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477名無しさんだよもん
ドームの中は司令室というより、実験場のようだった。
大掛かりな設備は目立たず、広場がほとんどの部分を占めていた
「ここにクーヤ様がいるんですね」
「ええ」
「久瀬さん、クーヤ様は私が説得してみます」
「当たり前です。あなた以外に誰があれの弱点をつけるというのです?」
 久瀬はつい辛辣な言葉を向けてしまう。
「もし、私が説得できなかった場合は……」
「何を言ってるんですか?あなたは。ここであなたが説得できなかったら
 あなたの居る意味はないんですよ」
また、言葉がきつくなってしまう。
「はい。そうですよね。私がクーヤ様を助けられなかったら、本当に申し訳ないですね。
 クーヤ様にも久瀬さんにも」
サクヤは涙をポロポロとこぼしながら言った。
「そうです。だから絶対に成功してもらわないと困るんです。」
「ありがとう。久瀬さん……あ、あれは」
サクヤはドームの中央に白いアヴ・カムゥを見つけた。
「あれが、真アヴ・カムゥ……クーヤ皇はあの中にいるわけか」
そのアヴ・カムゥの形は

A 通常機より一回り大きいだけの機体
B エヴァ○ゲリオンッぽい感じ
C ク○ン・マンサっぽい感じ
D もはやデビ○ガンダム
478名無しさんだよもん:03/02/25 00:15 ID:BBQwJHyo
Dとか。
479名無しさんだよもん:03/02/25 00:15 ID:sCLvSKk2
D 女性を取り込んだから、最終形態とおもわれり
480名無しさんだよもん:03/02/25 00:24 ID:2cz90pjI
 それは正に肉隗と呼ぶに相応しい物であった。確かにアヴ・カムゥらしき機体の姿も有るが
それは既に一部分でしかない。ありとあらゆる所に腕が生えていたりアヴ・カムゥの首だけが生えていたり
何本ものの触手が蠢き、そしてその巨体を支える頑丈な恐竜のような下半身を持った正に『化物』
以外に形容のし難い全高30m程の物体がその場に鎮座していた。
「・・・冗談ですか?こいつは」
 久瀬は思わず感想を漏らした。こいつの前では久瀬のアヴ・カムゥもお遊戯の人形に過ぎない程の体格差である。
『ヒィィィィァァアア!!ちちうえぇぇぇえ!!ゲンジマルゥゥゥッ!!暗い・・・怖い・・・誰か、ダレカァァッ!!!』
「クーヤ様!!」
 デビル・クーヤ(勝手に命名)から聞こえる悲鳴に取り乱すサクヤ。その機体からは禍々しいまでの
 瘴気が放たれ、その不快感はコクピット越しにふたりにも伝わるほどであった。
「成る程・・・人を突き動かす原動力となる感情『恐怖』を見せる事で感情をコントロールしているみたいだな
 これを説得・・・いや、解放させるのは骨だぞ」
「そんな!」
『また・・・また何かがキタ・・・い・・・イヤァァアァァァァァ!!!』
 体中から生えた触手を此方に向けて放つクーヤ。それを茨を切り裂くように薙ぎ払う久瀬。
『ヒィィィッ!!痛い・・・痛いよォォ!!』
「クーヤ様!久瀬さん!!」
「そうは言っても・・・こいつに捕われたら一巻の終わりだ」
(さて・・・どうする?)

A まずは弱らせる
B サクヤの説得から
C いきなりクーヤの巨大光線
D 視点変更 
481名無しさんだよもん:03/02/25 00:25 ID:hj0qZWES
まぁ話を進めたい気持ちはわかるが、祐一の活躍を見せてくれ。

Dで祐一。
482書き負けたやつの再利用:03/02/25 00:33 ID:2cz90pjI
 祐一が見たのは蜂の巣にされた筈のアヴ・カムゥが無傷同然で立ち上がり異常なまでの
 魔力を吹き出すその様であった。
「リジェネーションに搭乗者の魔力を際限無く搾り取り高性能を発揮する『仮面』システムか…
 こいつを作った連中はよほどの天才かいかれているかのどちらかのようだな…」
「いたかったぞぉぉぉ…とっっっってもいたかったぞぉぉぉ!!」
 そして、赤いアヴ・カムゥは異常なまでに体を膨れ上がれさせ異形の姿に姿を変えていった。
「既に意識まで『仮面』に蝕まれつつあるか…愚かな」
「死ねぇ!しねぇ!!シネェェエェェ!!」
「来い」
 ハウエンクアはその巨体から信じられないほどの速度で祐一に向っていった。
 それを迎え撃つ祐一は──

A 今度は30mm対魔砲「ハルコンネン」 
B 見せてやろう、真の吸血鬼の闘争と言う物を
C 13m爆裂撤甲弾乱れ撃ち
D そのまま惨殺された
483名無しさんだよもん:03/02/25 00:34 ID:m1K4qrXU
484名無しさんだよもん:03/02/25 00:34 ID:QVuT0hjS
とりあえずC
485名無しさんだよもん:03/02/25 00:37 ID:2cz90pjI
ごめん、撤甲弾→徹甲弾に変えてくれ。
486名無しさんだよもん:03/02/25 00:57 ID:KxZCTWOk
ところで、爆裂徹鋼弾ではなく
炸裂徹鋼弾でしょ。

あれか?版権対策?
どっちでもいいんだが、ヘルシング読み返してて気になった。
487名無しさんだよもん:03/02/25 01:08 ID:2cz90pjI
「アハハハハハ!どうしたんだい?さっきの威勢のよさは?」
 その巨体からは信じ難いスピードで祐一に接近し切り刻むハウエンクア。
「……ッ!」
 銃を眉間に目掛けて3連発。しかし、その強靭な装甲に阻まれ空しく火花を散らし四散する。
「きかないぞぉぉぉぉぉぉぉ!!ホラァ!!」
 強力な一撃を喰らい向こう側の壁に激突する祐一。ひいき目に見ても状況は芳しくなかった。
 しかし──
「ふふふふふふふ・・・少しはやるようだな。だが、我がご主人様が少々苦境に立たされているのでな。
 悪いが手っ取り早く『処理』させて貰う」
「アハハハハハ!強がりを言ってるんじゃないよ」
 祐一はひとつ溜息をつき、嘲笑うハウエンクアを哀れみの目で一瞥した後、唇を動かし始めた。
「拘束制御術式第3号、第2号、第1号解放」
「状況A『クロムウェル』発動による承認認識」
「目前敵完全沈黙までの間能力使用限定解除開始」
 祐一の宣言と共にあたり一面の『闇』が蠢く。
「では教育してやろう 本物の吸血鬼の闘争というものを」
 そして、祐一の体が崩れた・・・と思うと其処から漆黒の犬が3匹現れハウエンクアに襲い掛かった。
「なッ?このぉ!!」
 ハウエンクアが襲い掛かる犬を薙ぎ払うがすぐ様もとの形に戻りまず一匹目が彼の首筋に
 噛み付いた。残りは腕、脚に噛み付きその四肢をご馳走にむしゃぶりつく様に噛み千切っていった。
「ヒァァァァァアア!!や、やめろぉ!」
 必死に振り払おうとするがまるで止る気配は無い。そして、その再生能力を遥かに上回る
 速度で喰らい尽くし遂にはその生身の体が露出した。
「う・・・うわぁぁぁあぁ!!」
 必死に外へ脱出しようとするが犬の喉から腕が拳銃を携え飛び出し
 
   ドゥッ!ドン!ドン!!

488名無しさんだよもん:03/02/25 01:10 ID:2cz90pjI
「はぁ…はぁ…な…何者なんだ…あいつは何なんだよぉ!!」
 両足を撃ち抜かれ芋虫のように這いずり逃げるハウエンクア。その表情は先程傍若無人な暴君を
 演じていた者とは思えないほど恐怖に歪んでいた。
「どうした、まだ脚を2本失っただけだ。さっきみたいに再生させてみろ」
「ヒィィッ!!」
 気配もなくハウエンクアの前に立ち塞がる祐一。
「く…来るなぁ!この『化物』!!」
「…ッち、所詮は『できそこない』か。貴様なんぞは犬の餌にでもなるがいい」
「ヤ…ヤメ──」
 祐一の腕が先程の犬に変化し、ハウエンクアを美味そうに食べていくその断末魔が響く中
 祐一は爆発のする方を眺めた。
「ククククク…あれはご主人様か?さて、急ぐとするか」
 祐一は爆発のした方へ踵を返した。辺りには血溜まりと僅かな衣服の破片だけが残されていた。

A 久瀬達の状況は?
B 佐祐里達の状況は?
C ダナンのの状況は?
489名無しさんだよもん:03/02/25 01:13 ID:6AhXskbs
じらしてB
490名無しさんだよもん:03/02/25 01:18 ID:RqcEDD01
祐一ってほんと他人の褌で相撲を取らせたら葉鍵一だよなぁw
491名無しさんだよもん:03/02/25 01:32 ID:lH5G/PXk
てーか、どっちが祐一のセリフだかw
492名無しさんだよもん:03/02/25 01:42 ID:KxZCTWOk
はーい。久しぶりの登場のまじかる☆さゆりんですよ〜。
さて、今佐祐理たちは各々飛行機を破壊しに回ってるところです。
舞は妨害してこようとしてくる敵に殲滅
郁未さんは発進してしまった機体を落とし
佐祐理はそこらじゅうを蹂躙しているという状態です〜。
「あはは〜、まじかるバーニングですよ〜」
爆炎がドックを一直線に進んでいき、破壊をもたらしてます
連鎖的に他の機体も爆発してますねー。あはは〜。爽快ですよ〜。
「佐祐理! もうここ十分だと思うわ」
そこへ、郁未さんがやってきました。
「もう、かなりの数の飛行艇が飛び立ってるみたいだし今は司令官を倒した方がいいんじゃない」
「そうですね〜。もう半分くらいは減らしましたから尾根支部だけでも十分殲滅できますね
 舞〜! もう行くよ〜」
舞は敵をばったばったと切り倒しながら戻ってきました。
「ただいま。それで、どこへ行くの?」
そうですね〜、さっきの道を戻ればいいんでしょうけどそれだとベナウィさん達が。
どうしましょう〜

A と、アーカード祐一さんがやってきました 。
B そうだ、あのホワ○トベース占領して使っちゃいましょう。
C 悩んでいるとベナウィ達がやってきた
493名無しさんだよもん:03/02/25 01:45 ID:zUykOazm
A
494名無しさんだよもん:03/02/25 02:04 ID:KxZCTWOk
と、そこに祐一さんがやってきました。
「上手く行ってるようですね。佐祐理さん」
「結局ベナウィさんとクロウさんは倒せませんでしたけどねー」
そして舞が祐一さんに駆け寄っていきました。
「祐一、血だらけ。大丈夫」
「大丈夫だ。ちょっと下品な奴を消してきただけだ」
う〜ん、ますます佐祐理の影が薄くなっていきます。
「これから、司令官を倒し行くんだけど、手詰まりなのよね。いい方法ない?」
郁未さんの質問に祐一さんは空を指差します。
その先にはさっきまでいた建物の屋上がありました。
「あそこのドームに司令官がいる。もう久瀬が戦ってるはずだ」
「それじゃ、早速行きましょう」
佐祐理はステッキを一振りして3人を引き連れて高速移動しました。
「なんだか手抜きねぇ。ま、いいけど」
これでも魔力かなり消費してるんですけどね〜。
50%くらいしか残ってないでしょうか。ま、なんとかなります。
「あはは〜、早くドームに入りましょう」
佐祐理達が走り出すと

A ベナウィ達が立ちふさがった
B 久瀬のアヴ・カムゥが吹き飛ばされてきた
C ドームが吹き飛んだ
D 何事もなくドームに突入
495名無しさんだよもん:03/02/25 02:08 ID:3bfKnCN/
c
496名無しさんだよもん:03/02/25 03:34 ID:2cz90pjI
その時、突如建物のドームが粉々に吹き飛んだ。その中から姿を現したのはデビル・クーヤであった。
その中から久瀬の操るアヴ・カムゥが飛び出してきた。佐裕里達の存在に気づいたのか此方にやってきた。
「佐裕里さん、あれが敵の司令官のアムルリネウルカ・クーヤです」
「あれが?」
「…酷い、悲しみが…あの娘、真っ暗な暗闇の中で一人で泣いている」
 不可視の力のひとつの精神感応でクーヤの心を感じ取った郁未。
「そうだ、外法によって操られているに過ぎんがな」
 そして、横から祐一が付け加える。
「クーヤ様を私が説得してみます。皆さん援護をお願いします」
「あははーもちろんですよー。佐裕里達に任せてください」
『イヤァァぁ!!ゲンジマル!サクヤァァァ!!』
 クーヤの悲痛な叫びが辺りに木霊する。
「…来る!」
 舞がクーヤが此方に向ってくるのに気づいた。

 どうする?

A 祐一の蝙蝠化で気を引く
B 舞の分身で引きつける
C 佐裕里の魔法で久瀬機を強化
D 不可視の力で援護
497名無しさんだよもん:03/02/25 03:37 ID:2cz90pjI
しかし、柳川編でも書いた本人が言うのもなんだがハウエンクアは碌な死に方しないな。
前は脚を切り落とされ崖から突き落とされて悶え苦しんで死んでいるし。今回も…
498名無しさんだよもん:03/02/25 03:49 ID:KxZCTWOk
原作のハウエンクアは中々死ななくてうざかったので、
ここでの酷い扱いは嬉しい限り。
499名無しさんだよもん:03/02/25 04:01 ID:3bfKnCN/
c
500名無しさんだよもん:03/02/25 04:05 ID:RlXetDIv
佐祐理さんの字を間違えないでー。
501名無しさんだよもん:03/02/25 16:06 ID:73F5KxRA
「久瀬さん! 佐祐理が魔法で支援します……突っ込んでください!」
「はは……倉田さん、あなたもなかなか無茶を言いますねェッ! 相沢! 川澄さん! 天沢さん! 援護してくれ! おおおおおぉぉぉ……ッ!」
 一際高い咆吼と共に、久瀬機が吶喊する。
「サクヤ君! すまないがともかく彼女を落ち着かせないと話もできない……! 少々手荒く行くぞ!」
「は、はいっ!!!」
 ドームをぶち破り、もはやタコともイソギンチャクともつかない容貌を示すデビル・クーヤ。
 その中央部……おそらくはコクピット、クーヤ本体がいると思われる場所に向かい、疾走する。
『イアアアアアアアアッッッッ!!? 来ないでェッ!? 来ないでェッ!!? コナイデェェェェェェェッッ!!!!?』
 耳ではなく頭に響くような悲鳴をまき散らしながら、無数の触手……アヴ・カムゥがそのまま伸びたような触手が久瀬機に迫る。
「はぁぁぁぁ……ッ! まじかる☆バイキルト!!」
 佐祐理から放たれた淡い光が久瀬機に収束する。アヴ・カムゥの身体全体が光に覆われる。
「シィィィィ……ッ!!」
 輝く刃を振りかざし、片っ端から切り捨てていく久瀬。しかし次第にクーヤの猛攻は激しくなっていき、とても一人でさばききれる量ではない。
 ゴバァッ!
「なっ……!? しまった!」
 突如久瀬が踏みしめた床が盛り上がり、爆裂するように触手の束が現れた。
「建物自体と一体化し始めたか! どこまで成長するんだこいつは!」
「久瀬! 歯ァ食いしばれ!!」
「ツッ!?」
 ガキィン! キィン!
 空中にたたき上げられた刹那、触手が久瀬機を捕らえるより一瞬早く、祐一の放った弾丸が久瀬機を吹っ飛ばした。
「痛ツッ……相沢!」
「感謝しろ」
 少々の衝撃が中の久瀬に伝わるが、上手いこと触手から逃れることには成功した。
「……覚えてろよ!」
 改めて体勢を整え、得物を構える。
「さて……」
 とりあえずだいぶ接近することには成功したが……
「どうしたものか……」
『いや……いや……イヤァぁぁぁぁぁぁ!!?』
502名無しさんだよもん:03/02/25 16:06 ID:73F5KxRA
A とりあえず戦闘不可能状態にしてから説得する。
B クーヤを機体から引っぺがす。
C ここからサクヤの説得を試みる。
D「お前が好きだぁ! お前がほしぃぃぃ!」
503名無しさんだよもん:03/02/25 16:36 ID:Sm/WgraL
Dはまだ早いと思われるので 「C」 でお願いします。
504名無しさんだよもん:03/02/25 19:05 ID:lUeU4SNz
「サクヤ君! 頼むぞ! 回避の方は僕が何とかする!」
「は、はいっ!」
 久瀬はパチリとマイクを外部通信に切り替え、サクヤに手渡す。
『クーヤ様! クーヤ様! 私です! サクヤです!』
 サクヤの声が屋上に響き渡る。
『うぐ……ぁ……サク……ヤ……?』
 反応があった。ほんの少しだけ、暴れ狂う触手が止まる。
『サク……ヤ……サ……クヤ……サ……ク……ヤ……』
『はいそうです! 昔からクーヤ様にお仕えさせていただいた、サクヤです! クーヤ様! クーヤ様! お静まりくださ……』
『サクヤ……サクヤ……サクヤあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁあ!!!!!』
「のうわっ!?」
 しかし反応があったのは一瞬だけであり、すぐさままた暴れ出す。しかも先ほどよりも悲鳴も、攻撃も激しくなっている気がする。
「さ……サクヤ君! どういうことだ!?」
「わ……わかりません! けど……クーヤ様です! あの中にいらっしゃるクーヤ様は……クーヤ様そのものです!
 変わってはおりません! 私の声に反応してくださいました!」
「説得出来そうか!?」
 最も重要なことは、それだ。
「それは……わかりません。あるいは、サクヤ様と直接お話することができれば、あるいは……」
「……ハッ」
 久瀬は吐き捨てるように笑う。
「サクヤ君、君はずっと君を控えめな女性かと思っていたが、どうやら違うようだねぇ。まさかそんな無茶を軽々と言ってくれるとは!」
「え? あ、その……す、すみません……」
505名無しさんだよもん:03/02/25 19:06 ID:lUeU4SNz
「10秒だ!」
「え?」
 久瀬はそれまで回避行動をとっていた機体の向きを切り替え、クーヤ機の中心部に向かわせる。
「10秒、10秒彼女の中に飛び込もう。それが限界だ。……その間に何とかしたまえ! わかったな!」
「は、はいっ!」
 そしてブーストを利かせ、触手の嵐が吹きすさぶクーヤ機の中心部……棺桶に似たハッチへと向かう。
「相沢! 倉田さん! 川澄さん! 天沢さん! ……援護をお願いするよ!」
 久瀬が物を頼んだ。他人に。
 思わず祐一は唇をフッと綻ばせる。
「認識した我が戦友……行くぞ!」

「ッ!? 気をつけなさい! あいつの様子がおかしいわ!」
 クーヤ機の様子を見据えていた郁未が叫ぶ。
「な……あれは!?」

A 極太レーザー発射
B 建物自体への浸食開始
C 立ち上がった
D 久瀬機を喰った
506名無しさんだよもん:03/02/25 19:17 ID:LNJ/fdKC
507名無しさんだよもん:03/02/25 19:47 ID:6LOXbjpa
デビル・クーヤの下から触手が物凄い勢いで成長し、徐々に二つの棒へと変貌した。
やがて、その二つの足を使いデビルクーヤは立ち上がる。
「ちっ……これはできすぎる」
あまりの巨大さに久瀬は怯んだが、変形しているためかデビルクーヤの動きはやや緩慢になっていた。
「サクヤさん、行きますよ!」
「はいっ!」
久瀬はスロットルレバーを全開にして、デビルクーヤの懐に飛び込んだ。
その久瀬機を抱き込むように動く触手を、郁未が不可視の力で引きちぎる。
「あたしがなるべくカバーするわ! 早くしなさい!」
郁未の怒声が飛ぶ。自分にも攻撃が来る中援護をするのは、危険な行為であった。
「当たり前だ!」
それでも久瀬機への触手の攻撃は収まらない。無数の触手を切り裂きながら前進する。
「しかし、あの高さでは中央部に接近できないな」
久瀬はサクヤの表情を見る。
泣いてはいたが、恐怖は浮かんでおらず、ただ悲しみがあるのみだった。
さあ、どうする久瀬よ……

A アヴ・カムゥから飛び降りサクヤを抱きかかえて行く
B 佐祐理の魔法でさらにパワーアップ
C あ、足切ればいいのか
D その時、空からミサイルが!
508名無しさんだよもん:03/02/25 19:53 ID:ReI+kgL2
C(w
509名無しさんだよもん:03/02/25 20:11 ID:6LOXbjpa
「どうすればいいんだ」
久瀬の顔がアップになる。
「簡単な事です。足を切ればいいんです!」
「なるほど。足を切って切断すればいんだな。ナイスアイデアな考えだサクヤさん!」
ライトセイバーの出力を全開に引き上げると、久瀬はデビルクーヤの右足を切り裂いた。
だが、巨大な足の半分程度しか光の刃は到達していなかった。
「まだまだぁ!!」
久瀬は、反対側に周り込み、残りの半分を切り裂いた。
バランスを失い右側に倒れるデビルクーヤ。
すかさず、クーヤ本体が居る場所へと駆け出す。
「クーヤ様! クーヤ様! 聞こえますか!?」
『サクヤぁぁぁぁぁぁぁ!!! あぁぁああああああ!!』
「ダメだ。彼女には理性が残っていない!」
「いえ、そんな事はありません。クーヤ様は私を感じてくれていらっしゃいます」
しかし、ただ声をかけるだけではダメだと判断したクーヤは

A それでも尚声を掛け続けた
B 久瀬にハクオロの真似をさせた
C 飛び出して抱きついた
510名無しさんだよもん:03/02/25 20:15 ID:2/WiKnAA
c
511名無しさんだよもん:03/02/25 20:40 ID:6LOXbjpa
「久瀬さん、コクピットを開けて下さい!」
「なんだと!?」
この状況でコクピットを開ける事は自殺を意味する。
「直接話し掛けないとクーヤ様は助けられません!」
「しかしですね……」
変形が終わった今はさらに触手の攻撃が激しくなっていた。
郁未の不可視の援護だけでは耐え切れないだろう!
「久瀬!」
そこにアグ・カムゥの脇に祐一がやってきた
「ここは俺と佐祐理さんが抑える。彼女を行かせてやれ」
次の瞬間ステッキからブレードを出した佐祐理がやってきた。
「あはは〜、久瀬さんばかりにいいところはやれませんよ〜」
バカめ……久瀬はそう思った。
「いいでしょう。その代わりしっかりお願いしますよ! さあ、サクヤさん」
久瀬のアヴ・カムゥのハッチが開く。同時にサクヤが飛び出した。
「久瀬さんはここで待ってて下さい!」
「何を言って……!」
久瀬も飛び出そうとしたが、触手が久瀬機を吹き飛ばしてしまった。
仕方なくすぐさまハッチを閉じ、戦闘態勢に入る。
「このぉぉぉ!」
このままではサクヤが危険すぎる。早く戻らなければならないが、思うようには進めなかった
512名無しさんだよもん:03/02/25 20:41 ID:6LOXbjpa
サクヤは真アヴ・カムゥに生体部分として取り込まれてしまったクーヤに抱きつく
「クーヤ様! 私ですよサクヤですよ」
クーヤはサクヤの手の感触に一瞬戸惑い動きが止まる。
『サ……ク……ヤ?』
「そうですよ! クーヤ様の友達のサクヤですよ!」
『トモダチ……ト……ダチ……ィィィ』
明らかに先ほどよりもクーヤは反応を示していた。
しかし、それは一瞬の事だった。
『ィィィィィィイイイイイ!! アァァァァァア! サクヤサクヤサクヤサクヤァァ!』
デビルクーヤは体中の触手をでたらめに振り回しもがき苦しむ。
「とんだ外法だな。あらゆる感情を負に変換している」
祐一は哀れみをこめた目でクーヤ本体を見つめる。
そして、デビルクーヤの触手がサクヤを絡めとり……
「久瀬さん、サクヤさんが!」
佐祐理と祐一が触手を攻撃するが、サクヤが近くにいるために全ての触手は払えない。
それでもサクヤはクーヤから離れようとはしなかった
「クーヤ様。大丈夫です。私はずっとクーヤ様と一緒ですから」
「サクヤさん! 危ないですから離れて下さい!」
久瀬が必死で叫ぶが……やがて
サクヤもデビルクーヤに取り込まれてしまった。
「……サクヤさん……」

A 久瀬は怒りのスーパーモードに
B 祐一が拘束制御式開放
C 佐祐理が必殺兵器を使用
D 郁未が不可視の力を振り絞りデビルクーヤを一時停止
513名無しさんだよもん:03/02/25 20:42 ID:/oOQpQsc
B
514名無しさんだよもん:03/02/25 21:01 ID:XqysgN3V
「……やれやれ」
 祐一が静かな、しかし無視出来ない嘆息を漏らした。
「まさか一日に二回もコレを使うことになるとはな……正直、負担がでかいから遠慮したいんだが」
 そして一歩一歩……サクヤを取り込んだ影響か、一時的に動きが鈍っているデビルクーヤへと近づいていく。
「……相沢? 何をするつもりだ」
「この中でもっとも攻撃力があるのはお前のライトセイバーだ。……強攻策に出る。コクピットごと、クーヤとお前の彼女を助け出せ」
「な……っ!」
 珍しく赤面する久瀬。
「しかし祐一さん、いくらあなたでもあれを相手にするのはあまりにも……」
 佐祐理の心配げな問い。しかし、祐一はニヤリと唇を歪ませることで答える。
「あなた達はまだ知らない……水瀬家の持つ力を……俺たち一族が2000年間に渡り世を統治してきた、本当の力を!」

「拘束制御式第零号解放」
「状況X『ミナセ』発動による承認認識
「目前敵完全停止までの間全能力限定解除開始」
 そして祐一の背後に膨大な闇が膨れあがる。
 
「では見せてやろう……本当の水瀬家の力を!」

 ゴバァッ!!!!
 
515名無しさんだよもん:03/02/25 21:03 ID:XqysgN3V
 膨れあがった闇は祐一を取り込み、そのままデビルクーヤへと向かう。
 それは徐々に形を成していき、やがて巨大な一羽の鷹へと変化する。
「あ、あい、ざわ……?」
「……これが、華音支部最『凶』の力……K.E.Y.の最終兵器、水瀬の力というの……?
 かつて『不可視の力』すら跳ね返したという……伝説の……?」
 思わず郁未が漏らした。
 その大きさはデビルクーヤにも引けを取らず、二つの巨体がぶつかり合う。
『ウアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!』
『外法の理に溺れた者、命の摂理から外れし者。……あるべき姿へかえるがいい、
 シャクコポルが長、アムルリネウルカ・クーヤ!』
 祐一の一撃がクーヤの身体を捕らえ、絡み合う。
 一瞬……一瞬だけ触手の防御が融け、ハッチへと続く道が開いた。
「久瀬さん!」
「久瀬!」
「久瀬君!」
「ッッッ…………………うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
 久瀬は疾った。
 道を駆け抜けた。
 そして光の刃を振りかぶる。
「これで……終わりだッッッ!!!!!」

A やったぜクリティカル! 見事にコクピットを切り落とした!
B まだだ! デビルクーヤ最後の一撃!
C 新たな刺客登場! こんな時にィ!
516名無しさんだよもん:03/02/25 21:05 ID:HRfe5nmy
Aよろしく
517名無しさんだよもん:03/02/25 21:26 ID:XqysgN3V
 ザクンッ!!!
 逆手に構えた光の刃が、デビルクーヤの胸へと突き刺さる。
『グアッ…………………ギャァァァァァァァァァ!!!!!!』
 デビルクーヤが激痛に歪む悲鳴を上げる。しかし久瀬は構わず、そのままコクピット周りをぐるりと切り裂いた。
「クッ……予想はしていたが、生体ユニットか……下品な!」
 切れ目から膨大な量の緑色の液体が吹き出し、久瀬機を染め上げた。
『グギャァァッッ……グォォァァァァアアアアアア…………ッッッ!!! ギャァァァァアァ!!!』
『ツッ……それにしてもお転婆だなこのお嬢さんは!』
 悶え苦しみ、暴れ回るデビルクーヤ。今は祐一が何とか押さえ込んではいるが、それも限界に近そうだ。
 グリン! ……ドッ、グリッ!!!
 そして最後に一際深く剣を突き刺す。
「……終わりだ!」
 ドシャァァァァァ……………ッッッ!!!!
 久瀬が剣を抜き放つと、デビルクーヤの胸部からハッチを含めたコクピット部がえぐり取れた。
 ヌチャッと耳障りな音を立て、床へと落ちる。
 
『アグォォォォォォォォォッッッッ!!!!』
 断末魔にも似たデビルクーヤの悲鳴が屋上に轟く。しかしそれは今までの声とは違った。
 それは『助けを求めるクーヤの悲鳴』ではなく、『化け物の咆吼』でしかなかった。
「は………ははは……っ……」
 吹き出る血に身を洗われながら、久瀬機は切り落とされたコクピットの脇に跪く。
 一気に緊張の糸が途切れた久瀬は、アヴ・カムゥのレバーを放してそのまま身体を重力に預けた。
 今になって体中にビッシリと汗が吹き出てくる。
「ははは……試験の時より……緊張した……」
 そして……
 
A さて、手早くクーヤとサクヤを解放しなければ。
B 宿主を失ったデビルクーヤの大暴走。
C ベナウィ&クロウ現る。
518名無しさんだよもん:03/02/25 21:29 ID:KimDHjyd
Bで。そろそろ影薄かった真打ちの出番ですか?
519名無しさんだよもん:03/02/25 21:30 ID:2mSMHOZd
水瀬の力って事は、名雪や秋子さんも実は吸血鬼?(爆)
520名無しさんだよもん:03/02/25 21:40 ID:qkrvjDPH
前線基地落とすのにここまで盛り上がってどーすんだよ(w
もっとハクオロ周りの話とか考えてたのにぃ。
521名無しさんだよもん:03/02/25 22:16 ID:CrvnqDfb
>520
同意。だがこれもまた一興。
てか一連の柳川ネタ程でないにしろ長編化しそうな予感。
522名無しさんだよもん:03/02/25 22:22 ID:KimDHjyd
しまった! そういえばここ前線基地だった。すっかり忘れてたよ(w
続くのか、切りがよさげだからここで区切るのか……全てはこれからの選択次第か。
523名無しさんだよもん:03/02/25 22:23 ID:2cz90pjI
『ギェェェェェェェエェェ!!!』
 外法の核となるクーヤを切り離されたデビル・クーヤはその体を維持できず崩壊させていった。
 だが制御を失ったデビル・クーヤは更なる暴走を始め手当たり次第に辺りに破壊を振り撒いていった。
「ちょっと、どーすんのあいつ。このままじゃあたし達も巻き込まれるわよ?」
「あははー、遂に佐祐理の出番ですねー。皆さん、佐祐理の後ろから絶対に前に出ないで下さいねー」
 佐祐理はデビル・クーヤの目の前に出ると異空間からごっついバズーカ砲を取り出し
 安全装置を解除し狙いを暴走するデビル・クーヤに定めた。
「再び佐祐理の理想を叶える為に」
 筒の中で内蔵機関が唸りを上げ悪夢の破壊を打ち出す準備を始める。
「『舞とのラブラブ生活大作戦』成就の為に」
「?」
 佐祐理の謎の台詞に首を傾げる舞。
「冥府の底にお帰り願います!『さゆりんまじかる☆アトミック・ステッキ 』!!」
 筒の先端から光が溢れたと思った刹那、一条の眩い閃光が周囲の空気をプラズマ化させながら
 デビルク・クーヤに向けて伸びて行った。
『グギャァァァァァエァエァァィァァア・……!!!』
 辺りにデビル・クーヤの絶叫が木霊したがそれも自らを打ち抜いた閃光の音に掻き消されていった。


 爆発と閃光の止んだその後に残ったのはその巨体の下半身のごく一部を残し消し飛んだ
 デビル・クーヤの残骸と中腹に巨大な風穴を開けた山であった。
「……イ○クや北○鮮よりこの人の査察をした方が世の為な気がする」
「あははー、何か言いましたか?久瀬さん」
「気のせいですよ」
「見て、あれって尾根支部の航空隊じゃないの?」
 郁未の目に移ったのは『K.E.Y』のエンブレムが翼に描かれた数々の戦闘機と輸送機だった。
「勝った…のか?」
「勿論、佐祐理達の勝利ですよ。ぶい」
 佐祐理は皆が脱力する中見事なVサインを画いた。
524名無しさんだよもん:03/02/25 22:25 ID:2cz90pjI
A 勝利です、華音基地に凱旋です 
B あれ?そう言えばベナウィさん達は?
C その頃敵の親玉は…
D 七瀬司令が取り合えず飛行機から降りてきました
525名無しさんだよもん:03/02/25 22:26 ID:sq6oe88S
B
526名無しさんだよもん:03/02/25 22:37 ID:xXeEsvqU
出来ればこのスレ内で終わらせて欲しいな
柳川みたいに無理矢理引き延ばされるのは正直勘弁
527名無しさんだよもん:03/02/25 22:45 ID:2cz90pjI
 佐祐理達が勝利の余韻に浸ってるその時、背後の瓦礫が突如弾け飛び中からベナウィと
 トウカを抱えたクロウが現れた。
「……ッ!まだいた」
「ま…まだやる気?」
 疲労困憊ながらも各々が戦闘態勢に入る、しかし──
「武器を下げたらどうです?最早戦う余力はないのでしょう?お互いに」
「今更何の御用ですかー?降伏すれば暖かい寝床と3度の食事は保証しますよー」
「いや、まさか此処までいいようにやられた挙句あの『DY-25』まで消し去るとは…私の完敗です」
「若しや貴方方なら…いや…まぁ、いずれかの後にまた戦場で会いましょう。それでは」
「んじゃな」
「う…ううう…某とした…事…が」
 その場から立ち去ろうとするベナウィ達。しかし、祐一はいち早く拳銃を抜き撃とうとするが──
「破ッ!」
 その場に槍を打ち付けると眩い光が溢れ気づいた頃にはその場から消え去っていった。
「……逃したか」
「…何か落ちてる」
 舞が指を指した先程までベナウィがいた方角に何やら一枚の紙が落ちていた。その内容は──

A ベナウィ作の恥ずかしいポエム
B 『ゲンジマルという男に会いなさい』と書かれていた
C おならぷぅ
D 敵の本拠地の位置が書かれていた
528名無しさんだよもん:03/02/25 22:47 ID:AAuOznW6
c
529名無しさんだよもん:03/02/25 22:47 ID:2mSMHOZd
ものすごく、Cにしたいけど進めたいのでB。
530名無しさんだよもん:03/02/25 22:52 ID:AyqhVuom
『おならぷぅ』
「あははーっ、ベナウィさんったら意外にお茶目さんですねー」
 佐祐理がいつも通りの脳天気な声で呟く。表情は笑っている。
 しかし……何か不自然だ。微妙に、固い。

「こんなものは、こうしちゃいましょう。まじかる☆ヘル……ファイアッ!!!!!!!」
 ファイア、の部分は発音がかなり変わった。
 声が裏返る程に。

 …………こうして、うたわれ・尾根支部攻略前線基地は全焼したそうな。
 
A あははー、エンディング行きますよー。
B 帰り道、なんとサクヤさんと久瀬さんに大事件が!
C 敵の親玉視点行ってみましょうかー。
D パーティーですよー。祝勝会ですよー。
531名無しさんだよもん:03/02/25 22:55 ID:byoDtJuF
またーり、D
532名無しさんだよもん:03/02/25 22:55 ID:wVYr3Vye
C
まだだ、まだ終わらんよ
533名無しさんだよもん:03/02/25 22:55 ID:2cz90pjI
Bで他の人に期待
534名無しさんだよもん:03/02/25 22:59 ID:sdMtf3AA
先生、いつの間にこんなに速度の速いスレになったんですか!?
535名無しさんだよもん:03/02/25 23:02 ID:AyqhVuom
「あははー、今日は佐祐理のおごりですよー。みなさんぱーっと行きましょう」
 ここは尾根支部内の食堂です。今日は佐祐理が借り切って祝勝会なんですよー。
「それじゃ七瀬さん、乾杯の音頭をお願いしますね」
「はいはい、それじゃ僭越ながらこの七瀬……ってぎゃーーーーーっ!!!?」
 ほえ? いきなり七瀬さんの首が真後ろにコキャッ♪ と曲がってしまいました。
 後ろを見てみると……あ、男の方がツインテールにビールのタンクを結びつけてますねー。
 お茶目さんですねー。
「お、折原! あんたはぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ま、待て待て七瀬! 俺は別にそんなつもりでは……」
「他人様の目の前まで来て恥さらすなゴルァ!! ちょっとこっち来いやぁ!」
「ま、まてまてま……!」
 あら……七瀬さんは男の方を連れてどこかへ行ってしまわれました。
 ……弱りました。
 乾杯の音頭はどなたにお願いしましょう?
 
