葉鍵サバイバル 公開6日目

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1名無しさんだよもん
リアルリアリティを求め、暴走を続ける超先生。
その一方で参加者の魂と魔力を集めようとする天使、ユンナの目的とは?
様々な思惑と迫り来るモンスターの中、果たして島に残された彼等は無事脱出する事ができるのか?
ジュ○シックパーク 各種漂流モノを元ネタとした葉鍵キャラによるリレー小説。
本編は未だ1日目から抜け出せていない気もするが、第6スレに突入!

・書き手のマナー
* これはリレー小説です。特に、キャラの死を扱う際は1人で殺さず上手くストーリーを誘導しましょう。
* また過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。
* 同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず全面的に禁止します。
* マイナーモンスター、武器を登場させる場合は話の中か後に簡単な説明をなるべくつけて下さい
* 投稿の最後に、【】で簡潔にキャラクターの現状を簡単にまとめて下さい。
* 初心者の方は作品を上げる前に誤字脱字や文法の間違いが無いか確認しましょう。
 
・読み手のマナー
* キャラの死に不満がある時は、あまりにもぞんざいな扱いだった場合だけ、理性的に意見してください。
* 頻繁にNGを唱えたり、苛烈な書き手叩きをする事は控えましょう。

編集サイト
http://www23.tok2.com/home/hakasaba/
葉鍵リレー小説総合スレッド 第5巻
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1036804700/
2名無しさんだよもん:02/11/16 01:31 ID:WPDHzArR
ふ〜ん。
3名無しさんだよもん:02/11/16 01:37 ID:s8lbbzDi
また鯖。
4名無しさんだよもん:02/11/16 01:37 ID:gRuFiTMq
この時間は腹減るよな
5名無しさんだよもん:02/11/16 01:48 ID:Rk1DwYxw
Leaf・keyな出会い
http://www.angelexpress.net/?id=oN7Xua4GmS
6魔術の結界:02/11/16 03:00 ID:DClJDBZX
 折原浩平と長森瑞佳の2人は、まず生き残った人を探すために、鋪装された道のりを歩いていった。
 目的地は、他の参加者が集まっている可能性の高い施設である、ホテル。
 だが、ジープに乗ってもそうたやすくまわりきれない程の広大な島だ、徒歩でホテルまで移動する、というだけでも想像以上の距離だ。
 そんな状況で、浩平たちが彼女に出会えたのは幸運だったかもしれない……。

「なつみさん、もしかして、一晩中ここに?」
 牧部なつみ。つい昨日、僅かばかり会話をかわした相手だ。
 その彼女が今、たった1人で、ジープに座っていた。
「折原さん……に、長森さん、だったかな? 無事でよかった……」
 振り向いた彼女の目のまわりは真っ赤に腫れ上がり、よほど長い時間1人で泣いていたということが伺える。
 そう、たった1人で。
「健太郎さんは……」
 浩平の遠慮がちな質問に、彼女は静かに首を横に振る。
 それで、全て通じる。
 きっと、なつみも2人を見ただけで、何があったのかは分かったに違いない。
 浩平と瑞佳、2人の服装は繭の血で真っ赤に染まっていたし、浩平は血の付着したソードブレイカーを持っていた。
 コロシアムに落ちていた剣。これが七瀬が死際に所有していたものだとは浩平自身は知らないが、どちらにしろその剣は……『誰かの死闘』を物語っていた。
「なつみさん、大切な話があるんですけど……いいですよね?」
 不要な会話はいらない。
 浩平は、静かにジープの座席に乗り込み、死んでしまったスフィーのこと。さらわれたリアンのこと。そして、サトリやユンナのことを、なつみに話して聞かせた。
7魔術の結界:02/11/16 03:00 ID:DClJDBZX
「……見えない塔?」
 今まで起きた事を全て説明し終えたとき、なつみが一番興味をもったのはこの部分だった。
 スフィーのことも、リアンのことも、もちろん辛そうに聞いてはいたが、なつみはこの『見えない塔』に心当たりがあった。
「浩平さんに長森さん。もしかしたら私、その塔の場所知ってる知れない……」
「本当ですか?!」
 なつみにつめよる浩平。瑞佳がその肩に手をおき、落ち着くように促す。
「浩平さんたちにはちゃんと話していないけれど、私も一応……魔法、使えるの。それで、何か感じるのよ、強大な結界みたいなもの」
「魔法?」
「結界?」
 浩平も瑞佳も、それぞれ別な所で驚いていたが、口を閉ざし、なつみの言葉の続きを待つ。
「私はそういうものは詳しくないから、その結界がどういうものか、どうやって解けばいいのか……そういうことはわからないけど」
 少し申し訳なさそうに言うが、顔をあげて、力を込めて言う。
「もしかしたら、他の参加者にも魔法使い、魔術に詳しい人がいるかもしれない。そうすれば何かつかめるかも知れない! ……探しましょう!」


「よし、それじゃあその、魔術に詳しい人物を探しに行くとするか!」
 未だ、この島で何が起きているのかはわからない。

 しかし、できる事はある。

「ジープも手に入ったし、これからホテルに一直線だね、浩平」
「……あの、浩平さん、運転の方は?」
「昨日事故ったばかりだから、今日は事故らない! 運転の仕方は俺が知っている、俺にまかせろ」

 できることはある……が。
 瑞佳となつみは、別な意味でさらなる恐怖を味わうことになるのだった。
8名無しさんですもん:02/11/16 03:02 ID:DClJDBZX
【浩平、瑞佳、なつみ 合流。ジープで移動開始】
【浩平 ソードブレイカーを所持】

まじあんやったことないのでなつみの性格とか違かったらごめんなさい。
そして文章が下手でごめんなさい(涙
とりあえず、新スレに何もない状態は避けたかったので書いてしまいますた……。
9名無しさんですもん:02/11/16 03:03 ID:DClJDBZX
それと、レス間は2行空けで御願い致します。
10RTO:02/11/16 04:09 ID:ci/RZ076
まさかのdat落ち……うう 二日前のログしかない

>>1
スレ立ておつかれさまです。

つかぬ事をお尋ねしますが祐一&北川&久瀬組は
一日目深夜ということになるのでしょうか?
11名無しさんだよもん:02/11/16 04:52 ID:qCG10L5w
>魔術の結界
忘れていた伏線のオンパレードが(w
塔とか以前に、浩平となつみに面識がある事自体を覚えてませんでした。
で、短めながらも話はしっかりと進んでるので良いと思います。
しっかり伏線回収もしてるし、RRも入ってるし。
あとはロワと微妙に被ってる気がする結界の設定をどうもっていくか、でしょうか。
ここから、浩平達をどう行動させるかが重要になりそうなので
次からの書き手さんたちにも激しく期待。

そういや、ソードブレイカー以前に浩平の銃はどうなったんだろう?
ちょっと前から触れられなくなったけど、まだあるんかな?

