれた。
「塀の上では猫が昼寝しています。今、大きなあくびをしました……」
 私にもそれが見えるようで、少しずつ楽しい気分になってきた。

「学校の門の前です」セリオちゃんが言った。
「私が通っていた学校だよ」
「懐かしいですか?」
「うん。思い出がたくさんつまってるからね」
 雪ちゃんや澪ちゃん、学校で出会ったたくさんの人たち、そしてもちろん浩平君。
「それにね、ここの学食のカレーはおいしいんだよ。私、大好きだったなあ。
 あ、もちろん昨日のセリオちゃんのカレーもおいしかったけど」
「ありがとうございます」
「もうここの生徒じゃないから、学食には行けないんだよね。ああ、また食べたくなっちゃった」
「……」セリオちゃんが少し黙り込んだ。何か考えているのかな。
「どうしたの? もう行こうよ」
「はい」
 私たちはまた歩き出した。
「ね、公園の方に行かない?」と私は提案した。
「はい。行きましょう」
 公園についた。どこかで聞いたことのあるような声がする。
「アイスクリーム屋さんです」セリオちゃんが説明してくれた。
「あ、食べたい食べたい」
「では、買ってきましょう」
「いいよ。私が行ってくる。ここで待っててね」
 セリオちゃんの腕から手を離すと、おじさんの声の方にゆっくりと歩いた。
 アイスクリームを2つ買って、セリオちゃんのところに戻る。
「お待たせ。抹茶とバニラ、どっちがいい?」
「──お気持ちはありがたいのですが、私は食べられません」
「あ! そうだったね……うっかりしてたよ」
 私ったら馬鹿みたい。セリオちゃんがロボットだっていうこと、すっかり忘れてた。
 いっしょに歩いていると、まるで本当の人間みたいだったからかな。
「申し訳ありません。無駄な出費をさせてしまいました」
「いいよいいよ。私が2つとも食べるから」
 実際、2つくらいでちょうどいい。というより、本当はまだ足りないくらいだったりして。

 公園で食べるアイスクリームは、やっぱりおいしい。風景が見えたらもっといいのに。
「ねえ、やっぱり桜はいっぱい咲いてる?」
「はい、花びらがたくさん風に舞っています」
「そっかあ」その光景を想像してみる。
 目は見えなくても、こうして風を感じられれば、その場所を思い描くのはずっと簡単になる。
 やっぱり、セリオちゃんと散歩に来て、よかったな。

 そういえば、以前に公園でアイスクリームを買ったのも、こんな桜の咲く春の日だったっけ。
「…………」
「どうかなさいましたか?」セリオちゃんが訊いてきた。
 私、暗い表情になっちゃってたかな。
「何でもないんだよ。ちょっと前にあったことを思い出してね」
 セリオちゃんが聞きたがっているとは思えないけど、私は話してみたくなった。
「卒業したばっかりのころにね、この公園で浩平君とデートしたの。
 ちょうど今日みたいなちょっと暑い日で、やっぱりアイスクリーム屋さんがいて、
 私、浩平君をこの辺に待たせて一人でアイスクリームを買いに行って……」
 あの時の記憶がよみがえる。
「戻ってきたら、浩平君がいなくなっていたの。いくら話しかけても返事がなくて。
 最初は悪い冗談だって思ったんだけど、本当に消えてしまっていたの。
 私、すごく不安で、恐くて、寂しくて……」
 あの時の絶望感。それはその後も何度となく悪夢となって、私の眠りを妨げた。
 最近は、すっかり心の奥に忘れていたんだけど。
「一年後に浩平君は帰ってきてくれたんだけどね。でも一人で待つのは辛かったよ。
 もうあんな思いはしたくなかったのに、浩平君はまた遠くに行っちゃった……」
 涙がぽろぽろと溢れてきた。

「みさきさん」セリオちゃんが、ハンカチで私の涙を拭いながら言った。
「残念なことに、私にはその時のみさきさんの気持ちを完全には理解することができません。
 辛い経験をなさったことは理解できますが、ロボットの私に共感する能力があるか、自信がありません」
 セリオちゃんは一呼吸おくと、私にそっと手を添えた。
「遺憾ながら、私には浩平様の代わりになることはできません。
 しかし、私はみさきさんを一人にするようなことは決してしません。
 不自由な思いをさせないよう努力いたしますし、できれば心の支えにもなりたいと思っております」
 セリオちゃんの口調はいつも淡々としている。
 でも、その時の彼女の言葉はとても頼もしく、温かく心に響いた。

「ありがとう、セリオちゃん。その気持ち、凄く嬉しいよ」私は甘えるように彼女に寄り添った。
「はい──ところで、みさきさん」
「なに?」
「早く食べないと、アイスクリームが溶けてしまいます」
「あ……そうだね」えへへ、と照れ笑いして、私はアイスクリームの残りを平らげた。
   * * *

 家に帰ると、セリオちゃんは買物のために再び出かけた。
 散歩のついでに行けばよかったのに、と思ったが、ちょっと遠くの店に行きたかったらしい。
 一時間ほどして帰ってきたセリオちゃんは、
「今晩もカレーはいかがでしょうか」と訊いてきた。
「え? 昨日もカレーだったのに?」ちょっと驚いた。
 私は好きな食べ物なら二、三日続いても飽きないから、別にかまわないんだけど。
「昨晩とは違う味付けを試してみたいのです。もちろん、違う献立にも変更できますが」
「いいよ、カレーでも。セリオちゃんが作りたいのなら。せっかくだしね」
 はい、と返事をして、セリオちゃんはキッチンに向かった。
 一体どんなカレーを作るつもりなんだろう?

 やがて夕食の時間になった。セリオちゃんが出来あがったカレーライスを私の前に置いてくれる。
 この匂い、確かに昨日のとは違う。
 というより、何となく覚えのあるような……
 一口食べてみる。
 懐かしいこの味、やっぱり間違いない。
「これって、あの学食のカレー?」
「はい。みさきさんが懐かしがっておられたので、作ってみました」
「でも、どうやって?」
「データベースであの学食の情報を検索して、同じ材料とレシピで料理いたしました。
 完全に味を再現できているはずだと思います。いかがでしょうか」
「本当だ……あの時の、あの時の味だよ……」
 学食で友達と一緒に過ごしたひととき。まるであの頃にタイムスリップしたようだった。
 一口食べるごとに、涙が滲んでくる。

「みさきさん……何かお気に障ったでしょうか?」セリオちゃんが声をかけてきた。
「あ、こ、これは違うよ」私は慌てて涙をごしごし拭った。
「申し訳ありません。学食とこの食卓では雰囲気も違うのに、つまらないことをしてしまいました。
 すぐに別の料理を用意いたしますので……」
「違うったら」私は遮るように言った。
「懐かしくて、涙が出たんだよ。それに、セリオちゃんの心遣いが嬉しくて……」
 私を元気づけようとして、こんなことを考えてくれたセリオちゃん。
 そのためにいろいろ調べたり、遠くにまで買物に行ったりしてくれて。
 セリオちゃんって、なんて優しい子なんだろう。
 
「それでは、お気に召していただけたのでしょうか」
「うん。もちろんだよ……ね、セリオちゃん、ちょっと手を貸して」
「手を、ですか?」
 差し出されたその手に、私は頬ずりした。
「ありがとうね、セリオちゃん」
「──光栄です」セリオちゃんは小さな声で言った。
 私はその手にそっとキスをした。
 セリオちゃんに、ちょっとカレーがついちゃったかも。……えへへ。
   * * *

 一日が終わり、夜が更けていく。
 私はなんだか寝付かれず、ベッドで何度も寝返りをうった。
 隣に浩平君がいないと、こんなにも寝苦しいなんて。
 それまではすっと一人で寝ていたはずのに、この一年で二人の生活にすっかり慣れてしまった。
「浩平君……やっぱり、寂しいよ」
 こうしてシーツにくるまれていると、昨夜の愛撫が、まだ体にまとわりついているようだった。
 体が疼いて、火照っている。
 自分で自分を鎮めるしかないかな。こんなこと、久しくやっていなんだけど……

 エッチなことを想像するのって苦手なんだけどな。
 とりあえず、胸を触ってみる。昨日の浩平君とのことを思い出してみよう。
 浩平君って、このへんとか触るの好きだよね。それからこっちに……
「浩平君……浩平君……」
 どうも自分の手だという意識があると、そんなに気持ちよくないんだけど……
 それでも少しずつ、興奮が高まりかけてきたそのとき。
「みさきさん、入ってよろしいですか?」
 ドアをノックする音とともに、セリオちゃんの声が聞こえた。
「あ、ちょ、ちょっと待って!」慌ててパジャマのボタンをかけ直す。
 声は出さないようにしていたつもりだったけど……もし聞こえちゃってたら恥ずかしいな。
「いいよ。入って」
 失礼いたします、とセリオちゃんが入ってきた。
「どうしたの?」
「はい。できればお手伝いさせていただきたいと思いまして」
「え? 今夜はもう寝るだけだし、何もないよ?」
 なんか、嫌な予感がする。
「みさきさんに性的欲求不満がおありでしたら、それを解消するお手伝いができます」
 ──予感的中。やっぱり聞こえちゃったんだ……
 それにしても、恥ずかしいことを淡々と言わないでよ〜。
「セ、セ、セリオちゃん。そういうことは、手伝ってもらうものじゃないんだよっ」
「何かあればみさきさんをお慰めするよう、浩平様からも言われております」
 な、慰めるの意味が違うと思うよっ。
「だ、第一、私たち女の子だよ」
「女性の体や生理現象については、女性の方がよくわかります。
 生殖が目的の行為ではありませんし、かえって女同士であることは好都合でしょう」
「そ、そんなの恥ずかしいよ。それに私には浩平君が、夫がいるんだよっ」
「私はロボットですので、恥ずかしがることはありませんし、不貞にもあたらないでしょう。
 メイドロボには守秘義務があり、ユーザーのプライバシーは完全に保護いたします。
 たとえ浩平様にであっても、みさきさんの秘密を話すことはありません。
 欲求不満を溜め込むことは、心身の健康に悪影響です。単なる医療行為のようなものとして……」
「だめだったら、だめだよっ!」私は少しきつい口調で言った。
「セリオちゃんと、そんなことはできないよ!!」

 数秒間の沈黙のあと、セリオちゃんは口を開いた。
「申し訳ありません。出すぎた真似をいたしました」いつも通りの抑揚のない口調。
「ロボットにすぎない私が、みさきさんの寂しさをお慰めしようなどとは、あさはかな考えでした。
 これからは分をわきまえますので、どうかお許し下さい。それでは、お休みなさいませ」
「え、あの」声をかけようとしたが、セリオちゃんは部屋を出ていってしまった。
 ああ、びっくりした。セリオちゃんが突然あんなこと言い出すなんて。
 でも、あんな親切で誠実な子なんだから、きっと私のためを思ってのことなのだろう。
「傷つけちゃったのかな……」
 あの子の声からは感情がよくわからないので、よけいに気になった。
 私、なにもセリオちゃんがロボットだから拒絶したわけじゃないのに。
 何だか自分がロボットを差別する、嫌な人間に思えてきた。

 たしかに、もしも彼女がただの道具でしかないなら、そんなに気にすることはないかもしれない。
 でも、彼女が機械にすぎないとは、私にはもはや思えない。
 ちゃんとした心を、それも優しい心を持った存在だと思いたい。
 だとしたら、あんなきつい言い方で断ったら、やっぱり悪い気がする。
 だからといって、彼女の申し出を受けるのはやはり抵抗があるんだけど。
 抵抗があるのは、私が彼女をただの機械ではなく、感情を持った存在だと思っているからで……

 ああ、もうっ! 気になって眠れないよ!
 おまけに、体の火照りはとれないままだった。
 さっきの続きをすれば治まるかもしれないけど、またセリオちゃんに聞こえそうだし。
 ──でも、もうすでに聞かれちゃったんだけど。
 そういえば、セリオちゃんは秘密は絶対に守るって言ってたよね。
 それに、医療行為みたいなものだと言ってたよね。
 これから長くお世話になるセリオちゃんなのだから、赤裸々な自分を見せてもいいかもしれない。
 どうせこのままじゃ眠れそうにないし……
 えーい! もう、こうなったら!

「セリオちゃん、セリオちゃん!」私は大きな声で彼女を呼んだ。
「はい。なんでしょう」セリオちゃんは、すぐに来てくれた。
「さっきのことだけど、やっぱりセリオちゃんにお願いできるかな……?」
「はい。喜んでお手伝いさせていただきます」彼女は即答してくれた。
 セリオちゃんに手伝われて、私は裸になった。ベッドに体を横たえる。
 なんだか俎板の上の鯉みたい。
 恥ずかしくて、心臓がどきどきしていた。浩平君と初めてした時より、もっと緊張しているかも。
「ねえ、セリオちゃん」照れ隠しに話しかけてみたが、何を言っていいかよくわからない。
「私の体って、変じゃないかな?」私ったら、つまらないこと訊くなあ。
「体のラインは美しいとされる女性のプロポーションの基準から外れておりませんし、
 肌も日本人の平均より白く、滑らかで特に荒れたところもありません。
 女性として魅力的で、とても美しいと言えるでしょう」
「あ、ありがと」お世辞かもしれないけど、ちょっと嬉しい。
 浩平君以外の人を意識したことなんてないけど、私もけっこういい線いってるのかな。

「それで、ええっと、私、セリオちゃんみたいな子に、というより、女の子同士でっていうか、
 こういうことをこういう風にしてもらうのは初めてだから……その、優しくしてね」
 だいたい、私はエッチなことに関しては知識が少ない。
 浩平君から話を聞いたり、二人でいろいろ試してみたことがあるだけだ。
「はい。私も性行為に関するデータは完璧に網羅しておりますが、個人差があることですので、
 ご不満や不都合なことがあったり、ご希望になることがあれば、遠慮なくおっしゃって下さい」
「う、うん。わかったよ」そう冷静に言われると、何か変な感じ。
「それでは、始めさせていただきます」
 セリオちゃんの手が、私の全身を滑るように愛撫する。
 その動きは羽のように軽く柔らかい。
 くすぐったいというよりも、優しく包まれている感じがする。
 すぐにリラックスしてきた。すでにいい心地だ。

 愛撫されるたびに、皮膚感覚が敏感になってくる。ふう、と何度か溜息が出た。
 私の反応を見てか、セリオちゃんはいくつか特に感じやすい部分を探り当てたようだ。
 耳たぶや首すじなど、私の特に弱いところが重点的に愛撫される。
「はあ、はあ……」息が荒くなってきた。こんなにも興奮している自分に驚く。

 セリオちゃんは乳首を優しくつまんだ。
「ああ……」吐息が漏れた。
 その指の動きはあくまでも優しく滑らかで、浩平君のちょっとぎこちない手つきとはまるで違う。
 浩平君のは少し痛いこともあるけど、セリオちゃんのはただ気持ちいいだけだ。
「はぅ……うぅん……」
 セリオちゃんが触れた部分から、甘い快感が溶けて滲んでいくようだった。
(な、何なの、これ……?)こんな感覚は味わったことがない。
 下半身に手を伸ばしてみた。ぬるぬる、というよりびしょびしょだ。
「す、すごい……」自分のことなのに驚いた。こんなに濡れるなんて、信じられない。

 とうとう、その部分にも彼女の手が伸びてくる。
 敏感な芽がそっと触れられる。
「ひゃうん!」たちまち全身に電流が走った。
 ここって、触られただけで、こんなに感じるものなの……?

 そこへの愛撫は続けられたまま、別の指が私の裂け目をなぞる。
「あふっ……あふっ……」その指の動きと同じリズムで、私は喘いだ。
「声をお出しになっても大丈夫です。隣近所には聞こえません」
「そんなこと言ったって、恥ずかし……ああんっ!」
 セリオちゃんの指が、私の中に侵入した。
「あ……あぅっ、ああん!」
 奥のほうに特に感じる部分があった。
「そ、そこ、すごく、気持ちいい、よ……ああっ、す、すごいよぉ……」
 内側の敏感な点と外側の小さな突起とが、驚くべき器用さで同時に責められる。
「ああっ!! な、なにこれ……わ、わたし、おかしく、なっちゃう……っ!!」
 浩平君とのときとは全く違う、未知の感覚だった。
「変だよ、わたし……ああっ、気持ちよすぎ……ああん、もうだめ、こ、これって……」
 快感が波となって、縦横に体を駆け回っている。
 そして、どこか体の奥深くからやって来た、ひときわ大きな熱い波が、私の体を貫き通した。
「あ、ああっ、あうっ、ああぁん、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 頭が真っ白になって、私はわけもわからず絶叫した。
 全身から力が抜ける。重力さえも感じない。ふわふわ浮いているみたいな感じだった。
「はあ……はあ……はあ……」
 脱力した私の耳に、自分の荒い息の音だけが響いていた。
402345:03/08/27 08:17 ID:+f3Wx3M5
よっしゃ、オーラスでまくったで〜!
というわけで、今から投下します。
 しばらくして、ようやく我に帰った。
 セリオちゃんはどこだろう。呼吸音がないので、彼女の気配はつかみにくい。
「セリオちゃん、私、どうなったの……?」呼びかけてみた。
「おそらく絶頂に達せられたのでしょう」すぐ耳元にいてくれたようだ。
「絶頂……」イクっていうのは、ああいう感じなのかな。
「私、浩平君とでも、あんなふうになったことないよ」
「カップルによっては、なかなか思うように達することができない場合もあります。
 あせらずに、時間をかけていけばお二人にも可能かと思います」
「ふうん……それを一瞬でしちゃうなんて、セリオちゃんってすごいね」
「そんなことはありませんが──それより、お疲れになったのではありませんか?」
「そうだね、なんかぐったりしちゃった」心地よいけだるさが全身を包んでいる。
「もう寝るよ。あ、その前にちょっと来て」
 私は手を差し出して、セリオちゃんに触れてみた。彼女がどんな顔か、想像してみたい。
「この硬いのは何?」
「耳カバーです。センサーでもありますが、人間の方と見分けをつけるために装着します」
「そうなんだ。でも私には見えないんだから、あまり関係ないよね。ね、それって取れないの?」
 取れます、とのことなので、外してもらった。

 あらためて、セリオちゃんの顔を触らせてもらう。
「わあ、耳といい、ほっぺたといい、本当に人間そのものだね」
 いろんなところをぷにぷにしてみる。気持ちのいい手触りだ。
「すみません、私の耳はセンサー感度が高いので──あっ」
 ふざけて息を吹きかけると、セリオちゃんが珍しい声を出した。
 セリオちゃんにも弱いところがあるんだ。なんか、かわいいな。

「ね、おやすみのキスして」私は自分の唇を指差した。
 セリオちゃんは黙って私に口づけしてくれた。柔らかい唇の感触がとっても素敵だ。
 なんだか、とろけそうなほど幸せな気分だった。
 いいのかな、これで。──まあいいか。
「おやすみ、セリオちゃん」私は微笑んで言った。
「おやすみなさいませ」セリオちゃんも微笑んで──くれてたらいいな。
404345:03/08/27 08:17 ID:+f3Wx3M5
あう、後で投下します。ごみんなさい。
   * * *

『どうだ、みさき、元気にしてるか?』
「うん。昨日もお話したばっかりじゃない。セリオちゃんもよくしてくれるし、大丈夫だよ」
 あれから一月あまり経った。浩平君は毎日のように電話をくれる。
 本来なら電話代がすごいはずだけど、HM−13ユーザーは衛星回線を格安で使える。
 なかなか気の利くサービスだ。
『セリオと仲良くやってるみたいだな』
「うん。そりゃあもう」
 正直言って、仲良くなりすぎかもしれない。

 あれからほぼ毎晩、私はセリオちゃんにあれをしてもらっている。すっかり癖になっちゃった。
 秘密を共有しているみたいで、心理的にもどんどんと親近感を覚えていた。
 浩平君が帰ってきてから、彼に満足できなくなってたらどうしよう。なんて心配だったりして。

『そうか、そりゃよかった』浩平君は話を続けた。
『それでな、今日はいい知らせがあるんだ。帰れる目途が立ったぞ』
「ほんと!? いつごろ?」
『そうだな、あと一週間くらいで片付くと思う」
「一週間……」
 なぜかそれを唐突だと戸惑う自分がいた。
   * * *

「よかったですね、みさきさん」電話が終わってから、セリオちゃんが言った。
 回線はセリオちゃん経由だから、話は全て聞こえているのだ。
「うん。よかった……」
「どうかなさいましたか?」セリオちゃんは、私の口調に喜び以外のものを感じたようだ。
「浩平君が帰ってくるのは嬉しいんだけど、夜のことが心配で」
「浩平様は、何か乱暴なことでもなさるのですか?」
「まさか。浩平君は優しいよ。……でもその、セリオちゃんに、慣れすぎちゃったから……」
 私はちょっとためらいながら言った。
「浩平君が帰ってきてからも、時々……してくれないかな?」

「みさきさん。性行為はもともと夫婦間で行うべきことです」セリオちゃんはきっぱり言った。
「私が行ったのは代理行為です。浩平様が帰ってきてからは、お二人でなさって下さい。
 もし今まで通りに私が行えば、夫婦間に亀裂を生じさせることとなるでしょう」
「うー」セリオちゃんの言うことはもっともだけど……
「もちろん、性生活に悩みなどがございましたら、いつでも相談に乗らせていただきます」
 そういう問題じゃないんだよ。

 私、浩平君もセリオちゃんも、二人とも同じくらい好きになっちゃったみたい。
「そうだ!! いいこと思いついたよ」私は手を打った。
「セリオちゃんは男の人を悦ばせるのも得意?」
「はい。可能です」

 だったら三人で……
 浩平君も、きっとすっごく喜ぶよ。私と同じくらい虜になっちゃったりして。
 そういえばセリオちゃんって、もともと浩平君が私にプレゼントしてくれたんだっけ。
 プレゼントは人のためならず、だね。浩平君。

「ねえ、セリオちゃん。私が今、何を考えているか、わかる?」
「はい。おおよそは見当がつきます」
「これなら問題ないでしょ?」
「浩平様本人の意向をうかがうべきでしょう。その後でなら、私はかまいません」
 ようし。それじゃ、浩平君にどう切り出すか、考えとかなくちゃ。
「浩平君が帰ってくるのが楽しみだね、セリオちゃん」
「はい。楽しみです」
 声はいつも通り淡々としていたけど、彼女が本気で楽しみにしているのは間違いない。
 無機質なような声だけど、私はちゃんと微妙な感情を聞き分けられるようになっていた。
 だって私たち、心が通い合っているんだもの。

 そうだよね、セリオちゃん。
408 ◆QYKMYbF9AU :03/08/27 08:23 ID:l11ifnyu
すみません。やはり引っ掛かりました。
長々と時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。
『みさきとメイドロボの微妙な関係』でした。
では、次の方、お願いします。
409『神様なんていやしない』:03/08/27 08:29 ID:+f3Wx3M5
SS投下します
題名 『神様なんていやしない』
ジャンル 痕
スレ数 11スレ
410『神様なんていやしない』その1:03/08/27 08:30 ID:+f3Wx3M5
「柏木君。君は豚に真珠という言葉を知っていますか?」
 披露宴の会場がどっと笑いに包まれた。
「やかましい!」
 いままで辛抱強く黙っていた新郎の耕一が、ついにキレて叫び声をあげる。しかしながら、
友人代表でスピーチを引き受けた男の毒舌は止まらない。
「この世の中は不思議なものだと私は今日思いました。これほど華麗で凛と臭うような姫君が、
よりによって従者のような男と結婚するとは。まさしく豚に真珠、月にスッポン。考え直すな
ら今ですよ、千鶴さん」
 再び会場から笑い声があがる。
 耕一はスピーチの人選ミスに苦虫を噛みつぶしながら後悔した。そんな耕一の太股に、新婦の千鶴
が諭すように優しく手を置いた。皆が祝ってくれているのに、そんな顔をしてはいけませんと。
 暑い夏が終わりに近づき、秋が間近に迫った週末。鶴来屋の披露宴にて、耕一と千鶴の結婚式が
盛大に催された。会場には多数の人が招かれ、料理は山海の珍味が並び、若い二人の門出を祝い、
どの席でも笑顔が絶えなかった。………たった一つテーブルを除いて。
「千鶴お姉ちゃん綺麗だね」
 四姉妹の末っ子である、初音の至極真っ当な感想に、次女の梓が頷いた。
「角隠しとは良く言ったものだね」
 皮肉の一つも言いたくなるほど、新婦である長女、千鶴は美しく、また羨ましかった。
「初音……。楓は結局来なかったね」
 梓は妹である、三女の楓が座る筈だった空席に目をやった。
「楓は、どこに行っちまったんだろう」
 初音は梓の声に何も答えず下を向いた。
 理由を知っていたから。
 初音はうつむきながら、去年の冬の出来事を思い浮かべた。