A 和風の雰囲気が漂う、黒髪の清楚な女の子。
B スケッチブックを持った女の子。
C 殺人的な三つ編みのお下げが特徴的な女の子。
D みゅーみゅー鳴いてる女の子。
536名無しさんだよもん:03/02/25 23:03 ID:CrvnqDfb
Cで。
537名無しさんだよもん:03/02/25 23:09 ID:AyqhVuom
「あのー、そちらの方……?」
 佐祐理はテーブルの隅で、室内にもかかわらず傘を握った女性に白羽の矢を立てました。
「すいません……?」
 ……しかし、反応してくれません。
「もしもーし?」
「……何か?」
 あ、やっと反応してもらえました。
「あの、乾杯の音頭を……」
「茜、です」
「はえ?」
「私の名前は里村茜。尾根支部における戦闘機部隊の隊長を務めています」
「あ……あははー、これは失礼しました。それでは改めて里村さん、乾杯の音頭をお願いできますか?」
「嫌です」
 はわわっ。
「あの……別に、たいへんなことを頼んでいるわけではないのですが……? なぜお嫌なのでしょう?」
「……ワッフル……」
「はえ?」
「……なぜ今日のメニューにはワッフルが無いのですか……?」
 わなわなと、震えながら仰いました。
 ……ワッフル? ……要するに、このお嬢さんはワッフルがほしいわけですね?
 あははー、それなら佐祐理に任せてください。
 
A 抹茶ワッフルを与える。
B チョコレートワッフルを与える。
C 練乳ワッフルを与える。
D 納豆ワッフルを与える。
538名無しさんだよもん:03/02/25 23:12 ID:ESZdCkBL
選ばずにはいられないD
539名無しさんだよもん:03/02/25 23:12 ID:2mSMHOZd
あそこにいる、三つ編みの人に頼みましょう。
「あのー、乾杯の音頭を取ってもらえませんか?」
「嫌です」
「ほえ?」
「……冗談です。お引き受けしましょう」
 ビックリしました。断られた時にはどうしようかと思いました。
「それじゃあ、お願いしますね」
「はい。
 ではみなさん。一時の勝利を祝して乾杯……」
「「「かんぱーい!」」」
 さてと、佐祐理も舞のところに行こうかな。あっ、あれは……

A 久瀬の隣でクーヤと一緒にいるサクヤ
B 愛しの舞
C お約束の郁未さんです
D 変な仮面をかぶった人と胸の薄い獣耳の娘さんが居ました
540名無しさんだよもん:03/02/25 23:13 ID:2mSMHOZd
ぐっ、負けた。
541名無しさんだよもん:03/02/25 23:36 ID:CFwRvYhO
A
542名無しさんだよもん:03/02/26 00:05 ID:fQ9KwzY2
 あははー、やっぱりワッフルといったら納豆ですよねー。
 というわけで佐祐理はちょっと会場を中座し、カウンターの方へと行きました。
「あのー、すみません」
「ん、どうしたんだ?」
 割烹着のおばさまが応対に出てきました。
「注文お願いしたいんですけど……」
「はいはい、なんだい?」
「納豆はありますか?」
「納豆ね。はいはい。他には?」
「ワッフルはありますか?」
「はいはい、ワッフルね。中身は何にする?」
「先ほどのものと組み合わせてください」
「…………………」
「…………………」
「ご、ごめんねぇ。おばさん、最近ちょっと耳が遠くなってねぇ。もう一度言ってもらえるかい?」
「ですから、納豆と組み合わせてください。納豆ワッフルです」
「……………本気かい?」
「はい、もちろん」

「お待たせしました里村さん。こちらがワッフルです」
「……ありがとうございます」
 口調とは裏腹に、里村さんは高速の動きで佐祐理の手からワッフルをもぎ取っていきました。
「いただきます。……あむあむ……」
 と思ったら、一口で半分ほどパクッといってしまいました。ホントワッフルがお好きなんですねー。
 そして、当然のごとく口と半分になったワッフルの間に納豆がねばーっと糸を引きます。
「…………………」
「お気に召しましたか?」

A お気に召してくれたみたいです。
B あれ? なんだか拳銃を取り出しましたね。どうしたんでしょうか。
C 無言でつき返されてしまいました。
D あっ、佐祐理としたことが。納豆にはチーズじゃないですか。うっかりしてましたー。
543名無しさんだよもん:03/02/26 00:08 ID:tJiTmpST
B
544名無しさんだよもん:03/02/26 00:23 ID:fQ9KwzY2
「……覚悟はよろしいですか?」
「あははー、どうなさったんですか? ワルサーなんて取り出して」
「ワッフルを愚弄した罪は、万死に値します」
「あははー、サイレンサーですか。どなたかを暗殺でもなさるんですか?」
「ええそうです。あなたをね」
「ほえ? なんでですか? 佐祐理が何かお気に召さないことでもしましたか?」
「ええ。私の信仰を木っ端微塵に打ち砕きました。煉獄の炎に焼かれて悔いてください」
「あははー、それは困りますねー。佐祐理もまだまだ死ぬわけにはいかないんですよー」
「五月蠅いとっととおっ死(ち)ね鍵野郎」
 プシュッ。
 あははー、本気で撃ってきましたー。僅かに佐祐理をそれた弾丸は、後ろの壁に突き刺さります。
「外しましたか。しかし次は……」
「これは困りましたー。それなら佐祐理も正当なる防衛行動をとらせていただきますよー」
 まぁじぃかぁるぅ……とステッキに魔力を込めます。
 
「待った待った! そこまで!」
 ……と、どなたかが佐祐理たちの間に割って入りました。
 その方は……
 
A 先ほどの男の方です。折原さんといったでしょうか。
B 里村さんの隣に座っていた慎ましやかな胸の女性でした。
C あ、郁未さんです。お久しぶりですねー。
D 南(沢口)さんでした。
545名無しさんだよもん:03/02/26 00:24 ID:JjNl+HJT
546名無しさんだよもん:03/02/26 00:46 ID:fQ9KwzY2
「待った待った! そこまで!」
 と、佐祐理たちの間に割って入ったのは沢口さんでした。
「沢口じゃ……!」
「あ、そこに立ってると危ないですよ。まじかる☆サンダーボール!」
 ばりばりばり。
「あ……」
 プシュッ。
「ぐ、はぁ! うぎゃあ!」
 あらら……9mm弾と雷撃弾の直撃を受け、沢口さんは倒れてしまいました。
「もしもし沢口さん、生きてますか?」
「……大丈夫ですか?」
 佐祐理と里村さんで、抱きかかえます。
「へっ……俺としたことが……どうやら俺の戦いはここまでのようだ……。すまん、折原、すまん、住井……」
 あははー、虫の息です。
「最後に何か言い残すことはありますか?」
「お、俺の名前を……俺の名前を、言ってみてください」
「はい。あなたの死に際は立派だったとご家族に伝えておきます。沢口さん」
「……ぐ、がはぁっ……!」
 あ、逝ってしまいました。
「……倉田さん」
「はい?」
 顔を上げると、真剣な表情の里村さんのお顔が。
「沢口さんの命に免じて、今回の勝負は引き分けということにしておいてさしあげます……次からは、ワッフルは練乳をお願いします」
「あ、そうだったんですかー。それならそうと言ってくださればよかったのに。ちょっと買ってきますねー」
「あ……どうも、ありがとうございます」
 というわけで仲直り完了ですー。さあ、パーティーの始まりですよー!
 まずは、どなたのところに行きましょうか……

A 華音支部のみなさんのところへ
B 空支部のみなさんのところへ
C 尾根支部のみなさんのところへ
D 月支部のみなさんのところへ
547名無しさんだよもん:03/02/26 00:53 ID:Equhq2GB
久瀬くぜA
548名無しさんだよもん:03/02/26 01:05 ID:fQ9KwzY2
 華音支部の方々のところに行ってみましょう。
 久瀬さんとサクヤさんがあれからどうなったのか気になりますし、なにより愛しの舞がいますからねー。あははー。
「あ、倉田さん」
「どうもお久しぶりですー。ご活躍だったみたいですね」
「こら栞、デザートばっかり食べないの」
「佐祐理……」
 あー、舞がいましたー。
 どうやら名雪さんたちと上手くやってるみたいですねー。うんうん、やっと舞にも社交性というものが芽生えてきたみたいです。
 強敵と書いて「とも」と読む間柄なんですよね。
「ところで舞、久瀬さんや祐一さんはどこに?」
「久瀬は……サクヤと2人で、入院したクーヤのお見舞いに行ってる。祐一は秋子さんとどこかに行った……」
 はぁ……なるほど。みなさんお忙しいですねぇ。こんな日くらいゆっくりすればいいと思うのですが……
 
 さて、これからどうしましょうか。
 
A 久瀬さん達の様子を見に医務室へ行ってみましょう。
B 祐一さん達を探してみましょう。
C ここで舞達と歓談してましょう。
D 他の方々のところに行ってみましょう。
549名無しさんだよもん:03/02/26 01:10 ID:JjNl+HJT
A
550名無しさんだよもん:03/02/26 01:13 ID:Qz/UON+Q
そうか…この話は久瀬主役で、さゆりん視点の二人称モノだったのかw
がんがれ、久瀬。がんがれ、サクヤ。がんがれ、書き手!
応援sage
551名無しさんだよもん:03/02/26 01:35 ID:fQ9KwzY2
「じゃあ……佐祐理は久瀬さんのところに行ってみるから、あとはお願いね舞」
「はちみつくまさん」

 というわけで佐祐理はパーティーを中座し、久瀬さんらの様子を見に医務室へ向かいました。
 ああ、後から思えばこの時……もう少し違う選択をしていれば……。あんな話を、聞かなくてすんだかもしれないのに……
 
「……ですか?」
「ええ。決定事項です」
 ……はえ? 今の声は……祐一さんのお声でしたか?
「変わりませんね。俺たちは……ずっと」
「当たり前ですよ。私たちは2000年間、ずっとこうして生きてきたのです。今更変わることなどできません」
 あっ……ブリーフィングルームの扉が僅かに開いています。
「で、処刑はいつですか?」
 ……え? 今……祐一さん何と仰いましたか?
「明朝、正午を予定しています。彼女は……身体には異常はないんですよね?」
 処刑? 正午? 彼女? 身体の異常?
「ええ。実験のショックのせいか、幼児退行を起こしてますが、身体の方は衰弱していただけで目立った外傷はありません。
 今は治療の甲斐もあり、体力もほぼ正常に戻っています。久瀬やサクヤが世話をしてますよ」
「結構です」
「……相手は子供……しかも今は精神は赤ん坊も同じですよ? それでもやるというのですか?」
「はい。要するに私たちに重要なのは『司令官を処刑』する、その事実のみが必要なのです。
 うたわれの基地にいた兵士は一部の脱出した者をのぞき、皆殺しにしました」
「なるほど……裏切って俺たちについたサクヤは『保護』され、抵抗した連中……そして、司令官は『粛正』というわけですか」
「ええ。あなたもわかっているでしょう? 軍隊に勝利をもたらす理を」
「もちろんですよ。『鉄の規律と、血の粛清』。そしてこれは同時に俺たちの家訓でもある」
「はい。そして、もう一つ……私たちがずっと、ずっと昔から守ってきた法(ロウ)……わかっていますよね?」
「……四方の諸族を統治して」
「平和を与え法をしき」
「まつろう民は寛容を」
「逆らう者は打ち倒す」
「……というわけで、明朝正午にクンネカムン皇アムルリネウルカ・クーヤに対する公開処刑を執行します。……よろしいですね?」
「……ヤー(了解)」
552名無しさんだよもん:03/02/26 01:36 ID:fQ9KwzY2
 ……はっ!? あ、足音が変わりました。こっちへ来ます。
 こ、ここを離れないと……
 
 医務室の扉を開くと、間抜けな声が佐祐理を出迎えました。
「さくやー、さくやー」
「まぁ、ふふふ、クーヤ様ったら」
「くぜー、くぜー」
「むお……っと、むぅ……」
「あれ? どうなさったんですか久瀬さん?」
「いや……僕は……どうも子供の相手というのは苦手でね……」
「ふふふ、久瀬さんにも苦手なものがあったんですね。ちょっと意外です」
「さ、サクヤ……それはないだろう?」
「大丈夫ですよ。クーヤ様は久瀬さんがお気に入りみたいですから……。ねー、クーヤ様?」
「おー」
 ……医務室の中では、ベッドに寝ている(とはいえかなり暴れてますが)クーヤさんを中心に、久瀬さんとサクヤさんがくつろいでいました。
 言葉をかえれば、イチャついているとも言えます。
 ……けど、今の佐祐理はとても茶化せる気分では……
「……あ、佐祐理さん?」
「な、お、わっ!? く、倉田さん! い、いつの間に!?」
 お二人が佐祐理に気付きます。
「さゆりー、さゆりー」
 そして、クーヤさんは佐祐理に両手を伸ばしてきました。おそらく、魔法を見せろと仰りたいのでしょう。
 この間簡単なイリュージョンをお見せしたらひどく気に入っていたようですから……
「ん? どうしたんですか倉田さん。顔色が悪いですよ。」
 ここは……どうしよう……
 
A 2人にさっき聞いた話を教える。
B 久瀬だけに教える。
C 黙っておく。
D 「なんでもない」と言ってこの場を離れる。
553名無しさんだよもん:03/02/26 01:45 ID:fXeRRsX8
初期からかなり変化のあった久瀬がどういう選択をするのか気になる、B
554名無しさんだよもん:03/02/26 03:01 ID:Qz/UON+Q
サクヤさんにこれを打ち明けるのは、酷と言うものでしょう。
でも、久瀬さんなら…。
「久瀬さーん、ちょっとお話があるんですけど…いいですか?」
努めて普段通りの笑顔を浮かべ、久瀬さんを手招きします。
久瀬さんは意外そうな表情をしながら、
「判りました。サクヤ、ちょっと行って来る」
「はーい。クーヤ様は私が見てますね」
「ああ、頼む」
…新婚さんですか、貴方たちは。
そんなツッコミを心のうちに潜め、佐祐里は久瀬さんを連れて廊下に出ます。
あたりに誰もいない事を確認し、久瀬さんへ向き直りました。
「久瀬さん。貴方の耳に凶報を入れなければなりません」
「凶報なら聞きなれた。最初に倉田さんたちを襲撃して以来、吉報にはとんと無縁でね」
ふっと、久瀬さんが皮肉めいた笑みを浮かべています。
現状に満足しての笑みなのかそうでないのかは、佐祐里には判別がつきませんでした。
満足ではなくとも、サクヤさんと一緒に過ごせる時を大切にして欲しいと思うのは、佐祐里のお節介でしょうか?
「まあそんな訳で、並大抵の事でひっくりかえったりはしない。話してもらえるだろうか」
「…明日、『うたわれ』前線指揮官アムルリネウルカ・クーヤの公開処刑が行われます」
途端、久瀬さんの目に驚愕の色が灯りました。
普段より幾分か大きく見開かれた目に少々の動揺が走ったようです。
しかしそれも数瞬の後に沈静し、いつもの怜悧な瞳に戻っています。
久瀬さんは佐祐里から視線を外し、静かに呟きました。
「そうか」
…え、今のは佐祐里の聞き違いでしょうか?
いえ違います、久瀬さんは確かにそう言葉を紡ぎました。
その一言は、佐祐里の導火線に火を付けるに足るものです。
短く設定された導火線を火花が走り、怒りの名を冠した爆薬が炸裂します。
「言う事はそれだけですか!」
「く、倉田さん?」
555名無しさんだよもん:03/02/26 03:01 ID:Qz/UON+Q
今度こそ、本格的に久瀬さんが動揺しています。
知ったこっちゃありません、さりげに佐祐里はキレてます。
「久瀬さんっ、貴方がそこまでの冷血漢だとは思いませんでした! サクヤさんのお友達で、仮にも貴方が――」
「倉田さん、落ち着いてくれ!」
「むぐぅ…!」
動揺を通り越して動転したか、久瀬さんが佐祐里の口を手で押さえ込んでしまいます。
いっそ噛み付いてやろうかと思った時、久瀬さんは申し訳なさそうに、
「悪い、僕の言い方がよくなかった」
何を今更。
睨みつけるように久瀬さんへ視線を送ります。
しかしこの直後、佐祐里の感情は完全なる鎮静を見る事になるのでした。
「事が事だ。人目を憚ったんだが…それにしても言い方が悪かったな。怒らせてしまって、すまない」
え? それはつまり、さっきの言葉は本心ではなく…?
きょとんと視線を返し、丸く見開いた目を何度も開閉させていた時、もはや佐祐里の心情から怒りの成分は綺麗に消失していました。
佐祐里が落ち着いたのを見て、久瀬さんはそっと口に当てた手を離します。
「…それで、サクヤの身はどうなる? 彼女まで命を奪われることにはならないでしょうね?」
「はい、サクヤさんは保護される事になるようです」
「従うものには容赦を、抗うものには死を…か。なるほど、判り易い構図だ」
「そ、それは…いや、しかしそれを何故知っているんですか…?」
「忠誠の薄い輩を戦わずして下すには、これ以上ない方法ですからね。もちろん、それが正しいかどうかは別として。
 これくらいの事は容易に判別できます。ただ、これは勝利し続ける事が前提となる戦略ですけどね。
 敗戦が重なった時、彼らが叛旗を翻さない保障はどこにもない。
 …いや、今はそんな事などどうでもいいか。今は差し迫った問題の解決に尽力しなくては…」
どうしたものかと、久瀬さんは腕を組んで考え込んでしまいました。
佐祐里も、何も考えずに話しに来た訳ではありません。
ちゃんと解決策の一案を携えてあります。
それだけに、さっきは激発してしまったのですけど。
556名無しさんだよもん:03/02/26 03:01 ID:Qz/UON+Q
佐祐里が久瀬さんに提案するのは…

A.久瀬さん、二人を連れて逃げてください。
B.秋子さんに直談判しに行きましょう。
C.もうだめぽ、観念してください。
557名無しさんだよもん:03/02/26 03:03 ID:F9Ak3wRk
A
558名無しさんだよもん:03/02/26 03:07 ID:K/hIr09f
C
559名無しさんだよもん:03/02/26 03:44 ID:I189ETby
とりあえず、誤字を防ぐために、名前を登録しる!
560名無しさんだよもん:03/02/26 04:19 ID:75tAyU3S
「敵の司令官が逃げたぞー!犯人は久瀬達だ!!」
 基地内に警報と怒号が木霊する。久瀬達は先の戦いで接収したアヴ・カムゥを強奪し
 そのまま基地の外へと脱出した。
「サクヤ、クーヤ。しっかり捕まってくださいよ」
「はい!」
「きゃぅ〜」
 基地の兵士たちが久瀬の前に次々と現れ行く手を阻もうとする。
「抵抗するならッ!」
 久瀬はアヴ・カムゥ用のアサルトライフルを乱射しながら道を切り開く。
「うわぁぁぁぁ!!」
 奇しくもこの基地内でアヴ・カムゥを操縦出来るのはほぼ久瀬だけなので歩兵では相手にならなかった。
 行く手を阻む連中を蜘蛛の子を散らすが如く蹴散らしていった。しかし──
「逃がさないわよ!久瀬、一度までならず二度までも」
 其処に立ち塞がったのは七瀬留美が駆るアヴ・カムゥであった。先の戦いの後、K.E.Y.軍もアヴ・カムゥ
 を運用しようと言う案が出てそのパイロットに選ばれた者の一人に七瀬の名が有った。僅か1週間であるが
 訓練を行っていた故に現れたのであった。
「今度は事情が違うッ!何故殺そうとする!これでは奴等と何の変わりも無いじゃないですか!!」
 銃を的確に撃ちこむ久瀬。ビギナーとは思えない軽やかな動きで七瀬はそれを回避する。
「裏切り者が何を言うの!」
 両手のナイフで久瀬を切り刻む。
「遅い!」
 だが久瀬は銃床でナイフを払い、もう片方の手に逆手に持ったライトセイバーで
 もう一本を叩き折りそのまま体当たりで七瀬を倒す。
「きゃぁ!!」
 そして、そのまま無人の荒野へと逃げ去っていった。

「メイデン1よりジャム1へ。『撒餌は終わった』、どーぞ」
「ジャム1、了承。それでは作戦は第二段階に移ります」
561名無しさんだよもん:03/02/26 04:20 ID:75tAyU3S

 キィィィィ……ン…

 爆音と共に飛行機が上空を去っていく。
「…どうやら発見されなかった様ですね」
「大丈夫…でしょうか?」
「くぜ〜」
「……正直、難しいでしょうね。ですが、みすみすやられる訳にはいかない」
「そう…ですね。あッ!生体反応…物凄い勢いでこちらに向ってきます」
「早いっ!もう見つかったのか?」
「4…3…2…目視圏内に入ります」
「?誰だ?あいつは」
 久瀬の目に移ったのはがっしりとした体躯に隻眼の初老の男であった。
「其処の少女を渡して頂こうか。出来れば手荒な真似はしたくはない」
「そうはいかな・・・どうした、サクヤ?」 
 その男を見たサクヤの様子がおかしかった。まるで、見知った顔に出会ったような・・・
「お…おじいちゃん!久瀬さん、外部スピーカーをお願いします」
「おじ…知り合いか?」
『おじいちゃん、私、サクヤだよ。無事だったんだね』
「ぬっ、その声はサクヤか。お主も無事で何よりじゃ」
「…事情が掴めないんだが…話してもらえないか?」

久瀬達は近くの森にアヴ・カムゥを隠し近くの洞窟で話を始めた。
「…まず、何処から話せば良いかのぅ」
「そうですね…」

A あなたが何者か
B クーヤとの関係
C 敵の正体
D 敵の目的
E あなたの目的
562名無しさんだよもん:03/02/26 04:33 ID:75tAyU3S
長いやつは夜中じゃないと書き込めないからな。ふっふっふっふ…では、おやすみ。
563名無しさんだよもん:03/02/26 04:50 ID:PRBQhMBu
A
564名無しさんだよもん:03/02/26 09:22 ID:CckYxfF+
「失礼ですが、貴方は……?」
久瀬の問いに、男ははっとした。
「おっと、失礼。某、名はゲンジマルと申す。どうやら2人が随分と世話になったようじゃの。
この場で礼を言わせてもらおう。かたじけない。」
ぺこり、と男……ゲンジマルが頭をさげる。
「そ、そんな……面をあげてください。僕はただ、えと、その……」
いきなり大の男に頭をさげられ、久瀬は慌ててしまっている。
そんな姿をみて傍のクーヤがクスクス笑った。

「ふむ、なるほど……」
これまでの事を教えて欲しいとゲンジマルに頼まれ、
久瀬とサクヤはかいつまんで事の顛末を話していった。
(それにしても……)
話ながらも、久瀬はどうにも解せない気分になっていた。
(この男……最近の両軍の情勢を全く知らない。おそらくは幹部クラスの実力者のはずだが)
「何か、気になる事でもありますかな?」
気付かぬ間に難しい顔をしていたのだろう。ゲンジマルが久瀬に問い掛ける。
「いえ……僕が話しているここ最近の情勢は一般兵卒でも知っているレベルの話です。
貴方ほどの方が知らないはずがないと思って……」
言ってから久瀬は後悔する。サクヤには悪いが、最悪、この男が刺客でない保証もないのだ。
時間稼ぎに話を延ばしている事も考えられなくはない。
と、それを見抜いてか、ゲンジマルが静かに語り出す。
「なに……某は争いには参加しておらぬ。他の争いを好まぬ者達と共に、
 この近くに隠れ里を築いてひっそりと暮らしておるだけじゃ。某はその防人、
 と言ったところかの。近くをアヴ・カムゥが通ったのでよもや里が見つかったかと思い、
 出てきてみればそなた達だった、そういう事じゃ。……もしよければそなた達、
 ほとぼりが冷めるまで我等が里に来ぬかの?」
565名無しさんだよもん:03/02/26 09:22 ID:CckYxfF+
「信用……できませんね。」
「久瀬さん、そんな!」
久瀬の言葉に、サクヤが声をあげる。
「僕達は先の作戦で一度、その手に引っかかってあわや全滅の憂き目に遭っている。
 おいそれと信用するわけにはいきません。」
「成る程。それは慎重になるのも道理。じゃが……某の言は全て真実。
 もし、某が偽りを申していたならばその時は……」
ゲンジマルは、手にした刀を久瀬に放る。
「遠慮無く、某を斬るがいい。某は抵抗せぬ。」

A:分かりました、信じましょう
B:やはり信用できない、この場を去る
C:外から轟音……まさか、見つかったか?(うたわれ側かK.E.Y側か指定)
D:一方、3人の逃亡を助けた佐祐理は……

いかん、ゲンジマルの口調うろ覚え……
566名無しさんだよもん:03/02/26 09:45 ID:ocxFG1ut
D
567名無しさんだよもん:03/02/26 10:04 ID:aItZHhCQ
「秋子さん、何かご用ですか?」
「ああどうもすみません倉田さん。急にお呼び出ししてしまいまして」
 急に佐祐理を呼び出した秋子さんは、薄暗い作戦司令室で一人、椅子に腰掛けていました。
「それより……脱走事件のことはご存じですよね」
「はぁ……」
 ……上手く逃げ切れていればいいんですが……。
「久瀬さんもたいへんですよね……」
「ええ、たいへんですよ……逃げ切れてなど、いないのですから」
 ピッ……ブ、ブツン!
 秋子が手元のボタンを何か操作すると、大モニタに巨大な地図が現れた。
 一箇所に赤く点滅する部分がある。
「ほえ……? これは、どうしたんですか……?」
「私の『手』をなめてもらっては困ります。久瀬さんはここにいらっしゃいます……」
(……!)
 思わずごくりと息をのみます。
「あ、あの、それで……さ、佐祐理へのご用とは?」
「まぁまぁ、落ち着いてください。……その前に、これを聞いていただけませんか?」
 ピッ、
『久瀬さん! お二人を連れて、逃げてください!』
『え……っ? し、しかし、それは……』
『だ、大丈夫ですよ。後のことは……な、なんとかなります! きっと! 佐祐理が何とかします!』
『……すまない……、倉田さん……』
 ブツッ。
568名無しさんだよもん:03/02/26 10:06 ID:aItZHhCQ

 ……一連のやりとりが、流された。
「残念でしたね。なんとかなりませんでした」
 秋子は椅子から立ち上がり、佐祐理に背中を向けると、無情に告げた。
「倉田佐祐理、即刻川澄舞を連れて脱走者久瀬・サクヤ・クーヤを追撃なさい。
 一応逮捕が目的ですが、抵抗すれば射殺も可。邪魔する者も殺しなさい。……失敗すれば、どうなるかわかっていますよ、ね?」
「あ……は……あはは……」
 状況は、悪くなる一方でした。
 
A すぐに出発する。
B 祐一に相談してみる。
C 郁未に相談してみる。
D 秋子さんに食い下がってみる。
569名無しさんだよもん:03/02/26 10:28 ID:9fbE53wz
Bで
570名無しさんだよもん:03/02/26 10:59 ID:04w513VP
 コンコン
「あの……」
「佐祐理さんだね。鍵は開いてるよ。どうぞ」
「はい……失礼します」
 佐祐理は一人ではどうしていいかわからず、とりあえず祐一さんに相談してみることにしました。
 水瀬、に近い人ではありますが、あのやりとりからすると完全には納得していないようにも思えたからです。
「やあ、よく来てくれたね」
 ……中は、眩暈を覚えるほど殺風景でした。
 無機質な机と、本棚と、棺桶があるだけは埃一つ落ちていないほど、何もない。
「すまないね……この部屋には人間の食べ物は何もないんだ。折角来てくれて悪いんだが……」
「あ、き、気にしないでください……ところで」
 ……と、佐祐理が本題を切り出すとしたのですが、それより先に
「大方の予想はついている……久瀬追撃任務に佐祐理さん、あなたが任命されたんだろう?」
「……はい」
 さすが、ですね。
「そこで……」
「すまないが、俺はあなたに協力できない」
「あ……」
 ……先手を取られて……しまいました。
「……久瀬は言った」
 祐一は佐祐理に背を向けると、窓のカーテンを開き、夜空を広げた。
「『これでは奴等と何の変わりもない』、と。そう、そうだよ。所詮俺たちもアイツらも戦い、血を啜り、相手を殺し、
 勝利を得ることでしか生き残れない『戦争屋』。その点に置いてはなんの変わりもない。
 各々の民族のもとに、各々の宗教のもとに、各々の思想のもとに、各々の文化のもとに、各々の正義のもとに、
 各々の友人のために、各々の家族のために、各々の恋人のために、相手を滅ぼす。肉の一片まで。
 "そこ"には"それ"しか存在しない。甘ったれたセンチメンタリズムなど、意味を成さないのだよ。戦場(いくさば)では。
 奴は奴の愛する者のために立ち上がった。ならば、俺たちは俺たちの信ずる者のために、奴を追うしかない」
「けど……けど、佐祐理はどうすれば……」
「……それは俺の口から言うことはできない。相沢姓を名乗ってはいるが、俺は水瀬の者。あなたへの協力は出来ない。
 ……あるいは、俺の母さんが生きていれば何とかなったかもしれないが、今の水瀬家当主は秋子さんだ。秋子さんの言うことには逆らえない。
 ……当主が秋子さんである限り、な」
「はい……。そうです……よね……」
571名無しさんだよもん:03/02/26 11:00 ID:04w513VP
「……だが」
 祐一は振り返る。月明かりが逆行になり、彼の表情を佐祐理は窺い知ることは出来ない。
「月の光は何も言わない。だが夜の暗闇の中、道を照らし出すことは出来る。
 あなたはあなたの信ずる道を行くがいい。"秋子さん"の道ではなく、"佐祐理さん"の道を、だ。
 俺には道はない。秋子さんの後に従うしかない。だがあなたは違う。あなたは自由意志を持つ"人間"だ。
 己の道を取捨選択し、進むがいい。そうすれば……その先に何が待ち受けようとも、乗り越えられるはずだ」
「…………………はい。はい、そうですね」
「ふふふ……では佐祐理さん、あなたに問おう。あなたが真っ先にすべきことは?」
「まずは、久瀬さんに会うことが先決です。とりあえずそうしないことにはなにも始まりません。そこから先は、それから考えます」
「That's right! グッドラック佐祐理さん……あなたの行く道が明るいことを」
「はい、佐祐理はがんばりますよ!」

 一方、その頃久瀬は……
 
A 「隠れ里」へ向かう最中。
B  侃々諤々の大討論会中。
C うたわれ側の刺客と接触。
572名無しさんだよもん:03/02/26 12:26 ID:AMhpW+yO
C
573名無しさんだよもん:03/02/26 15:06 ID:pt5OPg1V
「その時は、某を斬るがいい」
「……………」
 目の前に跪く老人の目は本気だ。本当に『その時』が来た時、久瀬が刃を振るえば甘んじて受けるだろう。
 そこまでの決意ということは……
「久瀬さん……」
「くぜー」
「…………フッ」
 久瀬は唇を綻ばせ、
「成程ご老体、話はわかった。信頼……とまではいかないがその話、一応信用しよう」
「久瀬さん……!」
 パアッ、とサクヤの表情が明るくなる。
「この剣はあなたに返そう。僕なんぞが持っているよりも、あなたが振るう方がいいだろう」
 言いながら、今し方受け取った刀をゲンジマルへと返す。
「忝ない。久瀬殿」
 恭しく受け取る。
「(……のうサクヤ)」
 久瀬に気付かれないように、ぼそっとサクヤにささやきかけるおじいちゃん。
「(ん? なぁに?)」
「(なかなかいい男児を見つけたな)」
 クカカッ、と笑う。
「(お、おじいちゃん!!)」
「ん、2人とも、何を話しているんだ?」
「なんでもありませぬとも、久瀬殿」
「そ、そうそうそう! なんでもありませんよ!」
「????」
 顔中に"?"マークを浮かべる久瀬。しかしゲンジマルはきりりと表情を引き締めると、立ち上がった。
「それではご案内しましょう……我らが、隠れ里……ん……?」
 不意にゲンジマルが怪訝な反応を示した。
 ゆっくりと腰の剣に手をやる。
「……何者だ、出てこい……」
 近くの薮へ向かって警告する。
「出てこねば、このまま叩ッ斬るぞ……」
574名無しさんだよもん:03/02/26 15:07 ID:pt5OPg1V
「………………………」
 久瀬も無言のうちにサクヤとクーヤを下がらせ、ベルトに括り付けられたワルサーPPKへと手を伸ばした。
 ややあって……
「フッ……さすがはエヴェンクルガ稀代の英雄、生ける伝説。こうも容易く俺の隠形を見破るとは……」
 ガサリと薮をかき分け、痩せぎすの男が現れる。
 その両目はギラギラと狩猟者の輝きを湛えており、両手に握られた小振りの刀は今にも襲いかかってきそうな殺気を放っている。
「貴殿は……確かハクオロ殿の部下」
「その通り。歩兵衆隊長、オボロだ。隠密任務も同時に担っている」
「ほぅ隊長か。ならばその隊長が何用で我らの元へ来た?」
「決まっているさ……エヴェンクルガが英雄ゲンジマル、あなたを我らの軍に迎えに来た」

「フッ、ならば帰ってハクオロ皇へ伝えるがいい。クーヤ様をかのような目に遭わせ、外道な法を使役する軍になど、毛頭入る気はないと」
「ならばどうするというのだ。K.E.Y.方へつくとでも言うのか? 後ろの連中と一緒に……。外道という点では、逆らう者は皆殺しにする
 連中の方が上手だと思うがな」
「若い、な……。外道の論理に上も下もないわ。我らはどちらの軍にも属さぬ。ただひたすらに戦争の終結を待つのみ」
「ならば尚のこと兄者の元へ来い。貴殿がいれば、この戦争は早く集結する……我らの勝利によって」
「は! は! 片腹痛いわ! そのような戯言に某がかかるとでも思うのか?」
「現実を考えろゲンジマル。いかにキサマが稀代の英雄と謳われ、強かろうとも、朝も昼も夜も飯も風呂も厠も無く
 襲い来る我ら暗殺部隊をいかにしてかわす? 
 いや、確かにキサマだけならば抜け出すこともでるかもしれん。だがキサマの連れは? キサマが守っているという里の者は?
 まともに戦える者がキサマ一人……後ろの餓鬼のアヴ・カムゥが加わっても同じことだ。その状況で、全員を守りきれるとでも思っているのか?
 悪いことは言わん。我らの保護下に……入れ。今ならキサマの孫たちの身の安全も保証しよう」
「むぅ……」

A 「仕方がない……か……」
B 「否! 断じて断るわ!」
C ここにさゆりん登場。
D 久瀬にバトンタッチ。
575名無しさんだよもん:03/02/26 15:12 ID:GE0th09N
一寸の躊躇いもなくD
576名無しさんだよもん:03/02/26 17:28 ID:1hx6u0vr
「ふむ。確かに某だけで皆を守ることは無理だろうな」
「ならば。答えは一つのはずだ!」
「聞こえなかったか? 「某だけでは」じゃよ」
 そう言ってゲンジマルはボクの方へと視線を送る。
「どうする若造? 貴様は誰につく?」
「ふっ。ボクの答えは決まっている」

A 隠れ里を守るために戦う
B うたわれの味方に付く
C key側につく
D 常に有利な方につく
E ボクは常にボクだけの味方だ
577名無しさんだよもん:03/02/26 17:29 ID:wUsruaXf
「さあどうするんだゲンジマル、答えを聞かせてもらおうか?」
「むっ……ぬぅぅぅ……」
 迫るオボロに対し、一歩一歩下がらされるゲンジマル。
 戦って勝てぬ相手ではない。だが、その戦いはあまりにも代償が大きすぎる。
 自分以外が死に絶える様など、ゲンジマルに許せるはずがなかった。
「フッ…………フフフフフ…………」
 しかし久瀬が突然笑い出す。不敵に、眼鏡をクイと直しながら。
「クッククク……僕が加わっても同じこと? クククク……何とも面白いことを言ってくれるね、この男は」
「なんだと……餓鬼が!?」
 殺気の指向が久瀬へと向き直る。立ってるだけでよろめきそうになるほどの、覇気。
 しかし久瀬は表情だけは崩さず、続けた。
「オボロとか言ったね。僕が誰だかわかってそのセリフを言っているのかな?」
「あ? お前が? 誰だと言うんだ」
「久瀬……そう。僕の名は、久瀬だよ。聞き覚えないかな?」
「くぜ……だと? まさか!」
「そうそのまさかさ! 先日の尾根基地攻略前線基地、そこを滅ぼしたのは……僕らさ!」
「な、なんだと!?」
 オボロがざざっ、と一歩下がる。
「先ほど君は言ったねぇ。君は『我ら暗殺部隊部隊をいかにしてかわす』、と。ならば逆に問おう。
 僕には真アヴ・カムゥを屠ったこの機体が、そして僕の後ろには最強吸血鬼アーカード祐一が、不可視の力使い天沢郁未が、
 そして南極条約ブッチった兵器を使うまじかる☆さゆりんが待ちかまえている。
 さて……質問に答える用意はよろしいかなオボロ君? では問おう。
『そんな連中を相手に、君の自慢の暗殺部隊は戦い抜けるのかな?』
「ぐっ……お、おのれゲンジマル! なんやかんやと言いながらすでに鍵と結託していたとは! 危うく騙されるところだったわ!」
「さあ! 質問に答えてもらおうかオボロ!」
「おのれェ!」
 そして再度薮の中へと下がっていく。
「中間派ならばともかく……ゲンジマルが敵に回ったとは、一刻の猶予もない! 早く兄者に知らせなければ!
 ドリィ! グラァ! ここはいったん退くぞ!」
「「はい! 若様!」」
 オボロが森に消えようとしたその時、新たに現れた二つの影が、彼の後ろについて行った。
「危なかった……伏兵まで用意していたとは」
578名無しさんだよもん:03/02/26 17:30 ID:wUsruaXf
「あの……久瀬さん?」
 サクヤが不思議そうな顔をしている。
「なぜあのような嘘を……?」
「……っく……くっくっく……はっはっはっはっは! なかなかやるな久瀬殿!」
 対称的に、弾けるようにゲンジマルは笑い出した。
「ふぅ……なんだか最近緊張しっぱなしだな。ブラフだよサクヤ君。ブラフ、ハッタリ。君はポーカーには向かないね。
 さすがに連中といえどもまだ僕らが鍵を裏切った情報は手にしてなかったみたいだな。ま、知られてたらあんな
 ハッタリには引っかからなかっただろうけどね」
「はぁ……なるほど……」
 久瀬の作戦勝ちであった。
「しかしそうそうゆっくりもしていられんぞ久瀬殿。連中も裏切りの報を聞いたら、再度ここへ駆けつけるであろう。一刻も早く里の中へ隠れませんと」
 改めて森の奥へと進もうとするゲンジマル。しかし久瀬は後ろを振り向いたまま、動こうとはしなかった。
「どうなされた」
「やれやれ、なんだか今日は人と会うのが多い日だねぇ……」
 先ほどゲンジマルがしたように、薮に向かって話しかける。
「こんにちは倉田さん。お久しぶり……でもありませんね」
「……はぁ、バレてしまいましたか」
 あまり本気で隠れようともしてなかったのか、そのまま薮を抜け、佐祐理と舞が現れた。
「さて……倉田さん、僕はあなたに一つ質問しなければならない」
「……はい。何でしょうか」
「あなたは、何をしにここまで来たのですか? 答えによっては……僕も、あなたに銃口を向けねばならない。
 生憎、僕はもうサクヤを放すわけにはいかないんだ。そしてサクヤもクーヤを放すわけにはいかない……わかっていますね?」
「はい…………」
 そして、佐祐理の口が開く。

A 久瀬さんらを処刑しに来ました。
B 久瀬さんらを逮捕しに来ました。
C 佐祐理たちもK.E.Y.から離れる決心がつきました。
D とりあえずしばらく同行させてください。
579名無しさんだよもん:03/02/26 17:31 ID:wUsruaXf
あ、負けた。
580名無しさんだよもん:03/02/26 17:33 ID:1hx6u0vr
短いのいれてごめん。
581名無しさんだよもん:03/02/26 17:35 ID:2fq2yQZB
まあ、こんな時間にかぶるって事もある訳で
↓の選んだ選択は!?
582名無しさんだよもん:03/02/26 17:37 ID:I189ETby
Eにすれば繋がらないこともないんじゃない?
583名無しさんだよもん:03/02/26 17:40 ID:wUsruaXf
>>582
間に1エピソード入れるんならともかく、さすがにこのままはキツイ気がしますけど……。
「僕は常に僕だけの味方だ。僕が信じた道を行く。それだけだ!」
「…………………」
「…………………」
 水を打ったような静寂。
 やがて、オボロが口を開く。
「ようするにそれは、行き当たりばったりということか?」
「そうとも言う!」

「巫山戯てんのかキサマぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
 しまった! 怒らせた!
 オボロは激昂しながら、両手の刀を振りかざして久瀬に襲いかかる。
「チィッ!」
 これに対し……
 
A 火を噴けワルサーPPK!
B ゲンジマルが受け止めた!
C 横から魔法弾が飛んできた!
585名無しさんだよもん:03/02/26 18:26 ID:MqprMZ9I
B かな
586名無しさんだよもん:03/02/26 20:43 ID:p2K9eoVr
「巫山戯るなぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
「わっ! ちょっ!? ちょっと待……!」
「下がられよ久瀬殿ッ!」
 ガッ、キィィィィィ…………ン!
「はあっ!?」
 耳障りな金属音と共に、ゲンジマルが久瀬とオボロの間に割って入った。
 しかしオボロの斬撃は止まらず、2本の刀を巧みに使っての連撃をゲンジマルに浴びせかける。
「ふっ!? ならば、兄者の指示を待つまでもない! ……稀代の英雄、ここで死んでもらう!」
「粋がるな……この小僧がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 一方受けるゲンジマルも巧みに全てを紙一重でかわし、反撃の機会をうかがっていた。
 年に似合わぬ足捌きで、全ての斬撃の軌跡を読みとり、受け、いなし、かわす。それは正に老獪であった。
 
「クッ……」
 久瀬は困惑していた。目の前のただの血の気の多い剣士だと思っていた男は、なんとゲンジマルと渡り合っている。
 自分の拳銃などではとても敵わないだろう。それに、今はサクヤとクーヤもいる。迂闊な行動はとれない。
「退かれよ! 久瀬殿! サクヤとクーヤ様をお願いしますぞ!」
「ッ!」
 その声を聞き、我に返った久瀬はアヴ・カムゥへと飛び乗った。
「乗れ! サクヤ! クーヤ! ……」

A 逃げるぞ!
B 戦うぞ!
C 助けを呼ぶぞ!
587名無しさんだよもん:03/02/26 20:50 ID:NN6GmElf
B
普通に勝てるよなあ
588名無しさんだよもん:03/02/26 20:52 ID:isZO1VBj
オボロ一人じゃまず無理(w
589名無しさんだよもん:03/02/26 20:52 ID:SCQLvBil
590名無しさんだよもん:03/02/26 21:14 ID:p2K9eoVr
「行きますよおじいちゃん! そこをどいてください!」
 久瀬が自機のブーストを利かせながら、一直線にオボロへと向かう。
 その右腕には光り輝く刃……ライトセイバーが握られている。
「ぬっ……!? 久瀬殿! まだ貴殿におじいちゃんと呼ばれる筋合いはないぞ!」
 一喝しながら、鍔迫り合いの形になっていたオボロを突き飛ばし、自分は一足飛びに横に避ける。
「行くぞ久瀬必殺! ラァァァァァァイト、セイヴァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
 回転しながらの大上段唐竹割。光の筋は帯と化し、オボロに襲いかかった。
「チッ、早い!? ……改造機か!」
 体格の差はあまりに大きく、おそらく触れるだけで自分の身体は真っ二つになる。
 光の帯に包まれる直前、オボロは地を蹴り、後ろへ宙返りをする。
「おのれ……厄介な……なにィッ!?」
 しかしゲンジマルはその一瞬を見逃さず、一歩でオボロに追いつくと、腰の刀へ手を伸ばした。
「御免ッッッ……! ぬぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 ズバッ!!!!!
「が、はあっ!?」
 走る閃光はオボロの脇腹を突き抜け、背後にあった大木ごと両断した。
 うずくまり、自分の腹を押さえるオボロ。そこから滝のように血が流れ出す。
「愚かなり……一人で我らに勝てるとでも思ったのか……」
「………ックックックックック……」
「……む?」
 腹からは腸をこぼしながら、口からは血反吐をもどしながら、オボロは笑っていた。含み笑いのように笑っていた。
 勝利を確信しているかのように、笑っていた。
 そして、何事もなかったかのように立ち上がる。
「成程成程……兄者の言っていた『新たな力』とはコレのことか」
 立ち上がる。その顔には金属とも木製とも鉱物ともつかない……今まで見たこともないような材質の、仮面が付けられていた。
 たちまち流れ出る血は止まり、凄まじい速度で傷口が塞がっていく。
「き……キサマ! その仮面は!」
「すばらしい……すばらしいぞ! この力は! ゲンジマル! その命もらった!」
 飛びかかるオボロ。その速度は一瞬前とは段違いだ。
「し、しまった!」
591名無しさんだよもん:03/02/26 21:15 ID:p2K9eoVr
『仮面』に驚き、動きを止めてしまったゲンジマル。その喉笛目がけ、オボロの刃が迫る。
 刹那。
「まじかる☆……アイスストームッ!!!!」
「この声は!?」
 聞き覚えのある声とともに、突如現れた無数の氷塊がオボロに襲いかかる。
 引き裂かれていくオボロの身体。しかしそれすらたちまち修復されていった。
「チッ、新手か! しかも術使い! 仕方がない……ここはいったん退かせてもらう!
 だが……だが覚えておくがいいゲンジマル! もはや貴様らに心休まる時は無いことを!」
 言うやいなや、霞が消え去るように一瞬で森の奥へと走り去った。
 
「……ふぅ、やれやれ……珍しい人が来たものですね……」
 アヴ・カムゥから降りながら、一晩ぶりに合うその人へ久瀬が挨拶をする。
「さて倉田さん……聞かせてもらいましょうか。あなたは、なぜここへ? ……大方の予想はつきますがね」
 その右腕は、拳銃を握りしめていた。油断なく。
「久瀬さん……。はい、実は……」
 佐祐理は、決意した表情で……言った。

A 久瀬さんらを処刑しに来ました。
B 久瀬さんらを逮捕しに来ました。
C 佐祐理たちもK.E.Y.から離れる決心がつきました。
D とりあえずしばらく同行させてください
592名無しさんだよもん:03/02/26 21:20 ID:chIMVLOA
593名無しさんだよもん:03/02/26 21:23 ID:dVhw68uA
Cとか。
594名無しさんだよもん:03/02/26 22:06 ID:CckYxfF+
「あははー、それが佐祐理にも分からないんですよ……これからどうすべきなのか。」
あっけらかんとした顔で、佐祐理は言う。
しかし、その声は苦渋に満ちていた。
「K.E.Yのやり方には賛成できませんし……かと言ってこの事態を見過ごすわけにもいきません。
とりあえずは……久瀬さん、佐祐理はあなたについていきます。その『隠れ里』の方々、
そして久瀬さんとサクヤさんの2人が、この戦いを終わらせる鍵になる。そんな気がしますから。
っと、その前に……」
佐祐理はアヴ・カムゥの前に立ち
「まじかる☆超微量サンダー!」
「さ、佐祐理さん!何するんですか!」
サクヤが慌てて駆け寄る。
「あははー、これで発信機は壊しました。K.E.Yも佐祐理達をロストしたはずです。」
さて、それじゃあおじいさん。早く隠れ里へレッツゴーです☆」
佐祐理は急かすように、ゲンジマルを促す。
「う、うむ。では皆の衆、こちらじゃ。」
ゲンジマルは先頭に立ち、歩き始める。だが……
(ハクオロ皇……かつて我等が地で名君と謳われたお主はどこにいってしまったのじゃ……
この地に降り立ってからのお主は何かに怯え、そして焦っているように見える。そう、まるで……
これから自分の大切なものが永遠に失われてしまう事を知ってしまった子供のように。)
その表情は、険しかった。

A:そういえば、舞はどうした?
B:ゲンジマルに話しかける(話しかけるキャラ指定)
C:一気に隠れ里到着。
D:休む間もなく今度はK.E.Y側からの刺客登場!
595名無しさんだよもん:03/02/26 22:09 ID:GE0th09N
Bでサクヤ
596名無しさんだよもん:03/02/26 22:10 ID:iZ1APZEc
Aいっしょにいるんでないの?
597名無しさんだよもん:03/02/26 22:13 ID:CckYxfF+
しまった、そういえば一緒にいるんだった。
まぁ選択結果Aじゃなかったから良かった物の……スマソ
598名無しさんだよもん:03/02/26 22:57 ID:75tAyU3S
「そう言えばおじいちゃんあの後…クンネカムンが無くなって…皆が散り散りになって…
 あ、お兄ちゃんは?」
「あやつか…あやつは…」

A 例によって裏切った
B 意外。名誉の戦死
C 行方不明
D 実は隠れ里にいて無事
599名無しさんだよもん:03/02/26 23:00 ID:WDarqkQb
A
600名無しさんだよもん:03/02/26 23:04 ID:oJ52OsqI
601名無しさんだよもん:03/02/26 23:49 ID:xuCP2Tha
ちょっと愚痴っぽくなっちゃうけど…
できれば、ハクオロとかは実は操られていて、後ろにはデの人とかウの人(人じゃないか)って展開はない方がいいとか思うかな。個人的なことだけど。
ある意味柳川シリーズはお約束的なノリと時代劇的な勧善懲悪ものだったからあれでもいいけど、
せっかく今回は「戦争」っていう大きな枠組みの中で各員の思惑が動いてるんだから
いい人は善で悪役は悪みたいなあんまり安易な展開にはなってほしくないと思う。

1ハクオロ、実は操られていた。
2サクヤやらクーヤの説得で目が覚める。
3オボロとかの目が覚める。
4みんなで協力して最終決戦。
5ウの人をやっつけろ!
6大勝利!
7いやっほーう、国崎最高!

