>>845 (場面設定は夏の海の夕暮れ)
(制服を着た二人が浜辺で取っ組み合うところから)
「馬鹿野郎!!」
俺は845を殴った。何度も何度も拳に力を込め頭を割ってやろうかと本気
で思えるほどに、右手を振り下ろし左手を振り下ろし、845を殴る。
「なんでだよ!なんでそんなこおとを言うんだよ!」
怒りが爆発し、俺は抑えることが出来なかったその感情の海を全て845に
ぶちまけ、暴力と言う形でそれを昇華させようとしていた。
俺が隙を見せた瞬間に、845はありったけの力を込めたかのように(少なくとも
彼にそんな力が残っているとは思わなかったからこのように記すわけであるが)
俺を両手と腹筋のバネをしならせて跳ね除けていた。
845は血を口から滴らせながら俺を憎憎しげに見やりながら、ズボンやブレザーに
はり付いた砂利を叩き落としながらすくりと立ちあがった。
目は死にかけの狼のようだ。
腐ってる。 . . . . .
俺は唐突にそう思った。こいつの目は腐っている。
「名雪好きがうんこ好きだって!?」
俺は腹から搾り出すように、その言葉を845に向かって叫び飛ばしていた。
「そんなのはアンチが勝手に作り出した妄想だろう!?…本当の…本当の
名雪ファン達を愚弄するような言葉を言うのはやめろ!
今すぐその言葉は撤回するんだ!」
845の表情は変わらない。 .. . .. . . .
馬鹿か、お前は。いいか、そんなことは元からどうでもいいんだ。
彼の表情はまるでその言葉を言葉以上に雄弁に俺に強く語り掛けて、
不気味な閃光でぎらぎらと輝く目をくりくりと動かしていた。
くそったれ。