 その日は朝から雪が降っていた。
 正確には前日から振り続いていた。
411『神様なんていやしない』その2:03/08/27 08:31 ID:+f3Wx3M5
 町は白一色に覆われ、どこの家も屋根の雪下ろしにおわれていた。
 サク。サク。
 ブーツが新雪を踏みしめる度、くぐもった音をたてる。
 初音は幾度となく傘に降り積もった雪を払いながら、注意深く歩を進めた。
「ここね」
 手持ちの紙に書かれた住所と建物の名前を称号すると、屋根の下に入り、コンコンと傘の雪
を落とし畳んだ。
 建物の階段を滑らぬよう注意深く昇ると、ドアの並んだ廊下を一つずつ確かめながら進む。
廊下といっても集合住宅によくあるように、下界に面しているため、コンクリートの床に雪が
吹き込んでいた。
『柏木 楓』
 目的地の表札を見つけると、一度深呼吸をし、呼び鈴に手を伸ばした。
 ピンポーン。
 乾いた電子音鳴り響いた。
 十秒経過。
 三十秒経過。
 一分経過。
 何も変化は無かった。
 初音はもう一度呼び鈴を押してみた。
 ピンポーン。
 しばらく待ってみたがやはり返事が無い。
 留守なのかな、どうしようかなと初音が思った時、ドアの向こうから女性の声が聞こえてきた。
「どなたですか?」
 二ヶ月ぶりに聞く、姉の声だった。
「初音だよ、楓お姉ちゃん」
「初音……なの?」
 カチャリと金属音が聞こえた後、ドアが少しだけ開いた。
「初音一人だけ?」
 楓がドアの隙間から顔を出した。
412『神様なんていやしない』その3:03/08/27 08:32 ID:+f3Wx3M5
「うん、一人だけだよ」
 久しぶりに見た姉の顔に初音は少し驚いた。
 頬が少し痩け、顔に血の気がなかった。
「楓お姉ちゃん、どこか具合が悪いの?」
「え……、どうして?」
「顔色良くないよ」
「うん、ちょっと風邪を引いて寝ていたから」
 よく見ると、お昼にもかかわらず、楓はパジャマ姿のままだった。
「ごめんね、楓お姉ちゃん。寝ているところを起こしちゃって。わたし、今日はもう帰るね」
「………雪、降っているのね」
 楓は初音の肩越しに、外の景色を眺めた。
 カチャカチャ。
 楓はドアチェーンを外すと、ドアを広く開けた。
「初音、中にお入り」
「え、楓お姉ちゃん体調崩しているんでしょ」
「せっかく来てくれた妹を、この雪の降る中に追い返すなんて、出来るわけないじゃない」
「でも……」
「寒いから早く入って」
「お邪魔します……」
 部屋に入ると、初音はこれ以上冷気が入り込まないよう、手早くドアを閉めた。
「散らかっているけど、ごめんね」
「いいよ、気にしないから」
 初音は嘘を口にした。
 姉の部屋が散らかっている。初音にとって、それは初めて目にする光景だった。初音の知る限り、
楓は常に整理整頓を心がけていた。それが出来ていないということは、よほど体調が悪いという事
に他ならない。
 楓はいくつかの雑誌や書籍を部屋の隅に片づけると、座布団を引き初音を炬燵(コタツ)に手招きした。
「初音、来るのなら電話してちょうだい」
413『神様なんていやしない』その4:03/08/27 08:32 ID:+f3Wx3M5
 楓は初音の右隣に座ると、炬燵の中に足を伸ばした。
「楓お姉ちゃんの電話、コールが一回で切れるんだもん。留守番電話もついていないし」
「……そうだったわね。自分でセットしておいて忘れていたわ」
「楓お姉ちゃん。みんな心配しているよ」
 初音は楓の目を見つめながら話した。
「K市に引っ越してから、お正月も帰って来なかったし……。ここ三ヶ月全然連絡がないんだもん」
「それで、わざわざ偵察に来てくれたの?」
 楓が微笑みながら答えた。
「楓お姉ちゃん、わたし本当に心配していたんだよ!」
 初音は少し怒ったように答えた。
「本当に、本当に心配していたんだから……」
 目の端に涙が浮かんでいた。
「ごめんさい」
 楓はバツが悪そうに下を向いた。
「お願いだから、たまには電話くらいしてよ楓お姉ちゃん」
「そうね。今度からそうするわ」
「約束よ」
 楓は炬燵から手を出すと、すっと小指をたてた。
「指切りする?」
「嘘ついたら、針千本飲んでもうらね」
 小指同士が盟約の誓いをたてる為、堅く結ばれると、初音はホット一息ついた。少なくともここ
まで足を運んだ目的を果たすことができたから。
「そういえば初音、耕一さんと千鶴姉さんの結婚式は決まったの?」
「まだみたいだよ。婚約してから一年以上立っているのにね。それよりも、楓お姉ちゃんは何時か
ら風邪を引いてるの?」
「一週間くらい前からかな」
「ごはん、ちゃんと食べてる?」
 初音の問いに、ゆっくりと楓は首を横に振った。
「あまり食欲ないから。果物くらいしか食べていない」
414『神様なんていやしない』その5:03/08/27 08:33 ID:+f3Wx3M5
 炬燵の上には、木の籠に蜜柑がたくさん盛ってあった。
「一つ食べる?」
 初音は楓の差し出した蜜柑を受け取った。
「あ、そうだ」
 初音はごそごそと持って来たバックの中から、白いプラスチックの容器を取り出した。
「昨日ね、肉じゃがを作りすぎちゃったの。楓お姉ちゃん、食べられそうに無い?」
 容器の蓋を開けると、中身を楓に見せた。タッパの中に入ったジャガイモと牛肉から醤油の良い臭いがした。
「ぐ………」
 楓はそれを見た瞬間、素早く口に手を当てた。
「だ、大丈夫、楓お姉ちゃん」
 初音の問いに答える間もなく、楓は立ち上げると部屋の奥へと駆け込んだ。
 急ぎ容器の蓋を閉めると、初音も後を追う。
「大丈夫?」
 トイレの方から嘔吐する音が聞こえてきた。見ると、洋式便座に手を置き、顔は真っ青になっていた。
「ごめんね、楓お姉ちゃん」
 初音は姉の背中を優しくさすった。
 便器の中はオレンジ色に染まっていた。
「楓お姉ちゃん、本当に蜜柑しか食べていないの?」
 まだ吐き気が収まっていないのか、すぐに返事は帰ってこなかった。
「ここ十日ばかり、何も食べられないの」
「ごはんとかパンも?」
 楓は苦しそうに頷いた。
「果物とかトマトならなんとか食べられるけど、ごはんは臭いだけで駄目」
「そうなんだ。楓お姉ちゃん、まるで………」
 『つわりみたい』と言おうとして、初音は口をつぐんだ。
 つわり。妊娠。まさかという思いが初音の頭を駆けめぐる。
「もう、大丈夫よ。初音」
 楓は貧血気味にフラリと立ち上がると、再び炬燵のある居間に戻った。
415『神様なんていやしない』その6:03/08/27 08:38 ID:+f3Wx3M5
 初音も一緒に部屋に戻る。
 楓は先ほど剥きかけていた蜜柑を再び手にした
「何か言いたそうな顔ね、初音」
 蜜柑の皮を剥く音が、静かな部屋の中に響く。
「言いたいことがあれば、はっきり言ったら?」
 楓は皮を綺麗に剥き終えると、実を割り、蜜柑を一房口にした。
「楓お姉ちゃん……」
 初音は何か言いかけて、無言のまま再び下を向いた。
 それを見た楓が、くすくすと静かに笑い出した。
 初音は姉の笑い出した理由が判らず、首を傾(かし)いだ。
「やっぱり、ばれちゃった」
 楓は悪戯をした幼子のように笑った。
「何となく悪い予感はしたのよ。初音の顔を見た時」
「どういう事、楓お姉ちゃん」
「今、妊娠二ヶ月目よ」
 初音はハッと姉の顔を見つめた。
「本当に? 本当に妊娠しているの、楓お姉ちゃん」
「昨日、産婦人科に行って来たから間違いないわ」
 初音は正直耳を疑った。今まで、この姉が男と交際した話など一度も聞いたことがなかった。
 初音の動転した顔を見て、再び楓がくすくすと笑いだした。
「あの、楓お姉ちゃん。相手の男の人は、その、お姉ちゃんに子供が出来たの事、知っているの?」
 楓はふるふると首を横に振った。
「一人で産むつもりよ」
 さも、当たり前のように楓は言った。
「じゃあ、千鶴お姉ちゃんにも言わないの?」
「そのつもりよ。誰にも迷惑をかけるつもりはないわ。こうなると知ってやった事だし」
「本当に一人で産む気なの、楓お姉ちゃん?」
 楓は大きく首を縦に振った。
416『神様なんていやしない』その7:03/08/27 08:43 ID:+f3Wx3M5
「お金なら或る程度貯蓄があるし、なんとかやっていけると思う」
「そう……」
 初音は剥いた蜜柑を口に入れた。
「ねえ、楓お姉ちゃん」
 楓は三つ目の蜜柑を取ろうとした手を止め、初音を見た。
「わたし、誰にも言わないから……。その代わり、耕一お兄ちゃんにだけは話してもいい?」
「耕一さんに?」
「耕一お兄ちゃん、ずっと楓お姉ちゃんの事、心配していたよ」
「…………」
「実はね、ここに来る途中まで、耕一お兄ちゃんの車で送ってもらったの」
「え……」
「多分、今、電話で呼べば、すぐに来てくれると思うから」
 そういうと初音はポケットの中から、携帯電話を取りだした。
「止めてっ!」
 突然、激しい口調で楓が叫んだ。
「お願いだから、耕一さんをここに呼ぶのは止めてっ!」
 バンっ!
 炬燵の上に置いてあるテーブルを楓が勢いよく叩いた。
「どうして……」
「他の人はともかく、耕一さんにだけは絶対に知らせないでっ!!」
 その声は叫びというより、悲鳴に近かった。
 姉の突然の豹変に初音は困惑した。
「まさか、楓お姉ちゃん………」
 楓は、しまったという表情を顔に出した。
「お腹の子供の父親は………」
 初音の問いかけに楓は無言のまま何も答えなかった。その代わり、一粒、また一粒と涙が頬を流れ落ちていった。
 静かな室内に、楓の小さく嗚咽する音が満ちていった。
 初音はすべてを悟った。
 何故姉が突然一人暮らしを始めたのか、何故連絡を途絶していたのかを。
417『神様なんていやしない』その8:03/08/27 08:44 ID:+f3Wx3M5
「楓お姉ちゃん。わたし誰にも言わないよ」
 初音の頬にも一滴の涙がこぼれ落ちた。
「誰にも言わないから、もう泣かないで、楓お姉ちゃん………」
 その後、初音は楓から今までの経緯(いきさつ)を聞いた。
 姉の婚約者である耕一と、たった一度だけ過ちを犯した事。さらに、その一度だけで身籠もってしまった事。
そして引っ越した後に、妊娠している事に気づいた事。すべてを聞き終えた後、誰にも話さない事を初音は誓い、
その日は楓の部屋を後にした。
 楓の住んでいるアパートから少し離れた場所に、耕一が車の中で待機していた。
「初音ちゃん、楓ちゃんは元気にしていたかい?」
 雪を払いながら車に乗り込んできた初音に、耕一は心配そうに訪ねた。
「あのね、耕一お兄ちゃん。楓お姉ちゃんはね、楓お姉ちゃんはね……」
 初音は暫く迷った後、こう言った。
「……とても元気だったよ」
 この時、耕一にすべてうち明けなかった事を、初音は後になって深く後悔した。


 その日は雪も消え、梅の蕾が少しずつ膨らんでいた。
 寒かった冬も終わり、春がすぐそばまで迫っていた。
 初音はいつものように鉄の階段を昇り、ドアの前に立つと軽くノックした。
「楓お姉ちゃん入るよ」
 一言来訪を告げたると、合い鍵をポケットから取り出し、ドアをまわした。
「いらっしゃい。今日は随分と早いのね」
 炊事場で洗い物をしていた楓が手を止め、初音を出迎えた。
「気分はどう? 楓お姉ちゃん」
「随分と良くなったわ」
 初音が見るに、辛かったつわりが終わったのか、楓の顔色は随分と良くなり、以前に比べ、胸が膨らみ、
体全体が丸みを帯びていた。
「お腹大きくなった?」
「少しだけね」
「触ってもいい?」
418『神様なんていやしない』その9:03/08/27 08:45 ID:+f3Wx3M5
 楓は首を縦に振ると、シャツと腹帯をめくり初音が触り易いようにお腹を出した。
「動いた?」
 お腹に手を当てながら、初音は訪ねた。
「まだ、動くのは先だと思う」
「これからもっと大きくなるんだよね」
 初音は無邪気そうに笑った。
「初音、この子の名前決めたわ」
「もう決めたの、楓お姉ちゃん」
「しずり、という名前にしようと思うの」
「ふーん、この子、しずりちゃんていうんだ」
 感慨深げに初音はお腹を撫でた。
「産まれてきたら、初音がいっぱい遊んであげるからね」
 楓は静かに微笑んだ。
「楓お姉ちゃん、耕一お兄ちゃんと千鶴お姉ちゃんの結婚式の日取りが決まったよ」
「何時になったの」
 楓はお腹が冷えないよう、腹帯を巻き直しながら訪ねた。
「九月のね、えーっと、確か……」
 初音は壁に掛かっているカレンダーをめくりあげた。
「この日だよ」
 初音の指した日は、既に赤ペンで丸がしてあった。
「あれ、楓お姉ちゃん、この印って何?」
「この子の出産予定日よ」
「え、結婚式と同じ日なの?」
「出産予定日といっても、予定通りに産まれることはあまりないわ」
「そう……」
 初音は何か、運命の悪戯めいたものを感じた。
「ところで初音、あなた大学の受験はどうたったの? 今年、何校か受験したんでしょ」
「あのね、楓お姉ちゃん。今年は大学に行くの止めたの」
「どうして?」
「その、行きたいところが無かったし………」
 初音はすぐにばれるような嘘を口にした。
 初音は受験した大学、すべて合格していた。どの学校も昔から憧れていた大学ばかりだった。しかし、
初音はすべてそれらを辞退した。他人には『もっとレベルの高い所に行きたいから』と説明した。無論
本当の理由は、身重の楓お姉ちゃんを見捨てて、都会に行くことが出来ないからだった。
「そう、来年は行きたいところが見つかると良いわね」
 楓も事の成り行きを察したのか、それ以上その話題には触れなかった。
 その日は掃除洗濯をすませた後、町へ出て雑貨や食料の買い出しなどで一日が終わった。
「また、来るからね、楓お姉ちゃん」
 夕日に照らされながら、名残惜しそうに初音が別れの言葉を述べた。
 不意に、楓が初音の体を引き寄せ、優しく抱き締めた。
「ごめんね、初音。いろいろと迷惑をかけて」
「別に迷惑なんかじゃないよ。楓お姉ちゃん」
「初音。私になんか構わず、自分為に自分の好きな事をしなさい。私は耕一さんの子供を授かっただけで、
満足だから」
「楓お姉ちゃん……」
「これ以上、私のために自分を犠牲にしないで……」
「違うよ楓お姉ちゃん。犠牲なんかじゃないよ。わたしは好きでしていることなんだから。だって、
これからのお腹が大きくなって、子供が産まれる事を思うだけで、わたし今からドキドキしているんだよ」
 楓は何も言わず、もう一度強く抱き締めると、初音の頬にキスをした。
「また来るね」
 初音がドアを閉める時、楓は泣いているように見えた。
 そして、それが楓を見た最後の姿だった。
 一週間後、初音の元に楓から一通の封書が届いた。
 それに目を通すなり、初音は家を飛び出し、楓の住むK市に向かった。
「お姉ちゃん、楓お姉ちゃん!」
 ドアを叩いても楓の部屋からは何も返事は帰って来なかった。
 恐る恐る合い鍵を差し込み、ドアノブをまわす。
 部屋の中は、ただ畳みが引いてあるだけで、楓の姿はおろか、家具ひとつ残されてはいなかった。
「楓お姉ちゃんの、バカ〜!」
 初音は一声叫ぶと、自分以外誰もいない部屋の中で、永い時間泣き続けた。


「……ね、……つね、初音」
 自分の名前を呼ばれている事に気づき、初音はハッと顔を上げた。
「どうしたの初音」
 見ると、白いドレスに身を包んだ姉の梓が心配そうに見つめていた。
「う、うん。昨日、結婚式の準備であんまり眠れなかったから」
「そうね、あたしもあんまり昨日は寝ていない」
 そいうと、梓は大きな欠伸をした。
 千鶴と耕一の披露宴は二人の思いをよそに、恙無(つつがな)く進行していた。
 ケーキの入刀も終わり、進行役にそそのかされた新婦の千鶴が、新郎の耕一の口に白いクリームの乗った
ケーキを食べさせていた。幸せいっぱいの笑顔を作りながら。
「梓お姉ちゃん」
「なぁに、初音」
「神様がこの世にいるなんて、きっと嘘だよね」
 初音は醒めた目で、新郎と新婦を見つめていた。
「だって、神様がこの世にいるなら……」
 どうしてこんなに幸せに差があるのだろ。
 初音は口から出そうになった言葉をかろうじて飲み込んだ。
 千鶴お姉ちゃんと耕一お兄ちゃんには、こんなにたくさんの人が祝福してくれているのに、楓お姉ちゃんは
今頃たった一人………。
 初音はお産に苦しむ姉の事思うと、胸が張り裂けそうになった。せめて、自分だけでもそばにいてあげられ
なかったのかと痛切に悔やんだ。


 宴もたけなわとなり、新郎である耕一が締めの言葉を述べた。これからもよろしくご指導願いますと頭を下げると、会場の中は盛大な拍手に包まれた。
 何時までも終わらない万雷の拍手の鳴り響く中、
 初音は………、どこか遠くで、
 赤子の泣く声を、聞いたような気がした…………。
<終わり>
以上、終わりです
テーマ書き忘れました
テーマ;『結婚』

> ◆QYKMYbF9AU
割り込みしてしまい申し訳ございませんでした。
422名無しさんだよもん:03/08/27 08:54 ID:ZkbVDMVL
長文うざい
423名無しさんだよもん:03/08/27 09:54 ID:BgImuoB3
すみません、三十分ほど延長お願いできますか?
424名無しさんだよもん:03/08/27 10:04 ID:NOLQ4Ynu
>>423
http://kita-kao.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/test/read.cgi?bbs=sscompe&key=1055435436&st=96&to=96
だ、そうです。

自分も延長お願いしようかな。
210.227.201.227 , p03-dna02ajigasawa.aomori.ocn.ne.jp ?
425423,424じゃないけど:03/08/27 10:08 ID:AFina8sa
じゃあ1時間延長希望してみるテスト・・・。
426名無しさんだよもん:03/08/27 10:18 ID:WmsM823x
私も延長お願いしたいのですが、代行が来ないとこの状況に収集がつきませんね。
427 ◆UorrRRuJp. :03/08/27 10:25 ID:BgImuoB3
遅れてすみません。投稿します。
テーマは『耳』で、誰彼、蝉丸が主役です。
タイトルは『闇に閃く鈴の音』 
25レスの予定です。
 闇。
 それは俺にとって世界そのものであり、
 その中に反響する空気の震えは、世界の息吹だった。
 耳をすませば、風の吹き抜ける音は地形を伝え、
微かな呼吸音はその生物の状態、動きから心理まで教えてくれる。
 特にこんな静かな夜は、辺りを取り囲む樹木たちの脈動すら聞こえてくる。
 ――いい夜だ。
 深い森の中は星明かりすらも閉ざし、俺の中の仙命樹が通常より活性化しているのが分かる。
 まるで祭に浮かれる子供だ。
 俺は適当な岩の上に腰を下ろし、水筒に直接口をつけ、一口煽る。
 月見酒、とはいかないが、これはこれでなかなか乙なものだ。
 一般に配給される、ひどく後味の悪い、ただ酔うだけのそれとは違い、質も悪くない。
「俺の勘もまんざらではないな」
 む? そういえば、数日前も同じ事を言ったか……。
 思わず笑いが漏れた。
 ――悪くない。
 そう、本当に。闇の中で生きることを義務づけられた俺が、森の闇に紛れて消えてゆく。
 しかも酒を飲みながら、だ。
 前線で死んでいった戦友たちに比べれば、これ以上ないくらいの死に方だ。
 申し訳ないとすら思う。
 ――カサ。
 葉を踏む、小さな足音。僅かな音に抑えてはあるが、意図的に立てられたものだ。
 相変わらず、下手な気の回し方をする男だ。
「末長……」
 微かに動揺の気配を含んだ声が届く。
 距離は30メートルほどあるが、強化兵である俺たちにとっては、
そう会話に不便な距離でもない。
 逆にこれ以上近づいたら、間合いに近すぎ、無用な緊張を強いられることになる。
 やり合うのは避けられないにしても、
その前に、末期の酒くらい酌み交わす時間はあってもいい。
 幸いにして、来てくれた相手は予定通りの人物だ。
「やはりお前か、坂神――」
 俺は――目が見えていたときの習慣で――坂神が立っている方向に、顔を向けた。
 昭和十×年――。

 帝国陸軍特殊歩兵部隊の要、いや、そのものである強化兵。
 不老不死、再生能力、あらゆる面で強化された身体能力と、
人間以上の人間を目指して作られた、究極の兵士。
 強化兵は、それらの特長をふまえた上で、目的に応じて、多種多様な能力が付与された。
 仙命樹の弱点である、水を克服するべく、水中戦に特化した水戦試挑体。
 同じく、弱点の日光を克服するべく、太陽の下での能力低下を最低限に抑えた火戦試挑体。
 重ねられた試行錯誤と失敗作の山の中から見いだされた、ごく僅かな成功例たち。
 その中に、闇戦試挑体(あんせんしちょうたい)と呼ばれる強化兵があった。
 本来、闇の中での活動に適した強化兵だが、
闇戦試挑体はその特長を、更に極端に押し進めた調整が施されている。
 強化された聴覚は、人が本来認識し得ない波長の音すら聞き取り、
空気のわずかな振動から、周囲の様子を把握する。
 また、闇の中での活動を考え、無音活動と気配消失にも長けている。
 代わりに日光に対する耐性は、通常よりも低くなってしまったが、想定内には抑えられた。
 全ての光が断たれた闇の中で活動する、無音の暗殺者。
 それが闇戦試挑体、末長和眞(すえながかずま)と呼ばれる強化兵だった。
 初めて末長が強化兵の同士として紹介されたとき、
 めったなことでは動じない蝉丸たちの間に、僅かにざわめきが走った。
 末長の顔には細かな裂傷がいくつも刻まれ、目は、固く閉ざされていたからだ。
 末長は、前線で優れた戦果を残したものの、
炸裂した手榴弾の破片によって視力を失い、後方送りにされた男だ。
 だが、その運動能力を惜しんだ上層部によって仙命樹を与えられ、
強化兵として新たな人生を送ることになった。
 蝉丸の頬の傷をみれば分かるように、仙命樹による再生は、植え付けられた後の傷にしか機能しない。
 視力も同様だ。
 そして、光が戻らぬなら、逆に見えなくとも戦える兵士を、
というコンセプトで調整されたのが、闇戦試挑体だ。
 実際は、末長という素材を目にした科学者たちが、それを生かす方向で考えた末のものだったのだが。
 そのせいか、本来なら白いはずの短髪も、黒く染められ、肌も浅黒い。
 やや細身ではあるが、余分な肉はなく、よく引き締まっていた。
 自然体であるのに、研ぎ澄まされた刃のような鋭利な雰囲気を、身に纏っている。
 その気配に御堂や岩切は過敏に反応し、睨みを返した。
 無遠慮に投げつけられる視線をどう感じたかは――あるいは気づかなかったのか――分からないが、
 末長はただ、黙って敬礼を返した。
「ずいぶんと無口な男だな、あれは」
 脈絡なく岩切が会話を切り出す。
「末長のことか?」
 実験装置の故障とかで、岩切同様待機を命じられ、暇を持て余していた蝉丸は、その会話に乗った。
 末長が配属されてすでに半月が経っていたが、
その寡黙な口を、必要以上に開かせたものは誰もいない。
「そうだ。我々は訓練を積んでいると言っても、実戦経験は乏しく、
 また、前線の状況は分からん。土産話の一つでも、と話をふってみたが――」
「『語るような話はない』、か」
 蝉丸にセリフを取られ、岩切は、気にくわない、といった風に口を曲げる。
 そして苦々しげに、
「お前もふられた口か」
「いや、御堂がふられるところを見た」
「ふん――。闇戦試挑体の名の通り、陰気な男だ。
 洞窟の中にでも籠もっている方が似合っている」
 洞窟の奥に籠もって、座禅を組んでいる末長の姿を脳裏に描き、蝉丸は忍び笑う。
 20代にしては、達観した雰囲気のある末長には、その姿が妙に似合っている。
 もっとも蝉丸も人のことは言えないが。
「自分の目を奪われたんだ。あまり思い出したくもないだろう」
「どうせ奴には、目以上に鋭い耳があるではないか」
「目の代わりにはなっても、目、そのものにはならない。
 音は形を伝えても、色までは伝えないしな」
 と、蝉丸が取りなそうとしたところを、
「悩んだからといって、また生えてくるわけでもあるまい」
 岩切はあっさりと切って捨てた。
 岩切の言わんとするところも分からないではない。
 大本営から発表される、日本軍の連戦連勝の報。
 太平洋も半ばを切り取り、アジアの各地にも日章旗を立てている。
 その勇壮な活躍の様を知りたいとは、岩切ならずとも好奇心をそそられる。
 だが――。
 露骨な物資の欠乏と、過剰なまでの動員令。本当に日本軍は勝っているのだろうか。
 その懐疑も好奇心の裏で後押しをしているのだろう。
 全き闇の中に、空気を切り裂く音がした。
 銀光の閃きすら見せず、冷たい刃は蝉丸の喉を掠め、壁に突き立てられる。
 目の前にいるはずの末長は、気配の一片も見せていない。
 ただ喉に触れた鋼の感触だけが、蝉丸の敗北を主張する。
 蝉丸が両手を上げると、刃がゆっくりと引かれた。
「これで15勝5敗だったか?」
 からかうような末長の声は、確かに正面、一メートルと離れていない距離から聞こえてくる。
 だが僅かな音も、気配も熱も、まるで感じることができない。
「いや……4敗だ」
 ――完全体が、聞いて呆れる。
 自嘲しつつも、もしもこれが訓練でなかったら、と、蝉丸の全身に冷や汗が流れた。

 末長は優秀な兵士だった。
 真に完全な闇という条件を添えれば、強化兵二人を相手に立ち回ることすらできた。
 加えて、実戦を経験した者の気迫の違いだろうか、
 彼の意志が張りつめたような剣の間合いは結界に等しく、容易には踏み込めない。
 そのくせ気配を消そうとしたときには、まるで空気の如く消失し、
目でその姿を捉えながら、その存在を感じられないとあっては、自分の目を疑いたくなる。
 日中・水中ではさすがに御堂や岩切に一歩譲ったが、それでも時に一本を奪った。
 おかげで御堂にはますます嫌われたが、逆に岩切には認められるようになった。
 寡黙なのは相変わらずだが、長くいるうちに少しは馴染み、
興が乗れば、竹で作った短い笛を、吹いて聞かせることもあった。
 いっかな戦場のことは、黙して語ろうとはしなかったが。
435『闇に閃く鈴の音』(8/25)  :03/08/27 10:34 ID:SvrwjLIo
 ある夜、蝉丸は夜間監視訓練もかねて、研究所の警備を命ぜられた。
 同じ強化兵ならともかく、ただの人間が無防備に侵入したなら、
寝ていてもその気配を蝉丸達は察知できるだろう。
 だが生真面目な蝉丸は、丁寧に気配や物音に注意を払いながら、研究所周囲の警戒に当たる。
 深まった秋の夜空に虫の音が響いていた。
 その演奏を邪魔しないように、蝉丸はそっと足を運ぶ。
 塀の外を半周したところで、蝉丸が伸ばした感覚の縁に、何者かが触れた。
 ともすれば見過ごしそうな、虫のごとく小さな気配。
 それはすでに研究所内に忍び込んでいた。
 すわ侵入者かと、蝉丸も同様に気配を殺し、間合いを計って塀を跳び越えた。
 読み通り、音もなく降り立ったその正面ちょうどに、侵入者はいた。
 その姿を認め、緊張を孕んでいた蝉丸の顔が、たちまち呆気にとられる。
 窓ガラスの向こうに立っていたのは、手に酒瓶を掴んだ末長だった。
 末長は悪びれもせず、「一緒にどうだ?」と言わんばかりに酒瓶を見せた。
436『闇に閃く鈴の音』(9/25)  :03/08/27 10:34 ID:SvrwjLIo
「……何をしている」
 呆れたような蝉丸の口調に、末長は苦笑する。
「このところ、酒もろくに回ってこない。なら、自分で手に入れるしかあるまい」
「こっそりと倉庫から持ち出して、か?」
「ここは給料は出ても、買いに行く店もないからな」
 研究所のある島は海底洞窟で陸地と繋がっているが、気楽に行き来できはしない。
 存在そのものが軍事機密である彼らはなおさらだった。
 末長は窓をくぐり抜け、塀の外を顎で指して、促す。
「見つかったのも何かの縁だ、つき合え」
「哨戒任務中だ」
「少しばかり離れても、接近してくる者の気配は掴める。今、お前がやったようにな」
「――お前はもう少し、固い男だと思っていたが」
「お前に言われるほどでもない」
 そう言って、喉の奥で笑う。
 蝉丸は顔をしかめたが、やがてその口から出た返事は、
「俺と飲んでもつまらんぞ」
 それを末長は肯定の意と受け取った。
「ただ酔いたいだけの夜には、そういう相手の方がありがたい」
 末長の口調に、なにか共感する物があったのか、蝉丸は無言で後に続いた。
437『闇に閃く鈴の音』(10/25)  :03/08/27 10:35 ID:SvrwjLIo
 二人は少し離れた断崖で腰を下ろし、月明かりを浴びながら酒を酌み交わす。
 一口含んで、予想よりもはるかに豊潤な味わいに、蝉丸が目を見張った。
「……上物だな」
「ふむ、俺の勘もまんざらではないな」
 ラベルを確かめることもできぬ末長は、
 倉庫から適当に抜き出してきたのだが、大当たりだったようだ。
 蝉丸はじっくりと舌の上で味わい、染み入るような熱さを楽しむ。
「支給品とはえらい違いだ。少し岩切にも分けてやるか」
「よせよせ。女などにこの味が分かるものかよ」
「そうでもないぞ、あれは意外といける口だ。――悪酔いするがな」
「ほう? 酔うと脱ぎでもするのか?」
「いや、ひどく絡む。愚痴上戸でな」
 いかにもそれらしい岩切の酔い様を想像し、末長は声を立てて笑った。
438『闇に閃く鈴の音』(11/25)  :03/08/27 10:35 ID:SvrwjLIo
 程良く酔った末長は、例の竹笛を取りだし、短い曲を吹く。
 聞き覚えのある曲だ。
 歌詞は思い出せないが、寂しげな音色には郷愁を掻き立てられる。
 虫たちが遠慮するように黙り込む。風すらも吹くのを躊躇しているようだ。
 静まった夜に、静かな笛の音が、暫時響き、掻き消えるように終わった。
 途端、拍手をするようにキリギリスたちの鳴き声が、響き始める。
「俺は音楽はよくわからんが……なかなかに達者だ」
「大したものでもないさ。が、退屈しのぎの余興程度にはなる」
 末長は、ひょいと無造作にキリギリスをつまみ上げた。
 驚くべきことに、キリギリスは指の上で何事もなかったかのように鳴いている。
 岩のように、気配を自然に溶け込ませているからこそ、できる芸当だ。
 末長は指を弾いてキリギリスを逃がすと、頭の後ろで手を組み、寝転がる。
 シンとした静けさが二人の間に横たわった。
 末長はしばらく無言のまま月の光を浴びていたが、酒の効果か、滑らかに唇が滑り始めた。
「――戦場には娯楽もなにもない。ただ、戦いと、そのための準備があるだけだった。
 飯も、山野の踏破も、塹壕堀も、全てが生き伸びるためのもがきだった。
 なにも考えず、その日一日を生きて終えることだけに、必死になった。
 泥をすすり、足を引きずるようにして、刃と銃弾の驟雨をかいくぐった。
 戦況は少しずつ悪化し、補給は断たれ、後続の軍は来ない。
 環境は日本とはまるで違い、凄まじい熱さと湿気、突如叩きつけてくる雨。
 虫や蛭は絶え間なく襲いかかり、少し体調を崩せばたちまち病にかかる。
 なんでこんな思いをするのだろうと、誰もが一度ならず考えた。
 だけど俺たちは――逃げようと言う気は起きなかった」
439『闇に閃く鈴の音』(12/25)  :03/08/27 10:36 ID:EKObDmo7
 何故だか分かるか? と言いたげに末長は蝉丸の方を向いた。
 だが、蝉丸が無言のままでいるので、続けて語り始める。
「逃げても行き場などなかったのは事実だ。
 だが、それ以上に俺たちは……この国を守りたかった。
 国を、家族を、そこに生きる人々を守るために、命を懸け、死んでいった。
 坂神――お前はこの国が好きか?」
 唐突に振られ、一瞬蝉丸は動揺する。
 が、やがて噛み締めるように、一語一語はっきりと、語り始める。
「ああ……俺は、この国が好きだし、この国のために戦いたい。
 世界の広さから見ればちっぽけな島国かも知れないが――美しい国だと思う。
 命を懸けて守るに値する、祖国だ。
 だから、軍に志願した。今は戦場に出ることは叶わないが、いずれ、俺も――」
 戦場に立つのだろう。かつての末長のように。
「ふむ、立派な志だ――だが、それだけか?」
 意味ありげに末長は笑う。
 その意図を察した蝉丸は、だが、顔を赤らめもせず、
「――守りたい人がいる。そのために、俺は強くなりたかった」
 真顔で言い切った。
 そう来られては、末長も苦笑するしかない。
 蝉丸と光岡は、とあるご令嬢との恋仲を噂されてはいたが……、
どうやら本気も本気らしい。
「そうか、なら――お前は生き延びろ」
 不意に末長は立ち上がった。
「……末長?」
「国のために死ぬのは、俺たちだけでいいということだ」
「何を言っている?」
 末長は閉ざされた目蓋をこちらに向け、戸惑う蝉丸を黙らせる、決定的な一言を投げる。
「――日本は負けるぞ、坂神」
 その言葉は氷の刃のように、冷たく、鋭く、蝉丸の心臓を貫く。
440『闇に閃く鈴の音』(13/25)  :03/08/27 10:37 ID:EKObDmo7
 ――負ける。
 それは心のどこかで可能性として考えてはいた。
 だがけして口に出すべき言葉ではないし、そんな未来が来ると信じたくもなかった。
 しかし末長はあまりにも断定的な口調で、容赦なく告げる。
 信じたくないのに信じざるを得ない、そんな説得力を持った口調で。
 呆然としている蝉丸の横を、末長が通り過ぎる。
「……末長っ」
 声をかけた途端、末長の足が滑った。いや、力が抜けて崩れたのか。
 蝉丸は即座に反応して、体を支える。
「とっとと……すまんな」
 末長は先ほどまでの雰囲気はどこへやら、ごまかすように笑っている。
「飲み過ぎだ」
「そうだな……それにいささか喋りすぎたようだ。忘れろ」
 あれだけのことを言っておいて、忘れろもないものだが、
さりとて、常時頭の中に留め置くには、重すぎる発言だった。
「……ああ」
 蝉丸は憮然と答えた。
441『闇に閃く鈴の音』(14/25)  :03/08/27 10:39 ID:EKObDmo7
 翌日から、末長の姿が見えなくなった。
 彼らは、一堂に会して顔を合わせるということは意外と少ないのだが、
末長と会ったものが誰もいないのは、あまりにも不自然だった。
 あの不吉な言葉と相まって、嫌な予感が蝉丸にのしかかる。
 悶々とした一週間が過ぎ、蝉丸は意外な形で末長の名前を聞いた。

