「んっ…く…ぅはぁっ、はっ」
(う、そだろ…秋子さんが、こんな)
────
時は深夜、彼─相沢祐一─が夜中に目が覚め、咽喉を潤しに行った台所からの帰り際、
彼の叔母─水瀬秋子─の部屋のドアが微かに開いていることに気づいた。
ただ、何となく、彼は善意からドアを閉めようと手をかけるとその隙間の向こう、
部屋の奥から微かに苦しそうな声が聞こえてきた。
怪訝に思い、就寝中の女性の部屋を覗くという行為に少しだけ罪悪感を刺激されながらも、
そっと隙間から中を覗き込んだ。
────
祐一の前で彼女は保護者として、母性的な象徴として理想的であり、完璧だった。
そんな叔母の女としての一面。
肉欲に飲まれつつも、必死に声を抑えながら、差し込む月明かりの中で自慰に耽る姿を目にし、
否定したい気持ちと、このまま見続けていたい気持ちが湧き、胸を焦がす。
そうして、祐一は自分が意図せず、彼女を半ば神聖化していたことに気づく。
彼女も人だったのだと、女であったのだと、
漸く理解する。
考えてみれば至極当然のことなのだ。そうでなければ、名雪はこの世に生を受けることなどなかったのだ。
彼女─叔母─と、面識は無いが叔父─名雪の父─が愛し合った末に名雪は──。
そこまで考え、祐一は思い至る。
彼女が自分を慰めているのは、祐一にとっての叔父、
彼女にとっては生涯を誓い合った只一人の男性、夫を思って自慰に耽っているのか。と。
そんな推測がよぎる。そしてそれは恐らく正しい。
祐一は胸に穴が開いたような、
暗い染みがじわりと心を侵すような感覚に囚われる。
悲しみと嫉妬に似た、あえて言えば黒に近い彩りの感情が胸に巣食う。
「っ!…ふ、ふ…ぅっ。あ、あぁっ」
強い憧れであり、微かな、叶うことのない恋慕を抱いた女性がベッドの上で小さくうずくまり、
切なげな喘ぎをあげている。
寝巻きの中に潜り込み、蠢く手が祐一をさらに欲情させる。
彼の陰茎ははちきれんばかりにいきり立ち、寝巻きを押し上げる。
「はっ、はっ…んっ」
秋子は股の間に挟みこむようにしていた手を引き抜く。
それぞれの指は淫液に濡れ、開くと微かな糸を引き、切れた。
「ん…」
うつ伏せでひざを突き、尻を突き出す格好になると、寝巻きのズボンを太ももまでずらす。
秘部と張りのあるお尻を包み込む下着が露になる。
顔を枕に埋め、右手は下着の中、膣内へと入り込む。
喘ぎに混じって、祐一の耳へと淫液がかき混ぜられる音が微かに聞こえる。
左手は尻へと伸び、双丘の谷間へと潜り込んだ。
「んっんんんっ…は、あ、入って…ふ、ぅ」
(秋子さん…ひょっとしてお尻で……)
そう思う間もなく自慰はいっそう激しさを増す。
枕に顔を埋め、必死に声を殺し、ぐちゃぐちゃと2つの穴を掻き回す。
「──ッ!──あ、ふぅぅっ」
突き出されたお尻とそれを包み込む薄布。
その下で蠢く指、ゆらゆらとリズミカルに揺れる腰に祐一のモノは暴発寸前になる。
祐一は寝巻きを少しだけずらし、痛い程に勃起した陰茎をだすと扱き始めた。
荒くなる息を殺し、心臓のが相手に聞こえてしまわないかと思うほどに激しく脈打つ。
「はぁ…はぁ」
「あ…あぁっはっお、尻…お尻がっ」
祐一は妄想で秋子を犯す。
数分前までは神聖視し、自慰の妄想に使うことすら憚(はばか)られた女性の自慰を見ながら、
妄想の中で彼女を犯し続ける。
「やっ。いいっ!いぃっ…くっう」
秋子は涙を流しながら、甘い、快楽に蕩けた男を狂わす声をあげる。
祐一が初めて聞く声だ。
聖母のような。優しげな保護者の声ではない。
聴いた牡を狂わせ、誘う雌の声。
祐一の心に衝動的且つ凶暴な感情が押し寄せる。
「こんなことをするのは秋子さんじゃない。」
と。しかし、性欲が抑えきれない祐一は同時に彼女を妄想の中で犯し、陰茎を扱き続ける。
彼女の膣と肛門を犯しているのは自分だ。と妄想する。
亀頭が膨れ上がりビクビクと震える。
限界が近づいている。
妄想で秋子を犯すと、現実の彼女は抑えきれない快楽の喘ぎで応える。
その思い込みが更に祐一を興奮させ、欲望を高めてゆく。
121 :
名無しさんだよもん:03/08/05 18:05 ID:ywFnDDuU
「っあぁっ。ん…っと、もっと…あ…んんっ!」
(お尻がいいんですか?涙を流して悶える程気持ちいいんですか?)
秋子の指が2つの穴をぐちゃぐちゃと掻き回す。
指の動きが激しくなり、声が断続的に、短い感覚であがる。
それにあわせて祐一も陰茎を扱くスピードをあげる。
「あっ、あっ、あっ、っ!…」
「く…うぅっ!」
咄嗟に左手で亀頭を包み込む。
びゅくびゅくと脈打つ様に、勢い良く白濁液が吐き出された。
背筋に快楽が走り、腰が砕けそうになる。
手に収まりきらなかった白濁が垂れ、フローリングの床に雫の花をつくる。
祐一が絶頂の余韻に浸っている中、秋子も高みへと上り詰めてゆく。
「あっあぁっはっ、はっ…お尻がっやっお尻でっ。…くっ。いくっぁっ……──ッッ!!」
枕に口元を埋め、絶頂の喘ぎを無理矢理に押さえ込む。
身体全体を一頻り痙攣させ、ぴんと張っていた身体が一気に脱力し、
糸の切れた操り人形のようにベッドに崩れた。
(秋子、さん……)
祐一は放出し、気だるげになった身体と黒い衝動を抱えたまま、
音をさせぬ様扉を閉めると下に落ちた粘液を拭き取り、
空虚な、それでいて、ざりざりとした不快感を伴う胸の思いを抱えながら洗面所へと向かった。