1 :
名無しさんだよもん :
03/06/07 20:35 ID:81+UGmT/
どら
後は職人さんが戻ってくるまで圧縮されないよう保守
「そ、その『ゲーム入りこみ靴さえあれば!」 「ぼくの最新のマシンにインストールしてあるゲーム世界に入り込めるって!?」 「国崎さんに会えるのかしら……」 「ドラえも〜ん!!」 秘密道具、ゲーム入りこみ靴で 「狐とはなによぅ! タヌキのクセに!!」 「タヌキとはなんだタヌキとは!!」 葉鍵ゲームの世界に旅立つドラたち 「スネ夫さん、本当にそれでみさきの目が治るのね……!」 「もちろんですよ深山先輩。22世紀の道具があれば、光をとりもどせるんです」 新しい出会いと、冒険を楽しむ5人は 「おれを弟子にしてくれよ〜!!!」 「って、耕一もこいつになんとか言ってやってくれよ」 「あら梓、せっかくだしタケシさんの師匠になってあげればいいじゃないの」 つかのまの楽しい時間を過ごす 「みてみてしずかちゃん、マシュマロみたいだよ」 「のび太さん、それは犬なんじゃないかしら?」 「ぴっこり」 しかし……
「スネ夫このやろう!! 何がウイルス対策は万全だ! お前のせいで栞が……ッ!!」 「タケシさん、今はスネ夫さんを責めてる場合じゃないわッ」 この世界を消しさろうとするウイルス群 「……ドラえもん……さん……電波…届い………」 「瑠璃子さんッ!! 消えちゃだめだッ!!」 次々と消去される、葉鍵キャラたち 「破損率83%……ウイルス除去…失敗……」 「セリオでも不可能となると、残された希望は……」 世界を救えるのは、ドラえもんたちだけ 「ゲーック! 俺が助けられるのもここまでだ! 後は任せたぜ!!」 「冬弥のためなら……それでもいいよ」 「そんなのいらないッ!! そんなの新刊のネタに使えないッ!」 いざゆけ、ドラたち!! 葉鍵の世界を救うために立ち上がれ!!! 『劇場版ドラえもん のび太と葉鍵の国』来春放映予定。
7 :
前スレ836 :03/06/08 00:01 ID:Daqfi0wB
即死しないように投下する
「まだまだ寝るのには早いよ!」 梓はのび太に更なる追撃を加える。 「わ、た、助けてー、ひいーーっ!!」 玄関前には土煙が巻き起こり、その中の様子は外からは全く見えない。 ただし、時折二人の姿が土煙の切れ目から垣間見られる。 さらにのび太のみぞおちを狙う梓の顔。 これ以上は勘弁してと言わんばかりののび太の顔。 擬音語はポカポカという音がとてもよく似合いそうだ。 しかしそのような状態も長くは続かなかった。 「一体何の騒ぎなの、梓?」 「あ、千鶴姉…」 いつの間にか門の前には人が立っていた。 長い黒髪。仕事帰りらしいスーツ姿。 この家の主であり、柏木家の長女である柏木千鶴である。 千鶴が発した言葉で梓が拳の動きをやっと止めてくれた。のび太の胸倉を掴んで右の拳を振り上げたままだが。 ちなみにのび太は右の目を渦、左の目を星にして舌を出した状態だ。
「あはははは。悪い悪い。あたしはてっきり泥棒かと思って…」 「もう、冗談じゃないよ!」 ドラえもんたち四人は柏木家の居間で梓、千鶴と談話を楽しんでいた。 のび太はお茶をすすりながら怒っている。 顔の所々に十字の絆創膏が貼られ、洋服の一部分が破れている。 その状態はジャイアンに殴られた後に非常によく似ている。 のび太を殺さないよう力をセーブしていたとはいえ梓は鬼の力を解放していた。 にもかかわらずそれぐらいで済んだことは賞賛に値するだろう。 これも普段から殴られ慣れているのび太だからこそこの程度で済んだのかもしれない。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は柏木千鶴。これでも鶴来屋の会長よ?」 「あたしは柏木梓。ここにいる千鶴姉の妹だ」 「僕ドラえもんです」 「野比、のび太です」 「骨川スネ夫です」 「剛田武です!」 その場にいる全員が名を名乗る。 「本当にごめんなさいね。梓も悪い子じゃないんだけれど…」 「いえ、慣れてますから」 のび太がジャイアンのほうを見ながら答える。 その悟ったような目に、のび太の日常を知るドラえもんとスネ夫は思わず笑いを洩らした。 ただし、ジャイアンは少し気を悪くしたかのび太をムッと睨み付けたが。 「ま、お詫びといっちゃなんだけどさ、たっぷり食べてよ」 梓はドラえもんたち四人に自分の手料理を出す。 「わあ〜〜」 四人は思わず感嘆の声を洩らした。 「ふふ、梓は料理が上手だから安心して食べていいわよ?」 千鶴のその一言が合図となった。 もともとドラえもんとのび太はこれまでにパンを食べただけ、 スネ夫とジャイアンに至ってはまだ何も口にしていないのだ。
「いっただっきまーす!!」 最初に動いたのはやはりジャイアン。 まずは鍋から取り掛かる。 その早さには流石の千鶴と梓も唖然とした。 ジャイアンの食の速さを知るドラえもん、のび太、スネ夫は気にせずに他の料理に取り掛かる。 暫し楽しい食卓の風景が続いた。 「旨い!ママよりおいしい!」 「こりゃ旨い!ホント、お世辞じゃなくて!!」 「(バクバク)こんなに旨い物は、(ムシャムシャ)あまり家じゃ(もぐもぐ)食えねえよ!」 「ジャイアン、もっと静かに食べてよ。」 「おかわり!!」 「早い!?」 食卓の料理は(ジャイアンによって)殆ど無くなっていく。 梓は料理の追加も考えていた。
「ところで…、さっき話していた静香っていう人は、家には来てないわよ?」 食事が一段落付いたところに千鶴が話す。 「ええ!?おかしいなあ…」 「どうだっていいよ、そんなことは。それよりもお代わり!」 「ジャイアン、何杯食べる気なの!?」 「あはは。こんなに沢山食べてもらえるなんて光栄だね…」 「もう料理がなくなっちゃうわね。私が作ってこようかしら?」 「千鶴姉!頼む、それだけは止めて!!」 その頃―― 「あいつらもしかして忘れてるんじゃないだろうな!?」 『パジャマが誰に一番似合うかコンテスト』を始めようと思い立って二時間。 全く現れないジャイアンとスネ夫に浩平は少し苛立ちを覚えていた。 ちなみに浩平が言った言葉は正解。ジャイアンとスネ夫は確かに忘れていた。 「ワッフルが無いのなら、帰ります…」 「おい折原、早く始めようぜ!」 文句を言い出す茜や住井。 それでもジャイアンとスネ夫は来る気配は無い。 何せ今梓の手料理を堪能している最中なのだから。
静香は耕一、楓、初音の後ろを歩いていた。 先ほど駅で柏木家への招待を受け、案内してもらっているというわけである。 「楓さんや初音ちゃんは耕一さんのような人がいて幸せね」 静香が口を開く。 先ほどから軽く談話をし、すっかり四人は打ち解けていた。 「でも、耕一お兄ちゃん優しいけれどちょっと意地悪なんだよ」 「それに、少しだけ…その…エッチです」 「おいおい二人とも、酷いなあ。俺は意地悪でもエッチでもないぞ」 ほのぼのとした日常の一コマ。 言葉にするならそれだった。 ただ、この瞬間までは……。
ビュッ 「え!?」 静香の頬がほんの少し切れる。 つむじ風の起こす真空…カマイタチに切られたように。 それと同時に耕一達の前に立った影。 その影は耕一達を驚愕させるに十分な存在だった。 「何で…。」 楓が呟く。 その影はじりじりと耕一達に詰め寄ってくる。 「何で、鬼が!?」 楓の言葉を受けるように耕一が叫ぶ。 その問いに答えるものはいない。 ただ、鬼が耕一達に詰め寄ってくるばかりである。
(どうする、鬼は一体だ。楓ちゃんや初音ちゃんと協力すれば三対一。しかし…) 耕一は静香を見る。 静香は一般人だ。 このまま戦闘になれば巻き添えは避けられない。 相手をよく見てみる。 言葉は一言も発していないが、紛れもなく鬼。 自分だってエルクゥだ。それに今現存するエルクゥの中で最強という自負もある。 一対一でも負けない自信はあった。しかし…。 しかし、油断は一番の危険因子。 安全に行くなら、静香を逃がし楓、初音と共にそこにいる鬼を討つのがベストな選択だ。 それならば、自分が今することは…。
「静香ちゃん」 後ろを見ずに耕一が静香に話しかける。 「は、はい」 当の静香は、急に頬を切られたという動揺はあったが比較的落ち着いていた。 これも、今までの冒険の成果なのかもしれない。 「あれは、人間を狩ることを喜びとしている鬼だ。つまり俺たちを殺そうとしている。 そして、普通の人間じゃあ太刀打ちできない。分かるかい?」 「はい」 強く返事をする。 しかし内心はそうもいかなかった。 未知の人外に殺意を向けられている。 そのことに怯えているのだ。 「ここは俺と楓ちゃんと初音ちゃんで食い止める。君は何処でもいいから逃げるんだ」 「で、でも!」 「心配要らない。俺たちは普通じゃない。あいつと同じような存在だからな」 「え?」 静香はその耕一の言葉について問おうとしたが、 目の前の鬼の咆哮に遮られた。
「耕一さん!」 楓が戦闘態勢を整え耕一に注意を促す。 「分かってる!さあ、早く!行け!!」 耕一はそう叫ぶと鬼の力を解放した。 自分が変身しない限界まで。 自分は自分の中に潜む鬼を制御できているが、変身するのは避けたかった。 もしかしたら、敵を倒しても止まらずに楓や初音を傷つけてしまうかもしれない。 そんな懸念が耕一の心の中にはあった。 そう、敵を倒す自信はあったが、鬼の本能に負けてしまうかもしれないという不安があったのだ。 だから耕一は本来の姿に変身はしなかった。 静香は耕一達が対峙している鬼とは逆の方向に懸命に走った。 今あそこにいても足手まといになってしまうだけだ。そう自分に言い聞かせて。 「一体どうなってるの…」 もちろん、誰も答えない。 ただ、背中から鬼の咆哮が聞こえるばかりである。
三人で相手の急所を的確に狙う。 もう一時間は経ったろうか。 いや、案外十分も経ってないのかもしれない。 ここでふと思う。 何故こいつは急に現れたんだ。と。 以前の悪霊とは違い、ちゃんとした体もある。 だからこうして物理的攻撃を与えているわけだが。 そういえばあの時は大変だった。大勢の悪霊に囲まれて…。ん、大勢? 耕一の頭の中に最悪の考えがよぎった。 そしてその考えが的中しないように心の中で願いながら二人に指示を出した。 「楓ちゃん、初音ちゃん!急いで静香ちゃんを追って!!」 何で鬼が複数いる可能性に気付かなかったのか。 激しい後悔と自責の念に駆られる。 「でも、耕一お兄ちゃんが…!!」 「俺なら大丈夫!いざとなれば変身すればいいから!!だから早く!!」 「…信用してます」 無言だった楓が口を開く。 「…ありがとう。こいつは俺が抑えているから」 その言葉を最後に耕一は完全に鬼の力を解放した。 一つ一つの細胞がより戦闘向きな姿に変化していき、それと同時に体の質量が増えていく。 横をちらりと見た。 もう二人の姿はない。行ったようだ。 後はこの鬼を倒すのみ。 耕一は自分の爪を振り上げた。
「グオオオオ!!!」 静香に戦慄が走る。 角を曲がった先にいたのは先ほどの鬼と大して変わらない容貌をした鬼。 そしてその鬼は標的を自分に定めているのがよく分かった。 殺される。 ゲームの中なのにそんな気がした。 この鬼の爪の餌食となればゲームから抜けられず死んでしまう。 そんな考えさえ起こった。 鬼は無表情で跳躍する。 逆方向に逃げようとした自分の前に立ちはだかる。 逃げられない。 耐えようの無い恐怖が迸った。
「助けて…、国崎さん、耕一さん…」 助けの言葉を発する。 鬼はその言葉を受けてもなおじりじりとにじり寄る。 むしろ、ゆっくり近づいて静香の顔が恐怖に染まるのを観て楽しんでいるようだった。 鬼は爪を振り上げ、一気に振り下ろした。 静香は本能から頭を抱え込んでしゃがみこむ。 そんなことをしても無駄だと分かりきったことなのに、体は動いていた。 そして、次の瞬間、静かは鬼の爪に引き裂かれ…。 いや、引き裂かれなかった。 鬼の顔が微妙に歪む。 「騒がしいと思ったら、悪霊が化けて出たか…」 静香は一人の男の腕の中にいた。 男は静香を右腕に抱えた状態で鬼の後ろに立っている。 鬼は、獲物を取られたことで男に激しい殺意を抱いていた。 (私…、まだ生きてるの…?) 「フン、殺気だけは一人前だな。まあいい、退屈していたところだ。相手になってやる…」 静香は意識を手放した。 それを気にせず、男――柳川裕也は鬼の力を解放した。
乙。
1&前スレ836氏 乙です。
23 :
名無しさんだよもん :03/06/08 01:38 ID:7gmu/j0k
柳川のくせにかっこいいなw 耕一にとっちゃ赤子同然のくせに。
スレ立て乙
,.-, ‐- 、
/ ノノハ))丶
∠目*゚ -゚ )ヨゝ
>>1 グッジョブ!
∩へ_/彡ノノd
∈\ ヽヾノ」
話の展開がカコイイぞ。
「でも、凄かったよなあ梓さんのパンチ」 「あはは…、たいしたこと無いよ…」 食事ももう終わり、六人は雑談タイムに入っていた。 そして今会話に上っているのは数秒でのび太をコテンパンにした梓の強さである。 「いや、凄いぜ!どうやってあんな早く間合い詰めたんだよ!?」 「偶然だってば…」 言える筈もない。 「鬼の力を解放した」と。 ドラえもんたちに鬼の力は隠しておくべきだと考えていたから。 実際にはドラえもん、のび太、スネ夫は鬼の力だと分かっていたが、 まだ説明も受けていないのに知っていたらマズイだろうと何もいわなかった。 耕一が鬼A、柳川が鬼Bと対峙している今、 柏木家は平和であった…。
ダンッッ!! 地を蹴る音と共に、鬼の胸は貫かれていた。 耕一が相手の攻撃に合わせてバックステップし、その勢いで地を蹴って相手の間合いへと一気に入り込み、 自分の爪で相手の心臓を抉ったのである。 ただ、エルクゥの心臓が人間と同じ場所にあるかは疑問ではあるが。 「屠った!!」 耕一が微かに笑みを見せる。 そして、自分の腕を相手から引き抜いた。 そのとき、信じられないことが起こった。
鬼が「消えて」行くのである。 足のほうから、小さな光の粒になって。 数十秒ほどだった。 それだけで鬼は跡形も無く消えたのである。 自分が浴びた筈の返り血すら残っていない。 「一体どういうことだ…?」 答えの返ってこない自問自答。 それもすぐに止めた。 無駄だと分かっていることはしないで、とにかくこれからどうするかが大切だからだ。 「とにかく、千鶴さんたちに連絡しないと!」 耕一は柏木家へと跳躍した。
保守
復活祝い保守
「なかなかやるようだな。だが、俺から見れば赤子のようなものだ…」 柳川もまた、鬼と戦闘を繰り広げていた。 だが言葉からは感じられないものの、柳川は明らかに劣勢であった。 一対一とはいえ、自分は鬼化していない。 それに、右腕には静香を抱えたままである。 つまり、六行前の台詞はただの虚勢であった。 (こんな小娘、さっさと捨てれば…) 頭ではそう考えるも、なぜか躊躇われた。 自分の人間としての良心がそうさせないでいるのかもしれない。 自分は人間としての理性などとうに捨てたつもりでいた。 ましてや良心など、最初から存在していない。 そのように考えてさえいた。 だがしかし、今の自分は明らかに見も知らない少女を庇っている。 その自分でも不可解な行動が柳川の動揺を誘い、劣勢に拍車をかけていた。
「グオオオオッ!!」 鬼が吼え、柳川から見て右から攻撃を仕掛ける。 この鬼の攻撃は一見乱暴だが、実に理性的であった。 柳川は右腕に静香を抱えている。 つまり右腕抜きで戦っているのだ。 だから、右側から攻撃を仕掛けるというのは姑息だが非常に効果的だ。 「チッ!!」 後ろに跳躍し、鬼の爪をかわす柳川。 だが、鬼の爪は自分の右腕を掠める。 その軌道は静香の首があった位置だ。 「らしくないな…。俺がこんな小娘を庇うなど…」
鬼は柳川に向かって跳躍する。 柳川には策があった。 偶然にも耕一と同じ、相手の攻撃をかわした上でのカウンター。 自分の重心を後ろにずらす。 トンッ 不意に柳川の背中に受ける物理的な衝撃。 (し、しまった…!!) 柳川は焦っていたのかもしれない。 初歩的な失敗をかましていた。 柳川の後ろには、ビルの壁。 今更横に逃げ切れるはずも無い。 鬼は柳川に今必殺の一撃を加えるべく、左腕を振り上げた。
保守
さらに保守
「梓さん、俺を弟子にしてくれ!俺はあの動きに惚れた!!」 「で、弟子い?」 ジャイアンは唐突に頼んでいた。 梓は急な展開に困惑している。 「な、頼むよ!俺にあの動きを教えてくれ!!」 「そ、そんなこと言われたって、あれは普通の人間じゃあ無理…」 バアン!! 乱暴に戸が開かれた。 現れたのは半分息を切らした柏木耕一。
「こ、耕一さん!?」 「お、やっと来たか耕一」 突然の来訪者に驚く千鶴。 対する梓はさも当然といった表情で耕一を迎える。 実は耕一は梓にだけは事前に連絡しておいたのだ。 「俺が来るときに千鶴さんには台所に上がらせないでくれ」という内容の電話を梓にしておいた。 丁度自分が来たときに千鶴の気まぐれで千鶴鍋が出来上がっている可能性もある。 その阻止を梓に懇願しておいたのだ。 「耕一さん、来るのなら事前に連絡してくださればいいのに…」 「ゴメンゴメン。急だったからさ…」 肩で息をしながら千鶴に一応連絡しなかった言い訳をしておく耕一。
「それよりも、大変なんだよ!!鬼が…!!」 「おれを弟子にしてくれよ〜!!!」 鬼が現れたんだ。と言い切る前に耕一の言葉は遮られた。 ジャイアンが梓に土下座しながらそう叫んでいるのである。 話の腰を折られたことに少々怒りを感じながらも、心の中ではかなり拍子抜けな耕一。 さっきまでのシリアスな戦いは何処に言ったんだろう…。 梓は梓で少し戸惑っているようだった。 「って、耕一もこいつに何とか言ってやってくれよ」 「あら梓、せっかくだしタケシさんの師匠になってあげればいいじゃないの」 耕一に助け舟を求めた梓に対し、千鶴の駄目押し。 ジャイアンはさらに頭を地に擦り付ける。 「いいんじゃないのか?弟子にするぐらいならさ」 早く話を進めたい耕一は適当に話を流した。 「ホラ、耕一だってそう言ってることだし…って、ええ〜〜!!?」 「よろしくお願いします、師匠!!」 こうして梓はジャイアンの師匠となったのであった。
保守
ズバッッ 刀で物を斬ったかのような擬音語と共に、鬼は崩れ落ちた。 「大丈夫ですか?柳川さん…」 声を掛けられる。 崩れ落ちた鬼の後ろには右手を紅く染めた柏木楓が立っていた。 その一歩後ろには柏木初音も同じように立っている。 「フンッ。余計な真似を…」 柳川は感謝の言葉の代わりに虚勢を張った。 楓はそれを気にする風でもなく、ただそれが柳川らしいといった感じで柳川を見据えるのみである。
「しかし…、これは一体どういうことだ?」 「分かりません。 …急に現れたとしか言いようがありませんから」 柳川はちらと鬼を見る。 すると、信じられないことが起こった。 鬼が消えたのだ。耕一のときと全く同じように。 「か、楓お姉ちゃん…。鬼が…」 (鬼が消えた!?) 楓も表情からそれを感じ取るには難しいが、驚愕していた。 自分が討ち取った鬼が跡形もなく消えたのである。 (これは一体…?)
「鬼が現れた!?」 耕一から事細かに鬼出現の話を聞かされた梓と千鶴。 無論ドラえもんたち四人もバッチリ聞いた。 「そうなんだ。全くワケが分からない。とにかく、これからどうするか決めないと…」 「でも耕一、まだ理由が分かってないんだろ?それなら打つ手がないじゃないか!」 「それに、楓と初音も心配です!」 ドラえもんたちそっちのけで相談しだす痕三人組。 ドラえもん達も自分たちだけで相談を始める。 「ドラえもん、鬼が出たって…」 「うん。十中八九エルクゥだろうね」 ここでドラえもんはひとつの失敗を犯した。 今ののび太との会話を小声で行わなかったこと。 そして、力を解放していないとはいえ鬼の聴力を全く頭に入れていなかったこと。 つまり、今の会話は耕一達の耳に入ってしまった訳だ。 するとそのことについて当然問い詰められる訳で―― 「!?何でそのことを!!?」 次の瞬間ドラえもんたちは鬼のような形相をした(実際鬼だが)耕一達に詰め寄られていた。
「ただいま!!」 柏木家の門を開ける。 初音はどんな非常事態に陥ってもそういった日常の挨拶は欠かさない。 そこら辺が初音の初音たる所以であった。 「…居間が騒がしいです」 楓は耳を澄ましてみた。 居間から聞き慣れた声が飛んでくる。 この声は千鶴と梓。 そして、毎日聞くことを楽しみにしていた想い人の声も聞こえてくる。 ただ、その三人の口調は何か言い合っているように感じ取れた。 そしてそれに混じって誰かが弁明するような声。
「先に入っているぞ…」 柳川は廊下を進み、楓や初音よりも早く居間の戸を開ける。 もちろん右腕には静香を抱えたままだ。 そのため右腕が使えないので左腕で居間の障子をガラッと開けた。 「いや、だから僕たちは、その…」 「あなたたちは柏木家の秘密を握っているのですよ?納得のいく説明はしてもらいます」 「いや、だからプレイしたから…」 「プレイ?ここは冗談を言う場面じゃないぞ?」 まず目に入ったのは問答する柏木家の面々とドラえもんたちであった。
「つまり、君たちの話を総合すると、ここはゲームの中であり俺たちはゲームの登場人物だというのか?」 「はいそうです。だから僕たちはエルクゥについても知っていたんです」 しばらく口論が続く中、ドラえもんたちはやっと説明に成功した。 テーブルの正面には千鶴。左には楓。手前左には梓。手前右に初音が座っており、 耕一がたたみの上に安座し、柳川が壁の柱に腕を組みながら寄りかかっている。 静香も目を覚まし、ドラえもんたちは先程から質問の雨を浴びせられていた。 「耕一、信じられるか?」 「…………」 梓の問いに耕一は押し黙っていた。 ドラえもんたちのいうことは確かに信じられない話だ。 だが、話の辻褄はあっている。 自分の住む世界がゲームの世界だと仮定すると、今まで謎であった部分が全て納得がいくのである。 「…なるほど」 それまで黙っていた柳川が口を開いた。 「つまり我々はプログラムの一部に過ぎない。 先ほど我々の前に現れた鬼もプログラムの一部。 急に現れたのは誤作動かバグか、何かのエラーということになり、 止めを刺したら消えたのは、死=データ消滅とつながるから――といった具合か」 「そうです」 柳川は明らかに変わっていた。 以前の自分ならこのような話には耳を傾けず、 無言でこいつらをただのタンパク質の塊に変えているところであった。
「まあ、それはおいておくとして…だ。これからどうするんだ?」 梓がドラえもんたちに聞いた。 梓はまだ完全にドラえもんたちの話を信じてはいない。 「多分どこかにバグが存在するんだと思う。だから、それさえ修正できれば…」 「じゃあ、それさえ何とかなれば大丈夫というわけなのね?」 対して千鶴はドラえもんたちの言葉をかなり信用しているようだった。 ただし、これが演技である可能性も否めないが。 「それまでは町の人たちを避難させないといけませんね…」 楓は口調は普段と同じで判別しにくいが、ドラえもんたちの言うことを全く信じていない。 自分の今までの人生、いや鬼生をゲームの一言で片付けられるのは我慢がならないようだ。 「じゃあ、とりあえずは町の人たちの保護が先かなあ…?」 初音はまだ決め兼ねているといった所だった。
「そこは警察に任せろ」 柳川が口を開く。 自分の刑事という役職を利用すれば、事件のでっち上げなどもたやすいのである。 「じゃ、とりあえずは町の人たちの保護だな!」 耕一が立ち上がる。 彼は自ら行動して町の人たちを守るつもりらしかった。 「そうなるね、じゃあいったん水瀬家に帰ろうか。あまり出歩かないように注意しておかなくちゃ」 「え?でも鬼が出るのは隆山――」 「のび太君忘れたの?今はゲーム入り込み靴の力で全ての葉鍵ゲームを合成しているんだよ。 全てのゲームの世界は繋がっているに決まっているじゃないか」 忘れてた…。 そう言わんばかりにのび太が頭を掻く。
「じゃあ、他の世界の人たちも危ないんじゃないか?」 「分かってる。とりあえず水瀬家に集まってから今後の予定を決めよう」 「でも、早くしないと国崎さんが…」 スネ夫は「そんなことより、こんな危ないところ早く出ようよ!!」と言おうと思ったが止めた。 今、自分の身を守るためとはいえ不適切な発言をしたら命はないと感じたからである。 彼は某匿名掲示板において国崎厨の恐ろしさをリアルタイムで見てきたのである。 だから、もっとソフトに言うことにした。 「焦ると取り返しの付かないことになるかもしれないよ。ここは慎重に…」 スネ夫はこの気配りに自讃した。 ここで相手の気持ちを考えて(もちろんいい意味ではないが)行動できるのが僕の凄いところだ。 と心に呟きながら。 このスネ夫の発言が功を奏したのか、静香も、 「わ、分かったわ…」 と案外素直に引き下がった。 「よ〜し!おまえら、決まったんなら、早く行くぞ!!」 ジャイアンが四人を引っ張る。 とりあえずドラえもんたちの行動は決まったようだ。
乙です。ONEは未プレイでしたか。 盛り上がってきたなぁ。
>>44-49 乙です。
マターリ待つので納得のいくように書き上げてくださいな。
52 :
名無しさんだよもん :03/06/12 01:07 ID:lxoMoPLH
柳川なんで生きてるの?
「そうだ、みんなにはこれを渡しておくよ」 柏木家から出た後、ドラえもんはポケットから腕時計のようなものを取り出した。 「ドラえもん、何これ?」 「それはね、そのボタンを押せばこの葉鍵世界の地図が表示されるんだ。 それに、右のボタンを押してごらん」 のび太が押してみる。 すると、地図だった部分が名簿のようなものに変わった。 「これは…?」 「これは、葉鍵キャラの名前だよ!」 「本当だわ、国崎さんの名前も載ってる!」 「ふふふ…。それにプロフィールも覘けるよ」
これは非常に便利である。 第一、スネ夫以外のメンバーには未プレイ作品も多い。 その点から言ってもこの葉鍵名簿はかなり役に立つものであった。 ただし、名前しか出てこないようなキャラクター、 例を取るなら「斉藤」や「南森」なども入っているため膨大ではあるが。 「ようし、早速これで水瀬家へ行くぞ!」 「おおーっ!!」 「あれ、ジャイアン?僕たち何か忘れてない?」 「え?別に何もなかったと思うぞ」 その頃―― 「おい折原、もうそろそろ始めないと投票券の払い戻しが殺到するぞ!」 「くそっ、仕方がない開始だ!! …ジャイアンとスネ夫忘れてるのか!?」 住井の手により巨大化した「パジャマが誰が一番似合うかコンテスト」が開催されようとしていた。
悪い、ageちまった。
>>52 その「何故生きているの?」は「原作では死んでいるのにおかしい」という意味ですか?
それならば、
「ゲーム入り込み靴」は本来ALLEND後を話の主軸としてゲームを構成するからです。
自分はALLENDというものを「少しの矛盾には目を瞑りキャラクター全員のエンディングを同時に見た状態」と定義しています。
分かりづらいのならアニメ版KANONの最終回を思い浮かべてください。まあ、ちょっと違うんですが似たようなものなので。
痕をやれば分かるように、柳川ENDはありますw
そしてALLENDというものは「このキャラは死んでいないとストーリーとして成り立たない」という場合を除いて全員が生存しているものと解釈しています。
まあ例をとるとすれば、「倉田一弥」「折原みさお」「河島はるかの兄」などですね。
そういったキャラを除いては全員生存しているものとするのです。
このスレは「如何にゲームに忠実か」より「如何にしてドラえもんと共演させるか」が主軸なのも理由のひとつですが。
まあ、こういったところでご理解いただけたでしょうか。
最後に、長文スマソ
56 :
無修正 :03/06/12 23:30 ID:hUAt3qvT
57 :
名無しさんだよもん :03/06/12 23:38 ID:lZHdQSrq
クソSSの見本市スレはここか
58 :
名無しさんだよもん :03/06/12 23:44 ID:2pTQfkiq
59 :
名無しさんだよもん :03/06/12 23:46 ID:lZHdQSrq
クソSSの見本市スレはここか
60 :
名無しさんだよもん :03/06/12 23:46 ID:CgQei2Qq
保守
職人待ちで保守
「あら、お帰りなさい。ずいぶんごゆっくりでしたね」 水瀬家へと帰ってきたドラえもんたちは秋子さんに迎え入れられた。 「はい。ちょっと遠くまで行っていたから」 「あら…。夕飯多めに作っておいてよかったわ」 静香をちらりと見て言う。 時間は丁度夕食が始まる時間帯だ。 朝からずっと出かけていたことになる。 「また人数が増えてるな」 静香を見て祐一が言う。 「初めまして、源静香です」 「え?ああ、相沢祐一です。こちらこそよろしく…」 その皮肉に近い発言も皮肉と取らずに静香が自己紹介をした。 祐一もそれにつられ挨拶したが、内心はこう思っていた。 「これで昔見たアニメとメンツが瓜二つだよ…」と。
保守
ホシュ
「ああーっ!!」 食卓に着く前にのび太が大声を上げた。 それにびっくりする一同。 「ど、どうしたののび太君?」 「祐一さん、名雪さん、もしかしてもう買い物に行っちゃった?」 「み、見ればわかるだろ。帰ってきて一息ついたところだ」 その言葉を聞いてのび太が落胆する。 「そんなに買い物に行きたかったの?」 名雪の言葉は半分正解である。 そう、一月七日の午後の買い物はのび太の最も萌えているキャラとの出会いがあるわけで…。 「僕も、僕も…つきみ」 言葉を繋げようとしたが、ドラえもんに口をふさがれた。 「ん、んーーっ!!」 「そうなんだよ。のび太君は買い物が大好きなんだ」
ドラえもんが代わりに言葉を繋げる。 のび太はドラえもんに口をふさがれつつも暴れた。 言葉にはなっていないが「ちがうよーー!!」と叫びながらも。 「そうだったんだ。ゴメンねのび太君、じゃあ次からは頼むね」 名雪はあっさりドラえもんの言葉を信じる。 その言葉を聞いたあとに、やっとドラえもんはのび太を解放した。 「ごほっ、ごほっ…。ひどいよドラえもんいきなり…」 「のび太君、柏木家でのことを忘れたの?」 ドラえもんが小声でのび太に釘を刺す。 確かに会っていないはずの月宮あゆの存在をのび太が知っていたら説明するのが面倒だ。 「あまり君は余計なことを言うな」 はっきりと断言された。 それによりのび太が凹んだのはまた別の話。 「そういえばジャイアン、浩平が開こうとしてたコンテストは?」 「あ、忘れてた…」 そしてスネ夫たちが自分たちがパジャマを着て、 やっと「パジャマが誰が一番似合うかコンテスト」を思い出したのもまた別の話。
ホシュ
保守
『朝〜、朝だよ〜、朝ごはん食べて、学校行くよ〜』 「…うわっ!!」 枕元から名雪の声。 その急な声に祐一は慌て飛び起きた。 『朝〜、朝だよ〜、朝ごはん食べて、学校行くよ〜』 「…ん?」 その繰り返される言葉を不思議に思い、枕元においてあった目覚まし時計を手に取った。 先ほどから同じ言葉を繰り返し紡いでいる。 「こいつか…」 祐一は半ば呆れながら目覚ましを止めた。 全く、こんな気の抜けた声で目が覚めるのだろうか。いや、自分は覚めたんだが。 ふと隣を見る。 「グゥ」 水瀬家に唐突にやってきた少年、のび太は相変わらず眠っていた。 全く子供は暢気なもんだ。 起こさないように制服に着替える。 今日から新学期が始まる。 そして、自分の転校初日に当たる。 布団で寝ていたのび太を自分のベッドに運び、布団を片付けた。
「さてと、下に行って飯でも食うか――」 ジリリリリリ!! 「の、のわっ…!!一体なんだ!?」 隣の部屋から聞こえてくる大音量の目覚ましの音。 それも一つや二つではない。 「な、名雪の部屋からか…」 祐一は意を決し、名雪の部屋に入ってみることにした。 名雪の部屋はものすごいことになっていた。 実にテーブルに飾られた十から二十はあろうかという目覚まし。 その一つ一つが違う音を出し大合唱する。 「くー」 さらに凄いことに、これだけの大音量にもかかわらず名雪は寝ていた。 そのことは祐一を驚かせるには十分なことだった。
「ゆ、祐一さん助けて…」 ベッドから助けを求める声がするのでよく見てみる。 先ほどは名雪の陰になっていて気づかなかったが、もう一人ベッドに横たわっていた。 その青い体にとってつけたような尻尾。 ドラえもんである。 実は昨晩名雪は寝る前にドラえもんを捕まえずっと抱きついていたのである。 一番の萌えキャラが名雪なドラえもんにとって、これがうれしくないことがあろうか、いやない。 そしてそのままベッドにまで連れて行かれたのはいいが(他に何も起こらなかったので少々不満である)ドラえもんは失念していた。 名雪の部屋は目覚ましを止めない限り毎朝七時には地獄と化すことを。 のび太のあゆほどではないが、名雪シナリオを相当やりこんでいるドラえもんも『一緒にベッド』の前ではただの道化となったのである。 結局ドラえもんを助け出し名雪を起こすのには十数分かかった。 そして名雪の部屋のフローリングに無造作に置かれた緑の物体が つい二日前まで名雪が寝るときに必ず抱いていたお気に入りのぬいぐるみ『けろぴー』であることなど、祐一は知る由もなかった。
「行ってらっしゃい」 静香と一緒に祐一と名雪を見送る。 自分たちは高校についていくまでは出来ないので、こうして水瀬家で留守番をするのである。 あゆが一番の萌えキャラであるのび太はもともと学校まで付いていく気はなかったが。 ちなみにドラえもんは「また急にエルクゥが出てくると名雪が危ない」という理由で校門までついていった。 もちろん本音は「名雪と一緒に登校したい」なのだが。 ジャイアン、スネ夫の姿は見られない。どうやらどこかに出かけたようだった。 秋子も仕事に出かけたようだ。ただし、何の仕事かは謎だが。 だからのび太は静香と今二人っきりである。 静香は美人で優しく、頭脳明晰。またそれを鼻にかけるでもなく、謙っているでもない、親しみやすい性格。 異性からはもちろん、同性からも人気がある、言ってみればススキが原のアイドルだ。 そう考えているのび太もまた、静香に想いを寄せる一人であり、二人だけで留守番というのは悪い気がしなく―― 「ねえのび太さん。ドラちゃんが帰ってきたら国崎さんを探しに行きましょうよ」 ああ神様。 僕たちは何処で道を踏み外したのでしょうか。 僕の傍らには小学生にもかかわらずエロゲーの主人公に萌えている未来の妻。 そしてまた僕もエロゲーに魅入られし一人です。 年齢制限もバリバリで無視しています。 ―――のび太の心の叫び
ちょうどその頃―― 「ホントに悪かったって!!謝るよ!」 「一応成功したからいいものを、大損するところだったぞ!」 スネ夫が学校の屋上で浩平に謝っていた。 朝か…。 全くいやなものだ、先ほどまで自分に根付いていた超感覚が大分なくなっている。 俺は火戦躰だからいいが、これが坂神や光岡、岩切なら普通の人間と大して変わらなくなっているんだよな。 公園のベンチで目を覚ました男、その名は御堂。 旧日本軍の遺物である強化兵の一人。 なお、漢字テストとは全く関係ない。 一年前蝉丸に敗れてから御堂はあちこちを旅してきた。 目的は当然蝉丸を倒すこと。 ただ、その蝉丸がどこかに旅に出てしまい全く足取りが掴めない。 自分のプライドのため岩切や光岡を頼ることも出来ない。 だから自分の足で蝉丸を探し続けていたのだ。 ただし、自分の戸籍は事実上存在しないので金銭、食料面にはいろいろと頭を悩まされたが。 おかげで御堂はサバイバルについては蝉丸を遥かに凌駕する実力になった。 これならばもしジャングルの密林でのゲリラ戦などでも食料面では十分生き残れるだろう。 召集されればの話だが。
「この暑さは俺向きだな、もう少しこの町に居座るか」 御堂がいる公園は朝なのにもうセミがせわしなく鳴き、木陰にでも入らなければ汗がたれるほどだ。 日差しがかなり強く、火戦躰である自分でなければ仙命樹はあっという間にその活動を止めてしまう。 間違っても岩切はここにはやってこないだろう。 朝起きたらまず顔を洗う…といいたい所だが、御堂は水が苦手なので洗わずに公園を出た。 目的はもちろん蝉丸を倒すため…に必要な栄養源を摂取するため。 ポケットを漁る。 入っていたのは求人広告と間違えて拾った名前も知らない子供の百点のテストの答案と、一円玉と五円玉。 「くそっ、6円もありゃ昔なら何ヶ月か食いつなげたのによ…」 そんな愚痴をこぼしても天からお金が降ってくるわけでもない。 しかし御堂の腹はそんな金銭問題などお構いなしに食べ物を要求する。 「昨日ガキが食ってた氷菓子をぶんどりゃよかったぜ…」 御堂は今日の食い扶持を稼ぐために商店街へと向かった。 もちろん金を稼ぐ手段などありはしないのだが。
「いやあ、退屈なお話だったな。さて、お次は俺様の人形劇で大いに笑ってくれ。 『いやっほーう!国崎最高ー!』 …やめよう、つまみ出されるのが目に見えてる」 それと同時期、一人の青年が人形を片手に商店街へと向かっていた。 その青年の名は国崎往人。 静香の最も萌えているキャラであり、叫ばれることがネタとなっている旅芸人だ。 彼は学校まで来たのはいいが、終業式中に乱入することを断念したところだった。 そして何故今商店街へ向かっているかというと朝の向かいの河原崎さんとのやり取りを思い出したからである。 「あんた、力仕事に自信があるんだったらアルバイトしてみたらどうだい? 商店街に佐久間リサイクルショップっていう店があるんだけどちょうど人手を探してるよ」 もちろん自分には人形遣いとしてのプライドがある。 出来ることなら自分の生活費ぐらい人形芸で稼ぎたい。 稼げないのなら公園の水道やデパートの試食コーナーのお世話になる覚悟だってある。 しかし、今の状況は違う。 数日前から神尾家に居候している。 居候の分際で食費も払わないのは少し肩身が狭い。 だから、自分のプライドを曲げてまでも稼ごうと考えた次第である。 「そうだ。アルバイトを人形芸と一緒にやれば…」 いや、まだプライドは完全には捨てていないらしい。
age
79 :
名無しさんだよもん :03/06/24 01:26 ID:crpsGMe/
デッパは酸素吸うなって
深く静かに保守
保守
「ホラ、ここが武田商店だからここら辺にいると思うよ」 のび太は静香と共に海沿いの町に来ていた。 あれから静香に拝み倒され結局国崎に会いに来たのである。 ちなみにドラえもんはバグ解析のため留守番だ。 こんな調子じゃ、一体何時になったらサインもらえるんだろう…。 とりあえず、国崎なら神尾家、武田商店、駅、商店街のどこかにいるだろう。 と半ば適当な態度でのび太は探していた。 もちろん静香は必死だが。 「ねえのび太さん、国崎さんは何処…?」 「ぴこ」 のび太に問おうとした静香の足に、妙に暖かい感触が走った。 一匹の犬が静香の足元でちょこんと座っていたのである。
「あれ、浩平君のほかに誰かいるのかな…?」 浩平に一所懸命に謝っていたスネ夫。 そこへ、彼も(プレイ済みのため)よく知っている人がドアを開けて現れた。 その前に今自分がいる場所で予測すべきだったのかもしれない。 今スネ夫は他の生徒に見つからないように屋上へと来ていたのだ。 屋上はみさきの出没ポイント。現れないほうがおかしい。 「あ、みさき先輩」 「浩平君、夕日綺麗?」 「いや、まだ昼前だってば」 「あはは。そうだったね。ところで…」
「みてみて静香ちゃん、マシュマロみたいだよ」 「のび太さん、それは犬なんじゃないかしら?」 「ぴっこり」 のび太たちは数分前からへばりついてきた犬――ポテトと遊んでいた。 「うん、確かそうだったよ。ポテトといって、霧島佳乃の友達なんだ」 「ぴこぴこ」 ポテトはまだ静香にじゃれ付いている。 静香は早く国崎を探したいと思っていたが、懐かれて満更でもないようだった。 「そうだ!こいつについていけば往人さんに会えるかもしれないよ!!」 「ホント?のび太さん!」 「大丈夫だよね、ポテト?」 「ぴっこり」 ポテトは任せろといわんばかりに鳴いた。 そして、走り出した。
「僕は骨川スネ夫です」 「ふ〜ん、スネ夫君か…。私は川名みさきだよ」 スネ夫、みさき、浩平の三人は屋上で打ち解けていた。 「ところでみさきさんはどうして屋上に?」 今の時間には間違っても夕焼けは見えない。 「う〜んなんだっけ…。 …あ、おもいだしたよ!!」 そういいながら急に走り出し、ドアの後ろに隠れるみさき。 「浩平君、スネ夫君。雪ちゃんが私のこと訊いて来たら「いない」って言って!!」 なるほど。そういうことか。 昼寝中に落書きしたのかはたまた何か話し合いがあったのかは知らないが、 とにかくみさきは雪見に追われているらしい。 程なくして、その追う者雪見も屋上へとやってきた。
「あ、柏木君久しぶりー」 「やあ、暫く」 見知った大学の同輩に挨拶をする。 耕一は柏木家に暫く滞在する予定だったがいったん自分の家に戻り、学校までやってきていた。 昨日の事件について、自分の家や学校にも何か変わった点はないかと確かめにやってきたのである。 理由はそれだけではなかった。 昨日突然に柏木家へとやってきた来客ドラえもん、彼の言うことが正しいかどうか見極めるためである。 ゲームなら必ず何か不整合的なずれがある筈だ。 日常の中の些細な矛盾という形で。 講義を淡々と聴く。 全く退屈な講義だ。これなら聴かなければよかったかもしれない。 こんなつまらない講義を「興味がある」というだけで熱心に聴いていられる由美子さんは流石だ。 …あれ? 普段なら一番前に席を陣取っている由美子さんの姿がない。 何か病気にでも罹っているのか?