「末長を、捕らえろ……と?」
 上官は苦々しい表情を隠そうともしなかった。
「そうだ。末長は今朝未明、この研究所より脱走した。貴様等強化兵は存在自体が機密事項。
 脱走はすなわち、重大な機密漏洩となる。
 いかなる手段を持ってしても、末長を連れて帰ってもらう。最悪、死体でもかまわん」
 その、妙に突き放した物言いが蝉丸の癇に障ったが、選択権はない。
「――了解しました」
 敬礼すると、末長が潜伏していると思しき地点の地図を差しだされる。
 赤く印を付けられた地点は、樹海と言ってもいいほど、深い森の中だ。
 末長がこの中に紛れ込めば、容易に捕らえることはできないだろう。
「なぜ、この場所にいると?」
「その森に怪しい人影が入っていったと、今朝方報告があった」
 答えは簡潔だったが、それだけに疑問が募る。
 難しい顔をした蝉丸を見て、上官が寛大にも、
「一人では厳しいだろう。跋扈の剣の使用許可と、部下を二人まで同行を許可する」
 大盤振る舞いに近い権限を与えるが、蝉丸はあっさりと首を横に振る。
「……部下はいりません。代わりに用意していただきたい物があります」
442『闇に閃く鈴の音』(15/25)  :03/08/27 10:39 ID:EKObDmo7
 夜半過ぎ。仙命樹が本領を発揮する深夜になって、蝉丸はその森の中に踏み込んだ。
 探索と言うほどでもない。
 僅か十分ほど彷徨っただけで、あっさりと末長の気配を発見する。
 罠や小細工の存在をまるで懸念せず、蝉丸は真っ直ぐにそちらへと向かった。
 すぐに、程良い大きさの岩に腰掛け、酒を煽っている末長が見つかる。
 気づいていないはずはないだろうが、あえて蝉丸は気配と音を発する。
「やはりお前か、坂神――」
 末長は笑った。
 やはり――、と、蝉丸も思う。
 あまりにも不自然な目撃報告に、こうも露骨に気配を発散していては、
見つけてくれと言うようなものだ。

 そう、見つけて欲しかったのだ、末長は。
 木々が鬱そうと茂り、昼間でもなお暗いこの場所は、末長のホームグラウンドだ。
 この状況下で勝つ可能性のある強化兵は、完全体と呼ばれる蝉丸か光岡か。
 だが光岡は昨日から調整処理に入っている。
 ここまで来れば、推理と呼べるほどの物でもなく、蝉丸が来ると分かる。
 一人で来ることも、末長の予想の範囲内だった。
 そういう男なのだ、蝉丸は。
443『闇に閃く鈴の音』(16/25)  :03/08/27 10:39 ID:EKObDmo7
「どうだ、一杯?」
 先日のように、酒瓶を掲げて末長が誘う。
「任務中だ」
「相変わらず固い男だ」
「酒量が増えているようだな、何があった?」
「さて……な」
 末長が喉の奥で笑う。やけ酒のように酒瓶を煽った。
「では質問を変えよう。――なぜ、逃げた? 日本の行く末に絶望でもしたか?」
「ほう。ではお前は絶望しないと言うのか?」
 揶揄するような物言いは、蝉丸の質問をはぐらかしていたが……蝉丸はそのままに答える。
「俺は強化兵だ。
 悠久の時を生き延び、あらゆる敵を打ち倒すために作られた、最強の兵士だ。
 ただ求められるのは勝利のみ。そのために修練を積み、肉体の改造にも耐えた」
「いくら強いと言っても、人一人のできることなど限界があるものだ。
 強化兵とて、無敵でも不死身でもない」
「――仮に俺が倒れても、次代を担うものが俺の代わりに戦うだろう。
 意志が継がれる限り、それは俺にとって敗北ではない」
「さて、それはどうかな?」
 末長が立ち上がった。
「どういう意味だ?」
 思わず蝉丸は一歩下がり、身構える。
「お前に敗北を教えてやる。そういうことさ」
 完全に本気の目をしていた。気配が、闇の中に溶け込んでゆく。
「待て、末長――」
 末長は酒瓶を投げた。
「問答無用だ」
 ガラスの砕ける音が、戦いの合図となった。
444『闇に閃く鈴の音』(17/25)  :03/08/27 10:40 ID:EKObDmo7
 ほとんど予備動作を見せず、末長が横に飛んだ。
 無数に立ち並ぶ木々の合間に一瞬その姿が掻き消えると、もう居場所が掴めない。
 樹齢数百年に及ぼうという木々の群は、人一人を隠すには十分すぎた。
 蝉丸は跋扈の剣をいつでも抜き放てるよう腰に構え、じっと末長を待った。
 僅かな気配をも逃さぬよう神経を張り巡らせるが、相手はあの末長だ。
 捉えきれるかどうか、自信はない。
 だが、いざとなったら自分の腕の一本を犠牲にしてでも――、
 そう考えた瞬間、意識するよりも早く体が動く。
 ほんの一瞬前まで立っていた地点を、末長の長刀が通過した。
 風を切る音は後に聞こえた。
 痛みはさらにその後からやってくる。
 半身になって致命傷は避けたが、背中を切られていた。
 反射的に刀を振るったが、すでにその時には末長は跳躍し、再び森の中に消える。
「――浅かったか」
 余裕すら窺える呟きだけ、その後に残して。
 ――ぞっとした。
 どこから現れたか、殺気の発する最後の一瞬まで、まるで掴めなかった。
 そして今、末長の気配は完全に消えている。
 分かり切った事だった、が、予想以上に手強い相手だった。
445『闇に閃く鈴の音』(18/25)  :03/08/27 10:41 ID:iXEjBcHS
 しばらく、同じようなやりあいが続いた。
 だが末長の攻撃は致命傷にはならず、仙命樹によってたちまちその傷は癒される。
 確かに出血と共に、蝉丸の仙命樹を損なってはいるのだが、
このペースでは倒すまでに相当の時間がかかるだろう。
 ぐずぐずしていたら夜が明ける。日が昇れば末長には勝ち目は薄い。
 そう蝉丸が考えた通り、末長はテンポを上げてきた。
 一撃ごとに隠れるという戦法は取らず、ヒット&アウェイを繰り返す。
 反撃を喰らう恐れはあるが、手数を増やすことで確実に蝉丸を追いつめてゆく。
 蝉丸の体には無数の傷が刻まれ、紅が全身を染めた。
 その一部は、返り血となって末長にも付着した。

「――む」
 蝉丸の攻撃が、末長を捉え始めた。
 その刃はまだ末長には届いていないが、反応が早くなっている。
 明らかに気配を見切られていた。
 背後からの、完璧に気配を消したはずの一撃に、蝉丸は即座に反応し、刃を振りかざす。
 軋るような金属音が弾け、刃がかみ合い、鍔迫り合いになる。力はほぼ互角だった。
 一瞬でも力を抜いたら切られる、そんな最中に問いかけた。
「――なぜ、分かった?」
 蝉丸も全身に力を込めながら、答える。
「お前の気配は見切れない、が――俺の匂いなら分かる」
「……なるほどな」
 蝉丸の血で赤く染まった自分の体を見て、納得した。
 刃を弾き合い、距離を取る。
 長い戦いの中で、初めて姿を見せて相対する。
「少々長く時間をかけすぎたか」
 無敵でも不死身でもないが、限りなくそれに近い強化兵ならではの戦法だった。
446『闇に閃く鈴の音』(19/25)  :03/08/27 10:42 ID:iXEjBcHS
 さて、どうしてくれようかと末長がしばし悩むすきに、
蝉丸が、無言で懐から布包みを取り出した。
 まかれていた紐をほどくと、そこには短く切られた竹が並んでいた。
 十数本はあるそれを蝉丸は手に取り、投擲した。
 甲高く風を切る音と、涼やかな鈴の音が宙を切った。
「――鈴!?」
 末長は眉を跳ね上げつつ、それを躱す。
 短く切った竹の節には、後ろに紐で鈴が繋がれていた。
 竹にも――末長の笛のように――音が鳴るように、わざわざ穴が穿たれている。
 音がする分、かわすことは容易い。
 が、蝉丸が続けざまにそれを投げると、無数の音が反響し、距離感が狂わされる。
 地面に突き立ったものも、木に刺さったものも、すぐには音は消えない。
 末長は舌打ちした。
 音の情報量が増大し、周囲の情報を含んだ微細な音が掻き消される。
 記憶と勘を頼りに、末長は回避を繰り返すが、一本、避けきれずに脇腹に突き刺さる。
「ちっ――」
 傷としては大したことはないが、猫ではあるまいし、
鈴などつけられてはたまったものではない。
 末長は引き抜き、地面に叩きつけると――金属のピンを抜く音が微かに聞こえた。
 ――手投げ弾!?
 僅かな間をおいて、爆音が空気をなぎ倒してゆく。
 その最中に狂ったように鈴の音が響いた。
 距離も、上下も、風景も、あらゆる情報が末長から奪われてゆく。
 膨れあがった爆風が、末長を吹き飛ばした。
447『闇に閃く鈴の音』(20/25)  :03/08/27 10:43 ID:iXEjBcHS
 爆風によるダメージは大したことはなかったが、吹き飛ばされ、バランスを大きく崩す。
 ――まずい。立て直せ。いや、一旦距離を取り、鈴の範囲から抜け出さねば――。
 遅かった。
 真上に現れた蝉丸の気配に気づいたときには、
跋扈の剣が容赦なく末長の左腕を肩から切り落としていた。

「ち――やられたな」
 大量の血液と共に、その内に潜む仙命樹が失われてゆく。
 彼らにとって、これは致命傷にはならないが、敗北は避け得なかった。
「末長――」
「そんな顔をするな」
 見えもしないのにそんなことを言う。
「俺は全力で戦い、破れた。最後に兵士として戦い、死ねる。
 最上というわけではないが、悪くはない」
「死を選ぶ必要はない。俺たち強化兵は軍にとって虎の子だ。
 今戻れば、処罰はうけるだろうが、殺されると言うことは――」
「そうじゃない」
 末長は蝉丸の言葉を遮り、顎をしゃくった。
 切り落とされた末長の腕が、泡を立ててふくらみ、腐り、ねじれるように消えてゆく。
「――これは」
「俺は失敗作だった、と言う事さ」
 自嘲気味に末長は笑った。
448『闇に閃く鈴の音』(21/25)  :03/08/27 10:44 ID:iXEjBcHS
「持ってあと十日、と言ったところだ。
 だが、切り刻まれて保存されるのは性に合わん。同じ死ぬなら戦って死にたいものさ」
「しかし――」
「どうにもならんことだ」
 そう言う末長の表情には、微かに蝉丸への羨望が混じっていたかも知れない。
「それに、どうせ俺はずっと死に場所を探していたようなものだ」
「死に場所?」
「日本へと帰る飛行機の中で、俺の部隊が全滅したという報告を聞いてからな」
 もともと悲惨な状況で戦っていた彼の部隊は、末長を欠き――、
いや、彼がいたとしても、いずれにせよ長くは保たなかっただろう。
 そういう戦況だったのだ。
「光を失った俺でも、少しは最後の奉公ができるかと、強化兵に志願はしたが……
 やはり役立たずはどこまで行っても役立たずか」
「末長――」
 末長は同情はいらぬとばかりに首を振る。
「お前達と過ごした一月ほどの期間――悪くはなかった。だが俺は、やはり戦場で散りたい。
 最後に貴様と戦い、兵士として死んでゆくことができる。俺は――満足だ」
「勝手なことを」
 苦々しげに蝉丸が吐き捨てる。
「確かにお前にはいい迷惑だったな――迷惑ついでに、もう一つ頼もう」
「なんだ」
 毒を喰らわば皿までの心境で、蝉丸は聞き返す。
 末長はさらりと、飲もうと誘ったときよりも軽い口調で言った。
「俺を殺せよ、蝉丸」
 末長は初めて名前で蝉丸を呼んだ。
449『闇に閃く鈴の音』(22/23)  :03/08/27 10:45 ID:iXEjBcHS
「お前が言ったな、意志が継がれる限り、それはお前にとって敗北ではないと」
「――ああ」
「ならば、俺の意志を継げ。お前は兵士として戦い、生き延びろ。
 俺のように中途半端に戦死するんじゃないぞ」
 蝉丸は沈黙した。
 末長は、じっと蝉丸の決断を待った。
 時間にすれば一分ほどだろうか、短いが、やたらと重苦しい時間が流れる。
 風すらも二人の邪魔をしまいと、おとなしくしている。
 蝉丸はようやく頷いた。
「分かった」
 むしろ末長は、穏やかな笑みさえ浮かべ、頷いた。
「それでこそ帝国陸軍特殊歩兵部隊、強化兵だ」
 末長は足を組み、背筋を伸ばし、背を向ける。
 蝉丸は、跋扈の剣を頭上に構えた。
 紅が飛んだ。

 そして、五十年が過ぎた。
450『闇に閃く鈴の音』(23/23)  :03/08/27 10:45 ID:iXEjBcHS
 キリギリスが鳴いていた。
 鈴を思わせるその音が、耳に快く聞こえる。
「あーっ、逃げられちゃったぁ」
 捕まえようとした月代が、逃げられ、悔しそうに口を尖らせている。
「近づき方が悪い。気配を殺し、虫を逃すまいとして、音を殺そうと力むから、逃げられた」
「気配を殺すなんてできないよ。蝉丸、できるの?」
「……やってみる」
 俺はできうる限り気配を消し、そっと近づく。が、
「あっははは、しっぱーーーい」
 邪念があったのだろうか、逃げられた。
 俺もまだまだだな……と自嘲し、こういったことが得意だったある男の顔を思い出す。
 五十年の時を経ても、鮮明にその顔は浮かび上がった。
 俺が初めて手をかけた男だ。
「あの男ならば、この程度容易くやってのけたろうにな」
「え、誰? 誰のこと?」
 俺は答えず、ただ、月を見た。
 酒を飲むには頃合いな、美しい月の輝きが、夜空を満たしていた。
451 ◆UorrRRuJp. :03/08/27 10:49 ID:iXEjBcHS
>>428-450
『闇に閃く鈴の音』でした。 
お待たせして申し訳ありません。
お詫び代わりに、よろしければ自分が代行しようと思います。
とりあえず>>424-426さんたちは何時まで延長希望なのか、正確にお願いします。
その時間になったら、再び確認に来たいと思うので。

トリップにRRがはいっとる……(;´Д`)
452名無しさんだよもん:03/08/27 10:51 ID:WmsM823x
>>451
私は今回辞退することにします。
ありがとうございました。
453425 ◆IBogizKUvo :03/08/27 10:53 ID:AFina8sa
それじゃあ遅れましたけど、9レス予定で。
『THE GARDEN OF EVERYTHING』
454名無しさんだよもん:03/08/27 10:54 ID:AFina8sa
白く大地を覆う雪の下に深く根を張り、長い冬をじっと耐えていた多年草の小さな花。
その小さな命を輝かせる季節が訪れた。

春。

丘を駆け下りてきた天野美汐は、曲がり角にある小さな雑貨店の軒先で息をついた。
パラパラと降り出していた雨は次第に大粒になり、側に立っているプラスチックの看板を叩いている。
ハンカチを取り出して服に付いた水滴を拭い、美汐は空を見上げた。
雨はまだやみそうにない。
ふうっと一つため息をついて店内を見渡した美汐の目に留まったのは、棚に無造作に置かれたスポーツ紙。
昨日、相沢祐一が熱っぽく語っていた海外サッカーリーグの優勝決定戦の話を思い出す。
何気なく手にとって見ると、その決定的瞬間が派手な見出しと共に大写しになっていた。

「へえ、天野もそんなの興味あるんだ?」
と突然後ろから声がした。
「えっ?」
美汐が驚いて振り返ると、祐一がなにやらニヤついた顔で覗き込んでいる。
「あ、相沢さん、いつからいらしたんですか?」
「だいぶ前、丘に行こうとしたら雨が降り出したんでな」
「私は帰ろうとしたところで降られてしまって……」
「ふーん」
まだ妙な笑顔を浮かべたままの祐一。
「いやあ、それにしても驚いた」
「何がです?」
「天野がそんな記事に興味があるとは思わなかった」
「え?あ、これは相沢さんが昨日おっしゃってた……」
と言いかけて、美汐は祐一の真意に気が付いた。
サッカー記事の下には小さく「野外Hスポット」なる見出しの、
いかにも劣情をそそるような記事が載っていたのだ。
455名無しさんだよもん:03/08/27 10:55 ID:AFina8sa
一気に耳まで赤くなる美汐。
「な……」
(なぜこんなものが平気でサッカー記事と並んで載っているんですか)
(スポーツ新聞ならスポーツの記事を載せるものではなかったんですか)
(ということはこれもスポーツなんですか?)
美汐はすっかり動転している。

「こ、これは違うんですっ、野外でなんてとんでもありませんっ、あ、だからそういうことではなくて、
 私はその、サッカーの、野外の、あの、だからその……」
「ハハハッ、わかったわかった」
滅多に見せようとしない美汐の慌てぶりを見ては、祐一もからかわずにはいられない。
「で、天野のお薦めスポットはどこなんだ?」
「だから違いますっ!」
思わず大声を出してしまってから、必死で笑いを堪えているお店の人に美汐は気づいた。
次の瞬間、火が出そうなほど真っ赤な顔で外へ逃げ出す美汐。
雨はいつの間にかやんでいた。

「やっぱ外の空気はいいもんだなあ、なあ天野?」
わざとらしく美汐に呼びかける祐一。
美汐はふくれっ面でスタスタと歩き出した。
いかにお人好しの美汐でもここまでされれば、からかわれていたことはわかる。
当分あの店には入れそうにない。
「天野、もう帰るのか?」
「帰りますっ」
「まあ待てよ、一緒に帰ろう」
祐一が小走りで追いつこうとすると、
「相沢さんは今から丘に行くのですよね、ではごきげんよう」
顔も見ずにそう言って、美汐はさらに足を速めた。
「待てってば天野、悪かったって」
「いいんです、もう相沢さんとは絶交ですっ」
456名無しさんだよもん:03/08/27 10:57 ID:AFina8sa
言ってから「しまった」と美汐は思ったが、
(これぐらい言わないと絶対また意地悪するんですから)
と自分に言い聞かせる。
ここで訂正なんかすればよけいにからかわれるだけだ。
(相沢さんが悪いんですから)
(きちんと謝るまでは許してあげるものですか)
肩をいからせてずんずんと大股で歩いて行く美汐。
これには祐一も慌てて謝りに飛んで来る、だろうと思いながらしばらく歩いていたが何の反応も無い。
歩くのをやめてそっと振り返ってみると、祐一も少し後ろで立ち止まっていた。
顔は青ざめて表情が無い。
どうやら「絶交」という言葉を真に受けてしまったらしい。
すぐにでも許してあげたい気持ちを意味も無く抑え、わざと冷たい口調で美汐は言った。
「相沢さんは、私の気持ちを考えたことがあるんですか?」
祐一は無言で唇を噛んでいる。
考えたことが無かった。
気がつけばいつもそばで自分を支えてくれていた存在。
それが当たり前だと思っていた。
いつもそうだ。
知らぬ間に人を傷つけている。
何を言っても美汐を傷つけてしまう気がして、祐一は何も言えずただそこに立ちつくしていた。

美汐は祐一の言葉を待っていた。
一言謝ってくれればいつものように笑い合えるのに。
重く冷たい空気が覆い被さる。
「私はいつだって……相沢さんのことを……」
つぶやく美汐の最後の言葉は風に飲み込まれ、二人の間に広がる暗闇の中へ消えていった。
457名無しさんだよもん:03/08/27 11:02 ID:AFina8sa
家に帰り、自分の部屋に戻ると同時に美汐はベッドに突っ伏した。
「これではまるで逆夢ね」
誰に言うともなく一人つぶやく。
昨日の夢を思い出していた。

あの子に手を引かれ、ものみの丘に連れて行かれる美汐。
そこに待っていたのは祐一。
夢の中では何でも言えた。
いくつも言葉を交わし、抱きし合い、キスをした。

突然祐一から声をかけられてあれほど動揺したのは、こんな夢を見たせいかもしれない。
しかし、楽しい夢であればあるほど現実の苦しさが増すだけだった。
どうすればいいのかわからないまま、その晩美汐は遅くまで電話の側にうずくまっていた。

一方の祐一は夕食もろくに食わず、自分の部屋へ閉じこもったきり出てこない。
「お母さん、祐一どうしたの?」
「どうしたのかしらねえ?」
名雪と秋子が顔を見合わせる。
翌朝も祐一はほとんど無言で食事をとると、すぐに家を出た。
が、程無くして祐一の落ち込んだ原因は名雪の知るところとなる。
正確には名雪と香里と北川の三人だ。
いつも美汐と二人で昼食をとっていた祐一が、この三人と学食にやってきたのだ。
いつも以上に冗談を飛ばして明るく振舞ってはいるが、どこか無理してる感じがある。
458名無しさんだよもん:03/08/27 11:03 ID:AFina8sa
「おい、相沢の奴、あの二年生の子と何かあったのか?」
祐一が席を外した隙に、北川がさっそく名雪に尋ねてきた。
「うん、昨日から様子がおかしかったんだけど、何があったかは私にもわからない」
「ひょっとしてフラレた?」
「あら、それは無いと思うわよ」
横から香里が口を挟む。
「さっき廊下でその子見たもの」
「どういうこと?」
「相沢君に会いに来たような素振りだったのに、彼を見たら逃げて行ったわ。
 おおかた喧嘩でもして、なかなか仲直りできずにこじれちゃってるのね」
さすがこういうことには鋭い香里だ。
「どうしよう……」
「名雪が困っても仕方ないでしょ」
「それはそうだけど、でも……」
「まあ、俺たちにできることがあればいいけどな」
「そうねえ……」

「修学旅行?」
戻ってきた祐一が名雪に聞き返した。
「違う違う、私と、香里と、北川君と、4人で遊びに行くの」
「急な話だな」
「だって夏からはもう勉強しないとだよ?これが最初で最後のチャンスだよ」
「やな事思い出させるなあ……で、どこ行くんだ?」
「うん、当日香里が決めるって」
「そりゃまたずいぶんと無計画な」
「大丈夫よ、悪いようにはしないから」
香里がポンと胸を叩く。
「どういう意味だよ」
「言葉通りよ」
こう言われては祐一も納得するしかない。
459名無しさんだよもん:03/08/27 11:06 ID:AFina8sa
(……で、どうして天野がここにいるんだ?)
待ち合わせ場所にいたのは所在無さげに立っている美汐一人だけ。
一瞬引き返そうかと思った祐一だが、そういうわけにもいかない。
「あ、天野、名雪たちは見なかったか?」
思い切って聞いてみた。
美汐はハッと祐一の顔を見た後すぐにうつむき、
「あ、あの、私は水瀬さんにこれを渡してほしいと頼まれてしまって……」
と言って祐一に手紙を差し出した。
「名雪が?」
ここまで来ればさすがの祐一も大いに怪しむところだ。
手紙には案の定「計画は変更だよ、美汐ちゃんと一緒に楽しんで来てね」などと書いてある。
そんな簡単に言われても困る、と心の中で突っ込む祐一。
何をどう言えばいいのかまるでわからない。
あれからずっと考えていた。
でも、考えれば考えるほど自分の愚かさを噛み締めるだけだった。
それでも――
それでも言わなくちゃいけない。
自分にできることをするしかない。

「天野」
一言一言に懸命に想いを込める。
「俺は天野に謝らなければいけない」
美汐はうつむいたまま耳を傾ける。
懸命に想いを受け留めようとしていた。
「俺はこんな性格だから、天野に嫌われたってしょうがない」
(違う!嫌ってなんかいない!)
思わず叫びそうになる美汐。
460名無しさんだよもん:03/08/27 11:07 ID:AFina8sa
「けど、天野がいたから今の俺はいる」
祐一が言葉を続けた。
「そのことには、深く深く感謝している」
語尾が少し涙声になった。
「それだけはわかってほしかったから」
そう言って祐一は美汐に背を向けた。
「それじゃあ」
帰ろうと一歩足を踏み出した時、美汐が顔を上げて叫んだ。
「どうしてもっと早く言ってくれなかったんですかっ」
美汐も目には涙を浮かべている。
「これだから相沢さんは、私の気持ちなんかちっともわかってないというんですよ」
でも、笑顔だった。
「おかげで嬉しいお話は聞けましたけど」
「え……?」
「絶交なんて嘘ですよ、あの時一言でも謝ってくれれば許してあげるつもりでしたのに」
「そ、そうか、なんだあ……」
祐一はため息をついて空を仰いだ。
空は快晴、絶好の行楽日和だ。

「どこへ行くとも決まってないから変だと思ったんだ」
「はい?」
美汐も名雪の手紙を見せてもらう。
そして顔を赤らめた。
「私も変だと思いました」
「あ、あいつらまさかその辺で見てたりしないだろうな?」
慌てて二人でキョロキョロ辺りを見回すが、その気配はどうやら無さそうで安堵する。
461名無しさんだよもん:03/08/27 11:08 ID:AFina8sa
「じゃあ、どこに行こうか?」
「え?」
「あ、いや、あいつらの計画はどうでもいいんだけどさ、せっかくだからその……」
さりげなさを装っている祐一だが、まだ笑顔が微妙にぎこちない。
「そうですねえ……私、お花見に最適なところを知っていますよ」
「あの丘か?」
「ええ、あの時がちょうど咲き始めの頃でしたから」
「そういや、あの時俺は丘までは見てないな」
「フフ、そうでしたね」
美汐はようやくいつものように笑い合えたような気がした。
暖かな春の風が吹き抜けていった。

「そう言えば、天野はどうしてあの丘にいたんだ?」
「あ、それは……あの子と会ってから3ヶ月になるんだなって思って、なんとなく」
「ああそうか、天野と会った日でもあるんだったな」
「ええ、私にとっても忘れられない日ですから」
「俺も、あれは“結婚記念日”と言えるのかな?」
祐一の言葉に美汐の表情が暗くなる。
「そんな日にあんなことを言ってしまって私……」
「あれは俺が悪いんだって。それに今日こうやって二人で行けるんだからいいじゃないか」
ポンと美汐の肩を叩いて祐一が微笑む。
「ええ」
美汐の表情も少し和らいだ。
462名無しさんだよもん:03/08/27 11:09 ID:AFina8sa
丘に着くと、薄桃色のアーチが二人を出迎えてくれた。
花見客も結構訪れるちょっとした桜の名所になっている。
「あいつは春が好きだったから、花見になると喜んで来るかもしれないな」
「そう言えば、あの子も春が好きでしたね」
「帰って来たら、花見も、縁日も、海水浴も、月見も、全部やらないといけないな」
「私の場合は結婚式もやらないといけませんか?」
「えっ?いや、だって、あれは……」
「冗談ですよ」
美汐がいたずらっぽく笑う。
美汐の冗談は本気との区別が難しいからやっかいである。