>>10
ざっと読んだ感じでは、深夜以降なら問題ないかと。
てか、今確認するまでずっと光岡の現在時間は昼頃だと思いこんでました…。
何故だろう。
12名無しさんだよもん:02/11/16 05:20 ID:Hom3WqV+
晒し上げ。
13名無しさんだよもん:02/11/16 06:43 ID:DClJDBZX
>>10-11
光岡と鬼との戦闘前後のシーンにこういう文章が。

> 雨足は遠ざかりはじめたらしい。飛沫が跳ねる音が、だんだんと小さくなってきたようだ。

>(……勝てない。少なくとも昼のオレでは絶対に勝てない!)

これから察するに、少なくとも朝方移行かと思われ。
雨があがるのはだいたい朝方って話だったし、久瀬が光岡を発見するシーンでは雨はもう降っていない様子だし。


>>12
晒し上げのかいもなく前スレ落ちちゃったよ。
もちっとメンテ直前に晒し上げたのむw
14名無しさんだよもん:02/11/16 06:46 ID:DClJDBZX
追加。

>>11
今見てみたが、銃は浩平がリアンに渡してるから、今はサトリが所有ってことになるかと(w
15名無しさんだよもん:02/11/16 10:54 ID:Zb3BWgMg
誰か、今の全メンバーの時間軸・グループの人員とかまとめてくれる人いない……?

正直、今書いてもNG出てしまいそうな感じがしてさ……
16まかろー:02/11/16 13:25 ID:5IJFaLvX
>>NG出てしまいそうな感じがしてさ

15、よく、聞け。
君が今感じている感情は精神的疾患の一種だ。
まとめる方法は俺が知っている。俺に任せろ!
17ポマード:02/11/16 17:06 ID:lBb0evbd
「ここは……? あ、土が……盛られてる。お墓……?」
 見覚えのある大樹の足元。そこには、いつの間にか小さな墓が出来ていた。
 先行した座敷童はその前にちょこんと佇み、静かに手を合わせている。
「……誰かが、眠ってるの?」
 静かに、やさしく美咲は語りかけた。座敷童はその問いに首を縦に振ることで答える。
「きっと……優しい友達がいたんだよね。ちゃんと、ここに埋めてくれるような……優しい、友達が……」
 友達。
 その言葉を聞いて、美咲の脳裏に幾人かの顔が浮かび上がった。
 冬弥、由綺、はるか、彰……そして、先ほど会ったばかりの自分と名を同じくする少女。みさき。
 自分は再び彼らに会えるのだろうか……?
 みさきは、自分が倒れたときに埋葬してくれ……
(! 私、何を!?)
 美咲は自分の頭に浮かんだ想像を必死に振り払った。
(ダメ……みんな、一緒に……一緒に帰るんだから……こんなところで不安になっちゃあ……)
 己を励ます美咲。しかし、危険は確実に彼女に迫りつつあった。

 ガサ……

 近くの藪が鳴り、そこから一人の女性が現れた。
「……? あ、参加者の方ですか?」
 その女性は黒の長髪と大きな白いマスクをつけており、表情を窺い知ることは出来ない。
 あるいは美咲が冷静なら、その背中がまとう奇妙な気配に気付いたかもしれない。
 だが、この島における連続した異常事態により、少なからず彼女の注意力は低下していた。
「私たちも迷ってしまって……今脱出手段を探しているんですけど……」
 なんの疑いもなく、美咲は近づいていく。座敷童が木の影に隠れたのにも気付かず。
 そして……マスクの女が、第一声を発する。

「私……綺麗?」
18by R.E.D.:02/11/16 17:08 ID:lBb0evbd
 その頃みさきは、人生最大のピンチに瀕していた。
(うう……おしっこはしたいけど一人にはなりたくないし……けど弥生さんの目の前でするのはいくらなんでも……
 みさきちん、とりぷるぴんちっ!)
「さあさあみさきさん、手早く済ませないと美咲さんに危険が及びかねませんよ」
 やはり弥生の声は自分のすぐ目の前から聞こえてくる。異性を相手にするよりはマシかもしれないが、それでも隠したいことに変わりはない。
 ……だが、そんなみさきのピンチは一つの声によってかき消される。

「きゃあああああああ!!!」

「ッ!?」
 森に響く美咲の声。それは、悲鳴。
「美咲さん!?」
 親友の声に反応するみさき。だが、彼女には反応することしか出来ない。
 対称的に、弥生は決断し、行動した。
「みさきさん! 絶対にここを動かないでください!」
「え? や、弥生さんっ!」
 弥生の足音は、瞬く間に遠ざかっていった。

【みさき 森の中に一人ぼっち】
【美咲 かつて日本中の小学生を震えあがらせたアレに襲われる】
【弥生 美咲のもとへ走る】
19名無しさんだよもん:02/11/16 17:46 ID:qCG10L5w
>ポマード
あんまりピンチになった事が無いからか
不安ながらも、まだどこか余裕がありそうですな、美咲さん。
でも、生き残れても、知り合いが半分ぐらい……っつーか全滅しそうな勢いなんで
その辺りを知った時の将来はちょっと不安です。
で、比較的新しめの化け物が出てきましたね。
古典的な奴らと違って、退治された話がないせいかどこか不気味です。
そういえば、武器も特別な能力も無い人間だけのグループで
戦闘になるのはかなり珍しいような。
世代的にも葉鍵キャラの大半は、アレについて知らなそうだけど
切り抜ける事が出来るのでしょうか?
あと、美咲さんも心配だけど、一人残されたみさき先輩の方にも何か起きそうで怖い。