耕一は隣の席に座っていた人に聞いてみた。 澤倉美咲さん。 勤勉な彼女はほぼ毎日大学に通っている。 彼女なら理由を知っているだろう。 「あのさ、美咲さん。今日由美子さんの姿が見えないけれど、どうしたか分かる?」 「え?由美子さん? …そういえば、こないだからずっと休んでいるみたいよ?」 「ああ、そう。どうもありがとう」 ここでふと思う。 美咲さんとは結構話す仲だ。 しかし、どうやって出会ったとか、最後にどんな話をしたとか、そういうことが思い出せない。 よくよく考えてみると隆山とここでは気候もかなり違う。 別のゲーム そんな言葉が頭の中をよぎる。 昨日ドラえもんが言っていたこと。 あれが本当だとしたらもともと自分と美咲さんとは別のゲーム出身で、 ゲームが合成される際に一緒の大学に統合されてしまったということか。 仮説に穴が見当たらない。 現にどんな奴かは覚えていても、具体的にどんな話をしたとかを覚えていない連中が他にもいる。 それに今考えてみるまで隆山とこことの気候の落差を気にも留めなかった。 自分たちはやはりゲームの登場キャラクターなのか…。 耕一は大きなため息をついた。 「柏木君、どうかしたの?」 「ああ、なんでもないよ美咲さん。 …そういえば、今日は藤井もいないね」 「藤井君ならたぶん喫茶店でバイトしているんじゃないかな?」
hosyu
体力に自信のある人限定バイト募集 時給740円 そちらの都合のつく日でかまいません 御堂はこのチラシが張られている建物を見てほくそえんだ。 自分は体力についてなら自信がある。 そして740円は非常においしい。それに、曜日指定でもないから法的な手続きも必要ないだろう。 この仕事は請けるべきだな。 そう判断し、建物の中へと入った。 その数分後 「ここか、河原崎さんが今朝言っていたバイト先っていうのは…」 自称はぐれ人形遣い純情派もまたこの建物――佐久間リサイクルショップにやってきた。 「まあ、言ってみれば廃品回収が仕事だね。結構体力要るけど、大丈夫かい?」 「へっ、なんてこたねーよ」 御堂は佐久間さんとバイトの契約のための話をつけていた。 強化兵である自分は力仕事など容易い。 時給はおろか特別給与までもらえるかもな… そんなことを思っていたそのとき、往人もまた入ってきた。 「おい、ここが河原崎さんの言っていたバイトか?だったら俺を雇ってくれ」
「ふう…、一休み一休み」 数十年前の某とんちアニメの主人公のような台詞を吐きながら、ドラえもんはノートパソコンの電源を落とした。 朝から延々とバグ解析に努めたが、これといった異常は見受けられなかった。 ただ、ひとつ気になる不明のファイルがあっただけである。 「でも一体なんで急にエルクゥが出てきたんだろう…」 そう呟くももちろん答えは返ってきはしない。 ドラえもんはテレビをつけ、歌番組に回した。 大ファンである「丸井マリ」「伊藤翼」などの姿を確認するためである。 『さあ、次は森川由綺ちゃんで…』 プツン。 ドラえもんはファン以外のアイドルには冷たかった…。 「やっぱりゲームの中のテレビじゃやってないか…」 しかしドラえもんは気付いていない。 先ほど映っていた森川由綺が葉の作品「ホワイトアルバム」のヒロインだということを。 ドラえもんはホワイトアルバムをプレイどころかキャラすら知らないのであった。 「さてと、遊びに行こう」 ドラえもんは水瀬家を出た。 時間帯はお昼ごろ。 何か腹ごしらえでもしようか――
「はーい」 ある邸宅のインターホンを押す一人の男。 その男は程なくして戸を開けた女性に出迎えられた。 「せ、蝉丸さん!?」 戸を開けた女性は桑島高子。 ここ、坂神家で家事をしている女性である。 「高子か。一年ぶりだな」 男――坂神蝉丸が口を開く。 彼は一年前から旅に出ていたのであった。 「事前にご連絡ぐらいして頂ければよかったのに…!!」 「すまん、電話番号が分からなかったからな」 「本当に変わりませんね、蝉丸さんは…」 「積もる話は後にして、だ。もうそろそろ来る頃だな」 蝉丸がそう呟いたときに、騒がしい足音が坂神家に鳴り響く。
「高子さん、蝉丸が帰ってきたの!?」 一人の少女が廊下を走って玄関へと来る。 三井寺月代だ。 「月代か。変わらないな」 「蝉丸〜!一体どこに行ってたの、急にいなくなって心配したんだよ〜!!」 「む」 月代が感激のあまりに涙を流す。 それにはさすがに蝉丸も閉口せざるを得なかった。 「帰ってきたか」 いつの間にか月代の後ろには蝉丸の複製身である蝉丸老人も立っていた。 そのねぎらいとも皮肉とも取れる言葉に蝉丸はただ、 「…ああ」 とだけ答えた。
「師匠、洗濯終わりました!!」 「あ、ありがとう…。じゃあ、休んでていいよ」 ジャイアンはまた柏木家へとやってきていた。 理由は簡単、梓に教えを請うためである。 そのためにまず梓がやるはずであった家事などを朝から手伝っていたわけだ。 柏木家は広く、掃除洗濯だけで午前中を全てつぶしてしまった。 グウゥゥ… ジャイアンの腹が正確に正午になったことを伝える。 「あ、もうお昼か…。そろそろ昼ご飯作らなくちゃ」 「師匠、俺に作らせてくださいよ」 あまり知られていないが、ジャイアンは趣味で料理をする。 その出来はあえて言わないでおこう。 「え、タケシ作れるのかい?」 「任せてください!特製ジャイアンシチューを作って見せます!!」 「ふ〜ん、じゃあ頼もうかな…」 悲しいことに柏木家にはジャイアンの料理の腕を知る人物が一人もいなかった。 ジャイアンの料理を止めてくれる人物がいないのである。 「よ〜し!じゃあ、ちょっと時間が掛かるから適当に菓子でもつまんでてください」 「ああ、わかったよ」 その菓子は私が買ってきたんだけどね…。
夕霧は海沿いを歩いていた。 これから月代の家に遊びに行くのである。 「いけない、遅くなっちゃった。月代ちゃんに怒られちゃうよ…」 その時である、エルクゥが現れたのは。 夕霧は最初ワケが分からなかった。 人とはあまりにもかけ離れたこの存在が、今自分に牙を向けている。 「な、何…これ…?」 エルクゥは今正に夕霧を襲わんとすべく、爪を振り上げた。
「フム、俺がいない一年の間何も変わっていないか…」 「あ、でも麗子先生がアメリカに行っちゃったんだよ!」 「む、亜米利加に渡米だと?」 坂神家では月代と蝉丸、高子に蝉丸老人が談話を楽しんでいた。 「ところで夕霧はどうした?」 「え、夕霧ちゃん?そういえば遅いね〜。呼んだからもうそろそろ来るはずなのに」 勘。 一言で表すならそれだった。 全く持って論理性の欠片もないことだが、それが蝉丸を動かした。 蝉丸は立ち上がった。 「あれ、蝉丸どこ行くの?」 「何か…、胸騒ぎがする…。呼びに出向いたほうがいいかも知れん」 「あ、私も行く!」 「駄目だ!!」 急に声を張り上げられ、月代は立ちすくんだ。 その月代の怯えたような表情を見て、蝉丸は我に返った。
「む、すまん…。つい取り乱してしまった。だが、何か嫌な予感がするのだ… 俺の強化兵としての勘だが、何かが起こりそうな気がする…」 「あながち間違っていないかも知れんな。仙命樹も生物。 ネズミが洪水を察知して逃げるように、もしかしたら何か危険が迫っていることを宿主のおまえに知らせているのかも知れん」 蝉丸老人が口を開いた。 確かに仙命樹は生き物としての生存本能から不老不死の肉体を与えてくれる。 強靭な戦闘力を我々に付けてくれる。 どんな怪我でもたいていは治癒してくれる。 水中や日中に活動が弱まるのも自分たちの弱点となる場所に近づかせないための作用かもしれない。 そんな万能足り得る仙命樹だ。そんな第六感のようなものが備わっていてもなんら不思議はない。 「だったら尚更だ。やはり俺一人で行く」 「あっ、待って蝉丸――」 月代が声を掛けるも、それを無視し蝉丸は部屋を出た。 部屋に残されたのは月代と高子と蝉丸老人。外からはセミの音がミンミン聞こえてくる。 暫く経ってから高子がポツリと呟いた。 「蝉丸さんて、どうしていつも無茶ばかりするのでしょうね…」 高子の気持ちを察したのか、蝉丸老人がフォローに入る。 「高子さん、あいつはあいつなりに考えがあってやっているのだよ。 ここはひとつあいつに任せてはどうだ?それに、単なるワシらの思い過ごしかも知れんしな」 「そ、そうだよ!ただ、夕霧ちゃんが遅いから、蝉丸が迎えに行った。それだけだよ!! 夕霧ちゃん驚くよ、一年ぶりに蝉丸に会うんだから…」 月代が笑う。 しかしその笑いも無理して笑っているようにしか取れなかった。
これとは別にドラえもん+Kanonを書いてみたら、冒頭がこの上なく暗くなってしまった…。
99 :
訂正 :03/06/28 20:48 ID:lfDE8JJc
×夕霧ちゃん ○夕ちゃん 書いてて気付かなかった…
> 90-97 乙です.
お、凸だ。
102 :
名無しさんだよもん :03/06/29 19:28 ID:IU8c09+v
103 :
名無しさんだよもん :03/06/29 22:35 ID:6B2Cet9a
104 :
名無しさんだよもん :03/06/30 00:19 ID:1JIs/Rm4
保守
ほしゅ
「はあはあ…。一体どこまで行くのさ〜」 のび太と静香は先ほどからポテトを追いかけていた。 静香の望みである国崎往人に会うために。 ポテトはそれなりに往人と関わりのある犬だ。 だから追いかけていればきっと会えるだろう。 そう考えていたのだが、ポテトの足は減速することを知らない。 そうでなくてものび太はもともとかけっこが苦手である。 スピードは目に見えて落ちてきた。 ポテトが橋まで来て急にとまった。 その急停止にのび太が反応できるはずもなく、 「えっ、わっ、わあ〜〜!!!」 落ちた。 おそらくポテトを踏まないように右に避けようとしたのだろう、 右側の土手から転げ落ちるようにして川に。 「のび太さん、大丈夫?」 橋の上から静香が訊く。
「あいたたたた…」 腰を擦りながらのび太が立ち上がる。 「君、大丈夫〜?」 そのときだった。 特徴的な口調で一人の少女がのび太に声を掛けたのは。 のび太に話しかけてきた少女は霧島佳乃だった。 AIR本編における登場シーンと全く違わない構図でのび太のことを見下ろしている。 「は、はーくしゅん!!」 のび太が思いっきりくしゃみをする。川に落ちたので全身はびしょぬれだ。 「そのままじゃ風邪ひいちゃうね〜、良かったら私の家で着替えてってよ」 これはなんとありがたい申し出だろうか。 いくら夏とはいえ、びしょ濡れのままでいたら風邪を引いてしまう。 それにのび太は元来寒がりだ。体が冷えた今温かいシャワーなどを浴びたいとも思う。 「え、いいの!?」 「うん、大丈夫だよ。それに私のお姉ちゃんはお医者さんだから、風邪をひいてもすぐに治してくれるよ」 「のび太さん、お世話になったらどうかしら」 「うん、そうだね。じゃあお世話になります」 「気にしないでいいよ〜」 佳乃は微笑み、そして付け加えた。 「あ、そうだ。私佳乃。霧島佳乃だよ」
カラカラカラ… ドラえもんは喫茶店のドアを開けた。 ドラえもんが喫茶店に入ったのはもちろん昼食をとるため。 それに、自分の萌えキャラである名雪が好物な「イチゴサンデー」を食べるという目的もあった。 だがドラえもんは見落としていた。 喫茶店の看板は「百花屋」ではなく「エコーズ」と描かれていたことを。 「いらっしゃいませー」 そのときバイトをしていた藤井冬弥はその台詞を言ったまま凍りついた。 入ってきたのは芸能関係者でもアイドルファンでもなく青狸。 しかもその昔自分がまだ小学生だった頃に見たアニメ番組のキャラとそっくり。 これに驚かずして何に驚けというのだろうか。 対してドラえもんはそれを気にした風でもなく喫茶店の中を見回した。 店の一番奥で店長と思われる男がくつろいでいる。 その手前にはバイトらしき青年が二人。 そして客は自分を除いて二人。 一人はどこか冷たそうな女性で、もう一人は――、 「あっ!さっきテレビに出てた!!」 ドラえもんが急に声を張り上げたのでもう一人がびっくりしてこちらに振り向く。 そう、もう一人は先ほど一瞬だけドラえもんがつけた番組に出演していた森川由綺だった…。
「何だてめえ?このばいとは俺が先に目を付けたんだ。とっとと消えろ」 「おまえが消えろ。俺には河原崎さんの紹介もある」 御堂と往人は先程から言い争っていた。 生活がかかっているのでお互いに一歩も引かない。 そして横では戸惑う佐久間リサイクルショップの店員。 「二人とも雇ってあげるからそんなに喧嘩しないで…」 「待ておばさん、こんな見るからにへばりそうな中年より俺だけにしてくれ」 「へばりそうだと?てめえのがやばいんじゃねえのか?」 「何、この俺に向かってへばりそうだと?聞き捨てならんな取り消せ」 「へっ、本当のことを言ったまでよ」 店員が丸めようとするが、二人ともさらにヒートアップするばかりであった。 「まあまあ、じゃあ仕事の出来具合で勝負すると言うのはどうだい?」 店員が解決案を出す。 これならば平和的に解決でき、二人の仕事の能率も上がるだろう。 店員はやはり商売人であった。 真っ先に食らいついたのは往人。 少し遅れて御堂もそれに乗る。 「いいだろう。この身の程知らずに格の違いを思い知らせてやる」 「へっ、吼えてろ阿呆が。てめえこそ自分の力量を思い知れ」 「何だと?じゃあ負けたほうが勝ったほうに給料全て貢ぐってのはどうだ!?」 「能無しの癖にいい考えだ!全部毟り取ってやるぜ!」 何の解決にもならなかった。
「みさき、観念しなさい!!」 雪見は屋上を見回した。 しかしいるのは浩平とスネ夫のみである。 「折原君、みさきは何処?」 あくまでにっこり微笑みながら問い詰める雪見。 みさきが隠れている場所ではみさきが必死に首を横に振っている。 「いない」 浩平は雪見にそういった。 みさきが隠れている場所を指差してだ。 「そう、いないの…。それじゃ仕方ないわね」 あくまで笑みを絶やさずにみさきが隠れているところへじりじりと歩み寄る雪見。 そしてみさきの腕を掴み、 「え、ええ!?」 みさきが驚いている間に思いっきり引っ張った。 「な、何で分かったの雪ちゃん!?」 「バレバレなのよ」 みさきは目が見えないので浩平が思いっきり指差していたことに気付いていない。 まあ、そのほうが幸せなのかもしれないが。
くらとんな
「ただいまー」 初音が柏木家へと帰って来た。 今で梓がそれを出迎える。 「お、おかえり」 「あれ?梓お姉ちゃんお昼は?」 「ああ、さっきからタケシが作っているんだけど遅くてさ。あたしもうお腹空いちゃったよ…」 少し苦笑する。 呪うべきは完全に締め切って匂いを伝えなかった居間と台所を繋ぐドア。 悲しむべきはジャイアンの料理の腕を知るものがいないこの状況。 「…ただいま」 「楓お姉ちゃん、お帰り」 「お帰り。今タケシがお昼作ってるよ」 「武さんが…?」 「なんか自信あるみたいだったからさ。いくらなんでも千鶴姉より悪いってことはないだろ」 楓も帰って来た。 これで犠牲者は三人となる。
「お待たせしました、師匠!」 その声と共に今匂いを封じる蓋となっているドアは開かれた。 強烈な匂い。もはや刺激臭。 怪しげな色。中世の魔女が作るような色をしたスープ。 そこから出ている怪しげな足。もしやあれはカエルの足なのでは? そのあまりにも人外魔境なナベに三人は一瞬気が遠くなった。 「た、タケシ…。このナベは…?」 「ニンニク、大福、ジャム、セミの抜け殻その他もろもろ…特製ジャイアンシチューだ!」 ・ ・ ・ ・ ・ 確かに今時が止まった。 「私は外で済ませてきたので…」 「あ、わ、私も!」 「え、あ、おいちょっと待て!!」 そそくさと逃げる二人。 その場に残されるは梓。
「さ、師匠たっぷり食ってくれ!!」 (こ、これは食べたら死ぬかもな…) 生贄は生贄を呼ぶ。 そのときちょうど障子が開いた。 「おい梓昼飯ないか?今月バイト代使い過ぎちゃったの思い出してさ、鬼の力全開でここまで…」 耕一は障子を空けた途端に絶句した。 梓が作るはずもない死の料理。 それが今テーブルの上に鎮座されている。 千鶴は今鶴来屋で仕事中の筈。こんな料理が今あるはずがない。 そう考えてみもしたが、今現実にあるのはコレ。 耕一はとりあえず逃げることにした。 「そうだ俺これからバイトあったんだっけ…」 「待て」 使い古された言い訳を言って逃れようとするも失敗。 梓に首の後ろを掴まれていた。 ゆっくりと振り向いて梓のほうを見る。 それは死地へと赴く武士の顔によく似ていた。 確かに今梓を見捨てて逃げるのは男、いや漢じゃない。 分かったよ…。 そう心の中で呟き耕一はテーブルの前に座った。 そして…(以下検閲により削除
「ん…佳乃、お客さんか?」 回転座椅子に座り、振り向きながら聖は言った。 振り向いた先には自分の妹である佳乃、それに静香、さらにはずぶ濡れになったのび太がいる。 「お姉ちゃん、この子達にシャワー貸してあげていい?」 「全然大丈夫だぞ。そのままでは風邪をひいてしまうだろうからな。医者としての職業柄それは見過ごせない」 この場に往人がいたら臍で茶を沸かしていたことだろう。 「ありがとうございます。ええと…」 静香が口ごもる。実際これは演技だ。 本当は雑誌などで霧島聖を知っていたのだが、それだと話の辻褄があわなくなるからわざと口ごもったのである。 「霧島聖だ。霧島先生でも聖先生でも何でもいいぞ」 「はい、霧島先生」 「そういえば、まだ名前を聞いていなかったな」 「源静香です」 「野比のび太です」
「う〜ん、おいしいねぇ〜」 「ほんと、おいしいわ」 「ははは。まだまだ素麺はいっぱいあるからどんどん食べていいぞ」 「ぴこぴこ〜」 「でもいいんですか?お風呂に加えてお昼まで御呼ばれしちゃって…」 「源君、そういうことは気にしないで結構だ。それにたった二人と一匹で食べるのもさびしいしな」 「そうそう、遠慮しないでどんどん食べてよ」 「じゃあ、お言葉に甘えて」 「うん。それがいい」 「ちょ、ちょっと待って!!僕の分は!?」 風呂を済ませたのび太たちは先ほどから流し素麺をしていた。 流している聖、一番上にいる佳乃、静香、ポテト、のび太の順番で席について。 「野比君、遠慮せずに君も食べていいぞ」 「そんなこと言っても、素麺が流れてこないよ!!」 そう、聖がいくら流しても佳乃、静香の時点で大半が食べられ 残った数本すらポテトが全部いただいてしまう。 のび太にまで流れてくる素麺は一本もなかった。 「君も貪欲な奴だな。ほれ、一番上に来なさい」 「えっ、いいの!?わーい!!」 「じゃあよろしく頼む」
聖はそういいながら自分の席を空ける。 「えっ、よろしく頼むって?」 「分からないのか?君に流してくれと頼んだつもりだが」 「えぇーーっ!!僕食べたいよう!」 「私にも少し食べさせてくれ。なんだかんだで一本も食べていないんだからな」 そういいながら自分用の箸を取り出し、 何時の間に席をあけていたのやら、佳乃と静香の間に割って入り素麺が流れてくるのを待っている。 「そ、そんなあ〜〜」 結局のび太は流し素麺は一本も食べられず、普通の素麺で我慢せざるを得ないのだった。
119 :
名無しさんだよもん :03/07/05 14:38 ID:vuBf3lgA
あのシーン・・・て何だろう?
121 :
名無しさんだよもん :03/07/06 19:53 ID:HyNaRmYs
ブウン!! 鬼の爪が空を切った。 偶然にも夕霧は頭を庇うべくしゃがみこんだ。 それが鬼の爪を振り下ろすタイミングに会い爪をかわすような状態になったわけである。 鬼の顔が微妙に歪む。 その表情は明らかに不機嫌と取れる表情であった。 それはそうだろう、いくら偶然でもこんな少女に自分の攻撃を避けられたのだから。 鬼は追撃をすべく夕霧を掴む。 「きゃ…!!」 掴まれた夕霧は何もすることが出来ない。 鬼はボールを投げるように夕霧を無造作に投げた。 受身を取ることも知らない夕霧は成す術もなく、 「あ、あうっっ…!!」 という呻き声を残しアスファルトに叩きつけられた。 それとほぼ同時だった。蝉丸がその場に到着したのは。
「夕霧!!」 鬼に注意しながら蝉丸は夕霧に駆け寄る。 夕霧はピクリとも動かない。 「しっかりしろ、俺だ。坂神蝉丸だ!!」 蝉丸が夕霧をしきりに揺する。 それに反応するかのように、夕霧の瞳がうっすらと開いた。 「蝉…丸さん?」 その唇から発せられる声は非常に弱かった。 「一年…振りです…ね…。逢えて…よかった…」 「夕霧、大丈夫か!?」 「私…駄目みたいです…。あんな、漫画みたいなのが…、出てくるなんて…」 夕霧の足が細かな光の粒となって霧散していく。 その変化は段々と全身に回る。 足から下腹部、下腹部から胸・腕へと…。
(何だ!?一体何が起こっているんだ!?) 蝉丸の心の叫びは誰にも届かない。 当の夕霧は落ち着き払っている。まるで死を覚悟しているかのように。 「おかしい…ですね…。人が…こんな風に…死ぬなんて…」 「何を言っているんだ、夕霧!」 それでも変化は止まらない。 「蝉丸さん…。月代ちゃんを…よろしく頼み…」 「夕霧!!」 ついに夕霧は光の粒となって消えた。 それと全く同時に、後ろにいた鬼が蝉丸に爪を振り下ろす。 夕霧に気を取られていた蝉丸は日中だったこともあり、背後の気配に全く気付いていなかった。 だが、その爪は蝉丸を貫くことはなかった。 「坂神、何を油断している!」 後ろから鬼の心臓を貫いた光岡悟によってそれは阻止されたのだ。
「おまえらしくないぞ坂神、娘一人死んだことで動揺し敵に虚を突かれるとはな」 「光岡か…」 「確かにおまえは先ほどの少女を救えなかった。だが、それならこれから何をすべきかおまえなら分かるだろう?」 「ああ…分かっている…」 「俺はこの鬼が何処から来たのかを調べてみる」 「俺は…、月代やきよみを守る」 蝉丸のその答えに光岡は少し安心したようだ。 親しいものが死んだとはいえさすが軍人。大した精神力である。 しかし光岡はそれとは別に夕霧の死について考えていた。 人が光の粒になり霧散するなどありえない。 自分たちのような普通の人間でない者ならば起こりうるかもしれないが、夕霧はただの一般人。 間違ってもあんな死に方をする筈がない。 そのことは蝉丸も同時に考えていた。 そして理解していた。 今の情報では答えが出てこないことを。
「…と言いたいところだが、この異変の調査をする」 蝉丸はこの事件について調べることを優先した。 それは月代やきよみを見捨てる答えではない。 彼女らを守るための一番の近道だと自分に言い聞かせて。 「そうか…分かった」 光岡は剣を鞘に収め、もと来た道を戻り始めた。 「俺は東に行く」 「では俺は西だな」 「油断するなよ」 「お互いにな」 蝉丸も元来た道を戻り坂神家へと向かった。 この事件の調査に出ることを告げるために。 【砧夕霧・あぼーん】 【ドラえもんのび太と葉鍵の国第一巻終わり/第二巻に続く】
ここで思ったがこの「葉鍵の国」を自分だけで進めていいものなのか? よくよく考えてみるとまるで自作自演みたいだし…。 リレー化させたほうがよいのでは?という考えも浮かんできた。 これについてどう思う? やっぱりリレーにしたほうがいいか?
>>127 誰かが名乗りを上げたらバトンタッチする,でいいんでない?
時間がいるなら,その間「のび太とうたわれるもの」の
連載をしてもらうとか.つーか今でもここ見てるんかな… >うたわれ作者
>>128 いや、続きは書いているんだけどね。
ただ自分だけでなくもっと大勢で書いたほうがいいんじゃないかと思って。
考えてみたが選択肢は三つ出た。
Aこのまま自分だけが続ける
Bリレー化させる b-1この間に自分は別連載始める
b-2リレー作家の一人になる
>>129 うーむ,もう続きを書いてるのか…127が「書き溜めするための時間をくれ」って
言ってるように思えたから128のようなレスをつけたのだが.
俺は,しばらく様子を見てもいいんじゃないか?と思う.
リレー化するにしても,SS書きがいない事にはリレーできないし.
まぁ別連載がある程度まとまってるならば,それを投下するのもいいかも.
というわけで俺の意見はb−1で様子を見る,ってことで.
他の人の意見も聴きたい所.
あれ?ID変わってる.128=130です.
すごいIDになったな(w 正直、リレーにしたら絶対失敗すると思うわけだが。 それに、例の『予告編』を重視するなら、リレーみたいに先がどうなるかわからない形式は向いてないだろうし。
ヘタにリレー形式にするよりも、 書き続けられる限り、このまま836氏に続けていってもらいたい。 ぜひ、(初)完結してほしい・・・
もっと他の人の意見を聞くためにageてみる。
135 :
名無しさんだよもん :03/07/07 01:58 ID:Wywo9qvA
136 :
名無しさんだよもん :03/07/07 22:03 ID:QYg6vZm6
保守
「スネ夫君、この不明なファイルまさかウイルスじゃないだろうね?」 「僕のウイルスバスターは完璧さ。万に一つもウイルスが入るなんてないね」 葉鍵世界でつかの間の楽しいひと時を過ごしていたドラえもんたち しかし、鬼の出現・砧夕霧の消滅によってその日常はもろくも崩れ去る 「始業時間なのになんで誰も来てないんだ!?」 「きっとみんな寝坊しちゃったんだよ〜」 日常に少しでもいようとする者 「私に妹なんていない…。なのに、なのに、何で涙なんて出てくる訳?」 「香里さん…」 身近なものの死を悲しむ者 「みさおも、みさき先輩の目も、澪の言葉もみんなユーザーを満足させるためだけに奪われたって言うのか!?答えてみろよ!!」 「やめて、やめてよ浩平!!」 自らの存在意義を知り激昂する者 「あ、ありがとう…」 「礼はいらん。市民を守るのが警察官の義務だ。俺は職業柄動いているだけだ」 自分の本当の心を隠し通す者 「あいつならここにいるはずだ。これを言えば出てくる。岩切花枝の胸囲は…」 「一瞬で滅びよ、坂神!!」 異変を調査する者
「まいぶらざー!!大至急こみパから脱出するのだ!」 「なんなんだこいつらは!!」 まだゲームすら登場していない者 「うぐぅ…。もうたすからないよ。いっそこのまま死んじゃうほうがいいかもしれないよ…」 「絶望を与えるのが陵辱の楽しみのはずなのに、もう絶望しているではないか!参ったあ!俺は参ったあ!!」 自らの欲のために奔走する者。 「どうして、どうしてあなたが…?」 「ウイルスだから…というのは答えにならないかな?」 迫る謎の影。そしてウイルス。 「死ねえ野比のび太!!」 「また御堂だ!もう勘弁してよ!!」 「にはは。こうやってお母さんと往人さんと一緒に逃げるの楽しいかも」 「「どこが!!」」 「耕一、また出たよ!!」 「くそっ、ゲームのキャラだからってなめるなよ!!」 激動の第二巻 キャラクターが生き残る鍵は、ドラえもんにある
誤爆スマソ
「ドラえもんさん、皆さん」 彼女は、静かに微笑んで、続けた。 「私たちが、あなたたちの世界でのゲームの登場人物だったとしても。私たちは、ここにいるんですよ?」 彼女は、その事実を受け止めても、いつもと変わらない笑顔で。 「祐一さんも、名雪も、ここで出会った全ての人たちは。ちゃんとここで、この世界で」 「生きているんです」 「俺は、いく。ここに生きているみんなを助けてくる!」 「……馬鹿いうなよ、ジャイアン」 「馬鹿だと! のび太、お前は秋子さんの言葉をーー」 「違うよ。みんなで行くにきまってるじゃないか、ジャイアンは馬鹿だなぁ」 いま、ぼくたちに、できること。 ぼくたちにしか、できないことが、あるんだ。 だから、みんなでいこう。
いざ、ドラたち5人の地球戦士は、仲間を引き連れグエンディーナへ! 戦え! この世界を救うために!!
>>141-142 新職人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━
これで二人。
自分もう少ししたら投下します。
その後は参加自由ということで良いかな?
いや、ごめん、漏れはリレー参加とかはしないです;; (前にかいた予告がこんなになっててびっくりついでに、適当にまた書いてみただけです・゚・(ノД`)・゚・。 )Oo。
145 :
名無しさんだよもん :03/07/10 01:12 ID:Ue18oWTe
「なんて酷い歌だ。吐き気がするよ」 「の、のび太…、ドラえもん!!よくも、よくも…!!」 事の発端はジャイアンリサイタルの阻止。 「どうしておまえ駅の前なんかで寝てたんだ?」 「え?駅の前?」 「覚えてないのか?」 ススキが原とは違う街の駅の前で寝ているのび太は発見される。 「のび太が消えた!?」 慌てふためくドラえもん、スネ夫、静香、ジャイアン。 『おかけになった電話番号は、現在使われておりません…』 繋がらない電話。 「私は水瀬名雪だよ」 「了承」 「あんただけは許さないんだから!」 「私は、魔物を討つ者だから…」 「狸…ですか」 「ふ〜ん、不思議な道具ね…」 「空を飛ぶなんて、ドラマみたいでかっこいいですね」 「あははーっ、佐祐理にはちょっと分からないですねー」 『うん、約束だよ…』 出会い。のび太の耳に届く謎の言葉。
「このままだと世界の修正力でのび太君は二度と戻れなくなっちゃう!」 「それじゃ時間がないじゃない!早く助けに行かないと!!」 そして世界。 「それは駄目だよのび太君!歴史は変えられないんだ!!」 「秋子さんのために…僕はやる!!」 過去の改竄。 「どうしてさ!?どうして戻ってきてくれないの!?」 「のび太君…ゴメン」 親友とのすれ違い。 「佐祐理さんも弟を失ったんだ。ただ、僕とは違ってもう二度と会えないんだ…」 「スネ夫…」 「ええい、魔物がなんだ!行くぞのび太、祐一!!」 「ジャ、ジャイアン本気!?」 「私と静香さんが友達に?…そんな酷な事はないでしょう」 「どうして?ただ、仲良くなりたいだけなのに…」 「ねえのび太君、君本当は…」 果たしてのび太は家に帰り着けるのか? 劇場版ドラえもんのび太と雪の降る街 同時上映 帰って来た久弥直樹 The・竹林明秀 感感俺俺大作戦!
