そこへ繋げますか……ルーツで変わり果てた長瀬の姿を見たあと
だけに展開が気になります。
俺はあの長瀬もそれなりにいいと思うけどな。
スレ違いなのでsage
否、気の所為では無い、光量は愈愈もつて増して行き、指の隙間から漏れる光彩は
万華鏡を覗ひてゐるかのやうな感覚を抱かせてゐる。そして一際激しい閃光が
二度三度したかと思ふと、この妖しげなる儀式は終了したやうであつた。
収束の後には、手に何かを持つたスフィイが居たのであるが、おれは其処に居る
スフィイに違和感を覚へた。確かにスフィイではあるのだが、ひと回はり縮んだ
やうにも見える。はてなと思つて良く見ると、着物の袖は長過ぎて通ほす事が
出来てゐないし、短く切つた筈の裾も、膝上の辺りまで隠れるやうになつてゐる。
そして何よりもその顔付きであり、元元童顔であつたものが、最早幼いのひと言でしか
片付けられぬやうな面構へとなつてしまつてゐるのだ。
間違ひ無い、先刻までのスフィイは、おれがたつた今までこの眼でとらへてゐた
スフィイは、紛れも無く子供から大人へと移ろひ行く過程にある少女の身体であつた。
しかし今、おれの眼の前へに居るのは、身体の凹凸も無く、背丈もおれの胸ほどしか
無い、子供の身体に過ぎないスフィイである。
己の身体の異状に気付ひたスフィイは、かのやうな事態に成る事を予ぢめ予測して
ゐたのか、だぶだぶになつてしまつた着物の袖を捲くると、自嘲気味に笑つた。
驚ろきで声も出ないおれに、スフィイは手の中にある物を渡す。
それは小さな鞠であり、スフィイに因ると、この鞠を弾ませると、探し物や失せ物の
ある方角へと跳ねるやうな呪なひが掛かつてゐると言ふ。
眼の前へで信ぢられぬやうな光景を見た後と云ふ事もあつて、おれは取り敢へず
これに賭けてみる事にした。
ふたたび四人で連れ立つて探訪に戻つたのであるが、意外な事に、スフィイの
変化に対ひしてみどりさんも長瀬さんも全く注意を払つてゐないのだ。
訝しむおれにスフィイが、これも呪なひの一種である、と小声で説明を入れる。
最早おれごときが何をか言はんやである。既に今日と云ふこの一日で、おれの
価値観と言ふやつは粉粉になる寸前なのだ、あるがまヽを受け入れるほかあるまい。
兎も角、おれはこの鞠の跳ねる先に従つて歩みを進める。傍から見てゐるとまるで
子供の遊びのやうであるので流石に気恥ずかしさは隠せず、スフィイを先頭に
立たせて、おれは後から続く。みどりさんや長瀬さんも、口にこそ出さぬものの、
何事が始まるのかと怪しみつヽも従ふ。
ひたすら鞠を突きつヽ一刻も歩くと、民家が少なくなり、町中から外れて行つて
しまふのが見て取れた。このやうな所に掘り出し物などあるものか、とスフィイを
問ひ詰めてやらうとした時、スフィイの足が止まつた。
453 :
100円:03/03/26 23:49 ID:iKwO8Er4
スフィーエンドのヨカーンw
キタイsage
漸く着ひたのかと見た先には、たヾのぼろ家があるに過ぎなかつた。
スフィイの反応を待つが、自信の無ささうな顔が返へつて来るだけである。
試みに家の中を覗ひて見たものの、打ち捨てられたあばら家らしく、人臭さの
欠片も感じられぬ。
スフィイの言葉を端から信用してゐたと云ふ訳でも無かつたのであるが、
若しかしたらと云ふ期待があつたのも強ち間違ひとは言ひ切れなかつたので、
余計に落胆も激しかつた。
一言文句でも言つてやらねば気が済まぬとスフィイに向かつた時、みどりさんが
あッ、と声を上げた。見ると、家の前へに消え掛けた文字で古物商と書かれた
看板があるではないか。
これで一応、スフィイに妖しげなる力が有る事が、辛らうじて証明された訳であるが、
さて問題は、例へここに途方も無い掘り出し物が隠されてゐるとしても、
無断で押し入つて好き勝手に漁つて良いと云ふ道理は無いと云ふ点であり、
兎に角、家の所有者を探さねばなるまいなどとおれが考へてゐる内に、
何時の間にやらスフィイが扉を開けて御免下さいと奥に向かつて大声を
張り上げてゐる。図図しくも土間にまで入り込んで家に上がり込まんとするのを、
保護者たらんとするおれは慌てて引き戻す。
ふとその時、奥に広がる薄暗闇の中に小さな影が動ひたやうに見えた。
思はず誰何の声を上げたおれであつたが、他人の家に勝手に入つて置きながら
言へた義理ではないと、自分に苦笑ふ。
現はれたのは一人の小柄な老人であり、髪も髭も伸ばし放題で、言つては
悪いが薄汚いと云ふ表現が良く似合ふ。心無しか、面影が骨董祭で時折出会ふ
老人に似てゐるやうな気もする。
とまれ、往訪の目的を告げ、骨董を見せて欲しいと頼み込むと、老主人は
重さうな瞼を吊り上げ、おれを値踏みするかの如くじろじろと眺めてゐたが、
ふんと鼻を鳴らすと家の奥へと手招きした。店先には骨董らしき物が無いと
思つてゐたら、だうやら表から見える所には置ひてゐないやうだ。
幾つもの通路と錠の掛かつた扉を抜け、奥の間へと進んで行くが、店全体としては
異常な程広く、階段を降りた所から察するに、地下に部屋があるものと思はれた。
ふと、長瀬さんが殊更に険しい表情になつてゐる事に気付ひたが、この時の
おれは特別に気に留めてゐない。
最後に、二重三重に錠が掛かつた扉をくヾつて、漸やく目的地らしき部屋に
辿り着ひたのであるが、この時点で何かおかしいと気付くべきであつたのだ。
部屋の中は薄暗く、裸電球が一つか二つ灯されてゐるきりである。
しかし、だだッ広い空間が広がつてゐる事は、何となく気配で分かつた。
そして配されてゐる美術品の数数が、儚い灯りの中に微かに浮かび上がつて、
その光景はさながら夜半の博物館である。
これならばおれの求めてゐるやうな物もあるやも知れぬと思つた矢先に、
二三の美術品を見てゐた長瀬さんが怒気を含んだ声で荒荒しく叫んだ。
これは贋作です、と。
>>453 私も自分で書いていて、そうなる予感がしてきました(w
しかし、新しいイベントが欲しいと思って調子に乗って書いていたら、
ちょっと長くなり過ぎましたね……。
みどりシナリオってCG枚数少ないのな……
長くなってもぜんぜん無問題です。
保守です
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