夏の無邪気な笑顔……みちる

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54長谷部悠作 ◆QaQ4.DcHqQ
 そしてそれが火を吹いた。
 俺に向かって。

「殺す気かみちる!」
 
 その火の玉は俺の隣のすれすれに落ち、バフンという音をたてて
 軽い爆音を立てていた。
 いくら安物のロケット花火とはいえ、あたったらヤバイことになるのは
 目に見えている。そんなものを、容赦無く彼女は振りまわし続ける。

「にょははは。国崎往人やぶれたりぃ」
「いつから戦いになってたんだよ!つか、それはマジでやばいからやめとけって!」
「次の玉いっくよー」

 聞く耳持たず。
 丁度その時、「楽しそうですね」という声がみちるの後ろから聞こえてきた。
 美凪が私服に着替え、鞄を片手に持って立っていたのだ。

「あ、ナギー♪」
「はい、こんばんはちるちる」

 相変らずの意味不明なやり取りで、俺は何とか難を逃れることが出来ていた。