あっ、数字ミスってるw
じゃあ同時上映のほうは俺に任せろ。
「へえ…。森川由綺さんっていうんだ…」 「うん。テレビ見てくれてどうもありがとう」 「いえいえ、大したことじゃないよ」 すぐに消しちゃったけどね…。 ドラえもんは喫茶店エコーズで由綺たちと話し込んでいた。 話を聞くと、カウンターにいるのが藤井冬弥と七瀬彰。 そこの席に座っているのが森川由綺とそのマネージャー篠塚弥生。 奥でクラシックを聞きながらマターリしているのがフランク長瀬。 「でも、アイドルって大変なんじゃないかな」 「大変だよ。でも、好きでやってるから全然辛くないの」 「そういえば、のび太君も一回アイドルと生活を交換して苦労してたっけ」 そういいながらドラえもんはポケットに手を突っ込み、いれかえロープを取り出した。 「この入れ替えロープでお互いの体を入れ替えてさ。でものび太君じゃ全然務まらなくて…」 まただよ。 何でこうも被っているんだ、俺が子供の頃に見たアニメ番組と。 藤井冬弥は内心そう思っていた。 先ほどドラえもんが言っていた「のび太」というのも自分が昔見た番組に出てきたキャラクターだ。 それにそのロープもなんだか見覚えがある。 「まさか、そのロープでそんなことが出来るって言うのか?」 一応聞いてみる。
「うん、できるよ。疑うならやってみたら?」 ドラえもんが冬弥に入れ替えロープを手渡す。 冬弥はそのことを完全に信じてはいなかった。 いくら昔のアニメ番組のキャラに瓜二つでも、そんな不思議な道具を出せるわけないだろう。 そう考えていた。 しかし、そんなに自信満々に言うのならあながち嘘でもないのかもしれない。 試してみよう。 「おーい彰」 「どうしたの冬弥?」 何時の間にやら厨房に言っていた彰を呼ぶ。 「ちょっとこのロープの端っこを持ってくれ」 「いいけど…一体何するの?」 そういいながら彰はロープの端を持った。 その後に冬弥はもう片方の端を持つ。 ルルル…。 いれかえロープが二人の体を入れ替える。 「はい、終わったよ」 ドラえもんが声を掛ける。 その声を聞いて二人は目を開けた。
「な…、本当だ!!」 ギョッとした表情の彰。しかし口調は冬弥のそれである。 「と、冬弥!一体何したんだよ…」 反対に少し気弱そうな冬弥。 「す、凄い…」 「こ、これは…」 彰と冬弥が入れ替わったことには由綺と弥生も少なからず動揺していた。 「そのロープを少し見せてください」 弥生がいれかえロープを受け取り念入りに調べる。 両端にワケの分からない機械が付いていることを除けばただのロープに見えなくもない。 「はあ…、不思議なこともあるものですね」 さすがの弥生も22世紀の科学の結晶を解明することは出来ないようだ。 その後も五人は由綺の仕事の時間までいれかえロープで入れ替えてみたり話をしたりして楽しんだ。
「静香ちゃんひどいや、自分たちばっかり流し素麺食べて…」 「ごめんなさいのび太さん、つい夢中になっちゃって…」 霧島診療所を出てからものび太はまだ文句を言っていた。 「さ〜て、これからが俺の腕の見せ所よ」 御堂は往人にだけは負けまいと廃品回収に闘志を燃やしていた。 「さて…、まずは複製身に留守を頼みに行くか…」 蝉丸はもと来た道を戻り坂神家へと向かっていた。 そして…御堂と蝉丸は出会った。 「坂神!?」 初めに気付いたのは御堂のほうだった。 自分が進むべき道の30〜40メートルほど向こうにこの一年間探し続けてきた宿敵の影。 向うはこちらに気付いた素振りも見せていない。 チャンスだ。 慎重に距離を詰める。 背後からというのと、日中であるというのが重なり気付かれることなく蝉丸の数メートル後ろまで近づけた。 そして自分愛用の銃を構え… 「動くな坂神!!」 制止の声をあげた。
「御堂か?」 蝉丸は両手を挙げ振り向きもせずに言った。 おそらく振り向いた瞬間に急所を撃たれる。 御堂なら外さないだろう。 「久しぶりじゃねえか坂神。会いたかったぜ…」 「そうか」 「俺の土産の鉛玉、ぜひおまえに貰って欲しくてな」 「そうか」 「何処を狙って欲しい?心臓か?頭か?」 蝉丸は答えない。 あたりを沈黙が流れる。 「ど、どうしよう静香ちゃん!!」 「落ち着いて、のび太さん!まだこっちには気付いていないわ!!」 蝉丸と御堂が対峙している道路の上にのび太と静香はいた。 ちょうどいろは坂の上から見下ろしている形である。 先ほどから道を歩いていたら、急に騒がしい声が下から聞こえる。 何かと思っていれば御堂と蝉丸の一触即発状態だ。 「のび太さん、あの御堂って人はどんな人?」 「え?確か漢字テストで…」 ちょっと待てのび太、それは根本的に間違っている。
「あの男の人が狙われてるわ!何とかならない?」 「え、ええーっ!?」 のび太はポケットを漁った。 出てきたのはタケコプター一本。それに昨日のうちにドラえもんから預かった空気ピストル一丁。 対する御堂は本物の銃。ちなみに44マグナムだ。 空気ピストルの威力はせいぜい人をつっころばせるぐらい。 対し44マグナムの威力は一発で大型トレーラーを止める。 勝敗はやる前から決まっているようなものだ。 今のび太が出て行っても全く役に立たずむしろ返り討ちにされる可能性のほうが高い。 そうこうしている間に、下ではさらに険悪なムードとなっていた。 「つまらねえな!もうちっと足掻け!!」 「聞け、御堂」 「!?」 「異変が起きている」 「黙れ!」 「それも、ただの異変ではない。明らかに異形と取れる鬼が現れた」 「うるせえ!!」 「先ほど夕霧がその鬼の手により『消滅』した。このまま放っておけば新たな犠牲者が生まれるかもしれない」 「黙れって言ってるだろ!!」 御堂が銃をチャキッと鳴らす。 その威嚇行為に臆するでもなく蝉丸は言った。 「それでなんだってんだ、まさかこの俺様に手伝ってくださいとでも言うのか?」 「その通りだ」 「へっ、くだらねえな。正義の味方気取りやがって。生憎俺はそんなもん興味ねえ。てめえをぶっ殺したい、それだけだ」 御堂が銃を再度構える。
「あばよ、坂神」 「あ、危ない!」 のび太は気付いたらタケコプターを付けて飛び出していた。 右の人差し指に空気ピストルを嵌めて。 確かに御堂の武器とはまともに戦って万に一つ勝ち目はないだろう。 だが、そこに理屈はなかった。 ただ純粋に人を助けたい。それだけだった。 「待て!!」 上空から声を掛ける。 「誰だ!?」 御堂は辺りを見回すが誰もいない。 しかし声は確かに聞こえた。 「上か!?」 御堂は自分の真上を見た。 そこには空気ピストルを構えたのび太。 バン!! それと同時に乾いた音。 のび太が空気ピストルを放った音だ。 小指ほどの空気の塊は狂うことなく御堂に向かって突き進み、御堂の構えている44マグナムに直撃した。
「ぐあっ…!!!」 その衝撃にたまらず御堂は銃を取り落とす。 のび太はこれを狙っていたのだ。 上空から脳天に当てることも出来るが、それぐらいでは人は倒れない。 脳震盪すら起こさせることも出来ないかもしれない。 だから相手が自分に気付いて銃を構えるタイミングに賭けたのだ。 そのわずかな間に相手よりも早く『相手の銃に』命中させるために。 そしてそれは成功した。 こうして今御堂は銃を取り落としている。 「早く、今のうちに!!」 「すまん!」 蝉丸に声を掛けながら、のび太は再度発砲する。 次の弾は御堂の右目の一センチ上を確実に捕らえていた。 それはのび太の脅迫であった。 この距離なら御堂の光を奪うことが出来るという意味の。 実際御堂は強化兵なので眼球をやられても一日で直ってしまうが、そんなことプレイしていないのび太は知る由もない。 御堂は自分の獲物を拾おうとするも、のび太は再度発砲。 今度はまた御堂の銃に直撃させ拾おうとした御堂の邪魔をする。
「て、てめえ…!!」 「つ、次は当てるよ!!」 のび太は御堂の心臓に向かって空気ピストルを構える。 もちろん空気ピストルに殺傷能力などはない。 せいぜい相手をつっ倒し逃げる時間稼ぎをするぐらいだ。 それを知っていた上でのび太はハッタリをかました。 相手は服装を見る限り軍隊。戦闘のプロだ。 プロだったら自分のよく知らない敵と一対一で戦うことはしないだろう。そう考えたのだ。 「くそっ!」 果たしてその作戦は成功した。 御堂は銃を拾うこともせずに撤退を始めた。 実際御堂の懐には銃がもう一丁あった。 しかし、それを抜いて戦うことはしなかった。 油断は戦闘において最も危惧すべきもの。 強化兵ではない自分の戦友において、先走って散ったものは沢山いる。 その前例と御堂自身の経験が御堂にいったん退くべきだと告げていた。 「てめえ、名を名乗れ!!」 「野比…のび太」 「のび太か…次に会ったときには容赦しねえぞ!!」 それだけ言って御堂は通りから姿を消した。
>>138 俺の予想(というかイメージ)だと浩平は中盤でバグの影響で速攻エイエソ行きなんだがな。きっといい所で還ってくるに違いない。
160 :
名無しさんだよもん :03/07/13 13:12 ID:8D8gtxUe
「大丈夫ですか?」 静香が蝉丸に声を掛ける。 「ああ、すまない。正直助かった」 「一体あの人はなんなんですか?」 そののび太の問いに蝉丸は考えた。 このまま自分たちのことを話すか否か。 本来なら隠しておくべきことだが、相手は命の恩人。 それに御堂の恨みを買ってしまっている。隠しておくのはフェアではない。 蝉丸は全部話すことにした。 「あいつは御堂。強化兵の生き残りだ」 「強化兵って…?」 「米国との大戦中に帝国陸軍が作り出した特殊歩兵のことだ」 蝉丸は語り始めた。 第二次世界大戦に自分たちが作り出されたこと。 自分も強化兵であり、自分たちの血には仙命樹が組み込まれていること。 自分たちはいわゆる不老不死であること。
「へえ…、そんなものが…」 「…意外に淡々とした反応だな」 「ええ。不思議な道具や生き物には慣れてますから」 「…?まあいい、とにかくおまえたちは注意したほうがいい。御堂は執念深く油断のならない男だ」 「ちゅ、注意って…どうすればいいの?」 のび太が恐る恐る聞く。 「背後からの奇襲に気をつけることだ。先程の俺のような事態に陥ったら確実に死ぬ」 「そ、それってどうしようもないってことじゃない!!」 「む」 蝉丸は口ごもる。確かにその通りだ。 気をつけても奇襲というものはなかなか防げるものでもない。 「それより、注意すべきは鬼のほうだ」 「鬼?」 今度は静香が恐る恐る聞く。 昨日の悪夢がまだ頭にあるようだ。 「ああ、つい先程人が一人『消された』」 「消された?殺されたじゃなくて?」 蝉丸はのび太と静香に夕霧の話をする。
「静香ちゃん、一体なんなんだろう?」 「ドラちゃんなら詳しいことが分かるんじゃないかしら?」 「じゃあ、戻ってみよっか」 「ええ、そうしましょう」 二人は蝉丸に向き直った。 「それじゃ、蝉丸さん。僕たちはもう帰ります」 「そうか。おまえの射撃の腕なら大丈夫だとは思うが、くれぐれも油断はするな」 「はい」 そして二人はタケコプターを使い空へと舞い上がった。 水瀬家へ戻りドラえもんに事の真相を聞くために。
「ちきしょう、俺があんなガキに後れを取っちまうとは…」 御堂はひたすら走っていた。 のび太の射程圏内から離れるために。 確かにのび太は只者ではない。 はるか上空から自分の体を一切傷つけずにマグナムに命中させたり、眼球の一センチ上を狙って脅迫したりととんでもないことをしてくる。 しかしそんなことは自分だって出来る…。 というか声に気付いた時点でのび太よりも早く撃てる自信もあった。 では何故のび太に先を越されたのか。 油断。 それもあったかもしれない。御堂はのび太を見くびっていたのだ。 だが、本当の理由はそうではない。 のび太が御堂の真上にいたことだ。 偶然にものび太は御堂から見て太陽の中にいたのだ。 その太陽の光に目が眩み御堂は一瞬瞬きしてしまった。 そしていくら火戦躰とはいえ仙命樹は日の光を嫌う。たっぷり日の光を浴びて一瞬動きが鈍くなった。 油断 瞬き 仙命樹の性質 この三つがのび太を勝利へと導くことになった。 御堂はそう思うことにした。つーかそう思ってないとやってられない。
「許せねえな、あのガキは…」 坂神よりも先に決着を付ける相手が出来ちまったな。 しかし、油断はもうしねえ。だから負けねえ筈だ。 ま、とりあえずはばいとを先に済ましちまうか…。 御堂は歩調を緩め、住宅街の中に消えていった。 その数時間後… 「ふっ、俺の完勝だな。どうだ見たかこの中年」 「何だと!?坂神に会いさえしなきゃてめえなんざ…!!」 佐久間リサイクルショップの前で御堂は悔しがっていた。 御堂のリヤカーは見事にがらんとしている。 対する往人のは椅子やテレビなどの粗大品が所狭しと並べられていた。 ついでに往人の居候先の家の人間神尾観鈴もリヤカーに乗っていたりするが。 「まあ、この俺の実力から考えれば順当だな」 「でも往人さんも私が来るまで一つも…」 「観鈴!それは黙ってろ!!」
166 :
名無しさんだよもん :03/07/15 21:43 ID:Q8wDAY46
電車に揺られながら外の風景を見る。 外は電車が進むに連れて人の通りも少なくなり、空模様が悪くなってくる。 電車が停まった。俺が住んでいた町から大分北のこの町に。 12時53分。待ち合わせの時間まで後7分ある。 俺は駅を出て待ち合わせのベンチへと座った。 俺の名は相沢祐一。 どこにでもいるありふれた高校二年生だ。 両親が仕事の都合で転勤することになり、今こうして従姉妹を待っている。 親の転勤など子供のころから幾度となく経験しているので何をいまさらと思っていたが、今回はそうも行かない。 今度の転勤先は海外なのだ。 さすがの俺も海外まで付いていく気はないし、親も連れて行く気はない。 そこでこの町に住む俺の親戚の家に居候することになり、そこに住む俺と同い年の従姉妹を待っているのだ。 ここの町には何度も来たことがあったのだが、何年か前から来るのをぴったりと止めていた。 別にこの町が嫌いと言うわけではなかったのだが、ただ……なんとなく来るのが辛かったことを憶えている。 そして……約束という二文字……。 雪が降ってきた。 ふと時計に目を向けると、針は1時12分を指していた。 名雪の奴大分遅れているな……。 そんなことを頭の中で呟きながら、俺はひたすら寒さに耐えた。 しばらく待っているが一向に現れない。 待ち合わせの約束を破るとは……。 時計は着々と時間を刻む。 待ち合わせの時間をだいぶ越えた時を刻んでいるが。 そしてそれと同時期、とある病院のとある病室にて変化が起こった。 その場に居合わせた看護婦の話によると、昏睡状態で眠っている少女が言葉を紡いだらしい。 ただ一言、非常に小さく、はっきりとした声で……。 『約束、だよ……』
東京都練馬区月見台ススキが原 そこの三丁目10番地5号の邸宅にて、数人の小学生が密かに会議を執り行っていた。 「聞いてくれ、ジャイアンがまたリサイタルを計画しているらしい!」 開口一番こう叫んだのは骨川スネ夫。 ここの家に住む小学四年生。 そして右には未来の世界からやってきたロボットドラえもんに、その居候先の子供野比のび太。 左にはそののび太が心寄せる人物である源静香が驚愕の表情で座っている。 正面に座っているはる夫と安雄は、その先は聞きたくないと言わんばかりに俯いている。 「またあの殺人的な歌を!?」 のび太がスネ夫に問い返す。 その問いは確認のために聞いているのではない。 現実から目を背けたいがために最後の抵抗を、自分の聞き違いだったと言う0に限りなく近い可能性を期待しての問いである。 「そう、しかもたっぷり4時間は聞かされる!こないだジャイアンの家に行ったときに下書きのチケットにそう書いてあったから間違いないよ!」 その言葉にその場に居合わせた全員が戦慄した。 はる夫、安雄は恐怖に耐え切れずに声にもならない声を上げだした。 静香は平静を装って入るが、心の内は恐怖ではじけそうなのだろう、体を小刻みに震わせている。 のび太は目に涙を浮かべながら不平不満を口にする。 「みんな、落ち着いて!この会議が開かれたときから分かりきっていたことじゃないか!」
いち早く恐怖から立ち直ったドラえもんがみんなを指揮する。 「そう、そして今回の議題はいかにしてジャイアンリサイタルの開催を防ぐかだ!」 スネ夫がドラえもんをチラッと見る。 そう、ジャイアンリサイタル阻止はひみつ道具の使い方によって成功が左右されると言っても過言ではない。 「まず、ジャイアンの……」 ピンポーン! そこまでスネ夫が言いかけたときに玄関のチャイムが鳴った。 スネ夫の顔に戦慄が走る。 もう誰が来たかは分かっている。 ただ、それを信じたくない。それだけだった。 「スネチャマ。武君ザマスよ」 スネ夫のママがそう言う。 予感は的中したようだ。無下にも出来ないので、スネ夫は下に呼びに行った。 程なくして、ジャイアンはスネ夫に連れられ部屋へと入ってきた。 「よーっ、みんなそろってるな?今日はみんなに喜んでもらおうと思ってこれをもってきたぜ!」 そういってまた分かりきっていたリサイタルのチケットをその場にいた全員に配る。 とたんにその場の六人の顔に恐怖が迸った。 ジャイアンショー・夕凪の歌と食事のラブソディ 〜今回は歌だけじゃなく特製ジャイアンシチューも付いてくるぜ!〜 日時・今日 PM3:00〜7:00
「じゃ、楽しみに待ってろよな〜♪」 そういってジャイアンはスネ夫の家を去った。 ドアが閉まると共に弾かれたように騒ぎ出す六人。 「ど、どうする!?」 「どうするもこうするもないよ!もうドラえもんに任せるしかない!」 スネ夫がドラえもんを睨みつける。 「ドラえもん、ジャイアンリサイタルをとめてくれよ!僕達も出来る限り協力するからさ!」 「分かった……。とりあえずうちでじっくり考えてくるよ……」 会はこれでお開きとなった。 「ドラえもん、考えると言ってもどうするの?相手はあのジャイアンだよ?」 帰り道、のび太はドラえもんにそう切り出した。 「うん、とりあえずは以前やった作戦と同じ方法を試してみようかと思う」 そういってドラえもんは『おそだアメ』を取り出した。 「あっ、それは……!」 おそだアメ、声を遅らせて伝えることが出来る。 これをジャイアンに食べさせればリサイタルが終わるまで声を遅らせることが出来る。 「そう、おそだアメさ。これをジャイアンに食べさせよう!」 「分かった!じゃ、食べさせてくるね!」
「ジャイアーン!」 「ん、なんだのび太か。リサイタルは三時からだぞ」 「分かってる。それよりも、これ食べてよ」 「うるせえな!俺は今料理を作るのに忙しいんだ!邪魔するとぶん殴るぞ!!」 「わ、わあっ!!さ、さよならっ!!」 「ドラえもん、ジャイアンに何かするのは無理だよ。料理を作るのに集中していて、まるでとり合ってくれないんだ」 「う〜ん……」 そう唸って再び考え出すドラえもん。 しばらく考えているが、一向に良い案が浮かばない。 「何か、ジャイアンにリサイタルを止めさせる方法はないものかな…」 「あ〜あ!はっきり言いたいよ、『君の歌は迷惑だ』ってね!」 「それだ!」 ドラえもんがいきなり声を上げた。 「いきなりどうしたの、ドラえもん?」 「はっきり言えばいいんだよ、止めろって」 「ジャイアンに殺されるよ!」 「そりゃあ、一人で言えばね。でもさ、あのジャイアンだって沢山の人間から止めろって言われればどうしようもないさ」 「でもさ、そんなことあのジャイアンに言えるわけないじゃないか」 「言えるさ。これを使えばね」 そういってドラえもんはポケットを漁る。 取り出したのは『ジャストホンネ』。 「そうか、ジャストホンネで思っていることをみんなが口に出せば!」 「ジャイアンだって自信を失ってリサイタルを続けようとは思わないはずさ!」 「よーし、じゃあ早速みんなに配ろう!」
「スネ夫、これを使ってジャイアンに本音をぶつけるんだ!」 「のび太、本気か?あのジャイアンに逆らおうなんて…」 「みんなで言えば怖くないよ!」 「静香ちゃん、これを飲んで本音でジャイアンに語り合おうよ!」 「のび太さん、本当にやるつもりなの?」 「もちろんだよ、僕達が生き残るにはみんなが団結するしか方法がないんだ!」 「「どうしても飲まなくちゃいけないの?」」 「はる夫、安雄。みんなで本音を出そうよ」 ピンポーン 「あれ、出木杉がいない…。そうだ、旅行に行くって言ってたっけ…」 のび太は偶然旅行に行った出木杉を羨ましがりながら出木杉の分をポケットに入れ、自分のジャストホンネを飲んだ。 「のび太君、みんなに全部配った?」 「もちろんさ。後は本番でジャイアンにありのままの感想を述べるだけだよ」
2時30分。 既にリサイタル会場は満員だった。 別にジャイアンの歌が聞きたいわけではない。 ドラえもんたちが最終確認のために早めに呼んだに過ぎないのだ。 ちなみに静香は風呂に入ってから来るということで、この場にはいない。 実際風呂に入るように勧めたのはのび太だ。そうすることによってリサイタルに遅れることが出来、この作戦には参加せずにすむ。 のび太なりの静香へのやさしさでもあり、愛でもあった。 ただし、そうすることによって静香にジャスト・ホンネを渡したのはムダだということにのび太は気付いていないが。 「ジャイアンがうたい始めてからすぐに自分の思いのたけをジャイアンにぶつける」 「そこで、みんな逃げ出したいだろうけれど逃げちゃ駄目だ。ジャイアンにはっきりというんだ」 「目を逸らしても駄目。全員が見ることによって全員が本気というのを相手に分からせるんだ」 のび太・スネ夫・ドラえもんがみんなにレクチャーをする。 そして全員に伝達事項が伝わった後に、来た。 何が来たかは言うまでもあるまい。 「オーッ、みんな集まってるな。もう少し早めにしておくんだった、悪かったなみんな」 「「そういうわけじゃないんだけれど……」」 のび太とドラえもんの声がはもった。 のび太達の失敗はここから始まっている。 ここでのび太達は気付くべきだったのだ。
「では、ファンの皆さんに励まされ、ジャイアンリサイタル華やかにオープン!!」 ジャイアンがそう叫んだ後、自分の十八番俺はジャイアン様だを歌いだす。 「俺はジャイアン、ガキ大将〜♪天下無敵の男だぜ♪」 「「なんて酷い歌だ。吐き気がするよ」」 最初の打ち合わせどおりにありのままの感想が述べられた。 ただし、打ち合わせと違う点が一つある。 それは、感想をはっきり言ったのはドラえもんとのび太だけだったのだ。 最後の晩餐という題の絵がある。 キリストとその信者たちが食卓を共にしている有名な絵だ。 そこでキリストはこう言ったらしい。 「この中に裏切り者がいる。」と。 ジャイアンの怒りに対する恐怖。 そして自分だけは助かりたいという邪な望み。 この二つがその場にいた全員をユダに変えた。 キリストを密告し、自分だけ助かろうとしたユダに。 そう、他の全員はジャストホンネを飲まなかったのだ。飲んだのはドラえもんとのび太だけ。 そのことについてみんなを責めるより先に、恐ろしいことが二人に待っていた。 もちろんジャイアンの地を割くような怒りである。
「の、のび太……ドラえもん!!よくも、よくも……!!」 のび太たちはしまった、嵌められた!と思ったがもう遅い。 ジャイアンの顔がみるみる怒りに染まっていく。 だが、生き延びる本能というものはたいしたもので、ジャイアンの怒りが最高潮に達した瞬間には二人は踵を返し逃走する準備が完全に整っていた。 ジャイアンが捕まえようと手を伸ばした瞬間二人は空き地を飛び出した。 しかしてのび太たちの逃亡劇の幕は切って落とされた。 「待てーっ!!」 二人は駆け抜ける。住宅街を右へ左へ。 それに数秒遅れてジャイアンの足が全く同じ軌跡を描く。 「のび太君、このまま固まって逃げても埒が明かないよ!二人別々に逃げてジャイアンをかく乱しよう!」 「OK!それじゃあ、また後で!!」 のび太とドラえもんは別々に走り出した。 ドラえもんは商店街のほうに、のび太は学校のほうに。 ジャイアンはドラえもんを追うことにした。 ドラえもんは懸命に逃げているがその数メートル後ろにはぴったりジャイアンがくっ付いてきている。 そして、ドラえもんはそのときにあることを思い出し、そして自嘲した。 自分は馬鹿だ。こんな簡単なことに気付かないなんて…。 そしてポケットをいじり、竹とんぼにも似た機械を取り出して頭につけ、スイッチを押して空へと舞い上がった。 下を見ると悔しがるジャイアンが地団駄を踏んでいる。 何で、タケコプターの存在を忘れていたのだろうか……。
のび太はジャイアンは自分を追っていないことに気付かず、懸命に走っていた。 そして裏山の千年杉の下まで来たところで撒けたことに気付き、安堵した。 裏山、のび太の一番大好きな地で、いろいろなことが起こる始まりの場所。 次元転換船も天上人のUFOもこの場所に降り立ち、次元震が起こりさえもした。 ここまで来れば大丈夫だろう。のび太は最後に心の中でそう呟いて、草の中に身を委ねた。 とにかく今は眠りたい。それだけだった。 『約束、だよ……』 (あれ、今の声は誰……?) 薄れ行く意識の中、のび太は確かに声を聞いた。
1終了と補足説明。 〜ドラえもんをよく知らない人へ〜 はる夫…太目の少年。ジャイアンズいる。ちなみにサードだったと思う。 安雄…ひょろ長の帽子を被っている少年。同じくジャイアンズ所属。ちなみにファースト。
178 :
名無しさんだよもん :03/07/17 21:54 ID:a/9Fv5s5
>>167-
>>177 乙です〜
続きが気になる(;´Д`)
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。 貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。 黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。 (黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。 また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。 「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。) 彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
「へーっくしゅ!」 のび太はあまりの寒さに目を覚ました。 そして辺りの変貌に言葉を失った。 さっきまで自分が背もたれに使っていた千年杉はなく、 変わりにこざっぱりとした部屋に敷かれた布団に横たわっている。 窓の外のカーテンの陰に見え隠れする外の景色は暗がりでよく見えないが雪が積もっている。 間違いなくさっきまで自分がいた裏山とは違う。かといって自分の家でもない。 「いったいここは何処……?」 のび太はベランダに出てみた。 「うぅーっ、さむいっ!!」 その非常に低い外的気温に耐えながら辺りを見回す。 自分の見知った家は一軒もなく、ただただ知らない家の屋根が連なっているばかり。 明らかに自分の知らない町だった。 のび太は部屋を出た。 廊下の気温も低いことは低いが、さっきのベランダほどではない。 そして、一階から話し声が聞こえる。 のび太はゆっくり階段を下りた。 居間と思われる部屋に明かりが着いていて、何人かの声が聞こえてくる。 そして、部屋のドアを開けた。
「あら、目が覚めたみたいですね」 のび太に話しかけられた第一声はそんな言葉だった。 部屋には人が三人。 青い髪の少女とどこにでもいそうなごく普通の少年。共に高校生ほどである。 そしてその後ろには今のび太に声を掛けた青い三つ編みをした女性が笑顔を絶やさずに立っている。 「君、大丈夫?道で行き倒れになっていただなんて……」 「元気になったんなら、親御さんに連絡したほうがいいんじゃないのか?」 「あ、あのう……」 「あらあら、二人とも、この子が戸惑っていますよ?まずは私たちの自己紹介から始めたほうがいいんじゃないですか?」 二人は青い三つ編みをした女性に窘められる。 「ご挨拶がまだでしたね。私は水瀬秋子。ここの家の家主……という事になるのかしら?」 「私は水瀬名雪だよっ。お母さんとは親子だよ」 「俺は相沢祐一。秋子さんの甥、名雪の従兄弟に当たる」 「野比、のび太です……」 「ところでのび太さん、どうして駅の前で倒れていたりしたのですか?」 「え、駅の前?」 「覚えてないのか?」 祐一は今日の昼にあったことを話し出した。
「……遅い」 祐一はベンチでひたすら待っていた。 頭の上には雪が積もっている。 ふと時計を見た。2時56分。 自分が時間を間違えたのかとも思ったが、 ポケットに入れた待ち合わせの場所と時間を書いた紙にその可能性を否定される。 「まさか名雪の奴忘れているんじゃないだろうな……」 祐一は辺りを見回した。だがまだ来る気配はない。 そのとき、道端に倒れている少年(のび太)に目が留まった。 その少年(のび太)は起きる気配が全くない。 「おい、君。大丈夫か?」 声を掛けてみた。 しかし帰ってきたのは「ウ〜ンムニャムニャ」という言葉。 「……寝てる」 祐一はこの少年(のび太)の図太さに呆れながら時間を確認した。 時計は丁度三時を指している。 このままにしておくのも良心が痛むので、祐一はこの少年(のび太)を抱き上げた。 「部活で遅れちゃったよ〜。祐一きっと怒ってるよ〜」 名雪はちょうどそのとき待ち合わせの場所のすぐそこまで来ていた。 時刻は3時。待ち合わせの時間から2時間も遅れるという大遅刻である。 名雪が曲がり角を曲がり、待ち合わせのベンチへいざ行こうとしたときにそれを見つけた。 それ……祐一が少年(のび太)を抱き上げている姿を。
「ゆ、ゆ、祐一!いったい何してるの!?」 名雪は祐一が少年(のび太)を抱き上げている姿を見て、すっかり気が動転していた。 「見て分からないか?人助けだよ」 祐一がそう言う。しかしその構図は誘拐にしか見えない。 「道に倒れていてな。そのままにしておくと風邪を通り越して凍死するかもしれないしな」 「な、なんだそうだったんだ〜。私はてっきり祐一が男同士なのにその子を襲っていたのかと……」 「ちょっと待て!なんだそれは!?」 「じょ、冗談だよ〜」 「……とにかく、こいつをどうしようか?」 「う〜ん、ここから病院は結構距離があるし……。そうだ、家に運べばいいよ〜」 「大丈夫なのか?」 「もちろん大丈夫だよ。お母さんに話せば一秒『了承』だよ」 「それじゃ、連れて行くとするか……」 祐一はのび太を背負い、名雪と共に水瀬家へ向かった。 雪が降っていた。 思い出の中を、真っ白い結晶が埋め尽くしていた。 数年ぶりに訪れた白く霞む街で、 今も降り続ける雪の中で、 俺は、一人の少女と行き倒れになった消防に出会った。
「それからこの水瀬家に連れて行って目が覚めるまで布団に寝かせていたというわけだ」 「そうだったんですか……。どうもありがとう」 のび太が祐一に礼を言う。 少し照れているのか、祐一はぷいっとそっぽを向いて、 「礼だったら秋子さんに言ってくれ。看病したのは秋子さんなんだからな」 とだけ言った。
♪
187 :
名無しさんだよもん :03/07/20 23:54 ID:4V9XBwez
188 :
名無しさんだよもん :03/07/21 00:27 ID:VOnLu9fh
189 :
名無しさんだよもん :03/07/21 21:02 ID:MeoAnXGD
「そうですか、源さんのお宅にもお邪魔していませんか。どうもすみません、それでは失礼します……」 玉子は電話の受話器を置いた。 肩が震えていることから怒っていることが手に見て取れる。 「まったくのびちゃんったらいったいどこに行ったのかしら!勉強もしないでこんなに遅くまで遊び歩いて……!!」 一方ドラえもんはタケコプターで空からのび太を探していた。 ジャイアンに追われてからのび太の行方が掴めなく、陽もとっくに落ちている。 ちなみにドラえもんは昼間タケコプターでジャイアンから逃げた後に野比家の前で待ち伏せに遭ってジャイアンにギタギタのメタメタにされたが。 寒さに弱いドラえもんに一月の風は辛いものがあったが、今はそれどころではない。 連続運転するとタケコプターが使い物にならなくなるので、ドラえもんは空き地に降りた。 ちょうどそこにジャイアン、スネ夫、静香がやって来る。 「ドラちゃん、のび太さんいた!?」 「まったく一体どこに行ったんだあのバカは?」 「人騒がせな奴だぜ!」 三人それぞれの言葉を紡ぐ。 その話し振りから行って、まだ手がかりすら掴めていない。 「のび太君は一体どこに行ったんだろう……」 「あのさ、ドラえもん。あれからのび太がどこに行ったか調べればいいんじゃないか?」 スネ夫がそう言う。 確かにドラえもんたちは今まで闇雲に探していただけで、のび太の行き先などを調べるという行為はしていない。
「そうか、その手があったか!それじゃ、『タイムテレビ』!」 ドラえもんがポケットから出したのはタイムテレビ。 スイッチを付けて画面に出てきたのは数時間前の空き地。 ちょうどジャイアンにありのままの本音を言ったシーンだった。 『の、のび太……ドラえもん!!よくも、よくも……!!』 「よし、ここでのび太君を映し出す!」 あまり知られていないがタイムテレビには過去未来の姿を立体映像のように映し出す機能もある。(第一巻2話参照) その機能を使って、のび太の立体映像を映し出した。 「よし、追いかけようぜ!」 ドラえもんたちは逃げるのび太を追う。 『OK!それじゃあ、また後で!!』 のび太は学校のほうへ走っていく。 学校前の小川の橋を渡り、裏山へと上っていく。 そして千年杉の下まで来たときに、ドラえもんたちは驚くべきものを見た。 消えたのだ。
のび太が影も形もなく。 ただ、消える前に淡い光を残しただけで、他には全く何も残さなかった。 のび太が寝ていた場所は、何事も無かったかのように草が茂っているだけである。 「一体これはどういうことなんだ!?のび太が急に消えるなんて!!」 ジャイアンが声を張り上げた。 静香は信じられないといった感じで口を手で押さえており、 スネ夫は何も言葉を発することが出来なかった。
ドラえもんもあまりの不可解な出来事に言葉を発することが出来なかったが、 すぐに自分を取り戻し何故のび太が急に消えたのかを考えていた。 しかし答えは見つからない。 ドラえもんの顔には絶望の色が見え隠れしていた。 「まるで魔法みたい……。人が急に消えるなんて……」 静香がそう呟く。 魔法、そういえば昔もしもボックスでのび太君と魔法の世界に行ったっけ…。 過ぎ去りしのび太との思い出である。 (ん、待てよ……。もしもボックス……。魔法の世界……) 「そうか!あれだったのか!!」 ドラえもんが急に声を出した。 その大きな声に三人が驚いてドラえもんのほうを振り向いた。 「ドラちゃん、一体どうしたの…?」 「分かったんだよ。のび太君がどこに消えたのかが」
「ところで、今日はもう遅いですしもしよろしかった今晩は泊まっていったらどうかしら?」 秋子はのび太に問いかけた。 確かに今時計は8時を指している。今から帰るのはもう遅い。 いつもののび太ならもう風呂に入って寝る時間だ。 「え、いいんですか?」 「了承」 秋子は笑顔で了承する。 のび太は「了承」という言葉の意味が分からなかったが話の前後と秋子の表情で肯定の意を表すものだと判断した。 「ありがとうございます。それじゃ、お世話になります!」 「ふふ……、それじゃあ親御さんに連絡は入れておいたほうがいいわね」 「あ、はい。それじゃあ、電話を……」 そういってのび太は部屋の端に置いてある電話の受話器を手に取った。 自分の家の電話番号を押していく。 そして最後のボタンを押し終わってから、受話器を口元に持っていく。 しかし、受話器から出た言葉は意外なものだった。 『お客様のお掛けになった電話番号は、現在使われておりません。電話番号をお確かめの上、もう一度お掛け直しください』
「あれ?おかしいなあ」 「繋がらないのか?」 祐一がのび太に聞く。 「うん。ちゃんと押したはずなのに……」 「どこに住んでいるんだ?」 「東京都練馬区月見台ススキが原だよ」 「ちょっと待ってください」 秋子がのび太の言葉を途中で遮った。 「どうしたんですか?」 「私の聞き間違いでしたらごめんなさい。のび太さん、今確かに月見台といいましたよね?」 「はい。そうですよ」 「富士見台の間違いじゃないですか?月見台なんて地名練馬にはないはずですよ」 「え、違いますよ!確かに僕の家はススキが原に……!」 のび太は電話機の横においてあった電話帳を引っ張り出し、練馬区を探し始める。 「そんなはずはないよ、だって実際に僕が住んでいるんだから……」 しかし、電話帳に月見台などという地名は練馬のどこにも書かれていない。
「何で、何で……?」 「多分間違えて覚えてるんだよ。もう一回ちゃんと自分の家の番号を押せば繋がるよ〜」 名雪がそう励ます。 だが、自分が住んでいる町の名が消失している電話帳を目の当たりにしたのび太には励ましにも、気休めにもならなかった。 「そんなはずはないよね、もう一回ちゃんと押せば……!」 そうだ。さっきは市外局番を入れ忘れていたんだ。 今度はちゃんと入れて……。 のび太はまた野比家の電話番号を押す。 しかし、またも帰ってくるのは 『お客様のお掛けになった電話番号は、現在使われておりません』 という声ばかり。 何度も何度も試みるが、結果が変わることは無かった。
「そ、そんな……。それじゃ、ドラえもんは……、静香ちゃんは……、ジャイアン、スネ夫、パパ、ママは……?」 のび太はへたへたと床に座り込んだ。 自分が今まで当たり前だと思っていた日常。 それがたった今崩れたのだ。 今まで数々の冒険をしてきたが、自分の町の存在が消えたなんてことはなかった。 自分が今まで信頼してきた足場が一瞬にして消えたのである。 そして自分の信頼に足るものが消えた今、足元をすくわれ奈落のそこに落ちていくばかり……。 例えるならそんな感じだった。
198 :
名無しさんだよもん :03/07/22 18:08 ID:C9yTedBr
>>190-
>>197 乙かれ〜
いつも見てますよー。
201 :
名無しさんだよもん :03/07/25 22:18 ID:0swnaeos
202 :
名無しさんだよもん :03/07/26 17:59 ID:nrwIfAp5
「「「パラレルワールド!?」」」 静香、ジャイアン、スネ夫の声が重なった。 「そう。時空乱流にしては周りが綺麗過ぎる。のび太君はきっと次元の歪みに落ちたんだと思うよ」 「ドラちゃん、次元の歪みって?」 「その前に、まず世界というのはほんの少し次元がずれた場所にいくつも存在しているというのは知っているね?」 「聞いたことあるよ」 「その世界というのは本来完全に平行していて世界同士全く関わること無いはずなんだけど、例外も二つあるんだ。 一つはもしもボックスのように、転移装置を使って別世界に強引に入り込んでしまう方法。それと……」 「それと?」 「世界同士を繋ぎ合わせてしまう方法。今回の場合それなんだ」 「よく分からないよ。もっと簡単に説明してよ」 スネ夫がドラえもんに文句を言う。 「う〜ん……、簡単に説明すると、こうなるかな。ひとつのマンションを思い浮かべてよ。 その部屋の一つ一つを世界とおいて考えてみて。それで自分がある一部屋にいるとして、別の人の部屋に行くには?」 「そりゃ、玄関から中に入れてもらうしかないだろ」 「その場合ドアから外に出てまた別の部屋のドアを開ける必要がある。もしもボックスとかがこれさ。 自分が行ったり来たりするわけだから世界には何の支障も無い」 「それじゃもしかして世界同士を繋ぎ合わせる方法って……」 「そう。自分の部屋の壁を壊して強引に隣の部屋とくっつける方法さ」
ドラえもんはそこまで話してからいったん言葉を切った。 そして改めて三人を見る。 三人とも、あまり事情を飲み込めていない様子である。 「つまり、のび太君はその壊れた壁の穴から隣の部屋に入り込んじゃったようなものなんだ。 その壁が壊れた理由は分からないけどね。 いくら次元震が起きたことのある裏山だって時限の歪みがそこまで大きくなることは無いはずだし」 「でも、のび太が穴から隣の部屋、つまり歪みから別の世界に入っちゃったってことはさ……」 「俺たちだってその穴からのび太を追いかけられるってことだよな!?」 「理論的には不可能じゃないよ。でも……」 「でも?」 「これも有名だから知ってるかもしれないけど、世界には修正力ってのがあるんだ。 世界がくっついた状態ってのは不安定で、元に戻ろうとするんだよ」 「そうなったら、もう二度とこっちの世界には戻れないって事?」 「そう、二度とこっちの世界には戻れない」 「それならのび太さんを助けに行かないと!」 「もちろんだ!な、スネ夫!!」 「えぇ!?ぼ、僕の家は夕飯までに帰らないとママが心配するんだけど……」 「晩飯とのび太とどっちが大事なんだ!?」 「わ、分かったよ!!」 「よ〜し、決まり!!」 「ドラちゃん、のび太さんのいる世界にはどうやっていったら良いの?」 友情。 彼らのためにある言葉なのかもしれない。 それほどまでに彼らは強い絆で結ばれていた。 自分の危険を顧みないほどに。
「一体どういうことなんだ?」 祐一はワケが分からなかった。 道で倒れていた少年が、目が覚めると月見台という現実に存在しない地名を口走り、絶望する。 全くワケがわからない。 ただひとつ、祐一が分かったことはのび太が自分の家に当分戻ることが出来ない。ということだけだった。 それと同じことを名雪と秋子も同時に感じ取っていた。 沸いてくるのは同情の気持ち。 人一倍人の気持ちが分かる名雪は頭で考えるよりも先に口が出ていた。 「大丈夫、だよ。きっと、帰れるよ」 人によっては無責任な言葉だ。と一蹴する人もいるだろうが、のび太はそうでなかった。 もしそうであっても今はそう感じなかっただろう。 のび太は今はとにかく誰かに慰めてほしかった。 母の胸の中で思いっきり泣きたかった。 「そうよ。だから今は焦らないで。きっといつか帰れる方法が見つかるわ。」 秋子も続けて言う。
「それまで、家にいてもいいわよ。私のことを、本当のお母さんだと思って泣いてもいいわ……」 母性。 今の秋子のためにあるような言葉であった。 その優しげな瞳は、まっすぐにのび太を見つめている。 「う、うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」 のび太は我慢できずに秋子に抱きつき、泣いた。 そして、そのままのび太の意識は深い闇の中に落ちていった。
ドラえもんはポケットから「とりよせバッグ」をだし、バッグの中を漁った。 そして、自分の四次元ポケットと全く同じ型の「スペアポケット」を取り出す。 「これを……、じゃあ静香ちゃんもっていて」 「ええ、分かったわ」 「それじゃあ、行くよ。ただ、まだ世界の歪みで生じた道は開いているから、この『人よけジャイロ』で誰もここに来ないようにしていく」 そういってドラえもんは人よけジャイロをポケットから出し、スネ夫、ジャイアン、静香にバッジを配る。 「これでよし。じゃあ、飛び込むよ。準備は良い?」 「ええ!」 「う、うん!」 「おう!!」 「じゃあ……そうれ!!」 まずドラえもんが千年杉に向かって突進する。 千年杉にぶつかる!と思った瞬間にドラえもんの姿は消える。 異空間に消えたのだ。 「よ、よし。行こうぜ、スネ夫、静香ちゃん!」 「え、ええ!」「わ、分かった!」 少し遅れてジャイアン、スネ夫、静香も飛び込む。 三人の姿もこの世界から消えていった。
ドラえもんは驚愕していた。 普通世界がつながっている場合は世界は密着している。当たり前だが。 しかし今その定説が崩れたのだ。 ドラえもんがいるところは全ての世界の外側、さっきのドラえもんの例えを引用するなら部屋と部屋の壁の中なのだ。 後ろを振り向く。 辛うじてジャイアン、スネ夫、静香は付いてきている。しかし何時この空間に取り残されるか分かったものではない。 下手すれば永遠にここの空間をさまようことになる。 「ド、ドラえもん、のび太のいる世界は何処!?」 「分からない!こんな状態は初めてだよ!!」 「分からないって、無責任だぞ!!」 「スネ夫さん、武さん、ドラちゃん、ちょっと待って。何か変だわ!」 「え!?」 静香の一声にドラえもんが辺りをよく見回す。 すると、ひとつの渦がこちらに向かってきていた。 その渦は中央にまた別の世界と思われる入り口を開けている。 しかし、四人にはそれが世界の入り口ではないことが分かっていた。 それもそのはず、四人はこの渦を前にも見たことがあった。 「時空乱流!?……こんなときに!!」 「ド、ドラえもん!どうするんだよ!?」 「落ち着いて、とにかく、どこか世界の中に入らないと……!!」 『約束、だよ……』
時空乱流が吹き荒れる中、確かにそういう声が聞こえた。 そしてその声を、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、静香はしっかりと聞き取っていた。 「ド、ドラえもん!今の声は!?」 「わ、分からない!!でも、あの世界から聞こえてくるみたいだよ!」 「ドラちゃん、時空乱流が迫ってくるわ!!」 「ドラえもん、その声に掛けてみようぜ!」 「分かった!じゃ、みんなあの世界へ……うわあ!!」 時空乱流はドラえもんたちを完全に吸い込む射程の中に捕らえていた。 四人は為す術も無く引き寄せられていく。 「このままじゃあ吸い込まれちゃうよ!」 「畜生!どうにかならないのかよ!!」 「それに……のび太さんが!」 「…………」 ドラえもんは一人黙っていた。 そして、何か覚悟を決めたような顔でポケットに手を入れる。 そして三人に、 「みんな、のび太君を頼むよ!」 とだけ言った。 「ド、ドラ……!!」 静香が何か言おうとするが、言えなかった。 風。非常に強力な風が三人を時空乱流の渦から引き離していた。 ぐんぐん遠ざかっていく時空乱流の中心あたりに三人は見た。 ドラえもんが強力うちわを片手にウインクしているのを。 そして三人は謎の声が聞こえたほうの世界に姿を消した。
・・・なんでこんなにハラハラドキドキするんだろう。 昔、毎月コロコロ読んでた頃をふと思い出す今日この頃。
>>203-
>>209 乙です。
ドラが・・・。続きが気になります。
>>210 シュバイツァーのほうがハラハラドキドキする
↑名前消し忘れたw
夢。 夢を見ている。 楽しい夢。 変わりない日常。 引き出しが呼んだ僕の友達。 ずっと、ずっと前から変わらないこの日常。 願わくは、この日常が消え去らないことを……。
すずめの鳴き声と共に目を覚ましたのび太が目にしたのはいつもの勉強部屋。 ……などではなく、昨日も見たこざっぱりとした部屋。 ああ、そういえば家に帰れなくなっちゃったんだっけ……。 でも、僕何時寝ちゃったんだろう……? 下から昨日一緒に話していた祐一と名雪の声が聞こえてくる。 正直もう少し寝ていたかったが、 世話してもらったのに自分だけ寝ているのも躊躇われたので部屋から出て階段を下りた。 「おっ、目が覚めたみたいだな」 「おはよう、のび太君」 「おはようございます、のび太さん」 「あ、祐一さんと名雪さん、それに秋子さん。おはよう」 下では既に三人揃っていた。 「ところで名雪、部活間に合うの?」 秋子さんが名雪に問う。 時計は既に八時を回っている。 「えっ、わっ、まずいよ〜。じゃ、行って来るよ!」 名雪はあわてて家を出た。 「名雪さんって、部活動やっているの?」 「ああ、陸上部しかも部長らしい」
朝食を終えてからは、秋子、祐一、のび太による雑談となっていた。 「それで、そのドラえもんってのは22世紀から来たロボットで僕の友達なんだ」 「22世紀?いまいちよく信じられないな……」 「あらあら」 「嘘じゃないよ、ドラえもんは沢山のひみつ道具を持ってるんだ!」 「分かった分かった」 昼頃になり名雪が帰ってきて昼食となってもまだ話は続いていた。 「祐一。そろそろ行こう」 昼食が終わり食休みを十分に取ったそのとき、名雪が祐一に切り出した。 「ん、どこにだ?」 「帰ってきてから町を案内してって言ったのは祐一だよ〜」 「ん、ああそうだったな」 「じゃあ、行こうよ」 「ああ、そうするか」 「ちょっと待って、僕も行っていいかな?」 のび太が話に割って入る。 確かに何時までいるとも限らない今の状況、町は案内してもらったほうがいい。 何より、のび太は少し退屈していたのだ。 「うん、いいよ。祐一は?」 「俺も構わないぞ」 「ありがとう。じゃ、行こう!」
「あら、どうしたのみんな揃って?」 廊下で秋子さんに会う。 「ちょっと名雪に町を案内してもらうんです」 「つまり散歩だよ」 まあ、要約するとそうなる。 「あら、そう……。それじゃあ、ついでにお買い物を頼まれてくれるかしら?」 「うん。いいよ」 「そう、じゃあこの紙に書いてあるものを商店街で買ってきて頂戴」 そういって秋子さんはスカートのポケットから一枚のメモ用紙を取り出す。 名雪はそれを受け取った。
「ちょっと待ってのび太君、はいこれ」 名雪は玄関まで行ってからのび太にポシェットを渡した。 「私が小さいころ使ってたんだよ〜」 「でも、どうしてこれを?」 のび太が不思議そうに名雪を見つめる。 「中にのび太君のポケットに入ってたものとかが入ってるんだよ」 のび太は中を確認した。 中の荷物に今はない日常の姿がよみがえる。 ああ、そういえば昨日ジャイアンから逃げるときタケコプター使えばよかったなあ……。 そんな他愛も無い想いが浮かんでは消えていく。 「うん、ありがとう。全部あるよ」 「おい、そろそろ行こうぜ」 のび太たちはまず商店街に行くことにした。
「祐一、のび太君。お買い物済ませてくるからちょっとここで待ってて。すぐ戻ってくるから」 「おう」 「うん。わかった」 商店街の入り口で名雪は言った。 「絶対に先に帰っちゃ駄目だよ」 それだけ言って名雪は商店街の人ごみの中に消えた。 つーか、名雪がいないとこの二人では家にすらたどり着けないから大丈夫だろう。 祐一は名雪と分かれた後物思いに耽っていた。 この風景。この肌寒い気候。 間違いない。俺は以前にもここに来ていた。今やっと実感がつかめた。 最後に来た七年前、あの時も俺は名雪と商店街に来て、 寒いのに文句言って、それから―― 「うぐう、そこの人〜!」 そう、それから―― 祐一の考えはそこで中断された。 「そこの人、どいて〜〜!!」 一人の少女が祐一にぶつかってきたのである。 ドシーーン!! 少女のそのタックルにも似た動きに祐一は全く反応できなかった。 その後ろにいたのび太にもその被害は及ぶ。 結局三人は重なるようにして転んだ。
「うぐう〜。ひどいよ、どいてっていったのに〜」 「悪い悪い、あまりにも高速で避けられなかった」 「僕そんなに早く走ってないもん!!」 少女は鼻をぶつけたらしく鼻の頭を擦っていた。 「そ、そんなことより降りてよ〜!!」 「えっ、あっ、ゴメンね!!」 のび太の声を聞き、少女はあわててのび太から降りた。 そして、何かに気付いたようにはっと後ろを振り返る。 「あっ!そんなことより話は後!!」 「えっ!?」 「おい、ちょっと待てよ!!」 そしてのび太と祐一の腕を掴み慌てて商店街を走り抜ける。 商店街の人ごみの中を右へ左へ。 暫く走りひとつのコンビニの前まで来て止まった。 少女はコンビニの中に入り手招きする。 どうやら来いということらしい。 のび太と祐一はお互い顔を見合わせながらもとりあえずコンビニに入った。
コンビニの中で少女は雑誌を立ち読みするフリをしながら外の様子を伺う。 「一体どうしたんだ?」 「追われてるんだよ……」 暫くすると一人の中年がこちらに向かって走ってきた。 いかにも人のよさそうな感じで、悪い人には見えない。 ただ一つだけ変わっている点を挙げるとしたら、エプロンを付けている点であろう。 「俺には人のよさそうな親父にしか見えないが……」 「僕も……」 「人を見かけで判断しちゃ駄目だよ!」 その中年は暫くここら辺をきょろきょろ見回していたが諦めたのだろう、元来た道を戻っていった。 「これでもう大丈夫だよね……」 少女が安堵の声を洩らす。 「でもなんであの人エプロン付けてたの?」 「それはきっと鯛焼き屋さんだからだよ」 ・ ・ ・ ・ ・
「どうして鯛焼き屋がおまえのことを追いかけていたんだ?」 「えっ?」 祐一の至極当然な問いに少女は口ごもる。 そして言い辛そうに俯いた。 「えっと……。鯛焼きを買って受け取ったまではよかったんだけど……。お財布を忘れちゃったことに気付いて……」 ポツリポツリとしゃべりだす。しかし話の雲行きがなんだか怪しい。 「そのまま走ってきちゃったんだよ〜!!」 最後のほうを勢いに任せて告白する少女。 「……ちょっと待て、それはおまえが一方的に悪いんじゃないのか?」 「うぐぅ……。仕方なかったんだよぉ〜」 「どう仕方なかったんだ?」 祐一はさらに深く追求する。 「話すととっても長くなるんだけど……。実は……とってもお腹が空いていたんだよ」 「それで?」 「それだけ」 全然長くなかった。 「やっぱりおまえが悪いんじゃないか!この悪人!偽善者!柏木千づ(ry」 最後の言葉が気になるが、祐一は少女に言葉の集中砲火を加える。 少女は少女で泣きそうになっていた。
このときのび太はあることを思い出した。 『ベルデカはとっても人気なんだよ!三日のうちにすぐ売り切れちゃうよ〜!!』 『そうだ!勝手に前借りして三日後に返しておけばいいんだ!』 それはかつての思い出。 この街に来る以前、ススキが原での話。 一冊のマンガ欲しさにママの財布を失敬しようとした自分と鯛焼き屋から鯛焼きを失敬した少女。 とても他人事とは思えなかった。 「ねえ、鯛焼きを君が盗んだってことは鯛焼き屋さんはお金を損しちゃったってことだよ。 一生懸命作って、一生懸命売ってやっと手に入るお金を損しちゃったてことなんだよ」 とても他人事とは思えなかったから……のび太は言った。 自分が以前マンガを盗みかけたときに思ったことを。
「……でも、後でお金払うつもりだったもん!!」 のび太の言いたいことは理解しているのだろう。 少女は一応反省はしているようだ。言い訳は欠かさなかったが。 それから少女は手に持っている紙袋を漁り鯛焼きを取り出すと、 「食べる?」 とのび太と祐一に鯛焼きを差し出した。 「うん!」 遠慮なく鯛焼きを一匹受け取るのび太。 「おいおい、それは盗品なんだろ?」 祐一が止めに入るも全く聞いていない。 「やっぱり鯛焼きは焼き立てだよね」 「そうだよねえ」 「…もう勝手にしてくれ」 二人は幸せそうに鯛焼きをほおばっていた。
「あ、そうだ……。僕は月宮あゆだよ」 陽が西に傾き、夕日が頬を赤く照らす中少女は言った。 「僕のび太。野比のび太」 「俺は相沢祐一だ」 「えっ、祐一君……?」 「ん、どうした?」 「ううん。なんでもない。それじゃ、またねのび太君、祐一君!!」 あゆはそう言うと、商店街の人ごみの奥に消えていった。 その場に残されるのび太と祐一。 「なんか不思議な子だったね」 「ああ、そうだったな」 「ところで……何か忘れてない祐一さん?」 「…………………………あ!!名雪!!」 二人は走って商店街の入り口へ戻る。 しかし、 「……うそつき」 名雪が拗ねていた。
>>220-226 乙です。
ただ、各キャラの一人称はきちんと原作に準拠した方が良いと思う。
なんつーか、あゆは「ボク」でのび太は「ぼく」だと。
それだけでも印象が大分違う気がする。
228 :
名無しさんだよもん :03/08/01 20:41 ID:AFmXF6tU
229 :
名無しさんだよもん :03/08/02 08:11 ID:wrKbrSqw
232 :
名無しさんだよもん :03/08/05 02:15 ID:RrnjB/FD
____ /∵∴∵∴\ /∵∴∵∴∵∴\ /∵∴∴,(・)(・)∴| |∵∵/ ○ \| |∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |∵ | __|__ | < うるせー馬鹿! \| \_/ / \_____ \____/
233 :
前スレ836 :03/08/05 10:35 ID:dcZIrFnY
>>227 ありがとう、今後の参考にさせてもらいます…。
あと、分かっていると思うけれど232は自分ではない。
あ、ごめん。ageてしまった。
235 :
名無しさんだよもん :03/08/05 10:56 ID:YRcFckCq
★新作をどこよりも早く更新/無修正DVD販売★
初々しい女の子や、(゚Д゚;三;゚Д゚) 痴女のお姉さんがいっぱい!!