>>14
浩平の銃ってゾンビ戦で多少撃ってて
それから行方不明の様ですが、リアンに渡してたんでしょうか。
いや、こっちの読み落しかもしれないっすけど。
20名無しさんだよもん:02/11/16 18:16 ID:l6uwmDei
モバイルからなんで感想無しで失礼。

>>19
確かにどこかの話でリアンが受け取ってた記憶が。
編集サイトで過去話見て確認が一番早いと思うが。
21名無しさんだよもん:02/11/16 20:08 ID:DClJDBZX
>ポマード
超先生ってばもともと世間的にはどういう企画の島として発表してたのか小一時(略)
都市伝説の妖怪まで用意してたとは……。
個人的には、おそらくはまだ近場にいるのであろう大志一行の出方が気になるんだが……。
あと、その場にちょうどたっているトレントもどう出るか(w


>>19-20
163話の『闘う者、戸惑う者』にこんな描写が。

>「…いいだろう、浩平君、彼女に武器を渡してくれ」
>「はい」
>と浩平は答えるとリアンに銃を渡した。

浩平が他に銃を持っていたような描写もないし、おそらくこの銃のことかと。
22木漏れ日(1):02/11/16 23:18 ID:9CBjUxLi

 木陰の隙間から零れ落ちる光が、ゆらゆらと地上に斑を作る。
 志保や御堂たちと別れてから、すでに1時間近くが経っていた。
 そよそよと穏やかな風が、千鶴と梓の髪をくすぐっていく。
「……こうしていると……何もかもが、夢だったような気がする……」
 自分の膝の上で、こんこんと眠り続ける梓に視線を落とし、千鶴は目を閉じた。

 珍しいテーマパークのチケットが送られて来た事、耕一と姉妹4人で久しぶりに旅行に行こう、と思った事。
 普通の旅行になるはずだった。
 何の心配もない、幸せな思い出になる……そのはずだった。

 幼い頃と変わらない、梓の安らかな寝顔を見詰め、千鶴はくすりと笑う。
「楓は大人しくて……初音はいい子で……いつも私を困らせていたのは、あなただったわ」
 けれどだからこそ、梓の存在は千鶴にとってなくてはならないものだった。
 口ゲンカをして、からかいあって、そして時には慰められて……
 楓も初音も、辛い時に辛いとは言わず、じっと耐える性格だった。
 だからこそ、自分の感情をはっきりとぶつける梓の存在は、千鶴にとって大きかった。
 梓だけは、自分や楓、それに初音のように、苦しみを自分の中だけに閉じ込めようとしないと……
 そう、千鶴はずっと思っていた………だが、彼女もやはり、柏木に生まれた女だったのだ。

「………どうしてでしょうね、耕一さん………柏木の女は、誰も彼も皆、自分で全てを背負いこもうとする」
 志保とのやりとりを思いだし、千鶴の笑みに苦いものが混じった。
「苦しい時はそう言えばいい……辛い時は泣けばいい……たった4人の家族なのに、苦しみも分かち合えないなんて、そんな悲しい事はない。
 自分だけやせ我慢をしていても、何も解決はしない……そう、志保ちゃんから教えて貰ったのよ、梓」
 力の代償に、梓が背負ってしまったモノが何であれ、千鶴もそれに付き合うつもりだった。
23木漏れ日(2):02/11/16 23:19 ID:9CBjUxLi

 森の中は、驚くほど静まり返っていた。
 木々の葉がたてる微かなざわめきの他は、小鳥の鳴き声ひとつしない。

「本当に……あなた達までいなくなったら、柏木の家を誰が支えるの……
 ……でも、ひょっとしたら……ここで、この呪われた血が途切れた方が、いいのかもしれない」
 永劫の長きに渡って、人との間で薄められてきたはずの鬼の血は、しかし、今もなお宿命の鎖で彼女らを縛る。
 生まれてくる子が男なら、内側から鬼に喰われる恐怖に慄きながら、短い生を送る。
 そして生まれて来たのが女なら、鬼に喰われる男を看取り……時にその手で殺め、宿業を背負って生きなければならない。
 次に自らが生む子の未来を想い、絶望と孤独を呪いながら。
 千鶴は苦笑を浮かべ、自分の中の暗い想像を振り払った。
 自分一人なら、ここで血を絶やすのもいいかもしれないが、それを妹達にまで強いる事はできない。
「あなた達は、生きなさい……生きて、耕一さんの分も、幸せになりなさい」

「ん……んんっ……」
 梓が小さな呻き声をもらし、苦しげにうっすらを目を開いた。
「……ここは……」
「やっと起きたのね、梓……まったく、今何時だと思ってるの? 学校があったら、とっくに遅刻してますよ」
「……?」 
 ぽかんと自分を見詰める梓に、千鶴はつんとそっぽを向く。
「何ですか、その顔は。まったく、あなたと来たら昔から考え無しで、どれだけ私が苦労したか……」
「な……なんだよ千鶴姉、人の顔見るなりいきなり……それを言うなら、あたしだって千鶴姉の世話焼きっぱなしじゃないか」
 目が覚めるなりいきなり小言を聞かされ、梓は思い切り顔をしかめた。
「大体千鶴姉は、掃除させたら何か壊すし、洗濯物は引っくり返すし、特に料理作らせたら、毒にしかなんないし」
「あれは毒じゃありません!」
 ぷうっ、と頬を膨らませる千鶴に、梓は吹き出した。
24木漏れ日(3):02/11/16 23:26 ID:9CBjUxLi

「ったく、いつまでたっても若い真似して……もう2●歳のくせに。胸だけは若い時のまんまだけどな」
「な、な、な……」
 顔を真っ赤にする千鶴に、とうとう梓は堪えきれず、大笑いする。
 憮然とする千鶴の前で、梓はひとしきり笑った後、目の端の涙を拭った。