みたいのはちょっと……とか。

戯れ言スマソ。それだけこのスレに期待してるってことですんで。
書き手の皆様がんばってくだちい。

では、以後なにもなかったかのようにどうぞ。
602名無しさんだよもん:03/02/26 23:56 ID:coMM8mEB
>>601
そう言う事を語るのは総合スレにしる!
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1036804700/

ただ、言ってる事には激しく同意というか同じ事考えてますた。
では以後、何もなk(略
603名無しさんだよもん:03/02/26 23:58 ID:bnPbD2aM
>>601
じゃあそういう方向に向かうように話を書くなり選択肢を選ぶなりすればいいだけの話だな。
それ以外の方法でこのスレに意見通そうとするなんざ愚策以外何者でもない。
「それだけこのスレに期待してるってことですんで」なんて安直な言葉が免罪符になると思うな阿呆め。
604名無しさんだよもん:03/02/27 00:01 ID:0XiZJYUN
とりあえず7でおながいします。
605名無しさんだよもん:03/02/27 00:10 ID:IRh20ALX
>>603
いえ、自分は「こうしろ」って言ってるわけでも意見を通そうとしているわけではありませんて。
ただ選択の余地すらなく「仲良しマンセー」「デの人が黒幕でした」みたいのはなるべくならよしてほしいなって
思ってる人間が一人ここにいるってことです。

もちろん、なったからと言ってリコールとか騒いだりするつもりはありませんけどね。
戦闘自体は今までたくさんあったけど、「陰謀」みたいのを深く追求した作品はあまりなかったので、
そういうのにちょっと期待を寄せているわけです。
606名無しさんだよもん:03/02/27 00:10 ID:83jBEPJa
>>601-602
選択肢スレの愚痴ならこっちの掲示板方がイイと思われ。
身内しかいないだろうし。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/6752/sentaku/index.htm
607名無しさんだよもん:03/02/27 00:14 ID:IRh20ALX
>>606
ウイっす。そうですね。
とはいえ展望に対する期待の話なので、あんまりコチコチになるのもあまりよろしくないと思うので
自分はこのくらいにしておきます。
608名無しさんだよもん:03/02/27 00:35 ID:ICwK+lPE
なんでもいいけど柳川みたいに話があっちこっち飛んだ上に話が引き延ばされるような失敗はしないでね
609名無しさんだよもん:03/02/27 00:47 ID:yxBjxP5P
>>608は白痴
610名無しさんだよもん:03/02/27 01:14 ID:rl46a2Qs
「あの馬鹿者か……あいつなら、『シャクコポルの存続のために、我らの民族のために、人間は滅ぼさねばならない!』と叫んで飛び出し、
 どこかへ消えてしまったわ。風の噂によると、うたわれに入隊したらしいが……」
「そう……なの……お兄ちゃん……」
 サクヤの耳がうなだれる。
「……心配するな。次にあったら何としてもとっ捕まえて、ひねくれねじ曲がったあの性根をたたき直してくれる。
 お前が気にする必要はない。サクヤ」
「うん……」
 そして無言のまま歩くことしばし。
「……着きましたぞ、久瀬殿、佐祐理殿」
「これは……?」
 そこには、道らしきものは何もなかった。
 ただ、苔むした道祖神が一つ、鎮座しているだけだった。
「これには少々カラクリが仕掛けてありましてな……ぬ、うんっ!」
 ゴリ、ゴリゴリゴリッ……と道祖神の首を捻る。
 すると、石像そのものが横にズレ、その裏にぽっかりと口を開けた洞窟が現れた。
「この先です……この洞窟を抜けた先に、我らの村があります。では、行かれますか」
「……む、これではアヴ・カムゥは通れないな」
 確かにそうだ。洞窟の大きさはどうがんばっても人一人しか通れる程度の幅でしかない。
「これは大型兵器対策の意味もありますのでな。仕方のないこと……この辺りに隠しておくのがよろしいか」
「仕方がないな……では、そうするか」
611名無しさんだよもん:03/02/27 01:16 ID:rl46a2Qs

「……発信器の信号、ロストしました」
 コンソールに向かっていた香里が呟く。
「ふふふ……さすがに気付きましたか。倉田さん」
 その後ろ、作戦司令席に座る秋子は、冷笑を漏らした。
「最後に、彼らは何と言っていましたか?」
「確か、隠れ里がどう……とか」
 一際強く秋子の唇が強く引きつる。
「『源氏の里』……敗北主義者の村ですか………ふふふふ……。美坂さん、『ルンペルシュティルツヒェン』の使用を許可します。
 探索行動に移ってください」
「え……? し、しかし、衛星兵器の使用はうたわれとの協定で……」
「問題ありません。今回はうたわれに直接使うわけではありませんので。
 それにもし何か言ってきたら『アマテラス』のことを指摘してあげなさい。一言で黙るでしょう」
「は、はい……では、『ルンペルシュティルツヒェン』、探索モードに入ります」
「では、後は頼みます」
 身を翻し、部屋を出る秋子。
 そして最後に呟く。
「……敗北主義者に血の粛正を……」

「はえー、ここは……」
 佐祐理一行は長い長い洞窟を抜け、ようやく月明かりのもとにたどり着くことができた。
 そこから見える村の光景は……
 
A 意外に賑やかだった。
B 普通の農村風景だった。
C 今にも滅びそうなほど寂れていた。
612名無しさんだよもん:03/02/27 01:20 ID:LqRB8O2X
Bと逝きたいがCで。
613名無しさんだよもん:03/02/27 01:25 ID:rdVOmU1l
舌噛みそうな名前だな。元ネタなに?
614名無しさんだよもん:03/02/27 01:26 ID:04w/0noX
>>613
グリム童話。ぐくってみ。
615名無しさんだよもん:03/02/27 01:55 ID:04w/0noX
 今にも滅びそうなほど寂れていた。と、言うよりも新旧の建造物が混在しており明らかに
 草臥れた建物が大半を占め新しい建造物は多くが明らかに建設中であった。
 畑もまだ切り株や大きな石が残っているものが殆どであった。
「何分、ここに来てまだ3年も経っておらぬからな。殆ど手付かずなのじゃよ。」
「けど、皆どこか安心そうな顔をしていますね」
 久瀬が見たのは顔を泥で染めながらも懸命に生きる住民たちであった。
「うむ、ここにはまだ戦渦の手は届いておらぬからな。最近やっと自給自足出来るようになったのじゃ」
 話しながら歩いている所に一人の女性が現れた。長い黒髪に大人しそうな顔と気品とどこか
 神秘的な風貌を持つ少女であった。
「おお、芹香殿。あ…こちらが我々の支援をして下さっている来栖川グループの…」
「………ボソ…」
 何かを喋ったのは確かなようだが今一聞き取れなかった。
「『…来栖川綾香と申します』とお嬢様は仰られている」
「おわッ!い…いきなりなんですか、あなたは?」
 いつの間にか彼女の隣に初老の眼鏡を掛けた馬面の目付きの鋭い執事風の男が立っていた。
「…私は来栖川家の執事でセバスチャンと申します」
「……どう考えても日本人にしか見えないのですが」
 久瀬の突っ込みは的確であった。この老人はどう見ても日本人であり彼の知識の中では
 『セバスチャン』と名乗るようなカテゴリーには属さない風貌であった。
「これはお嬢様に頂いた『愛のニックネーム』なのです。なんと言われようが私はセバスチャンであります」
「……まぁ、いいでしょう。で、その天下の来栖川グループのお嬢様が何故此処に?」
「……ボソ」
「え?……」

A ボランティアです
B 罪滅ぼし…です
C 実は3年前…
616名無しさんだよもん:03/02/27 01:58 ID:3GjvmUcv
何となくB。
617名無しさんだよもん:03/02/27 02:07 ID:2eDrBBY5
>「『…来栖川綾香と申します』とお嬢様は仰られている」
>綾香と申します
>綾香

 誤字だよ……ね?
618名無しさんだよもん:03/02/27 02:10 ID:04w/0noX
誤字です…

綾香→芹香で脳内変換を

…流鬱だ酢悩…吊って来る
619名無しさんだよもん:03/02/27 02:19 ID:2eDrBBY5
(罪滅ぼし……です)
「罪滅ぼし? それは一体どういう……」
「お、オホン!」
 質問しようとした久瀬だが、それをたしなめるようにセバスが咳払いをする。
「久瀬さん!」
 佐祐理もまた、同じように。
「あ、す、すみません……失礼しました」
(いえ……いいのです)
「時にゲンジマル殿。この子らは?」
「うむ。森の中を彷徨っているところを、某が保護した」
(保護……ですか)
 佐祐理の呟きに気付いた者は、いない。
「佐祐理……元気だして……。私は、ずっと佐祐理を信じるから……。佐祐理に、ついて行くから」
 いや、一人いた。孤立無援と化しつつある彼女の……唯一の絶対の仲間、川澄舞だ。
 舞はゆっくりと佐祐理の頭を撫でる。
「ん……ありがとう、舞」

「ドリィ! グラァ! いるか!」
 仮面をつけたオボロが、鼻息荒く駐屯中の村へと舞い戻った。
「「はい若様! ここに!」」
 同じ顔をした2人の少年が、それを出迎える。
「山中にゲンジマルを発見した。隠れ里が近くにあるはずだ! 即刻山狩りを開始するぞ! 手勢を集めろ!」
「はい!」
「アヴ・カムゥを駆る若造と謎の術使いも行動を共にしている。くれぐれも油断するな!
 隠密衆は山狩り部隊とは別に編成しろ。俺が直接指示をとる。出発は半刻後だ。急げ!」
「はい! 若様!」
 手近にあった徳利を掴み、中身のぬるい酒を一気にあおる。
(ここで……手柄を上げれば、兄者もきっと俺を認めてくれる……
 そして、ベナウィに……ベナウィに、俺の実力を……認めさせてやる!)
620名無しさんだよもん:03/02/27 02:20 ID:2eDrBBY5

「ではゲンジマル殿、とりあえずはこの子らの住まいを定めねばなりませんな」
「む、そうだな……では……」

A 来栖川邸宅にお願いする。
B ゲンジマルの屋敷にお願いする。
C というか、サクヤと同じ部屋ならどこでもいい(久瀬談)
D というか、クーヤ様と同じ部屋ならどこでもいい(サクヤ談)
E というか、舞と同じ部屋ならどこでもいい(佐祐理談)
621名無しさんだよもん:03/02/27 02:21 ID:MRjb7woU
E
622名無しさんだよもん:03/02/27 12:28 ID:JC4KpCjO
「……まあ、他の若者たちと同じように、共同宿舎でよいのではないか」
「そうですな。……では、不肖このセバス。ご案内させていただきます」
(というか、ちょうど今向かっていたところだったんですけどね)
 こうして、佐祐理一行はセバスと芹香に率いられ、『共同宿舎』と呼ばれた場所へ案内された。
 
「ここです」
「はえー……」
 そこは明らかにかつてはマンションとして使われていたであろう巨大な建物で、相当数の人間を収容できそうであった。
 ただ外壁にはビッシリと蔦が絡みついており、建物全体を緑色に染め上げている。
「基本的に一部屋に2人で過ごしていただきます。食事の時間は午前7:30、昼の12:30、夕方の6:00から。
 他にも細かい決まりごとはありますが、それは追々説明させていただきます。何か気になることがありましたら、既に住まわれている
 方々にお聞きになればわかるでしょう。では、部屋割を決めねばなりませんな……」
「あ、佐祐理は舞と一緒ならどこでもいいです。ねー舞?」
「はちみつゥくまァさん」
「……では倉田様は、川澄様と一緒ということで。二階の階段を上がった突き当たりの部屋が空いております。そこをお使いください」
(というより、部屋はほとんど空いてるんですけどね……。住んでいる人数が少ないもので)
「む、むぅ……まぁしかし、その辺りの部屋が一番損傷が少ないものですので。上階の部屋などほとんど住むに耐えません」
「はい、わかりました」
「では、次にクーヤ様ですが……」
「さくやー、さくやー……」
「困りましたな……」
「あ……クーヤ様は、私がお世話いたします。だから……クーヤ様は、私と同じ部屋になるようお願いします」
 名乗り出たのは、当然クーヤだ。
「はい。ゲンジマル殿から承っております。ではサクヤ様、クーヤ様をよろしくお願いいたします。
 部屋は、倉田様の隣ですので」
「は、はいっ!」
623名無しさんだよもん:03/02/27 12:29 ID:JC4KpCjO
「………………では、最後ですが……」
「……………なんだね」
 セバスは無言のまま、久瀬に視線をぶつける。
「……できれば、僕はサクヤと同じ部屋がよかったのだが……」
 その視線に耐えかねたのか、ポツリと呟く久瀬。だが、
「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………つっっ!!!!」
 突如、大気を振るわすセバスの一喝が炸裂した。
「のうわっ!?」
「何と破廉恥な! 結婚前の男女が同じ部屋で過ごすなど! 言語道断許しませんぞ! 久瀬様! あなたには……」

A 私(セバス)と同じ部屋で暮らしていただきます!
B ゲンジマル殿に性根を叩き直してもらいます!
C 若造は全員大部屋で共同生活です!
624名無しさんだよもん:03/02/27 13:15 ID:kXk+AhXG
先客はいるかな?C
625名無しさんだよもん:03/02/27 13:16 ID:JEQBDd1o
なんか久瀬が急速に軟派になったな……
626名無しさんだよもん:03/02/27 13:50 ID:JC4KpCjO
「若造は全員大部屋で共同生活です! さぁさぁ、着いてきてください!!」
「え? ちょ、ちょっと……ああっ! サクヤ……!」
 未練たらたらで、手を伸ばす久瀬。
「……がんばってくださいね〜」
 ひらひらと手を振るサクヤ。
 佐祐理はこの光景を見て、クスリと笑った。
(では……みなさまのお部屋には、私が案内します)
「え? 芹香さんがですか?」
(はい……私どもの部屋はあなた方の向かいですので……よろしくお願いします)
「あははー、ご近所さんですね。こちらこそよろしくお願いします」
「わ、私もお願いします!」
 ペコリと頭を下げる娘が3人。
「あうー、くぜー、くぜー……」
 廊下の先を見つめる娘が一人。
 
「さあ! 本日からここがあなた様の部屋です! 詳しい話は先客の方々から聞いてください!」
 一際大きな部屋に放り込まれ、そのままバタンと扉を閉められる。
「イツツツツ……なんだいあの男は、冗談を本気にして……。しかもなんと時代錯誤な……」
 後ろの閉じた扉に悪態をついていると、不意に後ろ(つまりは部屋の奥)から話しかけられた。
「ん? 新しい人かい?」
「え? あ、ああ……」
 慌てて振り返って見てみれば、そこには久瀬とほとんど年齢も変わらないであろう、若い男が立っていた。
 しかし……何か様子がおかしい。……久瀬がその「おかしい」部分に気付くのに、そう大した時間はかからなかった。
「初めまして。僕の名前は佐藤雅史」
 といいながら、右手を差し出してくる。
「あ、ああ……僕は久瀬。こちらこそよろしく」
 それに握手で返す。だが、その間も久瀬の視線は一点……雅史の右脚に釘付けであった。
627名無しさんだよもん:03/02/27 13:50 ID:JC4KpCjO
「あ、これかい?」
 視線に気付いた雅史が事も無げに説明を始める。
「うん、以前僕の街で戦闘が発生したとき……爆弾でやられちゃってね」
「そ、そうか……」
 彼の右脚は、木を組み合わせて作られた非常に簡素な義足が括り付けられているだけであった。
 そんな話を、まるで自分のペットを紹介するかのように、自然に雅史は説明する。
 ……張り付いた笑顔で。
「お、新入りか?」
 さらに雅史の後ろから、一人の男が現れる。この男の身体には異常な部分は見受けられなかった。
「うん、久瀬君って言うんだって」
「へぇ、俺の名前は藤田浩之。以後よろしく頼むぜ」
「あ、ああ……こちらこそ」
 多少面くらいながらも、久瀬は浩之とも握手をすませた。
 
 視点選択。
 
A 佐祐理&舞部屋の様子
B サクヤ&クーヤ部屋の様子
C 引き続き男部屋の様子
D 秋子たちの様子
628名無しさんだよもん:03/02/27 14:04 ID:Q+Qd+JHX
629名無しさんだよもん:03/02/27 14:05 ID:hodbFreE
C
630名無しさんだよもん:03/02/27 14:07 ID:P/7wNWo/
631名無しさんだよもん:03/02/27 14:21 ID:QtCQL/Nm
 畳張りの大部屋。その中央に久瀬・浩之・雅史の3人は座り込んでいた。
「まぁ取りあえずお近づきの印だ。一杯飲め」
 座布団の裏から、浩之が一升瓶を一本取り出す。その中はまだ半分ほどの液体を湛えている。
「っておい、僕は未成年だぞ。酒は飲めない」
「気にするな。俺たちもだ」
 そのままコップを三つ用意して、コポコポと注いでいく。
「じゃ、久瀬君の入所をお祝いして……」
「乾杯……っと」
「入所って……ここは少年院かい。全く……」
 なんだかんだ言いながら、コップの中身をあおる久瀬。一息に飲み干す。
「お、いい飲みっぷりだな。んじゃもう一杯いけ」
 問答無用で注ぎ足す浩之。
「お……おいおいおい。……仕方がないなぁ」
 さらに飲み干す。
「なかなか美味しいな……」
「フフフ、俺たちの街の地酒、『来栖川の怒り』だ。本当はかなり高級なんだぞ。感謝しろ」
「未成年が酒のことで感謝もなにも無いと思うけどね……。っとそうだ、飲んでばっかりもいられない。
 訊きたいことがあるんだが、いいかな?」
「ん、なんだい?」

A 君たちの街で起きたという戦闘について。
B この里には他にどんな人がいるのかについて。
C このあたりの地形について。
D この里の防衛能力について。
632名無しさんだよもん:03/02/27 14:28 ID:Q+Qd+JHX
633名無しさんだよもん:03/02/27 14:50 ID:QtCQL/Nm
「この里の防衛能力……戦闘力について訊いておきたいね」
「無いな」
「皆無だね」
 ……即答だった。
「おい、君たち……」
「仕方がないだろう。ここは元々戦火に焼け出された民間人が寄り添うように形成された集落だ。
 ゲンジマルのおっさんのおかげでどうにか形を保っているが、正直あの人がいなければ明日にも崩壊する。
 住んでる人間はそこそこいるが、かなりの連中が怪我……身体と、心を含めて……を負っているからな。
 まともな戦闘経験者もゲンジマルのおっさんだけだしな。まぁ一応……
 浩之の言葉に、雅史が続ける。
「一応、僕らも武器は支給されてるんだけどね……」
「武器?」
「うん。それでもやっぱりイザとなったら、僕らも戦わなきゃならないから……浩之、見せてあげてよ」
「ああ」
 雅史に指示された浩之が、部屋の隅のロッカーを開け、その中から一丁、銃を取り出した。
「ほら、これだ」
「AK47か……旧式だな」
「仕方がない……。来栖川の私設軍隊もあったんだが、やはり正式の軍隊……K.E.Y.とうたわれの戦闘に巻き込まれては大した活躍もできなかった。
 俺たちは、逃げるだけで精一杯だったんだ……」
「うん。山賊やそこらの悪党ぐらいなら何とかなるけど、軍の組織的攻撃を受けたら……耐えられそうもないね……」
「………そうか……」
 久瀬は天井を仰いだ。
(僕らは……自分らの勝利だけを追い求めていたが……どちらが勝っても、そこに住んでいた人々の生活は奪われる……)
「……まぁ、たぶん大丈夫だろ。ここは巧妙に隠されてるんだし、そう簡単には見つからない」
「うん。早く戦争が終わるといいよね……どっちが勝ってもいいから。早く僕らの街に帰りたいよ」
「………………戦争が、終わる……か」
(どのくらいかかるんだろうな)

A まだ色々訊いてみる(>>631から選択。D以外で)
B 自分の身の上を話す。
C 他のところの様子(>>627から選択。C以外で)
D そろそろ飯の時間だ。
634名無しさんだよもん:03/02/27 14:58 ID:UwIBe+N4
B
635名無しさんだよもん:03/02/27 17:35 ID:04w/0noX
「そう言えばアンタは何処から来たんだ?服装から察すると…」
「御察しの通り脱走兵と言うやつですよ。軍のやりかたに付いて行けなくなってね」
「……そう…なんだ」
 先程からだが久瀬を見る雅史の目が何処か遠慮がちと言うか…避けている様に見えた。
「僕の顔に何かついてるのかい?」
 すると、浩之が久瀬にそっと耳打ちして来た。
(あいつの脚を吹っ飛ばした爆弾ってのがK.E.Yの誤爆だったんだよ。済まないな
 お前が悪い訳じゃないんだが…)
「そうか…」
 久瀬は思い悩んだ。嘗ては戦争を終わらせる為にK.E.Yを裏切り、買収されまた裏切り、
 更に極めて個人的な感情を優先して再び裏切り…戦いそのものが彼の居場所だったが
 その居場所こそが多くの人々の生活を、居場所を、そして命を奪っていた事に今始めて気づいた。
(正義とはなんだ?まるで僕みたいにあっちに行ったりこっちに行ったり…)
「まぁ、そう気を病むな。気楽に行こうぜ」
「そうですね。落ち込んだ所で何か事態が変わる訳ではないし」
「んじゃ、今夜はパーッと楽しもうじゃないか」


「『ルンペルシュティルツヒェン』がX125、Y458の地点に展開を始める一団を捉えました」
 香里がルンペルシュティルツヒェンから送られたデータを読み上げた。

〜ルンペルシュティルツヒェン
 それはK.E.Yが誇る衛星兵器であり高精度の光学、赤外線、磁気、電磁波センサーと一機で地球の
 約1/5をカバーするレーダー、そして65535の目標を同時に補足、コンピューター処理する正に
 『神の目』と呼ぶに相応しい偵察衛星である。もっとも恐ろしいのがそのデータを基に各基地に配備された
 可変機動型弾道ミサイルを各種データを基に精密誘導を行い誤差±100m以内に着弾させる誘導システムである。
 絶対逃れられぬ『神の目』と必中必殺、迎撃不可のミサイルを併せ持つ正に悪夢の兵器である。

 華音基地中央指揮所の巨大なスクリーンに映されたデータとその映像にはマントを被った
 一団がある山中で山狩りを行う姿であった。夜にも関らず衛星軌道上から映し出されたその映像は
 先程のオボロと呼ばれた男と認識できるほどであった。
636名無しさんだよもん:03/02/27 17:35 ID:04w/0noX
「あらあら…隠密衆が出張っていると言う事は…あの辺りですかしら?」
「どうするつもりなんですか?秋子さん」
 秋子の傍らにはアー○ード祐一が立っていた。
「無論、連中共々処理します。香里さん、引き続き周囲の探査を。偽装に注意してくださいね。
 後、『邪夢十三型ミサイル』をスタンバイして下さい。発見次第発射します」
「イエス、マム。それでは弾頭は何を積みますか?」
「そうですね…」

A 化学兵器
B 生物兵器
C 気化爆弾
D 核
E 謎邪夢
637名無しさんだよもん:03/02/27 17:37 ID:khf+Lblu
B
638名無しさんだよもん:03/02/27 18:03 ID:04w/0noX
「それでは…新型ウィルス『UGU-3』を弾頭に積んで下さい。素早く効いて後腐れの無いもので」
 秋子は何百もの人間を尊厳も糞も無いような死に方で殺す命令を何の躊躇いも無く下した。
 その顔には何の迷いも無くいつも通りの微笑があるだけであった。ただ、その瞳には暗く深い闇
 と狂気を携えている事に気づいたのは祐一だけであったが。
「イ…イエス、マム」
「ふふっ、修羅の世に敗北主義者の生きる場所は無いのですよ…」

 漆黒に染まる闇夜に基地の一角にあるミサイルサイロから重たい駆動音だけが響く。サイロ
 のハッチが解放されその奥には80mほどある巨大なミサイルが鎮座していた。
 その表面には微かな霜が降りており。燃料である液体水素が既に注入され、今正に発射の時を
 今か今かと待ち構えていた。

「ありました!廃村に擬装されていますが所々赤外線センサーに明らかに人の生活反応があります」
「そうですか…それでは効果範囲内にうたわれの方々が入ったら発射します」


 その頃、隠れ里周辺において探索活動をしていたオボロ率いる隠密衆はその探索範囲を確実に狭めていった。
 ドリィがオボロの元に息を切らせながら走ってきた。
「はぁ、はぁ、若様、複数と思われる足跡が北東に向って伸びております。真新しいものなので恐らく…」
「見つけたか…よし、探索に回っている隠密衆に連絡を入れろ!突入班を編成する。残りのやつは
 その周辺を重点に入り口を探し出せ!」
「はい!」

その頃、隠れ里では…

A ゲンジマルが隠密衆の存在に気づいた
B 芹香の占いによろしくない結果が…
C 何者かがミサイルの事をこっそりリーク
D これから起こる悲劇に気づかず…
639名無しさんだよもん:03/02/27 18:05 ID:JpVuBCMT
D
640名無しさんだよもん:03/02/27 18:12 ID:khf+Lblu
(弾道ミサイルか……)
 シュゴッ。
 空気が抜ける音とともに、司令室の自動ドアが開いた。
「あら祐一さん、どこへ行かれるんですか?」
 部屋を出ようとする祐一の背中に、秋子が問いかける。
「小便です」
「明日中には帰ってきてくださいね。仕事は山積みですから」
「ヤー(了解)」
 それだけ言うと、祐一の姿は廊下に消えた。
「ふう……祐一さん、あなたも似てますねぇ。……あの人に。さすがはあの人の息子、ということですか……?」
「?」
 香里には、秋子の呟きの意味を解することはできなかった。

「浩之ちゃーん、みんなー、ご飯だよー」
 そんな声が、歓談する久瀬たちの部屋に聞こえてきた。
「お、そろそろ飯みたいだな。よし久瀬、お前にみんなを紹介してやろう」
「みんな?」
「うん。このマンションに住んでるのは、みんな僕らの街出身者なんだよ」
 言いながら、よいしょ……と器用に立ち上がる。
「あんまあかりを待たせても悪いからな。早めに行くか」

A 「マンション」に住んでいるキャラを指定してください。
  東鳩キャラからで。あかりは確定。
641名無しさんだよもん:03/02/27 18:16 ID:P/7wNWo/
うーん、志保と委員長と琴音。
642名無しさんだよもん:03/02/27 18:46 ID:JEQBDd1o
あんま増やしすぎないようになー

死に役ならいいけど
643名無しさんだよもん:03/02/27 19:23 ID:9ZPahrxu
 久瀬一行が食堂に入ると、すでにそこには全員が集合していた。
 佐祐理たちや芹香などの見覚えのある連中はもちろんのこと、何人かの見知らぬ少女もだ。
「あーみんな紹介しよう。こいつは久瀬。今日から俺らの仲間になる。よろしくなー」
 浩之が久瀬の肩に手を回し、簡単な紹介をすませる。
「久瀬です。以後よろしく」
 久瀬も眼鏡をクイと直しながら、これまた簡単に自己紹介をすませた。
「久瀬君だね。よろしく。私は神岸あかり」
「はー、これまた性根の悪そうな男ねぇ。あたしは志保ちゃんよ。お手柔らかにねー」
「姫川琴音です。よろしくお願いします」
「保科智子。ま、よろしく頼むで」
(来栖川芹香です……って、ご挨拶は済ませてありますよね)
 すでに互いの紹介は済ませてあるのか、女性同士の雰囲気は和やかなものだった。
「おい久瀬、あの子たちはお前の連れか?」
 佐祐理達を指しながら、ぼそっと浩之が久瀬にささやきかける。
「まぁね、紹介しよう。こちらは倉田佐祐理さん、その隣が川澄舞さん、そしてサクヤ、クーヤだ」
「あははー、よろしくお願いしますねー。ええと……」
「浩之だ。藤田浩之。んでこいつは佐藤雅史。ま、よろしく頼むわ」
「こちらこそ、よろしくお願いします」

「さ、それよりみんな、冷めちゃうよ。早く食べちゃおう」
 一通り自己紹介が終わったところで、あかりが部屋の奥へ行き、鍋を持ってきた。
「今日はご飯とお味噌汁と野菜のお浸し。おかわりは無いけど……我慢してね」
「あかり、違うでしょ」
「え? どうしたの志保?」
「今日『も』でしょ。最近毎日そればっかじゃない」
「え……えへへ……まぁ……ね……」
 ぜいたくは敵だ。
 
A 晩餐は終始和やかに進められた。
B 歳が近いせいか、以外に会話がはずんだ。
C 脱走兵ということのせいか、妙にギスギスした雰囲気だ。
D ……外の様子が、おかしい?
644名無しさんだよもん:03/02/27 19:23 ID:MdDEMvNc
AKIRAは脇役を脇役に徹させる事によって良作と化した。
事実、視点変更は全く無く、ヒロインの佳乃でさえも誰彼キャラ戦闘指南時には全く出なかった。
それを考えれば、佐祐理と久瀬をTOPにして、台形型ピラミッド(上手く言えないが)にキャラを作るのが良いと思う。
まぁ、こうした方がと言う意見なので。あまり気にしなくて良いです。
645名無しさんだよもん:03/02/27 19:27 ID:VGYlkS9g
まあ、全ては選択肢と、それを選ぶスピードが決する訳だが
>佳乃
戦闘指南の時にも出てきたぞ、最終戦、岩切さんとの所で
 
>>643の選択
646名無しさんだよもん:03/02/27 19:30 ID:ESdV/Azl
んじゃあD。

願わくば幸せな結末を。
647名無しさんだよもん:03/02/27 19:56 ID:9ZPahrxu
 晩餐は終始和やかに進み、多少ぎこちない部分もありながら、それなりに会話も弾んだ。
 しかしその時、里の外れでは……
 
 見張りの男が出入り口の洞窟。その目の前の岩に腰掛けていた。
 両手でライフルを握り、薄暗い洞窟の中を見つめている。
「……ん?」
 不意に、何かがキラリと光った。
 薄暗い洞窟の奥で、何か……見覚えのあるような光が、瞬いている。
「……あれは?」
 それが、彼が見た最後の光景だった。
 ヒュッ……
「!?」
『光』がいきなり疾り、洞窟を抜けたと思うとそのまま男の喉を貫いた。
 ヒュゥと空気の抜ける音が漏れ、そのまま地に倒れ伏す。
「……………………………」
 しばらくの間、ただ男だけが痙攣する光景のみが続く。
 だが……
「……行くぞ」
「はい」
 洞窟からフードをすっぽりと被った男が出てくると、それに続いてゾロゾロと同じような格好をした連中が出てきた。
 先頭の男……仮面を付けた、オボロが指示を送る。
「まずはゲンジマル……それと、眼鏡をかけた男だ……こいつらを始末する。けして住民に気取られるな……
 見つかったら、騒がれる前に、殺せ!」
「……はい」

 一団は、村の中に散っていった。
 
648名無しさんだよもん:03/02/27 19:58 ID:9ZPahrxu
「! 秋子司令! 隠密衆の姿が消え……いえ、現れました! 洞窟を抜けたかと思われます!」
 送られてくる映像を解析していた香里が叫ぶ。
「当たりましたか。香里さんは引き続き村の様子を調査してください。栞さん、『UGU-3』の準備は?」
「はい、いつでも発射可能です」
「……では、発射システムをこちらに渡してください。一応、弾道ミサイルは司令権限でないと発射出来ませんので」
「はい……完了しました!」
「よろしい」
 秋子の手元の端末の画面に、『MISSILE-U3』の文字が現れる。
「それではみなさん、さようなら」
 一片の迷いも無く、ボタンを押した。
 
「?」
 皆で食卓を囲んでいる中、不意に佐祐理が外を見つめたまま、固まった。
「どうしましたか倉田さん?」
 そこに怪訝な雰囲気を感じ取った久瀬が、佐祐理に問いかける。
「何か……何か、悪い気配が動いたような……気が……します。……何かが、里に入り込んだような……」
「……確かですか?」
「……わかりません。一瞬だけでしたので、確実とは……ちょっと」
「ふむ……気になりますね」

A 「僕(久瀬)がちょっと見てきますか」
B 「倉田さん、確かめてきてもらえますか?」
C 藤田が「見てくる」と言いだした。
D 「ゲンジマルさんに報告しに行ってみますか」
649名無しさんだよもん:03/02/27 20:08 ID:mOyeKS4m
死ぬかな?
C
650名無しさんだよもん:03/02/27 20:57 ID:JEQBDd1o
「わかった。俺が様子を見てくる」
そう言って立ち上がったのは佐祐理でも久瀬でもなく、浩之だった。
低い声でなされていた二人の会話を耳ざとく聞きつけたらしい。
「でも、ただの佐祐理の勘違いかも知れませんし…」
「思い過ごしならそれでもいい。こういう時に腰が重いやつは、大抵ロクな目に遭わねーんだ」
「それなら僕が行く。
 失礼だが、訓練を受けているわけでもない民間人の君に任せるわけにはいかない」
「素人だからって馬鹿にするなよ、久瀬。
 確かにこの里には民間人しかいない、それでも生き延びるためにおのおの武器を持ったんだ。
 自分たちの身は自分で守る」
「…佐祐理たちのことは信用できませんか?」
そう問う佐祐理の声は寂しそうだ。
「(…今日会ったばかりの、それも脱走兵を信用しろと言う方が無理…か)」
久瀬は自分に対する雅史の態度を思い出した。
「…わりぃ。あんたたちを疑ってるわけじゃねーんだ。
 けど…」
申し訳なさそうに俯き、しかし決意を秘めた目は閉じることなく。
「ここは、俺に行かせてくれ」
浩之はそう言うと、表に向かって駆け出した。

A. 哨戒は浩之ひとりに任せ、この場の守りを固める
B. 浩之ひとりでは危険だ。誰かに浩之を追わせ、同行させる(人物指定)
C. 侵入者は複数かもしれない。浩之とは別行動で佐祐理・久瀬も哨戒にあたる
D. 何事もなかったかのように食事の続きをどうぞ
651名無しさんだよもん:03/02/27 21:00 ID:TGdpBtZ1
C
652名無しさんだよもん:03/02/27 21:52 ID:w/TVOTwj
「ふぅ……付き合いの悪い人だな」
久瀬は自分の事は棚にあげて呟く。
「どうしますか? 久瀬さん」
「彼が一人で行きたいと言ったんです。邪魔するのも悪いでしょう」
「でも……」
「分かってますよ。僕達は彼とは別の場所を調べましょう。ちょっと先に行ってて下さい」
久瀬は立ち上がり、サクヤのところへ向かった。
「あ、どうしたんですか? 久瀬さん」
久瀬はサクヤの耳に口を近づける。
「え? え? 久瀬さんっ?」
サクヤの顔は真っ赤だった。
「何を勘違いしてるんですか。
ちょっと離れます……私が20分経っても帰って来なかったらゲンジマルさんに話して下さい」
「はい……気をつけて下さいね」
久瀬はすっと離れて。
「言われなくても気をつけます。それでは」
久瀬は部屋から出ていった。
廊下では佐祐理が待っていた。
「それでは、行きましょうか?」
「ええ」
二人はマンションを出て

A 芹香に会った
B 怪しい人影を見かけた
C 浩之に出くわした
D 入ってきた洞窟に行った。
653名無しさんだよもん:03/02/27 21:55 ID:lgTeO5MU
A
654名無しさんだよもん:03/02/27 21:56 ID:PEpCVhBC
A
655名無しさんだよもん:03/02/27 22:13 ID:w/TVOTwj
と、二人がマンションを出て歩き出した時、後ろから誰かが近づいてきた。
「おや、あの人は芹香さん」
「ですねぇ、どうしたんでしょう」
芹香は二人の前に立ち止まり
「……」
「お話があります?」
「……」
「ええ、少しなら構いませんが」
「……」
「僕ではなく、倉田さんがいいと?」
久瀬は少し不満そうな顔で、佐祐理と入れ替わる
「それで、お話とは?」
「……」
「ここに、ある種の結界を張っていて大規模な危険を察知できるようにしてあると」
「……」
「実はK.E.Y華音支部からミサイルが飛んできていて……」
「……」
「後、10分でここに着弾します?」
二人の顔が顔面蒼白になった。
656名無しさんだよもん:03/02/27 22:14 ID:w/TVOTwj
「……」
「え、どうしますか?って……どうします久瀬さん」
「どうするって、逃げるしかないでしょう」
「逃げられますか? たった10分で」
二人の間に沈黙が漂う。絶望を孕んだ。
「……」
「え、方法はあるんですか?」
「……」
「テレポートか魔法で迎撃するしかありません……ですか」
「だそうです。」
「僕は、魔法の事はよく分からないので佐祐理さんに任せます」
佐祐理の判断は

A 魔法で迎撃
B テレポートで脱出
C どうすればいいんだ
657名無しさんだよもん:03/02/27 22:19 ID:DvY7tCvW
Aだっ!
658名無しさんだよもん:03/02/27 22:30 ID:w/TVOTwj
「迎撃しましょう。テレポートで逃げても生活空間が無ければ意味がありません」
佐祐理はそう答えた。
「そうでうか。それと、この事は皆さんには言わない方がいいでしょう」
「はい、おそらく混乱を招くだけですから」
「それでは、僕は予定通り見回りをしてきます。ミサイルは頼みましたよ」
「あはは〜っ、任せて下さい。破壊は得意ですから」
この人は水瀬司令と同類な気がする…久瀬はそう思いつつ離れて行った。
そして、佐祐理と芹香の二人だけが残った。
「……」
「はい、芹香さんよりは攻撃魔法は得意だと思いますよ〜」
なんたって黒魔法少女ですから〜
「……」
「芹香さんがミサイルの位置とその予測をしてくれるんですね。分かりました」
「……」
「どんな魔法を使うか? そうですねぇ……」

A 消滅呪文メドローア
B ブラックホールクラスター
C メガビームキャノン
D そんな事より久瀬視点
E 祐一はどうした?
659名無しさんだよもん:03/02/27 22:36 ID:Qyq6/J3y
Aしか。
660名無しさんだよもん:03/02/27 22:44 ID:HN1mMezn
「間に合ったようだな……」
 里を覆う崖の上で、巨大マントをはためかせる人影があった。
「ふむ、気がついたか……どうやらあのお嬢さんも魔法を使うみたいだな」
 祐一だ。ミサイルより一足早く、隠れ里へたどり着くことに成功した。
「……隠密衆、入り込んだか……」
 祐一の目には闇など関係ない。集落の中を疾走するフードの連中の姿がありありと見えた。
「久瀬の捕獲は佐祐理さんの仕事……」
 二丁の巨大拳銃の弾丸を確認する。
「さて、目の前にうたわれの連中が居るのに……見過ごす道理はないな。佐祐理さんとの話は、これが終わった後にするか……」
 そして照準を、一人の隠密衆に定める。
 
「あははー、決まってますよ。佐祐理と芹香さんの魔法を融合させて、究極の消滅魔法メロドーアを放つんです。
 もしミサイルの弾頭に厄介なものが詰めてあっても、消滅させれば関係ありません」
「………………」
「はい、問題はそこですね……さすがにこの魔法は時間がかかります。そう、10分くらいの詠唱が……」
「………………」
「詠唱中は、佐祐理たちは無防備になってしまいます……」
 その時。
 
 ドン!!