桜を見ながら自販機で(店の中には美汐が入ろうとしなかった)買ったお茶を啜るだけの花見。
しかし話はつきなかった。
楽しい時間が過ぎていく。
昨日までのいさかいがまるで嘘のようだ。
ふと、向こうで仲良く花見をしてる老夫婦を見て祐一が、
「ひょっとして、この二人も昨日まで喧嘩してたりして」
と言った。
「ひょっとするとそうかもしれませんね」
と美汐は微笑んだ。
柔らかな春の日差しが二人の笑顔を照らし出していた。
463 ◆IBogizKUvo :03/08/27 11:10 ID:AFina8sa
『THE GARDEN OF EVERYTHING』 >>454-462
おわり。
464 ◆UorrRRuJp. :03/08/27 11:18 ID:iXEjBcHS
えー、>>424さんはよいのでしょうか?
とりあえず、11時半まで待ちますね。
なお、最大延長期間はHMX73059.I ★氏の要望に従い、本日正午までとします。
要望がなければ11時半に締めきろうと思います。
465 ◆UorrRRuJp. :03/08/27 11:41 ID:iXEjBcHS
------------------------------
【告知】

ただ今をもって、投稿期間を終了させていただきます。
参加された書き手の皆様、どうもご苦労さまでした。

それでは、これから感想期間に入ります。
投稿された SS について感想、討論などをご自由に行ってください。
期限は 9 月 3 日の午前 10:00 までとさせていただきます。

#進行役◆HMX73059.Iがアクセス規制で書き込みできないため、
#進行役の依頼に基づき、代行で終了宣言します。
------------------------------
以下が、今回投稿された作品一覧です。


>>271 過去のテーマ(誰彼?)
>>295-319 いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人(雫&?)
>>350 旅路の果てに(うたわれるもの&?)
>>353-361 Runner(ONE)
>>364-381 夢の迷宮(痕)
>>385-407 みさきとメイドロボの微妙な関係(ONE&To heart)
>>410-420 神様なんていやしない(痕)
>>428-450 闇に閃く鈴の音(誰彼)
>>454-462 THE GARDEN OF EVERYTHING(Kanon)

------------------------------

以上、九本です。皆さんお疲れさまでした。
466 ◆UorrRRuJp. :03/08/27 11:46 ID:iXEjBcHS
あれ、書き込んでから気づいたけど……感想期間は2週間だったような。(>>261)
でもこれHMX氏のテンプレコピペだしなぁ……HMX氏の帰還を待とう。
では失礼。
乙〜。
そして、あぁもう!
締切日を勘違いしていて悔しいなぁ!
せめて感想は一番乗りで。

>271
 よくがんばった!
 このネタきっと来ると思っていたけど、豪快だね。

>289
 カワイ〜!んだけど、
 う〜ん、ごめんなさい。誰だかわかりません。
 つかさあ、ここはSSスレだからAAのみはちょっと(w

>295-319 「いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人」
 いい趣味してますな(w
 自分は18禁いまいち……な人間なんでその部分の評価はできないけれど、
 そこを除いても興味深く読めた。
 本編のプレストーリーとしても十分に成り立っているし、キャラもよく書けてる。
 瑠璃子さんとかはるかとか、普段はあまりタッチしないキャラなんだけど、それだけにこうして彼女らのエピソードを読むのは面白い。
 特にこれといって文句の付け所がないす。
 ひとつ要望するなら、せっかくの百合ものなんだから、もう少し禁忌というか背徳の匂いがほしいなぁ、と。ゴメン、自分の趣味。
468名無しくん、、、好きです。。。:03/08/27 12:47 ID:YJknZ0Is
>328 「夢」
 こうやって見ると、やはりイメージ作りが上手いよなぁ……。

>350 「旅路の果てに」
 笑いました。
 つーか、チョイマテ。その手は反則〜〜。

とりあえずここまで。
最終日に投稿されたものはまた今度(というか都合で一週間以上後になっちゃう)に。
469 ◆HMX73059.I :03/08/27 17:41 ID:rmEv3k6n
お、どうやら規制解除されたようです。
この度はご迷惑おかけしました。
◆UorrRRuJp.さま、ご協力ありがとうございました。

そして
>>466
その通りでした。見事に記憶から飛んでました。
重ね重ね申し訳ありません。

というわけで改めまして、
今回の感想期間は 9 月 10 日の午前 10:00 までとさせていただきます。
470名無しさんだよもん:03/08/27 20:09 ID:avDhcY4L
ざっと見て、感想を書く前に。

>>353>>454
出来ればどのテーマを用いたかも教えてくれないかな。
採点の基準としたいんで。
471名無しさんだよもん:03/08/27 22:25 ID:RHCZLG+X
>>470
採点しなくて結構です。感想だけで。
472名無しさんだよもん:03/08/27 23:26 ID:PfeKqLDo
>>470
今回はテーマを探すのも楽しみの一つだと思う。
473名無しさんだよもん:03/08/28 01:00 ID:HHAgl2K7
>>467-468
お、久し振りやね。
待ってたよぅ。
474名無しさんだよもん:03/08/29 00:45 ID:qG+BYCwX
コンペスレは寂しがり屋なので
構ってあげないと死んでしまうのです
475名無しさんだよもん:03/08/29 01:11 ID:o+wmYe+W
 
476名無しさんだよもん:03/08/29 01:47 ID:SRwl/D/6
トリップつけてない香具師のは失格、だろ?
477名無しさんだよもん:03/08/29 02:49 ID:ADzd3qWM
>>473>>476は失格。
478名無しさんだよもん:03/08/29 07:14 ID:BSiMXdQB
マジレスしておくと、トリップは推奨であって強制ではない
479名無しさんだよもん:03/08/29 09:20 ID:QVKxRewn
おまえら釣られ過ぎ。
まあ、一見さんが本気にする可能性があるから仕方ないのかもしれんが
480名無しさんだよもん:03/08/30 00:30 ID:1dBGFUGF
めんてしとくか
481名無しさんだよもん:03/08/30 09:12 ID:CXc+QO3p
>>271 「過去のテーマ」
過去メドレーを1レスで……。今回のテーマにふさわしいように、技巧を
披露してくれる人を見ると、思わずニヤリとしますね。

>>350 「旅路の果てに」
ニヤニヤ。
AIRとうたわれるもののクロスオーバーというのは、あんまり見たこと
無いので新鮮。うまくまとまった1レスですが、1レスなだけにこの続きが
気になる作品でもありますね。ドタバタの予感があるのも好きです。

>>385-407 「みさきとメイドロボの微妙な関係」
何度か読み返しました。
好きな本は手元に置いて、気に入った一節を何度も読み返すということを
私はしますが、この作品にも、それと似た好もしさを感じます。
好感を持てるシーンの集合体だからかな?
482名無しさんだよもん:03/08/30 17:30 ID:2rR0+YCI
倉庫にはまだ作品を収録してないの?
483名無しさんだよもん:03/08/30 19:32 ID:1dBGFUGF
 偏見と独善に基づいた感想を投下します。

『過去のテーマ』
 良く書いた! 感動した! 以上!

『いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人』
 個人的で独善的な価値観に基づく感想と先に弁明しておくが、瑠璃子さんの行動が不可解。
 瑠璃子さんは兄貴にレイープされた事により、精神が壊れますた。その直後に外に出かけ、
尚かつ知り合ったばかりの女性をレイープしてしまうというのは……ちょっと無理が有るよ
うな。ついでに電波の力は兄貴に犯られる前から使えたはず(雫がどっか行って確認できず)。
 作品自体は全体的に説明分が過剰(エッチシーンは別。エロくて良いw)。あらすじを読
んでいるような錯覚を感じました。
 ストーリーは悪くないと思います。途中で、テーマである『夏だ!外でエッチだ!』がど
こに入るのかなと思っていたら、同性不純行為で来るとは予想外(^^;
 最後のまとめかたも悪くはないと思います。
 「河島はるか」というキャラクターがどういう正確なのか少し判りづらいかな。「葉鍵板
の住人ならキャラの説明不要」という人もいますが、ゲームをしたことが無い人の為にも、
やはり書くべきだと私は思います。

『旅路の果てに』
 個人的にはここで終わって欲しくないな。続きをきぼんぬw

『Runner』
 コンパクトに纏まっていて良い作品だと思う。文章も読みやすい。
 難点をいえばオチが在り来たりということだろうか。
 鍵にはこの手のSSが多いような気がする。
 もう少し、ストーリーに工夫が欲しいかな……。

 続きはまた後で〜。
484名無しさんだよもん:03/08/30 21:25 ID:AaWqbDjo
>>295-319 いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人

思わず読み入らせるものがありますね。表現が綺麗だ。

一歩引いた視点から淡々と描くスタイルのせいか、読んだ感触は
静かです。まるで、夏の終わりつつある夜に合わせたかのような
雰囲気が良いです。

脚本通り逸脱無く、出演者が演出者の意図通り演じきった作品、
という印象でした。


>>353-361 Runner

すごくありがちな話ですが、キャラがいきいきしているのが良くて。
オレ弱っ、あたりのやりとりで不覚にも笑ってしまい、「もう
だめぽ……」のAA貼っちゃいそうになりました。
長森の天然入ったセリフも、魂入ってるかんじ、ノってる感じ
で、とても好きです。
や、じつにいいですね。こいつらはイイカップルになるでしょう。
楽しい作品を有り難う!
485名無しさんだよもん:03/08/30 23:47 ID:AaWqbDjo
>>410-420 神様なんていやしない(痕)

雪の用いられ方に、何となく、日本映画のワンシーンを見ている感じがした。

幸せを祝ってあたたかく語らい合う人たちは、軒先から落ちる雪の音を
あわれと思わず、気を向けることもしないものだけれど、この物語にも、
人から顧みられず、また知らされないまま過ぎていく物事の悲しさが
描かれていて、その苦い結末が良いと思う。
楽天家と評されることの多い初音が言う結論だったからこそ、余計にそう
感じたのかも知れないけれど。

思わず次を期待したくなる作品だった。
486483:03/08/31 12:26 ID:tSRZNX8o
『夢の迷宮』

 軽い突っ込みを一つ、
>男は四姉妹の長女の従兄弟にあたり、
 次女や三女は従兄弟にあたらないのでしょうか?w

 文章は問題なく、構成力といい良くできていると思います。
 特にセクースが短い文章にも関わらずエロイ。
>耕一は彼女を裏返して尻肉を掌で押し広げる。あらわれ出た菊門に舌をねじ込む
>と彼女は止め処も無く喘ぐ。
 アナル好きの私としては、プハーッて感じ(≧∇≦)ノ

 ただ、唯一不自然を感じるところが一カ所だけ有りました。
>楓ちゃんは無口なんかじゃなかったんだ。一家団欒の時は、楓ちゃんの事を千鶴
>さんだと思って―――
 これだと、夢から覚めたときに、耕一は抱いていた女性をなぜ楓だと認識したのでしょう。
物語の核心部分なだけに、もう少し工夫した方が良いのではないでしょうか。
 方法として二つあります。
 ひとつは、千鶴さんが仕事の多忙を理由に、一度も耕一の前に姿を現していないという設定。
この方法だと矛盾は感じませんが、読者にはオチを先読みされてしまうかも。
 もうひとつは、目覚めた後も、楓を千鶴さんだと勘違いしてしまう設定。耕一は千鶴さんが
目の前にいることで、その場は安心します。そして次の日、結婚式にも関わらず、なにも準備
しない千鶴(楓)さんに、
「千鶴さん、どうしたの? 俺と結婚するのがいやなの?」
 と、千鶴(楓)に問いただす耕一に、初音が、
「耕一お兄ちゃん、誰に話しかけているの?」
「え、俺は千鶴さんに……」
「耕一お兄ちゃん、それは、それは……楓お姉ちゃんだよ………」
 こっちの設定だと、読者も一緒にハメる事になるから面白いかも。
 途中までよく出来ていただけに、非常に惜しいと思います。次回作に期待します。
487483:03/08/31 18:24 ID:tSRZNX8o
『みさきとメイドロボの微妙な関係』

 なんとなく、この文章の書き方は前にも見たような記憶がw
 起承転結が綺麗に揃っているので、長い文章にもかかわらず最後まで
飽きる事無く楽しむ事ができました。
 ただ、いかんせん前半を読んだだけで、先の展開が読めてしまうのが
大きな欠点かと。
 それ以外特に問題はないのですが………。

『神様なんていやしない』

 誤字脱字が多すぎ。軽く読んだだけでも、5カ所見つけました。
 投稿された時間から推定して、見直す時間があまり無かったと思われ。
 次回からに時間に余裕を持って書いた方がいいのでは?
 作品自体は良い出来だと思います。特にオチの付け方が上手い。
 四姉妹のキャラを千鶴から順番に、次女、三女、末っ子と、面倒がらず
に説明している点も個人的には好印象をうけました。
 そういえば、前回のテーマ『結婚』で、耕一が千鶴と婚約しているにも
関わらず、楓と関係を持つ話があったけど、これはその続きでしょうか。
 ついでにいえば……これ、続きないの?
 非常にこの先、どうなるのか気になるんだけど、続きがあるならみたいです。
つーか、続き書けw
488483:03/09/01 02:19 ID:Rj90fRUT
『闇に閃く鈴の音』
良いですね。ストーリーといい、最後のオチの付け方といい。
 文章に問題もなく、サイドストーリーとして充分楽しめると思います。
 題名とテーマ『耳』が上手く組合わさっているのも見事。
 
『THE GARDEN OF EVERYTHING』
 最後までスラスラと読めました。
 文章力もあり秀作だと思います。
 ただ、読んだ後、心に残るものがありませんでした。
 『この作品を通じて、この作者は何が言いたいのだろう』という疑問を感じました。
 この作者はキャラクターに愛着を持っているのでしょう。それ自体は悪いことではありません。
物語として、もう少し起伏やオチの付け方に工夫が欲しいかな……。
 技術は充分にあると思うので、克服する力はあると思います。


 総評

最優秀作品 該当作品無し
佳作 『闇に閃く鈴の音』『神様なんていやしない』

 作品数が少ない割には、どの作品も気合いが入っていて、読むのに時間がかかりました。
 全体的にレベルは高いのですが、酷な言い方をすると、まとまり過ぎていて面白みに欠けるような
気がしました。
 作品数が少なかったのは、夏コミと重なっていたからかな?

 そういや感想期間は2週間? それとも1週間?
489名無しさんだよもん:03/09/02 00:19 ID:mhTAppqz
めんて♪
490 ◆HMX73059.I :03/09/02 22:11 ID:TwcVormc
【告知】

現在、葉鍵的 SS コンペスレは投稿期間を終え、感想期間に入っています。
今回投稿された作品の一覧は >>465 となっています。
また、
http://sscompe.AT.infoseek.co.jp/ss/17/index.html
(ATは半角小文字にしてください。なんかtomato対象になっているらしいので。)
からでも投稿された作品を見ることができます。

目に留まった作品だけでもいいので、よろしければ感想を書き込んでください。
あなたの一言が、未来の SS 職人を育てるかもしれませんYO!

>>488
二週間です。10日までです。重ね重ね申し訳ないです。
491 ◆DIkaNSOFOg :03/09/03 22:55 ID:iw58adWi
>>271 過去のテーマ

 面白い。まるでアタック25の「ある作家の作品名を並べて文章にしてあります。
誰でしょう?」みたいなノリの文章だ。登場人物は凸と、蝉?ラストのセリフ次第では
他のキャラでもいけそう。そんな置換可能な投げやりっぷりに完敗。

>>295-319 いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人

 似てなさそうでどこか似てるこの二人。キャラスレで、はるか=瑠璃子+美凪という
見解があったのを思い出した。肉体的と精神的の相違があるにせよ兄が「壊れた」
という共通点を引っ張り出してきたあたりは目の付け所が鋭い。それぞれの物語を
経て癒された者同士が再会する、という構成も良い。瑠璃子さんが電波の力で事故
のことを知るあたりもキャラの特性を上手に生かしていると思う。
 性描写も個人的にこの二人のキャラは好きなので大いに堪能させて頂いたのだが、
官能シーンにストーリー上の必要性があったか、という疑念は残る。人物の行動に
別の分岐の可能性を感じさせるのは手法としてはスッキリしないものが残っていやん
な感じなのだ。
 もう一つ不思議に思ったんだけど、二回目、三回目を省略して呉服屋での出会いを
四回目にしているのはどうして?それだけ親密度が上がって百合シナリオ(w
のフラグが立った、という表現なのかな。別に二回目でもいいし、四回目というなら
しっかり途中経過を描いて、レズまでの移行に説得力を持たせた方が良かったかも。
 そういえばはるかって電波使いにならないのだろうか。本人の孤独感と、電波使
いとの性交があればOKだったような。女の子だけど。
492名無しさんだよもん:03/09/03 22:56 ID:iw58adWi
>>350 旅路の果てに

 主人公、もしかして住人…?翼人を探してこんな遠いところまで…合掌。
このネタでもっと長いの書けそうなので是非そうして欲しいのです。

>>353-361 Runner

 軽妙な文体でタイトル通りの疾走感があり、最後まで一気に読めた。ストーリーも
矛盾無く綺麗に纏まっている。SSとしては良く出来ていると思う。
 長森が住井と結婚するなどとは、読者は容易に信じないのでもう一ひねり欲しい
ところ。あと、様々な障害を越えて浩平がひたすら走るシーンをもう少し描いてくれる
と良かったかも。

>>364-381 夢の迷宮

 前半に比して後半の文章のキレが鈍っているのが竜頭蛇尾という感がある。
耕一がこの程度で正気を失うのもおかしいが、鬼の人格が出てこないのも疑問。
構成としてはまとまりが良いが、各所にある伏線の張り方が若干あからさま。
493 ◆DIkaNSOFOg :03/09/03 22:58 ID:iw58adWi
>>410-420 神様なんていやしない

 お、清一色アガリきった?こっちも西入せずにすんだよ(w
 千鶴に遠慮して事実を伝えない楓。初音を自分の犠牲にしないために姿を消す楓。
幸せ一杯の新郎新婦をよそにたった一人で子供を産む楓…。
 どうしもなく切なくて、悲しくて、救いようもない話なんだけど、だからこそ惹かれる
ものがある作品。幸せとの対比、運命の残酷さを表現しようとするなら中途半端な
救いは無用だからね。こういう必要性があっての黒展開ならば十全でしょう。
 産まれた子は第二の柳川になるのかも知れないなぁ…。

>>454-462 THE GARDEN OF EVERYTHING

 みっしーのほのぼの恋愛物語。ケンカして仲直りしてという話だが、ストーリーの
起承転結はしっかりしており、心理描写もなかなか良く出来ているんじゃないだろう
か。ただ、誤解が解けた直後の描写があっさりしすぎなような気が…。
494名無しさんだよもん:03/09/03 23:02 ID:iw58adWi
どうしもなく ×
どうしようもなく ○
でした。残りの二つは明日に。
495名無しさんだよもん:03/09/04 13:04 ID:hRJIp0xj
 このスレを利用するのは初めてなので温度差が
あるかもしれません。あらかじめ。

 >>271 過去のテーマ(誰彼?)
 最後がなんか好きです。

 >>295-319 いつかなくしたもの、だけど見つ
けたもの、そして再び会えた人(雫&?)
 序盤の描写は細かい上にたいして綺麗じゃなか
ったので、読んでいてだるかったですが、エロは
好きなのでいい感じに読めて、ラストは中々綺麗
でした。「またね」に込められた情感はすこしじ
んと来ました。もうちょっと短くまとめてもらえ
ると(特に序盤)、もう少し感動できたと思います。

 >>350 旅路の果てに(うたわれるもの&?)
 いまいち。

 >>353-361 Runner(ONE)
 ほのぼの〜。瑞佳がかわいい。文章もいいバランス
だと思います。
 ただなぜか「どこかで見たような」という感覚が
してしまいます。個人的にはもう少しひねって欲しかったかな。
496名無しさんだよもん:03/09/04 13:05 ID:hRJIp0xj
 >>364-381 夢の迷宮(痕)
 いいなー。こういうの大好きです。
 最後のどんでん返しはまったく見当がつきませんでした。
やられました。ラストのダークな落ちも好きです。
 難癖をつけるならば、思い出の時の文章を出来るだけ
古臭くしようとしているように見受けられたのですが、
そこがちょっと不徹底だった気がします。あと夢がなぜ
ああいう夢だったのか、というところに関連をつけると
もっと良かったかな、と。

 >>385-407 みさきとメイドロボの微妙な関係
 うーん……ほのぼの、なんでしょうか。なんだか最後の
ところは逆にダークなようにも感じられてしまいました。
帰ってきた浩平はどう思うのか、とか考えると、素直に
割り切れないものを感じます。カレーのあたりはべたですが、
じんわりと暖まります。

 >>410-420 神様なんていやしない(痕)
 最後で、楓が結婚式に乗り込んで、会場を滅茶苦茶にした上に
全員不幸になる、というラストを予想してしまいました。でも、
そのくらいやって欲しかったかもしれない。
 中盤の淡々とした語りはいいと思います。あと、タイトルの
「いやしない」のやけっぱちな雰囲気が好きです。
497名無しさんだよもん:03/09/04 13:07 ID:hRJIp0xj
 >>428-450 闇に閃く鈴の音(誰彼)
 そして50年が過ぎた、のカメラの引き方はお見事、の一言。なんだか
そこに一番感動してしまいました。末長のキャラは格好いいんですが、
深みがすこし足りない気がしました。ステロタイプの域を出切れていない。
書くのにつかえる期間等を考えると仕方の無いことなのかもしれませんが。
もうちょっと細かく戦場の悲惨さ、みたいなものを書くとリアリティが
増して、引き立った気がします。
 あと、バトルシーンで突然カタカナが出てくるのに違和感を感じてしまい
ました。
 全体的に、惜しいな、と思います。

 >>454-462 THE GARDEN OF EVERYTHING(Kanon)
 美汐はそんなに突然人を傷つけられるキャラじゃないと思いますし、
第一日常会話でそんなストレートに行くことはあまりないと思いますし、
和解も言葉だけでいまいちですし――うーん、全体的にいまいち、です。
498名無しさんだよもん:03/09/04 23:39 ID:pwUHmaDe
>>495-497
感想をUPしていただきありがとうございます
できれば、最優秀作品を決めていただければ嬉しいです
該当なしでも構いません
499 ◆DIkaNSOFOg :03/09/05 20:17 ID:IsWVtxGU
 広告業者と同じプロバイダで規制食らった…。

>>385-407 みさきとメイドロボの微妙な関係

 この分量にも関わらず、破綻なくストーリーを収束させているし、文章もソツがない。
みさき先輩とセリオの魅力を十分に引き出した良作と言えるだろう。たぶんこれを
書いた人は相当な熟練者なのだと思う。それだけに枠の中に収まっていて、心に強く
響くものをあまり感じさせなかったのが惜しい。

>>428-450 闇に閃く鈴の音

 文章もストーリーも申し分無い出来で、総合力の高さを感じさせる。この作品も長さに
負けずに丁寧に纏め上げている。導入部やラストにおける構成も良い。
 蝉丸の作戦自体は普通に感じられたものの、戦闘の描写には迫力があって読み応え
があったと思う。
500 ◆DIkaNSOFOg :03/09/05 20:19 ID:IsWVtxGU
 今回はもっと数が集まるかと思っていたので、ちょっと残念。 しかしながら気合の
入った作品が多く、おそらくコンペの初期であったならばそれぞれが最優秀の候補に
上ってもおかしくない程の良作が揃っていたのではないでしょうか。それだけ平均点
が向上したのだと思います。
 ゆえに最優秀の選考は悩んだのですが『闇に閃く鈴の音』を推させて頂きます。
皆さん乙彼様でした。それでは次の機会に。
501495-497:03/09/06 01:00 ID:OJIPZ9z4
 あげてしまい、失礼しました。
 最優秀作品には『夢の迷宮』を推させていただきます。
 意欲的なテーマ、構成、文章、若干脇が甘い点が散見されますが、
非常に魅力的な作品でした。比較的まとまった作品の中で、この作品が
一つ頭抜けて感じられたのは、総合力の高さではないかと思います。
 なにはともあれ、参加者の皆様、ご苦労様でした。
502名無しさんだよもん:03/09/06 14:26 ID:+Yi2UGwR
夢の迷宮は三番目で夢の内容が急に変わって肩透かしを食らった感がある。
それに現実で楓を認識できるのもなんだか妙な感じ。
あれを千鶴と勘違いしていたら流れが納得いくのだが。
家長として、という条件付けはされているのだが、今一都合がよいような。
503名無しさんだよもん:03/09/07 11:11 ID:Zv3t/k93
まこしみ氏最近みないね〜
504名無しさんだよもん:03/09/08 01:16 ID:DCSvvuKh
>>503
言いたい事は分からんでもないが、そういう馴れ合いは(・A・)イクナイ
505名無しさんだよもん:03/09/08 01:58 ID:tB4prLH1
何がイクナイのかサッパリわからんのだけど。
506名無しさんだよもん:03/09/08 03:01 ID:DCSvvuKh
2chでいわゆる固定ハンスレが禁止になってる理由を延々と解説されたいの?俺はしたくないんだけど。
507名無しさんだよもん:03/09/08 03:11 ID:DT6cm24/
過剰に反応する話題でもないと思うが。引っ張らないことを推奨。
508名無しさんだよもん:03/09/08 16:11 ID:/n6c0N40
感想期間はあと二日か。結構長く感じるな。
509名無しくん、、、好きです。。。:03/09/09 02:55 ID:4J5I6LkL
>467-468に続いて感想入ります。
しばらく長文注意。



>353-361 「Runner」

 とても楽しく読めた。
 リズム感のある文章に、ノリのいい会話。話の流れは軽快、かつ、それゆえに多少の強引さも気にならない。ある意味理想的な娯楽SSだと思う。
 >携帯がぶるっと振るえた とか、卑俗な感覚を直に叩くような描写も躍動感があって楽しいな。同じ理由で>355の冒頭、「がちゃん」も上手い。思わず笑っちゃうくらいに陳腐な擬音なんだけど、このSSのB級なノリを見事に体現してる(w。
 あと、>356で浩平が食らったのは何だろう? 長森が渾身のボデーブローを叩き込んだ……わけはないよね、やっぱり。う〜ん。
 そんなこんなでいろいろ楽しませてもらったのだけど、ネタ的に一番受けたのは、>「実はあんまり美味しくなかったんだよ」というところ。 ──そこでそう来るか〜と。
かわいい顔してその台詞はクリティカルですよ、長森さん。その直前、彼女が逡巡する一幕がなければさらに効果的だったかも知れず、もったいないと思ったりした。
 最後に断っておかなきゃならなにのは、自分はONEをやったことがない、ということ。それゆえに、キャラの性格や背景を気侭に解釈して楽しむことができた。が、シリアスな本編を知っていたら、そこまで底抜けに楽しむことはできなかったかも知れず。
 最萌に押しときます。
510名無しくん、、、好きです。。。:03/09/09 02:58 ID:4J5I6LkL
>364-381 「夢の迷宮」

 こちらはうって変わって、ヘビーかつダークシリアスなSS。決して嫌いではないけれど、ギャグほどには好きではないということを最初にご了承ください。
 さて、このSS、文章の密度は十分、構成も工夫されており、ミステリとしてはなかなか手の込んだもの……と誉めたいところだけれど、いかんせんネタが強引なのが気になって仕方がない。
 楓を千鶴と誤認する? ショックで寝込む? 耕一が?……う〜ん。祐介だったら納得できるんだけど……。耕一は(弱そうに見えるけれど)芯は強い印象があるので、このSSでの設定(特に落ちのつけ方)は疑問。
 また、Hの後急に楓を認識できる理由もよくわからない。食事のときに顔をつき合わせていて認識できないものが、どうしてここで都合よく認識できましょうか。
「近くで顔が見えたから」という程度の理由であれば泣く。読者である自分も泣くけれど、作りこまれた他の諸設定が泣くぞ。
 あと、一連の夢話なんだけど、その内容にどのくらいの意味があったのか。
元ネタのあるものをあまり長々と書かれても興ざめ(ギャグじゃないんだから、しかも中途半端だし)、その舞台設定や背景もてんでばらばら……というか、性的行為以外は本筋の話と関係ないじゃん! うむ、マジでこの夢パートの展開意義が分からなかったりする。
 作者さんに力がないわけではないはず。楓が真実を明かす場面は緊迫感を持って読めたし、各姉妹の反応などを読み返してみれば上手く考えられているのが分かるし。
 でも、このSSは全体的に見て、よく工夫されたところとそうでないところとの落差が大きすぎてバランスを欠いているんだと思う。そのアンバランスさが、しっくり納得できない不満につながって、印象は残念ながらいまいち良くなかった。
 あと、彼女が本当の相手だということは食事の際の描写で見当がついた。千鶴さんが○○○ていたことは最後まで気づかなかったよ。(一応伏字にしておきます)
511名無しくん、、、好きです。。。:03/09/09 02:59 ID:4J5I6LkL
>385-407 「みさきとメイドロボの微妙な関係」

 ……。
 ……。
 ……。
 悩んでしまう。
 ありきたり、定番とも言えるネタだけど、キャラが丁寧に描けてるし、自分の好きな百合ものでもあるし、楽しめる要素は十分なはず……。
 なのに。
 <横倍角>やっぱり萌えないんだーーーっ(泣</横倍角>
 ……。
 ……。
 ぐすん。ごめんなさい。セリオさん。
 できることなら、もう少し生き生きと動いてくれませんか?(無理な注文)