 かつての、何も知らず、幸せだったあの頃と同じやりとり。
 梓の変容も、この島での異変も……そして、耕一の死すら無かったかのような、千鶴の振るまい。
 しかしそれが、千鶴の精一杯の強がりでしかないのは明白だった。
 梓は“力”を発揮していた時の、奇妙なまでの凶暴性は薄らいでいたが、自分がした事までは忘れていなかった。
「…………千鶴姉……心配かけて、ごめん」
 吐き出すように、低い声で囁く梓に、千鶴はふんと鼻を鳴らした。
「梓、後で会ったら、御影さんと岩切さんに謝っておきなさい。お二人には、すごく迷惑をかけたんだから」
「………うん」
「それから、初音はちゃんと無事ですよ。まったく、妹の命の恩人を追いかけるなんて……」
「………うん」
「だからいつも言ってるでしょう、行動する前に、まずよく考えて……」
「………………………うん」
 千鶴は溜息をつくと、目元をごしごし拭っている梓から、目をそらした。
「……千鶴姉」
 囁くようなか細い声に、千鶴は僅かに目を向ける。
「耕一は……もういないんだよな」
「……」
「あたしは皆を…千鶴姉達を守りたかった……それができるだけの力が欲しかった……だけど……」
「……梓」
 優しい千鶴の声に、梓ははっと顔をあげた。
「何でも一人で背負う必要はないのよ……私はあなたのお姉さんなんだから、苦しい時は、いつだって頼りになさい」
25木漏れ日(4):02/11/16 23:31 ID:9CBjUxLi

「………っ」
 梓は千鶴の膝の上から跳ね起きると、ぷいと千鶴に背を向ける。
「なんだよ……こんな時だけ、年上ぶって……」
「年上でしょう」
 千鶴はそっと梓の肩に手を置くと、微笑んだ。
「さぁ、行きましょう、梓。初音や志保ちゃん達が、先で待ってるわ」
「……千鶴姉、楓は無事なのかな」
 ふと漏らした梓の一言に、千鶴は笑みを強くする。
「何言っているの。楓はあなたの100倍はしっかりしてるわよ」
「う……」
「人の心配より、自分の心配をしなさい」
 再びやりこめられ、梓は憮然と溜息をついた。
「わかったわかった……あたしの負けだよ。それじゃ、大人しく初音の所に行くとするよ」
「ふふふ…」
 くすくすと笑う千鶴から目を逸らし、梓はしばしそのままで佇む。
 だが、肝心の千鶴は、その場から動こうとしない。
「………なぁ、千鶴姉……ひょっとして……」

 梓は険悪な表情で、じっとりと千鶴を見詰める。
 千鶴はあくまで爽やかに微笑みながら、明後日の方に視線を向けていた。
 しかし、その頬には、一筋の汗が浮かんでいる。
「初音たちがどっちに行ったのか………見てなかったんじゃないだろうな」
「……………てへっ」
 ちろっと舌を出す千鶴に、梓は思わず頭を抱えた。
「頼りに……ぜんっぜん頼りになってねぇ………」
26長瀬なんだよもん:02/11/16 23:34 ID:9CBjUxLi
【梓 目を覚ます。凶暴性は沈静化している】
【千鶴&梓 迷子】

新スレご苦労さまです。
こういう繋ぎの話は、動かすのが辛いです。
それでは、誤字脱字、修正その他ありましたら、指摘よろ。
27名無しさんだよもん:02/11/17 04:11 ID:HItBfOuG
>木漏れ日
取りあえず、千鶴さん萌え。
いや、繋ぎは苦手みたいなことが最後に書いてありますが
スゲーいいっすよ、コレ。
前半の心情描写と風景描写が相俟って
内容に悲壮さとかはあるんですが
それでも、木漏れ日のタイトル通りの、とても穏やかな印象。
この辺り、素直に上手いなあと思いました。
んで、その後の掛け合いも定番ながらいい感じ。
実は辛いのにお互い支えあってるってのも書けてますし。
やっぱりこの二人は良いコンビだと再認識しました。


>>21
うげ、そこは見逃してました。
ただそれより後の207話『そして雨の夜に』で
浩平が銃を発砲してる描写があるんですよ。
で、それ以降は特に触れられてないかな、と。
何か粘着っぽくて済みません。周りの人も引いてたらゴメン。
28名無しさんだよもん:02/11/17 16:06 ID:tIDcqCyu
>木漏れ日
つなぎの話でレス四つ使うってのは、
やはりキャラに愛情あってこそなせる技なんだろうか……。
個人的には、耕一のことだけでなく、原作のストーリー後の
柳川との交流とかも触れて欲しかった気もするが……まあそれは漏れの妄想ですまします(w


>>27
まあ、どっちかわからなければ後の書き手がそのことに触れて書けばいいんじゃ?
浩平が持っててもよし、車で事故ったときに無くしたことにしてもよし。書き手に選択権はあるわけさ。
29名無しさんだよもん:02/11/17 22:42 ID:84s72zi2
>木漏れ日
 久々の穏やか系の作品だ…サバはバトルだけでないこと思い出せたよ
 話のやり取りから、姉妹愛ってのを十分伝わったし…。でも、梓の目のことについて、もう少し触れてほしかった。
 それはそうと、仙命樹+鬼力の梓の弱点って「光」でファイナルアンサ?
30名無しさんだよもん:02/11/18 01:06 ID:3KnJjuMB
うわ、一週間ぶりにみたら五日目落ちてるし。
悪いんだけど五日目で最近動きのあったグループを教えてくれない? 被ったら悲惨すぎる……
31名無しさんだよもん:02/11/18 01:49 ID:nMdmVMPN
>>30
確か、最後の方では……

久瀬チーム(光岡を保護。次なる敵は肉食蟻)
冬弥チーム(vsヴァンパイア。たま重症、葵さらわれる)
最高チーム(イカを食いつつ真琴を保護)

って感じだったかな?
32名無しさんだよもん:02/11/18 18:12 ID:oiRxeG8m
保守
33名無しさんだよもん:02/11/18 18:50 ID:6c0D0pt7
イク瞬間のコンパニオン!肛門にまで溢れ出てくる本気汁!目線入りで10枚無料発表!
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34Project "D":02/11/18 22:01 ID:fiKij1L6
 この世界で……