「ぐぎゃぁぁッ!!!」
「え?」
 佐祐理の近くに、いきなり人影が現れた。しかしもはや人の形は成していなく、ただの肉塊と化した状況で。
 そして、里中に誰かの声が響く。
「うたわれの隠密衆が侵入した! 民間人は鍵を閉めて一歩も外を出るな! 戦える者は武器を取れ! けっして一人になるな!」

「この声は……!? 隠密衆だと!? チッ、厄介な!」
 それを聞いた久瀬は……
661名無しさんだよもん:03/02/27 22:44 ID:HN1mMezn
A 佐祐理の元へ急いだ。
B 浩之の元へ急いだ。
C ゲンジマルの元へ急いだ。
D マンションへ急いだ。
662名無しさんだよもん:03/02/27 22:45 ID:P/7wNWo/
B。もう手遅れかも知れないけど……
663名無しさんだよもん:03/02/27 23:00 ID:HN1mMezn
「藤田……! 藤田! 藤田が危ない! 藤田ァ! どこだ!?」
 瞬間、久瀬は走り出した。隠密衆を相手にしては浩之ではひとたまりもない。
「藤田ァッ!」
 ほどなく、道の中央に倒れている藤田の姿を発見する。
 しかし……暗闇の中にも関わらず、その身体が真っ赤な水たまりの中に横たわっているのが見えてしまった。
「藤田! しっかりしろ藤田!」
 慌てて抱き上げ、肩を揺さぶる。
「ッ……すまねぇ、久瀬……ドジっちまった……お前の、言うことに……従っていれば……」
「喋るな!」
「……久瀬、最後に……頼みがある。短い付き合いだったが……聞いてくれ。マンションの……マンションの連中を、助けてくれ。
 あいつらは……俺の、大切な友達だ。あいつらは……守ってやってくれ。俺みたいにしないでくれ」
「ああ、わかった! わかったからもう喋るな!」
「へっ……ありがとよ。……じゃあ、な」
 浩之の身体からガクリと力が抜ける。
「藤田! ……っクソッ、こうしている場合じゃない! 藤田の言うとおりだ……今マンションが襲われたら……ヤバイ! 急がなければ!」
 踵を返すと、久瀬は走った。心に一つ、浩之への祈りを捧げながら。
 
 一方、今のマンションの状況は……
 
A 弁慶の仁王立ちのごとく、セバスが死守していた。
B 雅史がAK47で応戦していた。
C まだ事態を飲み込めていなかった。
D 既に隠密衆が制圧していた。
664名無しさんだよもん:03/02/27 23:02 ID:YmPUIaSE
A
665名無しさんだよもん:03/02/27 23:19 ID:04w/0noX
早いよお前ら。また書き損なっちまったよ。

まぁ、やっぱりおいらは夜中組だな。
666名無しさんだよもん:03/02/27 23:45 ID:JEQBDd1o
「かああああああ――っっっ!!!」
巨大な石のような拳が振るわれる。
直撃すれば人の頭蓋など容易く粉砕してしまうであろうそれを、しかし隠密衆はとんぼを切って避けた。
そこに生じた隙を見逃さず死角から他の隠密衆の白刃が煌めく。
辛うじて身を捻ったセバスチャンの脇腹に一筋の傷が走った。
「痒くもないわ!!」
それを気に掛ける様子もなく、血が溢れ出すより早く前蹴りを繰り出す。
猿を思わせる身軽さでまたも隠密衆が飛びすさる。
「この命に代えても…ここより先へは通さん!!」
一騎当千、という言葉が相応しい迫力でセバスチャンが叫ぶ。
だが…形勢はどうしようもなく不利。
「建物内への侵入を防ぐ」という目的のためセバスチャンは入り口を庇うように立ち、
攻めに転ずることを許されず受け身の戦いを強いられている。
しかも、対する隠密衆は複数。
ゲンジマルと久瀬を狙う彼等は、自然と人の多く住みそうな建物――
つまりこのマンションに集結したのだ。
不公平な戦闘が長引いた結果、セバスチャンの側にのみ着実にダメージが蓄積されている。
「ぬう…」
セバスチャンは戦意を失わないまでも、やや焦燥していた。
このままではじりじりと押し切られてしまう。何か、この状況を打破する材料は――
その時だった。

A. マンションの中に居た筈の(人物指定)が見かねて飛び出してきた
B. 久瀬が戻ってきた
C. ゲンジマルがやってきた
D. 隠密衆のリーダー格らしき、仮面の男が現れた
667名無しさんだよもん:03/02/27 23:48 ID:WaDHY9Ss
Aで雅史。
がんがれ。
668名無しさんだよもん:03/02/28 01:00 ID:k1geJTd6
「長瀬さん!」
セバスチャンの背後の扉から、AK47を抱えた雅史が転げるように飛び出してきた。
「何故、出てきたのです! 中で待っていて下さいと――」
「僕も…僕も戦います!」
セバスチャンが問い詰めるより早く、雅史は己の決意を言葉にした。
「佐藤様…大変失礼ながら、今のあなた様には…」
気遣わしげに粗末な義足を見やる。
瞬間、その塊が風を切った。
セバスチャンのわずかな逡巡を狙い襲ってきた影を、雅史のつくりものの右脚が蹴り飛ばす。
まさか雅史が蹴りを放ってくるとは思わなかったのだろう、意表を突かれた隠密衆は大きく吹っ飛び倒れた。
「利き足が義足になっても、軸足さえ残ってればキックは打てます」
たたみかけるように距離を縮めてきた他の隠密衆に対して、威嚇射撃。
隠密衆と同じか、あるいはそれ以上に驚いた様子のセバスチャンに雅史は告げる。
「――言い訳にしてたんです、どこかで。
 右足がなくなったから仕方ない、戦えなくて当たり前だ…って。
 だから、一人で出ていく浩之を平気で見送ったりできた。
 でも、それは間違ってた。僕も浩之みたいにみんなを守らなきゃいけないんです。
 僕だって男なんだから。
 あかりちゃんを、志保を、琴音ちゃんを、保科さんを、来栖川先輩を…
 命がけで守り通さなきゃ、浩之に合わせる顔がないんだ!」
「…くっ、くっ」
込み上げる笑いを噛み殺しきれず、セバスチャンの口から声が漏れる。
「よくぞそこまで言った小倅! 最期までその意地、張り通してみよ!」
「はい!」
隠密衆の囲みの中、男たちは背中を合わせた。

A. その頃、佐祐理は
B. その頃、祐一は
C. その頃、サクヤは
D. その頃、オボロは
669名無しさんだよもん:03/02/28 01:01 ID:6Yhi+A37
670名無しさんだよもん:03/02/28 02:30 ID:1VgzCtCK
「やあこんばんは佐祐理さん、いい月だな」
 崖の上から降りてきた祐一は、ゆっくりと佐祐理たちに歩み寄る。
「ゆ、祐一さん!? どうしてこんなところに……」
「いや、ちょっとトイレに行こうと思ったら道に迷ってしまってね。気がついたらここにいたんだ。
 そしたら目の前にうたわれの連中がいるじゃないか。これはたいへんだ。やっつけなければ」
「……………」
 しかし、芹香は不安げに佐祐理の後ろに隠れてしまう。
「あ……あははー、大丈夫ですよ芹香さん。この方は相沢祐一さん、佐祐理たちの味方です」
「それはちょっと違うな」
「……え?」
 祐一は薄い笑いを浮かべたまま、佐祐理の言葉を否定した。
「まぁ細かい話は後だ。それよりも佐祐理さん。あなた達は早いところメロドーアの準備に入ってくれ。時間がない」
「あ……そうでした! ゆ、祐一さん、K.E.Y.から発射されたミサイルというのは……」
「弾頭には新型ウィルス『UGU-3』が使われている。直撃すればまァこんな集落は一人残らず死に絶えるでしょう。
 けどそんなことを俺と話している場合ですか? 時間がないんですよね?」
「あ、そ、そうでした! せ、芹香さん! 準備は……」
「………………」
「は、はいそうですね。では、早速……」
 芹香は少々祐一のことを警戒しながらも、佐祐理と広場の中心に赴き、佐祐理とともに呪文の詠唱に入った。
「祐一さん……これから佐祐理たちはしばらくトランス状態に入ります。その間は完全に無防備ですので……守っていただけますか?」
「……………………………」
 祐一は腕を組んだまま佐祐理たちを見据えている。
「あの……やっぱり祐一さんは、秋子さんの命令しか……」
「……俺の仕事は、うたわれの撃滅と、仲間を守ることだ。そしてあなたの仕事は久瀬を捕縛すること。
 ここであなたたちに死なれては仕事の遂行ができない……。別にミサイル攻撃を成功させることは俺の仕事じゃない」
 ジャカコン、と銃のマガジンを入れ替える。
671名無しさんだよもん:03/02/28 02:31 ID:1VgzCtCK
「あ……ありがとうございます!」
 佐祐理の表情がぱあっと明るくなる。
「やれやれ仕方がないな。佐祐理さんも舞も久瀬もサクヤもクーヤも秋子さんもみんな世話が焼ける……中間管理職は辛いよな」
「では……行きます!」
 佐祐理と芹香の身体が中空にフワリと浮き、淡い光に包まれた。
 瞳の色が変わり、トランス状態に入ったことが見て取れる。
 
「……さて、と」
 ザジャッ。
 祐一は2人に背中を向け、地面を踏みしめると、目の前の暗闇に向かい、言った。
「いるんだろう。出てこいよ、隠密衆隊長、オボロ」
「……フン、気付いていたか」
 呼びかけると、仮面を付けた男……隠密衆のリーダー、オボロが現れた。
「それにしても弾道ミサイルとは……相変わらず無茶をするな鍵野郎(お前たち)は」
「俺はただ俺に与えられた命令をこなしているだけだ。……お前はどうする?」
「知れたこと。最強の吸血鬼(ノスフェラトゥ)であるキサマを殺し、後ろの小娘を殺し、皆殺す」
「ほぅ、ウィルスは怖くないと?」
「5分もあれば片は付く。そして5分もあれば逃げられる。それだけのことだ。では……行くぞアーカード祐一!」
 疾風と化し、オボロが祐一に襲いかかる。
「やれやれ、2人を守りながら歩兵衆兼隠密衆隊長をお相手か。しかも仮面付き。最近俺ってオーバーワークだよな」
 悪態をつきながらも、銃口をオボロへと定める。
「処女の血でも一杯いきたいよ。ホント」

 ドン!

A 引き続きメロドーア防衛戦。祐一VSオボロを続行。
B その頃のマンションの様子は。
C ゲンジマルは何をしているのか。
D 久瀬、がんばれ。
672名無しさんだよもん:03/02/28 02:38 ID:0iMk449G
A
673名無しさんだよもん:03/02/28 03:27 ID:BtvB7bA3
なんかここの祐一かっこいいw
674名無しさんだよもん:03/02/28 03:31 ID:sG31nlfF
かっこいいのは認めるが、これはもう祐一じゃない気が(w
675名無しさんだよもん:03/02/28 04:25 ID:HliBgyAf
と言うか、2度のマホイミ失敗によってアーカード化したハズなのに
何故か水瀬家とか設定までヘルシング化してるんだ(w
676名無しさんだよもん:03/02/28 04:32 ID:2NFHATSC
ドンッ!
駆け込んできたオボロを祐一は牽制する。
ドンッドンッドンッ!と二丁拳銃を連射する。
対するオボロは紙一重でそれはかわしていく。
「ほぉ、貴様ただの人間じゃないな」
オボロの運動能力を見て祐一はオボロの体質を見抜いた。
そして、一歩づつ間合いを詰める。
「く、貴様」
接近戦に自信のあるオボロだったが、祐一の早撃ちに反応しきれず一歩一歩後退していった。
このままでは近寄れないと判断し、オボロはさっと左に飛ぶ。
「遅い」
祐一は着地点を予測し、オボロの頭めがけて3連射した。
「ちぃっ!」
それをオボロは弾丸を両手の剣で弾く。
「その反応速度。お前もまた外法か」
「あんたみたいな化け物に言われたくは無いね」
オボロはニィっと笑い、先程を上回る速度で突っ込んでくる。
体を13mm炸裂徹鋼弾に蹂躙されるが、かまわず駆け抜けてきた。
「シュッ!」
あっという間に接近し、祐一の首を刎ねようと剣が走る。
ガキュン!
祐一は剣を弾丸で弾き、反動で体勢を崩したオボロの心臓を狙う。
「終わりだ」

A 弾丸はオボロの心臓を貫いた。
B その時佐祐理達めがけて、弓矢が飛んできた。
C オボロは飛び退り、逃げていった。
677名無しさんだよもん:03/02/28 04:34 ID:2NFHATSC
2度の失敗によって真の力に目覚めたとか。
それ以上に祐一のマスターは舞だろうと言いたいのだが。

ほら、誰かが『おしえてやろう。水瀬の力を』って言ったからな。
笑えたからいいんだけど伏線になってるとは。
というかこれはコメディなのかシリアスなのか……どっち?
678名無しさんだよもん:03/02/28 04:40 ID:IJk9MZIY
679名無しさんだよもん:03/02/28 05:00 ID:2NFHATSC
「終わりだ」
祐一がオボロの心臓めがけて銃の引き金を引こうとしたその時……
「祐一さん!」
「!?」
佐祐理達めがけて無数の弓矢が飛んできた。
「はっ!」
姿勢を取り戻したオボロは、右手の剣で逆袈裟に祐一を切りつけた。
だが、祐一は少しも気にとめず、ばっさりと斬られる。
血が噴出したが、それでも無関心、飛んできた矢を撃ち落とした。
ドンッ!ドドドドドドドンッ!
だが、全て撃ち落しても第二派が来る
「やれやれ、また仕事が増えるのか」
一瞬呆けていたオボロだったが
「てめえ! なんで効かねぇ!?」
「うるさい。静かにしろ」
ドンッ!っと腹を撃たれて吹っ飛んで行った。
「ク、クソ……」
ダメージが蓄積していたのもあるが、攻撃が効かなかった事によりオボロは立ち上がらなかった。
「全く、労働基準法に違反するな。最近の俺は」
ぼやきながらカートリッジを交換し、
また矢を撃ち落す。だが、このままでは佐祐理達を守りきれない。

A 仕方ないので拘束制御式開放
B 舞がオボロに斬りかかった
C つーかメドローアって一人で撃てるじゃんと佐祐理が気付く
D ゲンジマルが伏兵をばったばったと。
680名無しさんだよもん:03/02/28 05:22 ID:HliBgyAf
じゃー、最近暗いので払拭すべくCで。
681名無しさんだよもん:03/02/28 13:01 ID:zgcIKQg4
ほとんど祐一じゃないけどこいつはかっこいい。
愚痴りながらもしっかりと佐祐理さんたちを助けるところがなおいい。

けど、佐祐理さんたちが本格的に鍵に反旗を翻したら戦うことになるんだろうな。
それはそれで燃えだけど。
682名無しさんだよもん:03/02/28 15:57 ID:u9vsvm0X
「…………………」
 中空に浮かぶ2人の少女。銃弾と矢が乱れ飛ぶその中、不意にその片方が地に崩れ落ちる。
「む?」
 黒い長髪……来栖川芹香だ。そこを見逃さず、放たれた矢は彼女へ向かう。
「チッ!」
 佐祐理に迫る矢は撃ち落とせたが、芹香へは間に合わない。瞬間祐一は芹香の身体に覆い被さった。
 ……ズグッ!
 固い物が肉を貫く鈍い衝撃が背中に響く。
「……この程度……」
「………………」
 すぐさま起きあがろうとした祐一だが、その襟元が誰かに握られていた。
「ん?」
 見れば、身体の下で芹香が目を覚まし、襟を握りしめながら祐一にささやきかけている。
「ああ……この程度なら問題ない。俺の身体は普通より丈夫に出来ているからな」
「…………………」
「え? 『私の魔力の受け渡しは完了しました、後は倉田さんだけで大丈夫です』? ……そうか、ならば!」
 祐一は片手で芹香を抱き上げて立ち上がり、巨大な外套の裏に彼女を隠した。
 変わらず矢は雨となって降り注ぎ、オボロはほとんどの傷を塞ぎ、目の前でギラギラと目と刃を輝かせている。
「……来栖川さん、だったかな? しばらく失礼するが……って、え?」
「…………………」
「そうか。ならば芹香、失礼ながらしばらくこの体勢で失礼するよ……すぐ済む。じっとしていてくれ」
「……はい」
(さて……片手にはお嬢さん、目の前には餓えた虎、どこからか熱いアロウのプレゼント……状況はなかなか愉快だな)
「……フッ……足手まといを拾うとは……落ちたな、吸血鬼!」
(どうしたものか……)
「……………………」
「ん? 魔法でサポート? ははっ、それはありがたいな。では……」

A 防御魔法
B 強化魔法
C 幻影魔法
D 索敵魔法
683名無しさんだよもん:03/02/28 16:01 ID:3aTZBSDs

兄者カモン!!
684名無しさんだよもん:03/02/28 21:52 ID:rIKepLBz
「……da…………rm…」
 祐一の中で目を閉じ、芹香は静かに呪文の詠唱を始めた。
(ほう、まだまだ指向性は荒削りだが……なかなかのキャパシティだ。なかなかやるな、お嬢さん)
「シィィィィィィィ…………ッ!!!!」
 オボロが低い唸りとともに、弾かれるように祐一へと迫る。
「ッ!」
 祐一は芹香を庇うように一歩下がると、(銃声から守るため)芹香の頭を手で覆い、一発ぶっ放す。
「……甘い!」
「ほぅ!?」
 しかしオボロは直前で飛び上がり、ギリギリの位置で銃弾をかわすと上空から祐一へ襲いかかった。
 芹香を庇いながらではどうしても動きが鈍くなる。二つの刃は祐一の身体を×の字に引き裂いた。
「ぐ……ッ……!」
 激しい鮮血がほとばしる。
「ハ! ハ! どうした吸血鬼!」
 普通なら致命傷……たとえ吸血鬼といえども、相応のダメージ。
 確信したオボロはさらに引き際に一発回し蹴りを見舞い、改めて祐一との間に間合いを取った。
「ドリィ! グラァ! 射れ!」
「「はい!」」
 さらに一瞬祐一の膝が折れた隙を狙い、どこからかの援護射撃が祐一に突き刺さる。
「フン……なかなか、だな……」
685名無しさんだよもん:03/02/28 21:54 ID:rIKepLBz
「ふはははははは! その程度か祐一! 最強吸血鬼の名が廃るわ! この勝負、俺がもらった!」
 高らかに笑うオボロ。完璧に勝利を確信している。
「……さて、それはどうかな……?」
 しかし祐一はいつものように、クセのある形に唇を歪ませた。
「なにィ?」
「お前が先ほどから足手まといだ足手まといだと言っているお嬢さん……芹香、頼むぞ」
「はい……」
 芹香がスルリと祐一のマントから抜ける。その身体は淡い光を放っている。
「……………!」
 キッとオボロを見据え、必殺の呪文を、今放つ。

A ブライン
B メダパニ
C ハイドビハインド
D パルプンテ
686名無しさんだよもん:03/02/28 22:02 ID:nlJ4vqKg
Dいってみよ〜!
687名無しさんだよもん:03/02/28 22:09 ID:ZkBzGHAJ
Cは魔法だったか?
688名無しさんだよもん:03/02/28 22:10 ID:Q7wO8P7/
「…………………(究極魔法パルプンテです)」
 芹香が呪文を唱えると、辺りが白い光に包まれる。
「なっ、な……。これは…オレの、オレの体がぁぁぁ!」
「「若様っっ!」」
 オボロ達の叫び声も消え、光が次第に薄らいでいく。

オボロはメタルスライムになった
ドリィはメタルスライムになった
グラァはメタルスライムになった

A メタルスライムは逃げ出した
B ユーイチの会心の一撃。3000の経験値を手に入れた
C ユーイチ達は逃げ出した
689名無しさんだよもん:03/02/28 22:15 ID:lx8ojSmX
690名無しさんだよもん:03/02/28 22:22 ID:rIKepLBz
「………………………」

>たたかう

 祐一の攻撃。
 会心の一撃!
(どぐしゃしゃしゃッ!)

 オボロスライムに9999のダメージ!
 オボロスライムを倒した!
 
 ドリィスライムに997のダメージ!
 ドリィスライムを倒した!
 
 グラァスライムに1050のダメージ!
 グラァスライムを倒した!
 
 魔物の群れをやっつけた。
 
 祐一たちは3000の経験値を得た。
(ぱぱらぱーらーぱっぱらー)
 芹香のレベルが上がった。
(以下略)

「………倒したか。よくやった、芹香」
「…………………(ポッ)」
「まあそう照れるな。さて、これからどうするか……」

A このまま佐祐理たちの護衛を続ける。
B マンションの連中を手伝ってやる。
C 里の出入り口を固めている歩兵諸君に別れの挨拶をする。
D 喉が渇いた。芹香の血をもらう。
691名無しさんだよもん:03/02/28 22:24 ID:rIKepLBz
って考えてみたら
(ぱぱらぱーらーぱっぱらー)
はFFの勝利曲やん。
692名無しさんだよもん:03/02/28 22:29 ID:XFAAoYKe
>>691 気にすんな

このまま A
693名無しさんだよもん:03/02/28 22:47 ID:rIKepLBz
「ま、俺の本来の目的はトイレに行くことだからな……これだけ手伝えば十分だろう。
 あまり甘やかすのは、佐祐理さんにも久瀬にもよくない」
 祐一は一人ごちながら、近くの岩にどっかと腰掛けた。
 目の前では輝く佐祐理が中空に浮かび、虚ろな瞳で空を見上げている。
 そろそろ『時間』だろう。
「…………………」
 その隣に芹香もちょこんと座る。
「……ん? 嘘はよくありませんって? あなたは倉田さんを助けに来た? ……はっはっは、それは違うよ芹香。
 俺は佐祐理さんを助けた覚えはない。突き詰めれば……そう、全ては俺の、俺たちのため、さ」
「…………………」
「え? こんなことをしてあなたのK.E.Y.内の立場は悪くなりませんかって?
 ……ま、軽くお叱りは受けるかもしれないがね、俺は何一つ『命令違反』はしていないつもりだ。
 倒したのはうたわれの連中だけだしな。
 それに佐祐理さんは『まだ』鍵に属しているし、久瀬の追撃はあくまでも『佐祐理さんと舞』が命じられたものだ。
 ……これからの彼女の選択次第では、変わっていくかもしれないがな」
「…………………」
「え? 倉田さんと行動をともに……?
 ……すまんが、それは無理だな。俺はあくまでも秋子さんの下僕。あの人のもとを離れるわけにはいかない。
 あの人の命令は絶対だ。もしあの人に命じられたのなら……俺は、次の瞬間にもお前を殺さなければならない」
「…………………」
「……ああそうそう。この話、佐祐理さんたちには秘密にしておいてくれよ」
「……………はい」
「ありがとう芹香。……そうだ。俺の方からも一つ、いいかな?」
「………………?」

A お前の家族や友人について、聞かせてもらえないか?
B お前の街で起きたという戦闘について、教えてもらえないか?
C 付き合ってる男はいるのか?
D 少し血を分けてくれ。
694名無しさんだよもん:03/02/28 22:50 ID:sG31nlfF
ハァハァ、D
695名無しさんだよもん:03/02/28 23:22 ID:q9WkGWPY
「少し血を分けてくれ」
「…………」
「吸血鬼は嫌い? いや、そういわず、そこを何とか」
「…………」
「痛いのも嫌い? いや、痛くはないよ。痛いっていうよりはむしろ気持ちいいかも」
「…………(パルプンテです)」

A 祐一はメタルスライムになった!
B どこからともなく高笑いと共に謎の魔神が現れた!
C 天から流星が降り注いだ!
D (パルプンテ……パルプンテ……パルプンテ……)呪文はこだましただけだった!
E 祐一は眠ってしまった! 芹香は眠ってしまった!
696名無しさんだよもん:03/02/28 23:27 ID:LGUcMXNj
B
697名無しさんだよもん:03/02/28 23:57 ID:Q7wO8P7/
やまのように おおきな まじんが
おそろしい わらいごえをあげながら やってきた!

がしっ

ユーイチは7286のダメージを受けた。

まじんは わらいながらかえっていった

A 「…………………(マホイミで回復しましょう)」
B 「…………………(ゾンビパウダーを使いましょう)」
C 「…………………(ほっときましょう)」
D 芹香はザオリクを唱えた。しかし、MPが足りなかった。
698名無しさんだよもん:03/03/01 00:01 ID:Qw3lu7A7
B
699名無しさんだよもん:03/03/01 00:23 ID:GW8A8+4w
「………………」
 芹香は懐から小さな袋を取り出すと、おもむろに中身の粉を倒れる祐一にふりかけた。
 それは人によってはゾンビパウダーと呼ぶ、忌まわしき……
「オエエエエッ! ペッ! ペッ! ペッ! なんだこれは!」
 口に入った瞬間祐一は跳ね上がり、岩場の影に行って何度もえづいた。
「おえ……っ……うぷっ……。これは……ゾンビパウダー?」
「……………はい」
「せ、芹香……ゾンビとヴァンパイアは違うんだよ……。頼むから、そういう物騒な物は使わないでくれ……」
「…………………」
「わ、わかった。わかった。血は諦めるから」
「…………………」
「……………え? 佐祐理さんの姿が?」
 芹香に指ししめされ、祐一は中空の佐祐理に目をやる。
 そこには……
 
A 天使の姿をした佐祐理が
B 金色で髪の毛逆立った佐祐理が
C ごいすばでーのあだるとになった佐祐理が
D つるぺた幼女になった佐祐理が
700名無しさんだよもん:03/03/01 00:26 ID:I8pI6eP+
B
また書き負けたよ…
701名無しさんだよもん:03/03/01 00:50 ID:GW8A8+4w
「あははー、佐祐理はもう怒りましたよー!」
 そこには全身を黄金色の魔力でおおい、ビンビンに髪の毛を逆立てる佐祐理の姿があった。
「超(スーパー)さゆりん、ここに参上です!」
 びしーん! と空中でポーズを決める。トランス状態は脱したはずなのだが、未だ浮いたままだ。
「すごいです……佐祐理の体内を強烈な魔力の奔流が駆けめぐってます!」
「…………………」
「翻訳は俺がやろう。『こ……これはまさか……伝説の……』。知っているのか芹香」
「…………………」
「『は、はい。古い書物で一度だけ読んだことがあります……。かつて人の身を超えた膨大な魔力を使役し、
 空を駆け、地を割り、解放されし悪魔と戦った伝説の魔法使い……"カードマスターピーチ"。その上位形態……"超(スーパー)ピーチ!"』
 ……訳すとすごい桃、か」
「あははー、その通りです。博学ですねー芹香さん。けど、これは佐祐理一人の力ではありません。
 あなたの魔力と佐祐理の魔力が融合して、やっとこの姿になれたんです。
 おそらくあまり長い間は維持できませんが……ミサイル一つ迎撃することぐらい、造作も無いことです!」
 叫ぶと同時に、佐祐理の姿は爆光を伴って空の彼方へと消え去った。
「はてさて……消滅魔法メロドーア、成功するのかな……?」
 見送りながら、祐一はポツリと呟いた。

「あははー、久しぶりの……やっと来た佐祐理の見せ場です。がんばりますよー!」
 上空を高速で跳び続ける。佐祐理の目は、華音支部の方向を睨みつけていた。
「あ……光が見えました! あれですねー……!」
 遙か彼方にミサイルらしき光源をとらえる。それは……
 
A 普通のミサイルだった。メロドーア発射準備!
B 『うぐぅうぐぅ』と鳴く奇妙な物体が守っていた。
C なんと一発ではなかった! どれが本物だ!?
D ちなみに、その頃のマンションの様子。
702名無しさんだよもん:03/03/01 00:51 ID:dO6hI2lt
そりゃもうBしか
703名無しさんだよもん:03/03/01 01:14 ID:I8pI6eP+
 佐祐理の目に映ったのは華音支部で見かけたどの戦闘機よりも一回り大きな戦闘機であった。
 機体先端部分に1つ、大きな三角形の翼と水平尾翼の三つを兼ね備えた現代最強の
 運動性を誇るSu-37であった。弾道ミサイルはほぼ真上からトップアタックで飛んでくる故に
 目の前に見えるはずも無い。その機体からはエンジン音以外にも『うぐぅ』と言う奇妙な音を発していた。
(……佐祐理が迎撃してくると踏んだのでしょうね。護衛を出すと言う事は弾頭中身は恐らく
 化学兵器か生物兵器…やってくれますね、秋子さん!!)
『うぐぅ!佐祐理さん、邪魔はさせないよ!』
 外部スピーカであゆが佐祐理に話し掛ける
「月宮さんですか!退いてください!」
『そうはいかないよ!失敗したら謎ジャムでお仕置きされちゃうよ!』
(メドローアの発射体勢に入っているから攻撃は出来ない…せて、どうしましょう)
 佐祐理の目にはその身を赤熱させながら落下してくるミサイルの弾頭が映った。
 落下まで後30秒!

A 久瀬がアヴ・カムゥまで辿り着き佐祐理を援護
B 琴音の超能力の援護が
C あゆのミサイルが発射された
D さて、ゲンジマルの姿を見ない訳だが
E セバスたちの様子が気になる
704名無しさんだよもん:03/03/01 01:21 ID:9qLlTDgO
C
705名無しさんだよもん:03/03/01 01:31 ID:wM5dn+pg
どうして「メドローアであゆごと消滅させる」選択肢がないんだろう?(w
706名無しさんだよもん:03/03/01 01:31 ID:I8pI6eP+
「ムーンパレス(月宮)1!これより交戦にはいるよ!フォックス2!ファイヤァッ!!」
 翼のハードポイントからミサイルが外れる。その瞬間ミサイルのロケットモーターが唸りを上げ
 佐祐理目掛けて飛んでくる。当然、彼女は回避行動を取るがそれをミサイルは追い駆けてくる。
(このミサイルは恐らく…)

A 赤外線誘導だから囮をばら撒けば回避できる
B レーダー自動追尾型だから急旋回、急減速で振り切る
C なんと、ゲンジマルさんがミサイルを刀で打ち落とした
D 久瀬さんの援護が
E 1キロ先からの祐一の狙撃で迎撃
F 琴音の超能力で
G なんと、セバスの投石で 
707名無しさんだよもん:03/03/01 01:32 ID:I8pI6eP+
>>705
それじゃぁ生物兵器入りのミサイルはどうするんだよw
708名無しさんだよもん:03/03/01 01:34 ID:VvlsQRi5
Dだ。
709名無しさんだよもん:03/03/01 01:40 ID:GW8A8+4w
今まで延々とメ"ロド"ーアと書き続けてきたことに気付いたとある冬の夜。

……うっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
710名無しさんだよもん:03/03/01 01:52 ID:wM5dn+pg
>>707
メドローアは「破壊」じゃなくて「消滅」だから無問題かと。

>>709
生`。
711名無しさんだよもん:03/03/01 01:57 ID:I8pI6eP+
 不意に佐祐理の眼下で閃光が煌めいたかと思うと数条の光の筋がミサイルを撃ち抜いた。
 ミサイルはそのまま爆発し破片を撒き散らしながら地上へと落ちていった。
『佐祐理さん、援護しますよ。早く!』
(銃でミサイルを撃ち落すなんて…最早NTの領域ですよ、久瀬さん…)
 久瀬はアヴ・カムゥに乗り込み手持ちのライフルをあゆの機体に向けて放った。
 あゆは機体をロールさせ回避する。だが、それによって佐祐理が一瞬だけミサイルの射線
 上から離れた。これにより佐祐理がメドローアを放つチャンスを作ることが出来た。
(見えた…あれですね)
 ミサイルは外に出ていれば常人にも見えるほどまで接近していた。
(…効果を高める為に散布する高度は600〜800m後、5…4…3…2…1…)
「メドローア!!」
 佐祐理は狙いを定めて、一条の光を放った。そして…

「きゃう〜」
「クーヤ様、どうなされたんですか?」
 クーヤは雲ひとつ無い星空の方を突如振り向いた。其処には赤く光る1つの物体があった。
「あれは…一体…」
 残りの疑問を口に出そうとする前にその赤い物体を巨大な閃光が飲み込んだ。
「きゃぁ!!」
 その光はあたりを昼間の如く照らしながら最後は彼方へと飛び去り、霧散していった。
「何なんでしょうか…あれは」

「ふぅ…成功…ですね…」
 佐祐理は力を使い果たしたのかそのまま落下していった。そして…

A 舞がそれを当然の如く受け止める
B 一番近い久瀬が受け止める
C 今まで出番の無かったゲンジマルが受け止める
D そのまま…
712名無しさんだよもん:03/03/01 01:58 ID:C1em1drU
C
713名無しさんだよもん:03/03/01 01:59 ID:I8pI6eP+
>>710
 折れの描写では落下してくるミサイルとあゆは別物なんだが…判りづらかったか?
714名無しさんだよもん:03/03/01 01:59 ID:NGwCIq0C
B
715名無しさんだよもん:03/03/01 02:16 ID:U7mVPFWX
「……う」
 ゆっくりと目を開く。
「おお、気がつかれたか佐祐理殿」
 ……すると、そこにはゲンジマルが自分の顔を覗き込んでいた。
「あ……佐祐理……」
 現在の状況を、ゆっくりと思い出す佐祐理。そして、当然の疑問が口をつく。
「佐祐理……気を失って……。そ、そうだ! 里は! 里のみんなはどうなりましたか!?」
「……心配めされるな。幸い、全滅は免れた」
「……そう、ですか……」
 ゲンジマルの口調は落ち着いたものだったが、佐祐理はその中から感じ取った。
 そして、全滅『は』。
 ……確実に、何人かの人は死んでしまった、ということだ。

「やァご苦労だったね佐祐理さん」
 その時、頭の上から一つの声が聞こえた。
「むッ、キサマは!?」
 ゲンジマルは反射的に腰の刀に手をやる、が、それは佐祐理が制する。
「だ、大丈夫ですゲンジマルさん……。この方は祐一さん。佐祐理のお友達です」
「そうであったか……」
「いいや、違うね」
「はえ?」
 にべもなく、言う。
 同じ時……
「倉田さーん、大丈夫ですかー!」
 ……道の向こうから、こちらへ走ってくる久瀬の姿が見えた。
「あっ、久瀬さん……」
「……役者は揃ったか」
 祐一は唇をニヤリと歪ませた。
716名無しさんだよもん:03/03/01 02:19 ID:U7mVPFWX

「……相沢か。やはりさっきの声は君だったか」
 祐一の姿を認めた久瀬がやや警戒しながら話しかける。
「まぁな。立ち寄ったらちょうどうたわれの姿が見えたものでな」
「……で、君の目的はなんだ。僕を捕まえに来たのか?」
「いいや、それは佐祐理さんの役目だ。……俺は関係ない」
「そうか……」
「俺が用があるのは、佐祐理さんだよ」
 やや安堵の表情を見せる久瀬。だが、祐一はおもむろに懐から一丁のリボルバーを取り出す。
「はえ? 祐一さん……どうなさったんですか?」
「…………………」
 祐一は無言のまま、佐祐理に銃を投げ渡した。
「久瀬を撃て」
「……え?」
 何を言っているのかわからない、といった表情の佐祐理。
「久瀬を撃て。もしくは俺を撃て。そろそろあなたは決断しなければならない。鍵に戻るのか、あるいは……戦うのか。
 いつまでも逃げているわけにはいかない。……あなた達が知らないだろうが、秋子さんは『神の目』を持っている。
 比喩ではない。正しく全てを見通す『神の目』だ……」
「あ……相沢……!」
 口を挟もうとする久瀬。だが祐一は一喝した。
「黙っていろ久瀬! これは佐祐理さんの問題だ!
 ……さあ佐祐理さん、選ぶんだ。道は二つに一つ。逃げ出しても、K.E.Y.の、あるいはうたわれの刺客が延々と君を追い続ける。
 戦うんだ。道は戦って切り開くんだ。それしかない……さあ決断しろ佐祐理さん! いや倉田佐祐理!
 君の道を! さあ選べ!」
「え……あ……佐祐理……は……?」

A 祐一を撃つ。
B 久瀬を撃つ。
717名無しさんだよもん:03/03/01 02:22 ID:CkDvzgjT
AAAAだ!
718名無しさんだよもん:03/03/01 02:57 ID:zaQ5pzCn
 一つの銃声が響いた。
 硝煙の臭いが鼻をつく。
 佐祐理の手の中の銃口は祐一を向いており、放たれた弾丸は彼の胸を貫いていた。
「はは……ッ、そう来たか……」
 祐一はニヤリと笑い、後ろに倒れた。
「……ごめんなさい祐一さん」
 佐祐理が独白するように話しかける。
「やはり、佐祐理はK.E.Yのやり方には反対です。非道な手を使って勝ったとしても、それで何を得るのでしょう?」
「勝利さ」
 夜空を仰いだまま、祐一は呟いた。
「勝利を得ることが出来る」
「………それ以外は」
「敗北は全てを失う。勝利は敗者の全てを奪う」
「…………………そうですね。そうかもしれません」
「だから俺たちは勝ち続けてきた。無数の屍を乗り越え、その上に今の生活を手に入れた。
 それは俺も、君も、なにも変わらない」
「……とにかく、佐祐理はそんな勝利のために戦うことは出来ません」
「鍵に立ち向かうというのか? たった一人で」
「いいえ。佐祐理には舞がいます。そして久瀬さんがいます」
「同じことだ。鍵全軍相手に1人が3人になろうと同じことだ」
「それでも、佐祐理は戦わなければなりません。今こうしている間にも、戦争の犠牲になっている人がいるんです」
「そうか……」
 祐一はやはり倒れたまま、マントの中に手を入れた。
 次に出てきた時には、一つの封筒が握られている。
「これを持っていけ」
 ヒュッ、と佐祐理に投げ渡す。
「これは?」
「秋子さんは今華音支部に駐屯している。あそこの司令の七瀬留美は秋子さんに頭が上がらないからな。事実上華音・尾根支部構成員は秋子さんの傘下だ」
「……覚悟はしています」
719名無しさんだよもん:03/03/01 02:59 ID:zaQ5pzCn
「仲間と戦うことか。……だが、知っての通りK.E.Y組織は支部ごとの独立性が強い……特に、今回の件に関して空支部は……晴子さんはかなり君たちに同情的だ。
 交渉によっては保護、あるいは協力を求めることも可能だろう」
「え……?」
「月支部内の見解は『華音支部のお家騒動』で一致している。……『誰か』が秋子さんに取って代わっても、K.E.Yという組織自体は代わるまい」
「祐一さん、あなたは何を……」
「その封筒の中には、俺が密かに内定を進めていた各支部の情報、及びこれからしばらくの秋子さんの行動予定が書かれている。
 先ほどのメドローアの影響でここはしばらくの間神の目からは逃れているだろう……行くがいい」
 そこまで言うと、祐一はゆっくりと立ち上がった。
 徐々に彼の背中には皮膜の羽が広がっていた。
「俺は華音の人間、水瀬の者だ。敵対する者は、滅殺しなければならない。……次に会った時、それは俺たちが殺し合う時だ」
 ぶわっ、と彼の身体が空中に浮かび上がる。
「ま、待ってください祐一さん!」
「道は照らされた。進むのはあなただ佐祐理さん」
 そして見る間に夜空に溶け込み、小さくなっていく。
「さようなら、できればもう一度、あなたの作ったお弁当を食べたかった」
「祐一さん! 待ってください! ……祐一……さん!!!!」
 そして……

A 佐祐理の思い
B 久瀬の思い
C サクヤの思い
D 舞の思い
720名無しさんだよもん:03/03/01 03:01 ID:zaQ5pzCn
まちがい
>>718
×:「秋子さんは今華音支部に駐屯している。
     ↓
○:「秋子さんは今尾根支部に駐屯している。
721名無しさんだよもん:03/03/01 03:27 ID:EctYUmba
B
722名無しさんだよもん:03/03/01 03:47 ID:9Dt/8WE+
戦いはまだ始まったばかりだw
723名無しさんだよもん:03/03/01 03:52 ID:dQRYmPa0
>>722
打ち切りっぽくなるから言わない
鉄鍋の詩子じゃあるまいし
724名無しさんだよもん:03/03/01 09:20 ID:wM5dn+pg
>>723
ここで切った方が美しいと思うのは俺だけじゃないと思うんだが(w
725名無しさんだよもん:03/03/01 09:40 ID:bszP7Q1W
逆に俺にはまだなにもやってないように見えるんだが。
逃げてただけじゃん。
726名無しさんだよもん:03/03/01 11:06 ID:efqHNmfD
ま、確かにこれ以上続けると下手すりゃ柳川のときみたいにグダグダになる可能性あるかもな
727名無しさんだよもん:03/03/01 12:33 ID:Vb/a8bNT
議論は支援サイトでやってくれ〜。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/6752/sentaku/index.htm
728名無しさんだよもん:03/03/01 12:33 ID:Dk+LatLf
久瀬が脱出してからはほとんど何もしてないに等しいだろ。

つーか、あれだ。話の趣旨というか指針を決めたら?
なんかもうぐちゃぐちゃだ。
ラブコメの時ならまだしもシリアスになってオレ設定全開の物書かれても引くわ。

あと、やけに早く終わらせようとする奴は荒らし認定。
729名無しさんだよもん:03/03/01 12:48 ID:dO6hI2lt
>>728
全ては選択が決める。それがこのスレにおける唯一絶対の法則だからね……
指針決めてもほぼ無駄無駄です。
730名無しさんだよもん:03/03/01 13:24 ID:bszP7Q1W
つか、途中で終わらせるにしてもここだと色々な意味で中途半端だと思うんだが。
731名無しさんだよもん:03/03/01 15:21 ID:COFEARPT
今回は終わらなかった。終わらせたい香具師は次の機会を狙えばいい。
それだけのことじゃないのか?
選択肢に無かったというのなら、次はそういう選択肢を作って書けばいい。
732名無しさんだよもん:03/03/01 20:13 ID:LNYIawXg
 久瀬は悩んでいた。
 祐一が去った後、少し考えをまとめさせてくれと言って佐祐理は舞を伴ってどこかへ去っていった。

 久瀬は、一人悩んでいた。
 自分はどうするべきなのだろうか。
 相沢の言いたいことはわかる。自分たちが生き残るためには華音支部を、そして秋子さんを蹴落とし
 その座に倉田さんを就かせるしかないということだろう。
 話自体は単純だ。
 
 だが出来るのか?
 自分たちに出来るのか?
 あの修羅のごとき秋子さんに勝てるのか?
 
 久瀬はあてもなく、集落の中を彷徨っていた。
 
 考えが頭の中で堂々巡りをしてまとまらない。
 
 そんなことをしているうち、自分の目の前に誰かが立っていることに気がついた。
 それは、
 
A ゲンジマル
B サクヤ
C クーヤ
D 雅史
733名無しさんだよもん:03/03/01 20:24 ID:eR+4uBeV
C
734名無しさんだよもん:03/03/01 22:02 ID:43y9LZDs
「くぜー、くぜー」
「クーヤ、か……」
 顔を上げると、そこにはいつも通りにきゃっきゃとはねるクーヤの姿があった。
「ダメだろう。サクヤから離れては……って、そういえばサクヤは?」
「さくやー、てつだいー」
「てつだい……ああ、手伝いか。後片付けを手伝ってるわけだな」
「むー」
 サクヤがいないことが不満なのか、やや仏頂面なクーヤ。
「はぁ……僕はどうしたらいいんだろうな」
「うきゅぅ?」
 相手が子供 ——少なくとも精神は ——ということに安堵を感じているのか、自然と久瀬の口から言葉が漏れ出ていった。
「僕の人生は陰謀、奸計、組織、派閥、そして裏切りの連続だった。その中を僕はずっと生きてきたんだ……」
「むぅ……」
「今回の戦争だってそうだ。僕は僕の信じるまま、うたわれ、K.E.Y.とほとんど何の躊躇いもなく、間を行き来していた」
「もきゅう……」
「しかし、今になってやっとそのツケが回ってきた……確かどこかの童話にもあったな。獣と鳥が戦争をして、どっちにもついて、
 結局どちらからも捨てられた存在 ——蝙蝠だ。ははっお笑いだな。本当の蝙蝠は相沢ではなく、僕がふさわしい。
 鳥の翼と、獣の体……どっちつかずの中途半端な哀れなる存在、それが僕だ……」
「うう……」
「僕が逃げ出したのも、たぶんそれが一番楽だったからだ。
 君や、サクヤと一緒にいるのが、一番楽だったからだ。秋子司令に立ち向かうこともせずに、逃げ出した。
 それが一番楽だったからだろう。……けど、それももう限界だ……」
 頭を抱えて蹲る久瀬。見ようによっては、クーヤに懺悔しているようにも見えた。
「……僕は、どうしたらいいんだろうか……」
「くぜ……」

A いきなりクーヤが「情けない奴だ」と説教を始めた。
B いきなりクーヤに頭を撫でられた。
C いきなりクーヤが唇を重ねてきた。
D ひっ叩かれた。
735名無しさんだよもん:03/03/01 22:04 ID:e3EhdpM0
よし、B。
736名無しさんだよもん:03/03/01 23:55 ID:wM5dn+pg
 いきなりクーヤに頭を撫でられた。
「くぜー、くぜー」(なでなで
「……え?」
「くぜー、すきー。くぜー、がんばれー」(なでなで
 多分クーヤもいろいろ言いたいことはあったんだろう。
 でも、今のクーヤに出来ることは、それだけだった。
 そして、今のクーヤに出来ることがそれだけなんだと、久瀬も知っていた。
「そうか……そうだな。頑張るしかないんだろうな」
 そう言って久瀬は、クーヤの頭に手を置いた。
「ああ、頑張るよ。頑張る。僕に出来ることは、それだけだ」(ぽふっ
「くぜー、がんばれー」(なでなで

 しばらくそんな時を置いて、久瀬は立ち上がった。
 決意を決めるなんて簡単なことだ。きっかけさえあれば。
 やるべきことなんてすぐそこにある。きっかけさえあれば。

 そして久瀬は……

A K.E.Y.華音支部に単騎駆け
B ゲンジマルに協力を申し入れる
C 倉田佐祐理を暗殺する
D 相沢祐一に協力を申し入れる
E クーヤとサクヤを連れて夜逃げ
F 戦ばかりの世を儚んで毒をあおる
737名無しさんだよもん:03/03/01 23:57 ID:I8pI6eP+
変な選択選ばれないうちにB
738名無しさんだよもん:03/03/02 00:41 ID:EqB77Fco
「……よし」
 久瀬は心に一つ決意を定めた。
「くぜー、がんばれー」
「もちろんさ。ここで頑張らなきゃ僕じゃない。クーヤ、君は早くサクヤの元へ戻ってるんだ」
「おー」
 向かう先は、ゲンジマルの家!
 