http://adult.csx.jp/~kouryakuero ☆安心後払いの迅速発送でお届け致します☆
ロリ/お姉さん/熟女/洋モノ何でもあるよ(*´∀`*)ハァハァ
もちろんあの娘も━━━━ヾ(。Д゚)ノ゙━━━━!!!!!!!
★新作をどこよりも早く更新/無修正DVD販売★
初々しい女の子や、(゚Д゚;三;゚Д゚) 痴女のお姉さんがいっぱい!!
http://adult.csx.jp/~kouryakuero ☆安心後払いの迅速発送でお届け致します☆
ロリ/お姉さん/熟女/洋モノ何でもあるよ(*´∀`*)ハァハァ
もちろんあの娘も━━━━ヾ(。Д゚)ノ゙━━━━!!!!!!
★新作をどこよりも早く更新/無修正DVD販売★
初々しい女の子や、(゚Д゚;三;゚Д゚) 痴女のお姉さんがいっぱい!!
http://adult.csx.jp/~kouryakuero ☆安心後払いの迅速発送でお届け致します☆
ロリ/お姉さん/熟女/洋モノ何でもあるよ(*´∀`*)ハァハァ
もちろんあの娘も━━━━ヾ(。Д゚)ノ゙━━━━!!!
239 :
名無しさんだよもん :03/08/06 06:33 ID:pF8E7peT
240 :
名無しさんだよもん :03/08/06 15:44 ID:jrIuvPz4
241 :
名無しさんだよもん :03/08/07 02:31 ID:e1lHPylI
242 :
名無しさんだよもん :03/08/07 09:05 ID:gSsV7zv7
うーん,広告ばかり…あぼ〜んされてるからよくわかんないけど. 職人さん降臨キボンヌsage
「スネ夫君、あなたはどうしてここにいるのかしら?」 「え?」 屋上で自己紹介を済ませたスネ夫。 雪見の問いは至極当然なものであった。 今の時間普通小学生でも授業中。ついでにここは高校の屋上だ。 「えっとそれは……」 「……まあ、どうだっていいけど」 雪見のその言葉を聞き少しほっとする。 「とりあえず、もうお昼だし二人とも学食でも食べない?」 その言葉にスネ夫と浩平はお互い顔を見合わせ頷いた。 「決まりね。じゃ行きましょ」 「雪ちゃん私を数に入れてないよ……」
「ところで雪見さんは何でみさきさんを追いかけてたの?」 学食のうどんをすすりながらスネ夫が聞く。 「えっ?それは……、まあどうだっていいでしょ」 言える訳もない。 「うとうとしているうちに顔に落書きされたからその落とし前に」などと。 スネ夫たちは暫く食堂で雑談していた。 もう食事も終わった頃雪見はきりだした。 「私はこれからみさきと仕事があるからもう失礼するわね」 「そうですか。じゃあ、これで」 「ええ。じゃあ、またね。ほらっ、とっとと行くわよみさき!」 「うう〜。雪ちゃん引っ張らないでよ〜」 「さてと、俺ももうすぐ授業だからそろそろ行くかな」 続いて浩平も立ち上がる。 「スネ夫、おまえはどうするんだ?」 「う〜ん、とりあえず帰ってみるよ」 「そうか。じゃあ、またな」
「あの、落としましたよ」 帰宅途中の祐一は一人の少女に呼び止められた。 少女の手には祐一の財布。 「あ、どうもありがとう」 「いえいえ」 「そうだ、お礼をしないとな。俺は相沢祐一、君は?」 「観月マナです」 「マナね、いい名前だな」 「別にそんなことはありませんよ」 見た目から察するにマナは中学生ほどだろう。 それにしては非常に礼儀正しいいい娘だ。 祐一は内心そう思っていた。 これがマナに伝わっていたら蹴りを食らっていただろう。 祐一はマナから財布を受け取ろうとする。 そのときだった。 「うぐう〜〜っ、どいてどいて〜〜!!」 のび太の最萌えキャラが向かってきたのは。
「おい、ちょっと待て!箸を持つほうに避けろ!」 とっさに祐一がそう叫ぶ。 そうすればお互い右に避けて正面衝突ということにならなくてすむ。 昨日も二人はぶつかっており、もうぶつかるのは御免だった。 祐一が右に体を捌く。 それと同時にあゆが体をあゆから見て左に捻る。…左? ドッシーン!! 祐一が疑問に思う前に二人はまたもや正面衝突した。 「いてて…。箸を持つほうにって言ったろ…」 「うぐぅ…。ボク、左利き…」 しまった。それは失念だった。 「大丈夫ですか?」 側で見ていたマナが二人に声を掛ける。 「え、ああ…。一応は」 起き上がりながら祐一は答える。
「ところであゆ、何で今日は走っていたんだ?」 「えっ?それは…、その…」 不意に目線を逸らすあゆ。明らかに怪しい。 「こらーっ、待てーっ!!」 「わわっ、来たあっ!!は、早く逃げるよ!」 ちょうどよく後ろから追いかけてくるタイヤキ屋の親父。 それが全ての答えだった。 「またか!?またなのか!?」 あゆに手を引かれ一緒に逃げる祐一。 「あ、ちょっと、お財布!!」 財布を渡すためにあわてて二人を追いかけるマナ。
「はあっ、はあっ、ここまで来れば大丈夫だよね…」 「で、一体これはどういう訳?」 並木道に入ったところで一息つく三人。 マナはあゆをじろりと睨んだ。 「え、あの…その…」 「こいつがタイヤキを食い逃げしたんだ」 代わりに祐一が答える。 「ち、違うもん!後でお金は払うもん!!」 「その場で払わなかったら普通は犯罪だ」 「う、うぐぅ…」 ただ理由を聞いただけで漫才(?)を始める二人。 マナはそれに呆れためいきをついた。 「それにしても、ずいぶん変なところにきちゃったわね」 「でも、ここならきっとタイヤキ屋さんも来ないよ」 そういいながら紙袋に手を入れるあゆ。 「早速盗品の確認か?」 祐一が茶化す。 あゆは少し起こった風に 「うぐぅ、いつかまとめてお金払うよ」 と言った。
250 :
名無しさんだよもん :03/08/07 17:25 ID:4P78Mrdq
「さて、そろそろ帰らないと日が暮れるな」 「そうね」 「とりあえず、商店街に戻るか」 「ところで商店街までの道分かるの?」 しばし流れる沈黙。 「マナかあゆが帰り道知ってるんじゃないのか?」 「ボク知らないよ、こんな場所始めてきたもん」 「私も知らないわよ。あなたたちを追いかけるだけで精一杯だったもの」 また沈黙が流れる。 「もしかして、祐一君も知らないの?」 「あのなあ、地元の人間が知らないものを一昨日引っ越してきた人間に分かるわけないだろ」 「えっ、引っ越してきたって…」 ここら辺からあゆの表情が険しくなる。 「ああ、昔ちょっとだけ住んでたんだけどな」 「…七年前?」 「ああそうだが…って何でそんなことおまえが知ってるんだ?」 「もしかして…相沢祐一君?」 「ああそうだが…」 祐一が答える。
「そっか…」 あゆが呟く。 心なしか肩が震えていた。 「帰ってきて…くれたんだね…。ボクとの約束、守ってくれたんだね…」 祐一の頭に不意に過ぎった光景。 雪。 商店街。 泣いている女の子。 タイヤキ…。 「あゆって…、あのあゆか?」 「うん、久しぶりだねっ!お帰り、祐一君!!」 あゆは両手を広げ祐一に駆け寄ろうとする。 祐一は思わずよけてしまった。 べちっ!! 鈍い音がする。 あゆがちょうど背後の木にぶつかったのだ。
「おいあゆ、今のはひょっとして俺が全面的に悪い…かもしれない」 祐一が倒れたあゆに声を掛ける。 返事がない。 「おーい、生きてるか?」 「すっごくいたかったよぉっ!!」 やっと起き上がった。 あゆは目に涙を浮かべている。 「あんたって極悪ね」 祐一はマナにまで非難の視線を浴びせられる。 「いや、つい条件反射で…」 「それなら商店街でもちゃんとよけてよっ!!」 言い訳をするも全く効果がなかった。 そのときだった。 「きゃっ…」 あゆがぶつかった木のちょうど後ろ側から小さな悲鳴が聞こえてきた。
「おい、大丈夫か?」 木の後ろ側には一人の少女がいた。 沢山の荷物は雪の上に散らばり呆然としている。 「え、はい…」 「どうやら雪が落ちてきたようだな。立てるか?」 祐一は少女に手を差し出す。 「だ、大丈夫です…」 少女は気恥ずかしさか戸惑っているのか、祐一の手を拒むように起き上がった。 そしてずれたストールを直す。 「えっと、拾うの手伝ってあげるよ」 あゆが散らばった荷物を拾おうとする。 しかし少女は、 「触らないで!」 と大きな声を張り上げた。 それからはっとした表情になり、 「あ、すいません…。自分で拾いますから」 とだけ言った。
「それにしてもずいぶん買ったわね」 荷物を拾い終わった少女にマナは言った。 「はい。私あまり外に出ないので時々こうしてまとめ買いするんです」 少女は微笑む。 「ところで…君は何年生?」 あゆが少女に聞いた。 祐一の見る限り、この少女は自分の一つか二つ下ぐらいだった。 「えっと…一年です」 やっぱり…。 祐一は心の中でそう呟いた。 「ということは、俺の一つ下だな」 「ということは、ボクの一つ下だね」 「ということは、私の二つ下ね」 三人の声が見事にはもった。 「えぇっ!?あゆが俺と同い年でマナが俺より一つ年上だったのか!?」 「そうだよっ」 「そうだけど」 「お、俺はてっきり…」 もっともっと下の学校かと思っていた。二人とも。 とは口が裂けてもいえなかった。
「てっきり…何かな?」 「一体何よ?」 二人は笑顔で祐一に訊き返す。 ちなみに声は全然笑っていない。ていうか怖い。 「いや、なんでもない…」 祐一はそう答えておいた。 正直に答えれば自分の命の炎が消えてしまう気がしたからだ。 「そろそろ日が暮れますね」 少女がポツリと呟く。 「そうだな、早く帰らないとな…」 「では、私はこれで…」 少女は祐一達に会釈をし並木道に姿を消していく―― 「ちょっと待って!!」 前にマナに呼び止められた。 「どうしました?」 「あの…いい辛いんだけれど…、商店街はどの方向?」
258 :
名無しさんだよもん :03/08/08 03:25 ID:fPrQJ8sW
259 :
名無しさんだよもん :03/08/08 12:42 ID:bz8eipeU
260 :
名無しさんだよもん :03/08/08 15:54 ID:qOetU0iM
261 :
名無しさんだよもん :03/08/08 19:15 ID:qOetU0iM
書いてて思ったが「葉鍵の国」は登場キャラを制限したほうがいいんじゃないか? ここの住人が選んだキャラだけで話を進めるとかして…。 つーかそうしないと収拾がつかない。
263 :
名無しさんだよもん :03/08/08 21:39 ID:8A0NVF1Q
264 :
名無しさんだよもん :03/08/09 00:23 ID:a19uBsGw
>>262 決める時点で収集がつかなくなるので結局変わらない罠
266 :
名無しさんだよもん :03/08/09 07:56 ID:6uxhmkqC
267 :
名無しさんだよもん :03/08/09 11:31 ID:v5RK4Jhb
268 :
名無しさんだよもん :03/08/09 16:15 ID:v5RK4Jhb
「一体何がいけなかったんだ…。納豆を入れ忘れたからか?」 ジャイアンは一人道を歩いていた。 先程まで柏木家で料理を作っていたのだが、耕一が再起不能になったために帰されたのである。 「変なところに出ちまったな…」 辺りを見回す。 水瀬家ではなく、どこか寂れた感じの公園。 だが、自分はここを見たことがある。それも何度もだ。 一体何処だったっけ…。 考えてみるも、なかなか思い出せない。 確か、何かのゲームの場所だったはずだが… 「…あれ?」 先程まで気付かなかったが、公園には人影があった。 普段ならそんなこと気にせずにスルーしてしまうが、 その人が何か悲しげな雰囲気を醸し出していて気になった。 ジャイアンはその人影に悟られぬよう近づいた。
そしてジャイアンは理解した。 ここはKanonで美坂栞が好きだった公園だということを。 その人影の正体が美坂栞だったからだ。 だが様子が変だった。 何か思いつめたような表情をしていた。 栞は不意に手提げ袋からカッターを取り出した。 もちろん今カッターで切るべきようなものがあるはずもない。 「あっ…!!」 ジャイアンは息を呑む。 栞は刃を手首に当てていた。 そしてポツリポツリ言葉を紡ぎだした。 「ごめんなさい…、お母さん…お姉ちゃん…」 「待て!!」 気付けばジャイアンは飛び出していた。 栞に向かって一直線に。 「えっ!?」 驚いたのは栞のほうだった。 だがジャイアンは栞が驚いていること、病弱なことなど頭にいれず、 「きゃっ!!」 ただ栞を体当たりの要領で地面に組み伏せていた。
「あはは…、見つかっちゃいましたね」 栞は笑ってそういった。 ただ、その笑いが何処となく悲しげで。 「助けてくださってありがとう…というべきなんでしょうか?」 「何で…自殺なんかしようとしたんだ」 彼女は人差し指を下唇に当てる。 「何で…でしょうね。ただ、生きるのがいやになった…じゃ駄目ですか?」 どこかふざけた感じ。 だが、ふざけているとはとり難かった。 先程の行為があったということもあったが、 どこか彼女が無理をして笑っているようなそんな印象を受けたからだ。 栞は急に悲しげな表情になった。 先程、カッターを手首に当てていたあのときの表情だ。 「あなたは…もし自分がもうすぐ死ぬということになったらどうします?」 「え?」 「私だったら…、家族に苦労をかけないで死にたいですね。 残された時間家族が悲しむ姿をベッドから見上げるより、いっそ自分で逝っちゃいます」 例え話ですけどね…と彼女はまた微笑んで付け加えた。 いや違う、たとえ話ではない。 ジャイアンにはそれが分かっていた。プレイしたから。
「何言ってるんだ!」 ジャイアンは怒鳴る。 「だから…、例え話ですよ?」 例の少しふざけたような調子で栞が流す。 今は明るい調子でこちらの話を流している。 だが一人になれば……。 頭の中によぎるそんな考えを否定するべくジャイアンはブルブルと首を振った。 いけない。栞ならやりかねない。 ゲームでは思いとどまってくれるが、この世界ではそうも行かないかもしれない。 何とか思いとどまらせるには……。 そうだ! ジャイアンに名案が浮かぶ。 「そういえば、そのストールは?」 「え、これですか?大切な贈り物です」 そう、これだ。 栞が香里から貰ったストール。 これを……。 ジャイアンはふうん……と頷いたその瞬間、 「それっ!!」 「きゃっ!」 栞からストールを奪い取った。
「な、何するんですか!?返してください!」 「へっへっへ。おまえのものは俺のもの。俺のものも俺のもの。文句あるかよ!?」 「大有りです。そんなこという人嫌いです」 予想通り栞は文句を言ってきた。 「返してほしいのか?」 「当たり前です。大切な贈り物なんですよ!」 「でもなあ〜。これから死のうとする奴に使われるよりも俺に使われたほうがストールも喜ぶだろうしなあ〜」 「私だってそのストールがないままじゃ死んでも死にきれません」 その言葉を待っていましたといわんばかりにジャイアンが矢継ぎ早に次の言葉を口にする。 「俺は明日朝から近くの高校に遊びに行くんだ」 「え?」 「このストールをそこに持っていくと奪い返されちまうかもな」 ジャイアンがわざとらしく喋る。 栞はジャイアンの言いたい事に気付いたようだ。 驚いた表情になる。 「でも明日は寒いだろうからもっていくしかないな」
生きる目的。 栞にはそれがない。 自分はこんなことしか出来ないけど。 ストールを取り上げて、それを取り返させるぐらいの目的しか作ってやれないけど。 けど……。 「今日持って行かれちゃったら、明日取り返すしかないですね」 「望むところだ。いつでもかかって来い!」 栞には、精一杯生きてほしい。 最後まで懸命に生きてほしい。 ジャイアンはそれだけ言って栞に背を向け歩き出した。 栞はまだ公園に佇んでいる。叱られるまで佇んでいるかもしれない。 ただ先程とは打って変わって生きる希望が湧いているようであった。 ジャイアンの栞に精一杯生きてほしいという想いは確かに栞に伝わった。 その想いに、栞はどう答えるのだろうか。 半分沈みかけた陽は変わらず二人に赤い灯を照らしている。 それは正にこれからの二人を象徴しているかのようだった。
275 :
名無しさんだよもん :03/08/10 15:30 ID:U8MPjaPy
276 :
名無しさんだよもん :03/08/10 18:12 ID:VHejjocW
277 :
名無しさんだよもん :03/08/10 22:59 ID:VHejjocW
278 :
名無しさんだよもん :03/08/11 03:51 ID:2MIKjhrg
279 :
名無しさんだよもん :03/08/11 07:51 ID:bhmNB1yT
今更だが、ドラえもんのメンツは小学5年生で 葉鍵系キャラは高校生〜社会人付近なんだよなぁ
281 :
名無しさんだよもん :03/08/11 19:50 ID:KV0XfU6G
282 :
名無しさんだよもん :03/08/12 00:43 ID:LhzP6djH
283 :
名無しさんだよもん :03/08/12 05:31 ID:LhzP6djH
285 :
名無しさんだよもん :03/08/12 08:21 ID:+ig69s6j
286 :
名無しさんだよもん :03/08/12 18:08 ID:UnTe3Hpz
「あっ、祐一さん」 「ん?のび太と静香か」 道端で三人は出会う。 「今帰りですか?」 「ああそうだけど、おまえらもか?」 「はい。じゃあせっかくだしご一緒しましょう」 「ああ、そうするか」 「のび太くーん!!」 「あっ、ドラえもん」 祐一に出くわしてから数分もしないうちにドラえもんがやってきた。 「ドラえもんも今帰り?」 「うん。まあね」 表情から察するにドラえもんはご機嫌のようだ。 それも歌手である森川由綺にあったからなのかもしれない。 ドラえもんは今日会うまで全く知らなかったが。
「おーい、皆ーっ!!」 「あ、スネ夫……」 ちょうどよく向こうからスネ夫も現れる。 結局ジャイアン以外の四人が揃った。 ちょうどその時、 「やっと見つけた……」 「え?」 「あんただけは許さないんだから!!」 「な、何だ!?」 一人の少女が祐一に飛び掛ってきた。 「覚悟!」 少女は祐一にパンチを仕掛ける。 しかしそのスピードは非常に遅かった。
「……へ?」 あまりの遅さに面食らった祐一だが、気を取り直しサッとよけた。 これは全体重をかけた懇親の一撃だったらしい。 それを避けられた事により少女はバランスを崩して、 「あ、あぅーっ!!」 という呻き声と共に地面にうつ伏せに倒れた。 「……ドラえもん、この人って」 「うん、多分真琴だよね」 真琴はふらふらと起き上がる。 「な、なかなかやるわね……」 「いや、おまえが勝手に転んだんだろ」 「五月蝿い!あんたなんかギャフンと言わせてやるんだから!」 「ギャフン。ほら言ったぞ、これで満足か?」 「五月蝿い五月蝿い!!」 真琴は祐一に再び殴りかかった。 祐一は再びその身をかわす。
真琴は数々の攻撃を祐一に加えようとするもことごとく外す。 真琴は既に肩で息をしていた。 対する祐一は余裕の表情で真琴を見下ろしている。 「な、何で……当たらないのよう……」 「そう言われてもなあ」 「あ……あんたなんか……お腹へってなければ……一発で……」 バタリ そのまま真琴は倒れた。 「えっ、あっ、おい!どうしたんだ!?」 祐一が声を掛けるも真琴は無反応である。 そんな状態を周囲が見落とすはずがなく続々と人だかりが出来てきた。 その沢山の瞳は侮蔑に満ちている。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、今のは俺がどう見ても被害者……」 祐一はのび太たちのほうを振り返る。 「祐一さん、相手は女の子よ?」 「この状況じゃどう見ても祐一さんが悪人だよ」 「そうだそうだ!祐一さんが悪い!」 「言ってやろ言ってやろ、おまわりさんにつかまって死刑になるぞ」 四人はそれぞれの言葉を返した。 「わ、分かった分かった!!」 祐一は真琴を担ぎ上げた。 そして商店街を一刻も早く退散することにした。
『チーン!病名・タンナル気絶。原因・寒サト腹ペコデ疲レタカラ。 栄養ドリンクヲ飲マセ体ヲ温メルコト』 おいしゃさんかばんはそのような答えをはじき出した。 あの後祐一達はとりあえず真琴を水瀬家へと連れてきたのである。 「これでもう大丈夫」 秋子が真琴にそっと毛布をかぶせる。 「しかし一体こいつはなんなんだ?」 「目が覚めてから聞けばいいことじゃない」 そう名雪に言われるも、祐一は首を傾げる。 「祐一さん、この子に何かしたんじゃないんですか?」 「そんな覚えがないから悩んでるんですよ」 そのときちょうど居間のドアが開いた。 「オース!!ただいまみんな!!」 ジャイアンが帰ってきたのである。 「あ、ジャイアンお帰り。どうしたのそのストール?」 「…ちょっとな」 ジャイアンはにやっと笑っただけで何も言わなかった。
「あれ……?おかしいなあ…」 「どうしたののび太君?」 先日ドラえもんに手渡された腕時計をいじりながらのび太は答えた。 「これをいじってたんだけど、とにかくここを見てよ」 のび太はドラえもんに腕時計を見せる。 ドラえもんが見てみると、 砧夕霧……削除済み と書かれていた。 「ここは昼間蝉丸さんがいっていたことを考えれば分かるけれど問題は他の部分なんだ」 そういいながらのび太は腕時計をさらにいじる。 「キャラクターのプロフィールが出てこないんだ。御堂ってどんな奴なのか調べようと思ったんだけど……」 「うーん……。故障したのかなあ……?」 いくら考えても二人には分からなかった。 それから夜中に真琴が大声を上げたりといろいろあったが、ついに今日が終わった。 最後の日常となる、今日が………………。
ここでCM……じゃなくて本日終了。 しかし、今回で葉鍵の国の書き溜めていた分がなくなってしまった…。 選択スレに現をぬかした報いか? つーワケで次回からは暫く雪の降る街。 だけどペースが少し遅れるかも
観鈴ちん命日記念。 本当の作者さん、本編待ってます。
なんか失敗したので改めて。 観鈴ちん命日記念。 本当の作者さん、本編待ってます。 それまでしこしことプロットと内容を考えます。
「のび太と星の記憶の伝承者 アナザー」 日常の中、束の間の夏を楽しむ日々。 強烈な光とともにあるのは、酷薄な亀裂。 「ドラえもんと往人さんが…消えた?」 「そんな…引き出しにタイムマシンがない…」 「翼人に関する過去情報は最高機密だ。それに触れることは死を意味する」 驚愕とともに、倒れ伏す観鈴。 絶望の中、いつまでも影のようによりそう一人の少年。 「わたしから離れて」 「離れないよ」 「あなたが…嫌いなの。そばに近づかないでほしい」 「観鈴さんに何があっても、ぼくは観鈴さんのことを嫌いにならない。そういったよ」 むなしく病み衰えていく二人。 ドラえもんも、道具も、のび太さえもいない中、残されたものは足掻く。 「母ちゃんっていうのは、子どもが悪いことをしたら、ぶっとばすもんだ! それもできなくなっちゃったのかよ!」 「晴子さん、聞いて。わたしに考えがあるの」 ドラえもんと往人は帰ってくることができるのか。 しずかの秘策は、晴子の祈りは二人に届くのか。 「机上の空論だよ!たとえ可能だとしても、耐えられるわけない!1000年なんだよ!」 「そうか。そら豪勢だな。残念だが、一人じゃ食べ切れそうにない。二人ならともかくな」 夏の果てを目指して。 歩んでいく二人と二人の行く先に、どうか、幸せな明日を。 最後には、どうか、幸せな記憶を。
リソースが足りずに新しい道具が出せなくなるドラえもんなんてどうだろう。
保守 のび太と鉄人兵団だと、見事に親殺しのパラドックスをしてるけどいいのかなぁ。
300 :
名無しさんだよもん :03/08/17 18:52 ID:KgYsbjfX
どらもエアももはや化石だよ
301 :
名無しさんだよもん :03/08/17 23:31 ID:GHxLL7Oo
302 :
名無しさんだよもん :03/08/18 20:11 ID:kJ3cYMi/
大長編しばらく見てないんだけどドラエモン達って人殺しとかしてるの?
304 :
名無しさんだよもん :03/08/19 15:24 ID:04yV+pte
305 :
名無しさんだよもん :03/08/19 15:56 ID:GaJyDjyu
【素人顔見せ】【尿道&肛門丸見え!】【トイレ盗撮アリ!】【10人分!】
http://www.omorashi.net/shop/ なんと10人分のおしっこ、盗撮、おもらしシーンを豪華に120分収録!!
女のコ全員が顔見せで恥ずかしすぎる排泄シーンを無修正でトコトンじっくり
お見せします!女子大生から、元レースクイーン、美人若奥さんまですごい!
>>306 別にどちらでもいいですよ
読めさえすればいいので
えっと、それじゃここに書き込むのは控えておきます。 ・・・さっき「おせじ口べに」のミスに気が付いて、慌てて修正・・・ 今後もこういうことが続きそうですし
雑記も楽しくみていますが、大きく話が進んだ場合 ここに宣伝カキコとかするぐらいでいいのでは?
星の記憶の伝承者さんおかえりー。 続きみましたけど、かなり変更されていますね。 でも相変わらずのクオリティですばらしい! このままがんばって続けてくださいー。 それとカキコのことですが私も、309さんの意見と同じです。 宣伝カキコくらいでいいんじゃないでしょうか。 では、これからも応援してますよー。
夢。 夢を見ている。 悲しい夢。 失くし物を探す夢。 でも、本当は何も失くしてないのに。
よくは覚えていないけど、探しているものは押入れの中にあると分かっているのに。 関係ないところばかり探して見つからない。 そんな夢。 それはまるで…………
のび太の顔に朝日が差し込み、その眩しさでのび太は目を覚ました。 「う、う〜ん……」 この街に訪れてからもう三日目。 いい加減寒さにもなれてきた。でも寒いことに変わりはないが。 一階に降りてみる。 すると秋子さんが一人コーヒーを飲んでいた。 「あら、おはようございますのび太さん」 「おはようございます秋子さん、祐一さんと名雪さんは?」 「学校に行ったわよ。今日は始業式だから」 始業式。 そういえば自分もここに来なければ今日が始業式だった。 いつもどおり朝寝坊して、 いつもどおり廊下に立たされて、 いつもどおりそれから体育館で始業式を始めて、 いつもどおり静香、ジャイアン、スネ夫たちと帰る。 そんな一日が始まるはずだった。 でももうそんな日常には戻れない。 自分はこの北の街に『遭難』してしまったのだから。
「のび太さん、退屈しているのなら散歩にでも行ってきたらどうかしら?」 昼食の後、秋子が言った。 のび太は確かに午前中退屈していた。 暇なのでだらだらとテレビを見たり、祐一の部屋の漫画を読んだりして過ごしていた。 「うん、そうしてみます」 とくに断る理由もなかったのび太は、その秋子の提案をあっさりと受け入れた。 そして玄関のドアを開ける。 ドアを開けた途端、寒い北風が急に玄関に入り込んだ。 「やっぱり外は寒いなあ……」 のび太は思わず身震いする。 「あらあら、そんな格好で外に出ると風邪ひきますよ?」 秋子はのび太の背中にコートを着せる。 そのコートは今まで女性二人だけが住んでいた家に似つかわしくない、 のび太ほどの年齢の男の子が着るようなコートであった。 「わあ……、ありがとうございます秋子さん」 「いえいえ。じゃあ、気をつけてくださいね」 秋子に見送られ、のび太はとりあえず商店街に行ってみることにした。
「確か昨日はここら辺であゆちゃんっていう子に出会って……」 のび太は商店街の入り口まで来た。 昨日あゆがのび太と祐一を巻き込んで転んだ場所である。 「とりあえず本屋にでも入ろう。見たい漫画あったから……」 そういいながら本屋を探してみる。 「う〜ん……。こっちかな……?」 そうやって本屋を探し回っていたときのことだった。 足元にムギュッという軟らかい衝撃。 「あれ……何か踏んだかな……?」 のび太は足元を見てみた。 のび太が踏んだらしい「それ」は黒い毛むくじゃらな尻尾。 「ウ〜〜〜〜」 そしてなぜか睨む大きな黒い犬。 そこでのび太は理解した。 自分は犬の尻尾を踏んで犬を怒らせてしまった。 もちろん犬はのび太の予想通り今にも噛み付かんばかりの表情でのび太を睨んでいる。
「あははははは……」 のび太は乾いた笑いを洩らした。 もちろんそれで状況が好転したりはしない。 犬は吠えながらのび太に襲い掛かってきた。 「た、助けてぇーーっ!!」 のび太は一目散に逃げ出した。 商店街を右へ左へ。 途中から何処をどう走ったか覚えていない。 とにかくこの犬から逃げることが先決であった。 「ふう……まいったまいった」 やっとこさ犬を振りきりのび太は一息ついた。 「あれ……?ここ何処……?」 のび太は辺りを見回した。 先程まで逃げるのに必死で気付かなかったが、自分が全く来た事の無い場所に出ていた。 まあ、この街に来て数日ののび太が来た事のある場所といったら商店街ぐらいだが。 今居る場所は並木道。 等間隔に木が植えられ、前を見ても後ろを見ても同じような風景が続いている。 そこでのび太は悟った。自分は道に迷った、と。 元の道を引き返そうにもどちらから来たのか分からないので動きようがない。 頼みの綱のタケコプターも生憎水瀬家に置いてきてしまった。 いまさら後悔してももう遅い。
「う〜ん……どうしよう……」 誰かに道を尋ねるという手もあるが、今の時間帯通行人も殆ど居ない。 ……と思ったら居た、二人。それものび太の知り合いが。 「あ、あの二人は!!」 のび太は出会えた偶然に感謝し、二人――相沢祐一と月宮あゆに近づいていった。 「おい、あゆ……。ところでここは何処だ?」 「え?祐一君が知っているんじゃないの?」 そのとき祐一とあゆもまた逃げていた。 理由は昨日と同じ、あゆが鯛焼きを食い逃げしたからである。 わき目を振らずに逃げて撒いたまではよかったが、二人も知らない並木道に出てしまった。 そしてどちらから来たのか分からなくなってしまったのである。 まあ、ぶっちゃけて言うと二人もまた道に迷っていたのだ。 「こりゃ、誰かに聞くしかないかなあ……」 「祐一さーん、あゆちゃーん!!」 祐一がそう呟いたときに声がした。 祐一が声のした先を見ると、のび太が手を振りながらこちらに向かってくるではないか。 「お、のび太だ!」 「あ、ホントだ!やったね祐一君、これで帰れるよ!!」 偶然だが丁度いい。 事情を話して水瀬家に連れて帰ってもらおう。
三人はお互い近寄り手を繋ぐと、 「助かった!」「助かった!」「助かった!」 と声を揃えて言った。 「……え?」 三人は真実を悟ったのかお互いに顔を見合わせると途端に落胆の表情となった。 「うぐぅ……どっちも迷子だったの!?」 「せっかく帰れると思ったのに……」 「おい、これからどうするんだ?」 そのときだった。 「クスクスクス……」 笑い声が聞こえてきた。
笑っているのはどうやら少女らしかった。 ストールを身にまとった少女。歳は祐一達より少し下だろうか? 「あはは……。すいません、皆さん面白くてつい……」 少女は祐一達に謝った。 どうやら先程までの行動を見られていたらしい。 「まあいいけど、それより商店街はどっちか教えてくれないか? どうやら道に迷ったようなんだ」 チャンスとばかりに祐一が聞いた。 「ふふふ……」 少女は笑いながら指をさす。 まだ笑いが収まっていないようだった。 「ああ、どうもありがとう」 「それじゃ二人とも、帰ろうか」 「そうだな」 「そうだね」 のび太、祐一、あゆの三人はその場に少女を残し商店街へと向かって行った。
ここで本気で葉鍵の国をリレー化させることを考えてみようと思う。
>>132-133 あたりでは自分だけで進めてよいと言ってくださったが、
正直自分は未プレイ作品が多すぎるのでおそらく自分一人じゃ終わらない。
うたわれ作者さんのページが消えてるみたいだけど、 何かあったの?