 最も美しく
 最も気高く
 最も賢く
 最も猛々しく
 最も恐ろしく
 
 そして……最も強い。

 大いなるモノ

 そんな『存在』は何か、と問われれば、貴方は何と答えるか。

 彼らは答えた。

『龍』と。

 人によっては彼らを『オタク』と呼んだ。
 人によっては彼らを『科学者』と呼んだ。
 人によっては彼らを『変人』と呼んだ。
 人によっては彼らを『子供』と呼んだ。

 いずれも正しかった。

 子供の頭だけが膨れたような彼ら。だがそれゆえに純粋な夢を持ちつづけることが出来た。

『龍を。ドラゴンを。この世界最強の存在を自分の手で』
35Project ":02/11/18 22:02 ID:fiKij1L6
 単純極まりない。
 漫画で、ゲームで、小説で、そして伝説で。
 語り継がれる至高の存在。
『Dragon』
 この島でならあるいは……
 それを聞いたとき、彼らは迷わなかった。

――約一年前。研究室内。
「主任! どういうことですか!」
 白衣の研究員が、そのころは超先生と呼ばれていた人間に詰め寄る。
「……なんだね騒がしい」
「どうしたもこうしたも! あれですよ! あれ!」
 あれ、と叫びながら研究員が一つのモニタを指差す。
「竜か……ああ、あれは君たちが作ってくれたんだったな。いい出来だよ。あれなら本社を納得させることもできるだろう」
 そこには、巨体を揺らして洞窟を歩く竜の姿があった。
 ……以前、祐一と北川によって退治されたものだ。
「あれのどこがいい出来ですかッ!」
 研究員はさらに興奮する。
「あんなものは龍じゃない……ただの大きな蜥蜴だ! 体はただでかいだけ。火を吐くことすら満足にできない。
 空も飛べないしその鱗は脆く銃を使えば簡単に殺される!
 そんなものを実用化して、リアルリアリティなんて呼べるんですか!?」
「だったらどうだというんだ」
 さもつまらなさそうに超先生は返事をする。
「時間をください。時間を! あと一年……いや半年! 半年あれば創りあげて見せます、完璧なる龍を、ドラゴンを!
 伝説にある最強の生物を! 人を遥かに超える知性を! 空を駆け巡る大いなる翼を! 一息で軍団を滅ぼすブレスを!
 全てを兼ね備えたドラゴンを! 私たちが!」
 聞いている間に、次第に超先生の顔が赤くなっていく。
「黙れ!」
 そして一喝。
「我々にはそんな時間も予算も残されていない。一刻も早く本社を説得し、真のRRを完成させなければならないんだ!」
「だいたいあなたの言うRRとはなんなんですか! 今あなたのRRと私のRRが一致しているとは到底考えられない。
 私は『真なるリアリティ』その言葉に惹かれ、あなたの下へ来た。だが……今のあなたの目的は違う! あなたは一体何を考えているんだ!?」
36Project "D":02/11/18 22:04 ID:fiKij1L6
「黙れ! 黙らないか! いい加減にしないと、お前のIDを抹消するぞ!」
「……ッ!」

―――ID抹消。それは、ここにおける自分の存在の否定と同義。
―――失職どころか、下手をすれば命すら危ぶまれる。

 自分の人事権を持つ上司にその台詞を言われてしまっては、一介の研究員が反論できる余地がない。
「……自分の身が大切なら、己の分をわきまえることだ」
 言い残し、超先生は自分のオフィスへと戻っていった。

 しかし『彼ら』は諦めなかった―――
 超先生の目を盗み、島の全システムから独立させ、誰にも気付かれることなく作業を続けた。
 何度となく行き詰まったが、彼らの熱意――夢。それが不可能を可能にさせた。
 そして……どこからかもたらされた(魔獣や不死者の製造を可能とさせた)『魔道技術』、それすら彼らは利用し、作業を続けた。

――超先生も、己の狂気に踊らされ、部下の思惑に気付くことはなかった。
――結局は……『似たもの同士』。そういうことだった。

 やがて……
「……完成だ……」
 海底深くに設けられた秘密研究室(余談だが、龍シンパは『玉座』と呼んでいた)
 研究員たちの目の前には、海溝を利用して作られた巨大な水槽が設置され、その中に小さな小さな……
 タツノオトシゴと見まごう程小さな……『龍の仔』が浮かんでいた。
「『彼』は数ヶ月間眠りつづけるだろう」
 誰にともなく、ドラゴン一派の長―――超先生に詰め寄った研究員が呟く。
「伝説にあるドラゴンの能力(ちから)。彼はそれらを全て手に入れるだろう。
 力……力だけではない。知性も、人間を超えるそれを手に入れるだろう」
 その瞳は理性も狂気も孕んでいなかった。
 その瞳に映るものはただ一つ……幼き日に見た『夢』が具現化した姿。
37Project ":02/11/18 22:06 ID:fiKij1L6
「惜しむらくは彼の命。彼が目覚め、動き出したその後は……新陳代謝が、自身の体を支えることは出来ない。
 半月もすれば彼の体は腐り落ちるだろう。
 ――だが、私の興味は尽きない。彼の人知を超えたその知性が。その力が。いかなる選択をし、いかに生き、いかにその短き命を終えるのか。
 私は今まで、これだけを求めて生きてきた……」
 愉悦の表情で目の前に浮かぶ『彼』を見つめる。
「ああ、楽しみだ……彼が目覚めるその姿。早く見てみたい―――」
 至福の中に落ちていく研究員だが、一つの問題を思い出した。

「――そうだ。大切なことを忘れていた。
 名前だ。彼にはまだ名前が無かった。
 彼に名前をつけなければ。そうだな―――」

『彼』のことを。
 ある者は『竜王』と呼んだ。
 ある者は『ドラゴン・ロード』と呼んだ。
 ある者は『マスタードラゴン』と呼んだ。
 ある者は『神龍(シェンロン)』と呼んだ。
 だが―――

「そうだな……ここはやはり、万人が納得する名前……このプロジェクトの名前を使おうかと思う。
 彼の名は、『D』、最強の龍……その名は『ディー』だッ!」

 ……だが、彼らがディーの成長した姿を見ることは出来なかった。
 暴走した超先生……彼により解き放たれた異形の怪物たち。自分たちの創り出した化物たち。
 その手にかかり、彼らは命を落とした……