>410-420 「神様なんていやしない」

 これは力の入った心理もの。
 10レス目まで、とても興味を持って読んだ。淡々とした情景描写が秀逸だし、楓の内面に鋭く切り込んだ問題意識も、ギリギリの一線での交感を窺わせる一連の会話も、読み手の想像力を否応なく刺激してくれて実に面白かった。
 楓というと次郎衛門を助けたエディフェルとイメージが重なるのだけど、だからこそ、1つの命を預かるということに対して、何か特別な意識を持っているのかもしれないと考えさせられるね。
 最後で彼女は行方をくらますわけだけど、それは逃げではなくて、あえて孤独を選ぶことを決意した彼女なりの性格の強さというふうに受け取った(初音に迷惑もかけられないしね)。
 ここまでなら、自分内の楓イメージともシンクロして実にいい印象。
 10レスまでで終わっていたら文句なし、マンセーしたと思う。最後、ダークのためのダークは嫌だなあ。
 11レス目、分かるんだけど、まとめになっていない。楓と初音の認識のすれ違いはそのまま、ただ不幸を強調しただけのエンドで、正直、何のために?と思ってしまう。救いのないモノホンダークとして読め、という押し付けにも見えてイヤン。
512名無しくん、、、好きです。。。:03/09/09 03:00 ID:4J5I6LkL
>428-450 「闇に閃く鈴の音」

 濃い文章だ……。もう少し簡潔にできる気がするし、演出過剰の気がありありだけれど、これはこれで読み応えがあって悪くない。
 で、内容なんだけど、誰彼はよく知らないということもあって、展開を掴みづらかった。
特に分からないのが末長の思考。蝉丸の視点を通しての描写だからある程度仕方ないのだけれど、それでもなぜ酒の相手に誘ったのかとか、なぜ脱走したのかとか、なぜ戦いの相手に選んだのかとか、話の基本的なところで納得できないところが多かった。
 また、原作を知らないため、彼らの会話は一兵卒の言葉として読んだけれど、良くある戦記ものの言葉と代わり映えしないような気がするというか、誰彼ならでは、強化兵ならでは、という視点をあまり見られなかったのが残念。
 とまあ、否定的なことばかり書いてしまったけれど、全体的には本編を知らないなりに引き込まれた。文章はしっかりしてるし、アクションの描き方もそつがない。
 あとは、末長にもう少し個性が出せればさらに良かったと思う。鏡に向かって問答しているようで、ちょっと不満。似たもの同士ではなく、対照的な性格のキャラにするとか。


>454-462 「THE GARDEN OF EVERYTHING」

 何て言えばいいんだろう。普通? 普通にいいSS。
 文章は決して上手くはない(下手でもないよ)し、展開に意外性があるわけでもないし、それ以前にご都合主義的なところも見受けられるし、
でも取り立てて破綻はないし、描写は丁寧だし、ちょこっと出てくる脇役陣がいい味出してるし、ご都合主義はむしろ安心感でもあるし、総体的に見てKanonらしいいい話だ、ということでケリがついてしまいそうなSS。
 自分は美汐派ではないんで、これ以上は読み込めなかった。でも普通にいいSS。凝ったSS群の最後にこういうのがくるとホッとするね。
513名無しくん、、、好きです。。。:03/09/09 03:05 ID:4J5I6LkL
以上です。今回、作品数は少なめだったけれど、力作ぞろいでしたね。各SSに工夫や主張が見られて、楽しく読ませてもらいました。
最優秀は、「いつかだけどそして(略称)」に。シリアスとほのぼのとギャグとエロの狭間をたゆたう、ほどよいブレンドが絶妙。はるかx瑠璃子を題材にここまで風変わり(誉め言葉)なSSが読めるとは思いませんでした。

というわけで、今回は、
 私的最優秀 「いつかだけどそして(略称)」
 私的最萌  「Runner」
作者さんに感謝を。
514名無しさんだよもん:03/09/09 23:15 ID:j4kstAPc
2回やってもまだスレ容量が余ってるね…。
515名無しさんだよもん:03/09/10 04:54 ID:9oJ8cuhv
今回は最優秀、ないっぽいね
516 ◆HMX73059.I :03/09/10 10:51 ID:6hJzuzIS
【告知】

ただ今をもちまして、感想期間を終了させていただきます。
投稿された書き手の皆さん、感想をつけてくださった読み手の皆さん、
そして生温かく見守ってくれていた ROM の皆さん、どうもご苦労様でした。

引き続きこのスレでは、今回の運営への意見、書き手の挨拶、
次々回のテーマの決定などを行いたいと思います。

上記のものやそれ以外にも意見が何かありましたら、書きこんでください。

※次回のテーマは『復讐』に決定しており、開催時期は 9 月になる予定です。
※今回決めるのは次々回のテーマです。お間違いのないように。
517 ◆HMX73059.I :03/09/10 10:52 ID:6hJzuzIS
申し訳ありません、告知が遅れてしまいました。
最優秀等のまとめは今夜行わせていただきます。
518名無しさんだよもん:03/09/10 13:19 ID:ph1Euxlw
感想、遅刻しちゃったけど、書いていいですか?
519名無しさんだよもん:03/09/10 13:28 ID:vHRkd8sA
問題ないかと。
520518:03/09/10 13:53 ID:Fih/Xzf1
では、お言葉に甘えまして……。

>>364-381
抑制の利かせ方から、ダーク作品だとあたりをつけたんだが、
その予想は外れてなかった。
失望した訳じゃなくむしろ反対で、どういう風にダークに
するのか、たのしみだった。
誰かが代役をしていた、というのは悲劇性が増して、
良いと思った。ただ、耕一の夢と現実の関連がつかめず
(夢だからこそ脈絡がないのかもしれないが)、消化不良な
思いもした。

謎解きが解説風だったのは、作品の長さを気にしたから?
プロットが面白い分、もっと膨らませて自然な形にする
ことが出来たんじゃないかな。それに、楓の想いも、
もっと、もっと……。
惜しいと思った。
521518:03/09/10 13:55 ID:Fih/Xzf1
>>428-450
戦闘シーンの描写は迫力があり(表現だけでなく、
アクションの組立方や戦術も)、読み物としても、
研究対象としても、興味深かった。
ただ、少々長い。人物を深く描いて物語性を高める
姿勢には敬意を払いたいけれども、順にイベントを
並べるのではなく、1レス目で対決シーンなり強く
引きつけられるものを書くべきではなかったかと思う。
そのシーンの続きを求めて、読者がどんどん先を
読んでくれるような。
労作であるだけにもったいないと感じた。
522518:03/09/10 13:55 ID:Fih/Xzf1
>>454-462
よくあるパターンのお話で、仲のこじれ方が性急だけど、
仲間たちのお膳立ても出来過ぎかと思うけど、こういう
ほのラブが好きな人間としては、拍手をおくりたいのだ。

もっとこじれるパターンが増えて、仲直りのパターンも
増えて、そのたびに距離が縮まっていくようなお話が
自分は好きなのだ。
美汐が生き生きしてるのもいい。
523518:03/09/10 14:17 ID:gbvQS1/L
感想終了〜。
524名無しさんだよもん:03/09/10 14:38 ID:c761sQt0
>>516
最優秀云々は総括期間の最後にやるんじゃなかったっけ?
525名無しさんだよもん:03/09/10 19:52 ID:zxwLv26P
>>524
今まで感想期間の終わった時点でやってたよ。
526名無しさんだよもん:03/09/10 21:14 ID:X0GlFQ7Z
もう時間がないんで、中途半端に感想投下。

・過去のテーマ
登場人物が誰だか判らなかったんで、何も感じなかった。

・いつかなくしたもの〜
エロ描写は濃いものの、なんか純文学を見ているようで使う気にはなれなかった。
はるかと瑠璃子って着眼点は秀逸。普通は考え付かないし、思ってもカタチにしない(出来ない)。
ラスト間際の「……こんなはずじゃ、なかったのにね」だけではるかスキーはお腹一杯になれたと思う。
なにはともあれ良いクロスオーバーの見本のような作品でした。

・旅路の果てに
カンチャンずっぽし。一発ネタは当たると爽快だね。

・みさきとメイドロボの微妙な関係
あーと、セクサロイド?
水と油を無理矢理かき混ぜたような。
石鹸水的役割が欲しかったと言うか。
なんか全体的に違和感があった。
527名無しさんだよもん:03/09/10 21:15 ID:X0GlFQ7Z
・闇に閃く鈴の音
設定・展開共に矛盾が見受けられない。
結構な分量があるのに全くそれが気にならない。
作者殿の自力の高さを感じさせてくれる作品だった。
そのまま原作のSide Storyとしても十分通じる出来…と言うのは褒め言葉になるんかな?

・THE GARDEN OF EVERYTHING
これ、祐一…だよな? 「ハハハッ」とか笑ってるからどこの紳士かと思ったよ。
カップルってのは当事者以外には全く理解できないような些細な問題で喧嘩するもの。
だから誤解が生じるのはいいんだけど、その後の展開がありきたりすぎて読んでて少し、退屈に感じた。
Kanonではこれ系統の話が氾濫してるんで、自分ならではって展開を考えて欲しかったな。

最優秀作品は「闇に閃く鈴の音」。
528名無しさんだよもん:03/09/10 22:05 ID:9oJ8cuhv
>最優秀云々は総括期間の最後にやるんじゃなかったっけ?

今までやりかただと、最優秀作品につきましては、感想期間で締め切りとなっています。
感想期間過ぎてからの、最優秀作品の推薦は有効票に含まれません。
529名無しさんだよもん:03/09/10 22:13 ID:c761sQt0
>>525>>528
うん、だからそれを変えるという話は無かったっけ?
530526:03/09/10 22:34 ID:X0GlFQ7Z
ああ、まとめは今夜ってことでまだ有効なんかなーと思い込んでたみたいだわ。
ややこしかったら無効票扱いでお願いします>最優秀作品
531名無しさんだよもん:03/09/10 22:52 ID:Ku1dFlAX
セリオとマルチの毒舌感想会

「本日、作品の感想を担当することになった、HMX-13・セリオです。よろしくお願いします」
「アシスタントのマルチですー」
「上記にあるように基本的には辛口毒舌でいきたいと思いますので、作者様は今のうちに首を吊るご用意を。
 ほとんど嫌がらせですから」
「あ、首を吊るときは首吊りAAスレでお願いしますねー」
「なお、精神的に打たれ弱い方は、スーツを着込み、教鞭を持った私に小一時間問い詰められるという
 イメクラシチュエーションに突入すれば、自己防衛機能が働いて便利かも知れません。
 その手の属性がある方は、眼鏡をつけているという脳内妄想の補完もよいでしょう」
「それでは始めますぅ。ちょっと長いので気をつけてくださーい」

>>271「過去のテーマ」

「唯一のセリフが全てぶちこわしてます」
「いきなりよーしゃないですねー」
「努力は買います。工夫してストーリーにしようとはしていますし。
 ですが、>夏だ!外でエッチだ! の辺りは処理に困ってセリフにしたように思えて好感が持てません。
 これで縦読みでしたら技能賞を与えてもよかったのですが」
「やっぱり最後の凸さん(推定)の心理状態が謎ですねー」
「オチのためだけの人選ですね。この方をヒロインに仕立て上げた、その勇気だけは買います。
 ですが彼女の一言によって、せっかく積み上げてきた流れが完全に崩壊しました」
「そういえば、セリオさんもPC版ではけっこうおでこが後退……」
「……粗大ゴミの日は、明後日でしたか?」
「(((( ;゚Д゚)))ザクグフゲルググ すっ、すびばせ〜〜ん(TдT)」
532名無しさんだよもん:03/09/10 22:53 ID:Ku1dFlAX
>>295-319「いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人」1

「エロいりません」
「はわっ。それではテーマが、テーマがっ」
「――いらないとまでは言いませんが、やはり多少の強引さは否めませんね。
 電波、寂しさといろいろ工夫の跡は見受けられますが」
「でもなんだか不思議なお話ですねぇ。マターリしているんですけど、寂しいような、ダークなような」
「さりげなく一人死んでいる割りには、妙に後味がいいですね。
 時間の経過もありますが、出てくるキャラクターにふさわしい雰囲気が出せているとは思います。
 さきほどとは言を異にするようですが、テーマから与えるイメージの捻り具合も面白いです」
「たしかにギャグっぽい印象のテーマからは、ちょっと想像できない世界観でしたねー」
「異なる二人の本編ストーリーをうまく融合させた、その整合性は評価します。
 いっそのこと、はるか様とはキスくらいに留めて置いて、
 月島(兄)様に無理矢理青姦でもさせたほうがよかったのでは」
「セリオさん、ぶちこわしです」

>>350 旅路の果てに

「私でしたら国崎様をギロチンの台に顎を載っけているシチュに投入します」
「なるほど、絶体絶命っぽいですぅ」
「そして刃が滑り落ちてくるところでしめます」
「セリオさん、それは死にます」
「1レスネタとしてはそれなりに面白いと思います。これは配役の妙でしょう。
 ですが、正直なところ、申し子でもないのに超先生オチで締めるのは感心しません」
「でもどこをどうやってここに迷い込んだんでしょうねぇ」
「貧乏な国崎様のことですから、マグロ漁船に乗り込む羽目になり、うっかり冷凍倉庫に閉じこめられ、
 そうこうする内に長い時を超えてしまったものだと推測されます」
「なるほどぉ」
533名無しさんだよもん:03/09/10 22:56 ID:Ku1dFlAX
>>353-361 Runner

「キス寸前で裏切られた長森様の心境やいかに」
「これってやっぱり、邪魔がいるからしたくてもできなかったんでしょうねぇ」
「おそらくは。
 さて、折原様が独立して電話連絡すら絶ち、意志を固めた割りには、あっさりと白旗を上げてしまう辺りが情けないです。
 あまりにも簡単に甘い雰囲気に突入したあげく、『これからもよろしくな』で終わってしまっては、
 今まで離れていた決意の数ヶ月(推定)はなんだったのだろうと思ってしまうのです」
「でも、自ら『オレ弱っ』て言ってますしねー」
「比較的駄目人間の折原様が、長森様から離れる決意をしたのですから、それなりの気骨を見せて欲しかったのですが。
 最終的に高校生の頃に立ち返ってしまったような雰囲気が気になります。
 お前一歩も成長しとらんとちゃうんかと――失礼しました。
 長森様も体当たりするほど切羽詰まっている割りには、状況説明に分断されて、追及の手が今一温いです。
 彼女なら捜索隊を組織して、辺り周辺を虱潰しに探し回りそうなものですが」
「あー、私もよく迷子になっては、妹たちに探してもらいましたー」
「(……ダメ姉)あと、バイト先のことをもう少し描写した方が、
 かえって、なんでだろうと読者に思わせられたのではないかと思います。
 チャーハンという単語を出さなければ、料理関係のバイトでも誰も気づかないと思うのです」
「いきなり店長さんに声かけた時は、ちょっと状況が混乱しました」
「――これで住井さんが長瀬一族の誰かと結婚していたら面白かったのですが」
「無茶言わないで下さいー」
534名無しさんだよもん:03/09/10 22:57 ID:Ku1dFlAX
>>364-381「夢の迷宮」

「夢が無駄です」
「そんなぁ、ないと話が始まりませんー」
「細かい描写の割りにはそこに込められた意味が薄く、それが無駄だと言うことです。
 徹底的に一本の夢を流し、現実とある程度リンクさせていればよかったのですが……、
 初日、二日目と、たかがキス一つ為すための夢のわりには、少々冗長かと」
「千鶴さんの顔が出たときには、次の晩には狩られるのかなぁと期待しましたからねぇ」
「逆に知っている流れだっただけに、三日目の逸話は肩すかしを食らったような印象です。
 関係ありませんが、私達は綺麗なお水ですから、海の中でも大丈夫です」
「……何がですか?」
「(無視して)この作品、基本的にミスリードを狙っているんですが、『と、この家の当主が言う』これは失策だったかと。
 三人称耕一様視点で、はっきり千鶴と描写しても良かったと思います」
「でも楓さんもちゃんと見えているんですよねぇ」
「ええ、別の方も指摘していましたが、完全に誤認の方がすっきりします」
「耕一さんのヘタレ具合も印象的でした」
「元々壊れているところにとどめを刺された形ですが、意識は失わない方が良かったと思います。
 混乱と衝撃のうちにフェードアウトさせ、どうなるんだと思わせつつ、ラストに繋げていいと思います。
 どうせ一度壊れているのですから」
「私達みたいに右四十五度のチョップで直ればいいんですけどねー」
535名無しさんだよもん:03/09/10 22:58 ID:Ku1dFlAX
>>385-407『みさきとメイドロボの微妙な関係』

>「もちろんそんなところにみさきを連れて行くわけに行かないから、俺一人で行くことになる」
「連れて行きなさい」
「め、命令口調ですかぁっ!?」
「本編の流れから考えれば、世界の果てだろうと魔界だろうと、一緒にいるのが筋だと思います」
「それはそうですけどー」
「全体的にいい話なのですが、メリハリが少々薄いように思われますね」
「でもでも、学食カレーでしんみりさせたあと、唐突にHに突入したりしてましたよ」
「そこでは完全に流れが断ち切られているので、かえって違和感がつきまといます。
 どちらかと言えば精神的にはしんみり来ているはずですので、そういう気分にはなりそうにないですが」
「何日か過ぎていたのかも知れませんよー」
「あの描写ではそのことは分かりません。その日の夜と考えてしまう人が多いでしょう」
「じゃあ一服盛ったんじゃないんですか?」
「……確かに我が妹なら、それくらいやりかねません。時折、計算高さが見え隠れしていましたし」
「分かっててやってるだろ、おらぁっ! って言いたくなる場面がありましたからねー」
「メイドロボとして主人の望むことを先回りして準備するのは当然のことです。
 しかし結婚して一年余り経つのに、今まで絶頂を味わったことがなかったというのは……」
「浩平さん、ヘタだったんでしょうか」
「ですがこれからは、メリハリの利いた夜の生活を送ることができるでしょう。おめでとうございます」
「おめでとうございますぅー」
536名無しさんだよもん:03/09/10 22:59 ID:Ku1dFlAX
>>410-420神様なんていやしない

「ヤリ逃げですか、耕一様」
「はうっ」
「しかも近くに来ているのに顔も出さないとはどういう事でしょうか。初音様も病人を置いていきなり帰ろうとしないように」
「こういうときは、病気にならないメイドロボを是非一体どうぞ」
「基本的に初音様の優しさを全面的に押し出している分、耕一様と千鶴様の薄情さが浮き彫りになりますね。
 妹が消息不明の時に仲良く結婚ですか、そうですか」
「普通はそういうひねくれた見方はしないんですよー」
「毒舌ですから。私見ですが、少し楓様の口調が固いのも気になりますね」
「きっとつわりでイライラしていたんですよー。本当は仲良し姉妹さんなんですよ」
「それに元々無口な方ですから、長ゼリフを話すとどうしても違和感がつきまとうということもあったかもしれません」
「ところでしずりって名前、なにか意味があったんですかねー? 微妙に千鶴さんをもじっているような……」
「送られてきた手紙の内容も気になるところですが、これはある程度推測がつくから良しとしましょう」
「個人的には、タイトルは初音さんの口語調の方が良かったような気がしますー」
「最後に一言……>『ごめんさい』。吹きました」


>>428-450闇に閃く鈴の音

「末長さん、格好いいですねぇ。蝉丸さんも」
「ええ、時折区別がつかなくなるくらいに」
「光岡さんも出てきていたら大混乱だったでしょうねぇ」
「一番キャラが立っているのが、出番少々の岩切様のような気もします」
「酔っぱらいながら愚痴を言う様が目に浮かびますー」
「硬い文体は少々気になることもありますが、誰彼という作品が持つ雰囲気にあっていると思います。時代も古いですし」
「でも、なんだかジャンプ的なノリを感じさせるものもありますねー」
「……今のジャンプと比べられて嬉しいかどうかは分かりませんが、戦闘風景はなかなかに達者です。
 ですが、少し改行が見づらいです。時折、改行後が1マスあけになってたり、なっていなかったり」
「時間に遅れていたせいか、ちょっと最後の方、駆け足気味にも思えます」
「――ところで目の見える人を闇戦試挑体にするというのは禁じ手でしょうか?」
「わ、セリオさんグッドアイディアですぅ」
537名無しさんだよもん:03/09/10 23:06 ID:Ku1dFlAX
>>454-462 THE GARDEN OF EVERYTHING

「今時『絶交』なんて、小学生でも真に受けません」
「『いつもそうだ』……って、なにかトラウマでもあったんでしょうか?」
「真琴様シナリオの後であることは明白ですから、どうせなら非情にそこら辺をえぐり取った方がよろしかったかと。
 後ここでだけ、祐一様視点になるのが気になりますね」
「でも視点変えないと分かりませんよぉ」
「分からないことを美汐様の不信感に上乗せしても良かったのですが。
 冗談だと分かってくれるだろう、と楽観してたら、いきなり帰ってしまうなどして。
 あと、夢を見るシーンは冒頭に持ってきて、浮かれている美汐様に繋げた方がいいかと。
 美汐様の走るシーンなど、めったに見られるものではないですし」
「そうですねぇ」
「>『けど、天野がいたから今の俺はいる』と言うセリフがいささか唐突かと思われます。
 そこまでの信頼を寄せておきながら、なぜ絶交の一言で揺らいでしまうのか」
「というより、今の俺ってどんな俺でしょう?」
「祐一様がどのような過程を経て、その言葉が出るに行きついたのかが不明瞭ですから、分かりません。
 今、ここにいる俺、とも取れますが……自分から行動を起こせずうじうじ悩み、
 友達にお膳立てしてもらって、ようやくフォローを利かせることができた俺というのも情けない話です。
 読者置いてきぼりで、二人だけで盛り上がっているような印象さえうけます」
「バカップルというのはそういうものですよー」
「そうですね。些細なことですけど、修学旅行という聞き違いも謎でした」

「以上です。全体を通して文章レベルは高かったと思います。さんざん酷評したりもしましたが、なかなか楽しめました」
「でも、もうちょっとたくさん来るかと思いましたけど。そこが残念ですー」
「そうですね。書き忘れましたが、テーマの消化という面では、はっきり『耳』と断言して、書ききった『闇に閃く鈴の音』が良かったと思います」
「やっぱりいっぱいあると、ちょっと印象が薄れてしまいますから」
「では、長々とおつきあいありがとうございました」
「あ、今なら来栖川製首吊り用のロープ、1メートル3百円の大特価ですよぉ」
「それでは失礼します」
538 ◆HMX73059.I :03/09/10 23:50 ID:6hJzuzIS
感想の中で、評価が高かった作品は以下のとおりです。

『闇に閃く鈴の音』 >>500 >>527
『夢の迷宮』 >>501
『いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人』 >>513

ということで、第十七回の最優秀作品は『闇に閃く鈴の音』のようです。
おめでとうございます。

>>529
多分、感想期間と総括期間をまとめるかどうかの話をしていた際に出てきた案の一つだと思います。

>>530
投票の締切は、ある時点で区切ってそれ以上結果が変わらないようにするための目安のようなものだと思います。
ですので、少し伸びる分には問題ないと考え、今回はカウントさせていただきました。
いや、もちろん理想は締切予定時間に結果を出すことだとは思いますが。重ね重ね申し訳ないです。
539名無しさんだよもん:03/09/10 23:53 ID:JluPPc+a
次々回のテーマ案はもう書いてもいいんだよね。
犬猫などが出てくるのが読みたいので「小動物」ってのはどうか。
540 ◆HMX73059.I :03/09/10 23:55 ID:6hJzuzIS
えと、今回の総括期間で意見を求めたい事ですが、

・次々回(10月中旬〜下旬予定)のテーマ
 これはいつも通りです。

・感想期間の延長について
 今回実験的に、投稿2週間感想2週間としてみたわけですが、これについての感想や意見、
 また次回以降はどうすればいいか、といったあたりです。
 次回以降の例としては、
  ・2週間+1週間に戻す
  ・今回と同じく2週間+2週間
  ・少し縮めて10日+10日
 などを考えていますが、それ以外の意見でもお願いいたします。


以上、意見等よろしくお願い致します。
541名無しさんだよもん:03/09/11 00:09 ID:q3VvLitU
最近は投稿数が少なくなっていますし、投稿期間は短くしないほうがいいと思います。

感想期間に関しては、作品が多いときは1週間だと短いし、作品が少ないのに2週間だと間延びするし、
難しいですね。

1つの案として、作品数に応じて変えてみる、というのはどうでしょうか。
例えば、作品数が10本未満のときは1週間、10〜20本のときは10日間、
20本を越えたら2週間、という具合に。
542名無しさんだよもん:03/09/11 00:14 ID:iBeKhJQS
>犬猫などが出てくるのが読みたいので「小動物」ってのはどうか。

じゅ、獣姦を書けと(;´Д`)ハァハァ
そりゃ、好きですから、いくらでも書きますけど(;´Д`)ハァハァ
琴音ちゃんがイルカと(;´Д`)ハァハァ
初音ちゃんが犬と(;´Д`)ハァハァ
543トリップ忘れた・・・:03/09/11 00:23 ID:Hp5A0wRk
『THE GARDEN OF EVERYTHING』>>454-462書きました。
読んでくれた方、また感想くれた方々ありがとうございました。
テーマは私も『過去テーマメドレーリレー』で、そのせいで展開に無理な所もあったり・・・。
テーマ消化という自己満足のせいで物語を破綻させる事だけは避けようと頑張ってはみましたが、
私にはこの辺が限界っぽいようで。
説明が不足しがちなのはいつも言われてるのでどうにかしなければと・・・。

>>488
言いたい事ですか。
それはもちろん、みしおたん可愛い、みしおたん萌え、みしおたん頑張れ、みs(以下略
・・・それがいけないのかもしれませんけど。

>>493
誤解が解けた所で名雪達を出して落とせればまとまりは良かったのかもしれませんけど、
4つもテーマが残っている・・・_| ̄|○

>>497
やっぱり説明不足が大きかったかなと。
544続き:03/09/11 00:24 ID:Hp5A0wRk
>>512
ご都合主義というのはまさにその通りですね。
美汐が幸せになれないような展開にするのは、たとえお天道様が許してもこの私が許しません。

>>522
テーマに沿って展開させるのは私の力量からはかなり困難なもので、
他でも指摘されてるようにあっちこっちにほころびが出てしまいましたね。
でも、美汐が生き生きと描けたのならそれだけでも嬉しいです。

>>527
確かに話自体は平凡かと思います。
でも、こういう話を書きたいというのが唯一の動機なのでしょうがないと言うか。

>>537
>あと、夢を見るシーンは冒頭に持ってきて、浮かれている美汐様に繋げた方がいいかと。
『夢』は8番目だから・・・
>美汐様の走るシーンなど、めったに見られるものではないですし」
『走る』は2番目だから・・・
>修学旅行という聞き違いも謎でした
『旅』が入ってるから・・・

でも、真琴EDでも冗談言ったり笑ったり、結構浮かれてるような感じがあったかなあと。

>そこまでの信頼を寄せておきながら、なぜ絶交の一言で揺らいでしまうのか
どうも全体的にかなり説明端折ってしまったみたいですね。

>バカップルというのはそういうものですよー
後日、香里が「まったく、夫婦喧嘩は犬も食わないとはよく言ったものね」
と呆れたのは言うまでもありません。
545名無しさんだよもん:03/09/11 00:25 ID:4EzR+F1s
今の投稿数なら感想期間は10日くらいが妥当かな。
投稿期間2週間+感想10日+統括一週間で
1ヶ月サイクルで廻していけばいいんじゃないかと。

去年の今ごろは一週間で27本の感想を書いてたのか…。
今じゃ体力的に無理ぽ。
546名無しさんだよもん:03/09/11 00:35 ID:4EzR+F1s
>>543
>『過去テーマメドレーリレー』
全く気付かなかった…。
ていうか他の人も気付いてないっぽい。
547名無しさんだよもん:03/09/11 00:37 ID:iBeKhJQS
>ていうか他の人も気付いてないっぽい。

(=゚ω゚)ノ 先生、俺も気づいていませんでした。知っていれば、
もっと感想の内容が変わっていますた。
548名無しさんだよもん:03/09/11 00:57 ID:q3VvLitU
勝手な予想

『THE GARDEN OF EVERYTHING』の作者さんはやっぱり「みしおたん」の人なのかな?

あと、『いつかなくしたもの、だけど見つけたもの、そして再び会えた人』の作者さんは
以前に『坂を越えた向こうに』とか『生贄』を書いた人でしょうか?