「あれ? 久瀬さん?」
「倉田さん?」
 ……ゲンジマルの家の前、久瀬は佐祐理と鉢合わせた。
「久瀬さん……どうしてこんなところに?」
「……どうやら目的は同じようですね」
 言葉はそれだけで十分だった。
「……………(うん)」
 無言でお互い頷き合い、扉を叩く。
「ゲンジマルさん、久瀬(佐祐理)です。重要なお話があります」
739名無しさんだよもん:03/03/02 00:44 ID:EqB77Fco
「……なるほど」
 ゲンジマルの家は藁葺き日本家屋であった。大間の中心、炭の燻る囲炉裏を囲みながら、久瀬・佐祐理・ゲンジマルが相対する。
「K.E.Y.拠点攻略を、某に手伝ってくれ……と」
「はい……佐祐理たちだけでは戦力に不安があります。ここは、生ける伝説と呼ばれるゲンジマルさんのお力を……」
「……むぅ……」
 ゲンジマルはずずず……と一口茶を啜り、碗を置いた。その音がいやに大きく感じた。
「すまんないが、その申し出は受け入れられん」
 深く頭を垂れつつ、詫びをする。
「……なぜですか」
 静かに、あくまでも静かに佐祐理は問いかける。
「確かに、某も出来ることなら貴殿らの手助けをしたい。しかし……某が去ればこの里の者はどうなってしまうのか。
 此度の襲撃でまたもや死者・怪我人が多数出てしまった。
 某の留守の隙に、もう一度……もう一度何者かに襲われてしまえば、ここの民はそれこそ皆殺しにされてしまうだろう。
 某はここを離れられぬのだ……。すまぬ……申し訳ない」
「くっ……確かに……。倉田さん、どうしますか。これではゲンジマルさんに無理は言えない……」
「面目ない……某も、何とかしたいのだが……こればかりは」
 ゲンジマルの話を聞いた佐祐理はたっぷり数分間押し黙り、考えをまとめていた。
「…………………」
 そして……出した結論は

A 仕方がないから自分たちだけでやる。
B 晴子さんとコンタクトを取ってみる。
C 傭兵を雇う。
D その時、外から住民の声が聞こえた。
740名無しさんだよもん:03/03/02 00:51 ID:f4cTc4Jx

あまり人を増やさずに。
741名無しさんだよもん:03/03/02 00:55 ID:tM/7dMmO
マンション組は全滅したの?
742名無しさんだよもん:03/03/02 01:03 ID:0OFlTQat
少なくとも舞・サクヤ・クーヤは無事なはずだ。
743名無しさんだよもん:03/03/02 02:33 ID:PdaP0HVc
「仕方ありません……佐祐理たちだけでK.E.Y攻略に向かいましょう」
佐祐理は溜め息を吐き言った。
「しかし倉田さん――」
「確かにまともに戦っても勝ち目はありません、佐祐理たちの行動は『神の目』によって筒抜けです。」
「つまり――『神の目』の無力化ですね?」
「そうです。例え『神の目』と言えども所詮は人が作った機械です。システムを乗っ取ってしまえば何もできません。」
久瀬は考えた。確に効果的だが『神の目』に侵入できそうなコンピューターと言えば限られてくる。ありそうな場所といえば……

A 空本部
B 来栖川財閥
C 霧島診療所
744名無しさんだよもん:03/03/02 02:42 ID:0OFlTQat
順当にB
745名無しさんだよもん:03/03/02 14:18 ID:ERUvSlA4
AKIRAの成功や柳川(平安編)の失敗のせいで、
「人を増やさない事が良い」みたいな神話ができてないか?

ある程度人数出さないと、話動かせない気がする。
それにこれは、戦争ものなんだから今のメイン5・6人だけじゃ立ち行かない
思うんだがどうだろう。
746名無しさんだよもん:03/03/02 15:14 ID:UzuPSs3k
  『神の目』ほどのシステムとなるとプロテクトも世界最高水準のものが惜しげもなく使われているに違いない。
 その形容には難攻不落という言葉が相応しい。
 そのプロテクトを破れるようなコンピューターなど……。
「いや、待てよ。一つだけ……」
「何か心当たりでも?」
「ええ。と言っても噂程度の内容ですが。いや、むしろ現代の伝説と言うべきか……」
「伝説?」
「ええ」
 久瀬は目を閉じ、かつて知り合いのハッカーから聞いた話を思い返した。

「今から二年ほど前、来栖川財閥のネットセキュリティを新しいシステムに変更したそうです。
 そのシステムの堅牢さたるやそれまでの比ではなく、以降来栖川の内部情報と言えば軍事機密よりもガードの固いものとして知られるようになった。
 そのセキュリティシステムを作りあげた者の名は明らかではない。
 だが、一つだけ噂があった。
 セキュリティシステムを作ったのは人ではない。
 来栖川研究所が総力を結集して作り上げた最新のコンピューターであると」
747名無しさんだよもん:03/03/02 15:15 ID:UzuPSs3k
 コンピューターの発達した現在でも所詮機械は創造性の面で人には適わない。
 すでにあるシステムの運用ならともかく一からシステムを作り上げるとなるとやはり熟練の技術者が機械の上を行く。
 だが、来栖川の最新式コンピュータはその壁をついに超えたのだと噂された。

「真偽のほどはわかりません。ですが、もし『神の目』を打ち破るとしたら……」
「それしかないということですか?」
「……ええ」
「なんて名前なんです、そのコンピューター」
「これもまた、まことしやかな噂でしかありませんが……
 たった三文字のアルファベットでこう呼ばれるそうです。
 『HMX』……と」

A まっすぐに芹香さんの元へ
B まずは下調べ『HMX』とは?
C ちょっと胡散臭すぎませんか? その話。
748名無しさんだよもん:03/03/02 15:16 ID:iTFZ6hjU
A
749名無しさんだよもん:03/03/02 15:26 ID:NXsd5qOH
まあ地獄の黙示録とローマの休日を同じに考えるのも無理というものか。
750名無しさんだよもん:03/03/02 18:47 ID:PZJr1gWn
 芹香はマンションにいなかった。
 しかし、彼女を見つけるのは難しくなかった。
 2人は墓場へ向かう。……今回の襲撃でいきなり賑やかになった墓場に。
「……芹香さん」
 彼女はいた。
 並べられた二つの墓標。作りの相似性からほぼ同時期に作られたことが見て取れる。
 墓碑銘は『藤田浩之』そして『長瀬源四郎』……源四郎の横には『セバスチャン』とも書かれてあったのだが。
 心中は察するに余りあるが、かといって時間に余裕は無い現状。おずおずと、佐祐理は口を開いた。
「少し……お話があるんですが……よろしいでしょうか」
 それまで身じろぎ一つしなかった芹香だが、一言、答えた。
「……………はい」

 久瀬と佐祐理の2人は芹香の隣に並び、結果3人で墓に手を合わせる形になる。
 そんな中、久瀬は話を切り出した。
「申し訳ありませんが、単刀直入にお伺いします。かつて最強と謳われたあなた方来栖川財閥のセキュリティシステム、
 そしてそれを作り上げたと言われる"HMX"……についてお話を伺いたい」
「……………………」
「理由は簡単です。僕らは今回、鍵に反旗を翻すことに決めました。僕らが生き残るにはそれしかないからです。
 尾根支部を襲い、水瀬秋子司令をその座から突き落とす……。
 そのためには相沢の言うところの『神の目』、K.E.Y.の持つ衛星兵器を黙らせる必要があります。
 そこで、あなた方の持つ"HMX"の力を借りたいのですよ」
「……………………」
「衛星兵器『ルンペルシュティルツヒェン』……? 知っているのですか?
 イージス艦と似たシステムを搭載して、655535の目標を同時に識別!? 自動で弾道ミサイルを発射!? ハッ、イカしてるな……」
「……………………」
「え? 相沢と戦うのか……? そりゃあ……そうなるでしょうね。あくまでもアイツは鍵の人間だ。
 完全に僕らと袂を分かつことになった今……奴と、僕らは、敵同士です」
「……………………」
「え? HMXシステムは来栖川陥落直前に持ち出した? ……それはありがたい、で、今はどこにあるのですか?」
「……………………」
751名無しさんだよもん:03/03/02 18:48 ID:PZJr1gWn
A (言えません……)
B (私の妹と行動を共にしているはずです……)
C (ここの地下のメインコンピュータに入れてあります……)
D (……破壊されました)
752名無しさんだよもん:03/03/02 19:08 ID:2HnzMfoC
B
753名無しさんだよもん:03/03/02 22:50 ID:t1EDPlr4
「妹? あなたの妹さんですか?」
「………………………」
「……なるほど。あなたの妹さんの来栖川綾香さんと行動を共にしているメイドロボに、"HMX"のデータが保存してあると」
「………………………」
「違う? ……"HMX"は……彼女そのもの? 彼女自身が来栖川のセキュリティシステムを構築した? ……なるほど」
「………………………」
「で……あなたの妹、『来栖川綾香』は今どこに?」
「………………………」

A (うたわれ施設に監禁中)
B (K.E.Y.施設に監禁中)
C (市街戦の際別れ別れになってしまい、皆目見当がつかない)
D (修行の旅に出た)
754名無しさんだよもん:03/03/02 22:52 ID:4dk3mYaR
B
755名無しさんだよもん:03/03/02 23:10 ID:I4pWmUfR
「………」
「ふぇ?『K.E.Y』に軟禁されている?どこかは分かりますか?」
しかし、佐祐理の問いに、芹香は力なく首を横に振る。
「……まいったな。振り出しか。」
と、久瀬が頭を抱えたそのとき。
PiPiPiPiPi……
佐祐理の持つ携帯端末が音をたてた。
佐祐理の顔がさっと青ざめる。久瀬のアヴ・カムゥの発信機を壊しておきながら、
今の今までK.E.Y支給品の携帯端末を破棄するのを完全に失念していたのだ。
「あははー、佐祐理とした事がとんでもない失態をお見せして……とりあえず、まじかる…」
指先に魔力を込め、端末を壊そうとしたその時……!
「こちら空市総本部。倉田佐祐理、話があるからさっさと応答しいやー!
あ、この回線は総司令専用の非常回線やから盗聴その他の心配はあらへんで!」
聞き慣れた、かつての上司の声が辺りに響いた。

A:総司令は自分達に同情的だと言うし、藁をもすがる気持ちでとりあえず話を聞いてみる
B:ちょっと怪しい。無視して端末を壊す
C:迷っている間に通信が切れてしまった
756名無しさんだよもん:03/03/02 23:12 ID:c1nRpBBD
A
757名無しさんだよもん:03/03/02 23:26 ID:t1EDPlr4
「あ……もしもし……晴子さんですか?」
「おう久しぶりやなぁさゆりん。元気にしとったか」
 さゆりん……相変わらずのようですね。
「まぁぼちぼちやっとりますです」
「ほうかー、それはよかったなぁ。ところで……」
 ここで、晴子さんの声のトーンが一気に変わりました。
「今回はまたどえらいことしでかしてくれたなぁ。まさかK.E.Y.を裏切るとは……」
「はい……」
「まぁ気持ちはわからんこともないけどな。最近の秋子はんは色々と暴走しとるし。甥っ子の……何て名前やったかな?」
「相沢祐一……さんですか?」
「ああそやそや。あの男が居(お)るからまだ抑えられとるが、いなかったらとっくの昔にやっばい兵器も使(つこ)うとるだろうからなぁ」
 うーん、相変わらず話が脱線しやすいお人です。
「それでその……晴子さん、今回は佐祐理たちにどういったご用で……」
「おっとそうやったな。さゆりん、悪いことは言わん。空市に来ぃや。秋子はんに詫び入れるにしても何するにしても、そこやったら
 枕も高くして寝れんやろ。うちも酔っぱらいやけど相談相手くらいにはなるで。ぶっ壊された建物も少しは復旧しとるしな」
 ……うーん……。
「どう思いますか? 久瀬さん」
「嘘はついていないとは思いますけどね……。僕にはなんとも。ここは倉田さん、あなたに任せますよ」
 そうですね……それでは……
 
A お言葉に甘え、とりあえず空市へ行く。
B 綾香さん、及び"HMX"の情報をたずねる。
C 里の人たちも連れて行っていいか訊いてみる。
D やっぱり信用出来ない。通信を切る。
758名無しさんだよもん:03/03/02 23:25 ID:t1EDPlr4
「あ……もしもし……晴子さんですか?」
「おう久しぶりやなぁさゆりん。元気にしとったか」
 さゆりん……相変わらずのようですね。
「まぁぼちぼちやっとりますです」
「ほうかー、それはよかったなぁ。ところで……」
 ここで、晴子さんの声のトーンが一気に変わりました。
「今回はまたどえらいことしでかしてくれたなぁ。まさかK.E.Y.を裏切るとは……」
「はい……」
「まぁ気持ちはわからんこともないけどな。最近の秋子はんは色々と暴走しとるし。甥っ子の……何て名前やったかな?」
「相沢祐一……さんですか?」
「ああそやそや。あの男が居(お)るからまだ抑えられとるが、いなかったらとっくの昔にやっばい兵器も使(つこ)うとるだろうからなぁ」
 うーん、相変わらず話が脱線しやすいお人です。
「それでその……晴子さん、今回は佐祐理たちにどういったご用で……」
「おっとそうやったな。さゆりん、悪いことは言わん。空市に来ぃや。秋子はんに詫び入れるにしても何するにしても、そこやったら
 枕も高くして寝れんやろ。うちも酔っぱらいやけど相談相手くらいにはなるで。ぶっ壊された建物も少しは復旧しとるしな」
 ……うーん……。
「どう思いますか? 久瀬さん」
「嘘はついていないとは思いますけどね……。僕にはなんとも。ここは倉田さん、あなたに任せますよ」
 そうですね……それでは……
 
A お言葉に甘え、とりあえず空市へ行く。
B 綾香さん、及び"HMX"の情報をたずねる。
C 里の人たちも連れて行っていいか訊いてみる。
D やっぱり信用出来ない。通信を切る。
759名無しさんだよもん:03/03/02 23:28 ID:t1EDPlr4
二重カキコすまそ。
760名無しさんだよもん:03/03/02 23:28 ID:odnZpB6W
Bで逝こう
761名無しさんだよもん:03/03/02 23:28 ID:iTFZ6hjU
とりあえずB
762名無しさんだよもん:03/03/02 23:28 ID:8uJ7Epkv
763760:03/03/02 23:30 ID:odnZpB6W
>>761-762
考える事は皆同じかw
764名無しさんだよもん:03/03/02 23:30 ID:n20C7WYz
>>760-762
ジェットストリームアタック
765名無しさんだよもん:03/03/02 23:36 ID:I4pWmUfR
「久瀬さん……」
佐祐理が、久瀬に目配せする。
こうなった以上、たとえ罠だとしても少しでも情報が欲しい。
と、急に晴子の声のトーンが下がる。
「実はな。通信した理由はもう一つ。あんたらに折り入って頼みがあるんや。
おそらくあんたらの『探し物』にも関係あると思う。」
「探し物……?」
「『HMX』……ちゃうか?この世で『神の目』に対抗できるのはアレだけや。」
佐祐理は思わず息を飲んだ。普段はそんな素振りを見せないが、やはり総司令。
考えはお見通しらしい。
「ウチの頼みを聞いてくれたら……『HMX』のありかを教えてもえぇ。どうや?」

A:乗る
B:頼みが何か聞かせて欲しい。全てはそこからだ
C:断る。
D:晴子の後ろに何時の間にか誰かが……通信を切られてしまう
766名無しさんだよもん:03/03/02 23:44 ID:ZHB/TL3b
A
767名無しさんだよもん:03/03/02 23:44 ID:V+FjreQs
結局Aになりそうだけど、とりあえずB
768名無しさんだよもん:03/03/02 23:48 ID:t1EDPlr4
「乗りましょう」
「ええ子や。お姉ちゃん、物わかりのいいさゆりんは大好きやで」
「………………」
 突っ込みたいところではありますが、話がややこしくなるので置いておきましょう。
「で……"HMX"の場所は?」
「月支部や。システム搭載のメイドロボ、及びその主人は現在月支部が管理しとる」
「……ありがとうございます」
 さて……それでは……次に、向こうの話ですね。
「それで……晴子さんの、頼みとは?」
「ああそれか。それはな……」

A 秋子を蹴落とした後、晴子の後ろ盾になってほしい。
B 観鈴の友達になってほしい。
C 華音制圧後、ルンペル(略)の支配権を空市に譲渡してほしい。
D 今度こそ佐祐理にエロちっくな告白をしてほしい。
769名無しさんだよもん:03/03/02 23:52 ID:NoRu0yb7
一番難しそうなBで(w

ところで支援サイト座談会スレでDOLLの反省会やるみたいだよ。
770名無しさんだよもん:03/03/03 00:19 ID:CoNClmeq
「うちの観鈴の……友達になって欲しいんや。」
こけっ。
いきなり、場の雰囲気が白ける。
「あははー、いきなり何を……」
だが、通信機の向こうの晴子の声は至って真剣だ。
「あの子にはちょっと難儀な病気があってな。親しい友人がでけへんのや。
頼む、この通りや。」
と、通信機の向こうで音がする。おそらく頭を下げているのだろう。
「そ、そんな、頭をさげられなくても、そんな事おちゃのこさいさいですよー!」
「ホンマか!いや、恩に着るわ。それじゃ観鈴……はっ!」
「ふぇ?どうかしましたか?」
「スマン、依頼がもう1個増えてまったわ……今、観鈴は……」
暫しの沈黙の後、晴子は続ける。
「月支部は今、親秋子派と反秋子派の真っ二つに割れて争っとる。
まぁ、内乱状態やな。加えてあそこで華音支部の命で『うたわれ』の捕虜や普通の人間でも
特殊な能力の持ち主を使って非人道的な人体実験が行われとるらしい。
そこに…出向しとったウチの娘と居候、それにその護衛の遠野姉妹が巻きこまれとるんや。
その4人を…『HMX』と一緒に月支部から救出して欲しい。」
「晴子さん……」
「頼む。この通りや。ウチらが直接動けば間違いなく尾根、華音連合との全面衝突になる。
そうなればウチらに勝ち目は無い。それに現状は幸い『うたわれ』の動きは若干鈍っとるが、
今攻勢に転じられたら間違いなくウチらは総崩れや。それだけは避けないと……」
771名無しさんだよもん:03/03/03 00:19 ID:CoNClmeq
「分かりました。佐祐理達はその方々を救出して来ればいいんですね?」
凛とした佐祐理の声に、晴子の方は思わず涙声になってしまっていた。
「おおきに。ほんま、おおきに……あんたらが行っとる間、
ウチらで何としても秋子はん達は押さえておく。だから、観鈴を……」
「了解です!……それでは晴子さん、秋子さん達に見つかるといけないので。」
「せ、せやな。……ほんま、頼む。」
その一言を最後に、通信は途絶えた。
「さて、次の目的地は月支部、ですか……」

A:芹香が連れていって欲しそうにこちらを見ている
B:久瀬、舞、サクヤと作戦会議
C:とりあえず食事にしましょう。他の人達の所に戻る。
D:兵は迅速を尊ぶ、すぐに出立
772名無しさんだよもん:03/03/03 00:21 ID:SDgFvIVJ
C
773名無しさんだよもん:03/03/03 00:52 ID:sAwDCu+O
「とりあえず食事にしましょう。腹が減っては戦は出来ぬ、というわけでもありませんが、
 昨日の夜からみなさん動きっぱなしです。この辺りで一休み取っておくのが上策というものでしょう」
「異議なし。……実を言うとね、僕もお腹がペコペコだったんあ」
 苦笑しながらの、久瀬。
「あははーっ、久瀬さんでもお腹が空くことあがるんですね」
「おいおい、それは酷いよ倉田さん」
 はははは……と乾いた笑い。
 
 行く道は、決して楽ではない。
 だが、そこに道があるのだ。
 ならば……進んでみせよう。照らし出された道を、歩むのは自分の足なのだから。
(そうですよね……祐一さん)
 遠い空に一つ、佐祐理は思いを飛ばした。

 尾根支部作戦司令室。本来七瀬が座るであろう司令官の位置に、今は秋子が腰掛けている。
「ふむ……そう来ますか、みなさん……」
 手元の紙……月支部からの電文をプリントアウトしたものを見ながら、秋子は呟いた。
「どうしましたか? 秋子さん」
 いつもなら祐一が立っている位置。秋子の隣。そこに今彼の姿はなく、代わりに本来の司令官、七瀬留美がいた。
「月支部が私への賛成派と反対派で真っ二つに別れているそうです。愚かな話ですね」
「……で、どうするんですか」
「もちろん、反逆者にはここで全て死んでいただきます。……そこで七瀬さん、尾根支部の人員を少々割いて
 賛成派の支援に回っていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
 No,と言えるはずもない。
「わかりました。では……」

A 里村茜率いる航空部隊を。
B 私のアヴ・カムゥ試験部隊を。
C 川名みさき率いる隠密部隊を。
D 氷上シュン率いる超常能力部隊を。
774名無しさんだよもん:03/03/03 00:55 ID:654PUP97
A でお願いします。
775名無しさんだよもん:03/03/03 01:53 ID:4ltyR+Na
「茜の航空部隊を出しましょう」
「氷上さんの方が適任なのでは? 月支部には郁未さんを始め普通じゃない人が多いですよ?」
 この娘はそんなことも分からないんでしょうか?
「分かってます。けど、これは内乱です。
こういう事には、任務に情を挟まない茜が最適かと思いまして……」
 たしかに、氷上さんでは残酷になりきれない部分がありますね。その点里村さんは私と同じ人種なので確かに適任かも知れません。
「分かりました。では、反対派の鎮圧には里村さんを向かわせてください」
「了解」
 そう言って七瀬さんは司令室から退出していきます。
「あっ、ちょっと待ってください」
「なんでしょうか?」
「里村さんには手段を選ばず最も効率の良い方法をとるようにと伝えなさい」
「……分かりました」
 うふふふ、これで私の目的にまた一つ近づきますね……

A 視点変更 うわわれ側
B 視点変更 佐祐理側
C 視点変更 七瀬
D このまま秋子視点で
776名無しさんだよもん:03/03/03 01:56 ID:g2bF0E2e
B
777名無しさんだよもん:03/03/03 17:00 ID:IF7kBkJk
「佐祐理たちは、これから月支部へ向かいます」
 沈んだ雰囲気で食事を摂る中、おもむろに佐祐理は切り出した。
「晴子さんの情報を信頼するなら、そこに華音支部の誇る衛星兵器『ルンペルシュティルツヒェン』を沈黙させることが可能な唯一の鍵、
 かつて最強と謳われた来栖川のセキュリティシステムを構築した『HMX』、及び来栖川綾香さんが監禁されているとのことです。
 一刻も早く彼女らを月支部から救い出し、華音攻略の足がかりとする。これしか佐祐理たちに残された道はありません」
 説明を久瀬が引き継ぐ。
「現在月支部は親・反秋子派で真っ二つに別れているとのことです。具体的に両者がどの程度の力関係なのか、
 綾香嬢・HMXがどのような状況に置かれているのかなどは全くわかりません。しかし……」
「現状、華音・尾根に続き月まで秋子派の手に落ちたら佐祐理たちに最早勝ち目はありません。ここは何としてでも月をこちら方に引き込み、
 彼我戦力差を2:2(華音・尾根:月・空)として拮抗状態まで持ち込む必要があります」
 ここまで説明すると、サクヤが手を挙げた。
「あの……」
「どうしたんだい、サクヤ」
「私と……クーヤ様はどうしましょうか。何か久瀬さんたちのお手伝いをすることは出来ますか……?」
「む……それは……」
 一瞬言葉に詰まる久瀬。確かに、連れて行くにしても残すにしても、相応の危険は付きまとう。
「……倉田さん、あなたはどう思いますか?」
 ここで久瀬は佐祐理の判断を仰ぐことにした。
「久瀬さんのアヴ・カムゥはサクヤさんがいないと動かないんでしたっけ?」
「いえ、そんなことはありません。ただ、彼女がオペレーターの役目を果たしてくれると僕としても非常に助かるのですが……」
「彼女を戦いの場に連れ出すのは、あまり久瀬さんとしても本意でない、と」
「ええそうです。……ここはどうしたものでしょうか」

A サクヤ・クーヤともにこの場に残す。
B サクヤだけ連れていく。
C 2人とも連れていく。
D むしろ月へは佐祐理と舞だけで行く。
778名無しさんだよもん:03/03/03 17:15 ID:H4yAq0O+
A
779名無しさんだよもん:03/03/03 23:21 ID:L3ETtHqS
「サクヤ君、君とクーヤはここに残るんだ」
 指をさしながら久瀬は言った。
「け、けれど……」
「少なくとも、これから戦いの真っ直中に突っ込んでいく僕らについてくるよりは
 ゲンジマルさんの守るここにいた方が安全だ。いいね、君たちはここに残ってるんだ」
「……はい」
 渋々、といった様子ながらもサクヤはうなずいた。
 
「……佐祐理さん、後悔しないね? あなたたちだけならまだ助かるかもしれないよ」
 里への入り口、道祖神前。
 不意にそこで久瀬は佐祐理に尋ねた。
「もちろんですよ。ここまで来たら佐祐理だって後に退こうなんて思いません。……行くところまで、行きます」
「……川澄さん、あなたは?」
「私はいつまでもどこまでも佐祐理について行く。K.E.Y.もうたわれも、秋子さんも久瀬も関係ない。
 私は、佐祐理だけについて行く」
「……相沢と戦うことになってもかい?」
「…………………」
 沈黙する舞。
「……すまなかった。僕としたことが、ぶしつけだったな」
「………いや」

「では佐祐理殿、舞殿、久瀬殿。御武運を。後のことは某めに任されい」
「ええ……頼りにしてますよ、ゲンジマルさん」
 見送りはゲンジマルと、そして芹香の2人だけだ。
「………………」
 ……不意に、芹香が佐祐理に近づき、何か耳打ちした。
「どうしましたか芹香さん? ……え!? 連れていってほしい? 綾香を……助けたい?」
「………………」
「浩之さんも、セバスチャンさんも亡くなられて、残った身内は綾香だけ……いえ、そんなこと言われましても……うーん……」

A わかりました。ご一緒しましょう。
B ダメです。今回の作戦はとっても危険なんです。
780名無しさんだよもん:03/03/03 23:28 ID:meUAyvFS
781名無しさんだよもん:03/03/03 23:44 ID:L3ETtHqS
「わかりました。ご一緒しましょう」
「倉田さん?」
「……親しい人を失った悲しみは、佐祐理にもわかります……。それに目の前に愛しい人の手がかりがあるんです。
 この状況で、ただ待っていろという方が残酷ですよ。それに、芹香さんの魔法は(佐祐理ほどではないにしろ)強力ですし、
 何より超(スーパー)さゆりんに変身するには彼女の協力が必要ですしね」
 久瀬は嘆息を一つ漏らした。
「……なるほど、そういうことでしたか。ならば僕も何も言いません。……時間が少ないです。行きましょうか」
 言うとアヴ・カムゥのハッチを閉め、先頭に立って歩き始める久瀬。
 その後ろに続き、佐祐理、舞、芹香も続いていく。
「そういえば芹香さん、ここからK.E.Y.の月支部まではどのくらいかかるんですか?」
「……………………」
「うーん、極端に遠いわけではないですけど近くもありませんね。……しばらく歩き通しになりそうです」

 月支部、司令室。
「………と、言うわけです。そちらに里村茜率いる航空部隊を支援として送りましたので、くれぐれもよろしくお願いします」
 暗い部屋の中、巨大なモニタには微笑む秋子さんの顔が映し出されていた。
 それにうなずく一つの影。
 そう、それこそが月支部司令であり、支部内における親秋子派のトップ……
 
A 高槻
B 少年
C 天沢未夜子
D 巳間良祐
782名無しさんだよもん:03/03/03 23:50 ID:j6yrYDRk
D
783名無しさんだよもん:03/03/04 10:31 ID:TRh6Z1Oo
十日程見てなかったら凄い進んでるなぁ。
個人的にかなりいい感じなので期待sage
784名無しさんだよもん:03/03/04 16:26 ID:At62hrgS
「ええ、わかっていますよ秋子さん。まぁ俺に任せてください。……では失礼しますよ」
 ブツンッ。
 おおよそ用件だけお互い伝え終えると、回線は切られた。
 送られてきた里村茜の部隊データを目で追いながら、ニヤリと唇を歪ませる良祐。
 その後ろに、彼の妹であり、現在事実上のNo.2である晴香が立つ。
「兄さん……」
「……晴香か。どうした」
「……これからどうするつもり?」
 声の抑揚からは、何を期待しているのかはわからない。だが良祐は変わらず言い放つ。
「粛正だろう。……華音の秋子さんからの命令だ。彼女に反対する者……言い換えれば月内部で俺に逆らう者。
 全員処刑せよ……との命令だ」
 ピシッ、と晴香の眉間に皺が刻まれる。
「つまり……郁未も、殺す……と?」
「彼女か……。そうなるだろうな。このままで行けば……避けられないだろうな」
「……………………」
 思わず晴香は押し黙ってしまう。遠い離れた場所の小さな反逆が、まさかここまで大きくなるのか、ということに。
「……だが」
 回転椅子の向きを180度変え、良祐は晴香に向き直った。
「なあ晴香、なぜ秋子さんはここに支援部隊などをよこしたと思う……?」
 そして突然の問いかけ。
「それは……自分に反対する者を、処断する……ため?」
「そうだ。その通りだ。だがなぜ……なぜ秋子さんがここまでこだわる? 今まではどのようなことがあろうともまるで天から全てを見透かすように
 余裕を持った態度を示していた彼女が、なぜここに来て特に独立性が高いと言われるここ月支部へ支援を送る?」
「……重要、だから? 今の秋子さんにとって、ここを自分の支配下に置くことは、それだけ重要……?」
「……その通り。これからここで始まるであろう戦いは、これからのK.E.Y.の行く末を占う……非常に重要なものだ」
「なぜ……そんなことが?」
785名無しさんだよもん:03/03/04 16:27 ID:At62hrgS
「考えてもみろ。現状、秋子さんが司令を務める華音・及びその子飼いの七瀬が治める尾根は事実上秋子派のものだ。
 晴子総司令官が治める空市はやや……というよりもかなり倉田佐祐理依り、おそらく今『コト』が始まれば秋子さんには敵対するだろう。
 ここで……俺たち月の動きが重要になってくる。俺たちが秋子派につけば倉田佐祐理たちに勝ち目はない。総司令も無駄なあがきはせず、大人しく
 秋子側につくだろう。……しかし、しかし、だ。ここでもし……俺たちが倉田佐祐理側に……反秋子派についたら、どうなると思う?」
「K.E.Y.四つの支部が真っ二つに割れる……」
「その通りだ。そしてここからが重要。その状況で、さらに尾根までが反秋子に寝返ったら?
 K.E.Y.内最強の軍事力を誇る尾根支部が、秋子を裏切ったら? ……いかな名門水瀬家当主、秋子といえども勝ち目はないだろう」
「に、兄さん……まさか!?」
「もちろん、相応のリスクは付きまとう。仮に失敗すれば俺たちは残らず秋子さんに粛正されるだろう。
 だが、寄らば大樹の陰、確かに秋子派につくのは最も安全とはいえ、勝利したとしても俺たちの待遇は変わらぬまま。
 いくら独立性が高いとはいえそれは名目だけ、華音や尾根の連中に虐げられる日々が続くだろう。
 ……今俺たちは非常に微妙な立場にいるんだ。洞ヶ峠というヤツか。……K.E.Y.の分水嶺はここにある。上手く立ち回ろうじゃないか。
 では巳間晴香よ、命令だ。即刻お前は尾根支部へ赴き、司令・七瀬留美と交渉を開始しろ。……秋子さんにつくか、寝返るか。
 彼女の忠誠は押せば揺らぐ程度なのか、それとも不変のものか……。判断が付き次第、俺に連絡しろ。
 向こうへ行くのに必要な書類は全てここに用意してある」
 バン! と机の上に一つの封筒を叩きつけた。
「に……兄さん!?」
786名無しさんだよもん:03/03/04 16:27 ID:At62hrgS
「里村茜、及び反対派との交渉は俺が直接担当しておく。せいぜいのらりくらりと長引かせるさ。こちらには幾らかの切り札も握られているしな。
 気を引き締めてかかれよ晴香。くれぐれも気取られるな。
 特に、秋子さんと……甥の相沢祐一、奴にはな。奴は危険だ。あるいは……あそこの最強の存在は秋子ではない。奴かもしれん」
「は、はい……」
 気圧されながらも晴香が封筒を手に取ったのを確認すると、良祐は席を立った。
「さて、それでは歓迎の準備でも始めるとするか……哀れなピエロである里村茜と、倉田佐祐理、同時の訪問へ……な」
 後には、彼の笑い声のみが響いていた。
 
A 一方、月支部内反秋子派の様子は……
B 里村茜率いる支援部隊のご到着。
C 監禁中(?)の観鈴たちの様子は……
D 思いの外早く佐祐理たちがやって来ました。
787名無しさんだよもん:03/03/04 16:28 ID:xkkLz3xq
えーと、Cで。
788名無しさんだよもん:03/03/04 16:32 ID:At62hrgS
>>787
早いッスねお兄さん。一分ですか。びっくり堕世問。
789名無しさんだよもん:03/03/04 17:57 ID:ka/HFMAz
一方、監禁中の観鈴たちは・・・・・・

「にははっ、捕まっちゃったね往人さん。観鈴ちん、ぴんち。」
「国崎さん・・・捕まってしまいましたで賞進呈です・・・。」
「美凪ーっ このおにぎりおいしいねー。」
監禁中と思えない明るい声が響く。
「だぁーーーーーーー少しは静かにしろぉーーーーー。」
往人の叫び声が響く。
「往人さん、おこらないおこらない」
「何なんだここは?訪ねて来たらいきなり牢屋かよ・・・・・・俺達はこんなことしに来たんじゃねえぞ。」
「何しにきたの?」
「観鈴・・・・・・お前そんなことも知らずについて来たのか・・・? 俺達がここに来た理由は・・・・・・」
「・・・・・・高槻さんと接触するためです・・・・・・」
美凪が答える。
「そうだ。今月支部は秋子派と反秋子派に分裂している。俺達は反秋子派筆頭の高槻にコンタクトをとることだ。」
「ねえ往人さん、高槻さんてどんな人?」
「俺もよく知らんが極悪田舎医師曰く、馬鹿で変態だが役に立つ男らしい」
「にゃははっ、馬鹿で変態って国崎往人みたいだねーっ」
往人は無言でみちるの頭に拳を振り下ろした
「そういうことで俺達はここでのんびりやっている暇はないんだよ。」
「あの・・・・・・国崎さん・・・・・・」
「どうした?」
「誰か来ます・・・・・・」
廊下から聞こえてきた足音の正体は・・・・・・

A 良祐
B 郁未 
C 高槻
D 晴香
E セリオ

790名無しさんだよもん:03/03/04 19:09 ID:dq/GN3Ir
Dかね。
791名無しさんだよもん:03/03/04 21:54 ID:jzj+fEo/
あれ?観鈴達ってK.E.Y内部分裂する以前の時点で
既に月支部に出向してたんじゃなかったっけか?(>283参照)


……と書いてる途中で一度戻ってその後また行ったって可能性に気付く。
アフォやな漏れ。
792名無しさんだよもん:03/03/04 22:14 ID:4tdNtcMw
さて、うたわれ側はどう動くかねぇ
793名無しさんだよもん:03/03/04 23:28 ID:iWlKGivx
「む、お前は月支部司令官巳間良祐が妹巳間晴香。俺たちに何か用か」
 格子の前に立った人影に、国崎は妙に説明的な呼びかけをした。
「その通りよ法術使い国崎往人、K.E.Y.総司令神尾晴子が娘神尾観鈴、そして遠野美凪、みちる。初めまして」
「にはは、初めまして晴香さん」
「お初にお目にかかります……」
「おーう!」
「……お前ら、自分の状況わかってるのか……? 監禁されてるんだぞ」
「まあ安心しなさい」
 一人状況を憂いている様子の国崎に向かい、
「今あなた方に動かれては私たちが困るの。とは言っても一時的なものだから、あなた方の命を奪うような真似はしないわ。
 時期が来れば空市に返してあげる。……その後のことは知らないけどね」
「おい待て。『その後』とはどういうことだ」
「『その時』が来ればわかるわ。『その後』のあなた達の運命は晴子総司令の判断一つにかかっているわね。
 ……それじゃ、私は用があるから」
 言うだけ言うと晴香ヒラリと踵を返し、牢屋から離れていった。
「お、おいちょっと待て……!」
 慌てて鉄格子をひっつかみ、その背中に呼びかける国崎。
「せめてその前に……」

A 高槻に会わせてくれ!
B HMXの様子を教えてくれ!
C 俺の人形劇を見ていけ!
D 飯をラーメンライスにするよう頼んでいってくれ!
794名無しさんだよもん:03/03/04 23:37 ID:vcLIUj2A
C
795名無しさんだよもん:03/03/05 00:51 ID:KvAdxl6Z
「俺の人形劇を見ていけ!」
 叫ぶと同時に取りい出したるは古ぼけた一つの人形。
「……人形劇?」
 訝しげな晴香。しかし気にせず国崎は続ける。
「さあ、楽しい人形劇の始まりだ」
 ぴょこっ、と立ち上がり、
「……………………」
 とことこ、と歩き回り、
「……………………」
 ひょいっ、と格子をすり抜け、
「……………………」
 すりすり、と晴香の足にすり寄った
「さあ、どうだ!」
「……………………」
 晴香の反応は……
 
A 100円くれた。それだけ。
B 完璧無視。
C けっ飛ばされた。
D 取り上げられた。
796名無しさんだよもん:03/03/05 00:55 ID:3omK/0cU
797名無しさんだよもん:03/03/05 01:04 ID:KvAdxl6Z
「お疲れ様。これどうぞ」
 晴香が何かを指で弾き、格子の隙間を通って国崎の足下に落ちてきた。
 チャリン、と聞き覚えのある音とともに部屋の奥へ転がっていく。
「にょわっ!? お金!」
「駄賃よ。それじゃ」
 ……そしてそのまま廊下の奥へと消えていく。
「やったね往人さん! お金もらえたよ!」
「お代をいただけましたで賞……進呈……」
 百円玉を拾いに行くみちると、やんややんやと喝采する観鈴と美凪。
「……ふっふっふっふっふ……」
「わ、往人さんが笑ってる。よっぽど嬉しかったんだ」
「そんなあなたにこれを……」
 美凪がお米券を取り出そうとした、その時
 きゅぴーん!
「くぁっはっはっはっはっはぁ! 甘い甘いぞお前たち! 俺の人形劇が金をせしめるのは当たり前、だが今回は……それだけではないっ!」
 喜び勇んで人形が持ってきたものを高々と掲げる!
 それは……
 
A この牢屋の鍵だ!
B 無線機だ!
C ……妙な書類の束?
D あの女のパンチーだ!
798名無しさんだよもん:03/03/05 01:10 ID:GjVMymT/
C
799名無しさんだよもん:03/03/05 01:26 ID:ttkX4wzq
「……書類の、束?」
そう、国崎が持っていたのは分厚い書類の束だった。
「国崎のスカタン!へんたいゆうかいま!こんなもの取る位なら牢屋の鍵くらい……」
ポカポカとみちるが国崎を叩く。
「あてて!誘拐魔は関係ないだろ!……でも、妙に呆気なく取れちまったが、何故だ?」
国崎の疑問も最もだが、当の晴香は……
(全く、本当に彼等に眠っているのかしら……郁未に匹敵する程の『力』。
葉子さんの見立てだから間違いはなさそうだけど。でもねぇ。
あれならまだB棟の『マルタ』達……こう呼ぶのも可哀想だけど……の方がまし……)
思推にふけるあまり、書類の事をすっかり忘れているのだった。

A:とりあえず書類を読んでみる
B:気がついた晴香が慌てて取りに戻って来た
C:何者かが基地に到着したらしい……にわかに回りが騒がしくなってきた。
D:こんな時に……うたわれの奇襲!
800名無しさんだよもん:03/03/05 01:29 ID:TeK1bI8C
801名無しさんだよもん:03/03/05 17:59 ID:pWjP1Hgt
とりあえず俺は書類を読んでみることにした。

「・・・・・・『南極・遺跡調査報告書』だと・・・なんだこりゃ?」
それは何かの遺跡の調査に関する書類だった。
「う〜ん、全然わからん。遠野、何かわかるか?」
俺はその書類を遠野に見せた。
「・・・・・・これは南極で発見された遺跡の資料です。細かな内容はは黒く塗りつぶされていますが・・・・・・どうやら調査隊は何かを見つけたようです・・・・・・」
「何を見つけたんだ・・・・・・? ん、なんだ写真が・・・」
書類の中に二枚の古ぼけた写真が入っていた。俺は一枚目の写真を手にとった。
「化石の写真のようだが・・・・・・顔らしきところに仮面のようなものがあるな」
俺は二枚目の写真を見た。
「調査隊の写真のようだな。ん?この人は・・・・・・」
写真には意外な人物が写っていた。その人物とは・・・・・・

A 水瀬秋子
B 神尾晴子
C 霧島聖
D 巳間良祐
802名無しさんだよもん:03/03/05 18:07 ID:zD8AcrYL
なんでこんな時間に先を越されるんだろう。最近ついてないぞ俺。
選択は次の人へPass.
803名無しさんだよもん:03/03/05 18:10 ID:B+EQ5aV+
AとかBってのは考えづらいからCだね
804名無しさんだよもん:03/03/06 00:16 ID:ToUKIUQG
「聖……? ひじり……だよな、これは」
 確認をとるように、国崎は観鈴と美凪に写真を示した。
「霧島委員の先生? ……うん、たぶん……そうだと思う」
「はい……間違いないかと」
「そうだよ……な」
 世界広しといえども、白衣+通○閣を組み合わせた医者など一人しかいない。
「しかし……」
 南極でもこの格好なのか……。
「どういうことだ?」
 覗き込みながら、みちるが国崎に問いかける。
「俺が知るか。観鈴、美凪、何か心当たりは?」
 ふるふると頭を振る2人。
「むぅ……仕方がない。ともかくこいつは俺が預かっておこう。次にあいつに会う時が来たら訊いてみるか……」
「その前に、空市に戻らないと」
「う……」

 さて、ではこれからどうするか。

A 脱獄できる手段を探してみる。
B もっと詳しく書類と写真を調べてみる。
C ん? あたりが騒がしくなってきた。誰かが基地に来たようだな。
D そのころの郁未たちの様子。
805名無しさんだよもん:03/03/06 00:28 ID:f2e9GyVc
Aかね。
806名無しさんだよもん:03/03/06 00:42 ID:ToUKIUQG
「こんなところで大人しくしているわけにはいかない。さっさと脱出するぞ」
「まずは高槻さんと接触しなくちゃね」
「しかし……どうやってここから逃げるおつもりですか……?」
「このっ……格子は……壊すのは無理だぞ」

「うーむ、そうだな……ここは」

A 当然、俺が頑張る。
B 観鈴、何とかしろ。
C 美凪、どうにかしろ。
D みちる、適当にしろ。
807名無しさんだよもん:03/03/06 00:43 ID:nH1TlLzt
C
808名無しさんだよもん:03/03/06 00:50 ID:Q4DBYex0
state
809名無しさんだよもん:03/03/06 00:51 ID:ToUKIUQG
「美凪、どうにかしろ」
「どうにか……ですか」
「そうだ。どうにか、だ」
「わかりました……」
 国崎に促され、美凪はゆっくりと鉄格子に近づいていく。
 軽く格子を握ってみるが、当然のごとく固いし狭い。間をすり抜けることは出来そうにない。
「どうにか……どうにか……どうしましょうか……」