サーバのアカウントの期限が切れたためだと思われます。 確か移転先があったと思うが・・・。覚えてない。
>>321 で言ったリレー化の件ですが……
ルールなどは後々考えるとしてまず一つ俺が一人で続ける場合にも必要なことを。
【葉鍵の国でドラたちの敵となるウイルスをどうするか】
これについては自分的には三つ選択肢が出ました。
A,葉鍵スタッフを利用する
B,葉鍵の敵キャラ(例・御堂、月島、僧兵など)を利用する
C,93年に発売したドラのRPGの敵キャラを利用する
まあ、これを組み合わせるという選択肢もありますが。
他の皆さんはどう考えます?
A→葉鍵スタッフの内部事情に詳しくないと参加しずらい あと、SSにおいて『キャラクター』という面で弱い。 B→ヒロインならまだしも敵キャラのクロスオーバーは書き手にも読み手にも難しい C→・・・チトわかんね。 いっそのこと実在するウイルスを参考にしてオリジナルの設定でも考えてみては?
それと雪の降る町なんだが 正直言うともうちょっと派手な展開が欲しい。 流れを見ているに原作カノンのストーリーをのび太が見学してるだけに見える。 のび太がストーリーに『参加』しているように進めれば また違ってくるのではないだろうか。
>>326 参考にさせていただきます。
序盤だからといって少しテンポを落としているのはまずかったか……。
いや、関係ないか。確かにあのままでは劣化コピーと化してしまう。
>>325 オリジナルというのはどうも……。
二次創作でオリジナル出すというのはあまり二時創作の意味がないように感じますし……。
ま、とりあえずは暫く保留ですね。
328 :
名無しさんだよもん :03/08/28 23:39 ID:yvliEpdh
俺をとうじょうさせろよ
横田大樹か?
>>324-325 A:萎えるし、スネ夫もユーザーの一人である以上あの世界ではスタッフは実在の人物だから、矛盾する。
B:敵キャラ=ウイルスってやり方は好きじゃない。御堂や月島だって葉鍵キャラなんだからウイルスとは戦って欲しい。
C:シラナイ
てか漏れも、無闇にキャラを増やしたり知識を必要とするなら、オリジナルで適当にウイルスを作ったほうがいいと思う。
別に、単なるでかいマックロクロスケでもいいし、でかい毛虫(ワーム)でもいいし。
>二次創作でオリジナル出すというのはあまり二時創作の意味がないように感じますし……。
作中でのウイルスってのが『葉鍵世界の外からの干渉』なのに、そのウイルスを葉鍵からチョイスするほうが変だとは思わない?
「行ってきます!!」 慌しい声と共に祐一と名雪が水瀬家から出て行った。 また今日も例に漏れずに名雪が寝坊したのである。 「あらあら……ちゃんと間に合うのかしら?」 ちなみにのび太はまだ布団の中だ。 今頃は夢の世界に落ちていることだろう。 結局のび太が起きてきたのはそれから数十分後のことだった。 「……あれ?この財布祐一さんのじゃないかな?」 朝食が終わりゆっくりテレビでも見ようかと思っていたそのとき、 のび太はテーブルの上に一つの財布がおいてあるのを見つけた。 「あら、本当だわ。……祐一さんお昼どうするのかしら。 確かお弁当は作っていなかったはずでしたけどねぇ……」 おそらく忘れていったのだろう。 そのことは二人にも容易に想像できることだった。
「そうだ!ぼくが渡してくるよ!」 「え?いいのかしら?」 「うん、任せてよ!!」 のび太は胸を張る。 お世話になっているだけで何も秋子にしてあげられていないのび太はこういう場面では役に立ちたいと思っていた。 「そうねえ、それじゃお願いしようかしら?学校の場所は分かるかしら?」 「大丈夫。今度は迷わないようにタケコプター使うから」 秋子はタケコプターというものについて分かっていなかったが、 のび太のその自信の前に安心して何も言わなかった。 「それじゃあお願いね。のび太さん」 「うん!行ってきまーす!!」 そしてのび太も水瀬家を出た。
「さーて、学校はどっちだろう」 高度五十メートルほどまで昇ったのび太は辺りを見回した。 ちなみにそこまでしか昇らなかったのはそれ以上昇ると寒くてやっていられないからである。 そして三百六十度辺りを見回す。 商店街。 少しはなれたところに小さな丘。 木が密集した森のような場所。 大きな公園。 そして、北の方に白い建物。 「きっとあれだな。よーし!」 のび太は一気に向かうことにした。 そしてのび太は空から学校の敷地内へと入った。
「……おい相沢」 ところ変わってここは祐一達の教室。 休み時間の今祐一は先程知り合った少年北川潤と雑談をしていた。 「ん?どうした北川」 「俺の目に狂いがなければの話だが、今窓の外に居るのって人だよな?」 そう、北川は偶然にも窓に顔を向けて話していたのでのび太に気付いたのだ。 「おいおい、ここは二階だぜ?人が見えるわけないじゃないか。 一体どんなあしながおじさんだよw」 「いや、そうじゃない。なんか空飛んでるんだ?」 「空を飛ぶ?何考えてるんだ北川。おまえもしかして電波か?」 「疑うなら外を見てみろよ」 「言われなくても……」 そういって後ろを向く祐一。 するときょろきょろと辺りを見回すのび太の姿があった。
「ぶっ……!!」 「ど、どうした相沢!?」 「い、いやなんでもない……」 どうしてここにのび太がいるんだ!? しかも空飛んでるぞ空!つーかあれ竹とんぼじゃないのかよ!? 祐一は心の中で何度も何度もそう叫ぶ。 今のび太に話しかけたらおそらく平穏な学校生活など夢のまた夢だろう。 のび太が地面に降りたときを狙ってそっと話しかけることにしよう。 祐一はそう考えていた。だが……。 「あっ、祐一さんだ。おーい!!」 ご丁寧にのび太にぶんぶん手を振られた。 恥ずかしいことこの上ない。 「相沢、知り合いか?」 「い、一応な……」 ちらりと名雪のほうを見る祐一。 これは「上手くフォローしてくれ」という意味合いだ。 しかし、 「くー」 名雪は寝ていた。 そうこうしている間にのび太は教室の中に入ってきた。
「祐一さん、忘れ物だよ」 そういって財布を祐一に手渡すのび太。 「あ、ああ……サンキュな。それより……」 もう少し気の配ったはいり方をしてくれ。これじゃ俺が変人みたいだ。 そう言おうとしたそのとき、 「ふ〜ん、不思議な道具ね……」 祐一の後ろから不意に声が聞こえた。
「あれ、君は?」 「美坂香里よ。なかなか面白そうな竹とんぼね」 「ぼく野比のび太。これはタケコプターって言うんだ。ドラえもんって言う僕の友達のロボットが出してくれたんだよ これのほかにもドラえもんは奇跡みたいな道具をいっぱい持ってるんだ」 「そう……」 一瞬香里の表情が暗くなった。 何かを思い出しているのだろうか?のび太には分からなかったが。 「本当にそれで空を飛べたんだな」 祐一が話に割って入る。 「祐一さん信じてなかったの!?」 「い、いや。おまえの信用を信じていたぞ」 「なんだかその言い方おかしいよ……」 「ただの誤字だ。気にするな」 「相沢君、それは誤字といわないわ」 「そ、そうか?」
「そろそろ授業だろうし、ぼく帰るよ」 「そうか、気をつけろよ」 「うん。祐一さんや香里さん、北川さんも勉強がんばってね」 「ああ。といっても次の授業は正直寝たいけどな」 のび太はそういって教室を出て行った。 「未来のロボットのドラえもん……」 「美坂、何呟いているんだ?」 「な、何でもないわよ。それより相沢君、そろそろ名雪を起こしてあげたら?」 「そうだな――、名雪そろそろ起きろ!」 「うにゅ…祐一おはよう」 「うにゅじゃない!次の授業は青村の現代国語だぞ!」 「名雪今日読み当てられる日でしょ。早く準備したほうがいいんじゃない?」 「うん……」 「あれ……?」 帰ろうとしたのび太は、中庭に人影があるのに気付いた。 「確か今って授業中だよね……?」 にもかかわらず、その人影は全く動こうとしていない。 のび太は近寄ってみた。 するとその人影の正体が分かった。 そう、のび太はその人影の正体の人物に会ったことがあった。 その正体は紛れもない、昨日助けてもらった少女だったのだ。
「ねえ」 「え……?」 急に呼びかけられ、少女はびっくりして振り向いた。 「あ、昨日の……」 どうやら少女は覚えていてくれたようだ。 「うん。昨日はどうもありがとう。ぼく野比のび太」 「いえ、どういたしまして」 「でも、ここで何してたの?」 「え?人を待っているだけですけど?」 人差し指を口に持っていきながら少女は答えた。 「それより、のび太さんは小学生ですよね?どうしてここへ?」 「ぼくは人の忘れ物を届けに来たんだよ」 「そうですか。でも学校はどうしたんです?」 痛いところをつかれる。 嘘をつくのもよくないし、かといって本当のことを話して信じてもらえるとも思えない。 のび太は結局はぐらかすことにした。
「そ、それを言うならさ、君こそ――」 「君じゃないです。栞、美坂栞です」 「そう、栞ちゃんだって学校行ってないじゃないか」 「え?私はちゃんと行ってますよ」 栞はきょとんとした顔で答える。 「え?でも今こうやってここに……」 「私はこの学校の生徒ですから」 「じゃあ何で授業を受けていないの?」 「それは……」 栞は途端に悲しそうな表情になる。 それを見てのび太は自分の言ったことを後悔した。 結果的に栞を傷つけてしまったのかもしれない。 もしかしたら栞はクラスで虐められている存在だったりするとかで――
「風邪です」 さっきとは打って変わって明るい表情になり栞が言った。 「え?風邪?」 「はい。何かおかしいですか?」 「い、いや、何でも。でもたいしたことなくてよかったよ」 さっきのことを考えて、 「ぼくはてっきり行きたくてもいけないようなことがあったのかと……」 という言葉は付け加えないことにした。 「でも風邪を侮っちゃ駄目だよ。ちゃんと家で寝てないと」 「あはは……そうですよね。じゃあ私はもう少ししたら帰ります」 「うん。それがいいよ。ぼくももう帰るね」 そういってのび太はその場を後にした。 栞が祐一に出会うのはその数十分後の話である。
>>331 言われてみればもっともだ……。
じゃあ適当に作るとして、ウイルスが鯖のモンスターのようになってしまうがよろしいでしょうか?
それと数話後に雪の降る街は選択形式にする予定。
話を一つにまとめるとアニカノの二の舞になりそうですから。
どーでもいいが今日何気なくドラえもん見て ノラミャーコの声優=秋子さんの声優 ということに気付いた。気付いた後はもう笑いの種にしかならなかった。
>>343 >じゃあ適当に作るとして、ウイルスが鯖のモンスターのようになってしまうがよろしいでしょうか?
どうゆう意味?
「のび太の宇宙漂流記」のラスボスが人を悪意の塊にする(性格が一変する?)
「アンゴルモア」とう真っ黒い煙みたいな敵だった。
そんな感じにするのはどうだろう。
>>345 良いかもしれない。
でも自分はねじまき以降の大長編をドラえもんとは認め(ry
まあ、それだけだと話がマンネリ化しそうなのである程度はいろいろ作りますが。
347 :
名無しさんだよもん :03/08/30 12:51 ID:3QPlBi33
ドルンマン スタインがウイルスを送ったのは?
最初から読んでてまだ途中なんだが、ハマった。 自分にもっと画力があれば挿絵とか描くんだが・・・・・如何せん下手くそだからなぁ。
正直、ウイルスの出元とかまで考え出すと逆に萎えそうな気が……。
>>345 なんで鯖とか分かりにくい例を出すかなぁ。
海底鬼岩城のバトルフィッシュ・鉄騎兵みたいな扱いでいいじゃん。
>自分にもっと画力があれば挿絵とか描くんだが・・・・・如何せん下手くそだからなぁ。 これみてふと思ったんだが……もし挿絵を描くとしたら。 1:絵柄はそれぞれの描き手の絵柄で良い 2:藤子キャラは藤子キャラの絵柄、葉鍵キャラはそれぞれの描き手の絵柄で良い 3:全部のキャラを藤子絵で描くべし どれが良い? 別にいたる絵をまねる必要はないだろうが、ドラのキャラはやはり藤子絵じゃないと……って気もするわけだが。
>>349 いや、葉鍵板なんだからそのほうが分かりやすいと思ったんだが…。
>>350 自分的には何でもOKだな。
伝承者の挿絵は全て藤子絵だったけど。
352 :
名無しさんだよもん :03/08/30 22:10 ID:3QPlBi33
ウイルスはオウム信者が送ってきたっていうのは? まじめに答えて
まじめに答えると実団体名入っているとなんだかなあ……。 それよりもギガゾンビやDr.アチモフ、Mr.キャッシュにDr.ストームあたりが送ったほうが無理がないと思う。
なんでスネ夫の家が宗教団体に攻撃されないといけないんだYO! 個人的には、『現実世界から見ればありふれたウイルスだけれど、PC内の住人から見れば深刻なことになる』的にしてほしいな〜。 あくまで漏れの希望なだけだが。
ウイルスの出元ってのはいらないのではないか、と思います。
では私の妄想を。
そもそも「ゲーム入り込み靴」の欠陥が今回の事態を招いているんですよね?
それならばスネオのPCに偶然感染していた「ファイル破壊型」のウイルスが
この「ゲーム入り込み靴」の欠陥によって葉鍵キャラのデータを破壊してしまうウイルスに
変化してしまった、というのはどうでしょう。つまり
スネオのPC内の葉鍵キャラのデータ破損→葉鍵の国で破壊されたデータの該当者消滅
という設定を妄想してみました。ちなみに
>>354 の提案を元にしていたりします。長文失礼。
まあ、ウイルスに感染して操られちゃったキャラとかいてもいいとは思うけど、2.3人以上だと逆にうざくなりそうだなぁ。 個人的には前に出てた、ウイルスの核に寄生されたあゆと、唯一のワクチン所有者ドラえもんの心中ラストがきぼんぬだが。 もちろんその後はお約束の奇跡なわけだが。 で、自分でレスっておいてなんだけど……そういうのは作者さん任せにしといたほうがいいよね。
>>355 の案でいいんじゃないか?
問題は敵(ウイルス)の攻撃方法だな。
怪しげな電波を飛ばして消すとかw
煙状のものが口の中に入り込むとか
358 :
名無しさんだよもん :03/08/31 15:01 ID:CwkTQxIr
マインドコントロールっていう攻撃法はどうだろう。 修行するぞしゅぎょうするぞ
>>357 書き手任せでいいんじゃない?
妙に方法限定すると意外性とかなくなりそうだし
>>350 挿絵描いてみたい、という衝動に駆られて一つ描いてみたものの、自分には「1」しか無理っす。
できるだけ藤子絵で頑張ってはみたんだけど・・・・。
結局自分の絵柄になっちゃうんだよなあ。しかもヘタレだし。(´・ω・`)
葉鍵キャラもまともに描ける自身なんてない・・・・・。_| ̄|○
伝承者の挿絵を描いた方は本当に「神」だと思いました。
>>360 早々にうpしてくれ。
まずはそれからだ。つーかしてください。
・ウイルスはオリジナルで作る ・憑依系で人(葉鍵・ドラキャラ)を悪意の塊にする ・ゲーム入り込み靴の欠陥が偶然スネ夫のPCに感染していたファイル破壊型ウイルスを葉鍵キャラ削除型に変えてしまう ・電波を飛ばして攻撃したり煙状のものが口の中に入り込むようにして憑依したりする。もしくは書き手任せ ・出元は某宗教団体、もしくはかつてドラたちに倒された悪役から。別にこれについては考えなくてもよい
じゃあウイルスについては大体まとまった所で・・・。 問題のシナリオどうするよ・・・? 他のスレのリレーとは形式が違ってくると思う。 一つの方法としては、メインキャラの ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫の5人を それぞれの作品世界へ振り分けるわけだ。 そうなるとまず参加する書き手をはっきりさせなくちゃいけない。 例えば書き手が3人立候補したなら ドラのび、ジャイスネ、しずか(例)の3組の誰か一組を 書き手同士が話し合ってこのうちの一組を選んで書かなくちゃいけない。 もしくはあらかじめグループに分けておいて 適当な作品世界に飛ばして、それを書き手が話を紡いでいくという手もある。 問題は秘密道具の所在で、このスレの住人なら知っていると思うが 「四次元ポケット」にはスペアが存在する。つまりは2つある。 この時仮にグループが3つに分けられると、 一組だけ「四次元ポケット」が存在しない組が出来てしまう。 正直、道具がないドラキャラを異世界で活躍させるのは難しい。 ・・・と言うより存在意義がない。
363からの続き さっきの追記 もしくはあらかじめグループに分けておいて 適当な作品世界に飛ばして、それを書き手が話を紡いでいくという手もある ・・・が、この方法でこの物語が完結を迎えられるかは大いに疑問である。 つまりは書き手がまずこのスレで名乗り上げ、 誰を書きたいか、何処の作品で活躍させたいかを よく話し合わなくちゃいけないわけだ。 『書き手任せ』じゃ確実にこのややこしいSSは失敗に終わると思われる。 取り合えず、私は書き手として参加表明しておく。 挿絵は描く人まかせでいいんじゃないかと・・・w
ドラの映画ってさ、結構『秘密道具使用不可』なパターンは多いよ。 それに、実はドラたちは大したことしてないってパターンも多い。 それを踏まえて。 この場合は、前半の冒険シーン・日常シーンですでに出していた道具以外は、ポケットごとウィルス感染でおじゃんってのはどうだろう。 少なくとも秘密道具の中には、大長編のストーリーを一発で終わらせてしまうようなヤバいものとか多数あるわけだし……。 それに、最後のエピソードがドラ本人の特攻なら、別に最重要道具とかは無いわけだし……。
そうか! ぼくには石頭という、最後の武器があった!!
>>365 >ドラの映画ってさ、結構『秘密道具使用不可』なパターンは多いよ。
>それに、実はドラたちは大したことしてないってパターンも多い。
それだとこの大長編にはひとつ問題がある。
それは『葉鍵の国』にはちゃんと主人公がいるということ。
例えば『ブリキの迷宮』では、異世界のキャラクターがのび太達という仲間を渇望してたわけだが、
元々それぞれの作品は主人公の手によってちゃんと完結される物である為
言い方変えればのび太達はまったくのイレギュラーでその物語には必要ないのである
そうなるとドラえもん達はその主人公に言わせれば「ただの子供」に過ぎず
作品世界に入り込む余地がない。
「のび太とうたわれるもの」のようにのび太達そのものに特権(この場合T・P)を与えるか
なんなりしないと道具未使用という展開は不可能だろう。
あと、
>それに、最後のエピソードがドラ本人の特攻なら、別に最重要道具とかは無いわけだし……。
これは決定事項なのか・・・?
368 :
360 :03/09/01 18:15 ID:uJjHKpZn
>>361 どこか良いあぷろだないですかね。
自分の絵をコソーリうぷできるような・・・・・・。探してはみたもののどこが良いのか・・・・・。(汗
教えて君で申し訳ありません。
>>367 3組、もしくはそれ以上に分けるような状況になったらとして、
全組が四次元ポケットを持っている必要はないのでは?
ドラグループは各人得意な道具(武器)を複数装備する、とか。
例:のび太→ショックガン
原作では空気砲とかヒラリマントとか人数分持ってたりしますし。
持ってなくてもバイバイン等使えば数に関しては問題ないと思います。
最悪バイバイン等で四次元ポケットを(以下略)長文失礼しました。
自分も一応参加表明
ドラえもんたちをグループ分けというのは実際しなくてもいいんじゃないかと思う。
確かに五人を分割は必要だと思うが、いちいち誰が何処のゲームを担当という感じにはしないほうがいいかもしれない。
ドラえもんたちが必要ないといってもそれは普通に本編辿る場合の話、
ウイルスが絡んでいる時点でもはや主人公も何もないと思うし、
言い方が悪くなるがキャラクターが絡みすぎてややこしくなってしまったらウイルスにあぼーんさせるという最終手段もある。
それに個人的には彼ら五人道具なくても十分にやっていけると思う。
でも凶悪な効果の道具以外なら無理に道具を制限しなくても良いと思う。
確かにピンチのときにウルトラストップウオッチや独裁スイッチなどで切り抜けられても萎えるが、
原作でもそういうことはなかったし。あっても結構な確率で失敗してるし。
自分は基本的に
>>368 の意見に賛成。ただしバイバインは困るがw
というか、リレーやるつもりなら書き手やらキャラやら振り分けるのは本末転倒かと。 実際はまあどうしても分担が出てしまうものだが。
とりあえずリレー開始できそうなところまで書いてみました。 シナリオやルールはそれからということで。 自分的には書き手がキャラ振り分けよりある程度自由希望だが。
「おい名雪、このペースで間に合うのか!?」 「えっと…多分大丈夫」 祐一達は朝から走っていた。 理由は至極簡単、昨日水瀬家に来た少女沢渡真琴のためである。 真琴はどうやら記憶喪失らしいのだ。 覚えているのは自分の名前と祐一が憎いということだけ。 そのことについて信じない祐一が小一時間ほど真琴を問い詰めていたらこうなったというわけである。 「そうか……ならいいんだが、何でおまえらもついてきてるんだ?」 祐一は隣を走っていたドラえもんたちに話を振った。 「俺たちも学校に用があるんだよ、ちょっと会いたい奴がいるから」 「会いたい奴って誰だ?」 「それはこのストールに聞いてくれよ」 ジャイアンはにやっと笑った。 そのことについて祐一は何も分からなかった。
「すいません遅れました!!」 祐一は教室のドアを開けた。 既に時間は八時半、どう考えても遅刻である。 名雪は大丈夫といっていたが実際遅刻した。 それは祐一やドラえもんたちと一緒に走っていたためである。 名雪一人ならぎりぎり間に合ったことだろう。 「やっと来たな相沢に水瀬さん」 「これで四人ね」 祐一達の友人である北川と香里が話しかけてくる。 しかし、祐一は妙なことに気付いた。 「おい香里、何でこの教室には俺たち以外誰もいないんだ?」 「私に聞かれても…ねえ北川君」 「おう、俺なんか美坂が来るまで今日は休みなんじゃないかと思ってたぞ」 「なんか変だな……」 そういいながら祐一は席についた。 そして教科書を出しながら担任の到着を待つことにする。 「ほんっとうに誰も来ないな」 「おかしいわね……今日は月曜だから普通に学校あるはずだけれど……」 「職員室に行ってみるか、もし休みだったとしてもあいてるってことは誰かいるだろ」 「そうね、ひとまず職員室に行ってみましょう」
「失礼します……って誰もいない!?」 ドアを開けた北川が言った。 「誰もいないって……そんなことあるはずないでしょ!?」 「いや、実際誰もいないんだ……」 四人は職員室の中に入った。 職員室の中は暖房が付いており、入れたてと思われるコーヒーすら机の上に載っていた。 それなのに人っ子一人いないのである。 「もしかして校舎を見回りしているだけなんじゃないのか?」 「相沢君、残念だけどその可能性は薄いわ。 それだったらコーヒー入れっぱなしで見回るなんて不自然なことはしないでしょ?」 「それなら一体どうして始業時間なのに誰も来てないんだ!?」 祐一が叫ぶ。 その叫びも職員室に空しく響くだけだったが。 「きっとみんな寝坊しちゃったんだよ〜」
「さーて、中庭に行くぞ!」 ジャイアンたちは校庭にいた。 昨日ジャイアンが栞とした約束、それを果たすために。 「でもジャイアン、ストール持っていっちゃうのはよくなかったんじゃ……」 「何か言ったか!?」 「い、いやなんでも……」 ジャイアンたちは中庭目指して歩いていく。 果たして中庭に栞はいた。 ストールはもちろん付けていなかったが、一つの教室をじっと見つめている。 「おっ、いたいた。おーい!!」 ジャイアンが手を振る。 そのときに事件は起こった。
動物の羽ばたく音がしたかと思うと、 沢山の黒い影がその場を埋め尽くしていた。 その黒い影(どうやら蝙蝠のようなものらしい)は栞を明らかに攻撃している。 「な、何あれ!?」 「分からないよ!とにかく何とかしないと、えーとえーと……!!」 ドラえもんはポケットから沢山の道具をばら撒く。 そしてボーガンのようなものを取り出した。 「コウモリホイホイ銃!」 ドラえもんは銃を撃った。 蝙蝠は成す術もなく捕まえられ、ただのコウモリ傘になっていく。 「やったあ!!」 「栞!」 ジャイアンは栞の側に駆け寄った。
「あ……昨日の……」 倒れていた栞はジャイアンの言葉でうっすら目を開ける。 しかし、声はとても弱弱しいものであった。 「しっかりしろ!俺からストール取り返すんだろ!?」 「ええ……私の…ストールを……返してもらわないと…」 栞はジャイアンが持っていたストールに手を伸ばす。 そのとき栞の体に変化が起こった。 足先が細かい光の粒となって霧散していくのだ。 そう、先日の夕霧のように。 「お、おい栞!?」 「あはは……こんな死にかたって…ドラマみたいで……ちょっとかっこいいですよね…」 そう言って少し微笑む。 栞は自分の運命を悟っているようだった。 これから自分に訪れる絶対的な「死」を。 「私……今…ちゃんと笑って……いますか……?」 「ああ笑ってる、笑ってるからしっかりしろよ!」 栞は見る見る光の粒となっていく。 既に体の殆どは光の粒となっていた。 「私の…最後の……お願い…です。美坂…香里という……人に会ったら…今までありが……」 栞の言葉はそこで途絶えた。 そして完全にジャイアンの腕の中から栞は「消え」た。 ジャイアンの持っていたストール一枚残して。
「ち、畜生……何でこんなことが……」 「ジャイアン……」 ドラえもんはそのとき一つのことが頭に浮かんだ。 『ねえスネ夫君、この不明なファイルもしかしてウイルスじゃないだろうね?』 『僕のウイルスバスターは完璧さ、万に一つもウイルスが入るなんてないね』 「もしかして、これはウイルスなのかもしれない……」 「えっ?」 静香が聞き返した。 「そうすれば全ての説明が付くんだ。こないだの鬼も、今回のこともウイルスが引き起こしたと考えれば……」 「そうか、ウイルスか……」 ジャイアンはうつむきながら呟いた。肩も震えている。 そして急に顔を上げたかと思うとスネ夫の胸倉を掴んで怒鳴った。 「スネ夫このやろう!!おまえのウイルス対策が悪いせいで栞が……ッ!!」 「武さん、今はスネ夫さんを責めてる場合じゃないわっ」 「う、う……」 その静香の一言により、ジャイアンはスネ夫を離した。
「でもどうするのドラえもん、ウイルスなんて……」 「う〜ん……」 ドラえもんは再び考え込んだ。 ウイルスは一体どんなタイプなのか、それを考えていたのだ。 そしてウイルスには引っかかる点があった。 先程の場面において、自分たちも格好の標的であったのに対し、栞のみを目標とした点だ。 それらを考慮すると……。 「分かった!このウイルスは葉鍵キャラ削除型だよ!!」 「葉鍵キャラ削除型?」 「そうさ、多分僕らがゲーム入り込み靴では鍵ゲームを一つのゲームとして合成したときに、 最初からPCに感染していたウイルスが一緒に合成されちゃったんだ。 合成された理由は分からないけどね。 でも合成されたときにウイルスのデータを削除するというプログラムは残ってしまった。 そしてそれが葉鍵世界と混同して葉鍵キャラを削除するウイルスにしてしまったんだと思うよ」 「でもそうなると…他の葉鍵キャラたちも危ない!」 のび太が叫んだ。
「えぇ!?マルチが!?」 「国崎さん、耕一さんが!?」 スネ夫と静香が取り乱す。 対しジャイアンは完全に平静を保っていた。 先程のスネ夫への行為が嘘のようである。 「おい、落ち着け!とりあえずこれからどうしようか決めるんだ!!」 「でも、どうするの?」 「決まってるだろ、ウイルスたちと全面対決だ!!」
381 :
そのころ、富士山総本部では・・ :03/09/01 22:20 ID:yVcVxXf5
「ふふふ・・・・うまくいきました、尊師」 不敵な笑みを浮かべて上祐は後ろを振り返る。 その目線の先には、Ω真理教の教祖麻原彰光がいた。 「骨川グループの社長の息子のPCにΩ布教ソフトを 潜ませることに成功しました。これを開けばマインドコントロールプログラムが 展開されます」 ソフトとはいえ、ほとんどウイルスと同じである。取り除こうとすると、 自動的にΩのパソコンであるマハーポーシャをオンラインでかう契約を してしまうのだ。 「うむ、よくやった。」 麻原は脂肪の付いた醜い顔をゆがめた。どうやら満面の笑みをうかべている つもりらしい。 また多額の布施が入るな、こんどはなににつかおうか。 そんなことをすでに夢想しているのだった。
>>381 個人的にはドラとも葉鍵とも関係ないところから持ってくるのは止めたほうがいいと思うんだが…。
>>381 は単なる手のこんだネタだから笑って流してやろうじゃないか。
384 :
381 :03/09/02 01:15 ID:PSAha/18
リルルと美夜子を出されたら葉鍵キャラでも太刀打ちできん
それでシナリオどうする? 俺的にはやっぱり書き手のキャラ振り分けというのはしないほうがいいと思うのだが
388 :
360 :03/09/02 20:00 ID:h6xNfp9+
絵が完成したのでうぷしてみました。挿絵って言えるレベルでは無いですが。(汗)
その場に登場している人物以外描いてません。
場面は、まとめサイトの第一部、その1の、「はい、『ダッフルコート』〜!」辺りです。
・・・・・ダッフルコートに見えない。(´・ω・`)とりあえず見ていただければ光栄です。
真面目にもっとうまくなりたい・・・・・・。_| ̄|○<ヒトサマニミセラレルヨウナモノナンダロウカ?
ttp://www2.makani.to/akutoku/upload/dat/1062500190.jpg つーか昨日別のあぷろだでうぷしたら消されてました・・・・・。
もしかしてヘタレだからか・・・・。=■●_
389 :
360 :03/09/02 23:19 ID:/zGr+UVE
390 :
360 :03/09/02 23:20 ID:/zGr+UVE
しまった、直リン・・・・・吊ってきます。
ウイルスについて終了し、シナリオについてはお互い平行線の意見が出ているが、
先日も言ったように自分はキャラ振り分けはしないほうがいいと思う。
振り分けをするとなると数人の書き手しか参加できないし、
もし書き手が揃わなかったりしたら話が進まない。
お手軽感がなくなり書き手が集まりにくくなる。
それにキャラクターを何処の作品におくかと限定するのは勿体無い気もする。
確かにややこしいこれは完結しにくくなるかもしれないが、
それでもキャラを振り分けるよりそこら辺は書き手任せのほうがいいと思う。
>>388 自分は普通に見られたんだが…。
そしてイ`
ルールっぽいものを作ってみました。 何かいらないものとか、これのほかに追加すべきものはありますか? 意見よろしくお願いします ドラえもんのび太と葉鍵の国鉄の掟 一、ドラえもんと葉鍵を混同させて一つのSSを作るのが目的である。 二、この世界の「敵」となっているウイルスと闘うのが大まかなストーリーである。 三、一応ドラとクロスさせているものだが、一つの話の中にドラキャラを出さなくても構わない。 四、同様にドラキャラだけで一つの話を作ってもいい。 五、ひみつ道具は基本的にどんな道具でも出して良い。ただしオリジナルはいけない(ゲーム入り込み靴だけ例外)。 六、ウイルスはオリジナルで構わない。元ネタがあってもよい。 七、歴史に辻褄が合わなくなるためドラキャラ五人はあぼーんしてはいけない。 八、自分の萌えキャラがあぼーんされても文句を言ってはいけない。
今のところシナリオはキャラの振り分けをしないほうがいいという意見が多いようなので もうそれで決めてしまっていいんじゃないかと思う。 キャラ振り分けはしない方向でファイナルアンサー?
394 :
名無しさんだよもん :03/09/05 21:09 ID:lROm0q/L
yurusu
395 :
名無しさんだよもん :03/09/05 21:12 ID:UvK27s18
396 :
ち○こ成長薬 :03/09/05 21:15 ID:n01SFZYN
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
これは、私の彼が実はあそこが小さくて(^_^;)アメリカにいる友人に教えてもらって買いました!アメリカでは効果もじっしょうされててテレビとか雑誌に掲載されたりしてる人気の商品だそうで、
私の彼の場合1ヶ月目で→ん?何か大きくなってない?と二人で驚き
2ヶ月飲んだ頃には効果がはっきりわかりました!長く太くなってHしててもやっぱ違いがわかります(#^.^#)
日本ではあまり知られてないみたいですねー。うちの場合は結構平気で「標準より小さいよね」って言えたから普通におすすめできました。
http://www.extend-jp.com/ @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
219.111.193.249 , gw00.rosenet.ne.jp ?
397 :
360 :03/09/06 21:06 ID:qkxqunUy
398 :
ノベリストk :03/09/08 17:39 ID:nIe6TovG
そろそろ俺の出番かな?
399 :
名無しさんだよもん :03/09/09 12:49 ID:GJq4D+tD
My disciples from my past lives who used to live in worldly desires; the time has come when you wake up and help me. You should never regret at the moment of your death. If you make misdicision, you will have to completely lose the meaning of the reason why you were born in this human realm. It is true that you became dirty in this life by information and worldly desires. But your essence can never become dirty, because you are my disciples from the past lives, and essencially, unlikely to other souls, you are born to help the salvation. I am waiting for you to help the salvation activity as my hands, as my legs, or as my head. Now, let's do the salvation activity together! And let's us die without any regret. Asahara Shoko
「祐一さん、それ誰?」 「いや、全然知らない奴だ」 「じゃあ何で家に連れてきてるの?」 「いきなり襲われた挙句に倒れられちまってさ」 のび太が祐一達の学校に言った翌日の夕方のこと、 買い物に行った祐一は一人の少女を連れて水瀬家に帰って来た。 ただ、その少女は気絶しているようで祐一の背に負われていたが。 「とりあえず家で寝かせておこうと思うんだけど、秋子さんいいですか?」 「了承」 「それじゃあ、二階の空いてる部屋に運んできますね」
その頃――― 「きゃあああっ!!」 水瀬家からそう遠くない丘で空間が割れたかと思うと、一人の少女が降ってきた。 源静香である。 彼女はあの後運良く世界の入り口に入り込むことが出来、ここに到着したのだ。 幸い下は草地だったために怪我などはなかった。 「こ、ここは……?」 静香はしばし呆然とする。 辺りを見る限り、自分の全く知らない丘。 まあ、異世界に入ったことにより予想は出来ていたことだが。 「そうだわ、確かドラちゃんが時空乱流に飲まれちゃって……」 あの時ドラえもんが最後に言った言葉、『のび太君を頼むよ』 あれは『自分はきっと帰るからそれまでにのび太君を見つけてくれ』という意味だったのだろうか。 どう考えてもそれはドラえもんに聞かないと分かりはしないことだが。 ピュウーーーー 「きゃっ、寒い……」 静香の考えは一時中断せざるを得なかった。 今気付いたことだが、気温が異常に低い。 よくよく見ると雪まで積もってる。
「とりあえず、何か出して……」 静香は先程ドラえもんから預かったスペアポケットに手を入れた。 何か暖を取れるものを探すために。 「あら……?」 しかしその行動は止まった。 先程からその姿を見られていることに気が付いたからだ。 静香の前には何時の間にか人が立っていた。 服装はケープ付きの制服、りぼんは緑。 髪は赤く、どこか清楚な感じの少女だった。 「あの……、何時からそこに?」 その静香の問いに少女はこう答えた。 「貴女が空から降ってきたところからです」 これは非常に不味い。 この世界の人がパラレルワールドについて理解していなかったら説明が大変である。 よしんばこの世界の人がパラレルワールドについて知っていたとしても、 必ずしも感じの良い応対をしてくれるとは限らない。 だが説明しないわけには行かない。 どちらにしてもこの少女には自分が降ってくるところを見られてしまったのだ。 他に良い言い訳も思いつかないし、見られた以上隠すことにメリットはない。 「貴女はどうして空から?」 ちょうど良く相手が訊いてきた。
「ええと、実は……」 説明しようとした所で北風が吹いた。 ススキが原も一月だったとはいえ、こことは気候が全く違う。 それに時期日も沈む。そうなれば気温は氷点下を割る。 こんな状態で静香にここにいろというのは酷な事であった。 静香がくしゅんとくしゃみをするのを見て少女は気の毒に思ったのか、 「立ち話もなんですし私の家にいらしてはどうですか?」 と言った。 「いいんですか?」 「ええ。あなたの話も聞いてみたいですし、 それにどう見ても軽装のまま路頭に迷わされているあなたを見捨てて自分だけ暖を取るというのは人として不出来でしょう」 路頭に迷わされると言う言い方が少し気になったが、どうやら家に招待してくれるようだ。 これは静香にとってありがたかった。 この寒さだ。このままここにいたら凍えてしまうだろう。 「どうもありがとうございます。それじゃあ、お邪魔します」 「いいえ、お気になさらずに」
少女の家は丘からそう遠くない場所にあった。 ごく普通のマンションの6階、そこが少女の家だった。 「どうぞくつろいでください。家族の者は皆出払っていますから」 「あ、おかまいなく」 少女は台所からお茶の準備をする。 程なくして居間へとお茶菓子が運ばれてきた。 「まずは自己紹介から行きましょうか。私は天野美汐といいます。県立高校の一年生です」 「私は源静香です。小学四年生です」 「それでは静香さん。あなたはどうしてものみの丘から降ってきたのですか?」 「それは……」 静香は語り始めた。 自分は別の世界からやってきたということ。 自分の友達であるのび太が行方不明になり、どうやらこの世界に紛れ込んだらしいこと。 来る途中で時空乱流に会い、未来のロボットであるドラえもんと離れ離れになったこと。 「そうですか……どうやら貴女はあの子達と同じ種類ではないようですね……」 「あの子達って?」 「いえ、こちらのことです。それにしても現実離れした話ですね……」 「やっぱり信じられないですか?」 静香が困ったような表情をする。美汐は少し微笑んでから言った。
「誰も信じないとは言っていませんよ?」 「え……それじゃあ信じてくれるんですか!?」 「はい。奇跡と言うものは一度経験済みですしね」 美汐は遠い目をしながら横を向く。 何か辛いことでもあったのだろうか……。 「出来る限り協力しましょう。御学友が見つかるまでここで過ごされては如何です?」 「でもそれじゃなんだか悪いですし……」 「何も気を使う必要はありません。先程私は「家族は皆出払っている」と言いましたが、あれは方便です。私は一人暮らしですから」 そういって美汐は笑った。なんだか照れ隠ししているようだった。 実際彼女は方便により一人暮らしの事を隠している。 もしかしたらもう既に自立していると言うことを恥ずかしがっているのかもしれない。 「でも……」 「それに正直ひとりで生活すると言うのは寂しいものがあります」 この言葉が駄目押しだった。 躊躇っていた静香だったが、相手側がそう言っている以上断るのは失礼だと思い、その申し出を受けることにした。 「それじゃあよろしくお願いします、美汐さん」 「いえ、こちらこそ。どうぞ自分の家だと思ってくつろいでください」 美汐に世話になることが決定した今、静香はこれからどうすべきかを真剣に考えるのだった。
>>402 書き始めてるなら投下せよ。
というかワカンネエんだよ、どういうふうにリレーさせればいいかがよ。
>>380 の始め方じゃ駄目だ。もう少し他人が先を書きやすいように続きを書けよ。
それと雪の降る町は話の展開が唐突なのはいいとしても
今度は「らしさ」がない。Kanonらしさ、静香らしさ。
Kanonの舞台、世界観を考え直してみ?