違ってたらすみません。
549543:03/09/11 01:35 ID:Hp5A0wRk
>>546
それはそれで上手く行ったって事かも。
いきなり『サッカー』『野外H』と続く違和感を最小限に抑えられたのなら。

>>547
できれば今の感想も聞きたいです。

>>548
(・∀・)ニヤニヤ
550名無しくん、、、好きです。。。:03/09/11 01:48 ID:siicfga6
>543
気づかねぇよ!
つか、_| ̄|○ オソレイリマスタ ソウイウイミノタイトルダッタンダネ...
551名無しさんだよもん:03/09/11 01:49 ID:rhDNA0u4
生贄はもっと文章レベルが高かったかな、と思う。
いや、勝手なイメージなんだけど。
同じ作者さんだったら笑ってくれ。
552名無しさんだよもん:03/09/11 01:49 ID:siicfga6
>548
『いつか・・・』は、毎度マイナーネタを振ってはスルーされて嘆いている人のかとオモッテタ
タイトルの遊び心がそれらしいかなぁ、と。
……けど今考えるに、この人はエロ書かないかな?
553名無しさんだよもん:03/09/11 02:00 ID:aOiqKmm9
>>544  特別出張毒舌セリオさん

「確かに明確には気づきませんでしたが……駆け下りるとか、サッカーとか、
 無意識下で違和感はありました。全部出ているとまでは思いませんでしたが。
 でもそれで順番にこだわって、構成を縛るのはどうでしょう。
 ここをこうすれば、もっと良くなるのに、というところがあっても、あえて見過ごすのでしょうか?
 私の提案した改良案が優れているかどうかはさておき、
 順番を変えるという柔軟性くらいは持たせても良かったと思います。
 あえて前書きでテーマに触れなかったのは、気づいて欲しかったからでしょうか?
 ですが、それぞれのテーマ自体、『ただ出ている』という印象が強いです。
 特に、一番最初の花は、ただの風景です。これでは気づきません。出した意味もありません。
 美汐様が手にとって切なげにくるくる回していたら、また印象が違ったかも知れませんが。
 個人的な意見ですが、テーマの処理としては、あまり感銘は受けません。
 基本的にこのスレは、テーマの調理法も重要な評価材料になりますが、
 生のまま出され、料理になっていないものが見受けられます。
『過去のテーマ』で語ったように、テーマを集めてもせいぜい技能賞を進呈するくらいです。
 そういう理由で、私の評価は特に変わりません。
 あとこれだけではなんですので、構成上、先の文では書かなかったことを一つ。
 序盤のすねる美汐様は中の人の萌えポイントにはヒットした模様です。
 では、失礼します」
554518:03/09/11 02:14 ID:U0jTJQa6
やられた。
過去テーマメドレーだったとは>TGOE

我々を欺き通すべく払われた貴官の密やかなる
努力と技巧、加えて美汐タンへの萌える愛に応え、
何の権威もなく申し訳ないが、「518技能功労賞」を
進呈したい。

うーん、確かに、過去メドレーになってる。
うまく隠したものだ。
読んだとき感じた、表現の言葉選びの違和感は、
これが原因だったのか。まいった。
555名無しさんだよもん:03/09/11 06:02 ID:PJd5ZOyN
読んでいて構成に違和感があるなら、テーマメドレーとしては失敗しているんでは無いかと。
いや、俺は読んでないんだけどねw
556名無しさんだよもん:03/09/11 23:03 ID:gwJHcM8K
 読者が一人も気付かない仕掛け。う〜ん、判断が難しいね。
 目的と手段がごっちゃになっているような気がしないでもない。
 強引に縦書きSSを書こうとして、内容に違和感が生じているような。
557名無しさんだよもん:03/09/12 00:26 ID:YcqL+gF4
>542
(´Д`)ノ先生、テーマ「小動物」には賛成ですが、イルカは小動物とは言えない気がします!
558名無しさんだよもん:03/09/12 01:42 ID:92RGQL4O
>>556
縦読みSSはこのスレの範囲外なのかい?
一般SSと縦読みSSは目的自体異なるジャンルなんだが。
エロSSだってある意味そうだよな。
どういうSSとして評価するのかは読者の勝手だけど、
どういうSSとして書きたいのかってのも作者の勝手で、
まあ、それをお互い理解できればそれでいいんじゃないか?
559名無しさんだよもん:03/09/12 03:31 ID:ZhbLFJuv
面白ければいいんじゃない?
失敗すると目も当てられないだけで

次次回のテーマだけど、『小動物』よりも『動物』にしたほうがよいかも。
それならば、イルカも出せまふw
560 ◆1lU1DjfNK6 :03/09/12 04:04 ID:ZOjXcKad
おはようございます(夜だ)。感想返し行きますが、故あって長くなります。失礼。
今回『いつかなくしたもの、そして見つけたもの、再び出会えた人』を書きました。 
なんや色々いわれていますがw、『坂を越えた向こうに』とか『生贄』とかを書いていたのは私です。
>>548さんにはお米券進呈。つーか、まぁ、これはばれるだろうといった感じですが。
まず、今回作品を書くにあたって、基本コンセプトとして真っ先に書かれていた1行。

『例えば。瑠璃子さんとはるかがえちぃ関係になるためにはどのようにすればよいか』

で、できあがったのがなぜかこんなんですが。何があった、俺。
まぁ書いてみたら結果的に、二人のトラウマが綺麗に融合した形になったので、
神の啓示とか電波の誘導とかマターリ王国からの狼煙とか、そういったものがあったのでしょう。
作風のせいか、エロSSとしては今一使いづらいと言う自覚はあり。
欲情して完全に壊れた瑠璃子さんが、電波ではるかをいいように弄ぶという展開だったら、
もうちょっと実用性の高いものになったような気もしますが。
本編では電波に取り憑かれる前の瑠璃子さんがどういう人だったのか分からないので、
急ぎ足になったり、お披露目会したり、浮かれた足取りにしたりと、微妙にポジティブにしてあります。
浴衣姿の瑠璃子さんが書けたのは良かったのですが、参考用に読み返していた自分のSSで、
同じような藍色の着物をまるで外見の違う人物に着せ、褒めちぎっていた。なんでもいいのか、俺。

>>467
ども。あまりタッチしない、と言うのは、キャラをどの程度知っているのか分かりませんが、
格別キャラ的に思い入れのない人に(ってことですよね?)、そういう風に言ってもらえると嬉しいです。
背徳の匂いかぁ……でもこれどっちかが少しでも嫌な素振り見せたら終わっちゃいそうだったしなぁ。
申し訳程度にはるかが抵抗しているけど……やはりもっと瑠璃子さんを壊すべきだったか!?w
風変わり、というのはありがたい言葉です。「他人の書かないような話を書く」というのが基本なので。
561名無しさんだよもん:03/09/12 04:05 ID:ZOjXcKad
>>483
本編では、兄に体を奪われ精神を闇に閉ざし、やがて狂気の扉を開くのだった、と記述されているので、
兄に犯されたことがトリガーになったという解釈でいいと思います。
はるかに関しては……うーん、自分でははるかを書きすぎてて麻痺して、さじ加減が足りなかったかなぁ。
今回は兄貴が生きているバージョンなんで、もうちょっと兄貴と仲良くさせても良かったかもしれませぬ。

>>484
基本的に瑠璃子さん視点ですから、静かにはなります。
唯一のバイオレンスシーンでは瑠璃子さん意識半分飛んでましたし。
演出の意図通り、というのもこの二人のキャラ特性に依存しているような気もしますが、概ね狙い通りです。
……しかし、確かに脳内画像を再生してみると、引いたカットが多いような。

>>491
いやぁ、似てると思いますけどこの二人w 
共通点とか目の付け所とか褒められていますが、キャスティングは偶然の産物だったのは前述の通り(爆
出会った回数に関しては、実は当初浴衣購入のシーンはなく、いきなりお披露目会だったのですが、
それで花火大会で「下の名前+ちゃん」で呼びあうのは唐突かな、と思ったのでシーン追加。
三回では赤い糸というほどのこともないし、五回だと多いような気がしたので、間を取って四回に。
河島兄の出番もできたし、締めのシーンにも引けたので、これはこれで良しかなと。
この二人は、異様にウマがあったというか合わせてしまったので、いきなりちゃん付けでも良かったのですが。
エロに関しては色々理屈付けはしたのですが、自分でも必要性は低いと思います。まぁサービスの一環としてw
添い寝でも良かったんですけどね、悲しくて寂しくて人恋しかっただけですから、この二人。
562名無しさんだよもん:03/09/12 04:06 ID:ZOjXcKad
>>495
だるいですか。うーむ、でもテンポよく進めるという作風じゃないし、シーン構成にしても削るのはきついなぁ。
見知らぬ二人が仲良くなってゆく過程を書かなければならないので、どうしても文章量が必要になってしまう。
実は一目惚れに近いのですが、この二人。

>>526
自分で言うのはなんですが、確かにこれではあんまし抜けないw
なんかまた着眼点とか言われているよ。やっぱあのコンセプトは公開するべきじゃなかったか!?
こういうクロスオーバーは書いていて楽しいです。

>>532
いりませんゆーなw 多少なりとも自覚はあるんだ。確かにキスくらいでも良かったんだけどねー。
そういや作品分類はどうすればよいのだろう。なんか微妙に混じり合ってるし。
しかし月島兄が青姦って、どこで襲うんだ、どこで。玄関先か?w

ちなみに最後に出てきたはるかの相手……冬弥とは書いてません。彰かも知れません。別の人かも知れません。
最後に名前も出ずに(設定がない)、しかも回想シーンのみで死んでしまった、
もろにザコキャラのような河島兄に合掌(−人−)。花火ネタの割りには出番は三発だけだった花火にも合掌。
ついでにはるかの兄は「かなた(彼方)」説が有力なのだが、まさかSN○Wの主人公ははるかの兄なのか。
では芽依子様ははるかなのか、そうなのか。よっしゃあ(ガッツポーズ)む? うわ、やめろ離せ何をすr
563 ◆UorrRRuJp. :03/09/12 04:07 ID:ZOjXcKad
さて、もいっちょ。『闇に閃く鈴の音』。実はこっちも私の作品です。
あえて作風は変えてある……と言うより、自然に切り替わってしまいました。
こちらは新規の「いつか(略」と違って、『耳』のときにほんの序盤だけ書いて、間に合わなかったものです。
誰彼作品を書くのは初めてだったのですが、超先生の加護か呪いか、トリップには大小2つのRR。
あげく「いつか(略」と平行作業で進めたために、ちっと時間オーバーしたりの問題作。
だいたいのプロットが立っていた割りにはなかなか進まなかったのは、慣れぬ文体であったからであろうか。
タイトルの鈴の音は、キリギリスの鳴き声も指していたはずなのですが――むしろこっちがメインかも
――そこら辺の表現がちょっと弱かったかも知れません。せっかく誰彼本編からイベント引用したのですが。
自ら葬ってしまいましたが、末長はお気に入りです。特に名前とか。またも合掌(−人−)南無ー。

>>488
褒められたのはいいとしても、佳作止まりなのは何が足りなかったのだろうと悩む今日この頃。
華か、エロか、それともバイオレンスか、あるいは御堂かも知れないと現実逃避してみたり。
サイドストーリーというか、誰彼のサブシナリオとして入っていてもいい話、ぐらいのつもりで書きました。
 
>>497
あー、確かにいきなり英単語がある。なんか見なおした瞬間笑ってしまった。
確かに、いっそ末長はもっと軽いノリにしてしまっても良かったかなぁと思います。
軽いんだけど、本心を容易には悟らせない、ような。
戦場の悲惨さか……悪夢でも見せれば良かったかな。せっかくのトラウマ持ちですし。
ちなみに実際には五十年とちょっと(数年)経過しているのは秘密です。
564名無しさんだよもん:03/09/12 04:08 ID:ZOjXcKad
>>499
まぁ作戦自体は、良くあるパターンです。タイトルで半ネタバレしてますしね。
長さに関してはまとめ上げたというか、書いてたらこの分量になってしまったというか……計画性ないので。
本編で虫が鳴いているイベントがあったおかげで、作品の奥行きが出せたとは思います。
あれがなかったら、この作品自体、単なる五十年前の一事件で終わっていた可能性も高いです。
こういう本編とのリンクが好きです。うまく行くと楽しいですね。
序盤はなんとなくこうすれば格好いいかなあ、とかいう適当な理由での構成だったり(爆)

>>512
濃いですね。おっさん臭いです。誰彼で昭和初期という世界観のせいもありますが。
そもそもヒロインが不在だ(この作品に置いて岩切はそういう役どころではないので)。
末長の描写は能力面に力を入れすぎて、性格に関してちょっとおろそかになってしまいました。
末長が蝉丸を酒盛りに誘ったのは、あの時点で拒絶反応が起きていて、麻酔代わりに酒でも飲むか、
で見つかったから、最後に語っておくのも悪くはない。という感じでしたが……
やっぱ末長もっと軽いキャラにしておけばここら辺も自然になったような気がします。
で、この二人の関係はもうちょっと踏み込んでも良かったかなぁ。なんだか妙に気にいられた程度には。

>>521
ふむ。長いですか。まぁ確かに長いっちゃあ長いですな。
描写が足りないと本人が感じていても、読者は長いと感じるのは指摘されたとおり引き込みが弱かったのか。
「いつか(略」とは違った意味で淡々としていたせいもあるのかなぁ。
メインの蝉丸が年の割には老成しているのも大きかったやも知れぬw

>>536
えぇ、大混乱だったでしょうねぇ……やはりつっこまれどころはそこですか。
ジャンプ的……勝利はともかく友情も努力もあまりしていないようなw 
漫画的演出を文章で再現する、というのは個人的理想の一つですから、そういう意味なら狙い通り、ですが。
葉鍵世界なら、闇戦試挑体を量産するよりは、メイドロボ軍団を作った方がいいような気もしますな。
565名無しさんだよもん:03/09/12 04:10 ID:ZOjXcKad
間が空いていたからか指摘されませんでしたが、懺悔すると、末長、冒頭で水筒から酒を飲んでいます。
酒瓶が割れる音が戦闘開始の合図なのに。あうー。ごめんなさい。
さらにもう一つ。実は本編開始時では、蝉丸と岩切の間に面識はありません。
書いてる途中で本編やり直して驚いたのですが……これは会ってない方が不自然だろうと勝手に判断。

ついでにもうちょっとおつきあいを。「結婚」と「風」の時に書いた作品について少々。

「結婚」の時に書いたのは『君に届くなテレパシー』。1レスSSの予定が行数制限で2レスに(;´Д`)
どうも私の脳内琴音は妄想全開壊れ気味のお茶目さんのようです。
ついでになぜだか葵ちゃんラブでもありますが、今回は本編準拠のため浩之がお相手です。
内容自体は最後の行に集約されていますが、寸止めしてもホールドされていたら出してしまうでしょう。
結婚は人生の墓場とはよく言ったものです。PC版OPをもじったタイトルはお気に入りです。
実は琴音はテレパシーなんぞ使えないのは良いのだろうか。ギャグだから良いか。

「風」の時の作品は、『風が運ぶ願い』。これについて長々解説するので、興味のない人は飛ばしてください。
まずKanonという作品において、あゆの奇跡、舞の力、妖狐である真琴など、不思議現象が多発しますが、
では今作に置いてその恩恵をこうむったのは誰かというと……実は香里です。舞もそうですが。
この作品「風」である意味がないと言われるのは、覚悟の上で表記しなかったのですが、
その風を吹かせているのは、全部香里という裏設定でした。
栞が学校に行くのを邪魔した風も、屋上から落ちた舞を受け止めた風も、ストールを空に流した風も、
全部香里の無意識が引き起こしたものです。SS読んだだけだと分からないようにできてますがw
ですが香里は魔法使いの素養が低かったらしく、栞を救うまでには至りませんでした。
だから、香里がその力に対して無自覚であったのは、ある種の救いだったかも知れません。
566名無しさんだよもん:03/09/12 04:13 ID:ZOjXcKad
メインヒロインは美坂姉妹とありますが、真琴シナリオでの真琴が香里、美汐が栞、くらいのつもりでした。
そのわりには栞目立ってます。栞が祐一の役を担っているという見方をした人がいましたが、これは逆です。
祐一=主人公に相当するのは、この場合、舞です。救ったのは香里です。原作に従い、救えるのは一人です。
舞が完璧超人みたいと言う意見もありましたが……確かにブーストかかっている気がします。好きなんでw
魔物退治に関してはさすがに性急すぎたかなぁ、と。未解決にしてぼかしても良かったかなとは思います。
でもこの世界、祐一が転校してきてないみたいなんで、一人で解決しないとどうしようもなかったり。
魔物って舞の思いこみに依存するものだから、舞が悟れば浄化できる類のものだと思うんですよね。
美坂姉妹を導くことに関しては経験者は強し、ってことで。近い状況を幼少の時に克服してますから。

佐祐理さんの出番は極少ですが、そこらのシーンは好きです。本編準拠の受け答えなんかもそうですが、
栞がアイスぐらいしか喉を通らない、というのはKanonやってたときからそんな事を考えておりました。
辛いのも元々嫌いなんでしょうが、刺激物などもってのほかという感じで。ああ見えて末期患者ですし。
栞を救う、という選択肢もあったんですが……プロットで香里に「起こらなかったわよ、奇跡」というセリフがあって、
それを書きたいがために、栞抹殺を決意したような気もしますが……使えませんでした(爆

カリカリ写真立ての裏を引っ掻いたり、壁に拳を叩きつけ続ける香里などは、書いてて楽しかったです。
薄暗い部屋でパジャマ姿で体育館座りして、ずっと半眼で闇を見つめながら壊れてかけていく様は萌えます。
なにかと栞への態度で色々言われがちな香里ですが、舞に対するぶち切れた発言は栞への愛情の裏返しです。
歪んでます。歪みまくってます。いい感じですw 舞の襟首ひっ掴むなんて、彼女しかできないでしょう。

まぁこれだけの解説が必要な作品と言うだけでかなり終わってる気もしますが……ある種陰険だ。
しかし今回解説入れた長めの作品3本。全部人死にが出とる……(−人−)南無ー。
長くなりましたが、こんなとこで。では失礼します。
567 ◆DIkaNSOFOg :03/09/12 06:51 ID:aRQuF5l2
 どうも、「夢の迷宮」の作者です。久々にSS書いてみました。今回は初痕、初エ
ロ、初長編、初ダークなのですげえ難産でした。プロットを何度も変更し、最終日
は缶詰状態でようやく陽の目を見ました。
元ネタは横山光輝の漫画(たぶん『史記』)に出ていた中国の故事から。作品中では
書きませんでしたが、ラストでは王様が「今日は無礼講だから、冠を置いて飲もう
ではないか」と言い、窮地を救われた家臣は戦場で王の危機を身を呈して助け、王
に真相を告げて死ぬ……というものです。
 初めは単純に暗闇でキスをした犯人当てにしようと思いましたが、それだけでは
物足りないので、それは撒き餌にして別の仕掛けを打ちました。

 今まで自作品に対して皆様から数々の欠点を摘示して頂きました。「文章が下手」
「一人称と三人称がごっちゃ」「句点が多い」等々。それらを克服し、新境地を
―――と書いたんですが、また新しい指摘を山の様に頂きました。……精進します。
 自分は後発組なのでなるべく新しいものを書こうと思ってます。ミステリを意識し
たのも、その試行錯誤の産物です。過去にこのスレで投稿した作品を一応挙げておき
ますが、ちょっとイカレ気味なものが目立ちますw
「Run with the dogs」(『走る』)
「メビウスの環」(『嘘』)
「You only live twice」(『旅』)
「No future」(『旅』)
「あいにくの風で」(『風』)
568名無しさんだよもん:03/09/12 06:53 ID:aRQuF5l2
>>486
>次女や三女は従兄弟にあたらないのでしょうか?w
_| ̄|○ なんでこんなミスを……。「長女の」はいらないじゃん……。

 夢から覚めたときに、耕一が楓だと認識できたのは、一家団欒の時は耕一の脳が千鶴
さんが居ることを要求してますが、楓と二人きりの時はその必要が無いから……という
ことにしておいて下さい。

>「耕一お兄ちゃん、それは、それは……楓お姉ちゃんだよ………」
 これ(・∀・)イイ!作品の最後の方は脳が限界だったので、あまり出来に満足してないで
す。もう少し時間があったらこんな風に良い形で収束できたかも知れませんね。

>>496
 高評価ありがとうございます。ところで、「思い出」ってどこらへんの事でしょうか?
古臭さは意識して無いですけど……小難しい言いまわしが好きなだけです。
 夢がなぜああいう夢だったかについては、夢なので脈絡がなくてもいいかなって言うの
もありますが、楓との性交が夢であるかのようなミスリードの一環としての意味も含んで
ます。

>>510
 貴方の数々の指摘は多分正しいと思います。自分でも気付かなかった弱点をすっぱり
発見してますから。でも、自分が今回目指したのは「反転の構図によるサプライズ」なので
あのオチや構成は変更出来ないんです。耕一に精神的再建を果たしてもらっては困ります。
構成を補強するロジックが足りないという批判は甘受しますが、今後も強引なプロットを
やめないだろうと思います。耕一の性格にそぐわないというのは多少自覚してました。千鶴
さんを殺したのは耕一……という設定の方が良かったかもしれないですね。
569名無しさんだよもん:03/09/12 06:56 ID:aRQuF5l2
>>520

>耕一の夢と現実の関連がつかめず
 初日と二日目の夢はこの作品の元ネタです。多少脚色してますけど。これを挿入したのは
元ネタとの展開の違いを知ってもらうためです。三日目の夢は確かに浮き上がってますね。
本当は昼間に海に行くべきだったんですが、結婚式前だし千鶴さんがいる振りを何度もする
のは厳しいので割愛した影響を受けてますね。……プロット、歪んでるなあ。

>謎解きが解説風だったのは、作品の長さを気にしたから?
 そうです。こんなに長い作品を書いた事が無かったんで……。でも真相編が4レスなのは
少ないかもしれません。2倍に水増ししても良かったくらい。

>>534
 厳しすぎるよセリオさん……;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン と言うのは冗談ですが、叙述トリ
ックを効果的にするための三人称なので、地の文で嘘を書くつもりは無いです。その制約の
せいできわどい綱渡りをする羽目になりましたけどね。他の点は同意します。……いや待て、
夢は無駄じゃないだろ!(w


 最後に、この作品を書くにあたっては沢山のミステリ小説、海洋汚染の専門書、古代中国
の衣装についてはインターネットのサイトを参考にしました。それらには敬意と感謝の意を。
 そして拙作を読んでくれた方々にも。ありがとうございました。
 以上です。長文失礼しました。
570 ◆G2/Yj5eh5U :03/09/12 08:58 ID:Vo5NlDU9
旅路の果てに 作者です。感想を書いてくださるみなさん、そして読んでくださるみなさん、いつもありがとうございます。
今までは「あなたが望んだ桜道」「思い出は風と共に」「あなたには幸せを 私たちには思い出を」
「観鈴ちんと海の思い出」と、ほのぼの系を中心に投稿してきましたが、今回はあまりいいネタが浮かばず、
結局最初に思いついた「往人とうたわれのクロスオーバー」で一発ネタをやることになりました。
往人が翼を持つ少女を探しているのなら、うたわれのウルト、カミュと組み合わせられないかという
発想から生まれた小ネタだったのですが、「この先が読みたい」という意見がいくつかあり、嬉しい
限りです。
ネタの出来としてはもちろん読み手によって賛否両論でしょうが、たまにはこういうのもいいんじゃないかと思っています。
しかし、セリオさんが考えたオチのほうが面白そうでしたねw
ちなみに、これの続きとしては、往人がハクオロの元でやっかいになり、剣術や術法を習い、戦に参加したりもして
うたわれのメンバーと交流を深めたり、時には争いがなくならない世界に悩みながらも元の世界に帰る方法を探していく、という設定をいちおう考えてはいました。
ただ、実際に書こうとするとかなり長くなりそうだし、細かい所はまったく考えていないのでたぶん書きませんw
次回テーマは復讐……なかなか難しそうなネタですが、ネタが思い浮かんだらまた参加させていただきます。

次々回テーマ…小動物も悪くないですね。
個人的には「食べ物」に一票。
571名無しさんだよもん:03/09/12 23:14 ID:87PycAQi
>567
>中国の故事
楚の荘王のエピソードだね。
ちょうど元ネタも知っていたし興味を引かれたんだが、途中で突然夢の内容が変わっていて結果的にはむしろ(゚Д゚)ハァ?だった。
572543:03/09/13 00:50 ID:2aTTlqXV
>>550>>554
そう言っていただければ書いた甲斐もありました。
他にも挑戦する人いるかと思ったんですけどねえ。
>>271さんがやったからやめたのかな?

>>553
順番変えていいなら比較的容易に作れるので、メドレーじゃないと面白味も薄れるかなあと。
まあ、そこに面白味を感じる人向けっていう事で。
でも短編で全部を調理するのはなんぼなんでも無理ですって。
一応、冒頭の『花』は心を開いた美汐のイメージのつもりですが、投げっ放しっぽかったかな・・・?
それと、みしおたんの萌えが少しでも伝わったなら嬉しいです。

>>555-556
私の場合、縦読みSSのように2つの角度から見て楽しめるものを目指して書いてみました。
別にそんなの読みたくないって人には申し訳ないですけど。
573名無しさんだよもん:03/09/13 04:21 ID:LVx5gg4D
うーんここも保守age
574243:03/09/13 04:51 ID:IdtyMZSe
はっはっは







感想書くどころか読んですらいないや(´Д⊂
575名無しさんだよもん:03/09/13 18:46 ID:JbYRzULV
次々回のタイトルは個人的には「再会」をキボンヌ
576 ◆QYKMYbF9AU :03/09/14 00:00 ID:Px/4L3Dp
『みさきとメイドロボの微妙な関係』を書いた者です。
読んでいただいた皆様、感想を頂いた皆様、ありがとうございました。

前回『乙女が海に来た理由』を書いたのですが、これがインパクトを狙っただけの失敗作だったので、
今回はもうちょっと丁寧に書いてみようと思いました。
いつもクールなセリオと、おっとりして茶目っ気のあるみさき先輩をコンビにすれば、
微笑ましい光景になるんじゃないか、と考えたのですが、ちょっと地味な話になってしまったようです。

よく考えると、みさき先輩の1人称だと当然目に見える情報は書けませんし、
相手がセリオだと声から感情を読むこともできず、かなり話を動かし辛いですね。
興味を引くような展開を作りにくく、面白いのかどうか自分でもよくわかりませんでした。

せめて、読んでいる間、退屈にならないようにだけはしたかったのですが、
どうにかその目標はクリアできたでしょうか。
577 ◆QYKMYbF9AU :03/09/14 00:01 ID:Px/4L3Dp
>>481
ありがとうございます。
繰り返し読むにたえるものが書けるようになりたいと思っていましたので、
そう言ってもらえると本当に嬉しいです。

>>487
うーん、もうちょっと意外性のある展開を用意すべきだったようですね。
>なんとなく、この文章の書き方は前にも見たような記憶がw
自分ではあまり特徴のない文章だと思っていましたが、やっぱり癖みたいなものがあるんでしょうか。
他の人と間違われているのかもしれませんが……
自分で似ていそうと思うのは『柏木家の初夢』とか『風を祈る二人の姉妹』とかでしょうか。
言われてみると、同じようなものばかり書いている気もします。

>>496
>なんだか最後のところは逆にダークなようにも感じられてしまいました。
実は、すべてセリオの計算通りで、日本の家庭はこうしてメイドロボに牛耳られていくのだった……
という話にしようかな、とも思っていました。
最初の意図から外れるし、読んだ人が引きそうなので結局はやめましたが、
書きながらもどうするか迷っていたので、そういう感じが残っているのかもしれません。

>>499
うーん。やはりもう少し突き抜けた部分が必要だったでしょうか。
突き抜けすぎても失敗したりするので、バランスが難しいですね。
>たぶんこれを書いた人は相当な熟練者なのだと思う。
いえいえそんな。たしかにこのスレには始めのころからいますけど。
他の場所には書いたこともないですし、まだまだ未熟者です。
578 ◆QYKMYbF9AU :03/09/14 00:02 ID:Px/4L3Dp
>>511
あまりお気に召さなかったようで残念です。
そういえば、名無しくん、、、好きです。。。さんはセリオは苦手で、ONEも未プレイでしたっけ。
この組み合わせではちょっと厳しいかもしれませんね。

>>526
ONEの世界にメイドロボとが存在するのが不自然ということでしょうか?
一応、本編の数年後なので、その間に発売されたということなら別に矛盾はないと思ったんですが、
やはり毛色の違う物語の登場人物を出すにはもっと工夫がいるのかもしれませんね。

>>535
あ、試作型のほうのセリオさんだー。お世話になってます(w
>「連れて行きなさい」
そ、そんなご無体な(w
最初は網走あたりにしようと思ったんですが、それだと連れて行きそうなのでカムチャッカにしたんですけど。
みさき先輩は環境の変化が苦手そうですし、言葉も通じない国には連れていけないでしょう。
彼女自身も浩平の足手まといになるのは嫌がるので、連れていけとは言わないと思います。
>「何日か過ぎていたのかも知れませんよー」
その日の夜です。『昨日の浩平君とのことを思い出してみよう』としてますし。
>「じゃあ一服盛ったんじゃないんですか?」
おお、そこに気がつくとは、さすがマルチ嬢。
遠くに買い物に行ったのは薬を仕入れるためで、献立がカレーなのも薬を入れても分かりにくいからです。
……というのは半分冗談ですが、そういう解釈ができても面白いとも思っていました。
そんな深読みをしてくれというのは無理な話ですし、あくまで普通に読んでほしいのですけど。
ちなみに、部屋から出て行ったはずなのに呼ばれてすぐ来たのは、ドアの後ろに待機していたからです。
……やっぱり計算高いですね(w


それでは皆様、ありがとうございました。
また参加することがあれば、よろしくお願いいたします。
579名無しさんだよもん:03/09/14 01:20 ID:7KGDG69L
縦書きと言えば前回の「月下血踊」、
一レス目だけが縦読みになってるようななってないような。
580名無しさんだよもん:03/09/14 04:36 ID:CN8iOPk+
ほ、ほんとだーっ!
……つうか、どうやって気付いたんだあんた。
581名無しさんだよもん:03/09/14 05:13 ID:UETLmo4e
>>579
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー









作者?
582名無しさんだよもん:03/09/14 06:28 ID:u2WlvTsz
偶然?……まさかな……作者サン説明きぼんぬ〜(;´Д`)ノ
583名無しさんだよもん:03/09/14 08:52 ID:2/gI43mN
前回の作品の3次創作って、反則ですか?
584名無しさんだよもん:03/09/14 18:09 ID:iT2I6V3f
次次回のタイトルは「ヒ−ロ−」なんてどう?
585名無しさんだよもん:03/09/14 19:14 ID:ahTLOmkI
>>579
>>242の作者の挨拶で縦書きについて触れてるのに
誰も気付かずにスルーされてるね。気の毒にw
586 ◆JiMaInOr5g :03/09/14 20:00 ID:Khc8nDFq
>>582

解説も何も、>>585、ということで。ネタの一環です。
さすがにフルコーラス通して縦にするには、歌詞に平仮名が多すぎました。
いや、無意味に改行せずに縦書くなら、ですけどね。
587名無しさんだよもん:03/09/15 20:24 ID:pxELU1Yv
次々回お題中間まとめ
小動物(動物)
食べ物
再会
ヒーロー
588名無しくん、、、好きです。。。:03/09/16 21:40 ID:laRoHBTY
>578
Yes. ついでに言うと、かなりの百合好き。
このSSは好みの部分と苦手な部分が混合してなんとも言えない味わいですた。
589 ◆/T.9VQZiKc :03/09/16 22:27 ID:wmnjDqds
「Runner」の作者です。
普段はキャラスレで管巻いてます。萌えのみでSS書いてます。
参考資料はGoogle。検索ワードは「中華料理店 着るもの」。
着るものて。今時お子様でももう少し言葉知ってるぞ、自分。

今回はシリアス系統が多かったようで、そのためなにやら過分な評価を頂きましたようで。
ありがたいような、嬉しいような。どちらにしても喜んでいることに変わりはないのですが。

一番気合をいれましたのがキャラの造形、二番目に慮ったのが読みやすさ。
最初に書きました通り、執筆動機がキャラへの愛情のみなので、そこを否定されるとアイデンティティーが崩壊しますので。
その点ではなんとか基準点はクリアしていたようで、ほっと一安心……して宜しいのでしょうか?