A お米券、進呈
B 色じかけ
C お米『剣』
D 力ずく
810名無しさんだよもん:03/03/06 01:04 ID:E8oay1TN
C
811名無しさんだよもん:03/03/06 01:21 ID:X+UXlWDd
「…はい、わかりました。それでは……」
 そう言って美凪は、懐からお米券を取りだし、中腰に構えた。
 ……何をする気だ?
 悩む暇もあればこそ、美凪はお米券を一閃。

 ……其の瞬間、○○は切り裂かれた。そして俺たちは、その向こう側に光明を見た。


問1:○○に当てはまる単語を答えよ。

A.床
B.壁
C.天井
D.国崎往人
E.水瀬秋子
F.みちる
G.あみだばばあ
812名無しさんだよもん:03/03/06 01:24 ID:oPSO1Jil
まあ、B
813名無しさんだよもん:03/03/06 01:46 ID:ToUKIUQG
 ガラガラガラ……

 壮絶な音をたてて、格子横の壁が崩れ去った。
 切り口はいずれも滑らかで、おおよそ人の手に……いや、誰も『紙』で切り裂かれたものだとは思うまい。
「…………………」
 茫然自失の3人。
「……では、行きましょうか……」
 そんな3人を尻目に、さも当然とばかりの様子で穴から出ようとする美凪。
 しかし……壁の穴の先には……
 
A 耳飾りをつけたオレンジ髪の女性が。
B やはり耳飾りをつけて「はわわっ!?」とか驚いている緑髪の女の子が。
C 黒い長髪の気の強そうな女性が。
D 驚いて銃を取り出そうとする見張りが。
814名無しさんだよもん:03/03/06 01:57 ID:cxDZntkR
とりあえずC。
815名無しさんだよもん:03/03/06 14:52 ID:Tws1ou0P
「女……?」
 崩れ去った壁の先には、一人の女が鎖で壁に縛り付けられていた。
「……あなた達は?」
 きょとんとした表情で女が国崎一行に問いかける。
「俺たちはK.E.Y.空市の者だ。……そういうお前は何者だ」
「私の……名前は、来栖川綾香」
「来栖川?」
 とたんに観鈴が声を上げる。
「来栖川って……あの来栖川財閥の?」
「ええそうよ。おそらくそれで間違いないわ……一応、私はそこの娘になるのかしら」
「で、その来栖川のお嬢様がなぜここに捕まってるんだ?」
「それは……」
 綾香が何かを言おうとした、それと同時に。

「な、何だ今の音は!?」
 見張りと思しき数人の連中が、牢屋の前に現れた。
「か、壁が崩れてる!?」
「お、お前らは空市の!? ……チィッ!」
 銃を構える、刹那!
「美凪!」
「……はい。失礼します」
 数枚のお米券をを取り出し、そのままシュバッ、と投げつける。
 カッ!
 カッ!
 カッ!
「ぐ……はぁっ……」
 ……向かいの壁に突き刺さったかと思うと、一瞬送れて見張り達が崩れ落ちた。
816名無しさんだよもん:03/03/06 14:53 ID:Tws1ou0P
「……峰打ち、です」
「……みなぎぃ、この人たち、血をだくだく流してるんだけど……」
「……峰打ち、です」
「……ま、まあいい。とにかく見張りはいてこまし、ついでに格子も切れたんだ。さっさとこのお嬢様助けて……
 よい、しょっと……逃げ出すぞ!」
 綾香の鎖を外し、立ち上がらせる。
「え? まずは高槻さんと接触するんじゃ……」
「……しかし、こうなった以上長居をするのは危険では……」
「んじゃとりあえず神尾のおばちゃんに連絡取ればいいんじゃない?」
 などと銘々口々に言ってる中、
「待って!」
 綾香が声を張り上げた。
「私の、私の連れが……私の友達がまだどこかに閉じ込められているの! お願い……彼女も一緒に助けてあげて……」
 懇願する綾香。

「ううむ……弱ったな。まずはどうするか……」
 悩んだ国崎が出した結論は……

A 高槻と接触。
B 月支部からの脱出。
C 晴子との連絡。
D 綾香の『友人』救出。
817名無しさんだよもん:03/03/06 15:00 ID:v1iysAyw
D
合流は早いほうが良いでしょう。
818名無しさんだよもん:03/03/06 19:56 ID:3lMtarb3
「……わかった。綾香、お前の友人とやらを助けよう」
 倒れた見張りから銃を取り上げ、残弾を確認しながら国崎は呟いた。
「あ……ありがとう……」
「往人……さん?」
 何か言いたげな様子の観鈴。
「……いや、何だかな、今の俺たちには高槻と会うよりもそっちの方が重要な気がするんだ。
 綾香、お前は確か来栖川の令嬢と言ったな?」
「ええ、さっきも言ったでしょう。その通りよ。……あんまりその呼ばれ方は好きじゃないんだけどね」
「実はな、以前俺は一つの噂を聞いたことがあるんだ」
 誰とも目を合わせようとせず、国崎は続ける。
「……噂……ですか?」
「ああ。来栖川が治める街を巻き込んだ、うたわれと鍵の戦闘……名目上は領地防衛となっていたが……」
「………名目上は? どういうこと往人さん?」
「……本当の目的は、鍵が……いや、華音が来栖川を叩き潰すためにうたわれを挑発したものらしい。
 そしてもっと言うなら、潰したかったのは来栖川でなく……そのセキュリティを構築した、"HMX"、
 難攻不落の華音支部"No.666プロテクト"を突破出来るという、地上最高の電子頭脳……。綾香、心当たりは?」
「………………」
 綾香は沈黙を保ったまま、目線をあ逸らした。
「……あったら、どうだと言うの?」
「どうともない。YesであろうとNoであろうとお前の友人を助けることに変わりはない。答えたくないなら別に構わないさ。
 ……さて、行くか」
 ジャキン、とサブマシンガンにマガジンを詰め直し、出発する。
「……綾香、お前の友人の名前は?」
「……セリオ。HMX-13 SERIO、よ」
「セリオか。どこにいるかわかるか?」
「…………彼女は……」

A 人格データを凍結され、良祐の秘書として働いているはず。
B 牢獄エリアの最深部に閉じこめられているはず。
C コンピュータールームで記憶装置の解析を受けているはず。
D 皆目見当がつかない。
819名無しさんだよもん:03/03/06 20:21 ID:4hnE60EL
A
820名無しさんだよもん:03/03/07 00:54 ID:GhHRFVTd
「今は良祐の秘書として働いているはずよ」
「……おいおい、お前の友達ってのは自分を拉致した人間のために働く性格なのか?」
「違うわ。人格データを凍結されてるのよ。今のセリオは正に……感情のない、ただのロボット」
「……なるほど」
 思わず国崎は頭を掻いてしまう。
「やれやれ……せっかく牢屋を出れたと思ったら……お次は司令のトコに特攻かよ」
「……あなた達は別の仕事があるんでしょう? 別に私のために付き合う必要はないんだけど……」
「ふぅ。そうもいかないだろう。一人で司令官のところに殴り込みをかけるなんざ自殺行為もいいところだ。
 わざわざ死にに行く人間を見捨てておけるほど、俺たちは人間出来ていない。
 それに、良友にお礼参りがしたいのは俺たちとて同じだからな」
「ふふ……ありがとう。けどどうしたものかしらね……さすがに私も銃持った護衛がいる相手に突っ込みたくはないわ」
「それだけじゃない。この月支部の……一部の人間は奇妙な力が使えるそうだ。確か……」
 ……言葉に詰まる国崎。視線を観鈴へ送る。
「『不可視の力』だね往人さん」
「そうだ。なんでも触れずに物をぶっ壊したり人間を殺したりできるらしい。正直、そんな連中とは正面切って戦いたくはない」
「けどあまり時間に余裕があるわけでもないわ。そのうち私たちが脱獄したこともばれるでしょうし」
「……やれやれ。前途は多難、だな。とりあえずどうするか……」

A ただ押し進むのみ。司令室へ特攻。
B 高槻と連絡を取り、相談してみる。
C とりあえず近くの部屋を調べてみる。
D 待つ。待てば海路の日よりあり。
821名無しさんだよもん:03/03/07 01:07 ID:fpEDf7Za
Dかな?
822名無しさんだよもん:03/03/07 01:43 ID:GhHRFVTd
 近くの部屋の鍵を調べながら、国崎が呟いた。
「……仕方がないな。しばらく待とう」
「ちょ、ちょっと! さっきも言ったでしょう? 私たちには時間は……」
「そうは言ってもな、この状況、俺たちだけでは何ともし難い。こういう時は待つのも一つの手段だ」
「け……けど……」
 小さな窓から内部の様子を確認する。
「ふむ……美凪、ヘアピン持ってるか?」
「……どうぞ」
「ああ、ありがとう」
 受け取ったヘアピンを伸ばし、鍵穴に差し込みながら綾香に答える。
「綾香、お前……実戦の経験はあるか?」
「な、無い……けど」
「戦争というのはな、むやみやたらに突っ込めばいいってもんじゃない。
 戦況も、敵も、そして自身の状態すら時とともに刻々と変化する。重要なのは、その中から動くべき『タイミング』を見抜くことだ。
 俺の師匠……というより、育ての親が言った。
 "期"を得て、"機"を見て、"気"を持って戦え、と。
 それを見抜く目を持たぬ者は、たとえ一時の勝利を得ようともいつかかならず朽ち果てる。
 辛いだろうが、待つのも……戦いなんだよ」
 手は針金と化したヘアピンを動かしながら、それでも諭すように綾香に話しかける。
「…………待つのも……戦い……」
「そら、空いたぞ」
 国崎の言葉と同時に、鍵がカチャリと音をたてた。
「幸いここは倉庫で、埃のつもり具合から見ると長い間使われていないようだ。しばらくここに身を隠すぞ。
 ……何か意見はあるか?」
 綾香を含めた全員が首を横に振る。
「ふぅ……参ったわね。そんなセリフ吐かれちゃ動きようがないじゃない。わかりました、あなたに従いましょ。
 私一人行動したって無駄死にどころか、下手をすればあなた達に迷惑かけちゃいそうだしね」
 全員が入ったのを確認すると、国崎は扉と鍵を閉めた。
「ああ、それでいいんだ。……見張りは俺がやる。みんな、しばらく休んでろ」
 そして小窓から外の様子を伺う。
(やれやれ……機を見ろとは言ってもな……この状況、向こうさんが動いてくれないとどうしようもない……
 さて、次に動くのは誰か……)
823名無しさんだよもん:03/03/07 01:45 ID:GhHRFVTd
 次に動いたのは?

A 里村茜
B 高槻
C 七瀬留美
D うたわれ
824名無しさんだよもん:03/03/07 01:54 ID:e1TstcjY
そろそろD
825名無しさんだよもん:03/03/07 03:09 ID:tUwjOqlC

- うたわれ、地球侵攻軍本部 ジャブロー -

 皇の間にはハクオロ他うたわれの主だった将が集められていた。
「間諜より報告です。K.E.Y側で内乱の兆しがあるようです」
 ベナウィは間諜から伝えられた情報を玉座に座るハクオロに伝えた。
「そうか…反撃の機会がやってきたようだな。出陣だッ!」
「将は…誰に向わせますか?」
「そうだな…」

A 新参者の意地を、ヒエン
B 汚名挽回、ベナウィ
C 何気に生きていたオボロ
D 同じくドリ&グラ
E 同じくウルトリィ
F 少し不安、トウカ
G 皇自ら
H 真面目にやれるのか?カルラ
I 熱いハートのデリホウライ
J 万年副将から格上げ、クロウ
K 猛将。って言うか波乱の予感のニウェ
E 揺れる乳が強さの証?カミュ

大将、副将、その他(2〜3人)を選択

826名無しさんだよもん:03/03/07 03:26 ID:cOrxXgot
汚名挽回と言わないですよ。
汚名返上・名誉挽回

やっぱり一番不安 大将 B
             副将 J
           その他 F・H
827名無しさんだよもん:03/03/07 14:34 ID:n6AnyMAi
「良祐様」
「ん?」
 私室で端末に向かって何かの作業をしていた良祐。そこに、一枚の紙を持ったセリオが入ってきた。
「どうした」
「国境線の部隊より緊急連絡です」
「緊急連絡? ……どれどれ」
 セリオの差し出した紙を受け取る。プリントアウトしたての、無機質な文字が並べられたそれを。
「うたわれの部隊が現在月支部に進行中とのことです」
 用件だけを無表情に伝えた。
「……部隊規模は?」
 とたんに良祐の顔が引き締まる。
「大将ベナウィ、副将クロウの航空部隊、及びトウカ・カルラ率いる歩兵部隊かと思われます」
「……里村茜はどこだ」
「こちらに向かっている最中です。迎撃を要請しますか?」
「ああ。向こうの戦闘機をしばらく足止めするよう言っておいてくれ。その間にこちらも体勢を整える」
「はい、了解しました。ではこちらからは誰を出撃させますか?」
「そうだな……」

A 天沢郁未
B 鹿沼葉子
C 少年
D 高槻
828名無しさんだよもん:03/03/07 14:45 ID:y2WFKlvv
A
829名無しさんだよもん:03/03/07 17:59 ID:DQVMTfdm
汚名挽回は知っててわざと書いたんだだと思ったけど(w
Zガンダムのジェリド思い出した
830名無しさんだよもん:03/03/07 19:04 ID:64L7teC/
「ああ、俺だ」
 デスクに備え付けられてある電話を取り、向こう側にいる人間に命令をする。
「現時刻を以て月支部は第一種戦闘配置に入る。総員地対空迎撃戦用意。なお迎撃には天沢郁未の部隊を出撃させろ」
『天沢郁未ですか?』
「そうだ。俺が直接指令する。回線を回せ」
『は、はいっ!』
 しばらく受話器からは保留時のメロディが流れた。こんな時にもかかわらず、脳天気な曲だ。
 さらに待っているに全館に放送が流れた。先ほど良祐が下した命令と同じだ。
——本基地に接近するうたわれの侵攻部隊を確認した。総員、第一種戦闘配置。地対空迎撃戦用意。繰り返す、総員第一種戦闘配置 ——
『はい、もしもし?』
 受話器の向こうに誰かが出た。
「俺だ。放送で流れている通りうたわれの侵攻部隊がここへ接近している。航空部隊は尾根支部の里村茜が迎撃する。
 君には地上部隊を率い、敵の歩兵部隊を迎撃してもらいたい」
『……巳間さん、私たちの立場をわかって言ってるの?』
「予定していた会議は来週に回す。少なくとも俺たちが親・反秋子で別れていようともうたわれが敵であることに変わりはない。
 それともこんなところで下らないいがみ合いをしてみすみす敵に月を落とさせるつもりか?」
『……はあ』
 郁未は一つ大きなため息をつき、
『仕方がないわね。わかりました、働きましょう。呉越同舟、ってやつかしらね?』
「それは違うな。多少思うところが違うとはいえ、俺たちは仲間だろう?」
『はいはいそういうことにしておきましょう。じゃ、準備が出来次第出撃します。ちなみに、敵方の武将は?』
「航空部隊がベナウィとクロウ、歩兵部隊がカルラとトウカ、いずれも強敵だ。気をつけてくれ」
『トウカ……?』
(にやそ)
「おい待てちょっと待て。今の擬音は何だ」
『彼女とはちょっとした因縁があってね。……では天沢郁未、出撃します!』
 ガチャン!
 良祐の疑問には答えず、郁未は受話器を電話機に叩きつけ、回線を切った。
「……ふう、他人を指揮するというのも大変だな。では、発令所へ行くとするか」
「はい」
 白衣を着こみつつ、部屋を出る良祐。さらにその後ろにはセリオも続いていた。
831名無しさんだよもん:03/03/07 19:05 ID:64L7teC/

 そして……
 
A ベナウィと茜のドッグファイト・開始
B トウカと郁未の因縁の対決!
C 国崎のセリオ救出作戦スタート。
D なんとまあいいタイミングで戦闘に出くわした佐祐理一行。
832名無しさんだよもん:03/03/07 19:29 ID:6Lv/8FAQ
行け主役。D
833名無しさんだよもん:03/03/07 21:27 ID:vG18siuG
郁未って、良祐派じゃないのでは?
834名無しさんだよもん:03/03/07 21:48 ID:PiEOx4qM
 広大な荒れ地に一陣の風が吹く。
 カルラ・トウカ混成部隊と天沢郁未歩兵部隊はその中心で睨み合いの体勢に入り、戦は今まさに始まらんとしていた。
 
 太陽が中天にかかろうかというその時、不意にうたわれの団から一つの人影が進み出る。
 彼女はを抜き放ち、切っ先を月軍に向けながら叫ぶ。
「我が名はエヴェンクルガが剣士、うたわれが武将トウカ! 天沢郁未! 天沢郁未殿はおられるかッ!」
「……………………」
 それに答えるように、月軍からも一人の女性が進み出た。
 トウカとは対称的にフランクな様子で、まるで友達とでも話しているかのように返事をする。
「ああらトウカ久しぶりねぇ。もう怪我の方はいいの?」
 姿を認めたトウカの瞳が炎を湛える。
「天沢郁未ッ! ここで会ったが百年目! 先日の屈辱、今日こそはらさせてもらう! ……今日こそその首、某が貰い受けるッ!」
 一方郁未もフフンと唇を歪ませ、
「どうしたの? また私の躰が恋しくなったの?」
「うぐ……ッ!」
 言葉に詰まるトウカ。
「……躰が恋しい? どういうことですのトウカ……」
 トウカの後ろに立っていたカルラが心底不思議そうに問いかける。
「ななななななな何でもないでござそうろうッ!」
「……日本語がおかしいですわよ?」

「……始まってますねぇ」
「……始まってる……」
「正確には、始まりそう……ですけどね」
「………………………」
 開戦直前の戦場脇の森。そこに佐祐理、舞、久瀬、芹香の一行は潜んでいた。
 全員が双眼鏡を片手に、固唾を飲んで成り行きを見守る。
「郁未さん、お元気そうで何よりです」
「トウカも相変わらず……」
「それにしても……ツイてませんねぇ。よりにもよって僕らが月にたどり着く直前に戦闘が始まってしまうとは……」
「………………………」
835名無しさんだよもん:03/03/07 21:50 ID:PiEOx4qM
「ええい最早我らの間に交わす言葉は何も無いッ! ただ刃を交え、命を燃やし、己の勝利のために邁進するのみッ! 行くぞ郁未殿ッ!」
「ああんつれないこと言わないでよトウカ。あの日あんなに愛し合った私たちじゃない。もう少し色々語り合っていいと思うんだけど……」
「……愛し合った? どういうことですのトウカ?」
「それは……それはアレでござるッ! あの……その……い、郁未殿の出身地では一騎打ちのことを俗に『愛する』と形容……」
「あの時のトウカの顔は可愛かったわねぇ。女同士は初めてだったのかしら? だったらうれしいわぁ、私がトウカの初・体・験のお相手だったなんて」
 自分で自分を抱き、クネクネと悶える郁未。
「………トウカ?」
「だからそれはちがちがちがうちがきゃおあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
 自分の頭をかきむしり、感じている感情の鎮める方法がわからないトウカ。
「……オーバーヒートしてしまいましたわ」

「……盛り上がってるんだか盛り上がってないんだかよくわかりませんね」
「けど佐祐理……どうするの?」
「そうですねぇ……ここは……」

A 早速郁未さんの軍に合流しましょう。
B 最高のタイミングで横合いから殴りつけましょう。
C しばらく静観しましょう。
D とりあえずトウカさんや郁未さんとお話をしに行く。
836名無しさんだよもん:03/03/07 21:51 ID:pmueId9c
D
837名無しさんだよもん:03/03/07 21:53 ID:PiEOx4qM
sgeってなんだよ。
sage忘れスマソ。

>>833
軽く確認してみたが、郁未が良祐派だという描写はなかった。
良祐派が確定しているのは妹の晴香、対抗勢力で確実なのは高槻。

ただ、公式掲示板のまとめに高槻と郁未が反秋子派と書かれていた。
838名無しさんだよもん:03/03/07 21:59 ID:pmueId9c
>837
>784の

>「粛正だろう。……華音の秋子さんからの命令だ。彼女に反対する者……言い換えれば月内部で俺に逆らう者。
> 全員処刑せよ……との命令だ」
>ピシッ、と晴香の眉間に皺が刻まれる。
>「つまり……郁未も、殺す……と?」

というやりとりから郁未=反対派でOK。
839名無しさんだよもん:03/03/07 22:01 ID:vWmyHrSk
>835
Bの選択肢にワラタ
840名無しさんだよもん:03/03/07 22:39 ID:18H9H666
>838
つまり、郁未の出撃=犬死にしてこいってことか
841名無しさんだよもん:03/03/07 23:21 ID:TBG5NZOf
「も……っ、もう殺すっ! 断固殺すっ! あの女は断じて殺す!」
「落ち着きなさいトウカ。エヴェンクルガの血が泣きますわよ」
「ああん、つれないトウカ……。でもそこがまたいいんだけどね……」
「………うっきーーーーーーーーーーっ!!!!! 行け行け進め! 全軍、とつげ……」

「あははーっ、そこまでですっ! 両者すとーーーーーーっぷっ!!! まじかる☆メラゾーマ!」
 ドォォォォォォ!!!!
 突撃を始めた両軍の間に、突如として巨大な火球が炸裂した。
「な、何事か!?」
「術……? 炎の、術? 全軍、止まりなさい! 敵方に術者がいますわ!」
 慌てふためくうたわれ軍。しかし、それは郁未側にしてみても同じだった。
「魔法使い!? そんな、うたわれの歩兵部隊に魔法使い……しかもこんな高レベルな……がいるんなんてッ!?」

「あーあーみなさん落ち着いてくださいっ! 今のは佐祐理ですっ! 佐祐理の魔法ですっ!」
 思ったより大きすぎた火の玉。慌てて消し止めながら、佐祐理は自らの存在をあたり伝える。
「佐祐理殿!?」
「あら、可愛らしいお嬢さんだこと」
「佐祐理!? どうしてこんなところに?」
「クッ、郁未殿に続いて佐祐理殿までが敵に回るとはッ! 此度の戦……楽には勝てそうもないっ!」
「落ち着きなさいトウカ。情報によると、確か彼女は鍵を裏切ったはず。交渉によってはこちら側に……」
「どういうつもりよ佐祐理! 私に相談もなしにいきなりK.E.Y.を裏切ったりして、水くさいじゃない!」
「むぅ、説得とはいってもこの状況、……如何にしたものか!?」
「あら、説得なんてそう難しくはないですわよ。自分の真心を込めて、本心からの言葉を伝えれば……」
「甘いわねッ! 佐祐理は鍵を裏切ったんじゃなくて、水瀬秋子の独裁体制に反発して華音を飛び出しただけよ! うたわれなんかに寝返ったりするもんですか!」
「郁未殿! 貴殿に話は聞いておらぬっ! しばし黙っていてもらおうか!」
「ひ……っ、ひっどーーーい! なんて女なの!? 佐祐理が来たら私はもう用済みだっていうの!?」
「……あなたたち、さっきから話の内容がかなり怪し……」
 あははーっ(ちょっとドスの利いた声で)。この人たち、すっげぇ五月蠅いです。
 ちょっと黙らせましょう。
842名無しさんだよもん:03/03/07 23:22 ID:TBG5NZOf
A 頑張って説得を続ける。
B 指向性無視の全方位魔法で片っ端からぶっ飛ばす。
C 洪水を起こして頭を冷やさせる。
D 蜥蜴やら蛇やら蜘蛛やらを大量に召喚する。
843名無しさんだよもん:03/03/07 23:29 ID:BREzmo11
B
844名無しさんだよもん:03/03/07 23:59 ID:TBG5NZOf
 あははーっ、佐祐理はちょっと怒りました。この連中、全然人の話を聞きません。
 場合によっては戦闘を回避できるかもしれませんのに……
「佐祐理殿!」
「可愛らしいお嬢さん」
「佐祐理ィ!」
 バッ! と天空に向かって拳を突き出し、呪文詠唱開始!
「ディ・ヴムー・ステイン! 大地と大気の精霊よ!」
「……佐祐理! その魔法は……」
 舞が驚き、
「……………………」
 芹香の解説と、
「え? 大地と大気の精霊の力を融合させて大爆発を起こす……?
 敵基地の爆滅や軍団規模の撃滅を目的とした指向性無視の壊滅呪文……?」
 久瀬の翻訳が入る。
「……………伏せろ!!!」
「古の契約に基づきその義務を果たせ!」
 地面と空気がオンオンと鳴き声を上げ、それが共鳴して徐々に大きくなっていく。

「……逃げ……!」
 撤退命令を下したのは、トウカかカルラか郁未か。それは誰にもわからない。
 唯一言えることは、全ては遅すぎた、ということだ。

「天地爆裂!」(メガデス)

 ドッゴォォォォォォォォォォォォォ………………………ン!!!!!!
 
 全ては消し飛ばされた。
845名無しさんだよもん:03/03/08 00:01 ID:rfZNBqRi
「……はいはい佐祐理、んで、話ってのは何?」
 巨大なクレーターが出来上がった"元"平野。さらにその穴の中心で、煤だらけの佐祐理一行・トウカ・カルラ・郁未は顔を付き合わせていた。
「それにしても……」
 トウカが周りを見回しながら感慨深げに呟く。
「また凄まじい無茶を……」
 しかし無視をして佐祐理は話を切り出した。
「はい。お話というのは他でもありません。トウカさん、それと……」
「カルラ、よ。可愛らしいお嬢さん」
「はい、カルラさん。みなさんに……………」

A 華音支部を攻めていただきたいのです。
B 一時的に佐祐理への協力をお願いしたいのです。
C ここはひとまず退いていただきたいのです。
D とりあえず夕飯をご馳走してさしあげたいのです。
846名無しさんだよもん:03/03/08 00:15 ID:5YYf1IjY
B
847名無しさんだよもん:03/03/08 00:30 ID:TsltGzMc
Dじゃねえのかッッ!!
848名無しさんだよもん:03/03/08 00:38 ID:rfZNBqRi
「佐祐理への協力をお願いしたいのです」
「!?」
 一瞬、全員の顔が唖然となる。
 
「……どういうことかしら?」
「はい、カルラさん。あなたは『敵の敵は味方』という言葉をご存じですか?」
「ええ、一応は」
「……佐祐理、あなたまさか……」
 顔が完璧に強張っているトウカや郁未とは対照的に、カルラは変わらず悠然とした態度で佐祐理の相手を続けた。
「はい。今のこの現状……佐祐理の敵の敵はカルラさんで、カルラさんの敵の敵は佐祐理だと思います」
「…………………」
 カルラは自分の顎に手を当て、しばし考え込む仕草をした後……
「つまりは……水瀬秋子攻略を、私たちに手伝え……と」
 顔を上げ、呟いた。
「はい、そうなりますね」

「「馬鹿な!」」
 郁未とトウカが立ち上がり、同時に叫んだ。
 一瞬ハッとした表情でお互いを見合わせ、改めて続ける。
「「敵に協力をもとめるなど(なんて)……!」」
「黙ってなさい!」
「黙っててください!」
 これもまた同時に、カルラと佐祐理の一喝が飛ぶ。
「ぐっ……」
「……なるほど、確かに戦力が少ないあなたのこと、うたわれの……私たちの協力が得られれば華音攻略は行いやすい……というとですわね」
「はい」
「けれど可愛らしいお嬢さん、あなたは華音支部の有する衛星兵器『ルンペルシュティルツヒェン』はどうやって攻略するつもり?
 一応協定で私たちに直接使用することは出来ないけれど、あなたに協力するとなるとおそらく容赦なく使用してくるでしょう。
『彼女らはうたわれ軍ではない、佐祐理の一派だ……』とでも名目をつけて」
「……そこは佐祐理たちの切り札にもなっていますのであまり詳しくはお教えできませんが、『攻略は可能だ……』とだけ言っておきましょう」
「なるほど……。で、あなたが秋子を打ち倒すのに協力することで、私たちに何かメリットは?」
「それは……」
849名無しさんだよもん:03/03/08 00:39 ID:rfZNBqRi
A うたわれに和平を申し込もうと思います。
B 今までの戦闘で発生した捕虜を全てお返しします。
C 華音の領地の半分を無条件に差し上げます。
D 佐祐理がお弁当を作ってさしあげます。
850名無しさんだよもん:03/03/08 00:45 ID:TnAWtiZo
今度こそ D
851名無しさんだよもん:03/03/08 01:52 ID:zilYNBgV
>>841

FUCK YOU…ぶち殺すぞゴミめが。お前は大きく見誤っている。何も判っていないッ!
トウカたんは「うっき──!!」じゃなくって「クケ──!!」だろッ!!
852名無しさんだよもん:03/03/08 03:48 ID:GAikvnE1
分からん人が見たら荒れるから、福本ネタはほどほどに…
853名無しさんだよもん:03/03/08 10:20 ID:XW+Hwtzd
「あははー、佐祐理が真心こめたお弁当をご馳走しちゃいます!」
……………
一瞬、場が完全に凍りついた。
「ふ……ふざけるなッ!その程度の事で……」
我に返ったトウカが、刀に手をかける。
と、カルラがそれを制した。
「……中身にもよるわ。ただの弁当なら交渉材料に出すはずがない。違って?」
そう言いながらも、カルラの射抜くような視線が佐祐理に突き刺さる。
「当たり前ですよー。秋子さんの命で実験体として捕われている方々とご一緒に、
なんてどうですか?」
(なるほど……そう来るわけね。確かにそれなら……)
悪い条件ではない、とカルラは頷く。
「!お主達まさか、カミュ殿やユズハ殿の居場所を……」
カルラとは逆に慌てるトウカの問いに、佐祐理はただ、にこにこ微笑んでいるだけだった。

A:協力体勢を受け入れる
B:断る
C:間の悪い事に上空に茜率いる航空部隊が!
854名無しさんだよもん:03/03/08 10:26 ID:frtVuTvt
℃!
855名無しさんだよもん:03/03/08 15:27 ID:vXgRlBKY
 ドォォォォ……ン!
 ちょうどその時、一行の上空で巨大な爆発が起きた。
「!」
 一斉に空を見上げた一行が見たものは……
「あれは……ベナウィ殿の部隊!」
 うたわれ主力戦闘機『WOPTAL』(ウォプタル)の一機がミサイルの直撃を受け、火の玉と化して落下する様だった。

「クッ、一機やられましたか!」
 彼専用WOPTAL『シシェ』。その白亜の機体を旋回させながらベナウィは悔しそうに歯がみする。
「どうしますか隊長! 里村茜の部隊が出撃してるとは計算外ッスよ!」
 シシェのコクピットにクロウからの無線が入った。
「まだです! 里村茜は私が引き受けます。クロウ、雑魚はあなたに任せましたよ!」
「……アイアイサー! 御武運を!」

「詩子、あなたはクロウその他雑の相手をなさい」
 一機撃墜したばかりの茜。だがそんなことは意にも介さずに次の命令を副隊長の詩子に送る。
「どうやらベナウィさんは私と一騎打ちをご所望の様子です……。受けて立ちます」
「へぇ、大丈夫? 相手は侍大将よ?」
 揶揄するように詩子は返事をする。
「問題ありません」
 茜は機首を上空に向け、ベナウィを誘うように機体を回転させながら高度を上げた。
 そして詩子へ最後に一言。
「私のWAFFLEは無敵です」
「言うわね茜。がんばんなさいよ!」

 そして、お互いの隊長機は雲の上へと消え去った。
 
「あははーっ、上では盛り上がってますねー」
「のほほんと見ている場合ではありませんことよ。どうにかして早く止めないと、まとまる話もまとまりませんわ」
「だが……どうするつもりか。相手は雲の上、某らでは手出し出来ん……」
「うーん、そうですね……ここは……」
856名無しさんだよもん:03/03/08 15:30 ID:vXgRlBKY
A 佐祐理自ら空を飛んで戦闘に介入する。
B カルラ達にベナウィに通信を送ってもらう。
C そういえば佐祐理と茜さんはお友達でした。茜に通信を送る。
D その時、良祐からの無線が入った。
857名無しさんだよもん:03/03/08 15:34 ID:Kotqs3wB
C
858名無しさんだよもん:03/03/08 16:04 ID:vXgRlBKY
「郁未さんっ! 通信機はありますか!? 茜さんに連絡を取ります!」
「え? あ、ああ……ここに、あるけど……」
 郁未が懐から取り出した無線機。佐祐理はそれを奪うように受け取ると、慌ててスイッチを入れた。
「周波数は合わせてあるわ」
「はい、ありがとうございます……。
 茜さん? 茜さん? 里村茜さん、聞こえますか? こちらは倉田佐祐理です、どうぞ!」
 ブブブ……ッ……ブッ……ブブ……ッ……
 しかし聞こえてきたのは雑音だけだった。
「茜さん! 茜さん! お願いです、答えてください茜さん!」
 ブブブ……ッ………ブ……ッ……
「応答願います! こちら佐祐理、応答願います茜さん! どうぞ!」
 ……何度かそんなことを繰り返しているうちに。
 
『……こちら里村茜。当方現在敵戦闘機と交戦中……通信は……』
 静かな、しかし明らかに戦闘を邪魔されたことに対する不満がこもった声が聞こえてきた。
「茜さんですか!? こちら佐祐理です。お願いです、ここはいったん退いてください。
 上手くいけば戦わなくてもすむかもしれないんです。撤退してください茜さん」
 そこで少し反応が変わる。
『……倉田さんですか。お久しぶりですね。戦わなくてもすむとはどういうことですか?』
「はい、現在佐祐理たちはうたわれの方々に対華音支部攻略戦の協力を仰いでるところなんです。
 これ以上秋子さんの横暴を許すわけにはいきません。お願いです茜さん、ここは退いてください!」
『………………………』
 茜の答えは……
 
A 『黙りなさい裏切り者』
B 『上からの命令ですので』
C 『ワッフル、奢っていただけますか?』
D 『……わかりました』
859名無しさんだよもん:03/03/08 16:20 ID:4Zinn9km
あえてAで
860名無しさんだよもん:03/03/08 23:54 ID:Mqu5ub5T
『黙りなさい裏切り者』
 ブツンッ。
 ……一言で切り捨てられ、回線も向こうから断たれた。
「あ、茜さんっ! 話を聞いてください! 茜さんっ!」
「無駄ですわ」
「……!」
 カルラの声にハッと顔を上げる佐祐理。
「彼女はまさしく『軍人』、組織の人間ですわ。その組織を裏切ったあなたの言葉など彼女の耳には届きません。
 お諦めなさいな。彼女とあなたは住む世界が違うのですよ」
「そんな……!」
「しかしどうするかカルラ殿。ベナウィ殿があの様子では……」
「そうですわね……どうしたものでしょうか……」

 ……しかし、その時。
『あー、あー、もしもし。こちら月支部司令官巳間良祐。聞こえるか?』
「!」
 郁未の懐から声が聞こえた。
「巳間さん……!?」
 取り出してみれば、個人支給品の通信機が反応している。
『あー、頑張っているようだな天沢。大変結構。そして……倉田佐祐理君、そこにいるんだろう?』
「……はい、初めまして。"元"華音支部、倉田佐祐理です」
 先ほどの狼狽ぶりは微塵も感じさせず、キリリと佐祐理は言い放った。
『そしてそちらにいるのは……うたわれ武将のカルラさんとトウカさんだったな』
「ええ、お初にお目にかかりますね。カルラですわ」
「トウカだ。貴殿が月司令の巳間殿か」
『その通り。失礼だが話は一部始終聞かせてもらった』
「……!」
 郁未の表情が青くなる。しまった、迂闊だった。あんな話を司令官に聞かれたら……!
『まぁそう固くなるな。……天沢、カルラ君とトウカ君のどちらでもいい。彼女らと倉田君を少し月支部まで連れてきてもらえないか?』
「え?」
 巳間の言葉は意外なものだった。
861名無しさんだよもん:03/03/08 23:56 ID:Mqu5ub5T
「ど、どういうこと……?」
『フッ、それはこちらに来てから話そう。ただ、君たち反秋子派にとっても悪くない話だ ——とだけは言っておこうか。
 すでにこちら側の"お客"は揃えてある。……"カミュ"君に"ユズハ"君だったかな? 彼女らも"特別室"へ移送しておこう。
 安心したまえトウカ君』
「な、キサマ……!? なぜ彼女らを!?」
『個人名を出したのは失敗だったな。一山いくらの"マルタ"達ではあったが……直接君らの関係者がいたとは大金星だ。
 なぁに、彼女らの身柄は"丁重に"保護しておくさ。心配することは何もない』
「っく……!」
 ギリリ、とトウカの奥歯が軋む。言葉ではああ言っているが、要は体のいい人質だ。
『それでは基地内でお待ちしていますよお客人。なお、里村茜への撤退命令は俺が出しておく。以上』
 ブツンッ。
「……ふん、相変わらずのやり口ね」
 つまらなそうに郁未が呟く。
「……ふぅ、どこも同じですわね。陰謀、奸計、裏切り……そして取引。仕方がありませんわ。
 あの2人を見捨てるわけにはいきませんものね。行くしかないようですわ」
「しかし……カルラ殿……」
「なに、向こうもそれなりの思惑があるようですし、すぐに殺されるということもないでしょう。
 ……さて郁未さん、私と、トウカ。どちらを連れていきますか?」
「……はぁ」
 郁未は一つ大きなため息をつき、頭をおさえながら指名した。
「それじゃ悪いけど……」

A カルラ、あなたを連れて行かせてもらうわ。
B トウカ、私と一緒に来なさい。
862名無しさんだよもん:03/03/08 23:57 ID:Kotqs3wB
冷静な方でA
863名無しさんだよもん:03/03/09 09:47 ID:WPCcokvs
「……カルラ、あなたを連れて行かせてもらうわ」
「……わかりました。では……ご案内、お願いしますわ」
「わかってるわ。もしあの男が変なコトしようとしたら、私だって暴れてやるわよ」
「これは頼もしいお嬢さんだこと……」
 一歩、佐祐理たちの方に進み出るカルラ。
 その後ろに、トウカが心配げな声をかける。
「カルラ殿……」
「……トウカ」
 しかしカルラはふり返らず、背中を見せたまま冷静に言い放った。
「2日経って私が帰らなかったら殺されたとお思いなさい。……そして、次こそは……」
「……承知」
 その先の言葉は聞く必要はない。トウカはチャキッ、と腰の刀を鳴らしながら傅いた。
 さらに佐祐理の方へ向き直る。
「佐祐理殿。一度は貴殿との約束を違えた某が言うのは烏滸がましい……それはわかっている。だが、一つだけお頼み申し上げたい。
 ……カルラ殿を、そしてカミュ殿、ユズハ殿を……頼む」
 地にすりつけるように頭を垂れた。
「わかってますよ。佐祐理に任せておいてください!」
「……かたじけないッ……」
「佐祐理、さっさと行くわよ」
 少し先から郁未に呼びかけられる。
「あ、はーい。今行きますね」
 そして……

A 何事もなく会談スタート
B ちなみに国崎一行はどうしているかと言うと
C ちなみに尾根支部に向かった晴香はどうしているかと言うと
D ちなみに秋子さんはどうしているかと言うと
864名無しさんだよもん:03/03/09 09:48 ID:S9wi+Acy
A
865名無しさんだよもん:03/03/09 14:11 ID:xIQ3/phO
「ようこそ諸君」
 郁未さんに案内され、連れて行かれた部屋。
 中央に巨大な円卓が備え付けられてあり、その最奥に一人の男性が座っておられました。
「俺が月支部司令、巳間良祐だ。以後よろしく頼む」
「……初めまして。倉田佐祐理です。そして……」
「ああ、説明の必要はない。川澄舞に久瀬だろう。話は聞き及んでいる。女に溺れ、K.E.Y.を裏切った色男だとな」
 久瀬さんの目つきが厳しくなりました。
「……言ってくれるね良祐さん」
「事実だろう。……まあ、いい。君たちに直接用事はない。それよりも……」
 チラリ、と視線を佐祐理たちの脇に逸らします。
「あなたがうたわれの武将、カルラさん……で、よろしいのかな?」
「ええ初めまして。カルラですわ」
「こちらこそ」
 ……少なくとも、表面上は穏やかな始まりでした。
 
「あ……茜さん……」
 巳間さんの右、佐祐理たちから見て部屋の左側に、里村茜さんが座っておられました。
「………………」
 一瞬だけ佐祐理と目が合いましたが、すぐに逸らされてしまいます。……完璧に敵視されてますね。
(彼女とあなたは住む世界が違うのですよ)
 ……今更になって、カルラさんの言葉が突き刺さります。

「まぁくつろいでくれたまえ。君たちの座席は目の前の椅子を使ってくれて構わない。……すぐにもう一人も来る」
 薄暗くてよくわかりませんでしたが、その時、巳間さんの唇がニヤリと歪んだ気がします。
 ……彼の言葉と、同時でした。
 ドガッ!!
「痛ッ! 何しやがる!」
 ドアが勢いよく開かれ、そこから数人の男女が部屋に流れ込んできたのは。
 あれ? あの方は……?
「あの……ひょっとして、国崎さん……ですか?」
 床に倒れるその男性に向かい、尋ねてみます。
「あ、ああ……。お前は……確か、倉田佐祐理……」
866名無しさんだよもん:03/03/09 14:12 ID:xIQ3/phO
「はい、お久しぶりですね」
 お知り合い、と言うほどではありませんが、彼とは空市にいた時に何度か面識があります。
「国崎往人、その他を連れてきました巳間司令」
 ……国崎さんらの後に悠然と部屋に入ってきた金髪の女性が、ビシッと敬礼しつつ巳間さんに報告をしました。
「ご苦労、鹿沼大佐。引き続き拘束しておいてくれ」
「了解しました」
(……佐祐理)
(はい?)
 それを見た郁未さんが佐祐理にボソッと、
(……彼女は鹿沼葉子、私と同じ『力』の使い手よ。気をつけなさい……)
(は、はい……わかりました)

「さて……役者は揃ったな。では、そろそろ始めようか」
 佐祐理たちから向かって右に国崎さんらが座った(というか葉子さんに座らされた)のを確認すると、会談が始まりました。
「……では、まずは何から話そうか……」