 賢者は黙して語らず。
 龍はただ眠る。目覚めの時は近い―――

【海底秘密研究室 超先生の手からも独立】
【竜王ディー 巨大水槽の中で静かに眠る】
38by R.E.D.:02/11/18 22:08 ID:fiKij1L6
 というわけでした。
 ラスボスに、脱出手段に、島の崩壊に、あるいは参加者側の対朝鮮製用の切り札に使えると思います。
 その辺は後の書き手さん次第ですけど。
 現在ディーはまだ『中立』です。参加者、朝鮮製、ユンナ、天界のいずれにも属していません。
 最初に会う人間がキーでしょうか。やっぱり後の方次第ですけど。

 ストーリの根幹に関わる部分ですので、NGか否かは慎重にお願いします。
39名無しさんだよもん:02/11/18 22:23 ID:MAMjzs29
うーん、こういう無敵に近い存在は微妙な線ですな。
半月間しか生きられないって事は、逆にいえばサバ中に死ぬことはないって事だし。
パワーバランスが崩壊してしまうかもしれん。
しかしそういう存在を見てみたい気もするしなあ。
40名無しさんだよもん:02/11/18 22:52 ID:ovkBhcUA
微妙だな……今の面子で海底に行く必要があるチームがいないw
41名無しさんだよもん:02/11/18 23:09 ID:JtRSZdKV
>>38
……っていうか、まだこんなマネするヤツがいるとはな……

「本文で全く書いてないことを後付けレスで説明する」
これがどんなに頭が悪い行為か理解できるか?
自分の文章力の無さを自分で露呈してるって気付いてるか?
他人の想像力を縛るだけの、設定厨まがいの行動だってわからないのか?

もう少し考えてモノを書こうや。なぁ。
42R.E.D.:02/11/18 23:14 ID:AtnfBKGZ
>>41
確かにそうだ……すまん。
43名無しさんだよもん:02/11/19 01:52 ID:Df5Lxudf
後付け説明とか、ユンナの伏線とあまり関係ない辺りとかが少々残念ではるけど、
まあ、別にNGを唱える理由もないです。

無敵とは言っても、内容次第でどうにでもなるのがリレーだし。
44名無しさんだよもん:02/11/19 12:08 ID:IOp2kMsK
いいんじゃない?
これで選択肢に「全滅」というものも含まれて、より広がりのありそうな展開になるような気がする(w
45名無しさんだよもん:02/11/19 23:29 ID:7Sox00I8
最強のドラゴンね。
新陳代謝がどうのこうのだから、激しい戦闘になれば早死にするとかでいいんじゃね?
欠陥品みたいだし。
完全体になる前に出てきてアボーンとか。(ナウシカの巨神っぽ)

中立って後付けは……どっちにしろあとの書き手が自由に出来そうな話だしいいでしょ。

しかし、この作品大風呂敷広げすぎだよなぁ。
書き手頑張ってな。
46名無しさんだよもん:02/11/20 01:37 ID:T2jxPRyz
閉じること考えてる書き手頑張れ!
広げるのは楽で楽しいが、そんな書き手はそろそろ…(以下略)
47狂気の天使:02/11/20 02:37 ID:T2jxPRyz
「あら……お目覚めかしら? ルミラ」

 ルミラはどうやらいつのまに気を失っていたらしい。
 顔をあげると、そこはまたあい変わらず、薄暗い室内。
 自分を戒め、魔力を吸い取るこのいまいましい装置もそのままだった。
 そして、ルミラの前に立ち、狂気を秘めた瞳でルミラを見下ろす影も。

「…………貴方……狂ってる……」
「あら、しばらく装置を止めていただけでもう減らず口を叩けるようになったのかしら?」

 その影、ユンナの言葉通りに、しばらく前から装置は止まっていたらしい。
 もっとも、それは慈悲の心からではないだろう。
 自分を殺さないで、極限までしぼりとるためにしばらく休ませる必要があった、それだけだろうと、ルミラは分かっていた。
 しかし、体力の戻っている今ならせめて、ユンナを説得できるかもしれない。
 ……せめて、何か情報を聞きだせる可能性がある。
「ユンナ……1つ…聞かせて欲しいんだけど……」
 ルミラはそれにかけてみることにした。
「あら、その状態で何を聞き出すつもり? まぁいいわ、何も知らないまま死ぬのも淋しいでしょうしね」
 ユンナはそう言うと立ち上がり、横にあったテーブルの上から1つ、柑橘系の木の実を手にとり、ルミラの口に押し込んだ。
「喉が乾いて話をするのも大変なんでしょう? サービスよ」
 口の中に柑橘類独特の香りが広がる。
 本音を言えば、これを食べるのは屈辱的なことだった。
 が、今はあえてその屈辱をうけ、自分の体力を少しでも回復させる手立てとして、その果実をゆっくりとかじる。
 口中に酸っぱい味が広がり、僅かながら喉の乾きがうるおう。
 そして、ゆっくりとそれを飲み込んでから、もう一度口を開く。
48狂気の天使:02/11/20 02:38 ID:T2jxPRyz
「……貴方、前に言ったわよね。私の 魔力をつかって天界へのゲートを開き、この島のモンスターを雪崩れ込ませる、だったかしら?」
 ユンナを見上げるが、微笑を浮かべたまま、何も言わない。
「でもおかしいわよね。この島のモンスターごときでどうにかなるほど天界はヤワじゃない。それに……」
 台座に美しく燃える、魂の炎に目をやる。やはり、先にみたときよりも、炎が大きくなっている。
「それだけなら、人間の魂はいらない。仮にあなたがその魂を食らったとしても、天界をどうにかできるほど甘くはない…」
 もう一度、ユンナの顔を見つめる。
 ユンナはやはり、微笑を浮かべたまま、ルミラを見つめている。しかし、先程よりも何か、楽しそうに。
 そして、ルミラから目を放すと、軽く小さなため息とともに、口を開く。

「さすがに……なかなかの洞察力だわ」
 腕を組み、カツ…カツ…と乾いた音を立て、ゆっくりと部屋を歩く。
「その通り。確かにここの魔物ごときでは天界は微動だにしないし、こんな魂だけでは私も何ができるわけでもない」
「なら、なら何故こんなことを!」
 ルミラの興奮した声が部屋に響く。
 が、ユンナは静かに、魂の炎の前に立ち止まり、そして更に静かに、口を開く。