過半数の方に突っ込みを受けました、展開の弱さ。
これに関しましては……自分では結構、意外性を盛りこんでいたと思っていただけに、少し驚きました。
しかし他の皆様方の作品を見て、すぐさま納得。なるほど、これは指摘されても仕方がないな、と。
それが認識できただけでも今回のコンペ参加は、本当に有意義だったと思います。

あと、キャラ間の呼称に付き、一部を全くの個人的理由から変更していたりします。
瑞佳と呼ぶ浩平なんてただの飾りです。偉い人にはそれがわからんのです。
……いや、実際には長森ENDを迎えていない方が混乱をきたさないよう、調整を加えただけなんですが。

作品に対して&頂きました感想に対しては、ほとんど上記で語り終えてしまったのですが、せっかくの機会ですので、個別レスなるものに挑戦してみたいと思います。
一期一会。この出会いを大切にしないとバチがあたりますから。なむ〜。
590 ◆/T.9VQZiKc :03/09/16 22:28 ID:wmnjDqds
>>483
こういった客観的に見て頂けましたご意見は参考になります。なむなむ〜。

>>484
ええっと、本当に自分のSSに対しての感想で宜しいんでしょうか?
もう喜んじゃいましたよ?今更変更なんて効きませんよ?もし変えたら泣きますよ?
……ちょっと疑心暗鬼、入ってるみたいで。ここは素直に喜びます。高評価、ありがとうございました。

>>492
またまた弱点が浮き彫りにっ。
やっぱりハタからみると、一目瞭然なんでしょうね。
少し、自分を見つめ直してみようと思います。旅に出たりはしませんが。

>>495
瑞佳はかわいいです。長森は可愛いです。やはり貴方も長森瑞佳が大好きですか!そうですか。
後半部分のご指摘に関しましては、これはもう精進しますということで……。

>>509
全てをプラス方面に解釈してくださっているのですが……狙ってやった表現はほとんどなかったりします。
シリアス書いても同じ文体になるような。今後は意識してそう感じてもらえるよう、努力しますです。はい。
ちなみに長森が叩き込んだのはスーパー頭突き。
そのままダウンさせてマウントを取らせようかとも思ったのですが、教会でそれは不謹慎なのでやめておきました。
591 ◆/T.9VQZiKc :03/09/16 22:30 ID:wmnjDqds
>>533
セリオにならお金払ってでも罵られてみたいなぁ、と考える駄目人間です。

>「キス寸前で裏切られた長森様の心境やいかに」
えーと、混乱して戸惑っているうちに浩平がうやむやにしたって感じで進めてみたのですが……駄目?

>長森様も体当たりするほど切羽詰まっている割りには、状況説明に分断されて、追及の手が今一温いです。
>彼女なら捜索隊を組織して、辺り周辺を虱潰しに探し回りそうなものですが」
そこは母性の塊瑞佳嬢。手紙を見て、最初は浩平の成長を見守るために自分だけが我慢すれば良いと思っていたのですが、その内徐々に辛くなってきて……苦しい?

>あと、バイト先のことをもう少し描写した方が、かえって、なんでだろうと読者に思わせられたのではないかと思います。
>チャーハンという単語を出さなければ、料理関係のバイトでも誰も気づかないと思うのです」
バイト先の描写は、あまりに書きすぎると最終オチがバレバレになるかな、と思って最小限に留めてみました。
それをわからないように表現するのが腕の見せ所だと思うのですが、イマイチその自信がなかったもので……。

嗚呼、レスればレスるほどメッキが落ちていく。
でもそれが嫌じゃない自分がいて、むしろもっと突っ込んでもらいたいと感じる自分がいて……ヤバ気なんで終了。

次々回のテーマは、「動物」なんかがいいんじゃないかな、と思っています。
592484:03/09/17 00:51 ID:PfvE1SM3
>>590
完璧かと言われればNoだけど、
楽しかったかと問われれば、間違いなくYes。
あと、あなたの中にある「長森人格モデル」が
良かったからかも。
593名無しさんだよもん:03/09/17 01:27 ID:2YpvHNgJ
今日の午前10時から作品受付開始だったっけ?
594名無しさんだよもん:03/09/17 01:42 ID:cZfvNv5u
HMX73059.I ★ 氏からのアナウンスが無いため、少なくとも今日ではないと思う。
595名無しさんだよもん:03/09/17 02:16 ID:Gi8ErXZQ
期間の話はどうなってんだ?
596 ◆HMX73059.I :03/09/17 02:29 ID:38de4HkL
>>595
「基本的に」一週間、って感じです。
自分がやや生活不安定なので、周期も一定していなかったりします。申し訳ない話ですが。

というわけで、特に問題なさげなら明日の10:00から次回の開催としたいと思います。
同時に次々回のテーマ募集も明日の10:00で締め切る予定です。
ご意見等ありましたら、それまでにお願い致します。
597 ◆HMX73059.I :03/09/18 10:01 ID:h+6sc7C8
えと、投稿&感想期間は、当面は現状維持(2週間+1週間)としたいと思います。
また、次々回テーマは「動物」が多いようなんで、それでいきたいと思います。

では……
598 ◆HMX73059.I :03/09/18 10:01 ID:h+6sc7C8
【告知】

第十八回投稿テーマ:『復讐』

投稿期間: 9 月 18 日の午前 10:00 から 10 月 2 日の午前 10:00 まで。

テーマを見て、思いついたネタがあればどんどん投稿してみましょう。
面白い作品だったら、感想がたくさんついてきて(・∀・)イイ!!
もちろん、その逆もあるだろうけど……(;´Д`)

※投稿される方は >>2-4 にある投稿ルール、FAQ をよく読んでください。
※特に重要なのが

・テーマに沿った SS を*匿名*で投稿する
・投稿期間中は作品に対して一切感想をつけない

※の二点です。他の各種 SS スレとは異なりますのでご注意を。

それでは、投稿開始っ!

# また、次回のテーマは『動物』で、開催時期は 10 月下旬になる予定です。
# 「二週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方はこちらの執筆に力を
# 注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回の募集開始までお待ちください。
599 ◆7igY4SLYdc :03/09/18 17:26 ID:TnNMpae4
SS投下したいのですが、残りの容量から言って次スレで投下したほうがいいので次スレキボンヌ
600 ◆HMX73059.I :03/09/18 23:59 ID:h+6sc7C8
>>599
立てられませんでした(´・ω・`)。
http://kita-kao.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/test/read.cgi?bbs=sscompe&key=1055435436&st=105&to=110&nofirst=true
にテンプレ置いてますので、どなたか立てられる方、よろしくお願いいたします。
601名無しさんだよもん:03/09/19 00:59 ID:vvzk5rMb
(=゚ω゚)ノ先生、新スレ建て増すた

葉鍵的 SS コンペスレ 11
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1063900069/l50
602 ◆HMX73059.I :03/09/19 02:31 ID:4r8Uh/pH
>>601
ありがとうございます&お疲れ様でした。
お手数をおかけしました。

投稿作品の収録は、こちらのスレでも次スレでも、
1レス目の投下が早いほうから収録していく予定です。
容量的に小さい作品であれば、出来ればこちらのスレを使ってくださいませ。
603名無しさんだよもん:03/09/19 22:30 ID:vvzk5rMb
>容量的に小さい作品であれば、出来ればこちらのスレを使ってくださいませ。

このスレは作品の投下に使わない方がいいと思います。
理由は以下の通りです。

・同じスレが平行して存在するのは余りよろしくない。
・作品が二つのスレに分かれるのは非常に読みづらい(収録されているHPより、スレの方が
見やすい)
・新スレが即死、またはdat落ちする可能性がある。

 以上の理由から、こちらには新規作品を投下しないほう良いと思いますが、如何でしょうか?
604名無しさんだよもん:03/09/19 23:41 ID:VNzX8Qcl
作品が読みづらいって言うか、作品への感想が書きにくいし読みづらい。
ので、できるだけ1スレにまとめる案に賛成。
605名無しさんだよもん:03/09/20 00:06 ID:7w87keem
俺もそーおもう。
でもそーするとしたら、こっちを埋めるのにどーしようか。
まだ50KB以上ある。
606名無しさんだよもん:03/09/20 03:39 ID:viS2XA8h
別に無理に埋める必要もないかと……
607名無しさんだよもん:03/09/21 05:48 ID:cx+b2r8c
じゃあここだけ総括期間って事にすれば?
ちょうど全過去テーマまとめてやった所なんだし、
それぞれのテーマについて言っておきたかった事もあるんじゃないか?
俺は無いけど。
608 ◆7igY4SLYdc :03/09/22 22:43 ID:tfgg1oQe
>>601
ありがとうございました、御陰でSS投降できました
609名無しさんだよもん:03/09/22 22:52 ID:XurwkxR1
>>608
一つ聞きたいのだが、投稿が途中で丸1日止まったのは、規制がかかったからなのか?
610 ◆7igY4SLYdc :03/09/22 23:17 ID:tfgg1oQe
はいそれもありますが、それで規制が解けるのを待っているうちにいつの間にか寝過ごしてしまい
朝になった上こちらのプライベートな事情であの時間まで続きが投降できなかったのです
611名無しさんだよもん:03/09/24 20:19 ID:JouSoAkm
へ-
612名無しさんだよもん:03/09/24 22:04 ID:t1CUF8Me
http://adult.csx.jp/~mitemitedvd/index.html
220.99.139.46 , q139046.ap.plala.or.jp ?
613名無しさんだよもん:03/09/24 23:46 ID:B9yi63ML
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614名無しさんだよもん:03/09/25 00:10 ID:1dm7Lz4E
なんか…こう…
>>410-420そっくりなのを以前どこかのスレで見たような…
615名無しさんだよもん:03/09/25 00:12 ID:rX0XfJnN
真偽はしらんが、証拠を提出しないとただの嫌がらせになってしまうぞ。
616名無しさんだよもん:03/09/25 01:27 ID:Hc0hkFI2
>>614
前半は違うけど、後半は全く同じモノがあった。
残念ながら俺もスレ忘れた。
作者がリライトしたのかと思ったけど。
617名無しさんだよもん:03/09/26 03:11 ID:81aooWBA
過去作品の中にル鬱のSSが見当たらないな…。
今回の題材はル鬱だと使いやすいと思われるので、
久々にSSを葉鍵に落としてみるか。
618名無しさんだよもん:03/09/26 03:15 ID:81aooWBA
…と思ったら皐月のSSがありましたな。
適当な事書いてスマン。
619名無しさんだよもん:03/09/26 11:44 ID:P3QzSvXJ
Routesとまじアンは少な目なのでねらい所かも。うたわれもあまり多くない。
ここら辺はプレイ人口の差か。誰彼はほとんどなかったが、ここ最近、なぜか目立っている。
多いのはやはり、Kanon、ONE、東鳩、痕といったところか。
620名無しさんだよもん:03/09/28 14:01 ID:rreIEWtK
621名無しさんだよもん:03/10/01 04:09 ID:5Fq4LRTC
>>619
Routesは“サツキ・ザ・ワイルドキャット”があったが悲惨だったぞ。
何せほとんどの感想人が発売後一ヶ月経過したにも関わらず、
「未プレイにつきコメントできません」で終わったからな。
感想を述べた人は一人だけだったよ。

今、どのぐらい普及したかはわかりまらないが、
新しい作品やマイナーな作品を題材に扱う時は
「未プレイにつきコメントできません」の可能性があることを頭に入れるべき。
622名無しさんだよもん:03/10/01 05:54 ID:jeOi//1Y
毎回覚悟してますが何か?(笑)<未プレイにつき〜
623617:03/10/01 08:42 ID:d4chXjBR
>621
2本書く予定だが、そのうちの1本は書き終わった。
出来たやつもこれから書くやつも完全にプレイしている事が前提の本編の補完SSだ…。
まぁ、コメントは期待しないでおくよ。
624名無しさんだよもん:03/10/06 22:31 ID:wNgPxJOG
625名無しさんだよもん:03/10/07 19:28 ID:JMbSuwCg
前スレがいつまでも残ってるのはアレなので、ネタを提供。
コンペで登場した原作のゲームをカウントしてみた。
626名無しさんだよもん:03/10/07 19:30 ID:JMbSuwCg
投稿作品 231作(第18回まで)
クロスオーバー 8作(使用された原作のべ18作)
使用された原作の合計 のべ241作

Key作品 126作
Keyスタッフ      2
MOON         1
ONE          31
Kanon         77
Air           15
Clannad        0

Leaf作品 115作
ナイト雀鬼        2
雫             11
痕             28
To Heart         40
White Album      10
こみっくパーティー   6
ナイトライター      2
まじかるアンティーク 1
誰彼           6
うたわれしもの     5
Routes          4
天使のいない12月   0
627名無しさんだよもん:03/10/07 19:37 ID:JMbSuwCg
Leafはホワルバ以降は同人人気が全く振るわない。
まさに坂道を転がり落ちるが如く。
まじアンなんて1作のみだよ。ってかこれ五月雨堂じゃんw

KeyはKanonのみが突出して他のゲームはいまいち。
コンペ1回に付きKanon作品を平均4作は投稿されてる勘定だね。
これでクラナドが駄目なら葉鍵はそろって斜陽だな…。
628名無しさんだよもん:03/10/07 21:37 ID:tH8DV6qq
Kanonはさすが、って感じだな。
バムが雫に負けてるのが意外。
はるかをあちこちで見かけた気がしたが、瑠璃子さんも負けていないということか。
629名無しさんだよもん:03/10/07 22:00 ID:zSlVlzEn
こみパも同人誌だと結構見かけるんだけどね。
あとはこのスレにいる人の趣味の偏りにも影響するし。
630名無しさんだよもん:03/10/07 22:09 ID:e3/z8NfN
よく見たらフィルスノーンが0だな。
プレイ人口はそこそこいそうなのだが、
ファンは少ないのだろうな。
631名無しさんだよもん:03/10/07 22:18 ID:5TdKWjG6
AIRのSSの弱さはここでも発揮されてるな。
プレイ人口はトップクラスだろうに。
632名無しさんだよもん:03/10/07 22:35 ID:zSlVlzEn
>>630
アビスとテネレと同棲もゼロだよ( ・∀・)……テレネだっけ?
633名無しさんだよもん:03/10/08 01:49 ID:j93u06Z0
同棲ってkey? SSどころか、この板で語られているのを見たことないや(w

それと>>624、「うたわれるもの」ダゾー
634名無しさんだよもん:03/10/08 01:51 ID:j93u06Z0
>>626だな……(´・ω・`)サイキンコンナノバカリ
635名無しさんだよもん:03/10/08 01:54 ID:Esra9UuN
よりによって本文無しレスにアンカーつける633に萌え。
636名無しさんだよもん:03/10/08 05:59 ID:cOu77QMx
>>633
君はあの「同棲スレの1」を知らないね・・?w
あとヒロインのスレは現在part25だ。(注:騙される)
637名無しさんだよもん:03/10/08 06:34 ID:iieQkt0G
東鳩が意外に多いな。
あの設定はいろいろ使いやすそうだけど。

痕とかは使いにくそうなのに頑張ってるな。主にエロで。
638名無しさんだよもん:03/10/08 14:06 ID:y1Rwzxrn
最優秀作品の作品別ランキングを数えてみました。
()内は(最優秀作品数/そのゲームの全投稿作品数)で算出した打率です。

1位、5作品:kanon(0.065)

2位、3作品:To Heart(0.075)

3位、2作品:ONE(0.065)
      WA(0.2)
      痕(0.071)
      雫(0.181)

4位、1作品:まじかるアンティーク(1.00)
      Air(0.066)
      誰彼(0.166)
639名無しさんだよもん:03/10/08 14:21 ID:A22rgH45
投稿数ベスト5のKanon、東鳩、おね、痕、Airが
6〜7%台のところに収まってるのは面白いね。
傑作の後ろには死屍累々が…。
640名無しさんだよもん:03/10/08 15:20 ID:p0YcvRbm
東鳩の最優秀作品は3本ともセリオものだな。
雫は2本とも瑠璃子もの。
痕は2本とも耕一の夢精もの(w
641名無しさんだよもん:03/10/08 17:57 ID:y1Rwzxrn
つまり『耕一の夢精話に外れ無し!』ってことですかw
642名無しさんだよもん:03/10/08 19:59 ID:ZXnLv92Q
そして次回コンペでは耕一夢精ものがわんさかと……読むの嫌だなw
しかしセリオさん、伊達に毒舌吐いてねぇな。
643名無しさんだよもん:03/10/08 20:34 ID:y1Rwzxrn
テーマごとの投稿作品数です。

•14話 第一回:『花』
• 9話 第二回:『走る』
•15話 第三回:『雨』『サッカー』
•12話 第四回:『夏だ!外でエッチだ!』
•27話 第五回:『嘘』
•11話 第六回:『絶体絶命』
•17話 第七回:『夢』
•11話 第八回:『キス』
•11話 第九回:『旅』
• 9話 第十回:『初め』
•11話 第十一回:『プレゼント』
•19話 第十二回:『耳』
•15話 第十三回:『桜』
•12話 第十四回:『風』
•14話 第十五回:『結婚』
• 8話 第十六回:『海』
• 9話 第十七回:『過去のテーマ』
•10話 第十八回:『復讐』

1テーマ平均13話
しかし、嘘ってそんなに書きやすいテーマなのでしょうか?
644626:03/10/08 22:34 ID:A22rgH45
数え忘れハケーン。東鳩は41作だった。
投稿作品数は232かな。

>>643
耳の回は17話じゃない?
645名無しさんだよもん:03/10/09 04:45 ID:iTYCion+
平均を超えたテーマ
『花』『嘘』『夢』『耳』『桜』『結婚』
具体的にも抽象的にも複数に意味がとれる名詞がいいのかな。
646名無しさんだよもん:03/10/10 07:45 ID:ysoFd/Rw
テーマ以外の条件が影響することも多々あると思う。

>>643 「嘘」の回は、
・夏休みだったこと
・その前の「夏だ!外でHだ!」の回が盛り上がったこと
も原因のひとつとしてあるんじゃないかな。
長期休みの回は作品数増えやすいような。
あと、盛り上がってる場を見たり、いいSS読むと、
「よっしゃ俺も!」なんて気合いが入ったりすることあるでしょ?
647名無しさんだよもん:03/10/19 15:24 ID:9Wic7uUA
救済age
648感想〜〜:03/10/19 15:30 ID:8HpCvdCC
 巷では、SS作家の多くが某こんぺに参戦を予定しているせいか、こちらでは作品数が少々減ってる感じですね〜。まあ、私もその中の一人ですが(苦笑)
 
 久しぶりですが、こちらでは2回目の感想人をやらせて頂きます。っても、感想期間は既に終わってるんで(19回の開催期間にもう入ってるって!)気楽に読んでやってください。
 以前のように評価基準は☆☆☆>☆☆>☆>★>無印です。


光の道

 うぐうぐうぐぅっ!(何)

 うわぁ……何ていうかまあ、一言で言うとU−1です。ごめんなさい、5レス目あたりから思いっきり流し読みです。
 んで、まあ、その、何と言ったらいいのか。……ほ、褒める所ナッシング……(汗)
 カノンの二次創作である必要性ゼロの上に、構成も悪いです。遊び心が感じられるならそれでもいいんですが、残念ながらそれも感じません。ストーリーの起伏も無いし、ただキャラを弄んでる……と、正直そんな風に感じてしまいましたので。
 今回の色んな方の感想などを参考にして、良い物を書けるよう頑張っていって下さいね。

649感想〜〜:03/10/19 15:31 ID:8HpCvdCC
☆帰ってきた柳川

『帰って来たぞ、帰って来たぞ〜♪ ウルト〜ラ〜マ〜〜ン♪』
 そんな音楽がタイトルと同時に頭の中に鳴り出しました(笑)
 文頭一文字開けがやったりやってなかったりというのは、推敲不足なんでしょうか? でも、誤字脱字は全く無いんですよねぇ……。む〜、こういう初歩的ミスはもったいないですよ。

 とまあ、そんな事はさておき。エルクゥバカすぎ(笑)ふははははは、という笑い声が出てくるたびに、こっちも思いっきり笑っちゃったじゃないですかっ!
 それと、二重心理描写を地の文でやるのは、どっちがどっちか分からなくなる可能性もあるんですが、エルクゥのバカっぷりのおかげで、最後までどっちがどっちか、混乱する事はありませんでした♪

 細かい小ネタも楽しかったです。
「こうしてあらぬ悪口を大量に吹き込んでおけば」
 って、全部事実だってば(笑)
 14レスまでは話の勢いとギャグとが上手い具合に絡んで、凄く面白かったです。ただ、15レスから先、急に勢いが消えるんですね……残念な事に。

 そして一番問題なのが、キャラ描写。梓の怒りは、かおりという恋人(爆笑)に対して行われた事を考えたら弱すぎますし、初音がすぐに柳川をかばうのも、いくら初音とは言え無理があります。
 千鶴さんは……まあこんな感じだと思いますが(笑)
 柳川はもうちょっと柳川らしく行きたい所ですね。皮肉をこめて笑うくらいやっても良かった気がします。
 ただ、レベル1という考え方と、再封印の設定はかなり綺麗にまとめられていました。ラスト4レス分をもうちょっと説得力をもって書き込めれば、さらに良い話になった気がします。
 後は、ラストを全面的に変えて、最後までギャグのままで突っ走るとかもいいですね。
 
 最後に……この話の楓がなんとなく、天巫女姫の椿に見えたのは秘密です(爆)
650感想〜〜:03/10/19 15:33 ID:8HpCvdCC
キツネのヨメイリ

 あぅーっ(泣)

 こういう、ジャンプの連載打ち切りというか、起承転結の結だけで終わりというストーリーは、もうちょっと何とかならなかったんでしょうか?
 本来の実力……ある程度はある方だと思います、この作者さん。時間不足でプロットが纏まらないままに出してしまったんでしょうか?
 それとも、理不尽さと唐突さをテーマにおいたんでしょうか? どちらにせよ、読者に『未完成』だと思われたら失敗だと思います。
 作品完成までの経緯を知りたい作品です。力は間違いなくある方だと思いますので、次回以降の作品に期待したいと思います〜。


★逆撃長森瑞佳 折原浩平急襲

 こういうストーリー構成、私好きです〜。長森と浩平の微妙な(異常な?)本編後の関係を主軸においての話は、上手い着眼点だと思います。 
 が、しかし。これでは長森はただの色情狂ですよ(汗)お酒に酔って、それで……というならまだ良かったんですが。
 化学室からクロロホルム持ってきてる時点で、これは確信犯だって事になりますから……長森はいくらなんでもこんな事しないだろ! と、そう思ってしまいました。

 私だったらこの話、夢落ち→それを夢と認めない浩平→どんな夢かを尋ねる長森→手取り足取り(笑)実践する浩平  ってな感じにします。
 長森の行動の説得力、これさえしっかりしていれば☆☆くらいまではすっといったんでしょうが、これではこの評価がせいぜいです。
 長森と瑞佳の差とか、細かな描写力などがしっかりしていた分、今回一番残念な話に感じました。初期構成に難があった事が原因だと思いますので、ぜひリテイクで読んでみたい話です〜。
651感想〜〜:03/10/19 15:34 ID:8HpCvdCC
ピザと手記、Nemesis(評価外)

 ごめんなさい、ルーツ未プレイにつき採点不能です。2ヶ月間、ずっと積みっ放し……(汗)


電気羊の夢

 はぅ――ん……ぐっすん(泣)しくしくしくしく……。

 あああああああああ……ラストが、ラストの締めが悪すぎですぅ――!! 5レス目までは、かなりしっかりした作りでした。色々と直すべきところもありますが、それはまあ、いいです。
 なんでこんな終わりにしたんですかっ!?

 悲壮感も、物語の説得力も、何もかもありません! つか、なんでマルチにしたんです? セリオの方が説得力でるでしょうに! 
 長い話にしなくてもいい話をやたら長くする話が最近多いですが、この話は真面目に書いたら9レスなんかじゃとてもとても足りません! 私がこんなストーリー書くなら20レスでも足りませんっ!!

