気楽にSS その3

このエントリーをはてなブックマークに追加
690流逝@鮮烈風子隊 ◆flFxHASEBE
691流逝@鮮烈風子隊 ◆flFxHASEBE :03/11/18 05:01 ID:lDQl8jNc
私は香里の胸に優しく口づけをした。いつも淫らな行為が終った後にする「今日も有難うございました」という印…
そんな私を見て香里はいつも「いい子ね」と頭を撫でてくれる。その行為が今までどれだけ私を慰めてくれただろうか。

祐一が私の気持ちに応えられないと言った時、泣きはらしていた私を優しい胸に抱いてくれたのは香里だった。
最もその時は香里が私より遥かに残酷な運命を背負っていた事は知らなかった。それを知ったのはごく最近の事…
 妹の存在…余命幾ばくもない栞の存在を祐一から教えられた時私は背筋が凍りついていくが分かった。
香里はそれでも私を慰めてくれたとても強い少女だとその時は思った。だけど真実は違った。
香里は妹の存在を否定している
それが香里が自分自身を守る唯一の方法だったのだと祐一は悲しそうに話した。
とても弱い少女、それが香里だったのだ。私を抱いたのも私を慰めるだけではなく、自分自身を更に逃避させる為でもあったのだ
それに気付いた時から香里とのSEXは私にとっては辛いものとなった。このまま二人、何処まで逃避し続けていくのだろう…
頭を撫でられる度に今までは慰められているようにも感じていたが、気付いてしまってからは傷の舐めあいにしか思えなくなった。

「名雪…」
香里の甘い声で我に帰る。
「そんな哀しい顔して何考えてるの?おねえさんが悲しい事全部忘れさせてあげる…」
香里はもう一度キスを求めてきた。香里の薄ピンクの唇を頬の近くに感じながら私はただ震えて泣いていた…
どうしてその言葉を栞ちゃんにかけてあげなかったのだろう。私よりも香里の優しい言葉を待ち望んでいる人が居るのに…
嗚咽が漏れそうになる口を香里の唇が塞いで、私は再び堕ちていった…苦痛を忘れる快楽の世界へと