どういう文章にしたらそのSSのタイトルのような「雪の振る街」が表現できるのか。
静香らしさは大長編読み直して考えてみ?
いかにして静香を魅力的に見せるかが勝負どころ・・・だろ?
年齢にどうしても目がいってしまう。 高校生が小学生に対してそこまでしてしまうものなのかとか口調とか 逆に小学生が初対面の高校生にホイホイついていってしまうものか そこは目をつむるとこなのかな
>>407 「らしさ」か……これかなり大変。
もともとドラとKanonの世界観が全く違うから。
そこら辺いつも悩んでいたりします……。精進しなければ。
>>408 するどい!よくそこに気が付いた、いい質問だ。しかしその説明は(ry
分からないと言われたのでさらに投下。
陳腐な展開で説明文臭いが今度はまあ分かりやすいと思う。
「全面対決!?僕たちを襲ってくるかもしれないウイルスと戦おうっての!?」 ジャイアンの意見に真っ先に反論したのはスネ夫であった。 彼は度胸が足りないせいで保身を第一に考える。 そのためこのような事態に陥ったときには弱音を吐いてしまいがちなのだ。 「たかがパソコンのデータ如きに馬鹿にされて引っ込んでられるか!」 「待ってよ!今はぼくらがパソコンの中にいるってことも忘れちゃ困る」 「ぼくらがウイルスと戦って勝てるわけないよ!!」 「やるっきゃないんだよ!!」 消極的な意見のスネ夫に、積極的な意見のジャイアン。 その中、静香とドラえもんは冷静に考えていた。 一体戦うと言ってもどのように戦うのか、また勝算はあるのか。 今までの経験を総動員し答えを導き出そうとしているのである。
「勝てるとしたら……道は一つ、ウイルスの大元を叩くことだ」 「大元?」 「そうさ。ウイルスの親玉を倒せば他のウイルスも消えちゃうってこと」 「それなら簡単じゃねぇか!」 「で、でもジャイアン。ウイルスだって襲って来るんだよ!?」 「そんなこと気にしてられるか!?」 そういってジャイアンは手に持っていたストールを握り締めた。 「ウイルスのせいで、栞は……」 「…武さん、元気出して」 ジャイアンの心中を察して静香が慰める。 ただしあまり効果はなかったが。 ドラえもんは説明を続けた。 「ただ問題があるんだ。ウイルスを倒すにはワクチンを作らないと」 「ワクチン?」 「そうだよ。この世界でどうにかワクチンを作らないと対抗のしようがない」 「作れるの!?」 「それも問題だよ。ぼくはもともとお世話ロボットだからね、そんな技術はないよ。それに道具だって必要だし」 ドラえもんは四人を見回した。
「だから、これからぼくたちがすることは決まったようなものなんだ」 それからドラえもんはポケットから丸い筒を取り出し四人に一つずつ配った。 「五人で手分けしてこの世界を探し回り【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】を探すんだ。 何か分かったらすぐにぼくに連絡して。それと……」 ドラえもんはポケットの中からいろいろな道具を出す。 ショックガン、空気砲、ヒラリマント、スモールライト等……。 「好きなのを持って行って。もしもウイルスに襲われたりしたらこれで身を守るんだ」 「でもドラえもん、ウイルスをこういう武器で攻撃できるの?」 「するどい!」 のび太が訊いた。 そののび太の問いが的を得ているものであったのか、ドラえもんは少し驚いているようだ。 「よくそこに気が付いた。いい質問だ。しかし、その説明は長くなるからやめておこう」 「なるほど」 四人はそれぞれ武器を取った。なるべく自分がもてるだけ。 ドラえもんの道具は万能ではない。 ショックガンは敵によっては通じない場合もあるし、空気砲は一つでは殺傷能力がない。 スモールライトは速射性がなく、ヒラリマントは自分から攻撃できない。 それに殆どの道具にはエネルギーに限りがある。 だから四人はなるべく沢山の道具を持っていくことにした。 そのため道具の山は殆どなくなることになった。
「後は残った道具を増えるミラーで量産するぐらいしかないか……」 「ドラえもん、もうちょっとまともな道具はないの?」 「仕方ないよ、もともと僕らは遊びに来ただけなんだ。それにぼくはただのお世話ロボットだよ?」 「なんだか頼りないなあ……」 スネ夫が愚痴をこぼした。 確かに今はメンツが脆弱である。戦力も、人手も。 その差を埋めるために自分がラジコン軍団をもう一度作ろうかとも思ったが時間がないのでそれも出来ない。 今こうしている間にもウイルスの侵攻は進んでいるのだ。 「まあ、仕方ないよ」 「チェーッ……」 「みんな、武器は持ったね?それじゃ行動開始だ!」 「おう!」 五人はタケコプターで別々の方向に飛んでいった。 必要なもの二つを手に入れるために。ワクチンを作り、葉鍵世界を救うために。 だが彼らはまだ知らなかった。 ゲーム入り込み靴のバグのため現実世界への期間と言う手段が封じられているということ、 つまりどんな危機的状況に陥っても逃げることができないということを……。
>「五人で手分けしてこの世界を探し回り【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】を探すんだ。 何か分かったらすぐにぼくに連絡して。それと……」 オイ、ちょっと待て。コレ、誰と何処なんだよ?
なんか、「ぼくはただのお手伝いロボットだから」を道具が使えない理由として何回もあげられるのは萎える。 実際、全然訳に立つ道具は他にいっぱいあるんだから。 原作のいくつかみたいに、秘密道具を使いたくても使えない理由を作った方がいいと思うんだけど……。 漏れらは藤子不二夫ほどの表現ができるわけじゃないから、道具を使えない確固たる理由がないと、いつか破綻しそうな気がするし。 前に出てた、四次元ポケットのウイルス感染とかはどうなの? >「五人で手分けしてこの世界を探し回り【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】を探予告編でセリオがウイルス撃退に失敗するシーンあるし、セリオや長瀬主任あたりだろうけど。 この世界にどんな人たちがいるかは事前に把握してるんだから(少なくともスネ夫は)、わざわざそういう回りくどい進め方するよりは、名指しで探した方がいい気がする。
>漏れらは藤子不二夫ほどの表現ができるわけじゃないから、道具を使えない確固たる理由がないと、いつか破綻しそうな気がするし。 確かにそうだ…。 一応道具の制限として五人別行動という形を取りドラ以外は武器となる道具以外の使用を制限はしてあるが…… その意見には基本的に賛成。 ただし自分の独断では制限する道具を決められないな…… このあたりはプロット討論スレで話し合うべきかな? >わざわざそういう回りくどい進め方するよりは、名指しで探した方がいい気がする。 自分も長瀬主任あたりを思い浮かべながら書いたがこれについては他のキャラでも代用できるんじゃないかと思ってこう書いた。 実際あのフランクとかもロボット工学に従事してたらしいし。 もしかしたら自分が未プレイのゲームに作れる人とかいるかもしれないんで。
結局リレーにならなかったとさ。
>道具を使えない頑固たる理由 別板のドラSSは戦闘能力が著しく高い相手には道具が通用しない、という設定がありました。 なのでウイルスに全ての道具が通用する必要はないのでは、と思います。 多少強引な理由をつけたりして・・・・・。 >ただし自分の独断では制限する道具を決められないな…… リレー小説って自分が書いている時ってのはまさに独断だと自分は思ってます。(苦笑) 誰かがある道具を使用不可にしたら、それを破らないようにするしかないと思います。 いかに矛盾が起きないようにするのも、書き手さんの腕の見せ所なのではないでしょうか。無責任な言い方ですが。 >【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】 このリレー小説で難しいのは書き手さんが未プレイのゲームの話が書きにくい所でしょうか。 ただ、この2点について「技術者」と「研究室」に囚われることはないと思います。 色々設定を決める事に膠着して続きが書けないだけで、リレー小説にはなると思います。
だから今現在連載してる「葉鍵の国」の作者は今後どういう展開を考えているんだ? それがわからなきゃリレーとして参加できないっつうの! 実際【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】のは そっちの独断だろ?この2つは何だ?誰が発見するんだ? はっきりさせなきゃこちらも書けん。 もうちょっと言うと、もしこの2つが既に決まっていることなら 5人バラバラにした理由は何だ?残り3人は何をする? この【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】を見つけたら その後は?ワクチンで親玉倒して終わりか?そもそもワクチンってどうやって作るんだ? はっきり説明してから書け。で、ないとこちらが混乱する。
> 次々と消去される、葉鍵キャラたち > 「破損率83%……ウイルス除去…失敗……」 > 「セリオでも不可能となると、残された希望は……」 > 世界を救えるのは、ドラえもんたちだけ 予告編のここら辺を重視するならば、ゲーム内でいくらワクチンを作ったところで、ゲーム外からのウイルスには勝てなさそうだし。 ワクチンはどんな形であれ、最後は外部からきたドラたちしか倒せない、ってことになるんだろ? どこかに、ドラえもん自身に組み込まれた未来のワクチンプログラムを、ドラの捨て身の特攻で発動させて……っていう案あったけど、それがイイなぁ。個人的な意見だけど。
>>419 とりあえず、ある程度後の作者任せにするのがリレーの特性なんだから、そんな喧嘩腰になるようなことでもないだろう?
過去ログみればそれなりに分かるわけだし。予告編とか。
それとも、419は綿密にプロットたてて、それをリレーで文章にしていくだけのをお望みなのか?
422 :
名無しさんだよもん :03/09/16 01:46 ID:fXDWSyPu
通常のウイルスは倒せるが、各世界の親玉は何度も 自らのデータ修正と葉鍵キャラへのとりつきでたおせない。 とりつくキャラは各世界の悪役の方がよろしい ワクチンとは、それを滅ぼすデータであり、内部の者からは 武器やら装飾品あたりに見える。 手に入れ方は、リング三部作目の「ループ」ででてきたように、 ゲーム世界と外部の本物の世界へのアクセスを可能とすること。 ウイルスのやってきた穴をみつけてドラみに連絡する。 っていうか、PCウイルスに対してワクチンはないだろ・・・ 対策ソフトならともかく。それ以前に、葉鍵キャラがウイルス 倒してるんだから、内部のデータでも対応できるってことじゃん。 でもとを見つけて、葉鍵協力者を見つけて、ボスと戦って、 ドラ以外はもどれたのにドラはデータからリアルにもどれなくなって、 んで、奇跡で戻ってこれる・・・これが基本かつすすめやすいはなしかと
423 :
名無しさんだよもん :03/09/16 02:04 ID:BXGzCkAE
424 :
419 :03/09/17 01:43 ID:4c55d+NC
お前らな…321からずっと見てきたけどな、なんで他に誰も書いてないんだよ! 俺のつまらない意見にレスしてないでな、ちょっとお前ら書いてみろよ? 「作者任せ」なんて意見は何も考えてない証拠だぞ? と、いうより書こうとも思ったこともない奴の意見だ。 いいか?俺が言いたいのはこのリレー小説にどうアプローチしたらいいか?だ。 その為には最終ボスをはっきりさせ、そのための対策や伏線を今のうちから考え、 なお且つ、その為にはこれからどうキャラクター達をどう動かしておくべきか。 それを考えろ。
425 :
419 :03/09/17 02:04 ID:4c55d+NC
>>420 未来のワクチンプログラムじゃ【ワクチンを作れる技術者】の意味を成さないだろ。
>>421 お前、「起承転結」ってわかるか?小説なんて書いたこともないだろうからわからないだろうが、
綿密にプロットたてて、それを文章にしていくのが小説ってもんだろ。
>>422 (ageるな。)
>とりつくキャラは各世界の悪役の方がよろしい
各世界ってどこだ?悪役って誰だ?
葉鍵のゲームは10本以上。全部出すのか?
>ゲーム世界と外部の本物の世界へのアクセスを可能とすること。
>ウイルスのやってきた穴をみつけてドラみに連絡する。
それだと…
ゲーム入り込み靴のバグのため現実世界への期間と言う手段が封じられているということ、
つまりどんな危機的状況に陥っても逃げることができないということを……。
に繋がらない。
外部者に協力を求めるより葉鍵キャラだけで解決させたほうがこの企画に合うだろう。
>葉鍵キャラがウイルス
>倒してるんだから、内部のデータでも対応できるってことじゃん。
いつ倒した?
>でもとを見つけて、葉鍵協力者を見つけて、ボスと戦って、
>ドラ以外はもどれたのにドラはデータからリアルにもどれなくなって、
>んで、奇跡で戻ってこれる・・・これが基本かつすすめやすいはなしかと
一応俺もこの意見だった。
話をややこしくさせているのは【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】の存在。
名指しではっきりさせろ。コイツは何だ?
もう一度言うが現在の「葉鍵の国」作者、書き手参加者は名乗り出ろ。
お前らと相談しなきゃいつまで経っても進まないだろ。
現に進んでないんだから。
仕切り厨が出たらリレーは終わりだよ。
細かいことや終盤のことはプロット討論スレで話し合ったほうがいいと思う。
>>419 の意見だが、理解できないでもない。
ただし、それは一人でSSを書く場合にのみ有効だと思う。
ここからは俺の主観だが、リレーSSと言うのは先が読めないから面白いのであって結果を知っていては面白みは半減する。
例えばまだ読んでない本をいきなり第三者にネタバレされたらつまらなくなるだろう?
だから大まかな設定はともかくプロットは討論スレで話し合ったほうがいいと思う。
それにドラえもんはあっと言わせる展開が面白いのだ。
大長編を読んでいて「そんなまさか!?」といった展開に感動したことはないか?
それにこれが一番重要だが、「書き手がそのプロットを守らないで書く場合がある」
そのときにいちいちNG出してたらきりがない。以上。
「葉鍵の国」は、あまりあれこれと決めないで、流れるままに書いていけば良いと思います。
行き当たりばったり、そういうものでは(適当な話を書く、という意味では無い)?
そもそもリレー小説というものは、自分ではない他人が積み重ねてきた設定に矛盾すること無く続きの話を書くというお遊びなワケで、
結末やら伏線やらをあらかじめ決めてしまっては本末転倒。したがって書き手同士の相談なんか必要ありません。
それが気に入らないなら、最初から全部一人で書けばいいじゃないですか。
誰もリレーに参加してくれと頼んでいるわけじゃ無いですから。
「これが俺の『葉鍵の国』だ!」って書き始めて、そっちの方が面白ければ皆あなたを応援します。
というわけで、
>>419 さん。あなたは何がやりたいんですか?
みんなで仲良くリレー小説を書きたいのか、それとも起承転結のある内容の詰まった面白い話を書きたいのか。
後者なら応援します、是非とも頑張って下さい。これは煽りとかじゃなくて、私の本音です。
ですが、前者なら少し考え方を改めるべきでは?あなたはリレー小説の書き手には向いてないと思います。
429 :
名無しさんだよもん :03/09/17 11:52 ID:DJoZ+yJO
>>425 >
ゲーム入り込み靴のバグのため現実世の期間と言う手段が封じられているということ、 つまりどんな危機的状況に陥っても逃げることができないということを……。
>に繋がらない。
>外部者に協力を求めるより葉鍵キャラだけで解決させたほうがこの企画に合うだろう。
これはどっちでもいい。逃げることと外部への連絡、情報収集は別。ただ内部での活動には
限界がある。ウイルスに対してPC自体がワクチンを製造できたらお笑いぐさ。(リアルではね)
ただ、いずれにせよ、最後には靴の故障を修理しなきゃいけないわけで・・・
>いつ倒した?
耕一が鬼をたおしたっということ。
>【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】の存在。
>名指しではっきりさせろ。コイツは何だ?
外部連絡するか、あるいは内部なら長瀬主任かよほどの天才キャラくらいでは。
各世界の悪役とは・・・・柳川や月島、魔物あたり。でもこれはどうでもいい
430 :
名無しさんだよもん :03/09/17 18:39 ID:o6yWqqoK
>各世界の悪役 ファンもいるわけだし、やっぱり誰がどう悪役とかってのはあんまり嬉しくないと思うな。 柳川は個人的には結構好きだし。月島兄も嫌いじゃない。まあ本人もどうでもいいとは言ってるけどね。 >内部での活動には限界がある。 あと、別にPC自身がワクチン作ってるんじゃなくて、ドラ達っていう異分子でしょ?構わないと思う。 >耕一が鬼をたおしたっということ。 アレって端末みたいなものだから倒した、とは違う気がする。誤魔化した、みたいな。 根本的な解決とは全然関係ないし。世界ごとそのうち削れてくんだろうなぁ………。 何はともあれ、もう少し柔らかく話すべきだと思うよ。リレー小説は一人で書くものじゃないからそれぞれ譲歩しないと。 最低限の方向性は決まってるんだし、自分流のお話を書いていこうよ。駄目なら落ちるし、良ければ続くでしょう。 完結するとは思ってなかったハカロワだって最後の方で話し合いはしたけど基本的には行き当たりばったりだったわけだし。 最初の最初から話し込んでてもどうしようもない。
432 :
名無しさんだよもん :03/09/17 22:33 ID:+CDIevU5
433 :
419 :03/09/18 03:15 ID:3CZsD/1e
お前ら、さっきからごたごた屁理屈ばっか言ってないで書けというんだ! 「駄目なら落ちるし、良ければ続くでしょう。」ってここまで来て落ちるのかよ! >それにドラえもんはあっと言わせる展開が面白いのだ。 ちょっと無責任にも程があるぞ。読み手がお客様で書き手側は無視ってか? いいか!俺が言いたいのは「完結」だ! この話はもう後半。あとやることはワクチン製造、失敗、ドラえもんが最後の力を出す。 で、終わりだろ?ここまで来たら一気に進めろと言いたいんだ。 俺の存在が邪魔だというのなら別にリレーに参加しなくてもいい。 だが、現在の作者は「今のままでは終わらない」って嘆いているんだろ? 手分けして書くんだ。リレーなんかしなくてもいい。 現在の作者へ、ひとまず俺から提案だ。
434 :
名無しさんだよもん :03/09/18 03:43 ID:KzoqyUCH
435 :
419 :03/09/18 03:45 ID:3CZsD/1e
今までの展開から考えるとドラキャラの性質は ドラ→ウイルス解析のまとめ役 のび→あゆ命 ジャイ→栞に伝言を頼まれている。 スネ→葉鍵全般に詳しい 静香→主人公命 だいたいこんなんだろ? で、今、葉鍵キャラが襲われている現状を知らされて各キャラはどんな反応を示すか。 ひとまずのび&ジャイはKANONに留まると予想できる。 静香が問題なのだが、一人で単独行動させるより、のび太達側にくっつかせたほうが まとめやすい(のびジャイのお守りの役として) 従って【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】を探す役目としては ドラえもんとスネ夫が相応しい。 >自分も長瀬主任あたりを思い浮かべながら書いたが… とあるので、ある程度のイメージは出来ているみたいなので ドラえもんとスネ夫はそちらに任せる、俺、葉については殆ど知らないから。 KANONに留まるメンバー(のび、ジャイ、静香)はこれからの伏線だ。 こちらもある程度考えていることがあるので、俺に任せてほしい。 つまり【ワクチンを作れる技術者】と【開発を行える研究室】を探すところまで まずはお互い手分けして書こうぜ、ということだ。 詳しい事々は、またその時に考えてみればいいだろ。 321からまともに「参加したい」と言ったのは俺とアンタだけなんだし、 これから新しい書き手も出て来るのも、正直期待できない。 俺も昔、ここでSS投下してたことがあったから多少は慣れているつもりだ。 どうだ?もしこの意見に文句がなければ、始めてみようぜ。お互い「完結」を目指して。
あー。文で長編か。 Shadeとか持ってるからアニメ作るのかと思ってやる気出たんだがw
確かに「完結」を目指すならそれが一番の近道だね。 個人的には誰でも気軽に参加できるようにキャラ振り分けっぽいようなことはしたくなかったんだけど仕方ない。 じゃあとりあえずその方式で書いてみようか? と言っても誰でも途中参加はしていいって方針で。 そういえば419氏ってもしかして前スレの117氏か?
皆と別れた後、ドラえもんは考えていた。 葉鍵のキャラが表示される腕時計を眺めながら。 美坂栞……削除済み 今度は栞が襲われた。自分がいたのに助けることができなかった。 消えていく栞を見ている事しかできなかった。 ドラえもんはそれが悔しくてしょうがなかったのだ。 「でも、どうしてこんなおかしなウイルスが……?」 自分の頭をフル回転させて今回の事件の原因を考えてみる。 そういえば、少し前にドラミから注意された事があったっけか。 「お兄ちゃん!最近未来デパートの道具には欠陥が多いから、何か注文する時は気をつけるのよ!」 「まさか、まさかね。」 嫌な予感がする。それを振り切るようにドラえもんはタケコプターの速度を上げた。
「あ、そうか。」 ……と思ったら急停止。いい事を思いついたのだ。 わざわざこの世界の中で調査するより、一度外へ出てスネ夫のパソコンごと調べれば……。 すぐにウイルスなんて発見できるじゃないか。それを隔離すれば落ち着いてワクチンを作る事ができる。 もう、僕はどうしていつも焦って効率的な方法を思いつかないんだ!!」 と、自分を責めているが顔はにやけている。名案を思いついた自分が誇らしいのだろう。 「それでは早速……。」 ドラえもんは上昇を始めた。ビルよりも、雲よりも高く―――どこまでも、どこまでも高みへ。 ドラえもんは星になった。
「って、アレ!?」 おかしい。もうとっくにこの世界から出られるハズである。しかしそんな気配はない。 靴についている緊急脱出ボタンを押してみる……反応がない。 『ゲーム入りこみ靴』が故障するような出来事はなかった。だとしたらこの靴に欠陥が!? 「僕達は帰れなくなっちゃったんだ!」 そしてもう一つの事実に気づく。 「それじゃあ、あのウイルスも本当にこの靴のせいで……。」 ドラミが言っていた通り、この靴には欠陥があったのだ。それによってスネ夫のパソコンに感染していた、 我々の世界では恐れるに足りないウイルスが葉鍵キャラ削除型へと変化してしまったのだ。 そして、ゲームの中に入った者達がもとの世界へ帰れないという欠陥も……。 「ぼ、僕のせいだぁ〜っ!!」 ドラえもんはわんわんと泣き叫んだ。
その刹那。 「ぎぃゃあああああああああああ!!」 どこからともなく女性の悲鳴。 「な、なんだなんだ!?」 ドラえもんは辺りを見回す。すると、前方で大きな土煙が昇っている事に気づいた。 近づいてみると、誰かがものすごいスピードで走っているようだった。 腕時計で確認してみる。表示されたのは、国崎往人、神尾観鈴、神尾晴子、そら。 そして……一つ表示がバグっている。 『ポ#t』 「なんだこりゃ。とにかく行ってみよう。」
急いで近づいてみると、その様子がはっきり見えた。 「びごびごびごびごびごっ!!」 「こら、居候!一体何なんやあのケッタイな化け物は!?」 「知るかっ!」 「にはは、あれ、恐竜さんかなぁ。がおーっ。」 彼らを追いかけている影は、大きさがギリギリ町の道路を走れるくらいで、全身は真っ黒。 四つんばいで走り、翼のようなモノが2つ上へ突き出ているが、 とてもあの巨体を浮かばせるような大きさではない。ぬいぐるみの飾りのようだった。 その姿を動物に例えると……翼の生えたブタかな?犬かな? 「あの恐竜さん、ふわふわして気持ちよさそう。ねえ?そら。」 「カァーッ。」 「観鈴。アレはきっと……犬だと思うぞ。」 「え?翼があるのに?ふーん。往人さん、物知り。」 「びごびごびごびごびごっ!!」 化け物が彼らとの距離を徐々に縮めてきた。いや、今まで逃げられていた事の方が奇跡というべきか。 「あーもう出勤したら職場に誰もおらんわ、帰ってきたら分けのわからん化け物に追いかけられるわ、 一体全体どうなってんのや!!」 「観鈴の学校もほとんど誰もいなかったそうだ。二人で帰ろうとしたらアイツが襲ってきたわけだ。」 「逃げてる途中でお母さんと会ったの。」 「あー、何でバイクを家に置いてきてしまったんや!もう最悪やあっ!!」 「とにかく、この状況を何とかしないとな……。」 「にはは。でもこうやってお母さんと往人さんと一緒に逃げるの楽しいかも」 「「どこが!!」」
ドラえもんはその異様な光景を上空から眺めていた。 「あのでかいのは……ウイルス!?」 栞を襲った蝙蝠と雰囲気が似ている。何より、腕時計のバグった表示から、それが正常な何かではない事は確かだ。 「な、何とかしなくちゃ!」 ドラえもんはポケットの中を詮索しながら化け物に近づき、 「スモールライト〜!」 光が化け物を照らす。しかし、何の変化もない。 「効かないのか!?なら、これならどうだ!ドカン!」 空気砲は命中し、化け物は怯んだ。しかしなおも追いかけてくる。 その時ドラえもんのタケコプターの速度が下がった。電池が切れかけているのだ。 「充電が完璧じゃなかったのか……。」 仕方なく着陸して一緒に逃げるドラえもん。もうなす術がない。
「何や!?タヌキがこっち来とるで!」 「あ、ホントだ。お友達になりたいな。」 「今度はタヌキか!」 「僕はタヌキじゃない!ネコ型ロボット!」 「カァー。」 もう無茶苦茶である。 「次の角を右や!」 「逃げられるのか!?」 「まかせとき。何年この町にいると思ってんの。行くで!」 「え?お母さん、そっちは……。」 4人はコーナーを右に曲がった!そこは―― 「行き止まりじゃないかぁぁぁっ!」 「おかしいなあ。勘違いやったかなーあははー。」 「そんなぁ〜っ!!」
化け物が四人にぶつかるかと思った瞬間。 バシュウゥゥゥゥゥゥゥゥッ! 蒸発音。勇敢にも化け物に特攻したのは黒いカラス、そらだった。 化け物が消えていく。全ての影が蒸発した後に残ったのは 「ぴこぴこぴこぴこぴこっ!」 ポテトだった。往人はそれを確認した瞬間、 「やはりお前かぁーっ!」 ポテトを思いっきり蹴飛ばしていた。さようなら、ポテト。僕達は君の事を一生忘れない。 さて、その時ドラえもんは……気絶していた。
「ありがとう、そら。かっこよかったよ。」 観鈴がそらを撫でている。そらは誇らしげにカァーと鳴いた。 「で、アンタは何しに来たん?」 晴子がドラえもんをジロっと睨みつける。 「あ、あの、その……お役に立てなくてすいません。」 「まあ、ええけど。助けてくれようとしてたみたいやしな。観鈴!さっさと帰るで!また変なのに追っかけられたらかなわんわ。」 「あ、ちょ、ちょっと待ってください!」 「何?」 「この辺りにウイルスに詳しい人はいらっしゃいませんか?」 「ウイルス?ああ、それなら霧島さんとこに行くんやね。」 「ご存知ですか!?」 「あの人に診てもらえれば、風邪なんてすぐ治るで。あ、でもタヌキは専門外やろうしなー。」 「いや、そうじゃなくてですね……。」 晴子は頭を掻いている。ドラえもんはタヌキと呼ばれた事を我慢した。
「まあ、あの人は顔が広いから、動物病院やら何やら紹介してもらえるやろ。」 「!……そうですか。ありがとうございました。」 ドラえもんは晴子から住所が書かれた紙を受け取り、ペコリとお辞儀をした。 「それじゃあね。さっさと風邪治すんやで、タヌキさん。」 「今度家に遊びに来てね。タヌキさん。」 「達者で暮らせよ。タヌキ。」 「カァー。」 3人と1羽は去っていった。 「ぼ……ぼぼくは、タヌキじゃな〜い!!」 ドラえもんの嘆きは、青く晴れた空へ吸い込まれていった。
「あの化け物は、やっぱりウイルスだったのかなあ。」 腕時計を見てみる。ここから少し離れた場所に「ポテト」と表示されている。 位置的にさっきの化け物になっていた生物だろう。バグった表示はなくなっていた。 ウイルスがポテトを操っていた、と考えるのが妥当だろう。 どうやらウイルスは削除型だけではなさそうだ。 「それにしてもあのカラス、まるでウイルスだけ除去したかのようだ。一体何者なんだろう。」 自分が倒そうとすれば、きっとポテトも一緒に削除してしまうところだっただろう。 最も、さっき使った道具で倒せたかどうかは疑問だが。 「後でスネ夫に聞いてみるか……。」 ドラえもんはAirをプレイした事がないため、そらの正体を知らない。 ただわかったのは、この世界の中にもウイルスに対抗できる人がいる可能性がある、という事だ。 「とにかく霧島診療所に行こう。」 分かれた3人の事が心配だったが、今はワクチンを作れる人や作る場所を探す事が先決だ。 そらが彼らを守ってくれる事を信じるしかない。 ドラえもんは急いで診療所へ走った。
自分はここまでです。稚拙な文で申し訳ない。しかもタイミング悪かったのかな……。
「おい名雪、この学校はこんな変なものを飼っているのか?」 「え、えーっ?私知らないよ〜」 祐一達は突然の来訪者に驚いていた。 先程からそのまま職員室にいて考え込んでいたのだが、 突然、そう突然に妙な物体が職員室に侵入してきたのだ。 その物体は明らかに異形な生物だった。 どう形容していいか分からない、しいて言うとするなら足の生えた巨大ミミズというところだろうか。 「か、香里は知ってるか?」 「わ、私が知るわけないじゃない!」 その侵入者はじりじりと祐一達ににじり寄る。 この生き物がどういうものかは分からないが、四人は本能的に悟っていた。 「この生き物は危険だ」と言うことを。 「じゃ、じゃあ一応……北川は?」 「一応ってのは気になるが……知らんぞ」 そして明らかに自分たちに敵意を向けているこの生き物に恐怖していた。 先程から四人は顔面蒼白で叫び声をあげる寸前と言った状況だ。
その生き物はやおら祐一達に向かってきた。 「う、うわあっ!!」 「とりあえず、廊下に出るんだ!!」 「わ、分かったわ!」 この状況下で一番冷静に対応できていたのは北川だった。 彼は出口の方向へと逃げており祐一、香里もそれに続く。 「ゆ、祐一!!」 ただ、逃げ出せていないものが一人だけいた。 名雪は立ち居地が悪かった。 位置の問題で窓側に逃げるしか術がなかったのだ。 そのため、今こうしてその物体に追い詰められている。 祐一は考えた。 一体この生き物はなんなのか。 (……そんなこと考えても答えは出るわけないな) 名雪を助けるにはどうしたらいいか。 (この生き物がなんなのか分かっていない異常近づくのは危険だ。しかし助けないわけには……) こうしているまにもこのミミズにも似た生物に名雪は窓まで追い詰められていた。
452 :
名無しさんだよもん :03/09/18 21:52 ID:KzoqyUCH
診療所には美しき女医と可憐な妹が住んでいた。 二人は近所でも評判の美人姉妹として知られている。 医師としての腕前もよく、みなからすかれていた。 しかし、二人にはもう一つの顔があった。 そう、「夜の顔」である。 ふたりは毎夜毎夜、みだらな行為に及んでいた。 妹はたっぷりと秘部をぬらして、だめ・・・とあまく漏らしながらも 姉の装着したディールドをどん欲に求める。 至福の表情でずちゅずちゅずちゅと激しく妹をつきあげる姉。 そしてふたりは一回目の絶頂をむかえ・・・・・ 「ぼくドラえもんです。霧島診療所はここですかぁ〜」 その直前、どらえもんが訪れたのだった。
「ちっ!」 祐一は舌打ちし、この足の生えた巨大ミミズの後ろに周った。 「おいこっちだ!!」 祐一が巨大ミミズを誘う。 しかし、このミミズは祐一をちらりと見ただけでまた名雪に向き直ってしまった。 どうやら名雪のほうが弱いと判断したらしい。 焦った祐一はとっさにテーブルの上のコーヒーカップを掴んで、 「こっちだって言ってるだろ!!」 このミミズに向かって投げた。 「……!!…!……!!!」 中に入っていたコーヒーをもろに引っかぶったミミズはその場をのた打ち回っていた。 「名雪、早く今のうちに!」 「う、うん!!」 ウイルス(といっても祐一達はそのことを知らないが)と言っても ゲーム入り込み靴で合成された葉鍵世界では生物と同じなのだろう、 熱を持ったものには弱いらしかった。さすがミミズといったところか。
「相沢!早く逃げようぜ!!」 北川と香里が出口で待機している。 「分かってる!」 祐一は名雪を連れ、 ミミズが後を追いづらいように資料の棚を倒してから職員室を出た。 「しかし、あれは一体なんなんだ!?」 「そんなこと言われても……」 だが、息をつくのにはまだ早かった。 「げ……!!」 廊下にも何匹かこのミミズがいたのだ。 「とっとにかくこの学校から脱出だ!!」 祐一達はこのミミズたちとは反対側に走り出した。
よくよく見たらドラたち登場してないじゃん!
( ´∀`)アハハ
義務化した時点でこの手のスレはお終い。
458 :
419 :03/09/19 05:03 ID:EK4Heg3m
オイ、それ、俺じゃねえぞ。どうせ続かないだろうがな。 452は無視の方向で。 >そういえば419氏ってもしかして前スレの117氏か? 違う。
459 :
名無しさんだよもん :03/09/19 21:37 ID:+x1w5ePD
しねよ
460 :
名無しさんだよもん :03/09/20 00:48 ID:7fr6btJD
うーん むーん
>>458 一行目の意味がわからん。自意識過剰すぎ。
462 :
名無しさんだよもん :03/09/20 13:50 ID:Iev1W3Ek
test
なんでこんなにすさんでるんだ、ここは… ハカロワのときも思ったがリレー小説は本当に難しいな 書き手、荒らしに負けないで続き書いてくれ 待ってるから
「………………」 「どうした柳川?さっきからそんな深刻な顔して」 「長瀬さんはこの状況を異常だとは思わないんですかっ!?」 柳川は普通に署に出勤していた。 しかし誰も来ず、いるのは自分の上司である長瀬源三郎一人。 しかもその源三郎もさっきから仕事を始めるそぶりもなく、 ただPCでゲームを延々とやっているばかりである。 「大方全員で休暇にでもでとるんだろう。気にしたってしょうがないだろ?」 そう言ってまたPCの方に目を向けてしまう。 どうでもいいがそのゲームがエロゲーだなんてこの人は本当に警察官なのだろうか? おまけに「この選択肢は腹のボタンを押すだな」なんて独り言まで言ってる。 BADEND直行しろ。とか柳川は思ったりした。
「仕方がないって…全く長瀬さんは!!」 柳川は一人考えた。 何故全く他の職員が来ないのか。 全員休暇……はまずありえない。 団体行動権行使中……もここは警察なので違う。 だとしたら何だろう……。 「…またエラーだ!バグが多くていかんなこのゲームは」 まだ源三郎はエロゲーをやっていた。 (人が考えているときに邪魔しないでほしい……。待てよ、バグ?) 柳川の頭にふっとよぎったこと。 (まさか、バグの影響か!?) ドラえもんたちは自分らのいる世界を「ゲームの世界」と言っていた。 そのゲームの世界でもっともあやふやで消えやすいものは何か? そう、名もないその他のキャラである。 大体ゲームを再現するにはそんな通行人のような役は必要ない。 消えるとしたらまずそれらの人達だろう。 と言ってもバグ程度でデータの紛失が起こるのかが疑問だが。 と言うことはここにいてもムダだ、人が来るはずもない。 とするとやることは…… 「ん?柳川、何処に行くんだ?」 「外回りですよ」 バックレ、それしかあるまい。
467 :
名無しさんだよもん :03/09/22 20:35 ID:QSeB+YEx
つまらない。 全然柳川じゃないし あ、ネタか
どうも、狩猟者に汚染された後の柳川しか認めない人って多いよね……。 彼は本来は、毎晩自分の中の狩猟者と必死で戦ってた立派な警察官だと思うんだが。
このままだとこのスレ荒れそうだから ここと別に雑談スレを立てた方がいいと思われ。
470 :
名無しさんだよもん :03/09/23 12:55 ID:zhSIu0gk
>>468 リーフファイトの公式見解でも、狩猟者に操られなくとも
柳川はクールで冷徹だ
上司ぐらいには人間らしい面を見せてもいいと思うんだが
柳川だって日常から冷徹キャラじゃないぞ。 日常シーンがあまりに少ないだけで。
473 :
名無しさんだよもん :03/09/23 22:34 ID:zhSIu0gk
柳川シナリオで軽くでてなかったっけ? 柳川が長瀬と会話するシーンとか、名前忘れたけど隣人の奴と会話してる回想シーンとか。
どうでもいいけどおまいらこんなに真面目に 柳川の議論したの初めてだろ(w
476 :
名無しさんだよもん :03/09/25 01:54 ID:UEEv9iPG
オタクって変なことに真剣なのな。 その時間、仕事や勉学にあてていれば・・・・
結局、
>>465-466 がNGかどうかって問題でしょ?(このスレにNGとかあるのかどうかはともかく)
漏れも、柳川は普段は結構それなりに普通な面はあると思うんで、全然問題ないと思うが。
関係ないけど、作中では千鶴さんと一番性格近い親族って柳川なんだろうな。
>>476 もしそれができたなら、この板自体存在しなかっただろうに。
天使のいない12月がもう明日か・・・このSSにキャラ出るのか?