A 巳間さんの話を聞く。
B 佐祐理の要望を伝える。
C "ユズハ"さんや"カミュ"さんの状況について尋ねる。
D ……というより、国崎さんのお連れの中に芹香さんそっくりな女性がいらっしゃいます。
867名無しさんだよもん:03/03/09 14:44 ID:bTOyFUzl
B
868名無しさんだよもん:03/03/09 18:39 ID:fGvFculN
「待ってください巳間さん」
 巳間の話が始まる前に、佐祐理は手を挙げた。
「何かな、倉田さん」
 嫌な顔一つせず巳間は己の話を止めた。
「その前に、佐祐理がここへ来た理由を伝えておきます。佐祐理は————」
「————月支部を反秋子派に引き入れるため……だろう?」
 巳間は唇を歪ませながら言葉の続きを言い当てた。
「……その通りです」
「なるほど。確かに今のあなたは華音支部からは追われる身だ。生き残るには、戦うしかない。
 しかし、たった3人でどうやって戦うつもりだ? 今のあなた達は巨人に立ち向かう蟻に等しい」
「ですから、そのためにこうして交渉にやって来たのです」
「ほぅ、俺に裏切れと? 華音支部を、秋子さんを裏切れ、と? 無駄な足掻きだな」
「そうなります。……現在、月支部内も親・反秋子派で真っ二つに別れていると聞き及んでおります。
 ならばそこに多少は佐祐理たちの足掻く隙間もあるかと思われます。たとえ無駄になろうとも、佐祐理たちにはそれしか残されていないのです」
「なかなか正直だな。……では一つ聞こう。もしここで俺が、完全に秋子派につくことを表明したらどうする? いや、むしろその方が可能性が高いんだぞ?」
「……戦います。反秋子派の方々の中から出来うる限りの協力者を集めて、あなたと戦います」
「ほぅ、華音の前に月を落とそうというのか。これはなかなか豪気なお嬢さんだな」
「……………………………」
 沈黙する佐祐理。確かに、言葉だけ見れば自分でさえ己がかなり好戦的な人間に思えてくる。
 しかし構わず、巳間は続けた。
「……俺も負ける戦に荷担する気はない。華音攻略の鍵は何かあるのか?」
「それはあなたが一番ご存じだと思いますが?」
「ふむ、よく知っているな」
 佐祐理が何を言いたいのかわかった巳間は、またしてもニヤリと唇を歪ませる。
「……そうだな。そろそろ彼女にご登場願おうか。おい、繋げろ」
 そして不意にパチン! と巳間が指を弾いた。
 同時に、鈍い機動音とともに良祐の後ろ……佐祐理達から見て真正面の壁一面に張られた巨大スクリーンに灯がともる。
 そこに映っていたのは……
869名無しさんだよもん:03/03/09 18:40 ID:fGvFculN
A セリオ
B 神尾晴子
C 七瀬留美
D カミュ&ユズハ
870名無しさんだよもん:03/03/09 18:44 ID:S9wi+Acy
A
871名無しさんだよもん:03/03/09 19:34 ID:fGvFculN
「セリオ!」
 その映像を見た瞬間、綾香が叫ぶ。
 ……巨大なモニタの中に、セリオは佇んでいた。
 体中から無数のケーブルを生やし、いくつものコンピュータの中心で全てと繋がり、佇んでいた。
 その瞳に生気はない。
「あ……あなた! セリオをどうしたの!?」
 叫びながら、椅子を蹴って良祐へと躍りかかる綾香。
 しかし良祐は眉一つ動かさずに、
「鹿沼大佐」
「はい」
 ド!
「!!?」
 瞬間、綾香の身体に強烈な衝撃が走り、景色の色が全て反転したかと思うと遙か後ろに壁に叩きつけられていた。
「けほ……っ、けほっ……」
 壁際に蹲り、胃のあたりを押さえて激痛に耐える綾香。……そんな彼女に、芹香が慌てて駆け寄った。
「……綾香……」
「……あら姉さん……無事……だったのね……」
「………………」
「……そんな顔しないでよ。私は平気よ。それより……」
 ぐぐ、と首をもたげ、モニタの中の友人を見つめる。
「セリオを……」

「さて、騒がしいお嬢さんは放っておいて話を続けようか」
 国崎や佐祐理の非難のこもった視線も全く気にせず、良祐は説明を再開した。
「彼女こそかつて来栖川の情報戦を支えていたシステム"HMX"、その機能を搭載した"13-SERIO"その物だ。
 少々前の主人様への忠誠が強すぎてね、最近は人格データを凍結させて俺の秘書をしてもらっている。
 だが、今は……見てのとおり、『準備』を進めているところだ」
「……準備、ですか?」
「そうだ。華音支部へのクラッキング、ナンバー666プロテクト突破……その準備中だよ」
「え!?」
872名無しさんだよもん:03/03/09 19:36 ID:fGvFculN
「さてそれでは次にカルラさん、君に一つ訊きたい」
「……なんでしょう?」
「単刀直入に行こう。君は倉田さんに協力する気はあるか?」
「そうですわね……。私たちの同胞……あなた方が"マルタ"と呼んでいる人々。そしてカミュさんやユズハさん……
 彼女らとの交換ならば考えないこともないでしょう。ただ、あなたと一緒に戦うのはかなりの生理的嫌悪がありますが」
「なるほど。これは実にわかりやすい。覚えておいてくれたまえよ倉田さん」
「……?」
「では次に国崎君、君たちの司令……晴子さんはどちら派だ?」
「ふん、どうせお前はわかっているんだろう。わざわざ訊くのか?」
「一応、一応念のため、だよ国崎君。教えてもらえないか?」
「……晴子は反秋子だな。ただ知っての通り先日の陥落以来空の戦闘力はかなり弱体化している。直接秋子と敵対することは考えにくいだろうな」
「結構結構、大変結構。俺の思っているとおりだな。これも覚えておいてくれたまえ倉田さん」
「……? 巳間さん、先ほどから何を……?」
「では状況を整理してみようか。HMXは俺の手の中、カルラさんらうたわれの方々との交渉材料であるマルタ諸君も俺の手の中。
 そして空市はたとえ全面協力を得られようとも戦力としては少々心ともない……倉田さん、これらの事項から導き出される結論は?」
 満面の笑みで佐祐理に詰めよる。
「……K.E.Y.の運命は、あなたが握っている……とでも言いたいのですか?」
「そうだその通りだよ。狂信者集団として虐げられてきた我々月の者が、とうとうK.E.Y.の行く末に対しここまで干渉することが出来るようになった。
 さて倉田さん……ではあなたに問おう。あなたは秋子を打ち倒した暁に、我々に何をもたらしてくれ……(ピピピッ)…ん? おっと、失礼……」
 結論を出したかと思ったその時、突然良祐は自分の懐から何かを取り出した。
「……もしもし、こちら良祐。……ああ、晴香か」
 ……無線機だ。
「……ん? ああそうだ。こっちは順調だ。……で、そっちは? ……ん?」
 晴香からの報告は……

A 七瀬留美の懐柔に成功した。
B 交渉は決裂した。
C 秋子に捕まった。
D 華音からの刺客がそっちへ向かった。
873名無しさんだよもん:03/03/09 19:36 ID:S9wi+Acy
C
874名無しさんだよもん:03/03/09 20:13 ID:fGvFculN
『こんにちは良祐さん。ずいぶんたくさんの人を集めて楽しそうですね』
「………その声は……!」
 無線機から漏れ出た声を聞いた瞬間、良祐と佐祐理の顔が一気に青ざめた。
『私としても少々迂闊でした。まさかあなたまでもが裏切るとは……』
「……フッ、何を言ってるんですか秋子さん。俺はただ……」
『言い訳は聞きたくありません。大方あなたの思惑は私と倉田さんの間を立ち回り、甘い汁を吸おうとでも思ったのでしょう……
 そうですね……こうやって声だけでやりとりするのも面倒です。そちらの回線を開けていただけませんか?』
「……ええ、構いませんよ」
 近くの男に目線で視線を送り、モニタの回線を切り替えるよう命令する。
 ブオン、と一瞬セリオの姿が歪んだかと思うと、次にそこには皮椅子に腰掛ける秋子、その脇に佇む七瀬、
 そして2人の足下に転がされた晴香が映し出された。
『やはりこちらの方が話しやすいですね。あらそちらにいるのは倉田さん、お久しぶりですね』
「……ええこちらこそ、秋子さん」
 モニタ越しに目が合う2人。敵と味方の邂逅。表面上はお互いに冷静であった。
『積もる話もありますが……今は良祐さんの方が先ですので、ちょっと失礼しますね』
「ええ。佐祐理は構いませんよ。どうぞ」
『ありがとうございます……。では、良祐さん』
 目線を良祐の方に向ける。
『命令です。今の地位と命が惜しくば、即刻倉田さんを捕らえ、私に引き渡しなさい。もし断れば……』
 カチャッ、と拳銃を取り出し、足下の晴香の脳天に銃口を定めた。
『あなたの大切な妹さんの頭が半分になってしまいますよ』
875名無しさんだよもん:03/03/09 20:14 ID:fGvFculN
「なるほど、あなたらしいやり方だ。変わらない、あなたは全く変わらないね」
 良祐は薄ら笑いを浮かべたまま、懐に手を入れた。
「……そちらが"そう"するのならば、こちらは"こう"しよう。膠着状態を作るとしよう」
 カチャッ。
 ……拳銃を取り出し、銃口を定める。対象は……茜。
「……………………………」
 しかし茜は沈黙を保ったまま抵抗しなかった。いや、表情一つ、眉一つ崩さなかった。
『ほう?』
「……晴香に傷一つつけてみろ。その瞬間月支部全構成員はキサマの敵に回ると知るがいい。
 さらに里村茜とその部隊をこの場で射殺、あなた方虎の子のWAFFLEは全て俺の手に入る。……主力戦闘機部隊と乗り手を失い、俺たちとの戦いに勝ち抜く自信はあるのか?」
『……なるほど、そう来ますか。なかなかやりますね良祐さん』
「全てあなたから教わった方法ですよ秋子さん。……さあ、どうしますか?」

 そして……
 
A 取引を持ちかけてきた。
B ひとまず仕切り直し。お互いに出直すことになった。
C 茜が自決した。
D 問答無用に晴香を射殺した。
876名無しさんだよもん:03/03/09 20:22 ID:G8LjPgWW
B
877名無しさんだよもん:03/03/09 20:24 ID:EIXRpfKE
D
878名無しさんだよもん:03/03/09 20:37 ID:S9wi+Acy
C
879名無しさんだよもん:03/03/09 20:37 ID:bVDDsIHJ
                   ,'⌒,ー、           _ ,,..  X
                 〈∨⌒ /\__,,..  -‐ '' " _,,. ‐''´
          〈\   _,,r'" 〉 // //     . ‐''"
           ,ゝ `</ /  〉 /  ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / /  . {'⌒) ∠二二> -  - - - - - -
  _,.. ‐''"  _,,,.. -{(⌒)、  r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
 '-‐ '' "  _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐'   ;;    ‐ -‐   _- 重くなってまいりますた
 - ‐_+      ;'"  ,;'' ,''   ,;゙ ‐-  ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
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880名無しさんだよもん:03/03/09 21:10 ID:+prYU27g
これ…ラブコメ、だよね?
881名無しさんだよもん:03/03/09 21:35 ID:xbbFCgfe
ラブコメやりたくないんだろ、書いてる人達は
最初に決めた方向性は何だったのかは考えない方がいいんだろ
882名無しさんだよもん:03/03/09 22:28 ID:oupYT8Ls
さすがに戦記物とラブ「コメ」の同居はキツイんじゃないかと思うんだがなぁ。
ま、これ以上は愚痴スレ向きなわけだが。
883名無しさんだよもん:03/03/09 23:07 ID:JBn8HmNt
>881
ここ最近(佐祐理離反以降)から少し書き始めた書き手の一人として言わせてもらうが
ラブコメやりたくないのではなく、既に話の展開がラブコメやれる状態ではない。
今の状態で無理にコメディ方向にすると間違いなく話が破綻してしまう。
それに、ここまで話が出来あがってきている以上きっちりケリはつけたいし。
(700レス近くも使っておいてリコールなんてそんな酷な事はないでしょう)
ただ、柳川シリーズみたいな超長期化は御免。
本スレ中はまず無理だが最低次スレで終わらないと収拾つかなくなるだろうし。
884名無しさんだよもん:03/03/09 23:28 ID:jyHKfucS
だからあれだ。うたわれ本編。あれな感じなんだろ。

あれだって戦争中(トゥスクル婆さんとかオリカカンにヤマユラが滅ぼされた)は
結構人死んだりそれなりにハードだっただろ。
これで上手い具合に佐祐理さんが華音司令に収まったりした後はうたわれとの全面抗争が待ってるだろうけど
その間にはラブコメの展開する余地もあるだろ。きっと。
(その時祐一や名雪や秋子さんがどうなってるかはわからんが)
しかしこれをやるとさらに話が長くなる諸刃の剣。
素人には以下略。

つっても意外な方向に話が行く可能性も高いんだが。
あくまでも俺の予測っていうことで。
885名無しさんだよもん:03/03/09 23:37 ID:S9wi+Acy
つーかこのスレで終わらせるの目標
886名無しさんだよもん:03/03/09 23:42 ID:9f1bkXD2
俺は次スレ前半。
887名無しさんだよもん:03/03/10 00:45 ID:pTqdubPP
つーかさ、これは確認しておきたいんだが、
話は「短ければ短いほどいい」キャラ人数は「少なければ少ないほどいい」ってのは無いよな?
確かにその点をおさえたAKIRAは上手くまとまって「良作」ではあった。
けどだからって「お手本」ではないよな?「良い例」ではあってもさ。
全ての話がAKIRAを目指す必要はないよな?

まあ俺が何を言いたいのかってーと、あんましそういうところに拘らないほうがいいんじゃないかってこった。
888名無しさんだよもん:03/03/10 00:45 ID:pTqdubPP
つーかさ、これは確認しておきたいんだが、
話は「短ければ短いほどいい」キャラ人数は「少なければ少ないほどいい」ってのは無いよな?
確かにその点をおさえたAKIRAは上手くまとまって「良作」ではあった。
けどだからって「お手本」ではないよな?「良い例」ではあってもさ。
全ての話がAKIRAを目指す必要はないよな?
889名無しさんだよもん:03/03/10 00:56 ID:QOo3nc2H
とりあえずおちけつ
890名無しさんだよもん:03/03/10 00:56 ID:C6XdRCg2
話が長すぎ、キャラが多すぎで失敗した柳川があって、その逆を行って成功したAKIRAがある以上
柳川と似た方向性になりつつある状態である程度の苦言が出るのは仕方なかんべ
891名無しさんだよもん:03/03/10 01:18 ID:jBFN4CGU
本音で聞きたいのだが現時点でこの路線は人気があるのか?
反応が「A」や「B」だけなのでわかりづらい。
892名無しさんだよもん:03/03/10 02:36 ID:jSvpKdFm
完結してないからまだ何ともいえんが……路線の明確な変更、話の枠が広がりすぎていること、
などに対する不満はないでもない。が、半分は不満ではなく不安。
俺は基本的に悪い方向に考える人間だと明言した上で、これからの展望に対して、期待三割、不安七割くらい。
ただセリオの導入によって少しは希望が見えてきた感はある。話の決着という意味において。
893名無しさんだよもん:03/03/10 02:41 ID:e3S6hvec
まとめるという意味においては
戦闘が少ないほうが早くまとまる

それがいいか悪いかはわからないがね

男主人公と女主人公の違いについて考えてみるのも面白いかもね
894名無しさんだよもん:03/03/10 14:20 ID:4TRBwmvG
行くがままがよろしいかと。
895名無しさんだよもん:03/03/10 19:12 ID:hdHh0BK0
俺はポージングする祐一が好きだったよ
ビュリホォワラタ
896名無しさんだよもん:03/03/10 21:34 ID:rhh0a0GW
「……………………」
『……………………』
 チキッ。
 良祐と秋子の2人は、ほぼ同時にお互いの獲物から銃口を外した。
「……どうやらここはお互いに出直した方がよさそうですね」
『そうですね……。このままでは確かにあなたの言う通り膠着状態に陥って動けそうにありませんから』
 そして2人とも近くにいた人間に晴香と茜を牢屋に入れるよう命令する。
『良祐さん、あなたに二日間の猶予を与えます。二日以内に里村茜・彼女の部隊所持のWAFFLE全機、及び倉田佐祐理をこちらに引き渡しなさい。
 さもなくば私たちは月支部に対してルンペルシュティルツヒェンによる弾道ミサイルを発射します。これは脅しではありません』
「ほぅ、そんな真似をしてうたわれとの戦いを勝ち抜けるとでも?」
『少なくとも叛乱分子を自らの中に留めたまま戦うよりはマシでしょうね。……では、しばしのお別れです。
 またお会いしましょう。良祐さん、そして倉田さん……』
 ブツンッ。
 回線は向こうから切られた。
「……フゥ」
 一際大きな息を吐き、良祐が椅子に沈む。
「……チッ、予想以上だな。ヤツの手は『長い』……。晴香が人質に取られたか……」
 両目を目で押さえながら、一人ブツブツと何かを呟いている。
「あの……」
 やや遠慮しつつも、佐祐理は声をかけた。
「会議は……どうしますか?」
「……ああ」
 良祐は気怠そうに、
「ひとまず中断だ。新たな作戦を練らなければならない。……とりあえず君を保護しよう。適当な部屋を宛っておく、好きに使うがいい。
 基地内も基本的に自由に歩き回ってもらって構わない……が、地下区画には行くな。決して行くな。それだけは禁ずる」
「地下……ですか?」
「そうだ。そこには絶対行くな。……そして次にカルラさん」
「なんでしょう?」
897名無しさんだよもん:03/03/10 21:35 ID:rhh0a0GW
「聞いての通りだ。しばらくはこっちも内部のゴタゴタを処理しなければならない。ひとまずあなたにはお引き取り願おうか」
「………"彼女"たちは?」
「彼女らは君たちとの大事な取引材料だ。少なくとも粗末に扱うことはない。そこのところは信用してもらおう」
「……わかりましたわ。仕方がありませんね。では……」
 カルラは自分の荷物から一枚のカードを取り出し、良祐へと投げ渡した。
「私は原隊に戻ります。何か連絡がありましたらここにお願いしますわ。
 こちらも彼女らを人質に取られている以上、しばらくの間は迂闊に動けませんでしょうしね」
「フン、いいだろう」
 パシッ、とカードを受け取る。
「国崎君、君たちも同じだ。武器は取り上げさせてもらうが、地下区画以外は自由に歩き回ってもらって構わない。
 ……後で晴子さんに連絡を取る。作戦司令室へ来てくれ。私室も用意しておく。以上だ、解散」
 最後にそれだけ言うと、良祐は一度もふり返らず部屋を後にした。
 
 そして、佐祐理は……
 
A 国崎たちのところへ行った。
B 舞や久瀬とこれからについてを話し合うことにした。
C 良祐の後を追った。
D とりあえず部屋で休むことにした。
898名無しさんだよもん:03/03/10 21:36 ID:rhh0a0GW
>両目を目で押さえながら、一人ブツブツと何かを呟いている。

両目を目ってなんやねん。両目を『手』で。
899名無しさんだよもん:03/03/10 21:52 ID:vUeA5Abo
Aで。
900名無しさんだよもん:03/03/10 21:52 ID:eMJbZF+S
901名無しさんだよもん:03/03/10 23:40 ID:YJf/gln0
「なるほど、晴子に頼まれて俺たちを助けに来た……と」
 佐祐理たちに宛われた部屋。その中の一つに国崎一行・佐祐理一行が集まり、お互いの情報を交換していた。
「はい、とは言っても国崎さんたちは自力で脱出できちゃったみたいですけどね。あははーっ」
「ま……そうは言ってもあの女……葉子、とか言ったかな? あいつのせいでかなり危なかったんだがな。
 というよりも、どうやら良祐のヤツも元より俺たちを処分する気はなかったようだ。大方取引材料にでも使うつもりだったんだろう」
「何はともあれ、皆さんご無事でよかったじゃありませんか」
「それはそうだな」

「……どうぞ」
「あ、どうもありがとうございます」
 美凪の煎れてきたコーヒーが佐祐理の前に置かれた。
「そういえば佐祐理、お前たちは……こういうものに見覚えはないか?」
 不意に国崎が佐祐理たちに二枚の写真を差し出してきた。
「……これは?」
「ああ。ここにいる間に手に入れたんだ。実は二枚目に写ってる調査隊の内一人が空市の……」
「あ、霧島さん。霧島聖さんですね」
「……そうか、そう言えば面識があったんだよな。そうだ、聖のやつが写ってる。
 後であいつにも聞いてみるつもりなんだが……一枚目の化石や、二枚目に写ってる他の連中に見覚えはないか?」
「うーん、そうですね……。舞、久瀬さん? 何か心当たりは?」
 言いながら、二枚の写真を2人に向けた。
「………可愛くない」
「あはは……」
 舞に聞いたのは失敗だった。
「……この化石……」
 しかし、久瀬は怪訝な反応を示す。
「どうしました?」
「いえ、この化石……仮面、みたいなものを付けてますね。この仮面は……」
「見覚えがあるのか?」
「見覚えというか……以前交戦したうたわれの武将……オボロ、とか言ったかな? そいつが付けていたものにデザインがどことなく似てるんですよ」
「うたわれの仮面……?」
「仮面を付けた者は驚異的な再生能力と身体能力を得るようです。とはいえ、それ以上は僕も知らないのですが……
 相沢や、先ほどのうたわれ武将のカルラ。あるいは彼らなら何か知っているかもしれませんね。……聞き出すのはかなり難しいと思いますが」
902名無しさんだよもん:03/03/10 23:41 ID:YJf/gln0
「そうか……では、二枚目の調査隊連中の写真はどうだ? 誰か知ってるヤツはいないか?」
 促され、久瀬は写真に目をやる。そこには四人の男女が先ほどの化石をバックに写っていた。
 国崎の話によると、右から二番目の女性は空市の軍医、霧島聖らしい。
「知ってる人間……ですか。……ん?」
「どうしましたか久瀬さん?」
 ……何気に写真の裏を見た久瀬が端に何かを発見した。
「ここに……文字が書かれてますね。だいぶ掠れてますが……」
「文字? それは気付かなかったな」
「ええと……20XX年……月日は……わからないな。南極……仮面の遺跡……調査隊……橘…××…霧島……××……
 どうやらここは南極の『仮面の遺跡』という場所のようですね。後半に書かれてるのはおそらく調査隊隊員の名前でしょう。
 右から二番目の女性はあなたの言うとおり『霧島』さんで間違いないようです。そして、左端が『橘』……あいにく、他の2人は読めませんが」
「橘か……知らないな。まあいい、聖に聞けばわかることだろうからな。さて……そうだな、次は……」

A これから一行の取るべき行動について。
B 良祐の思惑について。
C 『高槻』という男について。
D そろそろ作戦司令室へ行こうか。
903名無しさんだよもん:03/03/10 23:51 ID:ApgALDQ0
話進めよう。Dで。
904名無しさんだよもん:03/03/11 00:46 ID:YLR8/0ts
「司令室、行くか」
「そうですねー…」
ちょっと早い気もしましたが、この非常事態ですからのんびりもしていられません。
かきゅーてき速やかに対応策の百や二百も講じなくては。
佐祐理たちは部屋を出て廊下を静かに進みます。
ところが司令室までもう少しというところで、後方で爆発音がしました。
全員が立ち止まって、何事かと驚いたのも束の間――
「きゃあっ!」
激震が廊下を走りぬけました。
爆発音は断続的に聞こえてきます。ただ事ではありません。
佐祐理たちは残り僅かとなった経路を全力で駆け、司令室に飛び込みました。
「良祐さん、一体何が!?」
「やられたよ。秋子さんにしてやられた!」
「では、これは秋子さんの攻勢…」
「その通り。何が二日間の猶予だ、始めからこちらを抹殺するつもりだったんだ」
唇を噛み、良祐さんは忌々しげに吐き捨てました。
秋子さんの手を読み切れなかった事への、自分に対しての怒りも多分に内包している事でしょう。
「倉田さん、君は客人を連れてここから逃げてくれ」
「いえ、佐祐理も戦いm」
「ここで戦って、何になる? 貴女の志がこんな意味のない局地戦に命を掛けるようなものであれば、引きとめはしないけどね」
「それは…」
「違っている事を願う。まあ、こちらは違っているものとして話をさせてもらうけどね…ほら、このカードを持って行くといい」
言って、良祐さんはカードを一枚投げて寄越しました。
「これを使って地下の脱出路から逃れられる。”マルタ”も解放してくれて構わない」
「良祐さん、貴方は?」
「俺は司令の責務を果たす…それだけだ」
「そう、ですか…」
「郁未とセリオを脱出経路の手前に向かわせよう。来栖川姉妹の方も彼女達に任せるとして…そうだな、人格の凍結も解除しておく。ハッキングプログラムはセリオに記憶させた。倉田さん、上手くやってくれよ」
「良祐さん、貴方は…」
905名無しさんだよもん:03/03/11 00:46 ID:YLR8/0ts
「さ、早く行ってくれ。残念ながら、こちらも君たちに構ってばかりもいられない」
「…はい」
一同回れ右、続々と部屋を去って行きます。
最後に扉を通りかかった佐祐理は、一度彼を振り向きました。
「良祐さん」
「ん…何か?」
「今度、佐祐理のお弁当食べてくださいね?」
「…ああ、是非ともお願いしたい。その時はよろしく頼む」
「はいっ」
笑みを浮かべ、彼へ威勢良く返事をしました。
その時、佐祐理は初めて良祐さんの笑顔を見る事になったのでした。

この後は…。

A.撤退撤退。地下へ潜る。
B.げ、敵だ。秋子派の連中に見つかった!
C.ところで、茜ちんはどうなった?
906名無しさんだよもん:03/03/11 00:51 ID:+AdPYd+2
C
907名無しさんだよもん:03/03/11 01:49 ID:U5pe/oJK
>二日間を守らない
まぁ当然だろうなー……とか思ってしまう、すれた私。
ところで良祐、久瀬の如く性格変わってないか?
908名無しさんだよもん:03/03/11 01:52 ID:ltrYdG8B
リレーでそれを気にしたら負けだとか思ってしまうダメなワタクシ。
909名無しさんだよもん:03/03/11 03:17 ID:dOC9+DlM
「ところで、茜さんは・・・・・・?」
あたりを見回した時にはすでに茜の姿は無かった。
「倉田さん、どうやら攻撃のどさくさに紛れて逃げ出したようだ。さっき里村さんが操縦していると思われる戦闘機が離陸するのを見ました。」
「そうですか・・・・・・今は地下施設へ人質の解放に行きましょう。」
「ええ・・・しかし人質は無事だろうか・・・・・・。」


「クソ、なんて無駄に長い階段なんだ!!」
国崎さんが愚痴をこぼします。確かに長い階段ですねー。設計者は何を考えているんでしょうかねー。」
「・・・・・・佐祐理、あそこに光が見える。」
ようやく最下層に着いたみたいです。重々しい鉄の扉が佐祐理たちの前に現れました。
「みなさん、用意はいいですか? それではおーぷんざどあー。」
鉄の扉が唸りをあげて開きました。


「なんだここは?実験場じゃないのか?。」
「にはは、まるで田舎の村みたい。」
扉の向こうには隠れ里のような光景が広がっていました。

「なんだぁ〜お前らぁぁあ〜? まさか秋子の手先か?駄目だ駄目だぁぁここの人質たちにはこの高槻様いる限り指一本触れさせんぞぉぉぉお!!」
男の人が拳銃を構えて叫んでいます。秋子さんの刺客と勘違いしてるみたいですね。おや?だれか一緒にいます。

高槻と一緒にいる人は・・・
A 黒い翼を生やした巨乳の女の子
B 病弱そうな猫耳の女の子
C 虎のような動物を連れた女の子


910名無しさんだよもん:03/03/11 03:20 ID:ltrYdG8B
というかそろそろ次スレの>>1を決めた方がいいんじゃないか?

第10スレ:〜選択形式で進めていくスレッドκ〜

>>1は誰にしますか?

A:佐祐理
B:久瀬
C:サクヤ
D:祐一

ちなみに『κ』は『カッパ』。
参考:http://e-words.jp/p/r-greek.html
911名無しさんだよもん:03/03/11 03:21 ID:ltrYdG8B
>>909
Aで。
912名無しさんだよもん:03/03/11 03:25 ID:m3vNmN9u
>>910
Cが妥当だな。
913名無しさんだよもん:03/03/11 04:23 ID:dOC9+DlM
高槻さんの側にいる女の子がうたわれの人質みたいですね。しかし・・・・・・中学生ぐらいの年齢に見えるのにあの胸の大きさ・・・羨ましいですねーっ。あれ?舞、まーいー?
「負けた・・・・・・」
あははーっ舞が凹んでます。よほどショックみたいですねーここはそっとしておきましょう。

「待て!!俺たちは秋子の刺客じゃない!!それにお前、高槻だろ?」
「ぬぉぉ? 何故俺の名を!?貴様やはり秋子の手先かぁぁぁあ!!」
「待って!!おじさま、この人たちは敵じゃないよ!」
翼の女の子が止めに入りました
「むぅぅぅ本当か!? よしお前たちを信じるぞ。」
どうやら落ち着いてくれたようです。あの女の子に感謝ですねー。

一通り紹介を終えた後国崎さんが言いました。
「ところでだ高槻、お前はここでその娘――カミュと言ったな。二人で何をしていたんだ?まさかその娘に変な事をするつもりだったんじゃないだろうな・・・・・・」
「アホかぁ!!天才の俺がそんな破廉恥な真似ができるかぁぁぁ!!」
「お前・・・その顔と口調ではそんなセリフは説得力が無さすぎるぞ・・・・・・」
全く国崎さんの言う通りです。
「で、何をしていたんだ?」
「うはははは 聞きたいかぁ?よし教えてやろう俺がしていたのは・・・・・・」

A 脱出経路の捜索だぁあ!!
B 人質たちに飯を作るところだぁぁぁ!!
C 洗濯物を干しに行くところだ!



914名無しさんだよもん:03/03/11 04:36 ID:plL11Qkk
無論Cだろう。
915名無しさんだよもん:03/03/11 08:54 ID:cvFFZfqM
え、次スレはコリンじゃないのか……
一応前スレから続いてた話だし……佐祐理編のキャラはその次で。ダメ?
916名無しさんだよもん:03/03/11 13:06 ID:rJVHW3pc
「洗濯物を干しに行くところだぁ!」
 ドガッ、ベキッ!
 佐祐理のボディーと国崎さんのハイキックが同時に高槻さんにクリティカルしました。
「うおおおおお! 高槻は300のダメージを受けたぁ!」
「ふざけるな! お前今の状況わかって言ってんのか!?」
「秋子さんの刺客が急襲かけてきたんですよ! 急襲!」
「なんだとぉ!? それは大変だぁ!」
「お、おじさま……!」
「大丈夫だ安心しろカミュぅ! お前たちは大事な人質だぁ! 俺が守ってやるぅぅぅぅぅ!!!」
 ……セリフだけはカッコいいですね。
「おじさま……(ポッ)」
 そこ、真に受けない。
 
 しかし、その時ッ!
 ドォォォォォ……………ン!!!!
「!?」
 不意に、佐祐理たちの上空……いえ、遙か上の天井が爆裂しました。
「……あれは!?」
 さらに次の瞬間、空いた大穴から一つの人影が空間に飛び込んできました。
「……刺客か!」
 かなり高いところから落ちたにもかかわらず、その方は綺麗に地面に着地します。
 
 その人は……
 
A 全身を隙間無く黒装束で覆った忍者。
B 手にはスケッチブックだけを持った可愛らしいお嬢さん。
C 渚カ○ルっぽい男の人。
D ……ゆ、祐一……さん?
917名無しさんだよもん:03/03/11 13:15 ID:2whOT7z2
918名無しさんだよもん:03/03/11 13:46 ID:FMn4LTgY
「……え?」
 爆煙が晴れ、ようやく降り立った人の姿があらわになりました。
 それは……
「……女の子?」
 佐祐理よりもだいぶ幼い、どうみても中学生くらいとしか思えない女の子でした。
『こら、そこの女』『なの』
 え? ……女の子が自分のスケブに文字を書き、佐祐理に見せました。
『誰が中学生か』『なの』『あんま舐めたこと言ってくれると……』
 シャッ!
『氏ねなの』
「!?」
 女の子が腕を振るった刹那、真っ白い『何か』が佐祐理に向かって一直線に伸びてきました。
「佐祐理ッ!」
 しかし佐祐理に届く直前、舞が間に割って入って佐祐理を突き飛ばしてくれたおかげで、なんとかかわせました。が……
 ドガッ!
「な、なんだと!?」
 国崎さんが驚愕の声を上げます。その視線を追ってみると……
「……あ」
 ……女の子が振るったスケブの紙がまるで蛇腹のように伸び、佐祐理の背後にあった巨木をど真ん中でぶった切ってました。
『チッ』『外したなの』
「くそっ……キサマ!!!」
 慌てた国崎さんがサブマシンガンを構え、女の子に発砲しました。
 ぱららららら……!
 しかし彼女は怯まず……
『あのね』『甘いの』『そんな甘っちょろい豆鉄砲で』『……"これ"を貫けるとでも思っているのか!』『なの』
919名無しさんだよもん:03/03/11 13:48 ID:FMn4LTgY
 バッ!
「ええっ!?」
 次の瞬間、女の子はスケブを持ったまま大回転を始めました。
 伸びきった紙の束が螺旋を描き、彼女の姿を覆って……
 ガキキガキキキガキキキキキィン!!!!!!!
「うおぅ!? 危ないぞぉ!!?」
「弾が……はじき返された!?」
「馬鹿な!?」
 何と、国崎さんの放った弾丸が全て四方八方にはじき返されました。誰も当たらなかったからいいものを、かなり危ないです。
『尾根支部切込隊筆頭上月澪』
 女の子はニヤリと笑い、そう書かれた紙を高々と掲げます。
『倉田佐祐理』『七瀬司令の命なの』『あなたを殺すの』

A っしゃあ小娘が! 受けて立ってやりましょう! まじかる☆さゆりん、発動ッ!
B 舞! 舞! 最近全然目立ってないんだから何とかして!
C 国崎さん! そしてその他のみなさんっ! がんばってくださいっ!
D あ、高槻さんが何やら秘密兵器を持ち出してきました!
920名無しさんだよもん:03/03/11 13:51 ID:+kcAfosq
921名無しさんだよもん:03/03/11 17:28 ID:dOC9+DlM
「ふぬはははぁ! こんな事もあろうかと秘密兵器を用意していたのだぁ!」
あ、高槻さん何やら秘密兵器を持ち出してきました!・・・ってなんですかあの白羽扇を持ったロボット?は!!

「聞いて驚くなぁ! これは古代中国で開発された風水ロボ『先行者』だぁぁぁ!! かの有名な諸葛孔明が設計したがあまりにも恐ろしい兵器のため封印されたいわくつきの一品だぁ!!」
なんて恐ろしい兵器なのでしょう高槻さん以外全員引いてます。
「いけぇぇぇ先行者!!」

先行者の攻撃
A 中華ミサイル『東風』
B 中華ドリル『國士無双』
C 中華キャノン『シャッシャッホウ』
922名無しさんだよもん:03/03/11 17:40 ID:wh6LXLIw
CCCCCCCCCCC
923名無しさんだよもん:03/03/11 18:03 ID:dOC9+DlM
「先行者!! 中華キャノン撃てぇぇぃぃぃい!!」
『トウナンノカゼ、フカセマショウ。ハァァァァ』
地下なのに風が吹いてきました。あのロボットの力なのでしょうか!?
『先行者・・・・・・奴は鬼神か!?』『なの』
『シャッシャッシャッシャッシャッホウーーーーー』
ロボットが扇を六回降ると、股間から極太のビームが発射されました。しかしなんて恥ずかしい攻撃なのでしょう。

ドカーーーーーーーン

直撃を食らった女の子は・・・・・・
A 跡形も無かった
B 全くの無傷だった
C ダメージはあるがまだ倒れてはいなかった
D 逆に反撃した
924名無しさんだよもん:03/03/11 18:05 ID:nL4+5+SZ
A
925名無しさんだよもん:03/03/11 18:43 ID:eFeFI30O
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』『なの』
 澪と名乗った女の子は束ねたスケブを掲げ、なんとかビームを押さえ込もうと頑張っています。
『こんな死に方はいやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』『なの』
 しかしビームの出力はあまりにも強大で、とても彼女一人の力で押さえきれるものではありません。
『まだセリフがある話が3レスしかないのにぃぃぃぃぃぃ!』『なの』
 そして徐々にスケブの装甲は融けていき……
『せっかく反射兵器を手に入れたのにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
『なの』
 パッリィィィィィィィィィ……………ン!
 甲高い音をたて、スケブが木っ端微塵になりました。
『あ…………』
 シュゥバァァァァァァァァァーーーーーーーーーー……………………!!!!!
 哀れ、盾となるものを全て失った澪さんは跡形もなく消滅してしまいました。
「うわはははははははぁぁぁぁぁぁぁぁ! どうだぁ! これが先行者の力だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 あまり仲間にしたくありません。
926名無しさんだよもん:03/03/11 18:44 ID:eFeFI30O
「む!? まだだ! 上を見ろ!」
「なぁぁ……?」
 不意に、国崎さんが上空を指さしました。
「っ、援軍ですか!?」
 そこには、ロープを垂らしてこのフロアに侵入してくる敵部隊の姿が。
「うわははははははははぁぁぁぁ! 問題ない問題ないわぁぁぁぁ!!!! 俺の先行者は無敵………!」
 などと勝ち誇っている高槻さん。しかし
 ドッゴォォォォォ……………ン!
「なぁ!?」
 いきなり、先行者が大爆発を起こしました。
『報告。上月澪がやられた。尚、敵方の奇妙な二足ロボットは撃滅。どうぞ』
『了解。引き続きターゲットBを追撃せよ。どうぞ』
『了解』
 ……上空で弾頭の無いランチャーを捨てている刺客さんが、無線でそんなことを報告していました。
 装甲は紙ですね。先行者。
「ぐぁぁ……俺の先行者が……!」
 ああもう、一発屋ですねこの男は。
 
 では、ここはどうしたものでしょうか……
 
A 迎撃する。
B 撤退する。
C 交渉する。
D 食事する。
927名無しさんだよもん:03/03/11 19:11 ID:kcWIzlgJ
順当かな?
B
928名無しさんだよもん:03/03/11 21:48 ID:EIKniJuF
「撤退するぞ!ここの連中をこれ以上危険な目に遭わせるわけにはいかん!」
国崎さんが上方へ銃を乱射しながら言い放ちます。
「そうですね。ところで、ここからどうやって……」
と、美凪さんが言った途端……
「出ろぉぉぉぉぉぉぉッ!ドリル戦車『労働8号』ぉぉぉぉぉ!」
耳を覆わんばかりの高槻さんの声がしたかと思うと、傍の民家が崩れ……
先頭にドリル、車輪の代りにキャタピラのついた列車のようなものが出てきました。
「早く乗れぇぇぇぇぇぇ!K.E.Y広しといえど地中に入れるのはこの『労働8号』だけだぁぁぁッ!」
「あんた、前にこれ弾丸特急『魔弾タスラム』って呼んでなかった?」
あははー、郁未さん、突っ込んでる場合じゃないと思いますが……
「って、何時の間に来てたんですかー!」
「やぁねぇ。あたしとさゆりんの仲じゃない。愛するさゆりんの為なら、例え火の中水の中…」
……あ、あはは……突っ込む気力もありません。
「……っていうのは半分冗談。このコを運んできたのよ。」
と、その傍を見るとそこにはカプセルのようなものの中で眠っている女の子……
「司令の命でね。なんでも秋子のもう一つの狙いは多分この子…人造の『うたわれ』第一号、
コードネーム『ミコト』…だから死守しろ、って。」
人造の、うたわれ?
どうやら晴子司令が言っていた「人体実験」の実態……それがこの子みたいです。
「佐祐理、人員の積み込み終わった。目的地は?」
後ろから舞の声がします。

A:一気に決着をつける、敵本陣、尾根支部へ
B:捕われていた人達の安全が先、ゲンジマルの隠れ里へ
C:今度の闘いの裏側……その一端を知る聖のいる空総本部へ
D:カルラにカミュ達を引き渡しに、この近くのうたわれの陣へ
E:一方そのころ、地上の良祐は……
929名無しさんだよもん:03/03/11 22:14 ID:m3vNmN9u
さくっとC
930名無しさんだよもん:03/03/11 22:24 ID:TKGjlk5l
「空市へ行きましょう! 国崎さん、聖さんは空市にいらっしゃるんですよね!?」
「ああ間違いない。妹の佳乃はしょっちゅう色々な場所に出向してるが、奴は空のお抱え医師だ。
 滅多なことでは空から離れない!」
「わかりました。ではまずは彼女にこの写真について問いただすとしましょう!
 郁未さん! 全速前進目標空市!」
「オッケー! ぶっ飛ばすわよ!」
 こうして、数々の面々を乗せた労働8号は一路空への道を辿った。
 
「おい倉田、国崎」
「はい、何でしょうか?」
「なんだ?」
 地中を走行することしばし。不意に高槻が2人に声をかけてきた。
「お前たち、霧島に何の用があるんだ?」
「……え? 高槻さん、聖さんとお知り合いなんですか?」
「ああ、昔研究室が同じだった。何度か遺跡の発掘・調査に同行したこともある。奴がどうかしたのか?」
「なに? 遺跡の発掘……だと?」
「まさか……」
 ……国崎が懐から写真を取り出そうとした、その時、
 
A 刺客が追いついてきた。
B うたわれ陣営からの連絡が入った。
C 尾根支部からの連絡が入った。
D 舞がくしゃみした。
931名無しさんだよもん:03/03/11 22:33 ID:kXAv64EL
DDDDDDDDDDDDD
932名無しさんだよもん:03/03/11 22:44 ID:TKGjlk5l
「へっくち」
「…………………」
 舞がくしゃみした。
「ダメだよ、舞。ちゃんと暖かくしとかなきゃ」
 優しく佐祐理が上着をかける。
「はちみつくまさん……。ありがとう、佐祐理」

「さて……では改めて。高槻、お前この写真に見覚えは?」
 国崎は化石と調査隊の写真、二枚を高槻に手渡した。
「ああ、これは俺だ。懐かしいなぁ」
 …………あっさりと言ってくれた。
「詳しく聞かせてください」
「詳しく……か。とはいえこの時の責任者は女帝、後を引き継いだのは霧島だからな。
 破片も持ち帰ったのは空だし、俺も詳しいことはわからん」
「そうか……。いや、だがわかる範囲だけでいい。お前の知ってることを教えてくれ」
「俺の知ってること……か」
「まず、ここに写ってる方々はどなたなんですか?」
 高槻は懐かしそうに顎を掻きながら紹介を始めた。
「左から空の橘、俺、霧島、そして右端が女帝だ」
「女帝? 誰だそれは」
「ああ……そうか、そうだったな。いや、彼女は現在華音司令を務めている水瀬秋子の姉だ。
 とはいえ俺たちは普段から女帝女帝と呼んでいたんだが。……奴は嫌がってたな」
「秋子さんの……? ……その……女帝さんはどうなったんですか? 霧島さんが後を引き継いだ……というのは」
「……奴は死んだんだよ。うたわれとの戦争が始まった直後、市街戦でやられたらしい。詳しい死に様は俺も知らないがな……。
 左端の橘もその調査の時に行方不明だ。とはいえアイツは当時連れ添いを亡くしたらしくてずいぶん精神的に不安定だったからな。
 おそらく精神的疾患の一種を起こして失踪したんだろう……ということになっている。
 他に何かあるか?」
 