「超先生が、何故こんな島を選んだのか、あなたには分かるかしら? ルミラ」
 突然の問い。
 ルミラは超先生という存在自体、聞いてはいるが面識も無い。答えられるはずもない。
「たしかに、場所も気候も、超先生の求めていたものに近かったのかもしれない。でも、問題はそんなことじゃないのよ……」
 愛おしそうに、魂の炎を、手で、撫でる。
「超先生は、この島に狂わされた。この島……いや、厳密にはこの島の地底深くに眠る封印、にね」
「ま……まさかあんた……」
 ユンナが、ルミラを振り返り、ニヤリと笑う。
「もし……冥界の門がこの島にあったら。そしてそれと天界を繋ぐゲートを作ったら。……面白いことになるわよね」
 ルミラは言葉がでなかった。
 彼女が言っていることは、ルミラにとって、たわごと以外の何者でもなかった。本当かどうかすら、判断もつかない。
 しかし……彼女の、目。
 その狂気だけは、揺るぎない真実だった。
49狂気の天使:02/11/20 02:39 ID:T2jxPRyz
「あとは、私がその封印を破る力を得れば、それで済むわ」
「ぐ……や…やめ………ぁァァッ!!」
 ユンナは再び、装置を起動させて。
 そして、誰に言うでもなく小さく呟く。

 参加者たちの魂、怪物たちの魂。
 そして、科学者たちの狂気が産んだ、私へのプレゼント。
 地下に眠るあれの魂さえあれば……。

 ユンナの心は、地下に眠る、巨大な光を放つ魂をみつめていた。


【ルミラ、ユンナの潜む塔の一室。魔力を吸い取り溜め込む装置に繋がれていて身動きが取れない】
【ユンナ、ドラゴンの魂に目をつけている】
50名無しさんですもん:02/11/20 02:42 ID:T2jxPRyz
今までの伏線をどうにかまとめて、出来るだけ違和感の無いようにしてみたつもりです。
ユンナの目的、今までの発言が微妙にチグハグだったので、これならまとまったと思います。
うむむ、でもちょっと無理矢理だったかも……。
51名無しさんですもん:02/11/20 02:44 ID:T2jxPRyz
あわわ。
なんてことはない修正ですけど、

> ユンナはそう言うと立ち上がり、横にあったテーブルの上から1つ、柑橘系の木の実を手にとり、ルミラの口に押し込んだ。

の、"立ち上がり"を消去して欲しいです。もとから立ってました(汗
52名無しさんだよもん:02/11/20 13:10 ID:e+STrvvI
>新作
うん。超先生が狂った理由とかもおかしくないし。
上ででたドラゴンにもうまく関連づけてあるし。
まあ、いいんじゃないかと思うが。

本音を言えばこれ以上天界うんぬんの設定を出すのはやめてほしい罠。
天界の連中とやらのNPCは、正直話的につまんないしな〜。
今後のキャラ主体の動きに期待。
53名無しさんだよもん:02/11/20 16:56 ID:NTlk17lw
>新作
うまくつないではいるけど、なんかサバイバルっぽくない。
超先生には島に狂わされたとかじゃなく、自分の意志(RR)を
つらぬきとおして欲しかった。
逆に島のほうがおまけのような感じで
54名無しさんだよもん:02/11/20 17:40 ID:FPsbHCid
右に同じ。
どうも、ここ最近は大きな話が続いてるけど
ここまで来ると、読み手と共に大半のキャラが
どっかに置いてかれたとでもいうか、何かが違う気がする。
一般人でも上手くやれば生き抜けそうで
異能の者でも下手すれば死んじゃうよ
ぐらいのバランスが良かったんだが。

まあ、書き手の自由ってのは分かってるけど
一読み手の意見としてでも聞いておいて下さい。
55名無しさんだよもん:02/11/20 18:34 ID:WwSiqvSr
ユンナが天界を滅ぼすような野望を語り、天界の一角とかが暗躍しだした時点で、こういう形(キャラおいてけぼり、話がでかすぎ、等)でツケが回ってくるのはわかっていたことだし。
それについてはこの書き手を責めてもしかたないと思うが。

個人的にはユンナとか天界とかの広がりすぎた話に歯止めがついて、ほっとしている。
まぁ歯止めがつくのが遅すぎた感はあるが。
56名無しさんだよもん:02/11/21 00:39 ID:IZQlfDkl
ってゆーかもうサバイバルじゃない気がする。
57名無しさんだよもん:02/11/21 01:31 ID:M4E8snq5
>>56
マジレス、それは公開二日目あたりで気づくべきだと思うぞw
58名無しさんだよもん:02/11/21 01:43 ID:4TWOPaLh
元ネタが漂流教室とかならまだしも、ジュラシックパークではsurvivalにはなりえまい。