やめれw
発売が明日、浸透するまで一ヶ月、登場するのに二ヶ月ぐらい かかると見たとして、 さてこの話が完結するのはいつでしょうかね
先程から祐一達は逃げていた。 しかし体力には限界がある。このままでは何時追いつかれるか分かったもんじゃない。 「ここはかく乱作戦だ!!四人バラバラに行動して逃げ切るぞ!!」 祐一が逃げながら提案した。 「バラバラになるのは良いとして……何処で落ち合うの!?」 「水瀬家!!」 それだけ言ってから祐一は三人とは別方向に曲がって行った。 「……それじゃ香里、北川君、また後でね!!」 名雪がいきなり右に曲がる。 おそらく行き先は昇降口だろう。 「相沢君も唐突ね……それじゃ北川君、上手く逃げ切るのよ?」 「おう、わかってるぜ!」 香里が左に曲がった。裏口から出るつもりだ。
「さ〜て、俺はもう少しこいつらをひきつけておくかねぇ……」 北川が後ろを振り向く。 うん、まだ俺のことを追ってきているな。好都合だ。 そう思いながら暫く無意味に一階を駆け回った。 彼は持久力には自信があった。そしてそれは自信だけではない。 全力疾走のスピードこそ劣るものの持久力は陸上部である名雪以上であった。 いや、名雪だけでなく男子陸上部員より上なのかもしれない。 それほど彼は持久力に自信があった。だから誰に頼まれるでもなく自分は殿に徹したのだ。 もう少しここでこいつらをひきつけて他の三人を逃げやすくするために。 事実こいつらはスピードは大したことない。だが念には念を入れてだ。 「さ〜て、そろそろ俺も行くか……」 そこで彼はふと重要なことに気付いた。 「あれ……そういえば水瀬さんの家って何処だ?」 気付いたときにはもう遅かった。 今からでは到底三人に追いつくはずもない。 追いつこうにもどっちに行ったか分からないくらいだ。
「あ、あはは……やべえな」 さらにそれだけではなかった。 先程まで後ろにしかいなかった巨大ミミズが今度は前からも襲ってきたのだ。 「げっ!?」 北川は咄嗟に右に曲がる。 曲がった先は階段だった。 ここで左に曲がっておけば昇降口に出られた。しかし咄嗟のことで彼は右に曲がってしまったのだ。 北川は躊躇わずに階段を駆け登る。 ここで躊躇ったら追いつかれてしまう。 だが、別に階段を上ったからといって事態が好転するわけでもなかった。 オマケに階段を上るという行為で余計に体力を使った。 北川のスピードはどんどん衰えていった。 相手のミミズの方は疲れというものを知らないのか先程と変わらないペースで北川を追う。 結果、差はどんどん縮まりつつあった。 「ち、畜生……これまでか!?」 北川が諦めて床に膝をついたその時、 「………………斬る!!!」 自分の正面から剣を持った少女が現れ自分を飛び越し、 そのままの勢いで巨大ミミズを両断した。
少女の勢いはそれで止まらなかった。 他に迫るミミズたちも手に持った剣で捌いていく。 北川はその不思議な光景を呆然と見ていた。 あまり時を立たずしてその場にいた巨大ミミズ達は全滅した。 このミミズたちが消え去るときに光の粒となって消えていったが、今の北川にはどうでもいいことだった。 それより、この少女のことが気になった。 それもその筈、この少女は今まで不良生徒と名高い川澄舞だったからだ。 「お、おい!」 北川が舞に声を掛ける。 舞は北川のことなどさも初めからいなかったかのように無視して去るところだった。 だが、無視はしてなかったようだ。北川の声に反応して舞は足を止めた。 「あんた、川澄さんだよな……。とりあえず、助けてくれてありがとう」 それと、いい物を見せてくれてありがとう。 そう言おうとしたが、止めておいた。 実は北川は最初舞が北川を飛び越えたときにそのスカートの中身を覗いてしまったのだが、 話の腰を折ることもないし、怒らせるとマズイ気がしたので止めたのだ。 舞は振り向かずに一言言った。 「私は……魔物を討つものだから」
北川はこの意味が分からなかった。 だが、詳しく聞く事はしないでおくことにした。 自分の命の恩人に余計な詮索はしたくないし、おそらく教えてはくれないだろう。 そう考えたからだ。 「あれは……ただ見た目がおかしいだけ。強くないから、あなたでも楽に倒せた」 「それでも、川澄さんは俺を助けてくれたよな?」 北川にとって舞が自分を助けたことは非常に意外だった。 彼女の評判は悪いなんてもんじゃない。 だから自分のことを囮にして逃げることはしても、助けてくれるなどとは思わなかった。 それでも舞は振り向かずにまた一言言った。 「あなたは佐祐理を守るついで……」 そしてちらりと北川を見た。 「ついてくるのはあなたの勝手」 そんなことを言っているような目だった。 北川は気付くと舞についていっていた。 階段を上り、三年のとある教室にたどり着く。 舞は戸を開けた。 中にはもう一人少女がいた。
「あははーっ。舞お帰りなさい、何処に行っていたんですか?」 その少女は北川を見て少し驚いたような表情をする。 「……えーと、そちらの方は?」 「あ、北川潤です」 いきなり話を振られたので北川はとりあえず名を名乗った。 「北川さんですか、佐祐理は倉田佐祐理って言いますー」 彼女は外の異常を知らないのだろうか、にこやかな表情で北川を迎えた。 舞は舞で佐祐理の横の席に座ったまま黙っている。 「……ところでお二人さんは一体どうしてここに?」 北川は二人に聞いてみた。 「……はぇ?ここは佐祐理たちのクラスですから佐祐理たちがいてもおかしくないですよ?」 「いや、そうじゃなくて、この異常な状態のままなんでここにいるかってこと」 佐祐理はそれでも首を傾げ、言った。 「何かあったんですか?」
この人は教室の外で起こっていることを知らないようだ。 舞が話していないのだろうかと思い、北川は舞のほうを見る。 舞は先程からずっと黙って席に着いたままだった。 おそらくこのふたりはついさっきまでこの教室で教師や他の生徒を待っていたのだろう。 だが、待っている途中で下が騒がしくなってきた。 だから舞が様子を見ようと下に来たときに襲われている自分を見つけた。 北川はそう推理し自分で納得した。 「実は……」 北川はこれまでにあったことを話した。 「はぇー、そうだったんですか……」 佐祐理はこの非日常な会話に驚いているようだった。 対する舞は眉一つ変えていない。 「だからここにいるのはやばそうだ。俺的にはさっさとここからとんずらしたほうがいいと思うんだが」 「そうですねー、そうしよっか舞?」 舞は無言で立ち上がる。 どうやらここから立ち去るという案に賛成のようだった。 「じゃあとりあえず学校から出ようぜ」 そういって三人は教室を後にした。 【祐一・名雪・香里は学校脱出成功】【北川・舞・佐祐理は脱出に向けて行動開始】
天いなは多分でないんじゃないか?いくらなんでも新しすぎるし まあ、書く奴いるかもしれないが
>【祐一・名雪・香里は学校脱出成功】【北川・舞・佐祐理は脱出に向けて行動開始】 鯖?
>>489 はロワを知らないわけだが、なぜageる?
おー面白くなってきたじゃないか。 でもそろそろドラたちも出てこないと まずいんじゃないか?
>>392 の掟を適用するとすればまずいことはないと思うが?
494 :
名無しさんだよもん :03/09/27 15:24 ID:OzjC+8Jw
ところで参加するといっていた419氏はどうなってるんだ?
柳川の話を書いていたのは419氏じゃないのか?
「どうやら行ったみたいですね……」 教室から抜け出ると、美汐は安堵の声を洩らした。 学校に着いてみれば誰も来ず、教室で待っていたら謎のミミズの乱入事件。 明らかな異常事態だった。 どう見ても自分に攻撃的な相手に、美汐は逃げるのが最良の手と判断した。 そのまま美汐は教室から廊下に走り出た。もちろん相手も追ってくる。 そこからが美汐の凄いところであった。 あらかじめ自分のかばんを手に持っておき、相手が出てくるタイミングを見計らい、 廊下の奥にかばんを投げてから再び逆の扉で教室に入ったのである。 後はその音に気をとられた相手が通り過ぎるまで教室で息を潜めるだけである。 さらに運のいいことに、廊下では一人の少年が疾走していた。 美汐を狙っていたミミズはそちらのほうを追いかけていく。 そのような方法で美汐は逃げることに成功したのである。 廊下を注意深く窺った。 上の階ではまだ声が聞こえるが、一階にはもう何も気配はない。 美汐はそろそろと教室を出て、曲がり角に注意しながら慎重に廊下を進んだ。 そして、中庭への扉が美汐の目前に飛び込んできた。 即座にこのまま昇降口を目指すことと一旦中庭に出ることのどちらが適確かを考える。 このまま廊下を進んだ場合、最悪挟み撃ちに遭う場合がある。 だとすれば、多少見渡しがよくて見つかりやすくても逃げやすい外のほうが良い。 そう考えた美汐は中庭の扉を静かに開けた。 そして中庭に出ると、校舎の近くの植え込みに身を隠しながらそろりそろり、校門へと向かった。
そのとき美汐は話し声に気付いて足を止めた。 (誰かいますね……五人、どうやら子供のようですね) そして話をそっと盗み聞きする。 「………キャラ削……?」 「そ………僕ら…ゲーム入…込み…………PCに……………」 なにやら美汐の常識の範疇を超えた話をしていた。 「今…僕らは…パソコンの中にいる……」 「……手分け………ワクチン……れる技術者……開発……える……」 その後五人の子供はそれぞれ竹とんぼのようなものを頭に装着し、 不思議なことに空へ飛び上がり四散、いや五散して行った。 (一体なんだったんでしょうか今のは……) 美汐は考えた。 先程の五人の子供の会話を聞く限り、 ゲームがどうのこうの、自分たちはパソコンの中にいる。 何かの技術者などを探している。 そのようなことを言っているようだった。 美汐の見る限り先程の子供たちは子供といっても小学校高学年だろう。 何かごっこ遊びをしているわけではなさそうだった。 それに竹とんぼのようなもので空を飛んだことも気になる。
(パソコンの中にいる…とはどういうことでしょう……?) あの五人は間違いなく「パソコンの中にいる」といっていた。 あの五人の言う「パソコンの中」とは何か? 自分が今こうして行動しているこの場所のことを言うのか? いろいろな考えが美汐の頭の中によぎる。 五人の子供たちが自分を担ごうとしているという可能性も考えた。 だが、自分は「盗み聞き」をした。おそらく相手には気付かれていない。 それ以前に自分があの場にいたのは全くの偶然だ。 自分を担ごうとしている可能性はない。もとより理由もない。 でも、その話が真実だと仮定するとあまりにも突飛過ぎて信じる気にはなれなかった。 だが今の状態もまた普段の美汐なら考える間もなく否定するほどの異常である。何が起こってもおかしくはない。 (このことは暫く保留ですね……) 美汐は再び辺りに気を配りながら校門を目指す。 十分後、美汐は校門へ到着した。 (さて、これからどうしましょうか……) 解決策が出ないまま、美汐はとりあえず自分の安全の確保の為に動き始めるのだった……。
438−448氏には帰ってきて欲しい……
お疲れ!けっこう面白いじゃん。 そういや美汐もあの学校に通ってたっけ
「川澄さん、ちょっと」 「?」 北川、舞、佐祐理の三人は校舎をゆっくり移動していた。 先頭に舞、殿に北川、二人の間に佐祐理という順で。 このメンバーの戦闘力は舞>北川>佐祐理なので当然のことであった。 「その剣の他に武器はないのか?」 だが、実質このメンバーは舞以外は全く話にならないというのが現状であった。 それもその筈、武器は舞の西洋を思わせる両刃の剣以外はなく、 北川と佐祐理は全くの丸腰なのだ。 「…………ない」 「そ、そうか……。だったらさ、これから武器の確保をしたいんだが」 北川の言うことも至極もっともである。 舞が強いとは言え、一人。いきなり後ろから急襲されたらひとたまりもない。 舞自身は守りきれるだろうが、北川や佐祐理など倒れるのにものの数秒だろう。 だから今は「敵」が襲ってきても戦えるほどの武器が欲しかった。
「北川さん、武器なんて何処にあるんですか?」 佐祐理が聞く。確かにここは学校だ。重火器の類などは間違ってもないだろう。 しかし…… 「探せば結構あるさ。家庭科室には包丁があるだろうし、剣道部室には木刀があるだろう。 そういうもので俺と倉田さんが自分で自分を守れるようになっとかなきゃ駄目だ」 「…………」 「ん?どうしたんだ川澄さん?」 舞は無言で化学室を指差していた。 おそらく、ここにあるものを少しいただいていこうという意味だろう。 「化学室……ですね」 「化学室か……なんか便利なものがあるかもしれないな」 三人は化学室へ入った。
「北川さん、これなんかどうでしょう?」 「……濃硫酸か。結構使えるな」 三人は化学準備室の薬品をいろいろ漁る。 流石にニトログリセリンのようなものはないが、それでも使えるものは結構あった。 「オッ、これも使えそうだな」 「アルコールランプですか…?一体何に使うんです?」 「へへっ、まあ見ていてくれよ」 北川はアルコールランプの栓を空け、小さいフラスコにその中身を空けていく。 そしてフラスコの口に隅に積んであったプリントをねじ込んだ。 「ホラ、簡易火炎瓶だ。アルコールランプのガラスより割れやすいから簡単に使えるぞ」 「凄いですー、そんな使い方があったなんて佐祐理は全然気付きませんでしたー」 北川は準備室の中をなお漁る。 そしてマッチを数箱取り出し佐祐理に渡した。 「これで火をつけるんだ。とりあえず全部のアルコールランプを使っても12本しか出来なかったがな」 それから北川はにっと笑い、三等分な。 といって12本の火炎瓶もどきを三組に分けそれぞれ持った。
「これはまきびしと同じ使い方で使ったほうがいいな。 炎をつけても燃えているのアルコールであって相手を燃やしてるわけじゃないからな」 「それでは、この濃硫酸はどうしますー?」 「ん、これか?」 北川はその濃硫酸が沢山入ったビーカーの中からスポイトで少しずつ硫酸を取り、 試験管にいっぱい入れてゴム栓で蓋をした。 「これはいざというときに栓を開けて相手にぶっ掛けるんだ。 でもこれは自分にかかったら危険だから注意が必要だな」 「はい、わかりました」 北川は濃硫酸を試験管に空けていく。 これも計15本出来た。 「大体こんなもんかな……」 「これも……」 「おわぁっ!!……って川澄さんかよ!?」 北川の後ろには先程まで何時の間にやらいなくなっていた舞が立っていた。 舞は北川に数本の包丁を差し出す。
「包丁?どうしたんだこれ?」 「……家庭科室から持ってきた」 舞のこの計らいはありがたかった。 今まで北川が作っていたものは全てその場しのぎの消耗品に過ぎなく、 使い切ったら後がなくなるからだ。 「じゃあこれは俺と倉田さんが使う。川澄さんもその剣があるだろうけど、 たった今作った火炎瓶と濃硫酸入り試験管を何本か持っとけよ」 「……分かった」 火炎瓶もどきのフラスコ、 濃硫酸入り試験管、 ナイフ代わりの包丁。 これらの貧弱な武器でこれから先やっていけるのだろうか。
「なああれ……新客か?」 化学室を出てからすぐのことであった。 北川たちの前に新たな「敵」が立ちふさがっていた。 「お猿さん……相当に嫌いじゃない」 「あははーっ、舞ったらお茶目さん」 その「敵」は猿のようで猿ではなかった。 ただ、形容するとすれば猿。それぐらいだった。 その猿は群れを成していて、一匹一匹が北川たちに明らかな敵意を向けていた。 「おい……何処の世界に紫色の猿がいるんだよ?」 「分かってる。あれも多分……敵」 そう言いながら舞は剣を構える。 ただ、その表情はとても残念そうであったが。 「キーーーッ!!!」 急に猿の一匹が舞に飛び掛かった。 「…………っ!!」 急な出来事に舞はとっさに剣で防御するが、 猿の力は意外に強く、斬りつけるまでには至らなかった。 舞は渾身の力を込めて猿を振り払う。 猿はその動きにあわせて後ろに飛び、また群れの中に戻った。
「川澄さん、大丈夫か!?」 「あのお猿さん……相当に弱くない」 舞はこの人数が相手だと勝ち目はない。と言いたげな顔をしていた。 そしてそのことは口に出さなくても北川や佐祐理には伝わっていた。 いや、伝わっていたというよりは同時に感じ取っていたというべきか。 「じゃあ……逃げるか?」 「多分逃がしてくれそうにない」 猿たちは今にも飛び掛からんとしていた。 それに呼応するかのように舞が剣を構えなおす。 北川もそれを見て包丁を取り出した。 スッ 突然猿の群れの前に一本のフラスコが投げ入れられた。 先ほど北川が作っていた火炎瓶もどきである。 バリン!!! フラスコは割れ廊下中に轟々と紅蓮の炎が燃え盛った。 「キ、キィーーーーッッ!!!!!」 猿たちはその見た目は激しい炎に怯えあとずサル。
「さあ、今のうちに逃げましょう!!」 火炎瓶もどきを投げたのは佐祐理だった。 先ほど舞が猿の攻撃を防いでいる間に準備を済ませていたようである。 「ナイス、倉田さん!」 北川と舞はすぐに踵を返し、走り出した。 目指すはこの校舎の出口である裏口。 しかし北川は逃げながら思っていた。 化学室を出た途端に火炎瓶を早くも一本失った。 果たしてこのままやっていけるのだろうか……と。 【舞 火炎瓶残り四本 試験管残り五本 剣一刀】 【北川 火炎瓶残り四本 試験管残り五本 包丁一本持ち】 【佐祐理 火炎瓶残り三本 試験管残り五本 包丁一本持ち】
513 :
名無しさんだよもん :03/09/30 23:59 ID:qkhawAMD
たまかずなんて、バイオハザード者在るまいし、どうでもいいがな
数が合ってないとかケチつけるヤツもいるだろうし、数え間違えだってありえる。 メモみたいなもんだろ
なんかだんだんハカロワみたいになってきたなぁ… これはあくまでドラえもんの話じゃなかったのか? でもまぁ面白いからいいけど
>>515 俺もそう思った。特に北川のキャラというか、動かし方が
「ところで、どこへ行くんですか?」 佐祐理が北川に尋ねた。 「とりあえず、相沢…あ、俺のクラスメイトの家へ!」 「相沢・・・?もしかして祐一さんの家ですか?」 「え・・・もしかしてお知り合い?」 「はいー。私、祐一さんの家初めてなんですよー。楽しみだねー、舞。」 「・・・・・・。」 北川の心の中で叫んだ。 (くっそう相沢の奴め!こんな美しい人達と知り合いだったのか!名雪さんだけじゃモノ足りないというのかああああ!!) しかし今は嫉妬している場合ではない。一刻も早く祐一達と合流せねば。 3人は全速力で走った。
「ここまでくれば大丈夫だろ・・・。」 学校から十分離れたと思われる地点で、3人は速度を落とした。 ミミズに襲われた時から走っていた北川は、流石に疲れていたのだ。 北川は佐祐理と舞を見た。二人はさほど疲れていないようで驚いた。 「北川さん、大丈夫ですか?」 「え?ええ、倉田さん達こそ疲れてませんか?」 「平気ですよ〜。ねえ、舞?」 コクッ (もしかして疲れているの俺だけか・・・。) 北川は情けないような悲しいような、複雑な気持ちになった。 「北川さん!前っ!!」 「へっ?」 北川が振り向いた時には、犬・・・いや、「犬のような」生き物が飛び掛ってきていたのだ!
「うおおおおぉぉっ!?」 バキッ!! 次の瞬間、その謎の生物はふっとばされていた。 「大丈夫か!?」 北川は呆然とした。「彼」は空からやってきて、自分を襲ってきた生物を殴り飛ばしたのだ。 手には、何かてぶくろのようなものをつけている。 「き、君は・・・?」 「あ、俺・・・いや、僕は剛田武です。ジャイアンって呼んでください。」 「はあ・・・。」 「あの、美坂香里さんがどこにいるのか知りませんか?」 ジャイアンは目の前の3人が誰なのかわかっていたので、敢えて単刀直入な質問をした。 怪しまれるかもしれないが、栞との約束を果たさなければならない。 だから早く香里を見つけたかったのだ。
「香里?君は香里の知り合いかい?」 「ええ。」 「それなら、今から俺達が向かう場所にいるから、一緒にこいよ。」 「いいんですか?」 「まあ、空から飛んできたり、見たところ小学生くらいの少年があの生物をぶっ飛ばしたり、正直、 突っ込み所満載なんだけどな。しかし、助けてもらったから、その礼って事でどうだ?」 「ありがとうございます!」 「それじゃあ北川さん、急いだ方がいいですね。」 佐祐理さんと舞はまた走りだした。どうやら二人は空からやってきた少年について気になる事はないらしい。 (まあ、変な化け物に襲われているワケだし、今更驚く事もないか・・・・。) 北川とジャイアンも二人に続いた。 「倉田さん、その角を曲がって。」 「はい、わかりましたー。」 しかし、佐祐理と舞が角を曲がった瞬間、二人に大きな柱が降ってきた!
「きゃあっ!?」 「!?」 それは突然の出来事だったので、舞も反応しきれなかったようだ。第一、隣には佐祐理がいる。 自分が避ければ佐祐理は・・・。 舞は剣で受けをとる。だが、その大きな柱に比べ、その剣はあまりにも細すぎる。 低空飛行していたジャイアンはその大きな「何か」に気づかなかった。もう間に合わない。 「あぶないっ!」 バッシィィィィィィィィン!!! 北川とジャイアンが角を曲がった。そして彼らが見たものは・・・・。 またもや謎の生物。体は猿で、顔が犬・・・大きな柱に見えたのはその生物の腕だったようだ。 その腕は・・・・最初に襲ってきたミミズのようだった。人より一回り以上大きい。 そして、佐祐理さんと舞の前に立つ、おさげの少女。
「留美!?」 「久しぶりね、佐祐理。」 「どうして?確か引っ越したんじゃ・・・・。」 「また転校したのよ。でも、何故か今日は学校に誰もいなくて・・・・。ブラブラしてたらここに来てたってわけ。 でも不思議ね。ここってそんなに近かったかしら?」 立っていたのは七瀬留美。ONEのキャラだ。手には竹刀を握っている。どうやら二人は彼女に助けられたらしい。 ONEの世界にいるはずの留美がここにいるのは、「ゲーム入り込み靴」で葉鍵の世界が混ざってしまったからであろう。 「倉田さん、知り合い?」 「あ、はい。中学のころの友達で・・・。」 「それよりも、何なのよ、このデカイのは?」 謎の生物は再び腕を振り下ろした。留美はそれをヒラリと避ける。 「まあ、襲ってくるなら倒すしかないわね。」 留美は持っている竹刀で謎の生物に切りかかった。素早い太刀さばきだ。 敵の攻撃は当たらない。それとは逆に、留美は正確に攻撃を与えている。 「・・・できる!」 「あ、舞っ!?」 舞も戦闘に加わった。留美に劣らない素早い動き。 「あんた、やるわね。」 「・・・。」 「一気に決めるわよ!」 北川達には、敵が二人に遊ばれているようにしか見えなかった。
留美と舞の見事なコンビネーションで、敵はなす術がなかった。しかし、何度切り刻んでも敵は再生した。 二人の攻撃は相手に致命傷を与える事ができないのだ。 「ラチがあかないわね・・・。」 「再生するのなら、それができないくらいに切り刻むだけ。」 留美も舞も焦り始めていた。このまま戦闘を続けてもこっちの体力があぶない。 早急に勝負をつけなければならない。 (くそっ!!) 一方、ジャイアンは何もできない自分に怒っていた。 自分がつけている、この「パワーてぶくろ」があれば、あの生物に対抗する事はできるかもしれない。 だが、自分が戦闘に加われば、あの二人の足を引っ張る事は目に見えていた。 (このままでは、皆が栞のように・・・・そうだ!) ジャイアンはポケットの中からチーターローションを取り出した。 これは、足に塗りつければ短時間だが高速移動が可能になる道具だ。 (これを使えば、二人の足を引っ張らずに戦える!)
ジャイアンはチーターローションを素早く足に塗りつけると、前の生物に向かって走った。 しかし、慣れていないため拳を前に出したまま敵に体当たりをする形になった。 パワーてぶくろとの相乗効果で相手が吹っ飛んだのは幸運である。 「少年もやるじゃない。」 「・・・速すぎる。」 流石に二人とも驚いたようだ。二人の戦士は尊敬のまなざしでジャイアンを見る。 「へへっ・・・!どんなもんだい!」 腕がビリビリいっているが、それは内緒だ。 「さて、そろそろケリを付けるわよ。悪いけど、あんた達二人でちょっと時間稼いでほしいのよね。」 「・・・どれくらい。」 「30秒。」 「・・・わかった。」 言うが早いか、舞は再び生物に切りかかっていく。ジャイアンも続いた。
「佐祐理!それ、火薬でしょ?私に頂戴。」 「え?う、うん。いくつ?」 「全部。」 「ちょ、ちょっと待て!貴重な武器を・・・・!」 「ここでやられたら終わりでしょうが!!」 北川は黙り込んだ。留美の言う通りだからだ。 留美は、佐祐理から火薬を受け取ると、ポケットから何かを取り出し、ゴソゴソと何かを作りはじめた。 「よし・・・できた!二人とも、そいつの動きを止めなさい!」 「はぁぁぁぁぁぁっ!!」 舞の剣が輝くオーラを放つ。幻想的な光だった。そして、ジャイアンのパワーてぶくろもまた輝いている。 「たぁっ!!」 舞がの剣が敵を切り裂く。敵には先ほどまでと比べ物にならないほど大きな切れ目が入った。 「おらぁっ!!」 続いて、ジャイアンの強烈なアッパー。てぶくろの輝きがパワーを増したのか、舞が与えた切れ目をえぐるようにして相手の傷口を広げた。
「これで、終わりよ!!」 留美は高く飛び上がり、落下した敵に向かって竹刀を投げつけた!竹刀には火薬がくくりつけてある。 「奥義、紅蓮竹刀!!」 竹刀が相手の傷口に突き刺さり、大爆発。着地した留美は一言、 「乙女にしかなせない技よ。」 そう呟いた。 爆発の煙がなくなると、謎の生物はバラバラになっていた。再生する様子はない。勝負はついたのだ。 「や・・・やったぁー!!」 北川は狂喜乱舞して、バラバラになった生物の所近づいた。 「全く、ビビらせやがって、この・・・」 「待って!!」
留美が叫んだが遅かった。バラバラになった生物の「頭」が、北川に向かって噛み付こうとしたのだ。 「さ、さっきと同じ!?うぉぉぉぉっ!?」 キラリ〜ン 「・・・?」 何とも間の抜けた音が聞こえ、北川は目を開いた。すると、犬の頭に星のような・・・いや、星がささっている。 皆が振り返った。そこには・・・ 「あ、あははー。北川さん、助かってよかったですねー。」 手に漫画の魔法少女のようなステッキを持った佐祐理がいた。 「倉田さん・・・今のは?」 「あ、え、ええと、空から流れ星が降ってきたんですよー。北川さん、ツイてますねっ!」 そういうと、佐祐理は一人走り出した。
「倉田さん・・・相沢の家はこっち。」 「あ、そ、そうなんですか、皆さん、急ぎましょう〜。」 完全にごまかしている。佐祐理は走っていってしまった。 「私も行くわ。なんだか大変な事になってるみたいだし。」 「・・・。」 「あんたとはいつかお手合わせ願いたいわね。」 そう言って二人は行ってしまった。 ジャイアンは不思議に思った。ゲームでは、留美が今目の前にいるような性格ではなかったはずだ。 男っぽく、逞しい性格は浩平の妄想だったはずである。 また、さっき輝いたこのパワーてぶくろ。本来そんな仕様ではない。 これらはゲーム入り込み靴の影響なのか、また別の原因があるのか、とりあえず今は気にしない事にした。 (しかし、佐祐理さんは一体何者なんだろう・・・・。) (今回は舞と留美にいいとことられちゃいましたね。でも次回こそは・・・。) (俺、学校にいる間はカッコよかったのになあ・・・。) それぞれの思いが交差しながら、一同は走り出す。祐一の家はすぐそこだ。 【ジャイアン、北川、舞、佐祐理、留美 祐一の家に到着】
529 :
438 :03/10/02 17:59 ID:7skqx0hP
公式設定破りまくってごめんなさい。_| ̄|○<スミマセンコノトオリデス 何かまた長いですね・・・無駄が多いのか。(鬱) 次投下する事があったらもっと縮小するよう努力します。 どうしても舞&留美タッグを書いてみたかったのです。(つД`) >500 いつも見てますよ。(´・ω・`) でもそういってもらえて恐縮です。たまに投下しに来ますので、 その時はよろしくお願いします。稚拙な文章ですけど・・・。=□●_
438、なかなか面白かった!また書いて欲しいぞ でも七瀬は七瀬って書いてくれたほうがしっくりくるんだが… いかがなものか?
531 :
438 :03/10/02 20:21 ID:7skqx0hP
Σ(゚Д゚‖) そうなんですか・・・正直迷ったんですが、佐祐理には「留美」と呼ばせたかったのでそのまま語りにも・・・。 ONEは一通りプレイしているんですが、気づきませんでした。そういや浩平は「七瀬」って呼んでましたっけ。 ・・・・吊ってきます。Λ‖Λ ↓以後、語りの「留美」呼びはなかったように書き手さん方続きをお願いします。
あと北川の名雪呼称は「水瀬」だったと思う。どうでもいいことでスマンが
533 :
836 :03/10/02 20:29 ID:JQ13Il89
……自分、たった今書いていた文を削除完了
438氏、乙です。面白かったですよ
自分的には彰と被るから「留美」でオッケーなんですが。
>>532 ほんとうにどうでもいいけど、確か原作では北川は名雪のことを呼んでいなかったと思います。
つっこむなら香里呼称「香里」→「美坂」だと。本当にどうでもいいことだけど。
「お〜い!!」 ジャイアンたちは勢いよく水瀬家のドアを開けた。 「では、お邪魔しますね」 「……………………」 「ここが水瀬の家か……」 「結構大きいわね……」 五人は水瀬家の中に入る。 すると、既に見知った顔が居間にてくつろいでいた。 「おっ、来たな北川」 「遅かったじゃない、何してたの?」 いや、俺は水瀬の家の場所を知らなかったから。 ……とは、決して言えない北川であった。 「ああ、ちょっとあいつらの処分にてこずってな」 「ふ〜ん……。で、後ろの人たちは?」 香里はジャイアン、佐祐理、舞、留美に目をやった。 佐祐理と舞のことは知っているかもしれないが、 ジャイアンと留美のことは香里が知っているはずもない。
「その男の子は剛田武さんですよ。この家で暫く預かっているんです」 後ろから秋子がお茶を運びながら答えた。 そして、一人一人に「熱いので気をつけてくださいね」と言いながらお茶を配る。 ジャイアンは香里に目をやった後すぐに目線を逸らした。 いつ栞のことを話すか、言い辛くて迷っているのだ。 その後はみんなの自己紹介タイムに入っていた。 居間水瀬家にいるメンバーは 祐一、名雪、香里、北川、ジャイアン、舞、佐祐理、留美、真琴、秋子の九人。 なかなかの大所帯である。 「……へえ、舞や佐祐理さんもあの学校で変な生き物に襲われたのか?」 「……(コクリ)」 「そうですよー、もう駄目かと思いました」 祐一が佐祐理や舞と何気ない雑談に花を咲かせる。 「でも、一体どうしちまったんだろうな学校は。これじゃあ屋上前の踊り場での弁当も……」 「ちょっと待って!」 急に名雪が祐一の話を制した。 「どうした名雪?」 「おかしいよ、祐一がこっちに来てから三日だけどずっと私たちと学食だったよ。 それなのにどうして先輩たちとお弁当なんて話ができるの?」 そう、祐一はこの北の街についてまだ間もない。 それまでずっと名雪たちと学食であった。その祐一に弁当の話など出きるはずもない。
「えっ、それは実際に舞や佐祐理さんと昼休み弁当を……」 「だから、それはいつの話なの?」 名雪に言われて祐一は考え込む。 確かに自分はこの街についたばかりだ。二日連続学食だった。 普通に考えてこの二人と弁当を食べる時間はない。 それによくよく考えればこの三日間名雪・香里・北川以外とは係わり合いになった人は学校にはいなかった。 それなのに……、それなのに自分はこの二人のことを知っていて、一緒に弁当を食べた記憶があって……。 祐一が考えれば考えるほど深刻な顔になっていくのを見て、見かねたのかジャイアンが動いた。 ジャイアンはポケットから筒みたいなものを取り出す。 「ドラえもん、俺だよ。……そう、じゃあすぐに来てくれ」 傍から見ると筒に話しかけているだけの滑稽な様。 だが誰も茶化さなかった。ジャイアンが真面目な顔をしていたから。 そのときだった、急にピンク色のドアが現れた。 そのドアは勢いよく開かれ中からドラえもんが出てくる。 「うん。やっぱりこの場所をドアに記録させておいてよかった」 その不思議な光景に、ジャイアン以外の誰もが唖然とした。 「あ、これはどこでもドアって言って、どこにでもいけるドアなんだ」 ドラえもんは「地図がインプットされていないから、記録させておいたここだけだけどね」 と付け加えながらいまだ唖然としているメンバーに向かって言った。
「…………タヌキさん?」 「でしょ?タヌキみたいだよね?」 ドラえもんを見てポツリと呟いた舞に真琴が便乗した。 今まで話に全く加わっていなかったのに、こういうときにだけ参加して……と,心の中でドラえもんは憤った。 「そ、それなら君だって狐じゃないか!!」 「狐とはなによぅ!タヌキのクセに!!」 「タヌキとはなんだタヌキとは!!」 ドラえもんと真琴が喧嘩を始める。 それを呆れた目つきで見つめる祐一達。 「で、俺の記憶の混乱のほうはどうなったんだ?」 「え?」 その祐一の一言でドラえもんはぴたりと喧嘩を止める。 「ああ、ゴメンゴメン。それについてだけどね」 ドラえもんはそこで言葉を切って、皆を見回した。 「少し残酷なことだろうけれど、言うよ。ここはゲームの世界なんだ」 時間にして、ほんの数秒。 静寂が場を支配した。 どこでもドアという非日常的な道具でやってきたドラえもんは、 この場のメンバーにまた、非日常的な会話を打ち出したのである。
「……もう少し詳しく聞かせてくれないかしら?」 最初に返事をしたのは秋子だった。 それを聞いて、ドラえもんは少し申し訳なさそうな表情になる。 「実は…………」 ドラえもんは話した。 ここが、ゲーム入り込み靴で作られたゲームの世界だということ。 ウイルスのこと。 「そうか、つまりはここはゲームの世界で俺たちはゲームのキャラクターと言うわけか……ははは」 祐一は笑った。空笑いと言う名の笑い方で。 そして、急にドラえもんを睨みつけ、言った。 「ふざけるな!ゲームと言う一言で俺たちの生活の全てを片付けるのかよ!?」 「待て相沢、気持ちは分かる。だが冷静に考えてみろ、信じても信じなくても結果は変わらないんだ」 そういいながら北川は考えていた。 自分らの世界がゲームである可能性を。 ゲームである場合を考えてみた。 最初に自分らに襲ってきた奴らはウイルス。 相沢の記憶の混乱はセーブデータの混在による混乱。 次にゲームでない場合を考えてみた。 襲ってきた奴らは…分からない。生き物だったら光の粒となって消えたことに説明がつかない。 記憶の混乱についてもおかしい。相沢だけならまだしも自分たち側や川澄さんたち側の食い違いについても謎だ。 結論を言えば……この世界がゲームである可能性のほうが高い。
「ドラえもんさん、皆さん」 急に秋子が口を開いた。他のメンバーも秋子を見る。 彼女は、静香に微笑んで続けた。 「私たちが、あなたたちの世界でのゲームの登場人物だったとしても。私たちは、ここにいるんですよ?」 彼女は、その事実を受け止めても、いつもと変わらない笑顔で。 「祐一さんも、名雪も、ここで出会った全ての人たちは。ちゃんとここで、この世界で」 「生きているんです」 その秋子の言葉に、全員が申し合わせたかのように押し黙った。 「秋子さ―――」 祐一が何か言おうとしたときだった。 ガシャン。乾いた音が水瀬家の居間に響き渡る。 ガラスが割れた音だった。そして突然やって来る――招かれざる客が。 客は一匹だったが、さっき北川たちが火炎瓶もどきで撒いた猿だった。 「キーーーーッ!!」 猿はいきなり飛び掛った。一番窓際に座っていた秋子に。
「あっ………!!」 全員が気付いたときには、もう遅かった。 ザシュッ。鋭い音が居間に交差する。 秋子は猿に爪で「斬られて」いた。 その後でジャイアンがスーパー手袋で猿を思い切りぶん殴り、 舞が剣で止めを刺したが、秋子は無言で床に伏していた。 「お母さん!!」 名雪が秋子の手をとる。 だが、秋子の体は既に足が細かい光の粒となっていた。 「名雪……私はどうやらここまでのようです。私もドラえもんさんのお手伝いをしたかったですけれどね……」 「お母さん、そんなこと言っちゃ駄目だよ!!私、もう笑えなく……」 名雪の瞳から大粒の涙がこぼれる。 秋子はまた微笑んだ。 「ホラホラ、泣いちゃ駄目よ?それから、祐一さん――――」 「…………はい」 「私がいなくなったら、名雪を支えられるのはあなただけです。名雪を頼みましたよ? それから、二人とも、どんなことがあっても生き延びてくださいね……」 秋子はそのまま「消えた」 だが、その表情は最後まで微笑んだままだった。 【水瀬秋子 あぼーん】
名雪はこの後引き篭もって糞尿垂れ流し生活に突入するのか。
542 :
438 :03/10/03 16:10 ID:+P9e78iM
そういや北川が逃げ遅れたのって名雪の家を知らなかったからなんですよね・・・。 いきなり矛盾させてしまった。すいませんです。(;´Д`) 後で修正するってのは・・・・・ダメですか。_| ̄|○<チャントヨメヨ、ジブン
あああ秋子さんが…! ここもだんだん活性化してきて嬉しい限りだな 矛盾したことは後で直せばいい。とりあえず続き気になるから 頑張って書いてくれ
544 :
名無しさんだよもん :03/10/03 21:31 ID:GgcyDtjS
これは小説なんですか?
>>542 大丈夫、ジャイアンが水瀬家まで案内したことに脳内補完してる
25周年スペシャルあげ
どうでもいいがキャラの呼び方は、そのゲームの主人公が呼んでた 呼び方でいいんじゃないか? 七瀬留美は浩平が七瀬って呼んでたから七瀬、七瀬彰は冬弥が彰って 呼んでたから彰、とか。
また一人消えた。 自分が、絶対に消させないと決めたはずなのに消えた。 役にも立たない決意だった。 去るが秋子を斬るまで全く動けなかったことが、妙に腹立たしかった。 でも、絶対にここにいるみんなは守りたい。 また役にも立たない決意だけなのだが、本気でそう心に決めた。 「ねえ、名雪さん……」 ドラえもんは名雪に声を掛けてみた。 名雪はピクリとも動かなかった。秋子が消えた場所に蹲ったまま。 ドラえもんは二の句が継げなかった。 今時分が何を言っても何の慰めにもならない。その前に、自分の声は名雪には届かないだろう。 そう思い、ドラえもんは何も言わないことにした。 「名雪……」 代わりに祐一が名雪に声を掛ける。 そのとき、その声に呼応するかのように名雪が立ち上がった。 そして、祐一のほうを向き微笑んで、言った。 「祐一! ドラちゃんたちのお手伝いをするよ!! ……お母さんも言ってたもんね、泣いちゃ駄目だって」 その名雪の表情を見て、安心したのか祐一も笑った。 「よく言った名雪! ウイルスだかなんだか知らないが、信じてやろうじゃないか!! そんなもん俺たちで叩き潰すぞ!!」 「そうだな、やらなきゃ何も始まらないもんな」 「…………(コクリ)」 北川や舞も瞬時に賛同してくれる。 この友人たちの計らいが、とてもありがたかった。
ちょうど、そのとき 「剛田君だったわね、こんなところに連れてきてどうしたの?」 廊下ではジャイアンが香里と話していた。 秋子が消えた今、うかうかしていられない。 伝えることが、例え残酷だったとしても言わなければならないのだ。 「まず、これを見てくれ……」 ジャイアンはコンパクトケースからストールを取り出した。 そう、栞が消えたときにジャイアンが身に着けていたため偶然残ったストールだ。 「そ、それは!?」 香里の表情が驚愕に染まる。 そして、ものすごい剣幕でジャイアンに掴みかかった。 「栞はどうしたの!? 言いなさい!!」 「……消えた」 ジャイアンは消え入りそうな声でそれだけ言った。 何を表したいかはこの一言で十分だった。 香里の表情は驚愕に染まっていた。 「……だけど、最後には「ありがとう」って……」 「何を言ってるの? 私に妹なんていないわ」 急に香里は横を向いてそんなことを言った。 「私に妹なんていない……。なのに、なのに、何で涙なんて出てくる訳?」 香里が小刻みに震えている……。 そしてその頬に小さな光が伝っているのが分かった。 「香里さん……」 いきなり声が聞こえる。 二人がびっくりして振り向くと、佐祐理がいた。
「ねえ祐一……。私、お母さんがいなくてもがんばるけど……けど……」 「けど……なんだ?」 「祐一は……ずっと側にいてくれるよね?」 「ああ、ずっと一緒だ」 部屋の中では相変わらず祐一と名雪が別の空間を作っていた。 「しかし……部屋の中でああもいちゃいちゃされるとこっちが白けるよな」 「…………」 「どうしたんだ川澄さん? そんな悲しそうな顔して」 「…………別に悲しんでなんかいない」 「いでっ! チョップは止めてくれ!!」 廊下では…… 「倉田さん……聞いてたの!?」 「はい、失礼かと思いましたが最初から聞かせていただきました」 「そう……同情はいらないわ」 「自暴自棄にはならないでください。……それに、兄弟を失ったのはあなただけではないんですよ」 佐祐理はそれだけ行って廊下を後にした。 事情を知るジャイアンはうつむく。 「剛田君何か知ってそうね……倉田さんはどうかしたの?」 「佐祐理さんはな……ずいぶん前に弟を亡くしてるんだよ」 ジャイアンはそう言った。 何故知っているのか、それはプレイしたからだ。 それを聞いて香里がはっとした表情になる。 「えっ……!? それじゃあ倉田さんも……」 そう呟いたきり香里は押し黙ってしまった。 だが、心の中ではこう思っていた。 「泣き言はもう十分、栞の分まで生きる」と。 香里は急に上を向くと、 「剛田君、そのストールはあなたに譲るわ」 とだけいって部屋の中へ入った。
551 :
名無しさんだよもん :03/10/06 21:21 ID:5762doNB
のびたとうたわれるものはどうなったの??
>>551 作者が月姫のゲーム作成中。当分帰ってこないと思われる。
どうでもいいが誤字多い。落ち着け。 「去る」「今時分が」
ところで今回続きを書いてくれた人は誰なんだ? せめてコテハン名乗ってほしい…
555 :
あんちょびー :03/10/08 00:30 ID:lC8QtkOg
>>554 次回もよろしく。みてくんないとあばれちゃうぞ
静香ちゃんはどうなったんだ!?
