気楽にSS その3

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646名無しさんだよもん
「角刈りにしてください」
「えぇっ? ここまで伸ばしてるのに……いいのかい?」
「はい、ばっさりお願いします」
 ここはとある理容室。
 まぁ平凡な店だ、名前なんか気にするな。
 俺こと相沢祐一は今まさに斬髪式の真っ最中だ。
「勿体無いねぇ、男の子にしてはきれいな髪してるのに」
「そうですか? でも長いとウザいですから」
 俺の髪を切るおっさんは、苦笑しながらも作業を続ける。
 きれいだと言われても……特に嬉しくはないな。
 まぁ汚いと言われるよりはいいか。



―ふぅ、さっぱり―


 ただいまー。
「わ……」
 どうした名雪、そんな驚いた顔をして。
「大工さん?」
 違うわっ!
「冗談だよ。祐一……随分さっぱりしたね」
 まぁ切る前は前髪が目まで届いてたからなぁ。
 今考えると、かなり長すぎだったな。
「うん、でも似合ってると思うよ」
 そうか
「じょりじょり〜」
 触るなっ
647名無しさんだよもん:03/10/15 00:53 ID:C3VFzwuu
「ぷっ」
 お前は笑うのか、真琴。
「あはははははっ、祐一がハゲたーっ!」
 ハゲ違うっ!
「じゃあなんなのよぅ」
 角刈りだ。
短髪型「短髪刈り」の一種で、角張った感じに刈られた髪型の
呼び名である。大正年代に大流行をし、上流層・下流層の両階級を通じて愛好されたが、
現代ではとび職など一部の職業人たちに好まれている。
 のだ。
「あ、あぅ?」
 ……ふっ、俺の勝ちだな。
「……あははっ、じょーりじょーり」
 撫でるなっ


「あら祐一さん、随分さっぱりしましたね」
 えぇ、どうせ切るならばっさりいこうと思ったので。
「うふふ、粋な髪形ですね」
 い、粋ですか?
「えぇ、それによく似合ってます」
 はは、ありがとうございます。
「祐一さんって頭の形がいいんですね」
 は? あ、どうも。
「じょりじょりですね」
 ……あのー。
「あら、ごめんなさいね。つい」
648名無しさんだよもん:03/10/15 00:54 ID:C3VFzwuu
 お、今日の夕飯は肉か
「おにくっ、おにくっ♪」
「今おはし持ってくからね〜」
「真琴、名雪のお手伝いしてちょうだい?」
「うんっ!」

「それじゃ……」
「「「「いただきます」」」」
「ねぇねぇ祐一」
 あん? 何だ?
「今日のおかずね、お母さんが祐一を見て思いついたんだって」
 へ? 俺をですか?
「えぇ」
 そりゃまた何でですか?
「ふふ、祐一さんが髪を切ってきたからですよ」
 ……?
「今日のおかずは―」









「角刈りステーキです♪」

―完―