葉鍵的 SS コンペスレ 7

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561名無しさんだよもん
『名前』 >>360-381
路線バスってさ、現実では案外事故起こさないものじゃないかな。
バスの運転手は、車の運転で飯を食っているプロだし、
多人数の乗客の命を預かっている身だから、安全にはことのほか気を使う。
会社側もそのあたり神経質だろうし(事故ったら賠償金の問題とか色々生じる)。
さらにいえば、単なる営利企業ではなく地域社会と密着している商売だから、
行政からのチェックも時に入ったり。まあ重箱の隅だが。

以下本題。
前回・前々回コンペの事故がらみSSと同じ書き手なのかはわからないが、
それらのSSよりも、「逃げ」の印象が相当に薄くなっている。なくなったわけじゃないが。
(書き手が別人だったなら、比較してしまって済まない)
なぜそう感じたのかというと、主な理由はふたつ。

・事故った現場での浩平とみさき先輩の言動を、きちんと書こうとしている。
・以前の諸作品に比べて、ラストをあまりきれいごとにまとめていない。

だが不満点もある。もっとも首をひねったのは、この点。

・先輩の陥った悲劇の重さに比して、浩平の取り乱しっぷりがまだ足りない。
・特に事故シーンにおいて、作品世界に流れる空気が十分に描写できてない
 ガソリンが揮発する臭気、運転手の肉や髪が焦げる悪臭、骨折時に覚える麻痺や脂汗など。

「ラストを放りっぱなしにするな」って感想がいくつかあったが、
俺はこのままでも悪くないと思うね。救いや希望や未来へ向かっての努力なんてものを
むりにつけくわえてほしいとも思わない。十代の少年少女にそんなものが持てるのかも判らないし。
ただ、ラストに至るまでの描写に、この展開にふさわしいだけの重みが足りず、
それゆえに感想人に「作者の意図が見えない」と文句をぶつけられている気はする。