A この化石は何だ?
B なぜここを調査したんだ?
C 高槻。お前、かなり顔変わったな。
D その時、突然機体が揺れた!?
933名無しさんだよもん:03/03/11 22:45 ID:c5X184lM
934名無しさんだよもん:03/03/11 23:05 ID:TKGjlk5l
「……高槻。お前、かなり顔変わったな
 写真左から二番目の少年と、高槻の顔を交互に見比べながら国崎が呟いた。
「五月蠅い。余計なお世話だ」
「本当……こちらの写真の子はかなり可愛いですよね。それに引き替え……」
 写真の少年は白衣を着こんだ十代後半と思わしき風貌で、ガンを付けるようにカメラを見ている。
 しかしそれが返って小生意気な印象を強め、可愛らしさを加速させていた。
「……どういう生活を送ればこんなになってしまうんでしょうか」
「……お前たち、俺に喧嘩売ってるのか?」
「あははー、そんなことは無いですよ。ただ高槻さん、『昔は』可愛かったんだなーと」
「え? おじさんの若いころの写真? 見せて見せて」
 その時、運転席の方にいたカミュが身を乗り出し、写真を覗き込んできた。
「あ……っ、カミュさん。狭いです。あんまり動かないでください」
(それにあんまり動くと胸がぽよぽよ佐祐理の身体に触れて。すっげぇムカついてくるんです)
「へぇぇ……おじさん『昔は』可愛かったんだぁ。ちょっとタイプかもね」
「なっ……。くぉらカミュ! 俺をからかうな!」
「へへ、冗談、だよ。……あれ? この写真は……?」
 もう一枚……化石の写真を見たカミュ。
 そして……
 
A カミュの表情が恐怖に歪んだ。
B 「あ、これって……」とか言いだした。
C カミュが気絶した。
D 空市にご到着。
935名無しさんだよもん:03/03/11 23:07 ID:i1qFhiiV
936名無しさんだよもん:03/03/11 23:46 ID:mvrmPoL0
 そして、どぉぉぉぉんと一つ大きく機体が揺れ、周りが明るくなりました。
「はーい佐祐理、高槻、その他大勢。空市についたわよー。荷物まとめてさっさと降りなさい」
「あ、う、うんっ! こ、これれありがと! 佐祐理さん!」
 カミュさんは佐祐理に写真を渡すと、慌てて機体から降りていきました。
「まぁ詳しいことは霧島の奴に聞けばいいだろう。奴なら相当のことを知っているだろうしな」
「そうさせてもらおう。……では行くか観鈴、美凪、みちる。久々の我が家へ」
「うん!」
「……はい」
「おう!」

「……あれ郁未さん、ここは……」
 佐祐理たちが労働8号から降りて見たのは、空市の本部ではなく、外れの建物でした。
「総本部には行かないのですか?」
「……こんな怪しげな機体で乗り込んだら下手すりゃ迎撃されるでしょ。この辺りからいったん連絡を入れましょう。地中からは電波は届かないし」
「あ、そうですね。では、ええっと……」
 ごそごそとバックを漁り、通信機を取り出します。
「あ、ありました。ええと、周波数は……晴子さん直通で……合わせて……と。
 はい、これでよし、と。もしもし晴子さん、聞こえますか?」
 ブブブ……ッ……ブッ…………
 しかし返ってきたのは雑音だけ。
「もしもーし、神尾晴子さん? 晴子さーん、総司令。こちら佐祐理です。応答願います。どうぞー」
 ブブブブ……ッ……ブブブ……ッ…………さ……ゆ……か?
「あ、反応がありました。どうもお久しぶりです晴子さん。倉田佐祐理、国崎さんたちを連れて……」
「さ、さゆりん! さゆりんか? さゆりんなんか!?」
「はい。倉田佐祐理、任務完了しました。ただいまより空市へ帰投します」
 ……晴子さんの返事は……
 
A 「おおきに助かったわー、みんな無事かー?」
B 「い、急いで頼むわ! 今襲撃されとるんや!」
C 「来るな! 来たらアカン……!」
D その時、背後から何者かの気配が!
937名無しさんだよもん:03/03/11 23:49 ID:i1qFhiiV
C
938名無しさんだよもん:03/03/11 23:58 ID:Oi2RYLsP
つか今さゆりんチームのメンバーって誰がいるんだ?
939芹香はいるのかいないのかw:03/03/12 00:19 ID:yEevbBhm
>>938
佐祐理、舞、久瀬、芹香、郁未、国崎、観鈴、美凪、みちる、綾香、高槻、カミュ…
以上かな?
940名無しさんだよもん:03/03/12 00:59 ID:116lxOvr
セリオやミコトは?
941名無しさんだよもん:03/03/12 01:07 ID:5Wgniv6m
流石にユズハを置いて行かないだろう
942名無しさんだよもん:03/03/12 01:51 ID:w/IHPRtX
元からいたメンバー
佐祐理チーム:佐祐理・久瀬・舞
国崎チーム:国崎・観鈴・美凪・みちる
高槻チーム(笑):高槻・カミュ

>>904より
>「郁未とセリオを脱出経路の手前に向かわせよう。来栖川姉妹の方も彼女達に任せるとして…そうだな、人格の凍結も解除しておく。
>ハッキングプログラムはセリオに記憶させた。倉田さん、上手くやってくれよ」
以上より郁未がいる以上、来栖川姉妹とセリオも同行していると考えるのが妥当。

>>928
>「司令の命でね。なんでも秋子のもう一つの狙いは多分この子…人造の『うたわれ』第一号、
>コードネーム『ミコト』…だから死守しろ、って。」
これにより眠っているミコトも同行していると考えられる。

まとめると
佐祐理・久瀬・舞・国崎・観鈴・美凪・みちる・高槻・カミュ・郁未・芹香・綾香・セリオ・ミコト
がいるのは間違いないと思われる。
ユズハは明確な描写がないため同行していない可能性もあるといえばあるが、そうだとしたらカミュはかなり外道である。
ついでに言うなら久瀬のアヴ・カムゥも微妙。
月支部内をあれに乗って闊歩していたとは考えにくいゆえ、いつのまにか持ってきていて労働8号に乗せたとすると8号の大きさはまさにガクガクブルブルものである。
943名無しさんだよもん:03/03/12 02:15 ID:T5KxGKkw
「来るな!来たらアカン……」
ふぇ?
「総司令!一体……」
佐祐理達に動揺が走ります。
「……クーデターや。秋子はん、ついに本性現しおった。
月支部攻略と同時にこちらにも長森、川名率いる大部隊送りこんできおった。
既に基地の8割が占拠されとる。人員も……皆殺しや。
もうすぐここも落ちる……あんたらは最後の希望や。早う逃げ!」
「ッ!アンタはどうする!観鈴も、ここにいるんだぞ!」
脇から国崎さんが怒鳴ります。
「ウチは、秋子はんの暴走を止められなかった……内に秘めた狂気を見ぬけなかった……
その責任を、取る。」
責任?まさか…………
「秋子はんの叛意発覚直後に、霧島姉妹は逃がした。
今は前回の通信元に隠れ里に向かってるはずや。合流して、必ず……」
ピー……ザザー……
「観鈴……ダメな母親で……ホントごめんなぁ……」

「ねぇ!往人さん!何とかならないの!このままじゃ、このままじゃ……」
観鈴さんが取り乱しています。
ここは……

A:断腸の思いで撤退する
B:小人数で晴子救出に向かう(4人までキャラ指定)
C:うたわれまでもが襲来、事態はさらに混乱に。
D:気がつけば労働8号の周りに兵隊が!
944名無しさんだよもん:03/03/12 02:25 ID:8Cw3ggHg
C
945名無しさんだよもん:03/03/12 02:50 ID:116lxOvr
「! 佐祐理ッ! 後ろを!」
「え……?」
 郁未の声に反応し、後ろを振り返ったた佐祐理が見たものは迫り来るうたわれの部隊だった。
 しかも、それは……
「アヴ・カムゥ……!?」
 アヴ・カムゥの一団だった。一機で一軍に匹敵するとも謳われたその存在が、群れになってこちらへ迫ってきているのだ。
「郁未さんっ! 労働8号を……」
「ちょ、ダメ! まだ準備が……すぐには発進できない!」
「くっ……」
「佐祐理……」
「倉田さん!」
 ど、どうすれば……

 ジャキンッ!
 その時、国崎がショットガンを構え、佐祐理の前に進み出た。
「……行け」
「え……?」
「行け。さっさと行け。ここは俺が押さえる。お前たちは一刻も早く聖たちと合流して対策を講じろ」
「そ、そんな……!」
「ゆ、住人さんっ!」
「じゃあな、観鈴。……うおおおおおおお………!」
 最後に一つ流し目を残し、国崎がアヴ・カムゥ部隊に吶喊……!
946名無しさんだよもん:03/03/12 02:51 ID:116lxOvr
 しかし
 スルッ。
「な、ああ!?」
 アヴ・カムゥの一団は迫る住人を無視し、さらには佐祐理たちまでもをそこにまるで何もないかのようにすり抜け、
 そのまま空市本部の方向へと向かった。
「ど、どういうことだ?」
 思わずズッコケた国崎が起き上がり、顔を上げる。
「……うおっ!?」
『………………』
 そこには、他のアヴ・カムゥとはカラーリングの異なる……全身を青に染め上げ、巨大な薙刀を携えた機体がたたずんでいた。
 そして、一言。
『……久瀬という男はいるか』
「え……?」
 訝しげな佐祐理も無視し、薙刀を構えて切っ先を佐祐理たちの方へ向ける。
『アヴに乗れ。私と勝負だ』

A お望みどおり、久瀬を出す。
B とりあえずお話してみる。
C 集中攻撃でぶっ倒す。
D 一機なら何とかなるだろう。逃げる。
947sage:03/03/12 02:59 ID:0EIKWrdI
A
948名無しさんだよもん:03/03/12 03:25 ID:TXBUE7v3
「よかろう、僕が相手だ」
久瀬がアヴ・カムゥの前に立つ。
「久瀬さん、秋子さんの追ってが来ます、すぐに決着を・・・・・・」
「ええ、解っています」
その時だった

ブブッ・・・・・・ブー

「晴子さんからの通信!?」
「さゆりんか・・・悪い知らせや・・・今しがた秋子のアホが核を撃ちよった。うたわれごとウチらを始末するつもりやな」
「空本部内の味方も巻き添えにする気か!!」
「そんな・・・佐祐理さん!佐祐理さんの魔法でなんとかしてぇッ!!!」
「無駄や・・・ザー・・・ミサイルはあと三十秒で着弾する・・・・・・さゆりんならわかるやろ・迎撃までの時間が無いことを・・・・・」
「・・・佐祐理の魔法では間に合いません・・・・・・それは芹香さんとて同じ・・・・・・」
「さすがさゆりんや・・・・・・よーわかっとる。ウチの後のK.E.Y総司令は決まりやな・・・・・・えーか、ここから逃げて霧島姉妹に会うんやで!!!」
「解りました・・・晴子さん・・・・・・」
佐祐理唇を噛締めて答える。その唇には血がにじんでいた。

949名無しさんだよもん:03/03/12 03:25 ID:TXBUE7v3
「どうした久瀬? いまさら怖気づいたのか?」
「アブ・カムゥのパイロット!!死にたくないなら逃げろ!!!ここに核が落ちてくるぞ!!」
「何っ、くっ・・・仕方がないここは退いておく・・・だが貴様の首は私が必ず戴く!」
アブ・カムゥ隊は撤退していった。

「・・・・・・観鈴・・・ごめんなウチ、何も出来んで・・・・・・」
「そんなことない、そんなことないよッ!!」
「ありがとう・・・観鈴・・・それと居候はおるか?」
「ああ・・・俺はここにいるぞ」
「観鈴の事はたのんだで・・・・・・」
「ああ・・・俺に任せておけ・・・・・・」
「さぁ!!これで晴子さんのトークーショーは終わりや・・・ みんな逃げぇぇぇーーーーーーーーーーーーーー」
晴子の声の終わりと同時に佐祐理は魔法の詠唱を終える
「早くこのシールド内にっ!!!!」
「いやぁぁぁ!!!お母さんがお母さんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「観鈴やめろッ!!今外に出たらおまえまで死ぬぞッ!!!」
「往人さん離してぇぇぇぇ!!!!」
刹那、閃光があたりを包む。

ピカッ

ドォォォォォォォォォォォォォォン
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
観鈴の絶叫が響く
光は木々をなぎ倒し大地を抉り・・・そして空本部を飲み込んだ


選択
A 生存者の確認・・・
B 観鈴の様子は・・・
C 秋子視点
950名無しさんだよもん:03/03/12 03:38 ID:paByi5Fm
Aで。
951名無しさんだよもん:03/03/12 03:44 ID:OfatDtJu
珍しく敵味方関係なく死ぬ話になったな…って言うか初めてか。此処まで死ぬのは。
952ちょっとテスト:03/03/12 03:47 ID:116lxOvr
>>950
次スレよろ。今すぐ立てる必要はないかな?

叩き台↓指摘よろしく。
http://farem.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/bbs/readres.cgi?bo=sentaku&vi=1038216698&rm=75
953名無しさんだよもん:03/03/12 04:45 ID:116lxOvr
「………これは……」
 あたりの視界が取り戻されたとき。
 ……『あたり』だった場所。
 そこには何もなかった。
 ただただ巨大なクレーターが広がっており、佐祐理の張ったわずかな半円形の地面以外、元の面影を残している場所はなかった。
「……ひどい……!」
 ビル郡も、民家も、商店も、道路も、人も、植物も、ありとあらゆる形あるものが無へと帰されていた。

「おかあさん……うぇぇ……おかぁ……さぁ……ん……」
 観鈴が涙と鼻水と涎で顔をくしゃくしゃにしながら、結界から出ようともがく、が、それは国崎が必死になって止めている。
「やめろ出るな観鈴! 動くな! ここから出たら放射能にやられて即死だぞ!」
「ま、待ってください! 今佐祐理がみなさんに適応魔法を……」

――――その必要はない。

「……え?」
 声が、聞こえた。

――――秋子さんが弾頭に使用したのはN2兵器だ。少し待てば熱気も収まる。とはいえ地図を書き変えなければならないことに変わりはないがな。

「この……この声は……まさか!」
「ゆう……いち!?」
 佐祐理と舞が同時に反応を示す。
「え、ええと……熱気対策なら……えいっ! まじかる☆レジストファイア!」
 ボゥ、と佐祐理から放たれた光の帯が全員の体を覆う。
「こ、これでこの辺りは行動可能になるはずです……結界を解きます!」
 スゥっと佐祐理たちを覆っていた光のドームが消えた。
「おかあさんっ!!!!」
 同時に、弾かれたように観鈴が駆け出す。……クレーターの中心に向かい。
「待て観鈴! 迂闊に動くな!」
 慌てて追う国崎、そして佐祐理たち。
954名無しさんだよもん:03/03/12 04:45 ID:116lxOvr

――――間に合わなかったか。

 いた。
 クレーターの中心に、彼はいた。
 巨大なマントをはためかせ、絶大な力を誇示する彼が、しかし今のその後姿はあまりに力無い。
「おかあさん……おかあさぁぁぁぁぁん! おかあさーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!」
 彼の足元で地面をつかみ、泣きじゃくるのは観鈴。
「……死んだよ」
 祐一は冷静に言い放った。
「神尾晴子含む空市構成員は直前に脱出した霧島姉妹を除き、全員死亡……いや、『死』というのもおこがましい。『消滅』した。塵一つ残らずな」
「あ……あなたがっ!」
 顔をぐしゃぐしゃにしながら観鈴は立ち上がった。そして祐一をにらみつける。
「あなたが! 殺したの!? みんなを! お母さんを!」
 祐一は引きつるぐらい唇を歪め、答えた。
「そうだ! 俺が殺した! 俺と! 秋子さんと! 華音と! 尾根と! 狂気が! 全てを殺した!」
「ああああ………あああああぁぁぁぁぁぁぁ……っっ!!!!」
 頭を押さえ、もだえ苦しむ観鈴。
「死んだ……死んだ……みんな死んだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
 懐から護身用の小さなナイフを取り出す。
 そしてもう一度祐一をにらみつけた。今度は殺意のこもった視線で。
「殺してやる……」
「そうか。そうだろうな。それが当然だろうな」
「殺してやる! 殺してやる!! 殺してやる!!!!」
 逆手に刃を持ち、祐一に振り下ろした。
 祐一にしてみれば振り払うことも、反撃で観鈴を肉塊に変えることも簡単だ。だが、しなかった。
 ザシュッ!
 ……刃がそのままに祐一の胸に突き刺さる。
「うああああ……っ! うああああああっ! うあああああああああああっっっっ!!!!!」
 ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ。
 何度も、何度も振り下ろす。そのたびに祐一の胸から鮮血が吹き出し、二人の体を赤く染め上げた。
「お母さんを殺した! みんなを殺した! 殺してやる! みんな殺してやる!」
955名無しさんだよもん:03/03/12 04:47 ID:116lxOvr
「やめろ観鈴!」
 やっと追いついた国崎が、後ろから観鈴を羽交い絞めにして止める。
「うあああああっ! 止めないで! この人を! この人を殺す!」
「馬鹿! そんなことをして何になる! 落ち着け! とにかく落ち着くんだ観鈴!」
「あああああああっ! あああああああああああああっっっっ!!!!!!」

「み、観鈴……さん」
 さらに後から来た佐祐理は、その光景を呆然と眺めていた。
 狂ったように暴れる観鈴と、抑える国崎。そして――――
「やァ、久しぶりだね佐祐理さん」
 血まみれになりながらも佐祐理に微笑みかける、祐一……。

A とりあえず観鈴を落ち着かせる。
B 祐一と話をする。
C 祐一の傷を治す。
D ……祐一を倒す。
956名無しさんだよもん:03/03/12 05:06 ID:DfUDmmZP
なんだかすごい展開になってきたな…
Aで。
957名無しさんだよもん:03/03/12 05:22 ID:Yxhe2ylC
祐一って敵?味方?どっちなの?
958名無しさんだよもん:03/03/12 08:35 ID:otDt42Lz
水瀬家がマスターだから、敵だろ、祐一は
今後の展開によっては変わってくるだろうけど
959名無しさんだよもん:03/03/12 09:05 ID:s+UnrccK
 佐祐理はどうにか思考を紡がせる。とにかく今は、観鈴さんを落ち着かせないと。
 往人を振り解こうと暴れる観鈴に、佐祐理は呼びかけた。
「観鈴さん、落ち着いて!」
 しかし観鈴は一向に落ち着く気配がない。
「放してっ!放してよ、往人さんっっ!!!」
「観鈴さん、祐一さんは悪くありません!落ち着いて私の話を聞いてください!!!」
 佐祐理は何度も観鈴に呼びかけつづける。
「この人がお母さんをっ!私のたった一人の家族を殺したっ!」
 それでも観鈴の錯乱は止まらない。凄絶な眼差しを、祐一とそして佐祐理に向けた。
「なんで止めるの!?私、また一人になっちゃった…こんな気持ち誰にもわかりっこないっ!」
「…っ、そんな事!」
 佐祐理は観鈴に手を伸ばす。
「うるさいっ!」 
 観鈴に振り回しナイフが、佐祐理の手の平を浅く切り裂いた。
「痛っ!」
「観鈴っ!」
 傷は浅いとはいえ、決して小さくなかった。見る間に鮮血が溢れ、手の平を濡らしていく。
「…あっ……」
 一瞬、場に沈黙が落ちる。そして、ぽつりと
「…わかります」
「…えっ?」
 佐祐理は痛みをこらえながら、観鈴に穏やかに微笑みかけた。
960名無しさんだよもん:03/03/12 09:08 ID:s+UnrccK
うあ、一人称間違えた
私>佐祐理
に脳内変換キボン。
961名無しさんだよもん:03/03/12 09:21 ID:Yxhe2ylC
いったんエディタに書いてからコピペで張り付けて投稿するようにしな。
グズグズしてると書いちゃうぜ。
962名無しさんだよもん:03/03/12 09:29 ID:T5KxGKkw
「観鈴、落ちつけッ!」
滅多やたらにナイフを振り回す観鈴さん……
羽交い締めにしている国崎さんにも、小さな切り傷がついていきます。
「……御免。」
と、その前に舞が立ち、観鈴さんの鳩尾に拳を突きました。
程なく、観鈴さんがその場に崩れ落ちます。
「これが……これが、秋子さんの答えなんですか!こんな哀しみを増やす事が、
法を守る事なんですか!教えてください、祐一さん!」
気がつくと、半分涙声になっていますが、そんな事気にしていられません。
「………彼女の行動には深い考えがあると思って今まで黙ってきた………
きっと何かある、と。だが……今の秋子さんにあるのは
憎悪と狂気のみ。法を守るべき水瀬の者が、今や自ら法たらんとしている……
俺が今まで戦ってきたのは、断じてその為では、ない。ならば……」
懐から、銃を取り出す祐一さん。
「俺が水瀬秋子を裁こう。それが今の俺にできる唯一の贖罪だ。」
「一緒に……来てくれる?」
舞が、祐一さんに手を伸ばします。
が、祐一さんはそれを振り払うと、華音支部の方向へと歩き出しました。
「それはできない。そうするには、俺の手は血に染まりすぎている。
舞は、自分の信じた道を歩め。その先に俺がいたなら、その時は……」
そう言うと、祐一さんは歩き出しました。
「……そうだ、最後に3つ、教えておこう。今度の件で尾根、華音両支部内にも
秋子さんの行動に疑問を持つ者が出ている。叩くなら早いうちにだ。
その秋子さんは既に華音に戻っている。そして……
理由は分からないがうたわれもまた『ミコト』を狙っている。気をつけて。」
最後にそれだけを言い残し、祐一さんは荒野の彼方へと消えてゆきました。

A:隠れ里へと向かう
B:先ほどの蒼いアヴ・カムゥが戻って来た
C:尾根支部から通信……何故?
D:あの後月支部がどうなったか気になるし、捕虜の事もあるのでカルラにコンタクトを試みる
963名無しさんだよもん:03/03/12 09:31 ID:T5KxGKkw
って見事にかぶる罠。
964名無しさんだよもん:03/03/12 09:34 ID:s+UnrccK
先手を取られたか…
>961
忠告サンクス
この手のは遅筆にゃつらいなw
…C希望
965962:03/03/12 09:40 ID:T5KxGKkw
>964
スマソ。この時間だから誰もいないと思って油断した。
あと、文章間違いがあるので訂正。
最後から6行目、
>祐一さんは歩き出しました×
>祐一さんはふと、歩みを止めてこちらを振り向きました○
上の状態じゃRRだよ。
966名無しさんだよもん:03/03/12 11:27 ID:niGVYISD
 PiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPi……
「おや倉田さん、通信が入ってますよ」
「え? あ、本当だ」
 久瀬さんに指摘され、通信機を取り出してみると確かに反応がありました。
「ええと、周波数が……これで、発信者は……え、えぇ!?」
 記憶の中の周波数と、現在の受信。その2つを合わせた時、思わず叫んでしまいました。
「ど、どうしたんですか倉田さん?」
「こ、こ、こ、これ……」
「これ? この通信がどうかしたんですか?」
「お、お、お、尾根支部からです!」

「あっ、ゆういち〜。どこ行ってたの? 心配してたんだよ」
「あぁスマンスマン。ちょっと用事があってな。出かけてたんだよ」
 華音支部内、名雪の部屋。祐一は帰る早々にこの部屋のドアをノックした。
「そういえば、祐一……空市と月支部がうたわれに襲われた……って聞いたんだけど」
「…………………」
 一瞬、祐一の表情に影が差した。しかしすぐにいつもと同じに戻し、
「ああ、とうとう敵も本格的な侵攻に乗り出してきたらしくてな。一時空と月は占拠されかけた。
 だが安心しろ。そう簡単に秋子さんが出し抜かれるわけないだろう? 即座に尾根に要請し、"救援部隊"を送った。
 現在はほぼ奪還完了したらしい」
「そう……それはよかった……」
 心底ホッとしたように息を漏らす名雪。祐一の奥歯がギリギリと鳴る。
 そして……しばらく目をつむり、黙祷するように思いを馳せる。
「あ、そうだ。この間高級トマトジュースを手に入れたんだよ。産地直送を使ってるだけあってすっごく美味しかったよ。
 ちょっと待っててね。今出してくるから……ってわあっ!?」
 席を立ち、戸棚を開けようとした名雪。しかし祐一は突然彼女を背後から抱き上げた。
「ゆ、ゆ、ゆ、祐一!? ど、どうしたの突然!?」
「………………………」
 当然の疑問を口にする名雪だが、祐一は無視して名雪をベッドに放り投げた。
 そのまま上から覆い被さり、名雪の両腕を束ね、枕の上に押さえつけた。
「ゆ、ゆういちぃ……」
「………すまない」
967名無しさんだよもん:03/03/12 11:31 ID:niGVYISD
「え?」
 ようやく口にしたセリフは、それだった。
「これは俺のエゴだ。嫌だったら拒否してくれて構わない」
「そ、そんな……んっ!」
 名雪の口が答えを紡ぐ前に、祐一は自分の口でそこを塞いだ。
「ん……んんん……んん……ん……………」
 何か言いたげな名雪だが、この状況では何ともしがたい。
 そしてしばし。
 ちゅぽんっ!
 小気味よい音をたて、2人の唇が離れた。
「は……はぁ……はぁ……はぁ……」
 顔を赤く上気させ、息が荒くなる。
「……答えを聞きたい。名雪」
 祐一は変わらぬ表情で、問いかけた。
「……ひどいよ、祐一……」
「……ん?」
 名雪は一言ポツリと漏らす。
「こんなことされて……わたしが断れるとでも思うの?」
「……そうか。それもそうだな」
 ゆっくりと名雪の腕を解放する。
 自由になった腕は、覆い被さる祐一の背中に回った。
「わたしは……いつでも、いいんだよ。祐一さえ、よければ……」
「………名雪ッ!」
 そして、もう一度……唇を重ねた。
968名無しさんだよもん:03/03/12 11:34 ID:niGVYISD
『こんにちは倉田さん。私のことは知ってるわよね? 尾根支部司令、七瀬留美よ』
「……何のご用ですか」
 警戒心剥き出しで佐祐理は応答する。
『まぁそう怒らないでよ。一連の攻撃も私だって秋子に命令されてやったことなんだし』
「命令されたことだろうと自発的だろうとあなたのやったことが変わるわけではありません」
『まぁまぁ落ち着いて。今回はあなたに悪くない話を持ってきたんだから』
「悪くない話……?」
 そこまで聞いたところで、佐祐理は久瀬と国崎、さらには高槻に目線を送った。
(……どうしますか?)
 3人は3人とも頷いた。
「……わかりました。聞くだけ聞きましょう」
『懸命な判断ね。単刀直入に言うわ。私たち尾根支部は、条件によってはあなたに力を貸すわ。……秋子を裏切って、ね』
「ほう……なぜいきなり? 秋子さんの腰巾着と言われるあなたが」
『……私を怒らせる気?』
「事実です」
『……まぁいいわ。言わゆるね、"長いものには巻かれろ"って奴よ。そろそろ秋子もN2兵器使ったりしてだんだん株を落としてきて落ち目になってきたから、
 ここらがそろそろ見限りどころかな……って。じゃ秋子が消えて、次に華音の司令に就くのはだれか? あなたしかいない……ってワケよ』
「ずいぶんと正直なんですね」
『ま、私たちはずっとこうやって生きてきたわけだから。いくら最強の軍事力を誇ると言っても、政治的に上手く立ち回れなきゃなんの意味もないし』
「……で、条件とは?」
『簡単よ。私たちの"武"力を揺るぎないものにするの。……衛星兵器ルンペルシュティルツヒェン、それの使用権よ。
 あなたが華音を乗っ取った暁に、ルンペの使用権をこちらに譲渡してもらいたい。これでどう?』
「……大きくきましたね」
『このくらいじゃなきゃ。割に合わないでしょう?』
 ……さて、どうしたものでしょうか。
 
A 尾根の力は惜しい。了承する。
B そんなことをしたらまた後に憂いを残すことになる。却下。
C ひとまず考える時間がほしい。保留。
D もうちょっと譲歩してほしい。妥協案を模索する。
969名無しさんだよもん:03/03/12 12:16 ID:P95AgAkc
A
970名無しさんだよもん:03/03/12 13:57 ID:JEttlr4V
「乗りましょう」
 佐祐理は一言で了承した。残された道は、それしかないからだ。
 いかなセリオの力でルンペルシュティルツヒェンの沈黙に成功しようとも、現状の戦力では対人迎撃システムの群れを越えることが出来る公算は薄い。
『賢明な判断ね。で、どうする? こっちはすぐにでも発進できるけど』
「まずはルンペルシュティルツヒェンを止めなければなりません」
『……"HMX"ね。こっちも情報はつかんでるわ。で、クラックはどこからやる?』
「…………………………」
『隠れ里にはそんな設備はないでしょう? ……私のところに来なさい。準備万端整えてあるわ』
「……用意がいいんですね」
『ふん。……ねえ倉田さん、蝙蝠が生き残る唯一の方法ってわかる?』
 ぶしつけに、七瀬はそんな問いかけをしてきた。
「え……? こう、もり……?」
『……戦いを終わらせないことよ。それじゃ、待ってるわ。多少の寄り道くらいならいいけどなるべく急いで頼むわよ。
 秋子だってずっと手を拱いて見ているということはないでしょうから』
 ブツンッ。
 ……通信は切れた。
 
「……大どんでん返しだな」
 久瀬が呟いた。
「だが、これで希望が見えた」
 つられるように国崎も漏らす。
「ほう、ずいぶんと甘いな。七瀬のヤツがただの善意で申し出をしてきたとでも思うのか?」
 揶揄するように高槻が言った。だが
「ええ、わかっていますよ。七瀬さんにも思惑があるでしょう。……これで空・月・華音が滅びた場合、残るのは尾根になります。
 結果的には、彼女が一番上手く立ち回ったことになるのでしょう。けど……」
 佐祐理はふり返り、8号に向かって歩き出した。
「私たちには、私たちの道があります。私たちに出来るのは、ただその道を行くのみです。道は照らされました。さあ、進みましょう……」
 どこへ?
 
A まっすぐ尾根支部
B とりあえず隠れ里。
C その前にカミュたちを引き渡しにうたわれ陣営。
971名無しさんだよもん:03/03/12 14:13 ID:P95AgAkc
972950:03/03/12 14:56 ID:paByi5Fm
スマソ、あの後すぐ寝ちゃって踏んでた事に気づいてなかった…。
テンプレそのままだけど次スレ立てました。
用意してくれた人サンクス。
てか、こんな時間に2ゲットされてちょっと鬱。

選択形式で進めていくスレッドκ
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1047448312/
973名無しさんだよもん:03/03/12 15:02 ID:4oXFmh77
では……

A まだまだここで続ける。
B 新スレへレッツゴー!
974名無しさんだよもん:03/03/12 15:25 ID:Ld6M87DI
A。 愚痴りながら細々と。
975名無しさんだよもん:03/03/12 15:52 ID:4oXFmh77
「その前にうたわれの方々にカミュさんやユズハさんをお返ししに行きましょう。これからの戦いは彼女らには関わりのないことです。巻き込むわけにはいきません」
 そう佐祐理は提案した。反対する者はいなかった。ただ……
「そ、そんな! ちょっと待ってよ佐祐理さん!」
 本人を除いては。
 
「私だって、あんなの目の前で見せられちゃ黙って引き下がるわけにはいかないよっ! 何か手伝わせて!」
「こら、カミュ」
 乗り出すカミュを、後ろから高槻が押さえる。
「け、けど……おじさん!」
「……お気持ちはありがたいのですが、あなたの身柄を引き渡すのはカルラさんとも約束しています。まずはそれを果たさなければなりません」
「カルラ……さん……。ううっ……」
 その名前を聞くと、少し大人しくなった。
「では郁未さん、労働8号をお願いします。目標はうたわれ陣営・カルラさんの部隊で」
「オッケー、わかったわ。みんな、さっさと乗りなさい」

「……でも突然どうしたの? 祐一」
『行為』を終えた祐一と名雪。半裸でベッドの上に横たわる名雪を尻目に、祐一はすでに身なりを整えていた。
「言ったろう。俺のエゴだ。急にお前がほしくなった」
「欲しくなったなんて……恥ずかしいよゆういちぃ……」
 頬を染めシーツに顔をうずめる名雪だが、不意にその頬に冷たいものが触れた。
「え……?」
 顔を上げると、祐一が二枚のチケットを差し出している。
「これは……隆山温泉の宿泊券?」
「そうだ」
 名雪にチケットを渡すと、マントを羽織りながら祐一が続けた。
「先日ちょっとしたツテで手に入れてな。どうだ名雪、二人っきりで温泉にでも行かないか?」
「え? ……えぇぇぇ……?」
 予想だにしなかったセリフに、名雪は驚愕した。
「で、でも……今は戦闘中でそんな暇は……」
「安心しろ。どうせ華音の仕事は後方支援が主だ。第一お前今までほとんど働いてなかっただろ」
「うう……ひどいよ……。けど、お母さんが……」
976名無しさんだよもん:03/03/12 15:52 ID:4oXFmh77
「秋子さんは俺から説得しておく。なぁに、今まで俺は労働基準法ぶっちぎったような量の仕事を延々とこなしてきたんだ。
 このくらいのわがままは許してくれるだろう……。ま、見つかったらまずいからな。名雪、お前は先に行ってろ」
「え? 祐一は一緒に行かないの?」
「もちろん一緒さ。ただ、秋子さんの説得の他にもちょっとした仕事が残っててな。隆山に行くのは少し遅れる。ま、その間お前は温泉に入って刺身でもつまんでてくれ。
 どうせ隆山は大富豪鶴来屋の支配する中立地帯だ。戦闘は起こらんだろ」
「うん……けど、わたしここで待ってるから、やっぱり祐一と一緒に……」
「ふぅ……」
 祐一はやれやれと手を広げ、名雪の頭を撫でた。
「お前が基地内にいたら秋子さんだって許可を出しにくいだろう。お前が俺にそそのかされ、勝手に行ったことにすれば秋子さんだって許してくれるさ。
 ま、俺は他の連中からちょっとは文句を言われるかもしれないがな。お前との旅行のためなら、それくらい屁でもない」
「祐一……わかった。わたし、祐一の言うとおりにするよ」
「よし、そうと決まれば早速出発だ」
「え? 今!?」

「うーん、それにしてもいきなりすぎるよ……」
 ほとんど無理矢理車に押し込まれた名雪は、運転席に座ってもまだブツブツと言っていた。
「思い立ったが吉日、と言うだろ。のろのろしていたらまた新しい仕事が入りかねない。おっと、そうだ」
 思い出したように、祐一は懐から一つの封筒を取り出し、名雪に渡した。
「これは……?」
「もし向こうで何か困ったことがあったら、これを読め。ただし本当に困った時だけだぞ。それまでは絶対読むんじゃないぞ。わかったな」
「うん、わかったよ」
「よし、それじゃあ行ってこい。せいぜいしばらくは俺の分も楽しんできてくれよ」
 窓から腕を伸ばし、祐一はキーを回した。軽快な音とともにエンジンが動き出す。
「それじゃ祐一、先に行ってるよ。なるべく祐一も早くきてね〜…………………」
 アクセルを吹かし、名雪は出発した。
 巨大な華音支部の建物を抜け、一路隆山温泉へと向かい。
「……………………………」
 祐一はその影が見えなくなるまで、ずっと眺めていた。
977名無しさんだよもん:03/03/12 15:55 ID:4oXFmh77
「………名雪。……強く生きろよ……」
 一言呟き、祐一はシュバッとふり返る。
 マントの裏から二丁の拳銃を取り出し、残弾を確かめる。
 そして佐祐理と舞へ思いを馳せる。
 最後に秋子さんと自分の母親を思い出す。
 
「さて……それでは始めるとするか」
 その顔は笑っていた。
「終わりを。終わりを始めるとしよう」
 
A このまままっすぐ秋子さんのところへ行く。
B 華音支部の他の連中の様子を見に行く。
C 作戦司令室へ行き、現在の他所の状況を確認しておく。
978名無しさんだよもん:03/03/12 15:57 ID:X98gbxLq
Bで。
979名無しさんだよもん:03/03/12 17:17 ID:t4u5oVSi
 シュゴッ。
「わ、わわっ!?」
 祐一が作戦司令室に入ると、何やら美坂姉妹が慌てた様子で机の裏に何かをしまいこんだ。
「……2人とも、何やってるんだ?」
「な……なんだ、祐一さんだったんですか」
「……脅かさないでよ相沢君」
 入ってきたのが祐一だとわかると、安心したようにアイスを取り出した。
「……また食ってたのか。作戦司令室内は飲食厳禁だということは知ってるだろう? 秋子さんに見つかったら大目玉だ」
「祐一さんだから平気ですよ」
「大丈夫よ。誰か来たらすぐ隠すから」
「バレバレだったぞ」
「えうー……」
「うっ……」
「……まぁ、いいがな。これからは気をつけろよ」
「はい、わかってますよ」
「相沢君も一つどう? 結構余ってるんだけど」
「いや、止めておこう」
「残念ですー……」

「ところで相沢君、こんなところにどうしたの? 今は収集もかかってないけど」
 香里のその一言を聞いた瞬間、祐一の表情に影が差した。
「……祐一さん、どうかなさったんですか……?」
 目ざとく見つけた栞が心配げに祐一に問いかける。
「栞……香里……」
 
 祐一は……
 
A いきなり自爆警報装置のスイッチを入れた。
B 一人一人に挨拶して回った。
C 大虐殺開始
980名無しさんだよもん:03/03/12 17:18 ID:Ld6M87DI
Aだな
981名無しさんだよもん:03/03/12 17:42 ID:t4u5oVSi
「栞、香里、さっさと逃げろ」
「え?」
 ガチャン!!
「あ、相沢君! 何を!」
 祐一はいきなりコントロールパネルの中央、透明プラスチック板に覆われたレバーに手を突っ込むと、そのまま迷わず引いた。
「それは……自爆装置!」
『自爆装置作動。全てのクルーは作業を中止し、半径5km以内から脱出してください。
 ワーニング、ワーニング、繰り返します。自爆装置が作動しました。全てのクルーは作業を中止し、建物を離れてください。
 全ての隔壁は解放されます。なお避難経路は——————』
「だ、そうだ。早く逃げろ。栞、香里」
「ゆ、祐一さん! どういうつもりですか!」
「相沢君! 自爆装置のみだりな使用は軍法会議もの……」
 ジャキッ!
「ひっ……!」
 詰め寄る栞と香里に対し、祐一は銃口を突き付けることで答えた。
「聞こえなかったのか? 俺は『逃げろ』と言っている。みんなを連れて、さっさと逃げろ。尾根へ行け」
「け……けど……!」
 ドン!
「あ……!」
 祐一は容赦なく引き金を引き、栞の足下に弾を撃ち込んだ。
「……次は当てる。早く逃げろ。皆を連れて」
 2人の脳天に狙いを定める。
「……相沢君、気でも触れたの?」
 栞を庇うように後ずさりしながら、香里は最後に問いを投げかけた。
 祐一はケラケラケラと笑いながら答えた。
「ああ。狂っているさ。狂っているとも」
 ドン!
 天井に向かって一発放つ。それに弾かれるように、2人は部屋を飛び出した。
「最初っからな」
982名無しさんだよもん:03/03/12 17:43 ID:t4u5oVSi
 そして、約半時が過ぎた。
「……ふむ、全員逃げ出したようだな」
 一人残された司令室。祐一は全ての監視カメラで確認し、華音支部内には一人も残っていないことを確認した。
 ……いや、一人だけ残っている。
 監視カメラも許されない、最上階の『水瀬の空間』……。
 秋子さんが脱出した様子も、建物を出た様子もない。彼女はそこにいるはずだ。
「……もういいだろう」
 祐一はもう一度レバーに手をかけると、無理矢理もとの形に押し込んだ。
『ワーニング、ワーニング、ワー……』
 ……警報が止まる。かなり無理矢理な方法だが、中止は中止だ。
「後には佐祐理さんが使うからな……傷物にするわけにはいかない」
 そして、一息ため息をつき……

A ゆっくりと最上階へ向かった。
B 一人逃げ遅れを発見した(舞・佐祐理・名雪以外のKanonの女性キャラ指定)
C それでも少しアイスをいただいていくことにした。
983名無しさんだよもん:03/03/12 17:52 ID:X98gbxLq
Bで真琴。
984名無しさんだよもん:03/03/12 19:27 ID:AkPkkwpQ
>自爆装置のみだりな使用は軍法会議もの
みだりでない使用ならいいのかとか、軍法会議とかそういう問題かとか、色々つっこみたい一文だw
985名無しさんだよもん:03/03/12 19:48 ID:TXBUE7v3
まだ逃げ遅れがいたんだな……」
全ての人間が逃げ出したはずの華音支部に逃げ遅れた――真琴がいた。
「祐…一……? 何やってんのこんなところで?」
「真琴……早く逃げろ」
銃を突きつけ静かに言い放つ
「もうっ何なのよぅーーそんな物騒な物突きつけて!」
「俺は本気だ」
「……わかったわよぅ ふーんだ絶対後で風呂に片栗粉いれてやるんだから!!」
「ああ……楽しみにしてるぞ……」
真琴は渋々外に出て行った。
「さて…行くか……」

華音支部最上階『ヒンメル』通称『水瀬の間』祐一はそのロックを開ける。
そして……

「遅かったですね祐一さん」

A 微笑を浮かべ秋子は立っていた
B 秋子と対峙するもう一つの人影が……
C 腹部を血で染めた秋子が倒れていた
986名無しさんだよもん:03/03/12 19:56 ID:Pw4eYyp5
A
987名無しさんだよもん:03/03/12 20:12 ID:3qnQZ8DB
 玉座の前に、微笑を浮かべる秋子は佇んでいた。
 その脇には一振りの刀が差されている。
 微笑も全く崩さず言う。
「こんなところで話し合うのも味気ないでしょう。……空中庭園へ行きましょうか」
「何処へなりとも」
 歩き出した秋子に対し、祐一は恭しく頭を垂れた。
 
 空中庭園……ヒンメルの中でも秘匿中の秘匿と言われる、その区画。
 秋子のみしか立ち入ることの許されない、小さな箱庭。
 専用のドアを越えた祐一が見たもの。それは、常に太陽の光を浴びれるよう計算して作られた小さな花壇の群れと、その中心に据え付けられた小さな十字架だった。
「墓……?」
「祐一さんは十字架は大丈夫なんですよね?」
「もちろんです」
「……このお墓、どなたのものかわかりますか?」
「…………?」
「あなたの、お母さんです」
988名無しさんだよもん
「!」
 祐一の顔が驚愕に歪む。
「馬鹿……な……!? 馬鹿な!」
「あなたが今まで姉さんの墓だと思っていた共同墓地の墓碑。あれはただの形だけです。土の下には何もありません。
 彼女の亡骸は……ここに、埋まっています。水瀬家至上、最も美しく、最も気高く、最も強く、そして……最も愚かだった、あの人は」
「やめろッ!!!!」
 ドン!
 記憶の底をぶん殴られたような衝撃を覚えた祐一は、思わず引き金を引いた。
 しかしほとんど狙いは定まっておらず、放たれた弾丸は秋子を逸れ、花壇の一角を削るに終わった。
「あの人は純粋すぎました。純粋すぎ、そして賢すぎました。賢すぎたゆえ、水瀬の教えに疑問を持ち、そして………」
「やめろ……! やめろ! やめるんだ…………!」
 銃を乱射する祐一。しかし秋子の言葉は止まらない。
「死にました。覚えていませんか祐一さん? 姉さんが死んだその場所に、あなたはいたんですよ? あなたは見たんですよ? 姉さんが死ぬ、その瞬間を?」
「やめろ……やめてくれ! それ以上……話さないでくれ! 思い出させないでくれ!」
 頭をおさえ、身をよじって頭痛に耐える祐一。
 しかし……

A そんな祐一に秋子の一撃が突き刺さる。
B 秋子の言葉は止まらない。