 浩之とあかりの描写が全く無い時点でストーリーの深みとしては大問題ですし、マルチがあっさり説得されるのは論外です! 目の前がくらくらしました、あまりの展開に。
 そも、何故にこんなあっさりと捕まりますかぁ……(泣)ジャンプの連載打ち切り風ストーリー構成は辞めましょうよ! リテイクしましょう。つか、リテイクしなさい!(ぉ) 
 久しぶりのオリジナル設定をこめた名作の登場かと、序盤で凄く凄く期待していた分、落胆は無茶苦茶でかかったです。り、リテイクぅ……(泣)
652感想〜〜:03/10/19 15:36 ID:8HpCvdCC
☆☆MOON.― the last night ―

「しーゆーねくすとんっ!」に思いっきり笑ったのは、まずさておいて(笑)
 シーンが、何て言うかMOON本編での後半部、放心状態の郁未に似ていますねぇ……。一番この話で凄いと思ったのは、MOONでも疑問だった
『何で郁未がAクラス?』

 という思いの氷解に一役買っている、と思わせる話です。肉親の死、だけでなく、それから一歩先の過程を越えてから、郁未はFARGOに来てたわけですね(少なくともこの話では)
 これは、確かに由依より精神的に強いよ……と至極実感なのでした。
 恐らく葉子さんも、一歩先の過程を越えてきているはずです。MOON本編でもそれを感じましたから。これ読んで、由依がBで郁未がAだって事を始めて強く実感できました。

 ぽつぽつと語られる日常ですが、そこには喜怒哀楽が意識して削られているのが良くわかります。絵がカラーじゃないんです。完璧にモノトーン。
 中盤部は、割と明るめ(あくまで全体比較です。一般レベルから考えたらこの話はずーっと暗いです)にもかかわらず、それでもモノトーンのままなんですね。
 色が戻ったのは20レス目の終わり。だからこそ、あの郁未の台詞がもろに心に響きました。
 本編へとどんな風に経由するのか、それもしっかり書ききられています。何て言うのか秀逸の一言に尽きます。MOON本編のbeforeストーリーって言って、十分これで通じます。

 なーんか、本気で思うままをつらつらと書いていった感想です(汗)ちなみにこの感想だけは、推敲してませんしー(汗)三ツ星でもいいんですが……個人的に三ツ星になる為の何かが欠けていました。
 何が欠けてたの? と聞かれても、答えられないんですが(汗)
 あと、えいえんは蛇足……とは思いませんが(雰囲気には凄く良くあっていました)できればあそこは作者さんご自身の言葉で書いて欲しかったなぁ……と。
 重厚な作りで、凄く良い話でした。ちなみに、聖痕って……(核爆) 
653感想〜〜:03/10/19 15:37 ID:8HpCvdCC
サクセサーズ・ルーツ(評価外)

 うぐぅ、積んでます。ごめんなさい(汗)


 今回は三ツ星は無し、二つ星が1、一つ星が1、黒星が1、無印が3でした〜。
 総評ですが、最近時間不足が如実に出てるSSが多いです。皆さんも、時間は多めにとりましょー。
 最優秀は、私は今回は迷わず『MOON.― the last night ―』でした。と言っても、既に投票期間は終ってますけど(汗)
 ……19回は作者サイドで今度こそ出ようよ、自分(ぉ)
654名無しさんだよもん:03/10/20 01:24 ID:TN1tFoym
U-1って何?
655名無しさんだよもん:03/10/20 18:09 ID:2jpugKhh
>>654
【厨設定?】U-1SSを語れ【若気の至り?】
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1065767641/
656名無しさんだよもん:03/10/28 00:06 ID:XBgTlHZA
なるほど
657名無しさんだよもん:03/10/29 20:14 ID:NDfdBgCB
658名無しさんだよもん:03/10/31 11:51 ID:TxEH9Ubc
ここを投稿日の長文投稿支援に使うというのはどうか
659名無しさんだよもん:03/10/31 11:53 ID:TxEH9Ubc
 
660名無しさんだよもん:03/10/31 11:54 ID:TxEH9Ubc
 
661名無しさんだよもん:03/11/01 08:36 ID:LD32Oizo
つーか落とせよいい加減w
662名無しさんだよもん:03/11/08 15:02 ID:IKwF1hci
663名無しさんだよもん:03/11/10 19:59 ID:OXzoPx52
664名無しさんだよもん:03/11/11 23:48 ID:C5jesbpq
665セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:44 ID:FTJNII84
 セリオさんの中の人は、ただいま天いなプレイ中ですー
    _
 _ '´   ヽ       _
 、ヽノノ)))) 〉   ,.'´   ヽ
 (○) ´∀`ノ  lヽ.ノリ))))〉    透子様のSSのようですね。
  ⊂)水!つ   ivゝ゚ -゚ノl_    今度はネタバレさせません。ええ、させるものですか。
   く/_l〉    ιく{つ__/__/カタカタ
    し'ノ     /__|ノ_つつ

ivゝ゚ -゚ノ 「何も見ないで進めてしまったら、明日菜様、雪緒様と来てしまったので、今度は意図的に透子様を狙いました」
) ´∀`ノ 「犬さんと仲良しだったり、ちょびっとドジっ娘だったり、親近感がわきますねぇ」
ivゝ゚ -゚ノ 「……ぴた」
) ´∀`ノ 「? どうしましたセリオさん?」
ivゝ゚ -゚ノ 「……真帆様が」
) ´∀`ノ 「?」
ivゝ゚ -゚ノ 「中の人ど本命の真帆様が激しく萌えるのですが、私は一体どうすれば……」
) ´∀`ノ 「我慢しろ」
ivゝ゚ -゚ノ 「彼女をあえて捨て、地味なメガネっ娘に走れと? そんな酷なことは(略」
) ´∀`ノ 「黙れ」
ivゝ゚ -゚ノ 「センパイってカタカナで呼んでくれるのですよ? さらにスカートめくってスパッツをもろ出しに」
) ´∀`ノ 「餅つけ」
ivゝ゚ -゚ノ 「えへへへへ〜、とか笑うんですよ。首輪をつけてご主人様なんて言われたら私はもう……」
) ´∀`ノ 「いい加減にしろ」
ivゝ゚ -゚ノ 「とか言いつつ、結局、真帆様、透子様の順で両方クリアしてしまいました。後はしーちゃんだけです」
) ´∀`ノ 「このボーイッシュスポーツ少女ヲタが」
ivゝ゚ -゚ノ 「自分の意志の弱さが憎いです(;´Д`)ハァハァ。そんなわけで、感想いきます」
) ´∀`ノ 「皆さん、今のうちに準備をどうぞ カチャ⊃;y=ー」
666セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:46 ID:FTJNII84
>>333
「ぽんぽこたぬきさんは拒絶の言葉……一目見て嫌われるなんて、酷な話ですね」
「やはり人間としてではなく、獲物として認識してしまったのでしょうか」
「狸さんよりは、うさぎさんな舞様の方が獣肉としてはおいしそうですが」
「狸対ウサギって、結構微妙な勝負ですけど、狸の方がまだ強そうですね」
「いえ、うさぎさんには必殺のウサギキックがありますから。あれは強力です」
「そういえばセリオさんの耳センサーもウサギチックですよね」
「エルフ耳、と呼んでください。高貴で美しく長寿っぽくて素敵です。ドライヤーとは格が違います」
「図に乗るな」
「今にも食うか食われるかのほのぼのした雰囲気が素敵でした」
「あのー、あんまり感想になっていないんじゃ」

>>353
「判断に困るSSですね」
「神秘と言うよりは不気味ですね」
「不条理ギャグなのはいいとしても、七瀬様がかけられた迷惑とは何だったんでしょうか」
「消えたネコさんもどうなったのでしょう……」
「なんとなく、JOJO第三部、ヴァニラ・アイスのスタンドを思い出しました」
「……ネコさんは亜空間の彼方へ? (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
「あるいは……飢えた国崎さんに食われたか……」
「どっちにしろ、保健所に連絡した方が良いと思いますー」
667セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:46 ID:FTJNII84
>>355-367 式神の白
「いけませんね……」
「え、何がですか? いいお話じゃないですか」
「スマッシュヒットしました。好きな作品です」
「はわっ……!? あ、地震観測局ですか? 明日辺り天変地異が起こるかもしれません、もしかしたら富士山が……」
「読んでいる最中に懸念していた、ポテト様は佳乃様よりの要因ではないかというのもクリアされてしまいましたし……」
「あ、綾香さんですか。ええ、きっと火星人が攻めてきます。全域に警戒を……」
「×待機→○大気 の誤字や、2レス14行目の重複表現が多少気にはなりましたが……」
「浩之さん? 立たないなんて言ってる場合じゃないです。最後の晩餐代わりに漢なら押し倒s(略」
「あとはドドドドドは何の音だったのか、とか、『蛍のような』は『蛍のようだった』にするべきだ、くらいです」
「つまり、セリオさんの毒舌の全ては、地球滅亡を予言していたのだよ!(AA略)な、なんだってーっ!」
「なにやってるんですかマルチさん(目からビーム)」
「はうあっ! で、でも、毒舌じゃないセリオさんなんて、セリオさんじゃないですー」
「今回、一番うまかったか……と言われると、そうでもないような気がします。客観的に。
 ですが、雰囲気はいいですし、それにコンセプト勝ちですね。好みにあった、とも言いますが。
 千年の時を超えて思いを繋ぐ不思議犬ポテト……なんて笑い話になりそうですが、すっかりいいお話です。
 もう少し、説明文をシェイプアップできれば、するりと入れていいかもしれません。
 柳也様は鈍いですし、裏葉様は回りくどいです。式神など、多少の予備知識があると、読み飛ばしたくなります」
「そういえば、なんで『白』なんでしょうね。なにか元ネタありましたっけ?
 例のゲームの語呂合わせだけだとしたらちょっと考え物ですが」
「どうだったでしょうか……AIRは一回解いたきりでしたからね。
 長くてたるいですし、無理にでも泣けって言われているみたいですし」
「あ、出ましたね、毒舌。これで地球も安心です」
「……一言だけ言わせてもらえば、好きで毒舌を吐いていたわけではありませんよ」
「それはウソだ」
668セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:47 ID:FTJNII84
>>371-380 Many happy returns
「はわーーーーーっ! 犬さんが、犬さんがっ」
「……なんだか最近、マルチさん受難の話が多いですね。
 このお話、犬さんの死がマルチさんに与えた影響が、軽く扱われすぎています。
 長瀬さんは日本シリーズの心配をしていればいいかも知れませんが、
 この後、目覚めたマルチさんはどうなるのでしょう。
 これはギャグで落としたのではなく、ギャグでごまかした、というだけです」
「いっそ目が覚めたら夢の中、とかいうオチだったら良かったんですけど……」
「学校の、廊下から見える位置で犬が喧嘩していたら、普通、気づくでしょう。
 はらわたまで引きずり出されたら、大騒ぎになるはずです。弱っていたことにして、数日後に病死でもさせた方が」
「セリオさん、淡々とマーダーですね……」
「翌日、同じ場所に猫さんが現れていますが、ここで普通は野犬に襲われる可能性に思い当たるべきです。
 また餌付けして、居着いて、殺されてしまったら大変です。
 むしろ心を鬼にして、泣きながら追い払うぐらいすれば、マルチさんの成長を描けて良かったと思います」
「学習型ですからー(声に力がない)」
「文章の練りも甘いです。例えばいきなり2〜4行目、浩之様が学食へ向かっていることは分かっているのですから、
『その途中〜廊下で〜マルチを見かけた』とすれば、少しすっきりします。
 他にも文章的に不自然なところや、文章作法にかなっていないところが見受けられます。
 その辺りは書き込むこと、そして他の作品を読むことなどで、勉強してください。特に句読点が気になります」
「えー……一番の問題点は、ストーリーが最後の最後で台無しになってしまったことだと思いますー」
「これでマルチさんがトラウマから立ち直るお話でしたら、ストーリー面での評価ももう少しできたのですが」
「立ち直りたいですー。タイトルとは裏腹に、幸せ、返って来ませんねぇ……」
669セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:48 ID:FTJNII84
>>385-405  Nine Cats
「途中でいきなり『澪』さんが裸体活殺拳を繰り出しているのはいいとして」
「なんです、その妖しげな拳法は」
「うろ覚えですのであまり突っ込まないでください。いきなり人前で脱いで意表を突いたりする伝説の拳法です」
「それってセクシーコm」
「凄まじい勢いで茜様が救済されているのもいいとして」
「救われたんだからいいじゃないですかー」
「9匹どころか13匹ぐらいはネコがいませんか? という突っ込みも置いといて」
「あははーっ」
「楽しめました。わざとらしい偶然&事件はラブコメの基本ですので良しです」
「どうせなら茜さんは直接対決して欲しかったですけど」
「その茜様ですが。いっそ長森様エンド後というのをすっぱり捨て去って、
 なんとなく平和に暮らしている数年後の浩平様、でも良かったかと思います。ギャグですし。
 そうすれば長い&シリアスな説明で勢いを断ち切られることなく進んだかと思います」
「茜さんと詩子さんがらぶらぶカップルでないのもちょっと残念でした」
「浩平様が長森様に引かれているのを知り、その悲しみを癒すために詩子様に身を任せる茜様……。
 美しい友情です。ええ、友情。あくまでも。女性同士推進委員会発動承認」
「……はわ? なんだか寒気が……」
670セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:48 ID:FTJNII84
>408-415 ねこねこマーチ猫の街
「ねこーねこー、ネコの街(*´Д`)ハァハァ」
「実はセリオさんの中の人は無類のネコ好きです」
「マルチさん、引っ越しましょう。大丈夫です、来栖川資本が入ってますから」
「落ち着け、つーか感想いけ」
「ごちゃまぜマターリ中途半端結構。これはそういう作品でいいと思います。
 ネコに囲まれネコと共に過ごしネコとごろごろする。これ以上の至福はこの地球上に存在しません」
「いいんですか、言い切っちゃって」
「ところでせえらぁ服の少女にプレミア本を売るのはどうかと」
「急に素に戻るな」
「アイス屋さんと喫茶店と言うのは何でしょうか……喫茶店→エコーズ→由綺と弥生→タチとネコ→つながったー」
「あとは千紗さんがにゃーにゃー紛れていれば完璧でしたね」
「いえ、他にもはるか様が公園でちょっと見かけただけの名もないネコとか……」
「誰も憶えてませんよ、そんなの」
「柏木家の軒下で泡吹いているネコさんとか」
「それは別の形で出てますから」
「私もスフィーさんと同じ髪型にしましょうか」
「……好きにしてください」

>416-418 無題(ナイト雀鬼)
「コメントに困りますね」
「え、でもネコさんが一杯ですよ」
「私は普通のネコがいいんです。とりあえず……SSとしては弱いですね。名前を前につけていますし、
 状況描写も少ないです。雀鬼ですから、という楽屋落ちを二度使っているのもマイナスですね」
「なんだか大変そうだなー、とは思いますけど」
「ご自分でもおっしゃっているように、ネタ、という感じの話ですね。どうせならこのまま猫又が増え続けて、
 ネコネコ団が世界征服するとか、徒党を組んでルミラ様に反旗を翻し、大人気なくもマジ切れしたルミラさんと戦うとか、
 うやむやにするよりは、なにかどたばたオチを付けた方が良かったかと思います」
「さっきと言うこと正反対ですよ」
「これは一本のネタですから、このままだと単に話が弱いだけなんです」
671セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:52 ID:FTJNII84
>430-459 Self High Five!
「闇夜の烏が鳥目にも関わらず、超音波を操るコウモリさんに、夜分に戦いを挑むとはなんて無謀な」
「二分歩かなければ到達できない距離の、真っ黒なコウモリを見分ける冬弥さんの視力もかなりのものかと」
「ちょっと本気で突っ込みを入れたら凄まじい量になってしまうので、要点だけ逝きます。
『頑張れ』と言うセリフ、これは何に対するものでしょうか? 
 自分ですか? 冬弥様ですか? 私達ですか? 過去の私達ですか?
 どれを対象にしても、なにか納得できません。はるか様らしくないのです」
「由綺さんへの思いの板挟みがありますからね……あんまり頑張りたくないと思うんですよ」
「この『頑張れ』が由綺さんへの報告に対するものだったら、ヘタレ過ぎますし。どちらも。
 それと、ここ一連の告白の出だし。はるか様にしては迂闊すぎでしたね。作劇上の都合に見えます」  
「冬弥さん、やたらきざなセリフが多いですね。なんか詩人っぽい表現も多いです」
「輝きとか、純粋とかいう表現が目立ちましたね。かわいいとはっきり言うのも優柔不断な彼らしくないです。
 それよりも彼の、支えたいとか、償いとか、笑顔が見たいとかが非常に身勝手に思えました。
 彼は一生墓に秘密を持っていくつもりでしょうか? そうでないのなら、とっとと白状するべきです。
 そのくせ寂しさを感じていたりしたときにはもうアホかと(略」
「まさしくヘタレの星の王子様の名に恥じないヘタレっぷりです」
>>450後半数行、どうしてそのような考えにいたったのか、経緯が見えません。
 これの原因は「俺にはなんとなく〜」が、「はるかと最近〜」の文章に、かかっているようにしか見えないからです。
 本当は、冬弥様はこの時点で、後に明かされるはるか様の真意に気づいていた”予定だった”のではないでしょうか。
 だから、由綺様の純粋な励ましが痛く、言葉の無力さに嘆いたりするのではないでしょうか?
 そうとでも考えないと、後日リトライすればいいだけの事柄に、妙に感傷的になる理由がありません」
「深読み好きなセリオさんの考えすぎかもしれませんけど」
672セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:56 ID:FTJNII84
「文章表現はそれなりに達者な方なのですが、会話の流れなどで引っかかるときがあります。
 例えば公園に行く前、電話が由綺さんにかかってきましたが、仕事の電話じゃないか? 
 と、彼は思ってしまうのではないでしょうか。そういうことは頻繁に起こったでしょうし。
 他にも『一緒に授業受けていい?』と、由綺さんが聞くのも不自然です。そういう間柄じゃありません」
「などなど、通常の3倍くらい厳しく細かい突っ込みでお送りしました」
「すみません。思い入れがある分、いろいろと私見と私情が入っています。
 話が悪いというわけではなく……気になってしまうのです」
「セリオさんは重箱の隅っこつつくのが好きなだけなので、話半分で聞いておいてくださいー。
 コウモリというメタファーは面白かったと思います。もうちょっと活躍してくれても良かったですけど」

>462-463 かのねこ(Kanon)
「甘甘ですね」
「さすがに短いと突っ込むところが少ないですね」
「>あなたのやさしさで私がどれだけ救われたのか、言い尽くすことはできません。
 が、どれだけ救われたのか、本当によく分からないと言うところくらいでしょうか」
「原作での絡みが少ないですからね……妄想入ってるんじゃないですか? 美汐さんですし」
「ありうる話です。それにしても名雪様じゃあるまいし、天野様がそこにいるのに、
 無視してネコに構いまくりとは何という益体なしでしょう」
「むしろネコを利用して優しい俺を演出、みっしーげっとだぜくらいの気概を見せて欲しかったですー」
「天野様の実家を知っていたりするあたり、もうゲットしてしまっている関係かも知れませんが」
「なんとなくほのぼのして良かったと思います」
673セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:57 ID:FTJNII84
>466-474 さかり(痕)
「……動物愛護協会に連絡してもいいですか?」
「なんかずしりと落ち込みますねぇ」
「流れは分かるんですが……『話のために殺された』みたいな作為的なものが見えてしまうとどうにも……」
「やりきれませんねぇ」
「このタマ、妙にネコ離れしていますが、やはり魔物としての彼女なんでしょうか?」
「人の心をシンパシーしているようですから、例の猫かも知れませんね。」
「ですがそれなら、彼氏を交通事故から救ってやれよと考えてしまうのは、人としての業でしょうか?」
「ロボですけどね」
「それと、他の人もおっしゃっていますが、さかりのついただの狂気の沙汰だのは少々ひどいかと」
「中の人は4姉妹仲良し派なんですが、仮に梓さんが楓さんに隔意があるとしても、
 もう少し言葉は選ぶと思うんです。ああ見えて、意外と女性らしさを持っている人ですし」
「個人的には最後のシーンは、耕一さんと再会した楓さんの方が良かったと思います。
 せめて最後にはほっとしたものを見せて欲しかったですから」
「なんだかギャグじみたオチになっていて、今までの流れから浮いているように思えましたー」
674セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:58 ID:FTJNII84
>482-499 楓(痕)
「エディフェル様、てっきり裸かと思ったら服を着ていたのですね」
「裸だったら次郎衛門さん、情欲に身を任せて襲いかかっちゃうじゃないですか」
「なるほど、テーマの動物とはそのことでしたか」
「いや、『ケダモノ』とは違いますから」
「さて、このエディフェル様は、なぜ次郎衛門様を嫌がったのでしょう?
 見た感じ、彼女のメンタリティは、まるっきり猫のそれです。
 ともすれば、次郎衛門様が白昼夢を見ていただけかも知れないと思うほどに。
 彼女はいかなる理由で何のために出てきたのでしょう? 次郎衛門様ご自身がおっしゃるように、分かりません」
「転生して宿った命がお腹の中から、一足先に飛び出てきちゃったんでしょうか?」
「それだと次郎衛門様を嫌がったのが分からないのです。
 さて、この作品では植物の楓が強調されて出てきます。
 なにか隠された意図があるのかと、花言葉まで調べてしまったのですが、楓には、遠慮という意味があるそうです。
 これがこの作品の重要フラグだとすると、恋しさに思わず猫となりて現れたものの、
 新しく生まれる命のために、自分は身を引いた……。代わりに未来の自分の名を、その子に与えて……」
「もしそうだとしたら綺麗な話ですけど、セリオさんの深読みなのような……」
 過去の記憶は血の中にあっても、未来は見られないと思いますから」
「山神シナリオだと無理そうですが……さて、どうでしょうね。文章その他からも風情が感じられていい感じです。
 ですが、三回繰り返した、一行のみのレス。保管所なら良いかもしれませんが、ここでは逆効果だと思います。
 どうしたって不純物が入りますから、適切だと思われる空白行を前後に挟む方がよろしいかと」
「それに、繰り返し使い過ぎですー。ああいう効果は、ここぞというところで一度だけ使うべきです」
「私は>>494だけで良かったと思います。最後に個人的なこの作品の見所は……、
>頭の上の耳が、のびたり、倒れたりを繰り返していた。
 ここですね(*´Д`)ハァハァ」
「でもネコさんに薬を塗ると、嫌われそうですね」
「慣れるのは別の要素の方が良かったかもしれませんね。
 楓の葉に執着しているエディネコさんを、猫じゃらしの如く使って遊ぶのがきっかけとか」
675セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 03:59 ID:FTJNII84
>502-511 迷走(天使のいない12月)
「今回は負けません。ばっちり透子さんシナリオクリア済みです」
「やる気満々ですね」
「時紀様が少々熱血で前向きなのが気になりますね。
 彼はああ見えて、口が悪いだけのヘタレ小悪党無気力軟弱者です」
「なんだか浩之さんみたいですよね」
「そうですね、ややお調子者なところが藤田様を彷彿とさせます。
 プライドだけは高い彼が、相手を釣るために笑顔を作るというのはらしくないでしょう」
「逆に透子さんはそれっぽいですよね。嬉しすぎて泣くって言うのは分かります」
「(やはり共感を覚えますか。似てますからね……この2人)
 木田様もマイナス面の思考は外してないと思うのです。ですが時折妙に勢いづく彼に、違和感を憶えますね。
 それと >俺は栗原の制服を掴むと一気に引き裂いた。
 無茶です。恵美梨さんの強さは面白いのですが、これは無理矢理でしょう」
「服よりはまず、犬を引き剥がすべきだと思います」
「短編としてなかなかうまくまとまっているだけに、そういうところが気になりました。
 逆に >全ての人にまんべんなく愛情を注げて。 ここら辺のくだりは上手かったと思います」
「でも、最後にごめんはないですよね。透子さん、( ゚д゚)ポカーンとしちゃいますよ」
「そこはらしくていいと思いますが。彼は冬弥様を凌ぐヘタレキングになれるかもしれません」

「総括として。テーマ的には『迷走』が強かったような気がします。
 ポイさんは動物としての立場・行動を保ちながら、鑑賞物としての存在ではなく、
 主人公の思考に影響を与えたという点で、一歩抜きん出ていたような気がします」
「ここら辺は、原作にも登場しているペットの強みかも知れませんね。『楓』さんはどうですか?」
「あの方は……猫ではなく、どうしてもエディネコさんの影響が強くて、動物としてみられないのです。
 エディフェルさんの魂が宿っていそうで……。仕草とかは非常に愛らしいのですが。
『さかり』に出てきたタマさんも、そういったものを感じます」
「コウモリさんやポテトさんは出番が少なかったですしねぇ」
「さて、ついでに中の人が書けなかった作品のプロットだけ公開します」
「突っ込みたい方は容赦なく突っ込んでください」
676セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 04:03 ID:FTJNII84
 その日無人の佐藤家に、雅史の飼っているジャンガリアンハムスターを見せてもらおうとやってきたレミィ。
 雅史のハムスターの愛らしさに目を細めつつ、自宅から連れてきたジョニー(ジャイアントH)を公開する。
 その全長、二十センチ超。全長にして二倍、ウェイト差は八倍の計算に、びびる雅史ハムスター×2。
 幸いジョニーは眠いようで、ぐてっとしている。ので匂いを嗅いだり、よじ登ったりと、遊び始める。
 それを見て安心して、別の話を始め目を離してしまう雅史とレミィ。
 気づけばいつの間にかジョニーは目を覚まし、雅史ハムスターにのしかかっていた。
 なにやら微妙な動きに、赤面した顔を合わせ、互いのハムスターの性別を確認し、慌てて引き剥がす2人。
 ハムスターを救出しつつも、種類が違うのに生まれるのかなといぶかる雅史。
 同じハムスターだから、生まれると主張するレミィ。
「日本人とアメリカ人だって、種類は違うけど同じ人間だから、子供が作れマス!」
 で、おもわず意識し合ってしまう二人。
 その時、絶妙のタイミングで千絵美姉さんが帰宅。なんとなく説明が憚られ、ごまかしてみたり。
 千絵美は先日生まれた赤ん坊の定期検診に行っていたそうで、レミィにも赤ん坊を見せてくれる。
 生まれて間もない赤ん坊の可愛らしさにレミィは感激し、
「やっぱり赤ん坊はかわいいネ……さっき、止めないで、作っちゃっても良かったデス」などと発言。
「でも本当に生まれちゃったら、(たくさん生まれるから)育てるのが大変だよ」とかなんとか返す雅史。
「ハーフの子供なら、きっと両方の特徴を受け継いだ、立派な子供が産まれるネ!」と状況を悪化させるレミィ。
「2人とも、ちょっとそこに座りなさい」と、千絵美さんに正座させられ、小一時間説教されてしまった2人。
 誤解を解くまで大変でしたとさ。
677セリオとマルチの毒舌感想会:03/11/12 04:05 ID:FTJNII84
「こんな感じでした。実際にはジャイアントハムスターは凶暴で手に負えない存在みたいです」
「ノロイさんみたいな感じでしょうか?」
「日本にはほとんど輸入されていないそうなので、ちょっと確認できませんでした」
「もう一本、ものみの丘の妖狐がらみで高校三年生になった葵さんの話とかも構想していたのですが、
 こちらはプロットと言えるほど固まってませんでした」
「最後に記憶喪失の、『藤田浩之』という人物が出てくるくらいは考えていたんですけどね」
「さて、それでは最後に残したしーちゃんにレッツトライしましょう。
 私にはしーちゃんの気持ちが痛いほど分かります……。
 ドジでのろまで間抜けな人物にかき立てられる保護欲……(*´Д`)ハァハァハァハァ」
「落ち着け、HMX-13」
「この人に罵られるたびに、しーちゃんキタ━━(゚∀゚)━━!! と笑いが止まらなくなってしまうのは仕様でしょうか……」
「あのー、セリオさんが壊れてしまったので、今回はこの辺で失礼します」
「それでは、また」
678名無しさんだよもん:03/11/12 04:29 ID:ViGx3nOj
ここでレスアンカー付けられても・・・。
679名無しさんだよもん:03/11/13 01:16 ID:p2MbPPnn
セリオとマルチが名前だけですね。
もっとキャラクタによって書き分ける努力をされた方がよろしいかと存じます。
680名無しさんだよもん:03/11/13 02:17 ID:G6HVKIrC
うわっはぁ♪
681名無しさんだよもん:03/11/17 07:09 ID:EJEpixWS
埋め立てのネタ振りとして。
『最優秀にはなれなかったが、凄く面白かった作品』
を教えてください。
682名無しさんだよもん:03/11/17 19:50 ID:cZXNwdok
あ、いいネタ振りかも。考えてみる。
683名無しさんだよもん:03/11/17 23:32 ID:9RV80+1p
参考:
http://sscompe.at.infoseek.co.jp/
保管所
http://sscompe.at.infoseek.co.jp/mvss.html
最優秀(っぽい)作品一覧〜
684名無しさんだよもん:03/11/19 01:12 ID:Iq+7imkd
面白かったかどうかは知らないが、瑠璃子さんと祐介が電波に見立てたスレ一覧を飛ばすヤツ。
妙に印象に残ってる……。
685名無しさんだよもん:03/11/20 21:22 ID:Ov3uKftB
やばい、ざっと最優秀一覧を見返してみて、
当時面白いと思ったのが「パンツ物語」だけだったということに気がついた。
どうしよう。
686名無しさんだよもん:03/11/21 00:15 ID:dsJLLPNl
こんぺでなぜか毎回上位五作を読み逃してる……
って人がいたけど、あんたも面白いなw
687名無しさんだよもん:03/11/22 06:38 ID:GyVvasYT
なんかまるで書き込まれないなw
みんなKanonこんぺで手一杯か…
いいネタフリっぽいと思ったんだが。

とりあえずいま思い付いたのだと『海』の回の「蒼に溶ける」。
言いたいことは>>181で言い尽しちゃったけど、
短いながらラストの台詞が胸にグッと来た。
688名無しさんだよもん:03/11/22 08:18 ID:PfOSxInp
「花」のエーデルワイス
綺麗な作品として記憶に残ってる。
689名無しさんだよもん:03/11/24 02:02 ID:75KXFwMl
kanonこんぺで忙しくない奴だけでも、埋めに協力しておくか…

>>683
第五回:『嘘』の回は、数も多かったけど作品も粒ぞろいだったな。

「嘘の世界」(ONE) 「ポケットを空にして」(みしおたんw)
「黒き森の魔女」(リーフファイト) 「嘘つきメイドロボ」(セリオ)
このあたりも印象に残ってるが、特に
「居酒屋にて」(晴子)と「うそつきドラマ」(栞)
短くてせつない。
690名無しさんだよもん:03/11/25 23:41 ID:0sSSsT80
第六回:『絶体絶命』

「バッヘルベル砲」(Kanon)
ギャグでは案外これが一番笑ったかも。
http://sscompe.at.infoseek.co.jp/ss/6/1.html


第七回:『夢』

『凄く面白かった』わけじゃないけど、
「夢の中の感触」(祐一)
名雪、なに塗ってんねんw
http://sscompe.at.infoseek.co.jp/ss/7/7.html
691名無しさんだよもん:03/11/26 22:44 ID:71Zd5PSw
「エーデルワイス」は当時もっとも衝撃を受けた作品。文章の美しさと人物の魅力が
際立っていた。事件性はそれ程でもないのだが、それすらもSSというものの一側面を端的に
表すようにも思える。SS書きの端くれだった自分は「ああ、SSってこう書くんだ」と
思い知らされ、今後のお手本になった。
692名無しさんだよもん:03/11/27 01:27 ID:E2HFppYp
凄くはないけど、ちょっとしたの。

第一回:『花』
「舞ほのぼのSS」
http://sscompe.at.infoseek.co.jp/ss/1/2.html
(w

第十一回:『プレゼント』
「祐一・美汐の『必殺バレンタイン計画』」(またみしおたんw)
http://sscompe.at.infoseek.co.jp/ss/11/1.html
693名無しさんだよもん
>690のIDが神!