うお、あんちょび。機会があったらまた会おう。
>>557 洩れはそれでいいと思う。葉鍵ネタだし、ドラえもんだし、
乗っ取りイクナイとか言う自治厨もなにも言えまい
559 :
名無しさんだよもん :03/10/08 22:10 ID:lC8QtkOg
しかもむこうではここが関連スレになっている罠。
ならべつにかまわないのでは?
別スレにまではるばる討論に行く奴そんなにいるのか?
言っちゃ悪いが、この程度の人数なら別スレにしたらどちらか(或いは両方)過疎化するだけだと思われ。
それ以前にここにはどれぐらいの人が来てるんだ
今みたいに感想で話と話の間が空いて 繋がりが解り難くなるからじゃないのか?
hosyu!!!!!!!!
さて、そろそろ執筆者が降臨してくれないと 過疎化が更に進みそうなわけだが
久しぶりに書き込みます。といっても一レスだけだけど。
「ウイルスか……なんか信じられない話だよな」 「そうですねー、でも私たちは信じるしかなさそうですよ?」 「そう……。まずはワクチンを作れる人を探す」 北川、佐祐理、舞はワクチンを作れる技術者を探していた。 数十分ほど前 「技術者を探すに当たって、何人かに手分けして探したほうが良い」 ドラえもんはそう提案した。 この案に反対するものはいなく、すんなりと決まったのだが……。 「でも北川さんは祐一さんたちと一緒に行かなくていいんですか?」 佐祐理がそう北川に問う。 今ここにいるメンバーは学校脱出組の三人。祐一達は別の方向へと散った。 「何言ってんだよ、もう学校を出るときから俺たちはチームだぜ? それにさ……俺は人の恋路を邪魔する趣味はないよ」 北川はにっと笑った。 そして、「相沢と水瀬の気持ちも察してやろうぜ」と付け加えた。 「……今度は足手まといにならないで欲しい」 舞が北川をじろっと見る。 「あっ、ひどいなあ川澄さん。今度はこいつがあるから大丈夫さ」 そういって北川は右手を挙げる。右手にはしっかり空気砲が装備されていた。 「佐祐理もお手伝いできますよ」 佐祐理も自分の持っているステッキを軽く振る。 「ところでさ……気になっていたんだけどそのステッキはなんなんだ?」 「え? ……佐祐理もよく分からないです」 そしていつものようにあははーっと笑う。北川はこの佐祐理の笑みになんだか癒されるものを感じた。 そして同時に思っていた。……守ってやらなければ、と。 「でも不思議なステッキだよな」 「硬いことはいいっこなしですよー」 「それもそうだな」 三人は再び歩き出した。 あてはないが、三人いればどんな危機でも切り抜けられるだろう。北川はそう感じていた。 そして、佐祐理の持っているステッキの先端には「願い星」が着いていることを北川は知らなかった。
忘れてた……。 【パーティー分断 北川・佐祐理・舞の学校脱出チーム】 【他のチームは他の書き手に依存】
571 :
836 :03/10/13 19:43 ID:m/5uHsqK
昨日の1レスは少ないと思うのでさらに投下。 個人的にこの話は鉄人兵団っぽいと思うからそれっぽくしてみました
「さて……技術者を探すって言ってもどうすればいいんだろうね」 北川はポツリと呟いた。 何せ何処の家の中に入っても人は誰もいない。 これはおそらくウイルスが葉鍵キャラ以外のキャラクター、 つまりゲーム中登場はしなかったが普通存在していると思われるような街の人々を消し去ったことを示唆しているのだろう。 そうなると何処かの会社とかから探して連れてくるという作戦は使えない。 葉鍵キャラは消えずに残っているとはいえ、北川たちはワクチンを作れる技術があるものを知るはずもない。 知り合いもおそらくは殆ど消えてしまっているだろう。 知り合いを当たるという選択肢も選べない。 「八方塞だよな……」 「…………」 急に舞が険しい顔になった。 「どうしたんですか、舞?」 「前…………」 見ると、いたのは先ほどの猿。 どうやら水瀬家に入り込んだ奴ははぐれで、こいつらはその逸れた奴の群れのようだ。 「どうする……? 火炎瓶はもうないぜ?」 「でも、逃がしてくれそうにはありませんよね」 「…………」 舞は無言で剣を構える。 どうやら戦うしかないらしい。 「よし、じゃあここらでこの空気砲の威力試しといくか……」 「私だって戦いますよ」 北川と佐祐理も各々の武器を構える。 戦闘は、今正に始まらんとしていた。
「これでよし」 ドラえもんは道に延々と線を引いていた。 もちろんただの線ではない。 「この金属探知チョークで水瀬家の半径300メートルはすっぽり囲んだ。ひとまず安心」 ドラえもんがしたこと、それはまず安全圏の確保であった。 ウイルスといっても所詮パソコンの中のもの。金属探知チョークには反応するはず。 そう踏んで水瀬家を中心にチョークで街を囲い、 その中にウイルスを入れないことによって安全な逃げ場を作ろうとしたのである。 「後はジャイアンの手伝いに行かなきゃ」 ジャイアンはドラえもんがチョークを引いている間この円の中のウイルスの駆逐に向かっている。 いくら線を引いても中にウイルスがいたら話にならないからだ。 「そういえば佐祐理さんはちゃんと使えるんだろうか……」 一人ぼそっと呟いた。 北川に武器を渡したときに気付いたが、 佐祐理の持っていたステッキの星は紛れもない願い星。 おそらくジャイアンの荷物にまぎれていたものを佐祐理が拾ったんだろう。 一応説明をして、その星は勘違いが多いからと他の武器を渡そうとしたら、 「佐祐理にはこれのほうがしっくり来ていいですよー」 と断られてしまった。 まあ勘違いを逆手に取れば使えないこともないが。 あの星はゲームの呪文で言えば何が起こるか分からないパルプンテ。 自滅しないか不安である。
そう考えていたそのとき、 ビ・ビ・ビ・ビ・ビ・ビ 「あっ、もう反応が!!」 ドラえもんはタケコプターをつけると一目散に現場へと向かった。 そのころ現場では―― ウイルスは今にも真琴に襲い掛からんとしていた。 真琴はそれを回りながら回避し、持っていた武器でウイルスを的確に狙う。 「くらえ〜!!」 ウイルスはその攻撃をまともに食らう。 真琴の放った攻撃はウイルスを地面にくっつけ話さない。 横ではジャイアンも警戒しながらウイルスを見る。 「見て、ドラえもんの「瞬間接着銃」。凄い効き目よ!」 そこへドラえもんも飛んできた。 そのドラえもんを見て、真琴はふふんと勝ち誇った表情でふんぞり返る。 「遅いわよ! もうウイルスなら私が倒しちゃったからね!!」 「でも、これなら大丈夫かな? これからぼくは技術者を探しに霧島診療所ってとこに行くんだけど、二人だけで街の見張りを頼むよ」 ドラえもんのその言葉にも真琴は臆しない。 「タヌキが一匹いなくても変わらないわよ!この真琴がいれば万事OKなんだから!!」 「だからぼくは22世紀のネコ型ロボット!!」
ドラえもんがそう怒鳴ったとき、 ビ・ビ・ビ・ビ・ビ・ビ・ビ 「今度はそっちか!!」 ジャイアンはすぐさまタケコプターで現場へと急行する。 「あっ!! 次も真琴が倒すんだから!!」 真琴も少し遅れたがタケコプターでジャイアンの後を追いかける。 「本当に大丈夫かなあ……」 ドラえもんはそんな二人を少し不安に思いながらも、 技術者を探しに霧島診療所へと向かうのであった。 【ドラえもん 霧島診療所へ向かう】 【ジャイアン・真琴 水瀬家周辺のウイルス狩り中】
576 :
ドラえもんのび太と「葉鍵の国」第二部 :03/10/13 23:02 ID:bQc1DjxQ
診療所には美しき女医と可憐な妹が住んでいた。 二人は近所でも評判の美人姉妹として知られている。 医師としての腕前もよく、みなからすかれていた。 しかし、二人にはもう一つの顔があった。 そう、「夜の顔」である。 ふたりは毎夜毎夜、みだらな行為に及んでいた。 妹はたっぷりと秘部をぬらして、だめ・・・とあまく漏らしながらも 姉の装着したディールドをどん欲に求める。 至福の表情でずちゅずちゅずちゅと激しく妹をつきあげる姉。 そしてふたりは一回目の絶頂をむかえ・・・・・ 「ぼくドラえもんです。霧島診療所はここですかぁ〜」 その直前、どらえもんが訪れたのだった。
>>576 それ前にコピペで見たけど、話の展開的には合ってるから
むやみにスルーしろって言えないよなぁ…
そこまで読んでから大志は同人誌のページを閉じた。 「……ふむ、いい仕事だ同士和樹よ」 その反応に和樹も満足し、肩の荷を降ろす。 今回はまだ大志には自分の作品を見せていなかったのだが……どうやら大志の眼鏡に適うものであったようである。 「まあ、今回のは自信作だからな。知り合いの話を参考にした俺の傑作だ」 「ほう……。どんな話なのだ?」 「ああ、知り合いに霧島さんっていう医者がいるんだが、 そこにのび太とかいう子供がずぶ濡れで風呂につかりに来たらしいんだ。 そいつが言うにはドラえもんとか言う不思議なロボットが……」 和樹は説明を続ける。 「これで次回のこみパも完売、また世界征服の道へと一歩近づいたわけだ……」 「おいおい、まだ完売するって決まったわけじゃないだろ?」 「いや、我輩には分かる。これはゆくゆくはこみパを征する作品へと……」 「それこないだのときも言ってなかった?」 不意に冷めたツッコミが入る。
「瑞希か……」 和樹が振り向くと、呆れたような目で瑞希が見ていた。 「あんたらも懲りないわね」 「懲りる? 何を筋違いなことを言っておるマイシスター、これは我輩の大いなる夢への……」 大志が演説を始める前に瑞希は持っていたテニスラケットで大志を轟沈した。 「さて……五月蝿いのがいなくなったところで、和樹それっていいの?」 「いいって……何が?」 「実名入っているんでしょ、実名」 それを聞いて和樹がドキッとする。 確かに自分は了承を取らなかった。 「ま、まあ……大丈夫だろ?」 「そうよね……ってそんなわけないでしょ!」 「やっぱり? ……じゃあこうしよう」 和樹は修正液とペンを取り出す。 そして原稿の名前の部分を「佳乃」から「イ圭乃」に書き換えた。 「ドラえもん」も同じように「ト"ラえもん」に書き換える。 「まあ、姉は名前で呼ばれている部分もないし大丈夫だろう」 「………もう私は何も言わないことにするわ」 瑞希は呆れてそっぽを向いた。 心の中で「馬鹿は死ななきゃ治らない」という言葉を連発しながら。
【和樹・大志・瑞希 和樹の家にて霧島姉妹の百合本作成中】 【三人は外の状況に気付いていない】
おお、ナイス連結。さすがだ。
保守
保守
「……ワクチンを作れる人……か。スネ夫、そういう人はどこにいるの?」 「のび太はなにも分かってないな。長瀬主任に決まってるだろ?」 のび太とスネ夫はタケコプターで空高く飛んでいた。 「長瀬主任ならワクチンだって作れるはずさ。だからまずToheartの世界に行くべきなんだよ」 スネ夫がそう言いきる。 だがそんなことはToheartをプレイしていないのび太が知るはずもなかった。 「でもさ、長瀬主任ってどんな顔してるんだよ?」 「そんなことも知らないのかのび太は? Leafの作品をやったことないの? 遅れてるなぁ」 スネ夫がウシシと笑う。 それにのび太は少しむっとした。 「とりあえず、白衣を着た人物を探せばいいんだ。それが長瀬主任だよ」 スネ夫はとりあえずそう言っておいた。 「なんだか適当だなあ−−−」 のびたがぼやいたその時、 「のび太!! あれ見ろあれ!」 スネ夫が遠くを指差した。 のび太が見るとなんだか黒い塊がこちらに近づいてくる。 最初はぼうっと見ていた二人だったが、近づいてくるに従ってその塊の正体を理解することが出来た。 その黒い塊は蜂の大群だった。 そして猛スピードでこちらにつっこんできている。 「わ、やだ!! 嫌いなんだよぼく!!」 のび太が狼狽する。 そういっている間にも蜂は近づいてくる。 「と、とにかく下に降りよう!!」 のび太とスネ夫は地上に降りることにした。
「……行っちゃった?」 茂みに伏せていた二人は蜂が通り過ぎたのを確認し頭を上げた。 「なんなんだよあれは!?」 「そ、そんなこと言われても……」 「それに、ここは何処?」 スネ夫が辺りを見回す。 どこかの山の中らしかったが、何処の山までかは分かるはずもない。 そのときだった、 「あら……さしずめ、招かれざる客というところかしら?」 後ろから不意にそんな声が聞こえた。 二人がびっくりして振り向くと、そこにいたのは白衣姿の女性。 ぽっかりと開いている洞窟を背に場違いな雰囲気を醸し出しながらその場に立っている。 「ねえ、スネ夫……。あの人も一応白衣を着た人だけれど?」 「馬鹿、あれは違うよ。あの人は……誰彼の石原麗子だよ!!」 白衣姿の女性――麗子は、自分の名前を言い当てられたことには驚いていないようだ。 先ほどから直立不動で眉一つ動かしていない。 「ちょうどよかった、あなたは……」 スネ夫が麗子に近づこうとしたその刹那、 ビュッという音と共にスネ夫の頬が少し切れた。 スネ夫は最初何が起こったのかわからなかった。 だが、自分の頬からたれる一筋の紅い雫、それで自分の頬が裂けたことが分かった。 「え……?」 そして、無言で手刀を構える麗子。 スネ夫の頬がいかにして裂けたのかは、一目瞭然だった。
「悪いけれど、ここに近づく以上あなたたちは消させてもらうわ」 そういいながら麗子は二撃目を放とうとする。 「スネ夫! 危ない!!」 のび太は咄嗟にショックガンを麗子に向けて撃っていた。 だが、全く効果がないようだった。 いや、多少は効果があった。だが、麗子を倒すにはショックガンでは力不足だったのだ。 結果麗子の動きがほんの少しだけ鈍ったほどしか効かなかった。 それでも、スネ夫が二撃目をかわす時間を稼ぐことは出来ていた。 スネ夫は麗子の攻撃を避け、のび太のすぐ横に戻っていた。 「運がよかったわね。……だけど、次はないわよ?」 麗子は再び攻撃を繰り出すべく構える。 その瞬間、のび太とスネ夫は一目散に駆け出していた。 今逃げなかったら間違いなく死ぬ。二人はそう実感していた。 「ねえ! どうしてあの人が僕たちを襲って来るんだよ!?」 「知るか!! とにかく逃げなきゃ!!」 二人はわき目も振らずに逃げる。 山の森の中をスネ夫は右へ、のび太は左へ。 そしてある程度来た時にのび太は後ろを向いた。だがそれは失敗だった。 後ろを見てみると、麗子は自分を追っているではないか。 さらに余所見をしたのが不味かった。のび太は根っこに足をとられ、盛大に転ぶことになった。
「いだあっ!!」 地面に倒れ、腰を擦りながら起き上がろうとする。 しかし、麗子はゆっくりと自分に近づいてきていた。 間合いから考えてもう逃げられない。 「あっちの坊やは逃がしちゃったけれど、せめてあなただけでも消すことにするわ」 氷のような微笑を洩らしながら、麗子はのび太に一歩、また一歩と近づく。 「あ、あ……」 それに対しのび太は完全に腰が引けていた。 立ち上がれもしないで、腰を抜かしたまま後ろにあとずさる。 いつの間にかのび太は崖に追いやられていた。 「さようならね、坊や」 麗子が右手を振り上げる。 だが、のび太は後ろが崖と気付かずにまた後ろに後ずさりした。 「わあっ!!!!」 麗子の攻撃は空振りという形に終わり、のび太は崖の下にまっさかさまに落ちていく。 崖の下は丁度川になっていたようだ。水しぶきの音があたりにこだまする。 これは麗子にとっても意外だった。まさかあそこまで追い詰めて取り逃がすとは思っていなかったからだ。 相手が子供だと思って油断したのが失敗だったのかもしれない。 麗子は崖の下を見、ポツリと呟いた。 「逃がしちゃったけど……ま、いいわ。私の仕事はあそこに近づくものを消すこと、それだけだから」 麗子はふふっと自嘲めいた笑いを残し、森の中へと消えた。
前スレ836はまじアンをプレイした!
葉の経験値が1上がった!
椎原に感銘を受けた!
……と言うわけで、リレー化が進んできたので自分はこのコテを使います。
だが不思議なのは
>>578 −580。
IDが変わっていたはずなのにどうやってまとめページの人は俺がこれを書いて繋げたと言うのが分かったんだろう……。
……そのうちまじアンキャラも書きたい。
589 :
438 :03/10/19 23:00 ID:KeJJKt7z
おお、遂に「葉」側の展開になりましたね。 実は自分葉のゲームってほとんどよく知らないので書けないのです。(´・ω・`) だから椎原の同士さんに続いて「葉」側の話書ける方希望です。 自分も葉のゲームやらないとなあ・・・・・・。 コテハン:438 書ける内容:鍵のゲームなら大体OK。 話のタイプ:シリアスすぎる展開は苦手。(汗) こんなプロフィールみたいなものは必要ないかもしれませんが、 多分自分のようにどっちかしか書けない方もいらしゃるのではないかと思いまして。 もしかしたら中途半端な未熟者など自分しかいないかもしれませんが。_| ̄|○
おお、新たな書き手さんが。 中途半端な未熟者だって書いてるうちに上達するから 大丈夫だよ
591 :
名無しさんだよもん :03/10/23 02:00 ID:PUIf7+yh
>>590 お前より俺の方が上だな。
とくに文章力と観察力は。
>>591 お前の文章力は俺より下!
俺の文章力は俺だけのもの!
593 :
名無しさんだよもん :03/10/23 22:43 ID:zbV2Kfog
無理があるのは同意だが、ジャイアニズムネタにマジレスかこわるい
595 :
名無しさんだよもん :03/10/24 00:20 ID:EhP7ztGC
>>594 のじゃいあにずむは694にしか通じないらしい
そうか。しかし
>>694 まであと100近くあるな。
「おりゃあ!!」 北川は空気砲を乱射する。 先ほどから群れていた猿たちも一匹、また一匹と数が減ってきていた。 「どうだ、いけるか二人とも?」 「……大丈夫」 「あははーっ、佐祐理も平気です」 陣形は舞と北川が佐祐理を庇うような形である。 猿の一匹が北川に飛びかかった。 「ドカン!!」 北川が一声叫ぶと、空気砲が猿を弾き飛ばす。 「…………!!」 それに便乗し、舞が北川の攻撃を受けた猿を切りつける。 「二人とも、ナイスコンビネーションですよ」 「まあな!! 俺のアシストがあるからこそだ。さっき苦戦した猿たちももう少しで全滅だ!」 佐祐理の言葉に北川が空気砲でポーズを取る。 そして、にやりと笑って見せた。 (なんかかっこいいなあ俺……。もしかしたら俺ゲームで主人公だったのかもなー) 頭の中ではこんなことを考えていたりするが。
「危ないです!」 有頂天になっていた北川に対し佐祐理が叫ぶ。 「えっ!?」 北川に対し一匹の猿が飛びかかってきた。 「う、うわっ!!」 北川はそれを間一髪でかわす。 そして猿が北川に対し攻撃を加えようと右手を挙げた瞬間、 ばさばさばさばさばさばさっ!! 大量のごみのようなものが北川と猿に降り注いだ。 そのために猿は攻撃を出しあぐねる。 「星屑でお猿さんを攻撃しようと思ったのに、それじゃ干し屑ですよーっ……!!」 どうやら佐祐理の仕業らしかった。 佐祐理が構えたステッキの先の願い星がきらりと光る。 よくよく見てみると、北川に降り注いだのは気の大鋸屑や干し葡萄の皮の屑などさまざまな干し屑。 「…………だめだこりゃ」 北川そう呟いてから空気砲を発射した。
「………右!!」 いきなり舞が叫んだ。 「なにっ!?」 北川が右を振り向く。 すると、先ほどまでとは違う、一回り大きい猿がいた。 「ふぇ……大きいです……」 「ボス猿だな! どうやら他の猿たちは粗方倒したみたいだし、あいつで最後だ!」 「でも……あいつ相当に弱くない」 相手の猿はもう臨戦体勢に入っている。 そして三人は猿の強さを感じ取っていた。さっきまでの奴とは桁が違う……と。 「じゃあ……どう戦うんだ?」 「……なるべく距離を……とる!」 ボス猿は三人に飛び掛ってきた。 どうやら狙いは舞らしい。舞は同時にバックステップし攻撃をかわしていた。 「くそっ!!」 北川が空気砲を乱射する。 だが、大きさの割りに素早い猿にはなかなか当たらなかった。 猿はさらに舞に追撃を加える。 それに対し舞はは持っている剣で上手く攻撃をいなしていた。 「ドカン!!」 北川が叫ぶ。舞が攻撃を受けている今猿には隙が出来ている。 今度は猿のわき腹を捕らえた。
「キキキッッッ!!!!」 猿は数メートルほど飛ばされたが、ゆっくりと起き上がる。 まだ生きているようだ。 「畜生……あれでも駄目か!?」 北川がぼやく。 いつの間にか舞と佐祐理も北川を中心に陣を取っている。 その時、急に舞が口を開いた。 「私に……作戦がある」 作戦と言う言葉に二人が反応する。 「作戦!? 一体どんな?」 「基本的には三人のコンビネーション……。 佐祐理が相手の隙を作る。北川が下、私が上から攻撃する。ただし、仕掛け方が重要」 舞が相手の猿を牽制しながら淡々と説明する。 「佐祐理……北川の真後ろに立って」 「はぇ? こうですか?」 佐祐理が北川の後ろに並ぶ。 その様は丁度小学生が前ならえをしているかのようだった。 「そう。もう少し間を開かして、その間に私が入る」 舞が北川と佐祐理の間に入った。 丁度三人一列に並んだ形である。 相手の猿もこの行動を奇妙に思っているのか、攻撃はしてきていない。
「後はどうするんだ?」 「後は……三人突進して攻撃するだけ!」 舞がそう言って北川の背中を押す。 「おわっ! 押すな!!」 北川は少しあわてながらも敵に向かって突進しだした。 その後ろに舞、佐祐理と続く。 敵も攻撃しようとしているのが分かっているようで、迎撃の姿勢をとった。 (そうか!! この陣形はそういう意味だったのか!) 北川は走っている途中でこの陣形の意味に気付いた。 今の陣形は縦一列、つまり相手から見たら佐祐理と舞の姿は見えない。 つまり自分をカーテンにして相手に二人の攻撃を読ませないという利点があるのだ。 北川が両手を広げる。 「どうだ!! 見えるかぁ!?」 その姿勢のまま突進し、相手を挑発する。 敵の猿が北川に攻撃しようとした瞬間、 「火よ出てきてくださいー!!」 北川の後ろからそんな声が聞こえた。 そして北川と猿の間にはバスケットボール大の太陽が現れる。 「ふぇ……、その陽じゃないですよーっ!!」 だがこの願い星の勘違いは効果大だった。 猿の気を引いて隙を作るには十分すぎるほどの勘違いだった。 さらにはこの太陽にはめくらまし効果もあった。 猿が狼狽し、目を伏せる。
チャンス!! とばかりに北川も攻めようとするが……。 「ま、まぶしくて何も見えねー!!」 北川もまた目が眩んでいた。 だがこの攻撃はこれで終わりではない。 まだ舞が残っている。舞は北川の後ろにいたのでこの太陽の光を目に浴びていないはずだ。 (だが、上からってどうやって攻撃するんだ……?) 北川がそう疑問に思ったその時、 ぐしゃっ!! 北側の背中に鈍い音が炸裂する。 もちろん舞が北川の背中を踏んだ音だった。 そして舞はさらに北川の頭をアンテナごと踏みその反動で上に飛び上がる。 「おっ、俺を踏み台にした!?」 北川は舞のその意外な行動に一瞬びっくりした。 舞は北川のその言葉を気にせずに猿の頭上から剣を振りかぶり両断した。 猿は、あっけなく粒となって消えた。
「成功…………」 舞がそう呟く。 「俺を踏むな!!」 「舞ー、あんな高い位置から落ちて大丈夫なんですか?」 「落ちたときの衝撃というのも考えている」 「おい! 無視するな!!」 北川たちは言い合うも、表情は明るかった。 今の戦いで自分たちでも団結すれば戦えるということがはっきりしたからである。 「さあ、気を取り直して引き続き探しましょう」 佐祐理のその一言で三人は向き直り、また道を歩き出した。 目指すはワクチンを作れる技術者の下へである。 道を歩きながら北川は思っていた。 (俺……途中まではかっこよかったのになあ……) 【北川・佐祐理・舞 戦闘終了】
605 :
名無しさんだよもん :03/10/25 00:33 ID:64bA7JtV
リアル感動
606 :
同志 :03/10/25 00:36 ID:pvcyLFyW
北川たちの戦闘編終了です。 438氏がギャグ系行ってるからシリアス書こうと思ったけれどやっぱりギャグにして見ましたw
607 :
名無しさんだよもん :03/10/25 22:23 ID:8hDIellp
葉のはなしがぜんぜんでてないじゃん
608 :
名無しさんだよもん :03/10/25 22:25 ID:8hDIellp
とうはと 雫にどうやって結びつけるの? 学校つながりで何とかなるか?KANONの学校の 姉妹校とか。制服が違うから一緒にはなぁ・・・。 進学クラスとかにしときゃいいのか? でも生徒会長違うか。
613 :
名無しさんだよもん :03/10/28 23:31 ID:y0zXEUuc
したがって、私は愛ができない。自分は、私も生き物である以上嫌い
にはならないが(一時的にそういう気分になることはのぞき)、
好きになるほどの自分を自分でももてないものを、なぜ他人にわかろう
か。好きになる人がいるとすれば、それはあくまで私をみて、
見た者の脳内で変換された私の虚像だ。そうかんたんに私は見えない。
どうよう、他人も見えない。形而下のみかけや人格をすきになり、
相手の虚像を見ることにためらいのない物は幸いである。
それが愛であると信じるなら、信じる物の世界においては真実なのだから。
そのほうが、幸せになれるはずだ。私は、真実などと主張する気はない。
ただ、愛し方がうまくないとつぶやいただけ似すぎない。
わかりますか?
>>1
保守
ワクチンを作れる人なんて本当にいるのかしら……」 静香は一人歩いていた。 いくら葉鍵のゲームを多少は知っているとはいえ、 正直自分がプレイしたことのあるゲームは殆どない。 そんな自分がワクチンを作れるようなキャラを知るはずもなく、こうして途方にくれているわけである。 「でも、考えていても仕方がないわ。とりあえず私が出来ることをやらないと……」 そういって考える。自分に出来ることとは? 聞き込み、ウイルスの駆逐。 さまざまな考えが頭の中をよぎる。 そのときだった。 自分に向かって黒い影が襲ってきた。 「えっ!?」 静香はとっさに後ろに跳躍する。 見ると地面に何本も「手」が生えている。 その手のひらにはギョロっと目玉が一つ浮き出ていて、気持ち悪さを増大させていた。 「きゃああっ!!!」 静香は踵を返した。 選択した行動はもちろん、「逃げる」 戦うといっても多勢に無勢だ。 相手は大勢、自分の装備では相手をしていたらきりがない。 それに、静香もやはり女の子、気持ち悪いものはなるべく見たくないといったところだった。
一本の手が静香の足を掴んだ。 「きゃ!!」 静香は思わず声をあげた。 振り払おうと足を懸命に振るが、「手」の力は意外に強くビクともしなかった。 ひみつ道具を使おうにも、こうまで近いと下手に使えない。 「でも……やらなきゃ!!」 静香は自分のコンパクトケースを取り出す。 そして取り出した道具は……こけおどし手投げ弾。 これなら近場で使っても自分が傷つくことはない。 「えい!!」 静香は目を閉じてから自分の足元に力いっぱい手投げ弾を叩きつけた。 すさまじい閃光が辺りを包む。 この静香の選択は正しかったようだ。 この「手」の大群はそのいずれも大きな目が一つ。強い光には弱かったようだ。 静香は自分を掴んでいる「手」の力が弱まるのを感じた。 「今だわ!!」 そしてすぐに渾身の力で「手」を振り払うと、「手」の大群とは逆の方向に駆け出した。 これらの相手をしていると命がいくつあっても足りない。なるべく逃げるのが吉。 静香はそう判断していた。 そしてすぐにタケコプターを装着し、空に飛び上がる。 こいつらは少なくとも空にいれば安全だ。
そして、すぐにこの場から立ち去ろうと思っていたその時、 「きゃああああ!!!」 悲痛な叫びが下から聞こえてきた。 見てみると、一人の少女が先ほど自分が襲われたように、「手」に体を掴まれているではないか。 その「手」は少女を地面の中に引きずり込もうとしているようだった。 少女は必死に抵抗しているが、どちらの分が悪いかは一目瞭然だった。 今ここで逃げれば自分は助かる。 名も知らない少女、さらに言うならばゲームの一キャラクター。 心無いものならば見捨ててしまうだろうが、静香は違った。 「待って!! 今行くわ!!」 静香は既に飛び出していた。少女を助けるために。 「目を閉じて!!」 静香は少女に向かって叫ぶ。 「目、目を!?」 「いいから早く!」 少女は静香の言われるままに目を閉じる。 そして静香は少女が目を閉じたのを確認すると、 もう一発こけおどし手投げ弾を手の大軍の中に投げつけた。 実際手投げ弾は二発しか残っていなかったが、少女を助けるためには致し方ない。 辺りに再び爆音が轟く。 そしてその中で静香はまた叫ぶ。 「はやく!! 今のうちに手を!!」 そう言って静香は少女の真上から手を差し伸べた。 少女も手を伸ばし静香の手を握る。 そして静香は少女を空へと引っ張りあげた。 【静香 こけおどし手投げ弾残り一発】 【少女が誰かは次の書き手に依存】
618 :
同志 :03/10/30 08:00 ID:Z79xpi87
保守代わり投下。 まだ書き途中だったんだけれど、ここで切るのもまた面白いかと。 少女が誰かは次の人に任せます。
619 :
名無しさんだよもん :03/10/30 11:44 ID:EGi1ZBpt
少女はジャイコだった
>>619 それはそれで見てみたい…って、んなわけあるかっ
まとめる。 【ドラえもん 霧島診療所へ向かう】 【ジャイアン・真琴 水瀬家周辺のウイルス狩り中】 【のび太 麗子に追い詰められるも崖から転落。川に落ちる】 【スネ夫 森の中へ逃げる】 【静香 ウイルスから少女(未定)を助ける】 他にも何人かの葉鍵キャラが細かく行動してるみたいだが 基本的にこの5人中心で話を動かしていったほうが、スレ的にはいいんじゃないかと。
なぁ、リレーやってる途中で悪いんだが、新作シリーズ書いていいか?
OK!
構わないだろ。どんどん書け。
>>622 スレタイのようにされるのがよろしいと思いますが、何か?
熱烈歓迎新職人
626 :
438 :03/11/03 23:12 ID:QcIC0ond
「ふむ。要はコンピュータを専門にしている人間を探しているわけだな?」 ドラえもんは霧島診療所に来ていた。 晴子からもらった地図を辿ったので見つけるのは簡単だった。 診療所の医師、霧島聖には「コンピュータに詳しい人を知らないか。」とだけ話している。 この世界の現状を説明しても、おそらく信じてもらえないだろうし、彼女を混乱させるだけだろうと考えたからだ。 「そうなんです。どなたかご存じないですか?」 「残念ながら、専門家の知り合いはいないな。」 「そうですか・・・・・・。」 「だが、よくコンピュータを使ってる人間なら一人知っている。」 「本当ですか!?」 「うむ。長瀬原三郎という人で、隣町の警察官だ。よく自分のコンピュータをいじっているからそれなりに詳しいはずだ。 得体の知れないゲームもしているようだが。」 「得体の知れないゲーム・・・・・・?」 「う・・・ごっほん。まあ、彼なら君の力になってくれると思うぞ。」
627 :
438 :03/11/03 23:12 ID:QcIC0ond
「ありがとうございました。」 聖から長瀬の居場所を教えてもらったドラえもんは診療所のドアを開けようとした。すると、 ドガッ 外から勢いよく開け放たれたドアに顔面をぶつけられた。 「うわっ!?ごめんなさい・・・・・・。まさかお客さんがいるなんて・・・・・。」 「こら、そこの二人。もっと静かにドアを開けろと毎回いってるだろうに。」 「ごめんなさぁい。ってうわうわっ!でっかいタヌキさんだ!」 「僕はタヌキじゃない!」 「タヌキのお客さんかあ・・・・お姉ちゃん、タヌキも治せるんだね。」 「ふふ・・・・・・私にかかればタヌキだろうがキツネだろうがヘのカッパさ。」 (聞いちゃいないよ・・・・・。ん?) 「ぴこぴこっ!」 「うわっ!さっきの化け物!!」 「ぴこ〜。」 「あれ、ポテト、このタヌキさんと知り合いなの?」 「ぴこっ!」 (肯定してるよ・・・・・・。) サイズはさっきのよりもだいぶ小さくなっているが、間違いなくそれはさっき観鈴達を襲っていた生物だった。 だが、今は襲い掛かってくる様子はない。安全なようだ。
「すいません、先を急ぎますので・・・・・・。」 「え〜?もう帰っちゃうの?もっとお話したいのにっ!」 「こらこら、タヌキさんにも用事があるんだ。諦めなさい。」 佳乃は口を尖らせていたが、ドラえもんを引き止めるのを諦めたようだ。 「でもでもっ、絶対にまた遊びに来てね!」 「うん、わかったよ。それでは失礼します。」 「タヌキ君。」 (だからタヌキじゃないって!) 「君には、不思議な力を感じる。君の目的が何かはわからないが、頑張ってくれ。」 「・・・・・・はい。」 「よければ、君の名前を教えてもらえないかな。」 「僕、ドラえもんです。」 「ドラえもん、か。いい名前だ。なかなか甘美な響きをしているぞ。」 「聖さんや佳乃さんの名前も素敵ですよ。」 「まさかタヌキに口説かれるとは思わなかったな。」 (・・・・・・。)
少しガックリしながらドラえもんは外に出た。 しかし落ち込んでばかりもいられない。一刻も早くこの世界を元に戻さねば。 いざ出発。と思ったら、足元で何かが動いている。ポテトだった。 「僕に何か用?」 「ぴこぴこっ。」 ポテトは口に骨をくわえて差し出していた。 「えっと・・・・・僕にくれるの?」 「ぴこっ。」 「あ、ありがとう。」 「ぴっこぴこ〜。」 (一体何に使えばいいんだ・・・・・・。) ポテトの声援(?)を背ににして、ドラえもんは飛び立った。 タケコプターの充電は完璧。目指すは長瀬がいる警察署だ。 そんな姿を、聖は診療所の中から眺めていた。 空を飛ぶタヌキ。 彼は、紹介なしに佳乃の名前を知っていた。佳乃が彼を知らなかったのにもかかわらず。 「一体、彼は何者なんだ・・・・・・。」 聖は窓に背を向けると、食事の準備に取り掛かった。 【ドラえもん、長瀬の元へ】
630 :
438 :03/11/03 23:21 ID:QcIC0ond
626-629です。最初タイトル付け忘れてました。 また、何だか方向調整だけで、中身がうすっぺらくて申し訳ないです。(´・ω・`) そろそろ葉側の話を書かないといけませんね。 自分はその前に原作をプレイっと・・・・・。_| ̄|○
631 :
同志 :03/11/05 19:41 ID:8+dk4Kqn
聖を先に書かれてしまった……。
書いていた部分少し変えて
>>626 に繋げてもいいですか?
まだ再利用できそうなんで。
632 :
名無しさんだよもん :03/11/06 04:52 ID:aNTuqsfx
>>631 一つの作品にこだわり次に進めないようでは
おまえの底はみえてるな
633 :
438 :03/11/06 16:15 ID:b+8m1vWb
>同志さん 構いませんよ。 もともと内容が薄かったのでもっと良くなるのならそれを望みます。 621さんのまとめからどの続きを書くかあらかじめ名乗りでた方がよかったですね。
保守
おい、誰彼ネタ振った奴なんとかしろよ ネタがわかんねえから手が出せないだろうが
颯爽と保守
「はあっ……はあっ……なんなんだよ一体!?」 スネ夫は走っていた。 後ろを振り返る。もう石原麗子は追ってきていない。 スネ夫は肩を撫で下ろし、一息ついた。 「一体なんで石原麗子が……」 あの時、麗子は間違いなく自分らを殺そうとしていた。 麗子には自分らを殺す理由はない。だからそんなことしないはずなのに……。 考えてもスネ夫には分からなかったが、麗子が自分らの敵に回っているというのは明らかだった。 そしてそれが意味することにスネ夫は気付く。 「……石原麗子になんて勝てるわけない!!」 麗子はライター竹林明秀(もちろんスネ夫のパパの友達)が作り出した超設定の塊ともいえる存在。 原作ではいとも簡単に御堂の右腕を切り落としたりしていた。 そんな相手だ。 敵に回して万が一にも勝てる相手ではない。 先ほどのように出会ってしまったら逃げるのが最善策であろう。 スネ夫は絶対にさっきいた森に戻らないことを誓うのであった。
スネ夫が再び技術者を探すために動き出したその時、 スネ夫の目にウイルスと戦う屈強な男が飛び込んできた。 「む!」 その男は巨大な蜘蛛と戦っていた。 相手の蜘蛛が吐くねばねばとした糸をひらりとかわし、相手の死角に回り込む。 その手馴れた動きは、素人のそれではなかった。 「あれは……」 スネ夫は葉鍵ゲーム全てをコンプリートしているだけあって、その男を知っていた。 坂神蝉丸。誰彼の主人公だ。 蝉丸は小刀を構え蜘蛛を切りつける。 ブシュッッ 肉を斬る音がこだまし、蜘蛛が光の粒となって霧散する。 「強いなあ……」 スネ夫はその蝉丸の動きにただただ見とれるばかりであった。 「子供、今外に出ていては危険だ」 急にスネ夫の後ろから声がかかる。 スネ夫がびっくりして振り向くと、いつの間にか蝉丸がスネ夫の背後へと回っていた。
「早く家に帰って部屋の中にでも閉じこもっていろ。今は明らかに異常事態だ」 蝉丸はのっけから吐き捨てるように言った。 そのあくまで冷たい視線はかつて帝国軍人であったことを思わせる。 もちろんスネ夫がそれに黙っていられるはずがない。 「なんだ偉そうにしちゃって!! 強化兵だろうがなんだろうが僕がちょっとアンインストールしちゃえばそれまでじゃないか!!」 スネ夫がむきになって言い返すが、蝉丸がスネ夫の言葉に反応する。 「お前、何故強化兵の存在を!?」 そして同時にスネ夫の胸倉を掴んでいた。 「く……くるしい……」 「答えろ! 何でお前は強化兵の存在を知っている!?」 「ゲームの中の世界か……」 数分後、スネ夫により蝉丸は事の一部始終を聞いた。 「そう。それでウイルスを倒さなきゃいけないんだ」 スネ夫が居住まいを正し蝉丸に話す。 「これから僕は二つ探さなきゃいけないものがあるんだ。 一つはワクチンを作れるような技術者。 もう一つはワクチンを作るための研究室」 「…………」 蝉丸は黙って腕を組んでいる。 どうやら自分の意見をまとめているようだ。 「蝉丸さんにも、手伝って欲しいんだよ」 スネ夫がそう言い切ったときに、蝉丸の口がやっと開いた。 「…………俺は別の方向からこの事件について調べていくつもりだ」 「えぇ!?」 「悪いが、おまえのやり方はおまえだけでやってくれ」 「そんなぁ!!」
「…………だが」 蝉丸がふっと笑みを洩らした。 「ちょうど知り合いに機械に詳しい奴がいる。紹介はするだけしてやろう」 「蝉丸さん……ありがとう!」 「礼はこの事件を解決してからにしてくれ」 蝉丸はそういって歩き出した。 どうやらついて来いという合図らしかった。もちろんスネ夫は蝉丸に倣った。 「ところで蝉丸さん、知り合いって誰?」 「……杜若裕司という男だ。あいつなら機械に詳しいからどうにかなるかもしれない」 そこでスネ夫は思い出した。 …………ああ、そういえばLeafには主任のほかにもう一人、研究者がいたんだだっけ……。 目指すは、日本一の弟の下へ。
641 :
同志 :
03/11/11 00:54 ID:fv/Vq7LH 【スネ夫・蝉丸 裕司に会いに行く】
先を書けとお叱りを受けたので631で言ったことは俺の脳内に留めておきます。
>>635 100円をケチってはいけないw