祐介「そういえば、兄さんのトコにくるのも久し振りだね」
香奈子「私は結構きてたけどね」
彰「うん、いつも藍原さんと一緒なんだよね」
祐介「太田さんってピンで出ると、すぐ狂っちゃう人だから仕方ないんだよ」
香奈子「ちょっと待った! 長瀬君、私のイメージを落とさないでくれる」
雪緒「そのくだりを聞いて見たいわね、狂っちゃうなんて突き放した表現なんて、普通使わないから」
彰「あ、いらっしゃい、初めて見る顔だね」
雪緒「アーモンドの香りのケーキ出してくれるって噂で聞いたから」
香奈子「へぇ〜、またケーキのレシピ考案してたのね、私にも出してくれる?」
彰「うん、食べてみてよ、見た目は普通のチョコレートケーキだから」
香奈子「アーモンド…とはちょっと違う香りなのね」
彰「炒ったのじゃなくて、アーモンドの果肉の香りだからね、ちょっと薬臭いかな」
雪緒「タルト・ブルダウーで、こういうアーモンド風味のクリームを使うらしいわね」
香奈子「ふーん……に、にがっ、何、こっ、このケーキ!?」
彰「でしょ、苦味がかなり強いから、カモフラージュに最適だと思うんだw」
雪緒「それはいいわね、アレは味が唯一のネックだものね」
祐介「太田さん、はい、水」
香奈子「ありがとう、感謝のついでにもう一杯頼むわね」
彰「まったく、ミステリってそういうとこが杜撰なんだよね」
雪緒「本当ね、ウチの店でも出そうとしたけど、みんなに止められたわ」
香奈子「さっきから、何の話してるのよ。ケーキの話なんでしょ?」
祐介「知らないで食べてたんなら、知らないままの方がいいと思うな」
香奈子「私もなんとなく気づきかけてきたけど、ここで考えるのをやめとくわ」
彰「でも、最近だと一時間以内に胃洗浄すれば助かる場合もあるから、実際に仕込むのはやめた方がいいかもね」
雪緒「助かった後の後遺症、特に脳が酸欠状態に陥った事を考えると、できれば避けたい所よね」
香奈子「だから、考えさせるなってのよ!」
訂正・13行目
Xタルト・ブルダウー
○タルト・ブルダルー
須磨寺と彰の微妙につながっていない会話がなんかステキだ。
このまま、会話が噛み合わなければ、この二人結構いいコンビになるかも。
あけましておめでとうございます
770には解説が必要なんじゃないのか?
「アーモンド臭」のことを知らない奴も結構いるぞ?
知っていても、市販されているアーモンドは炒った種子であって、
実際のアーモンドの果実のそれとは違う、ということまでは知ら
ない香具師がほとんどだぞ。
今回のネタは、そういう前提知識を要求される微妙なネタと思うんだが。
まあ、なんだ。お節介かも知れんがメール欄に解説書いときましたよ。