……スペルは自信無し。
59名無しさんだよもん:02/11/21 02:37 ID:KqdBkHJp
もはやサバイバルじゃかったはかなり前の話からだしなぁ。
今までユンナとかなんだとかは広げるだけ広げて【詳細は不明】で逃げてたけど、
今回の新作ってそれのしりぬぐいだもんな。書き手の人には悪いが。
60名無しさんだよもん:02/11/21 02:41 ID:Zg50N1S7
61名無しさんだよもん:02/11/21 03:32 ID:fl+F0GN2
そもそもサバイバルだったら鬼連中とか死なんしな。
まあしゃあないのかも。
62名無しさんだよもん:02/11/21 11:46 ID:I9KD/lGn
雀鬼キャラってなんで出てきたんだっけ?
63名無しさんだよもん:02/11/21 17:39 ID:2hC4sEbp
保守
64名無しさんだよもん:02/11/21 17:54 ID:yaMvVzG4
そうか、保守で出てきたのか。
教えてくれてありがとう。
65名無しさんだよもん:02/11/21 22:31 ID:NlP3XmUl
鯖じゃねえっ!
66名無しさんだよもん:02/11/22 03:19 ID:yaEKLW6q
葉鍵板がすごいことになってるので一応保守。
67山崎渉 ◆yGAhoNiShI :02/11/22 04:17 ID:o42ucSrD
(^^)
68山崎渉 ◆yGAhoNiShI :02/11/22 04:17 ID:Km0DqYgM
(^^)
69名無しさんだよもん:02/11/22 20:11 ID:1QHWL/NV
70名無しさんだよもん:02/11/23 17:45 ID:fXo7+j/8
保守
71想いの重さ(1/3):02/11/23 20:45 ID:3xAz6d/m
 和樹に背負われた彼女…みちるという名の少女は、南達の待っている場所へ帰る途中、ぽつりぽつりと昨夜のことを語り始めた。
 美凪のこと、聖のこと、真希や留美、繭のこと、襲ってきた女戦士のこと、その声に覇気は無いが、しっかりと和樹達には伝わった。
 全てを語り終えると、ほっとしたのかそれとも疲れからか、みちるは和樹の背の上で寝てしまった。
「大志…今の話、信じられるか…?」
 和樹は正直、みちるが語った美凪と言う部分に半信半疑であった。
「信じるしかなかろう…。嘘を言ってるとも思えんしな…」
「でも…真実だとしたら、この子は美凪って子が聖って奴に殺されたことを認めることだぞ」
 歩きを進めながら、いぶかしげな表情をする二人、そこに舞が口を挟んだ。
「…この子は平気…全てを受け入れている」
 更に舞は続ける。
「人の想いを背負っている分、くじけはしない…」
 その言葉に男二人は何も言えなかった。
(…想い…か…、俺はこれから誰の想いを背負うのだろう…)
 和樹はふと空を見上げた、しかしそこには我関せずといわんばかりの雨上がりの空を浮かべているだけだった。
「同士・和樹よ……同士・由宇の死で何を思ったのかは知らんが…」
 唐突な大志の台詞と『由宇の死』という言葉に和樹は大きく反応してしまう。
「…お前らしくないぞ…」
「!!」
「気分を軽くすれば、忘れられると思ったのか?」
「お前に…お前に何がわかる!」
 あっさりと核心を突かれてしい、和樹は頭に血が上ってしまった。
「由宇はなぁ…、半分俺に殺されたようなものなんだぞ…!それを…」
「黙れ!貴様だけが辛いのではないのだ!それだったら、南女史や同士・詠美はどうなる!このみちるという小娘も別れてきたばかりなのだ!」
「……」
 物言いたげな表情で和樹が唇を噛む。
(…ここまで言えば、もう何も言う必要無い)
 一方、後方を歩いていた舞はこのやりとりを聞き流していた。
 唐突に大志が和樹から顔を背け前方を向き歩きを早めた。
「辛いのは貴様だけでなく、皆辛いのだからな…」
 その時の彼の特徴的な前髪で隠れた表情は、誰も窺い知ることはできなかった。
72想いの重さ(2/2):02/11/23 20:46 ID:3xAz6d/m

 普通に歩くには辛い急な坂を3人は無言で慎重に下っていた。
 先頭を歩く大志に、彼に続く舞、彼らの歩いた軌道をみちるを落とさないようにゆっくりと歩く和樹。
 先程のやりとりで、3人とも何かを思うところがあったのか長い間無言を続けている。
 その重たい沈黙を破ったのは、前方から必死に駆け上ってくる佐祐理の姿だった。
「舞!」
 その表情からは、ここまで全速力で昇ってきたのだろう、彼女の顔にはびっしりと汗が浮かんでいた。
「佐祐理、何があった?」
「武器を持った、モンスターが…」
 息をあがった状態で、佐祐理やっと言葉をだす。
 しかし、佐祐理が言葉を終わらせないうちに舞は全力疾走を開始した。
 大きく繁っている森、それも下り斜面をもろともせずあっという間に舞の姿が遠ざかる。
「マイ同志!我輩も行く!彼女達を頼む!」
 未だに事態を把握してない和樹を置いて大志も舞の後を追った。

【瑞希・南・詠美・佐祐理。武装したモンスターと遭遇。佐祐理、逃走成功】
【舞・大志。残りの3人の救援に向かう】
【和樹、みちると佐祐理の護衛】
73R1200:02/11/23 20:59 ID:3xAz6d/m
場繋ぎに近い話になってしまいましたね…すいません。

大分遅いレスになってしまうのですが。
ユンナの野望を作った話(心理戦)の部分なんとか変更できないでしょうか?

ユンナの「天界でトップになれば、私とウィル二人だけの世界が作れ、願いも叶う」
という部分を『ドラゴンに目をつけていて、それには大量の魂が必要』といった内容に編集して…
麗子の「貴方はさっき『私とウィルの二人だけの世界』と言った、つまり仮に手を貸したとしても用が済み次第、私を殺し、全人間も殺すということよ」
という部分を『ユンナの野望に対する、要望を断る理由』に編集すれば話の矛盾が無くなると思いますが、どうでしょうか?
74名無しさんだよもん:02/11/23 21:20 ID:2vDPfaM4
後の都合で前を改変しようと?
75名無しさんだよもん:02/11/23 21:55 ID:rBVTIEPq
あくまでも編集です。何ら問題はありません。
76名無しさんだよもん:02/11/24 00:37 ID:BUogPdv5
本気で言っているのか?
77名無しさんだよもん:02/11/24 02:25 ID:VPrQ4I5r
ユンナがいってること矛盾だらけなのは今にはじまったことじゃないし、それを1つ2つ修正したところで。
まぁそれに意見を出さないまま、後々になって「話がでかすぎる」「矛盾している」と言い出すのがここの読者の特徴わけだが。

人に文句いうの好きなんだよな?
78名無しさんだよもん:02/11/24 05:51 ID:wblkGmGO
人間なんてそんなもんだよ。

79名無しさんだよもん:02/11/24 23:03 ID:bL7SVIBY
まぁまぁ、マターリしる!

>想いの重さ
大志が渋いなぁ。
ただ、やっぱり和樹の方が人間味があって、感情移入しやすいかもしれない。
この状況じゃあ、落ちつけと言われても難しいしねぇ。
しかし、武装したモンスターとは、一体なんなのでしょうか?
戦力になるのは、舞ぐらいだろうし……

編集については、まぁ過去は過去として、多少強引でも作品の中で辻褄を合わせた方が
いいかもしれないと思ったり。
80雅也 ◆yGAhoNiShI
俺はスコールよりかっこいい中3なんだけど、
うちの学校にすげーユウナに似てる女子がいるんだ。
うらやましいだろ?